(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128677
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】積付位置計画装置、積付位置計画プログラム、および積付位置計画方法
(51)【国際特許分類】
B65G 57/03 20060101AFI20230907BHJP
B65G 1/137 20060101ALN20230907BHJP
【FI】
B65G57/03 G
B65G1/137 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022033199
(22)【出願日】2022-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】小熊 祐司
(72)【発明者】
【氏名】松本 拓哉
【テーマコード(参考)】
3F029
3F522
【Fターム(参考)】
3F029AA01
3F029BA01
3F029CA00
3F029DA01
3F522BB01
3F522CC03
3F522GG13
3F522GG45
3F522KK03
3F522LL12
3F522LL32
3F522LL34
(57)【要約】
【課題】多種類の荷物を、効率良く且つ安定した状態で積み付けるための積付位置の計画情報を生成する、積付位置計画装置、積付位置計画プログラム、および積付位置計画方法を提供する。
【解決手段】積付位置計画装置1は、ブロックパターン情報生成部22と積付位置決定部25とを備える。ブロックパターン情報生成部22は、積付位置決定処理対象の複数物体に対応する複数のアイテム情報を組み合わせて構成した、幅、奥行き、および高さそれぞれの差分が所定値以下のブロックパターン情報を生成する。積付位置決定部25は、生成したブロックパターン情報を、積付先の容器情報内の所定位置に割り当てることで、ブロックパターン情報を構成するアイテム情報に対応する物体の容器内における積付位置を決定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された積付位置決定処理対象の複数物体それぞれに関する大きさを含む情報を、各物体に対応するアイテム情報として取得し、入力された積付先の容器の大きさの情報を容器情報として取得する入力情報取得部と、
前記入力情報取得部で取得した情報に基づいて、複数のアイテム情報を組み合わせて構成した、幅、奥行き、および高さそれぞれの差分が所定値以下のブロックパターン情報を生成するブロックパターン情報生成部と、
前記ブロックパターン情報生成部で生成したブロックパターン情報を、前記容器情報内の所定位置に割り当てることで、前記ブロックパターン情報を構成するアイテム情報に対応する物体に関し、前記容器内における積付位置を決定する積付位置決定部と、を備えた積付位置計画装置。
【請求項2】
前記ブロックパターン情報生成部は、前記入力情報取得部で取得した前記複数物体の大きさの情報に基づいて、高さの差分と、幅もしくは奥行きの差分とが所定値以下の複数のアイテム情報を水平に並べて構成したブロックパターン情報、または、幅および奥行きの差分が所定値以下の複数のアイテム情報を高さの差分が所定値以下になるように積み重ねた複数のブロックの情報を水平に並べて構成したブロックパターン情報を生成する、
請求項1に記載の積付位置計画装置。
【請求項3】
前記ブロックパターン情報生成部で生成されたブロックパターン情報を記憶するブロックパターン情報記憶部と、
前記積付位置決定部により積付位置が決定された物体に対応するアイテム情報を用いたブロックパターン情報を前記ブロックパターン情報記憶部から削除することで、前記ブロックパターン情報記憶部内の情報を更新するブロックパターン情報管理部とをさらに備え、
前記積付位置決定部は、いずれかの物体の積付位置を決定した後、前記ブロックパターン情報管理部により更新された前記ブロックパターン情報記憶部内から選択したブロックパターン情報を前記容器情報内の所定位置に割り当てることで、さらに、当該ブロックパターン情報を構成するアイテム情報に対応する物体の前記容器内における積付位置を決定する、請求項1または2に記載の積付位置計画装置。
【請求項4】
前記ブロックパターン情報生成部は、前記積付位置決定部によりいずれかの物体の積付位置が決定されると、前記入力情報取得部が取得したアイテム情報のうち、積付位置決定処理が未実行のアイテム情報に基づいて新たなブロックパターン情報を生成し、
前記積付位置決定部は、いずれかの物体の積付位置を決定した後、前記ブロックパターン情報生成部で新たに生成されたブロックパターン情報を前記容器の情報内の所定位置に割り当てることで、さらに、当該ブロックパターン情報を構成するアイテム情報に対応する物体の前記容器内における積付位置を決定する、請求項1または2に記載の積付位置計画装置。
【請求項5】
前記ブロックパターン情報生成部は、前記積付位置決定部がいずれかのブロックパターン情報を前記容器情報内の所定位置に割り当てていずれかの物体の積付位置が決定されたことにより、前記容器情報内に、前記ブロックパターン情報生成部により生成されたいずれのブロックパターン情報も割り当てることができないデッドスペースが生じた場合に、前記入力情報取得部が取得したアイテム情報のうち、積付位置決定処理が未実行のアイテム情報に基づいて新たなブロックパターン情報を生成する、
請求項4に記載の積付位置計画装置。
【請求項6】
コンピュータに、
入力された積付位置決定処理対象の複数物体それぞれに関する大きさを含む情報を、各物体に対応するアイテム情報として取得し、入力された積付先の容器の大きさの情報を容器情報として取得する機能と、
取得した情報に基づいて、複数のアイテム情報を組み合わせて構成した、幅、奥行き、および高さそれぞれの差分が所定値以下のブロックパターン情報を生成する機能と、
生成したブロックパターン情報を、前記容器情報内の所定位置に割り当てることで、前記ブロックパターン情報を構成するアイテム情報に対応する物体に関し、前記容器内における積付位置を決定する機能と、を実行させる積付位置計画プログラム。
【請求項7】
積付位置計画装置が、
入力された積付位置決定処理対象の複数物体それぞれに関する大きさを含む情報を、各物体に対応するアイテム情報として取得し、入力された積付先の容器の大きさの情報を容器情報として取得し、
取得した情報に基づいて、複数のアイテム情報を組み合わせて構成した、幅、奥行き、および高さそれぞれの差分が所定値以下のブロックパターン情報を生成し、
生成したブロックパターン情報を、前記容器情報内の所定位置に割り当てることで、前記ブロックパターン情報を構成するアイテム情報に対応する物体に関し、前記容器内における積付位置を決定する、積付位置計画方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、積付位置計画装置、積付位置計画プログラム、および積付位置計画方法に関する。
【背景技術】
【0002】
物流システムにおいては、パレット等の容器に複数個の荷物を積み付けて移動させることで、効率良く荷物の搬送を行っている。その際、パレットに対して単一種類の荷物を積み付ける単載を行うとは限らず、複数種類の荷物を積み付ける複載を行う場合もある。単載の場合は、予め好適な荷物の積付パターンを決めておくことで、複数のパレットに対してこの積付パターンで効率良く積付作業を行うことができる。しかし混載の場合は、荷物の種類や数によって好適な積付パターンが異なるため、パレットごとに荷物の積付位置計画を行う必要がある。
【0003】
混載の積み付け作業は、主に作業員が荷物の種類や数を認識して試行錯誤することで行っているため、積付位置計画の優劣や作業時間が作業者によって異なる、試行錯誤を伴う作業を行うことで荷物が劣化したり破損したりする恐れがある、などの問題点がある。
【0004】
これに鑑み、パレットに対する荷物の積付位置計画を自動算出する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。この技術では、積み付け対象の荷物の種類に基づいて、パレットに複数種類の荷物を混載するための各荷物の積付位置を算出する。この技術を用いることで、パレットに複数種類の荷物を混載する場合に、効率良く積み付け作業を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述した技術は、積み付け対象の荷物の種類が少ない場合を前提として考案された技術であり、荷物の種類が多い場合には演算工程が煩雑になり、適用し難いという問題があった。
【0007】
本開示は上記事情に鑑みてなされたものであり、多種類の荷物を、効率良く且つ安定した状態で積み付けるための積付位置の計画情報を生成する、積付位置計画装置、積付位置計画プログラム、および積付位置計画方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る積付位置計画装置は、入力された積付位置決定処理対象の複数物体それぞれに関する大きさを含む情報を、各物体に対応するアイテム情報として取得し、入力された積付先の容器の大きさの情報を容器情報として取得する入力情報取得部と、前記入力情報取得部で取得した情報に基づいて、複数のアイテム情報を組み合わせて構成した、幅、奥行き、および高さそれぞれの差分が所定値以下のブロックパターン情報を生成するブロックパターン情報生成部と、前記ブロックパターン情報生成部で生成したブロックパターン情報を、前記容器情報内の所定位置に割り当てることで、前記ブロックパターン情報を構成するアイテム情報に対応する物体に関し、前記容器内における積付位置を決定する積付位置決定部とを備える。
【0009】
前記ブロックパターン情報生成部は、前記入力情報取得部で取得した前記複数物体の大きさの情報に基づいて、高さの差分と、幅もしくは奥行きの差分とが所定値以下の複数のアイテム情報を水平に並べて構成したブロックパターン情報、または、幅および奥行きの差分が所定値以下の複数のアイテム情報を高さの差分が所定値以下になるように積み重ねた複数のブロックの情報を水平に並べて構成したブロックパターン情報を生成してもよい。
【0010】
前記積付位置計画装置は、前記ブロックパターン情報生成部で生成されたブロックパターン情報を記憶するブロックパターン情報記憶部と、前記積付位置決定部により積付位置が決定された物体に対応するアイテム情報を用いたブロックパターン情報を前記ブロックパターン情報記憶部から削除することで、前記ブロックパターン情報記憶部内の情報を更新するブロックパターン情報管理部とをさらに備え、前記積付位置決定部は、いずれかの物体の積付位置を決定した後、前記ブロックパターン情報管理部により更新された前記ブロックパターン情報記憶部内から選択したブロックパターン情報を前記容器情報内の所定位置に割り当てることで、さらに、当該ブロックパターン情報を構成するアイテム情報に対応する物体の前記容器内における積付位置を決定してもよい。
【0011】
前記ブロックパターン情報生成部は、前記積付位置決定部によりいずれかの物体の積付位置が決定されると、前記入力情報取得部が取得したアイテム情報のうち、積付位置決定処理が未実行のアイテム情報に基づいて新たなブロックパターン情報を生成し、前記積付位置決定部は、いずれかの物体の積付位置を決定した後、前記ブロックパターン情報生成部で新たに生成されたブロックパターン情報を前記容器の情報内の所定位置に割り当てることで、さらに、当該ブロックパターン情報を構成するアイテム情報に対応する物体の前記容器内における積付位置を決定してもよい。
【0012】
前記ブロックパターン情報生成部は、前記積付位置決定部がいずれかのブロックパターン情報を前記容器情報内の所定位置に割り当てていずれかの物体の積付位置が決定されたことにより、前記容器情報内に、前記ブロックパターン情報生成部により生成されたいずれのブロックパターン情報も割り当てることができないデッドスペースが生じた場合に、前記入力情報取得部が取得したアイテム情報のうち、積付位置決定処理が未実行のアイテム情報に基づいて新たなブロックパターン情報を生成してもよい。
【0013】
また本開示に係る積付位置計画プログラムは、コンピュータに、入力された積付位置決定処理対象の複数物体それぞれに関する大きさを含む情報を、各物体に対応するアイテム情報として取得し、入力された積付先の容器の大きさの情報を容器情報として取得する機能と、取得した情報に基づいて、複数のアイテム情報を組み合わせて構成した、幅、奥行き、および高さそれぞれの差分が所定値以下のブロックパターン情報を生成する機能と、生成したブロックパターン情報を、前記容器情報内の所定位置に割り当てることで、前記ブロックパターン情報を構成するアイテム情報に対応する物体に関し、前記容器内における積付位置を決定する機能とを実行させる。
【0014】
また本開示に係る積付位置計画方法は、積付位置計画装置が、入力された積付位置決定処理対象の複数物体それぞれに関する大きさを含む情報を、各物体に対応するアイテム情報として取得し、入力された積付先の容器の大きさの情報を容器情報として取得し、取得した情報に基づいて、複数のアイテム情報を組み合わせて構成した、幅、奥行き、および高さそれぞれの差分が所定値以下のブロックパターン情報を生成し、生成したブロックパターン情報を、前記容器情報内の所定位置に割り当てることで、前記ブロックパターン情報を構成するアイテム情報に対応する物体に関し、前記容器内における積付位置を決定する。
【発明の効果】
【0015】
本開示の積付位置計画装置、積付位置計画プログラム、および積付位置計画方法によれば、多種類の荷物を、効率良く且つ安定した状態で積み付けるための積付位置の計画情報を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】一実施形態に係る積付位置計画装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】一実施形態に係る積付位置計画装置の動作を示すフローチャートである。
【
図3】(a)、(b)、および(c)は、一実施形態に係る積付位置計画装置が2次元的に組み合わせるパターンにより生成したブロックパターン情報の例である。
【
図4】(a)および(b)は、一実施形態に係る積付位置計画装置が3次元的に組み合わせるパターンにより生成したブロックパターン情報の例である。
【
図5】一実施形態に係る積付位置計画装置のブロックパターン情報記憶部に記憶されたブロックパターン情報の例である。
【
図6】(a)は、一実施形態に係る積付位置計画装置の空き空間情報記憶部に記憶された所定パレット上の空き空間の情報を示す斜視図であり、(b)は、空き空間情報管理部による更新後の所定パレット上の空き空間の情報を示す斜視図である。
【
図7】(a)は、積付位置計画装置が生成した積付位置計画情報の例であり、(b)は、一実施形態に係る積付位置計画装置が生成した積付位置計画情報の例である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の実施形態では、物流システムにおいて、複数の段ボール箱等の直方体の荷物をパレット等の容器に積み付けて搬送する際の荷物の積付位置の計画情報を生成する積付位置決定処理について説明する。本実施形態において、段ボール箱等の荷物が積付位置決定処理対象の物体であり、パレットが積付先の容器である。
【0018】
〈一実施形態による積付位置計画装置の構成〉
一実施形態による積付位置計画装置の構成について、
図1を参照して説明する。本実施形態による積付位置計画装置1は、入力部10と、CPU20と、記憶部30と、出力部40とを備える。
【0019】
入力部10は、例えば利用者が操作するマウス、キーボード、または、物流システム全体を統括する上位システムとの通信を行う通信手段で構成される。入力部10は、荷物の積付位置の計画情報を生成するための条件情報として、積付対象の複数の荷物に関する情報と、積付先のパレットに関する情報を、利用者の操作情報または上位システムから送信される情報に基づいて入力する。具体的には、入力部10は、積付対象の荷物に関する情報および積付先のパレットの情報として、それぞれ種別ごとの数量、形状および大きさの情報を入力する。
【0020】
CPU20は、予め搭載されたプログラムを実行することで動作し、入力情報取得部21と、ブロックパターン情報生成部22と、ブロックパターン情報管理部23と、空き空間情報管理部24と、積付位置決定部25と、積付位置計画情報管理部26と、計算統括部27と、出力情報生成部28とを有する。また、記憶部30は、ブロックパターン情報記憶部31と、空き空間情報記憶部32と、積付位置計画情報記憶部33とを有する。
【0021】
入力情報取得部21は、入力部10から入力された積付対象の荷物に関する情報を、各荷物に対応するアイテム情報として積付位置計画情報記憶部33に記憶させる。また入力情報取得部21は、入力部10から入力された積付先のパレットに関する情報を、容器情報(パレット情報)として空き空間情報記憶部32に記憶させる。
【0022】
ブロックパターン情報生成部22は、積付位置計画情報記憶部33に記憶された複数のアイテム情報を組み合わせて構成した、幅、奥行き、および高さそれぞれの差分が所定値以下のブロックパターン情報を生成する。ブロックパターン情報生成部22は、生成したブロックパターン情報を、ブロックパターン情報記憶部31に記憶させる。
【0023】
ブロックパターン情報管理部23は、積付位置計画情報記憶部33に記憶されたアイテム情報のうち、後述する積付位置決定部25により積付位置が決定された荷物に対応するアイテム情報を用いたブロックパターン情報を抽出する。ブロックパターン情報管理部23は、抽出したブロックパターン情報をブロックパターン情報記憶部31から削除することで、ブロックパターン情報記憶部31内の情報を更新する。
【0024】
空き空間情報管理部24は、後述する積付位置決定部25によりいずれかの荷物の積付位置が決定される都度、積付先のパレット上の空き空間の位置、形状、および大きさを示す情報を更新し、空き空間情報記憶部32に記憶させる。
【0025】
積付位置決定部25は、ブロックパターン情報記憶部31に記憶されたブロックパターン情報を、空き空間情報記憶部32に記憶されたパレットの空き空間の情報内に割り当てる。積付位置決定部25は、このようにブロックパターン情報を割り当てることで、当該ブロックパターン情報を構成するアイテム情報に対応する荷物に関し、積付先のパレット上における積付位置を決定する。
【0026】
積付位置計画情報管理部26は、積付位置計画情報記憶部33に記憶されたアイテム情報のうち、積付位置決定部25により積付位置が決定された荷物のアイテム情報に、積付位置決定処理が実行済みであることを示す情報を付加する。また積付位置計画情報管理部26は、積付位置が決定された荷物に対応するアイテム情報に、積付位置を示す情報を付加する。
【0027】
計算統括部27は、ブロックパターン情報生成部22、ブロックパターン情報管理部23、空き空間情報管理部24、積付位置決定部25、および積付位置計画情報管理部26の動作を統括して制御する。
【0028】
出力情報生成部28は、積付位置計画情報記憶部33に記憶されたアイテム情報に付加された積付位置の情報に基づいて、決定された積付位置計画情報の画像情報を出力情報として生成して出力部40に出力させる。
【0029】
ブロックパターン情報記憶部31は、ブロックパターン情報生成部22が生成したブロックパターン情報を記憶する。空き空間情報記憶部32は、積付先のパレットの空き空間の情報を記憶する。積付位置計画情報記憶部33は、積付位置決定処理対象のアイテム情報に関する、積付位置決定処理が未実行であるか実行済みであるかを示す情報を記憶する。また積付位置計画情報記憶部33は、積付位置決定処理が実行済みのアイテム情報に対して決定された、積付位置を示す情報を記憶する。
【0030】
出力部40は、出力情報生成部28が生成した出力情報を、プリンタによる印字、表示画面への表示、AR(Augmented Reality)ディスプレイへの表示、上位システムへのデータ送信等により、出力する。
【0031】
〈一実施形態による積付位置計画装置の動作〉
次に、本実施形態による積付位置計画装置の動作について、
図2のフローチャートを参照して説明する。まず、積付位置計画装置1が、利用者の操作または上位システムからの情報送信により、荷物の積付位置の計画情報の生成を指示する情報を取得すると、入力部10が当該情報をCPU20に入力する。
【0032】
CPU20は、入力部10から入力された荷物の積付位置の計画情報の生成を指示する情報を入力情報取得部21が取得し、計算統括部27を介して積付位置計画情報管理部26に送出する。積付位置計画情報管理部26は、当該指示に従って、前回の積付位置計画情報の生成処理により生成されて積付位置計画情報記憶部33に記憶されている積付位置計画情報を削除して、積付位置計画情報記憶部33を初期化する(S1)。
【0033】
次に、利用者の操作または上位システムからの情報送信により、荷物の積付位置の計画情報を生成するための条件として、積付対象の荷物に関する情報および積付先のパレットの情報が入力部10から入力される。具体的には、積付対象の荷物に関する情報として、種別ごとの数量、形状および大きさ(幅、奥行き、および高さ)の情報が入力され、積付先のパレットの情報として、数量、形状、および積付に使用可能な内寸(幅、奥行き)の情報が入力される。
【0034】
ここでは、積付対象の荷物に関する情報として、幅、奥行き、高さのうち少なくともいずれかが異なる複数種類のn個の直方体の荷物A1~Anの情報が入力される。荷物A1~Anは、すべてが異なる種類でもよいし、同じ種類の荷物が複数個含まれていてもよい。また、積付先のパレットの情報として、形状が同一のm個のパレットB1~Bmの情報が入力される。
【0035】
入力情報取得部21は、入力された積付対象の荷物A1~Anに関する情報を、積付位置決定処理対象のアイテム情報a1~anとして積付位置計画情報記憶部33に記憶させる。また入力情報取得部21は、入力されたパレットB1~Bmに関する情報を、積付位置決定処理対象のパレット情報b1~bmとして空き空間情報記憶部32に記憶させる(S2)。
【0036】
次に、計算統括部27が空き空間情報管理部24に、空き空間情報の生成を指示する。空き空間情報管理部24は、計算統括部27の指示に従って、空き空間情報記憶部32に記憶されたパレット情報b1~bmごとの空き空間の情報を生成する。本実施形態において、空き空間情報管理部24は、各パレット情報b1~bm上の所定高さまでの空き空間の中で、所定方向から見た左、奥、下を基点とした直方体形状の空間を、空き空間の情報として生成する。
【0037】
ここではまだいずれのパレット情報に対しても積み付け計画が生成されていないため、空き空間情報管理部24は、各パレット情報b1~bm上の所定高さまでのすべての空間を空き空間として認識する。そして空き空間情報管理部24は、各パレット情報b1~bmの空き空間に該当する直方体形状の空間の位置、形状、および大きさを示す情報を、空き空間情報記憶部32に記憶させる(S3)。
【0038】
次に、計算統括部27がブロックパターン情報生成部22に、ブロックパターン情報の生成を指示する。ブロックパターン情報生成部22は、積付位置計画情報記憶部33に記憶された、積付位置決定処理が未実行の複数のアイテム情報を組み合わせて構成した、幅、奥行き、および高さそれぞれの差分が所定値以下であるブロックパターン情報を生成する。ブロックパターン情報生成部22は、生成したブロックパターン情報を、積付位置決定処理対象としてブロックパターン情報記憶部31に記憶させる(S4)。
【0039】
具体的にはブロックパターン情報生成部22は、複数のアイテム情報を組み合わせることで、外形が直方体の形状または、幅、奥行き、および高さの差分がそれぞれ所定値以下であることで外形を直方体とみなすことができる形状のブロックパターン情報を生成する。ここで、所定値としては、対応する荷物を垂直方向に重ねたときに荷崩れしない範囲の値を設定する。例えば、どの荷物も幅および奥行きの寸法が30cm以上であるとき、荷物を重ねたときに10%の飛び出し部が生じても荷崩れはしないと判断できるのであれば、荷物の幅、奥行き、および高さの差分の許容値を3cmとして、ブロックパターン情報を生成する。
【0040】
ブロックパターン情報生成部22が直方体のブロックパターン情報を生成する際のアイテム情報の組み合わせパターンには、例えば、同一種類のアイテム情報を用いて構成する棒積パターン、ピンホールパターン、レンガパターン等がある。棒積パターンとは、全てのアイテム情報が同一姿勢で隣接した状態になるように組み合わせるパターンである。ピンホールパターンとは、複数のアイテム情報が平面上で互いに直交する姿勢関係になるように環状に並べて組み合わせるパターンである。レンガパターンとは、複数のアイテム情報が上下方向に互いに直交する姿勢関係になるように組み合わせるパターンである。
【0041】
また、ブロックパターン情報生成部22が、外形を直方体とみなすことができる形状のブロックパターン情報を生成する際のアイテム情報の組み合わせ方には、(1)2次元的に組み合わせるパターンと、(2)3次元的に組み合わせるパターンとがある。以下に、これらのパターンについて、説明する。
【0042】
(1)2次元的に組み合わせるパターン
(1)のパターンでは、ブロックパターン情報生成部22は、高さの差分が所定値以下のアイテム情報を、幅および奥行きの差分が所定値以下になるように2次元的に組み合わせてブロックパターン情報を生成する。
【0043】
図3(a)、(b)、および(c)は、(1)のパターンにより生成したブロックパターン情報を上から見た図である。
図3(a)、(b)、および(c)において、幅方向をx方向で示し、奥行き方向をy方向で示す。
【0044】
ブロックパターン情報生成部22は、
図3(a)に示すように、高さの差分(図示せず)および幅の差分d1が所定値以下のアイテム情報a1~a3を奥行き方向であるy方向に水平に並べることで、ブロックバターン情報c1を生成する。
【0045】
またブロックパターン情報生成部22は、
図3(b)に示すように、高さの差分(図示せず)および奥行きの差分d2が所定値以下のアイテム情報a4~a6を幅方向であるx方向に並べることで、ブロックバターン情報c2を生成することができる。またブロックパターン情報生成部22は
図3(c)に示すように、高さの差分が所定値以下のアイテム情報a7~a11を幅の差分d3および奥行きの差分d4が所定値以下になるように適宜組み合わせることで、ブロックバターン情報c3を生成することができる。
【0046】
(2)3次元的に組み合わせるパターン
(2)のパターンでは、ブロックパターン情報生成部22は、まず積付位置計画情報記憶部33に記憶された中から高さが必ずしも同じではない複数のアイテム情報を選択し、これらを積み重ねたブロック情報を複数生成する。そしてブロックパターン情報生成部22は、生成したブロック情報のうち高さの差分が所定値以下である複数のブロック情報を、幅および奥行きの差分が所定値以下になるように組み合わせてブロックパターン情報を生成する。
【0047】
図4(a)および(b)は、(2)のパターンにより生成したブロックパターン情報を斜め上から見た図である。
図4(a)および(b)において、幅方向をx方向で示し、奥行き方向をy方向、高さ方向をz方向で示す。
【0048】
ブロックパターン情報生成部22は、
図4(a)に示すように、幅および奥行きの差分が所定値以下であり高さが異なるアイテム情報a12およびa13を上下方向に重ねてブロック情報e1を生成する。またブロックパターン情報生成部22は、幅および奥行きの差分が所定値以下であり高さが異なるアイテム情報a14およびa15を上下方向に重ねてブロック情報e2を生成する。
【0049】
生成したブロック情報e1およびe2の高さの差分と、奥行きの差分とが所定値以下である場合、ブロックパターン情報生成部22は、ブロック情報e1とe2とを幅方向に並べることで、ブロックパターンc4を生成することができる。
【0050】
またブロックパターン情報生成部22は、
図4(b)に示すように、幅および奥行きの差分が所定値以下であり高さが異なるアイテム情報a16およびa17を上下方向に重ねてブロック情報e3を生成する。またブロックパターン情報生成部22は、幅および奥行きの差分が所定値以下であり高さが異なるアイテム情報a18およびa19を上下方向に重ねてブロック情報e4を生成する。
【0051】
これらのブロック情報e3とe4との高さおよび幅の差分が所定値以下である場合、ブロックパターン情報生成部22は、ブロック情報e3とe4とを奥行き方向に並べることで、ブロックパターンc5を生成することができる。
【0052】
またブロックパターン情報生成部22は、生成した複数のブロックパターン情報をさらに組み合わせて、外形が長方形の形状または、直方体とみなすことができる形状のブロックパターン情報を生成してもよい。このように様々な手法でブロックパターン情報を生成することで、単純なルールでありながらもバリエーションに富んだブロックパターン情報を生成することができる。
【0053】
上述したようにブロックパターン情報生成部22がブロックパターン情報を生成する際には、1つのアイテム情報が、複数のブロックパターン情報の構成要素となっていてもよい。例えば、積付位置計画情報記憶部33に8個の同一種類のアイテム情報が記憶されている場合、これらのアイテム情報の全部または一部を用いて、以下の7通りの形状のブロックパターン情報(a)~(g)を生成することができる。
【0054】
ブロックパターン情報(a):8個のアイテム情報を、幅方向に2個、奥行き方向に2個、高さ方向に2個分、組み合わせたブロックパターン情報
ブロックパターン情報(b):8個のアイテム情報を、幅方向に4個、奥行き方向に1個、高さ方向に2個分、組み合わせたブロックパターン情報
ブロックパターン情報(c):8個のアイテム情報を、幅方向に1個、奥行き方向に4個、高さ方向に2個分、組み合わせたブロックパターン情報
ブロックパターン情報(d):8個のアイテム情報を、幅方向に2個、奥行き方向に1個、高さ方向に4個分、組み合わせたブロックパターン情報
ブロックパターン情報(e):8個のアイテム情報を、幅方向に4個、奥行き方向に1個、高さ方向に2個分、組み合わせたブロックパターン情報
ブロックパターン情報(f):4個のアイテム情報を、幅方向に2個、奥行き方向に2個、高さ方向に1個分、組み合わせたブロックパターン情報
ブロックパターン情報(g):1個のアイテム情報によるブロックパターン情報
ブロックパターン情報生成部22は、ブロックパターン情報(f)のように、積付位置計画情報記憶部33に記憶された中の一部のアイテム情報のみを用いてブロックパターン情報を生成してもよい。またブロックパターン情報生成部22は、ブロックパターン情報(g)のように、1個のアイテム情報をブロックパターン情報として認識してもよい。ブロックパターン情報生成部22は、生成したブロックパターン情報をブロックパターン情報記憶部31に記憶させる。
【0055】
上述したようにブロックパターン情報生成部22が生成するブロックパターン情報の数は、膨大になる場合がある。ブロックパターン情報の数が膨大になると、以後の積付位置決定処理の演算負荷が高くなってしまう。そのため、ブロックパターン情報生成部22は以下の(i)または(ii)の手法によりブロックパターン情報の数を絞り込んで生成し、ブロックパターン情報記憶部31に記憶させてもよい。
【0056】
(i) 生成するブロックパターン情報の上限数を予めパラメータとして設定しておき、生成されたブロックパターン情報数がこのパラメータの値に達した時点で生成処理を打ち切る。
【0057】
(ii) 想定されるすべてのブロックパターン情報を生成した後、これらのうち所定の項目に関する上位の所定数のみを採用する。例えば、上面積が大きい上位所定数のブロックパターン情報を、以後の処理に用いるブロックパターン情報として採用する。
【0058】
次に、計算統括部27が、積付位置計画情報記憶部33に積付位置決定処理が未実行のアイテム情報が記憶されているか否かを判定する(S5)。ここでは、計算統括部27は積付位置計画情報記憶部33に積付位置決定処理が未実行のアイテム情報が記憶されていると判定し(S5の「YES」)、ステップS6に移行する。
【0059】
次に、計算統括部27が積付位置決定部25に、所定パレットの空き空間の情報内にブロックパターン情報記憶部31に記憶されたいずれかのブロックパターン情報を割り当てる指示を送出する。
【0060】
積付位置決定部25は、ブロックパターン情報記憶部31に記憶されているブロックパターン情報と、空き空間情報記憶部32に記憶された空き空間とから、割り当て処理が可能なブロックパターン情報と空き空間情報とのペアがあるか否かを判定する(S6)。ここで積付位置決定部25は、所定のブロックパターン情報の幅、奥行き、および高さそれぞれが、所定の空き空間情報の幅、奥行き、および高さより小さい場合に、当該空き空間情報内への当該ブロックパターン情報の割り当て処理が物理的に可能と判定する。そして積付位置決定部25は、このブロックパターン情報と空き空間情報とのペアを、割り当て処理が可能なペアとして認識する。また積付位置決定部25は、割り当て処理が可能か否かの判定条件に、該当するブロックパターン情報の重量に関する情報を含めてもよい。例えば積付位置決定部25は、該当するブロックパターン情報を所定のパレット情報に割り当てることで、対応するパレット上の荷物の重量が、当該パレットの耐荷重を超える場合には、割り当て処理が不可能と判定する。
【0061】
積付位置決定部25は、割り当て処理が可能なブロックパターン情報と空き空間情報とのペアがあると判定すると(S6の「YES」)、該当するペアをすべて抽出する(S7)。積付位置決定部25は、抽出したブロックパターン情報と空き空間情報とのペアの中から、最適なペアを選択する(S8)。積付位置決定部25が最適なペアを選択する指標には、例えば以下のようなものがある。
【0062】
(1) パレットの識別情報(y1~ym)の番号が小さいペアを選択する。このペアを選択することで、使用するパレット数を抑制することができる。
【0063】
(2) ブロックパターン情報の体積が大きく、密に組み合っているペアを選択する。このペアを選択することで、アイテム情報の積載率を上げることができる。
【0064】
(3) ブロックパターン情報の上面積が大きいペアを選択する。このペアを選択することで、当該ブロックパターン情報の上部にさらに他のブロックパターン情報を割り当てする際の自由度が上がる。
【0065】
(4) ブロックパターン情報の高さが低いペアを選択する。このペアを選択することで、安定した積付位置計画を立てることができる。
【0066】
(5) 空き空間の位置が低いペアを選択する。このペアを選択することで、安定した積付位置計画を立てることができる。
【0067】
(6) 既に積付位置が決定しているブロックパターン情報のアイテム情報と同種類のアイテム情報からなるブロックパターン情報を、当該積付位置が決定しているブロックパターン情報の近くに割り当てるように、ペアを選択する。このようにペアを選択することで、同種類のアイテム情報が近接して、アイテム情報間になるべく隙間ができないように積付位置計画を立てることができる。
【0068】
積付位置決定部25は、これらの中の1つの指標に基づいてペアを選択してもよいし、複数の指標に重み付けをし、その重み付け値に基づいてペアを選択してもよい。積付位置決定部25が最適なペアを選択する指標は上記の(1)~(6)に限定されず、重量に関する制約など、任意の指標を設けることができる。
【0069】
次に積付位置決定部25は、選択したペアに情報に基づいて、該当するパレットの空き空間情報内の所定位置、具体的には基点位置である左、奥、下の位置に、該当するブロックパターン情報の角を合わせて割り当てる。積付位置決定部25が、ブロックパターン情報をパレットの空き空間情報内に割り当てると、当該ブロックパターン情報を構成するアイテム情報に対応する荷物の当該パレット上における積付位置が決定する(S9)。
【0070】
該当する荷物の積付位置が決定すると、積付位置計画情報管理部26が、積付位置計画情報記憶部33内の積付位置が決定した荷物のアイテム情報に、積付位置決定処理が実行済みであることを示す情報を付加する。また積付位置計画情報管理部26は、積付位置が決定された荷物のアイテム情報に、積付位置を示す情報を付加する。これらの情報を付加することで、積付位置計画情報管理部26は、積付位置計画情報記憶部33内の積付位置が決定した荷物のアイテム情報を更新する(S10)。
【0071】
次に、計算統括部27がブロックパターン情報管理部23に、積付位置が決定した荷物のアイテム情報を通知する。ブロックパターン情報管理部23は、通知されたアイテム情報を用いたブロックパターン情報を抽出する。そしてブロックパターン情報管理部23は、抽出したブロックパターン情報をブロックパターン情報記憶部31から削除することで、積付位置決定処理対象のブロックパターン情報を更新する(S11)。
【0072】
例えば、ブロックパターン情報記憶部31に、
図5に示すような同一形状の4個の直方体のアイテム情報の全部または一部を用いて生成した12個のブロックパターン情報c11~c22が記憶されているとする。この場合に、このアイテム情報4個のうち2個が、積付位置が決定した荷物のアイテム情報であることが通知されると、ブロックパターン情報管理部23は、このアイテム情報を3個または4個使用するブロックパターン情報は利用不可能と判定する。具体的にはブロックパターン情報管理部23は、点線で囲ったブロックパターン情報c15~c22を利用不可能と判定する。
【0073】
そしてブロックパターン情報管理部23は、利用不可能と判定したブロックパターン情報c15~c22をブロックパターン情報記憶部31から削除することで、積付位置決定処理対象のブロックパターン情報を更新する。
【0074】
次に、計算統括部27が空き空間情報管理部24に、積付位置が決定した荷物のアイテム情報に関する積付位置の情報を通知する。空き空間情報管理部24は、該当するアイテム情報に関する積付位置の情報に基づいて、ブロックパターン情報が割り当てられたパレットの空き空間情報を更新する(S12)。
【0075】
例えば、
図6(a)に示すように、空き空間情報記憶部32にパレット情報b1の空き空間の情報として、空き空間f1の位置、形状、および大きさを示す情報が記憶されているとする。このパレット情報b1の空き空間f1にブロックパターン情報c23が割り当てられると、空き空間情報管理部24が、ブロックパターン情報c23を構成するアイテム情報に関する積付位置の情報を取得する。
【0076】
空き空間情報管理部24は、該当するアイテム情報に関する積付位置の情報を取得すると、
図6(b)に示す3つの空き空間f2、f3、およびf4の情報を生成する。空き空間f2は、ブロックパターン情報c23上部の直方体形状の点線で示す空き空間である。空き空間f3は、ブロックパターン情報c23よりも右側の一点鎖線で示す直方体形状の空き空間である。空き空間f4は、ブロックパターン情報c23よりも手前の二点鎖線で示す直方体形状の空き空間である。
【0077】
空き空間情報管理部24は、空き空間情報記憶部32に記憶されていたパレット情報b1の空き空間f1の情報を、生成した空き空間f2、f3、およびf4の情報で置き換えることで、情報を更新する。
【0078】
上述したように、積付位置計画情報が生成されたことにより、記憶されたアイテム情報、ブロックパターン情報、およびパレットの空き空間情報が更新されると、ステップS5に戻る。
【0079】
以降、ステップS5~S13の処理を繰り返し、積付位置計画情報記憶部33の中に積付位置決定処理が未実行のアイテム情報がなくなると(S5の「NO」)、計算統括部27は、積付位置計画情報の生成が成功したと判定して処理を終了する(S13)。
【0080】
また、積付位置決定処理が未実行のアイテム情報があるが、割り当て処理が可能なブロックパターン情報と空き空間情報とのペアがないときには(S6の「NO」)、計算統括部27は、積付位置計画情報の生成が失敗したと判定して処理を終了する(S14)。
【0081】
上述した実施形態においては、ステップS4において様々なパターンのブロックパターン情報をまとめて生成する場合について説明したが、ステップS5以降の積付位置計画の生成処理中に必要に応じてブロックパターン情報を新たに生成してもよい。
【0082】
例えば、ステップS8でブロックパターン情報と空き空間情報との最適なペアを選択した際に、当該ペアを採用すると、パレット上にいずれのブロックパターン情報も割り当てることができないデッドスペースが生じる場合がある。この場合に、ブロックパターン情報生成部22は、当該ペアを採用する前の空き空間に割り当て可能な複数のブロックパターン情報を新たに生成する。
【0083】
積付位置決定部25は、選択した情報のペア、および、新たに生成したブロックパターン情報と該当する空き空間とのペアの中から、最適な情報のペアを選択する。そして積付位置決定部25は、該当するパレットの空き空間情報内の所定位置に、該当するブロックパターン情報の角を合わせて割り当てる。
【0084】
また、ブロックパターン情報生成部22は、積付位置計画情報を生成した後にステップS5に戻って処理が繰り返されたときに、積付位置決定処理が未実行のアイテム情報が記憶されていれば(S5の「YES」)、新たなブロックパターン情報を生成するようにしてもよい。その際に、処理負荷を軽減するために、ステップS5に戻った回数が偶数の場合のみ、ブロックパターン情報生成処理を行うようにしてもよい。
【0085】
これらのタイミングで新たなブロックパターン情報を生成することで、さらに高い密度で荷物を積み付けるように、積付位置計画情報を生成することができる。
【0086】
また、新たなブロックパターン情報の生成タイミングに応じて、生成するブロックパターン情報の種類を設定することで、効率よく積付位置計画の生成処理を実行することができる。例えば、ブロックパターン情報生成部22は、ステップS4においては同一種類のアイテム情報を用いて構成したブロックパターン情報、および上述した3次元的に組み合わせるパターンで構成したブロックパターン情報を生成するように絞り込んでおく。同一種類のアイテム情報を用いて構成するブロックパターン情報は、棒積パターン、ピンホールパターン、またはレンガパターン等で構成するブロックパターン情報である。
【0087】
そして、ステップS5以降の積付位置計画の生成処理中に新たなブロックパターン情報を生成する際には、上述した2次元的に組み合わせるパターンで構成したブロックパターン情報を生成する。
【0088】
例えば、幅が所定値以下であるとともに幅の差分が所定値以下の複数のアイテム情報を
図3(a)に示すように並べることで、
図6(b)に示す空き空間f1、f2、またはf3の奥行きに合わせたブロックパターン情報を生成することができる。また、奥行きが所定値以下であるとともに奥行きの差分が所定値以下の複数のアイテム情報を
図3(b)に示すように並べることで、空き空間f1、f2、またはf3の幅に合わせたブロックパターン情報を生成することができる。
【0089】
このようにブロックパターン情報を生成することで、新たな空き空間の形状に合わせてブロックパターン情報を生成して、効率よく積付位置計画情報の生成処理を実行することができる。
【0090】
積付位置計画情報の生成後、出力情報生成部28は、積付位置計画情報記憶部33に記憶されたアイテム情報の積付位置の情報に基づいて、決定された積付位置計画情報の画像情報を出力情報として生成して出力部40に出力させる。また出力情報生成部28は、積付位置計画情報の生成処理中の動作の情報や画像情報を出力情報として生成して出力部40に出力させてもよい。
【0091】
以下に、100個の荷物を、パレットに積み付けるための積付位置計画情報の生成処理を、ブロックパターン情報を用いずに実行した場合と、ブロックパターン情報を用いて実行した場合のシミュレーション結果について説明する。このシミュレーションで用いる積付対象の荷物は100種類が100個、つまり1種類あたり1個であり、それぞれの荷物の大きさは、幅220mm~550mm、奥行き180mm~550mm、高さ75mm~600mmである。また、積付先の複数パレットは同一種類であり、それぞれのパットの大きさは、幅1100mm、奥行き1100mm、最大積み付け高さ1450mmである。
【0092】
図7(a)は、従来の積付位置計画装置が、上述した100個の荷物をパレットに積み付けるための積付位置計画情報を、ブロックパターン情報を用いずに生成したシミュレーション結果である。この場合、積付位置計画装置は、6個のパレットb1~b6を用いて積付位置計画情報を生成している。
【0093】
図7(b)は、本実施形態による積付位置計画装置1が、上述した100個の荷物をパレットに積み付けるための積付位置計画情報を、ブロックパターン情報を用いて生成したシミュレーション結果である。この場合、積付位置計画装置は、5個のパレットb1~b5を用いて積付位置計画情報を生成している。つまり、ブロックパターン情報を用いた場合の方が、用いない場合よりも、1つのパレットに対する積載率が高くなる。積載率が高い積付位置計画情報に基づいて積み付け作業を行うことで、効率のよい運搬作業を行うことができる。
【0094】
以上の実施形態によれば、積付位置計画装置1は、多種類の荷物に対応する複数のアイテム情報をブロック化して積付先の容器情報に割り当てることで、多種類の荷物を効率良く且つ安定した状態で積み付けるための積付位置計画情報を生成することができる。また、このように積付位置計画情報を生成することにより、複数個のアイテム情報の積付位置を同時にまとめて決定することができ、1個ずつ決定する場合に比べて処理効率を向上させることができる。
【0095】
また、上述した実施形態によれば積付位置計画装置1は、積付位置計画情報を生成する際に、高さの差分と、幅もしくは奥行きの差分とが所定値以下の複数のアイテム情報を水平に並べて構成したブロックパターン情報を、容器情報内に割り当てる。また積付位置計画装置1は、幅および奥行きの差分が所定値以下の複数のアイテム情報を高さの差分が所定値以下になるように積み重ねた複数のブロックの情報を水平に並べて構成したブロックパターン情報を、容器情報内に割り当てる。このように割り当て処理を行うことで、多少の大きさの違いがあるアイテム情報からも直方体とみなす形状のブロックパターン情報を生成することができ、多種類の荷物に関する積付位置計画情報を効率良く生成することができる。
【0096】
また、上述した実施形態によれば積付位置計画装置1は、積付位置計画情報の生成処理中に、積付位置が決定された物体に対応するアイテム情報を用いたブロックパターン情報をブロックパターン情報記憶部31から削除する。このように処理を行うことにより、積付位置決定処理が未実行のアイテム情報を用いたブロックパターン情報のみを用いて積付位置計画情報を効率良く生成することができる。
【0097】
また、上述した実施形態によれば積付位置計画装置1は、いずれかの物体の積付位置が決定されたときに、ブロックパターン情報生成部22が、積付位置決定処理が未実行のアイテム情報に基づいて新たなブロックパターン情報を生成してもよい。このように処理を行うことにより、新たな空き空間の形状に合わせて新たなブロックパターン情報を生成して、効率よく積付位置計画情報を生成することができる。
【0098】
また、上述した実施形態によれば積付位置計画装置1は、いずれかの物体の積付位置が決定されたことにより容器情報内にいずれのブロックパターン情報も割り当てることができないデッドスペースが生じた場合に、新たなブロックパターン情報を生成してもよい。このように処理を行うことにより、ブロックパターン情報の生成処理負荷を抑えつつ、効率よく積付位置計画情報を生成することができる。
【0099】
上述した実施形態では、容器に積み付ける物体が段ボール箱の場合について説明したが、これには限定されず、個別製品の収納箱、建築資材、米袋やセメント袋等の袋類など、直方体として近似可能な物体であれば用いることができる。
【0100】
また、上述した実施形態では、積付先の容器がパレットの場合について説明したが、これには限定されず、かご車、折り畳みコンテナ、トラック、建設資材置き場などであってもよい。
【0101】
また、上述した実施形態では、積付位置計画装置1が単一の装置で構成された場合について説明したが、これには限定されず、複数の装置で構成されていてもよい。例えば、入力部10と出力部40をWebブラウザで実装し、入力部10からネットワーク経由で積付位置計画装置に積付位置計画情報の生成処理を実行させ、生成された情報をネットワーク経由で出力部40に送信してもよい。
【0102】
上述した積付位置計画装置の機能構成をプログラム化してコンピュータに組み込むことにより、当該コンピュータを積付位置計画装置として機能させる積付位置計画プログラムを構築することも可能である。
【0103】
いくつかの実施形態を説明したが、上記開示内容に基づいて実施形態の修正または変形をすることが可能である。上記実施形態のすべての構成要素、及び請求の範囲に記載されたすべての特徴は、それらが互いに矛盾しない限り、個々に抜き出して組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0104】
1 積付位置計画装置
10 入力部
20 CPU
21 入力情報取得部
22 ブロックパターン情報生成部
23 ブロックパターン情報管理部
24 空間情報管理部
25 積付位置決定部
26 積付位置計画情報管理部
27 計算統括部
28 出力情報生成部
30 記憶部
31 ブロックパターン情報記憶部
32 空間情報記憶部
33 積付位置計画情報記憶部
33 積付位置計画情報記憶部
40 出力部