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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128689
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】車椅子
(51)【国際特許分類】
   A61G 5/12 20060101AFI20230907BHJP
   A61G 5/14 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
A61G5/12 701
A61G5/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022033222
(22)【出願日】2022-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000231350
【氏名又は名称】ジヤトコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】津田 聡彦
(72)【発明者】
【氏名】小森 敏正
(72)【発明者】
【氏名】亀田 晃宏
(72)【発明者】
【氏名】加藤 直樹
(57)【要約】
【課題】使用者の起立動作を介助する介助機構を備えながら、使用者がシートに着座したままテーブルでの食事や洗面台での洗面等を行うことのできる車椅子を提供する。
【解決手段】車椅子は、フレームと、前記フレームに回転自在に取り付けられて前記フレームを支持する複数の車輪と、前記フレームに取り付けられ、使用者を支持して起立動作を介助する介助機構と、使用者が着座する座面を有して前記フレームに取り付けられ、前記座面が正面を向いているときに使用者の前方に前記介助機構が位置するシートと、前記シートに設けられ、前記フレーム上の前記座面の位置を変更せずに前記座面の向きを変更する座面方向切替機構と、を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車椅子であって、
フレームと、
前記フレームに回転自在に取り付けられて前記フレームを支持する複数の車輪と、
前記フレームに取り付けられ、使用者を支持して起立動作を介助する介助機構と、
使用者が着座する座面を有して前記フレームに取り付けられ、前記座面が正面を向いているときに使用者の前方に前記介助機構が位置するシートと、
前記シートに設けられ、前記フレーム上の前記座面の位置を変更せずに前記座面の向きを変更する座面方向切替機構と、
を備える、
車椅子。
【請求項2】
請求項1に記載の車椅子であって、
前記座面方向切替機構は、前記座面に使用者が着座した状態で当該使用者の正面に前記介助機構が位置する正方向と使用者の背面に前記介助機構が位置する逆方向とに前記座面の向きを変更可能である、
車椅子。
【請求項3】
請求項2に記載の車椅子であって、
前記フレームに設けられて前記車輪を駆動する駆動部と、
使用者によって操作され前記車輪の駆動方向を指示する駆動操作部と、
前記座面の向きを検出する検出部と、
前記駆動部による前記車輪の駆動を制御するコントローラと、
を更に備え、
前記コントローラは、前記検出部によって検出された前記座面の向きに基づき、前記座面が前記正方向を向いているときと前記逆方向を向いているときとで、前記駆動操作部の操作方向に対する前記駆動部による前記車輪の駆動方向を逆にするように制御する、
車椅子。
【請求項4】
請求項2に記載の車椅子であって、
前記フレームに設けられて前記車輪を駆動する駆動部と、
使用者によって操作され前記車輪の駆動方向を指示する駆動操作部と、
前記車椅子の進行方向を切り替えるためのモード切替操作部と、
前記駆動部による前記車輪の駆動を制御するコントローラと、
を更に備え、
前記コントローラは、前記モード切替操作部によって切り替えられた前記進行方向に基づき、前記駆動操作部の操作方向に対する前記駆動部による前記車輪の駆動方向を逆にするように制御する、
車椅子。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一つに記載の車椅子であって、
前記シートは、少なくとも使用者が着座する着座位置と使用者が前記フレームの後方から出入り可能な退避位置とに前記座面が移動可能である、
車椅子。
【請求項6】
請求項5に記載の車椅子であって、
前記シートは、前記座面が前記介助機構の後方の前記着座位置と当該着座位置の左右方向の前記退避位置との間で回動可能に設けられる、
車椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、使用者が座位姿勢から立位姿勢へ移行する際に使用者の膝や腕を支える機構を備える移動補助装置(車椅子)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-051101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車椅子の使用者は、日常生活の中で、テーブルでの食事や洗面台での洗面等を車椅子に着座した状態で行う。
【0005】
しかしながら、特許文献1の移動補助装置では、使用者が着座するシート部の前方に座位姿勢から立位姿勢への移行を補助する機構が設けられる。そのため、使用者が座位姿勢でテーブルでの食事や洗面台での洗面等を行う際に、当該機構が干渉するおそれがある。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、使用者の起立動作を介助する介助機構を備えながら、使用者がシートに着座したままテーブルでの食事や洗面台での洗面等を行うことのできる車椅子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様では、車椅子は、フレームと、前記フレームに回転自在に取り付けられて前記フレームを支持する複数の車輪と、前記フレームに取り付けられ、使用者を支持して起立動作を介助する介助機構と、使用者が着座する座面を有して前記フレームに取り付けられ、前記座面が正面を向いているときに使用者の前方に前記介助機構が位置するシートと、前記シートに設けられ、前記フレーム上の前記座面の位置を変更せずに前記座面の向きを変更する座面方向切替機構と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明のある態様では、車椅子は、フレーム上の座面の位置を変更せずに座面の向きを変更する座面方向切替機構を備える。そのため、使用者の前方に介助機構が位置しないように座面の向きを変更することができる。よって、使用者がシートに着座した状態で介助機構が干渉しないようにできる。したがって、使用者の起立動作を介助する介助機構を備えながら、使用者がシートに着座したままテーブルでの食事や洗面台での洗面等を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施形態に係る車椅子の斜視図である。
図2図2は、図1における要部の分解図である。
図3図3は、車椅子の制御ブロック図である。
図4図4は、座面が正方向を向いているときの車椅子の側面図である。
図5図5は、座面方向切替機構の斜視図である。
図6図6は、図4から座面が逆方向を向いたときの車椅子の側面図である。
図7図7は、支柱が基準位置から前傾すると共にシートが回動した状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る車椅子1について説明する。
【0011】
まず、図1から図5を参照して、車椅子1の構成について説明する。以下では、車椅子1の長さ方向を「前後方向」と称し、車椅子1の幅方向を「左右方向」と称し、車椅子1の高さ方向を「上下方向」と称する。
【0012】
図1は、車椅子1の斜視図である。図2は、図1における要部の分解図である。図3は、車椅子1の制御ブロック図である。図4は、座面41が正方向を向いているときの車椅子1の側面図である。図5は、座面方向切替機構43の斜視図である。
【0013】
車椅子1は、フレーム10と、複数の車輪20と、駆動機構30と、シート40と、シート移動機構50と、介助機構60と、制御部70と、操作部80(図3参照)と、を備える。車椅子1は、使用者(図示省略)が自力で立ち上がれない場合であっても、介助者による介助を必要とせずに起立して乗り降りが可能なものである。
【0014】
図1及び図2に示すように、フレーム10は、車椅子1の本体を構成する。フレーム10は、略矩形のはしご状に形成される。フレーム10の4つの角部には、車輪20が各々設けられる。フレーム10には、シート40の後述する座面41の向きが逆方向に変更されたときに使用者の足を支持する足置き部11が設けられる。フレーム10は、車輪20によって支持される。フレーム10は、駆動機構30と、シート40と、シート移動機構50と、介助機構60と、制御部70と、操作部80と、を支持する。
【0015】
足置き部11は、使用者の左右の足を各々支持するように一対設けられる。足置き部11は、後述する左右の従動輪22(後輪)の近傍に各々設けられる。足置き部11は、シート40の座面41が逆方向を向いているとき以外は、使用者と干渉しないようにフレーム10に沿って左右に跳ね上げることが可能である。
【0016】
車輪20は、フレーム10に回転自在に取り付けられてフレーム10を支持する。車輪20は、一対の駆動輪21と、一対の従動輪22と、を有する。
【0017】
駆動輪21は、フレーム10の前側(前端部)に設けられる前輪である。駆動輪21は、フレーム10の前後方向に向かって転舵不能に設けられる小型の車輪である。一対の駆動輪21は、左右方向に間隔をあけて設けられる。駆動輪21は、後述する駆動部としての駆動用モータ31によって駆動されて回転する。
【0018】
従動輪22は、フレーム10における駆動輪21の後側(後端部)に設けられる後輪である。従動輪22は、フレーム10の前後方向に回転自在かつフレーム10の左右方向にスライド自在な全方向移動車輪である(図4参照)。一対の従動輪22は、左右方向に間隔をあけて設けられる。従動輪22は、フレーム10の移動に伴い前後方向に回転し左右方向にスライドする。
【0019】
このように、前輪を駆動輪21とし後輪を従動輪22とすることで、後輪の高さが抑えられ、後輪を例えばベッド2(図7参照)等の下方の空間に入り込ませることができる。また、従動輪22を全方向移動車輪とすることで、自在輪を用いた場合のように後輪が左右に振れることがないので、従動輪22を例えばトイレ(図示省略)等の狭い空間に入り込ませることができる。
【0020】
駆動機構30は、一対の駆動部としての駆動用モータ31を有する。
【0021】
駆動用モータ31は、駆動輪21の車軸方向に回転軸が位置するように設けられる。駆動用モータ31は、フレーム10に設けられて駆動輪21を駆動する。駆動用モータ31は、一対の駆動輪21の間に一直線上に並べて設けられる。駆動用モータ31は、支持部材31aを介してフレーム10の前端部に支持される。駆動用モータ31は、モータの回転を減速して駆動輪21に伝達する減速機31bを有する。図3に示すように、駆動用モータ31は、後述するコントローラ71に電気的に接続され、コントローラ71から入力される電気信号に応じて回転する。
【0022】
図1及び図2に示すように、シート40は、座面41と、昇降用アクチュエータとしての直動アクチュエータ42と、座面方向切替機構43と、を有する。シート40は、シート移動機構50の後述する従動スプロケット52に取り付けられ、従動スプロケット52と共に回動する。シート40は、シート移動機構50を介してフレーム10に取り付けられ、座面41が正面を向いているときに使用者の前方に介助機構60が位置するように設けられる。
【0023】
座面41は、使用者が着座するものである。座面41は、少なくとも使用者が着座する着座位置(図4参照)と、使用者がフレーム10の後方から出入り可能な退避位置(図7参照)と、に移動可能なようにフレーム10に取り付けられる。座面41は、着座位置と退避位置とに移動可能に設けられるので、座面41自体を分割する必要がなく、使用者が着座するための強度を確保することができる。
【0024】
直動アクチュエータ42は、座面41を昇降させるものである。直動アクチュエータ42が設けられることで、例えばベッド2(図4参照)の上方にシート40の座面41が位置するように、座面41の高さを調整可能である。図3に示すように、直動アクチュエータ42は、後述するコントローラ71に電気的に接続され、コントローラ71から入力される電気信号に応じて伸縮する。直動アクチュエータ42は、例えば、電動モータとボールねじ機構とが内蔵されて構成される。
【0025】
座面方向切替機構43は、フレーム10上の座面41の位置を変更せずに座面41の向きを変更するものである。座面方向切替機構43は、座面41に使用者が着座した状態で当該使用者の正面に介助機構60が位置する正方向と、使用者の背面に介助機構60が位置する逆方向と、に座面41の向きを変更可能である。
【0026】
このように、車椅子1は、フレーム10上の座面41の位置を変更せずに座面41の向きを変更する座面方向切替機構43を備える。そのため、使用者の前方に介助機構60が位置しないように座面41の向きを変更することができる。よって、使用者がシート40に着座した状態で介助機構60が干渉しないようにできる。したがって、使用者の起立動作を介助する介助機構60を備えながら、使用者がシート40に着座したままテーブルでの食事や洗面台での洗面等を行うことができる。
【0027】
図5に示すように、座面方向切替機構43は、固定部44と、回転部45と、ロック機構46と、検出部としての座面位置センサ47(図3参照)と、を有する。
【0028】
固定部44は、直動アクチュエータ42の上部に設けられ、直動アクチュエータ42に固定される。固定部44は、上面が略水平になるように設けられる。
【0029】
回転部45は、固定部44に対して回転軸を中心に回転(自転)自在に設けられる。回転部45には、座面41が固定される。回転部45は、ロック機構46が固定状態である場合には、固定部44に対して回転不能に固定される。回転部45は、ロック機構46が解放状態である場合には、固定部44に対して回転自在になる。
【0030】
ロック機構46は、固定部44からシート40の後方に突出して設けられる。ロック機構46は、使用者若しくは介助者によって操作される。ロック機構46は、固定部44に対して回転部45が回転自在な解放状態と、固定部44に対して回転部45が回転不能な固定状態と、に切り替えられる。
【0031】
座面位置センサ47は、座面41の向きを検出する。座面位置センサ47は、少なくとも座面41が正方向を向いているか逆方向を向いているかを検出する。座面位置センサ47は、座面41の方向に対応する電気信号をコントローラ71に送信する。座面位置センサ47は、座面方向切替機構43内に設けられるのではなく、別途設けられてもよい。座面位置センサ47を用いた車椅子1の運転モードの切り替えについては、図4及び図6を参照しながら、後で詳細に説明する。
【0032】
図1及び図2に示すように、シート移動機構50は、駆動スプロケット51と、従動スプロケット52と、伝達部材としてのチェーン53と、回動用アクチュエータとしての回動用モータ54と、を有する。
【0033】
駆動スプロケット51は、フレーム10の上部に水平に取り付けられる。駆動スプロケット51は、回動用モータ54の回転軸に取り付けられる。駆動スプロケット51は、回動用モータ54によって回転駆動される。
【0034】
従動スプロケット52は、シート40の下部に水平に取り付けられる。従動スプロケット52には、駆動スプロケット51の回転がチェーン53を介して伝達される。従動スプロケット52は、駆動スプロケット51よりも大経に形成される。これにより、回動用モータ54のトルクが増幅されて従動スプロケット52に伝達される。
【0035】
従動スプロケット52は、座面41よりも前方に離れて位置する。即ち、座面41は、従動スプロケット52よりも後方に離れて位置する。これにより、座面41は、従動スプロケット52が回動すると、従動スプロケット52の中心軸を回転軸とし、従動スプロケット52の中心軸からの距離を回転半径として、大きく側方に回動することができる。
【0036】
チェーン53は、駆動スプロケット51と従動スプロケット52との間に掛け回される。なお、チェーン53に代えて、ベルトや動力伝達軸等を用いて回動用モータ54の動力を伝達してもよい。
【0037】
図3に示すように、回動用モータ54は、後述するコントローラ71に電気的に接続され、コントローラ71から入力される電気信号に応じて回転する。図2に示すように、回動用モータ54は、シート40を回動させる。具体的には、回動用モータ54は、介助機構60の後方の着座位置と、着座位置の左右方向の退避位置と、の間で座面41を回動させる。
【0038】
図1及び図2に示すように、介助機構60は、フレーム10に取り付けられる。介助機構60は、着座位置に位置するシート40の前方に設けられて使用者を支持して起立動作を介助するものである。介助機構60は、足置き部61と、アーム62と、一対の支柱63と、膝当て部64と、一対の傾動用アクチュエータとしての電動シリンダ65と、伸縮用アクチュエータとしての電動シリンダ66と、を有する。
【0039】
足置き部61は、使用者の足を支持する。足置き部61は、略半円状のプレートである。足置き部61は、使用者が乗れるように、使用者の足の大きさよりも大きく形成される。足置き部61は、支柱63が傾動すると、連動して一体に傾動する。
【0040】
アーム62は、使用者の腕を支持する。具体的には、アーム62は、使用者の脇を下から抱え上げるように支持する。アーム62は、U字状に形成されて、略中央が支柱63によって支持される。アーム62は、支柱63が傾動すると、連動して一体に傾動する。
【0041】
支柱63は、アーム62をフレーム10に支持する。一対の支柱63は、左右方向に間隔をあけて平行に設けられる。支柱63は、フレーム10の上部に軸受け63aを介して前後方向に回動可能に支持される。支柱63は、伸縮してアーム62を昇降させる。足置き部61と支柱63とは、一体となってフレーム10の前後方向に傾動可能に設けられる。具体的には、支柱63は、フレーム10に対して略垂直な基準位置(図5参照)と、基準位置から前傾した前傾位置(図6参照)と、に移動可能である。
【0042】
膝当て部64は、支柱63に取り付けられる。膝当て部64は、支柱63の後部における高さ方向略中央に設けられる。膝当て部64は、アーム62が使用者の脇を下から抱え上げた状態で、使用者の膝を前方から支持する。膝当て部64は、使用者の膝が直接接触するので、例えば弾性を有するゴムや樹脂などのエラストマー等、クッション性の高い部材によって形成される。
【0043】
一対の電動シリンダ65は、フレーム10の上部と各々の支柱63の前部との間を連結する。図3に示すように、電動シリンダ65は、後述するコントローラ71に電気的に接続され、コントローラ71から入力される電気信号に応じて伸縮する。電動シリンダ65が収縮すると、支柱63はフレーム10に対して前傾する。電動シリンダ65が伸長すると、支柱63はフレーム10に対して後傾する。
【0044】
図1及び図2に示すように、電動シリンダ66は、フレーム10の上部とアーム62の下部との間を連結する。電動シリンダ66は、一対の支柱63の間に支柱63と平行になるように設けられる。図3に示すように、電動シリンダ66は、後述するコントローラ71に電気的に接続され、コントローラ71から入力される電気信号に応じて伸縮する。電動シリンダ66が伸長すると、支柱63が伸長して、フレーム10に対してアーム62が上昇する。電動シリンダ66が収縮すると、支柱63が収縮して、フレーム10に対してアーム62が下降する。
【0045】
以上のように、介助機構60は、使用者の起立動作を介助する際に、支柱63が前傾した状態で足置き部61が使用者の足を支持し、アーム62が使用者の腕を支持し、膝当て部64が使用者の膝を支持して、使用者の全身を支持する。
【0046】
この状態で、シート40を退避位置から着座位置に移動させることで、使用者は車椅子1に搭乗することができる。一方、この状態で、シート40を着座位置から退避位置に移動させることで、使用者は車椅子1から降りて後方のベッド2(図7参照)等に移動することができる。また、介助機構60は、足置き部61が足を支持し、膝当て部64が膝を支持することで、使用者の脚の角度が一定のまま安定した姿勢で全身を支持することができる。介助機構60の具体的な作用については、図7を併せて参照しながら、後で詳細に説明する。
【0047】
制御部70は、コントローラ71と、蓄電部72と、を有する。
【0048】
コントローラ71は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えたマイクロコンピュータで構成される。コントローラ71は、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することで各種の処理を行う。コントローラ71は、複数のマイクロコンピュータで構成することも可能である。コントローラ71は、座面位置センサ47及び後述する操作部80から入力される信号に基づき、駆動用モータ31、直動アクチュエータ42、回動用モータ54、電動シリンダ65、及び電動シリンダ66の動作を制御する。
【0049】
蓄電部72は、制御部70の筐体70a内に収容される。蓄電部72は、駆動用モータ31、直動アクチュエータ42、回動用モータ54、電動シリンダ65、電動シリンダ66、及びコントローラ71に電源を供給する。蓄電部72は、例えば、リチウムイオン電池等の二次電池によって構成される。
【0050】
図3に示すように、操作部80は、駆動操作部としての第1操作部81と、第2操作部82と、を有する。
【0051】
第1操作部81は、使用者が車椅子1に乗車した状態で操作可能な位置に設けられる。第1操作部81は、駆動機構30の動きを操作するものである。具体的には、第1操作部81は、使用者によって操作され、駆動輪21による車椅子1の駆動方向を指示するためのものである。第1操作部81は、例えば、使用者が移動したい方向にスティックを倒すと当該方向に車椅子1が移動するジョイスティックである。
【0052】
第2操作部82は、使用者が車椅子1に乗車した状態と、車椅子1から降りている状態と、の両方で操作可能な位置に設けられる。第2操作部82は、例えばケーブルを介してコントローラ71に接続される。第2操作部82は、シート移動機構50及び介助機構60の動きを操作するものである。なお、第2操作部82は、介助者が居る場合には介助者によっても操作可能である。第2操作部82は、アーム上昇ボタン82aと、アーム下降ボタン82bと、支柱前傾ボタン82cと、支柱後傾ボタン82dと、シート回動ボタン82eと、シート逆回動ボタン82fと、シート上昇ボタン82gと、シート下降ボタン82hと、第1モード切替ボタン82iと、第2モード切替ボタン82jと、を有する。第1モード切替ボタン82iと第2モード切替ボタン82jとが、モード切替操作部に相当する。
【0053】
コントローラ71は、アーム上昇ボタン82aが押下されると、電動シリンダ66を伸長させることで支柱63が伸長させ、アーム62を上昇させる。コントローラ71は、アーム下降ボタン82bが押下されると、電動シリンダ66を収縮させることで支柱63を収縮させ、アーム62を下降させる。
【0054】
コントローラ71は、支柱前傾ボタン82cが押下されると、電動シリンダ65を収縮させることで足置き部61及び支柱63を前傾させる。コントローラ71は、支柱後傾ボタン82dが押下されると、電動シリンダ65を伸長させることで足置き部61及び支柱63を後傾させる。
【0055】
コントローラ71は、シート回動ボタン82eが押下されると、駆動スプロケット51及びチェーン53を介して回動用モータ54に従動スプロケット52を回動させ、左右のいずれか一方に座面41を回動させる。コントローラ71は、シート逆回動ボタン82fが押下されると、駆動スプロケット51及びチェーン53を介して回動用モータ54に従動スプロケット52を回動させ、左右のいずれか他方に座面41を回動させる。
【0056】
コントローラ71は、シート上昇ボタン82gが押下されると、直動アクチュエータ42を伸長させることで座面41を上昇させる。コントローラ71は、シート下降ボタン82hが押下されると、直動アクチュエータ42を収縮させることで座面41を下降させる。
【0057】
コントローラ71は、第1モード切替ボタン82iが押下された状態では、第1操作部81が前方に倒すように操作されたときに駆動輪21が車椅子1を前進させるように駆動し、第1操作部81が後方に倒すように操作されたときに駆動輪21が車椅子1を後退させるように駆動する。コントローラ71は、第2モード切替ボタン82jが押下された状態では、第1操作部81が前方に倒すように操作されたときに駆動輪21が車椅子1を後退させるように駆動し、第1操作部81が後方に倒すように操作されたときに駆動輪21が車椅子1を前進させるように駆動する。
【0058】
なお、座面位置センサ47が設けられる場合には、第2操作部82に第1モード切替ボタン82i及び第2モード切替ボタン82jを設ける必要はない。
【0059】
次に、図4及び図6を参照して、車椅子1の運転モードの切り替えについて説明する。
【0060】
図4は、座面41が正方向を向いているときの車椅子1の側面図である。図6は、図4から座面41が逆方向を向いたときの車椅子1の側面図である。
【0061】
図4に示すように、座面41が正方向を向いている状態では、座面位置センサ47は、座面41が正方向であることを示す電気信号をコントローラ71に送信する。この状態では、コントローラ71は、第1操作部81が前方に倒すように操作されたときに駆動輪21が車椅子1を前進させるように駆動し、第1操作部81が後方に倒すように操作されたときに駆動輪21が車椅子1を後退させるように駆動する。この状態から、使用者若しくは介助者が、ロック機構46を解除状態にして座面41を180度回転させ、再びロック機構46を固定状態にすると、図7に示す状態になる。
【0062】
図7に示すように、座面41が逆方向を向いている状態では、座面位置センサ47は、座面41が逆方向であることを示す電気信号をコントローラ71に送信する。この状態では、コントローラ71は、第1操作部81が前方に倒すように操作されたときに駆動輪21が車椅子1を後退させるように、即ち座面41に着座した使用者の正面に進むように駆動し、第1操作部81が後方に倒すように操作されたときに駆動輪21が車椅子1を前進させるように、即ち座面41に着座した使用者の背面に進むように駆動する。
【0063】
このように、コントローラ71は、座面位置センサ47によって検出された座面41の向きに基づき、座面41が正方向を向いているときと逆方向を向いているときとで、第1操作部81の操作方向に対する駆動用モータ31による駆動輪21の駆動方向を逆にするように制御する。
【0064】
よって、コントローラ71は、座面41の向きを検出する座面位置センサ47が検出した座面41の方向に基づいて、第1操作部81の操作方向に対する駆動用モータ31による駆動輪21の駆動方向を逆にするように制御する。したがって、使用者若しくは介助者が操作を行う必要はなく、座面41の向きを変更するだけで、第1操作部81の操作方向に対する駆動用モータ31による駆動輪21の駆動方向を逆にするように制御することができる。
【0065】
また、シート40に座面位置センサ47が設けられずに、第2操作部82に第1モード切替ボタン82i及び第2モード切替ボタン82jが設けられる場合には、コントローラ71は、第1モード切替ボタン82i及び第2モード切替ボタン82jの押下状態に基づいて第1操作部81の操作方向に対する駆動用モータ31による駆動輪21の駆動方向を制御する。
【0066】
使用者若しくは介助者は、座面41の向きが正方向であるときに第1モード切替ボタン82iを押下し、座面41の向きが逆方向であるときに第2モード切替ボタン82jを押下する。
【0067】
コントローラ71は、第1モード切替ボタン82iが押下された状態では、第1操作部81が前方に倒すように操作されたときに駆動輪21が車椅子1を前進させるように駆動し、第1操作部81が後方に倒すように操作されたときに駆動輪21が車椅子1を後退させるように駆動する。コントローラ71は、第2モード切替ボタン82jが押下された状態では、第1操作部81が前方に倒すように操作されたときに駆動輪21が車椅子1を後退させるように、即ち座面41に着座した使用者の正面に進むように駆動し、第1操作部81が後方に倒すように操作されたときに駆動輪21が車椅子1を前進させるように、即ち座面41に着座した使用者の背面に進むように駆動する。
【0068】
このように、コントローラ71は、第1モード切替ボタン82i及び第2モード切替ボタン82jによって切り替えられた進行方向に基づき、第1操作部81の操作方向に対する駆動用モータ31による駆動輪21の駆動方向を逆にするように制御する。
【0069】
したがって、使用者若しくは介助者が行った操作に基づいて、第1操作部81の操作方向に対する駆動用モータ31による駆動輪21の駆動方向を逆にするように制御するので、使用者及び介助者が意図しない車椅子1の動作を防止することができる。
【0070】
なお、座面41が逆方向を向いた状態では、使用者の前方に介助機構60が位置しないので、使用者の前方の視界が確保でき安全性が向上する。座面41が逆方向を向いた状態では、使用者の前方を介助機構60が遮ることがないので、使用者は、他者とのコミュニケーションを取りやすくなる。座面41が逆方向を向いた状態では、介助者は、座面41が正方向を向いた状態で使用者の腕を支持するアーム62を押すことができるので、介助者が車椅子1を押す動作が容易になる。
【0071】
次に、主に図4及び図7を参照して、車椅子1を用いた使用者の起立動作について説明する。ここでは、車椅子1に搭乗した使用者が後方のベッド2上へ移動する場合を例として説明する。
【0072】
図7は、支柱63が基準位置から前傾すると共にシート40が回動した状態を示す側面図である。
【0073】
図4に示すのは、車椅子1に使用者が搭乗して走行可能な状態(走行状態)である。このとき、使用者は座面41に着座し、使用者の足は足置き部61上に位置している。使用者は、第1操作部81を操作して車椅子1を移動させ、座面41がベッド2の上方に位置し、後輪を構成する従動輪22がベッド2の下方に入り込んだ状態(図7に示す状態)にする。使用者は、座面41がベッド2と干渉する場合には、第2操作部82のシート上昇ボタン82gを操作して直動アクチュエータ42を伸長させ、座面41がベッド2の上面よりも高くなるように調整する。また、足置き部11が跳ね上げられた状態でベッド2と干渉する場合には、使用者若しくは介助者は、予め足置き部11を水平な状態に展開しておく。この状態から、使用者は、アーム62を腕と身体とで挟むようにして、アーム62を脇の下に位置させる。
【0074】
続いて、使用者は、第2操作部82のアーム上昇ボタン82aを操作し、支柱63を伸長させアーム62を上昇させる。これにより、アーム62が使用者の脇を下から支持した状態になる。
【0075】
続いて、使用者は、アーム62の前方のグリップ(図示省略)を掴みながら第2操作部82の支柱前傾ボタン82cを操作し、足置き部61と支柱63とを基準位置から一体に前傾させる。これにより、使用者の足を足置き部61が支持しながら、使用者の膝を膝当て部64が支持した状態(図7に示す状態)になる。そのまま足置き部61と支柱63とを更に前傾させると、使用者の臀部が座面41から離間して、使用者の全体重が介助機構60によって支持される。
【0076】
続いて、使用者は、アーム62の前方のグリップを掴みながら第2操作部82のシート回動ボタン82eとシート逆回動ボタン82fとの一方を操作し、座面41を着座位置から退避位置へ移動させる。これにより、使用者とベッド2との間に座面41が位置しない状態(図7に示す状態)になる。このとき、座面41は、使用者を支持していない状態であるので、使用者と干渉することなく退避位置へ移動することができる。
【0077】
続いて、使用者は、アーム62の前方のグリップを掴みながら第2操作部82の支柱後傾ボタン82dを操作し、足置き部61と支柱63とを一体に後傾させる。即ち、前傾状態にあった足置き部61と支柱63とを元の基準位置に戻す。これにより、使用者の臀部がベッド2の上面に接触する。
【0078】
続いて、使用者は、アーム62の前方のグリップを掴みながら第2操作部82のアーム下降ボタン82bを操作し、支柱63を収縮させアーム62を下降させる。これにより、アーム62が使用者の脇を下から離間して、使用者のベッド2上への移動が完了する。
【0079】
このように、シート40は、使用者が着座する着座位置と使用者がフレーム10の後方から出入り可能な退避位置とに座面41が移動可能であり、介助機構60は、着座位置に位置するシート40の前方に設けられて使用者を支持して起立動作を介助するので、使用者は、車椅子1からベッド2へ移動することができる。使用者が自力で立ち上がれない場合であっても介助を必要とせずに起立可能な車椅子1を提供することができる。
【0080】
なお、使用者がベッド2上から移動して車椅子1に搭乗する際には、上述した動作と逆の動作を行えばよい。
【0081】
以上の本実施形態の構成及び作用効果について、まとめて説明する。
【0082】
(1)車椅子1は、フレーム10と、フレーム10に回転自在に取り付けられてフレーム10を支持する複数の車輪20と、フレーム10に取り付けられ、使用者を支持して起立動作を介助する介助機構60と、使用者が着座する座面41を有してフレーム10に取り付けられ、座面41が正面を向いているときに使用者の前方に介助機構60が位置するシート40と、シート40に設けられ、フレーム10上の座面41の位置を変更せずに座面41の向きを変更する座面方向切替機構43と、を備える。
【0083】
この構成では、車椅子1は、フレーム10上の座面41の位置を変更せずに座面41の向きを変更する座面方向切替機構43を備える。そのため、使用者の前方に介助機構60が位置しないように座面41の向きを変更することができる。よって、使用者がシート40に着座した状態で介助機構60が干渉しないようにできる。したがって、使用者の起立動作を介助する介助機構60を備えながら、使用者がシート40に着座したままテーブルでの食事や洗面台での洗面等を行うことができる。
【0084】
(2)好ましくは、座面方向切替機構43は、座面41に使用者が着座した状態で当該使用者の正面に介助機構60が位置する正方向と使用者の背面に介助機構60が位置する逆方向とに座面41の向きを変更可能である。
【0085】
この構成によれば、座面方向切替機構43が使用者の背面に介助機構60が位置する逆方向に座面41の向きを変更することで、使用者がシート40に着座した状態で介助機構60が干渉しないようにできるので、使用者がシート40に着座したままテーブルでの食事や洗面台での洗面等を行うことができる。
【0086】
(3)好ましくは、車椅子1は、フレーム10に設けられて駆動輪21を駆動する駆動用モータ31と、使用者によって操作され駆動輪21の駆動方向を指示する第1操作部81と、座面41の向きを検出する座面位置センサ47と、駆動用モータ31による駆動輪21の駆動を制御するコントローラ71と、を更に備え、コントローラ71は、座面位置センサ47によって検出された座面41の向きに基づき、座面41が正方向を向いているときと逆方向を向いているときとで、第1操作部81の操作方向に対する駆動用モータ31による駆動輪21の駆動方向を逆にするように制御する。
【0087】
この構成によれば、コントローラ71は、座面41の向きを検出する座面位置センサ47が検出した座面41の方向に基づいて、第1操作部81の操作方向に対する駆動用モータ31による駆動輪21の駆動方向を逆にするように制御する。よって、使用者若しくは介助者が操作を行う必要はなく、座面41の向きを変更するだけで、第1操作部81の操作方向に対する駆動用モータ31による駆動輪21の駆動方向を逆にするように制御することができる。
【0088】
(4)好ましくは、車椅子1は、フレーム10に設けられて駆動輪21を駆動する駆動用モータ31と、使用者によって操作され駆動輪21の駆動方向を指示する第1操作部81と、車椅子1の進行方向を切り替えるための第1モード切替ボタン82i及び第2モード切替ボタン82jと、駆動用モータ31による駆動輪21の駆動を制御するコントローラ71と、を更に備え、コントローラ71は、第1モード切替ボタン82i及び第2モード切替ボタン82jによって切り替えられた進行方向に基づき、第1操作部81の操作方向に対する駆動用モータ31による駆動輪21の駆動方向を逆にするように制御する。
【0089】
この構成によれば、コントローラ71は、第1モード切替ボタン82i及び第2モード切替ボタン82jによって切り替えられた進行方向に基づいて、第1操作部81の操作方向に対する駆動用モータ31による駆動輪21の駆動方向を逆にするように制御する。よって、使用者若しくは介助者が行った操作に基づいて、第1操作部81の操作方向に対する駆動用モータ31による駆動輪21の駆動方向を逆にするように制御するので、使用者及び介助者が意図しない車椅子1の動作を防止することができる。
【0090】
(5)好ましくは、シート40は、少なくとも使用者が着座する着座位置と使用者がフレーム10の後方から出入り可能な退避位置とに座面41が移動可能である。
【0091】
この構成によれば、シート40は、使用者が着座する着座位置と使用者がフレーム10の後方から出入り可能な退避位置とに座面41が移動可能である。また、介助機構60は、着座位置に位置するシート40の前方に設けられて使用者を支持して起立動作を介助するの。よって、使用者は、ベッド2等から車椅子1へ、車椅子1からベッド2等へ移動することができる。使用者が自力で立ち上がれない場合であっても介助を必要とせずに起立可能な車椅子1を提供することができる。
【0092】
(6)好ましくは、シート40は、座面41が介助機構60の後方の着座位置と当該着座位置の左右方向の退避位置との間で回動可能に設けられる。
【0093】
この構成によれば、シート40は、使用者が着座する着座位置の左右方向の退避位置に座面41が移動することで、使用者は、シート40が邪魔にならずに、車椅子1から降りて後方のベッド2等に移動すること、及びベッド2等から移動して車椅子1に搭乗することができる。
【0094】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一つを示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0095】
例えば、上記実施形態では、座面方向切替機構43は、固定部44と、回転部45と、を有し、座面41を回転(自転)可能に支持する。これに代えて、例えば座面41を回転させずに、背もたれの位置だけが前後に移動可能な機構を座面方向切替機構として設けてもよい。
【0096】
また、上記実施形態では、座面方向切替機構43は、使用者若しくは介助者によって手動で操作されるものであるが、これに代えて、例えばアクチュエータを有して電動で座面41の方向を切り替える機構を座面方向切替機構として設けてもよい。
【0097】
また、上記実施形態では、支柱63がフレーム10に対して略垂直な基準位置と当該基準位置から前傾した前傾位置とに移動可能であるものを例示したが、これに限らず、支柱63が基準位置から後傾した後傾位置にも移動可能な構成にしてもよい。この場合、車椅子1に搭乗した使用者がベッド2の上などに着座する際に、支柱63をフレーム10に対して後傾した後傾位置に傾動させることで、使用者がより楽な姿勢でベッド2の上などに着座できるようにすることが可能である。
【符号の説明】
【0098】
1 車椅子
10 フレーム
20 車輪
21 駆動輪
30 駆動機構
31 駆動用モータ(駆動部)
40 シート
41 座面
43 座面方向切替機構
47 座面位置センサ(検出部)
60 介助機構
70 制御部
71 コントローラ
80 操作部
81 第1操作部(駆動操作部)
82 第2操作部
82i 第1モード切替ボタン(モード切替操作部)
82j 第2モード切替ボタン(モード切替操作部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7