(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128697
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 29/78 20060101AFI20230907BHJP
H01L 29/12 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
H01L29/78 652H
H01L29/78 652T
H01L29/78 653A
H01L29/78 652J
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022033237
(22)【出願日】2022-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】水上 誠
(57)【要約】
【課題】素子破壊を抑制させることができる半導体装置を提供すること。
【解決手段】半導体装置は、第1電極と、第2電極と、炭化シリコン層とを備える。炭化シリコン層は、第1電極と電気的に接続されたn型の第1層と、第1層上に設けられ第1層よりも不純物濃度が低いn型の第2層と、第2層上に設けられた超接合構造部と、超接合構造部上に設けられたp型の第3層と、第3層上に設けられ第2電極と電気的に接続されたn型の第4層とを有する。超接合構造部は、第2層よりも不純物濃度が高い複数のn型ピラーと、第2層よりも不純物濃度が高い複数のp型ピラーと、第2方向においてn型ピラーとp型ピラーとの間に位置し、第2層から連続して第1方向に延び、n型ピラー及びp型ピラーよりも不純物濃度が低い境界領域とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と、
第2電極と、
第1方向において前記第1電極と前記第2電極との間に設けられた炭化シリコン層と、
を備え、
前記炭化シリコン層は、
前記第1電極と電気的に接続されたn型の第1層と、
前記第1層上に設けられ、前記第1層よりも不純物濃度が低いn型の第2層と、
前記第2層上に設けられた超接合構造部と、
前記超接合構造部上に設けられたp型の第3層と、
前記第3層上に設けられ、前記第2電極と電気的に接続されたn型の第4層と、
を有し、
前記超接合構造部は、前記第2層よりも不純物濃度が高い複数のn型ピラーと、前記第2層よりも不純物濃度が高い複数のp型ピラーと、前記第1方向に直交する第2方向において前記n型ピラーと前記p型ピラーとの間に位置し、前記第2層から連続して前記第1方向に延び、前記n型ピラー及び前記p型ピラーよりも不純物濃度が低い境界領域と、を有する半導体装置。
【請求項2】
前記境界領域はn型である請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記境界領域の上端は、前記第3層に接している請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記n型ピラーの前記第2方向における両側面のうち少なくとも片方の側面は、前記p型ピラーと接する部分を有しない請求項1~3のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項5】
前記p型ピラーの前記第2方向における両側面のうち少なくとも片方の側面は、前記n型ピラーと接する部分を有しない請求項1~4のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項6】
前記炭化シリコン層は、前記第1層と前記第2層との間に設けられ、前記第1層よりも低く、前記第2層よりも高い不純物濃度を有するn型の第5層をさらに有する請求項1~5のいずれか1つに記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パワーデバイスとして、スーパージャンクション構造と呼ばれるp型ピラーとn型ピラーとの周期的配列構造をもつ縦型デバイスが知られている。スーパージャンクション構造は、p型ピラーとn型ピラーに含まれる不純物量を同程度にすることでドリフト領域を空乏化して高耐圧を保持しつつ、n型ピラーを通して電流を流すことで低オン抵抗を実現することができる。また、炭化シリコン(SiC)を用いたパワーデバイスの開発も進められている。SiCデバイスには、シリコンデバイスとは異なる視点による開発へのアプローチが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-192541号公報
【特許文献2】特開2009-4805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態は、素子破壊を抑制させることができる半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、半導体装置は、第1電極と、第2電極と、第1方向において前記第1電極と前記第2電極との間に設けられた炭化シリコン層と、を備え、前記炭化シリコン層は、前記第1電極と電気的に接続されたn型の第1層と、前記第1層上に設けられ、前記第1層よりも不純物濃度が低いn型の第2層と、前記第2層上に設けられた超接合構造部と、前記超接合構造部上に設けられたp型の第3層と、前記第3層上に設けられ、前記第2電極と電気的に接続されたn型の第4層と、を有し、前記超接合構造部は、前記第2層よりも不純物濃度が高い複数のn型ピラーと、前記第2層よりも不純物濃度が高い複数のp型ピラーと、前記第1方向に直交する第2方向において前記n型ピラーと前記p型ピラーとの間に位置し、前記第2層から連続して前記第1方向に延び、前記n型ピラー及び前記p型ピラーよりも不純物濃度が低い境界領域と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態の半導体装置の模式断面図である。
【
図2】実施形態の超接合構造部の不純物濃度プロファイルを示す模式図である。
【
図3】第2実施形態の半導体装置の模式断面図である。
【
図4】第3実施形態の半導体装置の模式断面図である。
【
図5】第4実施形態の半導体装置の模式断面図である。
【
図6】第5実施形態の半導体装置の模式断面図である。
【
図7】第6実施形態の半導体装置の模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照し、実施形態について説明する。なお、各図面中、同じ構成には同じ符号を付している。
【0008】
[第1実施形態]
図1に示すように、第1実施形態の半導体装置1は、第1電極51と、第2電極52と、炭化シリコン(SiC)層10とを備える。例えば、第1電極51はドレイン電極、第2電極52はソース電極として機能する。
【0009】
第1電極51から第2電極52に向かう方向を第1方向d1とする。炭化シリコン層10は、第1方向d1において第1電極51と第2電極52との間に設けられている。第1方向d1において矢印の方向を相対的に上、矢印と反対側の方向を相対的に下とする。
【0010】
炭化シリコン層10は、n型の第1層11と、n型の第2層12と、超接合構造部30と、p型の第3層13と、n型の第4層14とを有する。
【0011】
第1層11は、SiC基板である。第1層11のn型不純物濃度は、例えば、1×1020/cm3である。第1層11の下面に第1電極51が設けられ、第1層11は第1電極51と電気的に接続されている。
【0012】
第1層11上に第2層12が設けられている。第2層12は、第1層(SiC基板)11上にエピタキシャル成長される。または、第1層11上に、n型の第5層15を介して第2層12を設けてもよい。第5層15は、エピタキシャル成長のバッファ層として機能する。
【0013】
第2層12のn型不純物濃度は、第1層11のn型不純物濃度よりも低い。第2層12のn型不純物濃度は、例えば、1×1017/cm3である。第5層15のn型不純物濃度は、第1層11のn型不純物濃度よりも低く、第2層12のn型不純物濃度よりも高い。第5層15のn型不純物濃度は、例えば、1×1018/cm3である。
【0014】
第2層12上に超接合構造部30が設けられている。超接合構造部30は、複数のn型ピラー31nと、複数のp型ピラー31pとを有する。n型ピラー31nとp型ピラー31pは、第1方向d1に直交する第2方向d2において交互に並んでいる。n型ピラー31nの下端及びp型ピラー31pの下端は、第2層12に接している。n型ピラー31n及びp型ピラー31pの平面形状は、例えば、第1方向d1及び第2方向d2に直交する方向(紙面を貫く方向)に延びるストライプ状に形成されている。
【0015】
n型ピラー31nのn型不純物濃度は、第2層12のn型不純物濃度よりも高い。n型ピラー31nのn型不純物濃度は、例えば、5×1017/cm3である。p型ピラー31pのp型不純物濃度は、第2層12のn型不純物濃度よりも高い。p型ピラー31pのp型不純物濃度は、例えば、5×1017/cm3である。
【0016】
n型ピラー31nのn型不純物濃度とp型ピラー31pのp型不純物濃度とは同程度である。また、n型ピラー31nの第2方向d2の幅とp型ピラー31pの第2方向d2の幅とはほぼ同じである。したがって、n型ピラー31nのn型不純物量とp型ピラー31pのp型不純物量とは同程度である。
【0017】
超接合構造部30は、さらに複数の境界領域32を有する。境界領域32は、第2方向d2において隣り合うn型ピラー31nとp型ピラー31pとの間に位置し、第2層12から連続して第1方向d1に延びている。境界領域32の平面形状は、n型ピラー31n及びp型ピラー31pと同様に、例えば、第1方向d1及び第2方向d2に直交する方向(紙面を貫く方向)に延びるストライプ状に形成されている。
【0018】
境界領域32は、例えば、第2層12と同程度の濃度を有するn型領域である。境界領域32のn型不純物濃度は、n型ピラー31nのn型不純物濃度及びp型ピラー31pのp型不純物濃度よりも低い。境界領域32のn型不純物濃度は、例えば、1×1017/cm3である。
【0019】
図2に示すように、n型ピラー31nとp型ピラー31pとの間に、n型ピラー31nのn型不純物濃度及びp型ピラー31pのp型不純物濃度よりも低く、幅方向(第2方向d2)において不純物濃度がほぼ一定の境界領域32がある。
【0020】
超接合構造部30上に、複数の第3層13が設けられている。第3層13は、例えばp型ベース層として機能する。p型ピラー31pの上端及び境界領域32の上端は、第3層13に接している。
【0021】
n型ピラー31n上に、n型の第7層17が設けられている。第7層17は、n型ピラー31nに接している、第7層17は、第2方向d2において隣り合う第3層13の間に位置する。
【0022】
第3層13上に第4層14が設けられている。第4層14は、例えばn型ソース層として機能する。第4層14のn型不純物濃度は、n型ピラー31nのn型不純物濃度よりも高い。第4層14は第2電極52に接し、第2電極52と電気的に接続されている。
【0023】
第3層13上に、p型の第6層16が設けられている。第6層16のp型不純物濃度は、第3層13のp型不純物濃度及びp型ピラー31pのp型不純物濃度よりも高い。第6層16は、第2電極52に接している。第2電極52の電位は、第6層16を介して、第3層13及びp型ピラー31pに与えられる。
【0024】
半導体装置1は、炭化シリコン層10上に設けられたゲート電極53をさらに備える。ゲート電極53と炭化シリコン層10との間、及びゲート電極53と第2電極52との間に絶縁膜41が設けられている。ゲート電極53の材料として、例えば、多結晶シリコンを用いることができる。絶縁膜41は、例えば、シリコン酸化膜である。第3層13における第4層14と第7層17との間の領域(チャネル領域)13aが、絶縁膜41を介してゲート電極53に対向している。
【0025】
半導体装置1のオン動作時には、ゲート電極53に閾値以上の電位が与えられ、チャネル領域13aに反転層(n型チャネル)が形成される。そして、第4層14、チャネル領域13a、第7層17、n型ピラー31n、第2層12、第5層15、及び第1層11を通じて、第2電極52と第1電極51との間を電子電流が流れる。
【0026】
ゲート電極53の電位が閾値より低い電位になると、チャネル領域13aのn型チャネルがカットオフされ、半導体装置1はオフ状態となる。このオフ状態のとき、超接合構造部30においてn型ピラー31nとp型ピラー31pとの境界領域32から横方向(第2方向d2)に空乏層が広がり、半導体装置1の耐圧が保持される。
【0027】
また、第1層11と超接合構造部30との間に、第1層11よりもn型不純物濃度が低い第2層12が設けられているため、オフ状態のときp型ピラー31pの下端と第2層12との境界から空乏層が広がりやすい。このことも半導体装置1の耐圧を高くする。
【0028】
SiC結晶においては、Si結晶に比べて、n型ピラーとp型ピラーとの境界を横切るような欠陥100が生じやすい。n型ピラーとp型ピラーとの境界は不純物濃度プロファイルが急峻になり得る部分であり、その境界を欠陥100が横切っていると、空乏層が広がっていくときに境界の欠陥に強い電界がかかりやすくなり、破壊の原因になり得る。
【0029】
本実施形態によれば、n型ピラー31nとp型ピラー31pとの間に、n型ピラー31nのn型不純物濃度及びp型ピラー31pのp型不純物濃度よりも低く、幅方向(第2方向d2)において不純物濃度がほぼ一定の境界領域32を設けることで、超接合構造部30を横切るような欠陥100があっても、境界領域32の欠陥にかかる電界を緩和でき、高電圧に対する半導体装置1の信頼性を向上させることができる。
【0030】
超接合構造部30は、第1方向d1において複数回のイオン注入を繰り返すことで形成することができる。第1層(SiC基板)11上に第2層12をエピタキシャル成長した後、第2層12の表面におけるp型ピラー31pの形成予定領域にp型不純物を注入する。p型不純物として、例えば、Al、B、Gaを用いることができる。この後、第2層12の表面におけるn型ピラー31nの形成予定領域にn型不純物を注入する。n型不純物として、例えば、N、Pを用いることができる。なお、n型不純物を注入した後、p型不純物を注入してもよい。
【0031】
上記1回目の不純物注入の後、不純物注入領域上に、一部が境界領域32となる層(例えば、第2層12と同程度のn型不純物濃度のn型層)をエピタキシャル成長させる。そのエピタキシャル成長層に、上記1回目と同様に2回目の不純物注入を行う。以降、不純物注入領域上に一部が境界領域32となる層をエピタキシャル成長させる工程と、エピタキシャル成長層に不純物を注入する工程と、が所定回数繰り返される。この後、例えば、1900℃程度の温度で熱処理を行うことで、注入された不純物を拡散させ、n型ピラー31nとp型ピラー31pを形成する。
【0032】
SiC中における不純物は、Si中における不純物よりも熱拡散しにくく、n型ピラー31nとp型ピラー31pとの間に、上記エピタキシャル成長層の一部である境界領域32が保持される。境界領域32は、第2層12から連続して第1方向に延びる。
【0033】
不純物注入位置の位置ずれにより、一部のn型ピラー31nと一部のp型ピラー31pとが接する部分が生じ得る。例えば、ある一箇所においてp型不純物の注入位置が
図1の第2方向d2において左側にずれて、p型ピラー31pの左側面の一部が左隣のn型ピラー31nの右側面に接したとしても、そのp型ピラー31pの右側面と右隣のn型ピラー31nとの間隔は、p型ピラー31pが左側に寄った分広くなる。
【0034】
すなわち、p型ピラー31pの第2方向d2における両側面ともがn型ピラー31nと接することはなく、p型ピラー31pの第2方向d2における両側面のうち少なくとも片方の側面は、n型ピラー31nと接する部分を有しない。同様に、n型ピラー31nの第2方向d2における両側面ともがp型ピラー31pと接することはなく、n型ピラー31nの第2方向d2における両側面のうち少なくとも片方の側面は、p型ピラー31pと接する部分を有しない。n型ピラー31nとp型ピラー31pとが接する部分が生じたとしても、その数は少なく、また特定箇所に集中しない。
【0035】
以下、他の実施形態について説明する。他の実施形態においても、超接合構造部30の構成は第1実施形態と同じであり、同じ効果が得られる。
【0036】
[第2実施形態]
図3に示すように、第2実施形態の半導体装置2は、トレンチゲート構造のゲート電極53を有する。
【0037】
p型ピラー31p上に、p型の第8層18が設けられている。n型ピラー31n上及び第8層18上に、n型の第7層17が設けられている。p型ピラー31pの上端は第8層18に接している。n型ピラー31nの上端は、第7層17に接している。第7層17上に第3層13が設けられている。
【0038】
ゲート電極53は、第4層14、第3層13、及び第7層17を貫通して第8層18に達するトレンチ内に、絶縁膜41を介して設けられる。ゲート電極53と第2電極52との間には、絶縁膜42が設けられている。
【0039】
オン動作時、第3層13における絶縁膜41を介してゲート電極53に対向するチャネル領域13aに反転層(n型チャネル)が形成される。電子電流は、チャネル領域13a及び第7層17を介して、第4層14とn型ピラー31nとの間を流れる。
【0040】
[第3実施形態]
図4に示すように、第3実施形態の半導体装置3では、n型ピラー31nの上端、p型ピラー31pの上端、及び境界領域32の上端が、超接合構造部30に設けられた第3層13に接している。
【0041】
ゲート電極53は、p型ピラー31pの上方において、第4層14を貫通して第3層13の途中の深さまで達するトレンチ内に、絶縁膜41を介して設けられる。オン動作時、第3層13における絶縁膜41を介してゲート電極53に対向するチャネル領域13aに反転層(n型チャネル)が形成され、電子電流はチャネル領域13aを介して、第4層14とn型ピラー31nとの間を流れる。
【0042】
[第4実施形態]
図5に示すように、第4実施形態の半導体装置4では、n型ピラー31nの上端、p型ピラー31pの上端、及び境界領域32の上端が、超接合構造部30に設けられた第3層13に接している。
【0043】
ゲート電極53は、第4層14及び第3層13を貫通してn型ピラー31nに達するトレンチ内に、絶縁膜41を介して設けられる。オン動作時、第3層13における絶縁膜41を介してゲート電極53に対向するチャネル領域13aに反転層(n型チャネル)が形成され、電子電流はチャネル領域13aを介して、第4層14とn型ピラー31nとの間を流れる。
【0044】
[第5実施形態]
図6に示すように、第5実施形態の半導体装置5では、n型ピラー31n上に、p型の第9層19が設けられている。さらに、n型ピラー31n上に、第9層19を覆うようにn型の第11層22が設けられている。n型ピラー31nの上端は、第9層19及び第11層22に接している。p型ピラー31p上に、p型の第10層21が設けられている。p型ピラー31pの上端は、第10層21に接している。第10層21上及び第11層22上に第3層13が設けられている。
【0045】
ゲート電極53は、第4層14、第3層13、及び第11層22を貫通して、第9層19に達するトレンチ内に、絶縁膜41を介して設けられる。オン動作時、第3層13における絶縁膜41を介してゲート電極53に対向するチャネル領域13aに反転層(n型チャネル)が形成され、電子電流はチャネル領域13a及び第11層22を介して、第4層14とn型ピラー31nとの間を流れる。
【0046】
[第6実施形態]
図7に示すように、第6実施形態の半導体装置6では、超接合構造部30と第3層13との間に、n型の第7層17、p型の第8層18、及びp型の第10層21が設けられている。
【0047】
例えば、第10層21が上に設けられたp型ピラー31pと、第8層18が上に設けられたp型ピラー31pとが、第2方向d2において交互に並んでいる。第10層21は、p型ピラー31pの上端及び第3層13の下面に接している。第7層17は、n型ピラー31n上に設けられ、さらに第8層18を覆っている。
【0048】
ゲート電極53は、第4層14、第3層13、及び第8層18上の第7層17を貫通して、第8層18に達するトレンチ内に、絶縁膜41を介して設けられる。オン動作時、第3層13における絶縁膜41を介してゲート電極53に対向するチャネル領域13aに反転層(n型チャネル)が形成され、電子電流はチャネル領域13a及び第7層17を介して、第4層14とn型ピラー31nとの間を流れる。
【0049】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0050】
1~6…半導体装置、10…炭化シリコン層、11…第1層、12…第2層、13…第3層、14…第4層、15…第5層、30…超接合構造部、31n…n型ピラー、31p…p型ピラー、32…境界領域、51…第1電極、52…第2電極、53…ゲート電極