(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128704
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】画像処理装置、方法、プログラム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
A61B 6/03 20060101AFI20230907BHJP
A61B 6/00 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
A61B6/03 370E
A61B6/00 350S
A61B6/03 360D
A61B6/03 360B
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022033246
(22)【出願日】2022-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】山根 俊瑞
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA01
4C093AA22
4C093AA26
4C093CA13
4C093CA21
4C093DA10
4C093FF03
4C093FF09
4C093FF28
4C093FF34
4C093FF35
4C093FG01
4C093FG13
(57)【要約】
【課題】画像中に複数の注目部位が存在する場合にも、複数の注目部位を観察するのに適切な差分画像を生成すること。
【解決手段】実施形態に係る画像処理装置は、取得部と、識別部と、差分画像生成部とを備える。取得部は、被検体から収集した第1の医用画像と第2の医用画像とを取得する。識別部は、第1の医用画像に含まれる被検体の複数の部位を識別する。差分画像生成部は、第1の医用画像を構成する複数の画素のそれぞれについて、部位に応じた差分生成方法によって当該画素に対応する第2の医用画像上の画素との差分値を算出することで、第1の医用画像と第2の医用画像との間の差分画像を生成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体から収集した第1の医用画像と第2の医用画像とを取得する取得部と、
前記第1の医用画像に含まれる前記被検体の複数の部位を識別する識別部と、
前記第1の医用画像を構成する複数の画素のそれぞれについて、部位に応じた差分生成方法によって当該画素に対応する前記第2の医用画像上の画素との差分値を算出することで、前記第1の医用画像と前記第2の医用画像との間の差分画像を生成する差分画像生成部と、
を備える、画像処理装置。
【請求項2】
前記差分画像生成部は、
前記複数の部位の識別結果に基づいて、前記第1の医用画像から前記部位に応じた複数の部分画像を生成し、
前記複数の部分画像のそれぞれに対して、前記部位に応じた差分の生成方法を適用することによって、複数の部分差分画像を生成し、前記複数の部分差分画像を統合することで、前記差分画像を生成する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記複数の部分差分画像のそれぞれは、少なくとも一部に異なる画素値を含み構成される、請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記識別部は、組成および画素値範囲の少なくとも一方が異なる部位を識別する、請求項1乃至3のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記差分画像生成部は、差分処理から構成される第1の差分生成方法と、ノイズ低減処理および強調処理の少なくとも一方の度合いが前記第1の差分生成方法よりも強い差分処理から構成される第2の差分生成方法とを、前記部位に応じて適用することで前記差分画像を生成する、請求項1乃至4のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記差分画像生成部は、脊柱管内に対応する画素に対して、前記第1の差分生成方法を適用し、脊柱管外に対応する画素に対して、前記第2の差分生成方法を適用する、請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記第1の差分生成方法は、前記第1の医用画像の画素値と前記第2の医用画像の画素値との単純差分処理であり、
前記第2の差分生成方法は、前記ノイズ低減処理及び前記強調処理の少なくとも一方を含む差分処理である、請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記差分画像生成部は、脊柱管内を除く椎骨領域又は椎骨周囲領域に対応する画素に対して、前記第1の差分生成方法を適用し、前記脊柱管内を含む椎骨領域および前記椎骨周辺領域以外の画素に対して、前記第2の差分生成方法を適用する、請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記第1の差分生成方法は、相対的に低い画素値の領域の差分値を減弱する高濃度強調処理を含む差分処理であり、
前記第2の差分生成方法は、前記差分値を減弱する度合いを前記第1の差分生成方法より強めた高濃度強調処理を含む差分処理である、請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記差分画像生成部は、前記部位に応じて、画素の差分値を2値化した2値化差分画像を生成する、請求項1乃至9のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記2値化差分画像を、前記差分画像、前記第1の医用画像、又は、前記第2の医用画像に重畳した融合画像を生成する融合画像生成部をさらに備える、請求項10に記載の画像処理装置。
【請求項12】
被検体から収集した第1の医用画像と第2の医用画像とを取得し、
前記第1の医用画像に含まれる前記被検体の複数の部位を識別し、
前記第1の医用画像を構成する複数の画素のそれぞれについて、部位に応じた差分生成方法によって当該画素に対応する前記第2の医用画像上の画素との差分値を算出することで、前記第1の医用画像と前記第2の医用画像との間の差分画像を生成する、
ことを含む、画像処理方法。
【請求項13】
請求項12に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させる、画像処理プログラム。
【請求項14】
請求項13に記載の画像処理プログラムを含む、記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、画像処理装置、方法、プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療の分野では、コンピュータ断層撮影装置(以下、CT(Computed Tomography)装置と呼ぶ)などの種々の医用画像診断装置(モダリティ)によって収集される医用画像を用いた診断が行われている。効率的な診断のためには、病変の経時的な変化を可視化して医師の診断を助ける技術が必要とされている。
【0003】
例えば、骨転移の骨関連事象リスクを把握するために、腫瘍の脊柱管内浸潤を可視化し、浸潤度合いを計測する技術が必要とされている。また、脊柱管内浸潤が発生する際には、同時に椎骨周辺に骨外腫瘤が発生することが多いため、これも可視化して脊柱管内浸潤と骨外腫瘤とを一緒に観察する技術が必要とされている。
【0004】
病変の経時的な変化を可視化する技術としては、例えば、異なる時刻に撮影された2つの画像の位置合わせを行い、その画像間の差異を可視化した差分画像を表示することにより、画像間の対比を支援する画像差分技術が知られている。
【0005】
例えば、画像中のどの部位に注目した差分画像を生成するかによって差分生成処理を切り替え、ノイズの少ない差分画像を作成する技術が知られている。また、差分画像においてパーシャルボリューム効果に起因するノイズを低減する技術が知られている。さらに、骨領域の差異を観察する際に邪魔になる軟部組織の差分値を減弱して目立たなくする高濃度強調処理に関する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6772123号公報
【特許文献2】特開2018-38815号公報
【特許文献3】特許第6877109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、画像中に複数の注目部位が存在する場合にも、複数の注目部位を観察するのに適切な差分画像を生成することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置付けることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係る画像処理装置は、取得部と、識別部と、差分画像生成部とを備える。取得部は、被検体から収集した第1の医用画像と第2の医用画像とを取得する。識別部は、前記第1の医用画像に含まれる前記被検体の複数の部位を識別する。差分画像生成部は、前記第1の医用画像を構成する複数の画素のそれぞれについて、部位に応じた差分生成方法によって当該画素に対応する前記第2の医用画像上の画素との差分値を算出することで、前記第1の医用画像と前記第2の医用画像との間の差分画像を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る画像処理装置の構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る画像処理装置の全行程を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る注目部位の識別処理の一例を説明するための図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る混ぜ合わせ関数を示す図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る混ぜ合わせ関数を示す図である。
【
図6A】
図6Aは、第1の実施形態に係る高濃度強調差分関数を示す図である。
【
図6B】
図6Bは、第1の実施形態に係る高濃度強調差分関数を示す図である。
【
図6C】
図6Cは、第1の実施形態に係る高濃度強調差分関数を示す図である。
【
図7】
図7は、第2の実施形態に係る画像処理装置の全行程を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、第3の実施形態に係る画像処理装置の構成の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、第3の実施形態に係る画像処理装置の全行程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、画像処理装置、方法、プログラム及び記憶媒体の実施形態について詳細に説明する。なお、本願に係る画像処理装置、方法、プログラム及び記憶媒体は、以下に示す実施形態によって限定されるものではない。また、以下の説明において、同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
【0011】
(第1の実施形態)
本実施形態に係る画像処理装置は、過去画像を現在画像に合わせて変形位置合わせを行い、画像間の経時変化を表す差分画像(経時差分画像)を生成する。ここで、注目する部位によって画像全体に適用する差分の生成方法を決定すると、画像中に複数の注目部位が存在する場合、複数の注目部位の観察に適切な差分画像が生成できない場合がある。そこで、本実施形態に係る画像処理装置は、現在画像に含まれる複数の部位を識別し、部位に応じた(部位ごとに適切な)差分の生成方法を適用することによって、画像中に複数の注目部位が存在する場合にも、複数の注目部位を観察するのに適切な差分画像を生成することを可能にする。
【0012】
本実施形態では、がんの骨転移関連事象の診断支援を例にして画像処理装置の詳細を説明する。本診断支援では、骨転移と、脊柱管内浸潤と、骨外腫瘤とを診断対象とし、これらを同一画像内で可視化するのに適切な差分画像を生成する。なお、本説明では、脊柱管内の脊髄領域を脊柱管領域と表記する。
【0013】
上記したように、本実施形態に係る画像処理装置は差分画像を生成するが、単純に現在画像と(位置合わせ後の)過去画像のCT値を引き算した生の差分(以下では単純差分とも呼ぶ)では、パーシャルボリューム効果に起因するノイズが発生する。このため、本実施形態に係る画像処理装置は、特許文献2(特開2018-38815)に開示されているノイズ低減手法等を適用する。しかしながら、ノイズ低減処理は、小さな値の差分をノイズと一緒に除去してしまうため、脊柱管領域内においてノイズ低減処理を適用すると、値の小さい脊柱管内部の差分が消えてしまう可能性がある。そこで、本実施形態に係る画像処理装置は、脊柱管領域内では画素値全域の生の差分(単純差分)を計算し、脊柱管領域外では、特許文献2に開示されているノイズ低減手法を用いた差分を計算する。
【0014】
また、本実施形態に係る画像処理装置は、脊柱管領域外においては、上記ノイズ低減手法に加えて、骨等の高吸収体上の差分を残して肺等の低吸収体上の差分を減弱する特許文献3(特許第6877109)に開示されている高濃度強調処理を適用する。ここで、高濃度強調処理は、骨外腫瘤可視化に必要な椎体周囲の差分も消してしまうため、本実施形態に係る画像処理装置は、椎骨もしくは椎骨に近い部位では、高濃度強調の度合いを弱めるという処理を適用する。
【0015】
図1は、第1の実施形態に係る画像処理装置10の構成の一例を示す図である。
図1に示すように、画像処理装置10は、処理回路11と、通信インターフェース12と、記憶回路13と、ディスプレイ14と、入力インターフェース15と、接続部16とを有している。また、画像処理装置10は、図示しないネットワークを介して、医用画像診断装置(モダリティ)や、医用画像保管装置、各部門システム等に通信可能に接続されている。
【0016】
医用画像診断装置は、X線CT(Computed Tomography)装置、磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging:MRI)装置や、X線診断装置などを含む。医用画像保管装置は、PACS(Picture Archiving and Communication System)等によって実現され、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)に準拠した形式で医用画像を保管する。各部門システムは、病院情報システム(HIS:Hospital Information System)、放射線情報システム(RIS:Radiology Information System)、診断レポートシステム、臨床検査情報システム(LIS:Laboratory Information System)などの種々のシステムが含まれる。
【0017】
処理回路11は、入力インターフェース15を介してユーザから受け付けた入力操作に応じて、制御機能11aと、位置合わせ機能11bと、識別機能11cと、差分画像生成機能11dとを実行して、画像処理装置10を制御する。ここで、制御機能11aは、取得機能の一例である。また、識別機能11cは、識別部の一例である。また、差分画像生成機能11dは、差分画像生成部の一例である。
【0018】
制御機能11aは、入力インターフェース15を介した操作に応じて、種々のGUI(Graphical User Interface)や、種々の表示情報を生成して、ディスプレイ14に表示するように制御する。また、制御機能11aは、通信インターフェース12を介して、図示しないネットワーク上の装置やシステムとの情報の送受信を制御する。具体的には、制御機能11aは、ネットワークに接続されたモダリティや、医用画像保管装置などから、3次元の医用画像(ボリュームデータ)を取得する。また、制御機能11aは、ネットワークに接続された各部門システムから被検体に関する情報を取得する。また、制御機能11aは、ネットワーク上の装置やシステムに処理結果を出力する。
【0019】
例えば、制御機能11aは、被検体から収集した第1の医用画像と第2の医用画像とを取得する。なお、制御機能11aによる処理については、後に詳述する。
【0020】
位置合わせ機能11bは、制御機能11aによって取得された3次元の医用画像を対象として、位置合わせ処理を実行する。具体的には、位置合わせ機能11bは、第1の医用画像の各画素と第2の医用画像の各画素との対応関係を算出する。なお、位置合わせ機能11bによる処理については、後に詳述する。
【0021】
識別機能11cは、制御機能11aによって取得された3次元の医用画像を対象として、被検体の複数の部位を識別する。具体的には、識別機能11cは、第1の医用画像に含まれる被検体の複数の部位を識別する。なお、識別機能11cによる処理については、後に詳述する。
【0022】
差分画像生成機能11dは、第1の医用画像と第2の医用画像との差分画像を生成する。具体的には、差分画像生成機能11dは、第1の医用画像を構成する複数の画素のそれぞれについて、部位に応じた差分生成方法によって当該画素に対応する第2の医用画像上の画素との差分値を算出することで、第1の医用画像と第2の医用画像との間の差分画像を生成する。なお、差分画像生成機能11dによる処理については、後に詳述する。
【0023】
上述した処理回路11は、例えば、プロセッサによって実現される。その場合に、上述した各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路13に記憶される。そして、処理回路11は、記憶回路13に記憶された各プログラムを読み出して実行することで、各プログラムに対応する機能を実現する。換言すると、処理回路11は、各プログラムを読み出した状態で、
図1に示した各処理機能を有することとなる。
【0024】
なお、処理回路11は、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサがプログラムを実行することによって各処理機能を実現するものとしてもよい。また、処理回路11が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。また、処理回路11が有する各処理機能は、回路等のハードウェアとソフトウェアとの混合によって実現されても構わない。また、ここでは、各処理機能に対応するプログラムが単一の記憶回路13に記憶される場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、各処理機能に対応するプログラムが複数の記憶回路に分散して記憶され、処理回路11が、各記憶回路から各プログラムを読み出して実行する構成としても構わない。
【0025】
通信インターフェース12は、画像処理装置10と、ネットワークを介して接続された他の装置やシステムとの間で送受信される各種データの伝送及び通信を制御する。具体的には、通信インターフェース12は、処理回路11に接続されており、他の装置やシステムから受信したデータを処理回路11に出力、又は、処理回路11から出力されたデータを他の装置やシステムに送信する。例えば、通信インターフェース12は、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Controller)等によって実現される。
【0026】
記憶回路13は、各種データ及び各種プログラムを記憶する。具体的には、記憶回路13は、処理回路11に接続されており、処理回路11から入力されたデータを記憶、又は、記憶しているデータを読み出して処理回路11に出力する。例えば、記憶回路13は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。
【0027】
ディスプレイ14は、各種情報及び各種データを表示する。具体的には、ディスプレイ14は、処理回路11に接続されており、処理回路11から出力された各種情報及び各種データを表示する。例えば、ディスプレイ14は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、タッチパネル等によって実現される。
【0028】
入力インターフェース15は、ユーザから各種指示及び各種情報の入力操作を受け付ける。具体的には、入力インターフェース15は、処理回路11に接続されており、ユーザから受け取った入力操作を電気信号へ変換して処理回路11に出力する。例えば、入力インターフェース15は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力インターフェース、及び音声入力インターフェース等によって実現される。なお、本明細書において、入力インターフェース15は、マウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース15の例に含まれる。
【0029】
接続部16は、処理回路11と、通信インターフェース12と、記憶回路13と、ディスプレイ14と、入力インターフェース15とを接続するバス等である。
【0030】
図2は、第1の実施形態に係る画像処理装置10の全工程を示すフローチャートである。画像処理装置10は、第1の医用画像である現在画像と、第2の医用画像である過去画像とを入力して、各部位毎に適切な差分生成方法で計算した、現在画像と過去画像との間の差分画像である統合差分画像を出力する。ここで、各医用画像は、全て3次元のボリュームデータである。本実施形態では、第1の医用画像と第2の医用画像はX線CT画像であるとして説明する。ただし、実施形態はこれに限定されるものではなく、本手法は、MRI(Magnetic Resonance Imaging)画像等の他のモダリティの医用画像でも適用可能である。また、第1の医用画像と第2の医用画像は、現在画像と過去画像以外の組み合わせであってもよい。例えば、一回の検査で撮影した造影画像と非造影画像であってもよい。
【0031】
例えば、
図2に示すように、本実施形態では、制御機能11aは、第1の医用画像である現在画像I1として、ある被検体の直近のX線CT画像を取得する(ステップS101)。次に、制御機能11aは、第2の医用画像である過去画像I2として、同じ被検体の前回の撮影で収集されたX線CT画像を取得する(ステップS102)。この処理は、例えば、処理回路11が、制御機能11aに対応するプログラムを記憶回路13から呼び出して実行することにより実現される。
【0032】
次に、位置合わせ機能11bは、現在画像I1の各画素と過去画像I2の各画素の位置の対応関係Vを算出(推定)する(ステップS103)。すなわち、位置合わせ機能11bは、過去画像I2における各画素が現在画像I1において対応する画素に合致するように、現在画像I1と過去画像I2との変形位置合わせを行う。さらに換言するなら、位置合わせ機能11bは、現在画像I1と過去画像I2の間の変形を推定する。この処理は、例えば、処理回路11が、位置合わせ機能11bに対応するプログラムを記憶回路13から呼び出して実行することにより実現される。
【0033】
次に、識別機能11cは、現在画像I1内の注目部位を識別する(ステップS104)。ここで、本実施形態では、識別機能11cは、注目部位として、脊柱管部位と椎骨部位とを識別する。この処理は、例えば、処理回路11が、識別機能11cに対応するプログラムを記憶回路13から呼び出して実行することにより実現される。
【0034】
次に、差分画像生成機能11dは、現在画像I1を構成する画素Pに対して、画素Pが注目部位(脊柱管)の内部に存在するか否かを判定して(ステップS106)、判定結果に応じて、ステップS107又はステップS108の処理を実行する(ステップS105)。該処理は例えば、現在画像I1を構成する全ての画素に対して、実行される。例えば、画素Pが注目部位の内部に存在する(すなわち、画素Pが脊柱管に属する)場合(ステップS106:Yes)、差分画像生成機能11dは、画素Pを対応関係Vで変換した位置にある過去画像I2の画素P’と画素Pとの単純差分値「I1(P)-I2(P’)を統合差分画像Cの画素値C(P)とする(ステップS107)。
【0035】
一方、画素Pが注目部位の内部に存在しない(すなわち、画素Pが脊柱管に属さない)場合(ステップS106:No)、差分画像生成機能11dは、画素Pを対応関係Vで変換した位置にある過去画像I2の画素P’と画素Pとのノイズ除去後の差分値に、椎骨外縁からの距離に応じた高濃度強調処理を行った値を統合差分画像Cの画素値C(P)とする(ステップS108)。この処理は、例えば、処理回路11が、差分画像生成機能11dに対応するプログラムを記憶回路13から呼び出して実行することにより実現される。
【0036】
次に、差分画像生成機能11dは、統合差分画像Cを出力する(ステップS109)。例えば、差分画像生成機能11dは、統合差分画像Cを記憶回路13や、ネットワーク上の他の装置などに出力する。この処理は、例えば、処理回路11が、差分画像生成機能11dに対応するプログラムを記憶回路13から呼び出して実行することにより実現される。
【0037】
以下、画像処理装置10によって実行される各処理の詳細について説明する。
【0038】
(医用画像の取得処理)
図2のステップS101及びS102において説明したように、制御機能11aは、入力インターフェース15を介したボリュームデータの取得操作に応じて、現在画像I1と過去画像I2を取得する。ここで、制御機能11aは、記憶回路13に保存されている画像、或いは、ネットワーク上の他の装置に保存されている画像から、現在画像I1と過去画像I2を取得することができる。
【0039】
また、制御機能11aは、ステップS102において、前回の撮影で収集された画像以外の画像を過去画像I2として取得することができる。例えば、制御機能11aは、前回の撮影よりも前の撮影で収集された画像を過去画像I2として取得することができる。
【0040】
また、制御機能11aは、過去画像I2(第2の医用画像)として、骨転移前の時期に被検体から収集した医用画像を取得することができる。かかる場合には、制御機能11aは、HISに含まれる電子カルテから被検体の入院日を特定し、特定した日に近い撮影日のX線CT画像を骨転移の無い時期の画像として、PACS等から取得する。あるいは、制御機能11aは、被検体から収集された各時期のX線CT画像に対して機械学習等による骨転移判定処理を実行することで、骨転移の無いX線CT画像を特定し、特定したX線CT画像を過去画像I2として取得する。
【0041】
なお、ステップS102において、電子カルテからの情報の検索は、HL7(Health Level 7)を用いたり、直接電子カルテのデータベースに対してSQLを発行したりすることで実現可能である。また、PACSからの画像の取得は、DICOMプロトコルを使うことで実現可能である。
【0042】
また、制御機能11aは、他の条件で抽出したX線CT画像や、ユーザが手動で選択したX線CT画像を過去画像として取得することができる。また、制御機能11aは、現在画像も同様に、任意の方法で選択されたX線CT画像を取得することができる。
【0043】
(位置合わせ処理)
図2のステップS103において説明したように、位置合わせ機能11bは、現在画像I1の各画素と過去画像I2の各画素の位置の対応関係Vを算出(推定)する。ここで、位置合わせ機能11bは、既存の線形位置合わせアルゴリズムや、非線形位置合わせアルゴリズム、或いは、それらを組み合わせた手法を用いて、対応関係Vを算出(推定)することができる。位置合わせ機能11bは、上記した画像間の変形位置合わせにより、現在画像I1に含まれる特徴的な部位を示す特徴点と、過去画像I2に含まれる特徴的な部位を示す特徴点との位置を合わせることができる。
【0044】
(注目部位の識別処理)
図2のステップS104において説明したように、識別機能11cは、現在画像I1に含まれる注目部位を識別する。具体的には、識別機能11cは、組成および画素値範囲の少なくとも一方が異なる部位を識別する。例えば、識別機能11cは、モルフォロジー演算や、機械学習などを利用した既知の識別アルゴリズムを用いて、現在画像に含まれる注目領域を識別する。
【0045】
図3は、第1の実施形態に係る注目部位の識別処理の一例を説明するための図である。なお、
図3では、2次元の断面画像を用いて処理を説明しているが、実際には、識別機能11cは、ボリュームデータにおいて3次元の注目部位を抽出する。例えば、識別機能11cは、
図3に示すように、現在画像I1における脊柱管31と、椎骨32と、椎骨周囲33と、それ以外の領域34とを識別する。なお、椎骨周囲33は、椎骨32の外縁から外側に幅Rmmの範囲の領域として定められる。
【0046】
例えば、識別機能11cは、任意の識別アルゴリズムを用いて、現在画像I1における脊柱管31と椎骨32とを識別する。そして、識別機能11cは、椎骨32の外縁から外側に幅Rmmの範囲を椎骨周囲33として識別する。さらに、識別機能11cは、現在画像I1において、脊柱管31、椎骨32、及び、椎骨周囲33以外の領域を、それ以外の領域34として識別する。なお、椎骨周囲33を定める幅Rmmは、任意の数値を設定させることができる。
【0047】
(差分画像生成処理)
図2のステップS105~S109において説明したように、差分画像生成機能11dは、画素Pが注目部位(脊柱管)に含まれるか否かに応じて、異なる差分生成方法により統合差分画像Cを生成する。具体的には、差分画像生成機能11dは、差分処理から構成される第1の差分生成方法と、ノイズ低減処理および強調処理の少なくとも一方の度合いが第1の差分生成方法よりも強い差分処理から構成される第2の差分生成方法とを、部位に応じて適用することで差分画像を生成する。
【0048】
例えば、差分画像生成機能11dは、脊柱管内に対応する画素に対して、第1の差分生成方法を適用し、脊柱管外に対応する画素に対して、第2の差分生成方法を適用する。ここで、差分画像生成機能11dは、脊柱管31に含まれる画素Pに対して適用する第1の差分生成方法として、第1の医用画像(現在画像I1)の画素値と第2の医用画像(過去画像I2)の画素値との単純差分処理を実行する。
【0049】
すなわち、差分画像生成機能11dは、脊柱管に属する画素Pとその対応画素P’との差分値を単純差分「I1(P)-I2(P’)」によって算出し、算出した差分値を統合差分画像Cの画素値C(P)とする。ここで、対応画素P’は、画素Pを対応関係Vで変換した位置にある過去画像I2の画素である。なお、第1の差分生成方法は、単純差分以外の差分生成方法を用いても構わない。例えば、メディアンフィルタ等によるノイズ低減をそれぞれの画像に対して行った後に差分値を生成するようにしても構わない。
【0050】
また、差分画像生成機能11dは、脊柱管31以外(椎骨32、椎骨周囲33、及び、それ以外の領域34)に含まれる画素Pに対して適用する第2の差分生成方法として、ノイズ低減処理及び強調処理の少なくとも一方を含む差分処理を実行する。例えば、差分画像生成機能11dは、椎骨32、椎骨周囲33、及び、それ以外の領域34に含まれる画素Pに対して、ノイズ低減手法を用いて差分値を算出し、算出した差分値に対して椎骨32の外縁からの距離に応じた高濃度強調処理を施す処理を実行する。そして、差分画像生成機能11dは、得られた差分値を、統合差分画像Cの画素値C(P)とする。
【0051】
ここで、脊柱管31以外に含まれる画素Pに対して実行するノイズ低減手法は、第1の差分生成方法に適用されうるノイズ低減処理(メディアンフィルタ等)より度合いが強いノイズ低減処理で構成される。例えば、脊柱管31以外に含まれる画素Pに対して実行するノイズ低減手法は、パーシャルボリューム効果によるアーチファクト低減を目的とした特許文献2に記載の方法等が用いられる。なお、脊柱管31以外に含まれる画素Pに対して実行するノイズ低減手法は、第1の差分生成方法に適用されうるノイズ低減処理より度合いが強いノイズ低減処理であれば、任意のノイズ低減処理を適用することが可能である。
【0052】
また、差分値に対して実行される高濃度強調処理は、現在画像I1と過去画像I2のどちらかが高濃度の領域(例えば、骨領域など)の差分値を相対的に強調する処理であり、例えば、特許文献3に記載されている方法を用いることができる。
【0053】
次に、椎骨外縁からの距離に応じた高濃度強調処理について説明する。椎骨外縁からの距離に応じた高濃度強調処理は、
図3に示す椎骨32と椎骨周囲33との境界である椎骨外縁からの距離に応じて度合いを変えた高濃度強調処理である。ここで、距離とは、被検体座標系における距離である。例えば、椎骨外縁からの距離に応じた高濃度強調処理は、椎骨32と椎骨周囲33では弱い高濃度強調(高濃度を強調する度合いが相対的に小さい高濃度強調)で差分画像を生成し、それ以外の領域34では強い高濃度強調(高濃度を強調する度合いが相対的に大きい高濃度強調)で差分画像を生成する処理である。
【0054】
ここで、本実施形態では、差分画像生成機能11dは、椎骨周囲33とそれ以外の領域34との境界R付近において、
図4及び
図5に示すような混ぜ合わせ関数Blend(r)を用いて、滑らかに2つの差分画像をつなぎ合わせる処理も行う。なお、
図4及び
図5は、第1の実施形態に係る混ぜ合わせ関数を示す図である。また、
図5は、第1の実施形態に係る混ぜ合わせ関数のグラフを示す図である。ここで、
図5は、椎骨周囲33とそれ以外の領域34との境界Rが、椎骨外縁から距離「18mm」の位置に設定されている場合のグラフを示す。
【0055】
すなわち、差分画像生成機能11dは、椎骨外縁からの距離を「r」とした場合に、「rが-∞に近づくと返値が1に近づき、rが∞に近づくと返値が0に近づき、rがRの近傍で返値が1から0に滑らかに変化する関数」を用いて差分値の混ぜ合わせ処理を実行する。これにより、
図5に示すように、境界R(=18)付近において混ぜ合わせ度合いを滑らかに変化させることができる。
【0056】
例えば、弱い高濃度強調で生成された差分画像の画素値をS2(r)、強い高濃度強調で生成された差分画像の画素値をS3(r)とした場合に、差分画像生成機能11dは、境界Rで混ぜ合わせた統合差分画像の画素値C(r)を、C(r)=S2(r)×Blend(r)+S3(r)×(1-Blend(r))によって算出する。すなわち、差分画像生成機能11dは、境界R付近において一部重複するように、弱い高濃度強調処理を施した差分画像と、強い高濃度強調処理を施した差分画像とを生成し、生成した2つの差分画像を境界Rで混ぜ合わせた統合差分画像Cを生成する。
【0057】
これにより、差分画像生成機能11dは、椎骨32と椎骨周囲33では弱い高濃度強調処理を施し、境界R付近では外側に向かって高濃度強調の度合いが徐々に強くなり、それ以外の領域34では強い高濃度強調処理が施された統合差分画像Cを生成することができる。
【0058】
ここで、高濃度強調で差分値を計算する関数は、高濃度強調度合いを制御するパラメータthMinとthMaxによって、処理を適用するCT値の範囲を変更可能である。例えば、差分画像生成機能11dは、
図6Aに示す高濃度強調差分関数に基づいて、差分値を算出する。ここで、パラメータthMin及びthMaxは、高濃度強調処理を適用するCT値を設定するパラメータである。
【0059】
例えば、高濃度強調差分関数は、
図6Aの関数Subに示すように、画像I1の画素値を閾値thMinでクリップした画像「CI1」と、画像I2の画素値を閾値thMinでクリップした画像「CI2」と、画像「CI1」の画素値から画像「CI2」の画素値を引いた画素値を持つ差分画像「S」と、「CI1」の画素値と「CI2」の画素値のうち大きいほうの画素値を持つ画像「M」と、差分画像「S」の各画素値を「M」の値に応じて減弱する関数「A」(関数が返す配列の形状は画像と同じ)とを含む。
【0060】
そして、高濃度強調差分関数は、各画素について、「M」の値と、閾値thMin及びthMaxとの比較結果に応じて、「0」、「A(M,S)」、又は、「S」を返値とする。ここで、「A(M,S)」は、「M」が閾値thMinからthMaxまでの間で定義され、「M」の値に応じて「S」の値を減弱し(「M」が小さくなれば「S」も小さくなる)、関数Subの返値を「0」から「S」の値まで滑らかに接続させる関数である。例えば、A(M,S)=W(M)×Sと定義できる。ここで、W(M)は、差分値を減弱させる度合いを与える関数であり、その値はMによって決定される。また、W(M)は、Mの値が閾値thMinから閾値thMaxに徐々に変化するにつれて返り値が0から1に変化するような任意の関数によって定義できる。これにより、低濃度な画素の差分値を減弱させることができる。
【0061】
ここで、閾値thMin及び閾値thMaxは、部位に応じて適宜設定可能である。例えば、
図3に示す椎骨32と椎骨周囲33の領域で現在画像I1と過去画像I2との差分画像を生成する場合には、
図6Bに示す弱い高濃度強調差分関数が用いられる。すなわち、この場合、高濃度強調差分関数は、高濃度強調の度合いを相対的に弱めるため、後述する強い高濃度強調差分関数よりも相対的に小さい閾値が設定される。例えば、「thMin=-200」、「thMax=0」と設定される。
【0062】
また、例えば、
図3に示すそれ以外の領域34の領域で現在画像I1と過去画像I2との差分画像を生成する場合には、
図6Cに示す強い高濃度強調差分関数が用いられる。すなわち、この場合、高濃度強調差分関数は、高濃度強調の度合いを相対的に強めるため、弱い高濃度強調差分関数よりも相対的に大きい閾値が設定される。例えば、「thMin=0」、「thMax=400」と設定される。
【0063】
以上の処理により、脊柱管31内では、画素値全域の生の差分を算出することで脊柱管内浸潤を可視化することが可能である。また、椎骨32もしくは椎骨32に近い部位では、弱い高濃度強調差分関数により軟部組織の差異も含めた広い画素値範囲の差分を計算することで、骨外腫瘤を可視化することが可能である。一方、椎骨32から離れたそれ以外の領域34では、強い高濃度強調差分関数により骨以外の差分を減弱させることで骨転移を可視化することが可能である。
【0064】
なお、差分画像生成機能11dは、脊柱管外に含まれる画素に対して、第2の差分生成方法を適用するが、第2の差分生成方法においても、椎骨32及び椎骨周囲33とそれ以外の領域34との間で高濃度強調処理の度合いを変化させる。したがって、椎骨32と椎骨周囲33の差分生成方法を第1の差分生成方法とみなし、それ以外の領域34の差分生成方法を第2の差分生成方法とみなすことができる。すなわち、差分画像生成機能11dは、脊柱管内を除く椎骨領域又は椎骨周囲領域に対応する画素に対して、第1の差分生成方法を適用し、脊柱管内を含む椎骨領域および椎骨周辺領域以外の画素に対して、第2の差分生成方法を適用する。ここで、第1の差分生成方法は、相対的に低い画素値の領域の差分値を減弱する高濃度強調処理を含む差分処理であり、第2の差分生成方法は、差分値を減弱する度合いを第1の差分生成方法より強めた高濃度強調処理を含む差分処理である。このように、本実施形態では、第1の差分生成方法で用いる強調処理(弱い高濃度強調処理)より度合いが強い強調処理(強い高濃度強調処理)を第2の差分生成方法として用いる構成となっている。
【0065】
上述したように、差分画像生成機能11dは、統合差分画像Cを生成すると、生成した統合差分画像Cを、記憶回路13や、ネットワーク上の他の装置などに出力する。なお、差分画像生成機能11dは、DICOMプロトコルを用いることで、PACSへの統合差分画像Cの送信を実現することができる。また、制御機能11aは、生成された統合差分画像Cをディスプレイ14に表示させることができる。
【0066】
上述したように、第1の実施形態によれば、制御機能11aは、被検体から収集した第1の医用画像(現在画像)と第2の医用画像(過去画像)とを取得する。識別機能11cは、第1の医用画像に含まれる被検体の複数の部位を識別する。差分画像生成機能11dは、第1の医用画像を構成する複数の画素のそれぞれについて、部位に応じた差分生成方法によって当該画素に対応する第2の医用画像上の画素との差分値を算出することで、第1の医用画像と第2の医用画像との間の差分画像を生成する。したがって、第1の実施形態に係る画像処理装置10は、部位ごとに適切な差分方法で差分処理を実行することができ、画像中に複数の注目部位が存在する場合にも、複数の注目部位を観察するのに適切な差分画像を生成することを可能にする。すなわち、画像処理装置10は、医用画像を入力として、現在画像に含まれる複数の部位を識別し、部位に応じた差分の生成方法を適用することによって、複数の注目部位を観察するのに適切な、現在画像と過去画像との間の差分画像を生成することが可能である。
【0067】
また、第1の実施形態によれば、識別機能11cは、組成および画素値範囲の少なくとも一方が異なる部位を識別する。したがって、第1の実施形態に係る画像処理装置10は、医用画像内の部位を適切に識別することを可能にする。
【0068】
また、第1の実施形態によれば、差分画像生成機能11dは、差分処理から構成される第1の差分生成方法と、ノイズ低減処理および強調処理の少なくとも一方の度合いが第1の差分生成方法よりも強い差分処理から構成される第2の差分生成方法とを、部位に応じて適用することで差分画像を生成する。したがって、第1の実施形態に係る画像処理装置10は、部位や、病変の画像上の特性に応じた差分処理を行うことができ、注目部位を適切に観察することができる差分画像を生成することを可能にする。
【0069】
また、第1の実施形態によれば、差分画像生成機能11dは、脊柱管内に対応する画素に対して、第1の差分生成方法を適用し、脊柱管外に対応する画素に対して、第2の差分生成方法を適用する。また、第1の実施形態によれば、第1の差分生成方法は、第1の医用画像の画素値と第2の医用画像の画素値との単純差分処理であり、第2の差分生成方法は、ノイズ低減処理及び強調処理の少なくとも一方を含む差分処理である。したがって、第1の実施形態に係る画像処理装置10は、脊柱管内浸潤を可視化し、脊柱管外での病変を可視化した差分画像を生成することを可能にする。
【0070】
また、第1の実施形態によれば、差分画像生成部は、脊柱管内を除く椎骨領域又は椎骨周囲領域に対応する画素に対して、第1の差分生成方法を適用し、脊柱管内を含む椎骨領域および椎骨周辺領域以外の画素に対して、第2の差分生成方法を適用する。また、第1の実施形態によれば、第1の差分生成方法は、相対的に低い画素値の領域の差分値を減弱する高濃度強調処理を含む差分処理であり、第2の差分生成方法は、差分値を減弱する度合いを第1の差分生成方法より強めた高濃度強調処理を含む差分処理である。したがって、第1の実施形態に係る画像処理装置10は、椎骨もしくは椎骨に近い部位では、骨外腫瘤を可視化し、椎骨から離れたそれ以外の領域では、骨転移を可視化することを可能にする。
【0071】
(第2の実施形態)
本願に係る別の実施形態としては、各部位の識別結果に基づいて、部位に応じた複数の部分差分画像をそれぞれの部位に適した差分の生成方法で生成し、最後にそれら部分差分画像を統合して統合差分画像を生成する形態が考えられる。それぞれの部分差分画像の生成は並列に計算することが可能であり、処理全体のスループット向上に有用である。
【0072】
なお、第2の実施形態は、第1の実施形態と比較して、差分画像生成機能11dによる処理内容が異なる。具体的には、第2の実施形態に係る差分画像生成機能11dは、複数の部位の識別結果に基づいて、第1の医用画像から部位に応じた複数の部分画像を生成する。また、差分画像生成機能11dは、複数の部分画像のそれぞれに対して、部位に応じた差分の生成方法を適用することによって、複数の部分差分画像を生成し、複数の部分差分画像を統合することで、差分画像を生成する。以下、これらを中心に説明する。
【0073】
図7は、第2の実施形態に係る画像処理装置10の全行程を示すフローチャートである。ここで、
図7の点線枠20で示した処理は、
図2のステップS101からS104と同じ処理である。また、
図7に示すステップS205~S213の処理は、例えば、処理回路11が、差分画像生成機能11dに対応するプログラムを記憶回路13から呼び出して実行することにより実現される。ステップS104と同様に注目部位を識別すると、画像処理装置10は、差分生成方法の異なる複数個の部分差分画像を生成する。すなわち、差分画像生成機能11dは、少なくとも一部に異なる画素値を含み構成される複数の部分差分画像を生成する。なお、本実施形態では、注目部位(脊柱管)の内側用に1個と、注目部位(脊柱管)の外側用に2個の部分差分画像を生成する。
【0074】
図7に示すように、注目部位が識別されると、差分画像生成機能11dは、注目部位(脊柱管)の内側用に、過去画像I2を対応関係Vで変形して現在画像I1に位置合わせした画像I2’を生成する(ステップS205)。
【0075】
次に、差分画像生成機能11dは、注目部位(脊柱管)内の画素Pについて、単純差分値「I1(P)-I2’(P)」を算出して、部分差分画像S1の画素値「S1(P)とする(ステップS206、S207)。
【0076】
次に、差分画像生成機能11dは、注目部位(脊柱管)の外側用に、注目部位(脊柱管)外の全ての画素Pについて、画素Pと画素P’とのノイズ除去後の差分値を計算する。ここで、差分画像生成機能11dは、ノイズ除去後の差分値に対して、弱い高濃度強調処理と強い高濃度強調処理とをそれぞれ行うことで、2つの部分差分画像を生成する。
【0077】
例えば、差分画像生成機能11dは、
図7に示すように、ノイズ除去後の差分値に対して弱い高濃度強調処理を行った値を部分差分画像S2の画素値S2(P)とする(ステップS208、S209)。また、差分画像生成機能11dは、ノイズ除去後の差分値に対して強い高濃度強調処理を行った値を部分差分画像S3の画素値S3(P)とする(ステップS210、S211)。
【0078】
次に、差分画像生成機能11dは、部分差分画像S2とS3とを、椎骨周囲とそれ以外の領域との境界Rを境に混ぜ合わせ合成する。すなわち、差分画像生成機能11dは、境界Rより内側をS2、外側をS3となるように滑らかに合成した差分画像を生成する。さらに、差分画像生成機能11dは、合成後の差分画像に部分差分画像S1を注目部位(脊柱管)部分にはめ込み合成した統合差分画像Cを生成する(ステップS212)。
【0079】
次に、差分画像生成機能11dは、統合差分画像Cを出力する(ステップS213)。なお、この処理は、
図2のステップS109と同様である。
【0080】
上述したように、第2の実施形態によれば、差分画像生成機能11dは、複数の部位の識別結果に基づいて、第1の医用画像から部位に応じた複数の部分画像を生成する。また、差分画像生成機能11dは、複数の部分画像のそれぞれに対して、部位に応じた差分の生成方法を適用することによって、複数の部分差分画像を生成し、複数の部分差分画像を統合することで、差分画像を生成する。したがって、第2の実施形態に係る画像処理装置10は、複数の注目部位を観察するのに適切な、現在画像と過去画像との間の差分画像を効率的に生成することを可能にする。
【0081】
また、第2の実施形態によれば、複数の部分差分画像のそれぞれは、少なくとも一部に異なる画素値を含み構成される。したがって、第2の実施形態に係る画像処理装置10は、異なる部分差分画像を合成した差分画像を生成することを可能にする。
【0082】
(第3の実施形態)
本願に係る別の実施形態としては、統合差分画像Cにおいて、特定部位に関してある閾値を設定し、その閾値以上の画素を集めた2値化差分画像を生成する実施形態が考えられる。
図8は、第3の実施形態に係る画像処理装置10aの構成の一例を示す図である。ここで、画像処理装置10aは、第1の実施形態又は第2の実施形態と比較して、差分画像生成機能11dによる処理内容と、処理回路111が融合画像生成機能11eを実行する点とが異なる。以下、これらを中心に説明する。
【0083】
第3の実施形態に係る差分画像生成機能11dは、部位に応じて、画素の差分値を2値化した2値化差分画像を生成する。具体的には、差分画像生成機能11dは、部位ごとに設定された閾値に基づいて、部位ごとに画素の差分値を2値化した2値化差分画像を生成する。
【0084】
融合画像生成機能11eは、2値化差分画像を、差分画像、第1の医用画像、又は、第2の医用画像に重畳した融合画像を生成する。なお、融合画像生成機能11eは、融合画像生成部の一例である。
【0085】
図9は、第3の実施形態に係る画像処理装置10aの全行程を示すフローチャートである。ここで、
図9の点線枠30で示した処理は、統合差分画像を生成する処理であり、第1の実施形態又は第2の実施形態と同じ処理である。
【0086】
図9に示すように、統合差分画像Cを生成すると、差分画像生成機能11dは、統合差分画像Cを構成する画素Pについて、画素Pが注目部位(脊柱管)の内部か否かを判定して(ステップS302)、判定結果に応じて、ステップS303又はステップS304の処理を実行する(ステップS301)。この処理は、例えば、処理回路111が、差分画像生成機能11dに対応するプログラムを記憶回路13から呼び出して実行することにより実現される。
【0087】
例えば、画素Pが注目部位(脊柱管)の内部に存在する場合(ステップS302:Yes)、差分画像生成機能11dは、差分画素値C(P)と規定の閾値T1とを比較して、閾値T1より大きい場合、2値化差分画像B1の画素値B1(P)を規定の値に設定する(ステップS303)。
【0088】
一方、画素Pが注目部位(脊柱管)の外部に存在する場合(ステップS302:No)、差分画像生成機能11dは、画素Pが注目部位(椎骨)の外側、かつ、境界Rより内側(すなわち、椎骨周囲33)に存在するか否か判定する。ここで、画素Pが椎骨周囲33に存在する場合、差分画像生成機能11dは、差分画素値C(P)と規定の閾値T2とを比較して、閾値T2より大きい場合、2値化差分画像B2の画素値B2(P)を規定の値に設定する(ステップS304)。
【0089】
次に、融合画像生成機能11eは、2値化差分画像B1とB2とを、統合差分画像Cもしくは現在画像I1に規定の色で重畳した融合画像Fを生成する(ステップS305)。ここで、重畳する際に、B1に対応する色とB2に対応する色を変えても良い。この処理は、例えば、処理回路111が、融合画像生成機能11eに対応するプログラムを記憶回路13から呼び出して実行することにより実現される。
【0090】
次に、融合画像生成機能11eは、統合差分画像Cを出力する(ステップS109)。例えば、差分画像生成機能11dは、融合画像Fを記憶回路13や、ネットワーク上の他の装置などに出力する。この処理は、例えば、処理回路111が、融合画像生成機能11eに対応するプログラムを記憶回路13から呼び出して実行することにより実現される。
【0091】
(2値化差分画像の生成処理)
図9のステップS301~S304で説明したように、差分画像生成機能11dは、統合差分画像における差分画素値を、部位ごとに規定された閾値と比較して、閾値より大きい値を示す画素を、規定の値(例えば、1)に設定した2値化差分画像を生成する。すなわち、差分画像生成機能11dは、部位ごとに異常が疑われる位置を示した2値化差分画像を生成する。
【0092】
ここで、部位ごとに設定される閾値は、診断対象となる病変と差分値との関係から設定されてもよい。例えば、脊柱管内の差分画素値C(P)と比較される閾値T1は、腫瘍の脊柱管内浸潤と差分値との関係から設定されてもよい。これにより、差分画像生成機能11dは、腫瘍の脊柱管内浸潤が疑われる位置を2値化差分画像で示すことができる。
【0093】
また、例えば、椎骨周囲内の差分画素値C(P)と比較される閾値T2は、骨外腫瘤と差分値との関係から設定されてもよい。これにより、差分画像生成機能11dは、骨外腫瘤が疑われる位置を2値化差分画像で示すことができる。
【0094】
(融合画像の生成処理)
図9のステップS305で説明したように、融合画像生成機能11eは、2値化差分画像B1及びB2を、統合差分画像C又は現在画像I1に重畳した融合画像Fを生成する。ここで、融合画像生成機能11eは、2値化差分画像B1及びB2の規定の値に対して異なる色をそれぞれ割り当てることで、脊柱管内及び椎骨周囲において異常が疑われる位置が観察しやすい融合画像Fを生成することができる。なお、融合画像生成機能11eは、2値化差分画像B1及びB2を、過去画像I2に重畳させた融合画像Fを生成することもできる。
【0095】
上述したように、融合画像生成機能11eは、融合画像Fを生成すると、生成した融合画像Fを、記憶回路13や、ネットワーク上の他の装置などに出力する。なお、融合画像生成機能11eは、DICOMプロトコルを用いることで、PACSへの融合画像Fの送信を実現することができる。また、制御機能11aは、生成された融合画像Fをディスプレイ14に表示させることができる。
【0096】
上述したように、第3の実施形態によれば、差分画像生成機能11dは、部位に応じて、画素の差分値を2値化した2値化差分画像を生成する。したがって、第3の実施形態に係る画像処理装置10aは、部位ごとに異常が疑われる位置を示すことを可能にする。
【0097】
また、第3の実施形態によれば、融合画像生成機能11eは、2値化差分画像を、差分画像、第1の医用画像、又は、第2の医用画像に重畳した融合画像を生成する。したがって、第3の実施形態に係る画像処理装置10aは、診断しやすい画像を生成することを可能にする。
【0098】
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置10aを用いることで、医用画像を入力として、現在画像に含まれる複数の部位を識別し、部位に応じた差分の強調方法を適用することによって、複数の注目部位を観察するのに適切な、融合画像を効率的に生成することが可能である。
【0099】
(その他の実施形態)
上述した実施形態では、部位の識別対象を脊柱管部位と椎骨部位としたが、部位の識別対象はこれに限定されるものではない。例えば、部位の識別対象を肺部位と肋骨部位として、各画素が属する部位に応じた差分方法を適用して差分画像を生成する構成であってもよい。この場合、入力画像は肺野条件であることが多いため、肺部位に適用する第1の差分生成方法は、メディアンフィルタ適用後に単純差分処理とするのが良い。また、肋骨部位に適用する第2の差分生成方法は、メディアンフィルタ適用後にパーシャルボリューム効果に起因するノイズを低減した差分処理とするのが良い。
【0100】
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記録媒体(記憶媒体)等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器(例えば、ホストコンピュータ、インターフェース機器、撮像装置、Webアプリケーション等)から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0101】
また、上述した実施形態の説明で用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又は、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。ここで、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合には、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。また、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて一つのプロセッサとして構成され、その機能を実現するようにしてもよい。
【0102】
ここで、プロセッサによって実行される画像処理プログラムは、ROM(Read Only Memory)や記憶回路等に予め組み込まれて提供される。なお、この画像処理プログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)-ROM、FD(Flexible Disk)、CD-R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な非一過性の記憶媒体に記録されて提供されてもよい。また、この画像処理プログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることによって提供又は配布されてもよい。例えば、この画像処理プログラムは、上述した各処理機能を含むモジュールで構成される。実際のハードウェアとしては、CPUが、ROM等の記憶媒体から医用情報処理プログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置上にロードされて、主記憶装置上に生成される。
【0103】
また、上述した実施形態において、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散又は統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散又は統合して構成することができる。更に、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0104】
また、上述した実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行なうこともでき、或いは、手動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行なうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0105】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、画像中に複数の注目部位が存在する場合にも、複数の注目部位を観察するのに適切な差分画像を生成することができる。
【0106】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0107】
10、10a 画像処理装置
11a 制御機能
11b 位置合わせ機能
11c 識別機能
11d 差分画像生成機能
11e 融合画像生成機能