(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128725
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 16/35 20190101AFI20230907BHJP
G06Q 30/0201 20230101ALI20230907BHJP
G06Q 50/00 20120101ALI20230907BHJP
【FI】
G06F16/35
G06Q30/02 300
G06Q50/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022033277
(22)【出願日】2022-03-04
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】514323246
【氏名又は名称】株式会社JX通信社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】米重 克洋
(72)【発明者】
【氏名】柳 佳音
(72)【発明者】
【氏名】細野 雄紀
(72)【発明者】
【氏名】小林 凌
(72)【発明者】
【氏名】黄 勇太
【テーマコード(参考)】
5B175
5L049
【Fターム(参考)】
5B175DA01
5B175FA03
5B175FB01
5L049BB02
5L049CC12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】SNSマーケティング分析において、複数の投稿内容の表示が冗長な内容となることを抑制できる情報処理装置、プログラム及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】情報処理システム1において、情報処理装置2の演算部22は、ソーシャルネットワーキングサービスにおける投稿から抽出された分析対象投稿を取得する分析対象取得部221と、分析対象投稿を分析項目毎に分類する分類部222と、分析対象投稿の内容を要約した要約情報を生成する要約部223と、分析項目に分類された分析対象投稿の要約情報を分析項目毎に表示するための表示情報を生成する表示情報生成部224と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーシャルネットワーキングサービスにおける投稿から抽出された分析対象投稿を取得する分析対象取得部と、
前記分析対象投稿を分析項目ごとに分類する分類部と、
前記分析対象投稿の内容を要約した要約情報を生成する要約部と、
前記分析項目に分類された前記分析対象投稿の前記要約情報を前記分析項目ごとに表示するための表示情報を生成する表示情報生成部と、を備えた
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
第1の抽出条件と前記第1の抽出条件とは異なる第2の抽出条件とを含む抽出条件を用いて、前記ソーシャルネットワーキングサービスにおける前記投稿から、前記分析対象投稿を抽出する抽出部を備え、
前記分析対象取得部は、前記抽出部から前記分析対象投稿を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記抽出部は、前記投稿がキーワードを含むか否かを前記第1の抽出条件として用い、前記投稿に含まれる画像に予め定められたデザインが含まれるか否かを前記第2の抽出条件として用いる
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記抽出部は、前記第1の抽出条件を満たす前記投稿を抽出した後、抽出された前記第1の抽出条件を満たす前記投稿のうち前記第2の抽出条件を満たす前記投稿を、前記分析対象投稿として抽出する、
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ソーシャルネットワーキングサービスにおける前記投稿から前記分析対象投稿の候補として予め選定された候補投稿を取得する候補取得部と、
抽出条件を用いて、前記候補投稿から前記分析対象投稿を抽出する抽出部と、を備え、
前記分析対象取得部は、前記抽出部から前記分析対象投稿を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記要約部は、前記分析対象投稿の内容を要約した要約情報候補を複数生成し、各前記要約情報候補と前記分析対象投稿の内容との類似度である候補類似度を算出し、算出された前記候補類似度が高い前記要約情報候補を前記要約情報とすることで、前記要約情報を生成する
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記要約部は、前記分析対象投稿の内容を、複数の文に分割し、各前記文と前記分析対象投稿の内容との類似度である分割文類似度を算出し、算出された前記分割文類似度が高い前記文に基づいて、複数の前記要約情報候補を生成する
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記要約部は、前記分析対象投稿の内容のうち、前記抽出のための条件として用いられた情報に対応する内容、または、前記分析項目として用いられた情報に対応する内容に対し、前記候補類似度または前記分割文類似度が高くなるように重みづけを行って、前記候補類似度または前記分割文類似度の算出を行う
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記要約部は、前記分析対象投稿の内容が入力されると前記要約情報を出力する機械学習モデルを用いて、前記要約情報を生成する
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記要約部は、前記分析対象投稿の内容に加え、前記分析対象投稿の内容のうち、前記抽出のための条件として用いられた情報に対応する内容、または、前記分析項目として用いられた情報に対応する内容が入力されると前記要約情報を出力する機械学習モデルを用いて、前記要約情報を生成する
ことを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記分析対象取得部は、前記分析対象投稿として、特定の商材に関する前記投稿、特定の商材種別に関する前記投稿、または、特定の企業に関する前記投稿のうち、少なくとも1種類の前記投稿を取得する
ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記分類部は、前記分析対象取得部が前記分析対象投稿として前記特定の商材に関する前記投稿を取得する場合、前記分析対象投稿の内容が前記特定の商材の購買プロセスのどの段階に関する内容であるかを前記分析項目に含めて、前記分析対象投稿を分類し、
前記分析対象取得部が前記分析対象投稿として前記特定の商材種別に関する前記投稿を取得する場合、前記分析対象投稿の内容が前記特定の商材種別に属する商材の購買プロセスのどの段階に関する内容であるかを前記分析項目に含めて、前記分析対象投稿を分類し、
前記分析対象取得部が前記分析対象投稿として前記特定の企業に関する前記投稿を取得する場合、前記分析対象投稿の内容が前記特定の企業の提供する商材の購買プロセスのどの段階に関する内容であるかを前記分析項目に含めて、前記分析対象投稿を分類する
ことを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記分類部は、前記分析対象取得部が前記分析対象投稿として前記特定の商材に関する前記投稿を取得する場合、前記分析対象投稿の内容が前記特定の商材に対する批判か否かを前記分析項目に含めて、前記分析対象投稿を分類し、
前記分析対象取得部が前記分析対象投稿として前記特定の商材種別に関する前記投稿を取得する場合、前記分析対象投稿の内容が前記特定の商材種別に属する商材に対する批判か否かを前記分析項目に含めて、前記分析対象投稿を分類し、
前記分析対象取得部が前記分析対象投稿として前記特定の企業に関する前記投稿を取得する場合、前記分析対象投稿の内容が前記特定の企業に対する批判か否かを前記分析項目に含めて、前記分析対象投稿を分類する
ことを特徴とする請求11または請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記分類部は、前記分析対象投稿の内容が、行為の主体を示す情報、行為の為された時期を示す情報、行為の為された場所を示す情報、行為の客体を示す情報、行為の目的もしくは理由を示す情報、行為の主体に同伴する他の主体を示す情報、行為の為され方を示す情報、行為の程度を示す情報、または、行為の主内容を示す情報のうち少なくとも1種類の行為関連情報について、当該行為関連情報を含むか否かを前記分析項目に含めて、前記分析対象投稿を分類する
ことを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記分類部は、前記分析対象投稿の内容が、前記行為関連情報を含むものとして分類された場合、さらに、当該行為関連情報の下位概念を前記分析項目に含めて、前記分析対象投稿を分類する
ことを特徴とする請求項14に記載の情報処理装置。
【請求項16】
1または複数の前記分析項目を指定する指定情報を取得する指定情報取得部を備え、
前記表示情報生成部は、指定された前記分析項目ごとに、指定された前記分析項目に分類された前記分析対象投稿の前記要約情報を表示するための前記表示情報を生成する
ことを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記表示情報生成部は、前記要約情報を一覧形式で表示するための前記表示情報を生成する
ことを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記表示情報生成部は、前記要約情報を前記分析項目ごとに表示するための前記表示情報を生成することに加えて、前記分析対象投稿の内容を前記分析項目ごとに表示するための表示情報を生成する
ことを特徴とする請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記分析対象投稿を統計処理した統計情報を生成する統計処理部を備え、
前記表示情報生成部は、前記分析項目ごとに前記要約情報および前記統計情報を表示するための前記表示情報を生成する
ことを特徴とする請求項1から請求項18のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項20】
コンピュータを、請求項1から請求項19のいずれか1項に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【請求項21】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
分析対象取得部が、ソーシャルネットワーキングサービスにおける投稿から抽出された分析対象投稿を取得するステップと、
分類部が、前記分析対象投稿を分析項目ごとに分類するステップと、
要約部が、前記分析対象投稿の内容を要約した要約情報を生成するステップと、
表示情報生成部が、前記分析項目に分類された前記分析対象投稿の前記要約情報を前記分析項目ごとに表示するための表示情報を生成するステップと、を備えた
ことを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ソーシャルネットワーキングサービス(以下「SNS」という。)の普及に伴い、SNSにおける投稿を利用したマーケティング分析(以下「SNSマーケティング分析」という。)が行われるようになっている。また、近年、SNSマーケティング分析を支援する技術も提案されている。例えば、特許文献1には、製品を識別し、かつ、デジタルアカウントに関連付けられている1つ以上のデジタル投稿を収集し、各デジタル投稿について生成された特徴表現に基づいて、1つ以上のデジタル投稿の各々に関連付けられた決定モデルのステージをニューラルネットワークによって識別し、識別された決定モデルのステージに基づき製品関連情報をデジタルアカウントに伝送するシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
SNSマーケティング分析を支援する技術によって、例えば、SNSにおける投稿(以下、単に「投稿」ともいう。)が分析された場合、SNSマーケティング分析を行うマーケティング担当者は、分析対象となった個々の投稿内容を把握したい場合がある。しかしながら、個々の投稿内容には、マーケティング担当者が把握したい内容とは異なる冗長な内容が含まれていることが多い。したがって、例えば、複数の投稿内容がマーケティング担当者による目視のために表示される場合、その表示内容の大部分がマーケティング担当者にとっては不要な冗長な内容となり得るという課題があった。マーケティング担当者にとって、このような冗長な内容を含む複数の投稿内容の表示から自身が把握したい内容だけを認識することは、負担が大きいものであった。
例えば、特許文献1に記載されたような従来の技術は、複数のデジタル投稿の内容をマーケティング担当者が把握したい場合の上記課題について、何ら考慮されたものではなかった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するものであり、SNSマーケティング分析において、複数の投稿内容の表示が冗長な内容となることを抑制できる、情報処理装置、プログラムおよび情報処理方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理装置は、ソーシャルネットワーキングサービスにおける投稿から抽出された分析対象投稿を取得する分析対象取得部と、分析対象投稿を分析項目ごとに分類する分類部と、分析対象投稿の内容を要約した要約情報を生成する要約部と、分析項目に分類された分析対象投稿の要約情報を分析項目ごとに表示するための表示情報を生成する表示情報生成部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ソーシャルネットワーキングサービスにおける投稿から抽出された分析対象投稿を取得し、分析対象投稿を分析項目ごとに分類し、分析対象投稿の内容を要約した要約情報を生成し、分析項目に分類された分析対象投稿の要約情報を分析項目ごとに表示するための表示情報を生成する。これにより、本発明に係る情報処理装置は、複数の投稿内容の表示が冗長な内容となることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】実施の形態1に係る情報処理装置の機能を実現するハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】分析対象投稿および要約情報の例を示す図である。
【
図4】実施の形態1に係る情報処理装置の変形例(1)の構成を示すブロック図である。
【
図5】実施の形態1に係る情報処理装置の変形例(2)の構成を示すブロック図である。
【
図6】実施の形態1に係る情報処理装置の変形例(3)の構成を示すブロック図である。
【
図7】実施の形態1に係る情報処理装置の変形例(4)の構成を示すブロック図である。
【
図9】実施の形態1に係る情報処理方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る情報処理システム1の構成を示すブロック図である。
図1において、情報処理システム1は、情報処理装置2、サービスユーザ端末3、SNSサーバ4、およびSNSユーザ端末5が、ネットワーク6を介して接続されたシステムである。情報処理システム1は、SNSにおける投稿から抽出された分析対象投稿を取得し、分析項目に分類された分析対象投稿の要約情報を分析項目ごとに表示する。ネットワーク6は、インターネットを含む電気通信回線である。
情報処理装置2は、SNSにおける投稿から抽出された分析対象投稿の要約情報を分析項目ごとに表示するSNSマーケティング分析サービスをサービスユーザ端末3に提供するサーバである。情報処理装置2は、SNSにおける投稿から抽出された分析対象投稿を取得し、分析対象投稿を分析項目ごとに分類し、分析対象投稿の内容を要約し、分析項目に分類された分析対象投稿の要約情報を分析項目ごとに表示するための表示情報(以下「分析結果表示情報」という。)を生成する。情報処理装置2は、例えば、サービスユーザ端末3から要求を受けて、分析結果表示情報を生成し、サービスユーザ端末3に送信することができる。
【0010】
サービスユーザ端末3は、情報処理装置2が提供するSNSマーケティング分析サービスを利用するユーザ(以下「分析サービスユーザ」という。)が使用する端末である。分析サービスユーザは、例えば、企業等においてSNSマーケティング分析を行うマーケティング担当者である。サービスユーザ端末3では、例えば、SaaS(Software as a Service)の形態で提供されるSNSマーケティング分析サービスが利用可能である。つまり、SNSマーケティング分析サービスを提供するためのサービス用アプリケーションは、情報処理装置2で実行されており、サービスユーザ端末3は、サービス専用のアプリケーションをインストールすることなく、Webブラウザ上でSNSマーケティング分析サービスの提供を受けることができる。また、サービスユーザ端末3には、SNSマーケティング分析サービスを利用するための専用アプリケーションがインストールされていてもよい。サービスユーザ端末3は、情報処理装置2が生成した分析結果表示情報を、情報処理装置2から受信して、サービスユーザ端末3が有する表示部(不図示)に、分析項目に分類された分析対象投稿の要約情報を分析項目ごとに表示することができる。
なお、実施の形態1では、情報処理装置2がSNSマーケティング分析サービスをサービスユーザ端末3に提供する形態を説明するが、サービスユーザ端末3自体が、SNSにおける投稿から抽出された分析対象投稿を取得し、分析対象投稿を分析項目ごとに分類し、分析対象投稿の内容を要約し、分析結果表示情報を生成するものであってもよい。サービスユーザ端末3は、自身が生成した分析結果表示情報に基づいて、上述の表示部(不図示)に、分析項目に分類された分析対象投稿の要約情報を分析項目ごとに表示することができる。この場合、情報処理システム1には、サーバとしての情報処理装置2は不要であり、サービスユーザ端末3自体が情報処理装置2として機能する。
【0011】
SNSサーバ4は、ネットワーク6を介して、SNSユーザ端末5にSNSを提供するサーバである。SNSとしては、例えば、Twitter(登録商標)、Instagram(登録商標)、TikTok(登録商標)、YouTube(登録商標)またはFacebook(登録商標)がある。また、SNSは、社内でのみ使用される社内SNSであってもよい。SNSユーザ端末5は、SNSを利用するユーザ(以下「SNSユーザ」という。)が用いる端末である。例えば、SNSユーザは、SNSユーザ端末5を用いてSNSサーバ4が提供するSNSにログインすることにより、SNSの利用が可能となる。サービスユーザ端末3およびSNSユーザ端末5は、ネットワーク6を介して、情報処理装置2またはSNSサーバ4と通信可能な端末装置であり、例えば、スマートフォン、タブレット端末またはPC(Personal Computer)である。
【0012】
SNSマーケティング分析サービスを提供する情報処理装置2は、分析対象取得部221、分類部222、要約部223および表示情報生成部224を備える。分析対象取得部221は、SNSにおける投稿から抽出された分析対象投稿を取得する。分類部222は、分析対象投稿を分析項目ごとに分類する。要約部223は、分析対象投稿の内容を要約した要約情報を生成する。表示情報生成部224は、分析項目に分類された分析対象投稿の要約情報を分析項目ごとに表示するための表示情報を生成する。
【0013】
図2は、情報処理装置2の機能を実現するハードウェア構成を示すブロック図である。例えば、情報処理装置2は、ハードウェア構成として、通信インタフェース100、入出力インタフェース101、プロセッサ102およびメモリ103を有する。情報処理装置2が備える各機能は、これらのハードウェア構成により実現される。
【0014】
通信インタフェース100は、ネットワーク6を介して外部装置から受信されたデータをプロセッサ102へ出力し、プロセッサ102が生成したデータを、ネットワーク6を介して、サービスユーザ端末3へ送信する。プロセッサ102は、入出力インタフェース101を介して、
図1における記憶部23にデータを読み書きする。記憶部23は、情報処理装置2として機能するコンピュータが備える記憶装置であり、HDD(Hard Disk Drive)もしくはSSD(Solid State Drive)等のストレージ、または、
図2のメモリ103等を含むものである。
【0015】
情報処理装置2は、
図1に示すように、通信部21、演算部22、記憶部23および表示部24を備える。通信部21は、ネットワーク6を介して、サービスユーザ端末3、SNSサーバ4またはSNSユーザ端末5と通信を行う。例えば、通信部21は、LTE、3G、4Gまたは5G等の通信方式によるモバイル通信が可能なサービスユーザ端末3またはSNSユーザ端末5との間で、ネットワーク6を介して通信可能である。表示部24は、情報処理装置2が備える表示装置である。表示部24は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)または有機EL(Electroluminescence)表示装置である。
【0016】
演算部22は、情報処理装置2の全体動作を制御する。演算部22は、SNSマーケティング分析サービスを提供するためのサービス用アプリケーションを実行することにより各種の機能を実現する。記憶部23は、SNSマーケティング分析サービスを提供するためのサービス用アプリケーションと、演算部22の演算処理に用いられる情報を記憶する。記憶部23は、演算処理に用いられる情報として、例えば、分析項目、分析項目ごとのタグ、分析項目ごとに分類された分析対象投稿、および分析対象投稿の要約情報を記憶する。
【0017】
演算部22は、分析対象取得部221、分類部222、要約部223、および表示情報生成部224を備える。演算部22がマーケティング分析アプリケーションを実行することにより、分析対象取得部221、分類部222、要約部223、および表示情報生成部224の各機能が実現される。分析対象取得部221、分類部222、要約部223、および表示情報生成部224の各機能を実現するためのアプリケーションプログラムは、情報処理装置2として機能するコンピュータが備える記憶部23に記憶されている。
【0018】
プロセッサ102は、入出力インタフェース101を介して、HDDまたはSSD等の、メモリ103以外の記憶部23に記憶されたアプリケーションプログラムを読み出してメモリ103にロードし、ロードしたプログラムを実行する。これにより、プロセッサ102は、分析対象取得部221、分類部222、要約部223および表示情報生成部224の各機能を実現する。メモリ103は、例えば、RAM(Random Access Memory)である。
【0019】
分析対象取得部221は、SNSにおける投稿から抽出された分析対象投稿を取得する。分析対象取得部221は、SNSにおける投稿から事前に抽出され保存された投稿を、分析対象投稿として取得する。分析対象投稿の事前の抽出は、例えば、抽出者によって任意の方法によって行われ得る。抽出者は、分析サービスユーザ、または、SNSマーケティング分析サービスを分析サービスユーザに提供する提供者(以下「サービス提供者」という。)等である。
抽出者は、SNSにおける投稿から、SNSアカウントの情報またはキーワード等を用いて、分析対象とする投稿を抽出して、抽出された投稿を自身の有する記憶装置(不図示)または記憶媒体(不図示)等に記憶させることで保存する。分析対象取得部221は、抽出者によって事前に抽出され保存された分析対象投稿を、任意の方法で取得し得る。例えば、分析対象取得部221は、抽出者によって事前に抽出され保存された分析対象投稿が、抽出者の使用する端末(不図示)を利用してネットワーク6を介して情報処理装置2に送信されることで、分析対象投稿を取得し得る。抽出者が分析サービスユーザであれば、分析対象投稿の情報処理装置2への送信には、サービスユーザ端末3を利用することができる。また、例えば、分析対象取得部221は、抽出者によって事前に抽出され保存された分析対象投稿が記憶された可搬の記憶媒体(不図示)が情報処理装置2に接続されることで、分析対象投稿を取得し得る。
分析対象取得部221は、上記のように取得した分析対象投稿を、分類部222および要約部223に出力する。また、分析対象取得部221は、上記のように取得した分析対象投稿を、分類部222および要約部223に出力することに加えて、記憶部23に記憶させてもよい。分析対象取得部221は、記憶部23に分析対象投稿を記憶させる場合、例えば、一群の分析対象投稿ごとにIDを付与して記憶させる。このように分析対象取得部221が記憶部23に分析対象投稿を記憶させた場合、分析対象取得部221は、分類部222による分類処理が開始される前または要約部223による要約処理が開始される前に、分析対象投稿に付与されたIDを用いて記憶部23からIDに応じた分析対象投稿を取得して、分類部222または要約部223に出力してもよい。IDの指定は、例えば、分析サービスユーザがサービスユーザ端末3を通じて行ってもよいし、分析サービスユーザから依頼を受けたサービス提供者が情報処理装置2を操作することにより行ってもよい。
なお、分析対象投稿は、通常、SNSマーケティング分析の目的に沿った有用な分析ができる程度の数の、複数の投稿である。「分析対象投稿」とは、複数の投稿の総称として使用されることもあり、個々の投稿を示すものとして使用されることもある。
【0020】
分析対象取得部221は、分析対象投稿として、例えば、特定の商材に関する投稿、特定の商材種別に関する投稿、または、特定の企業に関する投稿のうち、少なくとも1種類の投稿を取得する。
分析対象投稿の事前の抽出を行う抽出者は、例えば、SNSにおける投稿から、特定の商材に関するキーワードもしくは画像が含まれる投稿、特定の商材種別に関するキーワードもしくは画像が含まれる投稿、または、特定の企業に関するキーワードもしくは画像が含まれる投稿を、分析対象投稿として抽出する。また、抽出者は、例えば、特定の商材に関するSNSアカウントの投稿、特定の商材種別に関するSNSアカウントの投稿、または、特定の企業に関するSNSアカウントの投稿を、分析対象投稿として抽出する。抽出者は、目的の分析対象投稿を抽出できる限り、任意の手法で抽出を行うことができ、例えば、キーワード、画像またはアカウントの2種類以上を組み合わせて分析対象投稿を抽出することができる。
なお、画像は、静止画像であっても、動画像であってもよい。
【0021】
分類部222は、分析対象投稿を分析項目ごとに分類する。分類部222が分析対象投稿の分類のために使用する分析項目としては、マーケティング分析において一般的に使用される分析項目を含む任意の1または複数の分析項目が使用され得る。分析項目は、例えば、サービス提供者によって事前に設定され、記憶部23に記憶されている。分類部222は、分析対象取得部221から分類部222に出力された分析対象投稿と、分類部222が記憶部23から読み出した分析項目とを使用して、各分析対象投稿を分類する。分類部222は、各分析対象投稿に含まれるテキスト、各分析対象投稿に含まれる画像、または、各分析対象投稿の投稿者のプロフィール情報に含まれるテキストもしくは画像等を解析することで、各分析対象投稿を分析項目ごとに分類する。分類部222は、これらの解析を、例えば、ルールベースの解析手法で行ってもよいし、機械学習を利用した解析手法で行ってもよい。ルールベースの解析手法および機械学習を利用した解析手法としては、公知の解析手法を適用または応用することができる。
分析項目は、例えば、分析対象投稿の種類ごとに設定されてもよい、言い換えれば、分析対象投稿がどのような観点または条件で抽出されたものであるかに応じて設定されてもよい。または、分析項目は、例えば、分析の目的ごとに設定されてもよい、言い換えれば、分析対象投稿に対してどのような分析が必要かに応じて設定されてもよい。分析項目が分析対象投稿の種類ごとに設定される場合、例えば記憶部23に、分析対象投稿の種類を特定可能なフラグと紐づけて当該分析対象投稿の種類に対応する分析項目が記憶され得る。分析項目が分析の目的ごとに設定される場合、例えば記憶部23に、分析目的を特定可能なフラグと紐づけて当該分析目的に対応する分析項目が記憶され得る。分析対象投稿の種類を特定可能なフラグ、または、分析目的を特定可能なフラグについては、例えば、抽出者が分析対象投稿を抽出した際に分析対象投稿にこれらのフラグのいずれかもしくは両方を付与してもよいし、分析サービスユーザ、または、分析サービスユーザから依頼を受けたサービス提供者が、情報処理装置2に対して、具体的に分析対象となる分析対象投稿に応じて、分類部222による分類処理前にこれらのフラグのいずれかもしくは両方を予め指定しておいてもよい。分類部222は、分析対象取得部221から出力された分析対象投稿と、分析対象投稿の種類または分析目的に応じて記憶部23から読み出した分析項目とを使用して、各分析対象投稿を分類する。
また、分析項目は、例えば、分析対象投稿の種類等にかかわらず、共通の分析項目として設定されていてもよい。この場合、分類部222は、どの分析対象投稿に対しても、同一の分析項目を使用した分類を行う。
分類部222は、分析項目ごとに分類した各分析対象投稿に対し、例えば、当該分析対象投稿が分類された分析項目に応じたタグを付与する。一つの分析対象投稿が複数の分析項目に該当するものとして分類された場合、分類部222は、当該分析対象投稿に、複数の分析項目のそれぞれに応じた複数のタグを付与する。なお、分析対象投稿の中には、分析項目を用いた分類ができない投稿もあり得る。このような場合、分類部222は、分類ができなかった投稿には、例えば「不明」を示すタグを付与してもよいし、何らタグを付与しないこととしてもよい。
分類部222は、分析項目ごとに分類された分析対象投稿を記憶部23に記憶させる。分類部222は、例えば、各分析対象投稿と、当該分析対象投稿に付与されたタグを紐づけて、記憶部23に記憶させる。
【0022】
分類部222は、例えば、分析対象取得部221が分析対象投稿として特定の商材に関する投稿を取得する場合、分析対象投稿の内容が特定の商材の購買プロセスのどの段階に関する内容であるかを分析項目に含めて、分析対象投稿を分類する。この場合、例えば、分析対象取得部221が取得する分析対象投稿には、分析対象投稿の種類として、分析対象投稿が特定の商材に関する投稿であることを示すフラグが付与されている。分類部222は、このフラグを用いて、分析対象投稿の種類に応じた分析項目を特定して分類処理を行うことができる。当該分析項目は、分析対象投稿の内容が特定の商材の購買プロセスのどの段階に関する内容であるかを分析するための分析項目である。
また、分類部222は、例えば、分析対象取得部221が分析対象投稿として特定の商材種別に関する投稿を取得した場合に、分析対象投稿の内容が特定の商材種別に属する商材の購買プロセスのどの段階に関する内容であるかを分析項目に含めて、分析対象投稿を分類する。この場合、例えば、分析対象取得部221が取得する分析対象投稿には、分析対象投稿の種類として、分析対象投稿が特定の商材種別に関する投稿であることを示すフラグが付与されている。分類部222は、このフラグを用いて、分析対象投稿の種類に応じた分析項目を特定して分類処理を行うことができる。当該分析項目は、分析対象投稿の内容が特定の商材種別に属する商材の購買プロセスのどの段階に関する内容であるかを分析するための分析項目である。
また、分類部222は、例えば、分析対象取得部221が分析対象投稿として特定の企業に関する前記投稿を取得する場合、分析対象投稿の内容が特定の企業の提供する商材の購買プロセスのどの段階に関する内容であるかを前記分析項目に含めて、分析対象投稿を分類する。この場合、例えば、分析対象取得部221が取得する分析対象投稿には、分析対象投稿の種類として、分析対象投稿が特定の企業に関する投稿であることを示すフラグが付与されている。分類部222は、このフラグを用いて、分析対象投稿の種類に応じた分析項目を特定して分類処理を行うことができる。当該分析項目は、分析対象投稿の内容が特定の企業の提供する商材の購買プロセスのどの段階に関する内容であるかを分析するための分析項目である。
分類部222は、商材の購買プロセスの各段階として、例えば、購買予定、購買前、消費中、および、消費後の4段階を使用し、分析対象投稿の内容が、特定の商材の購買プロセスのどの段階に関する内容であるか、特定の商材種別に属する商材の購買プロセスのどの段階に関する内容であるか、または、特定の企業の提供する商材の購買プロセスのどの段階に関する内容であるかを分析する。また、分類部222は、購買プロセスの各段階として、上記4段階以外の段階の定義(AIDMA、AISAS等)を使用して、分析を行うものでもよい。
【0023】
分類部222は、例えば、分析対象取得部221が分析対象投稿として特定の商材に関する投稿を取得する場合、分析対象投稿の内容が特定の商材に対する批判か否かを分析項目に含めて、分析対象投稿を分類する。この場合、例えば、分析対象取得部221が取得する分析対象投稿には、分析対象投稿の種類として、分析対象投稿が特定の商材に関する投稿であることを示すフラグが付与されている。分類部222は、このフラグを用いて、分析対象投稿の種類に応じた分析項目を特定して分類処理を行うことができる。当該分析項目は、分析対象投稿の内容が特定の商材に対する批判か否かを分析するための分析項目である。
また、分類部222は、例えば、分析対象取得部221が分析対象投稿として特定の商材種別に関する投稿を取得する場合、分析対象投稿の内容が特定の商材種別に属する商材に対する批判か否かを分析項目に含めて、分析対象投稿を分類する。この場合、例えば、分析対象取得部221が取得する分析対象投稿には、分析対象投稿の種類として、分析対象投稿が特定の商材種別に関する投稿であることを示すフラグが付与されている。分類部222は、このフラグを用いて、分析対象投稿の種類に応じた分析項目を特定して分類処理を行うことができる。当該分析項目は、分析対象投稿の内容が特定の商材種別に属する商材に対する批判か否かを分析するための分析項目である。
また、分類部222は、例えば、分析対象取得部221が分析対象投稿として特定の企業に関する投稿を取得する場合、分析対象投稿の内容が特定の企業に対する批判か否かを分析項目に含めて、分析対象投稿を分類する。この場合、例えば、分析対象取得部221が取得する分析対象投稿には、分析対象投稿の種類として、分析対象投稿が特定の企業に関する投稿であることを示すフラグが付与されている。分類部222は、このフラグを用いて、分析対象投稿の種類に応じた分析項目を特定して分類処理を行うことができる。当該分析項目は、分析対象投稿の内容が特定の企業に対する批判か否かを分析するための分析項目である。なお、企業に対する批判とは、企業自体に対する批判、または、企業が提供する商材に対する批判等を含むものである。
【0024】
分類部222は、例えば、分析対象投稿の内容が、行為の主体を示す情報、行為の為された時期を示す情報、行為の為された場所を示す情報、行為の客体を示す情報、行為の目的もしくは理由を示す情報、行為の主体に同伴する他の主体を示す情報、行為の為され方を示す情報、行為の程度を示す情報、または、行為の主内容を示す情報のうち少なくとも1種類の行為関連情報について、当該行為関連情報を含むか否かを分析項目に含めて、分析対象投稿を分類する。
ここで、行為の主体を示す情報とは、言い換えれば、「誰が」行為を行ったかを示す情報である。同様に、行為の為された時期を示す情報とは、「いつ」行為が行われたかを示す情報であり、行為の為された場所を示す情報とは、「どこで」行為が行われたかを示す情報であり、行為の客体を示す情報とは、「何を対象に」行為を行ったかまたは「何に対して」行為を行ったか等を示す情報であり、行為の目的もしくは理由を示す情報とは、「何のために」行為を行ったかを示す情報であり、行為の主体に同伴する他の主体を示す情報とは、「誰とともに」行為を行ったかを示す情報であり、行為の為され方を示す情報とは、「どのように」行為を行ったかを示す情報であり、行為の程度を示す情報とは、「どのくらい」の量または強度等で行為を行ったかを示す情報であり、行為の主内容を示す情報とは、主たる行為として「どのような動作をしたか」を示す情報である。言い換えると、行為関連情報とは、いわゆる5W1H、または、6W2Hなどと呼ばれているフレームワークの各観点で分類された情報である。
例えば、「〇〇化粧品」という特定の商材に関する分析対象投稿の内容が「私は先週自宅で〇〇化粧品と△△化粧品のセットを母に誕生祝いのために兄と手渡しで半年分プレゼントした。」というものであって、分析項目として上記で列挙した行為関連情報のすべてが含まれるとする。なお「〇〇化粧品」および「△△化粧品」は、説明のための架空の名称である。この場合、分析対象投稿には「私は」という内容があることから、分類部222は、この分析対象投稿を、行為の主体を示す情報を含む投稿として分類し、例えば、この分析対象投稿が行為の主体を示す情報を含む旨を示すタグを付与する。同様に、分類部222は、上記分析対象投稿について、その内容に「先週」があることから、行為の為された時期を示す情報を含む投稿として分類し、「自宅で」があることから、行為の為された場所を示す情報を含む投稿として分類し、「〇〇化粧品と△△化粧品のセットを」および「母に」があることから、行為の客体を示す情報を含む投稿として分類し、「誕生祝いのために」があることから、行為の目的もしくは理由を示す情報を含む投稿として分類し、「兄と」があることから、行為の主体に同伴する他の主体を示す情報を含む投稿として分類し、「手渡しで」があることから、行為の為され方を示す情報を含む投稿として分類し、「半年分」があることから、行為の程度を示す情報を含む投稿として分類し、「プレゼントした」があることから、行為の主内容を示す情報を含む投稿として分類し、各情報を含む旨を示すタグを付与する。
分類部222が、分析対象投稿の内容が行為関連情報を含むか否かを分析項目に含めて、分析対象投稿を分類する場合、例えば、分析目的として行為関連情報の分析を特定するフラグが設定され、当該フラグと行為関連情報の分析項目とが紐づけられて、記憶部23に記憶されていてもよい。例えば、抽出者が分析対象投稿を抽出した際に分析対象投稿に当該フラグを付与した場合、または、分析サービスユーザもしくはSNSマーケティング分析サービスの提供者が、情報処理装置2に対して分析対象投稿に対し予め当該フラグを指定した場合、分類部222は、分析対象取得部221から出力された分析対象投稿と、分析目的のフラグを用いて記憶部23から読み出した行為関連情報の分析項目とを使用して、各分析対象投稿を分類する
【0025】
分類部222は、分析対象投稿の内容が、行為関連情報を含むものとして分類された場合、さらに、当該行為関連情報の下位概念を分析項目に含めて、分析対象投稿を分類する。
例えば、分類部222は、分析対象投稿が、行為の主体に同伴する他の主体を示す情報を含む投稿として分類された場合、さらに、当該他の主体が「家族」であるのか、「友人」であるのか、または「同僚」であるのか等を分析項目に含めて、さらに分析対象投稿を分類する。上述の、「〇〇化粧品」という特定の商材に関する分析対象投稿の内容が「私は先週自宅で〇〇化粧品と△△化粧品のセットを母に誕生祝いのために兄と手渡しで半年分プレゼントした。」である場合の例では、行為の主体に同伴する他の主体が「兄」であるため、分類部222は、この分析対象投稿を、当該他の主体に「家族」を含む投稿として分類する。
【0026】
要約部223は、分析対象投稿の内容を要約した要約情報を生成する。
個々の分析対象投稿の内容は、SNSマーケティング分析を行うマーケティング担当者が把握したい内容とは異なる冗長な内容が含まれていることが多い。例えば、投稿内容に含まれる、絵文字、URL(Uniform Resource Locator)、ハッシュタグ、または、メンション等の情報は、マーケティング担当者が分析対象投稿の内容を把握する際には不要な場合が多い。また、これらの情報以外にも、分析対象投稿には、マーケティング担当者にとって不要な文が含まれていることが多い。したがって、例えば、ある複数の投稿内容がマーケティング担当者による目視のために表示される場合、その表示内容の大部分がマーケティング担当者にとっては不要な冗長な内容となり得る。マーケティング担当者にとって、このような不要な冗長な内容を含む複数の投稿内容の表示から自身が把握したい内容だけを認識することは、負担が大きいものであった。
これに対し、要約部223は、個々の分析対象投稿について、その内容から、冗長な内容を削除し、かつ、マーケティング担当者が把握したい内容が削除されないように、当該分析対象投稿の内容を要約した要約情報を生成する。ここで、要約部223が生成する要約情報とは、ある一つの事柄の有り様を表すことを人が把握できる情報であり、要約情報の元となる分析対象投稿の全文よりも短いものである。例えば、要約情報は、要約情報の元となる分析対象投稿の全文よりも短い文章、文、節、句、単語、または記号等を示す情報である。要約部223は、生成した要約情報を、対応する分析対象投稿と紐づけて、記憶部23に記憶させる。
要約部223が行う要約処理には、例えば、ルールベースで要約情報を生成する抽出型要約処理と、機械学習モデルを用いて要約情報を生成する生成型要約処理がある。
【0027】
要約部223が抽出型要約処理を行う場合、要約部223は、分析対象投稿の内容を要約した要約情報候補を複数生成し、各要約情報候補と分析対象投稿の内容との類似度である候補類似度を算出し、算出された候補類似度が高い要約情報候補を要約情報とすることで、要約情報を生成する。また、要約部223は、複数の要約情報候補を生成する際、分析対象投稿の内容を、複数の文に分割し、各文と分析対象投稿の内容との類似度である分割文類似度を算出し、算出された分割文類似度が高い文に基づいて、複数の要約情報候補を生成してもよい。
なお、以下、要約部223が分析対象投稿の内容を複数の文に分割し、各文と分析対象投稿の内容との類似度である分割文類似度を算出し、算出された分割文類似度が高い文に基づいて、複数の要約情報候補を生成する場合を説明するが、要約部223は、このような分析対象投稿の内容の複数の文への分割を行うことなく、分析対象投稿の内容から、直接、要約情報候補を複数生成するものであってもよい。
例えば、要約部223は、分析対象取得部221から出力された分析対象投稿に対し、まず、前処理を行う。要約部223は、この前処理を、個々の分析対象投稿について行う。この前処理において、要約部223は、分析対象投稿の内容に含まれる、絵文字、顔文字、または感嘆符等を削除するか置き換える。また、要約部223は、分析対象投稿の内容に含まれる、URL、ハッシュタグ、または、メンション等を削除する。要約部223が絵文字または顔文字を置き換える場合、要約部223は、その絵文字または顔文字を、その絵文字または顔文字に相当するテキストに置き換える。例えば、絵文字がケーキを表す絵文字であれば、要約部223は、その絵文字を「ケーキ」というテキストに置き換える。また、例えば、顔文字が笑顔を表す顔文字であれば、要約部223は、その顔文字を「笑顔」というテキストに置き換える。また、要約部223は、感嘆符を置き換える場合、その感嘆符を例えば句点に置き換える。
また、この前処理において、要約部223は、上記の削除または置き換えが終了した後の分析対象投稿の内容に含まれるテキストを、複数の文に分割する。以下、要約部223が、上記テキストを分割して生成した文を、「分割文」という。なお、要約部223は、テキストが、例えば非常に短い一文であり、分割ができないテキストである場合は、そのままのテキストを「分割文」としてもよい。また、前処理において、要約部223は、上記絵文字等の削除または置き換えを行うことなく、分析対象投稿の内容に含まれるテキストを、そのまま複数の文に分割してもよい。
【0028】
前処理の後、要約部223は、各分割文と分析対象投稿の内容との類似度である分割文類似度を算出する。要約部223は、分割文類似度の算出を、文章同士の類似度算出に関する公知の方法を用いて行うことができる。要約部223は、複数の分割文のうち、分割文類似度が高い分割文を、複数の要約情報候補を生成するための分割文として選定する。要約部223は、複数の分割文のうち、分割文類似度が最も高い分割文のみを、複数の要約情報候補を生成するための分割文として選定してもよいし、分割文類似度が高いものから順に複数の分割文を、複数の要約情報候補を生成するための分割文として選定してもよい。
例えば、分析対象取得部221が、分析対象投稿として、特定の商材に関する投稿、特定の商材種別に関する投稿、または、特定の企業に関する投稿を取得する場合、分析投稿対象投稿の内容には、特定の商材、特定の商材種別、または、特定の企業を示すテキスト等が含まれている可能性が高いため、通常は、複数の分割文のうち、それらのテキストを含む分割文の分割文類似度が高くなる。また、例えば、分類部222が、分析対象投稿を分析項目ごとに分類する場合、分析対象投稿の内容には、分析項目に関連する内容を示すテキストが含まれている可能性が高いため、通常は、複数の分割文のうち、それらのテキストを含む分割文の分割文類似度が高くなる。したがって、要約部223は、上記のように、各分割文と分析対象投稿の内容との類似度である分割文類似度を算出し、算出された分割文類似度が高い分割文を、複数の要約情報候補を生成するための分割文として選定することで、生成された要約情報を、冗長な内容は削除され、かつ、マーケティング担当者が把握したい内容が削除されていないものとすることができる。
【0029】
分割文の選定後、要約部223は、選定された分割文に基づいて、複数の要約情報候補を生成する。そして、要約部223は、さらに、各要約情報候補と分析対象投稿の内容との類似度である候補類似度を算出し、算出された候補類似度が高い要約情報候補を要約情報とすることで、要約情報を生成する。要約部223は、候補類似度の算出を、文章同士の類似度算出に関する公知の方法を用いて行うことができる。要約部223は、複数の要約情報候補のうち、候補類似度が高い要約情報候補を要約情報とする。要約部223は、複数の要約情報候補のうち、候補類似度が最も高い要約情報候補のみを要約情報としてもよいし、候補類似度が高いものから順に複数の要約情報候補を、要約情報としてもよい。
なお、候補類似度が高いものから順に複数の要約情報候補を要約情報とする場合、例えば、当該複数の要約情報候補のうちの複数の要約情報候補が同一の分割文から生成されたものであると、それらは重複した冗長な内容を含むものとなる可能性がある。したがって、候補類似度が高いものから順に複数の要約情報候補を要約情報とする場合、例えば、要約部223は、当該複数の要約情報候補のうち、同一の分割文から生成された複数の要約情報候補については、そのうち最も候補類似度が高い要約情報候補のみを要約情報とする。このように、要約部223は、候補類似度が高いものから順に複数の要約情報候補を要約情報とする場合は、最終的な要約情報が冗長な内容にならないようなさらに何らかの選定を行ってもよい。
要約部223は、複数の要約情報候補を生成する際、選定された分割文を係り受け解析してさらに分割し、分割された要素の組合せから要約情報候補を生成する。ここで、分割された要素とは、例えば、分割文をさらに文節ごとに分割したようなものとなる。要約部223は、複数の要約情報候補のうち、文字数または単語数が所定数以上になる要約情報候補を除外してもよい。また、要約部223が抽出型要約処理を行う場合、要約部223は、要約情報として選定された要約情報候補に対して、後処理を行ってもよい。要約部223による後処理は、要約情報候補の文末表現を調整するものである。例えば、要約部223は、文末表現を、「です」「ます」調から、「だ」「である」調に変更する。要約部223は、文末表現を調整または変更する際、分析対象投稿の内容の意味または時制を変えないために、否定形または過去形はそのままとする。
例えば、分析対象取得部221が、分析対象投稿として、特定の商材に関する投稿、特定の商材種別に関する投稿、または、特定の企業に関する投稿を取得する場合、分析投稿対象投稿の内容には、特定の商材、特定の商材種別、または、特定の企業を示すテキスト等が含まれている可能性が高いため、通常は、複数の要約情報候補のうち、それらのテキストを含む要約情報候補の候補類似度が高くなる。また、例えば、分類部222が、分析対象投稿を分析項目ごとに分類する場合、分析対象投稿の内容には、分析項目に関連する内容を示すテキストが含まれている可能性が高いため、通常は、複数の要約情報候補のうち、それらのテキストを含む要約情報候補の候補類似度が高くなる。したがって、要約部223は、上記のように、複数の要約情報候補を生成し、各要約情報候補と分析対象投稿の内容との類似度である候補類似度を算出し、算出された候補類似度が高い要約情報候補を要約情報とすることで、生成された要約情報を、マーケティング担当者が把握したい内容を含むものとすることができる。
【0030】
要約部223は、例えば、分析対象投稿の内容のうち、分析対象投稿の抽出のための条件として用いられた情報に対応する内容に対し、候補類似度または分割文類似度が高くなるように重みづけを行って、候補類似度または分割文類似度の算出を行ってもよい。例えば、抽出者がSNSにおける投稿から分析対象投稿を抽出するために使用した条件に、特定の商材の名称がキーワードとして含まれていた場合、要約部223は、候補類似度または分割文類似度を算出する際、当該特定の商材の名称を含む要約情報候補または分割文内の当該特定の商材の名称に対し重みづけをし、当該重みづけの分、候補類似度または分割文類似度を高く算出する。なお、この場合、抽出者が分析対象投稿を抽出するための条件として使用したキーワードの情報は、例えば、抽出者が予め情報処理装置2に任意の方法で入力することで、分析対象投稿と紐づけて記憶部23にされ得る。また、要約部223は、分析対象投稿の抽出のための条件として用いられた情報に対応する内容の同義語または類義語を含む要約情報候補または分割文内の当該同義語または類義語に対し重みづけをしてもよい。
上述のとおり、要約部223が要約処理の際に候補類似度または分割文類似度を用いることで、要約情報は適切なものとなり得るが、要約部223は、上述の重みづけを行うことで、要約情報がさらに適切なものとなる可能性を高めることができる。
【0031】
また、要約部223は、例えば、分析対象投稿の内容のうち、分析項目として用いられた情報に対応する内容に対し、候補類似度または分割文類似度が高くなるように重みづけを行って、候補類似度または分割文類似度の算出を行ってもよい。例えば、分類部222が分析対象投稿を分析項目ごとに分類するために用いた情報に、「購買」という用語が含まれていた場合、要約部223は、候補類似度または分割文類似度を算出する際、「購買」という用語を含む要約情報候補または分割文内の「購買」という用語に対し重みづけをし、当該重みづけの分、候補類似度または分割文類似度を高く算出する。また、要約部223は、分析項目として用いられた情報に対応する内容の同義語または類義語を含む要約情報候補または分割文内の当該同義語または類義語に対し重みづけをしてもよい。
上述のとおり、要約部223が要約処理の際に候補類似度または分割文類似度を用いることで、要約情報は適切なものとなり得るが、要約部223は、上述の重みづけを行うことで、要約情報がさらに適切なものとなる可能性を高めることができる。
なお、要約部223は、分割文または要約情報候補に含まれる特定の助詞または助動詞に対して重みづけをおこなってもよい。重みづけの対象となる助詞または助動詞は、例えば、行為の理由または主体の意思等を示す可能性の高い助詞または助動詞であり、「~ので」、「~により」、または「~(し)たい」等である。
また、要約部223は、例えば、分析対象投稿の内容のうち、分析対象投稿の抽出のための条件として用いられた情報に対応する内容、および、分析項目として用いられた情報に対応する内容の両方の内容に対し、候補類似度または分割文類似度が高くなるように重みづけを行って、候補類似度または分割文類似度の算出を行ってもよい。
【0032】
要約部223が生成型要約処理を行う場合、要約部223は、分析対象投稿の内容が入力されると要約情報を出力する機械学習モデルを用いて、要約情報を生成する。機械学習モデルとしては、例えば、Encoder-Decoderモデル、Self-Attentionモデル、または、Transformerモデル等が適用または応用され得る。
事前の準備として、機械学習モデルに対する学習処理が行われる。学習処理に利用される学習データは、例えば、前処理後の投稿と、当該投稿の内容を人手で要約した要約情報とのセットを複数セット含むデータである。また、学習処理に利用される学習データは、例えば、対象となる特定の企業の情報、特定の商材の情報または特定の商材種別の情報、および前処理後の投稿と、当該投稿の内容を人手で要約した要約情報とのセットを複数セット含むデータであってもよい。また、学習処理に利用される学習データは、例えば、分析対象投稿の抽出のための条件または分析項目として用いられ得る情報、および前処理後の投稿と、当該投稿の内容を人手で要約した要約情報とのセットを複数セット含むデータであってもよい。なお、学習データには、対象となる特定の企業の情報、特定の商材の情報または特定の商材種別の情報、および、分析対象投稿の抽出のための条件または分析項目として用いられ得る情報の両方の情報が含まれるものであってもよい。学習データの作成の際に行われる前処理は、要約部223が行う前処理と同じものである。要約部223が使用する機械学習モデルは、このように学習処理が行われた学習済の機械学習モデルである。
要約部223が抽出型要約処理を行う場合、例えば、要約部223は、分析対象取得部221から出力された分析対象投稿に対し、まず、前処理を行う。要約部223は、この前処理を、個々の分析対象投稿について行う。この前処理において、要約部223は、分析対象投稿の内容に含まれる、絵文字、顔文字、または感嘆符等を削除するか置き換える。また、要約部223は、分析対象投稿の内容に含まれる、URL、ハッシュタグ、または、メンション等を削除する。
ここで、要約部223が、対象となる特定の企業の情報、特定の商材の情報または特定の商材種別の情報、および、分析対象投稿の抽出のための条件または分析項目として用いられ得る情報のいずれの情報も含まない学習データを用いて学習処理が行われた機械学習モデルを使用する場合、要約部223は、要約処理を行う際、分析対象取得部221から出力された分析対象投稿を機械学習モデルに入力し、機械学習モデルからの出力として、要約情報を取得する。
一方、要約部223が、対象となる特定の企業の情報、特定の商材の情報または特定の商材種別の情報を含む学習データを用いて学習処理が行われた機械学習モデルを使用する場合、情報処理装置2は、抽出者等から予め特定の企業の名称、特定の商材の名称または特定の商材種別の名称を示す情報を取得し、記憶部23に記憶させておく。そして、要約部223は、要約処理を行う際、記憶部23から特定の企業の名称、特定の商材の名称または特定の商材種別の名称を示す情報を取得し、前処理後の分析対象投稿の内容とともに、機械学習モデルに入力し、機械学習モデルからの出力として、要約情報を取得する。
要約部223が、要約処理を行う際に、分析対象投稿の内容とともに、特定の企業の名称、特定の商材の名称または特定の商材種別の名称を示す情報を、機械学習モデルに入力して、要約情報を取得する場合、特定の企業、特定の商材または特定の商材種別に応じた要約情報を生成することができる。したがって、要約部223が、対象となる特定の企業の情報、特定の商材の情報または特定の商材種別の情報を含む学習データを用いて学習処理が行われた機械学習モデルを使用する場合、これらの情報を含まない学習データを用いて学習処理が行われた機械学習モデルを使用する場合よりも、より適切な要約情報を生成することができる。
また、要約部223が、分析対象投稿の抽出のための条件または分析項目として用いられ得る情報を含む学習データを用いて学習処理が行われた機械学習モデルを使用する場合、情報処理装置2は、抽出者等から予め分析対象投稿の抽出のための条件として用いられた情報を取得し、記憶部23に記憶させておく。なお、分析項目は、分類部222での使用のために予め記憶部23に記憶されている。そして、要約部223は、要約処理を行う際、記憶部23から分析対象投稿の抽出のための条件または分析項目として用いられた情報を取得し、前処理後の分析対象投稿の内容とともに、機械学習モデルに入力し、機械学習モデルからの出力として、要約情報を取得する。
要約部223が、要約処理を行う際に、分析対象投稿の内容とともに、分析対象投稿の抽出のための条件または分析項目として用いられた情報を、機械学習モデルに入力して、要約情報を取得する場合、分析対象投稿の抽出のための条件または分析項目として用いられた情報に応じた要約情報を生成することができる。したがって、要約部223が、分析対象投稿の抽出のための条件または分析項目として用いられ得る情報を含む学習データを用いて学習処理が行われた機械学習モデルを使用する場合、これらの情報を含まない学習データを用いて学習処理が行われた機械学習モデルを使用する場合よりも、より適切な要約情報を生成することができる。
【0033】
図3は、分析対象投稿および要約情報の例を示す図である。
図3には、分析対象投稿の例として、分析対象投稿300A、分析対象投稿300B、および、分析対象投稿300Cが示されるとともに、各分析対象投稿300A~300Cに対応する要約情報の例として、要約情報301A、要約情報301B、および、要約情報301Cが示されている。
図3の例は、例えば、特定の商材として名称が「〇〇〇」の格安スマートフォンが対象とされ、当該「〇〇〇」に関する投稿が分析対象投稿として取得されている場合の例である。なお、「〇〇〇」および分析対象投稿300Aの「△△△」は、説明のための架空の商材名称である。
要約部223により、絵文字等の削除または置き換えとURL等の削除が行われ、候補類似度等の類似度の算出結果を用いて要約情報候補から要約情報が選定されることで、分析対象投稿300A~300Cに比べて、要約情報301A~301Cは、冗長な内容が削除され、かつ、マーケティング担当者が把握したい内容が削除されていないものとなっている。なお、要約情報301Aおよび301Cは、要約部223が、複数の要約情報候補のうち、候補類似度が最も高い要約情報候補のみを要約情報とした場合の例であり、要約情報301Bは、要約部223が、候補類似度が高いものから順に2つの要約情報候補を、要約情報とした場合の例である。
【0034】
表示情報生成部224は、分析項目に分類された分析対象投稿の要約情報を分析項目ごとに表示するための表示情報を生成する。表示情報生成部224は、例えば、分析サービスユーザがサービスユーザ端末3を操作することにより、情報処理装置2に要約情報の表示要求を送信し、情報処理装置2が当該表示要求を受け付けた場合、表示情報を生成する。そして、表示情報生成部224は、生成した表示情報をサービスユーザ端末3に送信する。または、表示情報生成部224は、分類部222による分類処理と要約部223による要約処理とが両方とも終了したことを受けて、表示情報を生成して、生成した表示情報をサービスユーザ端末3に送信してもよい。つまり、表示情報生成部224は、サービスユーザ端末3から表示要求を受け付けることなく、表示情報を生成して、生成した表示情報をサービスユーザ端末3に送信してもよい。
表示情報生成部224は、例えば、要約情報を一覧形式で表示するための表示情報を生成する。より詳しくは、表示情報生成部224は、分析項目ごとに、要約情報を一覧形式で表示するための表示情報を生成する。
なお、個々の分析対象投稿の内容には、マーケティング担当者が把握したい内容とは異なる冗長な内容が含まれていることが多いため、仮に分析対象投稿の内容をそのまま一覧形式で表示してしまうと、その表示内容の大部分が不要な冗長な内容となり得る。しかし、表示情報生成部224は、要約情報を一覧形式で表示するための表示情報を生成するため、サービスユーザ端末3での表示では不要な冗長な内容は削除されており、マーケティング担当者にとって認識しやすいものとなる。
また、表示情報生成部224は、生成した表示情報をサービスユーザ端末3に送信する代わりに、または、生成した表示情報をサービスユーザ端末3に送信することに加えて、生成した表示情報を情報処理装置2が有する表示部24に出力してもよい。表示部24は、表示情報を取得すると、表示情報に基づく表示を行う。この場合、サービス提供者は、分析サービスユーザに送信される表示情報の内容を確認することができる。
また、表示情報生成部224は、要約情報を分析項目ごとに表示するための表示情報(以下「要約表示情報」ともいう。)に加えて、分析対象投稿の内容を分析項目ごとに表示するための表示情報(以下「投稿表示情報」という。)を生成するものであってもよい。例えば、表示情報生成部224は、分析サービスユーザがサービスユーザ端末3を操作することにより、情報処理装置2に分析対象投稿の表示要求を送信し、情報処理装置2が当該表示要求を受け付けた場合は、投稿表示情報を生成し、生成した投稿表示情報をサービスユーザ端末3に送信する。または、表示情報生成部224は、分類部222による分類処理と要約部223による要約処理とが両方とも終了したことを受けて、要約表示情報に加えて投稿表示情報を生成して、生成した要約表示情報と投稿表示情報をサービスユーザ端末3に送信してもよい。つまり、表示情報生成部224は、サービスユーザ端末3から表示要求を受け付けることなく、投稿表示情報を生成して、生成した表示情報をサービスユーザ端末3に送信してもよい。これにより、情報処理装置2は、要約情報と分析対象投稿とを切替えて表示するための表示情報を生成することができる。
また、表示情報生成部224は、要約情報または分析対象投稿の内容を、分析項目と無関係に表示するための表示情報を生成するものであってもよい。
【0035】
図4は、情報処理装置2の変形例(1)である情報処理装置2Aの構成を示すブロック図である。
図4に示すように、情報処理装置2Aは、通信部21、演算部22A、記憶部23および表示部24を備える。演算部22Aは、情報処理装置2Aの全体動作を制御する。演算部22Aは、SNSマーケティング分析サービスを提供するためのサービス用アプリケーションを実行することにより各種の機能を実現する。
【0036】
演算部22Aは、分析対象取得部221A、分類部222、要約部223、表示情報生成部224および抽出部225を備える。分析対象取得部221Aは、抽出部225から分析対象投稿を取得する。抽出部225は、第1の抽出条件と第1の抽出条件とは異なる第2の抽出条件とを含む抽出条件を用いて、SNSにおける投稿から、分析対象投稿を抽出する。
【0037】
抽出部225は、例えば、投稿がキーワードを含むか否かを第1の抽出条件として用い、投稿に含まれる画像に予め定められたデザインが含まれるか否かを第2の抽出条件として用いる。
抽出部225は、第1の抽出条件を用いて抽出を行う際、SNSにおける投稿からキーワードを含む投稿を検索する。例えば、抽出部225は、各キーワードについてのOR検索、AND検索、フレーズ検索または除外ワード検索の少なくとも一つを行う。OR検索では、複数のキーワードのいずれかを含む投稿を検索することができる。AND検索では、複数のキーワードの全てを含む投稿を検索することができる。また、キーワードの検索はSNSの投稿に含まれるテキスト情報に対して検索するだけでなく、SNSの投稿に含まれる画像に含まれるテキストを認識して、認識されたテキストに対して検索することとしてもよい。なお、画像は、静止画像であっても、動画像であってもよい。
抽出部225がフレーズ検索を行う場合、抽出部225は、複数のキーワードを一つのフレーズとして検索することができる。抽出部225が除外ワード検索を行う場合、抽出部225は、本来検索したいキーワードはそのままに、不要なワードを検索対象から除外することができる。例えば、キーワード「カフェ」を含んだ投稿が検索対象である場合に、「カフェ」とは異なる意味合いの「ネットカフェ」を検索対象から除外可能である。また、抽出部225は、キーワードが伏せ字で記載された投稿も検索可能である。例えば、抽出部225は、投稿を言語解析して伏せ字からキーワードを推定することにより、キーワードが伏せ字で記載された投稿を検索する。キーワード「A通信社」が検索されないように、投稿に「A通○社」という伏せ字で記載されていた場合、抽出部225は、当該投稿を言語解析して「A通○社」から「A通信社」を推定することにより、「A通信社」が直接的に記載されていない投稿を検索する。
また、抽出部225は、第1の抽出条件に用いられるキーワードについては、そのキーワードの同義語または類似語を含めて、抽出を行ってもよい。
【0038】
抽出部225は、第2の抽出条件を用いて抽出を行う際、SNSにおける投稿に含まれる画像を用いて、特定のデザインを含む投稿を検索する。例えば、分析対象投稿として特定の商材に関する投稿を抽出する場合、SNSにおける投稿には、特定の商材の名称が本文中に含まれないが、特定の商材に関するデザインを含む画像が添付されているものがある。抽出部225は、第2の抽出条件を用いて抽出を行うことで、このような投稿を検索対象とすることができる。例えば、抽出部225は、投稿に添付された画像を画像解析して、デザインが含まれる画像が添付された投稿を検索する。
なお、画像は、静止画像であっても、動画像であってもよい。また、デザインとしては、例えば、分析対象投稿として特定の商材に関する投稿を抽出する場合、特定の商材のブランドを示すロゴ、特定の商材の形状、特定の商材のパッケージの形状、特定の商材もしくはパッケージに付されたロゴ、特定の商材としてのアプリのUI(UserInterface)等がある。また、デザインとしては、例えば、分析対象投稿として特定の商材種別に関する投稿を抽出する場合、特定の商材種別に属する商材のブランドを示すロゴ、当該商材の形状、当該商材のパッケージの形状、当該商材もしくはパッケージに付されたロゴ、当該商材としてのアプリのUI等がある。また、デザインとしては、例えば、分析対象投稿として特定の企業に関する投稿を抽出する場合、特定の企業を示すシンボルマーク等のロゴ、特定の企業が使用するデザイン文字もしくは図形を含む商標、特定の企業が提供する商材のブランドを示すロゴ、特定の企業が提供する商材の形状、特定の企業が提供する商材のパッケージの形状、特定の企業が提供する商材もしくはパッケージに付されたロゴ、特定の企業が提供するアプリのUI等がある。
【0039】
抽出部225は、第2の抽出条件を用いて抽出を行う際、画像を入力としてデザインの有無を示す結果を出力するデザイン学習済みモデルを用いて、デザインを含む投稿を抽出してもよい。デザイン学習済みモデルは、画像認識の学習アルゴリズムを応用した機械学習により生成される。当該機械学習に用いられる学習データは、SNSにおける実際の投稿に添付され得る程度の粗目の画像が好ましい。なお、画像の大きさが一定値以上のものを学習データとして用いることにより、デザインの推論精度を向上させたデザイン学習済みモデルを生成可能である。また、デザイン学習済みモデルの学習において、既存の学習データである画像に対してデータオーギュメンテイション(DataAugmentation)を実施して学習データ数を増加させてもよい。データオーギュメンテイションでは、既存の学習データである画像の反転、画像の角度の変換、または、画像のぼやかしの処理等を行うことで、新たな学習データを生成することができる。
【0040】
抽出部225は、第1の抽出条件と第2の抽出条件とを、任意の態様で組み合わせて用いてよい。例えば、抽出部225は、SNSにおける投稿からの第1の抽出条件を用いた抽出と、SNSにおける投稿からの第2の抽出条件を用いた抽出とを、個別に行い、第1の抽出条件を満たす投稿と、第2の抽出条件を満たす投稿とを合わせて、分析対象投稿として抽出することができる。また、例えば、抽出部225は、第1の抽出条件と第2の抽出条件を用いて、上記のように各個別に抽出した投稿について、重複して抽出された投稿のみを分析対象投稿として抽出することもできる。
【0041】
また、抽出部225は、例えば、第1の抽出条件を満たす投稿を抽出した後、抽出された第1の抽出条件を満たす投稿のうち第2の抽出条件を満たす投稿を、分析対象投稿として抽出してもよい。
抽出部225は、例えば、第1の抽出条件を用いて抽出されたキーワードを含む投稿のうち、特定のキーワードを含む投稿について第2の抽出条件を用いた抽出を行い、抽出されたデザインを含む投稿のみを分析対象投稿として抽出する。その際、抽出部225は、特定のキーワード以外のキーワードを含む投稿については、そのまま分析対象投稿として抽出する。このような抽出手法は、まず、第1の抽出条件として使用する複数のキーワードのうち一部のキーワードとして広めのキーワードを用いた抽出を行うことで、抽出漏れのないように広めに投稿を抽出しておき、その広めのキーワードで抽出された投稿について、第2の抽出条件として使用するデザインを含む画像が添付された投稿のみを抽出することで、不要な投稿を排除しつつ、かつ、抽出漏れも少なく抽出できるため、適切な分析対象投稿を抽出する手法として有効である。
例えば、特定の商材として名称が「〇〇〇」の格安スマートフォンが対象とされ、当該「〇〇〇」に関する投稿を分析対象投稿として抽出しようとする場合、抽出部225は、まず、第1の抽出条件として用いるキーワードを、「〇〇〇」と「スマートフォン」として、投稿の抽出を行う。抽出部225は、第1の抽出条件を用いた抽出の結果として得られた投稿のうち、「〇〇〇」が含まれる投稿は、そのまま分析対象投稿とする。一方、抽出部225は、第1の抽出条件を用いた抽出の結果として得られた投稿のうち、「スマートフォン」のみが含まれる投稿について、さらに、特定の商材としての「〇〇〇」のブランドを示すロゴ、「〇〇〇」の形状、「〇〇〇」のパッケージの形状、「〇〇〇」自体もしくはそのパッケージに付されたロゴ、または、「〇〇〇」特有のUI等が画像に含まれる投稿を抽出する。抽出部225は、このような抽出処理を行うことで、特定の商材としての「〇〇〇」に関する分析対象投稿を、不要な投稿を排除しつつ、かつ、抽出漏れも少なく、抽出することができる。
【0042】
図5は、情報処理装置2の変形例(2)である情報処理装置2Bの構成を示すブロック図である。
図5に示すように、情報処理装置2Bは、通信部21、演算部22B、記憶部23および表示部24を備える。演算部22Aは、情報処理装置2Bの全体動作を制御する。演算部22Aは、SNSマーケティング分析サービスを提供するためのサービス用アプリケーションを実行することにより各種の機能を実現する。
【0043】
演算部22Bは、分析対象取得部221B、分類部222、要約部223、表示情報生成部224、抽出部225Aおよび候補取得部226を備える。分析対象取得部221Bは、抽出部225Aから分析対象投稿を取得する。抽出部225Aは、抽出条件を用いて、候補投稿から分析対象投稿を抽出する。候補取得部226は、SNSにおける投稿から分析対象投稿の候補として予め選定された候補投稿を取得する。
候補投稿の予めの選定は、例えば、選定者によって任意の方法によって行われ得る。選定者は、分析サービスユーザ、または、SNSマーケティング分析サービスのサービス提供者等である。選定者は、SNSにおける投稿から、SNSアカウントの情報またはキーワード等を用いて、候補投稿とする投稿を選定して、選定された投稿を自身の有する記憶装置(不図示)または記憶媒体(不図示)等に記憶させることで保存する。候補取得部226は、選定者によって事前に選定され保存された分析対象投稿を、任意の方法で取得し得る。例えば、候補取得部226は、選定者によって事前に選定され保存された候補投稿が、選定者の使用する端末(不図示)を利用してネットワーク6を介して情報処理装置2に送信されることで、候補投稿を取得し得る。選定者が分析サービスユーザであれば、候補投稿の情報処理装置2への送信には、サービスユーザ端末3を利用することができる。また、例えば、候補取得部226は、抽出者によって事前に選定され保存された候補投稿が記憶された可搬の記憶媒体(不図示)が情報処理装置2に接続されることで、候補投稿を取得し得る。
候補取得部226は、上記のように取得した候補投稿を、抽出部225Aに出力する。抽出部225Aは、候補取得部226から出力された候補投稿について、候補投稿からの分析対象投稿の抽出を、抽出条件を用いて行う。
抽出部225Aは、例えば、候補投稿に含まれる画像に、予め定められたデザインが含まれるか否かを抽出条件として用いる。例えば、選定者がキーワードを用いて候補投稿とする投稿を選定している場合、抽出部225Aは、特定のキーワードを含む候補投稿について抽出条件を用いた抽出を行い、抽出されたデザインを含む投稿のみを分析対象投稿として抽出する。その際、抽出部225Aは、特定のキーワード以外のキーワードを含む投稿については、そのまま分析対象投稿として抽出する。変形例(1)において説明したのと同様に、このような抽出手法は、まず、選定者が候補投稿の選定時に使用する複数のキーワードのうち一部のキーワードとして広めのキーワードを用いた選定を行うことで、選定漏れのないように広めに候補投稿を選定しておき、その広めのキーワードで選定された候補投稿について、抽出条件として使用するデザインを含む画像が添付された候補投稿のみを抽出することで、不要な投稿を排除しつつ、かつ、抽出漏れも少なく抽出できるため、適切な分析対象投稿を抽出する手法として有効である。
また、抽出部225Aは、例えば、候補投稿がキーワードを含むか否かを第1の抽出条件として用い、候補投稿に含まれる画像に予め定められたデザインが含まれるか否かを第2の抽出条件として用いてもよい。例えば、選定者がSNSアカウントの情報のみを用いて候補投稿とする投稿を選定している場合、候補投稿には不要な投稿が含まれている可能性が高い。このような場合、抽出部225Aは、候補投稿に対して、変形例(1)における抽出部225と同様な抽出条件を用いた抽出を行うことで、不要な投稿を排除しつつ、かつ、抽出漏れも少なく、適切な分析対象投稿を抽出できる。
【0044】
なお、変形例(1)および変形例(2)のように、情報処理装置2Aまたは2Bが抽出部225または225Aを備える場合、抽出部225または225Aは、抽出条件に基づいて、上述の分析対象投稿の種類を特定可能なフラグを特定して分析対象投稿に当該フラグを付与してもよい。また、情報処理装置2Aまたは2Bにおいて、要約部223が、分析対象投稿の内容のうち、分析対象投稿の抽出のための条件もしくは分析項目として用いられた情報に対応する内容に対し、候補類似度もしくは分割文類似度が高くなるように重みづけを行って、候補類似度または分割文類似度の算出を行う場合、または、要約部223が、分析対象投稿の抽出のための条件または分析項目として用いられ得る情報を含む学習データを用いて学習処理が行われた機械学習モデルを使用する場合、上記「分析対象投稿の抽出のための条件」とは、抽出部225または225Aが用いる抽出条件に相当する。
【0045】
図6は、情報処理装置2の変形例(3)である情報処理装置2Cの構成を示すブロック図である。
図6に示すように、情報処理装置2Cは、通信部21、演算部22C、記憶部23、表示部24および操作部25を備える。演算部22Cは、情報処理装置2Cの全体動作を制御する。演算部22Cは、SNSマーケティング分析サービスを提供するためのサービス用アプリケーションを実行することにより各種の機能を実現する。操作部25は、情報処理装置2Cの表示部24の画面表示に対する操作を受け付ける入力装置である。例えば、操作部25は、表示部24の画面と一体に設けられたタッチパネル、マウスまたはキーボードである。
【0046】
演算部22Cは、分析対象取得部221、分類部222、要約部223、表示情報生成部224および指定情報取得部227を備える。表示情報生成部224Aは、指定情報取得部227により指定された分析項目ごとに、指定された分析項目に分類された分析対象投稿の要約情報を表示するための表示情報を生成する。指定情報取得部227は、1または複数の分析項目を指定する指定情報を取得する。
なお、この変形例(3)では、指定情報取得部227は、情報処理装置2Cが備える操作部25から出力された指定情報を取得する例を示すが、操作部25は必須ではなく、指定情報取得部227は、操作部25から出力された指定情報に代えて、または、操作部25から出力された指定情報に加えて、サービスユーザ端末3から送信された指定情報を取得するものであってよい。
例えば、操作部25は、分析サービスユーザから依頼を受けたサービス提供者によって分析項目を指定する操作がなされると、指定情報取得部227に指定情報を出力する。指定情報取得部227は、指定情報を取得すると、表示情報生成部224Aに、指定情報を出力する。表示情報生成部224Aは、指定情報を取得すると、記憶部23から、分類部222による分類済みの分析対象投稿と、要約部223により生成された要約情報とを取得し、指定情報が示す分析項目に従って、指定された分析項目に分類された分析対象投稿の要約情報を表示するための表示情報を生成する。指定情報には、例えば、一群の分析対象投稿ごとに付与されて記憶部23に記憶されている当該一群の分析対象投稿を特定するためのIDが含まれてもよい。指定情報にIDが含まれることで、表示情報生成部224Aは、指定情報に含まれたIDを用いて、記憶部23からIDが示す分類済みの一群の分析対象投稿と、当該一群の分析対象投稿紐づけて記憶された要約情報とを取得することができる。
分析項目の指定の方法は、例えば、1つの分析項目だけの指定するものであってもよいし、複数の分析項目について、それぞれの分析項目ごとに分類された分析対象投稿の要約情報を表示することを指定するものであってもよいし、または、複数の分析項目のすべてに該当する分析対象投稿の要約情報を表示することを指定するものあってもよい。操作部25を操作して、分析項目を指定するサービス提供者は、分析サービスユーザの依頼に応じて、任意の分析項目の組み合わせを指定することができ、分析サービスユーザは自身のニーズに合わせたSNSマーケット分析結果を得ることができる。
【0047】
図7は、情報処理装置2の変形例(4)である情報処理装置2Dの構成を示すブロック図である。
図7に示すように、情報処理装置2Dは、通信部21、演算部22D、記憶部23および表示部24を備える。演算部22Dは、情報処理装置2Dの全体動作を制御する。演算部22Dは、SNSマーケティング分析サービスを提供するためのサービス用アプリケーションを実行することにより各種の機能を実現する。
【0048】
演算部22Dは、分析対象取得部221、分類部222、要約部223、表示情報生成部224Bおよび統計処理部228を備える。表示情報生成部224Bは、分析項目ごとに要約情報および統計情報を表示するための表示情報を生成する。統計処理部228は、分析対象投稿を統計処理した統計情報を生成する。
例えば、分類部222が、商材の購買プロセスの各段階として、商材の「利用前」、商材の「利用中」、商材の「利用後」の3段階を使用して分析を行う場合、統計処理部228は、3段階のそれぞれについて、分類部222により分類された分析対象投稿の数を集計して、統計情報を生成する。統計処理部228による統計処理は、分類部222が一群の分析対象投稿を分類した後に、必ず行われるものとしてもよいし、サービスユーザ端末3または情報処理装置2の操作部(
図6に示したような操作部)から指示を受けた場合に行われるものとしてもよい。また、統計処理部228は、分析対象投稿と紐づけられている要約情報を統計処理することによって、分析対象投稿を統計処理ものであってもよい。
統計処理部228は、生成した統計情報を、表示情報生成部224Bに出力する。表示情報生成部224Bは、統計処理部228から出力された統計情報等を用いて、分析項目ごとに要約情報および統計情報を表示するための表示情報を生成する。
図8は、統計情報の例を示す図である。
図8は、統計情報が円グラフ400として表示される例を示している。円グラフ400が示すように、この例では、「利用後」に分類された分析対象投稿が全体の22%であり、「利用中」に分類された分析対象投稿が全体の48%であり、「利用前」に分類された分析対象投稿が全体の30%となっている。なお、分析対象投稿の中には、分析項目を用いた分類ができない投稿もあり得る。このような場合、分類部222は、分類ができなかった投稿には、例えば「不明」を示すタグを付与し、統計処理部228は、「不明」タグが付与された投稿の集計結果を、統計情報に含めてもよいし、含めなくてもよい。統計処理部228が、分類のできなかった投稿の集計結果を統計情報に含めない場合は、表示情報生成部224Bは、その旨を示す表示を表示情報に含めることが望ましい。
【0049】
図9は、実施の形態1に係る情報処理方法を示すフローチャートである。分析対象取得部221が、SNSにおける投稿から抽出された分析対象投稿を取得する(ステップST1)。分類部222が、分析対象投稿を分析項目ごとに分類する(ステップST2)。要約部223が、分析対象投稿の内容を要約した要約情報を生成する(ステップST3)。表示情報生成部224が、分析項目に分類された分析対象投稿の要約情報を分析項目ごとに表示するための表示情報を生成する(ステップST4)。なお、ステップST2とステップST3とは、いずれが先に行われてもよく、また、並行して行われてもよい。
【0050】
以上のように、実施の形態1に係る情報処理装置2は、ソーシャルネットワーキングサービスにおける投稿から抽出された分析対象投稿を取得する分析対象取得部221と、分析対象投稿を分析項目ごとに分類する分類部222と、分析対象投稿の内容を要約した要約情報を生成する要約部223と、分析項目に分類された分析対象投稿の要約情報を分析項目ごとに表示するための表示情報を生成する表示情報生成部224と、を備える。これにより、情報処理装置2は、複数の投稿内容の表示が冗長な内容となることを抑制できる。
【0051】
実施の形態1に係る情報処理装置2Aは、第1の抽出条件と第1の抽出条件とは異なる第2の抽出条件とを含む抽出条件を用いて、ソーシャルネットワーキングサービスにおける投稿から分析対象投稿を抽出する抽出部225を備える。分析対象取得部221Aは、抽出部225から分析対象投稿を取得する。これにより、情報処理装置2は、2つの抽出条件を組み合わせて、適切な分析対象投稿を抽出することできる。
【0052】
実施の形態1に係る情報処理装置2Aにおいて、抽出部225は、投稿がキーワードを含むか否かを第1の抽出条件として用い、投稿に含まれる画像に予め定められたデザインが含まれるか否かを第2の抽出条件として用いる。これにより、情報処理装置2は、2つの抽出条件を組み合わせて、適切な分析対象投稿を抽出することできる。
【0053】
実施の形態1に係る情報処理装置2Aにおいて、抽出部225は、第1の抽出条件を満たす投稿を抽出した後、抽出された第1の抽出条件を満たす投稿のうち第2の抽出条件を満たす投稿を、分析対象投稿として抽出する。これにより、情報処理装置2は、2つの抽出条件を組み合わせて、適切な分析対象投稿を抽出することできる。例えば、抽出部225が、投稿がキーワードを含むか否かを第1の抽出条件として用い、投稿に含まれる画像に予め定められたデザインが含まれるか否かを第2の抽出条件として用いる場合、情報処理装置2は、不要な投稿を排除しつつ、かつ、抽出漏れも少なく抽出できるため、適切な分析対象投稿を抽出することができる。
【0054】
実施の形態1に係る情報処理装置2Bは、ソーシャルネットワーキングサービスにおける投稿から分析対象投稿の候補として予め選定された候補投稿を取得する候補取得部226と、抽出条件を用いて、候補投稿から分析対象投稿を抽出する抽出部225Aとを備える。分析対象取得部221Bは、抽出部225Aから分析対象投稿を取得する。これにより、情報処理装置2Bは、予め選定された候補投稿が存在する場合に、そのデータを利用して、分析対象投稿を取得することができる。例えば、SNSがある企業のみで使用可能な社内SNSである場合、情報処理装置2Bは、その社内SNSのサーバに、ネットワーク6を介してアクセスすることが難しい場合がある。そのような場合、分析サービスユーザである企業が、社内SNSから予め選定した候補投稿のデータを情報処理装置2Bに読み込ませて、情報処理装置2Bがさらに抽出条件を適用して適切な分析対象候補を抽出することができる。
【0055】
実施の形態1に係る情報処理装置2において、要約部223は、分析対象投稿の内容を要約した要約情報候補を複数生成し、各要約情報候補と分析対象投稿の内容との類似度である候補類似度を算出し、算出された候補類似度が高い要約情報候補を要約情報とすることで、要約情報を生成する。これにより、情報処理装置2は、生成された要約情報を、マーケティング担当者が把握したい内容を含むものとすることができる。
【0056】
実施の形態1に係る情報処理装置2において、要約部223は、分析対象投稿の内容を、複数の文(分割文)に分割し、各分割文と分析対象投稿の内容との類似度である分割文類似度を算出し、算出された分割文類似度が高い分割文に基づいて、複数の要約情報候補を生成する。これにより、情報処理装置2は、生成された要約情報を、冗長な内容は削除され、かつ、マーケティング担当者が把握したい内容が削除されていないものとすることができる。
【0057】
実施の形態1に係る情報処理装置2において、要約部223は、分析対象投稿の内容のうち、抽出のための条件として用いられた情報に対応する内容、または、前記分析項目として用いられた情報に対応する内容に対し、候補類似度または分割文類似度が高くなるように重みづけを行って、候補類似度または分割文類似度の算出を行う。これにより、情報処理装置2は、要約情報がさらに適切なものとなる可能性を高めることができる。
【0058】
実施の形態1に係る情報処理装置2において、要約部223は、分析対象投稿の内容が入力されると要約情報を出力する機械学習モデルを用いて、要約情報を生成する。これにより、情報処理装置2は、適切な要約情報を生成することができる。
【0059】
実施の形態1に係る情報処理装置2において、要約部223は、分析対象投稿の内容に加え、分析対象投稿の内容のうち、抽出のための条件として用いられた情報に対応する内容、または、分析項目として用いられた情報に対応する内容が入力されると要約情報を出力する機械学習モデルを用いて、要約情報を生成する。これにより、情報処理装置2は、要約情報がさらに適切なものとなる可能性を高めることができる。
【0060】
実施の形態1に係る情報処理装置2において、分析対象取得部221は、分析対象投稿として、特定の商材に関する投稿、特定の商材種別に関する投稿、または、特定の企業に関する投稿のうち、少なくとも1種類の投稿を取得する。これにより、情報処理装置2は、分析サービスユーザが意図する分析対象についてのSNSマーケティング分析を支援することができる。
【0061】
実施の形態1に係る情報処理装置2において、分類部222は、分析対象取得部221が分析対象投稿として特定の商材に関する投稿を取得する場合、分析対象投稿の内容が特定の商材の購買プロセスのどの段階に関する内容であるかを分析項目に含めて、分析対象投稿を分類する。また、分類部222は、分析対象取得部221が分析対象投稿として特定の商材種別に関する投稿を取得する場合、分析対象投稿の内容が特定の商材種別に属する商材の購買プロセスのどの段階に関する内容であるかを分析項目に含めて、分析対象投稿を分類する。さらに、分類部222は、分析対象取得部221が分析対象投稿として特定の企業に関する投稿を取得する場合、分析対象投稿の内容が特定の企業の提供する商材の購買プロセスのどの段階に関する内容であるかを分析項目に含めて、分析対象投稿を分類する。これにより、情報処理装置2は、分析サービスユーザが意図する分析対象について意図する分析目的に沿ったSNSマーケティング分析を支援することができる。
【0062】
実施の形態1に係る情報処理装置2において、分類部222は、分析対象取得部221が分析対象投稿として特定の商材に関する投稿を取得する場合、分析対象投稿の内容が特定の商材に対する批判か否かを分析項目に含めて、分析対象投稿を分類する。また、分類部222は、分析対象取得部221が分析対象投稿として特定の商材種別に関する投稿を取得する場合、分析対象投稿の内容が特定の商材種別に属する商材に対する批判か否かを分析項目に含めて、分析対象投稿を分類する。さらに、分類部222は、分析対象取得部221が分析対象投稿として特定の企業に関する投稿を取得する場合、分析対象投稿の内容が特定の企業に対する批判か否かを分析項目に含めて、分析対象投稿を分類する。これにより、情報処理装置2は、分析サービスユーザが意図する分析対象について意図する分析目的に沿ったSNSマーケティング分析を支援することができる。
【0063】
実施の形態1に係る情報処理装置2において、分類部222は、分析対象投稿の内容が、行為の主体を示す情報、行為の為された時期を示す情報、行為の為された場所を示す情報、行為の客体を示す情報、行為の目的もしくは理由を示す情報、行為の主体に同伴する他の主体を示す情報、行為の為され方を示す情報、行為の程度を示す情報、または、行為の主内容を示す情報のうち少なくとも1種類の行為関連情報について、当該行為関連情報を含むか否かを分析項目に含めて、分析対象投稿を分類する。これにより、情報処理装置2は、分析サービスユーザが意図する分析目的に沿ったSNSマーケティング分析を支援することができる。
【0064】
実施の形態1に係る情報処理装置2において、分類部222は、分析対象投稿の内容が、行為関連情報を含むものとして分類された場合、さらに、当該行為関連情報の下位概念を分析項目に含めて、分析対象投稿を分類する。これにより、情報処理装置2は、分析サービスユーザが意図する分析目的に沿ったSNSマーケティング分析を支援することができる。
【0065】
実施の形態1に係る情報処理装置2Cは、1または複数の分析項目を指定する指定情報を取得する指定情報取得部227を備える。表示情報生成部224Aは、指定された分析項目ごとに、指定された分析項目に分類された分析対象投稿の要約情報を表示するための表示情報を生成する。これにより、情報処理装置2Cは、分析サービスユーザが意図する分析目的に沿った分析結果を提供することができる。
【0066】
実施の形態1に係る情報処理装置2において、表示情報生成部224は、要約情報を一覧形式で表示するための表示情報を生成する。これにより、情報処理装置2は、分析サービスユーザに、不要な冗長な内容が削除された認識しやすい分析結果を提供することができる。
【0067】
実施の形態1に係る情報処理装置2において、表示情報生成部224は、要約情報を分析項目ごとに表示するための表示情報を生成することに加えて、分析対象投稿の内容を分析項目ごとに表示するための表示情報を生成する。これにより、情報処理装置2は、要約情報と分析対象投稿とを切替えて表示するための表示情報を生成することができる。
【0068】
実施の形態1に係る情報処理装置2Dは、分析対象投稿を統計処理した統計情報を生成する統計処理部228を備える。表示情報生成部224Bは、分析項目ごとに要約情報および統計情報を表示するための表示情報を生成する。これにより、情報処理装置2Dは、分析サービスユーザに、分析結果の概要を示すデータを提供することができる。
【0069】
実施の形態1に係るプログラムは、コンピュータを、複数の投稿内容の表示が冗長な内容となることを抑制できる情報処理装置2として機能させることができる。
【0070】
実施の形態1に係る情報処理方法は、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、分析対象取得部が、ソーシャルネットワーキングにおける投稿から抽出された分析対象投稿を取得し、分類部が、分析対象投稿を分析項目ごとに分類し、要約部が、分析対象投稿の内容を要約した要約情報を生成し、表示情報生成部が、分析項目に分類された分析対象投稿の要約情報を前記分析項目ごとに表示するための表示情報を生成する。これにより、複数の投稿内容の表示が冗長な内容となることを抑制できる。
【符号の説明】
【0071】
1 情報処理システム、2,2A~2D 情報処理装置、3 サービスユーザ端末、4 SNSサーバ、5 SNSユーザ端末、6 ネットワーク、21 通信部、22,22A~22D 演算部、23 記憶部、24 表示部、25 操作部、100 通信インタフェース、101 入出力インタフェース、102 プロセッサ、103 メモリ、221,221A 分析対象取得部、222 分類部、223 要約部、224,224A,224B 表示情報生成部、300A~300C 分析対象投稿、301A~301C 要約情報。