(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128848
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】モビリティ装置、その制御プログラム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20230907BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20230907BHJP
B60W 30/00 20060101ALI20230907BHJP
B60W 50/04 20060101ALI20230907BHJP
G06Q 50/30 20120101ALI20230907BHJP
【FI】
G08G1/00 X
B60W60/00
B60W30/00
B60W50/04
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022033492
(22)【出願日】2022-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000232254
【氏名又は名称】日本電気通信システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】金田 真和
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 哲也
(72)【発明者】
【氏名】松本 晃
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 睦
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
3D241CC01
3D241CC08
3D241CC17
3D241CD02
3D241CD05
3D241CD11
3D241CD12
3D241CE02
3D241CE04
3D241CE05
3D241CE09
3D241DB01Z
3D241DB20Z
3D241DC51Z
5H181AA01
5H181BB05
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5L049CC42
(57)【要約】
【課題】従来のモビリティ装置では、つまり、ニーズやモビリティ装置の機能の状況に応じて柔軟に機能を切り替えることが難しい問題があった。
【解決手段】一実施の形態のモビリティ装置は、ニーズ情報の入出力を行う入出力部10と、自機の現在の動作状態を示す自機情報を管理する自機情報管理部12と、異なる目的を達成するために自機に搭載された複数の機能の少なくとも1つを用いて動作が定義される複数の動作モード毎に現在の状態が有効状態か無効状態かを管理するモード管理部13と、自機情報と利用可能な動作モードを参照して、自機で利用可能な動作モードを判断し、入出力部を介して与えられるニーズ情報で示されるサービスのうち対応可能なサービスを実行するための動作モードを選択するモード選択部11と、モード選択部が選択した動作モードが実現されるように自機内の機能を制御する実行部14と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニーズ情報の入出力を行う入出力部と、
自機の現在の動作状態を示す自機情報を管理する自機情報管理部と、
異なる目的を達成するために自機に搭載された複数の機能の少なくとも1つを用いて動作が定義される複数の動作モード毎に現在の状態が有効状態か無効状態かを管理するモード管理部と、
前記自機情報と利用可能な前記動作モードを参照して、自機で利用可能な前記動作モードを判断し、前記入出力部を介して与えられるニーズ情報で示されるサービスのうち対応可能なサービスを実行するための前記動作モードを選択するモード選択部と、
前記モード選択部が選択した前記動作モードが実現されるように自機内の機能を制御する実行部と、
を有するモビリティ装置。
【請求項2】
自機の周囲の状況に関する情報を取得するセンサをさらに有し、
前記センサを用いて検出されたニーズ情報に基づき新たな前記動作モードを有効化することを前記実行部と前記モード管理部に通知する請求項1に記載のモビリティ装置。
【請求項3】
前記モード選択部は、前記自機によって前記ニーズ情報により示されるサービスを実行することが出来ないと判断した場合、自機では対応出来ないと判断した前記サービスについて対応出来なかったことを前記ニーズ情報の発信元の装置に通知する請求項1に記載のモビリティ装置。
【請求項4】
前記動作モードには、それぞれに優先度が設定され、
前記モード選択部は、前記優先度が高い順に有効化する動作モードを選択する請求項1に記載のモビリティ装置。
【請求項5】
前記モード選択部は、前記優先度に基づき自機では対応出来ないと判断した前記サービスに関しては、前記ニーズ情報の発信元の装置に不対応であることを通知する請求項4に記載のモビリティ装置。
【請求項6】
前記複数の動作モードの一部は、前記自機に備えられる前記複数の機能の一部を共通して利用する請求項1に記載のモビリティ装置。
【請求項7】
前記入出力部は、放送波を利用して配信される災害情報を前記ニーズ情報として受信する請求項1に記載のモビリティ装置。
【請求項8】
ニーズ情報の入出力を行う入出力処理と、
自機の現在の動作状態を示す自機情報をメモリに格納する自機情報管理処理と、
異なる目的を達成するために自機に搭載された複数の機能の少なくとも1つを用いて動作が定義される複数の動作モードの有効と無効とを管理するモード管理処理と、
前記自機情報と利用可能な前記動作モードを参照して、自機で利用可能な前記動作モードを判断し、前記入出力処理により与えられるニーズ情報で示されるサービスのうち対応可能なサービスを実行するための前記動作モードを選択するモード選択処理と、
前記モード選択処理で選択した前記動作モードが実現されるように自機内の機能を制御する実行処理と、
をモビリティ装置内の演算部で行うモビリティ制御プログラム。
【請求項9】
ニーズ情報の入出力を行う入出力処理と、
自機の現在の動作状態を示す自機情報をメモリに格納する自機情報管理処理と、
異なる目的を達成するために自機に搭載された複数の機能の少なくとも1つを用いて動作が定義される複数の動作モードの有効と無効とを管理するモード管理処理と、
前記自機情報と利用可能な前記動作モードを参照して、自機で利用可能な前記動作モードを判断し、前記入出力処理により与えられるニーズ情報で示されるサービスのうち対応可能なサービスを実行するための前記動作モードを選択するモード選択処理と、
前記モード選択処理で選択した前記動作モードが実現されるように自機内の機能を制御する実行処理と、
をモビリティ装置内の演算処理で行うモビリティ制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はモビリティ装置、その制御プログラム及び制御方法に関し、特に、外部に設けられた外部装置と通信しながら動作するモビリティ装置、その制御プログラム及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、運転型のモビリティ装置だけでなく、ロボットや自動運転車やドローン等の自律移動型のモビリティ装置を用いた都市インフラが多く提案されている。このような都市インフラでは、自律移動型のモビリティをいかに活用するかが課題になっている。そこで、自律移動型モビリティの制御方法の一例が特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1に記載の車両管理装置では、車両管理装置であって、出発時刻及び到着時刻の内の少なくとも一つを指定可能な乗車リクエストをユーザから受け付ける受付部と、乗車リクエストに基づいてユーザに配車する車両の走行計画を作成する走行計画作成部と、車両に相乗りが可能な他のユーザを検索する相乗り検索部と、を備え、相乗り検索部は、乗車リクエストにおいて出発時刻が指定され、かつ到着時刻が指定されなかった場合には、ユーザの走行計画及び他のユーザの走行計画に基づいて車両に相乗りが可能な他のユーザを検索し、走行計画作成部は、相乗り検索部が車両に相乗り可能な他のユーザを検索により発見した場合には、ユーザの走行計画を他のユーザを相乗りさせる走行計画に変更する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、近年モビリティ装置に豊富な機能を盛り込むことが出来るようになってきたが、特許文献1に記載の技術では、ニーズやモビリティ装置の機能の状況に応じて柔軟に動作モードを切り替えることが出来ない問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施の形態にかかるモビリティ装置は、ニーズ情報の入出力を行う入出力部と、自機の現在の動作状態を示す自機情報を管理する自機情報管理部と、異なる目的を達成するために自機に搭載された複数の機能の少なくとも1つを用いて動作が定義される複数の動作モード毎に現在の状態が有効状態か無効状態かを管理するモード管理部と、前記自機情報と利用可能な前記動作モードを参照して、自機で利用可能な前記動作モードを判断し、前記入出力部を介して与えられるニーズ情報で示されるサービスのうち対応可能なサービスを実行するための前記動作モードを選択するモード選択部と、前記モード選択部が選択した前記動作モードが実現されるように自機内の機能を制御する実行部と、を有する。
【0007】
一実施の形態にかかるモビリティ制御プログラムは、ニーズ情報の入出力を行う入出力処理と、自機の現在の動作状態を示す自機情報をメモリに格納する自機情報管理処理と、異なる目的を達成するために自機に搭載された複数の機能の少なくとも1つを用いて動作が定義される複数の動作モードの有効と無効とを管理するモード管理処理と、前記自機情報と現在有効化している前記動作モードを参照して、前記自機情報と利用可能な前記動作モードを参照して、自機で利用可能な前記動作モードを判断し、前記入出力処理により与えられるニーズ情報で示されるサービスのうち対応可能なサービスを実行するための前記動作モードを選択するモード選択処理と、前記モード選択処理で選択した前記動作モードが実現されるように自機内の機能を制御する実行処理と、をモビリティ装置内の演算部で行う。
【0008】
一実施の形態にかかるモビリティ制御方法は、ニーズ情報の入出力を行う入出力処理と、自機の現在の動作状態を示す自機情報をメモリに格納する自機情報管理処理と、異なる目的を達成するために自機に搭載された複数の機能の少なくとも1つを用いて動作が定義される複数の動作モードの有効と無効とを管理するモード管理処理と、前記自機情報と利用可能な前記動作モードを参照して、自機で利用可能な前記動作モードを判断し、前記入出力処理により与えられるニーズ情報で示されるサービスのうち対応可能なサービスを実行するための前記動作モードを選択するモード選択処理と、前記モード選択処理で選択した前記動作モードが実現されるように自機内の機能を制御する実行処理と、をモビリティ装置内の演算処理で行う。
【発明の効果】
【0009】
一実施の形態にかかるモビリティ装置、その制御プログラム及び制御方法によれば、複数の機能の組み合わせにより定義され、異なる機能を有する複数の動作モードを動的に切り替えながらモビリティ装置を運用することで、モビリティ装置が機能変更や目的地を適切に切り替えることができ、臨機応変なサービス提供が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1にかかるモビリティ装置のブロック図である。
【
図2】実施の形態1にかかるモビリティ装置に搭載される動作モードの例である。
【
図3】実施の形態1にかかるモビリティ装置のハードウェア構成例を説明するブロック図である。
【
図4】実施の形態1にかかるモビリティ装置の第1の動作例を説明するブロック図である。
【
図5】実施の形態1にかかるモビリティ装置の第1の動作例を説明するフローチャートである。
【
図6】実施の形態1にかかるモビリティ装置の第2の動作例を説明するブロック図である。
【
図7】実施の形態1にかかるモビリティ装置の第2の動作例を説明するフローチャートである。
【
図8】実施の形態1にかかるモビリティ装置の第3の動作例を説明するブロック図である。
【
図9】実施の形態1にかかるモビリティ装置の第3の動作例を説明するフローチャートである。
【
図10】実施の形態2にかかるモビリティ装置のブロック図である。
【
図11】実施の形態2にかかるモビリティ装置の動作例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。以下で説明するモビリティ装置は、基本機能として、人が搭乗する座席と物を乗せる荷台とを有し、センサにより周囲の状況を把握しながら目的地までを移動する機能を有する。このとき、センサにより取得される情報は、処理方法を変えることで警備やモビリティサービスエリアの状況把握に活用することができる。また、モビリティ装置が電動車両であれば、災害時等にモビリティサービスエリア内で電源を住民に提供する災害インフラとして活用することができる。そのため、実施の形態1にかかるモビリティ装置1では、無線信号や、装置に付加される操作インタフェース等を用いてモビリティ装置に、モビリティ装置の動作モードの変更の指示を与えて有効にする機能の組み合わせを変更することで、モビリティ装置を状況に応じて人や物を搬送するモビリティ装置の機能や目的地を柔軟に変更する。
【0012】
そこで、
図1に実施の形態1にかかるモビリティ装置1のブロック図を示す。
図1に示すように、実施の形態1にかかるモビリティ装置1は、入出力部10、モード選択部11、自機情報管理部12、モード管理部13、実行部14、センサ15を有する。
【0013】
入出力部10は、ニーズ情報の入出力を行う。例えば、入出力部10は、ニーズ情報の発信元の装置との間で無線信号通信を行う。より具体的には、入出力部10は、携帯電話通信網の基地局との間で無線通信信号の入出力、放送波の受信、モビリティ装置間通信で利用される無線通信信号の入出力を行う。なお、入出力部10としては、利用者による入出力インタフェースを用いることも出来る。この場合、無線信号の送受信機能と、利用者に提供する入出力インタフェースが併存していても構わない。
【0014】
モード選択部11は、自機情報と利用可能な動作モードを参照して、自機で利用可能な動作モードを判断し、入出力部10を介して与えられるニーズ情報で示されるサービスのうち対応可能なサービスを実行するための動作モードを選択する。より具体的には、モード選択部11は、自機情報と利用可能な動作モードを総合して動作モードを選択するが、自機情報と利用可能な動作モードから自機の位置、経路情報、バッテリ残量、残燃料量等に加え自機に搭載された機能を抽出し、抽出したこれら情報からニーズ情報により示される機能や目的値を満たすことができる動作モードを選択する。モード選択部11は、ニーズ情報と自機で利用可能な動作モードとを考慮したモード選択を、人工知能やパターンマッチング等の判断処理により行う。また、モード選択部11は、処理により選択した動作モードを実行部14及びモード管理部13に通知し、選択した動作モードでモビリティ装置1が動作するように制御を指示する。
【0015】
自機情報管理部12は、自機の現在の動作状態を示す自機情報を管理する。ここで、自機情報には、例えば、自機で利用されている機能と、自機の未利用の機能と、自機の現在位置、移動計画の1つである経路計画情報、バッテリの容量、記憶装置の使用容量又は空き容量が含まれる。自機情報には、これらの情報以外の他の情報が含まれていても良い。また、自機情報管理部12は、モード選択部11で動作モードが新たに選択される度に変化後の状況を自機情報に反映させる。
【0016】
モード管理部13は、異なる目的を達成するために自機に搭載された複数の機能の少なくとも1つを用いて動作が定義される複数の動作モード毎に現在の状態が有効状態か無効状態かを管理する。ここで、モード管理部13は、モード選択部11がモードを選択する際には、各動作モードが有効状態であるのか、無効状態であるのかを通知する。また、モード管理部13は、モード選択部11が新たに動作モードを選択した場合には新たに選択された動作モードを無効状態から有効状態に記録を書き換える。
【0017】
実行部14は、モード選択部が選択した動作モードが実現されるように自機内の機能を制御する。具体的には、実行部14は、センサ15から得られた情報を利用しながら、動作モードで指定された動きでモビリティ装置1を制御する。
【0018】
センサ15は、光学カメラ、赤外線カメラ、LiDAR、高周波センサ、GPS等のモビリティ装置1の周囲の環境に関する情報を取得するものであり、単一のセンサでもよく、複数の種類のセンサを組み合わせものでも良い。また、センサ15は、単なるセンサデバイスのみならず、センサデバイスから得られた情報に基づき、物体検知を行う等の情報処理も行うものとする。
【0019】
ここで、モビリティ装置1に搭載される動作モードの例について説明する。そこで、
図2に実施の形態1にかかるモビリティ装置に搭載される動作モードの例を示す。
図2では7つの動作モードを示したが、モビリティ装置1に搭載される動作モードはこれらに限られない。また、
図2に示す表では、利用する機能として各動作モードで特徴的な機能を示したが、共通する機能として、センサ15を用いた自律移動を行うルートナビゲーション、モビリティ装置1自体を移動させる移動機能等は各動作モードに用いられる。
【0020】
人運搬モードは、乗せる人が指定した出発点と目的地の間を人を乗せて移動するモードであり、モビリティ装置1を例えばタクシーとして利用するモードである。この人運搬モードでは、利用する機能は座席となる。シェアカーモードは、人を乗降させながら指定されたルートを移動するモードであり、モビリティ装置1を例えばバスとして利用するモードである。モノ運搬モードは、指定された荷物積載場所で積まれた荷物を、指定された日時に目的地に届けるモードである。このモノ運搬モードでは、利用する機能は荷台となる。
【0021】
公共車モードは、公共サービスを提供するモードであり、例えば、ゴミ、草木、積雪等のエリア内の環境情報を収集するモードである。公共車モードでは、利用する機能はカメラ画像の撮影と物体検知機能となる。また、公共車モードでは、検知する物体がゴミ、草木、積雪になる。また、他のモードも含め物体検知は、人工知能を用いた物体検出や、予めデータベースに蓄積された参照画像との比較により物体検出を行うパターンマッチング等の様々な方法を利用することができる。消防警察モードは、交通標識のチェック、運転マナーの監視等のサービスを提供するモードである。消防警察モードでは、利用する機能はカメラ画像の撮影と物体検知機能となる。また、消防警察モードでは、検知する物体が交通標識と交通マナーになる。警備モードは、指定された巡回エリアの異常監視サービスと、不審者及び不審物を検出する巡回サービスを提供するモードである。警備モードでは、利用する機能はカメラ画像の撮影と物体検知機能となる。また、警備モードでは、検知する物体が不審物、不審者になる。
【0022】
災害モードは、災害時に設置される避難所で電源を供給する災害サービスを提供するモードである。災害モードでは、利用する給電口と自機が動作するための電力を蓄積するバッテリの残量となる。
【0023】
上記例では、モビリティ装置1が構造的に座席と荷台を有しているものを想定したが、このような場合において、実施の形態1にかかるモビリティ装置1は人運搬モード、シェアカーモード及びモノ運搬モードの動作でも必要なカメラやバッテリを利用して他のサービスを提供可能である。このようにモビリティ装置1に搭載されたある機能で必須な機能の一部であっても他のサービスを提供可能にモビリティ装置1を制御することで、モビリティ装置1に搭載された機能の活用効率が向上する。
【0024】
ここで、モビリティ装置1を実現するためのハードウェア構成の一例について説明する。そこで、
図3に実施の形態1にかかるモビリティ装置1のハードウェア構成の一例を説明するブロック図を示す。なお、
図3では、モビリティ装置が駆動装置等、モビリティ装置の形態の違いに起因して変化する構成(例えば、車両とドローンのような形態の違いに起因して違いが生じる構成)は、不記載とした。
図3に示すように、モビリティ装置1は、コンピュータ100によって実現出来る。このコンピュータ100は、演算部101、メモリ102、通信インタフェース103、センサ104がバスによって相互に通信可能なように構成される。
【0025】
そして、演算部101において、モビリティ制御プログラムを実行することで、コンピュータ100は、入出力処理(入出力部10で行われる処理)と、モード選択処理(モード選択部11で行われる処理)と、自機情報管理処理(自機情報管理部12で行われる処理)と、モード管理処理(モード管理部13で行われる処理)と、実行処理(実行部14で行われる処理)と、を行う。なお、メモリ102は、自機情報管理部12が自機情報を格納する場所、及び、実行部14の処理で生じる情報の格納場所として利用される。通信インタフェース103は、入出力部10がニーズ情報を入出力する際に利用するアンテナ及び信号のデコードを行うデコーダ等が含まれるものとする。センサ104は、センサ15を構成するセンサデバイスである。このセンサ104には、センサデバイスから得られる信号を演算部101が利用可能なフォーマットに変換する変換処理や、センサデバイスから得られた情報から物体検知処理を行う処理部が含まれていても良い。
【0026】
続いて、実施の形態1にかかるモビリティ装置1の動作モードの制御方法について説明する。モビリティ装置1は、外部から得られたニーズ情報に基づき動作モードを変更あるいは追加することができるが、当該ニーズ情報の与えられ方が3つ考えられる。そこで、以下ではニーズ情報の与えられ方の違いに応じて第1の動作例から第3の動作例を示してモビリティ装置1の動作モードの制御方法について説明する。また、各動作例で示す動作モードは一例であり、動作モードは任意に切り替えられるものとする。
【0027】
図4に実施の形態1にかかるモビリティ装置の第1の動作例を説明するブロック図を示す。
図4に示すように第1の動作例では、ニーズ情報として1つの要求のみが入力される場合の動作を示す。
図4に示す例では、放送波により発せられる災害情報をニーズ情報として受信する。また、
図4に示す例では、モビリティ装置1は、災害情報を受信する前にシェアカーモードで動作している。
【0028】
図5に実施の形態1にかかるモビリティ装置の第1の動作例を説明するフローチャートを示す。
図5に示すように、モビリティ装置1は、入出力部10で災害情報を受信すると(ステップS11)受信した災害情報をニーズ情報としてモード選択部11に伝達する(ステップS12)。その後モード選択部11は、ステップS13の動作モード選択処理を行う。ステップS13では、モード選択部11は、災害情報で示される災害規模を解析する。また、モード選択部11は、自機情報管理部12から自機情報の取得と、現在有効状態となっている動作モードと無効状態となっている動作モードの情報をモード管理部13から取得する。そして、モード選択部11は、各種情報の解析結果に基づき自機をシェアカーモードから災害モードに切り替えることを決定する。例えば、モード選択部11は、災害情報がシェアカーモードでの目的地Aの災害規模が大きく目的地Aに到達することが難しいと判断した場合、予め設定された避難所候補地から避難所Bを選択し、災害モードでの目的地を避難所Bに設定する。また、モビリティ装置1は、シェアカーモードにおいて乗車していた乗客を避難所Bに搬送する。また、災害モードでは、バッテリ残量が給電に十分(例えば、バッテリ残量が多い)であると判断した場合、避難所Bで自機を電力供給装置として利用するように動作を設定する。
【0029】
上記説明より、第1の動作例では、モビリティ装置1は、1つのニーズ情報により要求されるサービスに必要な機能と、現在有効になっている動作モードで利用している機能と、現在無効になっている機能と、さらに経路計画やバッテリ残量を勘案して、提供するサービスとして最も適したサービスの組み合わせを決定して、決定したサービスを提供可能な動作モードを選択する。これにより、モビリティ装置1は、自機の状況とニーズに応じて動作モードを柔軟に変更することができる。
【0030】
図6に実施の形態1にかかるモビリティ装置の第2の動作例を説明するブロック図を示す。
図6に示すように第2の動作例では、ニーズ情報として複数の要求が一度に入力される場合の動作を示す。
図6に示す例では、複数のモビリティ装置を統括する上位システムから発せられるニーズ情報(例えば、1つの物流要求と2つの相乗り要求)を受信する。また、
図6に示す例では、モビリティ装置1は、ニーズ情報を受信する前にモノ運搬モードで動作している。
【0031】
図7に実施の形態1にかかるモビリティ装置の第2の動作例を説明するフローチャートを示す。
図7に示すように、モビリティ装置1は、入出力部10でニーズ情報を受信すると(ステップS21)受信したニーズ情報をモード選択部11に伝達する(ステップS22)。その後モード選択部11は、ステップS23の動作モード選択処理を行う。ステップS23では、モード選択部11は、ニーズ情報により要求されるサービスで必要になる機能を解析する。また、モード選択部11は、自機情報管理部12から自機情報の取得と、現在有効状態となっている動作モードと無効状態となっている動作モードの情報をモード管理部13から取得する。そして、モード選択部11は、各種情報の解析結果に基づきモノ運搬モードに人運搬モードを加え(ステップS24)、人運搬モードとモノ運搬モードとを並列して行うように動作モードを切り替えることを決定する。
【0032】
図6及び
図7に示す例では、モード選択部11は、ニーズ情報で示された要求は全て現在有効にしているもの搬送モードの目的地Aを最終目的地とするものであるため、目的地Aに許容時間内に到達できる要求の組み合わせを解析する。
図6に示す例では、モード選択部11は、人待機場所Bに立ち寄ると目的地Aに到達する時間が許容範囲を超えると判断し、人待機場所Cと荷物積載場所Dの2地点に立ち寄るように経路計画を変更しながら、動作モードとしてこの2地点を通過する人運搬モードとモノ運搬モードを現在のモノ運搬モードに追加する。
【0033】
このように、対応出来ない要求が有った場合、モード選択部11は、現在の状況(
図6に示す例では時間的な条件)によってニーズ情報により示されるサービス(例えば、人待機場所Bで人を相乗りさせる要求)を実行することが出来ないと判断した場合、自機では対応出来ないと判断したサービスについて対応出来なかったことを上位システム(例えば、ニーズ情報の発信元の装置)に通知する(ステップS25、S26)。
【0034】
上記説明より、第2の動作例においても、モビリティ装置1は、1つのニーズ情報により要求されるサービスに必要な機能と、現在有効になっている動作モードで利用している機能と、現在無効になっている機能と、地理的状況、時間的状況等を勘案して、提供するサービスとして最も適したサービスの組み合わせを決定して、決定したサービスを提供可能な動作モードを選択する。これにより、モビリティ装置1は、自機の状況とニーズに応じて動作モードを柔軟に変更することができる。
【0035】
図8に実施の形態1にかかるモビリティ装置の第3の動作例を説明するブロック図を示す。
図8に示すように第3の動作例では、センサ15を用いて検出されたニーズ情報に基づき新たな動作モードを有効化する。この具体例として、第3の動作例では、ニーズ情報として警備モード中にセンサ15で既存マップと異なる経路が検出され、既存マップに更新が必要になったことを用いる場合の動作を示す。なお、センサ15からの入力に基づくニーズ情報は既存マップの更新に限られない。
【0036】
図9に実施の形態1にかかるモビリティ装置の第3の動作例を説明するフローチャートを示す。
図9に示すように、モビリティ装置1は、センサ15で既存マップと異なる経路が検出されると(ステップS31)、地図更新モードを新たな動作モードとして追加する(ステップS32)。このとき、モード選択部11は、自機情報を参照して、地図更新を行うエリアと地図更新の為に蓄積するデータ容量の最大値を算出し、モード管理部13に伝達する。
【0037】
上記説明より、第3の動作例においても、モビリティ装置1は、センサ15により検出された1つのニーズ情報により要求されるサービスに必要な機能と、現在有効になっている動作モードで利用している機能と、現在無効になっている機能と、現在の位置等を勘案して、提供するサービスとして最も適したサービスの組み合わせを決定して、決定したサービスを提供可能な動作モードを選択する。これにより、モビリティ装置1は、自機の状況とニーズに応じて動作モードを柔軟に変更することができる。
【0038】
上記説明より、実施の形態1にかかるモビリティ装置1は、異なる目的を達成するために自機に搭載された複数の機能の少なくとも1つを用いて動作が定義される複数の動作モードを有し、モード選択部11により搭載された機能の範囲内でニーズ情報に対応して有効化する動作モードの組み合わせを切り替える。これにより、モビリティ装置1は、ニーズやモビリティ装置で利用されている機能の状況に応じて柔軟に動作モードを切り替えることができる。また、モビリティ装置1は、機能変更や目的地を適切に切り替えることができ、臨機応変なサービス提供が可能になる。さらに、モビリティ装置1は自機の機能の利用効率を高めることができる。
【0039】
実施の形態2
実施の形態2では、実施の形態1のモビリティ装置1の別の形態となるモビリティ装置2について説明する。そこで、
図10に実施の形態2にかかるモビリティ装置2のブロック図を示す。なお、実施の形態2の説明では、実施の形態1と同じ構成要素については、実施の形態1と同じ符号を付して説明を省略する。
【0040】
図10に示すように、モビリティ装置2はモビリティ装置1のモード選択部11をモード選択部21に置き換えたものである。実施の形態2では、動作モード毎に優先度を設定し、モード選択部21は、ニーズ情報により要求されたサービスを提供するために有効化する動作モードを、優先度が高い順に有効化する動作モードを選択する。
【0041】
ここで、
図11に実施の形態2にかかるモビリティ装置2の動作例を説明するフローチャートを示す。
図11に示す例は、
図7に示したモビリティ装置1の第2の動作例に対して優先度に基づく動作モードの選択処理を追加したものである。
図11に示すようにモード選択部21では、ニーズ情報に基づく要求を受信すると(ステップS22)、モビリティ装置1が受信した要求を満たす為に有効化させる必要がある動作モードの優先度が、現在有効にしている動作モードよりも高いか否かを判断する(ステップS41)。そして、有効化予定の動作モードの優先度が現在有効にしている動作モードの優先度よりも高いと判断した場合は、有効化予定の動作モードを新たな動作モードして追加する。一方、有効化予定の動作モードの優先度が現在有効にしている動作モードの優先度よりも低いと判断した場合は、新たな動作モードは有効化せずに、ニーズ情報により指示された要求を満たせないことを上位システムに通知する(ステップS26)。
【0042】
上記説明より、実施の形態2にかかるモビリティ装置2では、有効化する動作モードを各動作モードに対して設定される優先度を考慮して決定する。これにより、モビリティ装置1が現在提供しているサービスが優先度の低い優先度のサービスに中断されることを防ぐことができる。また、複数のモビリティ装置が有る場合、それぞれのモビリティ装置毎に得意なサービスを提供するための機能を持たせ、当該得意なサービスが各モビリティ装置で優先して実行されるようにすることもできる。
【0043】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0044】
1、2 モビリティ装置
10 入出力部
11 モード選択部
12 自機情報管理部
13 モード管理部
14 実行部
15 センサ
21 モード選択部
100 コンピュータ
101 演算部
102 メモリ
103 通信インタフェース
104 センサ