(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128858
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】印刷システム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/393 20060101AFI20230907BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20230907BHJP
B65H 33/06 20060101ALI20230907BHJP
B65H 31/28 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
B41J29/393 105
B41J29/38 206
B41J29/38 301
B65H33/06
B65H31/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022033504
(22)【出願日】2022-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】境 健太
(72)【発明者】
【氏名】高橋 寿行
【テーマコード(参考)】
2C061
3F054
3F107
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AR01
2C061AS02
2C061HJ04
2C061HK11
2C061HN08
2C061HN18
2C061HV01
2C061HV31
2C061KK22
2C061KK27
2C061KK31
3F054AA01
3F054AC04
3F054BA02
3F054BJ07
3F054DA06
3F107AA01
3F107AB01
3F107AC05
3F107BA02
3F107CB15
(57)【要約】
【課題】画像異常が発生した場合、容易に異常画像を再印刷して入れ替え可能となるように媒体を排出する。
【解決手段】印刷を行う第1印刷装置20及び第2印刷装置40と、第2印刷装置40の下流側に設けられ、第1印刷装置20及び第2印刷装置40により印刷された媒体Mから画像を読み取り、読み取られた画像に対して異常か否かの検査を行う検査装置50と、検査装置50により検査され搬送された媒体Mを、媒体Mの搬送方向に対して前後にオフセットさせて積載する媒体排出装置60と、検査装置50により、読み取られた画像が異常と判定された場合、媒体Mをオフセットさせて積載させるように媒体排出装置60を制御する制御部151と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷を行う印刷部と、
前記印刷部の下流側に設けられ、前記印刷部により印刷された媒体から画像を読み取り、読み取った画像に対して異常か否かの検査を行う画像検査部と、
前記画像検査部により検査され搬送された媒体を、前記媒体の搬送方向に対して前後にオフセットさせてコンベア上に積載する媒体排出部と、
前記画像検査部により、前記読み取られた画像が異常と判定された場合、前記媒体をオフセットさせて積載させるように前記媒体排出部を制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置で印刷した印刷物に対して印刷画像が正常か否かを検査する検査装置を備える印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置で印刷した印刷物に対して印刷画像が正常か否かを検査する検査装置を備える印刷システムがよく知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、検査装置で画像異常と判断された場合、異常画像ページの印刷物の排紙先、異常画像ページ以降の印刷物の排紙先を印刷物のジョブ種別に応じて切り替えることで、ユーザに手を煩わせることなく異常画像ページ以降の排紙処理を容易にする技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、ベルトコンベアで用紙を搬送する際、用紙の積載条件(用紙種類や用紙サイズ、用紙方向、用紙積載枚数)に応じてベルトコンベアの加速搬送/減速搬送の加速度、定速搬送の速度を切り替えることで、用紙の積載状態の悪化(紙崩れ)を防止して搬送する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-130553号公報
【特許文献2】特開2020-015610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1および特許文献2に記載の技術では、検査装置にて異常画像と判定された場合、異常画像はパージトレイに排出される。その際、異常画像と判定されたページ以降の印刷物の排紙先が、そのまま正常画像の上に積載されて印刷が続行すると、ユーザが異常画像のページを再印刷したり、ページ順を合わせるために挿入するページを探したりと手を煩わせてしまう懸念がある。
【0007】
また、上述した特許文献1および特許文献2に記載の技術では、パージトレイを備えた構成であり、本提案のベルトコンベア排紙を備えた構成では適用できない。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、画像異常が発生した場合、容易に異常画像を再印刷して入れ替え可能となるように媒体を排出することができる印刷システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る印刷システムの特徴は、
印刷を行う印刷部と、
前記印刷部の下流側に設けられ、前記印刷部により印刷された媒体から画像を読み取り、読み取った画像に対して異常か否かの検査を行う画像検査部と、
前記画像検査部により検査され搬送された媒体を、前記媒体の搬送方向に対して前後にオフセットさせてコンベア上に積載する媒体排出部と、
前記画像検査部により、前記読み取られた画像が異常と判定された場合、前記媒体をオフセットさせて積載させるように前記媒体排出部を制御する制御部と、
を備えることにある。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る印刷システムの特徴によれば、画像異常が発生した場合、容易に異常画像を再印刷して入れ替え可能となるように媒体を排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施の形態における印刷システムを示す構成図である。
【
図2】本発明の一実施の形態における印刷システムの一部の制御構成を示す図である。
【
図3】本発明の一実施の形態における印刷システムの制御部の作用を説明した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一若しくは同等の部位や構成要素には、同一若しくは同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
【0013】
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0014】
図1は、本発明の一実施の形態における印刷システム1を示す構成図である。
【0015】
図2は、本発明の一実施の形態における印刷システム1の一部の制御構成を示す図である。
【0016】
図1に示すように、印刷システム1は、媒体供給装置10と、第1印刷装置20と、中間搬送装置30と、第2印刷装置40と、検査装置50と、媒体排出装置60とを備える。
【0017】
媒体供給装置10、第1印刷装置20、中間搬送装置30、第2印刷装置40、検査装置50、及び媒体排出装置60は、例えば用紙である媒体Mの搬送経路(搬送方向D)に直列に配置されている。
【0018】
なお、媒体供給装置10、第1印刷装置20、中間搬送装置30、第2印刷装置40、検査装置50、及び媒体排出装置60のうちの複数が、共通の筐体内に一体に配置されていてもよい。例えば、検査装置50が媒体排出装置60の一部として配置されていてもよい。
【0019】
図1には、第1印刷装置20、中間搬送装置30、第2印刷装置40、及び媒体排出装置60に、媒体Mの直進搬送経路R1,R4-1,R5、を実線で、循環搬送経路R2,R6を2点鎖線で、反転経路R3,R4-2,R7を破線又は点線で、それぞれ示す。
【0020】
媒体供給装置10は、印刷前の媒体Mが積載される載置台11を有する。図示はしないが、媒体供給装置10には、載置台11に積載された複数枚の媒体Mのうち最上位に位置する媒体Mを繰り出して搬送する供給ローラや、この供給ローラを駆動するモータ等の供給駆動手段(アクチュエータ)が配置されている。
【0021】
第1印刷装置20は、複数の搬送ローラ対21と、第1印刷部22と、吸着搬送部23と、搬送経路切替え部24,25と、スイッチバックローラ対26と、排出部27とを有する。
【0022】
搬送ローラ対21は、第1印刷装置20内に複数対配置され、媒体Mをニップしながら搬送する。
【0023】
第1印刷部22は、例えばCMYKやグレー色等の基本色のインクを用いて媒体Mに印刷を行う。第1印刷部22は、媒体Mに印刷を行う印刷部の一例である。第1印刷部22は、例えば、印刷に用いられる各色分の図示しないラインヘッド型インクジェットヘッドを有する。なお、第1印刷部22の印刷方式は、インクジェット印刷方式以外の印刷方式であってもよい。
【0024】
吸着搬送部23は、第1印刷部22に対向するように配置されている。吸着搬送部23は、媒体Mを吸着しながらベルトによって媒体Mを搬送する。
【0025】
一方の搬送経路切替え部24は、第1印刷部22によって印刷が行われた媒体Mの搬送経路を、中間搬送装置30へ続く直進搬送経路R1と、排出部27や反転経路R3へ続く循環搬送経路R2とに切替える。
【0026】
他方の搬送経路切替え部25は、媒体Mの循環搬送経路R2を、排出部27へ続く搬送経路と、スイッチバックローラ対26によって媒体Mの表裏を反転させる反転経路R3とに切替える。なお、反転経路R3において表裏が反転した媒体Mは、再び第1印刷部22へ搬送される。
【0027】
排出部27には、媒体排出装置60へ排出されない媒体Mが積載される。
【0028】
中間搬送装置30は、複数の搬送ローラ対31と、スイッチバックローラ対32と、搬送経路切替え部33とを有する。
【0029】
搬送ローラ対31は、第1印刷装置20から排出された媒体Mをニップしながら搬送する。
【0030】
搬送経路切替え部33は、第1印刷装置20から排出された媒体Mをそのまま第2印刷装置40に搬送する直進搬送経路R4-1と、スイッチバックローラ対32によって媒体Mの表裏を反転させる反転経路R4-2とに搬送経路を切替える。なお、中間搬送装置30が省略され、第1印刷装置20から第2印刷装置40に直接的に媒体Mが搬送されてもよい。
【0031】
第2印刷装置40の構成は、第1印刷装置20の構成と同様にすることができる。例えば、第2印刷装置40は、第1印刷装置20と同様に、搬送ローラ対41と、第2印刷部42と、吸着搬送部43と、搬送経路切替え部44と、スイッチバックローラ対45とを有する。なお、第2印刷装置40は、第1印刷装置20とは異なり、排出部27、及びこの排出部27に搬送経路を切替える搬送経路切替え部25を有さないが、第1印刷装置20と同様に排出部27及び搬送経路切替え部25を有していてもよい。
【0032】
また、印刷システム1は、第1印刷装置20の第1印刷部22、及び第2印刷装置40の第2印刷部42の計2つの印刷部を備えるが、1つのみの印刷部又は3つ以上の印刷部を備えていてもよい。
【0033】
搬送ローラ対41は、第2印刷装置40内に複数対配置され、媒体Mをニップしながら搬送する。
【0034】
第2印刷部42は、媒体Mに印刷を行う。第2印刷部42は、例えばCMYKやグレー色等の基本色のインクを用いて媒体Mに印刷を行う。第2印刷部42は、第1印刷部22と同様に、媒体Mに印刷を行う印刷部の一例である。
【0035】
吸着搬送部43は、第2印刷部42に対向するように配置されている。吸着搬送部43は、媒体Mを吸着しながらベルトによって媒体Mを搬送する。
【0036】
搬送経路切替え部44は、第2印刷部42によって印刷が行われた媒体Mの搬送経路を、検査装置50へ続く直進搬送経路R5と、反転経路R7へ続く循環搬送経路R6とに切替える。
【0037】
スイッチバックローラ対45は、反転経路R7において媒体Mの表裏を反転させる。反転経路R7において表裏が反転した媒体Mは、再び第2印刷部42へ搬送される。
【0038】
検査装置50は、第1搬送部51と、第2搬送部52と、第1検査部53と、第2検査部54と、媒体検知センサ55と、押さえローラ56a,56bとを備える。
【0039】
第1搬送部51は、媒体Mの下面側(第1面側の一例)に配置され、媒体Mを搬送する。第1搬送部51は、例えば、媒体Mを吸着しながらベルトによって媒体Mを搬送する吸着搬送部である。
【0040】
第2搬送部52は、第1搬送部51よりも搬送方向Dの下流側において、媒体Mの上面側(第2面側の一例)に第1搬送部51に隣接して配置され、媒体Mを搬送する。第2搬送部52は、第1搬送部51の向きを上下に反転させたものとすることができる。例えば、第2搬送部52は、第1搬送部51と同様に、媒体Mを吸着しながらベルトによって媒体Mを搬送する吸着搬送部である。
【0041】
第1検査部53は、第1搬送部51の上方に配置され、第1搬送部51によって搬送されている媒体Mの上面(第2面の一例)に印刷された画像を検査する。第1検査部53は、媒体Mに印刷された画像を撮像する例えばCIS(Contact Image Sensor:密着イメージセンサ)等の撮像部を有する。第1検査部53は、第1印刷部22及び第2印刷部42によって媒体Mに印刷された画像の画像検査を行う検査部の一例である。
【0042】
第2検査部54は、第2搬送部52の下方に配置され、第2搬送部52によって搬送されている媒体Mの下面(第1の面の一例)を検査する。第2検査部54は、媒体Mに印刷された画像を撮像する例えばCIS等の撮像部を有する。第2検査部54は、第1検査部53と同様に、第1印刷部22及び第2印刷部42によって媒体Mに印刷された画像の画像検査を行う検査部の一例である。
【0043】
媒体検知センサ55は、第1検査部53よりも搬送方向Dの上流側に配置され、媒体Mを検知する。
【0044】
押さえローラ56aは、第1搬送部51に搬送された媒体Mの先端の浮き上がりを防止するために、媒体Mを第1搬送部51に下方に押さえつける。押さえローラ56aは、例えば、第1搬送部51のベルト51aの回転に伴って回転する。
【0045】
押さえローラ56bは、第2搬送部52に搬送された媒体Mの先端の垂れ下がりを防止するために、媒体Mを第2搬送部52に上方に押さえつける。押さえローラ56bは、例えば、第2搬送部52のベルト52aの回転に伴って回転する。
【0046】
媒体排出装置60は、第1コンベア61と、第2コンベア62とを有する。また、媒体排出装置60は、制御部151と、記憶部152と、インターフェース部153と、第1コンベア駆動部131と、第2コンベア駆動部132とを備える。
【0047】
第1コンベア61は、ベルト63と、ローラ64,65とを有する。
【0048】
ベルト63は、ローラ64とローラ65との間に架け渡されている。ベルト63には、上述のように、検査装置50から排出される媒体M、すなわち印刷済みの媒体Mが積載される。このように、第1コンベア61(ベルト63)には、印刷装置(第1印刷装置20及び第2印刷装置40)から排出される媒体Mが順次積載される。すなわち、第1コンベア61は、排紙台としても機能する。
【0049】
また、ベルト63は、後述する制御部151が第1コンベア駆動部131の制御を行うタイミングで媒体Mを搬送する。さらに、ベルト63は、搬送方向Dへ媒体Mを搬送するように動作したり、搬送方向Dと逆方向へ媒体Mを搬送するように動作したりすることができる。これにより、搬送方向Dに対して、媒体Mをオフセットして積載させることができる。
【0050】
ローラ64,65の一方は、後述する第1コンベア駆動部131から動力を伝達される駆動ローラであり、他方は、従動ローラである。
【0051】
第2コンベア62は、ベルト66と、ローラ67,68と、設置台69とを有する。
【0052】
ベルト66は、ローラ67とローラ68との間に架け渡されている。また、ベルト66は、第1コンベア61のベルト63の搬送方向D下流側に配置され、ベルト63から搬送される媒体Mを、例えば、ベルト66における搬送方向D中央まで搬送する。その後、媒体Mは、ユーザによって受け取られる。なお、第2コンベア62の更に搬送方向D下流側に第3コンベアが配置されていてもよい。この場合、第2コンベア62は、媒体Mを第3コンベアに搬送することになる。
【0053】
ローラ67,68の一方は、後述する第2コンベア駆動部132から動力を伝達される駆動ローラであり、他方は、従動ローラである。
【0054】
設置台69は、ベルト66の高さをベルト63の搬送時の高さに合わせるように設置されている。
【0055】
図2に示す制御部151は、演算処理装置として機能するプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit)を有し、反転経路切替え部F10、第1コンベア駆動部131、第2コンベア駆動部132等の媒体排出装置60の各部を制御する。なお、印刷システム1の図示しない制御部が制御部151を兼ねてもよい。
【0056】
詳しくは、後述するが、制御部151は、検査装置50により読み取られた画像が異常と判定された場合、媒体Mをオフセットさせて設置台69に載置させるように第1コンベア駆動部131および第2コンベア駆動部132を制御する。
【0057】
記憶部152は、例えば、所定の制御プログラムが予め記録されている読み出し専用半導体メモリであるROM(Read Only Memory)、プロセッサが各種の制御プログラムを実行する際に必要に応じて作業用記憶領域として使用される随時書き込み読み出し可能な半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)などである。
【0058】
インターフェース部153は、検査装置50等の外部機器との間で各種情報の授受を行う。
【0059】
図3は、本発明の一実施の形態における印刷システム1の制御部151の作用を説明した図である。
【0060】
上述したように、制御部151は、検査装置50により読み取られた画像が異常と判定された場合、媒体Mをオフセットさせて載置させるように第1コンベア駆動部131および第2コンベア駆動部132を制御する。
【0061】
ここで、媒体Mをオフセットの動作パターンとしては、第1パターンから第3パターンの3つのパターンがあるので、それぞれについて以下に説明する。
【0062】
図3(a),図(b)は、第1パターンの例を示しており、
図3(c),図(d)は、第2パターンの例を示しており、
図3(e),図(f)は、第3パターンの例を示している。
【0063】
<第1パターン>
検査装置50により読み取られた画像が異常と判定された場合、その画像に対応する媒体Mが媒体MEであるとする。
【0064】
図3(a)に示すように、先に第1コンベア61に積載されている媒体M1と、異常と判定された媒体MEがオフセットされるように、制御部151が第1コンベア駆動部131を制御する。具体的には、制御部151は、ベルト63を搬送方向Dへ10~20(mm)だけ媒体M1を搬送した後、媒体MEが媒体M1上に積載されるように第1コンベア61を制御する。
【0065】
その後、
図3(b)に示すように、制御部151は、第1コンベア61のベルト63の位置を元の位置に戻すように、ベルト63を搬送方向Dと逆方向へ10~20(mm)だけ媒体M1と媒体MEとを搬送した後、媒体M2が媒体ME上に積載されるように第1コンベア61を制御する。
【0066】
これにより、画像異常が発生した場合、画像異常が検出された媒体MEが、正常に印刷された媒体M1,M2と搬送方向にオフセットされて積載されることになるので、ユーザは、媒体MEを容易に発見することができるので、媒体MEに対応する異常画像を再印刷して入れ替え可能となるように排出することができる。
【0067】
<第2パターン>
検査装置50により読み取られた画像が異常と判定された場合、その画像に対応する媒体Mが媒体MEであるとする。
【0068】
図3(c)に示すように、先に第1コンベア61に積載されている媒体M1と、異常と判定された媒体MEとはオフセットさせることなく、媒体M1上に媒体MEが搬送方向Dにおいて同じ位置で積載されるように、制御部151が第1コンベア駆動部131を制御する。
【0069】
その後、
図3(d)に示すように、先に第1コンベア61に積載されている媒体M1および媒体MEと、正常と判定された媒体M2がオフセットされるように、制御部151が第1コンベア駆動部131を制御する。具体的には、制御部151は、ベルト63を搬送方向Dへ10~20(mm)だけ媒体M1及びMEを搬送した後、媒体M2が媒体ME上に積載されるように第1コンベア61を制御する。
【0070】
これにより、画像異常が発生した場合、画像異常が検出された媒体MEが正常に印刷された媒体M1の上に積載されており、その上に積載される媒体M2は搬送方向にオフセットされて積載されることになるので、ユーザは、媒体MEを容易に発見することができるので、媒体MEに対応する異常画像を再印刷して入れ替え可能となるように排出することができる。
【0071】
<第3パターン>
検査装置50により読み取られた画像が異常と判定された場合、その画像に対応する媒体Mが媒体MEであるとする。
【0072】
図3(e)に示すように、検査装置50により読み取られた画像が異常と判定された場合、先に第1コンベア61に積載されている媒体M1と、異常と判定された媒体MEとはオフセットさせることなく、媒体M1上に媒体MEが搬送方向Dにおいて同じ位置で積載されるように、制御部151が第1コンベア駆動部131を制御する。
【0073】
その後、
図3(f)に示すように、制御部151は、媒体M1と媒体MEとを第2コンベア62へ搬送させる。
【0074】
そして、制御部151は、新たにベルト63上に媒体M2が積載されるように第1コンベア61を制御する。
【0075】
これにより、画像異常が発生した場合、画像異常が検出された媒体MEが、正常に印刷された媒体M2と搬送方向にオフセットされて積載され、媒体M1の最上位に積載されることになるので、ユーザは、媒体MEを容易に発見することができるので、媒体MEに対応する異常画像を再印刷して入れ替え可能となるように排出することができる。
【0076】
なお、ここでは、第1パターン~第3パターンをそれぞれ説明したが、これらを組み合わせてもよい。例えば、1回目の画像異常の際には第3パターンとし、2回目以降は、第1パターンや第2パターンとするようにしてもよい。
【0077】
(付記)
本出願は、以下の発明を開示する。
(付記1)
印刷を行う印刷部と、
前記印刷部の下流側に設けられ、前記印刷部により印刷された媒体から画像を読み取り、読み取った画像に対して異常か否かの検査を行う画像検査部と、
前記画像検査部により検査され搬送された媒体を、前記媒体の搬送方向に対して前後にオフセットさせてコンベア上に積載する媒体排出部と、
前記画像検査部により、前記読み取られた画像が異常と判定された場合、前記媒体をオフセットさせて積載させるように前記媒体排出部を制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする印刷システム。
【0078】
これにより、画像異常が発生した場合、媒体がオフセットされて積載されるので、ユーザは、媒体を容易に発見することができるので、媒体に対応する異常画像を再印刷して入れ替え可能となるように排出することができる。
【符号の説明】
【0079】
1 印刷システム
10 媒体供給装置
20 第1印刷装置(印刷部)
30 中間搬送装置
40 第2印刷装置(印刷部)
50 検査装置(画像検査部)
53 第1検査部
54 第2検査部
60 媒体排出装置(媒体排出部)
61 第1コンベア
62 第2コンベア
63,66 ベルト
69 設置台
131 第1コンベア駆動部
132 第2コンベア駆動部
151 制御部
152 記憶部
153 インターフェース部