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<図1>
  • 特開-推定結果表示システム 図1
  • 特開-推定結果表示システム 図2
  • 特開-推定結果表示システム 図3
  • 特開-推定結果表示システム 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128880
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】推定結果表示システム
(51)【国際特許分類】
   G01V 3/12 20060101AFI20230907BHJP
   G01S 13/88 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
G01V3/12 B
G01S13/88 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022033530
(22)【出願日】2022-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000166432
【氏名又は名称】戸田建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】514018238
【氏名又は名称】株式会社きんそく
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】弁理士法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】本木 章平
(72)【発明者】
【氏名】八代 成美
(72)【発明者】
【氏名】須田 拓樹
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼田 祐介
(72)【発明者】
【氏名】土本 裕之
【テーマコード(参考)】
2G105
5J070
【Fターム(参考)】
2G105AA02
2G105BB11
2G105CC01
2G105DD02
2G105EE01
2G105LL02
5J070AB01
5J070AC03
5J070AD01
5J070AD02
5J070AE11
5J070AF03
5J070AF04
5J070AH19
5J070AK39
5J070BD01
5J070BE01
5J070BG03
5J070BG15
5J070BG26
(57)【要約】
【課題】推定結果を直観的にわかりやすく表示する。
【解決手段】上面図作成部51は、水平面を所定の大きさの長方形に分割した長方形領域のそれぞれについて、長方形領域の真下に存在する複数の直方体領域のうちから、推定システムが推定した存在確率が最も高い直方体領域を抽出し、上面図画像において長方形領域に対応する画素の色相を、抽出した直方体領域の深さ方向の位置に基づいて、深さ方向の位置に対応する色相に設定し、画素の明度を、抽出した直方体領域について推定システムが推定した存在確率に基づいて、存在確率に対応する明度に設定する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中を所定の大きさの直方体に分割した直方体領域のそれぞれについて埋設管がそのなかに存在する確率を推定する推定システムが推定した推定結果を表示する推定結果表示システムにおいて、
前記地中を上から見た上面図画像を作成する上面図作成部と、
前記上面図作成部が作成した上面図画像を表示する上面図表示部と
を備え、
前記上面図作成部は、水平面を所定の大きさの長方形に分割した長方形領域のそれぞれについて、
前記長方形領域の真下に存在する複数の前記直方体領域のうちから、前記推定システムが推定した存在確率が最も高い前記直方体領域を抽出し、
前記上面図画像において前記長方形領域に対応する画素の色相を、抽出した前記直方体領域の深さ方向の位置に基づいて、前記深さ方向の位置に対応する色相に設定し、
前記画素の明度を、抽出した前記直方体領域について前記推定システムが推定した存在確率に基づいて、前記存在確率に対応する明度に設定する、
推定結果表示システム。
【請求項2】
前記埋設管を表す線を前記上面図表示部が表示した前記上面図画像に重ねて表示する埋設管表示部と、
前記上面図表示部が表示した前記上面図画像のなかで前記埋設管が存在する位置を入力する埋設管位置入力部と
を更に備え、
前記埋設管表示部は、前記埋設管位置入力部が入力した位置に前記線を移動させて表示する、
請求項1の推定結果表示システム。
【請求項3】
前記埋設管位置入力部が入力した位置に基づいて、前記埋設管がある深さ方向の位置を推定する埋設管深さ推定部
を更に備える、請求項2の推定結果表示システム。
【請求項4】
前記地中を鉛直平面で切断した断面を表す断面図画像を作成する断面図作成部と、
前記断面図作成部が作成した断面図画像を表示する断面図表示部と
を更に備え、
前記埋設管表示部は、更に、前記埋設管を表す印を前記断面図表示部が表示した断面図画像に重ねて表示し、
前記埋設管位置入力部は、更に、前記断面図表示部が表示した前記断面図画像のなかで前記埋設管が存在する位置を入力し、
前記埋設管表示部は、前記埋設管位置入力部が入力した位置に前記印を表示する、
請求項2又は3の推定結果表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道管、ガス管、電線管など地中に埋設された埋設管が埋設された位置を推定した結果を表示する推定結果表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、パルス波の反射を用いて地中埋設物を探査するレーダー型地中探査装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-190779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたような探査装置によって得られた情報は、従来、波形画像を熟練技術者が目視により解析する必要があったので、解析作業に時間と労力を要する。
そこで、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)などの人工知能を用いてこれを解析することが考えられる。
人工知能によって解析した結果は、例えば、ある位置に埋設管が存在する確率によって表される。
また、探査装置のアンテナを一次元に移動させるのではなく二次元的に移動させたり、探査装置に一列に並んだ複数のアンテナを設けてアンテナが並んだ方向と異なる方向に一次元的に移動させたりすることにより、地中を三次元的に探索することが考えられる。
しかし、地中を三次元的に探索した結果を解析した場合、例えば、地中を所定の大きさの直方体(例えば一辺10cmの立方体)に分割したそれぞれの領域について、埋設管が存在する確率が得られることになる。情報量が非常に多くなるので、この結果を直観的に理解できるよう表示することが難しい。
この発明は、例えばこのような課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
推定結果表示システムは、地中を所定の大きさの直方体に分割した直方体領域のそれぞれについて埋設管がそのなかに存在する確率を推定する推定システムが推定した推定結果を表示する推定結果表示システムにおいて、前記地中を上から見た上面図画像を作成する上面図作成部と、前記上面図作成部が作成した上面図画像を表示する上面図表示部とを備える。前記上面図作成部は、水平面を所定の大きさの長方形に分割した長方形領域のそれぞれについて、前記長方形領域の真下に存在する複数の前記直方体領域のうちから、前記推定システムが推定した存在確率が最も高い前記直方体領域を抽出し、前記上面図画像において前記長方形領域に対応する画素の色相を、抽出した前記直方体領域の深さ方向の位置に基づいて、前記深さ方向の位置に対応する色相に設定し、前記画素の明度を、抽出した前記直方体領域について前記推定システムが推定した存在確率に基づいて、前記存在確率に対応する明度に設定する。
推定結果表示システムは、前記埋設管を表す線を前記上面図表示部が表示した前記上面図画像に重ねて表示する埋設管表示部と、前記上面図表示部が表示した前記上面図画像のなかで前記埋設管が存在する位置を入力する埋設管位置入力部とを更に備えてもよい。前記埋設管表示部は、前記埋設管位置入力部が入力した位置に前記線を移動させて表示してもよい。
推定結果表示システムは、前記埋設管入力部が入力した位置に基づいて、前記埋設管がある深さ方向の位置を推定する埋設管深さ推定部を更に備えてもよい。
推定結果表示システムは、前記地中を鉛直平面で切断した断面を表す断面図画像を作成する断面図作成部と、前記断面図作成部が作成した断面図画像を表示する断面図表示部と
を更に備えてもよい。前記埋設管表示部は、更に、前記埋設管を表す印を前記断面図表示部が表示した断面図画像に重ねて表示してもよい。前記埋設管位置入力部は、更に、前記断面図表示部が表示した前記断面図画像のなかで前記埋設管が存在する位置を入力してもよい。前記埋設管表示部は、前記埋設管位置入力部が入力した位置に前記印を表示してもよい。
【発明の効果】
【0006】
前記推定結果表示システムによれば、画素の明度で埋設管の存在確率を表現し、画素の色相で埋設管の深さを表現するので、情報の一覧性を向上することができ、推定結果の視認性を向上することができる。
推定結果における埋設管の位置を利用者が修正できるので、推定精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】埋設物探索システムの一例を示す概略図。
図2】推定システム及び推定結果表示システムの一例を示すブロック図。
図3】上面図画像の一例を示す図。
図4】推定結果表示処理の一例を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に示す埋設物探査システム10は、地中へ向けて電波を送信し地中埋設物に当たって反射した電波を受信することにより、地中埋設物の位置に関する情報を収集する。埋設物探査システム10は、例えば、台車11と、複数のレーダー探査装置21と、探査位置測定装置31とを有する。
台車11は、例えば、車輪12を有し、地面80の上を移動できる。台車11は、人力で移動させてもよいし、自動車などに牽引されて移動してもよいし、自走してもよい。
【0009】
レーダー探査装置21は、台車11に搭載され、台車11とともに移動する。レーダー探査装置21は、例えば、アンテナ22を有し、パルス状の電波を地中に向けて放射して、地中に埋設された埋設物81や埋設管82などの地中埋設物に当たって反射した電波を受信する。電波を放射してから受信するまでにかかった時間から、地中埋設物までの距離がわかる。アンテナ22は、送信アンテナと受信アンテナとに分かれていてもよい。
複数のレーダー探査装置21は、例えば、台車11が移動する方向とは異なる方向(好ましくは台車11の移動方向に対して垂直な方向)に一列に並べて配置されている。複数のレーダー探査装置21は、例えばそれぞれ異なる周波数の電波を送受信するなど、同時に探査しても混信しないよう構成されている。これにより、一列分のデータを同時に取得することができる。
なお、埋設物探査システム10は、複数のレーダー探査装置21を有するのではなく、台車11が移動する方向とは異なる方向に移動可能な一つのレーダー探査装置21を有してもよい。その場合、台車11の移動速度に対して相対的に速い速度でレーダー探査装置21を移動させることにより、複数のレーダー探査装置21を有する場合と同じように、一列分のデータを取得できる。
あるいは、埋設物探査システム10は、台車11が移動する方向とは異なる方向に移動可能な複数のレーダー探査装置21を有してよい。
【0010】
探査位置測定装置31は、台車11に搭載され、台車11とともに移動する。探査位置測定装置31は、台車11の移動によって移動するレーダー探査装置21の位置を測定する。探査位置測定装置31は、例えば、車輪12が回転した回数から台車11の移動距離を算出してもよいし、例えば加速度センサなどによって測定した加速度に基づいて台車11の移動方向や速度を算出してもよい。あるいは、全地球測位システム(GPS)受信機などの測位装置を用いて台車11の位置を測定してもよい。レーダー探査装置21が台車11に対して移動する場合、探査位置測定装置31は、台車11の絶対位置と、レーダー探査装置21の台車11に対する相対位置とから、レーダー探査装置21の絶対位置を算出してもよい。
【0011】
図2に示す推定システム40は、埋設物探査システム10が収集した情報に基づいて、地中に埋設された埋設管の位置を推定する。推定システム40は、例えばコンピュータであり、記憶装置が記憶したプログラムを処理装置が実行することにより、例えば畳み込みニューラルネットワークなどの人工知能を用いて、埋設管の位置を推定する。
推定システム40は、例えば、探索対象範囲の地中を所定の大きさの直方体(例えば一辺10cmの立方体)状の領域(直方体領域)に分割し、それぞれの直方体領域について、そのなかに埋設管が存在する確率を算出する。
また、推定システム40は、例えば、埋設管が存在する確率が高い領域が線状に連続している場合に、その範囲に亘って埋設管が存在すると推定する。
【0012】
同じく図2に示す推定結果表示システム50は、推定システム40が推定した推定結果を表示する。推定結果表示システム50は、例えばコンピュータであり、記憶装置が記憶したプログラムを処理装置が実行することにより、以下に説明する機能ブロックを実現する。推定結果表示システム50は、例えば、上面図作成部51と、上面図表示部52と、断面位置入力部53と、断面図作成部54と、断面図表示部55と、埋設管表示部56と、埋設管位置入力部57と、埋設管深さ推定部58と、意味付け入力部59とを有する。
【0013】
上面図作成部51は、推定システム40が推定した推定結果に基づいて、上面図画像を作成する。上面図画像は、図3に示すように、探索範囲を真上から見降ろした状態を表している。上面図画像は、例えば、ビットマップ画像であり、縦横に碁盤の目状に並んだ複数の画素(ピクセル)を有する。それぞれの画素は、水平面を所定の大きさの長方形(例えば一辺10cmの正方形)に分割したそれぞれの長方形領域に対応している。ここで、画素の明度は、その長方形領域の真下に埋設管が存在する確率を表す。例えば、明度が100%であれば、存在確率が100%であることを表し、明度が0%であれば、存在確率が0%であることを表す。また、画素の色相は、その埋設管の深さを表す。例えば、画素の色相が0度(赤)であれば、埋設管の深さが0cmであることを表し、色相が64度(緑)であれば、埋設管の深さが0.8mであることを表し、色相が128度(青紫)であれば、埋設管の深さが1.6mであることを表す。
上面図作成部51は、例えば、上述した長方形領域のそれぞれについて、推定システム40が推定した推定結果に基づいて、その長方形領域の真下にある複数の直方体領域を抽出する。そして、抽出した複数の直方体領域のなかから、推定システム40が推定した埋設管の存在確率が最も大きい直方体領域を選択する。上面図作成部51は、選択した直方体領域における埋設管の存在確率に基づいて、対応する画素の明度を設定する。また、選択した直方体領域の深さ方向の位置に基づいて、対応する画素の色相を設定する。
【0014】
上面図表示部52は、上面図作成部51が作成した上面図画像を、液晶ディスプレイなどの表示装置に表示する。
【0015】
断面位置入力部53は、マウスなどの入力装置を用いて、上面図作成部51が表示した上面図画像のなかで、利用者が垂直断面図を表示したい位置を入力する。
【0016】
断面図作成部54は、断面位置入力部53が入力した位置に基づいて、垂直断面図画像を作成する。垂直断面図画像は、断面位置入力部53が入力した位置を通る鉛直平面で探索範囲を切った断面を真横から見た状態を表している。なお、鉛直平面は、断面位置入力部53が入力した位置を通る鉛直平面のうち、所定の方向に平行な鉛直平面であってもよいし、利用者が選択した任意の方向に平行な鉛直平面であってもよい。また、断面図作成部54は、異なる複数の鉛直平面による複数の垂直断面図画像を作成してもよい。
断面図作成部54は、推定システム40が推定した推定結果に基づいて、例えば、上述した複数の直方体領域のなかから、断面位置入力部53が入力した位置に基づいて定まる鉛直平面と交わる複数の直方体領域を抽出し、抽出した直方体領域における埋設管の存在確率に基づいて、垂直断面図画像のなかの画素の明度を設定する。
【0017】
断面図表示部55は、断面図作成部54が作成した垂直断面図画像を、液晶ディスプレイなどの表示装置に表示する。
【0018】
埋設管表示部56は、推定システム40が推定した推定結果に基づいて、上面図表示部52が表示した上面図画像に重ねて、埋設管を示す線を表示する。また、埋設管表示部56は、推定システム40が推定した推定結果に基づいて、断面図表示部55が表示した断面図画像に重ねて、埋設管を示す印を表示する。
【0019】
埋設管位置入力部57は、例えば掘削やマンホールの位置などから埋設管表示部56が線や印を表示した位置と異なる位置に埋設管が存在することが判明している場合に、利用者が指定する実際の埋設管の位置を、マウスなどの入力装置を用いて入力する。
埋設管位置入力部57は、例えば、上面図表示部52が表示した上面図画像に重ねて埋設管表示部56が表示した線を利用者がドラッグアンドドロップすることによって移動させることにより、実際の埋設管の水平方向における位置を入力する。また、埋設管位置入力部57は、例えば、断面図表示部55が表示した断面図画像に重ねて埋設管表示部56が表示した印を利用者が移動させたり削除したり、新たな印を追加したりすることにより、実際の埋設管の断面内における位置を入力する。
埋設管表示部56は、上面図表示部52が表示した上面図画像に重ねて表示した線や断面図表示部55が表示した断面図画像に重ねて表示した印を、埋設管位置入力部57が入力した位置に移動させる。
埋設管位置入力部57が入力した埋設管の位置は、例えば、推定システム40にフィードバックして、推定システム40が推定に用いる人工知能に学習させてもよい。
【0020】
埋設管深さ推定部58は、埋設管位置入力部57が入力した埋設管の位置に基づいて、埋設管の深さ方向における位置を再計算する。例えば、埋設管表示部56が表示した線が上面図表示部52が表示した上面図画像と重なる複数の画素に対応する複数の長方形領域について、それぞれの長方形領域の真下にある複数の直方体領域を取得し、取得したすべての直方体領域の深さ方向の位置を、その直方体領域について推定システム40が推定した埋設管の存在確率で重み付けして平均することにより、修正された位置にある埋設管の深さ方向における位置を推定する。あるいは、埋設管が傾斜している可能性を考慮して、直方体領域の深さ方向の位置を埋設管の存在確率で重み付けして最小二乗法により直線近似してもよい。
埋設管表示部56は、断面図表示部55が表示した断面図画像に重ねて表示した印を、埋設管深さ推定部58が推定した位置に移動させる。
【0021】
意味付け入力部59は、推定システム40が推定した推定結果について、意味付け(アノテーション)を入力する。例えば掘削やマンホールの位置などから埋設管表示部56が線や印を表示した位置に埋設管が存在しないことが判明している場合に、利用者がマウスなどの入力装置を用いて「誤検出」チェックボックスをチェックするなどして、それが誤検出である旨を入力する。逆に、埋設管表示部56が線や印を表示した位置に埋設管が実際に存在していることが判明している場合に、利用者がマウスなどの入力装置を用いて「正解」チェックボックスをチェックするなどして、それが正解である旨を入力する。
意味付け入力部59が入力した意味付けは、例えば、推定システム40にフィードバックして、推定システム40が推定に用いる人工知能に学習させてもよい。
【0022】
次に、推定結果表示処理について説明する。
図4に示すとおり、推定結果表示処理は、例えば、データセット表示工程S11と、操作入力工程S12と、アップロード選択判定工程S21と、アップロード実行工程S22と、推論選択判定工程S31と、推論実行工程S32と、データセット選択判定工程S41と、詳細表示工程S42と、上面図選択判定工程S51と、断面図更新工程S52と、修正選択判定工程S61と、修正実行工程S62と、ダウンロード選択判定工程S71と、ダウンロード実行工程S72と、意味付け選択判定工程S81と、意味付け実行工程S82と、追加学習選択判定工程S91と、追加学習実行工程S92とを有する。
【0023】
最初に、データセット表示工程S11において、推定結果表示システム50は、登録されているデータセットの一覧を、液晶ディスプレイなどの表示装置の表示画面に表示する。その後、操作入力工程S12へ進む。
操作入力工程S12において、推定結果表示システム50は、利用者の操作を待ち、利用者の操作が入力されたら、アップロード選択判定工程S21へ進む。
【0024】
アップロード選択判定工程S21において、推定結果表示システム50は、操作入力工程S12で入力された利用者の操作が、例えばアップロードボタンのクリックなどアップロード処理を選択するものであるか否かを判定する。利用者の操作がアップロード処理の選択である場合は、アップロード実行工程S22へ進む。それ以外の場合は、推論選択判定工程S31へ進む。
アップロード実行工程S22において、推定結果表示システム50は、データセットのアップロード処理を実行する。その後、データセット表示工程S11に戻る。
【0025】
推論選択判定工程S31において、推定結果表示システム50は、操作入力工程S12で入力された利用者の操作が、例えば推論開始ボタンのクリックなど推論処理を選択するものであるか否かを判定する。利用者の操作が推論処理の選択である場合は、推論実行工程S32へ進む。それ以外の場合は、データセット選択判定工程S41へ進む。
推論実行工程S32において、登録されているデータセットに基づいて、推定システム40が埋設管の位置を推定する。その後、データセット表示工程S11に戻る。
【0026】
データセット選択判定工程S41において、推定結果表示システム50は、操作入力工程S12で入力した利用者の操作が、操作入力工程S12で表示したデータセットの一覧のなかから一つのデータセットを選択するものであるか否かを判定する。利用者の操作がデータセットを選択するものである場合は、そのデータセットを選択して、詳細表示工程S42へ進む。それ以外の場合は、既にデータセットを選択済であるか否かを判定する。既にデータセットを選択済である場合は、やはり、詳細表示工程S42へ進む。データセットが選択されていない場合は、データセット表示工程S11に戻る。
詳細表示工程S42において、推定結果表示システム50は、選択されたデータセットの詳細を表示する。例えば、上面図作成部51が生成した上面図画像を上面図表示部52が表示し、断面図作成部54が生成した断面図を断面図表示部55が表示し、それらに重ねて埋設管を表す線や印を埋設管表示部56が表示する。その後、上面図選択判定工程S51へ進む。
【0027】
上面図選択判定工程S51において、断面位置入力部53は、操作入力工程S12で入力した利用者の操作が、平面図上のいずれかの点をクリックするなど上面図上の点を選択するものであるか否かを判定する。利用者の操作が上面図上の点を選択するものである場合は、断面図更新工程S52へ進む。それ以外の場合は、修正選択判定工程S61へ進む。
断面図更新工程S52において、断面図作成部54は、操作入力工程S12で入力した利用者の操作によって選択された点に基づいて、詳細表示工程S42で表示した断面図を更新する。例えば、上面図選択判定工程S51で選択した点を含む平面で切断した断面図を表示する。その後、データセット表示工程S11に戻る。
【0028】
修正選択判定工程S61において、推定結果表示システム50は、操作入力工程S12で入力した利用者の操作が、例えば管位置修正ボタンをクリックするなど埋設管82の位置を修正する修正処理を選択するものであるか否かを判定する。利用者の操作が修正処理の選択である場合は、修正実行工程S62へ進む。それ以外の場合は、ダウンロード選択判定工程S71へ進む。
修正実行工程S62において、埋設管位置入力部57は、修正処理を実行する。例えば、上面図上に表示された埋設管を表す線をドラッグアンドドロップするなど、埋設管の位置を修正する利用者の操作を入力する。
埋設管位置入力部57は、入力した操作にしたがって、推定された埋設管82の水平方向における位置を修正する。埋設管深さ推定部58は、埋設管82の水平方向における位置の修正に伴って、埋設管82の深さを再計算する。埋設管表示部56は、上面図画像や断面図画像に重ねて表示した埋設管を表す線や印を移動させる。その後、データセット表示工程S11に戻る。
【0029】
ダウンロード選択判定工程S71において、推定結果表示システム50は、操作入力工程S12で入力した利用者の操作が、例えばダウンロードボタンをクリックするなどデータセットのダウンロード処理を選択するものであるか否かを判定する。利用者の操作がダウンロード処理の選択である場合は、ダウンロード実行工程S72へ進む。それ以外の場合は、意味付け選択判定工程S81へ進む。
ダウンロード実行工程S72において、推定結果表示システム50は、選択されているデータセットについて、ダウンロード処理を実行する。その後、データセット表示工程S11に戻る。
【0030】
意味付け選択判定工程S81において、意味付け入力部59は、操作入力工程S12で入力した利用者の操作が、例えばアノテーションボタンをクリックするなど意味付け処理を選択するものであるか否かを判定する。利用者の操作が意味付け(アノテーション)処理の選択である場合は、意味付け実行工程S82へ進む。それ以外の場合は、データセット表示工程S11に戻る。
意味付け実行工程S82において、意味付け入力部59は、選択されているデータセットについて意味づけ処理を実行する。例えば、推定システム40が推定した埋設管の位置など人工知能を使用して判定した結果について、それが正解であるか否かを利用者の操作によって入力する。推定結果表示システム50は、入力した意味付けをデータセットに追加して記憶する。その後、追加学習選択判定工程S91へ進む。
【0031】
追加学習選択判定工程S91において、意味付け入力部59は、意味付け実行工程S82で入力した意味付けに基づいて、人工知能に追加学習をさせるか否かを利用者に選択させる。利用者が追加学習を選択した場合は、追加学習実行工程S92へ進む。利用者が追加学習を選択しなかった場合は、データセット表示工程S11に戻る。
追加学習実行工程S92において、推定システム40は、意味付け実行工程S82で入力した意味付けに基づいて人工知能に追加学習をさせる。これにより、人工知能の判定精度が向上する。その後データセット表示工程S11に戻る。
なお、人工知能に追加学習させるか否かを利用者に選択させるのではなく、常に追加学習実行工程S92を実行してもよいし、所定の条件を満たしているか否かを判定し、条件を満たしている場合に追加学習実行工程S92を実行してもよい。
【0032】
以上のように、判定結果を上面図で確認する場合、明度で埋設管の存在確率を表現し、色相で埋設管の深度を表現する。これにより、単純にそれぞれの数値を文字として表示する場合のように判定結果ごとに数値を表示して数値まみれになってしまったり、判定結果が重なっている場合に数値が重なってしまったりして視認性が悪くなるのを防ぐことができる。
また、推定システムが推定した推定結果が誤っている場合に、上面図状態及び断面図状態での管位置を専門家視点で修正することができるので、管位置推定の正確性を向上できる。
【0033】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例である。本発明は、これに限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱することなく様々に修正し、変更し、追加し、又は除去したものを含む。これは、以上の説明から当業者に容易に理解することができる。
【符号の説明】
【0034】
10 埋設物探査システム、11 台車、12 車輪、21 レーダー探査装置、22 アンテナ、31 探査位置測定装置、40 推定システム、50 推定結果表示システム、51 上面図作成部、52 上面図表示部、53 断面位置入力部、54 断面図作成部、55 断面図表示部、56 埋設管表示部、57 埋設管位置入力部、58 埋設管深さ推定部、59 意味付け入力部、80 地面、81 埋設物、82 埋設管、S11 データセット表示工程、S12 操作入力工程、S21 アップロード選択判定工程、S22 アップロード実行工程、S31 推論選択判定工程、S32 推論実行工程、S41 データセット選択判定工程、S42 詳細表示工程、S51 上面図選択判定工程、S52 断面図更新工程、S61 修正選択判定工程、S62 修正実行工程、S71 ダウンロード選択判定工程、S72 ダウンロード実行工程、S81 意味付け選択判定工程、S82 意味付け実行工程、S91 追加学習選択判定工程、S92 追加学習実行工程。
図1
図2
図3
図4