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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128885
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】遊技場管理システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20230907BHJP
【FI】
A63F7/02 328
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022033541
(22)【出願日】2022-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129654
【弁理士】
【氏名又は名称】大池 達也
(72)【発明者】
【氏名】村瀬 暁美
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088CA02
2C088CA04
2C088CA11
2C088CA31
2C088CA35
(57)【要約】
【課題】打止間近となった遊技機の稼動状況を把握し、遊技機のリセットが可能な場合にはリセットすべきか否かを判断することができる遊技場管理システムを提供すること。
【解決手段】通常状態において所定の大当たり条件が成立したときに大当たり状態へ移行するとともに、遊技者が獲得した遊技価値の現在値が所定の上限値に達した時点で遊技不可能な打止状態へ移行する遊技機2を対象とする遊技場管理システム1は、遊技者が獲得した遊技価値の現在値と上限値との差が所定範囲内にある遊技機2を打止接近遊技機として特定すると共に、打止接近遊技機の遊技状態が通常状態であるか否かを判定し、通常状態にあると判定された打止接近遊技機の稼動状況を示す稼動データを表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常状態において所定の大当たり条件が成立したときに大当たり状態へ移行するとともに、遊技者が獲得した遊技価値の現在値が所定の上限値に達した時点で遊技不可能な打止状態へ移行するように構成された遊技機を対象とする遊技場管理システムにおいて、
前記現在値と前記上限値との差が所定範囲内にある遊技機を打止接近遊技機として特定する特定手段と、
この特定手段により特定された打止接近遊技機の遊技状態が前記通常状態であるか否かを判定する遊技状態判定手段と、
当該遊技状態判定手段により通常状態にあると判定された打止接近遊技機の稼動状況を示す稼動データを表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする遊技場管理システム。
【請求項2】
前記遊技状態判定手段により通常状態にあると判定された打止接近遊技機が稼動中及び非稼動中の何れであるのかを判定する稼動判定手段を備え、
前記表示手段は、前記稼動データに前記稼動判定手段による判定結果を含んで表示することを特徴とする請求項1に記載の遊技場管理システム。
【請求項3】
前記稼動判定手段により非稼動中であると判定された打止接近遊技機が、その後再稼動したか否かを判定する再稼動判定手段と、
前記稼動判定手段により非稼動中であると判定された打止接近遊技機の台数のうち、前記再稼動判定手段により再稼動したと判定された打止接近遊技機の台数の割合を算出する再稼動率算出手段と、を備えたことを特徴とする請求項2に記載の遊技場管理システム。
【請求項4】
前記遊技機は、前記遊技価値の現在値をゼロにリセットするリセット手段を備えたことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の遊技場管理システム。
【請求項5】
遊技者が獲得した遊技価値の現在値は、入賞により付与された遊技価値、又は入賞により付与された遊技価値と遊技で消費された遊技価値との差である差数、又は当該差数の最小値と当該差数の現在値との差、に基づいて特定することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の遊技場管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献1に記載されているように、いわゆる定量制の営業に適した遊技機が知られている。定量制の営業は、いわゆる打ち止めを採用する営業形態である。定量制の営業下では、出玉が上限に達した時点で、いわゆる打ち止めにより強制的に遊技が終了される。定量制の営業を実施すれば、1台の遊技機による過度な出玉を抑えることができ、射幸性を適度に抑えることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-108880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上限に近い状態で大当たりが終了したときには、再度大当たりが発生しても僅かな出玉しか期待できないことから、遊技続行の意欲が損なわれてそのまま遊技が終了されてしまう可能性が高いうえ、そのような上限に近い状態で放置された遊技機は、遊技しようとする遊技者が少ないという実情がある。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑み、打止間近となった遊技機の稼動状況を把握し、遊技機のリセットが可能な場合にはリセットすべきか否かを判断することができる遊技場管理システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遊技場管理システムは、通常状態において所定の大当たり条件が成立したときに大当たり状態へ移行するとともに、遊技者が獲得した遊技価値の現在値が所定の上限値に達した時点で遊技不可能な打止状態へ移行する遊技機を対象とするシステムである。
【0007】
本発明の遊技場管理システムは、遊技者が獲得した遊技価値の現在値と上限値との差が所定範囲内にある遊技機を打止接近遊技機として特定し、打止接近遊技機の遊技状態が通常状態であるか否かを判定する。そして、この遊技場管理システムは、通常状態にあると判定された打止接近遊技機の稼動状況を示す稼動データを表示する表示手段を備えている。
【0008】
本発明の遊技場管理システムは、遊技者が獲得した遊技価値の現在値が上限値の間近となった通常状態の遊技機の稼動データを確認することで、その後、その遊技機にて、どの程度の稼動が発生するのかを把握できる有用な管理システムである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】遊技場管理システムの構成を示すシステム図。
図2】パチンコ遊技機及び得点処理装置の正面図。
図3】パチンコ遊技機及び得点処理装置の電気的構成を示すブロック図。
図4】遊技情報表示装置の正面図。
図5】遊技情報表示装置の電気的構成を示すブロック図。
図6】管理装置が管理・表示する遊技機別データの説明図。
図7】管理装置が管理・表示する大当たり履歴データの説明図。
図8】管理装置が管理・表示する打止接近台データの説明図。
図9】管理装置が管理・表示する打止集計データの説明図。
図10】遊技情報表示装置による遊技中の表示画面の正面図。
図11】遊技情報表示装置による打止中の表示画面の正面図。
図12】遊技情報表示装置による打止リセット済の表示画面の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、通常状態において所定の大当たり条件が成立したときに大当たり状態へ移行するとともに、遊技者が獲得した遊技価値の現在値が所定の上限値(打止値という。)に達した時点で遊技不可能な打止状態へ移行する遊技機2を対象とする遊技場管理システム1に関する例である。この遊技場管理システム1では、遊技者が獲得した遊技価値の現在値が打止値の間近となった状態で放置された遊技機2の稼動データを確認することにより、その後どの程度の稼動が発生するのかを把握することが可能になっている。この内容について、図1図12を用いて説明する。
【0011】
本例の遊技場管理システム1を適用する遊技場では、パチンコ遊技機21やパチスロ遊技機(図示略)等の遊技機2に対して、遊技に必要な遊技価値を付与する得点処理装置4および遊技情報表示装置3等が個別に設置されている。さらに、2台の遊技機2毎に、中継装置109が1台ずつ設置されている。遊技場内の管理スペースには、遊技場内の各種機器を管理するための管理装置10が設置されている。また、遊技場には、図示しない景品交換カウンタが設けられ、遊技者が獲得した遊技価値を景品に交換するための景品交換端末が設置されている。
【0012】
管理装置10は、遊技場内に設置された全ての機器(遊技機2、得点処理装置4、遊技情報表示装置3など)の稼動状況を管理するコンピュータ装置である。管理装置10は、各機器の動作のために必要な各種の設定情報を、各機器に対して送信する。管理装置10は、各遊技機2の遊技状況を表す稼動データや、遊技者の遊技履歴データ、等を収集して記憶、管理する機能を備えている。
【0013】
遊技履歴データには、遊技者が所有する入金残高や、遊技者が獲得した遊技価値を表す得点数等が含まれる。遊技場では、遊技カードに対応付けて各遊技者の所有価値が管理されている。管理装置10は、遊技カードの識別情報であるカードIDを対応付けた遊技者の所有価値の情報を、カード情報として記憶している。
【0014】
中継装置109は、得点処理装置4及び遊技情報表示装置3と、管理装置10と、の間のデータ送受信を中継する端末装置である。上記の通り、中継装置109は、遊技機2台につき、1台ずつ設置されている。
【0015】
遊技情報表示装置3は、遊技機2毎に1台ずつ、個別に設置される表示装置である。この遊技情報表示装置3の設置場所は、対応する遊技機2の上方である。遊技情報表示装置3は、対応する遊技機2から出力される各種遊技情報に基づいて各種の表示用情報を作成し、表示する。なお、遊技情報表示装置3は、中継装置109経由で、対応する遊技機2の各種遊技情報を得点処理装置4から受信する。
【0016】
遊技機2は、パチンコ遊技機21や図示しないパチスロ遊技機などの遊技機である。遊技機2は、各種の遊技情報(消費遊技価値情報、付与遊技価値情報、大当たり発生情報など)を、得点処理装置4へ送信する。本例では、遊技価値である得点を消費して、遊技媒体である遊技球を発射して遊技される封入式のパチンコ遊技機21を、遊技機2の一例として例示する。パチンコ遊技機21では、いずれかの入賞口への遊技球の入賞に応じて、遊技価値をなす得点が付与される。パチンコ遊技機21における上記の消費遊技価値情報および付与遊技価値情報は、消費遊技点情報あるいは付与遊技点情報である。
【0017】
得点処理装置4は、各遊技機2に対して個別に設置され、遊技に必要な得点の付与処理や、得点を記録した遊技カード(図示しない記録媒体の一例)の発行処理など、得点に関する処理を行う装置である。この得点処理装置4は、遊技機2の側方、隣り合う遊技機2との間隙に配置される。なお、本例の説明では、計数済みの得点を「持点」、遊技に使用可能な状態にある得点を「遊技点」と称する。全得点数は、持点数と遊技点数との合計点数とする。
【0018】
遊技場では、各種機器が通信可能に接続された有線LAN等の場内ネットワーク100が構築されている。遊技機2と通信可能に接続された得点処理装置4や遊技情報表示装置3等が、中継装置109を介して場内ネットワーク100に接続されている。場内ネットワーク100では、得点処理装置4や遊技情報表示装置3等の遊技機2の周辺装置と、管理装置10と、の間の各種の通信が中継装置109を介して実現されている。
【0019】
次に、(A)遊技機及び得点処理装置の構成及び基本動作、(B)管理装置の構成及び管理データ、(C)遊技情報表示装置の構成及び表示画面、について順番に説明する。
【0020】
(A)遊技機及び得点処理装置の構成及び基本動作
遊技機2の一例であるパチンコ遊技機21(図2)は、遊技価値である遊技点(得点)を消費(使用)して遊技媒体である遊技球を発射して遊技される遊技機である。例示するパチンコ遊技機21は、特図始動口221への入賞に応じて大当たり抽選が実行され、大当たりに当選したときに大当たり図柄が表示されて大当たり状態が発生する、いわゆるセブン機である。
【0021】
パチンコ遊技機21は、図2に示すように、略円形状の遊技領域(遊技盤)210を有している。遊技領域210の上部、左右両側には装飾ランプ部242が設けられ、遊技領域210の下部、左側にはスピーカ241が配置されている。また、遊技領域210の下側には、情報表示部25が配設され、情報表示部25の右下には、操作ハンドル26が設けられている。
【0022】
情報表示部25は、液晶ディスプレイにより構成され、その表示画面には、大当たり回数や特図抽選回数など遊技に関する各種の遊技情報等、各種の情報が表示される。情報表示部25の表示画面は、シート状のタッチパネル251(図3)が積層されたタッチ操作が可能な表示画面となっている。表示画面へのタッチ操作に応じて、情報表示部25による表示内容を切替可能である。
【0023】
情報表示部25の表示画面には、得点処理装置4から受信した遊技点や、入賞に応じて付与された得点に基づく遊技点、などの累計の遊技点数が表示される。遊技点数は、遊技球を1個発射する毎に1点ずつ減算される一方、入賞口への遊技球の入賞に応じて所定の遊技点(得点)が加算される。パチンコ遊技機21では、この遊技点数がゼロになると遊技球を発射できなくなる。
【0024】
遊技領域210は、遊技媒体である遊技球が流下する領域である。遊技領域210では、図柄表示部24を含む表示装置が中心近くに配置され、入賞することなく流下した遊技球を回収するためのアウト孔225が最下部に設けられている。特図始動口221は、図柄表示部24の下側に配置され、特図始動口221とアウト孔225の中間には、大入賞口222が設けられている。
【0025】
遊技者側から向かって図柄表示部24の左側には通過ゲート式の普図始動口223等が配置されている。普図始動口223は、遊技球の通過を検知するためのゲートである。遊技球を通過させるのみの普図始動口223には、遊技球の払い出し(賞球)が設定されていない。普図始動口223により遊技球が検知されると、普通図柄の当否判定(以下、普図抽選という。)用の抽選用乱数が抽出され、普図抽選が実行される。普図抽選の当否は、図柄表示部24によって表示される。
【0026】
特図始動口221は、電動チューリップ(電動役物)を備え、特別図柄の当否判定(以下、特図抽選という。)の契機となる可変入賞口である。電動チューリップは、普図抽選での当選を契機として開放し、特図始動口221の入賞率を格段に高くする。特図始動口221に遊技球が入賞(始動入賞)すると、特図抽選用の抽選用乱数が抽出され、特図抽選(大当たり抽選)が実行される。
【0027】
図柄表示部24は、液晶ディスプレイにより図柄を変動表示する表示部である。図柄表示部24は、特図抽選の当否(抽選結果)を表示する特図表示部としての機能と、普図抽選の当否(抽選結果)を表示する普図表示部としての機能と、を有している。特図抽選にて当選すると、大入賞口222の開放を含む大当たりが発生する。
【0028】
パチンコ遊技機21は、図3のごとく主制御部20を中心として構成されている。主制御部20は、CPU(Central Processing Unit)201、記憶素子であるROM(Read Only Memory)202・RAM(Random Access Memory)204、及び入出力インタフェースをなすI/O(Input/Output)205等を備えている。
【0029】
RAM204の記憶領域には、発射可能な遊技球の球数を表す遊技点や、遊技者が獲得した遊技価値の現在値であって打止の判断対象となる得点数(後述する現在得点数)や、予め設定された打止値、等の記憶エリアが設けられている。RAM204を含む主制御部20は、遊技価値記憶手段としての機能や、打止値記憶手段としての機能を備えている。打止値は、後述の設定操作部23により設定される値である。
【0030】
なお、本例のパチンコ遊技機21は、いわゆる打止がある定量制モード、および打止がない無定量制モードのいずれかの動作モードを設定可能である。動作モードに対応するフラグデータの記憶エリアをRAM204の記憶領域に設けることも良く、十分に大きい打止値を設定することにより無定量制モードを設定することも良い。この場合には、動作モードに対応する記憶エリアを設ける必要がない。
【0031】
主制御部20に対しては、情報表示部25、タッチパネル251、演出制御部291、入賞した遊技球のセンサ293~295、特図始動口(電チュー)221を開放する特図始動ソレノイド296、大入賞口222を開放させる大入賞口ソレノイド297、及び電力供給のための電源回路部298、設定操作部23等が電気的に接続されている。さらに、主制御部20には、得点処理装置4との通信窓口をなすI/F部200が電気的に接続されている。
【0032】
演出制御部291には、スピーカ241を駆動するアンプ241Aや装飾ランプ部242が電気的に接続されているほか、図柄表示部24の表示画面を制御する表示制御部292が通信可能に接続されている。
【0033】
入賞した遊技球の検出センサとしては、特図始動口221への入賞を検出する特図入賞センサ293、普図始動口223の入賞を検出する普図入賞センサ294、及び大入賞口222への入賞を検出する大入賞センサ295がある。
【0034】
設定操作部23は、各種の設定を行うための操作部である。設定操作部23は、遊技機本体の内部に設けられ、遊技盤面を前方へ開放すると操作可能になる。設定操作部23によれば、大当たり確率が異なる例えば6段階の設定値のうちのいずれかを設定する設定操作や、打止値の設定操作や、打止の判断対象となる得点数(後述する現在得点数)をゼロリセットするためのリセット操作、などを行うことができる。なお、打止値については、管理装置10の制御により設定しても良い。リセット操作については、管理装置10による遠隔制御によって実行することも良い。
【0035】
パチンコ遊技機21は、遊技点を消費する遊技の実行に応じて各種の遊技情報を得点処理装置4へ送信する。パチンコ遊技機21が出力する遊技情報は、機種によって異なる様々な情報がある。例えば、本例のパチンコ遊技機21は、以下の各遊技情報を得点処理装置4へ送信する。パチンコ遊技機21が出力する遊技情報は、得点処理装置4経由にて、中継装置109、管理装置10、遊技情報表示装置3、等に送信される。
【0036】
・消費遊技点情報:遊技で消費された遊技点数を示す情報。
・付与遊技点情報:入賞により付与された遊技点数を示す情報。
・スタート情報:大当たり抽選が実行されたことを示す情報。
・大当たり情報:大当たり状態であることを示す情報。
・確変情報:確変状態であることを示す情報。
・打止情報:打止状態へ移行したことを示す情報。
・リセット情報:打止状態を解消しリセットしたことを示す情報。
【0037】
パチンコ遊技機21に個別に対応する得点処理装置4は、隣り合うパチンコ遊技機21との台間スペースに設置されている(図1参照。)。この得点処理装置4は、遊技球を発射する権利となる遊技点(得点)の付与機能(貸出機能)を備えている。
【0038】
得点処理装置4の前面(図2参照。)には、装置エラー等の作動状態を表示する状態ランプ41、紙幣挿入口420、液晶表示画面にタッチパネルが積層されタッチ操作可能な表示部43、代金引き落としに応じて遊技に必要な遊技点の貸出を受けるための貸出ボタン44、計数済みの得点である持点を遊技点に変換するための再遊技ボタン45、遊技カードの返却を求める返却ボタン46、カード挿入口470、等が配設されている。
【0039】
得点処理装置4は、図3のごとく、CPU401、ROM402、RAM403、I/O404等を備える制御部40を中心として電気的に構成されている。制御部40に対しては、上記の各構成のほか、紙幣処理部42、カード処理部47、I/F部400が電気的に接続されている。得点処理装置4は、I/F部400を介して中継装置109と通信可能であるほか、対応するパチンコ遊技機21と直接接続されている。
【0040】
続いてパチンコ遊技機21及び得点処理装置4の基本動作を説明する。パチンコ遊技機21は、対応する得点処理装置4から遊技点(得点)を受信すると、その遊技点数分の遊技球を発射できるようになる。パチンコ遊技機21は、遊技球を発射する毎に1玉ずつ遊技点数を減算する一方、入賞が発生した場合には、入賞に応じた得点を遊技点数に加算する。パチンコ遊技機21では、この遊技点数がゼロになった時点で、遊技球の発射ができなくなり遊技を継続できなくなる。
【0041】
パチンコ遊技機21では、操作ハンドル26を操作することで遊技領域210の左上に配置された図示しない発射装置から遊技球を発射できる。遊技球が特図始動口221へ入賞すると特図抽選(大当たり抽選)が実行され、図柄表示部24にて特図の図柄変動が開始される。
【0042】
特図抽選で当選した場合は、図柄表示部24にて、777などの大当たり図柄が停止表示されて大当たりが報知され、大当たり状態へ移行する。大当たり状態では、大入賞口222が規定回数開放されることにより、入賞率が大幅に向上する。
【0043】
なお、普図始動口223へ入賞すると普図抽選が実行され、普図の図柄変動が図柄表示部24で開始される。普図抽選に当選すると、図柄表示部24でその旨が報知されると共に、特図始動口221の電動チューリップが開放して特図始動口221への入賞が容易になる。
【0044】
パチンコ遊技機21の遊技状態としては、上記の大当たり状態のほか、通常状態、確変状態がある。確変状態は、通常状態よりも特図判定及び普図判定の当選確率が高まり、大当たりの期待度が高くなる熱い状態である。例示するパチンコ遊技機21では、大当たり状態の終了後、70%の確率で確変状態に移行し、30%の確率で通常状態に移行する。なお、パチンコ遊技機21の遊技中では、情報表示部25へのタッチ操作に応じて各種の遊技データ(大当たり回数、特図抽選回数など)の閲覧が可能である。
【0045】
パチンコ遊技機21では、上記のごとく、定量制モードおよび無定量制モードのうちのいずれかの動作モードを、遊技場側が任意に設定可能である。定量制モードは、遊技者が獲得した得点(遊技価値)の現在値が上限に達した時点で遊技を強制的に停止する動作モードである。無定量制モードは、営業開始から終了まで無制限に遊技できる動作モードである。
【0046】
定量制モードにおいては、遊技者が獲得した得点の現在値が所定の上限値である打止値に達した時点で打止となり、打止状態に移行する。打止状態は、遊技の続行が不可能な状態、すなわち遊技球を発射できない状態である。遊技者が獲得した得点の現在値は、例えば、営業開始時点からの付与点数から消費点数を差し引いた点数を差点数(差数の例示)としたときの最小差点数と、最新の差点数である差点数の現在値と、の差により特定される得点数である。以下、遊技者が獲得した得点の現在値を現在得点数という。なお、本例のパチンコ遊技機21では、上記の打止値として30000点が設定され、これにより、定量制モードが設定されている。無定量制モードを設定する際は、打止値として十分大きな値を設定すれば良い。
【0047】
打止状態において設定操作部23で所定のリセット操作が行われると現在得点数がゼロリセットされ、遊技可能状態へ復帰する。このように設定操作部23は、遊技者が獲得した遊技価値の現在値の一例である上記の現在得点数を、ゼロにリセットするリセット手段の一例をなしている。なお、上記のごとく、設定操作部23は、遊技機本体の内部に設けられているので、操作するためには、遊技盤面を前方へ開放する必要がある。
【0048】
パチンコ遊技機21での遊技を終了する際などでは、パチンコ遊技機21が記憶している遊技点数の計数を受ける必要がある。遊技点数の計数のためには、情報表示部25に表示される図示しない計数ボタンをタッチ操作(計数操作)すれば良い。計数操作に応じて遊技点が、得点処理装置4に送信され、遊技点数が減算される。短タッチの計数操作により遊技点が1点ずつ送信され、長タッチ(連続タッチ)の計数操作により遊技点が全点一括して送信される。得点処理装置4では、パチンコ遊技機21から受信した遊技点が持点へ変換される。パチンコ遊技機21が記憶している遊技点数は、得点処理装置4への送信完了に応じてゼロになる。
【0049】
得点処理装置4は、対応するパチンコ遊技機21から各種の遊技情報を受信して稼動データを集計し記憶すると共に、中継装置109経由にて随時、管理装置10及び遊技情報表示装置3へ稼動データを送信する。また、得点処理装置4は、遊技者の入金残高や持点数などの得点数等、遊技者の所有価値の情報についても随時、管理装置10へ送信する。なお、得点処理装置4は、管理装置10から各種設定情報(遊技機番号、機種名、得点単価など)を受信し、記憶する。
【0050】
得点処理装置4が集計する稼動データとしては、例えば、以下のデータがある。
(1)大当たり回数:大当たり状態の発生回数(連荘回数)。
(2)大当たり間スタート:直前の大当たり状態が終了してからの大当たり抽選回数であるスタート回数(只今スタート回数)。
(3)本日累計スタート:当日、開店後の累計スタート回数。
(4)持点数:遊技者が獲得した得点のうち、計数済みの得点である持点の点数。
(5)差点数:営業開始時点からの付与点数から消費点数を差し引いた点数。
【0051】
得点処理装置4は、紙幣を受け付けると、その紙幣の額を入金残高に加算して記憶する。なお、入金残高の上限は10000円となっている。遊技カードを受け付けたときは、その遊技カードの識別情報であるカードIDを対応付けて管理装置10が記憶しているカード情報と照合する。そして、得点処理装置4は、照合結果がOKのとき、そのカード情報に係る入金残高及び持点数を表示する。
【0052】
得点処理装置4は、貸出ボタン44の操作など遊技者の求めに応じて遊技者の入金残高、貯玉、持点を遊技点に変換し、対応するパチンコ遊技機21へ送信する。例えば貸出ボタン44が操作されたときには、一定金額(例えば1000円)ずつ遊技点(250点)に変換され、パチンコ遊技機21へ送信される。例えば再遊技ボタン45が操作されたときには、持点が250点ずつ遊技点へ変換され、パチンコ遊技機21へ送信されて持点による再プレイが可能になる(再プレイ処理)。
【0053】
得点処理装置4は、持点数、遊技点数、及び持点数と遊技点数との合計点数である全得点数、などの得点数を記憶、表示する。得点処理装置4は、対応するパチンコ遊技機21から得点の加算情報及び減算情報を受信し、記憶している得点数を更新する。そして、得点数の更新に応じて、得点数情報を中継装置109へ送信する。
【0054】
得点処理装置4は、入金残高及び持点の少なくとも何れか一方が存在する状態で返却ボタン46が操作されたときは、その入金残高及び持点数を遊技カードに記録して発行する。パチンコ遊技機21が記憶する遊技点数については、遊技カードには記録されず、遊技機側に記憶されたまま残る。なお、得点処理装置4は、カードストッカーを内蔵し、最大10枚の遊技カードをストック可能である。
【0055】
(B)管理装置の構成及び管理データ
管理装置10(図1)は、上記のごとく、遊技場に設置された各種機器を管理する装置である。特に本例の管理装置10は、定量制の営業下の遊技機2について、打止に関する各種の稼動データを表示可能である。
【0056】
管理装置10は、液晶ディスプレイ等のPCモニタや図示しないプリンタ等の出力手段、各種の演算処理を実行する装置本体、及びキーボード及び図示しないマウス等の入力手段等を含めて構成された装置である。装置本体は、各種信号あるいは情報を送受信する通信手段やハードディスクドライブなどの記憶手段などを有している。
【0057】
管理装置10は、得点処理装置4、遊技情報表示装置3、等から各種の遊技情報を受信する。管理装置10は、受信した遊技情報等に基づいて各種データを集計等により生成し、管理している。管理装置10は、遊技場経営に役立つ各種データをPCモニタに表示したりプリントアウトによる出力が可能である。
【0058】
管理装置10は、例えば以下の(1)~(9)の手段としての機能を実現する。
(1)稼動データ生成手段:遊技場に設置された各遊技機2の稼動データを生成する手段。
(2)現在値集計手段:遊技者が獲得した得点(遊技価値)の現在値を、現在得点数として集計する手段。上記のごとく、現在得点数は、例えば、営業開始時点からの付与点数から消費点数を差し引いた差点数の最小値である最小差点数と、現時点の差点数と、の差により特定される得点数である。
(3)上限値設定手段:打止により打止状態に移行する打止値(例えば30000点などの上限値)を設定する手段。
(4)特定手段:遊技者が獲得した得点の現在値の一例である上記の現在得点数と、打止値と、の差が所定範囲内にある遊技機2を打止接近遊技機として特定する手段。なお、本例では所定範囲として3000点が設定されている。
(5)遊技状態判定手段:打止接近遊技機の遊技状態が通常状態であるか否かを判定する手段。
(6)稼動判定手段:通常状態にあると判定された打止接近遊技機が稼動中及び非稼動中の何れであるのかを判定する手段。
(7)再稼動判定手段:非稼動中であると判定された打止接近遊技機が、その後再稼動したか否かを判定する手段。
(8)再稼動率算出手段:非稼動中であると判定された打止接近遊技機の台数のうち、再稼動したと判定された打止接近遊技機の台数の割合を算出する手段。
(9)表示手段:通常状態にあると判定された打止接近遊技機の稼動状況を表す稼動データを表示する手段。
【0059】
管理装置10による管理データについて説明する。管理データとしては、遊技機別データ(図6)、大当たり履歴データ(図7)、打止接近台データ(図8)、打止集計データ(図9)等がある。管理装置10は、これらの管理データをPCモニタに表示したり、プリントアウトする。以下、各管理データの内容について説明する。
【0060】
(遊技機別データ)
図6の遊技機別データは、遊技機2の識別情報である台番別に一覧表示される各遊技機2の稼動データである。同図中のデータ項目の内容は以下の通りである。
【0061】
・消費点数=遊技で消費した点数。発射した玉数に等しい。
・付与点数=入賞により付与された点数。
・スタート=通常状態における特図の変動回数(大当たりの抽選回数)。
・大当たり=大当たりの発生回数。
・打止=打止の発生回数。
・リセット=打止のリセット回数。
・現在得点数=差点数(付与点数-消費点数)の最小値と、差点数の現在値と、の差。
差点数の現在値が、差点数の最小値のとき、現在得点数は0となる。
・遊技不能=Y:打止状態(遊技不可能な状態)、N:遊技可能状態
【0062】
図6に例示する遊技機別データに基づけば、例えば、次のような稼動状況を把握できる。1番台は、打止が1回発生し、その後リセットされ現在稼動中である。3番台は、1回目の打止リセット後、2回目の打止が発生し、リセットされずに打止状態のままである。4番台は、打止まで残り僅か1019点(上値値30000点-現在得点数2891点=1019点)の状態にある打止接近遊技機である。
【0063】
(大当たり履歴データ)
図7の大当たり履歴データは、特定の遊技台について、大当たりの発生履歴を表すデータである。同図の大当たり履歴データは、例えば、台番123番の遊技機2のデータである。大当たり履歴データは、遊技場に設置された各遊技機2について個別に管理されている。同図中の状態は、大当たりが発生したときの遊技状態が、通常状態であるか確変状態であるかを示している。
【0064】
図7の大当たり履歴データによれば、打止に至るまでの大当たりの発生状況を把握できる。例えば同図の場合であれば、時刻10時5分に通常状態下で発生したNo.1の大当たりを契機として確変状態が連続的に発生していることが分かる。その後、確変状態下での大当たりが15回発生して、いわゆる16連荘となり、時刻11時55分に打止に至っている。
【0065】
(打止接近台データ)
図8の打止接近台データは、打止まで残り3000点以内である打止接近遊技機の台番を抽出し、各打止接近遊技機の稼動データを一覧で表示するデータである。打止接近台データによれば、打止が接近している遊技機2の稼動状況を確認できる。同図中の各項目は以下の通りである。
【0066】
・状態=現在の遊技状態(通常状態、確変状態、大当たり状態)
・稼動=N(非稼動)/Y(稼動)
入金残高及び得点数がゼロで、一定時間以上得点の消費が無い場合に非稼動(N)と判定される。
【0067】
図8の打止接近データによれば、例えば4番台は、打止まで残り1019点の状態で通常状態となり、稼動が停止していることがわかる。また、例えば11番台は、1回目の打止後にリセットされ、現在得点が27635点となっており、次回2回目の打止まで残り2365点であることがわかる。
【0068】
なお、管理装置10は、打止接近台データのうち、状態が「通常」の遊技台、「確変」の遊技台、稼動が「N」の遊技台、「Y」の遊技台を抽出して一覧で表示可能である。さらに、管理装置10は、打止接近台(打止接近遊技機)のうち通常状態で稼動が停止した後、再度一定以上の稼動が発生した台数、及び一定以上の稼動が発生しなかった台数、のそれぞれを特定し、それぞれの割合を算出することも可能である。
【0069】
(打止集計データ)
図9の打止集計データは、打止に関する各種の集計データを遊技機2の機種毎に表示するデータである。この打止集計データは、機種毎の打止の傾向を把握するのに役立つ。同図中の各項目は以下の通りである。
【0070】
・打止台数=合計台数のうち打止が1回以上発生した台数
・延べ台数=打止の延べ発生回数
・打止率=打止台数/合計台数(%)
・リセット=打止後にリセットした回数
・打止再遊技=リセットした台のうち2000点以上消費が発生した台数
・再遊技率=打止後遊技/リセット(%)
・再打止率=(延べ回数-打止発生台)/リセット(%)
【0071】
(C)遊技情報表示装置
遊技情報表示装置3(図1及び図4)は、対応する遊技機2に関する各種の情報を表示する装置である。遊技情報表示装置3は、管理装置10から各種の設定情報や対応する遊技機2に関する情報を受信すると共に、対応する遊技機2に関する各種の遊技情報を得点処理装置4から受信する。そして、遊技情報表示装置3は、受信した設定情報や遊技情報等に基づいて各種の表示用情報を作成して表示する。なお、遊技情報表示装置3は、中継装置109経由で、設定情報や遊技情報などを受信する。
【0072】
管理装置10から受信する設定情報としては、例えば、対応する遊技機2の機種名、識別情報となる台番号、大当たり確率や大当たり出玉数などの遊技性能、等の情報がある。得点処理装置4から受信する対応する遊技機2の遊技情報としては、例えば、大当たり抽選回数(スタート回数)、大当たりの発生回数、遊技点数や、持点数、等の情報がある。
【0073】
遊技情報表示装置3は、大型の液晶ディスプレイよりなる液晶表示部33を備えている。液晶表示部33の画面330の下側には、呼出ボタン341、リモコン受光部347、各種の操作ボタン群345、などが配置され、上半分を取り囲むようにランプ部32が配設されている。
【0074】
遊技情報表示装置3は、図5のごとく、制御部30を中心として電気的に構成されている。制御部30は、ソフトウェアを実行して各種演算を実施するCPU301、メモリ手段としてのROM302・RAM304、信号の入出力を行うI/O部305を含んでいる。制御部30に対しては、外部と信号の送受信を実行するI/F部308、液晶表示部33、従業員の呼出機能を有するランプ部32、呼出ボタン341、操作ボタン群345、及びリモコン受光部347、等が電気的に接続されている。
【0075】
遊技情報表示装置3は、以下の各手段としての機能を備えている。
(1)打止判定手段:遊技機2が打止状態へ移行したか否かを判定する手段。打止判定手段としての制御部30は、パチンコ遊技機21が出力する上記の打止情報に基づき、打止状態へ移行したか否かを判定する。
(2)リセット判定手段:現在得点数(現在値の例示)がリセットされたか否かを判定する手段。
(3)打止情報表示手段:上記の打止判定手段による判定結果に基づいて、打止状態の発生に関する打止情報を表示する手段。
(4)リセット情報表示手段:リセット判定手段による判定結果に基づいて、現在得点数のリセットに関するリセット情報を表示する手段。
(5)接近判定手段:現在得点数と打止値(上限値の例示)との差が所定範囲(本例では3000点)内に接近したか否かを判定する手段。
(6)打止予告情報表示手段:接近判定手段により現在得点数と打止値との差が所定範囲(本例では3000点)内に接近したと判定されたときに、遊技機2が打止状態へ移行することを予告するための打止予告情報を表示する手段。
【0076】
上記の各手段のうち、(1)、(2)、(5)の各手段は、例えばROM302から読み出したソフトウェアプログラムを、CPU301により実行することで、制御部30が実現する手段である。(4)及び(6)の各手段は、各種の情報を表示する液晶表示部33によって実現される手段である。
【0077】
遊技情報表示装置3は、対応する遊技機2の各種の遊技情報を表示可能である。遊技情報表示装置3による表示画面の構成や、表示内容について、以下、図10図12を参照して説明する。
【0078】
遊技情報表示装置3による画面330での表示として、遊技中の表示画面(図10)、打止状態下の表示画面(図11)、打止リセット済の表示画面(図12)を例示して説明する。図10図12の各表示画面は、画面仕様が共通である一方、遊技状況が異なっている。
【0079】
各表示画面の左端には、上から、本日大当たり回数表示欄361、前日大当たり回数表示欄362、前々日大当たり回数表示欄363、只今スタート表示欄364、累計スタート表示欄365が配置されている。そして、これらの表示欄の右側、上部には、いわゆるスランプグラフである差点数推移グラフを表示するグラフ表示欄360が配置され、その下側には、メッセージ表示欄368が配置されている。
【0080】
只今スタート表示欄364は、営業開始時点からのスタート回数であって、大当たり終了毎にゼロリセットされ積算が再開されるスタート回数である只今スタートの表示欄である。累計スタート表示欄365は、営業開始時点からのスタート回数の累計の表示欄である。
【0081】
差点数推移グラフは、営業開始時点からの差点数(付与点数-消費点数)の推移を折れ線のグラフ形式で表すものである。差点数推移グラフでは、最下点(最小差点数)と、現在の(直近の)差点数と、の差が、現在得点数として表示される。例えば、遊技中の表示画面(図10)では、現在得点数が26530点と表示されると共に、打止に至るまでの差点数である残り点数が3470点(30000点-26530点)と表示されている。なお、現在の差点数が最小である場合、現在得点数はゼロと表示される。
【0082】
遊技中の表示画面(図10)では、打止になる上限値である打止値が30000点である旨、現在得点数(26530点)、打止までの残り点数(3470点)、大当たり1回当りの平均差点数(1980点)、等のデータが、メッセージ表示欄368に表示される。
【0083】
打止中の表示画面(図11)では、現在得点数が30000点と表示されている。この30000点は、現在得点数の上限値である打止値であり、現在得点数が打止値に達したことで、打止となったことがわかる。また、打止中の表示画面(図11)では、打止状態になっており、遊技ができないことを知らせるメッセージがメッセージ表示欄368に表示される。
【0084】
打止リセット済の表示画面(図12)は、現在得点数がゼロにリセットされて遊技が可能となったときに表示される画面である。打止リセット済の表示画面のメッセージ表示欄368には、打止がリセットされ、遊技が出来るようになった旨を表すメッセージが表示される。
【0085】
以上の通り、本例の遊技場管理システム1は、通常状態において所定の大当たり条件が成立したときに大当たり状態へ移行すると共に、遊技者が獲得した遊技価値の現在値の一例である現在得点数が所定の上限値(本例では30000点の打止値を例示。)に達した時点で打止となり、遊技不可能な打止状態へ移行する遊技機2を対象とするシステムである。
【0086】
この遊技場管理システム1は、遊技者が獲得した遊技価値の現在値である現在得点数と打止値との差が所定範囲(本例では3000点)内にある遊技機2を打止接近遊技機として特定し、打止接近遊技機の遊技状態が通常状態であるか否かを判定する。そして、この遊技場管理システム1は、通常状態にあると判定された打止接近遊技機の稼動状況を示す稼動データを表示可能である。
【0087】
このように、本例の遊技場管理システム1は、遊技者が獲得した遊技価値の現在値である現在得点数が打止値の間近となった状態で放置された遊技機2の稼動データを確認することにより、その後どの程度の稼動が発生するのかを把握できる有用な管理システムである。
【0088】
また、本例の遊技場管理システム1は、通常状態にあると判定された打止接近遊技機が稼動中及び非稼動中の何れであるのかを判定する稼動判定手段を備えている。表示手段としての管理装置10は、稼動判定手段による判定結果を含む稼動データを表示可能である。残り点数が少なくなっている打止間近で大当たりが終了した場合、再度大当たりが発生しても見返りが小さいことから、打止まで遊技せずに遊技を止めてしまう遊技者が少なくないという実情がある。打止接近遊技機が稼動中か非稼動中かの判定結果を含む稼動データの表示があれば、打止接近遊技機の稼動率を把握できるようになり、その遊技機をリセットすべきか否かなど遊技場を管理する上での有用な指針を得ることができる。
【0089】
さらに、遊技場管理システム1は、稼動判定手段により非稼動中であると判定された打止接近遊技機が、その後再稼動したか否かを判定する再稼動判定手段と、稼動判定手段により非稼動中であると判定された打止接近遊技機の台数のうちの再稼動判定手段により再稼動したと判定された打止接近遊技機の台数の割合である再稼動率を算出する再稼動率算出手段と、を備えている。再稼動率が分かれば、遊技機が打止となった後の遊技の動向を把握できるようになる。
【0090】
遊技機2は、遊技価値の現在値である現在得点数をゼロにリセットするリセット手段を備えている。現在得点数をゼロにリセットすれば、打止遊技機を再稼動させることが可能となる。このように打止遊技機の再稼動を促進すれば、遊技場全体での遊技機の稼動率を向上できる。
【0091】
本例では、遊技者が獲得した遊技価値の現在値として、セーフ(付与点数)とアウト(消費点数)との差である差点数(差数)の最小値と、差点数の現在値との差、に基づいて特定される現在得点数を例示する。現在得点数によれば、打止のタイミングを精度高く特定できる。
【0092】
本実施形態の構成に代えて、あるいは加えて以下のような構成を採用することも良い。また、以下の各構成を適宜組み合わせて採用することも良い。
本例の構成では、遊技価値の現在値を、入賞により付与された点数(セーフ)と消費された点数(アウト)との差である差点数の最小値と、差点数の現在値と、の差により特定したが、これに限定されない。入賞により付与された点数(セーフ)の累計値や、入賞により付与された点数(セーフ)と消費された点数(アウト)との差、などを遊技価値の現在値としても良い。
【0093】
遊技機2が記憶している遊技価値の現在値(本例では現在得点数を例示。)を打止発生前にリセット可能としても良い。これにより、打止が接近している状態で稼動が停止している遊技台の現在値をリセットでき、遊技機2の稼動を促進できる。この場合、打止前にリセットした場合と、打止状態でリセットした場合と、で異なるリセット情報を出力することが望ましい。
【0094】
打止までの残り点数が所定値以下となったときに打止予告情報を出力するようにしても良い。また、大当たりが発生した時点で、その大当たり終了時点で予想される現在得点数である予測現在値を予測し、その予測現在値が打止値(上限値)を超える場合に打止予告情報を出力するようにしても良い。
【0095】
本例では、打止状態へ移行したときは遊技球の発射ができない構成を例示したが、打止状態は、通常の遊技が続行できない状態であれば良く、どのような状態でも良い。例えば、遊技球は発射できるが、入賞しても無反応である打止状態であっても良い。
【0096】
遊技情報表示装置3が表示可能な遊技情報の種類は本例に限定されない。遊技情報表示装置3は、様々な種類の遊技情報を表示できる。例えば、大当たりの発生確率、大当たりの初当たり回数、大当たりの連荘回数、直近1ヵ月の打止発生回数などを表示しても良い。
【0097】
本例では、遊技情報表示装置3を遊技機2の上方に付設したが、遊技機2の側方や下方であっても良いし、遊技機2に対して一体的に遊技情報表示装置3を付設しても良いし、さらには、遊技情報表示装置3の機能を遊技機2あるいは得点処理装置4に組み込むことも良い。
【0098】
本例では、得点処理装置4や遊技情報表示装置3が、中継装置109を介して管理装置10と通信する構成を例示している。これに代えて、中継装置109を設けることなく、遊技機2、得点処理装置4、遊技情報表示装置3及び管理装置10が各々直接通信する構成であっても良い。
【0099】
本例では、入賞に応じて遊技点を付与する封入式のパチンコ遊技機21を、遊技機の一例として例示したが、遊技機はこれに限定されない。入賞に応じて遊技玉を払い出す方式のパチンコ遊技機であっても良い。また、パチスロ遊技機やジャン球遊技機などであっても良い。遊技に使用される遊技価値は、電子的な得点の他、実体のある玉、メダルなどが相当する。
【0100】
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。
【符号の説明】
【0101】
1 遊技場管理システム
10 管理装置(稼動データ生成手段、現在値集計手段、上限値設定手段、特定手段、遊技状態判定手段、稼動判定手段、再稼動判定手段、再稼動率算出手段、表示手段)
100 場内ネットワーク
109 中継装置
2 遊技機
21 パチンコ遊技機
23 設定操作部(リセット手段)
3 遊技情報表示装置(打止判定手段、リセット判定手段、打止情報表示手段、リセット情報表示手段、接近判定手段、打止予告情報表示手段)
33 液晶表示部
330 画面
4 得点処理装置
420 紙幣挿入口
43 表示部
44 貸出ボタン
45 再遊技ボタン
46 返却ボタン
470 カード挿入口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12