IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パイオニア株式会社の特許一覧 ▶ 東北パイオニア株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-発光装置及びカラーフィルタ 図1
  • 特開-発光装置及びカラーフィルタ 図2
  • 特開-発光装置及びカラーフィルタ 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128891
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】発光装置及びカラーフィルタ
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/20 20060101AFI20230907BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20230907BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
G02B5/20 101
H05B33/14 A
H05B33/12 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022033558
(22)【出願日】2022-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000221926
【氏名又は名称】東北パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【弁理士】
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】赤木 正宣
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 真滋
【テーマコード(参考)】
2H148
3K107
【Fターム(参考)】
2H148BE13
2H148BE15
2H148BF25
2H148BG06
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB02
3K107CC43
3K107EE22
3K107EE23
3K107EE28
3K107FF15
(57)【要約】
【課題】光拡散層として機能可能なカラーフィルタの厚さを薄くする。
【解決手段】カラーフィルタ300の少なくとも一部分は、有機EL素子200の少なくとも一部分とZ方向に重なっている。カラーフィルタ300は、顔料(A)を含んでいる。顔料(A)の平均粒径は、0.60μm以上、好ましくは0.80μm以上、より好ましくは1.0μm以上である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光部と、
少なくとも一部分が前記発光部の少なくとも一部分と重なるカラーフィルタと、
を備え、
前記カラーフィルタが平均粒径0.60μm以上の顔料を含む、発光装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発光装置において、
前記顔料の前記平均粒径が0.80μm以上である、発光装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の発光装置において、
前記顔料がフタロシアニン系及びアゾ系からなる群から選択される少なくとも1つを含む、発光装置。
【請求項4】
平均粒径0.60μm以上の顔料を含むカラーフィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置及びカラーフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子を備える様々な発光装置が開発されている。例えば特許文献1に記載されているように、発光装置は、光拡散層を備えている。光拡散層は、光散乱粒子及び着色剤を含んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-198735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば特許文献1に記載されているように、光拡散層が光散乱粒子だけでなく着色剤を含有している場合、光拡散層はカラーフィルタとしても機能する。しかしながら、この場合、光拡散層の全体に対する着色剤の割合が光拡散層の全体に対する光散乱粒子の割合の分だけ減少する。このため、光拡散層をカラーフィルタとして機能させるために必要な質量の着色剤をカラーフィルタに含ませた場合、カラーフィルタの厚さが比較的厚くなることがある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題としては、光拡散層として機能可能なカラーフィルタの厚さを薄くすることが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、
発光部と、
少なくとも一部分が前記発光部の少なくとも一部分と重なるカラーフィルタと、
を備え、
前記カラーフィルタが平均粒径0.60μm以上の顔料を含む、発光装置である。
【0007】
請求項4に記載の発明は、
平均粒径0.60μm以上の顔料を含むカラーフィルタである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る発光装置の断面模式図である。
図2】変形例1に係る発光装置の断面模式図である。
図3】変形例2に係る発光装置の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書において「AがB上に位置する」という表現は、例えば、AとBの間に他の要素(例えば、層)が位置せずにAがB上に直接位置することを意味してもよいし、又はAとBの間に他の要素(例えば、層)が部分的又は全面的に位置することを意味してもよい。さらに、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」及び「後ろ」等の向きを示す表現は、基本的に図面の向きと合わせて用いるものであって、例えば本明細書に記載された発明品の使用する向きに限定して解釈されるものではない。
【0010】
本明細書において「A及びBが重なる」という表現は、特に断らない限り、ある方向からの投影像において、Aの少なくとも一部がBの少なくとも一部と同じ場所にあることを意味する。このとき複数の要素同士は直接接していてもよいし、又は離間していてもよい。
【0011】
本明細書中における陽極とは、発光材料を含む層(例えば有機層)に正孔を注入する電極のことを示し、陰極とは、発光材料を含む層に電子を注入する電極のことを示す。また、「陽極」及び「陰極」という表現は、「正孔注入電極」及び「電子注入電極」又は「正極」及び「負極」等の他の文言を意味することもある。
【0012】
本明細書において「Aの端」という表現は、一方向から見たときのAとその他の要素との境界を意味し、「Aの端部」という表現は、当該境界を含むAの一部の領域を意味し、「Aの端点」という表現は、当該境界のある一点を意味する。
【0013】
本明細書における「発光装置」とは、ディスプレイや照明等の発光素子を有するデバイスを含む。また、発光素子と直接的、間接的又は電気的に接続された配線、IC(集積回路)又は筐体等も「発光装置」に含む場合もある。
【0014】
本明細書において「接続」とは、複数の要素が直接的又は間接的を問わずに接続している状態を表す。例えば、複数の要素の間に接着剤又は接合部材が介して接続している場合も単に「複数の要素は接続している」と表現することがある。また、複数の要素の間に、電流、電圧又は電位を供給可能又は伝送可能な部材が存在しており、「複数の要素が電気的に接続している」場合も単に「複数の要素は接続している」と表現することがある。
【0015】
本明細書において、特に断りがない限り「第1、第2、A、B、(a)、(b)」等の表現は要素を区別するためのものであり、その表現により該当要素の本質、順番、順序又は個数等が限定されるものではない。
【0016】
本明細書において、各部材及び各要素は単数であってもよいし、又は複数であってもよい。ただし、文脈上、「単数」又は「複数」が明確になっている場合はこれに限らない。
【0017】
本明細書において、「AがBを含む」という表現は、特に断らない限り、AがBのみによって構成されていることに限定されず、AがB以外の要素によって構成され得ることを意味する。
【0018】
本明細書において「断面」とは、特に断らない限り、発光装置を画素や発光材料等が積層した方向に切断したときに現れる面を意味する。
【0019】
本明細書において「有さない」、「含まない」、「位置しない」等の表現は、ある要素が完全に排除されていることを意味してもよいし、又はある要素が技術的な効果を有さない程度に存在していることを意味してもよい。
【0020】
本明細書において、「~後に」、「~に続いて」、「~次に」、「~前に」等の時間的前後関係を説明する表現は、相対的な時間関係を表しているものであり、時間的前後関係が用いられた各要素が必ずしも連続しているとは限らない。各要素が連続していることを表現する場合、「直ちに」又は「直接」等の表現を用いることがある。
【0021】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0022】
図1は、実施形態に係る発光装置10の断面模式図である。
【0023】
図1において、Z方向を示す矢印は、当該矢印の基端から先端に向かう方向がZ方向の正方向であり、当該矢印の先端から基端に向かう方向がZ方向の負方向であることを示している。Z方向の正方向は、後述する基板100が位置する側から後述する有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子200が位置する側に向かう方向である。Z方向の負方向は、有機EL素子200が位置する側から基板100が位置する側に向かう方向である。
【0024】
実施形態に係る発光装置10は、基板100、有機EL素子200及びカラーフィルタ300を備えている。有機EL素子200は、陽極210、有機層220及び陰極230を有している。
【0025】
基板100は、透光性を有している。基板100は、単層であってもよいし、又は複数層であってもよい。基板100のZ方向の厚さは、例えば、10μm以上1000μm以下である。基板100は、例えば、ガラス基板である。基板100は、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルサルホン)、PET(ポリエチレンテレフタラート)、ポリイミド等の有機材料を含む樹脂基板であってもよい。基板100が樹脂基板である場合、基板100のZ方向の正方向側の面と、基板100のZ方向の負方向側の面と、の少なくとも一方上には、無機バリア層(例えば、SiN又はSiON)が位置していてもよい。
【0026】
陽極210は、基板100のZ方向の正方向側に位置している。陽極210は、透光性を有している。一例において、陽極210は、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、IWZO(Indium Tungsten Zinc Oxide)、ZnO(Zinc Oxide)、IGZO(Indium Gallium Zinc Oxide)等の酸化物半導体を含んでいる。ただし、陽極210に含まれる材料はこの例に限定されない。
【0027】
有機層220は、Z方向において陽極210及び陰極230の間に位置している。有機層220は、発光層を含んでいる。実施形態において、発光層は白色光を発する。ただし、発光層から発せられる光の色は、この例に限定されない。有機層220は、Z方向において陽極210及び発光層の間に正孔注入層及び正孔輸送層を適宜さらに含んでいてもよい。有機層220は、Z方向において陰極230及び発光層の間に電子注入層及び電子輸送層を適宜さらに含んでいてもよい。
【0028】
陰極230は、有機層220のZ方向の正方向側に位置している。陰極230は、遮光性、具体的には光反射性を有している。一例において、陰極230は、金属又は合金を含んでいる。金属又は合金は、例えば、Al、Au、Ag、Pt、Mg、Sn、Zn及びInからなる群の中から選択される少なくとも1つの金属又はこの群から選択される金属の合金である。ただし、陰極230に含まれる材料はこの例に限定されない。
【0029】
カラーフィルタ300の少なくとも一部分は、有機EL素子200の少なくとも一部分とZ方向に重なっている。有機層220から発せられた光は、陽極210及び基板100を透過してカラーフィルタ300に入射する。カラーフィルタ300は、有機層220から発せられた光の色を所定の色に変換している。カラーフィルタ300によって色が変換された光は、カラーフィルタ300のZ方向の負方向側の面からZ方向の負方向側に向けて出射されている。
【0030】
カラーフィルタ300のZ方向の厚さは、例えば、1μm以上50μm以下、好ましくは4μm以上15μm以下である。ただし、カラーフィルタ300のZ方向の厚さはこの例に限定されない。
【0031】
カラーフィルタ300は、少なくとも顔料(A)及びバインダ樹脂(B)を含んでいる。
【0032】
カラーフィルタ300は、カラーフィルタ300の総質量100質量部に対して、例えば、1質量部以上10質量部以下の顔料(A)を含んでいる。ただし、カラーフィルタ300に含まれる顔料(A)の量は、この例に限定されない。
【0033】
顔料(A)の色は、特に限定されない。顔料(A)の色は、例えば、赤色、緑色又は青色にすることができる。
【0034】
顔料(A)は、例えば、フタロシアニン系、アゾ系等からなる群から選択される少なくとも1つを含んでいる。
【0035】
顔料(A)の平均粒径は、0.60μm以上、好ましくは0.80μm以上、より好ましくは1.0μm以上である。顔料(A)の平均粒径の上限は、特に限定されないが、例えば、10μmである。顔料(A)の平均粒径は、例えば、レーザ回折式粒子径分布測定装置によって測定される。
【0036】
カラーフィルタ300は、カラーフィルタ300の総質量100質量部に対して、例えば、50質量部以上90質量部以下のバインダ樹脂(B)を含んでいる。ただし、カラーフィルタ300に含まれるバインダ樹脂(B)の量は、この例に限定されない。
【0037】
バインダ樹脂(B)は、例えば、アクリレート系樹脂等である。
【0038】
実施形態において、カラーフィルタ300は、光拡散層として機能している。具体的には、実施形態において、顔料(A)は、光散乱粒子として機能している。このため、有機層220から発せられた光は、カラーフィルタ300を通過する際に、顔料(A)によって散乱されている。したがって、実施形態においては、カラーフィルタ300が設けられていない場合と比較して、発光装置10の光取り出し効率を向上させることができる。
【0039】
また、実施形態においては、カラーフィルタ300に加えて光拡散層を設けることなく、有機EL素子200から発せられた光をカラーフィルタ300によって拡散することができる。このため、実施形態においては、カラーフィルタ300に加えて光拡散層が設けられている場合と比較して、発光装置10のZ方向の厚さを薄くすることができる。ただし、発光装置10には、カラーフィルタ300に加えて光拡散層が設けられていてもよい。
【0040】
さらに、実施形態において、カラーフィルタ300が顔料(A)に加えて光散乱粒子を含むことなく、有機EL素子200から発せられた光を顔料(A)によって散乱させることができる。このため、カラーフィルタ300が顔料(A)に加えて光散乱粒子を含んでいる場合と比較して、カラーフィルタ300の全体に対する顔料(A)の割合を大きくしやすくすることができる。したがって、カラーフィルタ300が顔料(A)に加えて光散乱粒子を含んでいる場合と比較して、カラーフィルタ300のZ方向の厚さを薄くすることができる。ただし、カラーフィルタ300は、顔料(A)に加えて光散乱粒子を含んでいてもよい。
【0041】
図2は、変形例1に係る発光装置10Aの断面模式図である。変形例1に係る発光装置10Aは、以下の点を除いて、実施形態に係る発光装置10と同様である。
【0042】
変形例1に係る有機EL素子200Aは、実施形態に係る有機EL素子200と同様にして、陽極210A、有機層220A及び陰極230Aを有している。陽極210Aは、有機層220AのZ方向の負方向側に位置している。陰極230Aは、有機層220AのZ方向の正方向側に位置している。
【0043】
変形例1に係るカラーフィルタ300Aは、Z方向において、基板100AのZ方向の正方向側の面と、陽極210AのZ方向の負方向側の面と、の間に位置している。変形例1に係るカラーフィルタ300Aは、実施形態に係るカラーフィルタ300と同様にして、顔料(A)を含んでいる。したがって、変形例1においても、実施形態と同様にして、カラーフィルタ300Aは、有機層220Aから発せられた光の色を変換している。カラーフィルタ300Aによって色が変換された光は、基板100Aを透過して、基板100AのZ方向の負方向側の面からZ方向の負方向側に向けて出射されている。
【0044】
変形例1においても、実施形態と同様にして、カラーフィルタ300Aは、光拡散層として機能している。また、変形例1においても、実施形態と同様にして、カラーフィルタ300Aに加えて光拡散層を設けることなく、有機EL素子200Aから発せられた光をカラーフィルタ300Aによって拡散することができる。さらに、変形例1においても、実施形態と同様にして、カラーフィルタ300Aが顔料(A)に加えて光散乱粒子を含むことなく、有機EL素子200Aから発せられた光を顔料(A)によって散乱させることができる。
【0045】
図3は、変形例2に係る発光装置10Bの断面模式図である。変形例2に係る発光装置10Bは、以下の点を除いて、実施形態に係る発光装置10と同様である。
【0046】
変形例2に係る有機EL素子200Bは、陽極210B、有機層220B及び陰極230Bを有している。陽極210Bは、有機層220BのZ方向の負方向側に位置している。具体的には、陽極210Bは、Z方向において、基板100BのZ方向の正方向側の面と、有機層220BのZ方向の負方向側の面と、の間に位置している。陽極210Bは、遮光性、具体的には光反射性を有している。陰極230Bは、有機層220BのZ方向の正方向側に位置している。具体的には、陰極230Bは、Z方向において、カラーフィルタ300BのZ方向の負方向側の面と、有機層220BのZ方向の正方向側の面と、の間に位置している。陰極230Bは、透光性を有している。
【0047】
変形例2に係るカラーフィルタ300Bは、陰極230BのZ方向の正方向側に位置している。変形例2において、有機層220Bから発せられた光は、陰極230Bを透過してカラーフィルタ300Bに入射している。変形例2に係るカラーフィルタ300Bは、実施形態に係るカラーフィルタ300と同様にして、顔料(A)を含んでいる。したがって、カラーフィルタ300Bは、有機層220Bから発せられた光の色を変換している。カラーフィルタ300Bによって色が変換された光は、カラーフィルタ300BのZ方向の正方向側の面からZ方向の正方向側に向けて出射されている。
【0048】
変形例2においても、実施形態と同様にして、カラーフィルタ300Bは、光拡散層として機能している。また、変形例2においても、実施形態と同様にして、カラーフィルタ300Bに加えて光拡散層を設けることなく、有機EL素子200Bから発せられた光をカラーフィルタ300Bによって拡散することができる。さらに、変形例2においても、実施形態と同様にして、カラーフィルタ300Bが顔料(A)に加えて光散乱粒子を含むことなく、有機EL素子200Bから発せられた光を顔料(A)によって散乱させることができる。
【0049】
以上、図面を参照して実施形態及び変形例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0050】
例えば、実施形態及び変形例では、有機EL素子が、カラーフィルタに入射する光を発する発光部となっている。しかしながら、実施形態及び変形例に係るカラーフィルタは、有機EL素子と異なる発光部にも適用可能である。例えば、有機EL素子に代えて、無機EL素子又は半導体発光ダイオード(LED)が発光部として設けられていてもよい。
【実施例0051】
本発明の一態様を以下の試料に基づいて説明する。ただし、本発明は、以下の試料に限定されない。
【0052】
表1は、試料1~試料5について、カラーフィルタに含まれる顔料の平均粒径とカラーフィルタのヘイズ値との関係を示す表である。表1において、「平均粒径(μm)」の列の各数値は、試料1~試料5の各々に係るカラーフィルタに含まれる顔料の平均粒径(単位:μm)を示している。表1において、「ヘイズ値(%)」の列の各数値は、試料1~試料5の各々に係るカラーフィルタのヘイズ値(%)を示している。
【表1】
【0053】
試料1~試料5の各々に係るカラーフィルタは、以下のようにして作製した。
【0054】
(試料1)
90質量部のバインダ樹脂と、10質量部の顔料と、をイソプロパノールに分散させた。バインダ樹脂は、ウレタンアクリレート系樹脂とした。顔料は、平均粒径1μmの不溶性アゾ顔料とした。顔料の平均粒径は、レーザ回折式粒子径分布測定装置によって測定した。バインダ樹脂及び顔料が分散されたイソプロパノールを、スピンコータを用いて塗布し、イソプロパノールを乾燥させた。これによって、厚さ4μmのカラーフィルタを作製した。
【0055】
(試料2~試料5)
試料2~試料5の各々に係るカラーフィルタは、カラーフィルタに含まれる顔料の平均粒径を表1に示したとおりにした点を除いて、試料1に係るカラーフィルタと同様とした。
【0056】
試料1~試料5の各々に係るカラーフィルタついて、JIS-K-7136に準じた方法によってヘイズ値を測定した。試料1~5の各々に係るカラーフィルタのヘイズ値は、表1に示すようになった。
【0057】
表1に示すように、カラーフィルタに含まれる顔料の平均粒径が大きくなるほど、ヘイズ値が大きくなるといえる。カラーフィルタを一般的な光拡散層として機能させるためには、カラーフィルタのヘイズ値が凡そ80%程度以上であることが望ましい。したがって、カラーフィルタに含まれる顔料の平均粒径は、0.60μm以上、好ましくは0.80μm以上、より好ましくは1.0μm以上にすることができる。
【符号の説明】
【0058】
10 発光装置
10A 発光装置
10B 発光装置
100 基板
100A 基板
100B 基板
200 有機EL素子
200A 有機EL素子
200B 有機EL素子
210 陽極
210A 陽極
210B 陽極
220 有機層
220A 有機層
220B 有機層
230 陰極
230A 陰極
230B 陰極
300 カラーフィルタ
300A カラーフィルタ
300B カラーフィルタ
図1
図2
図3