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特開2023-128927ハイブリッド・ティー・ローズ花弁抽出物の乳酸菌発酵物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128927
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】ハイブリッド・ティー・ローズ花弁抽出物の乳酸菌発酵物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/9789 20170101AFI20230907BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20230907BHJP
   A61K 8/99 20170101ALI20230907BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20230907BHJP
   A61Q 1/02 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
A61K8/9789
A61Q19/00
A61K8/99
A61Q19/10
A61Q1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022033617
(22)【出願日】2022-03-04
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】591230619
【氏名又は名称】株式会社ナリス化粧品
(72)【発明者】
【氏名】上田 浩士
(72)【発明者】
【氏名】森田 哲史
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 裕太
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA031
4C083AA032
4C083AA082
4C083AA111
4C083AA112
4C083AA122
4C083AB032
4C083AB242
4C083AB312
4C083AB352
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC072
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC132
4C083AC182
4C083AC242
4C083AC372
4C083AC422
4C083AC432
4C083AC442
4C083AC482
4C083AC582
4C083AC792
4C083AC842
4C083AD092
4C083CC04
4C083CC12
4C083CC13
4C083CC23
4C083CC25
4C083DD17
4C083DD31
4C083DD41
4C083EE10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】バラ花弁の抽出物を配合した皮膚外用剤を塗布した際の細胞毒性に起因する肌への刺激や炎症、痛みを解決する手段を提供することにある。
【解決手段】ハイブリッド・ティー・ローズの花弁抽出物を乳酸菌により発酵させて得られる発酵物を含有した皮膚外用剤を用いることにより上記課題を解決した。
【効果】本願発明によると、発酵前に有するバラ花弁の抽出物の効果を維持しつつ、かつ細胞毒性が低い発酵物および皮膚外用剤が提供される。これによりバラ花弁の抽出物の効果を維持したバラ花弁抽出物の乳酸菌発酵物の高配合が可能となり、従来の効果よりも高い効果を発揮させることができる。また、敏感肌の人や乳幼児でもバラ花弁の抽出物の効果を維持したバラ花弁抽出物の乳酸菌発酵物を配合した製剤を使用することが可能となる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッド・ティー・ローズの花弁抽出物の乳酸菌発酵物。
【請求項2】
前記ハイブリッド・ティー・ローズが、レディラック、ゴールデンハート、パパメイアン、オクラホマ、紫香、ダブルデライト、ケイハキタミ、正雪から選ばれる1種または2種以上の花弁抽出物の乳酸菌発酵物。
【請求項3】
前記乳酸菌発酵物が低細胞毒性である請求項1又は請求項2に記載の乳酸菌発酵物。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の発酵物を含有した皮膚外用剤。
【請求項5】
ハイブリッド・ティー・ローズの花弁抽出物による細胞毒性を低下させるための乳酸菌の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明はハイブリッド・ティー・ローズの花弁抽出物を乳酸菌で発酵させて得られる発酵物に関し、更に詳しくは、花弁抽出物に比べて低細胞毒性の発酵物および前記発酵物を含有する皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
バラは、バラ科バラ属に分類される植物の総称であり、多様な種が存在する。一つの分類として野生種とそれらが交配されて生まれた栽培品種が存在する。野生種として、西洋バラ(Rosa centifolia)、ダマスクバラ(Rosa damask)、カニナバラ(Rosa canina)等が知られており、栽培品種として主にハイブリッド・ティー・ローズ(Rosa hybrida)が知られている。現在数万種にも及ぶと言われるバラの栽培品種を遺伝的に分類することは難しいが、セイヨウバラを起源とするハイブリッド・パーペチュアル・ローズと四季咲き性質をもつ中国原産の野生種であるコウシンバラ(Rosa chinensis)との交雑種から派生した四季咲き性質をもつ栽培品種が総称してハイブリッド・ティー・ローズと呼ばれている。近年観賞用として利用されているバラの多くがハイブリッド・ティー・ローズである(非特許文献1)。
【0003】
ハイブリッド・ティー・ローズは観賞用としてだけではなく特徴的な香りを楽しむため、芳香水としても利用されている。ハイブリッド・ティー・ローズの花弁は西洋バラ等の野生種の花弁とは異なる香りを有しており、特徴的な香り成分として1、3-ジメトキシ-5-メチルベンゼンが共通して含まれていることが知られている(非特許文献2)。また、この1、3-ジメトキシ-5-メチルベンゼンが鎮静作用をもつことが知られている(特許文献1)ことからハイブリッド・ティー・ローズ品種全般の花弁の香りにリラックス効果があると考えられている。前記のようにハイブリッド・ティー・ローズには品種全般に共通して含まれる成分が存在することから共通の交配親から派生したグループであると認識されている。
【0004】
香りだけではなく、バラ花弁の抽出物は古くから人体に対して有用な作用をもつことが報告されている。例えば、特許文献2には西洋バラ花弁の抽出物がカルボニル化タンパクの生成を抑制する効果をもつことが記載されている。特許文献3にはバラ属植物の花弁抽出物がムコ多糖類断片化抑制効果、スーパーオキサイドディスムターゼ様作用を示す活性酸素消去剤として有効であることが記載されている。また、特許文献4には、美白用皮膚外用剤として西洋バラの抽出物が有効であることが記載されている。特許文献5にはエラスターゼ活性阻害剤、抗酸化剤、コラゲナーゼ活性阻害剤としてハイブリッド・ティー・ローズの抽出物が有効であることが記載されている。
【0005】
一方、バラ花弁の抽出物は上記のような有用な効果が確認されているものの、皮膚へ外用剤として利用する際、バラ花弁の抽出物を高濃度で外用剤へ配合することによってその外用剤の細胞への毒性(細胞毒性)が高まり、その結果、肌へ刺激や痛みを与えることが問題となっていた。そのため、高配合により細胞毒性に起因する肌への刺激や炎症、痛みを伴い、特に敏感肌の人やバリア機能が不十分で刺激に弱い乳幼児に使用できなかった。通常、バラ花弁の抽出物を蒸発残分に換算して0.01質量%以上配合した外用剤を使用する場合に上記の問題が生じることがある。このように、バラ花弁の抽出物による効果を十分に発揮させるために高配合したくても、高配合すると細胞毒性が現れるジレンマを解消する課題があった。
【0006】
乳酸菌は代謝により乳酸を産生する細菌類の総称であり、ヨーグルト、漬物、乳酸菌飲料などの食品の発酵に寄与している。ブドウ糖を分解して乳酸を生成し、環境のpHを下げることで腐敗や食中毒の原因になる微生物の繁殖を抑えて食品の長期保存を可能にする効果が知られている。食品への利用のみならず、特許文献6には、西洋バラ花弁またはその抽出物を乳酸菌で発酵することで抗アレルギー効果及び美白効果が増強されることが記載されている。一方で、乳酸菌発酵物の問題点として、乳酸菌の代謝物が細胞毒性を示すことが知られている(非特許文献3)ため、西洋バラの乳酸菌発酵物では発酵前よりも細胞毒性が高まることから利用には制限があった。また、ハイブリッド・ティー・ローズについては乳酸菌発酵の例すら知られておらず、前記西洋バラ花弁の発酵物について抗アレルギー効果は知られているものの、アレルギーとは作用機序の異なる細胞毒性を低下させる効果については全く知られていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平06-172781号公報
【特許文献2】特開2009-298726号公報
【特許文献3】特開平7-309770号公報
【特許文献4】特開2002-029959号公報
【特許文献5】特開2011-236147号公報
【特許文献6】特開2010-270152号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】塚本 洋太郎 園芸植物大事典 1994
【非特許文献2】Perfumer & Flavarist Volume12,1987
【非特許文献3】BioMed Research International.D-Lactic Acid as a Metabolite: Toxicology, Diagnosis, and Detection 1-9,2020(2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
バラ花弁の抽出物を配合した皮膚外用剤を塗布した際の細胞毒性に起因する肌への刺激や炎症、痛みを解決する手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討を行った結果、ハイブリッド・ティー・ローズの花弁抽出物を乳酸菌により発酵させて得られる発酵物を用いることにより上記課題を解決した。
【発明の効果】
【0011】
本願発明によると、発酵前に有するバラ花弁の抽出物の効果を維持しつつ、かつ細胞毒性が低い発酵物および皮膚外用剤が提供される。これによりバラ花弁の抽出物の効果を維持したバラ花弁抽出物の乳酸菌発酵物の高配合が可能となり、従来の効果よりも高い効果を発揮させることができる。また、敏感肌の人や乳幼児でもバラ花弁の抽出物の効果を維持したバラ花弁抽出物の乳酸菌発酵物を配合した製剤を使用することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本願発明について詳細に説明する。
【0013】
本願発明で用いられるハイブリッド・ティー・ローズは四季咲き性質をもつバラの栽培品種でありハイブリッド・ティー・ローズ(Rosa hybrida)に分類されるバラであれば特に限定されない。例えば、桃色系統のレディラック、カリナ、シャーロットアームストロング、コンフィダンス、デインティー・ベス、ファーストプライズ、ミシェルメイヤン、桃山、オフェリア、ロイヤルハイネス、ソニア、黄色系統のケイハキタミ、ゴールデンハート、アールスメノールゴールド、天津乙女、アーリンフランシス、ゴールデンマスターピース、ゴールデンラブチェア、ゴールデンセプター、ヘルムートシュミット、ピース、赤色系統のパパメイアン、オクラホマ、シャルルマルラン、クリスチャンディオール、クライスラーインペリアル、クリムゾングローリー、イナハークネス、グランドマスターピース、ハピネス、ジョンウォータラー、シッドデヴィル、バッカラ、ドゥフトヴォルケ、レディーローズ、朱雀、サマーホリデー、スーパースター、白色系統の正雪、ブランシュマルラン、ホナー、メサージュ、パスカリ、ヴィルゴ、ホワイトクリスマス、ホワイトマスターピース、キャラメルアンティーク、紫色系統の紫香、ブラックティー、ブルームーン、グレーパール、レディーエクス、マダムヴィオレ、スターリングシルヴァー、複色系統のダブルデライト、ブラックゴールド、ガーデンパーティー、コルデスパーフェクタ、聖火、コロラマ、ケーニヒンデルローゼン、ラブ、モダンタイムズ、ピカデリー、ツィガヌ等を用いることができる。入手しやすさ、花弁の採花可能重量などの産業利用上の利点から、特にレディラック、ケイハキタミ、ゴールデンハート、パパメイアン、オクラホマ、正雪、紫香、ダブルデライトを用いることが好適である。また上記の系統から交雑で生み出された交雑品種についても同様に用いることができる。本願発明のハイブリッド・ティー・ローズの名称は市場で流通する際に命名される販売名、商品名や種苗法で登録される品種登録名、商標法で登録される商標などの複数の名称が存在する場合があるが、ハイブリッド・ティー・ローズに分類される限り、上記の例示の名称に限られない。
【0014】
本願発明の発酵物は、ハイブリッド・ティー・ローズの花弁抽出物(以後、ハイブリッド・ティー・ローズ抽出物と称する)を、乳酸菌によって発酵させて得られる発酵物(以後、ハイブリッド・ティー・ローズ発酵物と称する)である。もっとも、工業生産上、作業上等の理由により、調製の過程で花弁以外の部分(例えば、萼、花糸、葯、柱頭、花柱、子房、胚珠、花柄、花枝)が多少含まれることは差し支えない。
【0015】
乳酸菌による発酵に供するハイブリッド・ティー・ローズ抽出物の調製方法は、特に限定されないが、例えば、ハイブリッド・ティー・ローズの花弁を溶媒で抽出することによって調製することができる。また、ハイブリッド・ティー・ローズの花弁を圧搾・真空乾燥などの方法を用いて、ハイブリッドローズの花弁自体に含まれる水を抽出した液体をハイブリッド・ティー・ローズ抽出物として用いることもできる。
【0016】
ハイブリッド・ティー・ローズ抽出物を得るための溶媒は、特に限定されないが、例えば、水(精製水等)もしくはグルコース水溶液、無機塩の水溶液(塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、炭酸アンモニウム等)、緩衝液(リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、トリス-塩酸緩衝液、炭酸緩衝液、ホウ酸緩衝液等)、無機酸の水溶液(塩酸、炭酸、硫酸、硝酸、リン酸等)、有機酸の水溶液(酢酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、アスコルビン酸、フマル酸、リンゴ酸等)、界面活性剤の水溶液(サポニン、レシチン等)、低級アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等)、ケトン類(アセトン、エチルメチルケトン等)、炭化水素類(プロパン、ブタン、ヘキサン、シクロヘキサン等)、エーテル類(ジエチルエーテル等)、グリコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン等)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、1,1,2-トリクロロエテン等)、酢酸エステル類(酢酸エチル、酢酸メチル等)またはこれらの混液等を用いることができる。ハイブリッド・ティー・ローズの花弁と溶媒との混合比(重量比)は、花弁の乾燥重量換算で一般に1:1~1:1000、好ましくは1:5~1:100、より好ましくは1:10~1:50の範囲である。
【0017】
ハイブリッド・ティー・ローズ抽出物を得るための抽出工程は、特に限定されないが、例えば次の方法で行うことができる。まず、抽出しようとするハイブリッド・ティー・ローズの花弁を前記溶媒に浸漬、または分散させる。この場合、花弁は生のまま用いても、また予め乾燥もしくは半乾燥した上で用いてもよい。また、形状としては、特に限定されないが、採取したものをそのまま用いても、細断あるいは粉砕して微細化したものを用いてもよい。抽出工程は、ハイブリッド・ティー・ローズの花弁を溶媒に浸漬、または分散させるだけで十分であり、抽出時間は特段設ける必要はないが、花弁の腐敗等が生じない程度に一定時間の抽出時間を適宜設けてもよい。抽出温度は特に限定されないが、室温(20℃~30℃)、加温(30℃~100℃)条件など適宜設けてもよい。得られたハイブリッド・ティー・ローズ抽出物は発酵工程に供する前に、ろ過あるいは遠心分離等の固液分離手段によって液相を分取し、浸漬、または分散させた花弁等を取り除くのが好ましいが、発酵工程において障害にならなければ、本固液分離工程を省いても差し支えない。ハイブリッド・ティー・ローズ抽出物は調製後、そのまま発酵に用いてもよいし、常法に従って精製処理を施した上で用いてもよいし、必要ならば希釈もしくは濃縮によって適宜の濃度とした上で用いてもよい。場合によっては、固液分離後の液相を、スプレードライ法、凍結乾燥法等、常法に従って固体化し、さらに必要に応じて粉砕して粉末状とした上で用いてもよい。
【0018】
前記の方法で調製したハイブリッド・ティー・ローズ抽出物は、これを発酵工程に供する前に、必要に応じて殺菌を行って発酵の障害となる雑菌を除去することが好ましい。この場合、雑菌除去方法としては、供する花弁を予め殺菌用エタノール等で洗浄殺菌した上、無菌溶媒で抽出する方法や、花弁を溶媒で抽出し、抽出物を得た後、加熱殺菌する方法を用いるようにしてもよい。加熱殺菌法としては、105~121℃で10~20分間加熱するオートクレーブ殺菌法や、80~90℃に60~120分間保持することを1日1回2~3日間繰り返す間断殺菌法が一般に用いられる。もっとも、本殺菌工程は必須工程ではない。次工程の発酵工程において障害にならなければ、本殺菌工程を省いても差し支えない。
【0019】
本願発明で発酵に用いる乳酸菌は、特に限定されないが、汎用性の観点から、ラクトバシルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)を用いることが好ましい。発酵工程に供する前に基本培地で前培養しておくことが好ましい。この段階での培養は、乳酸菌が生育できれば常法通りで差し支えない。乳酸菌の基本培地の組成としては、最低限の炭素源と窒素源とリン源を含んでいれば十分であるが、例えば、310-9培地やMRS培地等の、乳酸菌全体の良好な生育を示す培地として開発された培地を用いるのが好ましい(310-9培地組成:ペプトン2.5g、牛肉エキス2.5g、酵母エキス5g、グルコース20g、Tween80 1g、KHPO 2g、酢酸ナトリウム5g、クエン酸二水素アンモニウム2g、MgSO・7HO 0.2g、MnSO・nHO 0.05g、精製水1L)(MRS培地組成:ペプトン10g、牛肉エキス10g、酵母エキス5g、グルコース20g、Tween80 1g、KHPO 2g、酢酸ナトリウム5g、クエン酸二アンモニウム2g、MgSO・7HO 0.2g、MnSO・nHO 0.05g、精製水1L)。前記以外の培地組成であっても、乳酸菌が資化・増殖できる物質であれば、本願発明に適用しても問題ない。さらに、基本培地には無機塩の水溶液(塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、炭酸アンモニウム等)もしくは緩衝液(リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、トリス-塩酸緩衝液、炭酸緩衝液、ホウ酸緩衝液等)、無機酸の水溶液(塩酸、炭酸、硫酸、硝酸、リン酸等)、有機酸の水溶液(酢酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、アスコルビン酸、フマル酸、リンゴ酸等)、界面活性剤の水溶液(サポニン、レシチン等)、低級アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等)、ケトン類(アセトン、エチルメチルケトン等)、炭化水素類(プロパン、ブタン、ヘキサン、シクロヘキサン等)、エーテル類(ジエチルエーテル等)、グリコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン等)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、1,1,2-トリクロロエテン等)、酢酸エステル類(酢酸エチル、酢酸メチル等)またはこれらの混液等を添加することができるが、添加する場合は乳酸菌の生育に影響しない範囲での添加が好ましい。さらに、後の発酵工程において、乳酸菌の発酵に影響しない範囲の濃度で上記各種成分が溶媒に含まれていてもよい。
【0020】
ハイブリッド・ティー・ローズ発酵物を得るための発酵工程は、特に限定されないが、前記の方法で調製したハイブリッド・ティー・ローズ抽出物へ乳酸菌を接種し、発酵培養することができる。乳酸菌の接種量は、特に限定されないが、好適には抽出物に対し10~1010個/mLの範囲である。発酵温度は特に限定されないが、一般に5~50℃の範囲、好ましくは乳酸菌の生育至適温度である25~40℃の範囲である。発酵日数は、特に限定されないが、例えば至適温度において一般に1~15日、好ましくは3~10日の範囲である。発酵培養は静置で行えば十分であるが、発酵時間の短縮等の為、振とう培養、通気培養を行うことも可能である。以上の発酵処理が終了したならば、発酵を停止させる為、上記条件で発酵工程を経た発酵培養液に80~120℃で15~120分程度の加熱殺菌処理を施すことが好ましい。殺菌処理後の発酵培養液を、これをそのまま、あるいは一般かつ好適にはろ過あるいは遠心分離等の固液分離手段によって液相を分取し、発酵物とすることができる。
【0021】
ハイブリッド・ティー・ローズ発酵物は調製後、そのまま用いてもよいし、常法に従って精製処理を施した上で用いてもよいし、必要ならば希釈もしくは濃縮によって適宜の濃度とした上で用いてもよい。場合によっては、固液分離後の液相を、スプレードライ法、凍結乾燥法等、常法に従って固体化し、さらに必要に応じて粉砕して粉末状とした上で用いてもよい。
【0022】
ハイブリッド・ティー・ローズ発酵物を本願発明の皮膚外用剤として用いる場合は、ハイブリッド・ティー・ローズ発酵物をそのまま剤としてもよいし、一般的な基剤にハイブリッド・ティー・ローズ発酵物を混合して用いても差し支えない。最終形態として、液状、乳化物状、ゲル状、固形状、粉末状、顆粒状等のどのような形態であっても問題なく、その効果を損なわない範囲で皮膚外用剤に用いられる任意配合成分を必要に応じて適宜配合することができる。前記任意配合成分としては、例えば、油剤、界面活性剤、粉体、色材、水、アルコール類、増粘剤、キレート剤、シリコーン類、酸化防止剤、紫外線吸収剤、保湿剤、防腐剤、香料、各種薬効成分、pH調整剤、中和剤などが挙げられる。また、前記最終形態として、例えば皮膚外用剤であれば、乳液、クリーム、ローション、エッセンス、ジェル、パック、洗顔料等の基礎化粧料、口紅、ファンデーション、リキッドファンデーション、メイクアッププレストパウダー等のメイクアップ化粧料、洗顔料、ボディーシャンプー、石けん等の清浄用化粧料、さらには浴剤等が挙げられるが、勿論これらに限定されるものではない。各剤中におけるハイブリッド・ティー・ローズ発酵物の配合量は、所望の効果に応じて適宜調整すればよいが、蒸発残分に換算して0.0001~10質量%、好ましくは0.001~1質量%、さらに好ましくは0.01~0.1質量%の範囲が最適である。
【0023】
細胞毒性は、細胞へのダメージであり、特に限定されないが、細胞死、呼吸、代謝、細胞増殖度、細胞内活性酸素濃度などで評価することができる。本願では、低細胞毒性であるか否かの判断は、乳酸菌発酵処理前後における細胞毒性の相対評価で判断する。即ち、2つの物質を比較する際に一方の物質の細胞毒性が乳酸菌発酵処理によりもう一方の物質の細胞毒性よりも低い場合に低細胞毒性であると判断する。例えば、抽出物とその発酵物(発酵処理後)を比較した場合に、発酵物の細胞毒性が抽出物の細胞毒性よりも低ければ、発酵物は抽出物よりも低細胞毒性であると判断できる。
【実施例0024】
以下、本願発明におけるハイブリッド・ティー・ローズ発酵物の効果試験の実施例を示す。さらに、ハイブリッド・ティー・ローズ発酵物を用いた皮膚外用剤への応用処方例等について述べるが、ここに記載された実施例に限定されるものではない。
【0025】
<抽出物に植菌する乳酸菌の調製1>
乳酸菌はラクトバシルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)を用いた。乳酸菌株の1白金耳を310-9培地50mLに接種し、30℃にて3日間静置培養を行い、乳酸菌培養液とした。(310-9培地組成:ペプトン2.5g、牛肉エキス2.5g、酵母エキス5g、グルコース20g、Tween80 1g、KHPO 2g、酢酸ナトリウム5g、クエン酸二水素アンモニウム2g、MgSO・7HO 0.2g、MnSO・nHO 0.05g、精製水1L)
【0026】
<抽出物に植菌する乳酸菌の調製2>
乳酸菌はラクトバシルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)を用いた。乳酸菌株の1白金耳をMRS培地30mLに接種し、30℃にて3日間静置培養を行い、乳酸菌培養液とした。(MRS培地組成:ペプトン10g、牛肉エキス10g、酵母エキス5g、グルコース20g、Tween80 1g、KHPO 2g、酢酸ナトリウム5g、クエン酸二水素アンモニウム2g、MgSO・7HO 0.2g、MnSO・nHO 0.05g、精製水1L)
【0027】
<抽出物および発酵物の調製1>
予め乾燥させたハイブリッド・ティー・ローズ(レディラック、ゴールデンハート、パパメイアン、オクラホマ、紫香)の各花弁5gに1%グルコース水溶液50mLを加え滅菌処理を行い、ハイブリッド・ティー・ローズ抽出物を得た。〔0025〕で調製した乳酸菌培養液1mLを得られた抽出物に加えよく撹拌した。乳酸菌を植え付けた抽出物は30℃にて1週間静置培養を行った後、滅菌処理を行った。滅菌後、ろ過により花弁及び固形分を取り除き、ハイブリッド・ティー・ローズ発酵物とした。比較対照1として、花弁を投入していない1%グルコース水溶液を糖液(発酵前後(抽出物/発酵物)比算出の際、抽出物とみなす)とし、乳酸菌培養液1mLを糖液に加えよく撹拌し乳酸菌を植え付けた抽出物を30℃にて1週間静置培養を行った後、滅菌処理を行ったものを糖発酵物とした。比較対照2として、ハイブリッド・ティー・ローズと種が異なるバラであるセイヨウバラの乾燥花弁から、前記のハイブリッド・ティー・ローズ抽出物および発酵物と同様の方法でセイヨウバラ抽出物、およびセイヨウバラ発酵物を調製した。比較対照3として乳酸菌発酵に一般的に用いられる米ヌカから前記のハイブリッド・ティー・ローズ抽出物および発酵物と同様の方法で米ヌカ抽出物、および米ヌカ発酵物を調製した。
【0028】
<抽出物および発酵物の調製2>
予め乾燥させたハイブリッド・ティー・ローズ(ダブルデライト、ケイハキタミ、正雪)の各花弁10gに精製水100mLを加え、室温(20℃~30℃)で抽出した後、ろ過により花弁を取り除き、ハイブリッド・ティー・ローズ抽出物を得た。〔0026〕で調製した乳酸菌培養液5mLを得られた抽出物に加えよく撹拌した。乳酸菌を植え付けた抽出物は30℃にて3日間静置培養を行った後、105℃、15分間の滅菌処理を行った。滅菌後、ろ過により固形分を取り除き、ハイブリッド・ティー・ローズ発酵物とした。
【0029】
<細胞毒性確認試験>
上述の方法で調製した発酵物の細胞毒性確認試験の方法を以下に示す。細胞毒性は生細胞の代謝で生じるホルマザン色素の450nmの吸光度を測定することで生細胞が定量できるWST assay試薬を用いた細胞増殖度確認試験で評価することができ、皮膚外用剤の安全性評価等にも用いられる。細胞増殖度が高いほど、細胞毒性が低いことを意味し、細胞毒性は皮膚刺激性などとの関係性が高いことから、サンプルの皮膚への安全性を評価する指標となることが知られている。
【0030】
ヒト表皮角化細胞由来細胞を1×10cells/mLとなるようにDulbecco’s Modified Eagle Medium(DMEM) with 5% Fetal Bovine Serum(FBS)に分散し、96well plateに0.1mLを播種した(最終conc. 1.0×10個/well)。37℃, CO 5%で24時間培養した。培地を除去し、PBS (-) にて洗浄した。サンプルを最終添加濃度が500ppmとなるようにDMEMで調製した各サンプル(各抽出物、発酵物)を添加した。37℃,CO 5%で72時間培養した後、サンプルを含む培地を除去した。PBS(-)で洗浄した。WST assay試薬 (Cell Counting Kit, DOJINDO) 9%を配合したDMEMを0.2mLずつ添加した。37℃, 5%CO下で20分間インキュベートした。96well plateに0.1mLずつ取り分けた。マイクロプレートリーダーにて450nmの吸光度を測定した。
【0031】
<データ解析>
以下の式で各抽出物と発酵物の細胞増殖度の比を発酵前後(抽出物/発酵物)比として算出した。
【0032】
【数1】
【0033】
表1に算出した細胞増殖度 発酵前後(抽出物/発酵物)比の結果を示した。表中のHTはハイブリッド・ティー・ローズの略称である。実施例1から8で示した全てのハイブリッド・ティー・ローズに分類されるバラ花弁で細胞増殖度 発酵前後(抽出物/発酵物)比が1よりも低い、つまりハイブリッド・ティー・ローズ発酵物がハイブリッド・ティー・ローズ抽出物に比べ細胞増殖度が高い、つまりは細胞毒性が低いことが確認された。一方で比較例として用いた、糖液、西洋バラ、米ヌカでは細胞増殖度 発酵前後(抽出物/発酵物)比が1よりも高い、つまり発酵物が抽出物に比べ細胞毒性が高いことが確認された。ハイブリッド・ティー・ローズは花弁の色系統ごとに含まれる色素成分が異なるが、すべての色系統で共通して上記の傾向が認められた。一方でハイブリッド・ティー・ローズの花弁以外の発酵物および種が異なる西洋バラの発酵物では、それらの抽出物よりも細胞毒性が高まったことから、本効果はバラ属の中でもハイブリッド・ティー・ローズ抽出物に対する特異的な効果であることが確認された。さらに、バラ花弁抽出物の公知の効果であるカルボニル化タンパク抑制効果、ムコ多糖類断片化抑制効果、スーパーオキサイドディスムターゼ様作用を示す活性酸素消去効果、美白効果、エラスターゼ活性阻害剤効果、コラゲナーゼ活性阻害効果は発酵前後で変わらず保持されていた。
【0034】
【表1】
【0035】
次に、本願発明のハイブリッド・ティー・ローズ発酵物を含有する皮膚外用剤の処方例を示すが、本願発明はこれに限定されるものでない。なお、以下において、部はすべて質量部を、また%はすべて質量%を意味する。以下の各処方例で示すハイブリッド・ティー・ローズ発酵物は、〔0027〕もしくは 〔0028〕に記載の方法で調製したものであり、その配合量は蒸発残分に換算した質量%で示した。なお、各処方例において、従来のハイブリッド・ティー・ローズ抽出物配合の皮膚外用剤で刺激を感じていた使用者や敏感肌であると自覚のある使用者がハイブリッド・ティー・ローズ発酵物配合の皮膚外用剤を使用することで肌の刺激や炎症、痛み等の症状が確認されることはなかった。一方で皮膚外用剤としての有効性は発酵前後で変わらず保持されていた。
【0036】
<皮膚外用剤の処方例>
(処方例1)化粧用クリーム(質量%)
a)ミツロウ・・・2.0
b)ステアリルアルコール・・・5.0
c)ステアリン酸・・・8.0
d)スクワラン・・・10.0
e)自己乳化型グリセリルモノステアレート・・・3.0
f)ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.)・・・1.0
g)ハイブリッド・ティー・ローズ(レディラック)発酵物(〔0027〕で調製)・・・0.1
h)1,3-ブチレングリコール・・・5.0
i)水酸化カリウム・・・0.3
j)防腐剤・酸化防止剤・・・適量
k)精製水・・・残部
合計 100.0
製法
a)~f)までを加熱溶解し、80℃に保つ。h)~k)までを加熱溶解し、80℃に保ち、a)~f)に加えて乳化し、40℃まで撹拌しながら冷却する。その後、g)を加え、攪拌し均一に溶解する。
【0037】
(処方例2)乳液(質量%)
a)ミツロウ・・・0.5
b)ワセリン・・・2.0
c)スクワラン・・・8.0
d)ソルビタンセスキオレエート・・・0.8
e)ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.O.)・・・1.2
f)ハイブリッド・ティー・ローズ(ゴールデンハート)発酵物(〔0027〕で調製)・・・0.05
g)1,3-ブチレングリコール・・・7.0
h)カルボキシビニルポリマー・・・0.2
i)水酸化カリウム・・・0.1
j)精製水・・・残部
k)防腐剤・酸化防止剤・・・適量
l)エタノール・・・7.0
合計 100.0
製法
a)~e)までを加熱溶解し、80℃に保つ。g)~k)までを加熱溶解し、80℃に保ち、a)~e)に加えて乳化し、50℃まで撹拌しながら冷却する。50℃でf)、l)を添加し、40℃まで攪拌、冷却する。
【0038】
(処方例3)化粧水(質量%)
a)ハイブリッド・ティー・ローズ(ケイハキタミ)発酵物(〔0028〕で調製)・・・0.01
b)グリセリン・・・5.0
c)ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.O.)・・・1.0
d)エタノール・・・6.0
e)香料・・・適量
f)防腐剤・酸化防止剤・・・適量
g)精製水・・・残部
合計 100.0
製法
a)~g)までを混合し、均一に溶解する。
【0039】
(処方例4)洗顔料(質量%)
a)ステアリン酸・・・12.0
b)ミリスチン酸・・・14.0
c)ラウリン酸・・・5.0
d)ホホバ油・・・3.0
e)グリセリン・・・10.0
f)ソルビトール・・・15.0
g)1,3-ブチレングリコール・・・10.0
h)POE(20)グリセロールモノステアリン酸エステル・・・2.0
i)水酸化カリウム・・・5.0
j)精製水・・・残部
k)キレート剤・・・適量
l)香料・・・適量
m)ハイブリッド・ティー・ローズ(オクラホマ)発酵物(〔0027〕で調製)・・・0.01
合計 100.0
製法
a)~h)までを加熱溶解し70℃に保つ。j)にi)を溶解後a)~h)に加えケン化する。その後k)、l)を入れ攪拌しながら冷却する。50℃でm)を添加し、40℃まで攪拌、冷却する。
【0040】
(処方例5)エッセンス(質量%)
a)ハイブリッド・ティー・ローズ(紫香)発酵物(〔0027〕で調製)・・・0.1
b)カルボキシビニルポリマー・・・0.05
c)L-アルギニン・・・適量
d)グリセリン・・・5.0
e)ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.O.)・・・1.0
f)エタノール・・・6.0
g)香料・・・適量
h)防腐剤・酸化防止剤・・・適量
i)精製水・・・残部
合計 100.0
製法
b)をi)の一部で分散した後、c)を加えてpHを6.5に調製する。その後a)~i)までを混合し、均一に溶解する。
【0041】
(処方例6)ジェル(質量%)
a)ハイブリッド・ティー・ローズ(ダブルデライト)発酵物(〔0028〕で調製)・・・0.01
b)カルボキシビニルポリマー・・・0.5
c)水酸化ナトリウム・・・0.05
d)パラオキシ安息香酸メチル・・・0.1
e)シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール・・・0.5
f)(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリル-10・・・0.5
g)PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリン・・・0.5
h)ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油・・・0.1
i)香料・・・適量
j)防腐剤・酸化防止剤・・・適量
k)精製水・・・残部
合計 100.0
製法
b)をk)の一部で分散した後、c)を加える。その後a)~k)までを混合し、均一に溶解する。
【0042】
(処方例7)口紅(質量%)
a)ハイブリッド・ティー・ローズ(パパメイアン)発酵物(〔0027〕で調製)・・・0.0001
b)キャンデリラロウ・・・9.0
c)固形パラフィン・・・8.0
d)ミツロウ・・・5.0
e)カルナバロウ・・・5.0
f)ラニリン・・・11.0
g)ヒマシ油・・・残部
h)2-エチルヘキサン酸セチル・・・0.5
i)イソプロピルミリスチン酸エステル・・・10.0
j)二酸化チタン・・・5.0
k)赤色201号・・・0.6
l)赤色202号・・・1.0
m)赤色223号・・・0.2
n)香料・・・適量
o)防腐剤・酸化防止剤・・・適量
合計 100.0
製法
j)~m)をg)の一部に分散し、ローラーで処理する。その後a)~o)までを混合し、加熱融解した後、均一に分散する。分散後、型に流し込み急冷し、スティック状とする。
【0043】
(処方例8)パウダーファンデーション(質量%)
a)ハイブリッド・ティー・ローズ(正雪)発酵物(〔0028〕で調製)・・・0.0001
b)スクワラン・・・10.0
c)セスキオレイン酸ソルビタン・・・3.5
d)防腐剤・酸化防止剤・・・適量
e)酸化チタン・・・13.0
f)セリサイト・・・25.0
g)タルク・・・残部
h)ベンガラ・・・0.8
i)黄酸化鉄・・・2.5
j)黒酸化鉄・・・0.1
合計 100.0
製法
e)~j)を混合し、粉砕機にかけて粉砕する。その後、混合溶解したa)~d)までを加えて撹拌混合し、再び粉砕した後、金皿容器にプレスする。
【0044】
(処方例9)入浴剤(質量%)
a)ハイブリッド・ティー・ローズ(ケイハキタミ)発酵物(〔0028〕で調製)・・・0.005
b)シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール・・・0.2
c)(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリル-10・・・0.2
d)PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリン・・・0.2
e)炭酸水素ナトリウム・・・50.0
f)硫酸ナトリウム・・・残部
g)香料・・・適量
h)防腐剤・酸化防止剤・・・適量
合計 100.0
製法
a)~h)を均一に混合する。