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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128929
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】染毛料組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/41 20060101AFI20230907BHJP
   A61K 8/40 20060101ALI20230907BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20230907BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20230907BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20230907BHJP
   A61Q 5/10 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
A61K8/41
A61K8/40
A61K8/34
A61K8/49
A61K8/86
A61Q5/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022033619
(22)【出願日】2022-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000113274
【氏名又は名称】ホーユー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094190
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 清路
(74)【代理人】
【識別番号】100151127
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 勝雅
(72)【発明者】
【氏名】守口 香里
(72)【発明者】
【氏名】岩本 大輝
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC072
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC182
4C083AC302
4C083AC551
4C083AC552
4C083AC691
4C083AC692
4C083AC731
4C083AC732
4C083AC851
4C083AC852
4C083AD041
4C083AD042
4C083AD152
4C083AD282
4C083BB24
4C083CC36
4C083DD31
4C083EE26
(57)【要約】
【課題】染毛力を向上させながら、毛髪以外への意図しない染色を抑制することができる染毛料組成物を提供する。
【解決手段】本染毛料組成物は、(A):カチオン性直接染料、(B):ノニオン性直接染料、(C):ポリアルキレングリコール、(D):多価アルコール(但し、前記(C)を除く)を含み、(A)/(B)≦0.5である。本染毛料組成物では、(A)を0.01~1.0質量%にできる。(B)を0.1~1.5質量%にできる。(C)を1.0~10質量%にできる。(D)を1.0~10質量%にできる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A)~(D)を含み、(A)/(B)≦0.5であることを特徴とする染毛料組成物。
(A):カチオン性直接染料
(B):ノニオン性直接染料
(C):ポリアルキレングリコール
(D):多価アルコール(但し、前記(C)を除く)
【請求項2】
(C)が、1.0~10質量%である請求項1に記載の染毛料組成物。
【請求項3】
(D)が、1.0~10質量%である請求項1又は2に記載の染毛料組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、染毛料組成物に関する。更に詳しくは、カチオン性直接染料とノニオン性直接染料とを併用する染毛料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
染毛用の組成物は、一時染毛料、半永久染毛料及び永久染毛剤に大別される。そして、染毛に伴う毛髪ダメージと染毛の堅牢性とは相反し、毛髪ダメージは、一時染毛料、半永久染毛料、永久染毛剤の順に大きくなる。上記のうち、半永久染毛料である染毛料組成物としては、アニオン性染料を用いるタイプと、カチオン性染料とノニオン性染料とを併用するタイプとが知られるが、染毛性及び堅牢性の優位性から、併用タイプが多く用いられる。この併用タイプの染毛料組成物としては、下記特許文献1~3が知られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-061451
【特許文献2】WO2018/180514
【特許文献3】特開2020-097551
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の通り、毛髪ダメージ抑制と堅牢性とのバランス、更には、簡便性という観点から、半永久染毛料への需要は大きく、その機能的要請も厳しい。なかでも、染毛力向上、特により短時間での染毛を可能にするという要請がある。しかしながら、より短時間での染毛を可能にするには染料配合を多くする必要があるが、染料配合を多くすると、毛髪以外への意図しない染色(具体的には、地肌汚れ、手汚れ及びタイル汚れ等)を生じ易くなるという問題がある。
【0005】
特許文献1及び2には、塩基性染料とHC染料とを併用する染毛料組成物であって、毛髪に対する十分な染色性を有するにもかかわらず、皮膚への染着性は抑えられた染毛料組成物が開示されている。具体的には、特許文献1には、成分A(ベーシックブルー124)と、成分B(塩基性茶16及び塩基性茶17からなる群より選ばれた染料)と、成分C(HC黄4及びHC黄2からなる群より選ばれた染料)と、成分D(HC青2)とを含有する染毛料組成物が開示されている。また、特許文献2には、成分A(HC青16)、成分B(塩基性茶16及び塩基性茶17からなる群より選ばれる1以上の染料)、成分C(HC黄4及びHC黄2からなる群より選ばれる1以上の染料)及び成分D(HC青2)を含有する染毛料組成物が開示されている。しかしながら、いずれも特定の染料を組み合わせることにより、皮膚への染着性を抑制しようとする技術であるため、この作用を得ようとすると染料の特定の組合せを要することにより、染毛色のカラーバリエーションの自由度に乏しいという問題がある。
【0006】
特許文献3には、塩基性染料とHC染料とを併用する染毛料組成物であって、塩基性染料の含有量が少ない染毛料組成物においても、HC青2及びHC黄4の析出を防ぎつつ、十分な染毛性を有する染毛料組成物が開示されている。具体的には、(a)0.5~2.0重量%のHC青2及び/又は0.05~0.5重量%のHC黄4、(b)ポリエチレングリコール200及び/又はポリエチレングリコール400、(c)セトリモニウムクロリド及び/又はステアルトリモニウムクロリド、(d)ポリオキシエチレンセチルエーテル及び/又はポリオキシエチレンステアリルエーテル、を含有し、染毛料組成物全量に対して塩基性染料の含有量が0.2重量%以下の染毛料組成物が開示されている。しかしながら、毛髪以外への意図しない着色の抑制については言及がない。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、染毛力を向上させながら、毛髪以外への意図しない染色を抑制することができる染毛料組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
即ち、本発明は以下に示す通りである。
[1]本発明の染毛料組成物は下記(A)~(D)を含み、(A)/(B)≦0.5であることを要旨とする。
(A):カチオン性直接染料
(B):ノニオン性直接染料
(C):ポリアルキレングリコール
(D):多価アルコール(但し、前記(C)を除く)
[2]本発明の染毛料組成物では(C)を1.0~10質量%にすることができる。
[3]本発明の染毛料組成物では(D)を1.0~10質量%にすることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の染毛料組成物によれば、染毛力を向上させながら、毛髪以外への意図しない染色を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について詳しく説明する。
尚、別途に明記しない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味し、「X~Y」の表記は「X以上且つY以下」を意味する。
また、一部の化合物の名称に関して、日本化粧品工業連合会成分表示名称リストに準じた名称、又は、INCI(INCI:International Nomenclature of Cosmetic Ingredient:化粧品原料国際命名法)に準じた名称も用いる。
更に、一部の化合物の名称に関して、ポリオキシアルキレン鎖に関し、ポリオキシエチレン鎖を「POE」、ポリオキシプロピレン鎖を「POP」と略記する場合がある。また、これらの略記に続くカッコ内の数字は、各々付加モル数を表す。
【0011】
本発明の染毛料組成物(以下、単に「本組成物」ともいう)は、下記(A)~(D)を含み、(A)/(B)≦0.5であることを特徴とする。
(A):カチオン性直接染料
(B):ノニオン性直接染料
(C):ポリアルキレングリコール
(D):多価アルコール(但し、前記(C)を除く)
【0012】
[1]染料
(1)成分(A)
成分(A)であるカチオン性直接染料は、水溶により陽イオンとなるカチオン性の染料成分である。加えて、染料成分自体が色を有し、例えば、酸化重合等の化学反応を伴うことなく、毛髪を直接的に染色できる染料成分である。
このカチオン性直接染料としては、例えば、塩基性茶16、塩基性茶17、塩基性茶4、塩基性青75、塩基性青99、塩基性青124、塩基性青3、塩基性青7、塩基性青9、塩基性青26、塩基性青47、塩基性青6、塩基性青41、塩基性青77、塩基性緑1、塩基性緑4、塩基性橙31、塩基性橙1、塩基性橙2、塩基性赤51、塩基性赤2、塩基性赤22、塩基性赤46、塩基性赤76、塩基性赤1、塩基性赤118、塩基性紫2、塩基性紫1、塩基性紫3、塩基性紫4、塩基性紫14、塩基性紫16、塩基性黄40、塩基性黄57、塩基性黄87、塩基性黄11、塩基性黄28、HC青16、HC橙6、HC赤17、HC黄17、ヒドロキシアントラキノンアミノプロピルメチルモルホリニウムメトサルフェート等が挙げられる。これらのカチオン性直接染料は、例えば、四級アンモニウム基、フェノキサジン環基、フェノチアジン環基等を陽イオン性基とすることによりカチオン性を発揮することができる。これらカチオン性直接染料は、1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0013】
カチオン性直接染料としては、上記のなかでも、塩基性茶16、塩基性茶17、塩基性青75、塩基性青99、塩基性青124、塩基性赤51、塩基性紫2、HC青16等が好ましく用いられる。これらの染料は本染毛料組成物においてより優れた保存安定性を発揮できる。
これらのカチオン性直接染料は、1種のみを用いてもよいが、2種以上を組み合わせて用いることが好ましく、例えば、塩基性茶16、塩基性青75及び塩基性紫2の3種が含まれるように組み合わせて用いることができる。これら3種の組合せは、様々な色を作成する上(カラーバリエーション)で好ましく用いることができる。これらは3種のみで用いてもよいが、更には、塩基性茶16、塩基性青75、塩基性紫2及び塩基性茶17を組み合わせて用いることができる。また、塩基性茶16、塩基性青75、塩基性紫2及びHC青16を組み合わせて用いることができる。更には、塩基性茶16、塩基性青75、塩基性紫2、塩基性茶17及びHC青16を組み合わせて用いることができる。
【0014】
成分(A)の含有割合は、「(A)/(B)≦0.5」を充足する限り限定されないが、本染毛料組成物全体を100質量%とした場合に、下限値は0.01質量%が好ましく、0.03質量%がより好ましく、0.05質量%が更に好ましい。更に、その下限値は0.06質量%とすることが好ましく、0.08質量%とすることがより好ましく、0.10質量%とすることがさらに好ましい。(A)の配合量が0.01%以上である場合、染毛力をより向上させることができる。一方、その上限値は1.0質量%が好ましく、0.80質量%がより好ましく、0.60質量%が更に好ましい。更に、その上限値は0.50質量%とすることが好ましく、0.40質量%とすることがより好ましく、0.20質量%とすることが更に好ましい。(A)の配合量が1.0%以下である場合、毛髪以外への意図しない染色をより抑制することができる。
【0015】
これらの下限値と上限値とは各々の組合せとすることができる。即ち、例えば、0.01~1.0質量%とすることが好ましく、0.03~0.80質量%とすることがより好ましく、0.05~0.60質量%とすることが更に好ましく、0.06~0.50質量%とすることがより更に好ましく、0.08~0.40質量%とすることが特に好ましく、0.10~0.20質量%とすることがとりわけ好ましい。これらの好ましい範囲では、各々より優れた染毛力を得ながら、(C)及び成分(D)の利用による毛髪以外への意図しない染色を抑制する効果をより高く得ることができる。
【0016】
(2)成分(B)
成分(B)であるノニオン性直接染料は、非イオン性の染料であり、通常、水溶によっても陽イオン化も陰イオン化もしないノニオン性の染料成分である。加えて、染料成分自体が色を有し、例えば、酸化重合等の化学反応を伴うことなく、毛髪を直接的に染色できる染料成分である。このような染料は、一般にHC染料と称される染料に多く帰属される。
このノニオン性直接染料としては、例えば、HC青2、HC青8、HC青11、HC青12、HC青14、HC青15、HC青18、HC青19、HC青20、HC青5、HC青6、HC青9、HC青10、HC青13、HC橙1、HC橙2、HC橙7、HC橙3、HC赤1、HC赤3、HC赤7、HC赤10、HC赤11、HC赤13、HC赤18、HC赤19、HC赤20、HC赤21、HC赤14、HC紫1、HC紫2、HC紫3、HC紫4、HC黄2、HC黄4、HC黄5、HC黄7、HC黄9、HC黄11、HC黄13、HC黄16、HC黄18、HC黄6、HC黄10、HC黄12、HC黄14、HC黄15、HC黄19、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノ-ル、2-アミノ-3-ニトロフェノ-ル、4-アミノ-3-ニトロフェノ-ル、3-メチルアミノ-4-ニトロフェノキシエタノ-ル、2-ニトロ-5-グリセリルメチルアニリン等が挙げられる。これらのノニオン性直接染料は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0017】
ノニオン性直接染料としては、上記のなかでも、HC青2、HC青8、HC青11、HC青12、HC青14、HC青15、HC青18、HC青19、HC青20、HC橙1、HC橙2、HC橙7、HC赤1、HC赤3、HC赤7、HC赤10、HC赤11、HC赤13、HC赤18、HC赤19、HC赤20、HC赤21、HC赤14、HC紫1、HC紫2、HC紫3、HC紫4、HC黄2、HC黄4、HC黄5、HC黄7、HC黄9、HC黄11、HC黄13、HC黄16、HC黄18等が好ましく用いられる。これらのなかでも、特にHC青2及びHC黄4の2種の利用が好ましい。これらの染料は本染毛料組成物においてより優れた保存安定性を発揮できる。
【0018】
これらのノニオン性直接染料は、1種のみを用いてもよいが、2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。ノニオン性直接染料を組み合わせることで、豊富なカラーバリエーションを得ることができる。加えて、塩基性染料の配合を適度に抑えることができ、その結果、塩基性染料に起因する地肌汚れを抑制することができる。ノニオン性直接染料のなかでも、上述の通り、HC青2及びHC黄4の2種が含まれるように組み合わせて用いることができる。これらは2種のみで用いてもよいが、更には、HC青2、HC黄4及びHC赤13を組み合わせて用いることができる。
【0019】
成分(B)の含有割合は、「(A)/(B)≦0.5」を充足する限り限定されないが、本染毛料組成物全体を100質量%とした場合に、下限値は0.1質量%が好ましく、0.2質量%がより好ましく、0.25質量%が更に好ましい。更に、その下限値は0.3質量%とすることがより更に好ましく、0.35質量%とすることが特に好ましく、0.4質量%とすることがとりわけ好ましい。(B)の配合量が0.1%以上である場合、染毛力をより向上させることができる。一方、その上限値は1.5質量%が好ましく、1.3質量%がより好ましく、1.2質量%が更に好ましい。更に、その上限値は1.0質量%とすることがより更に好ましく、0.8質量%とすることが特に好ましく、0.6質量%とすることがとりわけ好ましい。(B)の配合量が1.5%以下である場合、毛髪以外への意図しない染色をより抑制することができる。
【0020】
これらの下限値と上限値とは各々の組合せとすることができる。即ち、例えば、0.1~1.5質量%とすることが好ましく、0.1~1.3質量%とすることがより好ましく、0.25~1.3質量%とすることが更に好ましく、0.3~1.2質量%とすることがより更に好ましく、0.35~1.0質量%とすることが特に好ましく、0.4~0.8質量%とすることがとりわけ好ましい。これらの好ましい範囲では、各々より優れた染毛力を得ながら、成分(C)及び成分(D)の利用による毛髪以外への意図しない染色を抑制する効果をより高く得ることができる。
【0021】
(3)成分(A)及び成分(B)の配合比
カチオン性直接染料(成分(A))は、通常、水溶性であり、ノニオン性直接染料に比して染着性に優れる。一方、ノニオン性直接染料(成分(B))は、通常、水溶し難く、カチオン性直接染料に比して堅牢性に優れる。また、ノニオン性直接染料は、毛髪のキューティクルの内部まで侵入され易く、故に毛髪内部に蓄積させることができるため、繰り返し使用による染毛力を向上させることができる。そして、これら2種の染料を併用することで、両者のメリットを相乗的に得ることができ、染着性及び堅牢性に特に優れた染毛料組成物とすることができる。また、複数の染料の併用によって、カラーバリエーションの自由度を向上させることができる。
【0022】
成分(A)と成分(B)との配合比は、本発明では(A)/(B)≦0.5である。即ち、(B)の配合量に対する(A)の配合量の比率が0.5以下である。(A)/(B)≦0.5であることにより、優れた染毛力を得ながらも、成分(C)及び成分(D)の利用による毛髪以外への意図しない染色を抑制する効果を十分に得ることができる。この配合比(A)/(B)の上限値は、更に、0.48とすることが好ましく、0.43とすることがより好ましく、0.39とすることが更に好ましい。一方、この配合比(A)/(B)の下限値は限定されないが、例えば、0.01とすることが好ましい。更には、0.02とすることがより好ましく、0.05とすることが更に好ましく、0.07とすることが特に好ましい。
【0023】
これらの上限値と下限値とは各々の組合せとすることができる。即ち、例えば、0.01~0.5質量%とすることが好ましく、0.02~0.48質量%とすることがより好ましく、0.05~0.43質量%とすることが更に好ましく、0.07~0.39質量%とすることが特に好ましい。これらの好ましい範囲では、各々より優れた染毛力を得ながら、成分(C)及び成分(D)の利用による毛髪以外への意図しない染色を抑制する効果をより高く得ることができる。
【0024】
[2]成分(C)
成分(C)は、ポリアルキレングリコールである。ポリアルキレングリコールは、成分(D)と共に毛髪以外への意図しない染色を抑制する効果を得るために配合される。
ポリアルキレングリコールは、一般に「HO-(RO)n-H」として表される。この式中の「R」はアルキレン基を表し、「n」は重合度を表す。
アルキレン基の炭素数は限定されないが、1~5とすることが好ましく、2~4がより好ましい。即ち、エチレン基、プロピレン基及びブチレン基が好ましい。
【0025】
これらのアルキレン基を有するポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリブチレングリコール(PBG)等のホモポリマーが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。更に、これらのホモポリマーのうちの2種以上のホモポリマー同士のコポリマーが挙げられる。即ち、例えば、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのコポリマー(PEG/PPG)、ポリエチレングリコールとポリブチレングリコールとのコポリマー(PEG/PBG)等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。更には、上述のホモポリマーとコポリマーとは各々単独で用いてもよいし併用してもよい。
【0026】
また、「n」の範囲は限定されないが、2~500とすることが好ましく、2~300とすることがより好ましい。尚、「n」は平均重合度とすることができる。
ポリアルキレングリコールの数平均分子量は限定されないが、通常、その下限値は200であることが好ましく、250とすることがより好ましく、500とすることが更に好ましく、800とすることがより更に好ましく、950とすることが特に好ましく、1000とすることがとりわけ好ましい。一方、ポリアルキレングリコールの数平均分子量の上限値も限定されないが、10000であることが好ましく、8000とすることがより好ましく、5000とすることが更に好ましく、4000とすることがより更に好ましく、2500とすることが特に好ましく、1540とすることがとりわけ好ましい
【0027】
これらの上限値と下限値とは各々の組合せとすることができる。即ち、例えば、200~10000とすることが好ましく、250~8000とすることがより好ましく、500~5000とすることが更に好ましく、800~4000とすることがより更に好ましく、950~2500とすることが特に好ましく、1000~1540とすることがとりわけ好ましい。これらの好ましい範囲では、各々より優れた染毛力を得ながら、成分(C)及び成分(D)の利用による毛髪以外への意図しない染色を抑制する効果をより高く得ることができる。また、べたつきを抑制しつつ、良好なコンディショニング効果を発揮させることができる。
【0028】
上述のなかでも、ポリアルキレングリコールは、数平均分子量200~10000のPEG又はPPGであることが好ましく、更には、数平均分子量1000~1540のPEG又は数平均分子量200~1000のPPGであることがより好ましい。これらの好ましい組合せでは、各々より優れた染毛力を得ながら、成分(C)及び成分(D)の利用による毛髪以外への意図しない染色を抑制する効果をより高く得ることができる。また、べたつきを抑制しつつ、より良好なコンディショニング効果を発揮させることができる。
【0029】
成分(C)の含有割合は限定されないが、本染毛料組成物全体を100質量%とした場合に、下限値は1.0質量%が好ましく、1.2質量%がより好ましく、1.5質量%が更に好ましい。更に、その下限値は2.0質量%とすることがより更に好ましく、2.5質量%とすることが特に好ましく、3.0質量%とすることがとりわけ好ましい。一方、その上限値は10質量%が好ましく、9.5質量%がより好ましく、9.2質量%が更に好ましい。更に、その上限値は9.0質量%とすることがより更に好ましく、8.5質量%とすることが特に好ましく、8.0質量%とすることがとりわけ好ましい。
【0030】
これらの下限値と上限値とは各々の組合せとすることができる。即ち、例えば、0.5~10質量%とすることが好ましく、1.0~10質量%とすることがより好ましく、1.5~9.5質量%とすることが更に好ましく、2.5~9.0質量%とすることがより更に好ましく、3.5~8.5質量%とすることが特に好ましく、4.0~8.0質量%とすることがとりわけ好ましい。これらの好ましい範囲では、各々より優れた染毛力を得ながら、成分(C)及び成分(D)の利用による毛髪以外への意図しない染色を抑制する効果をより高く得ることができる。また、べたつきを抑えつつ、良好なコンディショニング効果を得ることができる。
【0031】
[3]成分(D)
成分(D)は、多価アルコール(但し、成分(C)を除く)である。多価アルコールは、分子内にヒドロキシ基を2以上有する化合物である。即ち、価数2~7の多価アルコールが例示される。より具体的には、2価アルコール、3価アルコール、4価アルコール、5価アルコール、6価アルコール、7価アルコール等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0032】
このうち、2価アルコールとしては、アルカンジオールやオキシジアルカノール等が挙げられる。アルカンジオールでは、アルキル基の炭素数は2~5とすることが好ましい。即ち、例えば、エタンジオール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール等が挙げられる。また、オキシジアルカノールでは、アルキレン基の炭素数は2~3とすることが好ましい。即ち、例えば、オキシジエタノール、オキシジプロパノール等が挙げられる。
【0033】
上記のうち、エタンジオールとしては、エチレングリコール等が挙げられる。プロパンジオール(プロピレングリコール)としては、プロパン-1,2-ジオール、トリメチレングリコール(1,3-プロパンジオール)等が挙げられる。ブタンジオール(ブチレングリコール)としては、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール等が挙げられる。ペンタンジオールとしては、イソペンチルジオール(イソプレングリコール)、1,5-ペンタンジオール、1,2-ペンタンジオール等が挙げられる。また、オキシジプロパノールとしては、ジプロピレングリコール等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、べたつきを抑えつつ、良好なコンディショニング効果を得ることができるという観点からプロピレングリコールが好ましい。
【0034】
また、3価アルコールとしては、アルカントリオール等が挙げられる。アルカントリオールでは、アルキル基の炭素数は3~5とすることが好ましい。即ち、例えば、グリセリン(1,2,3-プロパントリオール)、ブタントリオール(1,2,3-ブタントリオール、1,2,4-ブタントリオール等)、ペンタントリオール(1,2,3-ペンタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、2,3,4-ペンタントリオール等)等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、べたつきを抑えつつ、良好なコンディショニング効果を得ることができるという観点からグリセリンが好ましい。
その他、4価以上の多価アルコールとしては、例えば、ソルビトール等の糖アルコール等が挙げられる。
【0035】
成分(D)の含有割合は限定されないが、本染毛料組成物全体を100質量%とした場合に、下限値は0.5質量%が好ましく、1.0質量%がより好ましく、1.5質量%が更に好ましい。更に、その下限値は2.5質量%とすることがより更に好ましく、3.5質量%とすることが特に好ましく、4.0質量%とすることがとりわけ好ましい。一方、その上限値は15質量%が好ましく、10質量%がより好ましく、9.5質量%が更に好ましい。更に、その上限値は9.0質量%とすることがより更に好ましく、8.5質量%とすることが特に好ましく、8.0質量%とすることがとりわけ好ましい。
【0036】
これらの下限値と上限値とは各々の組合せとすることができる。即ち、例えば、0.5~15質量%とすることが好ましく、1.0~10質量%とすることがより好ましく、1.5~9.5質量%とすることが更に好ましく、2.5~9.0質量%とすることがより更に好ましく、3.5~8.5質量%とすることが特に好ましく、4~8質量%とすることがとりわけ好ましい。これらの好ましい範囲では、各々より優れた染毛力を得ながら、成分(C)及び成分(D)の利用による毛髪以外への意図しない染色を抑制する効果をより高く得ることができる。また、べたつきを抑えつつ、良好なコンディショニング効果を得ることができる。
【0037】
成分(C)及び成分(D)の合計に対する、成分(A)及び成分(B)の合計の割合((A+B)/(C+D))は限定されないが、その上限値は0.2であることが好ましい。0.2以下であることにより、毛髪以外への意図しない染色を抑制する効果をより高く得ることができる。
この割合の上限値は、更に、0.16が好ましく、0.14がより好ましい。更に、この割合は、0.13とすることが更に好ましく、0.12とすることが特に好ましい。この割合が0.12以下である場合には、染料の溶解不良による析出を防止しつつ、毛髪以外への意図しない染色を抑制する効果をとりわけ良好に得ることができる。
一方、この割合の下限値も限定されないものの、0.005とすることができ、0.008が好ましく、0.01がより好ましく、0.025とすることが更に好ましく、0.045とすることが特に好ましい。この割合が0.045以上である場合には、特に優れた染毛力を得ながらも、毛髪以外への意図しない染色を抑制する効果をとりわけ良好に得ることができる。
【0038】
これらの下限値と上限値とは各々の組合せとすることができる。即ち、例えば、0.005~0.2とすることが好ましく、0.008~0.15とすることがより好ましく、0.01~0.12とすることが更に好ましく、0.025~0.11とすることが特に好ましく、0.045~0.10とすることがとりわけ好ましい。これらの好ましい範囲では、各々より優れた染毛力を得ながらも、染料の析出を防止しつつ、毛髪以外への意図しない染色を抑制する効果をより高く得ることができる。
【0039】
[4]その他の成分
本発明の染毛料組成物は、上述した成分(A)~(D)以外の他の成分を必要に応じて含有できる。他の成分としては、例えば、界面活性剤、油性成分、(C)及び(D)以外の水溶性ポリマー、ポリペプチド類、アミノ酸類、可溶化剤、防腐剤、pH調整剤、植物エキス、安定剤、酸化防止剤等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0040】
(1)界面活性剤
本発明の染毛料組成物では、染料等の機能成分を組成物内に分散させるため等の目的から界面活性剤を含むことができる。界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのなかでも、イオン性の界面活性剤が好ましく、更にはカチオン性界面活性剤がより好ましい。
また、本発明の染毛料組成物では、毛髪への塗布性や洗髪堅牢性の向上、毛髪の指通りなどの感触向上等の観点から、油性成分を配合できる。油性成分を含む場合、成分(A)~(D)等の親水性成分との均一混合性の観点から、界面活性剤を好適に用いることができる。これにより組成物全体を乳化させて安定性を向上させることができる。
【0041】
更に、本発明の染毛料組成物は、上述した染料による染毛作用に加えてコンディショニング作用を有するカラートリートメントとすることができる。この場合、コンディショニング作用の観点からは、界面活性剤として、カチオン性界面活性剤を利用することが好ましい。一方で、本発明の染毛料組成物では、製剤安定性の観点から、ノニオン性界面活性剤は含まれないか、含まれるとしても本染毛料組成物全体に対して1質量%未満であることが好ましい。
【0042】
カチオン性界面活性剤としては、モノアルキル型4級アンモニウム塩、ジアルキル型4級アンモニウム塩、トリアルキル型4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム型4級アンモニウム塩、モノアルキルエーテル型4級アンモニウム塩等のアルキル4級アンモニウム塩類、アルキルアミン塩、脂肪酸アミドアミン塩、エステル含有3級アミン塩、アーコベル型3級アミン塩等のアミン塩類、アルキルピリジニウム塩、アルキルイソキノリウム塩等の環式4級アンモニウム塩類、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0043】
これらのなかでは、アルキル4級アンモニウム塩類が好ましく、更には、モノアルキル型4級アンモニウム塩、及び/又は、ジアルキル型4級アンモニウム塩が好ましく、更には、モノアルキル型4級アンモニウム塩が好ましい。
【0044】
モノアルキル型4級アンモニウム塩としては、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム(ベヘントリモニウムクロリド)、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキル(16,18)トリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム(セトリモニウムクロリド)、臭化セチルトリメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(ステアルトリモニウムクロリド)、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム(ジステアリルジモニウムクロリド)、塩化アルキル(28)トリメチルアンモニウム、塩化ジPOE(2)オレイルメチルアンモニウム、塩化ジPOEステアリルメチルアンモニウム、塩化POE(1)POP(25)ジエチルメチルアンモニウム、塩化POPメチルジエチルアンモニウム、塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0045】
アニオン性界面活性剤としては、アルキルエーテル硫酸塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α-スルホン脂肪酸塩、N-アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、スルホコハク酸エステル等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらの界面活性剤のアニオン基の対イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、トリエタノールアミン等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0046】
即ち、例えば、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、セチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム、POEラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、POEラウリルエーテル硫酸アンモニウム、POEステアリルエーテル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、ラウリルリン酸ナトリウム、POEラウリルエーテルリン酸及びその塩、N-ラウロイルグルタミン酸塩類(ラウロイルグルタミン酸ナトリウム等)、N-ラウロイルメチル-β-アラニン塩、N-アシルグリシン塩、N-アシルグルタミン酸塩、高級脂肪酸であるラウリン酸、ミリスチン酸及びこれらの高級脂肪酸の塩が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0047】
両性界面活性剤としては、アミノ酸型両性界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤が挙げられる。このうち、アミノ酸型両性界面活性剤としては、N-ラウロイル-N’-カルボキシメチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム(ラウロアンホ酢酸Na)、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ウンデシルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、N-ヤシ油脂肪酸アシル-N’-カルボキシエチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、N-ヤシ油脂肪酸アシル-N’-カルボキシエトキシエチル-N’-カルボキシエチルエチレンジアミン二ナトリウム、N-ヤシ油脂肪酸アシル-N’-カルボキシメトキシエチル-N’-カルボキシメチルエチレンジアミン二ナトリウム、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、パーム油脂肪酸アシル-N-カルボキシエチル-N-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウムなどのグリシン型両性界面活性剤;ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸トリエタノールアミンなどのアミノプロピオン酸型両性界面活性剤;などが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0048】
ベタイン型両性界面活性剤としては、ヤシ油アルキルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルベタインナトリウム、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、パーム油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、リシノレイン酸アミドプロピルベタイン、ステアリルジヒドロキシエチルベタインなどのアミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤;ラウリルヒドロキシスルホベタインなどのスルホベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0049】
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、エーテル型ノニオン性界面活性剤、エステル型ノニオン性界面活性剤、アルキルグルコシド等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0050】
エーテル型ノニオン性界面活性剤としては、例えば、POE(5.5)セチルエーテル(HLB値10.5)、POE(6)セチルエーテル(HLB値10.5)、POE(6)セチルエーテル(HLB値10.5)、POE(7)セチルエーテル(HLB値11.5)、POE(10)セチルエーテル(HLB値13.5)、POE(15)セチルエーテル(HLB値15.5)、POE(20)セチルエーテル(HLB値17.0)、POE(23)セチルエーテル(HLB値18.0)、POE(25)セチルエーテル(HLB値18.5)、POE(30)セチルエーテル(HLB値19.5)、POE(40)セチルエーテル(HLB値20.0)、POE(2)セチルエーテル(HLB値8.0)、POE(4)セチルエーテル(HLB値8.4)、POE(5)セチルエーテル(HLB値9.5)等のPOEセチルエーテル(セテス);POE(20)ステアリルエーテル(HLB値18.0)、POE(150)ステアリルエーテル(HLB値19.2)、POE(4)ステアリルエーテル(HLB値9.0)、POE(5)ステアリルエーテル(HLB値9.0)、POE(2)ステアリルエーテル(HLB値8.0)等のPOEステアリルエーテル(ステアレス);POE(10)ベヘニルエーテル(HLB値10.0)、POE(20)ベヘニルエーテル(HLB値16.5)、POE(30)ベヘニルエーテル(HLB値18.0)、POE(150)ベヘニルエーテル(HLB値19.1)、POE(2)ベヘニルエーテル(HLB値4.3)、POE(3)ベヘニルエーテル(HLB値5.8)、POE(5)ベヘニルエーテル(HLB値7.0)、POE(6)ベヘニルエーテル(HLB値8.9)等のPOEベヘニルエーテル(ベヘネス);POE(7)オレイルエーテル(HLB値10.5)、POE(10)オレイルエーテル(HLB値14.5)、POE(15)オレイルエーテル(HLB値16.0)、POE(20)オレイルエーテル(HLB値17.0)、POE(50)オレイルエーテル(HLB値18.0)、POE(2)オレイルエーテル(HLB値4.9)、POE(3)オレイルエーテル(HLB値6.6)等のPOEオレイルエーテル(オレス);POE(4.2)ラウリルエーテル(HLB値11.5)、POE(9)ラウリルエーテル(HLB値14.5)、POE(10)ラウリルエーテル(HLB値14.5)、POE(21)ラウリルエーテル(HLB値19.0)、POE(25)ラウリルエーテル(HLB値19.5)、POE(2)ラウリルエーテル(HLB値9.5)、POE(3)ラウリルエーテル(HLB値8.4)等のPOEラウリルエーテル(ラウレス);POE(2)ミリスチルエーテル(HLB値5.8)、POE(3)ミリスチルエーテル(HLB値7.7)等のPOEミリスチルエーテル;POE(2)オクチルドデシルエーテル(HLB値4.6)、POE(5)オクチルドデシルエーテル(HLB値8.5)等のPOEオクチルドデシルエーテル;POE(2)ヘキシルデシルエーテル(HLB値5.3)、POE(4)ヘキシルデシルエーテル(HLB値8.4)等のPOEヘキシルデシルエーテル;POE(5)イソステアリルエーテル(HLB値7.0)等のPOEイソステアリルエーテル;POEノニルフェニルエーテル;POEオクチルフェニルエーテル;POE(10)POP(4)セチルエーテル(HLB値10.5)、POE(20)POP(4)セチルエーテル(HLB値16.5)、POE(20)POP(8)セチルエーテル(HLB値12.5)、POE(1)POP(4)セチルエーテル(HLB値9.5)等のPOEリオキシプロピレンセチルエーテル:POE(12)POP(6)デシルテトラデシルエーテル(HLB値8.5)等のPOEポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0051】
尚、各化合物のHLBは、日光ケミカルズ社カタログ(2014年)記載の数値等を参考値として記載している。これらのHLBは、「ハンドブック-化粧品・製剤原料-改訂版(昭和53年3月1日波高、日光ケミカルズ株式会社)」に記載された「20・3・1 乳化法によるHLB値の実測」(854~855頁)に従って測定できる。
【0052】
エステル型非イオン性界面活性剤としては、モノオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン、モノパルミチン酸POEソルビタン、モノラウリン酸POEソルビタン、トリオレイン酸POEソルビタン等のPOEソルビタン脂肪酸エステル;モノステアリン酸POEグリセリン、モノミリスチン酸POEグリセリン等のグリセリルモノ脂肪酸エステル;テトラオレイン酸POEソルビット、ヘキサステアリン酸POEソルビット、モノラウリン酸POEソルビット等のPOEソルビトール脂肪酸エステルが挙げられる。POEソルビタン脂肪酸エステル及びモノグリセリルモノ脂肪酸エステルのPOEの付加モル数は、例えば5以上である。POEソルビトール脂肪酸エステルのPOEの付加モル数は、例えば6以上である。また、これら以外のエステル型非イオン性界面活性剤としては、POE(6)POEソルビットミツロウ等のソルビットミツロウ、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、親油型モノオレイン酸グリセリン、親油型モノステアリン酸グリセリン、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ショ糖脂肪酸エステル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、POE還元ラノリン等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0053】
界面活性剤の含有量は限定されないものの、本組成物全体を100質量%とした場合に、下限値は0.01質量%、好ましくは0.1質量%、更に好ましくは0.8質量%とすることができる。一方、その上限値は30質量%、好ましくは20質量%、更に好ましくは10質量%とすることができる。上述の下限値と上限値とは各々の組合せとすることができ、例えば、0.01~30質量%とすることが好ましく、0.1~20質量%とすることがより好ましく、0.8~10質量%とすることが更に好ましい。
但し、前述の通り、製剤安定性の観点からは、ノニオン性界面活性剤は含まれないか、含まれるとしても本染毛料組成物全体100質量%に対して1質量%未満であることが好ましい。
【0054】
(2)油性成分
油性成分としては、高級アルコール(但し、成分(C)を除く)、炭化水素、高分子化合物、エステル類、油脂、ロウ類、高級脂肪酸、シリコーン、フッ素油、アルキルグリセリルエーテル等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。油性成分は、例えば、毛髪にうるおい感を付与する目的で配合することができる。
【0055】
高級アルコールは、炭素数が6以上の炭素鎖を持つアルコールを利用できる。例えば、炭素数8以上40以下の高級アルコールが含まれる。また、その骨格は、飽和でもよく不飽和でもよく、直鎖でもよく分岐鎖でもよい。具体的には、セテアリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2-ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、ラノリンアルコール、フィトステロール、コレステロールなどが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0056】
炭化水素としては、流動パラフィン、流動イソパラフィン、パラフィン(パラフィンワックス)、オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ミネラルオイル、合成スクワラン、スクアレン、スクアラン(水添スクアレン)、ポリブテン、ポリエチレン(ポリエチレンワックス)、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、オゾケライト、セレシン、リモネン、テレビン油などが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0057】
高分子化合物は限定されず利用することができるが、本組成物では、特にカチオン化セルロース誘導体が好ましく、その他、カチオン性澱粉、カチオン化グアーガム、ジアリル4級アンモニウム塩の重合体又は共重合体、4級化ポリビニルピロリドン等を利用できる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0058】
カチオン化セルロース誘導体としては、塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース(即ち、ポリクオタニウム-10)、塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(ラウリルジメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド(即ち、ポリクオタニウム-4)等が挙げられる。
ジアリル4級アンモニウム塩の重合体又は共重合体としては、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド重合体(ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム、即ち、ポリクオタニウム-6)、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド/アクリル酸共重合体(即ち、ポリクオタニウム-22)、アクリル酸/ジアリル第四級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合体(ポリクオタニウム-39)等が挙げられる。
4級化ポリビニルピロリドンとしては、ビニルピロリドンとメタクリル酸ジメチルアミノエチルの共重合体と硫酸ジエチルから得られる4級アンモニウム塩(即ち、ポリクオタニウム-11)等が挙げられる。
これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0059】
その他、高分子化合物として、カルボキシビニルポリマーなどのアニオン性ポリマー、水溶性ポリマーなどが挙げられる。水溶性ポリマーとしては、アラビアガム、キサンタンガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、デンプン、アルゲコロイド(褐藻エキス)などの植物性高分子、デキストラン、プルランなどの微生物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプンなどのデンプン系高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、ニトロセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウムなどのアルギン酸系高分子、カルボキシビニルポリマーなどのビニル系高分子等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0060】
エステル類としては、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、ネオペンタン酸2-オクチルドデシル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ネオデカン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸ヘキシル、イソステアリン酸2-ヘキシルデシル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸2-エチルヘキシル、イソパルミチン酸オクチル、2-エチルヘキサン酸イソステアリル、2-エチルヘキサン酸ステアリル、2-エチルヘキサン酸セチル、2-エチルヘキサン酸セトステアリル、2-エチルヘキサン酸2-ヘキシルデシル、12-ステアロイルステアリン酸イソステアリル、12-ステアロイルステアリン酸イソセチル、12-ステアロイルステアリン酸オクチルドデシル、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル(テトラオクタン酸ペンタエリスリチル)、オクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、テトライソステアリン酸ペンタエリトリット、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル、ミリスチン酸イソトリデシル、イソステアリン酸プロピレングリコール、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、ミリスチン酸プロピレングリコール-3ベンジルエーテルモノステアリン酸プロピレングリコール、モノラウリン酸プロピレングリコール、イソステアリン酸ポリグリセリル、リシノール酸オクチルドデシル、イソステアリン酸硬化ヒマシ油、C10~C30脂肪酸コレステリル/ラノステリル、乳酸セチル、酢酸ラノリン、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル(ジペンタエリトリット脂肪酸エステル)、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸ジオクチル等を用いることができる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0061】
油脂としては、植物性油(植物性油脂)、動物性油(動物性油脂)等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。このうち植物性油としては、マカデミア種子油、メドウフォーム油、ホホバ種子油、コメ胚芽油、ヒマワリ種子油、オリーブ油、ブドウ種子油、アーモンド油、杏仁油、桃仁油、パーシック油、シア脂、ローズヒップ油、ツバキ油、茶実油、サザンカ油、アルガニアスピノサ核油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、カカオ脂、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、月見草油、コメヌカ油、コメ胚芽油、小麦胚芽油、ハトムギ油、アボカド油、カロット油、ヒマシ油、アマニ油、ヤシ油、パーム油等が挙げられる。また、動物性油としては、牛脂、ラード、ミンク油、卵黄油等が挙げられる。
【0062】
ロウ類としては、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリン、鯨ロウ、コメヌカロウ、サトウキビロウ、パームロウ、モンタンロウ、綿ロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、カポックロウ、セラックロウ等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0063】
高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、リノール酸、リシノール酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0064】
シリコーンとしては、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、末端水酸基変性ジメチルポリシロキサン、650~10000の平均重合度を有する高重合シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(アモジメチコン)等のアミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等が挙げられる。
【0065】
油性成分の含有量は限定されないものの、本組成物全体を100質量%とした場合に、下限値は0.1質量%、好ましくは1質量%、更に好ましくは3質量%とすることができる。一方、その上限値は50質量%、好ましくは30質量%、更に好ましくは15質量%とすることができる。上述の下限値と上限値とは各々の組合せとすることができ、例えば、0.1~50質量%とすることが好ましく、1~30質量%とすることがより好ましく、3~15質量%とすることが更に好ましい。
【0066】
(3)水溶性ポリマー
水溶性ポリマーとしては、(C)及び(D)以外の有機系高分子及び無機系高分子が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
有機系高分子としては、デンプン、グアーガム、ローカストビーンガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、トラガカントガム、ペクチン、マンナン、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、カードラン、ヒアルロン酸、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン、加水分解コラーゲン、デキストリン、トリグルコ多糖(プルラン)等の天然高分子;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガム、デンプンリン酸エステル、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸塩等の半合成高分子;ポリビニルカプロラクタム、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビニルピロリドン-酢酸ビニル(VP/VA)コポリマー、ポリビニルブチラール、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニル重合体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、アクリル酸/アクリル酸アルキル共重合体、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム(ポリクオタニウム-6)、更には、イタコン酸とPOEアルキルエーテルとの半エステル、又は、メタクリル酸とPOEアルキルエーテルとのエステルと、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらのアルキルエステルから選ばれる少なくとも一つの単量体と、からなる共重合体等の合成高分子;などが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
これら水溶性ポリマーを用いることで、例えば、染毛料組成物の粘度調整を行うことができる。
【0067】
(4)ポリペプチド類
ポリペプチド類としては、動物性蛋白質、植物性蛋白質、これらの加水分解物(加水分解蛋白)、カチオン化加水分解蛋白等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
このうち、動物性蛋白質としては、ケラチン、コラーゲン、シルク、コンキオリン、エラスチン、フィブロイン、カゼイン、ゼラチン等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。また、植物性蛋白質としては、大豆、コムギ、オオムギ、カラスムギ、アーモンド等の植物から得られる植物性蛋白質(大豆蛋白、コムギ蛋白、オオムギ蛋白、カラスムギ蛋白、アーモンド蛋白)が挙げられる。
また、加水分解蛋白には、上述の各種蛋白質を、酸、アルカリ、酵素等により加水分解した成分が含まれる。また、カチオン化加水分解蛋白には、加水分解蛋白を変性剤によりカチオン化させた成分や、予め変性されたカチオン化蛋白を加水分解した成分等が含まれる。更に、加水分解蛋白としては、加水分解ケラチン、加水分解コラーゲン、加水分解シルク、加水分解コンキオリン、加水分解大豆蛋白等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0068】
(5)アミノ酸類
アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、アラニン、テアニン、アルギニン、ヒスチジン、トレオニン等のアミノ酸及びこれらの塩;タウリン等のアミノ酸類似化合物:などが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのアミノ酸類を用いることで、例えば、毛髪のツヤを向上させることができる。
【0069】
(6)可溶化剤
可溶化剤としては、低級アルコール(但し、成分(C)を除く)及び芳香族アルコールが挙げられる。具体的には、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール等の炭素数5以下の1価の低級アルコール、ベンジルアルコール、2-フェニルエチルアルコール、シンナミルアルコール、フェニルプロパノール、1-フェノキシ-2-プロパノール、フェニルグリコール、α-メチルベンジルアルコール、ジメチルベンジルカルビノール、ベンジルオキシエタノール、フェノキシエタノール、フェノキシイソプロパノール、p-アニシルアルコール等の芳香族アルコールが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0070】
(7)防腐剤
防腐剤としては、フェノキシエタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、イソプロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0071】
(8)pH調整剤
pH調整剤としては、リンゴ酸、ピロリドンカルボン酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、乳酸等の有機酸、グルタミン酸、アルギニン等のアミノ酸、タウリン等の有機スルホン酸、リン酸、塩酸、硫酸、ホウ酸等の無機酸、更には、それらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等)などが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0072】
(9)植物エキス
植物エキスとしては、アボカドエキス、アマチャエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オトギリソウエキス、オレンジエキス、カイソウエキス、カミツレエキス、カモミールエキス、カンゾウエキス、クチナシエキス、クマザサエキス、グレープフルーツエキス、クワエキス、コケモモエキス、ゴボウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、ゼニアオイエキス、ジオウエキス、シソエキス、シナノキエキス、シャクヤクエキス、ショウキョウエキス、シラカバエキス、スギナエキス、セージエキス、セイヨウサンザシエキス、タイムエキス、チャエキス、チョウジエキス、ドクダミエキス、ハイビスカスエキス、ハマメリスエキス、パセリエキス、ビワエキス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ムクロジエキス、ユーカリエキス、ユズエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ライチエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0073】
(10)安定剤
安定剤としては、フェナセチン、8-ヒドロキシキノリン、アセトアニリド、ピロリン酸ナトリウム、バルビツール酸、尿酸、タンニン酸等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0074】
(11)酸化防止剤
酸化防止剤としては、アスコルビン酸(L-アスコルビン酸)、無水亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0075】
上記以外にも、更に、糖類(マルトース、グリコシルトレハロース、N-アセチルグルコサミンなど)、無機塩(塩化ナトリウム、炭酸ナトリウムなど)、緩衝剤(リン酸ナトリウムなど)、キレート化剤(エデト酸及びその塩類、ジエチレントリアミン五酢酸及びその塩類、ヒドロキシエタンジホスホン酸及びその塩など)、ビタミン類、香料、着色剤及び紫外線吸収剤、並びに「医薬部外品原料規格」(2006年6月発行、薬事日報社)に収載されるものから選ばれる少なくとも一種等の成分を含有できる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0076】
[5]染毛料組成物の形態・使用
本組成物の剤型(25℃における剤型)は限定されず、用途や目的に応じて適宜選択でき、例えば、クリーム状、乳化物状(乳液状)、分散液状、ペースト状、泡状(フォーム状)、液体状、水溶液状、ゲル状、固体状等とすることができる。更に、本組成物は、1剤式として用いてもよく、2剤以上に分割した多剤式として用いてもよい。また、多剤式の場合においては、使用前に混合して用いてもよく、順次個別に使用してもよい。
【0077】
本組成物の用途は限定されず、シャンプー、リンス、コンディショナー、トリートメント、カラークリーム、前処理剤、後処理剤等とすることができるが、特にカラートリートメント、カラーコンディショナー、カラーリンス、カラーシャンプー等とすることが好ましい。これらによれば、日常的なヘアケア時に本組成物が毛髪に対して適用することができ、その結果、染毛処理が繰り返されることで継続的な染毛を行うことができる。上述のなかでも、本組成物は、染毛作用に加えてヘアコンディショニング効果を併せ持つカラートリートメント、カラーコンディショナー、カラーリンス等としての利用が特に好ましい。
【0078】
本組成物は、水や温湯で濡れた状態の毛髪に適用されてもよいし、乾いた毛髪に適用されてもよい。また、適用後は、洗い流してもよいし、洗い流さなくてもよい。また、本組成物を毛髪へ塗布する場合の塗布方法は限定されず、手櫛による塗布、スプレー(噴霧)による塗布、コーム又は刷毛を用いた塗布等を利用できる。
これらのなかでも、染毛料組成物は、毛髪に塗布する前にシャンプーを用いて洗毛処理を行うことが好ましい。洗毛処理した後、通常のトリートメント又はリンスの施術方法に従い塗布することができる。染毛料組成物が毛髪に塗布された後、所定時間は静置することができる。その後、常法に従い毛髪に塗布した組成物を湯水ですすぐことができる。更に、常法に従い毛髪を乾燥することができる。
【0079】
本染毛料組成物は、どのような毛髪に対して適用してもよい。即ち、黒毛髪、白毛髪、ブリーチ毛髪(黒毛髪をブリーチ処理したもの)等に対して適用できるが、白髪への適用が染毛効果の観点から適する。
【実施例0080】
以下、本発明を実施例に則して更に詳細に説明するが、これらの実施例はあくまでも説明のために便宜的に示す例に過ぎず、本発明は如何なる意味でもこれらの実施例に限定されるものではない。
【0081】
[1]染毛料組成物の調製
下記に示す成分を、表1~4に示す質量割合で混合することにより、実施例1~26及び比較例1~5の染毛料組成物を調製した。調製方法は以下の通りである。
【0082】
(1)調製方法
実施例1~26及び比較例1~5の染毛料組成物は、いずれも全成分を一括した1剤式の染毛料組成物であり、以下の手順により得た。即ち、シリコーン以外の各成分を容器に投入し、80℃で乳化して乳化物を得た。その後、得られた乳化物に、上記のシリコーンを添加し、合計100%となるように精製水を加えて混合してクリーム状の乳化物である実施例1~26及び比較例1~5の染毛料組成物を得た。尚、混合には、混合機「乳化試験器ET-SA型」(日光ケミカルズ社製)を用いた。
【0083】
(2)成分の詳細
表1~4に示す各成分は、以下の通りである。
[成分(A)]カチオン性直接染料
・(A)塩基性紫2
・(A)塩基性茶16
・(A)塩基性茶17
・(A)HC青16
・(A)塩基性青75
【0084】
[成分(B)]ノニオン性直接染料
・(B)HC青2
・(B)HC黄4
【0085】
[成分(C)]ポリアルキレングリコール
・(C)PEG1000:ポリエチレングリコール(平均分子量1000)
・(C)PPG400:ポリプロピレングリコール(平均分子量400)
・(C)PEG400:ポリエチレングリコール(平均分子量400)
【0086】
[成分(D)]多価アルコール
・(D)グリセリン
・(D)プロピレングリコール
【0087】
[その他の成分]
・セタノール
・ステアリルアルコール
・ベヘントリモニウムクロリド
・HEC:ヒドロキシエチルセルロース
・クエン酸
・ジメチコン
・セテス-2:セタノールのPEG(2)エーテル(ノニオン性界面活性剤)
【0088】
[2]染毛料組成物の評価
(1)染毛処理
以下の要領により、染毛処理を行った。
【0089】
(1-2)染毛処理
長さ10cmの評価用の白毛の毛束サンプル(ビューラックス社製)(以下、単に毛束という。)に、シャンプー(ホーユー社製のビゲントリートメントシャンプー)を1回施した後に、実施例1~26及び比較例1~5の各染毛料組成物を、毛束1gに対して毛料組成物1gとなるように刷毛塗りし、毛束に塗布してから5分後に、毛束に付着した組成物を水で洗い流した。続いて、毛束を温風で乾燥し、各例の染毛処理毛束を得た。
【0090】
(1-3)染毛力の評価
上記(1-2)までに得られた染毛処理毛束を、標準光源下で染毛評価の専門パネリストが目視にて観察し、各例の染毛料組成物による染色具合の強度を評価した。
評価に際しては、評価前に、パネリスト全員で標準サンプル評価を行い、評価基準の各スコアについて標準化を行った上で、10名によって客観性のある評価を行った。評価は下記1~5に示す5段階の基準に従った。また、評価は5段階の評点の中から、各パネリストが自らの評価と最も近い数字を1つ選択することにより行った。
【0091】
5:非常に良く染まっている
4:良く染まっている
3:染まっている
2:染まりが僅かに浅い
1:染まりが浅い
【0092】
その後、各パネリストの採点結果について平均値を算出し、平均値が4.6点以上を「優れる:5」、3.6点以上4.6点未満を「良好:4」、2.6点以上3.6点未満を「可:3」、1.6点以上2.6点未満を「やや不良:2」、及び1.6点未満を「不良:1」とし、評価結果とした。その結果を表1~4の「染毛力」欄に示した。
【0093】
(2)地肌汚れの評価
(2-1)地肌への染色
評価モデル(健常な成人)の乾燥状態の前腕内側部の直径約1cmの範囲に、各例の毛髪処理剤組成物0.1gを円形状に塗布して5分間放置した後、水洗した。更に、ホーユー社製のビゲントリートメントシャンプー組成物を使用し、塗布部分を2回洗浄処理した。
【0094】
(2-2)地肌汚れの評価
上記(2-1)で得られた染色後の地肌を、標準光源下で地肌汚れ評価の専門パネリストが目視にて観察し、各例の染毛料組成物による地肌への染色(即ち、地肌汚れ)の有無とその強度を評価した。
評価に際しては、評価前に、パネリスト全員で標準サンプル評価を行い、評価基準の各スコアについて標準化を行った上で、5名によって客観性のある評価を行った。評価は下記1~5に示す5段階の基準に従った。また、評価は5段階の評点の中から、各パネリストが自らの評価と最も近い数字を1つ選択することにより行った。
【0095】
5:地肌汚れが認められない
4:地肌汚れと捉え得る色変化が認められる
3:地肌汚れが認められるものの、目立つものではない
2:目立つ地肌汚れが認められるが、洗浄により目立たなくできる
1:目立つ地肌汚れが認められ、洗浄によっても目立ちを解消できない
【0096】
その後、各パネリストの採点結果について平均値を算出し、平均値が4.6点以上を「優れる:5」、3.6点以上4.6点未満を「良好:4」、2.6点以上3.6点未満を「可:3」、1.6点以上2.6点未満を「やや不良:2」、及び1.6点未満を「不良:1」とし、評価結果とした。その結果を表1~4の「地肌汚れ抑制」欄に示した。
【0097】
(3)タイル汚れの評価
(3-1)タイルへの染色
評価用タイルとして、TOTO社製 MX305 #NW1を用意した。このタイルの直径約2cmの範囲に、各例の毛髪処理剤組成物0.1gを塗布して放置した。その後、10分間経過に、当該部位を水洗した。
【0098】
(3-2)タイル汚れの評価
上記(3-1)で得られた染色後のタイルを、標準光源下でタイル汚れ評価の専門パネリストが目視にて観察し、各例の染毛料組成物による染色具合の強度を評価した。
評価に際しては、評価前に、パネリスト全員で標準サンプル評価を行い、評価基準の各スコアについて標準化を行った上で、5名によって客観性のある評価を行った。評価は下記1~6に示す6段階の基準に従った。また、評価は6段階の評点の中から、各パネリストが自らの評価と最も近い数字を1つ選択することにより行った。
【0099】
6:タイル汚れが認められない
5:タイル汚れと捉え得る色変化が認められる
4:タイル汚れが認められるものの、目立つものではない
3:目立つタイル汚れが認められるが、洗浄により目立たなくできる
2:目立つタイル汚れが認められるが、洗浄により目立ちを軽減できる
1:目立つタイル汚れが認められ、洗浄によっても目立ちを解消できない
【0100】
その後、各パネリストの採点結果について平均値を算出し、平均値が5.6以上を「顕著に優れる:6」、4.6点以上5.6未満を「優れる:5」、3.6点以上4.6点未満を「良好:4」、2.6点以上3.6点未満を「可:3」、1.6点以上2.6点未満を「やや不良:2」、及び1.6点未満を「不良:1」とし、評価結果とした。その結果を表1~4の「タイル汚れ抑制」欄に示した。
【0101】
(4)染料の溶解性の評価
上記[1]で調製した染毛料組成物を、-10℃(即ち、染料析出が常温よりも生じ易い環境)で2週間保存した後、目視及び顕微鏡にて染料の溶解性を評価した。評価は下記1~5に示す5段階の基準に従った。
5:優れる(目視でも顕微鏡でも染料析出を認めることができない)
4:良好(目視では認められないが、顕微鏡により認められる僅かな染料析出がある)
3:可(目視では認められないが、顕微鏡により認められる染料析出が多くある)
2:やや不良(目視で認める染料析出が僅かにある)
1:不良(目視で認められる染料析出が多くある)
【0102】
(5)製剤安定性の評価
上記[1]で調製した染毛料組成物を、5℃(染毛料組成物の保存に適した温度)で1ヶ月保存した「保存品A」と、50℃(染毛料組成物の保存に適さない温度)で1ヵ月保存した「保存品B」と、を得た。これら保存品Aと保存品Bとを用いて、上記[2](1)と同様に染毛処理を行い、「保存品A」により得られた「染毛色A」を基準として、「保存品B」により得られた「染毛色B」が、「染毛色A」からどの程度変化(色調変化など)したかの評価を行った。評価に際しては、評価前に、染毛色評価の専門パネリスト全員で標準サンプル評価を行い、評価基準の各スコアについて標準化を行った上で、10名によって客観性のある評価を行った。評価は下記1~5に示す5段階の基準に従った。
5:優れる(「染毛色A」と「染毛色B」との差異を認めることができない)
4:良好(「染毛色A」と「染毛色B」との差異をわずかに認める)
3:可(「染毛色A」と「染毛色B」との差異を認める)
2:やや不良(「染毛色A」と「染毛色B」との差異をやや大きく認める)
1:不良(「染毛色A」と「染毛色B」との差異が大きく認める)
【0103】
その後、各パネリストの採点結果について平均値を算出し、平均値が4.6点以上を「優れる:5」、3.6点以上4.6点未満を「良好:4」、2.6点以上3.6点未満を「可:3」、1.6点以上2.6点未満を「やや不良:2」、及び1.6点未満を「不良:1」とし、評価結果とした。
【0104】
【表1】
【0105】
【表2】
【0106】
【表3】
【0107】
【表4】
【0108】
[3]実施例の効果
本染毛料組成物は、成分(A)~成分(D)の4成分を含むとともに、(A)/(B)≦0.5であることを要旨とするところ、成分(A)を含まない比較例1(表4)では染毛力評価が3未満であり不十分となる。成分(B)を含まない比較例2(表4)では地肌汚れ抑制及びタイル汚れ抑制の評価がいずれも3未満であり不十分となる。成分(C)を含まない比較例3(表4)では地肌汚れ抑制及びタイル汚れ抑制の評価がいずれも3未満であり不十分となる。(A)/(B)>0.5である比較例5(表4)では地肌汚れ抑制及びタイル汚れ抑制の評価がいずれも3未満であり不十分となる。尚、成分(D)を含まない比較例4(表4)では染料の溶解性の評価が3未満となり、染毛料組成物として成立させることが難しい。
これに対して、成分(A)~成分(D)の4成分をすべて含むとともに、(A)/(B)≦0.5である実施例1~26では、染毛力、地肌汚れ抑制及びタイル汚れ抑制のいずれの評価も3以上と優れることが分かる。
【0109】
成分(D)の配合量が0.8~11質量%である実施例1~5では、地肌汚れ抑制の評価はいずれも5であり、タイル汚れ抑制の評価はいずれも6であり、極めて優れていることが分かる。但し、成分(D)の配合量が大きくなると染料力に影響することが分かる。この観点からは、成分(D)の配合量は10質量%以下とすることが好ましいことが分かる。また、成分(D)の配合量が小さくなると染料の溶解性に影響するという観点からは、成分(D)の配合量は1.0質量%以上にすることができる。
【0110】
成分(C)の配合量が0.8~11質量%である実施例1、6~9では、染毛力と、地肌汚れ抑制及びタイル汚れ抑制と、の両効果がトレードオフの関係になることが分かる。即ち、成分(C)の配合量が小さくなると染料力は優れるものの、地肌汚れ抑制及びタイル汚れ抑制が低下する傾向があることが分かる。一方で、成分(C)の配合量が大きくなると地肌汚れ抑制及びタイル汚れ抑制には優れるものの、染毛力が低下する傾向があることが分かる。従って、いずれの評価も4以上と高く得るという観点からは、成分(C)の配合量は0.1~10質量%とすることが好ましいことが分かる。
【0111】
成分(B)の配合量が0.09~1.6質量%である実施例1、10~13では、染毛力と、地肌汚れ抑制と、の両効果が僅かながらトレードオフの関係になることが分かる。即ち、成分(B)の配合量が小さくなると地肌汚れ抑制及びタイル汚れ抑制には優れるものの、染毛力が低下する傾向があることが分かる。一方で、成分(B)の配合量が大きくなると染料力は優れるものの、地肌汚れ抑制が僅かに低下する傾向があることが分かる。従って、いずれの評価も4以上と高く得るという観点からは、成分(B)の配合量は0.1~1.5質量%とすることが好ましいことが分かる。また、成分(B)の配合量が大きくなると染料の溶解性に影響するという観点からも、成分(B)の配合量は1.5質量%以下にすることが好ましいことが分かる。
【0112】
成分(A)の配合量が0.009~0.7質量%である実施例1、14~16では、染毛力と、地肌汚れ抑制及びタイル汚れ抑制と、の両効果がトレードオフの関係になることが分かる。即ち、成分(A)の配合量が小さくなると地肌汚れ抑制及びタイル汚れ抑制には優れるものの、染毛力が低下する傾向があることが分かる。一方で、成分(A)の配合量が大きくなると染料力は優れるものの、地肌汚れ抑制及びタイル汚れ抑制が低下する傾向があることが分かる。従って、いずれの評価も4以上と高く得るという観点からは、成分(A)の配合量は0.01~0.6質量%とすることが好ましいことが分かる。
【0113】
また、ノニオン性界面活性剤を配合した実施例17及び実施例18では、その配合の増加に伴って製剤安定性が低下する傾向があることが分かる。従って、製剤安定性を確保する観点からは、ノニオン性界面活性剤の配合量は、1.0質量%以下とするか、或は、ノニオン性界面活性剤を実質的に含まないことが好ましいことが分かる。