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特開2023-128952配信サーバ、配信方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128952
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】配信サーバ、配信方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 51/224 20220101AFI20230907BHJP
【FI】
H04L51/224
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022033653
(22)【出願日】2022-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】TOPPANエッジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100206999
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 綾夏
(72)【発明者】
【氏名】林 明穂
(72)【発明者】
【氏名】小野田 千紘
(72)【発明者】
【氏名】和泉 伸星
(57)【要約】
【課題】RCSで通知したメッセージが既読にならない場合であっても利用者にメッセージを伝える。
【解決手段】通信事業者を介し、RCS(Rich Communication Services)を用いて、利用者の通信端末にメッセージを配信する配信サーバであって、前記通信事業者から通知されるWebhook情報であって、RCSを用いて通知したメッセージのステータスを示すWebhook情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記Webhook情報に基づいて、RCSを用いて通知したメッセージが前記通信端末に受信され、且つ、前記通信端末に表示されていないことが前記ステータスに示されている場合、前記利用者にメッセージの内容を配送するための制御を行う通知制御部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信事業者を介し、RCS(Rich Communication Services)を用いて、利用者の通信端末にメッセージを配信する配信サーバであって、
前記通信事業者から通知されるWebhook情報であって、RCSを用いて通知したメッセージのステータスを示すWebhook情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記Webhook情報に基づいて、RCSを用いて通知したメッセージが前記通信端末に受信され、且つ、前記通信端末に表示されていないことが前記ステータスに示されている場合、前記利用者にメッセージの内容を配送するための制御を行う通知制御部と、
を備える配信サーバ。
【請求項2】
前記通知制御部は、RCSを用いて通知したメッセージが前記通信端末に受信され、且つ、前記通信端末に表示されたことが前記ステータスに示されている場合、次回以降の通知を、RCSを用いた通知とするか、又は配送による通知とするか質問するメッセージを、RCSを用いて前記通信端末に送信するための制御を行う、
を請求項1に記載の配信サーバ。
【請求項3】
通信事業者を介し、RCS(Rich Communication Services)を用いて、利用者の通信端末にメッセージを配信する配信サーバであるコンピュータにより実行される配信方法であって、
取得部が、前記通信事業者から通知されるWebhook情報であって、RCSを用いて通知したメッセージのステータスを示すWebhook情報を取得し、
通知制御部が、前記取得部によって取得された前記Webhook情報に基づいて、RCSを用いて通知したメッセージが前記通信端末に受信され、且つ、前記通信端末に表示されていないことが前記ステータスに示されている場合、前記利用者にメッセージの内容を配送するための制御を行う、
配信方法。
【請求項4】
コンピュータを、請求項1又は請求項2に記載の配信サーバとして動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記配信サーバが備える各部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配信サーバ、配信方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
オンラインで情報を通知する電子通知サービスがある。特許文献1では、利用者に通知を行う際、利用者がすぐに見ることのできる確率が高いアドレスに情報を送信する技術が開示されている。
【0003】
このような電子通知サービスには、携帯電話番号を宛先とするメッセージサービス、例えば、RCS(Rich Communication Services)がある。携帯電話番号を宛先とすることにより、通知先の相手のメールアドレスが不明であってもメッセージを送信することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-241732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、RCSで通知したメッセージが既読にならない場合がある。例えば、利用者がメッセージを受信した時に忙しくメッセージを開くことができない場合、利用者はメッセージを読むことが難しい。このような場合であっても利用者にメッセージを伝えることができるほうが望ましい。
【0006】
上述の課題を鑑み、本発明の目的は、RCSで通知したメッセージが既読にならない場合であっても利用者にメッセージを伝えることができる配信サーバ、配信方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る配信サーバは、通信事業者を介し、RCS(Rich Communication Services)を用いて、利用者の通信端末にメッセージを配信する配信サーバであって、前記通信事業者から通知されるWebhook情報であって、RCSを用いて通知したメッセージのステータスを示すWebhook情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記Webhook情報に基づいて、RCSを用いて通知したメッセージが前記通信端末に受信され、且つ、前記通信端末に表示されていないことが前記ステータスに示されている場合、前記利用者にメッセージの内容を配送するための制御を行う通知制御部と、を備える。
【0008】
また、本発明は、上述の配信サーバにおいて、前記通知制御部は、RCSを用いて通知したメッセージが前記通信端末に受信され、且つ、前記通信端末に表示されたことが前記ステータスに示されている場合、次回以降の通知を、RCSを用いた通知とするか、又は配送による通知とするか質問するメッセージを、RCSを用いて前記通信端末に送信するための制御を行う。
【0009】
また、本発明の一態様に係る配信方法は、通信事業者を介し、RCS(Rich Communication Services)を用いて、利用者の通信端末にメッセージを配信する配信サーバであるコンピュータにより実行される配信方法であって、取得部が、前記通信事業者から通知されるWebhook情報であって、RCSを用いて通知したメッセージのステータスを示すWebhook情報を取得し、通知制御部が、前記取得部によって取得された前記Webhook情報に基づいて、RCSを用いて通知したメッセージが前記通信端末に受信され、且つ、前記通信端末に表示されていないことが前記ステータスに示されている場合、前記利用者にメッセージの内容を配送するための制御を行う。
【0010】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、上記に記載の配信サーバとして動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記配信サーバが備える各部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、RCSで通知したメッセージが既読にならない場合であっても利用者にメッセージを伝えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係る配信システム1の構成例を示すブロック図である。
図2】実施形態に係る配信サーバ10の構成例を示すブロック図である。
図3】実施形態に係る配信情報120の例を示す図である。
図4】実施形態に係る応答情報121の例を示す図である。
図5】実施形態に係る配信システム1が行う処理の流れを示すシーケンス図である。
図6】実施形態に係る配信サーバ10が行う処理の流れを示すフローチャートである。
図7】実施形態に係る配信サーバ10が行う処理の流れを示すフローチャートである。
図8】実施形態に係る配信サーバ10が行う処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、実施形態に係る配信システム1の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、配信システム1は、例えば、配信サーバ10と、企業サーバ20と、通信事業者サーバ30(30A、30B)と、通信端末40とを備える。
【0014】
配信サーバ10は、通信端末40に対するメッセージを送信するサービスを提供する事業者が管理するサーバ装置である。配信サーバ10は、通信端末40に対するメッセージを、通信事業者サーバ30を介して送信(配信)する。配信サーバ10は、電話番号を宛先とするメッセージサービスであるRCS(Rich Communication Services)、又はSMS(Short Message Service)を用いてメッセージを送信する。配信サーバ10は、企業サーバ20、及び通信事業者サーバ30との間で無線通信又は有線通信をする。
通信端末40に対するメッセージを送信するサービスは、配信サーバ10が行う場合もあるが、企業サーバ20が行うようにしてもよい。例えば、配信サーバ10の機能が搭載された企業サーバ20を、企業が運用するようにしてもよい。この場合、企業サーバ20の企業は、配信サーバ10の事業者を介することなく、通信事業者サーバ30と通信し、メッセージを送信することができる。
また、通信端末40に対して通知したメッセージの管理を配信サーバ10が行う場合もあるが、通信事業者サーバ30が行うようにしてもよい。例えば、配信サーバ10の機能が搭載された通信事業者サーバ30の企業(通信事業者)が運用するようにしてもよい。この場合、通信事業者サーバ30の通信事業者は、企業サーバ20の依頼に応じて通信端末40にメッセージを送信することができる。
【0015】
企業サーバ20は、メッセージの配信を配信システム1に依頼する依頼者が管理するサーバ装置である。依頼者は、例えば、送信先のユーザに対して情報を提供する企業や団体、例えば銀行や保険会社等である。企業サーバ20は、配信サーバ10との間で無線通信又は有線通信をする。
【0016】
通信事業者サーバ30は、通信事業者によって管理されるサーバ装置である。通信事業者は、例えば、自らが保有又は運用する通信回線を用いて、電話番号を利用した通信サービスを通信端末40に提供するMNO(Mobile Network Operator、移動体通信事業者)である。
通信サービスには、RCS及びSMSを用いた通信が含まれる。通信事業者サーバ30は、配信サーバ10、及び通信端末40との間で無線通信又は有線通信をする。通信事業者サーバ30は、配信サーバ10からの配信リクエストに応じて、RCS又はSMSを用いたメッセージを通信端末40に送信する。
RCSを用いた通信サービスでは、通信端末40に送信したRCSを用いたメッセージに対するWebhook(ウェブフック)情報が、通信事業者サーバ30を介して配信サーバ10に送信される。Webhook情報は、メッセージのステータス、例えば、通信端末40にメッセージが受信された(delivered)、或いは、通信端末40にメッセージが表示された(displayed)などの状態を示す情報である。
通信事業者が複数ある場合には、通信事業者サーバ30も通信事業者毎に設けられる。通信事業者サーバ30Aは、第1通信事業者によって管理され、通信事業者サーバ30Bは、第2通信事業者によって管理される。以下、特に通信事業者サーバを識別しない場合には、通信事業者サーバ30と称する。
【0017】
通信端末40は、スマートフォン又は携帯電話など、電話番号を対応づけることが可能な通信装置である。通信端末40は、ユーザ等によって、通信事業者サーバ30の事業者と、通信端末40を用いた通信サービスを利用するための契約がなされる。通信端末40は、契約している通信事業者が提供する通信サービスを用いて通信することが可能である。通信端末40には電話番号が割り当てられており、この電話番号を送信先とした通信、すなわちRCS又はSMSを用いた通信を行う機能を有する。
通信端末40には、SMSに係るアプリケーションプログラム(SMSアプリ)がプリインストールされており、配信サーバ10から企業サーバ20を介して配信されたSMSメッセージ、つまりSMSを用いたメッセージを受信することができる。
通信端末40には、RCSに係るアプリケーションプログラム(RCSアプリ)がプリインストールされていない場合があるが、利用者がRCSアプリをインストールしてアクティベートするための登録等の手続を行うことによりRCSに対応する通信装置とすることができる。通信端末40がRCSに対応している場合、配信サーバ10から企業サーバ20を介して配信されたRCSメッセージ、つまりRCSを用いたメッセージを受信することができる。
通信端末40は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示部と、ユーザによる操作を受け付けるタッチパネル等の操作部を有する。通信端末40は、通信事業者サーバ30及び通信端末40を通信相手として通信ネットワークを用いた通信をする。ユーザは、例えば生活者である。
【0018】
図2は、実施形態に係る配信サーバ10の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、配信サーバ10は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。通信部11は、企業サーバ20、通信事業者サーバ30と通信を行う。
【0019】
記憶部12は、例えば、配信情報120、及び応答情報121を記憶する。
【0020】
図3は、実施形態に係る配信情報120の例を示す図である。配信情報120は、企業から依頼された情報に基づいて生成され、例えば、利用者に通知するメッセージごとに生成される。
配信情報120は、利用者ID、電話番号、トークルームID、配送宛先、通知内容、通知方法フラグ、配送日時などの項目に対応する情報を含む。
利用者IDは、利用者を一意に識別する識別情報である。電話番号は、利用者に電子通知を行う際の宛先となる電話番号である。
トークルームIDはトークルームを識別する情報である。トークルームは、RCSアプリを介してメッセージがやり取りされる画面である。企業から利用者に通知するメッセージは、その企業のトークルームに表示される。トークルームIDはボットIDなどと称される場合がある。
配送宛先は、利用者に配送通知を行う際の宛先となる住所である。通知内容は利用者に通知するメッセージの内容である。
通知方法フラグは、通知方法を示す情報である。この図の例では、通知方法フラグは、RCSフラグと、SMSフラグと、配送フラグとを含む。例えば、フラグに1が設定された場合、そのフラグに対応する通知方法が利用者にメッセージを通知する手段として用いられることを示す。フラグに0(ゼロ)が設定されている場合、そのフラグに対応する通知方法が用いられないことを示す。
配送日時は、配送物を配送する日時を示す情報である。この配送日時は企業から指定された情報であってもよいし、実際に配送物が配送された日時の実績を示す情報であってもよし、両方が示されていてもよい。
【0021】
図4は、実施形態に係る応答情報121の例を示す図である。応答情報121は、通信端末40から得られた応答(リアクション)を示す情報である。応答情報121は、例えば、利用者ID、電話番号、トークルームID、応答(応答1、応答2、…)のそれぞれの項目に対応する情報を含む。
利用者ID、電話番号、トークルームIDのそれぞれは配信情報120と同様な情報であるため、これらの説明を省略する。
応答の項目には、例えば、日時と種別の各項目に対応する情報が記憶される。日時は応答がなされた日時であり、Webhook情報で通知されたタイムスタンプに示された日時である。種別は応答の種別であり、Webhook情報で通知されたステータスである。
例えば、メッセージが通信端末40に受信された場合、メッセージのステータスが「受信(delivered)」であることを示すWebhook情報が、通信事業者サーバ30を介して配信サーバ10に通知される。このWebhook情報からタイムスタンプ、及びステータスが抽出され、応答情報121の応答1における日時、及び種別として記憶される。
また、メッセージが通信端末40に表示された場合、メッセージのステータスが「表示(displayed)」であることを示すWebhook情報が、通信事業者サーバ30を介して配信サーバ10に通知される。このWebhook情報からタイムスタンプ、及びステータスが抽出され、応答情報121の応答2における日時、及び種別として記憶される。
【0022】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)などの記憶媒体、あるいはこれらの組合せによって構成される。記憶部12は、配信サーバ10の各種処理を実行するためのプログラム、及び各種処理を行う際に利用される一時的なデータを記憶する。
【0023】
図2の説明に戻り、制御部13は、例えば、取得部130と、通知制御部131を備える。制御部13が備えるこれらの機能部(取得部130と、通知制御部131)は、配信サーバ10がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
【0024】
取得部130は、各種の情報を取得する。
例えば、取得部130は、企業サーバ20から配信サーバ10に対して通知されたメッセージの配信依頼を取得する。配信依頼にはメッセージを通知する宛先や通知内容などを示す情報が含まれる。取得部130は、取得した配信依頼にある宛先や通知内容などを示す情報を、配信情報120における電話番号、配送宛先、通知内容などとして記憶させる。
或いは、取得部130は、配信依頼に応じたメッセージ、例えば、RCSを用いて通知するメッセージ、SMSを用いて通知するメッセージ、及び配送通知により通知するメッセージのそれぞれを生成し、生成したメッセージを、配信情報120の通知内容として記憶させるようにしてもよい。
また、取得部130は、通信事業者サーバ30から配信サーバ10に対して通知されたWebhook情報を、通信部11を介して取得する。取得部130は取得したWebhook情報を、応答情報121として記憶部12に記憶させる。
【0025】
通知制御部131は、通知方法フラグに応じて、利用者にメッセージを通知するための制御を行う。
例えば、通知制御部131は、配送通知にてメッセージ通知する場合、例えば、配信サーバ10は、配送業者に、通知データを送付して通知データの内容を印刷した印刷物を配送物として利用者に配送するように指示する。これにより、利用者に配送物が配送される。
また、通知制御部131は、電子通知にてメッセージを通知する場合、通信事業者を介してメッセージを利用者の通信端末40に送信する。より具体的には、通知制御部131は、通信事業者サーバ30に、利用者の通信端末40にメッセージを送信するように要求(リクエスト)する。
【0026】
通知制御部131はメッセージのステータスに応じた制御を行う。例えば、通知制御部131は、取得部130によって取得されたWebhook情報に基づいて、通信端末40に通知したメッセージにおけるステータスを取得する。通知制御部131は、取得したステータスが「受信(delivered)」である場合、メッセージが通信端末40に受信されたが、通信端末40に表示されていないと判定し、「未読」、つまり利用者にメッセージが開かれていない、と判定する。この場合、通知制御部131は、利用者にメッセージの内容を再送するための制御を行う。
【0027】
例えば、通知制御部131は、未読となったメッセージを配送物により配送する制御を行う。より具体的には、未読となったメッセージの内容を含む配送物を利用者に配送するように配送業者に指示する。
或いは、通知制御部131は、利用者にRCSメッセージを再送するための制御を行うようにしてもよい。この場合、通知制御部131は、通信事業者サーバ30に対して、通信端末40に、既に送信したRCSメッセージと同じ内容のメッセージを送信するように要求(リクエスト)する。
【0028】
ステータスが「受信(delivered)」である場合において、そのメッセージを配送物により配送するか、RCSメッセージにて再送するかは、メッセージごとに、予め決定される。例えば、企業サーバ20から配信サーバ10に対して、利用者宛てにメッセージを通知するように配信依頼が行われた際に、依頼したメッセージが未読である場合の対応について、企業から、未読となったメッセージを配送物により配送するか、RCSメッセージにて再送するかが指定される。
【0029】
また、通知制御部131は、ステータスが「表示(displayed)」である場合、RCSメッセージが通信端末40に受信され、且つ、通信端末40に表示されたと判定する。すなわち、通知制御部131は、「既読」、つまり利用者がメッセージを視認したと判定する。この場合、通知制御部131は、利用者にメッセージの内容を再送するための制御を行わない。
【0030】
図5は、実施形態に係る配信システム1が行う処理の流れを示すシーケンス図である。
まず、前提として、配信サーバ10は、RCSメッセージを生成する。配信サーバ10は、企業サーバ20から依頼された配信依頼に応じたメッセージを作成する。例えば、企業サーバ20は、データベース(配信データ)を備える。配信データには、企業の顧客である利用者の個人情報(顧客情報)が記憶されている。また、配信データには企業のトークルームを識別する情報(トークルームID)が記憶される。企業サーバ20は、配信データを参照し、利用者の宛先、例えば、電話番号、或いは電話番号がない場合は住所及び氏名などの情報、を取得する。企業サーバ20は、利用者の宛先、メッセージの通知内容、及びトークルームIDを対応づけた情報を配信サーバ10に送信することにより配信依頼を行う。配信サーバ10は、企業サーバ20から受信した配信依頼に基づいて、配信情報120を生成することにより利用者に通知する通知データ、例えば、RCSを用いて通知するメッセージ(RCSメッセージ)、SMSを用いて通知するメッセージ(SMSメッセージ)及び配送通知により通知するメッセージのそれぞれを作成する。以下では、配信サーバ10がRCSメッセージを通信端末40に通知する場合について説明する。
【0031】
配信サーバ10は、通信事業者サーバ30に対してメッセージ送信リクエストを行う(ステップS1)。具体的には、配信サーバ10は、RCSメッセージを通信事業者サーバ30に送信し、当該RCSメッセージを通信端末40に送信するように要求(リクエスト)する。
【0032】
通信事業者サーバ30は、配信サーバ10から受信した、メッセージ送信リクエストに応じて、メッセージ配信処理を行う(ステップS2)。具体的には、通信事業者サーバ30は、配信サーバ10から受信したRCSメッセージを、通信端末40に送信する。
【0033】
通信端末40は、通信事業者サーバ30からRCSメッセージを受信する(ステップS3)。これにより、通信端末40から、RCSメッセージが受信された旨の制御情報(Webhook情報)が通信事業者サーバ30に送信される。
【0034】
通信端末40は、通信事業者サーバ30から受信したRCSメッセージを表示する(ステップS4)。これにより、通信端末40から、RCSメッセージが表示された旨の制御情報(Webhook情報)が通信事業者サーバ30に送信される。
【0035】
通信事業者サーバ30は、Webhook情報を受信すると、受信したWebhook情報を配信サーバ10に送信する(ステップS5)。配信サーバ10は、通信事業者サーバ30からWebhook情報を受信すると、受信したWebhook情報から抽出したタイムスタンプ及びステータスのそれぞれを応答情報121における応答の日時及び種別として記憶部12に記憶させる(ステップS6)。
【0036】
配信サーバ10は、定期的に(例えば、1日1回)、応答情報121を参照して、再送判定処理を行う(ステップS7)。再送判定処理は、通信端末40に通知したRCSメッセージを再送するか否かを判定する処理である。再送判定処理の詳細については後で詳しく説明する。
【0037】
配信サーバ10は、ステップS7における再送判定処理の結果、配送による再送を行うと判定した場合、配送設定処理を行う(ステップS8)。配送設定処理はメッセージの内容を配送するための処理である。配送設定処理が行われることによりメッセージの内容がしめされた配送物が配送される。配送設定処理の詳細については後で詳しく説明する。
【0038】
配信サーバ10は、ステップS7における再送判定処理の結果、RCSメッセージによる再送を行うと判定した場合、通信事業者サーバ30に対してメッセージ送信リクエストを行う(ステップS9)。ステップS9~S11に示す処理は、ステップS1~S3と同様であるため、その説明を省略する。
【0039】
配信サーバ10は、ステップS7における再送判定処理の結果、再送を行わないと判定した場合、次回希望確認処理を行う(ステップS12)。次回希望確認処理は、次回以降に通知するメッセージの通知方法について利用者の希望を確認するための処理である。次回希望確認処理が行われることにより、次回以降に通知するメッセージの通知方法を利用者の希望に沿った通知方法とすることができる。次回希望確認処理の詳細については後で詳しく説明する。
【0040】
図6には、再送判定処理(図5のステップS7)に示す処理の流れが示されている。まず、配信サーバ10は、RCSメッセージのステータスを取得する(ステップS70)。次に、配信サーバ10は、ステータスの内容に応じた処理を行う(ステップS71)。具体的には、配信サーバ10はステータスに「表示(displayed)」が示されていた場合、メッセージを再送しないと判定し(ステップS72)、ステップS12に示す処理(次回希望確認処理)を行う。配信サーバ10はステータスに「受信(delivered)」が示されていた場合、メッセージを再送すると判定する(ステップS73)。配信サーバ10は、予め決められた通知方法に応じて再送が行われるように制御し、RCSを用いたメッセージの再送を行うか、配送によるメッセージの再送を行うかを判定する(ステップS74)。配信サーバ10は、RCSを用いたメッセージの再送を行う場合にはステップS9に示す処理(メッセージ送信リクエスト)を行う。また、配信サーバ10は、配送によるメッセージの再送を行う場合にはステップS8に示す処理(配送設定処理)を行う。
一方、配信サーバ10は、ステータスに「その他」が示されている場合、配送フラグに1を設定し(ステップS75)、処理を終了させる。
なお、ステータスに、「その他」が示されている場合とは、「表示(displayed)」及び「受信(delivered)」のいずれも示されていないことであり、例えば、RCSメッセージが通信端末40に受信されなかった場合である。また、ステップS75において、配信サーバ10は、配送フラグではない他のフラグ(RCSフラグ及びSMSフラグ)に、0(ゼロ)を設定するようにしてもよい。
【0041】
図7には、配送設定処理(図5のステップS8)に示す処理の流れが示されている。まず、配信サーバ10は、配信情報120を参照し、配送フラグに1が設定されているものを抽出する(ステップS80)。配信サーバ10は、抽出した配信情報120の通知内容に基づいて、配送通知により通知するメッセージを生成する(ステップS81)。配信サーバ10は、配送通知により通知するメッセージを配送するように配送業者等に指示する(ステップS82)。
【0042】
図8には、次回希望確認処理(図5のステップS12)に示す処理の流れが示されている。まず、前提として、配信サーバ10は、次回以降に通知するメッセージの通知方法を問い合わせるメッセージ(確認通知)を、RCSを用いて通信端末40に通知する。
【0043】
配信サーバ10は、確認通知に対する回答を受信する(ステップS120)。回答には、顧客が次回以降の通知に対して希望する通知方法として、例えば、RCS通知、SMS通知、又は配送通知のいずれか1つが示されている。
【0044】
配信サーバ10は、通信端末40から得られた回答に、RCS通知、SMS通知、又は配送通知のいずれの通知方法が示されているか判定する(ステップS121)。配信サーバ10は、回答にRCS通知が示されている場合、配信情報120におけるRCSフラグに1を設定し、他のフラグ(SMSフラグ及び配送フラグ)に0(ゼロ)を設定する(ステップS122)。配信サーバ10は、回答にSMS通知が示されている場合、配信情報120におけるSMSフラグに1を設定し、他のフラグ(RCSフラグ及び配送フラグ)に0(ゼロ)を設定する(ステップS123)。配信サーバ10は、回答に配送通知が示されている場合、配信情報120における配送フラグに1を設定し、他のフラグ(RCSフラグ及びSMSフラグ)に0(ゼロ)を設定する(ステップS124)。
【0045】
以上説明したように、実施形態に係る配信サーバ10は、通信事業者を介し、RCSを用いて、利用者の通信端末40にメッセージを配信する。配信サーバ10は、取得部130と通知制御部131とを備える。取得部130はWebhook情報を取得する。Webhook情報は通信事業者から通知される、RCSを用いて通知したメッセージのステータスを示す情報である。通知制御部131は、Webhook情報に基づいて利用者にメッセージの内容を配送するための制御を行う。通知制御部131は、Webhook情報に、RCSを用いて通知したメッセージが通信端末40に受信され、且つ、通信端末40に表示されていないことがステータスに示されている場合、利用者にメッセージの内容を配送するための制御を行う。これにより、実施形態の配信サーバ10では、RCSで通知したメッセージが既読にならない場合であっても利用者にメッセージを伝えることができる。
【0046】
また、実施形態の配信サーバ10では、RCSを用いて通知したメッセージが、通信端末40に受信され、且つ、通信端末40に表示されたことがステータスに示されている場合、次回以降の通知を、RCSを用いた通知とするか、又は配送による通知とするか質問するメッセージを、RCSを用いて前記通信端末に送信するための制御を行う。これにより、実施形態の配信サーバ10では、RCSで通知したメッセージが既読になった場合に、次回以降に通知するメッセージを利用者が希望する通知方法で通知することができる。
【0047】
以上、本発明の実施形態について説明した。なお、上述した実施形態における配信システム1、及び配信サーバ10の全部又は一部の機能をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0048】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 配信システム
10 配信サーバ
130 取得部
131 通知制御部
20 企業サーバ
30 通信事業者サーバ
40 通信端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8