(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128991
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】液体燃料供給装置
(51)【国際特許分類】
B67D 7/32 20100101AFI20230907BHJP
【FI】
B67D7/32 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022033717
(22)【出願日】2022-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000110099
【氏名又は名称】トキコシステムソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 宣行
(72)【発明者】
【氏名】仁科 孝之
(72)【発明者】
【氏名】阿部 繁
(72)【発明者】
【氏名】松永 侑己
【テーマコード(参考)】
3E083
【Fターム(参考)】
3E083AA01
3E083AD22
3E083AD26
(57)【要約】
【課題】モータの絶縁抵抗を測定する際にモータへの通電が自動的に遮断される仕組みを採用することにより、モータの知識に乏しい者であってもモータの絶縁抵抗を容易に測定できるようにし、液体燃料供給装置による燃料供給を速やかに再開可能とする。
【解決手段】モータ101によりポンプを駆動させて液体燃料を供給する液体燃料供給装置であって、モータ101に接続されるコネクタ200と、モータ101に電圧を印加する電源(200V)に接続されるコネクタ230と、を備え、コネクタ200は、電源(200V)に接続されるコネクタ230、及びモータ101の絶縁抵抗を測定する絶縁抵抗測定器に接続される第3コネクタの両方に接続可能である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータによりポンプを駆動させて液体燃料を供給する液体燃料供給装置であって、
前記モータに接続される第1コネクタと、
前記モータに電圧を供給する電源に接続される第2コネクタと、を備え、
前記第1コネクタは、前記電源に接続される前記第2コネクタ、及び前記モータの絶縁抵抗を測定する絶縁抵抗測定器に接続される第3コネクタの両方に接続可能であることを特徴とする液体燃料供給装置。
【請求項2】
前記第1コネクタは、前記モータの前記絶縁抵抗を測定する際に、前記第2コネクタから取り外され、前記モータと前記電源との接続を遮断することを特徴とする請求項1に記載の液体燃料供給装置。
【請求項3】
前記モータと前記電源との間に接続されるマグネットスイッチをさらに備え、
前記マグネットスイッチの接点を接続するための電圧は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとに接続された状態で供給され、前記第1コネクタと前記第2コネクタとに接続されていない状態では供給されない
ことを特徴とする請求項1に記載の液体燃料供給装置。
【請求項4】
前記第1コネクタは、
前記モータに接続されるモータ用端子と、
前記マグネットスイッチの前記接点を接続するための電圧を供給する供給路を接続する供給路接続用端子と、を有し、
前記第2コネクタは、
前記モータ用端子に接続され、前記モータに電圧を供給する前記電源に接続されるモータ電源用端子と、
前記供給路接続用端子に接続され、前記マグネットスイッチの前記接点を接続するための前記電圧を前記マグネットスイッチに供給する接点用端子と、を有する
ことを特徴とする請求項3に記載の液体燃料供給装置。
【請求項5】
前記供給路接続用端子のピンは、前記モータ用端子のピンより短い
ことを特徴とする請求項4に記載の液体燃料供給装置。
【請求項6】
液体燃料の供給量を表示する表示器が設けられ、可燃性のガスに対して火災や爆発の点火源とならないようにした防爆エリアを備え、
前記第1コネクタ及び前記第2コネクタは前記防爆エリアに設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の液体燃料供給装置。
【請求項7】
モータによりポンプを駆動させて液体燃料を供給する液体燃料供給装置であって、
前記モータに接続される第1コネクタと、
前記モータと前記モータに電圧を供給する電源との間に接続されるマグネットスイッチと、
前記マグネットスイッチの接点を接続するための電圧を供給する供給路を接続する第2コネクタと、を備え、
前記第1コネクタは、前記供給路を接続する前記第2コネクタ、及び前記モータの絶縁抵抗を測定する絶縁抵抗測定器に接続される第3コネクタの両方に接続可能であることを特徴とする液体燃料供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体燃料供給装置に関し、液体燃料を供給するポンプを駆動させるモータに接続されるコネクタを備える液体燃料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体燃料供給装置は通常、装置内のモータによりポンプを駆動し、ポンプにより圧送される液体燃料を車両などへ供給する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、液体燃料供給装置が洪水などで水没した後、迅速に液体燃料供給装置による燃料供給を再開できるようにすることが望まれているが、例えば、一旦水没してしまったモータが使用可能であるか否か、或いは、モータへ電源を供給して問題が生じないかを確認するため、このモータの絶縁抵抗を測定し、モータの異常の有無を確認する必要がある。
【0005】
また、このモータの異常の有無の確認は、モータの知識を有する者が行うことが望ましいが、そのような者(点検者)が不在の場合には、液体燃料供給装置による燃料供給の再開を点検者が訪れるまで待たなければならない。
【0006】
本発明は、モータの絶縁抵抗を測定する際にモータへの通電が自動的に遮断される仕組みを採用することにより、モータの知識に乏しい者であってもモータの絶縁抵抗を容易に測定できるようにし、液体燃料供給装置による燃料供給を速やかに再開可能とすることができる液体燃料供給装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の液体燃料供給装置は、モータによりポンプを駆動させて液体燃料を供給する液体燃料供給装置であって、モータに接続される第1コネクタと、モータに電圧を供給する電源に接続される第2コネクタと、を備え、第1コネクタは、電源に接続される第2コネクタ、及びモータの絶縁抵抗を測定する絶縁抵抗測定器に接続される第3コネクタの両方に接続可能である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、モータの絶縁抵抗を測定する際にモータへの通電が自動的に遮断される仕組みを採用することにより、モータの知識に乏しい者であってもモータの絶縁抵抗を容易に測定できるようにし、液体燃料供給装置による燃料供給を速やかに再開可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施例1の液体燃料供給装置の全体構成を示した図である。
【
図2】実施例1のモータに接続されるコネクタとマグネットスイッチに接続されるコネクタとを示した図である。
【
図3】実施例1のモータに接続されるコネクタと絶縁抵抗測定器に接続されるコネクタとを示した図である。
【
図4】実施例2のモータに接続されるコネクタとそのコネクタに接続されるコネクタとを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施の形態において、その構成要素は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0011】
(実施例1)
図1は、実施例1の液体燃料供給装置の全体構成を示した図である。
図1に示すように、液体燃料供給装置は、例えばガソリンスタンドに設置され、地下タンク2に貯留される液体燃料(例えば、軽油、レギュラーガソリン、ハイオクガソリン)を汲み上げて車両などに供給する。
【0012】
(液体燃料供給装置1)
液体燃料供給装置1は、モータ101~103と、ポンプ111~113と、流量計121~126と、収納ボックス130と、マグネットスイッチ140と、電源150と、表示器160と、を備える。モータ101~103のそれぞれは、ポンプ111~113を駆動する。これらのモータ101~103は、防水仕様である。ポンプ111~113は、地下タンク2から液体燃料を汲み上げて、圧送する。例えば、ポンプ111は軽油用、ポンプ112はレギュラーガソリン用、及びポンプ113はハイオクガソリン用である。ポンプ111~113から車両などに供給される液体燃料は、流量計121~126によって流量が測定される。流量計121、123及び125のそれぞれは、液体燃料供給装置1の表面の図示しない軽油ノズル、レギュラーノズル及びハイオクノズルから吐出される液体燃料の流量を測定する。また、流量計122、124及び126のそれぞれは、液体燃料供給装置1の裏面の図示しない軽油ノズル、レギュラーノズル及びハイオクノズルから吐出される液体燃料の流量を測定する。なお、ポンプが複数ある場合には、当然、モータおよびマグネットスイッチも対応して複数設けられる。
【0013】
収納ボックス130には、後述するコネクタや絶縁抵抗測定器が収納される。この収納ボックス130は、防水仕様である。なお、収納ボックス130は、防爆仕様であってもよいし、施錠できてもよい。マグネットスイッチ140は、モータ101~103と電源150との間に接続される。電源150は、モータ101~103を駆動するための交流電圧、マグネットスイッチ140の接点を接続するための直流電圧などを供給する。表示器160は、上記したノズルから供給される油種や液体燃料の流量などを表示する。収納ボックス130、マグネットスイッチ140及び表示器160が設けられるエリアは、可燃性のガスに対して火災や爆発の点火源とならないようにした防爆エリアである。
【0014】
図2は、実施例1のモータに接続されるコネクタとマグネットスイッチに接続されるコネクタとを示した図である。
【0015】
(モータ101に接続されるコネクタ200(第1コネクタ))
まず、
図2を参照して、実施例1のモータ101に接続されるコネクタ200(第1コネクタ)の詳細を説明する。モータ101には、コネクタ200が接続される。ここでは、モータ101に接続されるコネクタ200について説明するが、モータ102及び103に接続されるコネクタも、コネクタ200と同様であるので、その説明は省略する。コネクタ200は、6つの端子211~216を有する。モータ101は、3相交流モータであり、端子211~213のそれぞれは、モータ101のU相コイル、V相コイル及びW相コイルに接続される。端子211~213は、モータ用端子である。端子211~213のそれぞれには、マグネットスイッチ140及びコネクタ230を介して、電源150からモータ101を駆動するための交流電圧(例えば、200V)が供給される。端子214は、フレームグランド(FG)に接続される。また、端子215と端子216とは、内部又は外部で接続される。端子215及び端子216は、マグネットスイッチ140の接点を接続するための直流電圧(例えば、24V)を供給する供給路を接続する供給路接続用端子である。この直流電圧は、電源150内のACDCコンバータなどから供給される。端子215及び216のピン225及び226は、端子211~214のピン221~224より短い。したがって、コネクタ200をコネクタ230から取り外す場合、端子215及び216が端子211~214より先に外れる。このコネクタ200は、マグネットスイッチ140を介して電源150に接続されるコネクタ230と接続可能である。
【0016】
(電源150に接続されるコネクタ230(第2コネクタ))
次に、実施例1の電源150に接続されるコネクタ230(第2コネクタ)の詳細を説明する。コネクタ230は、マグネットスイッチ140を介して電源150に接続される。コネクタ230は、6つの端子241~246を有する。6つの端子241~246のそれぞれは、上記したコネクタ200の6つの端子211~216に接続される。電源150から供給されるモータ101を駆動するための交流電圧は、マグネットスイッチ140、コネクタ230の端子241~243、コネクタ200の端子211~213を介して、モータ101に供給される。端子241~243は、モータ101に交流電圧を供給する電源150に接続されるモータ電源用端子である。端子244は、フレームグランド(FG)に接続される。また、端子245及び246のそれぞれは、コネクタ200の端子215及び216に接続される。端子246は、マグネットスイッチ140の接点を接続するための直流電圧を供給する電源150に接続される。電源150から供給される直流電圧は、端子246、端子216、端子215、及び端子245を介して、マグネットスイッチ140に供給される。マグネットスイッチ140に直流電圧が供給されると、マグネットスイッチ140の接点が接続する。これにより、モータ101を駆動するための交流電圧が、マグネットスイッチ140を介してモータ101に供給される。端子245及び246は、マグネットスイッチ140の接点を接続するための直流電圧をマグネットスイッチ140に供給する接点用端子である。
【0017】
(絶縁抵抗測定器300に接続されるコネクタ310(第3コネクタ))
図3は、絶縁抵抗測定器に接続されるコネクタを示した図である。
図3を参照して、絶縁抵抗測定器(以下、測定器と呼ぶ)300に接続されるコネクタ310(第3コネクタ)の詳細を説明する。測定器300は、モータ101~103の絶縁抵抗を測定して、モータ101~103の漏電などの異常を確認するための機器である。測定器300は、例えば、収納ボックス130に収納される。コネクタ310は、6つの端子321~326を有する。6つの端子321~326のそれぞれは、上記したコネクタ200の6つの端子211~216に接続可能である。つまり、コネクタ200は、電源150に接続されるコネクタ230及び測定器300に接続されるコネクタ310の両方に接続可能である。端子321~323のそれぞれは、モータ101に接続される端子211~213に接続される。端子324は、フレームグランド(FG)に接続される端子214に接続される。端子325及び326のそれぞれは、端子215及び216に接続される。
【0018】
(モータの絶縁抵抗の測定方法)
モータ101の絶縁抵抗を測定する場合、点検者は、モータ101に接続されるコネクタ200をマグネットスイッチ140に接続されるコネクタ230から取り外す。
図2に示すように、コネクタ230に接続されたコネクタ200を取り外す場合、ピン225及び226が他のピン221~224より短いので、端子215及び216と端子245及び246との接続が他の端子より先に外れる。端子215及び216と端子245及び246との接続が外れると、マグネットスイッチ140への直流電圧の供給が遮断されるため、マグネットスイッチ140の接点が非接続となる。これにより、マグネットスイッチ140において電源150からモータ101への交流電圧の供給が遮断される。さらに、端子211~213と端子241~243との接続が外れると、モータ101と電源150とが完全に非接続となる。
【0019】
次に、点検者は、コネクタ230から取り外されたコネクタ200を測定器300に接続されるコネクタ310に取り付ける。
図3に示すように、モータ101に接続される端子211~213が、測定器300に接続される端子321~323に接続されるので、モータ101の絶縁抵抗の測定が可能となる。
【0020】
(実施例1の効果)
コネクタ200は、電源150に接続されるコネクタ230、及びモータ101の絶縁抵抗を測定する測定器300に接続されるコネクタ310の両方に接続可能である。点検者は、絶縁抵抗の測定時にコネクタ200をコネクタ230から取り外し、コネクタ310に取り付けることになる。この作業過程において、モータ101への通電が自動的に遮断されることになるので、モータの知識に乏しい者であってもモータ101の絶縁抵抗を容易に測定できる。したがって、モータの知識を有する者の到着を待つことなく、液体燃料供給装置1による燃料供給が速やかに再開可能となる。
【0021】
コネクタ200は、モータ101の絶縁抵抗を測定する際に、コネクタ230から取り外され、モータ101と電源150とが完全に非接続となる。したがって、モータ101の絶縁抵抗の測定時に、確実に電源150からモータ101への電圧の供給を遮断することができる。
【0022】
マグネットスイッチ140の接点を接続するための電圧は、コネクタ200とコネクタ230とに接続された状態で供給され、コネクタ200とコネクタ230とに接続されていない状態では供給されない。モータ101の絶縁抵抗の測定時にコネクタ200をコネクタ230から取り外したときに、マグネットスイッチ140の接点が非接続となる。これにより、マグネットスイッチ140において電源150からモータ101への交流電圧の供給を遮断することができる。
【0023】
コネクタ200は、モータ101に接続される端子211~213と、マグネットスイッチ140の接点を接続するための電圧を供給する供給路を接続する端子215及び端子216と、を有する。また、コネクタ230は、端子211~213に接続され、モータ101に電圧を供給する電源150に接続される端子241~243と、端子215及び端子216に接続され、マグネットスイッチ140の接点を接続するための電圧をマグネットスイッチ140に供給する端子245及び246と、を有する。端子215及び端子216と端子245及び246とを非接続にすることにより、マグネットスイッチ140の接点が非接続となり、電源150とモータ101とを非接続にすることできる。さらに、端子211~213と端子241~243とを非接続にすることにより、電源150とモータ101とを確実に非接続にすることできる。
【0024】
端子215及び216のピン225及び226は、端子211~214のピン221~224より短い。これにより、マグネットスイッチ140との電気的な接続がモータ101との電気的に接続に比べて早く遮断されるため、モータ101に電源150から電圧が供給されてしまうことを防止することができる。
【0025】
液体燃料の供給量を表示する表示器160を防爆エリアに設け、また、コネクタ200及びコネクタ230を防爆エリアに設ける。これにより、防爆エリアにおいて、コネクタ200とコネクタ230との接続/非接続を行うことが可能となり、コネクタの接続箇所においてスパークなどが発生するのを防止することができる。
【0026】
(実施例2)
実施例1では、電源150からの交流電圧がマグネットスイッチ140及びコネクタ230を介して供給されるが、実施例2では、電源150からの交流電圧がマグネットスイッチ140からモータ101に直接供給される。
【0027】
図4は、実施例2のモータに接続されるコネクタとそのコネクタに接続されるコネクタとを示した図である。なお、実施例1と同様の説明は適宜省略する。
【0028】
(モータ101に接続されるコネクタ400(第1コネクタ))
図4を参照して、実施例2のモータ101に接続されるコネクタ400(第1コネクタ)の詳細を説明する。モータ101には、コネクタ400が接続される。コネクタ400は、6つの端子411~216を有する。端子411~413のそれぞれには、マグネットスイッチ140を介して、電源150からモータ101を駆動するための交流電圧が供給される。実施例1では、交流電圧が、電源150からマグネットスイッチ140、コネクタ230及びコネクタ200を介してモータ101に供給されていたが、実施例2では、電源150からマグネットスイッチ140を介してモータ101に供給される。端子415及び端子416のそれぞれは、後述する端子435及び端子436に接続される。端子415及び416は、マグネットスイッチ140の接点を接続するための直流電圧をマグネットスイッチ140に供給する接点用端子である。
【0029】
(コネクタ400に接続されるコネクタ420(第2コネクタ))
次に、実施例2のコネクタ400に接続されるコネクタ420の詳細を説明する。コネクタ420は、6つの端子431~436を有する。6つの端子431~436のそれぞれは、上記したコネクタ400の6つの端子411~416に接続される。端子431~433は、絶縁される。端子435及び436のそれぞれは、コネクタ400の端子415及び416に接続される。端子435と端子436とは、内部又は外部で接続される。端子435及び端子436は、マグネットスイッチ140の接点を接続するための直流電圧を供給する供給路を接続する供給路接続用端子である。電源150から供給されるマグネットスイッチ140の接点接続用の直流電圧は、端子416、端子436、端子435、及び端子415を介して、マグネットスイッチ140に供給される。
【0030】
(モータの絶縁抵抗の測定方法)
モータ101の絶縁抵抗を測定する場合、点検者は、モータ101に接続されるコネクタ400を液体燃料供給装置1に固定されるコネクタ420から取り外す。これにより、マグネットスイッチ140の接点を接続するための直流電圧を供給する供給路が非接続となるため、マグネットスイッチ140への直流電圧の供給が遮断され、マグネットスイッチ140の接点が非接続となる。その結果、マグネットスイッチ140において電源150からモータ101への交流電圧の供給が遮断される。
【0031】
次に、点検者は、コネクタ230から取り外されたコネクタ400を測定器300に接続されるコネクタ310に取り付ける。
図4に示すように、モータ101に接続される端子411~413が、測定器300に接続される端子321~323に接続されるので、モータ101の絶縁抵抗の測定が可能となる。
【0032】
(実施例2の効果)
コネクタ400は、マグネットスイッチ140の接点を接続するための電圧を供給する供給路を接続するコネクタ400、及びモータ101の絶縁抵抗を測定する測定器300に接続されるコネクタ310の両方に接続可能である。点検者は、絶縁抵抗の測定時にコネクタ400をコネクタ420から取り外し、コネクタ310に取り付けることになる。この作業過程において、モータ101への通電が自動的に遮断されることになるので、モータの知識に乏しい者であってもモータ101の絶縁抵抗を容易に測定できるようになる。さらに、モータの知識を有する者の到着を待つことなく、液体燃料供給装置1による燃料供給が速やかに再開可能となる。さらに、実施例2のコネクタは電源からの交流電圧(200V)をコネクタを介さずマグネットスイッチへ送る仕様となっているため、実施例1のコネクタと比べて交流電圧対応の仕様のものではないので、コスト低減が図られる。
【0033】
なお、上記実施形態では、収納ボックス130は、防水仕様、または防爆仕様として筐体内に設けられたが、これに限らず、表示器160が収容されている筐体内の防爆エリア内に設けられてもよい。これにより、コネクタを収容するためのボックスを設けることなく、かつコネクタ設置のための防爆エリアを設ける必要もない。
【0034】
以上、本発明を実施形態と共に説明したが、上記実施形態は本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0035】
1:液体燃料供給装置、 101,102,103:モータ、 111,112,113:ポンプ、 140:マグネットスイッチ、 150:電源、 160:表示器、 200:コネクタ、 230:コネクタ、 300:絶縁抵抗測定器、 310:コネクタ