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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128992
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】テストチェーン
(51)【国際特許分類】
   G01G 11/00 20060101AFI20230907BHJP
   G01G 23/01 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
G01G11/00 Z
G01G23/01 K
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022033718
(22)【出願日】2022-03-04
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-08
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り JFEアドバンテック株式会社により古河産機システムズ株式会社へ令和3年9月1日に行われたテストチェーンの図面の公開
(71)【出願人】
【識別番号】390000011
【氏名又は名称】JFEアドバンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】古家 嘉仁
(72)【発明者】
【氏名】冨高 禎彦
(72)【発明者】
【氏名】冨田 泰弘
(57)【要約】
【課題】コンベアベルトの底部が湾曲するコンベアスケールの調整を行う際に、底部に載置されたテストチェーンの連結部材のコンベアベルトへの接触を回避し、コンベアベルトの損傷を防止する。
【解決手段】テストチェーン7は、コンベアスケール1の搬送方向に沿って配列される複数の主ローラ71と、主ローラ71の幅方向両外側に配置されて、隣接する主ローラ71の第1回転軸8をそれぞれ連結するサイド部材72と、サイド部材72を第1回転軸8に対して幅方向外側から連結する連結部材73と、サイド部材72の幅方向外側に取り付けられて、前記複数の主ローラ71の搬送方向への移動を補助する補助部材74と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベアスケールの搬送方向に沿って配列される複数の主ローラと、
前記主ローラの幅方向両外側に配置されて、隣接する前記主ローラの第1回転軸をそれぞれ支持するサイド部材と、
前記サイド部材を前記第1回転軸に対して外側から連結する連結部材と、
前記サイド部材の前記幅方向外側に取り付けられて、前記複数の主ローラの搬送方向への移動を補助する補助部材と、を備えたテストチェーン。
【請求項2】
前記主ローラは、幅に対して外径が1倍以上である請求項1に記載のテストチェーン。
【請求項3】
前記補助部材の幅方向外側の端部は、前記連結部材の幅方向外側の端部よりも外側に位置する請求項1又は請求項2に記載のテストチェーン。
【請求項4】
前記補助部材は、前記第1回転軸に交差する方向に延びる第2回転軸を有するサイドローラである請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のテストチェーン。
【請求項5】
前記補助部材と前記主ローラとは、前記搬送方向の位置がオフセットしている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のテストチェーン。
【請求項6】
前記補助部材は、前記サイド部材において、隣接する前記主ローラの前記第1回転軸間に配置されている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のテストチェーン。
【請求項7】
前記補助部材は、前記第1回転軸に対して、上下方向位置がオフセットしている請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のテストチェーン。
【請求項8】
前記補助部材は、幅方向一方側の第1補助部材と、他方側の第2補助部材とを有し、
前記第2補助部材は、前記第1補助部材よりも下方に配置されている請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のテストチェーン。
【請求項9】
前記補助部材は、幅方向一方側の第1補助部材と、他方側の第2補助部材とを有し、
前記第1補助部材の外側の端部が、前記第2補助部材の外側の端部よりも外側に位置している請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のテストチェーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テストチェーンに関する。
【背景技術】
【0002】
テストチェーンは、一般に、コンベアベルト上を搬送される搬送物の重量を計測するコンベアスケールを較正する場合に用いられる。特許文献1には、コンベアベルトの搬送方向に沿って配列された複数の主ローラと、隣接する主ローラの回転軸をそれぞれ支持するサイドプレートと、各主ローラの回転軸に対して各サイドプレートを搬送方向に直交する幅方向の外側から回転可能に連結する連結部材と、を備えたテストチェーンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6385542号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のテストチェーンでは、搬送方向から見てコンベアベルトの底部が幅方向に湾曲した例えば、袋状のコンベアスケールの較正を行う際に、主ローラの幅方向外側に突出する連結部材がコンベアベルトに接触し、コンベアベルトが損傷する虞がある。
【0005】
本発明は、コンベアベルトの底部が湾曲するコンベアスケールの較正を行う際に、テストチェーンの連結部材のコンベアベルトへの接触を回避し、コンベアベルトの損傷を防止することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、コンベアスケールの搬送方向に沿って配列される複数の主ローラと、前記主ローラの幅方向両外側に配置されて、隣接する前記主ローラの第1回転軸をそれぞれ支持するサイド部材と、前記サイド部材を前記第1回転軸に対して幅方向外側から連結する連結部材と、前記サイド部材の前記幅方向外側に取り付けられて、前記複数の主ローラの搬送方向への移動を補助する補助部材と、を備えたテストチェーン。
【0007】
本発明によれば、コンベアベルトの底部が湾曲するコンベアスケールの較正を行う際に、コンベアベルトに載置されたテストチェーンの補助部材を、コンベアベルトに接触させることで、連結部材のコンベアベルトへの接触を回避できる。より詳しくは、コンベアベルトの底部から上方に立ち上がるコンベアベルトのサイド部に、テストチェーンの補助部材を接触させて、コンベアベルトのサイド部への連結部材の接触を回避することで、コンベアベルトの損傷を防止できる。補助部材は、上下方向に延びる第2回転軸周りに回転するので、補助部材がコンベアベルトのサイド部に接触した状態でも、コンベアベルトの搬送方向への移動を阻害しない。
【0008】
前記主ローラは、外径が幅に対して1倍以上であってもよい。
【0009】
本構成によれば、一般的に軸方向に沿った断面が横長(外径が幅に対して1倍未満)である主ローラに比べて、主ローラの幅が相対的に狭くなるので、コンベアベルトのサイド部間に補助部材と主ローラとを配置させやすい。具体的には、外径が幅に対して1倍未満の場合、主ローラの幅が相対的に拡大するので、主ローラにおける幅方向両側端部のみがコンベアベルトに接触して主ローラの転倒が生じやすい。
【0010】
前記補助部材の幅方向外側の端部は、連結部材の幅方向外側の端部よりも外側に位置することが好ましい。
【0011】
本構成によれば、補助部材が、連結部材よりも先にコンベアベルトのサイド部に接触するので、より確実に連結部材のコンベアベルトへの接触を回避できる。
【0012】
前記補助部材は、前記第1回転軸に交差する方向に延びる第2回転軸を有するサイドローラであってもよい。
【0013】
本構成によれば、コンベアベルトのサイド部にサイドローラを接触させつつ回転させることができるので、コンベアベルトの搬送への移動を阻害しない。
【0014】
前記補助部材と前記主ローラとは、前記搬送方向の位置がオフセットしていてもよい。
【0015】
本構成によれば、補助部材と連結部材との干渉を回避できる。補助部材の回転軸と主ローラの回転軸の搬送方向位置を一致させた場合に比べて、補助部材の組付け性がよい。
【0016】
前記補助部材は、前記サイド部材において、隣接する前記主ローラの前記第1回転軸間に配置されていてもよい。
【0017】
本構成によれば、補助部材を隣接する主ローラの第1回転軸間よりも外側に配置するために第1回転軸からサイド部材の端部までの寸法が延長されている場合に比べて、主ローラの第1回転軸間に設けられるサイド部材同士の搬送方向におけるオーバラップ量が少なくできる。これにより、テストチェーンがコンベアベルトの搬送方向に対して曲げられる場合に生じ得るサイド部材同士の干渉が抑制され、テストチェーンをコンベアベルトの搬送方向に対して曲げやすくなる。その結果、例えば、コンベアベルトが搬送方向に対して曲がっている場合においても、テストチェーンをコンベアベルトに沿わせやすい。
【0018】
前記補助部材は、前記第1回転軸に対して、上下方向位置がオフセットしていてもよい。
【0019】
本構成によれば、補助部材を第1回転軸よりも下方に位置させることで、補助部材の上下方向位置が第1回転軸に一致する場合に比べて、コンベアベルトの底部から立ち上がるコンベアベルトのサイド部間の幅を大きくすることができ、コンベアベルトの底部が半円形状のように幅方向に広がる場合においても、テストチェーンをベルト形状に沿わせることができるので、連結部材とコンベアベルトとを離間させやすい。
【0020】
また、補助部材を第1回転軸よりも上方に位置させることで、補助部材の上下方向位置が第1回転軸に一致する場合に比べて、例えば、袋状コンベヤ等で、コンベアベルトが幅方向に広がり難いゴム質の場合、コンベヤベルト間に挟み込まれる一対の補助部材が受ける負荷を低減することができる。
【0021】
前記補助部材は、幅方向一方側の第1補助部材と、他方側の第2補助部材とを有し、前記第2補助部材は、前記第1補助部材よりも下方に配置されていてもよい。
【0022】
本構成によれば、例えば、テストチェーン設置箇所のコンベアベルト形状が左右非対称の場合や、コンベアベルトのサイド部のうち、一方側のテンションが高まる場合においても主ローラの転倒を抑制できる。より詳しくは、コンベアベルトのサイド部のうち、一方側のテンションが高まると、コンベアベルトの底部が一方側に向かって移動するため、主ローラにおける底部のコンベアベルトに接している部分が一方側に移動し、主ローラが全体として他方側に転倒しやすい。これに対して、他方側の補助部材の上下方向位置を一方側の補助部材の上下方向位置よりも低く設定することで、上下方向位置を高く設定する場合に比べて、他方側に転倒する際に、サイドローラをコンベアベルトのサイド部に接触させやすく、主ローラの転倒を抑制できる。
【0023】
前記第1補助部材の幅方向外側の端部が、前記第2補助部材の幅方向外側の端部よりも外側に位置していてもよい。
【0024】
本構成によれば、補助部材の幅方向設置位置を左右でオフセットさせることで、例えば、テストチェーン設置箇所のコンベアベルト形状が左右非対称の場合においても、テストチェーンをコンベアベルトに沿わせやすい。また、第1補助部材を第2補助部材よりも上方に配置した場合において、第1補助部材を第2補助部材よりも幅方向外側に位置させることで、コンベアベルトの上方に向かって拡がるサイド部に沿ってテストチェーンを配置しやすい。
【発明の効果】
【0025】
本発明のテストチェーンによれば、コンベアベルトの底部が湾曲するコンベアスケールの較正を行う際に、連結部材のコンベアベルトへの接触を回避し、コンベアベルトの損傷を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施形態に係るテストチェーンをコンベアスケールで使用した状態の正面図。
図2図1のテストチェーンの側面図。
図3図2のIII部分の拡大図。
図4図3のIV部分の平面図。
図5図4のV-V線に沿った断面図。
図6図1におけるテストチェーンとコンベアベルトの拡大正面図。
図7】サイドプレートの作用を説明するための平面図。
図8】本発明の第1および第2変形例に係るテストチェーンの拡大正面図。
図9】本発明の第3変形例に係るテストチェーンの拡大正面図。
図10】本発明の第4変形例に係るテストチェーンの拡大正面図。
図11】本発明の第5および第6変形例に係るテストチェーンの拡大断面図。
図12】本発明の第7および第8変形例に係るテストチェーンの拡大断面図。
図13】本発明の第9変形例に係るテストチェーンの平面図。
図14】本発明の第10変形例に係るテストチェーンの拡大正面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。
【0028】
図1は、テストチェーン7をコンベアスケール1で使用した状態を示している。テストチェーン7が使用されるコンベアスケール1は、搬送物を搬送しつつ、その搬送量を計測することができるように構成されている。
【0029】
図1を参照すると、コンベアスケール1は、搬送物を搬送する無端状のコンベアベルト2と、コンベアベルト2を搬送する搬送ガイド機構3と、搬送ガイド機構3を支持する支持軸4と、コンベアベルト2により搬送される搬送物の重量を計測する計測器5と、コンベアベルト2を駆動する駆動部例えば、駆動モータ(図示せず)とを備える。コンベアスケール1の搬送経路上には、必要に応じて複数の搬送ガイド機構3及び支持軸4が配置されているが、図1には、1組の搬送ガイド機構3及び支持軸4のみが示されている。
【0030】
コンベアベルト2は、搬送方向に直交する幅方向で2つ折りされて正面視において断面U字状とされている。コンベアベルト2は、正面視でコンベアベルト2の幅方向両側に配置された支持軸4に取り付けられた搬送ガイド機構3によって搬送方向に移動可能に支持されている。
【0031】
コンベアベルト2は、幅方向中央部ほど下方に向かって凸となる底部22と、底部22の幅方向両側から上方に立ち上がる左右一対のサイド部23と、サイド部23から更に上方に延びて搬送ガイド機構3によって支持される上縁部21とを有する。
【0032】
図1に示すように、テストチェーン7は、コンベアベルト2の底部22に配置されて、コンベアスケール1により計量される計量値を較正するために使用される。テストチェーン7を用いた較正作業は、テストチェーン7をコンベアベルト2の定位置に移動不能状態で載置し、その載置状態でコンベアスケール1を所定時間駆動して、そのときのテストチェーン7の重量を計測する。そして、計測した計測値と既知のテストチェーン7の重量値とを比較することによって、コンベアスケール1の精度を検査する。
【0033】
図2を参照すると、本実施形態におけるテストチェーン7は、金属製である。テストチェーン7は、金属製に限らず樹脂製であってもよい。テストチェーン7は、複数の主ローラ71と、複数のサイド部材としてのサイドプレート72と、複数の連結部材73と、複数のサイドローラ74とを有する。テストチェーン7は、複数のサイドプレート72を搬送方向に接続して所定長さに形成されている。テストチェーン7は、コンベアスケール1の搬送能力に応じて設定された重量以下になるように構成される。
【0034】
図3及び図4を参照すると、複数の主ローラ71は、コンベアスケール1の搬送方向に沿って所定間隔で配列されている。各主ローラ71の回転軸(第1回転軸)8は、搬送方向に直交する幅方向に延びている。本実施形態において、隣接する主ローラ71の回転軸線O1間の離間距離L1は100mm以上250mm以下に設定されている。
【0035】
図5に示すように、各主ローラ71の外径D1は、幅W1に対して1倍以上である。換言すると、各主ローラ71は、軸方向に沿った断面形状が(正面視において)正方形ないし縦長形状である。主ローラ71の幅W1に対する外径D1の関係はこれに限られるものではなく、例えば、各主ローラ71の外径D1は、幅W1に対して1倍以上10倍以下に設定されていてもよい。また、外径D1は、幅W1に対して2倍以上5倍以下に設定されることが好ましい。さらにまた、外径D1は、幅W1に対して2.5倍以上3倍以下に設定されることがより好ましい。本実施形態の主ローラ71は、外径D1が170mm、幅W1が60mmに設定されているので、外径D1は幅W1に対して2.8倍である。各主ローラ71は、第1回転軸8に軸受81を介して回転可能に支持されている。
【0036】
図3及び図4を参照すると、回転軸8の幅方向両端部には、隣接する主ローラ71をそれぞれ連結する一対のサイドプレート72が回転可能に取り付けられている。一対のサイドプレート72は、主ローラ71の幅方向両外側に配置されて、搬送方向で隣接する主ローラ71の第1回転軸8をそれぞれ支持している。
【0037】
図3を参照すると、本実施形態においてサイドプレート72は、所定の上下方向の幅を有して搬送方向に延びる金属製のプレート部材で形成されている。サイドプレート72は、金属製に限らず樹脂製であってもよい。本実施形態において、サイド部材は、プレート状の板材から成るサイドプレート72で形成されているが、これに限られるものではなく、サイド部材は、長尺な棒状部材であってもよい。サイドプレート72は、幅方向内側に位置する内側サイドプレート72aと、内側サイドプレート72aよりも外側に位置する外側サイドプレート72bとを有する。内側サイドプレート72aは、所定の基準主ローラ71aと基準主ローラ71aの搬送方向前方に配置された前側主ローラ72bとを接続し、外側サイドプレート72bは、基準主ローラ71aと基準主ローラ71aの搬送方向後方に配置された後側主ローラ71cとを接続する。
【0038】
より詳しくは、内側サイドプレート72aと外側サイドプレート72bの搬送方向の両端部で上下方向中央部には、幅方向に貫通する貫通穴が設けられている。内側サイドプレート72aの搬送方向の一端部の貫通穴に前側主ローラ71bの第1回転軸8が挿通され、他端部の貫通穴に基準主ローラ71aの第1回転軸8が挿通されている。外側サイドプレート72bは、搬送方向の一端部の貫通穴に基準主ローラ71aの第1回転軸8が挿通され、他端部の貫通穴に後側主ローラ71cの第1回転軸8が挿通されている。
【0039】
図4及び図5に示すように、各主ローラ71の第1回転軸8には、内側サイドプレート72aと外側サイドプレート72bとがこの順で挿通され、第1回転軸8に形成されたねじ山8aにナット8bを螺合することで、内側及び外側サイドプレート72a,72bが第1回転軸8に対して回転可能に連結されている。ねじ山8aとナット8bとが、連結部材73を構成する。連結部材73は、外側サイドプレート72bの外面よりも幅方向外側に突出している。連結部材73は、これに限られるものではなく、例えば、第1回転軸8の外周にクリップを嵌合させる構成や、第1回転軸8に設けられて第1回転軸8に直交する方向延びる貫通穴に抜け止めピンを挿通する構成であってもよい。
【0040】
図3及び図4を参照すると、内側サイドプレート72a及び外側サイドプレート72bの幅方向外側の面には、ブラケット75を介して補助部材としてのサイドローラ74が取り付けられている。サイドローラ74は、幅方向一方側の第1サイドローラ74aと、幅方向他方側の第2サイドローラ74bとを有する。第1及び第2サイドローラ74は、第2回転軸9が上下方向に延びるように配置されている。言い換えると、第1及び第2サイドローラ74の回転軸線O2は、幅方向に延びる第1回転軸8の回転軸線O1に交差するように上下方向に延びている。
【0041】
サイドローラ74は、サイドローラ74と主ローラ71の搬送方向位置が、オフセットして配置されていることが好ましい。より詳しくは、本実施形態において、サイドローラ74は、各サイドプレート72の搬送方向の中央部に配置されている。したがって、サイドローラ74の回転軸線O2は、搬送方向において、主ローラ71の回転軸線O1間の中央に位置する。
【0042】
図5に示すように、サイドローラ74は、各サイドプレート72の上下方向の中央部に配置されている。したがって、サイドローラ74の上下方向位置は、主ローラ71の第1回転軸8の上下方向位置と略一致している。本実施形態においては、サイドローラ74の厚さW2方向の中心と、主ローラ71の回転軸線O1の上下方向位置が一致している。
【0043】
図5に示すように、第1サイドローラ74aと第2サイドローラ74bとは、これに限定されるものではないが、幅方向両側に略対称に配置されている。第1サイドローラ74aのサイドプレート72からの突出量T1と、第2サイドローラ74bのサイドプレート72からの突出量T1とが一致する。突出量T1は、締結部材73のサイドプレート72からの突出量T2よりも大きい。換言すると、サイドローラ74が、締結部材73よりも幅方向外側に位置している。
【0044】
各サイドローラ72の外径D2は、主ローラ71の回転軸線O1間の離間距離L1以下であることが好ましい。より好ましくは、サイドローラ72の外径D2は、主ローラ71の直径D1以下である。本実施形態のサイドローラ74は、外径D2が40mm、幅W2が17mmに設定されている。サイドローラ74の外径D2は、これに限られるものではなく、サイドローラ74の幅方向外側の端部が、連結部材73の幅方向外側の端部よりも外側に位置していればよい。例えば、サイドローラ74の外径D2が30mm以上70mm以下であってもよい。各サイドローラ74は、ブラケット75に固定された第2回転軸9に回転可能に支持されている。また、サイドローラ74の断面形状は、縦長であってもよいし、正方形でもよいし、横長であってもよいし、球状であってもよい。
【0045】
ブラケット75は、正面視で外側に開口するU字状に形成されている。ブラケット75は、サイドプレート72に固定されるベース部75aと、ベース部75aの上端から外側に延びる上面部75bと、ベース部75aの下端から外側に延びて上面部75bに対向する下面部75cとを有する。
【0046】
図4に示すように、上面部75b及び下面部75cは平面視で三角形状である。上面部75b及び下面部75cの搬送方向の寸法は、幅方向内側から幅方向外側に向かって小さくなっている。上面部75bと下面部75cの幅方向外側の端部には、サイドローラ74の第2回転軸9が介設されている。
【0047】
図4に示すように、本実施形態において、各サイドローラ74の各サイドプレート72からの突出量T1は一定に設定されているので、内側サイドプレート72aに取り付けられたサイドローラ74と、外側サイドプレート72bに取り付けられたサイドローラ74とは、外側サイドプレート72bの厚み分、外側サイドプレート72bに取り付けられたサイドローラ74が幅方向外側に位置する。なお、内側サイドプレート72aにサイドローラ74を取り付ける際、例えば、外側サイドプレート72bの板厚分の板を取り付けて、内側サイドプレート72aおよび外側サイドプレート72bに取り付けられた各サイドローラ74の外側の位置を合わせてもよい。
【0048】
上記実施形態に係る、テストチェーン7によれば、次の作用効果を奏する。
【0049】
図6に示すように、コンベアベルト2の底部22が湾曲するコンベアスケール1の較正を行う際に、コンベアベルト2に載置されたテストチェーン7のサイドローラ74をコンベアベルト2に接触させることで、連結部材73のコンベアベルト2への接触を回避できる。より詳しくは、コンベアベルト2の底部22から上方に立ち上がるコンベアベルト2のサイド部23にサイドローラ74を接触させて、コンベアベルト2のサイド部23への連結部材73の接触を回避し、コンベアベルト2の損傷を防止できる。サイドローラ74は、上下方向に延びる第2回転軸9周りに回転するので、サイドローラ74がコンベアベルト2のサイド部23に接触した状態でも、コンベアベルト2の搬送方向への移動を阻害しない。
【0050】
主ローラ71は、外径D1が幅W1に対して1倍以上なので、一般的に軸方向に沿った断面が横長(外径D1が幅W1に対して1倍未満)である主ローラに比べて、主ローラ71の幅W1が相対的に狭くなる。これにより、コンベアベルト2のサイド部23間にサイドローラ74と主ローラ71とを配置させやすい。具体的には、主ローラ71の外径D1が幅W1に対して1倍未満の場合、主ローラ71の幅W1が相対的に拡大するので、主ローラ71における幅方向両側端部のみがコンベアベルト2に接触して、図6の二点鎖線で示すように、主ローラ71の転倒が生じやすい。また、例えば、主ローラ71の外径D1が幅W1に対して10倍よりも大きい場合、主ローラ71の幅W1が相対的に狭くなるので、主ローラ71のコンベアベルト2に対する接地面が狭く、転倒しやすい。
【0051】
サイドローラ74の幅方向外側の端部は、連結部材73の幅方向外側の端部よりも外側に位置するので、サイドローラ74が、連結部材73よりも先にコンベアベルト2のサイド部23に接触するので、より確実に連結部材73のコンベアベルト2への接触を回避できる。
【0052】
図4に示すように、サイドローラ74と主ローラ71とは、搬送方向の位置がオフセットしているので、サイドローラ74と連結部材73との干渉を回避できる。サイドローラ74の回転軸線O2と主ローラ71の回転軸線O1の搬送方向位置を一致させた場合に比べて、サイドローラ74の組付け性がよい。また、例えば、サイドローラ72を搬送方向のオフセットを小さくし、主ローラ71に近づけることで、例えば、コンベアベルト2が変形しやすい材質の場合、主ローラとサイドローラ間L3が狭くなり、連結部材73のコンベアベルト2との接触を回避できる。
【0053】
図7に示すように、サイドローラ74がサイドプレート72において、隣接する主ローラ71の第1回転軸8間(L1の範囲内)に配置されているので、図7の二点鎖線で示すように、サイドローラ74を隣接する主ローラ71の第1回転軸8間の外側に配置するために第1回転軸8からサイドプレート72の端部までの寸法が延長されている場合に比べて、主ローラ71の第1回転軸8間に設けられるサイドプレート72同士の搬送方向におけるオーバラップ量が少なくできる。具体的には、内側サイドプレート72aと外側サイドプレート72bとのオーバラップ量L21が、内側サイドプレート72aと図7の二点鎖線で示す外側サイドプレート72bとのオーバラップ量L22に比べて少なくできる。
【0054】
これにより、テストチェーン7がコンベアベルト2の搬送方向に対して曲げられる場合に生じ得るサイドプレート72同士(内側サイドプレート72aと外側サイドプレート72bとがオーバラップしている部分)の干渉が抑制され、テストチェーン7をコンベアベルト2の搬送方向に対して曲げやすくなる。その結果、例えば、コンベアベルト2が搬送方向に対して曲がっている場合においても、テストチェーン7をコンベアベルト2の形状に沿わせやすい。
【0055】
上記実施形態においては、サイドローラ74の上下方向位置が、主ローラ71の回転軸8の上下方向位置に一致させて設けられていることを説明したが、これに限られるものではなく、図8に実線で示される第1変形例のように、サイドローラ174の上下方向位置が主ローラ71の回転軸線O1よりも下方にオフセットしていてもよいし、図8に破線で示される第2変形例のように、サイドローラ274の上下方向位置が主ローラ71の回転軸線O1に対して、上方にオフセットしてもよい。サイドローラ174,274の主ローラ71の回転軸線O1からの上下方向オフセット量H1は、例えば、主ローラ71の外径D1に対して±25%に設定されてもよい。本実施形態においては、主ローラ71の外径D1が170mmに設定されているので、上下方向オフセット量H1は、-42.5mm以上42.5mm以下に設定されてもよい。サイドローラ174,274の上下方向位置をオフセットさせた場合、サイドプレート72の上下方向寸法を上方ないし下方に延長してサイドローラ174,274を支持するブラケットの取付位置を、上方ないし下方にオフセットさせてもよい。
【0056】
第1変形例のようにサイドローラ174を主ローラ71の回転軸線O1よりも下方に位置させることで、図8の二点鎖線で示した実施形態のようにサイドローラ74の上下方向位置が回転軸線O1に一致する場合に比べて、コンベアベルト2の底部22から立ち上がるコンベアベルト2のサイド部23間の幅(サイド部23間の空間)を大きくする(広げる)ことができ、連結部材73とコンベアベルト2とを離間させやすい。
【0057】
第2変形例のようにサイドローラ274を主ローラ71の回転軸線O1よりも上方に位置させることで、図8の二点鎖線で示した実施形態のようにサイドローラ74の上下方向位置が回転軸線O1に一致する場合に比べて、例えば、袋状コンベヤ等で、コンベアベルト2が幅方向に広がり難いゴム質の場合、コンベヤベルト2のサイド部23間に挟み込まれる一対のサイドローラ72が受ける負荷を低減することができる。
【0058】
上記実施形態においては、幅方向両側のサイドローラが対称であることを説明したが、これに限られるものではなく、図9に示される第3変形例のように、第1変形例と第2変形例とを組み合わせて、幅方向一方側の第1サイドローラ174aと、他方側の第2サイドローラ174bとは、上下方向位置がオフセットしていてもよい。
【0059】
これにより、例えば、テストチェーン7の設置箇所のコンベアベルト2形状が左右非対称の場合や、コンベアベルト2のサイド部23のうち、一方側のテンションが高まる場合においても主ローラ71の転倒を抑制できる。より詳しくは、コンベアベルト2のサイド部23のうち、一方側のテンションが高まると、コンベアベルトの底部が一方側に向かって移動するため、主ローラにおける底部のコンベアベルトに接している部分が一方側に移動し、図9に二点鎖線で示すように、主ローラ71が全体として他方側に転倒しやすい。これに対して、他方側の第2サイドローラ174bの上下方向位置を一方側の第1サイドローラ174aの上下方向位置よりも低く設定することで、上下方向位置を高く設定する場合に比べて、他方側に転倒する際に、第2サイドローラ174bをコンベアベルト2のサイド部23に接触させやすく、主ローラ71の転倒を抑制できる。
【0060】
図10に示される第4変形例のように、第1サイドローラ274aの幅方向外側の端部が、第2サイドローラ274bの幅方向外側の端部の位置よりも外側に位置していてもよい。これにより、第2サイドローラ274bよりも上方に配置される第1サイドローラ274aを第2サイドローラ274bよりも幅方向外側に位置させることで、上方に向かって拡がるコンベアベルト2のサイド部23に沿ってテストチェーン7を配置しやすい。また、例えば、図10に二点鎖線で示すように、テストチェーン7の設置箇所のコンベアベルト2形状が左右非対称の場合、第1サイドローラ274aの幅方向外側の端部が第2サイドローラ74bの幅方向外側の端部の位置よりも外側に配置することで、テストチェーン7をコンベアベルト2に沿わせやすい。
【0061】
上記実施形態においては、テストチェーン7が、外径よりも幅が小さいサイドローラ74を有する構成について説明したが、これに限られるものではなく、図11に実線で示される第5変形例のように、外径よりも幅が大きいサイドローラ374であってもよい。これにより、外径よりも幅が小さいサイドローラ74に比べて、広い面でコンベアベルト2のサイド部23に接触するので、コンベアベルト2に対してテストチェーン7を支持しやすい。
【0062】
上記実施形態においては、サイドローラ74の第2回転軸線O2が上下方向に延びるように構成されていることを説明したが、これに限られるものではなく、図11に破線で示される第6変形例のように、サイドローラ474の第2回転軸線O2が、上下方向に対して傾斜していてもよい。具体的には、サイドローラ474の第2回転軸線O2の上側が下側よりも外側に位置するように傾斜していてもよい。これにより、サイドローラ474が上下方向に対して傾けて配置されて、コンベヤベルト2の形状(底部22からサイド部23にかけての形状)に沿わせやすい。特に、外径よりも幅が大きいサイドローラ374を採用した場合に生じ得る、サイドローラ374の幅方外側の端部のみがサイド部23に接触するような状態を抑制できる。
【0063】
上記実施形態においては、サイドローラ74のブラケット75がサイドプレート72に固定される構成について説明したが、これに限られるものではなく、図12に二点鎖線で示される第7変形例、及び、破線で示される第8変形例のように、ブラケットに代えて幅方向に対して伸縮可能な棒状のアーム部材(例えば、伸縮機能を備えた突っ張り棒)175で構成されていてもよい。図12の第7変形例に示すように、サイドローラ574は、アーム部材175に対して搬送方向に沿って延びる軸線周りに回動可能となるように、接続部材(例えば、上開きの蝶番等)175aを介して取付けられていてもよい。また、図12の第8変形例に示すように、アーム部材175は、サイドプレート72に対して搬送方向に沿って延びる軸線周りに回動可能となるように、接続部材(例えば、上開きの蝶番等)175bを介して取付けられていてもよい。これにより、図12に実線および二点鎖線で示されるようにコンベアベルト2の幅が変化する場合においても、サイドローラをコンベアベルトの形状に沿わせやすい。
【0064】
上記実施形態においては、サイドプレート72が隣接する主ローラ71の幅方向両側に一対設けられている構成について説明したが、これに限られるものではなく、図13に示される第9変形例のように、サイドプレート72は、主ローラ71間を左右交互に連結していてもよい。言い換えると、隣接する主ローラ71間には、サイドプレート72が幅方向一方側にのみ設けられていてもよい。
【0065】
上記実施形態においては、第1サイドローラ74aと第2サイドローラ74bとは、搬送方向の位置が一致している構成について説明したが、これに限られるものではなく、図13に示される第9変形例のように、第1サイドローラ74aと第2サイドローラ74bとは搬送方向の位置がオフセットしてもよい。
【0066】
上記実施形態においては、サイドプレート72が隣接する主ローラ71の幅方向両側にそれぞれ設けられている構成について説明したが、これに限られるものではなく、図14に示される第10変形例のように、サイドプレート172は、上端同士を連結する上面部によって連結されて、搬送方向視において下側に解放された断面逆U字状に形成されてもよい。
【0067】
上記実施形態においては、補助部材がサイドローラ74で構成されていることを説明したが、これに限られるものではなく、例えば、コンベアベルト2の形状に沿ったそり状の補助部材で構成されてもよい。
【0068】
なお、本発明は、前記実施形態に記載された構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0069】
1 コンベアスケール
2 コンベアベルト
7 テストチェーン
8 第1回転軸
9 第2回転軸
71 主ローラ
72 サイドプレート(サイド部材)
73 連結部材
74 サイドローラ(補助部材)
74a 第1サイドローラ
74b 第2サイドローラ
D1 外径
W1 幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14