(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129047
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】外観検査装置及び外観検査方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/88 20060101AFI20230907BHJP
【FI】
G01N21/88 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022033808
(22)【出願日】2022-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000003399
【氏名又は名称】JUKI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福沢 英浩
(72)【発明者】
【氏名】加藤 正
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA07
2G051AB02
2G051BA01
2G051BB01
2G051CA03
2G051CA04
2G051CA07
2G051CB01
2G051DA08
(57)【要約】
【課題】ワークの複数の検査面を効率良く検査すること。
【解決手段】外観検査装置は、検査位置に配置されたワークを撮像するカメラと、検査位置において第1軸を中心にワークを回転させる第1駆動装置と、検査位置において第2軸を中心にワークを回転させる第2駆動装置と、ワークの複数の検査面がカメラの撮像範囲に順次配置されるように第1駆動装置及び第2駆動装置の少なくとも一方を制御する駆動制御装置と、複数の検査面が順次撮像されるようにカメラを制御するカメラ制御装置と、カメラで撮像された検査面の画像に基づいてワークの欠陥を検出する画像処理装置と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査位置に配置されたワークを撮像するカメラと、
前記検査位置において第1軸を中心に前記ワークを回転させる第1駆動装置と、
前記検査位置において第2軸を中心に前記ワークを回転させる第2駆動装置と、
前記ワークの複数の検査面が前記カメラの撮像範囲に順次配置されるように前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置の少なくとも一方を制御する駆動制御装置と、
複数の前記検査面が順次撮像されるように前記カメラを制御するカメラ制御装置と、
前記カメラで撮像された前記検査面の画像に基づいて前記ワークの欠陥を検出する画像処理装置と、を備える、
外観検査装置。
【請求項2】
前記第1駆動装置は、前記ワークをクランプするクランプ部材と、前記ワークをクランプした前記クランプ部材を、前記第1軸を中心に回転させる第1回転アクチュエータと、を有する、
請求項1に記載の外観検査装置。
【請求項3】
前記第1駆動装置は、前記ワークをクランプした前記クランプ部材を、前記第1軸に平行な方向へ移動させる第1並進アクチュエータを有する、
請求項2に記載の外観検査装置。
【請求項4】
前記第2駆動装置は、前記ワークを下側から支持するターンテーブルと、前記ワークを支持した前記ターンテーブルを、前記第2軸を中心に回転させる第2回転アクチュエータと、を有する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の外観検査装置。
【請求項5】
前記第2駆動装置は、前記ワークを支持した前記ターンテーブルを、前記第2軸に平行な方向へ移動させる第2並進アクチュエータを有する、
請求項4に記載の外観検査装置。
【請求項6】
前記カメラの光軸に平行な方向へ前記カメラを移動させるカメラ移動装置を備える、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の外観検査装置。
【請求項7】
前記第1駆動装置は、前記ワークをクランプするクランプ部材と、前記ワークをクランプした前記クランプ部材を、前記第1軸を中心に回転させる第1回転アクチュエータと、を有し、
前記第2駆動装置は、前記ワークを下側から支持するターンテーブルと、前記ワークを支持した前記ターンテーブルを、前記第2軸を中心に回転させる第2回転アクチュエータと、を有し、
前記駆動制御装置は、前記クランプ部材を回転させるとき、前記ワークから前記ターンテーブルが離れるように前記第2駆動装置を制御し、前記ターンテーブルを回転させるとき、前記ワークから前記クランプ部材が離れるように前記第1駆動装置を制御する、
請求項1に記載の外観検査装置。
【請求項8】
前記第1駆動装置は、前記ワークをクランプした前記クランプ部材を、前記第1軸に平行な方向へ移動させる第1並進アクチュエータを有し、
前記第2駆動装置は、前記ワークを支持した前記ターンテーブルを、前記第2軸に平行な方向へ移動させる第2並進アクチュエータを有し、
前記駆動制御装置は、前記ワークが前記検査位置に配置されるように前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置の少なくとも一方を制御する、
請求項7に記載の外観検査装置。
【請求項9】
前記第1軸と前記第2軸とは直交し、
前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれに直交する第3軸に平行な方向へ前記カメラを移動させるカメラ移動装置を備える、
請求項7又は請求項8に記載の外観検査装置。
【請求項10】
前記カメラ移動装置は、前記第1軸に平行な方向及び前記第2軸に平行な方向のそれぞれへ前記カメラを移動させる、
請求項9に記載の外観検査装置。
【請求項11】
前記カメラは、複数設けられ、
前記カメラ制御装置は、複数のカメラの撮像範囲のそれぞれに配置された複数の検査面が同時に撮像されるように、複数の前記カメラを制御する、
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の外観検査装置。
【請求項12】
複数の前記カメラの分解能は、相互に異なる、
請求項11に記載の外観検査装置。
【請求項13】
検査位置に配置されたワークの複数の検査面がカメラの撮像範囲に順次配置されるように、第1軸及び第2軸の少なくとも一方を中心に前記ワークを回転させることと、
前記撮像範囲に配置された複数の前記検査面を前記カメラで順次撮像することと、
前記カメラで撮像された前記検査面の画像に基づいて前記ワークの欠陥を検出することと、を含む、
外観検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、外観検査装置及び外観検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
外観検査装置に係る技術分野において、特許文献1に開示されているような外観検査装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書で開示する技術は、ワークの複数の検査面を効率良く検査することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、外観検査装置を開示する。外観検査装置は、検査位置に配置されたワークを撮像するカメラと、検査位置において第1軸を中心にワークを回転させる第1駆動装置と、検査位置において第2軸を中心にワークを回転させる第2駆動装置と、ワークの複数の検査面がカメラの撮像範囲に順次配置されるように第1駆動装置及び第2駆動装置の少なくとも一方を制御する駆動制御装置と、複数の検査面が順次撮像されるようにカメラを制御するカメラ制御装置と、カメラで撮像された検査面の画像に基づいてワークの欠陥を検出する画像処理装置と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本明細書で開示する技術によれば、ワークの複数の検査面を効率良く検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る外観検査装置を模式的に示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る外観検査装置を模式的に示す正面図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る外観検査装置を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る外観検査方法の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施形態に係る外観検査方法の一例を模式的に示す斜視図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る外観検査方法の一例を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0009】
実施形態においては、外観検査装置1に3次元直交座標系を設定し、3次元直交座標系を参照しながら各部の位置関係について説明する。X軸に平行な方向をX軸方向とする。X軸に直交するY軸に平行な方向をY軸方向とする。X軸及びY軸の両方に直交するZ軸に平行な方向をZ軸方向とする。X軸及びY軸を含む平面をXY平面とする。Y軸及びZ軸を含む平面をYZ平面とする。Z軸及びX軸を含む平面をZX平面とする。XY平面は、水平面に平行である。Z軸は、鉛直軸に平行である。+Z側は上側である。-Z側は下側である。
【0010】
[外観検査装置]
図1は、実施形態に係る外観検査装置1を模式的に示す斜視図である。
図2は、実施形態に係る外観検査装置1を模式的に示す正面図である。
図3は、実施形態に係る外観検査装置1を示すブロック図である。
【0011】
外観検査装置1は、ワークWの外観を検査する。外観検査装置1に検査位置DPが規定される。外観検査装置1は、検査位置DPに配置されたワークWを検査する。ワークWは、複数の検査面を有する。検査面とは、外観検査装置1の検査対象であるワークWの表面をいう。複数の検査面は、相互に異なる方向を向く。外観検査装置1は、複数の検査面のそれぞれを検査する。
【0012】
実施形態において、ワークWの外形は、実質的に直方体状である。ワークWは、6つの検査面を有する。6つの検査面のうち、第1の検査面を、検査面C1、と称し、第2の検査面を、検査面C2、と称し、第3の検査面を、検査面C3、と称し、第4の検査面を、検査面C4、と称し、第5の検査面を、検査面C5、と称し、第6の検査面を、検査面C6、と称する。
【0013】
図1及び
図2に示す例において、検査面C1は+X方向を向き、検査面C2は-X方向を向く。検査面C3は+Y方向を向き、検査面C4は-Y方向を向く。検査面C5は+Z方向を向き、検査面C6は-Z方向を向く。
【0014】
外観検査装置1は、カメラ2と、第1駆動装置3と、第2駆動装置4と、カメラ移動装置5と、駆動制御装置6と、カメラ制御装置7と、画像処理装置8とを備える。
【0015】
カメラ2は、検査位置DPに配置されたワークWを撮像する。カメラ2は、カメラ本体2Aと、照明装置2Bとを有する。カメラ本体2Aは、光学系と、光学系を介して入射した光を電気信号に変換するイメージセンサとを有する。イメージセンサとして、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサが例示される。照明装置2Bは、ワークWを照明する照明光を射出する。実施形態において、カメラ2は、複数設けられる。
【0016】
実施形態において、カメラ2は、2つ設けられる。2つのカメラ2のうち、一方のカメラ2を、第1カメラ21、と称し、他方のカメラ2を、第2カメラ22、と称する。
【0017】
第1カメラ21は、検査位置DPよりも+Z側に配置される。第2カメラ22は、検査位置DPよりも+Y側に配置される。第1カメラ21は、ワークWよりも+Z側からワークWを撮像する。第2カメラ22は、ワークWよりも+Y側からワークWを撮像する。第1カメラ21の光学系の光軸AX1と第2カメラ22の光学系の光軸AX2とは、直交する。第1カメラ21は、第1カメラ21の光学系の光軸AX1とZ軸とが平行になるように配置される。第2カメラ22は、第2カメラ22の光学系の光軸AX2とY軸とが平行になるように配置される。
【0018】
第1駆動装置3は、検査位置DPにおいて第1回転軸RXを中心にワークWを回転させる。第1回転軸RXは、X軸に平行である。また、第1駆動装置3は、ワークWをX軸方向へ移動させる。
【0019】
第1駆動装置3は、スライド部材9と、クランプ部材10と、第1回転アクチュエータ11と、第1並進アクチュエータ12とを有する。
【0020】
スライド部材9は、ベースプレート13の上面においてX軸方向へ移動可能である。ベースプレート13の中央部に開口131が設けられる。ベースプレート13の上面にガイド部材14が設けられる。ガイド部材14は、スライド部材9をX軸方向へガイドする。スライド部材9は、ガイド部材14にガイドされながらX軸方向へ移動する。
【0021】
実施形態において、スライド部材9は、2つ設けられる。2つのスライド部材9のうち、一方のスライド部材9を、スライド部材9A、と称し、他方のスライド部材9を、スライド部材9B、と称する。
【0022】
実施形態において、ガイド部材14は、2つ設けられる。2つのガイド部材14のうち、一方のガイド部材14を、ガイド部材14A、と称し、他方のガイド部材14を、ガイド部材14B、と称する。
【0023】
スライド部材9Aとスライド部材9Bとは、X軸方向に配置される。スライド部材9Aは、スライド部材9Bよりも+X側に配置される。スライド部材9Aとスライド部材9Bとは、対向するように配置される。
【0024】
ガイド部材14Aとガイド部材14Bとは、X軸方向に配置される。ガイド部材14Aは、開口131よりも+X側のベースプレート13の上面に配置される。ガイド部材14Aは、開口131よりも-X側のベースプレート13の上面に配置される。ガイド部材14Aは、スライド部材9AをX軸方向へガイドする。ガイド部材14Bは、スライド部材9BをX軸方向へガイドする。スライド部材9Aとスライド部材9Bとは、相互に接近又は離隔するように移動することができる。
【0025】
クランプ部材10は、ワークWをクランプする。クランプ部材10は、スライド部材9に回転可能に支持される。クランプ部材10は、スライド部材9に支持された状態で第1回転軸RXを中心に回転することができる。
【0026】
実施形態において、クランプ部材10は、2つ設けられる。2つのクランプ部材10のうち、一方のクランプ部材10を、クランプ部材10A、と称し、他方のクランプ部材10を、クランプ部材10B、と称する。
【0027】
クランプ部材10とクランプ部材10とは、X軸方向に配置される。クランプ部材10Aは、クランプ部材10Bよりも+X側に配置される。クランプ部材10Aとクランプ部材10Bとは、対向するように配置される。クランプ部材10Aは、スライド部材9Aに回転可能に支持される。クランプ部材10Bは、スライド部材9Bに回転可能に支持される。
【0028】
クランプ部材10Aとクランプ部材10Bとは、相互に接近又は離隔するように移動することができる。実施形態において、スライド部材9Aとスライド部材9Bとが相互に接近するように移動することにより、クランプ部材10Aとクランプ部材10Bとが相互に接近する。スライド部材9Aとスライド部材9Bとが相互に離隔するように移動することにより、クランプ部材10Aとクランプ部材10Bとが相互に離隔する。
【0029】
クランプ部材10Aとクランプ部材10Bとは、ワークWを横側から挟む。実施形態において、クランプ部材10Aとクランプ部材10Bとは、ワークWをX軸方向から挟む。クランプ部材10Aとクランプ部材10Bとの間にワークWが配置された状態で、クランプ部材10Aとクランプ部材10Bとが相互に接近することにより、ワークWは、クランプ部材10Aとクランプ部材10Bとに挟まれる。ワークWは、クランプ部材10Aとクランプ部材10Bとに挟まれることにより、クランプ部材10にクランプされる。クランプ部材10Aとクランプ部材10Bとが相互に離隔して、クランプ部材10がワークWから離れることにより、クランプ部材10によるワークWのクランプが解除される。
【0030】
第1回転アクチュエータ11は、第1回転軸RXを中心にクランプ部材10を回転させる動力を発生する。第1回転アクチュエータ11は、スライド部材9に支持される回転モータを含む。
【0031】
実施形態において、第1回転アクチュエータ11は、2つ設けられる。2つの第1回転アクチュエータ11のうち、一方の第1回転アクチュエータ11を、第1回転アクチュエータ11A、と称し、他方の第1回転アクチュエータ11を、第1回転アクチュエータ11B、と称する。
【0032】
第1回転アクチュエータ11Aは、スライド部材9Aに支持される。第1回転アクチュエータ11Aは、第1回転軸RXを中心にクランプ部材10Aを回転させる。第1回転アクチュエータ11Bは、スライド部材9Bに支持される。第1回転アクチュエータ11Bは、第1回転軸RXを中心にクランプ部材10Bを回転させる。
【0033】
第1回転アクチュエータ11は、ワークWをクランプしたクランプ部材10を、第1回転軸RXを中心に回転させる。第1回転アクチュエータ11Aと第1回転アクチュエータ11Bとは、ワークWを挟んだクランプ部材10Aとクランプ部材10Bとを同期して回転させる。ワークWをクランプしたクランプ部材10が第1回転軸RXを中心に回転することにより、ワークWが第1回転軸RXを中心に回転する。
【0034】
第1並進アクチュエータ12は、スライド部材9をX軸方向へ移動させる動力を発生する。第1並進アクチュエータ12は、スライド部材9とガイド部材14とに配置されるリニアモータを含む。なお、第1並進アクチュエータ12は、スライド部材9に連結されるボールねじを回転させる回転モータを含んでもよい。第1並進アクチュエータ12が発生する動力により、スライド部材9は、ガイド部材14にガイドされながらX軸方向へ移動する。第1並進アクチュエータ12は、スライド部材9をX軸方向へ移動させることによって、クランプ部材10をX軸方向へ移動させる。
【0035】
実施形態において、第1並進アクチュエータ12は、2つ設けられる。2つの第1並進アクチュエータ12のうち、一方の第1並進アクチュエータ12を、第1並進アクチュエータ12A、と称し、他方の第1並進アクチュエータ12を、第1並進アクチュエータ12B、と称する。
【0036】
第1並進アクチュエータ12Aは、スライド部材9AをX軸方向へ移動させる。第1並進アクチュエータ12Bは、スライド部材9BをX軸方向へ移動させる。
【0037】
第1並進アクチュエータ12は、ワークWをクランプしたクランプ部材10を、X軸方向へ移動させる。第1並進アクチュエータ12Aと第1並進アクチュエータ12Bとは、ワークWを挟んだクランプ部材10Aとクランプ部材10Bとを同期して移動させる。ワークWをクランプしたクランプ部材10がX軸方向へ移動することにより、ワークWがX軸方向へ移動する。
【0038】
第2駆動装置4は、検査位置DPにおいて第2回転軸TXを中心にワークWを回転させる。第2回転軸TXは、Z軸に平行である。また、第2駆動装置4は、ワークWをZ軸方向へ移動させる。
【0039】
第2駆動装置4は、ベース部材15と、支持部材16と、ターンテーブル17と、第2回転アクチュエータ18と、第2並進アクチュエータ19とを有する。
【0040】
ベース部材15は、ベースプレート13よりも-Z側に配置される。ベース部材15は、支持部材16を介してターンテーブル17を支持する。
【0041】
支持部材16は、ベース部材15に支持される。支持部材16の上端部は、Z軸方向へ移動可能である。支持部材16は、Z軸方向へ移動してもよいし、Z軸方向へ伸縮してもよい。
【0042】
ターンテーブル17は、ワークWを下側から支持する。ターンテーブル17は、支持部材16の上端部に支持される。ターンテーブル17は、Z軸方向へ移動することができる。また、ターンテーブル17は、第2回転軸TXを中心に回転することができる。
【0043】
支持部材16の上端部がZ軸方向へ移動することにより、ターンテーブル17がZ軸方向へ移動する。ターンテーブル17は、ベースプレート13の開口131を通過することができる。ターンテーブル17は、ベースプレート13よりも+Z側へ移動することができる。ターンテーブル17は、ベースプレート13よりも-Z側へ移動することができる。ターンテーブル17は、ベースプレート13よりも+Z側へ移動することにより、ワークWを下側から支持することができる。ターンテーブル17がベースプレート13よりも+Z側に配置されている状態において、支持部材16の少なくとも一部がベースプレート13の開口131に配置される。ターンテーブル17が-Z側へ移動して、ターンテーブル17がワークWから離れることにより、ターンテーブル17によるワークWの支持が解除される。
【0044】
支持部材16が第2回転軸TXを中心に回転することにより、ターンテーブル17が第2回転軸TXを中心に回転する。
【0045】
第2回転アクチュエータ18は、第2回転軸TXを中心にターンテーブル17を回転させる動力を発生する。第2回転アクチュエータ18は、ベース部材15に配置される回転モータを含む。実施形態において、第2回転アクチュエータ18は、支持部材16を回転させることにより、ターンテーブル17を回転させる。
【0046】
第2回転アクチュエータ18は、ワークWを支持したターンテーブル17を、第2回転軸TXを中心に回転させる。ワークWを支持したターンテーブル17が第2回転軸TXを中心に回転することにより、ワークWが第2回転軸TXを中心に回転する。
【0047】
第2並進アクチュエータ19は、ターンテーブル17をZ軸方向へ移動させる動力を発生する。第2並進アクチュエータ19は、支持部材16に設けられたラックに噛み合うピニオンを回転させる回転モータを含む。なお、第2並進アクチュエータ19は、ベース部材15に配置されるリニアモータを含んでもよい。第2並進アクチュエータ19は、支持部材16の上端部をZ軸方向へ移動させることにより、ターンテーブル17をZ軸方向へ移動させる。
【0048】
第2並進アクチュエータ19は、ワークWを支持したターンテーブル17を、Z軸方向へ移動させる。ワークWを支持したターンテーブル17がZ軸方向へ移動することにより、ワークWがZ軸方向へ移動する。
【0049】
カメラ移動装置5は、カメラ2を移動させる。カメラ移動装置5は、カメラ2のボディに接続されるアクチュエータを含む。
【0050】
実施形態において、カメラ移動装置5は、2つ設けられる。2つのカメラ移動装置5のうち、一方のカメラ移動装置5を、第1カメラ移動装置51、と称し、他方のカメラ移動装置5を、第2カメラ移動装置52、と称する。
【0051】
第1カメラ移動装置51は、検査位置DPよりも+Z側において第1カメラ21を移動させる。第1カメラ移動装置51は、第1カメラ21の光軸AX1とZ軸とが平行な状態を維持するように第1カメラ21を移動させる。実施形態において、第1カメラ21の光学系は、固定焦点光学系である。第1カメラ移動装置51は、少なくとも第1カメラ21の光軸AX1に平行な方向へ第1カメラ21を移動させる。すなわち、第1カメラ移動装置51は、少なくともZ軸方向へ第1カメラ21を移動させる。実施形態において、第1カメラ移動装置51は、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向のそれぞれへ第1カメラ21を移動させる。
【0052】
第2カメラ移動装置52は、検査位置DPよりも+Y側において第2カメラ22を移動させる。第2カメラ移動装置52は、第2カメラ22の光軸AX2とY軸とが平行な状態を維持するように第2カメラ22を移動させる。実施形態において、第2カメラ22の光学系は、固定焦点光学系である。第2カメラ移動装置52は、少なくとも第2カメラ22の光軸AX2に平行な方向へ第2カメラ22を移動させる。すなわち、第2カメラ移動装置52は、少なくともY軸方向へ第2カメラ22を移動させる。実施形態において、第2カメラ移動装置52は、Y軸方向へ第2カメラ22を移動させ、X軸方向及びZ軸方向へは第2カメラ22を移動させない。
【0053】
駆動制御装置6は、ワークWの複数の検査面がカメラ2の撮像範囲に順次配置されるように第1駆動装置3及び第2駆動装置4の少なくとも一方を制御する。実施形態において、カメラ2の光学系の光入射面と検査位置DPに配置されたワークWとは、対向する。駆動制御装置6は、ワークWの複数の検査面がカメラ2の光学系の光入射面に順次対向するように第1駆動装置3及び第2駆動装置4の少なくとも一方を制御する。
【0054】
カメラ制御装置7は、ワークWの複数の検査面が順次撮像されるようにカメラ2を制御する。カメラ制御装置7は、複数のカメラ2の撮像範囲のそれぞれに配置された複数の検査面が同時に撮像されるように、複数のカメラ2を制御する。カメラ2の撮像範囲は、カメラ2の光学系の視野範囲を含む。実施形態において、カメラ制御装置7は、第1カメラ21の撮像範囲に配置されたワークWの1つの検査面と第2カメラ22の撮像範囲に配置されたワークWの1つの検査面とが同時に撮像されるように、第1カメラ21及び第2カメラ22を制御する。
【0055】
画像処理装置8は、カメラ2で撮像されたワークWの検査面の画像に基づいてワークWの欠陥を検出する。
【0056】
[外観検査方法]
図4は、実施形態に係る外観検査方法の一例を示すフローチャートである。
図5及び
図6のそれぞれは、実施形態に係る外観検査方法の一例を模式的に示す斜視図である。
【0057】
ワークWが外観検査装置1の搬入位置に搬入される。駆動制御装置6は、搬入位置において、ワークWをクランプ部材10にクランプさせる(ステップS1)。
【0058】
ワークWがクランプ部材10にクランプされた後、駆動制御装置6は、ワークWが検査位置DPに配置されるように第1駆動装置3及び第2駆動装置4の少なくとも一方を制御する。すなわち、駆動制御装置6は、ワークWが検査位置DPに配置されるように、X軸方向及びZ軸方向のワークWの位置を調整する。
【0059】
X軸方向のワークWの位置を調整するとき、駆動制御装置6は、ワークWからターンテーブル17が離れるように第2駆動装置4を制御した状態で、ワークWをクランプしたクランプ部材10がX軸方向に移動するように第1駆動装置3を制御する。
【0060】
Z軸方向のワークWの位置を調整するとき、駆動制御装置6は、ワークWからクランプ部材10が離れるように第1駆動装置3を制御した状態で、ワークWを支持したターンテーブル17がZ軸方向に移動するように第2駆動装置4を制御する。
【0061】
実施形態において、
図1及び
図2に示したように、駆動制御装置6は、検査面C5が第1カメラ21に対向し、検査面C3が第2カメラ22に対向するように、クランプ部材10にクランプされたワークWを検査位置DPに配置する。
図1及び
図2に示す例において、ワークWは、検査面C1とクランプ部材10Aとが対向し、検査面C2とクランプ部材10Bとが対向するように、クランプ部材10にクランプされる。
【0062】
駆動制御装置6は、第1カメラ21と検査面C5とが対向している状態で、第1カメラ21の光学系の焦点と検査面C5とが一致するように、第1カメラ移動装置51を制御する。すなわち、駆動制御装置6は、第1カメラ21の光学系の焦点と検査面C5とが一致するように、第1カメラ21をZ軸方向に移動させる。また、駆動制御装置6は、第2カメラ22と検査面C3とが対向している状態で、第2カメラ22の光学系の焦点と検査面C3とが一致するように、第2カメラ移動装置52を制御する。すなわち、駆動制御装置6は、第2カメラ22の光学系の焦点と検査面C3とが一致するように、第2カメラ22をY軸方向に移動させる。
【0063】
第1カメラ21の光学系の焦点と検査面C5とが一致し、第2カメラ22の光学系の焦点と検査面C3とが一致した後、カメラ制御装置7は、第1カメラ21に検査面C5を撮像させ、第2カメラ22に検査面C3を撮像させる。カメラ制御装置7は、第1カメラ21の撮像範囲に配置された検査面C5と、第2カメラ22の撮像範囲に配置された検査面C3とが同時に撮像されるように、第1カメラ21及び第2カメラ22を制御する(ステップS2)。
【0064】
なお、第2カメラ22が検査面C3を撮像するとき、駆動制御装置6は、第2カメラ22の撮像範囲に対して検査面C3がX軸方向に移動するように、第1駆動装置3を制御してもよい。第2カメラ22の撮像範囲よりも検査面C3が大きい場合、検査面C3がX軸方向の複数の位置のそれぞれに配置されたときに第2カメラ22が検査面C3を撮像することにより、第2カメラ22は、検査面C3の全範囲を撮像することができる。
【0065】
また、第1カメラ21が検査面C5を撮像するとき、駆動制御装置6は、検査面C5に対して第1カメラ21の撮像範囲がX軸方向及びY軸方向の少なくとも一方に移動するように、第1駆動装置3を制御してもよい。第1カメラ21の撮像範囲よりも検査面C5が大きい場合、第1カメラ21の撮像範囲がX軸方向及びY軸方向の複数の位置のそれぞれに配置されたときに第1カメラ21が検査面C5を撮像することにより、第1カメラ21は、検査面C5の全範囲を撮像することができる。
【0066】
なお、
図1及び
図2に示すように、検査面C5及び検査面C3を撮像するとき、クランプ部材10にクランプされたワークWを、ターンテーブル17が下側から支持してもよい。ワークWの重量が大きい場合、クランプ部材10Aとクランプ部材10BとでワークWを挟み付ける力だけでは、ワークWの位置を維持することが困難になる可能性がある。ワークWの重量が大きい場合、重力の作用により、クランプ部材10にクランプされたワークWが-Z側に移動してしまう可能性がある。ターンテーブル17がワークWを下側から支持することにより、クランプ部材10にクランプされたワークWが-Z側に移動することが抑制される。
【0067】
検査面C5及び検査面C3が撮像された後、駆動制御装置6は、検査面C6が第1カメラ21に対向し、検査面C4が第2カメラ22に対向するように、ワークWをクランプしたクランプ部材10を、第1回転軸RXを中心に回転させる(ステップS3)。
【0068】
図5に示すように、第1回転軸RXを中心にクランプ部材10を回転させるとき、駆動制御装置6は、ワークWからターンテーブル17が離れるように第2駆動装置4を制御する。ワークWをクランプしたクランプ部材10を回転させるとき、ターンテーブル17がワークWから離れるように-Z側に移動することにより、第1駆動装置3は、ワークWを円滑に回転させることができる。
【0069】
検査面C6が第1カメラ21に対向し、検査面C4が第2カメラ22に対向した後、駆動制御装置6は、第1カメラ21の光学系の焦点と検査面C6とが一致するように、第1カメラ21をZ軸方向に移動させ、第2カメラ22の光学系の焦点と検査面C4とが一致するように、第2カメラ22をY軸方向に移動させる。
【0070】
第1カメラ21の光学系の焦点と検査面C6とが一致し、第2カメラ22の光学系の焦点と検査面C4とが一致した後、カメラ制御装置7は、第1カメラ21に検査面C6を撮像させ、第2カメラ22に検査面C4を撮像させる。カメラ制御装置7は、第1カメラ21の撮像範囲に配置された検査面C6と、第2カメラ22の撮像範囲に配置された検査面C4とが同時に撮像されるように、第1カメラ21及び第2カメラ22を制御する(ステップS4)。
【0071】
なお、第2カメラ22が検査面C4を撮像するとき、駆動制御装置6は、第2カメラ22の撮像範囲に対して検査面C4がX軸方向に移動するように、第1駆動装置3を制御してもよい。また、第1カメラ21が検査面C6を撮像するとき、駆動制御装置6は、検査面C6に対して第1カメラ21の撮像範囲がX軸方向及びY軸方向の少なくとも一方に移動するように、第1駆動装置3を制御してもよい。
【0072】
なお、検査面C6及び検査面C4を撮像するとき、クランプ部材10にクランプされたワークWを、ターンテーブル17が下側から支持してもよい。
【0073】
検査面C6及び検査面C4が撮像された後、駆動制御装置6は、ワークWを下側からターンテーブル17に支持させる(ステップS5)。
【0074】
ターンテーブル17がワークWを下側から支持した後、駆動制御装置6は、クランプ部材10によるワークWのクランプを解除する(ステップS6)。
【0075】
駆動制御装置6は、検査面C1が第2カメラ22に対向するように、ワークWを支持したターンテーブル17を、第2回転軸TXを中心に回転させる(ステップS7)。
【0076】
図6に示すように、第2回転軸TXを中心にターンテーブル17を回転させるとき、駆動制御装置6は、ワークWからクランプ部材10が離れるように第1駆動装置3を制御する。ワークWを支持したターンテーブル17を回転させるとき、クランプ部材10AがワークWから離れるように+X側に移動し、クランプ部材10BがワークWから離れるように-X側に移動することにより、第2駆動装置4は、ワークWを円滑に回転させることができる。
【0077】
検査面C1が第2カメラ22に対向した後、駆動制御装置6は、ワークWをクランプ部材10にクランプさせる。また、駆動制御装置6は、第2カメラ22の光学系の焦点と検査面C1とが一致するように、第2カメラ22をY軸方向に移動させる。
【0078】
第2カメラ22の光学系の焦点と検査面C1とが一致した後、カメラ制御装置7は、第2カメラ22に検査面C1を撮像させる(ステップS8)。
【0079】
なお、第2カメラ22が検査面C1を撮像するとき、駆動制御装置6は、第2カメラ22の撮像範囲に対して検査面C1がX軸方向に移動するように、第1駆動装置3を制御してもよい。
【0080】
なお、検査面C1を撮像するとき、クランプ部材10にクランプされたワークWをターンテーブル17が下側から支持してもよい。
【0081】
検査面C1が撮像された後、駆動制御装置6は、ワークWを下側からターンテーブル17に支持させる。
【0082】
ターンテーブル17がワークWを下側から支持した後、駆動制御装置6は、クランプ部材10によるワークWのクランプを解除する。
【0083】
駆動制御装置6は、検査面C2が第2カメラ22に対向するように、ワークWを支持したターンテーブル17を、第2回転軸TXを中心に回転させる。
【0084】
検査面C2が第2カメラ22に対向した後、駆動制御装置6は、ワークWをクランプ部材10にクランプさせる。また、駆動制御装置6は、第2カメラ22の光学系の焦点と検査面C2とが一致するように、第2カメラ22をY軸方向に移動させる。
【0085】
第2カメラ22の光学系の焦点と検査面C2とが一致した後、カメラ制御装置7は、第2カメラ22に検査面C2を撮像させる(ステップS9)。
【0086】
なお、第2カメラ22が検査面C2を撮像するとき、駆動制御装置6は、第2カメラ22の撮像範囲に対して検査面C2がX軸方向に移動するように、第1駆動装置3を制御してもよい。
【0087】
なお、検査面C2を撮像するとき、クランプ部材10にクランプされたワークWをターンテーブル17が下側から支持してもよい。
【0088】
以上により、カメラ2による6つの検査面C1,C2,C3,C4,C5,C6の撮像が終了する。6つの検査面C1,C2,C3,C4,C5,C6の撮像が終了した後、ワークWが外観検査装置1から搬出される。
【0089】
カメラ2で撮像された6つの検査面C1,C2,C3,C4,C5,C6の画像は、画像処理装置8に送信される。画像処理装置8は、6つの検査面C1,C2,C3,C4,C5,C6の画像に基づいて、ワークWの欠陥を検出する。
【0090】
なお、ワークWが6つの検査面を有する場合において、上述の外観検査方法は一例である。撮像回数が最少になるように、第1回転軸RXを中心とするワークWの回転角度又は回転回数、第2回転軸TXを中心とするワークWの回転角度又は回転回数、及び第1回転軸RX又は第2回転軸TXを中心とするワークWの回転順序などが最適化される。
【0091】
また、6つの検査面C1,C2,C3,C4,C5,C6の全部が撮像されなくてもよく、例えば、4つの検査面C3,C4,C5,C6がカメラ2で撮像されてもよい。
【0092】
[効果]
以上説明したように、実施形態によれば、外観検査装置1は、検査位置DPに配置されたワークWを撮像するカメラ2と、検査位置DPにおいて第1回転軸RXを中心にワークWを回転させる第1駆動装置3と、検査位置DPにおいて第2回転軸TXを中心にワークWを回転させる第2駆動装置4と、ワークWの複数の検査面がカメラ2の撮像範囲に順次配置されるように第1駆動装置3及び第2駆動装置4の少なくとも一方を制御する駆動制御装置6と、複数の検査面が順次撮像されるようにカメラ2を制御するカメラ制御装置7と、カメラ2で撮像された検査面の画像に基づいてワークWの欠陥を検出する画像処理装置8と、を備える。ワークWが第1回転軸RX及び第2回転軸TXの少なくとも一方を中心に回転されることにより、カメラ2は、ワークWの複数の検査面を効率良く撮像することができる。1台の外観検査装置1で、ワークWの複数の検査面が効率良く検査される。
【0093】
第1駆動装置3は、ワークWをクランプするクランプ部材10と、ワークWをクランプしたクランプ部材10を、第1回転軸RXを中心に回転させる第1回転アクチュエータ11と、を有する。これにより、ワークWは、第1回転軸RXを中心に回転される。
【0094】
第1駆動装置3は、ワークWをクランプしたクランプ部材10を、第1回転軸RXに平行なX軸方向へ移動させる第1並進アクチュエータ12を有する。これにより、ワークWは、X軸方向へ移動される。第1駆動装置3は、カメラ2の撮像範囲に対するワークWの位置を調整することができる。実施形態において、第1駆動装置3は、第1カメラ21の撮像範囲に対するワークWのX軸方向の位置及び第2カメラ22の撮像範囲に対するワークWのX軸方向の位置を調整することができる。
【0095】
第2駆動装置4は、ワークWを下側から支持するターンテーブル17と、ワークWを支持したターンテーブル17を、第2回転軸TXを中心に回転させる第2回転アクチュエータ18と、を有する。これにより、ワークWは、第2回転軸TXを中心に回転される。
【0096】
第2駆動装置4は、ワークWを支持したターンテーブル17を、第2回転軸TXに平行なZ軸方向へ移動させる第2並進アクチュエータ19を有する。これにより、ワークWは、Z軸方向へ移動される。第2駆動装置4は、カメラ2の撮像範囲に対するワークWの位置を調整することができる。実施形態において、第2駆動装置4は、第1カメラ21の撮像範囲に対するワークWのZ軸方向の位置及び第2カメラ22の撮像範囲に対するワークWのZ軸方向の位置を調整することができる。
【0097】
カメラ2の光学系の光軸に平行な方向へカメラ2を移動させるカメラ移動装置5が設けられる。これにより、カメラ2の光学系が固定焦点光学系である場合、カメラ2の光学系の焦点と検査面とを一致させることができる。実施形態において、第1カメラ移動装置51は、第1カメラ21を光軸AX1に平行なZ軸方向へ移動させることにより、第1カメラ21の光学系の焦点と検査面とを一致させることができる。第2カメラ移動装置52は、第2カメラ22を光軸AX2に平行なY軸方向へ移動させることにより、第2カメラ22の光学系の焦点と検査面とを一致させることができる。
【0098】
駆動制御装置6は、ワークWをクランプしたクランプ部材10を回転させるとき、ワークWからターンテーブル17が離れるように第2駆動装置4を制御する。これにより、ワークWは、第1回転軸RXを中心に円滑に回転することができる。駆動制御装置6は、ワークWを支持したターンテーブル17を回転させるとき、ワークWからクランプ部材10が離れるように第1駆動装置3を制御する。これにより、ワークWは、第2回転軸TXを中心に円滑に回転することができる。
【0099】
駆動制御装置6は、第1並進アクチュエータ12及び第2並進アクチュエータ19の少なくとも一方を制御して、ワークWを検査位置DPに配置することができる。
【0100】
第1回転軸RXと第2回転軸TXとは直交する。第1カメラ移動装置51は、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向のそれぞれへ第1カメラ21を移動させる。これにより、第1カメラ21とワークWとの相対位置が調整される。
【0101】
カメラ2は、複数設けられる。カメラ制御装置7は、複数のカメラ2の撮像範囲のそれぞれに配置された複数の検査面が同時に撮像されるように、複数のカメラ2を制御する。これにより、ワークWの複数の検査面が効率良く撮像される。
【0102】
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、カメラ制御装置7は、1つの検査面をカメラ2に複数回撮像させてもよい。例えば、第1カメラ21が1つの検査面を撮像するとき、駆動制御装置6は、クランプ部材10にクランプされたワークWが第1回転軸RXを中心とする傾斜方向に傾斜するように、第1駆動装置3を制御してもよい。検査面が複数の傾斜角度のそれぞれに傾いたときに照明装置2Bに照明された検査面が第1カメラ21に撮像されることにより、画像処理装置8は、第1カメラ21に撮像された画像に基づいて、検査面の欠陥を検出し易くなる可能性がある。検査面に欠陥が存在する場合、検査面の傾斜角度により、照明装置2Bから検査面に照射された照明光の反射状態が変化する可能性がある。画像処理装置8は、第1カメラ21により撮像された照明光の反射状態に基づいて、検査面の欠陥を高精度に検出することができる。
【0103】
上述の実施形態において、複数のカメラ2は、同一の種類でもよい。複数のカメラ2の光学系の分解能は、同じでもよい。複数のカメラ2の光学系の画角は、同じでもよい。複数のカメラ2のイメージセンサの画素数は、同じでもよい。複数のカメラ2の解像度は、同じでもよい。
【0104】
上述の実施形態において、複数のカメラ2は、異なる種類でもよい。複数のカメラ2の光学系の分解能は、相互に異なってもよい。例えば、第1カメラ21の光学系の分解能が第2カメラ22の光学系の分解能よりも高くてもよい。高い分解能の第1カメラ21により、検査面の欠陥が高精度に検出される。低い分解能の第2カメラ22により、外観検査装置1のコストが抑制される。また、第1カメラ21の光学系の画角が、第2カメラ22の光学系の画角よりも小さくてもよい。また、第1カメラ21のイメージセンサの画素数が、第2カメラ22のイメージセンサの画素数よりも多くてもよい。第1カメラ21の解像度が、第2カメラ22の解像度よりも高くてもよい。
【0105】
上述の実施形態において、ワークWに孔が形成されてもよい。孔を有するワークWとして、シリンダブロックが例示される。孔を有するワークWをカメラ2が撮像する場合、ワークWが第1回転軸RXを中心とする傾斜方向に傾斜するように第1駆動装置3が制御されたり、ワークWが第2回転軸TXを中心とする傾斜方向に傾斜するように第2駆動装置4が制御されたりしてもよい。ワークWが傾斜されることにより、照明装置2Bから射出された照明光は、ワークWの孔の内面に満遍なく照射される。これにより、ワークWの孔の内面の欠陥が高精度に検出される。
【0106】
上述の実施形態において、ワークWは、金属製品でもよいし、合成樹脂製品でもよいし、合成皮革製品でもよい。
【符号の説明】
【0107】
1…外観検査装置、2…カメラ、2A…カメラ本体、2B…照明装置、3…第1駆動装置、4…第2駆動装置、5…カメラ移動装置、6…駆動制御装置、7…カメラ制御装置、8…画像処理装置、9…スライド部材、9A…スライド部材、9B…スライド部材、10…クランプ部材、10A…クランプ部材、10B…クランプ部材、11…第1回転アクチュエータ、11A…第1回転アクチュエータ、11B…第1回転アクチュエータ、12…第1並進アクチュエータ、12A…第1並進アクチュエータ、12B…第1並進アクチュエータ、13…ベースプレート、14…ガイド部材、14A…ガイド部材、14B…ガイド部材、15…ベース部材、16…支持部材、17…ターンテーブル、18…第2回転アクチュエータ、19…第2並進アクチュエータ、21…第1カメラ、22…第2カメラ、51…第1カメラ移動装置、52…第2カメラ移動装置、131…開口、AX1…光軸、AX2…光軸、C1…検査面、C2…検査面、C3…検査面、C4…検査面、C5…検査面、C6…検査面、DP…検査位置、RX…第1回転軸、TX…第2回転軸、W…ワーク。