(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129056
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】容器ホルダー
(51)【国際特許分類】
B65D 33/02 20060101AFI20230907BHJP
B65D 33/36 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
B65D33/02
B65D33/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022033820
(22)【出願日】2022-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000238005
【氏名又は名称】株式会社フジシールインターナショナル
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】稲川 義則
(72)【発明者】
【氏名】中西 雅人
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 彰
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AB23
3E064BA26
3E064BA30
3E064BA36
3E064BA37
3E064BA55
3E064EA10
3E064EA12
3E064FA04
3E064HF02
3E064HF10
3E064HG01
3E064HM01
3E064HN65
3E064HS04
(57)【要約】
【課題】使用する樹脂量の少ない容器ホルダーを提供する。
【解決手段】容器ホルダー1は、収納容器20を収容するための収容空間を有する筒状のシート部材2と、シート部材2の外壁面に装着された、筒状の、伸縮性を有するか又は熱収縮したフィルム部材5と、を備え、収納容器20を着脱可能に係止する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納容器を収容するための収容空間を有する、筒状またはその一部をなすシート部材と、
前記シート部材の外壁面に装着された、筒状の、伸縮性を有するか又は熱収縮したフィルム部材と、を備え、
前記収納容器を着脱可能に係止する、容器ホルダー。
【請求項2】
前記フィルム部材は、前記シート部材の一方の端部から該シート部材の径方向に延びるフィルム延在部を有する、請求項1に記載の容器ホルダー。
【請求項3】
前記シート部材は、該シート部材の一方の端部から該シート部材の径方向に延び、前記収納容器を係止する係止部を有する、請求項1に記載の容器ホルダー。
【請求項4】
前記フィルム部材は、前記一方の端部から該シート部材の径方向に延び、前記係止部に重畳するフィルム延在部を有する、請求項3に記載の容器ホルダー。
【請求項5】
前記シート部材の一方の端部に位置し、前記収容空間を画定する上面の一部となる、前記収納容器を係止する係止部を備え、
前記フィルム部材は、前記一方の端部から該シート部材の径方向に延び、前記係止部を前記シート部材に固定するフィルム延在部を有する、請求項1に記載の容器ホルダー。
【請求項6】
前記収納容器は、排出部を有しており、
前記係止部は、前記排出部が挿入される開口を有する、請求項3から5の何れか1項に記載の容器ホルダー。
【請求項7】
前記開口の周縁は、前記開口の中央に向かって延伸し、屈曲可能な1以上の延伸部を有する、請求項6に記載の容器ホルダー。
【請求項8】
前記収納容器は、排出部を有しており、
前記係止部は、前記排出部を係止する切欠部を有する、請求項3から5の何れか1項に記載の容器ホルダー。
【請求項9】
前記フィルム部材が取り外されることにより、前記シート部材は扁平状に変形可能である、請求項1から8の何れか1項に記載の容器ホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、容器を収容する容器ホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
収納容器を装着して用いる容器ホルダーが知られている。
【0003】
特許文献1は、袋容器ホルダーを開示する。該袋容器ホルダーは、載置部と、載置部から立設する立設部と、立設部の第1端部から載置部の直上部分に張り出して設けられた、U字状切欠き部を備える張出し係止部とを含む。張出し係止部の下方の部分が、袋容器の着脱空間部となっている。載置部から立設して、下端部邪魔板部が設けられており、下端部邪魔板部の裏面側に、袋容器の下端部を装着させる下端部装着部が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-047928号公報(2018年3月29日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、射出成型により形成された特許文献1の袋容器ホルダーは、ユーザがノズルヘッドを押圧する押圧力に抗する強度を持たせるために肉厚に形成されており、製造時に使用する樹脂量が多くなる。
【0006】
本開示は、前記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、射出成型により製造された従来の容器ホルダーよりも使用する樹脂量の少ない容器ホルダーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る容器ホルダーは、収納容器を収容するための収容空間を有する、筒状またはその一部をなすシート部材と、前記シート部材の外壁面に装着された、筒状の、伸縮性を有するか又は熱収縮したフィルム部材と、を備え、前記収納容器を着脱可能に係止する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様によれば、使用する樹脂量の少ない容器ホルダーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の一態様に係る容器ホルダーの使用例を説明するための図である。
【
図2】本開示の一態様に係る、容器ホルダーの構成と、該容器ホルダーの製造方法を説明するための図である。
【
図3】本開示に係るシート部材の変形例を示す図である。
【
図4】本開示の一態様に係る容器ホルダーの上面図である。
【
図5】シート部材の第1端部に位置する、排出部を係止する係止部を説明する図である。
【
図6】本開示に係る容器ホルダーにおける収納容器の着脱構造を説明する図である。
【
図8】本開示に係る他の容器ホルダーを説明するための図である。
【
図9】タックラベルが装着された、本開示に係る容器ホルダーを説明する図である。
【
図10】本開示に係るフィルム延在部の変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態〕
以下、本開示の一実施形態について、模式的に示した
図1、
図2等を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本開示に係る容器ホルダー1の使用例を説明するための図である。
図2は、容器ホルダー1の構成と、容器ホルダー1の製造方法を説明するための図である。
【0011】
なお、本開示の一実施形態について説明するうえで、以下について付言する。「下限値XXX~上限値YYY」で表される数値範囲は、下限値XXX以上上限値YYY以下を意味する。「上」、「下」は、重力方向を下側、重力方向と反対側を上側とする。
【0012】
(適用例)
理解の容易のため、最初に
図1を参照しつつ、本開示に係る容器ホルダー1の使用例を説明する。
【0013】
参照番号100に示す図を参照して、容器ホルダー1は、内部が中空の筒状に形成されており、その内部に収納容器を収容するための収容空間7を有する。
【0014】
収納容器20は、一般的な収納容器であってよく、収納物を排出するための排出部21を有する。排出部21は、排出口を有する。排出部21は、筒状であり、その外壁面にはキャップを取り付けるための溝が形成されてもよい。例えば、収納容器20は、洗剤、シャンプー、リンス、食品類などを収納する。収納容器20は、排出口を有する専用のキャップ25を用いて収納物を排出してもよいし、キャップ25を用いることなく、収納物を排出してもよい。
【0015】
図1に示す例では、収納容器20は、軟包材容器であって、天マチ及び底マチを有しており、天マチの面内中央に排出部21が取り付けられている。排出部21は、スパウトである。排出部21は、スパウトのような樹脂成型品であってよいし、軟包材容器の包材の一部から形成されていてもよい。
【0016】
参照番号110に示す図を参照して、収納容器20は、図中の(A)に示す方向から容器ホルダー1を被せられる。収納容器20は、排出部21において容器ホルダー1に係止される。続いて、収納容器20は、図中の(B)に示す方向からキャップ25を取り付けられる。
【0017】
参照番号120に示す図を参照して、容器ホルダー1は、キャップ25を下方に向けて把持される。これにより、収納容器20から収納物が排出される。
【0018】
不図示であるが、参照番号110に示す(A)と反対側に容器ホルダー1を移動させることにより、容器ホルダー1は、収納容器20の排出部21における係止を解除し、収納容器20を取り外すことができる。容器ホルダー1から収納容器20を着脱する構成は後述する。
【0019】
以下、容器ホルダー1の詳細を、
図2を参照して説明する。
【0020】
(容器ホルダーとその製造方法)
次に、
図2を参照しつつ、容器ホルダー1の製造方法と、容器ホルダー1の構成を説明する。最初に概略を説明すれば、容器ホルダー1は、収納容器20を収容するための収容空間7を有する筒状のシート部材2と、シート部材2の外壁面に装着された、筒状の、伸縮性を有するか又は熱収縮したフィルム部材5と、を備える。そして、容器ホルダー1は、収納容器20を着脱可能に係止する。
【0021】
(シート部材)
参照番号200に示す図は、容器ホルダー1の構成部材であるシート部材2を示す。シート部材2は、収納容器20を収容するための収容空間7を有し、筒状に形成される。シート部材2は、合成樹脂、紙、合成紙、又は、それらの積層体であってよい。シート部材2は、後述するフィルム部材5の応力によって変形可能な程度の剛性を有しておればよい。一例として、シート部材2は、ポリエチレンテレフタレート(PET)である。シート部材2は、肉厚があるほど容器ホルダー1の強度を高めることができる。シート部材2は、例えば、肉厚が100μm~300μmであってよい。好ましくは、シート部材2は、肉厚が200μm~250μmである。シート部材2は、収納容器の排出部を係止するための係止部3(係止部の詳細は後述。)を有してもよい。
【0022】
参照番号210に示す図は、シート部材2が、その両端同士を接合され、筒状に形成された後の様子を示す。具体的には、シート部材2は、その一端の内面と他端の外面とが、接着剤又は溶着によって接合(センターシール)されている。溶着によるセンターシールとしては、例えば、溶剤による溶着、超音波による溶着等が挙げられる(センターシールされている様子を、図中の参照番号4で示す)。
【0023】
シート部材2は、筒状形状の長軸方向(筒状のシート部材2の軸方向)における、収納容器20の排出部21が位置する側の端部(以下、「第1端部」と称する。)に係止部3を有してもよい。図示の例では、シート部材2の第1端部は、円形の係止部3と略同径の円形となるように形成されている。係止部3は、シート部材2と一体となって、シート部材2から延在して形成されている。シート部材2と係止部3との境界位置に折罫線又はハーフカット線が形成されてよい。これにより、係止部3は、折り曲がりやすくなり、筒状のシート部材2の第1端部に被さりやすくなる。
【0024】
参照番号220に示す図は、筒状に形成されたシート部材2が収容空間7を内部に有し、その収容空間7にマンドレル10(芯)が挿入される様子を示す。シート部材2は、マンドレル10に巻き付けられて筒状に形成されてもよい。
【0025】
(フィルム部材)
参照番号230に示す図は、フィルム部材5が、マンドレル10に挿入されたシート部材2に被せられる様子を示す。上述したように、フィルム部材5は、シート部材2の外壁面(側面)に装着される、筒状の、伸縮性を有するか又は熱収縮した部材である。フィルム部材5は、シュリンクラベル、又は、ストレッチラベルであってよい。フィルム部材5は、筒状のシート部材2に巻き付けられて筒状に形成されてもよい。
【0026】
筒状のフィルム部材5は、シート部材2と同様に、その一端の内面と他端の外面とが接着剤又は溶着によって接合(センターシール)されている。フィルム部材5は、その厚みが、特に限定されないが、一例として10~120μmであってよい。フィルム部材5がシュリンクラベルの場合、フィルム部材5の厚みは、例えば、12~60μmが好ましい。
【0027】
シュリンクラベルは、少なくとも第1方向に熱収縮するフィルムである。熱収縮するフィルムとは、室温下(例えば、23℃)では収縮しないが、熱収縮温度(例えば、80℃~100℃)に加熱されると所定方向において収縮する性質を有するフィルムをいう。少なくとも第1方向に熱収縮するフィルムとは、少なくとも第1方向において、熱収縮性を有するフィルムである。加熱は、熱風、スチーム、過熱水蒸気又はLED照射等の適宜の方法を採用することができる。フィルム部材5の収縮率は、シュリンクフィルムの第1方向の、90℃、10秒における熱収縮率が、例えば15~90%であり、好ましくは20~85%である。また、シュリンクフィルムの第2方向の、90℃、10秒における熱収縮率は、-3~15%であり、好ましくは-1~10%である。
【0028】
第1方向とは、フィルムの面内における1つの方向を意味し、第2方向は、フィルムの面内において第1方向と直交する方向である。例えば、筒状のフィルム部材5では、筒状形状の長軸方向(筒状のフィルム部材5の軸方向)を第2方向、その第2方向に直交する方向(周方向)を第1方向と規定することができる。
【0029】
フィルム部材5は、上述の熱的性質を有することを条件として、様々なフィルムを用いることができる。フィルム部材5の材料としては、例えば、合成樹脂フィルム、不織布フィルム、又は発泡樹脂フィルムなどが挙げられる。フィルム部材5は、前述した材料から選ばれる少なくとも1つを含む積層フィルムであってもよい。積層フィルムは、その積層物全体として熱収縮性を有することを条件として、実質的に熱収縮性を有さないフィルムと熱収縮性を有するフィルムの積層物であってもよいが、その全てが熱収縮性を有するフィルムからなる積層物が好ましい。
【0030】
好ましくは、フィルム部材5として、合成樹脂フィルム又は合成樹脂層を有する積層フィルムが用いられ、さらに好ましくは、単層の合成樹脂フィルム又は複層の合成樹脂フィルムが用いられる。単層の合成樹脂フィルムは、単一の合成樹脂層からなるフィルムであり、複層の合成樹脂フィルムは、2つ以上の合成樹脂層が積層された積層フィルムである。
【0031】
合成樹脂フィルム(合成樹脂層)の材質は、特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、環状オレフィンなどのオレフィン系樹脂;ポリスチレン、スチレン-ブタジエン共重合体などのポリスチレン系樹脂;ポリアミド系樹脂;塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂から選ばれる1種、又は2種以上の混合物などが挙げられる。不織布フィルム及び発泡樹脂フィルムの材質も特に限定されず、従来公知の合成樹脂を用いたものが挙げられる。不織布フィルム及び発泡樹脂フィルムは、それ自体、断熱効果を期待できる。
【0032】
フィルム部材5は、シュリンクラベルではなく、熱を必要としない、自己伸縮性のあるストレッチラベルであってもよい。フィルム部材5は、シュリンクラベル又はストレッチラベルの機能により、シート部材2の外形を保持することができる。
【0033】
フィルム部材5は、分断線(ミシン目等)を有してもよい。容器ホルダー1は、フィルム部材5の分断線が分断されることで、シート部材2の形状を、筒状から扁平状に変形可能である、言い換えると、元の形状に戻すように構成することもできる。シート部材2は、人又は機械の手を介して元の形状に戻る構成であってもよいし、自然と元の形状に戻る構成であってもよい。
【0034】
フィルム部材5は、シート部材2と接着部を介して互いに接着されてもよい。この場合、フィルム部材5は、シート部材2と一体化される。
【0035】
フィルム部材5は、デザイン印刷を施されることで、容器ホルダー1の加飾性を向上させることができる。具体的に、フィルム部材5は、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、又はスクリーン印刷等を施されることにより、樹脂成型品に直接印刷する場合と比較して容器ホルダー1の加飾性を向上させることができる。
【0036】
上述したように、フィルム部材5は、シュリンクラベル及びストレッチラベルの何れでもよいが、以下の説明では、シュリンクラベルであるものとして説明する。
【0037】
(容器ホルダー)
参照番号240に示す図は、フィルム部材5がシート部材2に被せられた後の様子を示す。図示の例では、マンドレル10の軸心方向において、フィルム部材5は、シート部材2よりも長く、シート部材2の第1端部から突き出ている。
【0038】
参照番号250に示す図は、熱風、スチーム、過熱水蒸気又はLED照射等の適宜の方法によってフィルム部材5を熱収縮させた後の、容器ホルダー1が完成した様子を示す。図示の例において、容器ホルダー1は、熱収縮したフィルム部材5がシート部材2の外壁面に装着されるとともに、フィルム部材5が容器ホルダー1の上面(天面)の一部を形成している。容器ホルダー1は、フィルム部材5を熱収縮させることにより、シート部材2の外形を保持することができる。
【0039】
容器ホルダー1の下面は、シート部材2及びフィルム部材5が存在しておらず、収納容器20を収容するために開口している。但し、容器ホルダー1に収納容器20を着脱可能とする限りにおいて、容器ホルダー1の下面は、シート部材2又はフィルム部材5が折れ曲がってなる折れ曲り部を有していてもよい。
【0040】
以上によれば、容器ホルダー1は、射出成型により製造される従来の容器ホルダーに比べて、使用する樹脂量を軽減することができる。
【0041】
さらに、容器ホルダー1は、以下の効果を奏する。
【0042】
同じ形状で異なるフレーバー又は期間限定品のような多種多様な収納容器に使用する容器ホルダーを考える。樹脂成型により製造された従来の容器ホルダーの場合、その容器ホルダーに対して収納容器の収納物に関連する情報を直接印刷すると、収容容器の売れ行きが低下すると容器ホルダーの在庫が増える。
【0043】
これに対して、容器ホルダー1では、収納容器の収納物に関連する情報をフィルム部材5に印刷できる。つまり、収納容器の収納物に応じてフィルム部材5のラベルデザインを変更し、そのフィルム部材5をシート部材2に装着すればよい。これにより、容器ホルダー1自体の在庫を従来よりも大幅に軽減できる。
【0044】
さらに、従来の容器ホルダーは、樹脂成型のための金型を必要とするが、本開示に係る容器ホルダー1は、シート部材2とフィルム部材5とで簡単に製造できるため、従来必要であった金型が不要となる。
【0045】
このように、本開示に係る容器ホルダーは、種々の効果を奏することができる。
【0046】
(シート部材の変形例)
シート部材2は、上面視で、
図1等に示す円筒状のほか、多角形(三角形、四角形、五角形等)、又は楕円形等からなる筒状で構成されてよい。シート部材2は、マンドレル10を所望の形状に変更することで、マンドレル10の形状に応じて所望の形状とすることができる。また、シート部材2は、
図3に示す形状とすることもできる。
図3は、本開示に係るシート部材2の変形例を示す図である。
【0047】
参照番号300に示す図において、本開示に係るシート部材30は、上面視で、C字状である。具体的に、シート部材30は、シート部材30の両端同士が接合しておらず、端部間に隙間を有し、筒状の一部をなしている。シート部材30は、シート部材30の外壁面に密着する筒状のフィルム部材5の応力によって湾曲形状を保持することができる。
【0048】
参照番号310に示す図において、本開示に係るシート部材31は、扁平状のシートの一端に差込み片32を有し、シートの他端に差込み口33を有する。差込み片32は、差込み口33に差込まれることにより、シート部材31の湾曲形状を保持することができる。差込み片32及び差込み口33の形状は、同様の機能を発揮するならば、図示した形状に限定されず、他の形状を採用することも当然に可能である。
【0049】
参照番号320に示す図において、本開示に係るシート部材36は、上面視で、筒状である。具体的に、シート部材36は、シート部材36の両端同士が突き合わされており、端部間に隙間がないか、ほぼ隙間がない。フィルム部材5は、そのシート部材36の外壁面に密着する。シート部材36の両端部間の隙間が無くなることにより、本開示に係る容器ホルダーは、大量生産されたときにロットごとの径がさらに安定する。
【0050】
このように、本開示に係るシート部材は、様々な形状を採用することができる。
【0051】
[収納容器の係止方法]
次に、容器ホルダー1が収納容器を着脱可能に係止する構成を
図4等により説明する。
図4は、容器ホルダー1の上面図である。容器ホルダー1が係止する収納容器は、特に限定されないが、例えば、底マチを有する自立型の軟包材容器であって、収納物を排出するための排出部21を有するものとする。排出部21は、排出口を有する。排出部21は、筒状であり、その外壁面にはキャップ25を取り付けるための溝が形成されてもよい。排出部21は、収納容器内の液体を排出するためのポンプが装着されてもよい。
【0052】
筒状のシート部材2の長手方向(軸方向)において、フィルム部材5がシート部材2の第1端部から突き出た状態でフィルム部材5を熱収縮させる(
図2の参照番号240に示す図参照)。これにより、
図4の参照番号400の図に示すように、フィルム部材5は、シート部材2の第1端部からシート部材2の径方向に延在する。この延在した部分をフィルム延在部40と称する。図示の例では、容器ホルダー1の上面は、開口40aで示す領域を除き、フィルム延在部40が占める。
【0053】
図4の参照番号400に示す図を参照して、開口40aは略円形に形成される。開口40aは、フィルム部材5がシート部材2の第1端部から突き出る長さに応じて大きさを決めることができる。開口40aの大きさを収納容器20の排出部21の口径に合わせて調整することにより、開口40aは、収納容器20の排出部21が挿入された状態で、排出部21を係止することができる。つまり、フィルム延在部40は、収納容器20の排出部21を容器ホルダーに係止する係止部として機能することができる。
【0054】
次に、
図4の参照番号410に示す図を参照して、シート部材2は、シート部材2の第1端部において、半月状の係止部41a及び係止部41bを有してよい。係止部41a及び係止部41bは、参照番号410の右側の図に示すように、シート部材2の上面(天面)の一部を構成する。このような構成となるように、係止部41a及び係止部41bは、シート部材2の第1端部からシート部材2の径方向に方向付けられる。
【0055】
図4の参照番号420に示す図を参照して、係止部41aと係止部41bとの間には空隙42が形成される。空隙42には収納容器20の排出部21が挿入され、係止部41aと係止部41bとの押圧力により、空隙42において排出部21を係止することができる。
【0056】
さらに、
図4の参照番号420に示す図を参照して、容器ホルダー1は、シート部材2の第1端部からシート部材2の径方向に延びる、係止部41a及び係止部41bと重畳し、係止部41a及び係止部41bを固定するフィルム延在部40を有してよい。この構成によれば、容器ホルダー1は、空隙42において排出部21を係止するとともに、さらに、フィルム延在部40が係止部41a及び係止部41bを固定することにより、収納容器20をより強固に係止することができる。
【0057】
図4の参照番号410、420に示す図においては、シート部材2は、半月状の係止部41a及び係止部41bを有するものとして説明した。しかしながら、係止部41aと係止部41bとの間で排出部21を係止する構成であるならば、係止部41a及び係止部41bは、半月状に限られず、様々な形状により構成されてよい。
【0058】
また、係止部41a及び係止部41bという2つの部材を用いて説明したが、3つ以上の部材を用いて、排出部21を係止する構成が実現されてもよい。さらに、
図2の参照番号200を参照して説明したように、シート部材2は、係止部3を1つのみ有してもよい。係止部3は開口3aを有し、開口3aに収納容器20の排出部21が挿入される。これにより、容器ホルダー1は、開口3aにおいて収納容器20の排出部21を係止することができる。また、
図2に記載するように、係止部3は、円形の周縁から円の中心方向と反対方向に突起する小突起部を有してよく、その小突起部をシート部材2の第1端部に載置する(留める)ことにより、係止部3をシート部材2に強固に固定することができる。図示の例では、小突起部は3つ存在するが、1つでもよいし、3以外の複数個であってもよい。
【0059】
続いて、容器ホルダー1が収納容器を係止する他の構成を
図5により説明する。
図5は、シート部材2の第1端部に位置する、排出部21を係止する係止部を説明する図である。
【0060】
参照番号500、510に示す図を参照して、係止部50は、シート部材2の第1端部に載置される。係止部50は、シート部材2と一体に形成されているのではなく、別体で形成されている。係止部50は、シート部材2の第1端部に対応する形状を有する。係止部50の形状は、シート部材2の形状に応じて適宜設計されるが、図示の例では、係止部50は円形である。係止部50は、シート部材2の内部の収容空間を画定する上面(天面)の一部となる。係止部50は、シート部材2の第1端部に単に載置されるだけでもよいが、シート部材2の第1端部と嵌合し、シート部材2の長手方向に延びる嵌合部51を周縁に有してもよい。係止部50は、嵌合部51を有することにより、シート部材2の第1端部から脱落しにくくなる。
【0061】
係止部50は、その中心に、収納容器20の排出部21が挿入される開口50aを有する。開口50aは、その形状は限定されないが、1以上の延伸部50bを周縁に有することが好ましい。
【0062】
延伸部50bは、開口50aの中央に向かって延伸し、屈曲可能である。そのため、延伸部50bは、開口50aに挿入された排出部21に密着し、排出部21をより強固に係止する。延伸部50bは、排出部21のサイズ又は形状等に応じて、そのサイズ又は形状等が決められてよい。
【0063】
次に、係止部50をシート部材2の第1端部に載置したときの上面図である参照番号520に示す図を参照して、フィルム部材5は、フィルム延在部40を有してよい。フィルム延在部40は、シート部材2の第1端部からシート部材2の径方向に延びることにより、係止部50を固定する。
【0064】
以上の構成によれば、容器ホルダー1は、開口50aにおいて排出部21を係止する。このとき、容器ホルダー1は、排出部21を延伸部50bで係止するため、排出部21をより強固に係止することができる。さらに、フィルム延在部40が係止部50と重畳し、係止部50を固定することから、容器ホルダー1は、収納容器20をさらに強固に係止することができる。
【0065】
次に、参照番号530に示す図を参照して、容器ホルダー1は、係止部50に代えて、係止部53を用いることもできる。係止部53は、上面視でU字状に切り欠かかれた切欠部を有し、その切欠部の先端に位置する係止位置53aにおいて収納容器20の排出部21を係止する。係止位置53aは、特定の形状に限定されず、収納容器20の排出部21の形状に応じた形状を採用することができる。係止位置53aは、排出部21に密着し、収納容器20を強固に係止することができる。
【0066】
係止部50及び係止部53は、例えば、合成樹脂、紙、合成紙などにより構成されてよい。また、係止部53は、参照番号510に示す図で参照した、嵌合部51を周縁に有してよい。
【0067】
図5に示す係止部50の開口50a及び延伸部50bの構成、並びに係止部53のU字状の切欠部の構成は、
図2を参照して説明した係止部3にも適用することができる。
【0068】
また、本開示に係る係止部は、
図5に示す構成に限らず、排出部21(スパウト等)の口径よりも小さい開口径を有する構成、又は、ローマ字のX字状若しくはU字状の切込み線等を有する構成で実現されてもよい。また、それらの構成は、
図2を参照して説明した係止部3にも適用できる。
【0069】
さらに、本開示に係る係止部は、
図5に記載する平板状に限定されず、錐台形状などの種々の形状を有してもよい。
【0070】
以上、
図4、
図5を参照して、容器ホルダー1が収納容器20を係止する構成を説明した。ここで、「係止」とは、係わり合って止まることをいう。そのため、容器ホルダー1が収納容器20の排出部21を係止するとは、容器ホルダー1が排出部21と密着し、排出部21を固定する場合、あるいは、容器ホルダー1が排出部21と完全には密着せず、排出部21と接触した状態にある場合の何れも含みうる。
【0071】
次に、容器ホルダー1から収納容器20を取り外す方法を説明する。容器ホルダー1は、収納容器20を固定した状態で、
図1の参照番号110に示す(A)と反対側に移動することにより、排出部21における係止を解除し、収納容器20を取り外すことができる。換言すれば、容器ホルダー1は、容器ホルダー1を固定した状態で、
図1の参照番号110に示す(A)の方向に収納容器20を移動することにより、排出部21における係止を解除し、収納容器20を取り外すことができる。
【0072】
(収納容器の着脱構造)
続いて、本開示に係る容器ホルダーから収納容器20を着脱しやすくする構成を
図6により説明する。
図6は、本開示に係る容器ホルダーにおける収納容器の着脱構造を説明する図である。
【0073】
図示するように、容器ホルダー60は、シート部材2及びフィルム部材5を貫通する貫通部61を有する。貫通部61は、1以上あってよい。貫通部61は、第1端部とは反対側の第2端部(シート部材2の収容空間7に収容される収納容器20の底部に対応する側の端部)に設けられるのが好ましいが、第1端部と第2端部の間に設けられてもよい。
【0074】
容器ホルダー60は、貫通部61を有することにより、収納容器20の取扱性を高めている。具体的に、ユーザは、貫通部61が存在しない場合と比較して、貫通部61を通して収納容器20を下方に引っ張り易くなる。これにより、容器ホルダー60は、収納容器20の係止を解除しやすくなる。さらなる効果として、容器ホルダー60は、貫通部61を有することにより、容器ホルダー60の製造に必要なシート部材2及びフィルム部材5の原料をそれぞれ低減することもできる。また、容器ホルダー60は、台所、浴室、又は洗面所などの水回りで使用される場合には、貫通部61を有することにより、水はけを改善することができる。
【0075】
(取手構造)
次に、本開示に係る、取手を有する容器ホルダーを
図7により説明する。
図7は、取手を有する容器ホルダーを示す図である。
【0076】
参照番号700に示す図を参照して、本開示に係る容器ホルダー70は、取手73a及び取手73bを胴体部に有する。それ以外の点において、容器ホルダー70は、本開示に係る他の容器ホルダーと同様と考えてよい。容器ホルダー70は、取手73a及び取手73bを有することにより、容器ホルダー70(及び容器ホルダー70の内部に収容された収納容器20)の把持性を高めることができる。
【0077】
次に、参照番号710に示す図を参照して、取手73a及び取手73bの形成方法を説明する。最初にシート部材72を準備する。シート部材72は、予め、取手73a及び取手73bの形状がミシン目に形成されている。続いて、シート部材72を筒状に形成した後に、シート部材72にフィルム部材71を装着する。フィルム部材71は、取手73a及び取手73bに対応する領域に開口71aを有する。これにより、フィルム部材71及びシート部材72を筒状に形成したとき、取手73a及び取手73bとフィルム部材71とを重ならなくできる。このように設計されたフィルム部材71及びシート部材72を用いて、
図1を参照して説明した方法を用いて容器ホルダー70を製造する。
【0078】
容器ホルダー70は、フィルム部材5に開口71aを有する。開口71aから取手73a及び取手73bのミシン目を開裂することにより、容器ホルダー70の胴体部に取手73a及び取手73bを立設することができる。
【0079】
以上により、容器ホルダー70は、取手73a及び取手73bを有することができ、その結果、容器ホルダー70は把持性を高めることができる。
【0080】
容器ホルダー70において、取手の数は、2つに限らず、1つであってもよい。
【0081】
また、取手73a、73bは、ミシン目に限定されず、切込みによってシート部材2から取手が分断されることにより形成されていてもよい。
【0082】
また、フィルム部材5は、開口71aを必ずしも有さなくてもよい。フィルム部材5が開口71aを有していない場合には、シート部材2とフィルム部材5との両方に貫通するミシン目又は切込みを形成しておけばよい。
【0083】
(他の収納容器への適用)
本開示に係る容器ホルダーは、様々な形状の収納容器に適用することができる。そのことを
図8により説明する。
図8は、本開示に係る他の容器ホルダーを説明するための図である。
【0084】
参照番号800に示す図において、収納容器80は、従来公知の収納容器の一例である。収納容器80は、軟包材容器であって、底マチを有しており、上端の角部に排出部80aが取り付けられている。排出部80aは、スパウトのような樹脂成型品であってよく、軟包材容器の包材の一部から形成されていてもよい。
【0085】
参照番号810に示す図において、本開示に係る容器ホルダー81は、
図4の参照番号400を参照して説明したフィルム延在部40と同様のフィルム延在部82を有する。フィルム延在部82は、開口82aを有する。開口82aは、収納容器80の排出部80aに対応する位置に設けられている。例えば、開口82aは、フィルム延在部82を容器ホルダー81の全面に形成した後に、収納容器80の排出部80aに対応する位置に開孔することで得ることができる。
【0086】
参照番号820に示す図において、本開示に係る容器ホルダー84は、
図5の参照番号500を参照して説明した係止部50と同様の係止部86を有する。係止部86は、フィルム延在部82により周縁が固定されている。係止部86は、開口86aを有し、その開口86aの周縁には延伸部86bが設けられている。係止部50と同様に、延伸部86bにおいて収納容器80の排出部80aを係止する。
【0087】
また、本開示に係る容器ホルダーは、フィルム延在部82又は係止部86に代えて、
図2を参照して説明した係止部3に係る構成を適用することもできる。
【0088】
このように、本開示に係る容器ホルダーは、収納容器の形状に応じて製造できるため、様々な形状の収納容器に適用できる。例えば、本開示に係る容器ホルダーは、シャンプー、リンスなどの容器として使用されるシャンプーディスペンサー(シャンプーボトル)にも好適に適用することができる。
【0089】
(タックラベルの装着)
本開示に係る容器ホルダー1は上面に上面部材が装着されてよく、その構成を
図9により説明する。
図9は、上面部材がタックラベルである場合の構成を説明する図であって、タックラベルが装着された、本開示に係る容器ホルダーを説明する図である。なお、
図1を参照して説明した内容についてはその説明を省略する。
【0090】
参照番号900に示す図を参照して、容器ホルダー1は、タックラベル90を有してよい。タックラベル90は、予め原紙の裏面に接着剤が加工されたシール用ラベルである。タックラベル90は、表面に印刷することで簡単にラベリングすることができる。タックラベル90は、加熱し接着剤を活性化させてラベリングするタイプ、ラベルが2層になったタイプなど、適宜に選択されてよい。
【0091】
タックラベル90は、収納容器20の排出部21が挿入される開口を有する。タックラベル90は、容器ホルダー1の上面と同形状・同サイズの外形を有してよい。
【0092】
参照番号910に示す図を参照して、容器ホルダー1の上面にはタックラベル90が装着されており、その状態で、図中の(B)に示す方向から収納容器20にキャップ25が取り付けられる。
【0093】
以下、タックラベル90の種々の装着形態を説明する。
【0094】
図4の参照番号400に示す図を参照して、容器ホルダー1が上面にフィルム延在部40を有する構成を説明した。このような構成においては、タックラベル90はフィルム延在部40に装着される。
【0095】
図4の参照番号410に示す図を参照して、シート部材2が、シート部材2の第1端部において、半月状の係止部41a及び係止部41bを有する構成を説明した。このような構成においては、タックラベル90は係止部41a及び係止部41bに装着される。
【0096】
図4の参照番号420に示す図を参照して、容器ホルダー1は、シート部材2の第1端部からシート部材2の径方向に延びる、係止部41a及び係止部41bと重畳し、係止部41a及び係止部41bを固定するフィルム延在部40を有する構成を説明した。このような構成においては、タックラベル90は、フィルム延在部40、係止部41a、及び係止部41bに装着される。
【0097】
このように、タックラベル90は、フィルム延在部40、係止部(係止部41a等)、又は、その両方に装着されてよい。そして、容器ホルダー1は、上面にタックラベル90を有することにより、以下の種々の効果を奏することができる。
【0098】
例えば、
図4の参照番号400に示す図を参照して説明した、本開示に係る容器ホルダー1がその上面にフィルム延在部40を有し、フィルム延在部40がPETフィルムである場合を考える。このとき、PETフィルムは硬質であるため、容器ホルダー1に収納容器20を着脱するときに収納容器20とPETフィルムとが擦れ、干渉音を発生させる。そこで、容器ホルダー1にタックラベル90を装着することにより、フィルム延在部40の材質に拘わらず、その干渉音を軽減することができる。この干渉音を軽減する効果は、係止部(係止部41a等)にタックラベル90を装着する場合も同様である。
【0099】
さらに、別の効果として、容器ホルダー1がその上面にタックラベル90を有することにより、上面補強材としての機能をタックラベル90に持たせ、容器ホルダー1の強度を高めることができる。また、容器ホルダー1に物が落下したときにも、タックラベル90は、容器ホルダー1を保護することができる。
【0100】
上記の説明では、上面部材がタックラベルである場合の構成を説明した。しかしながら、上面部材は、フィルム延在部及び/又は係止部に接着剤等を介して装着される天面部材であってよい。天面部材は、合成樹脂、紙、合成紙、又は、それらの積層体であってよい。天面部材は、肉厚が30μm~300μmであってよい。天面部材は、一方の主面に接着剤を塗工し、その接着剤の表面にフィルム延在部及び/又は係止部が貼り合わされる。あるいは、フィルム延在部及び/又は係止部に接着剤を塗工し、その接着剤の表面に天面部材の一方の主面が貼り合わされる。これらの構成においても、タックラベル90を装着したときと同様の効果を得ることができる。
【0101】
以上のように、本開示に係る容器ホルダーは、その上面にタックラベル90を装着してもよく、それにより前述した種々の効果を奏することができる。
【0102】
(フィルム延在部の変形例)
次に、フィルム延在部の変形例を
図10により説明する。
図10は、本開示に係るフィルム延在部の変形例を説明するための図である。
【0103】
図2の参照番号240、250に示す図を参照して、マンドレル10の軸心方向において、シート部材2よりも長く、シート部材2の第1端部から突き出たフィルム部材5が熱収縮する構成を説明した。この構成と同様に、
図10の参照番号1000に示す図は、マンドレル100の軸心方向において、シート部材2よりも長く、シート部材2の第1端部から突き出たフィルム部材5が熱収縮した後の様子を示す。このとき、マンドレル100の上端部は上方に向かうほど幅狭となる階段状に形成されており、フィルム延在部5aは、マンドレル100の上端部の形状に追従して階段状に形成される。
【0104】
次に、参照番号1010に示す図を参照して、フィルム延在部5aは、シート部材2の収容空間7の内部の方向に向けて突出している。具体的に、熱収縮した直後のフィルム延在部5aは、シート部材2の収容空間7と反対方向に突出していたが(参照番号1000に示す図)、参照番号1010に示す図では、フィルム延在部5aは、シート部材2の収容空間7の内部の方向に反転している。例えば、マンドレル100がシート部材2から外されるときにマンドレル100の移動に伴って、又は、シート部材2の収容空間7の内部の方向にフィルム延在部5aが押下されることで、シート部材2の収容空間7の内部の方向にフィルム延在部5aを反転させることができる。このように、本開示に係る容器ホルダーでは、フィルム延在部5aが延びる方向を、シート部材2の収容空間7の内部の方向とシート部材2の収容空間7の内部とは反対の方向との間で反転させることができる。
【0105】
次に、参照番号1020に示す図を参照して、本開示に係る容器ホルダー102を示す。容器ホルダー102は、階段状に形成されたフィルム延在部5aを有する。フィルム延在部5aは、シート部材2の収容空間7の内部の方向に突出している。
【0106】
容器ホルダー102には収納容器20が収容されている。収納容器20において、排出部21はフランジ21aと一体化されている。排出部21及びフランジ21aは、射出成形等により成形された樹脂成型品であってよく、フランジ21aは剛性を有する。フランジ21aは、その上面が収納容器20の本体内側に接着し、収納容器20の本体と一体化している。フランジ21aは、排出部21と同じ材質(例えば、PET樹脂製)で形成されてよい。また、図示する収納容器20は、上方に向かって突出する天マチシール部27を有する。
【0107】
このような収納容器20では、フランジ21aは、天マチシール部27よりも低い位置に止まりうる。この点、容器ホルダー102は、フィルム延在部5aがシート部材2の収容空間7の内部の方向に突出しており、フィルム延在部5aとフランジ21aとの距離を短く保つことができる。これにより、容器ホルダー102は、キャップ25を最後まで巻き締めやすくなるという効果を奏する。
【0108】
例えば、天マチシール部27を有する収納容器20に対して使用する場合、容器ホルダー102は、
図1の参照番号100に示す容器ホルダー1と比較すると、キャップ25を最後まで巻き締めやすいと言える。
【0109】
以上、フィルム部材5が階段状のフィルム延在部5aを有する場合を例に説明した。本開示に係る容器ホルダーでは、シート部材2が、シート部材2の第1端部から延びる階段状のシート延在部を有してもよい。その場合においても、階段状のフィルム延在部5aによる前記した効果を奏することができる。なお、フィルム部材5のみが階段状のフィルム延在部を有する方が、フィルム延在部を反転させやすく、また、フィルム延在部も形成しやすい。
【0110】
また、フィルム延在部及び/又はシート延在部は、階段状に限定されず、錐台状、半球状又はそれに類似した凸状など、他の形状により構成されてよい。いずれの形状においても、フィルム延在部及び/又はシート延在部が突出する方向を、シート部材2の収容空間7の内部の方向とシート部材2の収容空間7の内部とは反対の方向との間で反転可能であり、前述の効果を奏することができる。
【0111】
さらに、フィルム延在部及び/又はシート延在部は、シート部材2の収容空間7とは反対の方向に突出してもよい。つまり、フィルム延在部及び/又はシート延在部は、シート部材2の収容空間7の内部の方向、及び、シート部材2の収容空間7とは反対の方向の何れの方向に突出してもよい。また、フィルム延在部及び/又はシート延在部が突出する方向は、前記反転によって定まるだけではなく、例えば収納容器20の形状に応じて、容器ホルダーが製造された当初から一定の方向に定められていてもよい。一例として、フィルム延在部5aは、シュリンクラベルの熱収縮時に加熱治具等によって押し込まれることにより、内向きに突出することができる。
【0112】
さらに、本開示の技術的範囲は、前述の種々の容器ホルダーに加え、容器ホルダーセットも含む。容器ホルダーセットは、収納容器に使用されるキャップと、容器ホルダーと、を含む。
【0113】
さらに、本開示に係る容器ホルダーの製造方法は、シート部材を筒状に形成する工程と、シート部材の外壁面、及び、シート部材の一方の端部からシート部材の径方向に、シュリンクラベル又はストレッチラベルにより構成されるフィルム部材を装着する工程と、を含む。
【0114】
前記の工程を含むことにより、本開示に係る容器ホルダーの製造方法は、様々な形状の収納容器に対して適用可能な容器ホルダーを容易に製造することができる。
【0115】
〔まとめ〕
本開示の態様1に係る容器ホルダーは、収納容器を収容するための収容空間を有する、筒状またはその一部をなすシート部材と、前記シート部材の外壁面に装着された、筒状の、伸縮性を有するか又は熱収縮したフィルム部材と、を備え、前記収納容器を着脱可能に係止する。
【0116】
前記の構成によれば、本開示の態様1に係る容器ホルダーは、従来の容器ホルダーのように射出成型で製造する必要が無いため、フィルム部材(例えば、樹脂製)の使用量を軽減できる。加えて、本開示の態様1に係る容器ホルダーは、収納容器を着脱可能に係止する。このため、本開示の態様1に係る容器ホルダーは、収納容器の着脱によりシート部材又はフィルム部材を不可逆に破損する必要が無く、シート部材又はフィルム部材を繰り返し使用できる。この点においても、本開示の態様1に係る容器ホルダーは、フィルム部材の使用量をさらに軽減できる。また、本開示の態様1に係る容器ホルダーは、シート部材及び/又はフィルム部材の部材として、再生材を使用することもできる。
【0117】
こういった効果は、世界的な潮流であるSDGs(持続可能な開発目標)が求める持続循環経済に沿うものであり、本開示の態様1に係る容器ホルダーは、プラスチックごみの削減に大きく貢献することもできる。
【0118】
本開示の態様2に係る容器ホルダーは、前記の態様1において、前記フィルム部材が、前記シート部材の一方の端部から該シート部材の径方向に延びるフィルム延在部を有する。
【0119】
前記の構成によれば、本開示の態様2に係る容器ホルダーは、収納容器を係止するための別部材を用いることなく、フィルム延在部によって収納容器を係止することができる。それゆえ、本開示の態様2に係る容器ホルダーは、製造のしやすさ、コスト、及び原材料の低減といった点で有利である。また、本開示の態様2に係る容器ホルダーは、フィルム延在部を有することにより、筒状またはその一部をなすシート部材の外形を良好に保持することができる。
【0120】
本開示の態様3に係る容器ホルダーは、前記の態様1において、前記シート部材は、該シート部材の一方の端部から該シート部材の径方向に延び、前記収納容器を係止する係止部を有する。
【0121】
前記の構成によれば、本開示の態様3に係る容器ホルダーは、収納容器を係止するための別部材を用いることなく、シート部材が係止部を有することにより、収納容器を係止することができる。それゆえ、本開示の態様3に係る容器ホルダーは、製造のしやすさ、コスト、及び原材料の低減といった点で有利である。
【0122】
本開示の態様4に係る容器ホルダーは、前記の態様3において、前記フィルム部材が、前記一方の端部から該シート部材の径方向に延び、前記係止部に重畳するフィルム延在部を有する。
【0123】
前記の構成によれば、本開示の態様4に係る容器ホルダーでは、フィルム延在部が係止部に重畳することにより、係止部を固定する。これにより、本開示の態様4に係る容器ホルダーは、収納容器をより強固に係止することができる。
【0124】
本開示の態様5に係る容器ホルダーは、前記の態様1において、前記シート部材の一方の端部に位置し、前記収容空間を画定する上面の一部となる、前記収納容器を係止する係止部を備え、前記フィルム部材は、前記一方の端部から該シート部材の径方向に延び、前記係止部を前記シート部材に固定するフィルム延在部を有する。
【0125】
前記の構成によれば、本開示の態様5に係る容器ホルダーは、シート部材の一方の端部に位置する係止部により収納容器を係止することもできる。このとき、フィルム延在部が係止部をシート部材に固定する。これにより、本開示の態様5に係る容器ホルダーは、収納容器をより強固に係止することができる。
【0126】
本開示の態様6に係る容器ホルダーは、前記の態様3から5の何れかにおいて、前記収納容器が、排出部を有しており、前記係止部は、前記排出部が挿入される開口を有する。
【0127】
前記の構成によれば、本開示の態様6に係る容器ホルダーでは、係止部が開口を有することにより、その開口によって収納容器の排出部を係止することができる。
【0128】
本開示の態様7に係る容器ホルダーは、前記の態様6において、前記開口の周縁は、前記開口の中央に向かって延伸し、屈曲可能な1以上の延伸部を有する。
【0129】
前記の構成によれば、本開示の態様7に係る容器ホルダーは、係止部の開口の周縁に、屈曲可能な1以上の延伸部を有する。その開口に収納容器の排出部が挿入されることにより、本開示の態様7に係る容器ホルダーは、収納容器をより強固に係止することができる。
【0130】
本開示の態様8に係る容器ホルダーは、前記の態様3から5の何れかにおいて、前記収納容器が、排出部を有しており、前記係止部は、前記排出部を係止する切欠部を有する。
【0131】
前記の構成によれば、本開示の態様8に係る容器ホルダーでは、係止部が排出部を係止する切欠部を有することによっても、収納容器をより強固に係止することができる。このように、本開示に係る容器ホルダーは、様々な構成により、収納容器を強固に係止することができる。
【0132】
本開示の態様9に係る容器ホルダーは、前記の態様1から8の何れかにおいて、前記フィルム部材が取り外されることにより、前記シート部材は扁平状に変形可能である。
【0133】
前記の構成によれば、本開示の態様9に係る容器ホルダーでは、シート部材が筒状から扁平状に変化可能であるため、シートの再利用を図ることができ、さらに、容器ホルダーを廃棄するときの廃棄物の少量化を実現することができる。
【0134】
本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。さらに、それぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0135】
1、60、70、81、84、102 容器ホルダー
2、30、31、36、72 シート部材
3、41a、41b、50、53、86 係止部
3a、40a、50a、71a、82a、86a 開口
5、71 フィルム部材
5a、40、82 フィルム延在部
7 収容空間
10、100 マンドレル
20、80 収納容器
21、80a 排出部
21a フランジ
25 キャップ
27 天マチシール部
42 空隙
50b、86b 延伸部
51 嵌合部
53a 係止位置
61 貫通部
73a、73b 取手
90 タックラベル