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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129060
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】容器ホルダー
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/02 20060101AFI20230907BHJP
   B65D 33/38 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
B65D33/02
B65D33/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022033824
(22)【出願日】2022-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000238005
【氏名又は名称】株式会社フジシールインターナショナル
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】稲川 義則
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AB23
3E064BA26
3E064BA30
3E064BA36
3E064BA37
3E064BA55
3E064EA07
3E064EA12
3E064FA03
3E064HF02
3E064HF10
3E064HG01
3E064HM01
3E064HN65
3E064HS04
(57)【要約】
【課題】使用する樹脂量を低減しつつ所望の強度を有する容器ホルダーを提供する。
【解決手段】容器ホルダー1は、収納物を排出する排出部21を有する収納容器20を収容するための収容空間7を有する筒状またはその一部をなすシート部材2と、シート部材2の外壁面に装着された、筒状の、伸縮性を有するか又は熱収縮したフィルム部材5と、シート部材2の上端部に位置する、収納容器20の排出部21を挿入可能な第1開口3aを有する上面部材3と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納物を排出する排出部を有する収納容器を収容するための収容空間を有する筒状またはその一部をなすシート部材と、
前記シート部材の外壁面に装着された、筒状の、伸縮性を有するか又は熱収縮したフィルム部材と、
前記シート部材の上端部に位置する、前記収納容器の前記排出部を挿入可能な第1開口を有する上面部材と、を備える、容器ホルダー。
【請求項2】
前記上面部材は、前記シート部材と前記収納容器に使用されるキャップとの間に挟持される、請求項1に記載の容器ホルダー。
【請求項3】
前記上面部材は、前記第1開口から前記上面部材の周縁を画定する周縁部の方向に延びる複数のリブと、該複数のリブの間にそれぞれ位置する複数の第2開口と、を有する、請求項1または2に記載の容器ホルダー。
【請求項4】
前記複数のリブは、均等に間隔を開けて設けられている、請求項3に記載の容器ホルダー。
【請求項5】
前記フィルム部材は、前記シート部材の前記上端部から該シート部材の径方向に延びる、前記上面部材と重畳するフィルム延在部を含む、請求項1から4の何れか1項に記載の容器ホルダー。
【請求項6】
前記上面部材は、前記シート部材の前記上端部と嵌合する嵌合部を有する、請求項1から5の何れか1項に記載の容器ホルダー。
【請求項7】
前記上面部材は平板形状を有する、請求項1から6の何れか1項に記載の容器ホルダー。
【請求項8】
前記上面部材は錐台形状を有し、前記錐台形状の、上底面側に前記第1開口が位置し、下底面側に前記シート部材の前記上端部が位置する、請求項1から6の何れか1項に記載の容器ホルダー。
【請求項9】
前記収納容器を着脱可能に係止する、請求項1から8の何れか1項に記載の容器ホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、容器を収容する容器ホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、袋容器ホルダーを開示する。該袋容器ホルダーは、載置部と、載置部から立設する立設部と、立設部の第1端部から載置部の直上部分に張り出して設けられた、U字状切欠き部を備える張出し係止部とを含む。張出し係止部の下方の部分が、袋容器の着脱空間部となっている。載置部から立設して、下端部邪魔板部が設けられており、下端部邪魔板部の裏面側に、袋容器の下端部を装着させる下端部装着部が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-047928号公報(2018年3月29日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の袋容器ホルダーは、射出成型品であり、製造時に使用する樹脂量が比較的多い。
【0005】
本開示は、前記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、使用する樹脂量を低減しつつ所望の強度を有する容器ホルダーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る容器ホルダーは、収納物を排出する排出部を有する収納容器を収容するための収容空間を有する筒状またはその一部をなすシート部材と、前記シート部材の外壁面に装着された、筒状の、伸縮性を有するか又は熱収縮したフィルム部材と、前記シート部材の上端部に位置する、前記収納容器の前記排出部を挿入可能な第1開口を有する上面部材と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、使用する樹脂量を低減しつつ所望の強度を有する容器ホルダーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示に係る容器ホルダーの使用例を説明するための図である。
図2】本開示の一態様に係る、容器ホルダーの構成と、該容器ホルダーの製造方法を説明するための図である。
図3】本開示に係るシート部材の変形例を示す図である。
図4】本開示に係る上面部材を備えた容器ホルダーを説明するための概略図である。
図5】本開示に係る上面部材の形状を説明するための概略図である。
図6】本開示に係る上面部材の嵌合部を説明するための概略図である。
図7】本開示に係る他の容器ホルダーを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態〕
以下、本開示の一実施形態について、模式的に示した図1図2等を参照しながら詳細に説明する。図1は、本開示に係る容器ホルダー1の使用例を説明するための図である。図2は、容器ホルダー1の構成と、容器ホルダー1の製造方法を説明するための図である。
【0010】
なお、本開示の一実施形態について説明するうえで、以下について付言する。「下限値XXX~上限値YYY」で表される数値範囲は、下限値XXX以上上限値YYY以下を意味する。「上」、「下」は、重力方向を下側、重力方向と反対側を上側とする。
【0011】
(適用例)
理解の容易のため、最初に図1を参照しつつ、本開示に係る容器ホルダー1の使用例を説明する。
【0012】
参照番号100に示す図を参照して、容器ホルダー1は、内部が中空の筒状に形成されており、その内部に収納容器を収容するための収容空間7を有する。
【0013】
収納容器20は、一般的な収納容器であってよく、収納物を排出するための排出部21を有する。排出部21は、排出口を有する。排出部21は、筒状であり、その外壁面にはキャップを取り付けるための溝が形成されてもよい。例えば、収納容器20は、洗剤、シャンプー、リンス、食品類などを収納する。収納容器20は、排出口を有する専用のキャップを用いて収納物を排出してもよいし、キャップを用いることなく、収納物を排出してもよい。図示の例では、キャップがポンプヘッド25である場合を図示している。
【0014】
図1に示す例では、収納容器20は、軟包材容器であって、天マチ及び底マチを有しており、天マチの面内中央に排出部21が取り付けられている。排出部21は、スパウトである。排出部21は、スパウトのような樹脂成型品であってよいし、軟包材容器の包材の一部から形成されていてもよい。
【0015】
参照番号110に示す図を参照して、収納容器20は、図中の(A)に示す方向から容器ホルダー1を被せられ、容器ホルダー1の収容空間7に収容される。続いて、収納容器20は、図中の(B)に示す方向からポンプヘッド25を取り付けられる。
【0016】
参照番号120に示す図を参照して、図中の(C)に示す方向からポンプヘッド25が押下されることにより、収納容器20から収納物が排出される。また、容器ホルダー1は、容器ホルダー1の収容空間7に収納容器20を収容する。このため、ユーザは、容器ホルダー1の胴体部を把持することにより、容器ホルダー1及び容器ホルダー1に収容された収納容器20を、持ち上げ、移動させることができる。
【0017】
容器ホルダー1は、容器ホルダー1の上面に上面部材3を備えることにより、容器ホルダー1の強度を高めている。その詳細は後述する。
【0018】
不図示であるが、ポンプヘッド25を外した状態で参照番号110に示す(A)と反対側に容器ホルダー1を移動させることにより、容器ホルダー1は、収納容器20を取り外すことができる。
【0019】
以下、容器ホルダー1の詳細を、図2を参照して説明する。
【0020】
(容器ホルダーとその製造方法)
次に、図2を参照しつつ、容器ホルダー1の製造方法と、容器ホルダー1の構成を説明する。最初に概略を説明すれば、容器ホルダー1は、収納物を排出する排出部21を有する収納容器20を収容するための収容空間7を有する筒状またはその一部をなすシート部材2を備える。また、容器ホルダー1は、シート部材2の外壁面に装着された、筒状の、伸縮性を有するか又は熱収縮したフィルム部材5を備える。さらに、容器ホルダー1は、シート部材2の上端部に位置する、収納容器20の排出部21を挿入可能な第1開口3aを有する上面部材3を備える。
【0021】
(シート部材)
参照番号200に示す図は、容器ホルダー1の構成部材であるシート部材2を示す。シート部材2は、収納容器20を収容するための収容空間7を有し、筒状に形成される。シート部材2は、合成樹脂、紙、合成紙、又は、それらの積層体であってよい。シート部材2は、後述するフィルム部材5の応力によって変形可能な程度の剛性を有しておればよい。一例として、シート部材2は、ポリエチレンテレフタレート(PET)である。シート部材2は、肉厚があるほど容器ホルダー1の強度を高めることができる。シート部材2は、例えば、肉厚が100μm~300μmであってよい。好ましくは、シート部材2は、肉厚が200μm~250μmである。
【0022】
参照番号210に示す図は、シート部材2が、その両端同士を接合され、筒状に形成された後の様子を示す。具体的には、シート部材2は、その一端の内面と他端の外面とが、接着剤又は溶着によって接合(センターシール)されている。溶着によるセンターシールとしては、例えば、溶剤による溶着、超音波による溶着等が挙げられる(センターシールされている様子を、図中の参照番号4で示す)。
【0023】
参照番号220に示す図は、筒状に形成されたシート部材2が収容空間7を内部に有し、その収容空間7にマンドレル10(芯)が挿入される様子を示す。シート部材2は、マンドレル10に巻き付けられて筒状に形成されてもよい。
【0024】
シート部材2は、筒状形状の長軸方向(筒状のシート部材2の軸方向)における、収納容器20の排出部21が位置する側の端部(以下、「上端部」と称する。)に上面部材3が載置される。上面部材3については後述する。
【0025】
(フィルム部材)
参照番号230に示す図は、フィルム部材5が、マンドレル10に挿入されたシート部材2に被せられる様子を示す。上述したように、フィルム部材5は、シート部材2の外壁面(側面)に装着される、筒状の、伸縮性を有するか又は熱収縮した部材である。フィルム部材5は、シュリンクラベル、又は、ストレッチラベルであってよい。フィルム部材5は、筒状のシート部材2に巻き付けられて筒状に形成されてもよい。
【0026】
筒状のフィルム部材5は、シート部材2と同様に、その一端の内面と他端の外面とが接着剤又は溶着によって接合(センターシール)されている。フィルム部材5は、その厚みが、特に限定されないが、一例として10~120μmであってよい。フィルム部材5がシュリンクラベルの場合、フィルム部材5の厚みは、例えば、12~60μmが好ましい。
【0027】
シュリンクラベルは、少なくとも第1方向に熱収縮するフィルムである。熱収縮するフィルムとは、室温下(例えば、23℃)では収縮しないが、熱収縮温度(例えば、80℃~100℃)に加熱されると所定方向において収縮する性質を有するフィルムをいう。少なくとも第1方向に熱収縮するフィルムとは、少なくとも第1方向において、熱収縮性を有するフィルムである。加熱は、熱風、スチーム、過熱水蒸気又はLED照射等の適宜の方法を採用することができる。フィルム部材5の収縮率は、シュリンクフィルムの第1方向の、90℃、10秒における熱収縮率が、例えば15~90%であり、好ましくは20~85%である。また、シュリンクフィルムの第2方向の、90℃、10秒における熱収縮率は、-3~15%であり、好ましくは-1~10%である。
【0028】
第1方向とは、フィルムの面内における1つの方向を意味し、第2方向は、フィルムの面内において第1方向と直交する方向である。例えば、筒状のフィルム部材5では、筒状形状の長軸方向(筒状のフィルム部材5の軸方向)を第2方向、その第2方向に直交する方向(周方向)を第1方向と規定することができる。
【0029】
フィルム部材5は、上述の熱的性質を有することを条件として、様々なフィルムを用いることができる。フィルム部材5の材料としては、例えば、合成樹脂フィルム、不織布フィルム、又は発泡樹脂フィルムなどが挙げられる。フィルム部材5は、前述した材料から選ばれる少なくとも1つを含む積層フィルムであってもよい。積層フィルムは、その積層物全体として熱収縮性を有することを条件として、実質的に熱収縮性を有さないフィルムと熱収縮性を有するフィルムの積層物であってもよいが、その全てが熱収縮性を有するフィルムからなる積層物が好ましい。
【0030】
好ましくは、フィルム部材5として、合成樹脂フィルム又は合成樹脂層を有する積層フィルムが用いられ、さらに好ましくは、単層の合成樹脂フィルム又は複層の合成樹脂フィルムが用いられる。単層の合成樹脂フィルムは、単一の合成樹脂層からなるフィルムであり、複層の合成樹脂フィルムは、2つ以上の合成樹脂層が積層された積層フィルムである。
【0031】
合成樹脂フィルム(合成樹脂層)の材質は、特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、環状オレフィンなどのオレフィン系樹脂;ポリスチレン、スチレン-ブタジエン共重合体などのポリスチレン系樹脂;ポリアミド系樹脂;塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂から選ばれる1種、又は2種以上の混合物などが挙げられる。不織布フィルム及び発泡樹脂フィルムの材質も特に限定されず、従来公知の合成樹脂を用いたものが挙げられる。不織布フィルム及び発泡樹脂フィルムは、それ自体、断熱効果を期待できる。
【0032】
フィルム部材5は、シュリンクラベルではなく、熱を必要としない、自己伸縮性のあるストレッチラベルであってもよい。フィルム部材5は、シュリンクラベル又はストレッチラベルの機能により、シート部材2の外形を保持することができる。
【0033】
フィルム部材5は、分断線(ミシン目等)を有してもよい。容器ホルダー1は、フィルム部材5の分断線が分断されることで、シート部材2の形状を、筒状から扁平状に変形可能である、言い換えると、元の形状に戻すように構成することもできる。シート部材2は、人又は機械の手を介して元の形状に戻る構成であってもよいし、自然と元の形状に戻る構成であってもよい。
【0034】
フィルム部材5は、シート部材2と接着部を介して互いに接着されてもよい。この場合、フィルム部材5は、シート部材2と一体化される。
【0035】
フィルム部材5は、デザイン印刷を施されることで、容器ホルダー1の加飾性を向上させることができる。具体的に、フィルム部材5は、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、又はスクリーン印刷等を施されることにより、樹脂成型品に直接印刷する場合と比較して容器ホルダー1の加飾性を向上させることができる。
【0036】
上述したように、フィルム部材5は、シュリンクラベル及びストレッチラベルの何れでもよいが、以下の説明では、シュリンクラベルであるものとして説明する。
【0037】
(容器ホルダー)
参照番号240に示す図は、フィルム部材5がシート部材2に被せられた後の様子を示す。図示の例では、マンドレル10の軸心方向において、フィルム部材5は、シート部材2よりも長く、シート部材2の第1端部から突き出ている。
【0038】
参照番号250に示す図は、熱風、スチーム、過熱水蒸気又はLED照射等の適宜の方法によってフィルム部材5を熱収縮させた後の、容器ホルダー1が完成した様子を示す。図示の例において、容器ホルダー1は、熱収縮したフィルム部材5がシート部材2の外壁面に装着されるとともに、フィルム部材5が容器ホルダー1の上面(天面)の一部を形成している。容器ホルダー1は、フィルム部材5を熱収縮させることにより、シート部材2の外形を保持することができる。
【0039】
容器ホルダー1の下面は、シート部材2及びフィルム部材5が存在しておらず、収納容器20を収容するために開口している。但し、容器ホルダー1に収納容器20を着脱可能とする限りにおいて、容器ホルダー1の下面は、シート部材2又はフィルム部材5が折れ曲がってなる折れ曲り部を有していてもよい。
【0040】
以上によれば、容器ホルダー1は、射出成型により製造される従来の容器ホルダーに比べて、使用する樹脂量を軽減することができる。
【0041】
さらに、容器ホルダー1は、以下の効果を奏する。
【0042】
同じ形状で異なるフレーバー又は期間限定品のような多種多様な収納容器に使用する容器ホルダーを考える。樹脂成型により製造された従来の容器ホルダーの場合、その容器ホルダーに対して収納容器の収納物に関連する情報を直接印刷すると、収納容器の売れ行きが低下すると容器ホルダーの在庫が増える。
【0043】
これに対して、容器ホルダー1では、収納容器の収納物に関連する情報をフィルム部材5に印刷できる。つまり、収納容器の収納物に応じてフィルム部材5のラベルデザインを変更し、そのフィルム部材5をシート部材2に装着すればよい。これにより、容器ホルダー1自体の在庫を従来よりも大幅に軽減できる。
【0044】
さらに、従来の容器ホルダーは、樹脂成型のための金型を必要とするが、本開示に係る容器ホルダー1は、シート部材2とフィルム部材5とで簡単に製造できるため、従来必要であった金型が不要となる。
【0045】
このように、本開示に係る容器ホルダーは、種々の効果を奏することができる。本開示に係る容器ホルダーが上面部材を有することによる効果については後述する。
【0046】
(シート部材の変形例)
シート部材2は、上面視で、図1等に示す円筒状のほか、多角形(三角形、四角形、五角形等)、又は楕円形等からなる筒状で構成されてよい。シート部材2は、マンドレル10を所望の形状に変更することで、マンドレル10の形状に応じて所望の形状とすることができる。また、シート部材2は、図3に示す形状とすることもできる。図3は、本開示に係るシート部材2の変形例を示す図である。
【0047】
参照番号300に示す図において、本開示に係るシート部材30は、上面視で、C字状である。具体的に、シート部材30は、シート部材30の両端同士が接合しておらず、端部間に隙間を有し、筒状の一部をなしている。シート部材30は、シート部材30の外壁面に密着する筒状のフィルム部材5の応力によって湾曲形状を保持することができる。
【0048】
参照番号310に示す図において、本開示に係るシート部材31は、扁平状のシートの一端に差込み片32を有し、シートの他端に差込み口33を有する。差込み片32は、差込み口33に差込まれることにより、シート部材31の湾曲形状を保持することができる。差込み片32及び差込み口33の形状は、同様の機能を発揮するならば、図示した形状に限定されず、他の形状を採用することも当然に可能である。
【0049】
参照番号320に示す図において、本開示に係るシート部材36は、上面視で、筒状である。具体的に、シート部材36は、シート部材36の両端同士が突き合わされており、端部間に隙間がないか、ほぼ隙間がない。フィルム部材5は、そのシート部材36の外壁面に密着する。シート部材36の両端部間の隙間が無くなることにより、本開示に係る容器ホルダーは、大量生産されたときにロットごとの径がさらに安定する。
【0050】
このように、本開示に係るシート部材は、様々な形状を採用することができる。
【0051】
(上面部材)
次に図4を参照して、本開示に係る上面部材について説明する。図4は、本開示に係る上面部材を備えた容器ホルダーを説明するための概略図である。以降では、説明の便宜のため、同じ符号を付した部材についてはその説明を省略する。
【0052】
参照番号400に示す図を参照して、容器ホルダー1は、シート部材2と、シート部材2の外壁面に装着されたフィルム部材5と、シート部材2の上端部に位置する上面部材3と、を備える。
【0053】
上面部材3は、シート部材2の上端部に位置する。上面部材3は、シート部材2の上端部に位置することから、シート部材2の上端部と同様の外形形状を有してよい。上面部材3は、例えば、合成樹脂、紙、合成紙などにより構成されてよく、押圧力を受けたときに変形しない程度の剛性を有しておればよい。
【0054】
上面部材3は、収納容器20の排出部21が挿入される第1開口3aを有する。第1開口3aは、特定の大きさに限定されない。第1開口3aを画定する開口の端面と収納容器20の排出部21との間に隙間が存在してもよい。あるいは、第1開口3aは、第1開口3aを画定する開口の端面と収納容器20の排出部21とが接触する開口径を有してもよい。
【0055】
収納容器20において、排出部21はフランジ21aと一体化されている。排出部21及びフランジ21aは、射出成形等により成形された樹脂成型品であってよく、フランジ21aは剛性を有する。フランジ21aは、その上面が収納容器20の本体内側に接着し、収納容器20の本体と一体化している。フランジ21aは、排出部21と同じ材質(例えば、PET樹脂製)で形成されてよい。フランジ21aは、その下面が収納容器20の本体外側に接着し、収納容器20の本体と一体化していてもよい。
【0056】
引き続き、参照番号400に示す図を参照して、上面部材3は、筒状の容器ホルダー1の軸方向に沿って延びる首部を有し、当該首部を貫通するように第1開口3aが形成されている。首部は、収納容器20に使用されるポンプヘッド25と必ずしも同じ外径を有しなくてよい。第1開口3aには排出部21が挿入され、排出部21にポンプヘッド25が取り付けられる。上面部材3は、シート部材2とポンプヘッド25との間に挟持される。上面部材3は、その下面が収納容器20と当接していてもよいし、当接していなくてもよい。
【0057】
上面部材3の下面が収納容器20と当接している場合には、上面部材3は、収納容器20と収納容器20に使用されるポンプヘッド25との間に挟持されている。上面部材3が収納容器20とポンプヘッド25との間に挟持されることにより、収納容器20が容器ホルダー1に固定され、ポンプヘッド25を押下げるときに収納容器20のぐらつきが抑えられ、押下げの安定性が向上しうる。
【0058】
前記の構成によれば、ポンプヘッド25が押下されると、上面部材3も下方向への押圧が印加され、印加された押圧力をシート部材2の上端部の全体に分散することができる。この構成によれば、容器ホルダー1は、強度(縦圧縮強度)を高めることができる。
【0059】
以上のように、容器ホルダー1は、縦方向(筒形状の容器ホルダー1の軸方向)からの圧力を受けたときに、シート部材2の上端部に位置する上面部材3によって該圧力をシート部材2の上端部の全体に分散させて、縦圧縮強度を高めることができる。容器ホルダー1の上部に物が落下した場合にも、上面部材3は、容器ホルダー1の変形、破損などを防止できる。このように、容器ホルダー1は、容器ホルダー1に対する押圧力を緩和するクッション材(補強部材)として上面部材3を機能させることができる。
【0060】
図4の参照番号400に示す図を参照して、フィルム部材5は、フィルム延在部5aを含んでよい。具体的に、筒状のシート部材2の長手方向(軸方向)において、フィルム部材5がシート部材2の上端部から突き出た状態でフィルム部材5を熱収縮させる(図2の参照番号240に示す図参照)。これにより、フィルム部材5は、シート部材2の上端部からシート部材2の径方向に延在する。この延在した部分をフィルム延在部5aと称する。
【0061】
フィルム延在部5aは、フィルム部材5がシート部材2の上端部から突き出る長さに応じて大きさ(長さ)を決めることができる。図示の例では、フィルム延在部5aは、上面部材3の周縁部に重畳する。フィルム延在部5aは、上面部材3の全体を覆うように、上面部材3と重畳してもよい。
【0062】
上面部材3は、フィルム延在部5aと重畳することにより、シート部材2に固定され、シート部材2から脱落しにくくなる。上面部材3は、フィルム延在部5aと重畳する面積が大きいほど、シート部材2に固定され、シート部材2から脱落しにくくなる。
【0063】
なお、容器ホルダー1は、フィルム延在部5aを必ずしも有する必要はなく、従って、上面部材3はフィルム延在部5aと重畳していなくてもよい。
【0064】
図4の参照番号410に示す図は、本開示に係る他の上面部材41を示す。上面部材41は、第1開口41aから上面部材41の周縁を画定する周縁部41bの方向に延びる複数のリブ41cと、複数のリブ41cの間にそれぞれ位置する複数の第2開口41dと、を有する。図示の例では、複数のリブ41c及び複数の第2開口41dはそれぞれ4つである。リブ41c及び第2開口41dの数はそれぞれ、2つ以上の任意の数であってよいし、1つであってもよい。
【0065】
上面部材41は、第2開口41dを有することにより、上面部材41の作製に要する原材料(例えば、樹脂)の使用量を軽減することができる。前述したように、上面部材41は、容器ホルダー1に対する押圧力を緩和するクッション材(補強部材)として機能する。その機能を発揮させるため、上面部材41における、リブ41cの本数、リブ41cの太さ、第2開口41dの面積、又は上面部材41の厚さなどを適宜設定することもできる。
【0066】
また、複数のリブ41cは、均等に間隔を開けて設けられていることが好ましい。これにより、上面部材40は、容器ホルダー1に印加される押圧力をシート部材2の上端部の全体に均等に分散させることができる。
【0067】
このように、本開示に係る上面部材は、上面部材の厚さ、リブ及び開口の有無、リブの太さ及び厚みなどを適宜調整し、補強部材として上面部材を有効に機能させることができる。
【0068】
図4の参照番号420に示す図は、本開示に係る他の上面部材42を示す。上面部材42は、収納容器20の排出部21が挿入される開口42aを有する。開口42aは、その形状は限定されないが、1以上の延伸部42bを周縁に有する。延伸部42bは、開口42aの中央に向かって延伸し、屈曲可能である。そのため、延伸部42bは、開口42aに挿入された排出部21に密着し、排出部21をより強固に係止する。延伸部42bは、排出部21のサイズ又は形状等に応じて、そのサイズ又は形状等が決められてよい。
【0069】
図4の参照番号430に示す図は、本開示に係る他の上面部材43を示す。上面部材43は、上面視でU字状に切り欠かかれた切欠部を有し、その切欠部の先端に位置する係止位置43aにおいて収納容器20の排出部21を係止する。係止位置43aは、特定の形状に限定されず、収納容器20の排出部21の形状に応じた形状を採用することができる。係止位置43aは、排出部21に密着し、収納容器20を強固に係止することができる。
【0070】
本開示に係る上面部材40等は、例えば、合成樹脂、紙、合成紙などにより構成されてよい。また、本開示に係る上面部材は、図4に示す構成に限らず、排出部21(スパウト等)の口径よりも小さい開口径を有する構成、又は、ローマ字のX字状若しくはU字状の切込み線等を有する構成で実現されてもよい。
【0071】
(上面部材の変形例)
次に図5を参照して、本開示に係る上面部材の形状について説明する。図5は、本開示に係る上面部材の形状を説明するための概略図である。
【0072】
参照番号500に示す図を参照して、本開示に係る上面部材50は、収納容器20の排出部21を挿入可能な第1開口50aを有すると共に、平板形状を有する。図示するように、上面部材50は、天面が平面であり、その周縁部において、シート部材2の上端部と嵌合するための嵌合部50b(後述)を有してもよい。
【0073】
上面部材50は、平板形状であり、射出成型等により容易に製造することができる。なお、上面部材50に限らず、本開示に係る上面部材はいずれも、射出成型によって製造することができる。
【0074】
参照番号510に示す図を参照して、本開示に係る上面部材51は、収納容器20の排出部21を挿入可能な第1開口51aを有する。上面部材51は、錐台形状を有し、該錐台形状の、上底面51c側に第1開口51aが位置し、下底面側にシート部材2の上端部が位置する構成で実現されてよい。上底面と下底面との間には傾斜面51bが形成される。図示するように、上面部材51は、その周縁部において、シート部材2の上端部と嵌合するための嵌合部51e(後述)を有してもよい。
【0075】
上面部材51は、上底面と下底面との間に傾斜面51bを有する。傾斜面51bを有することの利点として、傾斜面51bにフィルム延在部5aを装着しやすい点、及び、ペットボトルに類する外観(形状)を得ることができる点、を挙げることができる。
【0076】
このように、本開示に係る上面部材は、種々の形状、構成により実現されてよい。とりわけ、本開示に係る上面部材は、錐台形状を有する上面部材51と、参照番号410を参照して説明したリブ形状とを組み合わせた構成を有することが好ましい。これにより、強度を保持しつつ、複数のリブの間に開口を設けることによる原材料の使用量の軽減という効果も奏することができる。
【0077】
(嵌合部)
次に図6を参照して、本開示に係る上面部材の嵌合部について説明する。図6は、本開示に係る上面部材の嵌合部を説明するための概略図である。
【0078】
本開示に係る上面部材は、シート部材2の上端部と係合する嵌合部を有してよい。嵌合部は、様々な形態があってよく、具体例となる構成を参照番号600~630に示す図を参照して説明する。
【0079】
参照番号600に示す図を参照して、本開示に係る容器ホルダー60は上面部材65を備え、上面部材65は、嵌合部65aを有する。上面部材65がシート部材2の上端部に載置されたときに、嵌合部65aは、上面部材65の周縁部から、筒状のシート部材2の軸方向下向きに延びてなる。嵌合部65aの内壁は、シート部材2の外壁に当接する。
【0080】
フィルム部材5は、フィルム延在部5aを有してよい。フィルム延在部5aは、上面部材65の少なくとも周縁部、嵌合部65aの外壁面、及びシート部材2の外壁面に装着される。
【0081】
以上の構成を備えることにより、本開示に係る容器ホルダー60は、上面部材65をシート部材2の上端部に強く固定でき、上面部材65のシート部材2からの脱落を防止できる。また、上面部材65がシート部材2の上端部に強く固定されることで、容器ホルダー60は、収納容器20(不図示)を安定的に係止できる。
【0082】
参照番号610に示す図を参照して、本開示に係る容器ホルダー61は上面部材66を備え、上面部材66は、嵌合部66a及び嵌合部66bを有する。上面部材66がシート部材2の上端部に載置されたときに、嵌合部66a及び嵌合部66bは、上面部材66の周縁部から、筒状のシート部材2の軸方向下向きに延びてなる。嵌合部66aは、嵌合部66bがなす円の外側に位置している。嵌合部66aと嵌合部66bとの間には、シート部材2の厚みほどの隙間が形成されており、その隙間にシート部材2の上端部が差し込まれる。嵌合部66aの内壁は、シート部材2の外壁に当接する。嵌合部66bの外壁は、シート部材2の内壁に当接する。
【0083】
フィルム部材5は、フィルム延在部5aを有してよい。フィルム延在部5aは、上面部材66の少なくとも周縁部、嵌合部66aの外壁面、及びシート部材2の外壁面に装着される。
【0084】
以上の構成を備えることにより、本開示に係る容器ホルダー61は、上面部材66をシート部材2の上端部に強く固定することができ、上面部材66のシート部材2からの脱落を防止できる。また、上面部材66がシート部材2の上端部に強く固定されることで、容器ホルダー61は、収納容器20(不図示)を安定的に係止できる。
【0085】
なお、上面部材66の一変形例として、上面部材66は、嵌合部66bを有しつつも、嵌合部66aを有していない構成で実現されてもよい。これにより、上面部材66は、嵌合部66bの外壁をシート部材2の内壁に当接させつつ、周縁部をシート部材2の上端部に載置されただけとなる。上面部材66は、このような構成によって実現されてもよい。
【0086】
参照番号620に示す図を参照して、本開示に係る容器ホルダー62は上面部材67を備え、上面部材67は、嵌合部67aを有する。上面部材67がシート部材2の上端部に載置されたときに、嵌合部67aは、上面部材67の周縁部から、筒状のシート部材2の軸方向下向きに延びてなる。嵌合部67aの内壁は、シート部材2の外壁に当接する。
【0087】
また、シート部材2は、シート部材2の上端部からシート部材2の径方向に延びる、シート延在部2aを有する。シート延在部2aの上面は、上面部材67の下面と当接する。フィルム部材5は、フィルム延在部5aを有してよい。フィルム延在部5aは、上面部材67の少なくとも周縁部、嵌合部67aの外壁面、及びシート部材2の外壁面に装着される。
【0088】
以上の構成を備えることにより、本開示に係る容器ホルダー62は、上面部材67をシート部材2の上端部に強く固定することができ、上面部材67のシート部材2からの脱落を防止できる。また、上面部材67がシート部材2の上端部に強く固定されることで、容器ホルダー62は、収納容器20(不図示)を安定的に係止できる。
【0089】
容器ホルダー60~62において、各嵌合部は、シート部材2と接着剤等で接着されてもよいし、接着剤等で接着されることなく、単にシート部材2の上端部に位置決めされていてもよい。容器ホルダー62において、シート延在部2aは、上面部材67と接着剤等で接着されてもよいし、接着剤等で接着されることなく、単にシート延在部2aの上面に上面部材67が載置されていてもよい。
【0090】
容器ホルダー60~62はそれぞれ固有の特徴を有する。例えば、容器ホルダー60は、嵌合部65aを1つのみ有するため、構成が簡易であり、製造が容易である。容器ホルダー61は、嵌合部66aと嵌合部66bとの間にシート部材2を挟み込むため、上面部材66の脱落をより防止しやすい。また、容器ホルダー61は、とりわけ、筒状のシート部材2の形状を保持しやすい。容器ホルダー62は、シート延在部2aの上面に上面部材67が載置されるため、上面部材67とシート部材2との間に加わる力を緩和しやすい。
【0091】
このように、容器ホルダー60~62はそれぞれ固有の特徴を有するが、何れの容器ホルダーも、上面部材を有することにより、強度を高めることができる。
【0092】
ここで、本開示に係る上面部材は、嵌合部が、環状に、全周にわたって形成されている必要はなく、環状を形成するように設けられてよい。容器ホルダー60を一例に説明すると、嵌合部65aは4つの部分に分割されており、それら4つの部分は、互いに90度ずつ離れ、かつ、4つの部分が環状を形成するように配置される。この構成によれば、前述した効果に加え、上面部材を製造するときの原材料の使用量の軽減という効果も奏することができる。当然に、嵌合部65aは、4つの部分ではなく、2つの部分、3つの部分など、適宜の数に分割されてよい。また、4つの部分は互いに90度ずつ離れると説明したが、複数に分割された部分は、必ずしも等間隔に離れる必要はない。
【0093】
次に、図6の参照番号630を参照して、本開示に係る容器ホルダー63を説明する。容器ホルダー63は、上面部材68を備える。上面部材68は、参照番号600~620に示す図を参照して説明した嵌合部を備えておらず、単にシート部材2の上端部に載置される。フィルム部材5は、フィルム延在部5aを有してよい。フィルム延在部5aは、上面部材68の少なくとも周縁部及びシート部材2に装着される。このように、本開示に係る容器ホルダーは、嵌合部を有していない上面部材も含みうる。
【0094】
(他の収納容器への適用)
本開示に係る容器ホルダーは、様々な形状の収納容器に適用することができる。そのことを図7により説明する。図7は、本開示に係る他の容器ホルダーを説明するための図である。
【0095】
参照番号700に示す図において、収納容器70は、従来公知の収納容器の一例である。収納容器70は、軟包材容器であって、底マチを有しており、上端の角部に排出部70aが取り付けられている。排出部70aは、スパウトのような樹脂成型品であってよく、軟包材容器の包材の一部から形成されていてもよい。
【0096】
参照番号710に示す図において、本開示に係る容器ホルダー71は、図5の参照番号500を参照して説明した上面部材50と同様の形状で構成された上面部材72を有するものとする。上面部材72は、収納容器70の排出部70aが挿入される開口72aを有する。上面部材72は、図4の参照番号400を参照して説明したフィルム延在部5aと同様のフィルム延在部73によって周縁部が固定されている。
【0097】
参照番号720に示す図において、本開示に係る容器ホルダー74は、図4の参照番号420を参照して説明した上面部材42と同様の形状で構成された上面部材76を有するものとする。上面部材76は、収納容器70の排出部70aが挿入される開口76aを有する。上面部材76は、フィルム延在部73によって周縁部が固定されている。
【0098】
このように、本開示に係る容器ホルダーは、収納容器の形状に応じた上面部材を有することができ、さらに、収納容器の排出部の位置に応じて、上面部材の開口の位置を自由に設定することができる。また、本開示に係る容器ホルダーは、上面部材72又は上面部材76に代えて、図4の参照番号410を参照して説明した上面部材41、又は、図5の参照番号510を参照して説明した上面部材51に係る構成なども適用することができる。
【0099】
このように、本開示に係る容器ホルダーは、収納容器の形状に応じて製造できるため、様々な形状の収納容器に適用できる。例えば、本開示に係る容器ホルダーは、シャンプー、リンスなどの容器として使用されるシャンプーディスペンサー(シャンプーボトル)、プッシュ付きキャップ、スプレー用キャップ、ヒンジ付きキャップなどにも好適に適用することができる。
【0100】
〔まとめ〕
本開示の態様1に係る容器ホルダーは、収納物を排出する排出部を有する収納容器を収容するための収容空間を有する筒状またはその一部をなすシート部材と、前記シート部材の外壁面に装着された、筒状の、伸縮性を有するか又は熱収縮したフィルム部材と、前記シート部材の上端部に位置する、前記収納容器の前記排出部を挿入可能な第1開口を有する上面部材と、を備える。
【0101】
本開示の態様1に係る容器ホルダーは、縦方向(筒状またはその一部をなすシート部材の軸方向)からの圧力を受けたときに、シート部材の上端部に位置する上面部材によって該圧力をシート部材の上端部の全体に分散させて、縦圧縮強度を高めることができる。
【0102】
また、本開示の態様1に係る容器ホルダーの上部に物が落下した場合にも、上面部材は、該容器ホルダーの変形、破損などを防止できる。このように、本開示の態様1に係る容器ホルダーは、該容器ホルダーに対する押圧力を緩和するクッション材(補強部材)として上面部材を機能させることができる。
【0103】
さらに、前記の構成によれば、本開示の態様1に係る容器ホルダーは、従来の容器ホルダーのように射出成型で製造する必要が無いため、フィルム部材(例えば、樹脂製)の使用量を軽減できる。また、本開示の態様1に係る容器ホルダーは、シート部材及び/又はフィルム部材の部材として、再生材を使用することもできる。
【0104】
こういった効果は、世界的な潮流であるSDGs(持続可能な開発目標)が求める持続循環経済に沿うものであり、本開示の態様1に係る容器ホルダーは、プラスチックごみの削減に大きく貢献することもできる。
【0105】
本開示の態様2に係る容器ホルダーは、前記の態様1において、前記上面部材が、前記シート部材と前記収納容器に使用されるキャップとの間に挟持される。
【0106】
例えば、収納容器がポンプなどの押し込み操作を必要とする場合、前記の構成によれば、本開示の態様2に係る容器ホルダーは、ポンプヘッドが押下されると、収納容器の排出部を係止する上面部材も下方向への押圧が印加され、印加された押圧力をシート部材の上端部の全体に分散することができる。これにより、本開示の態様2に係る容器ホルダーは、円滑なポンピング動作と高い強度の実現を両立することができる。
【0107】
本開示の態様3に係る容器ホルダーは、前記の態様1または2において、前記上面部材が、前記第1開口から前記上面部材の周縁を画定する周縁部の方向に延びる複数のリブと、該複数のリブの間にそれぞれ位置する複数の第2開口と、を有する。
【0108】
前記構成によれば、上面部材が第2開口を有することにより、上面部材の作製に要する原材料(例えば、樹脂)の使用量を軽減することができる。また、前述したように、上面部材は、容器ホルダーに対する押圧力を緩和するクッション材(補強部材)として機能する。その機能を発揮させるため、上面部材における、リブの本数、リブの太さ、第2開口の面積、又は上面部材の厚さなどを適宜設定することもできる。
【0109】
本開示の態様4に係る容器ホルダーは、前記の態様3において、前記複数のリブが、均等に間隔を開けて設けられている。
【0110】
前記の構成によれば、上面部材は、容器ホルダーに印加される押圧力をシート部材の上端部の全体に均等に分散させることができる。
【0111】
本開示の態様5に係る容器ホルダーは、前記の態様1から4の何れかにおいて、前記フィルム部材が、前記シート部材の前記上端部から該シート部材の径方向に延びる、前記上面部材と重畳するフィルム延在部を含む。
【0112】
前記の構成によれば、本開示の態様5に係る容器ホルダーは、上面部材をシート部材の上端部に強く固定でき、上面部材のシート部材からの脱落を防止できる。また、上面部材がシート部材の上端部に強く固定されることで、本開示の態様5に係る容器ホルダーは、収納容器を安定的に係止できる。
【0113】
本開示の態様6に係る容器ホルダーは、前記の態様1から5の何れかにおいて、前記上面部材が、前記シート部材の前記上端部と嵌合する嵌合部を有する。
【0114】
前記の構成によれば、本開示の態様6に係る容器ホルダーは、上面部材をシート部材の上端部に強く固定でき、上面部材のシート部材からの脱落を防止できる。また、上面部材がシート部材の上端部に強く固定されることで、本開示の態様6に係る容器ホルダーは、収納容器を安定的に係止できる。
【0115】
本開示の態様7に係る容器ホルダーは、前記の態様1から6の何れかにおいて、前記上面部材が平板形状を有する。
【0116】
前記の構成によれば、上面部材は、射出成型等により容易に製造することができる。
【0117】
本開示の態様8に係る容器ホルダーは、前記の態様1から6の何れかにおいて、前記上面部材は錐台形状を有し、前記錐台形状の、上底面側に前記第1開口が位置し、下底面側に前記シート部材の前記上端部が位置する。
【0118】
前記の構成によれば、上面部材は、上底面と下底面との間に傾斜面を有することができる。これにより、上面部材は、下方向の押圧力を受けたときに、クッション材(補強部材)としての機能をより発揮しやすくなる。
【0119】
本開示の態様9に係る容器ホルダーは、前記の態様1から8の何れかにおいて、前記収納容器を着脱可能に係止する。
【0120】
前記の構成によれば、本開示の態様9に係る容器ホルダーでは、古い収納容器から新しい収納容器へ容易に交換することができる。
【0121】
さらに、本開示の態様9に係る容器ホルダーは、収納容器の着脱によりシート部材又はフィルム部材を不可逆に破損する必要が無く、シート部材又はフィルム部材を繰り返し使用できる。この点においても、本開示の態様9に係る容器ホルダーは、フィルム部材の使用量をさらに軽減できる。
【0122】
本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。さらに、それぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0123】
1、60、61、62、63、71、74 容器ホルダー
2、30、31、36 シート部材
2a シート延在部
3、40、41、42、43、50、51、65、66、67、68、72、76 上面部材
3a、41a、51a 第1開口
41c リブ
5 フィルム部材
5a、73 フィルム延在部
7 収容空間
10 マンドレル
20、70 収納容器
21、70a 排出部
25 ポンプヘッド
41b 周縁部
41d 第2開口
42a、72a、76a 開口
42b 延伸部
43a 係止位置
50b、51e、65a、66a、66b、67a 嵌合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7