(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129062
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】射撃システム、情報処理方法、及び、コンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
F41G 3/32 20060101AFI20230907BHJP
F41J 3/00 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
F41G3/32
F41J3/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022033828
(22)【出願日】2022-03-04
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】重松 絵里華
(72)【発明者】
【氏名】井村 康治
(57)【要約】
【課題】電子銃と標的を用いる射撃システムにおいて、環境が変化した場合でも着弾状況を精度良く計測する。
【解決手段】射撃システムは、同心円状に広がる得点帯と、得点帯と重複しない位置に配置された少なくとも1つのマーカと、を有する標的と、標的を撮像するカメラを搭載する電子銃と、カメラにて、標的に対する電子銃のキャリブレーションに用いられる撮像画像を撮像することを支援する支援画面を表示する情報処理装置と、を備える。
【選択図】
図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同心円状に広がる得点帯と、前記得点帯と重複しない位置に配置された少なくとも1つのマーカと、を有する標的と、
前記標的を撮像するカメラを搭載する電子銃と、
前記カメラにて、前記標的に対する前記電子銃のキャリブレーションに用いられる撮像画像を撮像することを支援する支援画面を表示する情報処理装置と、を備える、
射撃システム。
【請求項2】
前記支援画面には、前記撮像画像に含まれる前記得点帯の中心の位置をガイドするための得点帯ガイドが表示される、
請求項1に記載の射撃システム。
【請求項3】
前記支援画面には、前記撮像画像に含まれる前記マーカの位置をガイドするためのマーカガイドが表示される、
請求項1又は2に記載の射撃システム。
【請求項4】
前記情報処理装置は、
前記撮像画像を用いて前記キャリブレーションに関する処理を実行する際、当該処理の進捗状況を示す進捗状況画面を表示する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の射撃システム。
【請求項5】
前記情報処理装置は、
前記キャリブレーションに関する処理として、テンプレートマッチングを用いて、前記撮像画像に含まれる前記得点帯のサイズに適合するサイズのテンプレートを決定する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の射撃システム。
【請求項6】
前記標的は、2つの前記マーカを有し、
前記情報処理装置は、
前記テンプレートマッチングによって前記撮像画像から前記得点帯及び前記2つのマーカを検出し、当該検出した前記得点帯及び前記2つのマーカによって成される前記得点帯に係る角度に基づいて、当該得点帯の検出が誤検出であるか否かを判定する、
請求項5に記載の射撃システム。
【請求項7】
前記情報処理装置は、
決定した前記テンプレートのサイズを、前記撮像画像に含まれる前記得点帯のサイズと比較する確認画面を表示する、
請求項5又は6に記載の射撃システム。
【請求項8】
同心円状に広がる得点帯と、前記得点帯と重複しない位置に配置された少なくとも1つのマーカと、を有する標的が配置され、
ユーザが電子銃に搭載されるカメラにて前記標的に対する前記電子銃のキャリブレーションに用いられる撮像画像を撮像するとき、情報処理装置は、前記撮像画像を撮像することを支援する支援画面を表示する、
情報処理方法。
【請求項9】
同心円状に広がる得点帯と、前記得点帯と重複しない位置に配置された少なくとも1つのマーカと、を有する標的が配置され、
ユーザが電子銃に搭載されるカメラにて前記標的に対する前記電子銃のキャリブレーションに用いられる撮像画像を撮像するとき、前記撮像画像を撮像することを支援する支援画面を表示することをコンピュータに実行させる、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、射撃システム、情報処理方法、及び、コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
光線銃を使った射撃競技に用いられる標的装置として、同心円状に広がる得点帯が並ぶ標的を備え、この標的に光線銃から発射された光弾が着弾する筐体に、標的を含んだ画像を1秒当たり所定枚数、撮影する機能を有するカメラと、カメラが撮影した画像から、標的に光弾が着弾している着弾点を含んだ着弾点画像を選別し、着弾点画像に含まれる着弾点及び標的の中心点Oの画像上の位置を特定し、この位置に基づいて得点を算出するPCと、を収容したものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
また、実際の標的とは別に、レーザ光が照射される照射標的を用い、射撃装置の動きによって変動するレーザ光の照射軌跡を投影し、この照射軌跡を撮影装置で撮影及び記録し、その記録結果を数値化して出力するものが知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-126242号公報
【特許文献2】特開2017-67418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の標的は、光線銃から発射された光弾の着弾状況を標的の背後から撮影、あるいは、実際の標的とは異なる位置にある照射標的を撮影することを前提に構成され、標的装置として複雑で大がかりなものとなっていた。ところで、電子銃自体にカメラを搭載し、標的への着弾状況を直接撮影することが考えられる。しかし、例えば、電子銃の個体差、射撃を行う場所、又は、射撃を行うユーザ等といった環境が変化した場合でも着弾状況を精度良く計測するためには、多くの改善が求められている。
【0006】
本開示は、環境が変化した場合でも着弾状況を精度良く計測できる射撃システム、情報処理方法、及び、コンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る射撃システムは、同心円状に広がる得点帯と、前記得点帯と重複しない位置に配置された少なくとも1つのマーカと、を有する標的と、前記標的を撮像するカメラを搭載する電子銃と、前記カメラにて、前記標的に対する前記電子銃のキャリブレーションに用いられる撮像画像を撮像することを支援する支援画面を表示する情報処理装置と、を備える。
【0008】
本開示に係る情報処理方法は、同心円状に広がる得点帯と、前記得点帯と重複しない位置に配置された少なくとも1つのマーカと、を有する標的が配置され、ユーザが電子銃に搭載されるカメラにて前記標的に対する前記電子銃のキャリブレーションに用いられる撮像画像を撮像するとき、情報処理装置は、前記撮像画像を撮像することを支援する支援画面を表示する。
【0009】
本開示に係るコンピュータプログラムは、同心円状に広がる得点帯と、前記得点帯と重複しない位置に配置された少なくとも1つのマーカと、を有する標的が配置され、ユーザが電子銃に搭載されるカメラにて前記標的に対する前記電子銃のキャリブレーションに用いられる撮像画像を撮像するとき、前記撮像画像を撮像することを支援する支援画面を表示することをコンピュータに実行させる。
【0010】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又は記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、
コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、環境が変化した場合でも着弾状況を精度良く計測できる射撃システム、情報処理方法、及び、コンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施の形態1に係る射撃システムの構成例を示すブロック図
【
図3】実施の形態1に係る射撃システムの動作例を示すフローチャート
【
図4A】実施の形態1に係る回転しない標的画像を含む撮像画像の一例を示す図
【
図4B】実施の形態1に係る回転した標的画像を含む撮像画像の一例を示す図
【
図5】実施の形態1に係る撮像画像に含まれる標的画像からスケール比及び回転角度を特定する方法を説明するための図
【
図6】実施の形態1に係る撮像画像における得点帯の中心点から基準位置へ向かうベクトル成分を説明するための図
【
図7】実施の形態1に係るモニタに表示される照準位置の一例を示す模式図
【
図9】実施の形態2に係る射撃システムの動作例を示すフローチャート
【
図10A】実施の形態2に係る回転しない標的画像を含む撮像画像の一例を示す図
【
図10B】実施の形態2に係る回転した標的画像を含む撮像画像の一例を示す図
【
図11】実施の形態2に係る撮像画像に含まれる標的画像からスケール比及び回転角度を特定する方法を説明するための図
【
図12】実施の形態2に係る撮像画像における得点帯の中心点から撮像画像の中心点へ向かうベクトル成分を説明するための図
【
図13】本開示に係るコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図
【
図14】実施の形態3に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図
【
図15】実施の形態3に係るキャリブレーション処理の概要を示すフローチャート
【
図16】ユーザに対して標的を撮像する方法を説明する撮像支援画面の例を示す図
【
図17】ユーザによる撮像画像に含まれる得点帯の位置合わせを支援する撮像支援画面の例を示す図
【
図18A】ユーザによる撮像画像に含まれる第1マーカの位置合わせを支援する撮像支援画面の第1例を示す図
【
図18B】ユーザによる撮像画像に含まれる第1マーカの位置合わせを支援する撮像支援画面の第2例を示す図
【
図19A】ユーザによる撮像画像に含まれる第2マーカの位置合わせを支援する撮像支援画面の第1例を示す図
【
図19B】ユーザによる撮像画像に含まれる第2マーカの位置合わせを支援する撮像支援画面の第2例を示す図
【
図20】実施の形態3に係る最適テンプレート決定処理の一例を示すフローチャート
【
図21】実施の形態3に係る第1マーカと得点帯と第2マーカとによって成される得点帯における角度θを示す模式図
【
図22】実施の形態3に係る進捗状況画面の例を示す図
【
図23】実施の形態3に係るテンプレート確認画面の例を示す図
【
図24】実施の形態4に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図
【
図25】実施の形態4に係る保存問い合わせ画面の例を示す図
【
図26】実施の形態4に係るユーザ名とフロア名の入力画面を示す図
【
図27】実施の形態4に係る再利用問い合わせ画面の例を示す図
【
図28】実施の形態4に係るユーザ選択画面の例を示す図
【
図29】実施の形態4に係るフロア選択画面の例を示す図
【
図30】実施の形態4に係るプレー位置誘導画面の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を適宜参照して、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、すでによく知られた事項の詳細説明及び実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の記載の主題を限定することは意図されていない。
【0014】
(実施の形態1)
<射撃システムの構成>
図1及び
図2を参照して、射撃システムの構成について説明する。
図1は、実施の形態1に係る射撃システム1の構成例を示すブロック図である。
図2は、実施の形態1に係る標的10の一例を示す模式図である。
【0015】
射撃システム1は、標的10、電子銃100、及び、情報処理装置200を含む。ユーザは、電子銃100を操作して、標的10を射撃する。
【0016】
情報処理装置200は、電子銃100と通信可能に接続され、電子銃100による標的10の射撃結果を算出及び表示する。情報処理装置200と電子銃100は、有線通信又は無線通信にて接続されてよい。有線通信の例として、USBケーブル、イーサネットケーブルが挙げられる。無線通信の例として、Bluetooth、Wi-Fi、LTE、4G、5Gが挙げられる。
【0017】
図2に示すように、標的10は、得点帯20、第1マーカ21、及び、第2マーカ22を含む。標的10は、表面が平坦な媒体に形成される。媒体の例として、紙又はパネルが挙げられる。例えば、標的10が紙で構成される場合、得点帯20、第1マーカ21、及び、第2マーカ22は、紙に印刷されてよい。
【0018】
得点帯20は、得点帯20の中心点から同心円状に広がる複数の円環によって構成される。
【0019】
第1マーカ21及び第2マーカ22は、得点帯20と重複しない所定の位置に配置される。標的10の設置状態において、第1マーカ21と第2マーカ22の中心を結ぶ線が表す基準方向は、水平方向となっている。この基準方向は、垂直方向でもよく、あるいは、水平方向又は垂直方向に対して所定角度(例えば、5度、45度など)となる方向でもよい。第1マーカ21及び第2マーカ22は、対を成して構成され、第1マーカ21及び第2マーカ22の撮像時の変位(回転)に伴い、第1マーカ21と第2マーカ22の間を結ぶ線が、基準方向の線に対して角度を呈するようになる。また、第1マーカ21と第2マーカ22は、各マーカ間の距離が予め定められた距離をもって配置されている。例えば、
図2に示すように、第1マーカ21は得点帯20の左上に配置され、第2マーカ22は得点帯20の右上に配置される。なお、標的10に配置されるマーカの数は、3つ以上であってもよいし、実施の形態2で説明するように1つであってもよい。
【0020】
第1マーカ21及び第2マーカ22は、回転させても変化しない形状であり、例えば
図2に示すような円形であってよい。また、第1マーカ21及び第2マーカ22は、互いに異なる態様であってよい。例えば、
図2に示すように、第1マーカ21及び第2マーカ22は、円環の数、太さ、及び、中心点の有無の少なくとも1つが異なる態様である。これにより、後述するように、テンプレートマッチングにより撮像画像30から第1マーカ21及び第2マーカ22を高速に検出することができる。ただし、AI(Artificial Intelligence)(例えばディープラーニング)を用いて撮像画像30から第1マーカ21及び第2マーカ22を検出する場合、第1マーカ21及び第2マーカ22は回転させた場合に変化する形状であってもよい。
【0021】
電子銃100は、カメラ101、画像取得部102、信号処理部103、送信制御部104、トリガー部105、及び、トリガー検知部106を含んで構成される。なお、電子銃100は、プロセッサ、メモリ及び通信I/F等を備え、これらが協調動作することにより、信号処理部103、送信制御部104、トリガー部105、及び、トリガー検知部106の処理が実現されてよい。
【0022】
カメラ101は、標的10を撮像し、撮像画像30を生成する。
【0023】
画像取得部102は、カメラ101が生成した撮像画像30を取得する。
【0024】
信号処理部103は、画像取得部102が取得した撮像画像30を、情報処理装置200へ送信するために信号化する。
【0025】
トリガー部105は、電子銃100のトリガーを構成する。
【0026】
トリガー検知部106は、ユーザによってトリガー部105のトリガーが引かれたタイミングを検知する。トリガー検知部106は、トリガーが引かれたタイミングを検知した場合、当該タイミングを示す情報(以下、トリガー情報と称する)を送信制御部104へ出力する。トリガー情報には、例えば、トリガーが引かれた時刻が含まれる。
【0027】
送信制御部104は、信号処理部103から入力された撮像画像30に対応する信号を情報処理装置200へ送信する。また、送信制御部104は、トリガー検知部106からトリガー情報が入力された場合、トリガー情報を情報処理装置200へ送信する。
【0028】
情報処理装置200は、受信制御部201、標的検出部202、照準位置特定部203、得点特定部204、表示画像生成部205、モニタ206を含んで構成される。なお、情報処理装置200は、
図13に示すプロセッサ1001、メモリ1002及び通信I/F1006等を備え、これらが協調動作することにより、受信制御部201、標的検出部202、照準位置特定部203、得点特定部204、表示画像生成部205の処理が実現されてよい。
【0029】
受信制御部201は、電子銃100の送信制御部104から送信される撮像画像30を受信し、標的検出部202へ出力する。また、受信制御部201は、電子銃100の送信制御部104から送信されるトリガー情報を受信し、標的検出部202へ出力する。
【0030】
標的検出部202は、受信制御部201から入力された撮像画像30に基づいて、標的10の検出に関する処理を行う。なお、標的検出部202の処理の詳細については後述する。
【0031】
照準位置特定部203は、トリガーが引かれる前の標的10に対する電子銃100の照準位置を特定する処理を行う。なお、照準位置特定部203の処理の詳細については後述する。
【0032】
得点特定部204は、トリガーが引かれた後の標的10に対する電子銃100の着弾位置とその得点を特定する処理を行う。なお、得点特定部204の処理の詳細については後述する。
【0033】
表示画像生成部205は、モニタ206に表示する標的10を模した画像(以下、表示用標的画像と称する)32を生成する。加えて、表示画像生成部205は、モニタ206に表示する照準位置の軌跡を示す画像、着弾位置を示す画像、及び、着弾位置の得点を示す画像を生成する。
【0034】
モニタ206は、表示画像生成部205によって生成された、表示用標的画像32、照準位置の軌跡を示す画像、着弾位置を示す画像、及び、着弾位置の得点を示す画像等を表示する。
【0035】
なお、情報処理装置200の構成要素の少なくとも一部が電子銃100に含まれてもよい。例えば、電子銃100に情報処理装置200が収容され、標的検出部202、照準位置特定部203、得点特定部204、及び、表示画像生成部205を含んで構成されてよい。そして、電子銃100は、表示画像生成部205にて生成した画像を、電子銃100と無線接続されたモニタ206に出力してもよい。
【0036】
<射撃システムの動作>
図3、
図4A、
図4B、
図5、
図6及び
図7を参照して、射撃システムの動作の一例を説明する。
図3は、実施の形態1に係る射撃システム1の動作例を示すフローチャートである。
図4Aは、実施の形態1に係る回転しない標的画像31を含む撮像画像30の一例を示す図である。
図4Bは、実施の形態1に係る回転した標的画像31を含む撮像画像30の一例を示す図である。
図5は、実施の形態1に係る撮像画像30に含まれる標的画像31からスケール比及び回転角度を特定する方法を説明するための図である。
図6は、実施の形態1に係る撮像画像30における得点帯20の中心点から基準位置に向かうベクトル成分を説明するための図である。
図7は、実施の形態1に係るモニタ206に表示される照準位置の一例を示す模式図である。
【0037】
受信制御部201は、電子銃100から撮像画像30を受信し、標的検出部202へ出力する(S11)。ユーザは、電子銃100を、垂直に構える場合もあれば、傾けて構える場合もある。よって、撮像画像30には、
図4Aに示すように、回転しない標的画像31が含まれる場合もあれば、
図4Bに示すように、回転した標的画像31が含まれる場合もある。また、得点帯20の中心点を撮像画像30の中心とし、これを基準位置(T0x、T0y)とする(
図4A又は
図4Bにおける点線の交点)。なお、
図4A及び
図4Bに示す点線は、説明用に描いたものであり、実際の撮像画像30には含まれない。また、標的10の第1マーカ21及び第2マーカ22を結ぶ線が表す基準方向が、水平方向(X方向)である場合を例に以下、説明する。
【0038】
標的検出部202は、公知の画像認識技術の一例であるテンプレートマッチングにより撮像画像30から得点帯20を検出し、得点帯20の中心点(Tx,Ty)を特定する(S12)。Txは、得点帯20の中心点のx座標を示し、Tyは、得点帯20の中心点のy座標を示す。
【0039】
標的検出部202は、公知の画像認識技術の一例であるテンプレートマッチングにより撮像画像30から第1マーカ21を検出し、第1マーカ21の中心点(M1x,M1y)を特定する(S13)。M1xは、第1マーカ21の中心点のx座標を示し、M1yは、第1マーカ21の中心点のy座標を示す(
図5参照)。
【0040】
標的検出部202は、公知の画像認識技術の一例であるテンプレートマッチングにより撮像画像30から第2マーカ22を検出し、第2マーカ22の中心点(M2x,M2y)を特定する(S14)。M2xは、第2マーカ22の中心点のx座標を示し、M2yは、第2マーカ22の中心点のy座標を示す(
図5参照)。
【0041】
標的検出部202は、下記の(式1)及び(式2)により、実際の標的10と撮像画像30に含まれる標的画像31とのスケール比Sを算出する(S15)。
【0042】
S=L(mm)/l(pixel) …(式1)
【0043】
【0044】
ここで、Lは、実際の標的10における第1マーカ21の中心点と第2マーカ22の中心点との間の距離(以下、実距離と称する)を示す。Lは、例えば100mmであってよい。lは、
図5に示すように、撮像画像30における第1マーカ21の中心点(M1x,M1y)と第2マーカ22の中心点(M2x,M2y)との間の距離(以下、ピクセル距離と称する)を示す。つまり、スケール比Sは、1ピクセル当たりの実際の距離を示す。
【0045】
標的検出部202は、電子銃100のトリガーが引かれたか否かを判定する(S16)。例えば、標的検出部202は、電子銃100からトリガー情報を受信した場合、トリガーが引かれたと判定し、電子銃100からトリガー情報を受信していない場合、トリガーが引かれていないと判定する。
【0046】
次に、トリガーが引かれていないと判定した場合(S16:NO)の処理について説明する。
【0047】
照準位置特定部203は、下記の(式3)により、角度θを算出する(S17)。角度θは、
図5に示すように、撮像画像30から検出された第1マーカ21の中心点(M1x,M1y)と第2マーカ22の中心点(M2x,M2y)とを結ぶ線分(以下、基準線分と称する)と、X軸(水平方向の線)との角度を示す。すなわち、角度θは、撮像画像30に含まれる標的画像31の回転角度を示す。なお、角度θは、撮像画像30から検出された基準線分と、Y軸(垂直方向の線)との角度を示すものであってもよい。別言すると、標的10の第1マーカ21及び第2マーカ22は、対を成して構成され、撮像時における第1マーカ21及び第2マーカ22の撮像画像30内における変位に伴い、基準線分が、基準方向(ここではX方向)の線に対して角度θを呈する。
【0048】
【0049】
照準位置特定部203は、
図6に示すように、下記の(式4)により、得点帯20の中心点(Tx,Ty)から基準位置(T0x,T0y)へ向かう実際の標的10のスケールでのベクトル成分(Dx,Dy)を算出する(S18)。
【0050】
Dx=(T0x-Tx)×S
Dy=(T0y-Ty)×S
…(式4)
【0051】
照準位置特定部203は、下記の(式5)により、ベクトル成分(Dx,Dy)をモニタ206上の表示用標的画像32のスケールのベクトル成分(MNx,MNy)に変換する(S19)。
【0052】
MNx=Lm×Dx
MNy=Lm×Dy
…(式5)
【0053】
ここで、Lmは、実際の標的10とモニタ206上の表示用標的画像32とのスケール比を示す値である。例えば、Lmは、モニタ206上における1mmあたりのドット数であり、予め定められてよい。
【0054】
照準位置特定部203は、下記の(式6)により、モニタ206上のベクトル成分(MNx,MNy)を、角度θを用いて回転補正し、モニタ206上の表示用標的画像32に対する照準位置(Fx,Fy)を特定する(S20)。
【0055】
【0056】
表示画像生成部205は、
図7に示すように、照準位置(Fx,Fy)を示す画像を生成し、モニタ206に表示する(S21)。なお、
図7における、ベクトル成分(MNx,MNy)を示す点及び線分、ベクトル成分(Fx,Fy)を示す線分、角度θ、及び、角度θの大きさを示す矢印は、説明をわかり易くするために描いたものであり、実際のモニタ206には表示されなくてよい。
【0057】
表示画像生成部205は、今回の照準位置(Fx,Fy)を示す画像だけでなく、過去の照準位置を示す画像も合わせてモニタ206に表示することにより、照準位置の軌跡を示す画像をモニタ206に表示することができる。そして、射撃システム1は、S11の処理に戻る。
【0058】
以上の処理により、ユーザが電子銃100を標的10に向けている期間における照準位置の軌跡を、モニタ206上に表示させることができる。
【0059】
次に、トリガーが引かれたと判定した場合(S16:YES)の処理について説明する。
【0060】
得点特定部204は、下記の(式7)により、得点帯20の中心点(Tx,Ty)から基準位置(T0x,T0y)までの距離Dを算出する(S22)。ここで、得点帯20の中心点(Tx,Ty)は、トリガーが引かれたタイミングの撮像画像30における得点帯20の中心点であり、基準位置(T0x,T0y)は、キャリブレーションで定めた点である。
【0061】
【0062】
得点特定部204は、距離Dに基づいて得点を算出する(S23)。
図5に示すように、得点は、得点帯20の中心点(Tx,Ty)から(T0x,T0y)までの距離Dによって定まる。そのため、上述で説明した照準位置をモニタ206に表示させる場合に行われる回転補正等は、着弾位置の得点の算出では行われなくてよい。
【0063】
表示画像生成部205は、モニタ206上に着弾位置及び得点を表示する(S24)。このモニタ206上に表示される着弾位置は、トリガーが引かれたタイミングの照準位置(Fx,Fy)であってよい。したがって、表示画像生成部205は、着弾位置をモニタ206上に表示する際、上述した照準位置をモニタ206上に表示する場合と同様、回転補正等を行ってよい。
【0064】
以上の処理により、ユーザがトリガーを引いたタイミングの着弾位置とその着弾位置の得点(不図示)とを、モニタ206上に表示させることができる。
【0065】
(実施の形態2)
実施の形態2では、実施の形態1とは異なる標的10について説明する。なお、実施の形態2では、実施の形態1にて説明済みの構成要素については、共通の参照符号を付し、説明を省略する場合がある。また、射撃システム1の構成については、
図1と同様であるので、説明を省略する。
【0066】
<標的の構成>
図8は、実施の形態2に係る標的10の一例を示す模式図である。
図8に示すように、標的10は、得点帯20、及び、第1マーカ21を含む。すなわち、実施の形態2に係る標的10は、
図2の標的10と比較して、第2マーカ22を含まない。得点帯20は、
図1と同様であってよい。標的10の設置状態において、第1マーカ21と得点帯20の中心点とを結ぶ線が表す基準方向は、垂直方向となっている。なお、第1マーカ21の配置を変更して、基準方向を水平方向とすることができ、あるいは、水平方向又は垂直方向に対して所定角度(例えば、5度、45度など)となる方向とすることができる。
【0067】
第1マーカ21は、得点帯20と重複しない所定の位置に配置される。第1マーカ21は、第1マーカ21の撮像時の変位(回転)に伴い、第1マーカ21と得点帯20の中心点とを結ぶ線が、基準方向の線に対して角度を呈するようになる。また、第1マーカ21と得点帯20の中心点との間の距離が予め定められた距離をもって配置されてよい。例えば、
図8に示すように、第1マーカ21は得点帯20の上部に配置される。このように、標的10に配置するマーカを1つとすることにより、実施の形態1と比較し、テンプレートマッチングの処理負荷を軽減できる。
【0068】
<射撃システムの動作>
図9は、実施の形態2に係る射撃システム1の動作例を示すフローチャートである。
図10Aは、実施の形態2に係る回転しない標的画像31を含む撮像画像30の一例を示す図である。
図10Bは、実施の形態2に係る回転した標的画像31を含む撮像画像30の一例を示す図である。
図11は、実施の形態2に係る撮像画像30に含まれる標的画像31からスケール比及び回転角度を特定する方法を説明するための図である。
図12は、実施の形態2に係る撮像画像30における得点帯20の中心点から撮像画像30の中心点へ向かうベクトル成分を説明するための図である。
【0069】
受信制御部201は、電子銃100から撮像画像30を受信し、標的検出部202へ出力する(S31)。撮像画像30には、
図10Aに示すように、回転しない標的画像31が含まれる場合もあれば、
図10Bに示すように、回転した標的画像31が含まれる場合もある。また、
図10Aに示すように、本実施の形態では、得点帯20の中心点を撮像画像30の中心とし、これを基準位置(T0x、T0y)とする。なお、
図10A及び
図10Bに示す点線は、説明用に描いたものであり、実際の撮像画像30には含まれない。
【0070】
標的検出部202は、公知の画像認識技術の一例であるテンプレートマッチングにより、撮像画像30から得点帯20を検出し、得点帯20の中心点(Tx,Ty)を特定する(S32)。
【0071】
標的検出部202は、公知の画像認識技術の一例であるテンプレートマッチングにより撮像画像30から第1マーカ21を検出し、第1マーカ21の中心点(Mx,My)を特定する(S33)。Mxは、第1マーカ21の中心点のx座標を示し、Myは、第1マーカ21の中心点のy座標を示す。
【0072】
標的検出部202は、下記の(式8)及び(式9)により、実際の標的10と撮像画像30に含まれる標的画像31とのスケール比Sを算出する(S34)。
【0073】
S=L(mm)/l(pixel) …(式8)
【0074】
【0075】
ここで、Lは、実際の標的10における得点帯20の中心点と第1マーカ21の中心点との間の実距離を示す。lは、
図11に示すように、撮像画像30における得点帯20の中心点(Tx,Ty)と第1マーカ21の中心点(Mx,My)との間のピクセル距離を示す。
【0076】
標的検出部202は、電子銃100のトリガーが引かれたか否かを判定する(S35)。
【0077】
次に、トリガーが引かれていないと判定した場合(S35:NO)の処理について説明する。
【0078】
照準位置特定部203は、下記の(式10)により、角度θを算出する(S36)。角度θは、
図11に示すように、撮像画像30から検出された得点帯20の中心点(Tx,Ty)と第1マーカ21の中心点(Mx,My)とを結ぶ基準線分と、Y軸(垂直方向の線)との角度を示す。すなわち、角度θは、撮像画像30に含まれる標的画像31の回転角度を示す。なお、角度θは、撮像画像30から検出された基準線分と、X軸(水平方向の線)との角度を示すものであってもよい。別言すると、標的10の第1マーカ21は、撮像時における第1マーカ21の撮像画像30内における変位に伴い、第1マーカ21と得点帯20の中心点を結ぶ線が、基準方向(ここではY方向)の線に対して角度θを呈する。
【0079】
【0080】
照準位置特定部203は、
図12に示すように、下記の(式11)により、得点帯20の中心点(Tx,Ty)から基準位置(T0x,T0y)へ向かう実際の標的10のスケールでのベクトル成分(Dx,Dy)を算出する(S37)。
【0081】
Dx=(T0x-Tx)×S
Dy=(T0y-Ty)×S
…(式11)
【0082】
照準位置特定部203は、下記の(式12)により、ベクトル成分(Dx,Dy)をモニタ206上の標的10のスケールのベクトル成分(MNx、MNy)に変換する(S38)。
【0083】
MNx=Lm×Dx
MNy=Lm×Dy
…(式12)
【0084】
ここで、Lmは、実際の標的10とモニタ206上の表示用標的画像32とのスケールの比を示す値である。例えば、Lmは、モニタ206上における1mmあたりのドット数であり、予め定められてよい。
【0085】
照準位置特定部203は、下記の(式13)により、モニタ206上のベクトル成分(MNx,MNy)を、角度θを用いて回転補正し、モニタ206上の表示用標的画像32に対する照準位置(Fx,Fy)を特定する(S39)。
【0086】
【0087】
表示画像生成部205は、実施の形態1と同様(
図7参照)、照準位置(Fx,Fy)を示す画像を生成し、モニタ206に表示する(S40)。そして、射撃システム1は、S31の処理に戻る。
【0088】
以上の処理により、実施の形態1と同様、ユーザが電子銃100を標的10に向けている期間における照準位置の軌跡を、モニタ206上に表示させることができる。
【0089】
次に、トリガーが引かれたと判定した場合(S35:YES)の処理について説明する。
【0090】
得点特定部204は、下記の(式14)により、得点帯20の中心点(Tx,Ty)から基準位置(T0x,T0y)までの距離Dを算出する(S41)。ここで、得点帯20の中心点(Tx,Ty)は、トリガーが引かれたタイミングの撮像画像30における得点帯20の中心点であり、基準位置(T0x,T0y)は、キャリブレーションで定めた点である。
【0091】
【0092】
得点特定部204は、実施の形態1と同様、距離Dに基づいて得点を算出する(S42)。
【0093】
表示画像生成部205は、実施の形態1と同様(
図7参照)、モニタ206上に着弾位置及び得点を表示する(S43)。このモニタ206上に表示される着弾位置は、トリガーが引かれたタイミングの照準位置(Fx,Fy)であってよい。
【0094】
以上の処理により、実施の形態1と同様、ユーザがトリガーを引いたタイミングの着弾位置とその着弾位置の得点(不図示)とを、モニタ206上に表示させることができる。
【0095】
<変形例>
上述では、
図8に示すように標的10に1つの第1マーカ21が配置される例について説明したが、標的10に2つ以上のマーカが配置されてもよい。この場合、標的検出部202は、標的画像31から2つ以上のマーカを検出した場合、いずれか1つのマーカを第1マーカ21として選択してよい。これにより、情報処理装置200は、例えば撮像画像30に含まれる標的画像31が傾いて(回転して)おり、カメラ101の視野から1つのマーカが撮像画像30に含まれない場合であっても、別のマーカを第1マーカ21として、上述した処理を実現することができる。すなわち、いずれのマーカも検出できないという状況の発生を抑制できる。
【0096】
また、標的10が複数のマーカを有する場合、各マーカは、変位により各マーカと得点帯20の中心点とを結ぶ線が、基準方向の線に対して角度を呈するようにしてもよいし、各マーカ間の中心点を結ぶ線が、基準方向の線に対して角度を呈するようにしてもよい。
【0097】
また、標的10が複数のマーカを有する場合、各マーカは、得点帯20の中心点から予め定められた距離の位置に配置されてよいし、各マーカ間の距離が予め定められた距離になるように配置されてもよい。
【0098】
第1マーカ21は、長さと傾きがわかるような形状であってもよい。例えば、第1マーカ21は、所定の長さかつ所定の方向(例えば上方向)を向く矢印のような形状、又は、方位記号に類似するような形状であってよい。この場合、標的検出部202は、公知の画像認識技術(例えばディープラーニング)により、第1マーカ21を検出し、検出した第1マーカ21の長さ及び傾きに基づいて、標的画像31のスケール比S及び回転角度θを特定してよい。すなわち、標的検出部202は、得点帯20の中心点を用いずに、第1マーカ21のみを用いて標的画像31のスケール比S及び回転角度θを特定してよい。
【0099】
なお、上述の実施の形態1及び変形例においても、情報処理装置200の構成要素の少なくとも一部が電子銃100に含まれてもよい。例えば、電子銃100に情報処理装置200が収容され、標的検出部202、照準位置特定部203、得点特定部204、及び、表示画像生成部205を含んで構成されてよい。そして、電子銃100は、表示画像生成部205にて生成した画像を、電子銃100と無線接続されたモニタ206に出力してもよい。
【0100】
(ハードウェア構成)
図13は、本開示に係るコンピュータ1000のハードウェア構成例を示すブロック図である。上述した情報処理装置200は、
図13に示すコンピュータ1000によって構成されてよい。また、上述した情報処理装置200における処理は、
図13に示すコンピュータ1000がコンピュータプログラムを実行することにより実現されてよい。
【0101】
コンピュータ1000は、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、入力I/F(Interface)1004、出力I/F1005、通信I/F1006、GPU(Graphics Processing Unit)1007、及び、読取装置1008を備える。
【0102】
プロセッサ1001は、メモリ1002からコンピュータプログラムを読み出して実行することにより、本実施の形態の情報処理装置200が実行する処理を実現する。プロセッサ1001は、CPU(Central Processing Unit)、コントローラ、制御部といった他の用語に読み替えられてもよい。
【0103】
メモリ1002は、本実施の形態の情報処理装置200が実行する処理を実現するためのコンピュータプログラム及びデータを記憶する。メモリ1002は、ROM(Read-Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を含んでよい。
【0104】
ストレージ1003は、不揮発性記憶媒体で構成され、本実施の形態の情報処理装置200が実行する処理を実現するためのコンピュータプログラム及びデータを記憶する。ストレージ1003の例として、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)が挙げられる。
【0105】
入力I/F1004は、入力デバイスが接続される。入力デバイスの例とし、キーボード、マウス、タッチパッド、マイクが挙げられる。入力I/F1004は、入力デバイスから入力情報を受信し、プロセッサ1001へ送信する。
【0106】
出力I/F1005は、出力デバイスが接続される。出力デバイスの例として、モニタ206、スピーカーが挙げられる。出力I/F1005は、プロセッサ1001から出力情報を受信し、出力デバイスへ送信する。
【0107】
通信I/F1006は、有線通信又は無線通信を通じて電子銃100に接続される。有線通信の例として、USBケーブル、イーサネットケーブルが挙げられる。無線通信の例として、Wi-Fi、Bluetooth、LTE、4G、5Gが挙げられる。通信I/F1006によって実現される受信制御部201は、電子銃100から受信した情報を、プロセッサ1001へ送信する。通信I/F1006によって実現される送信制御部(不図示)は、プロセッサ1001から受信した情報を、電子銃100へ送信する。
【0108】
GPU1007は、画像処理を高速化する。なお、GPU1007は、AI(Artificial Intelligence)の処理(例えばディープラーニングの処理)に利用されてもよい。
【0109】
読取装置1008は、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SDメモリカードといった記録媒体からデータを読み取る。
【0110】
(実施の形態3)
実施の形態3では、実施の形態1に示す標的10及び電子銃100を用いて射撃プレーを行う際のユーザの立ち位置(以下、プレー位置と称する)と、プレー位置から標的10までの距離(以下、プレー距離と称する)が変化する場合におけるキャリブレーション処理について説明する。なお、実施の形態3では、実施の形態1又は2にて説明済みの構成要素については、同じ参照符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0111】
プレー距離が変化する場合、当該プレー距離に応じて、撮像画像30に含まれる得点帯20、第1マーカ21及び第2マーカ22のサイズは変化する。したがって、テンプレートマッチングによって撮像画像30から得点帯20、第1マーカ21及び第2マーカ22を精度良く検出するためには、プレー距離に応じた適切なサイズのテンプレートが必要となる。なお、以下の説明では、得点帯20の検出に用いられるテンプレートを得点帯テンプレート530(
図23参照)、第1マーカ21の検出に用いられるテンプレートを第1マーカテンプレート531(
図23参照)、第2マーカ22の検出に用いられるテンプレートを第2マーカテンプレート532(
図23参照)と称する。また、これらを区別しない場合は、単にテンプレートと称する。
【0112】
また、電子銃100の銃身と当該電子銃100に搭載されるカメラ101の光軸との間には物理的なずれが存在する。したがって、カメラ101の光軸に対応する撮像画像30における位置と、銃身に対応する撮像画像30における位置との間には、ずれが存在する。したがって、着弾位置を精度良く算出するためには、このずれを補正するために、適切な基準座標が必要となる。
【0113】
本実施の形態では、プレー距離に応じたサイズのテンプレート及び基準座標を決定するためのキャリブレーション処理を簡単に行う方法について説明する。
【0114】
<情報処理装置の構成>
次に、
図14を参照して、実施の形態3に係る情報処理装置200の構成例を説明する。
図14は、実施の形態3に係る情報処理装置200の構成例を示すブロック図である。なお、実施の形態3における標的10及び電子銃100の構成は、
図1に示す構成と同様であるため、
図14では標的10及び電子銃100の構成の記載を省略している。
【0115】
図14に示すように、情報処理装置200は、受信制御部201、撮像支援部301、テンプレートマッチング部302、テンプレート候補判定部303、テンプレート決定部304、基準座標算出部305、テンプレート候補格納部306、及び、キャリブレーション情報格納部307を有する。なお、撮像支援部301、テンプレートマッチング部302、テンプレート候補判定部303、テンプレート決定部304、基準座標算出部305、テンプレート候補格納部306、及び、キャリブレーション情報格納部307をまとめて、キャリブレーション実行部300と呼んでもよい。また、これらの構成要素は、
図13に示すプロセッサ1001がメモリ1002及びストレージ1003等と協働することにより実現されてよい。
【0116】
受信制御部201は、電子銃100の送信制御部104から送信される撮像画像30を受信し、撮像支援部301へ出力する。
【0117】
撮像支援部301は、ユーザが、電子銃100のカメラ101を用いて、テンプレートマッチングに適切な撮像画像30を簡単に撮像できるように支援する。撮像支援部301は、当該支援によって撮像された撮像画像30をテンプレートマッチング部302に出力する。なお、撮像支援部301の詳細については後述する。
【0118】
テンプレートマッチング部302は、複数の互いに異なるサイズのテンプレートを生成する。テンプレートマッチング部302は、生成したサイズの異なる各テンプレートを用いて、撮像支援部301から入力された撮像画像30に対してテンプレートマッチングを行い、撮像画像30から得点帯20、第1マーカ21及び第2マーカ22を検出する。テンプレートマッチング部302は、撮像画像30から得点帯20、第1マーカ21及び第2マーカ22を検出できたサイズのテンプレートを、テンプレート候補判定部303に出力する。
【0119】
テンプレート候補判定部303は、テンプレートマッチング部302から入力されたテンプレートの中から、正しく得点帯20、第1マーカ21及び第2マーカ22を検出できたサイズのテンプレートを、テンプレート候補としてテンプレート候補格納部306に格納する。なお、テンプレート候補判定部303が、正しく得点帯20、第1マーカ21及び第2マーカ22を検出できたテンプレートを判別する方法については後述する。
【0120】
テンプレート決定部304は、テンプレート候補格納部306に格納されたテンプレート候補の中から、撮像画像30に最も適合しているサイズのテンプレート候補を選択し、最適テンプレートに決定する。例えば、テンプレート決定部304は、テンプレート候補のうち、テンプレートマッチングにおいて、撮像画像30の得点帯20と最も類似度が高かったサイズの得点帯テンプレート530、撮像画像30の第1マーカ21と最も類似度が高かったサイズの第1マーカテンプレート531、及び、撮像画像30の第2マーカ22と最も類似度が高かったサイズの第2マーカテンプレート532を、最適テンプレートに決定する
【0121】
基準座標算出部305は、テンプレート決定部304にて決定された最適テンプレートのサイズに基づいて、撮像画像30での基準座標を算出する。基準座標算出部305は、テンプレート決定部304にて決定された最適テンプレートと、当該算出した基準座標とを含むキャリブレーション情報を生成し、キャリブレーション情報格納部307に格納してもよい。
【0122】
<キャリブレーション処理の概要>
次に、
図15を参照して、キャリブレーション処理の概要について説明する。
図15は、実施の形態3に係るキャリブレーション処理の概要を示すフローチャートである。
【0123】
ユーザは、標的10から離れたプレー位置に立つ(S101)。
【0124】
ユーザは、撮像支援部301による撮像支援に従って電子銃100を操作し、電子銃100のカメラ101で標的10を撮像する(S102)。なお、撮像支援部301による撮像支援の詳細については後述するが、これにより、後段のテンプレートマッチングに適切な撮像画像30を撮像できる。
【0125】
情報処理装置200において、テンプレートマッチング部302、テンプレート候補判定部303及びテンプレート決定部304は、ステップS102にて撮像された撮像画像30に対して、複数の互いに異なるサイズのテンプレートを用いてテンプレートマッチングを行い、撮像画像30の得点帯20に最も適合するサイズの最適テンプレートを決定する(S103)。なお、当該最適テンプレートの決定処理の詳細については後述する。
【0126】
情報処理装置200において、基準座標算出部305は、ステップS103にて決定した最適テンプレートに基づいて、基準座標を算出する(S104)。
【0127】
情報処理装置200において、基準座標算出部305は、ステップS103にて決定した最適テンプレートと、ステップS104にて算出した基準座標とを含むキャリブレーション情報を生成し、キャリブレーション情報格納部307に格納する(S105)。そして、本処理は終了する。
【0128】
<撮像支援部による撮像支援の詳細>
次に、
図16、
図17、
図18A、
図18B、
図19A、
図19Bを参照して、
図15のステップS102における撮像支援部301による撮像支援について詳細に説明する。
図16は、ユーザに対して標的10を撮像する方法を説明する撮像支援画面400Aの例を示す図である。
図17は、ユーザによる撮像画像30に含まれる得点帯20の位置合わせを支援する撮像支援画面400Bの例を示す図である。
図18Aは、ユーザによる撮像画像30に含まれる第1マーカ21の位置合わせを支援する撮像支援画面400Cの第1例を示す図である。
図18Bは、ユーザによる撮像画像30に含まれる第1マーカ21の位置合わせを支援する撮像支援画面400Cの第2例を示す図である。
図19Aは、ユーザによる撮像画像30に含まれる第2マーカ22の位置合わせを支援する撮像支援画面400Dの第1例を示す図である。
図19Bは、ユーザによる撮像画像30に含まれる第2マーカ22の位置合わせを支援する撮像支援画面400Dの第2例を示す図である。
【0129】
まず、撮像支援部301は、
図16に示すように、撮像画像30に含まれる得点帯20、第1マーカ21及び第2マーカ22をどのように位置合わせすればよいのかをユーザに説明するための撮像支援画面400Aを表示する。これにより、ユーザは、キャリブレーション作業として、この後どのような作業を行えばよいのかを容易に理解することができる。
【0130】
次に、撮像支援部301は、
図17に示すように、現在カメラ101が撮像している撮像画像30に所定の得点帯ガイド401を重畳表示する撮像支援画面400Bを表示する。得点帯ガイド401は、
図17に示すように、撮像画像30を縦方向に二分する縦線402Aと横方向に二分する横線402Bと(つまり十字線)によって構成されてよい。また、撮像支援部301は、撮像画像30に含まれる得点帯20の中心点Cが、縦線402Aと横線402Bの交点403に合うように電子銃100を動かすよう、ユーザに指示する。撮像支援部301は、当該指示内容を、
図17に示すようにコメント404として撮像支援画面400Bに表示してもよいし、音声として出力してもよい。
【0131】
撮像画像30に含まれる得点帯20の中心点Cが得点帯ガイド401の交点403に合わせられた場合、次に、撮像支援部301は、
図18A又は
図18Bに示すように、現在カメラ101が撮像している撮像画像30に所定の第1マーカガイド410を重畳表示する撮像支援画面400Cを表示する。第1マーカガイド410は、
図18Aに示すように、得点帯ガイド401の縦線402Aと横線402Bとよって形成される4区画のうちの左上の区画411を示してよい。あるいは、第1マーカガイド410は、
図18Bに示すように、左上の区画411内の所定の領域を示してよい。所定の領域を示す第1マーカガイド410は、
図18Bに示すように円形であってもよいし、円形とは異なる形状(例えば多角形)であってもよい。撮像支援部301は、撮像画像30に含まれる第1マーカ21が、第1マーカガイド410内に収まるように電子銃100を動かすよう、ユーザに指示する。撮像支援部301は、当該指示内容を、
図18A又は
図18Bに示すようにコメント412として撮像支援画面400Cに表示してもよいし、音声として出力してもよい。
【0132】
撮像画像30に含まれる第1マーカ21が第1マーカガイド410内に収められた場合、次に、撮像支援部301は、
図19A又は
図19Bに示すように、現在カメラ101が撮像している撮像画像30に所定の第2マーカガイド420を重畳表示する撮像支援画面400Dを表示する。第2マーカガイド420は、
図19Aに示すように、得点帯ガイド401の縦線402Aと横線402Bとよって形成される4区画のうちの右上の区画421を示してよい。あるいは、第2マーカガイド420は、
図19Bに示すように、右上の区画421内の所定の領域を示してよい。所定の領域を示す第2マーカガイド420は、
図19Bに示すように円形であってもよいし、円形とは異なる形状(例えば多角形)であってもよい。撮像支援部301は、撮像画像30に含まれる第2マーカ22が、第2マーカガイド420内に収まるように電子銃100を動かすよう、ユーザに指示する。撮像支援部301は、当該指示内容を、
図19A又は
図19Bに示すようにコメント422として撮像支援画面400Dに表示してもよいし、音声として出力してもよい。
【0133】
撮像画像30に含まれる第2マーカ22が第2マーカガイド420内に収められた場合、次に、撮像支援部301は、この状態で標的10の撮像を行うようユーザに指示してよい。これにより、撮像支援部301は、得点帯20、第1マーカ21及び第2マーカ22を適切な位置に含み、かつ、標的10の撮像画像30を、ユーザに撮像させることができる。このように撮像された撮像画像30を用いることで、テンプレートマッチングにおける誤検出及び検出精度低下を抑制できる。
【0134】
なお、撮像支援部301は、得点帯ガイド401、第1マーカガイド410、及び、第2マーカガイド420を同時に表示し、得点帯20、第1マーカ21、及び、第2マーカ22の位置合わせを同時に支援する撮像支援画面を表示してもよい。この場合、撮像支援部301は、撮像画像30に含まれる得点帯20の中心点Cが、得点帯ガイド401の交点403に合い、撮像画像30に含まれる第1マーカ21が第1マーカガイド410内に収まり、かつ、撮像画像30に含まれる第2マーカ22が第2マーカガイド420内に収まるように電子銃100を動かすよう、ユーザに指示してよい。これにより、撮像支援部301は、得点帯20、第1マーカ21及び第2マーカ22を適切な位置に含み、かつ、標的10の撮像画像30を、効率的にユーザに撮像させることができる。
【0135】
<最適テンプレートの決定処理の詳細>
次に、
図20、
図21、
図22、
図23を参照して、
図15のステップS103における最適テンプレートの決定処理について詳細に説明する。
図20は、実施の形態3に係る最適テンプレート決定処理の一例を示すフローチャートである。
図21は、実施の形態3に係る第1マーカ21と得点帯20と第2マーカ22とによって成される得点帯20における角度θを示す模式図である。
図22は、実施の形態3に係る進捗状況画面の例を示す図である。
図23は、実施の形態3に係るテンプレート確認画面の例を示す図である。
【0136】
テンプレートマッチング部302は、ユーザが撮像支援部301の支援を受けて標的10を撮像した撮像画像30を取得する(S201)。
【0137】
テンプレートマッチング部302は、サイズを変更したテンプレートを生成する(S202)。例えば、テンプレートマッチング部302は、初回のステップS202では、所定のサイズのテンプレートを生成し、2回目以降のステップS202では、前回よりも小さなサイズに変更したテンプレートを生成する。このとき、テンプレートマッチング部302は、当該サイズで、得点帯テンプレート530、第1マーカテンプレート531、及び、第2マーカテンプレート532を生成してよい。
【0138】
テンプレートマッチング部302は、ステップS202で生成したサイズのテンプレートを用いて、撮像画像30に対してテンプレートマッチングを行い、撮像画像30から得点帯20、第1マーカ21及び第2マーカ22を検出する(S203)。
【0139】
テンプレート候補判定部303は、
図21に示すように、ステップS203で検出した、第1マーカ21の中心点M1と、得点帯20の中心点Cと、第2マーカ22の中心点M2とを順に直線で結んで成される、得点帯20の中心点Cにおける角度θを算出する(S204)。
【0140】
テンプレート候補判定部303は、ステップS204で算出した角度θが所定の範囲内(例えば75度~105度の範囲内)であるか否かを判定する(S205)。
【0141】
テンプレート候補判定部303は、角度θが所定の範囲内でない場合(S205:NO)、処理をステップS207に進める。つまり、テンプレート候補判定部303は、角度θが所定の範囲外である場合、撮像画像30から検出された得点帯20、第1マーカ21及び第2マーカ22の少なくとも1つは、誤検出されたものであると判定する。例えば得点帯20、第1マーカ21又は第2マーカ22に類似する模様が撮像画像30に含まれる場合、このような誤検出が発生する可能性がある。
【0142】
テンプレート候補判定部303は、角度θが所定の範囲内である場合(S205:YES)、ステップS202で生成したサイズのテンプレートをテンプレート候補として、テンプレート候補格納部306に格納し(S206)、処理をステップS207に進める。また、テンプレートと併せ、各テンプレートサイズでの検出座標もテンプレート候補格納部306に格納する。つまり、テンプレート候補判定部303は、角度θが所定の範囲内である場合、撮像画像30から検出された得点帯20、第1マーカ21及び第2マーカ22は標的10から正しく検出されたものであると判定する。
【0143】
テンプレート候補判定部303は、ステップS202~S206の処理を所定回数実施したか否かを判定する(S207)。
【0144】
テンプレート候補判定部303は、ステップS202~S206の処理回数が所定回数に満たない場合(S207:NO)、処理をステップS202に戻す。つまり、キャリブレーション実行部300は、ステップS202にてサイズを変更したテンプレートを生成し、ステップS203~S206を実行する。
【0145】
テンプレート候補判定部303は、ステップS202~S206の処理を所定回数実施した場合(S207:YES)、処理をステップS208に進める。
【0146】
テンプレート決定部304は、テンプレート候補格納部306に格納されている複数の互いに異なるサイズのテンプレート候補の中から、最適なサイズのテンプレート(つまり最適テンプレート)を決定する(S208)。例えば、テンプレート決定部304は、複数のテンプレート候補のうち、撮像画像30に含まれる得点帯20との類似度が最も高かったテンプレート候補を、最適テンプレートに決定する。また、最適テンプレートでの検出座標をテンプレート候補格納部306から抽出し、これを基準座標とする。そして、本処理は終了する。
【0147】
なお、情報処理装置200は、上述したステップS201からS207の処理を実行中、
図22に示す進捗状況画面500を表示してよい。進捗状況画面500には、当該キャリブレーション処理の進捗状況を示す進捗バー501が表示される。これにより、ユーザは、進捗状況画面500に表示される進捗バー501を見て、キャリブレーション処理の進捗状況を知ることができる。
【0148】
また、情報処理装置200は、最適テンプレートを決定した後、
図23に示すテンプレート確認画面520を表示する。テンプレート確認画面520には、
図23に示すように、撮像画像30の得点帯20、第1マーカ21及び第2マーカ22の位置に、それぞれ、最適テンプレートとして決定した得点帯テンプレート530、第1マーカテンプレート531、及び、第2マーカテンプレート532を重畳表示する。これにより、ユーザは、情報処理装置200によって自動的に生成された最適テンプレートが、現在キャリブレーション中のプレー距離にて撮像した撮像画像30に含まれる得点帯20、第1マーカ21及び第2マーカ22に対して精度良く適合しているか否かを、視覚的に確認することができる。
【0149】
加えて、テンプレート確認画面520には、YESボタン521とRETRYボタン522とが表示される。ユーザがYESボタン521を選択(押下)すると、テンプレート決定部304は、テンプレート確認画面520に表示中の最適テンプレートを、基準座標算出部305へ出力する。ユーザがRETRYボタン522を選択(押下)すると、キャリブレーション実行部300は、
図15のステップS101から、キャリブレーション処理をやり直す。
【0150】
<基準座標の算出方法>
次に、基準座標の算出方法について説明する。基準座標算出部305は、テンプレート決定部304によって決定された最適テンプレートに基づいて、当該所定の座標を基準座標とする。
【0151】
基準座標算出部305は、最適テンプレートと、算出した基準座標とを含むキャリブレーション情報を生成し、キャリブレーション情報格納部307に格納してよい。これにより、キャリブレーション情報格納部307には、現在キャリブレーション中のプレー距離に対応する最適テンプレート及び基準座標を含むキャリブレーション情報が格納される。
【0152】
キャリブレーション情報格納部307に格納されたキャリブレーション情報は、キャリブレーションを行ったプレー距離で、実施の形態1で説明したような射撃プレーを行う場合に利用される。具体的には、情報処理装置200は、当該キャリブレーション情報に含まれる最適テンプレートを用いて、射撃時の撮像画像30から得点帯20の中心点を検出し、当該キャリブレーション情報に含まれる基準座標を用いて、着弾位置を算出する。上述したように、最適テンプレートのサイズは、当該プレー距離のときに撮像される撮像画像30の得点帯20のサイズに最適化されており、基準座標は、当該プレー距離のときのずれ量に合わせて最適化されている。よって、本実施の形態によれば、プレー距離が変化した場合にも、着弾位置を高精度に特定できる。
【0153】
<実施の形態3のまとめ>
実施の形態3の内容は、以下の付記のように表現できる。
【0154】
<付記A1>
射撃システム1は、同心円状に広がる得点帯20と、得点帯20と重複しない位置に配置された少なくとも1つのマーカ(21、22)と、を有する標的10と、標的10を撮像するカメラ101を搭載する電子銃100と、カメラ101にて、標的10に対する電子銃100のキャリブレーションに用いられる撮像画像30を撮像することを支援する支援画面(400A、400B、400C、400D)を表示する情報処理装置200と、を備える。
これにより、ユーザは、支援画面に従って、キャリブレーションに適切な撮像画像30を簡単に撮像することができる。
【0155】
<付記A2>
付記A1に記載の射撃システム1において、支援画面には、撮像画像30に含まれる得点帯20の中心の位置をガイドするための得点帯ガイド401が表示される。
これにより、ユーザは、撮像画像30に含まれる得点帯20の中心の位置を得点帯ガイド401に合うように電子銃100を動かして、キャリブレーションに適切な撮像画像30を撮像することができる。
【0156】
<付記A3>
付記A1又はA2に記載の射撃システム1において、支援画面には、撮像画像30に含まれるマーカの位置をガイドするためのマーカガイド(410、420)が表示される。
これにより、ユーザは、撮像画像30に含まれるマーカの位置をマーカガイドに合うように電子銃100を動かして、キャリブレーションに適切な撮像画像30を撮像することができる。
【0157】
<付記A4>
付記A1からA3のいずれか1項に記載の射撃システム1において、情報処理装置200は、撮像画像30を用いてキャリブレーションに関する処理を実行する際、当該処理の進捗状況を示す進捗状況画面500を表示する。
これにより、ユーザは、進捗状況画面500を見て、キャリブレーションに関する処理の進捗状況を知ることができる。
【0158】
<付記A5>
付記A1からA4のいずれか1項に記載の射撃システム1において、情報処理装置200は、キャリブレーションに関する処理として、テンプレートマッチングを用いて、撮像画像30に含まれる得点帯20のサイズに適合するサイズのテンプレートを決定する。
これにより、情報処理装置200は、キャリブレーションによって、標的10と電子銃100との間のプレー距離に応じた適切なテンプレートのサイズを決定することができる。
【0159】
<付記A6>
付記A6に記載の射撃システム1において、標的10は、2つのマーカ(21、22)を有し、情報処理装置200は、テンプレートマッチングによって撮像画像30から得点帯20及び2つのマーカ21、22を検出し、当該検出した得点帯20及び2つのマーカ21、22によって成される得点帯20に係る角度に基づいて、当該得点帯20の検出が誤検出であるか否かを判定する。
これにより、情報処理装置200は、キャリブレーションにおいて、テンプレートマッチングによって検出した得点帯20が誤検出であるか否かを判定することができる。
【0160】
<付記A7>
付記A5又はA6に記載の射撃システム1において、情報処理装置200は、決定したテンプレートのサイズを、撮像画像30に含まれる得点帯20のサイズと比較する確認画面(520)を表示する。
これにより、ユーザは、確認画面を見て、標的10と電子銃100との間のプレー距離に応じた適切なテンプレートのサイズであるか否かを容易に確認することができる。
【0161】
<付記A8>
情報処理方法として、同心円状に広がる得点帯20と、得点帯20と重複しない位置に配置された少なくとも1つのマーカ(21、22)と、を有する標的10が配置され、ユーザが電子銃100に搭載されるカメラ101にて標的10に対する電子銃100のキャリブレーションに用いられる撮像画像30を撮像するとき、情報処理装置200は、撮像画像30を撮像することを支援する支援画面(400A、400B、400C、400D)を表示する。
これにより、ユーザは、支援画面に従って、キャリブレーションに適切な撮像画像30を簡単に撮像することができる。
【0162】
<付記A9>
コンピュータプログラムは、同心円状に広がる得点帯20と、得点帯20と重複しない位置に配置された少なくとも1つのマーカ(21、22)と、を有する標的10が配置され、ユーザが電子銃100に搭載されるカメラ101にて標的10に対する電子銃100のキャリブレーションに用いられる撮像画像30を撮像するとき、撮像画像30を撮像することを支援する支援画面(400A、400B、400C、400D)を表示することをコンピュータに実行させる。
これにより、ユーザは、支援画面に従って、キャリブレーションに適切な撮像画像30を簡単に撮像することができる。
【0163】
(実施の形態4)
実施の形態4では、以前にキャリブレーションを実施済みのプレー距離にて再度射撃プレーを行う場合に、キャリブレーションの実施を省略する方法について説明する。なお、実施の形態4では、実施の形態1、2又は3にて説明済みの構成要素には、同一の参照符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0164】
図24は、実施の形態4に係る情報処理装置200の構成例を示すブロック図である。情報処理装置200は、
図14に示す機能ブロックに加えて、再利用部308をさらに備える。再利用部308は、実施の形態3にて生成したキャリブレーション情報を再利用するための処理を行う。
【0165】
次に、
図25、
図26、
図27、
図28、
図29、
図30を参照して、再利用部308の処理について詳細に説明する。
図25は、実施の形態4に係る保存問い合わせ画面600の例を示す図である。
図26は、実施の形態4に係るユーザ名とフロア名の入力画面610を示す図である。
図27は、実施の形態4に係る再利用問い合わせ画面620の例を示す図である。
図28は、実施の形態4に係るユーザ選択画面630の例を示す図である。
図29は、実施の形態4に係るフロア選択画面640の例を示す図である。
図30は、実施の形態4に係るプレー位置誘導画面650の例を示す図である。
【0166】
<キャリブレーション情報の保存>
まず、キャリブレーション情報を保存する際の再利用部308の処理について説明する。
【0167】
再利用部308は、実施の形態3の
図23に示すテンプレート確認画面520において、ユーザがYESボタン521を選択した場合、
図25に示す保存問い合わせ画面600を表示する。
【0168】
保存問い合わせ画面600において、ユーザがNOボタン602を選択(押下)した場合、再利用部308は、テンプレート決定部304が決定した最適テンプレートと、基準座標算出部305が算出した基準座標とを含むキャリブレーション情報を、キャリブレーション情報格納部307に保存しなくてもよい。
【0169】
保存問い合わせ画面60において、ユーザがYESボタン601を選択(押下)した場合、次に、再利用部308は、
図26に示すように、ユーザ名とフロア名とを入力する入力画面610を表示する。ここで、ユーザは、自身のユーザ名と、キャリブレーションを行った場所のフロア名(例えば、リビング、廊下、部屋等)とを入力する。
【0170】
再利用部308は、テンプレート決定部304にて決定した最適テンプレートと、基準座標算出部305によって算出された基準座標とを含むキャリブレーション情報に、入力画面610に入力されたユーザ名及びフロア名を関連付けて、キャリブレーション情報格納部307に格納する。ここで、再利用部308は、キャリブレーション情報に、キャリブレーションを行った電子銃100を識別可能にするための電子銃ID(識別情報)を対応させ、キャリブレーション情報格納部307に格納する。なお、ユーザ名及びフロア名のすべてをキャリブレーション情報に関連付けることは必須ではなく、再利用部308は、ユーザ名、フロア名の少なくとも1つをキャリブレーション情報に関連付けてよい。また、再利用部308は、ユーザ名又はフロア名とは異なる情報(例えば、日付、イベント名称など)をキャリブレーション情報に関連付けてもよい。
【0171】
<キャリブレーション情報の再利用>
次に、ユーザが新たに射撃プレーを開始する際の再利用部308の処理について説明する。
【0172】
ユーザが新たに射撃プレーを開始する際、再利用部308は、
図27に示すように、キャリブレーション情報格納部307に格納済みのキャリブレーション情報を再利用するか否かを問い合わせる再利用問い合わせ画面620を表示する。
【0173】
再利用問い合わせ画面620において、ユーザがNOボタン622を選択(押下)した場合、キャリブレーション実行部300は、キャリブレーション情報を再利用せずに、
図15に示すキャリブレーション処理を実施する。
【0174】
再利用問い合わせ画面620において、ユーザがYESボタン621を選択(押下)した場合、次に、再利用部308は、
図28に示すように、ユーザが使用している電子銃IDに関連付いたユーザ候補を一覧にしたユーザ選択画面630を表示する。例えば、再利用部308は、キャリブレーション情報格納部307に格納されているユーザ名のうち、電子銃IDに関連付くユーザ名を抽出し、その抽出したユーザ名を選択可能なユーザ選択画面630を表示する。
【0175】
ユーザは、ユーザ選択画面630から、自身のユーザ名に対応するボタンを選択(押下)する。
【0176】
ユーザがユーザ選択画面630から自身のユーザ名を選択した場合、次に、再利用部308は、
図29に示すように、フロア選択画面640を表示する。例えば、再利用部308は、キャリブレーション情報格納部307から、ユーザ選択画面630にて選択されたユーザ名に関連付けられているフロア名を抽出し、その抽出したフロア名を選択可能なフロア選択画面640を表示する。
【0177】
ユーザは、フロア選択画面640から、現在の場所に対応するフロア名に対応するボタンを選択(押下)する。
【0178】
ユーザがフロア選択画面640からフロア名を選択した場合、次に、再利用部308は、キャリブレーション情報格納部307から、ユーザ選択画面630及びフロア選択画面640にてそれぞれ選択されたユーザ名及びフロア名に関連付けられているキャリブレーション情報を取得する。これにより、再利用部308は、電子銃100の個体差も考慮したキャリブレーション情報を取得できる。
【0179】
次に、再利用部308は、
図30に示すように、プレー位置誘導画面650を表示する。例えば、再利用部308は、取得したキャリブレーション情報に含まれる最適テンプレートに関する得点帯テンプレート530、第1マーカテンプレート531、及び、第2マーカテンプレート532を撮像画像30に重畳表示すると共に、撮像画像30に含まれる得点帯20、第1マーカ21及び第2マーカ22の位置及びサイズが、得点帯テンプレート530、第1マーカテンプレート531、及び、第2マーカテンプレート532の位置及びサイズとそれぞれ適合するように、ユーザの位置を誘導するプレー位置誘導画面650を表示する。
【0180】
ユーザは、プレー位置誘導画面650を見ながら、撮像画像30に含まれる得点帯20、第1マーカ21及び第2マーカ22の位置及びサイズが、重畳表示されている得点帯テンプレート530、第1マーカテンプレート531、及び、第2マーカテンプレート532の位置及びサイズとそれぞれ適合するように、立ち位置を移動する。これにより、再利用部308は、以前にキャリブレーションを行った際のプレー位置と同じ位置にユーザを立たせることができる。
【0181】
上述した方法によれば、情報処理装置200は、今回の射撃プレーにおいて、改めてキャリブレーションを行うことなく、以前に同じ場所で行ったキャリブレーションのキャリブレーション情報を簡単に再利用できる。また、以前にキャリブレーションを行ったときと同じプレー位置にユーザを立たせることができるので、情報処理装置200は、射撃プレー時において、再利用するキャリブレーション情報を用いて、改めてキャリブレーションを行った場合と同等の精度で、撮像画像30から得点帯20の中心点Cの検出及び着弾位置の算出を行うことができる。
【0182】
<実施の形態4のまとめ>
実施の形態4の内容は、以下の付記のように表現できる。
【0183】
<付記B1>
射撃システム1は、同心円状に広がる得点帯20と、得点帯20と重複しない位置に配置された少なくとも1つのマーカ(21、22)と、を有する標的10と、標的10を撮像するカメラ101を搭載する電子銃100と、標的10に対する電子銃100のキャリブレーションの結果を含むキャリブレーション情報に、キャリブレーションを行った電子銃の識別情報を対応させ、ユーザを示す情報と場所を示す情報とのうちの少なくとも1つを関連付けて保持する情報処理装置200と、を備える。
これにより、情報処理装置200は、キャリブレーション情報に、キャリブレーションを行った電子銃の識別情報を対応させ、ユーザを示す情報と場所を示す情報とのうちの少なくとも1つを関連付けて保持することができる。よって、ユーザは、後日、射撃プレーを開始する際に、キャリブレーション情報を簡単に再利用できる。
【0184】
<付記B2>
付記B1に記載の射撃システム1において、情報処理装置200は、ユーザを選択するユーザ選択画面630を表示し、ユーザ選択画面630にて選択されたユーザに関連付けられているキャリブレーション情報を読み出し、標的10に対する電子銃100のキャリブレーションに再利用する。
これにより、ユーザは、射撃プレーを開始する際に、キャリブレーションを改めて行うことなく、当該ユーザ自身が以前に行ったキャリブレーションに係るキャリブレーション情報を簡単に再利用できる。
【0185】
<付記B3>
付記B1又はB2に記載の射撃システム1において、情報処理装置200は、場所を選択する場所選択画面(640)を表示し、場所選択画面にて選択された場所に関連付けられているキャリブレーション情報を読み出し、標的10に対する電子銃100のキャリブレーションに再利用する。
これにより、ユーザは、射撃プレーを開始する際に、キャリブレーションを改めて行うことなく、以前に同じ場所で行ったキャリブレーションに係るキャリブレーション情報を簡単に再利用できる。
【0186】
<付記B4>
付記B2又はB3に記載の射撃システム1において、キャリブレーション情報は、テンプレートマッチングによってカメラ101による撮像画像30から得点帯20を検出する際に用いられるテンプレートが含まれ、情報処理装置200は、読み出したキャリブレーション情報に含まれるテンプレートの得点帯20の位置及びサイズが、撮像画像30に含まれる得点帯20の位置及びサイズに適合するよう、ユーザの位置を誘導する位置誘導画面(650)を表示する。
これにより、情報処理装置200は、ユーザが射撃プレーを開始する際に、以前にキャリブレーションを行った位置とほぼ同じ位置にユーザを立たせることができる。よって、情報処理装置200は、射撃プレー時において、再利用するキャリブレーション情報を用いて、改めてキャリブレーションを行った場合と同等の精度で、得点帯20の中心の検出、及び、着弾位置の算出を行うことができる。
【0187】
<付記B5>
情報処理方法として、同心円状に広がる得点帯20と、得点帯20と重複しない位置に配置された少なくとも1つのマーカ(21、22)と、を有する標的10が配置され、ユーザが標的10に対する電子銃100のキャリブレーションを行った際、情報処理装置200は、当該キャリブレーションの結果となるキャリブレーション情報に、キャリブレーションを行った電子銃の識別情報を対応させ、ユーザを示す情報と場所を示す情報とのうちの少なくとも1つを関連付けて保持する。
これにより、情報処理装置200は、キャリブレーション情報に、キャリブレーションを行った電子銃の識別情報を対応させ、ユーザを示す情報と場所を示す情報とのうちの少なくとも1つを関連付けて保持することができる。よって、ユーザは、後日、射撃プレーを開始する際に、キャリブレーション情報を簡単に再利用できる。
【0188】
<付記B6>
コンピュータプログラムは、同心円状に広がる得点帯20と、得点帯20と重複しない位置に配置された少なくとも1つのマーカ(21、22)と、を有する標的10が配置され、ユーザが標的10に対する電子銃100のキャリブレーションを行った際、当該キャリブレーションの結果となるキャリブレーション情報に、キャリブレーションを行った電子銃の識別情報を対応させ、ユーザを示す情報と場所を示す情報とのうちの少なくとも1つを関連付けて保持することをコンピュータに実行させる。
これにより、コンピュータは、キャリブレーション情報に、キャリブレーションを行った電子銃の識別情報を対応させ、ユーザを示す情報と場所を示す情報とのうちの少なくとも1つを関連付けて保持することができる。よって、ユーザは、後日、射撃プレーを開始する際に、キャリブレーション情報を簡単に再利用できる。
【0189】
以上、添付図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0190】
本開示は、標的に対して電子銃を用いて射撃プレーを行うシステムに利用可能である。
【符号の説明】
【0191】
1 射撃システム
10 標的
20 得点帯
21 第1マーカ
22 第2マーカ
30 撮像画像
31 標的画像
32 表示用標的画像
100 電子銃
101 カメラ
102 画像取得部
103 信号処理部
104 送信制御部
105 トリガー部
106 トリガー検知部
200 情報処理装置
201 受信制御部
202 標的検出部
203 照準位置特定部
204 得点特定部
205 表示画像生成部
206 モニタ
300 キャリブレーション実行部
301 撮像支援部
302 テンプレートマッチング部
303 テンプレート候補判定部
304 テンプレート決定部
305 基準座標算出部
306 テンプレート候補格納部
307 キャリブレーション情報格納部
308 再利用部
400A、400B、400C、400D 撮像支援画面
401 得点帯ガイド
402A 縦線
402B 横線
403 交点
404 コメント
410 第1マーカガイド
411 区画
412 コメント
420 第2マーカガイド
421 区画
422 コメント
500 進捗状況画面
501 進捗バー
520 テンプレート確認画面
521 YESボタン
522 RETRYボタン
530 得点帯テンプレート
531 第1マーカテンプレート
532 第2マーカテンプレート
600 保存問い合わせ画面
601 YESボタン
602 NOボタン
610 入力画面
620 再利用問い合わせ画面
621 YESボタン
622 NOボタン
630 ユーザ選択画面
640 フロア選択画面
650 プレー位置誘導画面
1000 コンピュータ
1001 プロセッサ
1002 メモリ
1003 ストレージ
1004 入力I/F
1005 出力I/F
1006 通信I/F
1007 GPU
1008 読取装置