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特開2023-129066タップを含む組立体を製造する製造システムおよび製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129066
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】タップを含む組立体を製造する製造システムおよび製造方法
(51)【国際特許分類】
   B23P 19/02 20060101AFI20230907BHJP
   B23G 1/46 20060101ALI20230907BHJP
   B23Q 3/155 20060101ALI20230907BHJP
   B25J 13/08 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
B23P19/02 A
B23G1/46 Z
B23Q3/155 K
B25J13/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022033833
(22)【出願日】2022-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】田名網 克周
(72)【発明者】
【氏名】林 美由希
(72)【発明者】
【氏名】小河路 隆裕
【テーマコード(参考)】
3C002
3C030
3C707
【Fターム(参考)】
3C002LL06
3C030BB04
3C030BC04
3C030BC16
3C030BC33
3C707AS07
3C707BS12
3C707BT05
3C707DS01
3C707ES15
3C707KS33
3C707KX06
3C707LT07
3C707LU07
3C707LU08
3C707LV17
3C707MS03
3C707MT04
3C707MT09
3C707NS07
(57)【要約】
【課題】タップを含む組立体の製造の確実性の向上を図る。
【解決手段】タップを含む組立体の製造システム(1)の制御部(20)は、ロボット(10)に、開口(H3)を有するキャップ(23)を把持して、凹部(H2)を有するコレット(22)に被せるように係合させることで、第1の組立体(A1)を作成する工程と、第1の組立体を把持して、タップホルダ(21)の凹部(H1)に差し込むことで、第2の組立体(A2)を作成する工程と、タップを把持して、第2の組立体のキャップの開口を通して、コレットの凹部に挿入することで、タップを含む組立体である第3の組立体(A0)を作成する工程と、を実行させる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャックと、前記チャックに接続され、前記チャックを移動するためのアームと、前記チャックに印加される力またはモーメントを検出する力覚センサと、を有するロボットと、
前記ロボットを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記力覚センサが検知する力およびモーメントに基づいて、前記ロボットに、
開口を有するキャップを前記チャックで把持して、凹部を有するコレットに被せるように係合させることで、前記開口内に前記凹部が配置される、第1の組立体を作成する工程と、
前記第1の組立体を前記チャックで把持して、タップホルダの凹部に差し込むことで、前記キャップと係合する前記コレットが前記タップホルダの前記凹部に差し込まれてなる第2の組立体を作成する工程と、
タップを前記チャックで把持して、前記第2の組立体の前記キャップの前記開口を通して、前記コレットの前記凹部に挿入することで、タップを含む組立体である第3の組立体を作成する工程と、
を実行させる、
タップを含む組立体の製造システム。
【請求項2】
前記第1の組立体を作成する工程は、
前記キャップが被された前記タップホルダである、第4の組立体から前記キャップを前記チャックで把持して、取り外す工程を有し、
前記取り外したキャップを前記チャックで把持して、前記コレットに被せるように係合させる、請求項1に記載のタップを含む組立体の製造システム。
【請求項3】
前記第2の組立体を作成する工程において、前記ロボットは、前記第1の組立体を前記チャックで把持して、前記キャップが取り外された前記タップホルダの凹部に差し込む、請求項2に記載のタップを含む組立体の製造システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記力覚センサが検知する力またはモーメントが所定の閾値を超えないように、前記第1、第2、または第3の組立体を作成する工程を実行させる、請求項1から3のいずれか1項に記載のタップを含む組立体の製造システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記力覚センサが検知するモーメントが前記所定の閾値以上となったときに、前記チャックの傾きを調節させる、請求項4に記載のタップを含む組立体の製造システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記力覚センサが検知する力が前記所定の閾値以上となったときに、その力の方向への前記チャックの移動を停止させる、請求項4に記載のタップを含む組立体の製造システム。
【請求項7】
チャックと、前記チャックに接続され、前記チャックを移動するためのアームと、前記チャックに印加される力またはモーメントを検出する力覚センサと、を有するロボットを用いて、タップを含む組立体を製造する製造方法であって、
前記力覚センサが検知する力およびモーメントに基づいて、
開口を有するキャップを前記チャックで把持して、凹部を有するコレットに被せるように係合させることで、前記開口内に前記凹部が配置される、第1の組立体を作成する工程と、
前記第1の組立体を前記チャックで把持して、タップホルダの凹部に差し込むことで、前記キャップと係合する前記コレットが前記タップホルダの前記凹部に差し込まれてなる第2の組立体を作成する工程と、
タップを前記チャックで把持して、前記第2の組立体の前記キャップの前記開口を通して、前記コレットの前記凹部に挿入することで、タップを含む組立体である第3の組立体を作成する工程と、
を有する、
タップを含む組立体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械に取り付けるための組立体であって、タップを含む組立体を製造する製造システムおよび製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タップ加工を行う工作機械が知られている(特許文献1参照)。ここで、径の異なるタップ穴等に対応するために、タップを交換しながら加工を行うことが多い。この場合、一般に、タップ交換の容易のために、タップを含む組立体が用いられる。すなわち、作業者がタップをタップホルダに取り付ける等して、タップを含む組立体を作成して、この組立体を工作機械に取り付ける。
【0003】
しかしながら、速やか、かつ誤りなく、タップを含む組立体を作成することは、作業者にとって、必ずしも容易とはいえない。例えば、取り付け中のタップが落下して破損したり、径が互いに合致しない、タップとタップホルダを組み合わせようとして、タップによってタップホルダを傷つけたりすることがあり得る。熟練した作業者が慎重に作業すれば、このような損失を低減できるが、作業効率の上で必ずしも好ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-24487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一態様は、タップを含む組立体の製造の確実性の向上を図った組立体の製造システムおよび製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るタップを含む組立体の製造システムは、ロボット及び制御部を備える。ロボットはチャック及びアームを有する。アームは、チャックに接続され、このチャックを移動する。制御部は、ロボットを制御する。制御部は、ロボットに、第1の組立体を作成する工程と、第2の組立体を作成する工程と、第3の組立体を作成する工程と、を実行させる。第1の組立体は、キャップの開口内にコレットの凹部が配置される。第1の組立体を作成する工程は、開口を有するキャップをチャックで把持して、凹部を有するコレットに被せるように係合させる。第2の組立体は、キャップと係合するコレットがタップホルダの凹部に差し込まれてなる。第2の組立体を作成する工程は、第1の組立体をチャックで把持して、タップホルダの凹部に差し込む。第3の組立体は、タップを含む組立体である。第3の組立体を作成する工程は、タップをチャックで把持して、第2の組立体のキャップの開口を通して、コレットの凹部に挿入する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、タップを含む組立体の製造の確実性の向上を図った組立体の製造システムおよび製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係るタップを含む組立体の製造システムを表す図である。
図2】組立体を分解した状態を表す分解斜視図である。
図3】組立体の断面を表す断面図である。
図4】組立体を製造する工程を表すフロー図である。
図5】製造中の組立体を表す図である。
図6】製造中の組立体を表す図である。
図7】製造中の組立体を表す図である。
図8】製造中の組立体を表す図である。
図9】製造中の組立体を表す図である。
図10】力覚センサが検知する力およびモーメントに基づいて、組立体を作成する手順を表すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係るタップを含む組立体の製造システム1を表す図である。タップを含む組立体の製造システム1は、テーブルT上に設置されるロボット10を有し、タップを含む組立体(後述の組立体A0)を製造する。テーブルTの主面に平行かつ互いに直交する2つの方向をX軸、Y軸とし、テーブルTの主面に垂直な方向をZ軸とするXYZ座標が設定される。
【0010】
先に、タップを含む組立体(組立体A0)について説明する。図2は、組立体A0を分解した状態を表す分解斜視図である。組立体A0は、タップホルダ21、コレット22、キャップ23、およびタップ24を組み合わせて構成される。後述のように、ロボット10によって、組立体A1、A2が順に作成され、最終的に、シンプルセッタBa上に、組立体A0が形成される。組立体A1は、コレット22およびキャップ23から構成される。組立体A2は、組立体A1およびコレット22およびタップホルダ21から構成される。組立体A0は、組立体A2およびタップ24から構成される。
【0011】
図3は、組立体A0の断面を表す断面図である。タップホルダ21、コレット22、キャップ23、およびタップ24が互いに組み合わされている。タップホルダ21は、略円柱形状の凸部Tおよび略逆円錐台形状の凹部H1を有する。コレット22は、略逆円錐台形状の外周および略円柱形状の凹部H2を有する。キャップ23は、略筒形状であり、略円形状の開口H3および開口H3より大径の内部空間を有する。コレット22は、タップホルダ21に対して、タップホルダ21の凹部H1の内周にコレット22の外周が沿うように配置される。キャップ23は、タップホルダ21の凸部Tを覆い、かつ、コレット22の係合部K1と係合する係合部K2を有する。タップ24は、略円柱形状を有し、コレット22の凹部H2に挿入される。
【0012】
図1に戻って、説明を続ける。ロボット10は、テーブルTに配置され、台座11、アーム12~15、チャック機構16、チャック17、力覚センサ18、および制御部20を有する。
【0013】
台座11にアーム12~15が順に接続される。アーム12~15は、チャック機構16(結局は、チャック17)に接続され、チャック機構16(チャック17)を所望の場所に移動することができる。すなわち、アーム12は、台座11に対して左右に回転可能であり、アーム12、13の間、アーム13、14の間、およびアーム14、15の間は互いに回転可能である。この結果、アーム12~15によって、チャック機構16(チャック17)の位置(例えば、台座11からのチャック17の距離、テーブルTからのチャック17の高さ)、および傾き(例えば、Z軸に対するチャック機構16およびチャック17の軸方向の角度)を適宜に調節できる。また、アーム15は、チャック機構16を回転することができる。
【0014】
チャック17は、部材を適宜に把持し、また把持を解除することができる。チャック機構16は、チャック17の開閉を駆動する。
【0015】
力覚センサ18は、組み立て作業中にチャック機構16(チャック17)に印加される力F(Fz、Fy、Fz)、モーメントM(Mx、My、Mz)を検知する。モーメントMx、My、Mzはそれぞれ、X軸、Y軸、Z軸周りのモーメントであり、力Fx、Fy、Fzはそれぞれ、X軸、Y軸、Z軸方向の力である。
【0016】
制御部20は、ロボット10(アーム12~15、チャック機構16)を制御して、組立体A0の製造(組み立て)を実行させる。すなわち、ロボット10は、次の(1)~(3)の工程を順に実行する。これにより、組立体A0の確実な製造が可能となる。
(1)キャップ23(開口H3を有する)をチャック17で把持して、コレット22(凹部H2を有する)に被せるように係合させることで、開口H3内に凹部H2が配置される、組立体A1(第1の組立体)を作成する工程
(2)組立体A1をチャック17で把持して、タップホルダ21の凹部H1に差し込むことで、キャップ23と係合したコレット22がタップホルダ21の凹部H1に差し込まれてなる組立体A2(第2の組立体)を作成する工程
(3)タップ24をチャック17で把持して、組立体A2のキャップ23の開口H3を通して、コレット22の凹部H2に挿入することで、組立体A0(タップを含む組立体である第3の組立体)を作成する工程
【0017】
テーブルT上には、シンプルセッタBaの取付穴Haに挿入された組立体A4(キャップ23が被されたタップホルダ21)、タップスタンドBbの取付穴Hbに挿入されたタップ24、およびコレットスタンドBcの取付穴Hcに挿入されたコレット22が配置される。後述のように、シンプルセッタBa、タップスタンドBb、およびコレットスタンドBcに保持された部品(組立体A4、タップ24、コレット22)を用いて、ロボット10は組立体A0を製造する。
【0018】
テーブルTには、組立体A4(キャップ23付きのタップホルダ21)、およびタップ24を保持する部品保持部Sa、コレット22を保持する部品保持部Sbが配置される。後述のように、作業者は、部品保持部Sa、Sbに保持されるタップホルダ21、タップ24、およびコレット22を用いて、シンプルセッタBa、タップスタンドBb、およびコレットスタンドBc上に、組立体A4、タップ24、コレット22を載置する。
【0019】
図4は、組立体A0を製造する工程を表すフロー図である。図5図9は、製造中の組立体A0を表す図である。図4図9を用いて、組立体A0を製造する工程を表す。
【0020】
A.作業者による準備工程
ステップS1~S3は、作業者による準備工程であり、ロボット10による製造工程の前段階として行われる。すなわち、作業者は、シンプルセッタBaに組立体A4(キャップ23付きのタップホルダ21)を設置する(ステップS1)。すなわち、シンプルセッタBaの取付穴Haにタップホルダ21の先端が挿入され、その後、タップホルダ21の突出部Tにキャップ23が被される。また、作業者は、タップスタンドBbにタップ24を設置する(ステップS2)。すなわち、タップスタンドBbの取付穴Hbにタップ24が挿入される。さらに、作業者は、コレットスタンドBcにコレット22を設置する(ステップS3)。すなわち、コレットスタンドBcの取付穴Hcにコレット22が挿入される。このとき、ステップS1~S3の順序は問わない。また、ステップS1~S3は並列に行われてもよい。
【0021】
ここで、取付穴Haとタップホルダ21の間、タップホルダ21とキャップ23との間、取付穴Hbとタップ24の間、および取付穴Hcとコレット22との間には、係合関係等はない。このため、作業者は、タップホルダ21等を取付穴Ha等に挿入し、タップホルダ21にキャップ23を被さるときに、微妙な調節は不要である。すなわち、これらの作業は、習熟を要さず、容易、かつ速やかに行うことができる。
【0022】
B.ロボット10による製造工程
その後、ロボット10による製造工程(ステップS4~S7)が実行される。この製造工程は、次の(1)~(3)に区分することができる。図5図9は、製造中の組立体A0を表す図である。
【0023】
(1)組立体A1の作成
ロボット10は、シンプルセッタBaに保持される組立体A4(キャップ23が被されたタップホルダ21)のキャップ23をチャック17で把持して、取り外す(ステップS4、図5)。ロボット10は、チャック17によって、取り外したキャップ23をコレットスタンドBcに保持されるコレット22(凹部H2を有する)に被せるように係合させることで、組立体A1を作成する(ステップS5、図6図7)。組立体A1は、コレット22とキャップ23とが係合部K1、K2によって、互いに係合し、キャップ23の開口H3内からコレット22の凹部H2が覗いた状態にある。
【0024】
(2)組立体A2の作成
ロボット10は、コレットスタンドBcに保持される組立体A1をチャック17で把持する。そして、ロボット10は、チャック17によって、組立体A1をシンプルセッタBaに保持されるタップホルダ21の凹部H1に差し込むことで、組立体A2を作成する(ステップS6、図8)。組立体A2は、キャップ23と係合するコレット22がタップホルダ21の凹部H1に差し込まれたものである。このタップホルダは、ステップS4によってキャップ23が取り外されたものである。ステップS6では、ステップS4によってキャップ23が外されたタップホルダ21を利用することができる。既述のように、組立体A1において、コレット22とキャップ23とが互いに係合しているため、キャップ23をチャック17で把持して持ち上げると、コレット22も同時に持ち上げることができる。
【0025】
(3)組立体A0の作成
ロボット10は、タップスタンドBbに保持されるタップ24をチャック17で把持して、取り外す。そして、ロボット10は、チャック17によって、このタップ24を、シンプルセッタBaに保持される組立体A2のキャップ23の開口H3を通して、コレット22の凹部H2に挿入する。こうして、ロボット10は、タップを含む組立体である組立体A0を作成する(ステップS7、図9図3)。
【0026】
以上のようにして、組立体A0は製造される。この組立体A0を用いて、タップ24を加工装置に容易に取り付けることができる。
【0027】
ここで、ロボット10は、ステップS5~S7において、力覚センサ18が検知する力およびモーメントに基づいて、組立体A1、A2、A0を作成する工程を実行する。これにより、組立体A0の製造の確実性が向上する。図10は、力覚センサ18が検知する力およびモーメントに基づいて、組立体A1、A2、A0を作成する手順を表すフロー図である。
【0028】
組立体A1、A2、およびA0を作成する工程(ステップS5~S7)各々において、部品(キャップ23、組立体A1、またはタップ24)が、取り付け対象(コレット22、タップホルダ21、または組立体A2)に取り付けられる(ステップ11)。このとき、力覚センサ18によって、モーメントM(Mx、My、Mz)が検出される(ステップ12)。基本的には、力覚センサ18が検知する力FまたはモーメントMが所定の閾値(Th1、Th2)を超えないように、組立体A1、A2、A0が作成される(ステップS13~S16)。これにより、組立体A0の製造の確実性が向上する。
【0029】
具体的には、力覚センサ18が検知するモーメントMが所定の閾値Th1以上となったときに、チャック17の傾きを調節させる(ステップS13、S14)。部品と、取り付け対象との間の軸を合わるためである。これにより、例えば、タップ24がコレット22を傷つけることを防止できる。
【0030】
また、力覚センサ18が検出する力が所定の閾値Th2以上となったときに、その力の方向へのチャックの移動(下降)を停止させる(ステップS15、S16)。すなわち、部品の取り付けが完了したと判断できる。
【0031】
以上のように、本実施形態では、比較的容易なシンプルセッタBa~Bcへの部品の取り付けを人的に行い。その後、部品の取り付け対象への取り付けを力覚センサ18を有するロボット10が行う。これにより、効率よく、かつ誤りなく、タップ24を含む組立体A0を製造できる。
【0032】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0033】
1…タップを含む組立体の製造システム、10…ロボット、12~15…アーム、16…チャック機構、17…チャック、18…力覚センサ、20…制御部、21…タップホルダ、22…コレット、23…キャップ、24…タップ、A0、A1、A2…組立体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10