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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129075
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】天板付きキャビネット
(51)【国際特許分類】
   A47B 77/00 20060101AFI20230907BHJP
   A47B 97/00 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
A47B77/00
A47B97/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022033847
(22)【出願日】2022-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000104973
【氏名又は名称】クリナップ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】591015511
【氏名又は名称】高千穂交易株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】石瀬 優理子
(72)【発明者】
【氏名】榎本 裕理
(72)【発明者】
【氏名】境田 絵美
(72)【発明者】
【氏名】太田 昌也
(72)【発明者】
【氏名】山田 真吾
(72)【発明者】
【氏名】倪 靖洋
(72)【発明者】
【氏名】鹿谷 誠
【テーマコード(参考)】
3B260
【Fターム(参考)】
3B260CA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】外部機器の送受電及び情報通信の少なくとも一方のための接続端子を接続部に接続しやすい天板付きキャビネットを提供する。
【解決手段】キャビネットと、キャビネットの上に設けられ、水平方向に広がる天板3と、を備える天板付きキャビネットであって、キャビネットは、天板が載置される上部と、上部から下方に延伸するように設けられ、キャビネットの側面を構成する側板12と、外部機器の送受電及び情報通信の少なくとも一方のための接続端子を接続可能な接続部を備える接続装置14と、を備え、天板は、水平方向において、側面よりも外方に位置する外方端部を有し、接続装置は、外方端部の下方で側面に沿うように配置され、接続部が接続部の少なくとも一部が水平方向において外方端部の先端面と側面との間に位置する突出位置と、突出位置よりも側面側に位置する退避位置と、を切り替え可能に構成される。
【選択図】図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビネットと、該キャビネットの上に設けられ、水平方向に広がる天板と、を備える天板付きキャビネットであって、
前記キャビネットは、
前記天板が載置される上部と、
該上部から下方に延伸するように設けられ、前記キャビネットの側面を構成する側板と、
外部機器の送受電及び情報通信の少なくとも一方のための接続端子を接続可能な接続部を備える接続装置と、を備え、
前記天板は、前記水平方向において、前記側面よりも外方に位置する外方端部を有し、
前記接続装置は、前記外方端部の下方で前記側面に沿うように配置され、前記接続部が該接続部の少なくとも一部が前記水平方向において前記外方端部の先端面と前記側面との間に位置する突出位置と、該突出位置よりも前記側面側に位置する退避位置と、を切り替え可能に構成される天板付きキャビネット。
【請求項2】
前記接続装置は、前記接続部が設けられる本体部と、上下方向に延びる回動軸と、を備え、
前記本体部は、前記回動軸を軸心として回動して、突出位置と退避位置とを切り替え可能に構成される請求項1に記載の天板付きキャビネット。
【請求項3】
前記回動軸は、前記本体部の幅方向の中途部分に設けられる請求項2に記載の天板付きキャビネット。
【請求項4】
前記接続装置は、前記接続部よりも上方の位置に、前記水平方向のうち前記接続部に対する前記接続端子の接続方向で外方に延伸する庇部を備える請求項1乃至3のいずれか1項に記載の天板付きキャビネット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板付きキャビネットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載のような、キッチンに配置される天板付きキャビネットとしての調理台が知られている。調理台は、キャビネットと、キャビネットの上に設置される天板と、天板に設置されるシンクと、電気機器のプラグを電気的に接続可能なプラグ受け及び該プラグ受けを覆う、開閉可能な蓋を有するコンセント装置と、を備える。キャビネットは、前方に、上下に伸びる平板状の幕板を備え、コンセント装置は、幕板に形成された奥側に窪む設置孔に設けられている。
【0003】
上記のような調理台によれば、プラグ受けが蓋で覆われているので、プラグ受けにプラグを接続しない不使用時に、シンクから飛散した水がプラグ受けに付着することを抑制できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-80314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のような調理台では、コンセント装置が幕板の前面よりも奥側に設置されているので、電気機器のプラグを幕板の前面よりも奥側まで移動させてプラグ受けに挿し込まなければならず、プラグをプラグ受けに接続しづらい。
【0006】
このような問題は、調理台や電気接続のためのプラグ、プラグ受けに限らず、屋内に設置されて他の機器との接続部を有するような天板付きキャビネット全般で起こり得るものである。
【0007】
そこで本発明は、外部機器の送受電及び情報通信の少なくとも一方のための接続端子を接続部に接続しやすい天板付きキャビネットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の天板付きキャビネットは、キャビネットと、該キャビネットの上に設けられ、水平方向に広がる天板と、を備える天板付きキャビネットであって、
前記キャビネットは、前記天板が載置される上部と、該上部から下方に延伸するように設けられ、前記キャビネットの側面を構成する側板と、外部機器の送受電及び情報通信の少なくとも一方のための接続端子を接続可能な接続部を備える接続装置と、を備え、前記天板は、前記水平方向において、前記側面よりも外方に位置する外方端部を有し、前記接続装置は、前記外方端部の下方で前記側面に沿うように配置され、前記接続部が該接続部の少なくとも一部が前記水平方向において前記外方端部の先端面と前記側面との間に位置する突出位置と、該突出位置よりも前記側面側に位置する退避位置と、を切り替え可能に構成される。
【0009】
かかる構成によれば、接続装置は突出位置と退避位置を切り替え可能であり、突出位置において、接続部の少なくとも一部が外方端部の先端面と前記側面との間に位置するので、突出位置においては接続部が接続端子を接続するのに程よい位置に位置するため、接続部に外部機器の接続端子を接続しやすい。よって、外部機器の接続端子を接続部に接続しやすくできる。
【0010】
また、前記接続装置は、前記接続部が設けられる本体部と、上下方向に延びる回動軸と、を備え、前記本体部は、前記回動軸を軸心として回動して、突出位置と退避位置とを切り替え可能に構成することもできる。
【0011】
かかる構成によれば、本体部が上下方向に延びる回動軸を軸心に回動して突出位置と退避位置を切り替え可能であるので、突出位置と退避位置とを切り替えやすい。
【0012】
また、前記接続装置は、前記接続部よりも上方の位置に、前記水平方向のうち前記接続部に対する前記接続端子の接続方向で外方に延伸する庇部を備えるよう構成することもできる。
【0013】
かかる構成によれば、接続部の上部に、接続部への接続方向で外方に延伸する庇部が設けられるので、庇部によって天板から落下した水が接続部にかかることを抑制できる。
【0014】
また、前記回動軸は、前記本体部の幅方向の中途部分に設けられるよう構成することもできる。
【0015】
かかる構成によれば、回動軸は本体部の幅方向の中途部分に設けられるので、回動軸の分だけ接続装置が幅方向において大型化することを抑制できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、外部機器の送受電及び情報通信の少なくとも一方のための接続端子を接続部に接続しやすい天板付きキャビネットを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る天板付きキャビネットの斜視図である。
図2】同天板付きキャビネットの正面図である。
図3】同天板付きキャビネットの取付具を示す正面図である。
図4】同取付具を示す斜視図である。
図5図3に示すV-V断面図である。
図6】同天板付きキャビネットの接続装置を示す斜視図である。
図7】同接続装置の化粧枠を示す正面斜視図である。
図8】同化粧枠を示す背面斜視図である。
図9】同接続装置の装置本体を示す正面図である。
図10】同装置本体の平面図である。
図11図9に示すXI-XI断面図である。
図12】退避位置の接続装置を示す正面図である。
図13】突出位置の接続装置を示す正面図である。
図14】接続装置を外形表示とした図12に示すXIV-XIV断面図である。
図15】接続装置を外形表示とした図13に示すXV-XV断面図である。
図16図12に示すXVI-XVI断面図である。
図17図13に示すXVII-XVII断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態に係る天板付きキャビネット1について図1乃至図17を参照して説明する。説明の便宜上、上下、左右、及び前後の方向は、いずれも設置状態における方向を示すものとし、具体的には図1に記載の方向を基準として説明する。
【0019】
図1及び図2に示すように、天板付きキャビネット1は、箱型のキャビネット2と、キャビネット2の上に設けられる天板3と、を備える。本実施形態の天板付きキャビネット1は、略水平方向に延びる略平坦な面である上面1aと、上面1aに対して略直交する方向に延びる略平坦な面である側面1bと、を備え、全体として直方体状に形成されている。また、天板付きキャビネット1は、水を供給可能な水道設備4を上面1aに備える。本実施形態の天板付きキャビネット1は、上面1aに水道設備4及び該水道設備4から供給された水を受けるシンク5を備えるシンク部6と、上面1aに加熱調理器7を備える加熱部8と、上面1aが一定の面積を有する平坦な面として構成される作業台部9と、を備える。シンク部6、加熱部8、及び作業台部9は左右方向に直線状に並んで配置され、具体的に、作業台部9は、左右方向でシンク部6及び加熱部8の間に設けられている。このような天板付きキャビネット1は、屋外又は建築物の水回り(例えばキッチン)に配置され、本実施形態では建築物の屋内に設置される。本実施形態の天板付きキャビネット1は、キッチンに配置される調理台として構成される。
【0020】
キャビネット2は、上部に天板3を載置可能な上部が開口した箱型の部位である。また、キャビネット2は側面1bとして、上下方向に沿って延びる側面視略長方形状の左面及び右面と、上下方向に延び、左面及び右面を連結する正面視略長方形状の前面及び後面と、を備える。キャビネット2の前面とは、水道設備4を使用する使用者に対して主に対向する面であり、本実施形態では、前後方向に離間した2面のうち、水道設備4から遠い側の面である。本実施形態のキャビネット2の左面、右面、前面、及び後面は、いずれも上下方向に沿って延びる平坦な面である。具体的に、キャビネット2は、キャビネット2の底面を構成する底部11と、底部11から上方に延び、キャビネット2の側面を構成する側板12と、を備える。側板12は、複数の板状体を組み合わせて構成されている。側板12を構成する板状体は、板状体の厚み方向に沿って水平方向に延びる上面及び下面と、上下方向延び、キャビネット2の側面1bとなる外面と、外面と厚み方向で反対側に位置する内面と、を含む板状体である。即ち、キャビネット2の側面は、側板12を構成する板状体の外面によって構成される。本実施形態の側板12は、キャビネット2の左面を構成する左面部121と、キャビネット2の右面を構成する右面部122と、キャビネット2の前面を構成する前面部123と、キャビネット2の後面を構成する後面部124と、を備える。本実施形態で、左面部121及び右面部122は2枚の板材を組み合わせて構成された板状体であり、前面部123及び後面部124は単数の板状体又は複数枚の板状体の組み合わせで構成されている。本実施形態の左面部121及び右面部122は、キャビネット2の方向基準で外方に設けられ、キャビネット2の側面1bとなる外面を有する板材(いわゆるサイドパネル)と、キャビネット2の剛性を高めることを目的として、キャビネット2の方向基準で内方に設けられる板材と、を組み合わせて構成された板状体である。さらに、図2に示すように、キャビネット2は、内部に物を収容可能な引き出し部13と、後述する接続装置14と、接続装置14を側板12に取り付ける取付具15(図3参照)と、を備える。また、キャビネット2の内部には、シンク部6、加熱部8、及び作業台部9の間を仕切る板状体である仕切板16が設けられている(図4参照)。
【0021】
前面部123は、左右方向に延び、外面が側面1bのうち前面を構成する帯状の板状体である幕板17と、左右方向に延び、外面が側面1bのうち前面を構成する帯状の板状体であり、引き出し部13の前面を構成する前板18と、を含む。本実施形態の幕板17及び前板18は、1枚の板材で構成された板状体である。また、前面部123は、天板3に設けられる水道設備4を使用する使用者に対向する部位である。本実施形態で、幕板17は前後方向で移動不能に固定されており、前板18は引き出し部13の開閉に伴って前後方向に移動可能である。幕板17及び前板18は、引き出し部13が閉じた状態で前面が略面一となるように配置されている。
【0022】
図3乃至図5に示すように、取付具15は、側板12に接続装置14を取り付けるための部品(例えば金具)であり、具体的には、上下方向に延びる平板状の部品である。本実施形態で取付具15は、平面視L字形状で、厚み方向に貫通する孔が複数形成された板状体である。取付具15は、接続装置14を固定可能な平板状の取付本体部19と、取付本体部19の左右方向の一方側(本実施形態では右側)に連結され、取付本体部19と略平行に延びる平板状の前面部対向部20と、取付本体部19の左右方向の他方側(本実施形態では左側)に連結され、取付本体部19に対して略直交する方向に延びる平板状の仕切板対向部21と、を備える。前面部対向部20及び仕切板対向部21には、それぞれ厚み方向に貫通し、固着具を挿通可能な挿通孔20aが複数形成されている。また、取付本体部19には、厚み方向に貫通し、接続装置14の一部を挿入可能な孔である装置挿入孔19aと、厚み方向に貫通し、接続装置14を固定するための固着具を挿通可能な固定孔19bと、が形成される。
【0023】
取付具15は、側板12に対して内方から固定されている。具体的に、取付具15は、前面部対向部20が前面部123の内側の面に対向し、仕切板対向部21が仕切板16のうち前面部123と交差する方向に延びる面と対向するように、挿通孔20aに固着具(例えばねじ)を挿通して取り付けられる。本実施形態の取付具15は、前面部対向部20が幕板17の内面と対向するように配置されて幕板17の内方に固定され、取付本体部19及び仕切板対向部21が左右方向で幕板17と並んで配置される。
【0024】
側板12及び仕切板16に取り付けられた取付具15と前面部123とによって、接続装置14を取り付けるための取付空間2aが形成される。取付空間2aは、前面部123及び取付具15によって形成された後方に凹となる空間であり、言い換えると、取付具15の前方のうち、側板12が設けられていない領域である。本実施形態の取付空間2aは、幕板17の厚み分後方に凹となった空間である。本実施形態の取付空間2aは左右方向で幕板17の隣に形成され、取付空間2aの上下方向長さは、隣接する幕板17の上下方向長さと略等しく形成されている。また、取付空間2aは、左右方向で作業台部9の範囲内又は作業台部9に隣接した位置に形成され、本実施形態では、左右方向でシンク部6の作業台側の端部に形成されている。
【0025】
図1に示すように、天板3は、平坦な上面1aを有し、左右方向長さ及び前後方向長さが一定の、平面視略長方形状の板状体である。また、天板3には、厚み方向に貫通する孔が複数形成されている。具体的に、天板3は、シンク部6の上面を構成するシンク天板部22と、加熱部8の上面を構成する加熱天板部23と、作業台部9の上面を構成する作業天板部24と、を備える。本実施形態の天板3は、1枚の板状体で構成されており、右端部がシンク天板部22として、左端部が加熱天板部23として、左右方向でシンク天板部22及び加熱天板部23の間が作業天板部24として構成されている。
【0026】
シンク天板部22は、平坦な上面1aを有し、前後方向及び左右方向の中途部分に、上下方向(厚み方向)で貫通するシンク嵌合孔22aが形成された板状の部位である。本実施形態のシンク天板部22は上面1aの略中央部分にシンク嵌合孔22aが形成された環状の板体である。シンク嵌合孔22aは、シンク5を格納可能な程度に上面1aに対して開口した貫通孔である。このようなシンク天板部22は、シンク嵌合孔22aに格納されたシンク5の水平方向における外周を囲う部位である。
【0027】
加熱天板部23は、平坦な上面1aを有し、前後方向及び左右方向の中途部分に、上下方向(厚み方向)で貫通する調理器嵌合孔23aが形成された板状の部位である。加熱天板部23は、左端部(天板3の延伸方向で加熱天板部23が位置する側の端部)に位置する平坦な板状の左離間部231を備える。調理器嵌合孔23aは、左離間部231よりも右側に形成された、加熱調理器7を格納可能な程度に上面1aに対して開口した貫通孔である。このような加熱天板部23は、調理器嵌合孔23aに格納された加熱調理器7の水平方向における外周を囲う部位である。
【0028】
作業天板部24は、平坦な上面1aを有し、シンク天板部22と加熱天板部23を連結する板状の部位である。また、作業天板部24は、前後方向長さが一定の板状体である。作業天板部24は、上面1aで調理に関する作業をしたり、調理のための機器を載置したりできる程度の面積を有する平板体である。
【0029】
天板3は、前後方向長さがキャビネット2の前後方向長さよりも長く、左右方向長さがキャビネット2の左右方向長さと略等しい、上面が水平方向に広がる板体である。このような天板3は、キャビネット2の上部に設けられた状態で、水平方向においてキャビネット2の側面よりも外方に位置する外方端部を有する。本実施形態で天板3は、前後方向で、後端部がキャビネット2の後端部と略同じ位置に位置し、外方端部の先端面としての前端3aがキャビネット2の前端部よりも前方に位置するようにキャビネット2の上に載置される(図5参照)。即ち、天板3は、キャビネット2の上に載置された状態で、外方端部の先端面としての前端3aがキャビネット2の側面のうち、前面よりも前方に位置する。
【0030】
図6乃至図11に示すように、接続装置14は、外部機器の送受電及び情報通信の少なくとも一方のための接続端子(例えばプラグ)を接続可能な接続部39を有する装置本体31と、装置本体31に嵌合可能な化粧枠32と、化粧枠32の一部及び装置本体31の前面を覆う化粧板33と、を備える。また、接続装置14は、上下方向に長い柱状であり、左右方向長さが取付空間2aの左右方向の幅に略等しく、上下方向長さが取付空間2aの上下方向長さに略等しい。
【0031】
図7及び図8に示すように、化粧枠32は、上下方向に延びる棒状の縦枠部34と、縦枠部34の上端部及び下端部から左右方向の一方側(本実施形態では右側)に向かって延出する一対の横枠部35と、を備える。化粧枠32は、左右方向長さが取付空間2aの左右方向の幅に略等しく、上下方向長さが取付空間2aの上下方向長さに略等しい。また、化粧枠32には、縦枠部34と横枠部35との連結部分に、後方に凹となる平面視略三角形状の退避空間35aが形成されている(図6参照)。さらに、化粧枠32は、水平方向に延びる化粧枠32の上面である枠上面32aと、水平方向に延びる化粧枠32の下面である枠下面32bと、左右方向に直交する面であって、化粧枠32の側面である枠側面32cと、を備える。
【0032】
縦枠部34は、前後方向の厚みが取付空間2aの前後方向の幅(前後方向における幕板17の前面から取付具15の前面までの距離)と略等しい、上下方向に延びる棒状体である。本実施形態の縦枠部34は、上端から下端に亘って左右方向長さが一定の直方体状である。また、縦枠部34は、前後方向に直交する面であって、縦枠部34の前面を構成する縦枠前面34aを備える。
【0033】
横枠部35は、前後方向の厚みが取付空間2aの前後方向の幅と略等しい左右方向に延びる棒状体である。また、横枠部35は、上下方向に離間して1対設けられている。具体的に、横枠部35は、装置本体31の前方を覆う正面視長方形状の横枠本体部36と、横枠本体部36に設けられ、後述する嵌合溝55に対して嵌合可能な嵌合手段37と、後述する位置決め突起57に対して係合可能な位置決め凹部38と、を備える。嵌合手段37は、他方の横枠部35に向かって上下方向に延びる爪状の部位である。具体的に、嵌合手段37は、上方の横枠部35から下方に向かって延びるように設けられた爪状の部位、又は、下方の横枠部35から上方に向かって延びるように設けられた爪状の部位である。位置決め凹部38は横枠本体部36の後端部に、横枠部35の左右方向に離間して複数形成された前方に凹となる窪みである。本実施形態の位置決め凹部38は、左右方向で嵌合手段37を挟むように、嵌合手段37の左側及び右側に配置されている。
【0034】
図6に示すように、化粧板33は、装置本体31の前面を覆う化粧面としての平坦な前面を有する平板体である。具体的に、化粧板33は、上下方向長さが縦枠部34の上下方向長さと略等しく、左右方向長さが横枠部35の左右方向長さと略等しい板体である。また、化粧板33は、後述する本体部40の板取付部47に嵌合可能な被取付部を後面側に有する(図示しない)。本実施形態の被取付部は、後方に突出する複数の突起である。
【0035】
図9乃至図11に示すように、装置本体31は、接続部39を有する本体部40と、上下方向に延びる回動軸41(図11参照)と、回動軸41を介して本体部40を保持する保持部42と、本体部40の後方に設けられる回路部43と、を備える。本実施形態の装置本体31は、左右方向の幅が略一定で、上下方向に長い柱状である。
【0036】
図9及び図10に示すように、本体部40は、接続部39と、上下方向に延びる略平坦な面を有する化粧板取付面44と、化粧板取付面44と連結された上下方向に延びる平坦な面を有する接続面45と、上端部及び下端部に設けられ、接続面45の上方及び下方を覆う庇部46と、を備える。また、本体部40は、上下方向に長い柱状の部位である。化粧板取付面44は、化粧板33の被取付部が嵌合可能な板取付部47を有する。本実施形態の板取付部47は、後方に凹となる複数の窪みである。さらに、本実施形態では、化粧板取付面44と接続面45は、上下方向において平行に延び、かつ、水平方向において直交する方向に延びる面である。本実施形態の化粧板取付面44と接続面45の接続箇所には、角部40aが形成されている。
【0037】
接続部39は、外部機器の送受電及び情報通信の少なくとも一方のための接続端子を接続可能な部位である。本実施形態の接続部39は、外部機器の送受電のための接続端子であるプラグを差し込み可能なプラグ受けとして構成される。即ち、本実施形態の接続部39は、外部機器の接続端子を挿し込み可能な開口39aを有する。また、接続部39は、上方が庇部46に覆われるように配置されており、具体的には、表面が接続面45と略面一となるように配置されている。本実施形態の接続部39は上下方向に離間して複数配置されている。
【0038】
接続面45は、上下方向に沿って延び、上下方向の中途部分に接続部39が設けられる平面である。具体的に、接続面45は、上端から下端までに亘って幅が略一定の、上下方向に延びる細長い面である。本実施形態の接続面45には、複数の接続部39が上下方向に並んで配置されている。具体的に、接続面45には、外部機器の接続端子を挿し込み可能な開口39aの開口方向(接続部39に接続端子を接続する方向)が接続面45と略直交する方向になるように接続部39が設けられている。即ち、接続部39は、開口39aの開口方向が水平方向に沿った方向となるように設けられている。本実施形態の接続部39は、後述する突出位置において、開口39aの開口方向が水平方向に沿った方向、且つ、キャビネットの前面に対して斜め向きに延びる方向となるように設けられている。
【0039】
庇部46は、接続面45の上部及び下部に設けられ、接続部39の上方及び下方を覆う部位である。具体的に、庇部46は、接続面45の上端部及び下端部に連結され、接続面45から接続部39の接続方向(接続部39の開口39aの開口方向)に延びる板状の部位である。即ち、庇部46は、上面が接続面45と略直交する方向に延びる板状体である。本実施形態の庇部46は、上方から飛来する水を受ける部位として機能する。また、庇部46には、後述する付勢手段59の一端が連結される付勢連結部48と、後述する突出位置で横保持枠板の回動規制部54に当接可能な当接面49と、を備える(図11参照)。本実施形態で当接面49は付勢連結部48の前側の面として構成される。
【0040】
保持部42は、本体部40を保持する枠状の部位である。また、保持部42は、側板12に設けられる取付具15に固定可能である。具体的に、保持部42は、本体部40を内部に格納可能な枠状の保持枠部50と、保持枠部50に連結される板状の固定部51と、を備える。本実施形態の保持部42には固定部51が上下に離間して1対設けられる。このような保持部42は前方に開口し、本体部40を嵌入可能な嵌入空間を形成する。
【0041】
保持枠部50は、上下方向に延びる板状の縦保持枠部52と、縦保持枠部52の上端部及び下端部から左右方向の一方(本実施形態では左方)に向かって延びる一対の横保持枠部53と、を備える。縦保持枠部52は、上下方向長さが本体部40の上下方向長さよりも長い板状体であり、横保持枠部53は、左右方向長さが化粧板取付面44の左右方向長さと略同じ板状体である。
【0042】
横保持枠部53は、前端部分に、他方の横保持枠部53に向かって突出し、突出位置の装置本体31の当接面49が当接可能な回動規制部54を有する(図11参照)。また、横保持枠部53には、横枠部35の嵌合手段37が嵌合可能な嵌合溝55が形成される。本実施形態の回動規制部54は、上方の横保持枠部53の前端部分に設けられる下方に延伸する板状体、又は、下方の横保持枠部53の前端部分から上方に延伸する板状体である。嵌合溝55は、横保持枠部53の後端部分に形成される左右方向に延びる溝状の部位であり、本実施形態では上下方向に貫通した孔として形成されている。さらに、横保持枠部53は、後述する回動軸41を回動可能な状態で保持可能に構成されている。
【0043】
固定部51は、横保持枠部53に連結される板状の部位である。本実施形態の固定部51は上下方向に離間して一対設けられる。一方の固定部51は、上方の横保持枠部53から上方に向かって延伸するように設けられ、他方の固定部51は、下方の横保持枠部53から下方に向かって延伸するように設けられる。具体的に固定部51は、上下方向に沿って延びる平板状で、厚み方向に貫通し固着具を挿通可能な孔が形成された固定基部56と、固定基部56から前側に突出する位置決め突起57と、を備える。本実施形態の位置決め突起57は左右方向に離間して複数設けられる。また、位置決め突起57は、横枠部35の位置決め凹部38が嵌合した状態で、横枠部35の嵌合手段37が嵌合溝55に嵌合可能となる位置に設けられている。本実施形態で、一対の固定部51は、装置本体31の上下方向中心を基準として上下対称に構成されている。
【0044】
図11に示すように、回動軸41は、上下方向に沿って延びる軸体であり、本体部40が水平方向で回動するときの上下方向の軸心となる部位である。具体的に、回動軸41は、上下方向に延び、装置本体31と保持部42を連結する柱状の軸本体58と、軸本体58を一方側に回動するように付勢する付勢手段59と、軸本体58の回動を規制及び該規制を解除可能なロック機構(図示しない)と、軸本体58の回動速度を規制するロータリーダンパー(図示しない)と、を備える。本実施形態でロータリーダンパーは軸本体58に内蔵されている。また、ロック機構は、後述する退避位置で軸本体58の回動を規制するように構成されている。
【0045】
軸本体58は、一端部が装置本体31に対して相対回動不能に連結され、他端部が保持部42に対して相対回動可能に連結されている円柱状の部位である。また、軸本体58は、本体部40の幅方向(左右方向)の中途部分に連結されている。具体的に、軸本体58は、本体部40の幅方向の中央に対して、接続面45と反対側寄り(本実施形態では左寄り)の位置に連結されている。
【0046】
付勢手段59は、軸本体58を一方向に回動するように付勢する部位である。具体的に、付勢手段59は、一端部が回路本体部60に固定され、他端部が庇部46の付勢連結部48に連結されたコイルバネであり、弾発力によって他端部が一端部に対して離れる方向に移動しようとするように構成されている。即ち、本実施形態の付勢手段59は、装置本体31を介して軸本体58を付勢するように構成されている。また、本実施形態の付勢手段59は、後述する本体部40の突出位置から退避位置への移動に伴って圧縮され、退避位置から突出位置への移動に伴って復元するように構成されている。
【0047】
ロータリーダンパーは、軸本体58の回動に対して抵抗を与える部位である。例えば、ロータリーダンパーは、粘性の高い液体を内部に備え、該液体の粘性抵抗によって、回動軸41の回動に対して抵抗を与えるように構成されている。本実施形態のロータリーダンパーは、回動軸41の上端部及び下端部の少なくとも一方に設けられている。
【0048】
回路部43は、外部電源(例えば商用電源)と接続部39とを電気的に接続する回路を有する部位である。回路部43は、保持部42の後方に連結され、保持部42から後方に延出する、上下方向に延びた柱状の部位である。具体的に回路部43は、保持部42の後方に連結され、内部に接続部39と外部電源を電気的に接続する回路を有する回路本体部60と、回路本体部60から後方に延出し、外部電源と回路を電気的に接続する回路端子部61と、を備える。回路端子部61は、後端部に外部電源に電気的に接続された導線(リード線)と回路を電気的に接続する端子(図示しない)を内蔵している。このような回路部43は、装置挿入孔19aに嵌合可能に構成される。また、本実施形態の回路部43は、回路端子部61を除いて、装置本体31の上下方向の中心を基準として上下対称に構成されている。
【0049】
以上のような構成の接続装置14は、取付具15を介して側板12に取り付けられる。具体的には、装置本体31が取付具15に取り付けられ、取付具15に取り付けられた装置本体31に対して化粧枠32及び化粧板33が取付けられる。
【0050】
装置本体31は、固着具(例えばねじ)で取付具15に取り付けられる。具体的には、取付本体部19の固定孔19bと固定部51に形成された孔が重なるように固定部51を取付本体部19に重ね、重ねた孔に固着具を挿通する。また、このとき、回路部43は装置挿入孔19aに嵌合する。装置本体31は取付具15に取り付けられる。本実施形態の装置本体31では、回路部43が上下対称に構成されており、かつ、一対の固定部51が上下対称に設けられているので、上下を入れ替えても取付具15に対して装着可能である。なお、装置本体31の上下を入れ替えて取付具15に装着した場合には、後述する本体部40の回動方向が逆向きになる。
【0051】
化粧枠32は、取付具15に取り付けられた装置本体31に対して、前方から嵌め込みによって取り付けられる。具体的に、化粧枠32は、一対の横枠体を、上下方向において一対の横枠体で本体部40を挟むように配置しつつ位置決め凹部38を位置決め突起57に嵌合して化粧枠32の装置本体31に対する位置決めをし、嵌合溝55に嵌合手段37を嵌合させることで装置本体31に取り付けられる。
【0052】
化粧板33は、化粧枠32が取付けられた装置本体31の化粧板取付面44に取り付けられる。具体的には、化粧板取付面44に設けられた板取付部47に化粧板33の被取付部を嵌合することで、化粧板33は装置本体31に取付けられる。なお、板取付部47と被取付部の嵌合に加えて、接着などの手段を併用することもできる。装置本体31に化粧板33が取付けられると、装置本体31及び横枠部35の前面が化粧板33に覆われる。
【0053】
以上のような手順で接続装置14は取付具15を介して側板12に取り付けられる。図12及び図13に示すように、接続装置14が取り付けられると、取付空間2aの前面は接続装置14によって覆われるので、後述する突出位置の場合でも退避位置の場合でも取付空間2aを介してキャビネット2の内部を視認することができなくなる。
【0054】
以上のような構成の天板付きキャビネット1の使用方法について図12乃至図17を参照して説明する。
【0055】
接続装置14は、水平方向において、接続部39の少なくとも一部が外方端部の先端面と側面1bとの間に位置する突出位置と、突出位置よりも側面1b側に位置する退避位置とを切り替え可能である。本実施形態の突出位置は、接続部39の少なくとも一部が天板3の前端3aよりも後方かつキャビネット2の前面よりも前方に位置する位置であり、退避位置は、接続部39が突出位置よりも後方に位置する位置である。
【0056】
図12図14、及び図16に示すように、本実施形態の接続装置14は、退避位置の状態で、接続部39の全部が側板12(幕板17)の前面よりも後方に位置し、接続部39の全部がキャビネット2内に格納された状態となる。即ち、本実施形態の接続装置14は、退避位置の状態で、接続面45の全部が前面から隠れた状態となる。また、退避位置の接続装置14では、庇部46の全部がキャビネット2の内部に格納された状態となる。さらに、接続装置14が退避位置の時に、接続装置14の外面(前面)と側板12の外面(前面)は略面一となる。具体的には、接続装置14が退避位置の時に、化粧板取付面44は、前面と平行に延び、また、化粧板33の前面と化粧枠32の前面(縦枠前面34a)と側板12の外面(幕板17の前面)とは略面一になる。さらに、本実施形態では、接続装置14が退避位置の時に、化粧枠32の上面である枠上面32aが幕板17の上面と略面一になり、化粧枠32の下面である枠下面32bが幕板17の下面と略面一になり、化粧枠32の側面である枠側面32cが前板18の左側面と略面一になる。
【0057】
図13図15、及び図17に示すように、本実施形態の接続装置14は、突出位置の状態で、接続部39の全部が側板12(幕板17)の前面よりも前方、かつ、天板3の前端3aよりも後方に位置し、接続部39の全部がキャビネット2の内部から露出した状態となる。即ち、本実施形態の接続装置14は、突出位置の状態で、接続面45の全部が前面から露出した状態となる。また、突出位置の接続装置14は、庇部46もキャビネット2の内部から露出し、露出した接続部39の上方を覆う状態となる。本実施形態の接続装置14は、突出位置の時に、本体部40の一部が天板3の前端3aよりも前側に位置し、かつ、接続部39の全部が天板3の前端3aよりも後方に位置した状態となる。さらに、退避位置の接続部39は、開口方向(接続部39に対して外部機器の接続端子を接続する方向)が水平方向を向き、具体的には、水平方向における化粧板33の向きと略同じ向きとなる。また、本実施形態の接続装置14は、退避位置で角部40aが前後方向で前端3aと略同じ位置に位置する。
【0058】
本実施形態の接続装置14は、本体部40の回動軸41を軸心とした回動により突出位置と退避位置とを切り替え可能であり、具体的には、主にロック機構と付勢手段59によって、突出位置と退避位置の切り替えがされる。本実施形態の本体部40は、突出位置から退避位置への回動により、右方が前側に左方が後側に移動する。本実施形態で、ロック機構は、接続部39が退避位置からさらに後方に移動するように軸本体58が回動すると、軸本体58の突出位置への回動を規制する規制状態となり、ロック機構が規制状態のときに接続部39が後方に移動する方向に軸本体58を回動させると前記規制を解除した回動許容状態となる。即ち、本体部40を後方に回動させ、突出位置の接続部39を退避位置まで移動させると、ロック機構が回動軸41の回動を規制し、接続装置14は退避位置を維持する。また、退避位置を維持する接続装置14の本体部40を後方に押し込むと、ロック機構が回動許容状態となり、軸本体58が回動可能となり、付勢手段59によって前方に回動するように付勢され、突出位置まで移動する。突出位置まで移動すると、庇部46に設けられた当接面49が横保持枠部53の回動規制部54に当接し、さらなる回動が規制され、突出位置を維持する。本実施形態の本体部40は、突出位置から退避位置への移動又は退避位置から突出位置への移動の際に、90度未満の角度分回動する。
【0059】
接続装置14が突出位置に移動する際に、化粧板33のうち、回動軸41よりも左方に位置する部分は、退避空間35aに退避する。化粧板33のうち、回動軸41よりも左方に位置する部分は、退避位置から突出位置への回動の際に後方に移動する。ここで、退避空間35aが形成されているので、この後方に移動する部分が別の部分と干渉し、回動の妨げになることを抑制できる。また、本体部40のうち、回動軸41よりも左方に位置する部分も同様に、回動の途中段階で、後方且つ左方に移動する。ここで、退避空間35aが形成されているので、本体部40の後方に移動する部分が別の部分と干渉し、回動の妨げになることを抑制できる。
【0060】
以上のような構成の天板付きキャビネット1によれば、接続装置14は突出位置と退避位置を切り替え可能であり、突出位置においては、接続部39の少なくとも一部が外方端部の先端面と側面1bとの間に位置するので、突出位置においては接続部39が接続端子を接続するのに程よい位置に位置するため、接続部39に外部機器の接続端子を接続しやすい。よって、外部機器の接続端子を接続部39に接続しやすくできる。
【0061】
また、本体部40が上下方向に延びる回動軸41を軸心に回動して突出位置と退避位置を切り替え可能であるので、突出位置と退避位置とを切り替えやすい。
【0062】
さらに、接続部39の上部に、接続部39への接続方向で外方に延伸する庇部46が設けられるので、庇部46によって天板3から落下した水が接続部39にかかることを抑制できる。
【0063】
また、回動軸41は本体部40の幅方向の中途部分に設けられるので、回動軸41の分だけ接続装置14が幅方向において大型化することを抑制できる。
【0064】
さらに、接続部39及び庇部46は、退避位置で、キャビネット2の内部に格納されるので、退避位置のときに接続部39及び庇部46に水がかかることを抑制できる。よって、退避位置の接続部39に庇部46から伝って水がかかることを抑制できる。
【0065】
また、本体部40は、上下方向に延びる軸中心に回動可能に構成され、接続装置14は、突出位置において、接続部39がキャビネット2の前後方向及び上下方向に直交する左右方向において一方側に向く状態、及び、接続部39が左右方向において他方側に向く状態、のうちいずれかを選択してキャビネット2に取り付け可能である。よって、天板付きキャビネット1が設置される環境に合わせて接続部39の向きを選択できるので、利便性が向上する。なお、退避位置での接続部39の向きに合わせて、退避空間35aの位置を適宜調整できる。
【0066】
さらに、接続装置14は、取付具15に固定され、回動軸41を介して本体部40を保持する保持部42と、退避位置の本体部40が突出位置へ回動することを規制する規制状態及び退避位置の本体部40が突出位置へ回動することを許容する許容状態を切り替え可能なロック機構と、突出位置で固定部51に係止し、本体部40が突出位置を超えて前方に回動することを規制する前方規制手段(回動規制部54及び当接面49)と、を備え、回動軸41は、本体部40を退避位置から突出位置へと回動するように付勢する付勢手段59と、本体部40が退避位置から突出位置へと移動する場合における回動速度を規制するロータリーダンパーとを備える。よって、ロック機構の規制を解除すると本体部40は付勢手段59の付勢とロータリーダンパーの速度規制によってゆっくりと退避位置から突出位置へ移動し、前方規制手段に当接して係止するため、本体部40が勢いよく前方規制手段に当接することを抑制できる。しかも、回動軸41が本体部40の幅方向の中途部分に設けられるので、ロータリーダンパーの分だけ接続装置14が幅方向において大型化することを抑制できる。
【0067】
また、接続装置14は、キャビネット2に固定され、回動軸41を介して本体部40を保持する固定部51を備え、固定部51は、前方に開口し、本体部40が嵌入される嵌入空間を形成し、嵌入空間は、少なくとも突出位置において、前方が本体部40に覆われるように構成される。よって接続装置14が突出位置の場合にも接続装置14を通してキャビネット2の内部を視認可能となることを抑制できるので、意匠性が高まる。
【0068】
さらに、取付空間2aの前面は接続装置14によって覆われるので、取付空間2aを介してキャビネット2の内部を視認可能となることを抑制できるため、意匠性が高まる。
【0069】
また、接続装置14は、突出位置において、一部が天板3の前端3aよりも前方に位置するので、突出位置の場合には、天板3の上方から接続装置14の一部を視認可能であるため、接続装置が突出位置か退避位置かを確認しやすい。
【0070】
さらに、接続装置14は、ロック機構によって、退避位置から退避方向に押すことで、突出方向への移動が許容されるように構成され、かつ、取付具15を介して左右方向に延びる面(幕板17の後面)及び前後方向に延びる面(仕切板16の右面)に固定されるので、接続装置14を側板12にしっかり固定できて、且つ押し操作ができるので、操作感が良くなる。
【0071】
以上、本発明の実施形態について一例を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0072】
例えば、天板付きキャビネット1として、キッチンに設置される調理台を例に挙げて説明したが、このような構成に限らず、洗面所に配置される洗面台や、キッチンに配置される食器棚などに本発明を適用することもできる。天板付きキャビネット1を洗面台として構成する場合には、キャビネット2の上部に、平坦な上面を有する天板としてのフランジと、フランジから下方に窪むように設けられるボウル部と、を備える洗面ボウルを設けることができる。また、天板付きキャビネット1を調理台として構成する場合であっても、本実施形態のように、シンク5、作業面(作業台部9の上面)、及び加熱調理器7を備える場合に限らず、例えば、シンク5のみを備えるように構成することもできる。
【0073】
また、接続部39としてプラグ受けを例に挙げて説明したが、このような構成に限らず、種々の構成の接続部39を構成することができる。例えば、接続部39を送受電及び電気信号の送受信が可能なUSBポートとして構成することもできるし、電気信号の送受信のみ可能なLANポートやHDMI(登録商標)ポートとして構成することもできる。また、1つの接続装置14に複数種類の接続部39を設けることもできる。しかも、接続部39をオスの端子として構成し、メスの接続端子を有する外部機器を接続可能に構成することもできる。
【0074】
さらに、接続装置14はシンク部6に設けられる場合について説明したが、このような構成に限らず、キャビネット2の任意の位置に設けることができる。例えば、接続装置14を加熱調理器7と左離間部231(天板3のうち加熱調理器7が位置する側の端部と加熱調理器7の間)の下方に設けることもできる。このような構成によれば、加熱調理器7から建築物の壁に延焼することを抑制するべく設けられる加熱調理器7と天板3の端部との間の空間を有効活用できる。また、接続装置14を作業台部9に設けることもできる。このような構成によれば、作業台部9に載置した外部機器の接続端子を接続部39に接続しやすい。
【0075】
また、接続装置14は退避位置の時に接続部39の全部がキャビネット2の内部に格納される場合について説明したが、このような構成に限らず、退避位置においても接続部39の一部又は全部がキャビネット2から露出するように構成することもできる。
【0076】
さらに、幕板17は移動不能に固定される場合について説明したが、このような構成に限らず、例えば、幕板17が開閉可能なように構成し、側板12の内方に包丁などを格納可能に構成することもできる。このような場合、幕板17の前面とは、幕板17が閉じた状態を基準とする。
【0077】
また、天板付きキャビネット1は、シンク5、作業面、及び加熱調理器7が一直線状に並んで配置される場合について説明したが、このような場合に限らず、例えば、シンク5、作業面、及び加熱調理器7がL字状に並んで配置されるように構成することもできる。このような構成の場合における前面は、水道設備4を使用する使用者が主に対向する面であり、シンク5、作業面、及び加熱調理器7が並ぶ方向に沿って延びる、平面視L字状に連続した面である。
【0078】
さらに、回動軸41は接続装置14の幅方向の中途部分に設けられる場合について説明したが、このような構成に限らず、幅方向の端部に設けられるように構成することもできる。
【0079】
また、接続部39への接続方向は、接続面45と直交する方向に延びる場合について説明したが、このような場合に限らず、接続面45に対して斜め上向きまたは斜め下向きに設けることもできる。
【0080】
さらに、接続装置14は、キャビネット2の前面に設けられる場合について説明したが、このような場合に限らず、左面、後面、右面のいずれかに設けることもできる。例えば、接続装置14を左面に設ける場合には、天板3がキャビネット2の左面よりも左側に位置した外方端部を備えるように構成すればよい。また、接続装置14を後面に設ける場合には、主に水道設備4を使用する使用者に対向する面と反対側の面(例えば、カウンターキッチンにおけるダイニング側)から接続装置14を操作可能となるので、後面側からの使い勝手が良くなる。さらに、接続装置14をキャビネット2の側面のうち、複数の面に配置することもできる。このように構成する場合には、天板3も外方端部を複数有するように構成することができる。
【0081】
また、天板付きキャビネット1は、屋内に設置される場合について説明したが、このような構成に限らず、屋外に設置されるよう構成することもできる。
【符号の説明】
【0082】
1…天板付きキャビネット、2…キャビネット、3…天板、4…水道設備、5…シンク、6…シンク部、7…加熱調理器、8…加熱部、9…作業台部、11…底部、12…側板、13…引き出し部、14…接続装置、15…取付具、16…仕切板、17…幕板、18…前板、19…取付本体部、20…前面部対向部、21…仕切板対向部、22…シンク天板部、23…加熱天板部、24…作業天板部、31…装置本体、32…化粧枠、33…化粧板、34…縦枠部、35…横枠部、36…横枠本体部、37…嵌合手段、38…位置決め凹部、39…接続部、40…本体部、41…回動軸、42…保持部、43…回路部、44…化粧板取付面、45…接続面、46…庇部、47…板取付部、48…付勢連結部、49…当接面、50…保持枠部、51…固定部、52…縦保持枠部、53…横保持枠部、54…回動規制部、55…嵌合溝、56…固定基部、57…位置決め突起、58…軸本体、59…付勢手段、60…回路本体部、61…回路端子部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17