(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129168
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】アタッチメントの姿勢制御装置
(51)【国際特許分類】
E02F 3/40 20060101AFI20230907BHJP
【FI】
E02F3/40 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022046066
(22)【出願日】2022-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】593003949
【氏名又は名称】ウエダ産業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】植田 敏治
(72)【発明者】
【氏名】吉川 忠男
【テーマコード(参考)】
2D012
【Fターム(参考)】
2D012GB00
(57)【要約】
【課題】油圧ショベル先端とアタッチメントとの間に配置し、アタッチメントの左右傾動と旋回を安定して行うアタッチメントの姿勢制御装置を提供する。
【解決手段】油圧ショベル先端に取り付ける本体フレーム(1)に軸支して傾動する傾動フレーム(2)を傾動させる油圧シリンダー(3)のストロークを短小化させるため、本体フレーム(1)に支承した傾動フレーム(2)の傾動中心(12)に直角な面に設けた揺動ビーム(4)を設け、油圧シリンダー(3)を本体フレーム(1)に軸支し、揺動ビームに(4)の両支点(5)(7)間の支点(6)に油圧シリンダー(3)のピストンロッドヘッドをピン支承したことを特徴とするアタッチメント姿勢制御装置を提供する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧ショベルの先端とアッタチメントの間に取り付け、アタッチメントを左右に傾動及び旋回させる装置において、本体フレーム(1)に支承した傾動フレーム(2)の傾動中心(12)に直角な面に揺動ビーム(4)を設け、本体フレーム(1)に支承した油圧シリンダー(3)のロッドヘッドを揺動ビーム(4)の両支点(5)(7)間の支点(6)にピン支承し、揺動ビーム(4)の一端(5)を本体フレーム(1)に、他端(7)はリンク(8)を介して傾動フレーム(2)にピン結合したことを特徴とするアタッチメント姿勢制御装置。
【請求項2】
姿勢制御装置の容量または姿勢制御装置の形状に応じて、油圧シリンダー(3)を複数または単一個の選択を可能にしたことを特徴とする請求項1。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、油圧ショベルとアッタチメントの間に取り付けるアタッチメントの姿勢制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベルとアッタチメントの間にアタッチメントの姿勢制御装置を取り付け、アタッチメントを左右傾動と旋回させる姿勢制御装置の傾動用油圧シリンダーを、本体フレームと傾動フレームに直接軸支する場合、油圧シリンダーが長尺となり、アタッチメントの作業や、油圧ショベルの搬送において、長尺の油圧シリンダーが視界を遮ったり、他と干渉し、アタッチメントの作業に邪魔になり、安全作業、安心作業が難しいことがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、先行技術文献の特願2021-109619のシリンダー(28)が長尺のため、油圧ショベル先端の両サイドのスペースを広範囲に占有し、作業性を損ね、また油圧ショベルの搬送時には他と干渉するなどの欠点を有していた。これらの欠点を解消するため、油圧シリンダーの長さを縮小して、アタッチメントの姿勢制御装置のコンパクト化をはかり、作業者の作業視野を拡大し、アタッチメントの使用の利便性、安全作業性、便宜性を向上させたアタッチメントの姿勢制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明では、本装置を油圧ショベルのアーム先端に取り付け、さらに本装置に作業用のアッタチメントを取り付け、油圧ショベルによる本装置の前後傾動と本装置の傾動フレームの左右傾動と旋回を組み合わせて、アタッチメントの前後、左右の傾動と旋回する装置において、本装置の本体フレーム(1)に支承した油圧シリンダー(3)のロッドヘッドを、本体フレーム(1)に支承した傾動フレーム(2)の傾動中心(12)と直角な面に設けた揺動ビーム(4)の両支点(5)(7)間の(6)に支承し、揺動ビーム(4)の一端(5)を本体フレーム(1)に、他端(7)はリンク(8)を介して傾動フレーム(2)にピン結合し、傾動フレー(2)を傾動させる油圧シリンダー(3)のストロークを従来のほぼ1/2として、作業空間や作業環境への視野を広くし、作業員の警戒・疲労感を減少させること及び本装置をコンパクト化することを特徴とするアタッチメントの姿勢制御装置を提供する。
【0006】
上記構成によれば、油圧ショベルのアーム先端に取り付けた本体フレーム(1)と傾動フレーム(2)との間に設ける油圧シリンダー(3)のストロークを短くでき、本装置がコンパクトになり、作業空間の見通しがよく、アタッチメント作業の安全性を増すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】この発明の油圧ショベル取り付け搬送姿勢の図
【
図3】この発明の複数シリンダー45°左傾動正面図
【
図6】この発明の単一シリンダー45°左傾動正面図
【
図7】この発明の単一シリンダー45°右傾動正面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
この発明では、本装置を油圧ショベルのアーム先端に取り付け、さらに本装置に作業用のアッタチメントを取り付け、油圧ショベルによる本装置の前後傾動と本装置の傾動フレームの左右傾動と旋回を組み合わせて、アタッチメントの前後、左右の傾動と旋回する装置において、本装置の本体フレーム(1)に支点(13)で傾動する油圧シリンダー(3)のロッドヘッドを、本体フレーム(1)に傾動フレーム(2)の傾動中心(12)と直角な面に設けた揺動ビーム(4)の両支点(5)(7)間の支点(6)に支承し、揺動ビームの一端(5)を本体フレーム(1)に、他端(7)はリンク(8)を介して傾動フレーム(2)のブラケット(9)にピン結合し、傾動フレーム(2)を傾動させる油圧シリンダー(3)のストロークを従来のほぼ1/2として、作業空間や作業環境への視野が広くなること及び、作業員の警戒・疲労感を減少させること及び本装置をコンパクト化したことを特徴とするアタッチメントの姿勢制御装置を提供する。
【0009】
前記油圧シリンダー(3)を左右複数個設けた実施例を
図2、
図3に示す。油圧シリンダー(3)を揺動ビーム(4)の両支点A(5)、B(7)の間の支点C(6)に結合し、揺動ビーム(4)の倍力作用により油圧シリンダー(3)の推力を大きくし、ピストンロッドのストロークを短くすることができる。
【0010】
傾動フレーム(2)の必要傾動モーメントが決まると、揺動ビーム(4)の両支点A(5)、B(7)の間の支点C(6)の位置の選定し、油圧シリンダー(3)の推力の大きさと、油圧シリンダー(3)のピストンストロークを決めることができる。
【0011】
図3の傾動フレーム(2)
を左45°傾動すると、左右複数の油圧シリンダー(3)のストロークは、
図3の左は縮限側、右は伸長限側となることを示す。
【0012】
図4は油圧シリンダー(3)を単一にした実施例の正面図である。揺動ビーム(4)の形状は湾曲しているが、
図2、
図3の揺動ビーム(4)と同様の効果を発揮する。
【0013】
図2の複数個の油圧シリンダー(3)又は、
図4の単一油圧シリンダー(3)かの選択は、姿勢制御装置の容量及び、形状により自由に決めることができる。
【0014】
図5は、
図4の側面図である。アタッチメント取り付け部(15)は、アタッチメントのピン間に合わせるように調整具(16)が設けてあることを示している。
【0015】
また
図5は、中心部にスイベルジョイント(17)を設け、アタッチメントへ油圧を導くことができることを示している。
【0016】
【符号の説明】
【0017】
1 本体レーム
2 傾動フレーム
3 油圧シリンダー
4 揺動ビーム
5 支点A
6 支点C
7 支点B
8 リンク
9 ブラケット
10 支点D
11 ウオームギヤー
12 傾動中心
13 シリンダー軸受
14 ピストンロッド
15 アタッチメント取り付け部
16 ピン間距離調整具
17 スイベルジョイント
18 油圧制御弁