(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129182
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】リバーロキサバン錠剤およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/5377 20060101AFI20230907BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20230907BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20230907BHJP
A61P 7/02 20060101ALI20230907BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
A61K31/5377
A61K9/20
A61K47/38
A61P7/02
A61K47/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022078484
(22)【出願日】2022-04-19
(31)【優先権主張番号】P 2022044619
(32)【優先日】2022-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000169880
【氏名又は名称】高田製薬株式会社
(72)【発明者】
【氏名】田村 優樹
(72)【発明者】
【氏名】曽根 康平
(72)【発明者】
【氏名】山崎 大夢
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA36
4C076BB01
4C076CC14
4C076DD27
4C076DD38
4C076DD47
4C076DD55
4C076EE16B
4C076EE31
4C076EE32
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC73
4C086GA04
4C086GA09
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA35
4C086MA52
4C086NA05
4C086NA11
4C086ZA54
(57)【要約】
【課題】溶出性と崩壊性がともに優れるリバーロキサバン錠剤とその製造方法を提供する。
【解決手段】リバーロキサバンとヒドロキシプロピルメチルセルロースとを含む造粒物を含有するリバーロキサバン錠剤であって、リバーロキサバン錠剤100質量%中のヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量が0.55質量%以下である、リバーロキサバン錠剤により解決される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リバーロキサバンとヒドロキシプロピルメチルセルロースとを含む造粒物を含有するリバーロキサバン錠剤であって、前記リバーロキサバン錠剤100質量%中の前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量が、0.55質量%以下である、リバーロキサバン錠剤。
【請求項2】
前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、前記造粒物のみに含まれる、請求項1に記載のリバーロキサバン錠剤。
【請求項3】
表面にコーティングを有しない口腔内崩壊錠である、請求項1または2に記載のリバーロキサバン錠剤。
【請求項4】
造粒物と該造粒物以外の成分とからなり、崩壊剤を前記造粒物以外の成分中に少なくとも含有する、請求項3に記載のリバーロキサバン錠剤。
【請求項5】
前記崩壊剤がクロスポビドンである、請求項4に記載のリバーロキサバン錠剤。
【請求項6】
リバーロキサバンとヒドロキシプロピルメチルセルロースとを含む造粒物を含有するリバーロキサバン錠剤の製造方法であって、
前記リバーロキサバン錠剤100質量%中の前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量が、0.55質量%以下である、リバーロキサバン錠剤の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リバーロキサバン錠剤およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リバーロキサバン、すなわち、(5-クロロ-N-([(5S)-2-オキソ-3-[4-(3-オキソ-4-モルホリニル)-フェニル]-1,3-オキサゾリジン-5-イル]-メチル)-2-チオフェンカルボキサミドは、血液凝固を阻止する作用を有する経口第Xa因子阻害剤として知られている。リバーロキサバンは水にほとんど溶けないため、これを有効成分として含む錠剤の開発においては、溶出性を向上するための検討が重要である。
また、錠剤が口腔内崩壊錠の場合等には、溶出性とともに、口腔内での速やかな崩壊性も必要とされるため、溶出性と崩壊性とをともに備えた錠剤の開発が求められる。
【0003】
リバーロキサバンを含有する口腔内崩壊錠の製法に関する特許文献1には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の水溶性高分子をリバーロキサバンとともに造粒物に含有させると、得られた口腔内崩壊錠は溶出性には優れるものの崩壊性が大幅に低下することから、水溶性高分子を造粒物ではなく後添加物に添加することにより、溶出性と崩壊性の両立を図ろうとする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、溶出性と崩壊性がともに優れるリバーロキサバン錠剤とその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースをリバーロキサバンとともに造粒物に含有させると溶出性が優れる点に着目し、鋭意検討を進めた。その結果、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを造粒物に含有させた場合でも、その含有量を特定の限定された範囲内とすれば、優れた溶出性を維持しつつ、崩壊性の低下も抑制できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
本発明は以下の態様を有する。
〔1〕リバーロキサバンとヒドロキシプロピルメチルセルロースとを含む造粒物を含有するリバーロキサバン錠剤であって、前記リバーロキサバン錠剤100質量%中の前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量が、0.55質量%以下である、リバーロキサバン錠剤。
〔2〕前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、前記造粒物のみに含まれる、〔1〕に記載のリバーロキサバン錠剤。
〔3〕表面にコーティングを有しない口腔内崩壊錠である、〔1〕または〔2〕に記載のリバーロキサバン錠剤。
〔4〕造粒物と該造粒物以外の成分とからなり、崩壊剤を前記造粒物以外の成分中に少なくとも含有する、〔3〕に記載のリバーロキサバン錠剤。
〔5〕前記崩壊剤がクロスポビドンである、〔4〕に記載のリバーロキサバン錠剤。
〔6〕リバーロキサバンとヒドロキシプロピルメチルセルロースとを含む造粒物を含有するリバーロキサバン錠剤の製造方法であって、
前記リバーロキサバン錠剤100質量%中の前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量が、0.55質量%以下である、リバーロキサバン錠剤の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、溶出性と崩壊性がともに優れるリバーロキサバン錠剤とその製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】例示した各錠剤について、ヒドロキシプロピルメチルセルロース含有量に対して崩壊時間をプロットしたグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のリバーロキサバン錠剤(以下、単に錠剤という場合もある。)は、リバーロキサバンとヒドロキシプロピルメチルセルロース(以下、ヒプロメロースともいう。)とを含む造粒物を含有する。
【0011】
リバーロキサバンとしては、特に制限はなく、市場より入手可能なものを使用できる。結晶形態でも、アモルファス形態でもよい。リバーロキサバンは造粒物中に含有させる。錠剤中のリバーロキサバンの量は、錠剤を100質量%とした場合、たとえば2~30質量%とすることができ、好ましくは5~20質量%、より好ましくは5~15質量%である。
【0012】
ヒプロメロースとしても、市場より入手可能なものを使用でき、たとえば、日本薬局方に規定されている水溶液粘度(20℃における2%水溶液とした際の粘度)が、100mPa・s以下のものが好ましく使用できる。より好ましい水溶液粘度は、1~50mPa・sである。
【0013】
本発明の錠剤は、錠剤100質量%中のヒプロメロースの含有量が0.55質量%以下である。このような少量の範囲内となるように、ヒプロメロースを造粒物中に含有させることによって、錠剤の優れた溶出性を維持しながら、崩壊性の低下を抑制し、溶出性と崩壊性がともに優れるリバーロキサバン錠剤とすることができる。錠剤100質量%中のヒプロメロースの含有量は0.50質量%以下が好ましく、0.40質量%以下がより好ましく、0.20質量%以下がさらに好ましい。ヒプロメロースを造粒物中に含有させた際の錠剤100質量%中の含有量が、上記上限値を超えると、崩壊性は良好でなくなり、また、錠剤間の崩壊性のばらつきが大きくなる傾向もあり、溶出性と崩壊性の両立は困難である。
【0014】
錠剤100質量%中のヒプロメロースの含有量の下限値は、0.03質量%が好ましく、0.05質量%がより好ましく、0.1質量%がさらに好ましい。ヒプロメロースの含有量が上記下限値以上であれば、ヒプロメロースを造粒物中に添加することによる効果が十分に得られ、溶出性と崩壊性を両立できる。
【0015】
造粒物を100質量%とした場合のヒプロメロースの含有量は、0.80質量%以下であることが好ましく、0.60質量%以下であることがより好ましく、0.30質量%以下であることが最も好ましい。造粒物100質量%中のヒプロメロースの含有量の下限値は、0.05質量%が好ましく、0.10質量%がより好ましく、0.15質量%が特に好ましい。錠剤を100質量%とした時のヒプロメロースの含有量に加えて、造粒物を100質量%とした時のヒプロメロースの含有量も上記のように調整することにより、溶出性と崩壊性を両立させる点で好ましい。
【0016】
ヒプロメロースは、錠剤中において、造粒物のみに含まれていることが好ましい。これにより、錠剤の溶出性と崩壊性とをさらにバランスよく両立させることができる。
【0017】
本発明の錠剤の態様には特に制限はなく、即放性、徐放性のいずれでもよく、また、普通錠でも口腔内崩壊錠でもよいが、本発明によれば溶出性と崩壊性とがともに良好な錠剤とすることができるため、口腔内崩壊錠であることが特に好ましい。口腔内崩壊錠としては、コーティングを有しない裸錠からなるものが好ましい。
【0018】
本発明の錠剤は、リバーロキサバンとヒプロメロースの他に、医薬品分野で使用可能な各種添加物を含有することができる。通常、錠剤は、造粒物と、造粒物に対して必要に応じて添加される後添加物との混合物を打錠する打錠工程を有する方法により製造されるが、この場合添加物は、造粒物に含まれていても、後添加物(造粒物以外の成分)に含まれていても、両方に含まれていてもよい。
【0019】
添加物としては、例えば賦形剤、崩壊剤、結合剤、界面活性剤、滑沢剤、着色剤等が挙げられる。
賦形剤としては、たとえば、結晶セルロース、乳糖水和物、無水乳糖、D-マンニトール、精製白糖、バレイショデンプン、アルファー化デンプン等が挙げられ、これらのうちの1種以上を必要に応じて使用できるが、結晶セルロースおよびD-マンニトールのうちの1種以上を使用することが好ましく、両方を含むことが好ましい。また、賦形剤は造粒物および後添加物のいずれにも含むことができる。
賦形剤の含有量は、錠剤100質量%中、50~95質量%が好ましく、60~90質量%がより好ましく、70~85質量%がさらに好ましい。
【0020】
崩壊剤としては、たとえば、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、カルメロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、トウモロコシデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、部分アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ等が挙げられ、これらのうちの1種以上を必要に応じて使用できるが、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよびクロスポビドンのうちの1種以上を使用することが好ましく、両方を含むことが好ましい。また、崩壊剤は造粒物および後添加物のいずれにも含むことができるが、崩壊性の点から、少なくとも後添加物に含まれることが好ましく、後添加物に含まれる崩壊剤としてはクロスポビドンが好ましい。
【0021】
錠剤に含まれる崩壊剤の量は、錠剤100質量%中、1~20質量%が好ましく、1~15質量%がさらに好ましく、1~10質量%が特に好ましい。
後添加物に含まれる崩壊剤の量は、錠剤100質量%中、1~10質量%が好ましく、1~8質量%がさらに好ましい。
崩壊剤が造粒物と後添加物の両方に含まれる場合、造粒物に含まれる崩壊剤の量(a)と、後添加物に含まれる崩壊剤の量(b)との比率a/bは、0.1~3が好ましく、0.5~2がより好ましい。
【0022】
結合剤としては、ヒプロメロース以外に、たとえば、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ステアリルアルコール、アンモニオメタクリレート・コポリマー、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、デキストリン、水アメ等が挙げられ、これらのうちの1種以上を必要に応じて使用してもよいが、使用しないことが本発明の効果が得られやすい点で好ましい。
【0023】
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート80等が挙げられ、錠剤100質量%中、0.1~5質量%が好ましく、0.1~3質量%がより好ましく、0.1~1質量%がさらに好ましい。これらのうちの1種以上を使用できる。界面活性剤は造粒物に添加することが好ましい。
【0024】
滑沢剤としては、たとえば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等のステアリン酸金属塩、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル類、フマル酸ステアリルナトリウム等が挙げられ、これらのうち1種以上を使用できる。なかでもフマル酸ステアリルナトリウムが好ましい。
滑沢剤の含有量は、錠剤100質量%中、0.1~5質量%が好ましく、0.5~4質量%がより好ましく、0.5~3質量%がさらに好ましい。滑沢剤は、後添加物に添加することが好ましい。
【0025】
着色剤としては、たとえば黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、食用黄色4号、食用黄色5号、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号等が挙げられ、これらのうちの1種以上を使用できる。
その他の添加剤としては、軽質無水ケイ酸、酸化チタン、カルナウバロウ等が挙げられる。
【0026】
本発明の錠剤の製造方法は、リバーロキサバンとヒドロキシプロピルメチルセルロースとを含む造粒物を含有するリバーロキサバン錠剤の製造方法であって、リバーロキサバン錠剤100質量%中のヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量を0.55質量%以下とする方法である。
【0027】
具体的には、リバーロキサバンとヒプロメロースを含有する造粒物を得る造粒工程と、造粒工程で得られた造粒物に必要に応じて後添加物を加え、得られた打錠用組成物を打錠する打錠工程とを有する方法が好ましい。造粒工程は、流動層造粒、撹拌造粒等の公知の湿式造粒方法で行うことが好ましく、撹拌造粒が好ましい。
湿式造粒の場合、公知の造粒装置を用い、造粒用組成物に溶媒を加えて造粒するが、溶媒としては、水、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類等を使用でき、これらのうちの1種を用いても、2種以上を混合して用いてもよい。ヒプロメロースは、ここで溶媒に溶解させることにより、造粒物に含ませることが好ましい。
打錠工程には、錠剤成形に一般に使用される打錠機を使用できる。打錠工程の後には、必要に応じて、得られた錠剤をコーティングする被覆工程等、他の工程を行ってもよい。
【実施例0028】
[例1~5]
下記の表1の処方に従い、一錠あたり127.5mgの錠剤(口腔内崩壊錠)を製造した。
具体的には、まず、表1の造粒物の欄に記載の各成分のうち、ヒプロメロース以外の成分を混合して造粒用組成物とし、水とエタノールの1:1混液にヒプロメロースを溶解させた液を造粒用組成物に加えて撹拌造粒し、ついで乾燥、整粒を行い、整粒物(造粒物)を得た。撹拌造粒には、撹拌混合造粒機(バーチカルグラニュレータ(FM-VG-10型)、パウレック社製)を用いた。ヒプロメロースとしては、20℃における2%水溶液とした際の粘度が3mPa・sのものを用いた。
ついで、得られた整粒物に対して、表1の後添加物の欄に記載の各成分を加えて混合して打錠用組成物とし、これをロータリー打錠機(VELA5、菊水製作所製)で打錠成形し、例1~5の錠剤をそれぞれ得た。
得られた各錠剤について、以下の方法により、平均溶出率と崩壊性(崩壊時間)を評価した。
【0029】
<平均溶出率>
得られた錠剤1個と試験液(水)900mLとを用い、パドル法により、毎分50回転で溶出試験を行った。試験開始から所定時間後(15分後、360分後)に、溶出液10mLを正確に採り、直ちに37±0.5℃に加温した試験液10mLを正確に補った。この液を孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過し、初めのろ液5mLを除き,次のろ液2mLを正確に量りとった。これに試験液1mLを正確に加え,アセトニトリル/水混液(7:3)を1mL加え,試料溶液とした。
一方、定量用リバーロキサバン約33mgをアセトニトリル/水混液(7:3)100mLに溶かし、この液10mLを正確に量りとり、アセトニトリル/水混液(7:3)を加えて正確に100mLとした。この液1mLを正確に量りとり、試験液3mLを加え、標準溶液とした。
試料溶液及び標準溶液について、HPLC法により試験を行い、波長248nmにおける紫外吸収を測定しクロマトグラムを得て、各試料溶液の溶出試験開始15分後、360分後における溶出率(%)を標準溶液のピーク面積を基準として求めた。
なお、移動相には、過塩素酸溶液(過塩素酸43mLを精製水に溶解して全量50000mLとした濃度の液)を1000mL調製し、ここから650mLとり、アセトニトリル280mL、メタノールを70mL加えたものを用いた。
【0030】
<崩壊性(崩壊時間)>
崩壊試験器(NT-400、富山産業社製)を用い日本薬局方の崩壊試験法に則して、各例について6錠ずつ崩壊時間を測定した(n=6)。
表1に、各例における6錠の崩壊時間の平均値を示す。
図1に、ヒプロメロースの含有量に対して崩壊時間をプロットしたグラフを示す。各々のプロットは6錠の崩壊時間の平均値であり、各プロットに設けられている縦軸方向のバーは6錠の崩壊時間のうちの最大値と最小値を結んだものである。
【0031】
【0032】
<結果>
各例で得られた錠剤の15分後の平均溶出率はいずれも53%程度、360分後の平均溶出率はいずれも63%程度であり、すべて同程度の良好な結果となった。
【0033】
また、これらの錠剤について、崩壊性を評価したところ、表1および
図1に示すように、ヒプロメロース含有量の増加に伴って崩壊時間は長くなるものの、例1~例4の錠剤はいずれも十分に崩壊時間が短く、崩壊性に優れていた。特にヒプロメロースの含有量が錠剤100質量%中0.12質量%である例1は、最も崩壊時間が短く、また、6錠の崩壊時間のばらつきも小さかった。一方、ヒプロメロース含有量が0.5質量%を超えた例5では、崩壊時間が長くなる傾向が顕著となり、6錠の崩壊時間のばらつきも大きかった。