(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129193
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】レーダー検出システム、及びレーダーの視界方向調整方法
(51)【国際特許分類】
G01S 13/72 20060101AFI20230907BHJP
G01S 13/52 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
G01S13/72
G01S13/52
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101710
(22)【出願日】2022-06-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-08
(31)【優先権主張番号】111107829
(32)【優先日】2022-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】504429600
【氏名又は名称】緯創資通股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】WISTRON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張耀宗
(72)【発明者】
【氏名】陳胤語
(72)【発明者】
【氏名】高全淵
(72)【発明者】
【氏名】鄭凱仁
(72)【発明者】
【氏名】廖正農
【テーマコード(参考)】
5J070
【Fターム(参考)】
5J070AB18
5J070AB24
5J070AC01
5J070AC06
5J070AD05
5J070AE09
5J070AF01
5J070AH12
5J070AH35
5J070AK01
5J070AK14
5J070BB04
(57)【要約】
【課題】自分で動ける患者等が、レーダーで追える範囲から離れてしまっても、患者の生理学的特徴を検出できるレーダー検出システムを提供する。
【解決手段】変位量を決定して、少なくとも一つのオブジェクトクラスターにおけるトラッキングスターの現在の状態と変位量に基づいて、トラッキングスターがレーダーユニットの現在の視界のエッジに位置するか否か判断すると共に、トラッキングスターが現在の視界のエッジに位置していることに応答して、トラッキングスターの次の状態に基づいて、制御信号を送信することにより、視界方向を調整する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーダーユニットと、ポインティングコントロールユニットと、処理ユニットを備えたレーダー検出システムであって、
前記レーダーユニットは無線周波数信号を生成するように構成され、前記無線周波数信号を放射し、且つ、フィードバック信号を受信して復調すると共に、前記フィードバック信号をデジタル化して、デジタルフィードバック信号を獲得し、
前記ポインティングコントロールユニットは制御信号に基づいて前記レーダーユニットの視界方向を調整するよう構成され、
前記処理ユニットはスキャンラウンド内で、
(a)前記デジタルフィードバック信号に基づいて現在のフレームの少なくとも一つのオブジェクトクラスター、及び各前記少なくとも一つのオブジェクトクラスターの現在の状態と次の状態を獲得するステップと、
(b)変位量を決定して、前記少なくとも一つのオブジェクトクラスターにおけるトラッキングスターの前記現在の状態と前記変位量に基づいて、前記トラッキングスターが前記レーダーユニットの現在の視界のエッジに位置するか否か判断すると共に、前記トラッキングスターが前記現在の視界の前記エッジに位置していることに応答して、前記トラッキングスターの前記次の状態に基づいて、前記制御信号を送信することにより、前記視界方向を調整するステップを実行するよう構成される
ことを特徴とするレーダー検出システム。
【請求項2】
レーダー検出システムに適用され、処理ユニットによって執行されるレーダーの視界方向調整方法であって、
前記レーダー検出システムはレーダーユニットと、ポインティングコントロールユニットと、処理ユニットを含み、
前記レーダーユニットは無線周波数信号を生成するように構成され、前記無線周波数信号を放射し、且つ、フィードバック信号を受信して復調すると共に、前記フィードバック信号をデジタル化して、デジタルフィードバック信号を獲得し、
前記ポインティングコントロールユニットは制御信号に基づいて前記レーダーユニットの視界方向を調整するよう構成され、
前記レーダーの視界方向調整方法はスキャンラウンド内で、
(a)前記デジタルフィードバック信号に基づいて現在のフレームの少なくとも一つのオブジェクトクラスター、及び各前記少なくとも一つのオブジェクトクラスターの現在の状態と次の状態を獲得し、
(b)変位量を決定して、前記少なくとも一つのオブジェクトクラスターにおけるトラッキングスターの前記現在の状態と前記変位量に基づいて、前記トラッキングスターが前記レーダーユニットの現在の視界のエッジに位置するか否か判断すると共に、前記トラッキングスターが前記現在の視界の前記エッジに位置していることに応答して、前記トラッキングスターの前記次の状態に基づいて、前記制御信号を送信することにより、前記視界方向を調整する
ことを特徴とするレーダーの視界方向調整方法。
【請求項3】
前記ステップ(a)は、
(a1)前記デジタルフィードバック信号に基づいてポイントクラウドを生成し、
(a2)前記現在のフレームの前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターを獲得すると共に、前記現在のフレームの現在の情報に基づいて、各前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターの前記現在の状態を獲得するために、クラスタリングアルゴリズムに基づいて前記ポイントクラウドに対してクラスター分析を実行し、
(a3)演算プログラム、過去のフレームの過去の情報、及び各前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターの前記現在の状態を使用して、各前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターの識別マークを確認すると共に、各前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターの前記現在の状態に基づいて各前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターの前記次の状態を予測することを含む
ことを特徴とする請求項2に記載のレーダーの視界方向調整方法。
【請求項4】
各前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターの前記現在の状態には現在の座標位置と現在の速度が含まれ、
前記ステップ(b)には、
前記処理ユニットが前記レーダーユニットの前記視界方向を調整するための反応時間と前記現在の速度に基づいて前記変位量を決定することと、前記変位量に基づいて前記現在の視界の前記エッジを決定することと、前記現在の座標位置に基づいて前記トラッキングスターが前記レーダーユニットの前記現在の視界の前記エッジに位置するか否か判断することが含まれる
ことを特徴とする請求項3に記載のレーダーの視界方向調整方法。
【請求項5】
前記演算プログラムには、確率計算プログラムと追跡アルゴリズムが含まれ、各前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターの前記現在の状態には、位置と生理学的特徴が含まれ、
前記過去のフレームの前記過去の情報には、各前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターの前記現在の状態の前記位置と前記識別マークに関連する少なくとも1つの第1の確率分布が含まれ、
前記過去のフレームの前記過去の情報には、各前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターの前記現在の状態の前記生理学的特徴と前記識別マークに関連する少なくとも1つの第2の確率分布が含まれ、
前記確率計算プログラムには、
前記少なくとも1つの第1の確率分布と各前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターの前記現在の状態の前記位置と、各前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターの前記識別マークが番号である第1の確率と、前記少なくとも1つの第2の確率分布と前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターの前記現在の状態の前記生理学的特徴に基づいて、
各前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターの前記識別マークが前記番号である第2の確率を計算することが含まれ、
前記ステップ(a3)には、全ての各前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターの前記識別マークが前記番号である前記第1の確率と前記第2の確率に基づいて、各前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターの前記識別マークを確認し、前記処理ユニットが追跡アルゴリズムを利用して、各前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターの前記現在の状態に基づいて、各前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターの前記次の状態を予測することが含まれる
ことを特徴とする請求項3に記載のレーダーの視界方向調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーダー検出システムの分野に関し、特に、周波数変調を行った連続する波形信号を使用したレーダー検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、レーダー検出の技術が活発に発達し、この技術の関連技術が患者ケア、高齢者介護、乳幼児ケアに徐々に適用されている。ここで、一般的な乳幼児、寝たきりの患者、高齢者の場合、レーダーはベッド上の領域を検出するだけで足り、固定されたポインティング領域を備えたレーダーを使用できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、自分で動ける患者等の場合には、レーダーで追える範囲から離れてしまうと、検出信号を得られなくなり、当該患者等の生理学的情報(生理学的特徴)を検出できなくなってしまう。
【0004】
本発明は、この問題に鑑みて、上記の問題を解決し得るレーダー検出システム、レーダーの視界方向調整方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の問題に鑑みて本発明は以下の構成を備える。
【0006】
レーダーユニットと、ポインティングコントロールユニットと、処理ユニットを備えたレーダー検出システムであって、
前記レーダーユニットは無線周波数信号を生成するように構成され、前記無線周波数信号を放射し、且つ、フィードバック信号を受信して復調すると共に、前記フィードバック信号をデジタル化して、デジタルフィードバック信号を獲得し、
前記ポインティングコントロールユニットは制御信号に基づいて前記レーダーユニットの視界方向を調整するよう構成され、
前記処理ユニットはスキャンラウンド内で、
(a)前記デジタルフィードバック信号に基づいて現在のフレームの少なくとも一つのオブジェクトクラスター、及び各前記少なくとも一つのオブジェクトクラスターの現在の状態と次の状態を獲得するステップと、
(b)変位量を決定して、前記少なくとも一つのオブジェクトクラスターにおけるトラッキングスターの前記現在の状態と前記変位量に基づいて、前記トラッキングスターが前記レーダーユニットの現在の視界のエッジに位置するか否か判断すると共に、前記トラッキングスターが前記現在の視界の前記エッジに位置していることに応答して、前記トラッキングスターの前記次の状態に基づいて、前記制御信号を送信することにより、前記視界方向を調整するステップを実行するよう構成される。
【0007】
また、レーダー検出システムに適用され、処理ユニットによって執行されるレーダーの視界方向調整方法であって、
前記レーダー検出システムはレーダーユニットと、ポインティングコントロールユニットと、処理ユニットを含み、
前記レーダーユニットは無線周波数信号を生成するように構成され、前記無線周波数信号を放射し、且つ、フィードバック信号を受信して復調すると共に、前記フィードバック信号をデジタル化して、デジタルフィードバック信号を獲得し、
前記ポインティングコントロールユニットは制御信号に基づいて前記レーダーユニットの視界方向を調整するよう構成され、
前記レーダーの視界方向調整方法はスキャンラウンド内で、
(a)前記デジタルフィードバック信号に基づいて現在のフレームの少なくとも一つのオブジェクトクラスター、及び各前記少なくとも一つのオブジェクトクラスターの現在の状態と次の状態を獲得し、
(b)変位量を決定して、前記少なくとも一つのオブジェクトクラスターにおけるトラッキングスターの前記現在の状態と前記変位量に基づいて、前記トラッキングスターが前記レーダーユニットの現在の視界のエッジに位置するか否か判断すると共に、前記トラッキングスターが前記現在の視界の前記エッジに位置していることに応答して、前記トラッキングスターの前記次の状態に基づいて、前記制御信号を送信することにより、前記視界方向を調整する。
【0008】
また、前記ステップ(a)は、
(a1)前記デジタルフィードバック信号に基づいてポイントクラウドを生成し、
(a2)前記現在のフレームの前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターを獲得すると共に、前記現在のフレームの現在の情報に基づいて、各前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターの前記現在の状態を獲得するために、クラスタリングアルゴリズムに基づいて前記ポイントクラウドに対してクラスター分析を実行し、
(a3)演算プログラム、過去のフレームの過去の情報、及び各前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターの前記現在の状態を使用して、各前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターの識別マークを確認すると共に、各前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターの前記現在の状態に基づいて各前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターの前記次の状態を予測することを含む。
【0009】
また、各前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターの前記現在の状態には現在の座標位置と現在の速度が含まれ、
前記ステップ(b)には、
前記処理ユニットが前記レーダーユニットの前記視界方向を調整するための反応時間と前記現在の速度に基づいて前記変位量を決定することと、前記変位量に基づいて前記現在の視界の前記エッジを決定することと、前記現在の座標位置に基づいて前記トラッキングスターが前記レーダーユニットの前記現在の視界の前記エッジに位置するか否か判断することが含まれる。
【0010】
また、前記演算プログラムには、確率計算プログラムと追跡アルゴリズムが含まれ、各前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターの前記現在の状態には、位置と生理学的特徴が含まれ、
前記過去のフレームの前記過去の情報には、各前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターの前記現在の状態の前記位置と前記識別マークに関連する少なくとも1つの第1の確率分布が含まれ、
前記過去のフレームの前記過去の情報には、各前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターの前記現在の状態の前記生理学的特徴と前記識別マークに関連する少なくとも1つの第2の確率分布が含まれ、
前記確率計算プログラムには、
前記少なくとも1つの第1の確率分布と各前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターの前記現在の状態の前記位置と、各前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターの前記識別マークが番号である第1の確率と、前記少なくとも1つの第2の確率分布と前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターの前記現在の状態の前記生理学的特徴に基づいて、
各前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターの前記識別マークが前記番号である第2の確率を計算することが含まれ、
前記ステップ(a3)には、全ての各前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターの前記識別マークが前記番号である前記第1の確率と前記第2の確率に基づいて、各前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターの前記識別マークを確認し、前記処理ユニットが追跡アルゴリズムを利用して、各前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターの前記現在の状態に基づいて、各前記少なくとも1つのオブジェクトクラスターの前記次の状態を予測することが含まれる。
【0011】
更に、本発明の実施形態によれば、レーダー検出とレーダーによる追跡を統合し、固定されたレーダーによる位置的な制限を克服するために、レーダーの視野方向を調整するように制御する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によるレーダー検出システム、及びレーダーの視界方向調整方法によれば、自分で動ける患者等が、レーダーで追える範囲から離れてしまっても、患者の生理学的特徴を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態を説明するレーダー検出システムのブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態を説明するレーダー検出システムのブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態を説明するレーダー検出システムの斜視図である。
【
図4-1】本発明の実施形態に基づく視界方向を調整するイメージ図である。
【
図4-2】本発明の実施形態に基づく視界方向を調整するイメージ図である。
【
図5-1】本発明の実施形態によるレーダー検出システムの動作の概要図である。
【
図5-2】本発明の実施形態によるレーダー検出システムの動作の概要図である。
【
図5-3】本発明の実施形態によるレーダー検出システムの動作の概要図である。
【
図6】本発明の実施形態に基づいた現在の視界と画像座標の概要図である。
【
図7】本発明の実施形態に基づいた現在の視界と全体視界と画像座標の概要図である。
【
図8】本発明の実施形態に基づいた現在の視界と全体視界と画像座標の概要図である。
【
図9】本発明の実施形態に基づいた現在の視界と全体視界と画像座標の概要図である。
【
図10】本発明の実施形態に基づいた現在の視界と全体視界と画像座標の概要図である。
【
図11】本発明の実施形態に基づいた処理ユニットのブロック図である。
【
図12-1】本発明の実施形態に基づいたレーダーの視界方向調整方法のフローチャートである。
【
図12-2】本発明の実施形態に基づいたレーダーの視界方向調整方法のフローチャートである。
【
図13】本発明の実施形態に基づいたポイントクラウドを生成するフローチャートである。
【
図14】本発明の実施形態に基づいたレーダーの視界方向調整方法のフローチャートである。
【
図15】本発明の実施形態に基づいたレーダーの視界方向調整方法のフローチャートである。
【
図16】本発明の実施形態に基づいたレーダーの視界方向調整方法のフローチャートである。
【
図17】本発明の実施形態に基づいたレーダーの視界方向調整方法のフローチャートである。
【
図18】本発明の実施形態に基づいたレーダーの視界方向調整方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態の技術的内容、特徴、及び効果は、図面を参照しながら以下の詳細な説明で説明する。図面における各要素の厚さ又はサイズは当業者の理解のために、必要に応じて誇張し、省略し又は概略のみを示しており、各要素のサイズは完全に実際のサイズと一致するものでは無いことに留意されたい。したがって、以下の実施形態は、本発明を実施することができる条件の例示であって、一部の構造を変更したり、比率を変えたり、サイズを調整したりしても、本発明が奏する作用効果と目的に影響に与えないものであれば、本発明の技術的範囲に含まれる。また、同一又は機能的に近い構成要素については同一の符号又は下一桁目が異なる等近い番号の符号を付する。以下の実施形態で言及される「結合され」又は「接続され」という用語は、直接接続されていても、他の構成要素を介して間接的に接続されていても良く、更に、有線接続でも無線接続でも良い。
【0015】
図1を参照して本発明の実施形態を説明する。ここで、
図1は本発明の実施形態を説明するレーダー検出システムのブロック図である。
図1に示すように、レーダー検出システム100は、レーダーユニット105と、処理ユニット103と、ポインティングコントロールユニット104を備える。
【0016】
レーダーユニット105はアンテナユニット101とフロントエンドユニット102を含む。アンテナユニットは無線周波数信号を自由空間(図示せず)に放射するように構成され、そこで無線周波数信号はオブジェクト(「物体」ともいう。)(図示せず)と衝突し、フィードバック信号を反射する。 アンテナユニット101は、無線周波数信号のフィードバック信号を受信する。
【0017】
フロントエンドユニット102は、前述の無線周波数信号を生成し、前述のフィードバック信号を復調してデジタル化してデジタルフィードバック信号を取得するように構成される。ポインティングコントロールユニット104は、後述する制御信号に基づいてレーダーユニット105の視界(field of view,FOV)方向を調整するように構成される。
【0018】
処理ユニット103は、前述のデジタルフィードバック信号を受信し、上述した制御信号をポインティング制御ユニット104に送信(出力)するように構成される。レーダーユニット105の視界の前述の方向は、レーダーユニット105が検出可能な範囲の中心方向を意味する。
【0019】
本実施形態において、前述の無線周波数信号は連続波(Continuous Wave,CW)信号である。本発明の実施形態において、前述の無線周波数信号は周波数変調連続波(Frequency Modulated Continuous Wave,FMCW)信号である。ここで、本発明の実施形態では、前述の無線周波数信号は固定周波数を有する連続波信号である。
【0020】
図2は本発明の実施形態を説明するレーダー検出システムのブロック図である。
図2を参照すると、アンテナユニット101は送信アンテナユニット201と受信アンテナユニット202を含む。送信アンテナユニット201は複数の送信アンテナ208-1~208-Kを含む。
【0021】
送信アンテナ208-1~208-Kは前述した無線周波数信号を自由空間に送信(出力)する。受信アンテナユニット202はフィードバック信号を受信するための複数の受信アンテナ209-1~209-N、並びに210-1~210-Mを含む。
【0022】
ここで、K、N、及びMは正の整数であり、送信アンテナ208-1~208-K、並びに、受信アンテナ209-1~209-N及び210-1~201-Mの構成数を表す。なお、実際の数は、レーダー検出システム100の実際の要求に基づいて定められ、本発明の実施形態に記載した数量に限定されるものではない。
【0023】
一般に、送信アンテナの設計では、送信信号の周波数、視界(Field Of View)、及び目的を考慮してアンテナの設計を決定する必要がある。アンテナの設計は、レンズアンテナ(lens antenna)、パッチアンテナ(patch antenna)、又は漏洩導波管アンテナ(waveguide leaky-wave antenna)にできる。ここで、本発明の実施形態では、送信アンテナ208-1~208-Kはパッチアンテナを例としている。
【0024】
一般に、受信アンテナの設計では、受信信号の周波数を考慮してアンテナの設計を決定する必要がある。オブジェクト(物体)の方向を特定する場合は、複数の受信アンテナセットが必要となる。受信アンテナで受信可能なものには、一般に種々の方角から、オブジェクトのエコーを受信し、これらのオブジェクトのトエコーに基づいてオブジェクトの方角を判断するための複数のビームが含まれる。
【0025】
受信アンテナの設計では、受信した無線周波数信号の周波数範囲と、測定対象の方向を特定するか否かを考慮しなければならない。ここで、測定対象の方向を特定するには、単一入力複数出力(Single Input Multiple Output,SIMO、SIMO)アンテナの設計、又は複数入力複数出力(Multiple Input Multiple Output,MIMO)アンテナの設計を考慮する必要がある。
【0026】
本発明の実施形態では、受信アンテナ209-1~209-N、210-1~210-Mはパッチアンテナを採用しており、プリント回路基板を利用してアンテナを実現している。
【0027】
フロントエンドユニット102は、信号発生器204、送信ユニット203、受信ユニット205、復調ユニット206、及びA/Dコンバータ207を含む。信号発生器204は、無線周波数信号を生成し、無線周波数信号を送信ユニット203と復調ユニット206に同時に送信する。
【0028】
送信ユニット203は、無線周波数信号を増幅するための電力増幅器(power amplifier,PA)を含み、増幅された後の無線周波数信号を送信アンテナユニット201に送信して、FM信号を自由空間に放射(出力)する。
【0029】
受信ユニット205は、アンテナユニット101によって受信されたフィードバック信号を受信するための図示しない信号増幅器とフィルタを含み、受信したフィードバック信号を増幅してフィルタリングする。復調ユニット206は、信号発生器204に加え、受信ユニット205に接続される。
【0030】
復調ユニット206は、信号発生器204によって生成された無線周波数信号と、受信ユニット205によって増幅とフィルタリングがされたフィードバック信号とを受信し、無線周波数信号に基づいて増幅とフィルタリングがされたフィードバック信号を復調する。
【0031】
A/Dコンバータ207は、復調されたフィードバック信号をデジタルフィードバック信号に変換し、その後段で行われる信号処理のためにデジタルフィードバック信号を処理ユニット103に送信する。
【0032】
本発明の実施形態では、信号発生器204は77GHzの開始周波数、81GHzの停止周波数、及び期間Tcが40μsの線形変調周波数信号を生成する。
【0033】
本発明の実施形態では、信号発生器204は、24GHzの開始周波数、28GHzの停止周波数、期間Tcが40μsの線形変調周波数信号を生成する。
【0034】
線形変調周波数信号利用して適切な高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform, FFT)信号処理を行うことにより、オブジェクトの呼吸、心拍等又はオブジェクトの位置と速度を検出できる。
【0035】
本実施形態では、復調ユニット206は、信号発生器204によって生成されたFM信号と、受信ユニット205によって増幅とフィルタリングがされたフィードバック信号とを混合して、中間周波数(Intermediate Frequency,IF)信号を生成する。
【0036】
A/Dコンバータ207は、中間周波数信号をデジタルフィードバック信号に変換し、このデジタルフィードバック信号を処理ユニット103に送信して、後段における信号処理のために、フィードバック信号に含まれる情報を取得する。
【0037】
本発明の実施形態では、信号発生器204は、単一周波数の連続波信号を生成する。
【0038】
本実施形態では、単一周波数の連続波信号を使用し、次にドップラー(Doppler)高速フーリエ変換を使用することにより、オブジェクトの呼吸、心拍等を検出できる。
【0039】
本実施形態では、複数の送信アンテナ208-1~208-Kと、複数の受信アンテナ209-1~209-N、及び210-1~210-Mを同時に使用することにより、オブジェクトの方向を検出することができる。
【0040】
本発明の実施形態では、ポインティングコントロールユニット104は、図示しない水平方向調整駆動回路、垂直方向調整駆動回路、水平方向調整機構、垂直方向調整機構、及びポインティングセンサーを備える。
【0041】
ポインティングコントロールユニット104は、処理ユニット103の指示に基づいて、レーダーユニット105の視界(視野)の方向を制御して、水平方向、垂直方向のうちの少なくとも何れかの方向の調整を行う。
【0042】
ポインティングコントロールユニット104は、水平方向調整駆動回路、又は垂直方向調整駆動回路を介して水平方向調整機構又は垂直方向調整機構を駆動し、レーダーユニット105の視界方向を制御する。
【0043】
水平方向調整機構と垂直方向調整機構には、モーター及び関連機構、電子電機部品が含まれる。前述のモーターは、ステッピングモーター又はサーボモーターでも良いが、本発明はこれらには限定されない。
【0044】
ポインティングセンサーは、レーダーユニット105の視界の方向を報告する。この実施形態では、ポインティングセンサーは、水平方向角度と垂直方向角度の組み合わせ(グループ)によってレーダーユニット105の視界方向を表す。
【0045】
ポインティングコントロールユニット104は、前述の水平方向角度と垂直方向角度の組み合わせに基づいて、処理ユニット103のポインティング命令が完了したかどうかを確認する。
【0046】
なお、レーダーユニット105の視界が水平方向に±60°、垂直方向に±60°であるとき、レーダーユニット105の視界を水平方向に±90°、垂直方向に±90°に拡大したい場合、ポインティングコントロールユニット104は、レーダーユニット105の視界方向を水平方向に±30°、垂直方向に±30°調整できる必要がある。
【0047】
なお、ポインティングコントロールユニット104は、レーダーユニット105の視界方向を制御できるため、レーダーユニット105の検出可能範囲を拡大できる。本発明では、レーダーユニット105の現在の視界は、現在の視界(current FOV)と呼ばれる。
【0048】
レーダーユニット105の視界方向を制御することによって達成できる検出範囲は、全体視界(total FOV)と呼ばれる。
【0049】
前述のレーダーユニット105の視界を、水平方向に±60°、垂直方向に±60°とし、且つ、レーダーユニット105の視界方向を制御することにより、レーダーユニット105の視界を水平方向に±90°、垂直方向に±90°に拡大した場合を例にとると、レーダーユニット105の全体視界は、水平方向に±90°、垂直方向に±90°である。
【0050】
また、レーダーユニット105の現在の視界は水平方向に±60°、垂直方向に±60°である。他のレーダーユニット105の現在の視界は水平方向に±60°、垂直方向に-30°~90°である。
【0051】
図3、
図4-1、
図4-2を参照しながら本発明の実施形態を説明する。ここで、
図3は本発明の実施形態を説明するレーダー検出システムの斜視図である。また、
図4-1は、本発明の実施形態に基づく視界方向を調整するイメージ図である。更に、
図4-2は、本発明の実施形態に基づく視界方向を調整するイメージ図である。
【0052】
図3に示すように、レーダーユニット105は、複数の方向に向いたアンテナグループ(4面、6面、8面等)であり、アンテナユニット101は、
図3に示すようなリングで囲まれた複数のアンテナグループを含む。
【0053】
図3に示す構造によって、レーダーユニット105の視界の方向は、ポインティングコントロールユニット104によって所望の視界に対応するアンテナグループを選択するよう切り替えることによって調整することができる。
【0054】
図3に示す構造を使用すると、電気機械の駆動構造を使用しないため、レーダーユニット105の視界方向を迅速に調整することができる。
【0055】
図4-1と
図4-2に示すように、ポインティングコントロールユニット104がアンテナグループ401-1~401-5を選択するとき、レーダーユニット105の視界方向は視界方向1である。
【0056】
ポインティングコントロールユニット104がアンテナグループ401-2~401-5を選択するとき、レーダーユニット105の視界方向は視界方向2である。
【0057】
図6~
図8を参照しながら本発明の実施形態を説明する。ここで、
図6は本発明の実施形態に基づいた現在の視界と画像座標の概要図である。また、
図7は本発明の実施形態に基づいた現在の視界と全体視界と画像座標の概要図である。更に、
図8は、本発明の実施形態に基づいた現在の視界と全体視界と画像座標の概要図である。
【0058】
図6~
図8を同時に参照して説明する。レーダー検出システム100のレーダーユニット105の現在の視界内に検出されたオブジェクト(オブジェクト602)を、現在の視界に対応する平面601(オブジェクト投影602')上に投影することによって、レーダーユニット105の現在の視野内で検出された物体に2次元座標系を与えることができ、これは現在の視界の座標系と呼ばれる。
【0059】
図7に示すように、現在の視界に対応する平面601は、角度によって2次元座標系を定義することができ、1次元座標は水平角度であり、その範囲は±50°である。2次元座標は垂直(方向の)角度であり、その範囲は±40°である。視界方向702は現在の視界の平面の中心点703に対応する。
【0060】
図7に示すように、レーダーユニット105の視界方向を制御することによって得られる全体視界は、角度によって対応する全体視界座標系701を定義することができる。全体視界座標系701の1次元座標は水平角度であり、その範囲は±90°である。
【0061】
2次元座標は垂直方向の角度であり、その範囲は±90°である。現在の視界の平面601の中心点703が全体視界座標系701の座標位置にあることが分かりさえすれば、現在の視界の座標と全体視界座標系701を容易に変換することができる。
【0062】
以下、本発明の実施形態におけるレーダーの視界方向調整方法、及びレーダー検出システム100の各モジュールがどのように共同して動作するか図面を参照しながら説明する。
【0063】
図5-1、
図5-2、及び
図5-3は本発明の実施形態によるレーダー検出システム100の動作の概要図である。
図12-1は本発明の実施形態に基づいたレーダーの視界方向調整方法のフローチャートである。
【0064】
図5-1、
図5-2、
図5-3、及び
図12-1を同時に参照して説明する。レーダー検出システム100は、無線周波数信号を定期的に放射して、検出領域(
図5-1の検出領域の概略
図504)をスキャンし、フィードバック信号を取得する。ここで、無線周波数信号は前述の線形変調周波数信号である。
【0065】
処理ユニット103は、前述の周期的スキャン(走査)に対応し、ステップS1101~S1102を1回の走査(スキャンラウンド)内で実行する。ステップS1101において、処理ユニット103は、デジタルフィードバック信号に基づいて、現在のフレームの少なくとも1つのオブジェクトクラスターと、各オブジェクトクラスターの現在の状態と次の状態とを取得する。
【0066】
ステップS1102において、処理ユニット103は変位量を決定し、現在のフレームのオブジェクトクラスター内で追跡されるターゲット(目標)に対応するトラッキングスター(追跡クラスター)の現在の状態と変位量に基づいて、トラッキングスターがレーダーユニット105の現在の視界のエッジに位置しているか否かを判断する。
【0067】
トラッキングスターが現在の視界のエッジに位置していることに応答して、処理ユニット103は、トラッキングスターの次の状態に基づいて制御信号をポインティングコントロールユニット104に出力して、レーダーユニット105の視界方向を調整する。
【0068】
図12-2は、本発明の実施形態によるレーダーの視界方向調整方法のフローチャートである。つまり、レーダーの視界の方向を調整するための方法のフローチャートである。
図12-2に示される実施形態では、ステップS1101はステップS1103~S1105を更に含む。
【0069】
ステップS1103において、処理ユニット103は前述のデジタルフィードバック信号に基づいて現在のフレーム信号を取得し、現在のフレーム信号に基づいてポイントクラウド500を生成する。ポイントクラウド500は複数のポイント501を含む。
【0070】
ステップS1104において、処理ユニット103は、クラスタリングアルゴリズムに基づいてポイントクラウド500に対してクラスター分析を実行して、前述の複数のポイント501を現在のフレームに対応する少なくとも1つのオブジェクトクラスターに分類する。
【0071】
図5-1~5-3に示す実施形態では、処理ユニット103は、前述の複数のポイント501を、現在のフレームに対応するオブジェクトクラスター502、503に分類する。処理ユニット103は、現在のフレームの現在の情報に基づいて、各オブジェクトクラスターの現在の状態を取得する。
【0072】
処理ユニット103は、ターゲット(目標)を識別するために、各フレーム内の各オブジェクトクラスターを維持し追跡する。
【0073】
第1のフレームから開始して、処理ユニット103は、第1のフレームで検出された各オブジェクトクラスターに識別マークを割り当てる。ここで、識別マークは1、2、3等の数字の番号(本明細書におい「番号」は「通し番号」、「整理番号」の意味を含む。)であっても良い。そして、各オブジェクトクラスターの現在の状態を計算する。
【0074】
第1のフレームで検出された各オブジェクトクラスターは、追跡対象のオブジェクトとして記録される。処理ユニット103は第1のフレームの現在の状態に基づいて追跡すべきターゲット(例えば、要介護者)に対応するトラッキングスターを決定する。
【0075】
第2のフレームが入力されると、処理ユニット103は、第2のフレームのオブジェクトクラスターとその第2のフレームの状態を取得する。
【0076】
処理ユニット103は第1のフレームに基づいて各追跡対象(すなわち、第1のフレームの各オブジェクトクラスター)の過去の情報と第2のフレームの各オブジェクトクラスターの現在の状態に基づいて、第2のフレームの各オブジェクトクラスターを、追跡対象毎に、識別マークを具備する第1のフレームに関連付けるように試みる。
【0077】
第2のフレームのオブジェクトクラスターを第1のフレームの追跡対象に関連付けることができた場合、第1のフレームに関連する追跡対象の識別マークは、第2のフレームの対応するオブジェクトクラスターの識別マークとして使用される。
【0078】
第2のフレームのオブジェクトクラスターを第1のフレームの追跡対象に関連付けることができない場合、処理ユニット103は、オブジェクトクラスターの識別マークとして、第2のフレームのオブジェクトクラスターに新たな番号を割り当てる。そして、この第2のフレームのオブジェクトクラスターを新たな追跡対象として記録し、以下これを繰り返す。
【0079】
予め設定されたD個連続したフレームで特定の識別マークの追跡対象が検出されない場合、処理ユニット103は、この識別マークのオブジェクトクラスターを非アクティブとしてマークし、新たな着信フレームのオブジェクトクラスターのペアリング、つまり関連付けを試みない。
【0080】
ステップS1105において、処理ユニット103は、アルゴリズム、過去のフレームの過去情報、及び現在のフレームの各オブジェクトクラスターの現在の状態を使用して、現在のフレームの各オブジェクトクラスターの識別マークを確認する。
【0081】
処理ユニット103は現在のフレームの各オブジェクトクラスターの現在の状態に基づいて、現在のフレームの各オブジェクトクラスターの次の状態を予測する。本発明の実施形態では、各オブジェクトクラスターの次の状態は、
図5-3に示されるように、各オブジェクトクラスターの次の位置を含む。
【0082】
図13を参照して説明する。ここで、
図13は本発明の実施形態に基づいたポイントクラウドを生成するフローチャートである。本実施形態では、無線周波数信号は、前述の線形変調周波数の連続波信号であり、
図13に示すように、前述のステップS1103はステップS1201~S1204を更に含む。
【0083】
ステップS1201において、処理ユニット103は、デジタルフィードバック信号によって形成された元のデータブロックに対してレンジ処理とドップラー処理を実行して、処理後のデータブロックを取得する。
【0084】
ここで、レンジ処理にはレンジ高速フーリエ変換(Range Fast Fourier Transform, Range FFT)が含まれ、ドップラー処理には、ドップラー高速フーリエ変換(Doppler Fast Fourier Transform, Doppler FFT)が含まれる。
【0085】
上記のように、復調ユニット206は、種々の範囲(距離)のオブジェクトを検出するために、信号発生器204によって生成されたFM信号と、受信ユニット205によって増幅とフィルタリングがされたフィードバック信号とを混合して、中間周波数(Intermediate Frequency,IF)信号を生成する。
【0086】
中間周波数信号に対して高速フーリエ変換処理を実行し、処理後の各ピークは対応する距離にあるオブジェクトを表す。これは、レンジ高速フーリエ変換(範囲高速フーリエ変換)と呼ばれる。
【0087】
対象のターゲットについては、第2レベルの高速フーリエ変換を実行するのに十分なデータが得られるまで、レンジ高速フーリエ変換を繰り返すことができる。
【0088】
この第2レベルの高速フーリエ変換の結果は、移動するターゲットのドップラー周波数シフトに対応するピークを持つ2次元の複素数値行列であり、この方法は、ドップラー高速フーリエ変換と呼ばれる。
【0089】
ステップS1202において、処理ユニット103は、処理されたデータブロックに対して移動目標指示(moving target indication,MTI)を実行して、処理後のデータブロック内の静止点を除去する。
【0090】
ステップS1203では、前述のステップS1202の後、処理ユニット103が、検出アルゴリズムを使用して、処理されたデータブロック内のノイズバックグラウンドによって生成されたポイントを除去する。
【0091】
なお、本発明の実施形態では、前述の検出アルゴリズムは、一定の誤警報率(Constant False Alarm Rate,CFAR)アルゴリズムである。
【0092】
本発明の他の実施形態としては、検出アルゴリズムは、自由平均固定誤警報率(Cell-averaging CFAR, CA-CFAR)、最大平均固定誤警報率(Greatest-Of-Cell-Average CFAR, GOCA-CFAR)、最小平均固定誤警報率(Smallest-Of-Cell-Average CFAR, SOCA-CFAR)、及び順序統計固定誤警報率(Ordered Statistic CFAR, OS-CFAR)で構成されるグループにおける一つから選択される。
【0093】
ステップS1204では、前述のステップS1203の後、処理されたデータブロックに対して角度処理が行われ、
図5-1に示すようにポイントクラウド500が生成される。
【0094】
角度処理には、角度高速フーリエ変換(Angle Fast Fourier Transform, Angle FFT)が含まれる。
【0095】
レンジ高速フーリエ変換及びドップラー高速フーリエ変換は、レーダー検出システム100に対して等距離で同じ速度の2つのオブジェクトがある場合は機能しない。そのため、到着角度(Angle of Arrival, AoA)を推定する必要がある。
【0096】
各アンテナまでの物体の距離が異なるため、到達角度の推定は、少なくとも2個の受信アンテナを必要とするレンジ高速フーリエ変換又はドップラー高速フーリエ変換のピークのフェーザ(phasor)変動に基づく。
【0097】
同様に、2次元高速フーリエ変換(レンジ高速フーリエ変換、及びドップラー高速フーリエ変換)のピークに対応するフェーザシーケンスの高速フーリエ変換は角度推定の問題を解決できる。この方法は、角度高速フーリエ変換と呼ばれる。
【0098】
本発明の実施形態では、前述のステップS1104のクラスタリングアルゴリズムは、密度空間クラスタリングアルゴリズム(density-based spatial clustering of applications with noise,DBSCAN)である。
【0099】
本発明の実施形態では、前述の密度空間クラスタリングアルゴリズムに基づくメトリック(metric)は、クラスタリングにおける垂直z軸(垂直軸)の寄与を低減するために、以下の方程式1に記載される通りである。
【0100】
【0101】
ここで、αは1より小さい実数値であり、pxとqxはそれぞれ点pと点qのx座標である。また、pyとqyはそれぞれ点pと点qのy座標であり、pzとqzはそれぞれ点pと点qのz座標である。
【0102】
本発明の実施形態では、αは0.05として選択され、本発明の他の実施形態では、αは0.25として選択されても良い。
【0103】
本発明の実施形態では、クラスタリングアルゴリズムは、ピーククラスタリングアルゴリズム(peak grouping)、改良式の密度空間ベースのクラスタリングアルゴリズム(modified density-based spatial clustering of applications with noise,modified DBSCAN)、又は階層の密度空間ベースのクラスタリングアルゴリズム(hierarchical density-based spatial clustering of applications with noise,HDBSCAN)として選択される。
【0104】
本発明の実施形態では、前述のステップS1104に記載されている現在のフレームの各オブジェクトクラスターの現在の状態は、オブジェクトクラスターの位置を含む。各オブジェクトクラスターの場所は、そのオブジェクトクラスターの物理的な中心によって決定される。
【0105】
本発明の実施形態では、前述のオブジェクトクラスターの物理的な中心は、前記オブジェクトクラスターの複数の対応するポイントクラウドの重心である。
【0106】
本発明の実施形態では、
図5-2に示されるように、各オブジェクトクラスター502、503は外枠を含み、処理ユニット103は各オブジェクトクラスター502、503の外枠の中心点を各オブジェクトクラスター502、503の物理的中心として使用して、各オブジェクトクラスター502、503の現在の状態の位置を決定する。
【0107】
本発明の他の実施形態では、前述の外枠は長方形、円形、又は楕円形でも良い。
【0108】
なお、前述の実施形態では、レーダー検出システム100は、線形変調周波数信号を周期的に放射して、検出領域(
図5-1の検出領域の概略
図504)をスキャンし、フィードバック信号を取得する。
【0109】
また、レーダー検出システム100は固定周波数の連続波信号を使用することによって、検出領域(
図5-1の検出領域の概略
図504)をスキャンし、フィードバック信号を取得することができる。
【0110】
このとき、処理ユニット103は、デジタルフィードバック信号により形成された元のデータブロックに対してドップラー処理と角度処理を行うことにより2次元のポイントクラウド500を生成する。
【0111】
処理ユニット103はクラスタリングアルゴリズムに基づいて前述の2次元のポイントクラウド500に対してクラスター分析を実行し、前述の2次元のポイントクラウド内のポイントを、現在のフレームに対応する少なくとも1つのオブジェクトクラスターとして分類する。
【0112】
図14を参照して説明する。ここで、
図14は、本発明の実施形態によるレーダーの視界方向調整方法のフローチャートである。上記のように
図12に示す実施形態では、処理ユニット103は、入力されたフレームに基づいて一組の追跡対象を維持し、各追跡対象は識別マークを有する。
【0113】
図14に示される実施形態では、前述のステップS1105に記載されるアルゴリズムには、相関アルゴリズムと追跡アルゴリズムが含まれる。前述の過去のフレームの過去の情報には各追跡対象の追跡対象状態が含まれる。
【0114】
現在のフレームの各オブジェクトクラスターの現在の状態には、各オブジェクトクラスターの位置が含まれ、各追跡対象の追跡対象状態には個々の追跡対象の位置が含まれる。前述のステップS1105はステップS1301とS1302が含まれる。
【0115】
ステップS1301では、処理ユニット103は、前述の相関アルゴリズム(関連付けアルゴリズム)を利用して、各追跡対象の位置と各オブジェクトクラスターの位置に基づいて、各オブジェクトクラスターと各追跡対象との間の関連付けを確立し、各オブジェクトクラスターの識別マークを確認する。
【0116】
本発明の実施形態では前述の相関アルゴリズムはハンガリーアルゴリズム(Hungarian algorithm)である。処理ユニット103はハンガリーアルゴリズムを使用して、現在のフレームの各オブジェクトクラスターと各追跡対象との間の関連付けを確立する。
【0117】
処理ユニット103は、現在のフレームの各オブジェクトクラスターと各追跡対象のコストマトリックスを確立し、結合された距離損失を最小化することによって、現在のフレームの各オブジェクトクラスターを各追跡対象に割り当てる。
【0118】
なお、追跡対象の数と現在のフレームのオブジェクトクラスターの数が異なる可能性があるため、コストマトリックスは非正方行列である可能性がある。
【0119】
コストマトリックスの要素Mi、jは、追跡対象iと現在のフレームのオブジェクトクラスターjの間の距離として設定される。もし、Mi、jの値が閾値を超えると、処理ユニット103は、関連付けを免れるために大きな実数Lを設定する。
【0120】
処理ユニット103が現在のフレームの各オブジェクトクラスターと各追跡対象との間に関連を確立した後、ステップS1302において、処理ユニット103は、追跡アルゴリズムを使用して、各オブジェクトクラスターの位置に基づいて各オブジェクトクラスターの次の位置を予測する。本実施形態では、この追跡アルゴリズムはカルマンフィルターである。
【0121】
図15を参照して説明する。ここで、
図15は本発明の実施形態に基づいたレーダーの視界方向調整方法のフローチャートである。前述のステップS1302の後、前述のステップS1105は更にステップS1401を含む。
【0122】
ステップS1401において、追跡対象の中に、現在のフレームが所属するオブジェクトクラスターにまだ関連付けられていない関連付け未定義の追跡対象がある場合、処理ユニット103は、前述のカルマンフィルターを利用して、各関連付け未定義の追跡対象の位置に基づいて各関連付け未定義の追跡対象の次の位置を予測し、各関連付け未定義の追跡対象の位置予測を提供する。
【0123】
なお、上述の実施形態では、処理ユニット103は、追跡アルゴリズムとしてカルマンフィルターを使用する。
【0124】
本発明の実施形態では、前述の追跡アルゴリズムは、拡張カルマンフィルター(extended Kalman filter,EKF)、無香料カルマンフィルター(unscented Kalman filter)、対話型マルチモデル(interacting multiple model,IMM) アルゴリズム、又は確率仮説密度フィルタ(probability hypothesis density filter)を使用することができるが、本発明はこれらに限定されない。
【0125】
なお、上述の実施形態では、処理ユニット103が、関連付けアルゴリズムとしてハンガリーアルゴリズムを使用する。
【0126】
本発明の実施形態では、前述の相関アルゴリズムはグローバル最近傍(global nearest neighbor, GNN)、確率データ相関フィルタ(probabilistic data association filter)、又は共同確率的データ関連付けフィルタ (joint probabilistic data association filter)を使用することができるが、本発明はこれらには限定されない。
【0127】
図16を参照して説明する。ここで、
図16は本発明の実施形態に基づいたレーダーの視界方向調整方法のフローチャートである。前述のステップS1105で説明されるアルゴリズム(計算プログラム)には、確率計算プログラムと追跡アルゴリズムが含まれる。
【0128】
また、各オブジェクトクラスターの現在の状態には状態分量(状態成分)が含まれ、過去のフレームの過去情報には、各オブジェクトクラスターの現在の状態の状態分量と識別マークに関連する確率分布が含まれる。本実施形態では、前述の状態分量は、オブジェクトクラスターの位置である。
【0129】
過去のフレームの過去の情報には各追跡対象の現在の各座標に現れる確率Pi(s)が含まれ、ここでiは識別マークの数字の番号である。たとえば、P1(s)は、識別マーク1が付された追跡対象が現在の各座標に現れる確率を示し、P2(s)は、識別マーク2が付された追跡対象が現在の各座標に現れる確率を示す。
【0130】
前述の確率計算プログラムは、各オブジェクトクラスターの識別マークが、前述の確率分布と各オブジェクトクラスターの位置に基づいた番号である確率を計算することを含む。前述のステップS1105はステップS1501とS1502を含む。
【0131】
ステップS1501において処理ユニット103は、所属するオブジェクトクラスターの識別マークが番号である確率に基づいて、各オブジェクトクラスターの識別マークを確認する。
【0132】
例えば、あるオブジェクトクラスターAの位置がxである場合、処理ユニット103は、オブジェクトクラスターAが1としてマークされた追跡対象である確率がP1(x)であると推定することができる。オブジェクトクラスターAが2であるとマークされた追跡対象である確率はP2(x)である。
【0133】
処理ユニット103は、P1(x)とP2(x)のサイズを比較する。P1(x)がP2(x)以上である場合、処理ユニット103は、オブジェクトクラスターAが1としてマークされた追跡対象であると判断する。そうではない場合、処理ユニット103は、オブジェクトクラスターAが2としてマークされた追跡対象であると判断し、以下同様の方法で類推する。
【0134】
ステップS1502において、処理ユニット103は、追跡アルゴリズムとして前述のカルマンフィルターを使用して、各オブジェクトクラスターの現在の状態(位置を含む)に基づいて、各オブジェクトクラスターの次の状態を予測し、前述の確率分布を更新し続ける。
【0135】
上記のように、処理ユニット103は追跡アルゴリズムとして、拡張カルマンフィルター、無香料カルマンフィルター、対話型マルチモデルアルゴリズム、又は確率仮説密度フィルタを使用することができるが、本発明はこれらに限定されない。
【0136】
本発明の実施は、オブジェクトクラスターの位置と生理学的特徴の両方を利用して、オブジェクトクラスターの識別マークを確定する。
図17は、本発明の実施形態に基づいたレーダーの視界方向調整方法のフローチャートである。
【0137】
図17を参照して説明する。前述のステップS1105に記載された計算手順は、確率計算手順と追跡アルゴリズムを含む。また、各オブジェクトクラスターの現在の状態には、位置と生理学的特徴が含まれ、ここでは生理学的特徴は心拍数である。
【0138】
過去のフレームの過去の情報には、各オブジェクトクラスターの位置と識別マーカーに関連付けられた第1の確率分布と、各オブジェクトクラスターの心拍数と識別マーカーに関連付けられた第2の確率分布が含まれる。
【0139】
本実施形態では、過去のフレームの過去の情報は、各追跡対象の現在の各座標に現れる確率PPi(s)を含む。各追跡対象が現在の心拍数uにある確率はPHi(u)である。ここで、uは心拍数の値であり、iは識別マークの数字の番号である。
【0140】
たとえば、PP1(s)は、識別マーク1が付された追跡対象が現在の各座標に現れる確率を示し、PP2(s)は、識別マーク2が付された追跡対象が現在の各座標に現れる確率を示す。PH1(u)は、識別マークが1である追跡対象の現在の心拍数がuである確率を表す。
【0141】
本実施形態では、前述の確率計算プログラムには、第1の確率分布と各オブジェクトクラスターの位置に基づいて、各オブジェクトクラスターの識別マークが特定の番号である第1の確率を計算することと、第2の確率分布と各オブジェクトクラスターの心拍数に基づいて、各オブジェクトクラスターの識別マークが前述の特定の番号である第2の確率を計算することが含まれる。
【0142】
前述のステップS1105はステップS1601とS1602を含む。ステップS1601において、処理ユニット103は、所属するオブジェクトクラスターの識別マークが特定の番号であるという第1の確率と第2の確率に基づいて、各オブジェクトクラスターの識別マークを確認する。
【0143】
例えば、特定のオブジェクトクラスターAの位置がxであり、心拍数がyである場合、処理ユニット103は位置推定オブジェクトクラスターAが1としてマークされた追跡対象である確率に基づいて、PP1(x)であることができ、オブジェクトクラスターAが2としてマークされた追跡対象である確率はPP2(x)である。
【0144】
処理ユニット103は、心拍数推定器クラスターAが1としてマークされた追跡対象である確率に基づいて、PP1(y)であることができ、オブジェクトクラスターAが2とマークされた追跡対象である確率はPH2(y)である。
【0145】
本実施形態において、処理ユニット103はaPP1(x)+bPH1(y)とaPP2(x)+bPH2(y)の大きさを比較する。ここで、aとbは2つの所定の正の実数である。
【0146】
aPP1(x)+ bPH1(y)がaPP2(x)+ bPH2(y)以上である場合、処理ユニット103は、オブジェクトクラスターAが1としてマークされた追跡対象であると判断する。これに対し、処理ユニット103は、オブジェクトクラスターAが2としてマークされた追跡対象であると判断し、以下同様に判断する。
【0147】
ステップS1602において、処理ユニット103は、追跡アルゴリズムとして前述のカルマンフィルターを使用して、各オブジェクトクラスターの現在の状態(位置と心拍数を含む)に基づいて、各オブジェクトクラスターの次の状態を予測して、前述の確率分布を更新し続ける。
【0148】
なお、上述の実施形態では、生理学的特徴が心拍数として選択され、本発明の実施形態では生理学的特徴が呼吸数として選択される。選択された生理学的特徴は、レーダーユニット105によって検出できさえすれば足り、現在のフレームのオブジェクトクラスターを表すことができるが、本発明はこれに限定されない、
【0149】
図6と
図7を参照して説明する。上記のように、レーダー検出システム100のレーダーユニット105の現在の視界内で検出されたオブジェクト(オブジェクト602)を、現在の視界に対応する平面601(オブジェクト投影602')に投影することによって、レーダーユニット105の現在の視界は、角度によって定義される現在の視界の座標系を与えることができる。
【0150】
レーダーユニット105の視野の方向を制御することによって得られる全体視界は角度によって対応する全体視界座標系701を定義することができる。
【0151】
図6、
図7、
図8を同時に参照して説明する。現在の視界座標系と全体視界座標系701を使用して、処理ユニット103は、レーダーユニット105によって検出された物体の動きを座標化できる。
【0152】
例えば、
図6において、オブジェクト602を動かしてオブジェクト603とし、オブジェクト603は、現在の視界に対応する平面601に投影されてオブジェクト投影603'となる。
【0153】
処理ユニット103は
図8に示される。オブジェクト投影602'とオブジェクト投影603'の2次元座標は、現在の視界に対応する平面601上のオブジェクト投影602'とオブジェクト投影603'の位置に基づいて与えられる。
【0154】
処理ユニット103はオブジェクト投影602'とオブジェクト投影603'の2次元座標に基づいて、オブジェクト602がレーダーユニット105の現在の視界から移動するかどうかを判断することができる。
【0155】
図9は本発明の実施形態に基づいた現在の視界と全体視界と画像座標の概要図である。
【0156】
図6~
図9を同時に参照して説明する。本発明の実施形態では、前述のステップS1104に記載の変位量は所定の固定量であり、前述の固定量は第1の固定分量(固定成分)と第2の固定分量とを含む。
【0157】
たとえば、第1の固定分量は15°で、第2の固定分量は10°である。また、各オブジェクトクラスターの現在の状態には現在の視界座標系の現在の座標位置が含まれる。
【0158】
前述のステップS1104は第1の固定分量と第2の固定分量に基づいて現在の視界のエッジを決定する処理ユニット103を更に含む。
【0159】
第1の固定分量を15°、第2の固定分量を10°を例とすると、現在の視界のエッジは
図7の平面601にあり、水平角は35°~50°及び-50°~-35°の間にあり、垂直角度は30°~40°及び-40°~-30°の領域にある。
【0160】
処理ユニット103は、トラッキングスターの現在の視界座標系の現在の座標位置に基づいて、トラッキングスターがレーダーユニット105の現在の視界のエッジに位置するかどうかを判断する。
【0161】
図18は本発明の実施形態に基づいたレーダーの視界方向調整方法のフローチャートである。
【0162】
図6乃至
図9に加え
図18を同時に参照して説明する。
図18に示す実施形態では、各オブジェクトクラスターの現在の状態には、現在の視界座標系の現在の座標位置と、現在の視界座標系を参照することによって得られる現在の速度とが含まれる。
【0163】
前述のステップS1102は、ステップS1701とS1702を含む。
【0164】
ステップS1701において、処理ユニット103は、レーダーユニット105の視野方向とトラッキングスターの現在の速度を調整するために必要な反応時間に基づいて、変位量における第1の固定分量と第2の固定分量を決定する。
【0165】
また、変位量における第1の固定分量と第2の固定分量に基づいて現在の視界のエッジが決定される。
【0166】
例えば、レーダーユニット105の視界方向を調整するために処理ユニット103によって必要とされる応答時間はTである。トラッキングスターの現在の速度は、第1の分量V1と第2の分量V2を有する現在の視界座標系を参照し、第1の固定分量がV1Tに設定され、第2の固定分量がV2Tに設定される。
【0167】
ステップS1702において、処理ユニット103は、トラッキングスターの現在の視界座標系の現在の座標位置に基づいて、トラッキングスターがレーダーユニット105の現在の視界のエッジに位置するかどうかを判断する。
【0168】
本実施形態では、処理ユニット103は、現在の視界のエッジでトラッキングスターに応答し、処理ユニット103はトラッキングスターの推定された次の位置に基づいて、制御信号を送信して、レーダーユニット105の視界方向を調整して、現在の視界座標系の原点を作る。原点は、例えば、
図9の現在の視界座標系の原点802であり、原点はトラッキングスターの投影(例えばオブジェクト投影603')に近い。
【0169】
前述の実施形態では、レーダーユニット105の視界方向に関連する現在の視界座標系が使用されるので、処理ユニット103は、制御信号を迅速に計算して、レーダーユニット105の視界方向を調整することができる。
【0170】
図10は本発明の実施形態に基づいた現在の視界と全体視界と画像座標の概要図である。
図6乃至
図10を同時に参照して説明する。
【0171】
図10において、軌道点803-1~803-7はオブジェクト投影603'の移動軌跡である。
【0172】
レーダーユニット105の視界方向は、
図8の視界方向702から
図9の視界方向804に移動する。このとき、移動後の現在の視界の平面601の中心点802は、全体視界座標系701の中心点801と重ならない。
【0173】
処理ユニット103は、移動後の現在の視界に対応する平面601の中心点802の全体視界座標系701内における座標位置を格納するので、処理ユニット103は、トラックポイント803-1~803-7の位置を全体視界座標系701の座標として表し、それらを処理ユニット103に格納することができる。
【0174】
図11は本発明の実施形態に基づいた処理ユニットのブロック図である。
図11に示されるように、ハードウェアとしては、処理ユニット1100は、プロセッサ1101、内部メモリ1102、及び不揮発性メモリ1103を含む。
【0175】
内部メモリ1102は、例えば、ランダムアクセスメモリ(Random - Access Memory,RAM)である。もちろん、処理ユニット1100はその他の機能の必要とされるハードウェアを含んでいても良い。
【0176】
内部メモリ1102と不揮発性メモリ1103は、プログラムを記録するために使用され、プログラムはプログラムコードを含み、プログラムコードはコンピュータ操作命令を含む。内部メモリ1102と不揮発性メモリ1103はプロセッサ1101に命令とデータを提供する。
【0177】
プロセッサ1101は、対応するコンピュータプログラムを不揮発性メモリ1103から内部メモリ1102に読み取り、それを実行する。プロセッサ1101は、
図12~
図18に記載されたステップを実行するように構成される。
【0178】
プロセッサ1101は、信号処理能力を備えた集積回路チップである。実装プロセスにおいて、前述の実施形態に開示された方法とステップは、プロセッサ1101内のハードウェア集積論理回路又はソフトウェアの形態の命令で実装される。
【0179】
プロセッサ1101は、中央処理装置 (Central Processing Unit,CPU)、テンソル処理装置(Tensor Processing Unit)、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor,DSP)、専用集積回路(Application Specific Integrated Circuit,ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array,FPGA)、又は他のプログラマブル論理デバイスを含む汎用プロセッサであり、上述の実施形態に開示された様々な方法とステップを実施若しくは実行することができる。
【0180】
本発明の実施形態では、プログラムを記憶するコンピュータが読み取り可能な記録媒体も提供される。コンピュータが読み取り可能な記録媒体は、少なくとも1つの命令を記憶し、少なくとも1つの命令は、処理ユニット1100のプロセッサ1101によって実行される。これにより、処理ユニット1100のプロセッサ1101は、上述した
図12-1~
図18に記載されたステップを実行することができるが、ここでは既に説明済みなの、ここでは新たに説明しない。
【0181】
コンピュータの記憶媒体の例には、位相変化メモリ(PRAM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)、他のタイプのランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ又は内部メモリテクノロジ、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)又はその他の光ストレージ、磁気カセット、磁気テープストレージ若しくはその他の磁気ストレージデバイス、またはその他の非伝送媒体が含まれるが、これらには限定されず、コンピューティングデバイスがアクセスできる情報を格納するために使用できれば良い。本明細書で定義されるように、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(transitory media)は、変調されたデータ信号及び搬送波などの一時的な媒体を含まない。
【0182】
本発明は、例を挙げて上記のように説明したが、これらの実施形態はいずれも本発明を実施形態の範囲に限定することを意図するものではない。当業者は本発明の精神と範囲から逸脱することなく、本発明に対して変更および修正を行うことができるが、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって決定されるものとする。
【符号の説明】
【0183】
100 レーダー検出システム
101 アンテナユニット
102 フロントエンドユニット
103 処理ユニット
104 ポインティングコントロールユニット
105 レーダーユニット
201 送信アンテナユニット
202 受信アンテナユニット
203 送信ユニット
204 信号発生器
205 受信ユニット
206 復調ユニット
207 A/Dコンバータ
208-1~208-K 送信アンテナ
209-1~209-N、210-1~210-M 受信アンテナ
K、N、M 正の整数
401-1~401-5:アンテナグループ
500 ポイントクラウド
501 ポイント
502、503 オブジェクトクラスター
504 検出領域の概略図
601 現在の視界の平面
602、603 オブジェクト
602’、603’ オブジェクト投影
701 全体視界座標系
702、804 視界方向
703 現在の視界の平面の中心点
801 全体視界座標系の中心点
802 現在の視界平面の中心点
803-1~803-7 トラックポイント
1100 処理ユニット
1101 プロセッサ
1102 内部メモリ
1103 不揮発性メモリ
S1101~S1105、S1201~S1204、S1301~S1302、S1401、S1501~S1502、S1601~S1602、S1701~S1702 ステップ