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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129198
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】ポンピング型容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/34 20060101AFI20230907BHJP
【FI】
B65D47/34 100
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115619
(22)【出願日】2022-07-20
(31)【優先権主張番号】10-2022-0028318
(32)【優先日】2022-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】504132560
【氏名又は名称】株式会社太成産業
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李淙熙
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AB01
3E084CA01
3E084DA01
3E084EA02
3E084EB02
3E084GB11
3E084HB01
3E084KB01
3E084LB03
3E084LD21
(57)【要約】
【課題】シリンダーに向かってボタンを押す力が大きくなり、組立作業が難しいという排出開閉部の問題点を解決できるポンピング型容器を提供する。
【解決手段】そのために、排出開閉部は、開閉切開線が形成された弾性材質の弾性変形開閉部を有し、弾性変形開閉部がボタン排出流路部の終端を閉鎖するようにボタンに着脱可能に結合する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状物質が貯蔵される容器部と、前記容器部の内部に設置されたシリンダーと、ボタン排出流路部が形成され、前記シリンダーに向かって下降し得るように前記容器部に設置されたボタンと、前記ボタンが前記シリンダーに向かって下降する際に、前記シリンダーにある液状物質を前記ボタン排出流路部を通って外部に排出させ、前記ボタンが原位置に上昇する際に、前記容器部に貯蔵された液状物質を前記シリンダーの内部に流入させるように動作するポンピング部と、前記ボタン排出流路部を通って液状物質が外部に排出される際に、前記ボタン排出流路部を開放させ、前記ボタン排出流路部を通した液状物質の排出が中断される際に、前記ボタン排出流路部を閉鎖させるように動作する排出開閉部とを有するポンピング型容器であって、
前記排出開閉部は、開閉切開線が形成された弾性材質の弾性変形開閉部を有し、前記弾性変形開閉部が前記ボタン排出流路部の終端を閉鎖するように前記ボタンに着脱可能に結合することを特徴とするポンピング型容器。
【請求項2】
前記排出開閉部は、防止板排出案内孔が貫通形成された離脱防止板を有し、前記離脱防止板が前記弾性変形開閉部の前方で前記弾性変形開閉部に密着され、前記防止板排出案内孔が前記開閉切開線に整列されるように前記ボタンに着脱可能に結合した離脱防止部材をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のポンピング型容器。
【請求項3】
前記ボタンは、管形態のボタン側面部と、前記ボタン側面部の上端に形成され、一対の締付長孔が並んで貫通形成されたボタン天井面部を含み、
前記離脱防止部材は、前記離脱防止板に対して垂直をなすように前記離脱防止板の上端から延長形成された蓋板と、前記締付長孔よりも短い長さ区間を有するように前記蓋板の底面に形成された一対の締付突部とをさらに含み、前記締付突部を前記締付長孔に挿入する方法で前記ボタンに結合することを特徴とする、請求項2に記載のポンピング型容器。
【請求項4】
前記ボタン天井面部は、上面のうち前記締付長孔同士の間の領域に、締付案内面が、前記弾性変形開閉部から遠ざかる方向に下向き傾斜をなすように切取形成されることを特徴とする、請求項3に記載のポンピング型容器。
【請求項5】
前記容器部は、上端にボタン昇降案内管部が形成された外装容器と、前記外装容器の内部空間を外装容器下部空間と外装容器上部空間とに区画するように前記外装容器の内部に設置された外装容器隔壁部と、前記外装容器上部空間に露出されるように前記外装容器下部空間に設置された複数の液状物質貯蔵容器とを含み、
前記シリンダーは、前記液状物質貯蔵容器のそれぞれの内部に一つずつ設置され、
前記ボタンは、前記ボタン昇降案内管部に沿って昇降可能に前記容器部に設置され、
前記ポンピング部は、前記ボタンが下降する際に、前記シリンダーのそれぞれにある液状物質を前記ボタン排出流路部を通って外部に排出させ、前記ボタンが原位置に上昇する際に、前記液状物質貯蔵容器のそれぞれに貯蔵された液状物質を前記シリンダーのそれぞれの内部に流入させるように動作することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のポンピング型容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンピング型容器に関し、より詳細には、容器部に貯蔵された液状物質をポンピング式で排出させる構造を有する容器に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品、シャンプーなどのような液状物質を貯蔵した後、ボタンの押下動作によってポンピング式で排出させて使用するポンピング型容器が広く使用されている。
【0003】
ポンピング型容器は、外部から流入する空気によって、排出されていない液状物質が固まって排出経路が詰まったり、液状物質が変質したりするなどの問題点が発生する。
【0004】
このような問題点を解決するために、液状物質が外部に排出される際に、ボタンに形成されたボタン排出流路部を開放させ、ボタン排出流路部からの液状物質の排出が中断される際にボタン排出流路部を閉鎖させるように動作する排出開閉部を有するポンピング型容器が使用されている。
【0005】
図18及び図19は、それぞれ、従来ポンピング型容器の要部断面図であり、図20は、従来ポンピング型容器に係るノズル管及び排出開閉部を示す図である。
【0006】
従来のポンピング型容器は、これらの図面に示すように、液状物質が貯蔵される液状物質貯蔵容器130と、液状物質貯蔵容器130の内部に設置されたシリンダー151と、ボタン排出流路部が形成され、シリンダー151に向かって下降し得るように液状物質貯蔵容器130に設置されたボタン160と、液状物質貯蔵容器130に貯蔵されている液状物質をボタン排出流路部を通して外部に排出させるように動作するポンピング部170と、ボタン排出流路部を開閉させるように動作する排出開閉部180を有している。
【0007】
液状物質貯蔵容器130は、液状物質の貯蔵空間を有する貯蔵空間部(図示せず)と、貯蔵空間部(図示せず)の上端に結合している容器ギャップ132と、容器ギャップ132の上面に形成されたボタン昇降案内管部133を有している。
【0008】
シリンダー151は、通過孔151cが形成されたシリンダー底面部151aと、シリンダー底面部151aの周縁部から折り曲げ形成された管形態のシリンダー側面部151bを有している。
【0009】
シリンダー151は、容器ギャップ132に支持されるように貯蔵空間部(図示せず)の内部に設置される。
【0010】
ボタン160は、ボタン排出流路部に加えて、管形態のボタン側面部164と、ボタン側面部164の上端に形成されたボタン天井面部161を有している。
【0011】
ボタン排出流路部は、ボタン天井面部161に形成された垂直排出流路部162及び水平排出流路部163を有している。
【0012】
垂直排出流路部162は、ボタン側面部164と並んで配置されるように形成される。
【0013】
垂直排出流路部162と水平排出流路部163との間には支持隔壁165が形成される。
【0014】
支持隔壁165には隔壁排出案内孔165aが形成される。
【0015】
水平排出流路部163は、一端がボタン側面部164の外表面を越えて突出し、他端は垂直排出流路部162の上端に連結されるように形成される。
【0016】
水平排出流路部163は、終端にノズル管155が設置される。
【0017】
ボタン160は、ボタン側面部164の下端がボタン昇降案内管部133に挿入されるように設置される。
【0018】
ポンピング部170は、シリンダー151の内部に設置されたチェック弁171及びシリンダーピストン172と、シリンダーピストン172の上側に設置された管形態の加圧部材173と、加圧部材173の内部に設置された管形態の開閉作動部材174と、ボタン160と容器ギャップ132の上面との間に設置されたボタン復帰スプリング177を有している。
【0019】
排出開閉部180は、ノズル管155の内部に設置されたノズル開閉部材181と、ノズル管155の内部に設置された開閉部材支持スプリング182を有している。
【0020】
ノズル開閉部材181は、ノズル開閉棒部181aと、ノズル開閉棒部181aの外表面から放射状方向に延長形成された開閉部材支持フランジ181bと、ノズル開閉棒部181aの後端から延長形成されたスプリング支持棒部181cを有している。
【0021】
開閉部材支持フランジ181bには複数のフランジ排出案内孔181dが形成されている。
【0022】
ノズル開閉部材181は、ノズル開閉棒部181aがノズル管155の前端を閉鎖するように設置する。
【0023】
開閉部材支持スプリング182は、両端がノズル開閉棒部181aの後端と支持隔壁165に支持されるように設置される。
【0024】
従来のポンピング型容器の動作を図21を参照して説明すると、次の通りである。
【0025】
まず、ボタン160をシリンダー151に向かって押して下降させる。ボタン160が下降する際にボタン復帰スプリング177には弾性力が蓄積される。
【0026】
そして、ボタン160が下降する際にシリンダーピストン172が下降し、シリンダー151の内部は陽圧状態となる。陽圧状態は、大気圧よりも高い圧力状態を意味する。
【0027】
シリンダー151の内部が陽圧状態になると、チェック弁171は通過孔151cを閉鎖し、シリンダー151の内部に貯蔵された液状物質は、開閉作動部材174、加圧部材173、ボタン排出流路部162,163を経てノズル開閉棒部181aに到達する。
【0028】
ノズル開閉棒部181aに到達した液状物質の排出圧力によって、ノズル開閉棒部181aは支持隔壁165側に後退する。ノズル開閉棒部181aが支持隔壁165側に後退する間に開閉部材支持スプリング182に弾性力が蓄積される。
【0029】
ノズル開閉棒部181aが支持隔壁165側に後退すれば、ノズル管155に到達した液状物質は外部に排出される(図21参照)。
【0030】
次に、ボタン160を押す動作を中止すれば、ボタン復帰スプリング177に蓄積された弾性力によってボタン160は上昇する。
【0031】
ボタン160が上昇する際にシリンダーピストン172が上昇し、シリンダー151の内部は負圧状態となる。負圧状態は、大気圧よりも低い圧力状態を意味する。
【0032】
シリンダー151の内部が負圧状態になると、液状物質の排出動作が中止される。
【0033】
液状物質の排出動作が中止されると、液状物質の排出圧力が小さくなり、ノズル管155はノズル開閉部材181によって閉鎖される。
【0034】
そして、シリンダー151の内部が負圧状態になると、通過孔151cが開放され、液状物質貯蔵容器130に貯蔵された液状物質は通過孔151cを通ってシリンダー151の内部に流入する。
【0035】
ところが、従来のポンピング型容器によれば、液状物質が排出される方向と反対方向に液状ノズル開閉棒部181aが移動する動作によってボタン排出流路部162,163が開放されるため、シリンダー151に向かってボタン160を押す力が大きくなるという問題点があった。
【0036】
そのうえ、水平排出流路部163の内部に排出開閉部180が設置されるため、排出開閉部180の組立作業が難しいという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0037】
【特許文献1】大韓民国登録実用新案公報第20-0282746号(2002年7月9日登録)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0038】
したがって、本発明の目的は、シリンダーに向かってボタンを押す力を低減させることができ、組立作業が容易な排出開閉部を有するポンピング型容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0039】
上記の目的は、本発明によって、開閉切開線が形成された弾性材質の弾性変形開閉部を有し、前記弾性変形開閉部が前記ボタン排出流路部の終端を閉鎖するように前記ボタンに着脱可能に結合する排出開閉部を含むポンピング型容器によって達成される。
【0040】
なお、液状物質の排出圧力によって排出開閉部材がボタンから離脱することを防止できるように、前記排出開閉部は、防止板排出案内孔が貫通形成された離脱防止板を有し、前記離脱防止板が前記弾性変形開閉部の前方で前記弾性変形開閉部に密着され、前記防止板排出案内孔が前記開閉切開線に整列されるように前記ボタンに着脱可能に結合した離脱防止部材をさらに含むことが好ましい。
【0041】
また、離脱防止部材をボタンに容易に結合できるように、前記ボタンは、管形態のボタン側面部と、前記ボタン側面部の上端に形成され、一対の締付長孔が並んで貫通形成されたボタン天井面部とを含み、前記離脱防止部材は、前記離脱防止板に対して垂直をなすように前記離脱防止板の上端から延長形成された蓋板と、前記締付長孔よりも短い長さ区間を有するように前記蓋板の底面に形成された一対の締付突部とをさらに含み、前記締付突部を前記締付長孔に挿入する方法で前記ボタンに結合させることが好ましい。
【0042】
また、締付突部を容易に締付長孔に挿入できるように、前記ボタン天井面部は、上面のうち前記締付長孔同士の間の領域に締付案内面が前記弾性変形開閉部から遠ざかる方向に下向き傾斜をなすように切取形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0043】
したがって、本発明によれば、開閉切開線が形成された弾性材質の弾性変形開閉部がボタン排出流路部の終端を閉鎖するように排出開閉部を構成することによって、シリンダーに向かってボタンを押す力を低減させることができ、排出開閉部の組立作業が容易になる。
【0044】
ボタンを押す力が低減することは、液状物質の排出方向と同じ方向に開閉切開線の周囲領域が反りながらボタン排出流路部が開放されるためであり、排出開閉部の組立作業が容易になることは、排出開閉部がボタン排出流路部の外部に設置されるためである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】本発明の一実施例に係るポンピング型容器の斜視図である。
図2】本発明の一実施例に係るポンピング型容器の分解斜視図である。
図3】本発明の一実施例に係るポンピング型容器の分解斜視図である。
図4】本発明の一実施例に係るポンピング型容器の正面図及び平面図である。
図5図4のA-A線断面図である。
図6図4のB-B線断面図である。
図7】本発明の一実施例に係る排出開閉部材がボタンに結合している状態を示す図である。
図8】本発明の一実施例に係るボタンを示す図である。
図9】本発明の一実施例に係る排出開閉部材を示す図である。
図10図9のC-C線断面図である。
図11】本発明の一実施例に係る離脱防止部材を示す図である。
図12】本発明の一実施例に係る外装容器隔壁部を示す図である。
図13】本発明の一実施例に係るシリンダー支持部材を示す図である。
図14】本発明の一実施例に係る外装容器肩部を示す図である。
図15】本発明の一実施例に係るチェック弁を示す図である。
図16】本発明の一実施例に係るポンピング型容器の動作を説明するための図である。
図17】本発明の他の実施例に係るポンピング型容器の断面図である。
図18】従来ポンピング型容器の要部断面図である。
図19】従来ポンピング型容器の要部断面図である。
図20】従来ポンピング型容器に係るノズル管及び排出開閉部を示す図である。
図21】従来ポンピング型容器の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、添付の図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0047】
本発明の一実施例に係るポンピング型容器は、液状物質が貯蔵される容器部10と、容器部10に設置されたシリンダー51と、ボタン排出流路部が形成され、シリンダー51に向かって下降し得るように容器部10に設置されたボタン60と、容器部10に貯蔵された液状物質をボタン排出流路部を通して外部に排出させるように動作するポンピング部70と、ボタン排出流路部を開閉させるように動作する排出開閉部80と、シリンダー51の下端に結合したチューブ53と、ボタン60に結合したボタンホルダー54を有している。
【0048】
容器部10は、外装容器11と、外装容器11の内部空間を外装容器下部空間11dと外装容器上部空間11eとに区画するように外装容器11の内部に設置された外装容器隔壁部20と、外装容器下部空間11dに設置された2個の液状物質貯蔵容器30を有している。
【0049】
外装容器11は、凹形の外装容器ボディー部11aと、外装容器ボディー部11aの上端に設置された外装容器肩部11bと、外装容器肩部11bの上端に形成されたボタン昇降案内管部11cを有している。
【0050】
外装容器隔壁部20は、一対の隔壁部連絡孔21aが形成された隔壁部底面部21と、隔壁部底面部21の周縁部から上方に折り曲げ形成された隔壁部側面部22を有している。
【0051】
各液状物質貯蔵容器30は、液状物質の貯蔵空間を有する貯蔵空間部31と、下端が貯蔵空間部31の内部空間に連通するように貯蔵空間部31の上端に結合した管形態の貯蔵容器ネック部32を有している。
【0052】
各液状物質貯蔵容器30は、外装容器上部空間11eに露出されるように次のような方法で外装容器下部空間11dに設置されてよい。
【0053】
まず、貯蔵容器ネック部32が隔壁部連絡孔21aを通過した状態で液状物質貯蔵容器30を回転させ、液状物質貯蔵容器30を外装容器隔壁部20に結合させる。
【0054】
次に、貯蔵空間部31が外装容器下部空間11dに挿入されるように外装容器隔壁部20を外装容器ボディー部11aに結合させる。
【0055】
シリンダー51は、液状物質貯蔵容器30のそれぞれの内部に一つずつ設置される。
【0056】
各シリンダー51は、通過孔51cが形成されたシリンダー底面部51aと、シリンダー底面部51aの周縁部から折り曲げ形成された管形態のシリンダー側面部51bを有している。
【0057】
シリンダー51は、通過孔51cが貯蔵空間部31の内部に連通するように液状物質貯蔵容器30の内部に設置される。
【0058】
各シリンダー51は、シリンダー支持部材40によって支持される。
【0059】
シリンダー支持部材40は、シリンダー支持板部41と、シリンダー支持板部41の板面に垂直に配置されるようにシリンダー支持板部41に形成された一対のシリンダー支持管部42と、一対のシリンダー支持管部42を取り囲むようにシリンダー支持板部41から延長形成された締付壁部43と、一対のシリンダー支持管部42の間の領域においてシリンダー支持板部41の板面に垂直な上方に沿って延長形成された流動防止管部45を有している。
【0060】
各シリンダー支持管部42は、内表面上端にシリンダー支持突起42aが突出形成される。
【0061】
シリンダー支持部材40は、締付壁部43の外表面を通って隔壁部側面部22の内表面に結合し、シリンダー支持管部42の内表面を通って貯蔵容器ネック部32の外表面に結合するように設置される。
【0062】
シリンダー51は、シリンダー側面部51bの上端を通ってシリンダー支持突起42aに支持されるように設置される。
【0063】
ボタン60は、ボタン排出流路部に加えて、管形態のボタン側面部64と、ボタン側面部64の上端に形成されたボタン天井面部61を有している。
【0064】
ボタン天井面部61には、一対の締付長孔61aが並んで貫通形成される。
【0065】
そして、ボタン天井面部61は、上面のうち、締付長孔61a同士の間の領域に締付案内面61bが後述の弾性変形開閉部81cから遠ざかる方向に下向き傾斜をなすように切取形成される。
【0066】
ボタン排出流路部は、ボタン天井面部61に形成された垂直排出流路部62及び水平排出流路部63を有している。
【0067】
垂直排出流路部62は、液状物質貯蔵容器30に一対一で対応するように設けられる。
【0068】
各垂直排出流路部62は、ボタン側面部64と並んで配置されるように形成される。
【0069】
水平排出流路部63は、一端がボタン側面部64の外表面を越えて突出し、他端は垂直排出流路部62のそれぞれの上端に連結されるように形成される。
【0070】
ボタン60は、ボタン側面部64の下端がボタン昇降案内管部11cに挿入されるように設置される。
【0071】
ポンピング部70は、シリンダー51の内部に設置されたチェック弁71及びシリンダーピストン72と、シリンダーピストン72の上側に設置された加圧部材73と、加圧部材73の内部に設置された開閉作動部材74と、垂直排出流路部62とシリンダー51の内部空間を連結する排出中間流路部75と、シリンダー51に結合したスプリング支持部材76と、ボタン60とスプリング支持部材76との間に設置されたボタン復帰スプリング77を有している。
【0072】
チェック弁71は、下端が密閉した円形管形態のチェック弁開閉部71aと、チェック弁開閉部71aの上側を取り囲むように配置された円形の支持リング71bと、チェック弁開閉部71aと支持リング71bとを連結する3個の連結アーム71cを有している。
【0073】
チェック弁71は、チェック弁開閉部71aが通過孔51cを閉鎖するようにシリンダー51の内部に設置される。
【0074】
シリンダーピストン72は、管形態のシリンダーピストン密着部72aと、シリンダーピストン密着部72aに並んで配置されるようにシリンダーピストン密着部72aの内表面から延長形成された管形態のシリンダーピストン流路開閉部72bを有している。
【0075】
シリンダーピストン72は、シリンダーピストン密着部72aがシリンダー側面部51bの内表面に密着するようにシリンダー51の内部に設置される。
【0076】
加圧部材73は管形態で形成され、上端にはスプリング支持折り曲げ部73aが外側に延長形成される。
【0077】
加圧部材73は、後述するシリンダー側垂直流路部75cに結合する。
【0078】
開閉作動部材74は、下端が密閉した開閉作動管部74aと、開閉作動管部74aの下端から外側に下向き傾斜をなすように延長形成された開閉スカート部74bを有している。
【0079】
開閉作動管部74aは、下端に作動管排出案内孔74cが形成される。
【0080】
開閉作動部材74は、開閉スカート部74bの上面がシリンダーピストン流路開閉部72bの下端に接触するように加圧部材73に結合する。
【0081】
排出中間流路部75は、直線状の中間水平流路部75aと、中間水平流路部75aの上面において上方に延長形成された一対のボタン側垂直流路部75bと、中間水平流路部75aの両端からそれぞれ下方に折り曲げ形成された一対のシリンダー側垂直流路部75cと、中間水平流路部75aの底面においてシリンダー側垂直流路部75cに並んで延長形成された流動防止柱75dを有している。
【0082】
中間水平流路部75aは、上下に分けて製作された後、組み立てられる。
【0083】
排出中間流路部75は、各ボタン側垂直流路部75bが垂直排出流路部62に一つずつ連結され、流動防止柱75dが流動防止管部45に挿入されるように設置される。
【0084】
スプリング支持部材76にはスプリング支持溝76aが形成されている。
【0085】
ボタン復帰スプリング77は、両端がスプリング支持溝76aの底面とスプリング支持折り曲げ部73aに支持されるように設置される。
【0086】
排出開閉部80は、ボタン60に結合した排出開閉部材81及び離脱防止部材82を有している。
【0087】
排出開閉部材81は、一対の開閉部材支持管部81aと、開閉部材支持管部81aの終端に開閉部材支持管部81aの長さ方向に垂直に配置されるように形成された長方形状の開閉部材支持板部81bと、各開閉部材支持管部81aの一端を閉鎖するように形成された弾性変形開閉部81cを有している。
【0088】
開閉部材支持板部81bは、弾性変形開閉部81cの前方に支持板排出案内孔81dが形成される。
【0089】
弾性変形開閉部81cには、開閉切開線81eが形成される。開閉切開線81eの形成は、エックス(X)状などになってよい。
【0090】
排出開閉部材81は、NBR(nitrile-butadiene rubber)などの弾性材質で作製される。
【0091】
排出開閉部材81は、開閉部材支持管部81aが水平排出流路部63に挿入され、弾性変形開閉部81cが水平排出流路部63の終端を閉鎖するように設置される。
【0092】
離脱防止部材82は、防止板排出案内孔82eが貫通形成された離脱防止板82aと、離脱防止板82aに対して垂直をなすように離脱防止板82aの上端から延長形成された蓋板82bと、締付長孔61aにそれぞれ対応するように蓋板82bの底面に形成された一対の締付突部82cと、離脱防止板82aから延長形成された「コ」状断面の覆い面部82dを有している。
【0093】
各締付突部82cは、2部分に分割形成されている。
【0094】
各締付突部82cは、締付長孔61aよりも短い長さ区間を有するように形成される。
【0095】
離脱防止部材82は、離脱防止板82aが弾性変形開閉部81cの前方で弾性変形開閉部81cに密着され、防止板排出案内孔82eが開閉切開線81eに整列されるようにボタン60に結合する。離脱防止部材82の結合は、締付突部82cを締付長孔61aに挿入する方法でなされる。締付長孔61aに対する締付突部82cの初期挿入深さは、締付案内面61bによって増加する。
【0096】
チューブ53は、上端が通過孔51cに連結されるようにシリンダー51に結合する。
【0097】
ボタンホルダー54は、流通中又は保管中にボタン60が不所望にシリンダー51に向かって押されることを防止する働きをする。
【0098】
前述した構成を有する本発明の一実施例に係るポンピング式容器を使用する方法を図16を参照して説明すると、次の通りである。ポンピング部70の動作原理は従来に広く知られており、簡単に説明する。
【0099】
まず、ボタンホルダー54をボタン側面部64から分離する。
【0100】
次に、ボタン60をシリンダー51に向かって押して下降させる。ボタン60が下降する間にボタン復帰スプリング77には弾性力が蓄積される。
【0101】
そして、ボタン60が下降すると、次のような動作によって通過孔51cは閉鎖され、弾性変形開閉部81cは開放され、シリンダー51のそれぞれの内部に貯蔵された液状物質は外部に排出される。
【0102】
1)開閉作動部材74はボタン60と一緒に下降し始め、シリンダーピストン72は開閉作動部材74よりも遅く下降し始める。
【0103】
2)シリンダーピストン72が開閉作動部材74よりも遅く下降することにより、開閉スカート部74bとシリンダーピストン流路開閉部72bとの間が開放される。
【0104】
3)シリンダーピストン72が下降することにより、シリンダー51のそれぞれの内部は陽圧状態となる。
【0105】
シリンダー51の内部が陽圧状態になると、チェック弁71によって通過孔51cは閉鎖され、シリンダー51の内部に貯蔵された液状物質は、開閉作動部材74、加圧部材73、排出中間流路部75、垂直ボタン流路部62及び水平ボタン流路部63を経て弾性変形開閉部81cに到達する。
【0106】
弾性変形開閉部81cに到達した液状物質の排出圧力によって開閉切開線81eの周囲領域が反り、弾性変形開閉部81cは開放される(図16参照)。
【0107】
弾性変形開閉部81cが開放されると、弾性変形開閉部81cに到達した液状物質は外部に排出される。
【0108】
次に、ボタン60を押す動作を中止する。
【0109】
ボタン60を押す動作が中止されると、ボタン復帰スプリング77に蓄積された弾性力によってボタン60は上昇する。
【0110】
ボタン60が上昇する間に、次のような動作により、通過孔51cは開放され、液状物質貯蔵容器30のそれぞれに貯蔵された液状物質は通過孔51cを通ってシリンダー51のそれぞれの内部に流入し、弾性変形開閉部81cは閉鎖される。
【0111】
1)開閉作動部材74はボタン60と一緒に上昇し始め、シリンダーピストン72は開閉作動部材74よりも遅く上昇し始める。
【0112】
2)シリンダーピストン72が開閉作動部材74よりも遅く上昇することにより、開閉スカート部74bとシリンダーピストン流路開閉部72bとの間が閉鎖される。
【0113】
3)シリンダーピストン72が上昇することにより、シリンダー51のそれぞれの内部は負圧状態となる。
【0114】
4)シリンダー51の内部が負圧状態になると、通過孔51cが開放され、液状物質貯蔵容器30に貯蔵された液状物質は通過孔51cを通ってシリンダー51の内部に流入する。
【0115】
貯蔵空間部31に貯蔵された液状物質がシリンダー51の内部に流入する間に貯蔵空間部31の体積は縮小する。
【0116】
そして、シリンダー51の内部が負圧状態になると、液状物質の排出動作が中止される。
【0117】
液状物質の排出動作が中止されると、開閉切開線81eの周囲領域の反り状態がなくなり、弾性変形開閉部81cは再び閉鎖される。
【0118】
一方、前述の実施例では複数の液状物質貯蔵容器30を有するように容器部10を構成しているが、図17に示すように、一つの液状物質貯蔵容器を有するように容器部を構成して本発明を適用できることも勿論である。
【0119】
図17は、本発明の他の実施例に係るポンピング型容器の断面図である。
【0120】
本発明の他の実施例に係るポンピング型容器は、一つの液状物質貯蔵容器30’と一つのシリンダー51’を有する。
【0121】
液状物質貯蔵容器30’は、凹形の貯蔵空間部31’と、貯蔵空間部31’の上端に設置された貯蔵容器肩部32’を有する。
【0122】
貯蔵空間部31’は、本発明の一実施例に係るポンピング型容器におけると同様に、内部空間の体積が縮小し得る材質で作製してもよく、或いは、液状物質貯蔵容器30’に貯蔵された液状物質がシリンダー51’の内部に流入する際に貯蔵空間部31’の内部に空気を流入させる(貯蔵空間部に貯蔵された液状物質に空気が接触しないように)手段を付加して本発明を実施してもよい。空気を貯蔵空間部31’の内部に流入させる手段は、従来に広く知られており、詳細な説明は省略する(大韓民国登録特許第10-1959131号、大韓民国公開実用新案第20-2014-0002216号などを参照)。
【0123】
ボタン60’には一つの垂直排出流路部62’が形成されている。
【0124】
排出開閉部80’は、本発明の一実施例に係るポンピング型容器におけると同様の構成を有する。
【0125】
上述したように、本発明によれば、開閉切開線81eが形成された弾性材質の弾性変形開閉部81cがボタン排出流路部62,63の終端を閉鎖するように排出開閉部80を構成することによって、シリンダー51に向かってボタン60を押す力を低減でき、排出開閉部80の組立作業が容易になる。
【0126】
ボタン60を押す力が低減することは、液状物質の排出方向と同じ方向に開閉切開線81eの周囲領域が反りながらボタン排出流路部62,63が開放されるためであり、排出開閉部80の組立作業が容易になることは、排出開閉部80が水平排出流路部63の外部に設置されるためである。
【0127】
なお、離脱防止板82aが弾性変形開閉部81cの前方で弾性変形開閉部81cに密着するように離脱防止部材82をボタン60に結合させることによって、液状物質の排出圧力によって排出開閉部材81がボタン60から離脱することを防止できる。
【0128】
また、離脱防止部材82に形成された一対の締付突部82cを、ボタン60に形成された一対の締付長孔61aに挿入し、離脱防止部材82をボタン60に結合させることによって、離脱防止部材82をボタン60に容易に結合させることができる。離脱防止部材82をボタン60に容易に結合できることは、ボタン天井面部61の上面でスライディング移動させる動作によって離脱防止部材82をボタン60に結合できるためである。
【0129】
また、ボタン天井面部61に、弾性変形開閉部81cから遠ざかる方向に下向き傾斜をなすように締付案内面61bを形成することによって、締付突部82cを容易に締付長孔61aに挿入することができる。締付突部82cを容易に締付長孔61aに挿入できることは、締付長孔61aに対する締付突部82cの初期挿入深さが増加するためである。
【0130】
また、液状物質貯蔵容器30と同数のシリンダー51を設置する一方で、ボタン60が下降する際に、シリンダー51のそれぞれに貯蔵された液状物質をボタン排出流路部62,63を通って外部に排出させ、ボタン60が原位置に上昇する際に、液状物質貯蔵容器30のそれぞれに貯蔵された液状物質をシリンダー51のそれぞれの内部に流入させるようにポンピング部70を構成することによって、複数の液状物質貯蔵容器30を有するポンピング型容器にも本発明を適用できる。
【符号の説明】
【0131】
10:容器部
11:外装容器
20:外装容器隔壁部
30:液状物質貯蔵容器
40:シリンダー支持部材
51:シリンダー
60:ボタン
70:ポンピング部
80:排出開閉部
81:排出開閉部材
82:離脱防止部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図19
図20
図21
【手続補正書】
【提出日】2023-08-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状物質が貯蔵される容器部と、前記容器部の内部に設置されたシリンダーと、ボタン排出流路部が形成され、前記シリンダーに向かって下降し得るように前記容器部に設置されたボタンと、前記ボタンが前記シリンダーに向かって下降する際に、前記シリンダーにある液状物質を前記ボタン排出流路部を通って外部に排出させ、前記ボタンが原位置に上昇する際に、前記容器部に貯蔵された液状物質を前記シリンダーの内部に流入させるように動作するポンピング部と、前記ボタン排出流路部を通って液状物質が外部に排出される際に、前記ボタン排出流路部を開放させ、前記ボタン排出流路部を通した液状物質の排出が中断される際に、前記ボタン排出流路部を閉鎖させるように動作する排出開閉部とを有するポンピング型容器であって、
前記排出開閉部は、開閉切開線が形成された弾性材質の弾性変形開閉部を有し、前記弾性変形開閉部が前記ボタン排出流路部の終端を閉鎖するように前記ボタンに着脱可能に結合し、
前記排出開閉部は、防止板排出案内孔が貫通形成された離脱防止板を有し、前記離脱防止板が前記弾性変形開閉部の前方で前記弾性変形開閉部に密着され、前記防止板排出案内孔が前記開閉切開線に整列されるように前記ボタンに着脱可能に結合した離脱防止部材をさらに含み、
前記ボタンは、管形態のボタン側面部と、前記ボタン側面部の上端に形成され、一対の締付長孔が並んで貫通形成されたボタン天井面部を含み、
前記離脱防止部材は、前記離脱防止板に対して垂直をなすように前記離脱防止板の上端から延長形成された蓋板と、前記締付長孔よりも短い長さ区間を有するように前記蓋板の底面に形成された一対の締付突部とをさらに含み、前記締付突部を前記締付長孔に挿入する方法で前記ボタンに結合することを特徴とする、
ポンピング型容器。
【請求項2】
前記ボタン天井面部は、上面のうち前記締付長孔同士の間の領域に、締付案内面が、前記弾性変形開閉部から遠ざかる方向に下向き傾斜をなすように切取形成されることを特徴とする、請求項1に記載のポンピング型容器。
【請求項3】
前記容器部は、上端にボタン昇降案内管部が形成された外装容器と、前記外装容器の内部空間を外装容器下部空間と外装容器上部空間とに区画するように前記外装容器の内部に設置された外装容器隔壁部と、前記外装容器上部空間に露出されるように前記外装容器下部空間に設置された複数の液状物質貯蔵容器とを含み、
前記シリンダーは、前記液状物質貯蔵容器のそれぞれの内部に一つずつ設置され、
前記ボタンは、前記ボタン昇降案内管部に沿って昇降可能に前記容器部に設置され、
前記ポンピング部は、前記ボタンが下降する際に、前記シリンダーのそれぞれにある液状物質を前記ボタン排出流路部を通って外部に排出させ、前記ボタンが原位置に上昇する際に、前記液状物質貯蔵容器のそれぞれに貯蔵された液状物質を前記シリンダーのそれぞれの内部に流入させるように動作することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のポンピング型容器。