(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129219
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】磁気センサーによるグレーティング角度検出機構を備えたモノクロメーター分光器
(51)【国際特許分類】
G01J 3/18 20060101AFI20230907BHJP
G01J 3/06 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
G01J3/18
G01J3/06
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146454
(22)【出願日】2022-09-14
(31)【優先権主張番号】111107734
(32)【優先日】2022-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】512152743
【氏名又は名称】信泰光學(深セン)有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】598001814
【氏名又は名称】亞洲光學股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ASIA OPTICAL CO.,INC.
【住所又は居所原語表記】NO.22-3 South 2nd Road,T.E.P.Z,Taichung,Taiwan R.O.C.
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 勝裕
(72)【発明者】
【氏名】成澤 望
(72)【発明者】
【氏名】飛塚 博昭
(72)【発明者】
【氏名】其阿彌 一隆
【テーマコード(参考)】
2G020
【Fターム(参考)】
2G020CB36
2G020CC07
2G020CC27
2G020CC49
2G020CC55
2G020CC62
2G020CD41
2G020CD60
(57)【要約】
【課題】モノクロメーター、および、その自己診断方法を提供する。
【解決手段】モノクロメーターは、グレーティング、磁石、角度センサー、および、制御ユニットを有する。グレーティングは光線を受光し、グレーティングは、回転中心軸の周りを回転し、光線の入射角度を変化させ、特定波長の光線を得る。磁石とグレーティングは接続し、且つ、回転中心軸の周りを回転することができ、且つ、グレーティングの回転角度と磁石の回転角度は等しい。角度センサーは、磁石の回転角度を検出して、磁石の回転角度に対応する特定波長の光線のデータを得る。制御ユニットは、データに従って、グレーティングの回転を制御して、特定波長の光線を得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノクロメーターであって、
光線を受光し、回転中心軸の周りを回転し、前記光線の入射角度を変化させ、特定波長の光線を得るグレーティングと、
前記グレーティングと接続され、前記回転中心軸の周りを回転し、且つ、回転角度が、前記グレーティングの回転角度と等しい磁石と、
前記磁石の回転角度を検出して、前記磁石の回転角度に対応する特定波長の光線のデータを得る角度センサーと、
前記データにしたがって、前記グレーティングの回転を制御して、前記特定波長の光線を得る制御ユニットと、
を有することを特徴とするモノクロメーター。
【請求項2】
前記制御ユニットが、前記データにしたがって、前記グレーティングを制御し、初期位置から特定位置に回転させて、前記特定波長の光線を得るとき、前記制御ユニットが再度、前記グレーティングを制御して回転させて、もう一つの特定波長の光線を得る時、前記特定位置は、もう一つの初期位置になることを特徴とする請求項1に記載のモノクロメーター。
【請求項3】
さらに、
前記光線がまず入射して、コリメートされた後、反射して、前記グレーティングに再入射するコリメートミラーと、
前記特定波長の光線を反射する集光ミラーと、
スリット、および、光ファイバーレセプタクルを有して、前記集光ミラーにより反射される前記特定波長の光線をまず、前記スリットに通過させた後、さらに、前記光ファイバーレセプタクルを通過させて、出力光コネクタから出力する出力光コネクタと、
を備え、
内蔵光源、および、コリメートミラーを有して、前記内蔵光源が前記光線を発射し、前記光線はまず、前記コリメートミラーに入射して、コリメートされた後、反射して、前記グレーティングに再入射し、
フィルター、および、出力光コネクタを有し、前記出力光コネクタはスリットを有して、前記特定波長の光線をまず、前記フィルターに通過させた後、さらに、前記スリットを通過させて、前記出力光コネクタにより出力させ、前記特定波長の光線以外の光線は、前記フィルターによりフィルタリングされ、
前記内蔵光源は更に、集束レンズを有して、前記光線をまず、前記集束レンズを通過させてから、前記コリメートミラーに再入射させ、
前記内蔵光源は更に、もう一つのスリットを有して、前記光線を、前記集束レンズ、および、前記もう一つのスリットの順に通過させて、前記コリメートミラーに再入射させることを特徴とする請求項1に記載のモノクロメーター。
【請求項4】
さらに、出力光コネクタを有し、前記出力光コネクタは、凹槽、および、光ファイバーレセプタクルを有して、前記特定波長の光線をまず、前記凹槽に通過させた後、前記光ファイバーレセプタクルを通過させ、前記出力光コネクタから出力し、前記出力光コネクタは一体成型で形成され、前記角度センサーは、ホールセンサー、異方性磁気抵抗(Anisotropic Magnetoresistance; AMR)センサー、巨大磁気抵抗(Giant Magnetoresistance; GMR)センサー、あるいは、トンネル磁気抵抗(Tunnel Magnetoresistance; TMR)センサーであり、前記磁石は、磁気センサー、および、永久磁石を有し、
前記データは、波長とグレーティング回転角度間の関係を記録し、前記制御ユニットは、前記データ中の前記特定波長の光線450nmにしたがって、前記グレーティングを制御して、第一位置31.2まで回転させ、前記データ中の前記特定波長の光線480nmにしたがって、前記グレーティングを制御して、第二位置32.4まで回転させ、前記データ中の前記特定波長の光線500nmにしたがって、前記グレーティングを制御して、第三位置33.1まで回転させ、および、前記データ中の前記特定波長の光線550nmにしたがって、前記グレーティングを制御し、第四位置35.0まで回転させる
ことを特徴とする請求項1に記載のモノクロメーター。
【請求項5】
モノクロメーターの自己診断方法であって、
前記請求項1で記載されるモノクロメーター、測定装置、および、参考表を提供する工程と、
前記磁石が参考位置に位置する時、前記モノクロメーターにより、対応する参考波長、および、参考光量を出力する工程と、
前記測定装置により、前記参考波長、および、前記参考光量を測定する工程と、
前記参考波長、および、前記参考光量を、前記参考表中に記録する工程と、
前記磁石が前記参考位置に位置する時、前記測定装置により、前記モノクロメーターにより出力される波長、および、光量を再度測定する工程と、
前記波長と前記参考波長、および、前記光量と前記参考光量を比較して、前記モノクロメーターが正常に動作しているか否かを診断する工程と、
を有することを特徴とする方法。
【請求項6】
モノクロメーターの自己診断方法であって、
前記請求項1で記載されるモノクロメーター、受光ユニット、前記請求項5で記載される参考表、フィルター、スリット、および、出力光コネクタを提供し、前記出力光コネクタは、凹槽、および、光ファイバーレセプタクルを有する工程と、
前記特定波長の光線を、前記フィルター、前記スリット、前記凹槽、および、前記光ファイバーレセプタクルに順に通過させた後、光ファイバーにより、前記受光ユニットに出力する工程と、
前記受光ユニットにより、前記磁石が前記参考位置に位置する時、前記モノクロメーターにより出力される光量を測定する工程と、
前記光量と前記参考光量を比較して、前記モノクロメーターが正常に動作しているか否かを診断する工程と、
前記モノクロメーターの動作が異常であると判断する時、警報を発する工程と、
を有することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気センサーによるグレーティング角度検出機構を備えたモノクロメーター(monochromator)、および、その自己診断方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のモノクロメーターは、通常、一次光(-1次)の光線だけをモノクロメーターから取り出し、更に高次の光線を最大限に活用しておらず、モノクロメーターのある波長の出力光線強度を低下させ、モノクロメーターの使用に不利である。モノクロメーターの出力光線波長の精度が極めて重要のため、正常に動作しないモノクロメーターは、不正確な波長の光線を出力して、使用者が誤用してしまうが、従来のモノクロメーターは大部分が、モノクロメーターが正常に動作しているか否かを知ることができない。このほか、従来のモノクロメーター式は、回折格子の回転角度の制御により、分光波長を制御している。
【0003】
回転角の制御法としては、機械的な原点位置(角度)を設定し、原点からのモーターの回転量によって制御するものや、サインバー駆動方式(特許文献1参照)において、シャフト回転数によって制御するものがあるが、いずれの方式においても、回折格子の角度を直接計測しておらず、モノクロメーターが正常に動作しているかを知ることができない。そのため、不正確な波長を認識し、使用者が誤用してしまう可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
よって、本発明は、モノクロメーター、および、その自己診断方法を提供し、モノクロメーターは、回折格子の回転角度を直接計測できる、一次光(-1次)の光線を取り出すことができる以外に、高次光(-2次)の光線を取り出すことができ、モノクロメーターの出力光線強度を、ブロードバンドの範囲内で効果的に増加させ、モノクロメーターの応用範囲を拡充し、このほか、自己診断方法は、角度を検出するセンサー、センサーを駆動する回路系、回折格子を回転させる機械系が正しく動作していることを判定できる、モノクロメーターに、正常に動作しているか否かの検証を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、モノクロメーターを提供し、モノクロメーターは、グレーティング、磁石、角度センサー、および、制御ユニットを有する。グレーティングは光線を受光し、グレーティングは、回転中心軸の周りを回転し、光線の入射角度を変化させ、特定波長の光線を得る。磁石とグレーティングは接続し、回転中心軸の周りを回転することができ、且つ、グレーティングの回転角度と磁石の回転角度は等しい。角度センサーは、磁石の回転角度を検出して、磁石の回転角度に対応する特定波長の光線のデータを得る。制御ユニットは、データに従って、グレーティングの回転を制御して、特定波長の光線を得る。
【0007】
制御ユニットが、データにしたがって、グレーティングを制御して、初期位置から特定位置に回転させて、特定波長の光線を得る時、制御ユニットが再度、グレーティングを制御して、回転させ、もう一つの特定波長の光線を得るとき、特定位置は、もう一つの初期位置になる。
【0008】
本発明のモノクロメーターはさらに、コリメートミラー、集光ミラー、および、出力光コネクタを有することができ、光線はまず、コリメートミラーに入射して、コリメートされ、その後、反射して、グレーティングに再入射し、集光ミラーは、特定波長の光線を反射するのに用いられ、出力光コネクタは、スリット、および、光ファイバーレセプタクルを有し、集光ミラーにより反射される特定波長の光線は、まず、スリットを通過後、光ファイバーレセプタクルを通過して、出力光コネクタにより出力される。
【0009】
本発明のモノクロメーターはさらに、内蔵光源、および、コリメートミラーを有することができ、内蔵光源は光線を発射し、光線はまず、コリメートミラーに入射して、コリメートされた後、反射して、グレーティングに再入射する。
【0010】
内蔵光源はさらに、集束レンズを有することができ、光線をまず、集束レンズに通過させ、コリメートミラーに再入射させる。
【0011】
内蔵光源はさらに、もう一つのスリットを有することができ、光線を、集束レンズ、および、もう一つのスリットの順に通過させて、コリメートミラーに再入射させる。
【0012】
本発明のモノクロメーターはさらに、フィルター、および、出力光コネクタを有することができ、出力光コネクタはスリットを有して、特定波長の光線をまず、フィルターに通過させた後、スリットを通過させて、出力光コネクタから出力し、特定波長の光線以外の光線はフィルターによりフィルタリングされる。
【0013】
本発明のモノクロメーターはさらに、出力光コネクタを有することができ、この出力光コネクタは、凹槽、および、光ファイバーレセプタクルを有して、特定波長の光線をまず、凹槽に通過させた後、光ファイバーレセプタクルを通過させて、出力光コネクタにより出力し、出力光コネクタは一体成型で形成され、角度センサーは、ホールセンサー、異方性磁気抵抗センサー、巨大磁気抵抗センサー、あるいは、トンネル磁気抵抗センサーであり、磁石は、磁気センサー、および、永久磁石を有する。
【0014】
表一のようにデータは、波長とグレーティング回転角度の間の関係を記録し、制御ユニットは、データ中の特定波長の光線450nmにしたがって、グレーティングを制御して、第一位置31.2に回転させ、データ中の特定波長の光線480nmにしたがって、グレーティングを制御して、第二位置32.4に回転させ、データ中の特定波長の光線500nmにしたがって、グレーティングを制御して、第三位置33.1に回転させ、データ中の特定波長の光線550nmにしたがって、グレーティングを制御して、第四位置35.0に回転させる。
【0015】
本発明は、モノクロメーターの自己診断方法を提供し、モノクロメーター、測定装置、および、参考表を提供する工程と、磁石が参考位置に位置する時、モノクロメーターにより、対応する参考波長、および、参考光量を出力する工程と、測定装置で、参考波長、および、参考光量を測定する工程と、参考波長、および、参考光量を参考表中に記録する工程と、磁石が参考位置に位置する時、測定装置により、モノクロメーターにより出力される波長、および、光量を再度測定する工程と、波長と参考波長、および、光量と参考光量を比較して、モノクロメーターが正常に動作するか否か診断する工程、を有する。
【0016】
本発明は、もう一種のモノクロメーターの自己診断方法を提供し、モノクロメーター、受光ユニット、参考表、フィルター、スリット、および、出力光コネクタを提供し、出力光コネクタが、凹槽、および、光ファイバーレセプタクルを有する工程と、特定波長の光線を、フィルター、スリット、凹槽、および、光ファイバーレセプタクルの順に通過させ、その後、光ファイバーにより、受光ユニットに出力する工程と、磁石が参考位置に位置する時、受光ユニットにより、モノクロメーターにより出力される光量を測定する工程と、光量と参考光量を比較して、モノクロメーターが正常に動作するか否か診断する工程と、モノクロメーターの動作が異常であると診断する時、警報を発する工程、を有する。
【0017】
本発明は、さらにもう一種のモノクロメーターの自己診断方法を提供し、モノクロメーター、受光ユニット、フィルター、および、参考表を提供し、フィルターは、波長が480nmより小さい光線をフィルタリングし、550nmより大きい光線を直接通過させ、波長が、480nm~500nmの光線は、波長が増加すれば、透過率も伴って増加し、参考表は、磁石が参考位置に位置する時、モノクロメーターが出力する参考波長、および、参考光量を記録し、参考光量は、特定波長の光線がフィルターを通過後、受光ユニットにより測定して得られる工程と、磁石が参考位置に位置する時、受光ユニットにより、特定波長の光線が、フィルターを通過後、モノクロメーターにより出力される光量を再度測定する工程と、光量と参考光量を比較して、モノクロメーターが正常に動作するか否か診断する工程、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明によるモノクロメーターの第一実施形態を示す図である。
【
図2】本発明によるモノクロメーターの第一実施形態によるグレーティング回転メカニズムを示す図である。
【
図3】本発明によるモノクロメーターの第二実施形態を示す図である。
【
図4】本発明のモノクロメーター、および、自己診断方法の構造である。
【
図5】本発明によるモノクロメーターのフィルター光学特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、モノクロメーターを提供する。モノクロメーターは、光線を受光し、回転中心軸の周りを回転し、光線の入射角度を変化させ、特定波長の光線を得るグレーティングと、グレーティングと接続し、回転中心軸の周りを回転することができ、且つ、回転角度が、グレーティングの回転角度と等しい磁石と、磁石の回転角度を検出して、磁石の回転角度に対応する特定波長の光線のデータを得る角度センサー、および、データに従って、グレーティングの回転を制御して、特定波長の光線を得る制御ユニット、を有する。
【0020】
本発明は、モノクロメーターの自己診断方法を提供し、モノクロメーター、測定装置、および、参考表を提供する工程と、磁石が参考位置に位置する時、モノクロメーターにより、対応する参考波長、および、参考光量を出力する工程と、測定装置により、参考波長、および、参考光量を測定する工程と、参考波長、および、参考光量を、参考表中に記録する工程と、磁石が参考位置に位置する時、測定装置により、モノクロメーターにより出力される波長、および、光量を再度測定する工程と、波長と参考波長、および、光量と参考光量を比較して、モノクロメーターが正常に動作しているか否かを診断する工程と、を有する。
【0021】
本発明は、もう一種のモノクロメーターの自己診断方法を提供する。モノクロメーター、受光ユニット、参考表、フィルター、スリット、および、出力光コネクタを提供し、出力光コネクタが、凹槽、および、光ファイバーレセプタクルを有する工程と、特定波長の光線を、フィルター、スリット、凹槽、および、光ファイバーレセプタクルの順に通過させて、その後、光ファイバーにより、受光ユニットに出力する工程と、磁石が参考位置に位置する時、受光ユニットにより、モノクロメーターにより出力される光量を測定する工程と、光量と参考光量を比較して、モノクロメーターが正常に動作しているか否かを診断する工程と、モノクロメーターの動作が異常であると診断する時、警報を発する工程、を有する。
【0022】
本発明は、もう一種のモノクロメーターの自己診断方法を提供し、モノクロメーター、受光ユニット、フィルター、および、参考表を提供し、フィルターは、波長が480nmより小さい光線をフィルタリングし、550nmより大きい光線を直接通過させ、波長が、480nm~500nmの光線は、波長が増加すれば、透過率も伴って増加し、参考表は、磁石が参考位置に位置する時、モノクロメーターにより出力される参考波長、および、参考光量を記録し、参考光量は、特定波長の光線が、フィルターを通過後、受光ユニットにより測定して得られる工程と、磁石が参考位置に位置する時、受光ユニットにより、特定波長の光線が、フィルターを通過後、モノクロメーターにより出力される光量を再度測定する工程と、光量と参考光量を比較して、モノクロメーターが正常に動作しているか否かを診断する工程、を有する。
【0023】
本発明のモノクロメーターの第一実施形態を詳細に説明する。
図1と
図2を同時に参照すると、モノクロメーター100は、内蔵光源110、コリメートミラー120、グレーティング130、磁石132、角度センサー134、集光ミラー140、出力光コネクタ150、グレーティング回転メカニズム160、散熱器170、ベース180、および、制御ユニット(図示しない)を有する。グレーティング回転メカニズム160は、グレーティングホルダー1601、回転主軸1602、伝動ギア1603、および、装着板1604を有する。内蔵光源110、コリメートミラー120、集光ミラー140、出力光コネクタ150、グレーティング回転メカニズム160、および、散熱器170とベース180は接続する。グレーティング130は、グレーティングホルダー1601に固定される。磁石132と伝動ギア1603は接続する。角度センサー134は、装着板1604に固定される。グレーティング回転メカニズム160は、制御ユニット(図示しない)により、特定波長の光線にしたがって、磁石132の回転角度に対応するデータにより、モーター(図示しない)を制御して、モーター(図示しない)に、伝動ギア1603を駆動させて、回転主軸1602を回転させ、回転主軸1602が回転時、グレーティング130、および、磁石132を動かして、回転中心軸1607を回転軸として回転して、グレーティング130の回転角度と磁石132の回転角度136を等しくする。磁石132が回転して、周囲の磁場を変化させ、角度センサー134は、磁石132周囲の磁場変化を検出することができる。グレーティング回転メカニズム160の回転時、磁石132とグレーティング130を連動して回転させ、磁石132回転時、その周辺の磁場を変化させ、角度センサー134が、磁石132周囲の磁場変化を検出し、磁石132周囲の磁場変化を、磁石132の回転角度、即ち、グレーティング130の回転角度に転換して、さらに、入射角度に転換して、最後に、モノクロメーター100の出力波長に転換する。表一は、グレーティングの刻線数N=1200時の入射角とモノクロメーター出力波長(特定波長の光線)の関係を示し、グレーティング130の回転角度と磁石132の回転角度136は等しいので、表一は、即ち、グレーティング130の回転角度に対応する特定波長の光線データ、つまり、磁石132の回転角度に対応する特定波長の光線データである。上述のグレーティング130は回折格子であり、磁石132はダイオードであり、角度センサー134はホールセンサー、異方性磁気抵抗(Anisotropic Magnetoresistance; AMR)センサー、巨大磁気抵抗(Giant Magnetoresistance; GMR)センサー、あるいは、トンネル磁気抵抗(Tunnel Magnetoresistance; TMR)センサーである。
【0024】
【0025】
内蔵光源110は、LED光源1103、スリットホルダー1104、および、スリット1102を有する。LED光源1103は、白色光LED、および/または、近赤外光LEDである。スリット1102は、スリットホルダー1104上に装着されて、一体化の構造を形成し、スリット1102の内蔵光源110の光軸からのずれを減少させることができ、使用者も、スリット1102を調整して、内蔵光源110の光軸を照準させる必要がなく、多くの時間を節約するとともに、組み立ての精度を増加させるのに役立つ。内蔵光源110は、装着位置とベース180の角度を最適化、および、ベース180の一部を散熱器170として使用することにより、散熱効果を増強する。このほか、独自の技術により、光学素子の配置を最適化し、および、光源制御回路の設計と配置を最適化することにより、モノクロメーター100の体積を縮小して、小型化と内蔵光源の効果を実現することができる。モノクロメーター100はすでに、内蔵光源110を有し、使用者にとって便利であり、使用者は、外部光源(ハロゲンランプ、LED等)、および、外部光源(ハロゲンランプ、LED等)とモノクロメーター100を接続する光学素子を別に準備することも不要であり、また、外部光源を上述の光学素子の光軸に照準させて、光束をモノクロメーター100に引き入れる必要もなく、時間を節約できる。内蔵光源110は光線1101を発射し、光線1101はまず、スリット1102を通過して、コリメートミラー120に照射し、コリメートミラー120は、光線1101をコリメートするとともに、グレーティング130に反射し、光線1101の入射角度にしたがって、グレーティング130は、光線1101を、波長、および、回折次数にしたがって、異なる角度で反射させ、特定波長の光線1101は、集光ミラー140に反射されて、集光ミラー140は、特定波長の光線1101を、出力光コネクタ150に反射させ、特定波長の光線1101はまず、スリット1501を通過して、光ファイバーレセプタクル出力端1502を通過する。使用者は、光ファイバープラグ(図示しない)を、光ファイバーレセプタクル出力端1502に挿入し、光ファイバープラグにより、特定波長の光線1101を、その他の位置に導いて使用する。上述の出力光コネクタ150は、一体成型される光ファイバーレセプタクル出力端1502、および、スリット1501を接続して形成され、光ファイバーレセプタクル出力端1502は、凹槽1503を設置し、スリット1501は、凹槽1503に嵌入されるとともに、粘合により固定される。挿入される光ファイバープラグとスリット1501間のミスアラインメントを最小化するため(つまり、両者の光軸を照準させる)、凹槽1503とスリット1501の尺寸精度を厳格に制御するとともに、相隣方向を確定しなければならない。このほか、插入する光ファイバープラグ先端とスリット1501間の距離を減少させることにより、最大限で、モノクロメーターの出力光量損失を減少させることができ、插入される光ファイバープラグ先端とスリット1501間の実際の距離は、約0.1mm~5mmである。
【0026】
本発明のモノクロメーターの第二実施形態を詳細に説明する。
図3を参照する。モノクロメーター200は、内蔵光源210、コリメートミラー220、グレーティング230、磁石(図示しない)、角度センサー(図示しない)、集光ミラー240、出力光コネクタ250、グレーティング回転メカニズム260、散熱器270、ベース280、および、制御ユニット(図示しない)を有する。グレーティング回転メカニズム260は、
図2と相似し、グレーティングホルダー、回転主軸、伝動ギア、および、装着板を有する。内蔵光源210、コリメートミラー220、集光ミラー240、出力光コネクタ250、グレーティング回転メカニズム260、および、散熱器270とベース280は接続する。グレーティング230は、グレーティングホルダーに固定される。磁石(図示しない)と伝動ギア(図示しない)は接続する。角度センサー(図示しない)は、装着板(図示しない)に固定される。グレーティング回転メカニズム260は、制御ユニット(図示しない)により、特定波長の光線にしたがって、磁石(図示しない)の回転角度に対応するデータにより、モーター(図示しない)を制御して、モーター(図示しない)に伝動ギア(図示しない)を駆動させて、回転主軸(図示しない)を回転させ、回転主軸(図示しない)は、回転時、グレーティング230、および、磁石(図示しない)を連動させて、回転中心軸2607を回転軸として回転させ、グレーティング230の回転角度と磁石(図示しない)の回転角度を等しくする。磁石(図示しない)が回転して、その周辺の磁場を変化させ、角度センサーは、磁石(図示しない)周囲の磁場変化を検出し、磁石(図示しない)周囲の磁場変化を、磁石(図示しない)の回転角度、即ち、グレーティング230の回転角度に転換し、さらに、入射角度に転換して、最後に、モノクロメーター200の出力波長に転換する。表一の入射角とモノクロメーター出力波長(特定波長の光線)関係を得ることができ、グレーティング230の回転角度と磁石(図示しない)の回転角度は等しいので、表一は、磁石(図示しない)の回転角度に対応する特定波長の光線のデータであり、関係式は、α =(arctan2(V1/V2))/2、式中、αは入射角、V1、V2は、磁石回転時の角度センサーにより感知される電圧値である。
【0027】
内蔵光源210は、LED光源2103、集束レンズ2104、レンズホルダー2105、および、スリット2102を有する。LED光源2103は、白光LED、および/または、近赤外光LEDである。集束レンズ2104は、レンズホルダー2105内に設置され、スリット2102は、レンズホルダー2105上に装着されて、一体化の構造を形成し、スリット2102の内蔵光源210の光軸からのずれを減少させることができ、使用者も、スリット2102を調整して、内蔵光源210の光軸を照準させる必要がなく、多くの時間を節約するとともに、組み立ての精度を増加させ、出力する光波長の精度を高めるのに役立つ。内蔵光源210は、光線2101を発射し、光線2101はまず、集束レンズ2104を通過して集中し、スリット2102を通過して、コリメートミラー220に照射し、コリメートミラー220は、光線2101をコリメートするとともに、グレーティング230に反射し、光線2101の入射角度にしたがって、グレーティング230は、光線2101を、波長、および、回折次数にしたがって、異なる角度で反射させ、特定波長の光線2101は、集光ミラー240に反射され、集光ミラー240は、特定波長の光線2101を、出力光コネクタ250に反射し、特定波長の光線2101は、先ず、スリット2501を通過して、光ファイバーレセプタクル2506を通過する。使用者は、光ファイバープラグ(図示しない)を、光ファイバーレセプタクル2506に挿入し、光ファイバーにより、特定波長の光線2101を、その他の位置に引き入れて使用する。上述の出力光コネクタ250は、スリット2501、光ファイバーレセプタクル2506、光ファイバーレセプタクルホルダー2504、および、ねじ2505を接続することにより形成され、光ファイバーレセプタクル2506は、光ファイバーレセプタクル出力端2502、および、光ファイバーレセプタクル延伸部2507を有し、光ファイバーレセプタクル延伸部2507の外径は円形ではなく、辺長さが極端に短い多辺形で、その外観上は円形に近く、この辺長さが極端に短い多辺形のその形状は、位置調整機能を有し、光ファイバーレセプタクルホルダー2504は、一個の洞孔2508を有し、その内縁形状と光ファイバーレセプタクル延伸部2507は近似し、位置調整機能も有して、光ファイバーレセプタクル延伸部2507を、洞孔2508により、光ファイバーレセプタクルホルダー2504と接続後、光ファイバーレセプタクル延伸部2507と洞孔2508が、同軸度を確保することができ、ねじ2505は、光ファイバーレセプタクル2506と光ファイバーレセプタクルホルダー2504を固定し、光ファイバーレセプタクルホルダー2504はさらに、凹槽2503を有し、凹槽2503の内縁は、数段の直線により、異なる角度で接続される外形を有し、この数段の直線が、異なる角度で接続される外形は、位置調整機能を有し、スリット2501の外縁形状と凹槽2503の内縁形状は近似し、位置調整機能も有して、スリット2501を凹槽2503に嵌入した後、スリット2501の中心線が、光ファイバーレセプタクル出力端2502の軸心に垂直になって、スリット2501と光ファイバーレセプタクル出力端2502の軸ずれを防止する。上述の設計により、光量が、出力光コネクタ250で、光量損失を生じるのを防止するとともに、小型化と軽量化に有益である。このほか、スリット2501のスリット孔は細長い形状で、スリット孔の中心位置とスリット2501の中心位置は重畳する。
【0028】
上述の第一実施形態、および、第二実施形態のモノクロメーターは、主に、グレーティングを回転させることにより、入射角を変化させて、使用者が必要とする特定光波長を出力し、既知の通常のモノクロメーターは、一次光(-1次)の光線だけをモノクロメーターから取り出し、高次光(-2次)の光線は利用していない。グレーティング効率の波長特性は、ブレーズ角θBと刻線数Nにより決定されるので、一般的なグレーティングは、ブロードバンド上で、高効率を獲得するのが難しく、特に、波長変化率が大きい可視光領域から紫外線光領域で、高グレーティング効率のグレーティングを保持することは非常に困難な設計であるので、モノクロメーターの周波数帯を拡大するために、多くが、複数のグレーティングの装着を採用し、且つ、グレーティングを交換することができるが、これによって、コストが高くなり、体積も大きいという欠点がある。本発明の第三実施形態は、一次光(-1次)と高次光(-2次)の組み合わせを使用することにより、一個のグレーティングを使用するだけで、ブロードバンドの高回折効率を実現することができ、且つ、一個のグレーティングだけを使用するので、全体の小型化に有益である。本発明のモノクロメーターの第三実施形態を詳細に説明し、上述の第一実施形態のモノクロメーター、あるいは、第二実施形態のモノクロメーターは、A型フィルター、B型フィルター、および、C型フィルターを加入すれば、本発明の第三実施形態のモノクロメーターになる。A型フィルターは370nm以下の光線だけを通過させ、390nm以上の光線を通過させず、B型フィルターは、330nm以上の光線だけを通過させ、300nm以下の光線を通過させず、C型フィルターは、530nm以上の光線だけを通過させ、500nm以下の光線を通過させない。第三実施形態のモノクロメーターは、そのグレーティングの刻線数N=1200、ブレーズ角θB=17.45度であり、この種の規格のグレーティングのその-1次回折光の効率は、350nm以下の短波長が約0.3以下であるとともに、波長が短くなるにつれて、その効率も顕著に低下するが、その二次回折光は、短波長領域の効率が高いので、短波長範囲内で、-2次光を選択し、中長波長範囲内で、-1次光を選択し、第三実施形態のモノクロメーターが、ブロードバンド上で高効率を獲得できるようにする。以下で、どのように、一次光(-1次)と高次光(-2次)の組み合わせを使用するかに対する具体的な説明を提出する。表二を同時に参照すると、グレーティングの偏位角度2K=30度であるとき、入射角が、29.4度~40.8度である場合、高次光(-2次)の波長範囲は、200nm~350nmである、入射角が、27.6度~35度である場合、一次光(-1次)の波長範囲は、350nm~550nmであり、入射角が、35度~49度である場合、一次光(-1次)の波長範囲は、550nm~900nmであるので、グレーティングが回転して、その入射角度を、29.4度から40.8度に変動させ、モノクロメーターは、200nm~350nmの高次光(-2次)を出力することができ、この時、400nm~700nmの一次光(-1次)も混入するので、A型フィルター(370nm以下の光線だけを通過させ、390nm以上の光線を通過させない)を、集光ミラーとスリットの間に設置し、混入される400nm~700nmの一次光(-1次)をフィルタリングし、350nm~550nmの一次光(-1次)を、モノクロメーターから出力するため、グレーティングが回転して、その入射角度を、27.6度から35度に変動させ、この時、200nm~290nmの高次光(-2次)も混入するので、B型フィルター(330nm以上の光線だけを通過させ、300nm以下の光線を通過させない)を、集光ミラーとスリットの間に設置し、混入される200nm~290nmの高次光(-2次)をフィルタリングし、550nm~900nmの一次光(-1次)を、モノクロメーターを出力するため、グレーティングを回転させ、その入射角度を、35度から49度に変動させ、この時、290nm~480nmの高次光(-2次)も混入するので、C型フィルター(530nm以上の光線だけを通過させ、500nm以下の光線を通過させない)を、集光ミラーとスリット間に設置し、混入される290nm~480nmの高次光(-2次)をフィルタリングする。上述の第三実施形態のモノクロメーターは、一個のグレーティングだけを使用して、一次光(-1次)と高次光(-2次)の組み合わせを使用することにより、ブロードバンドの高回折効率を実現し、小型化と低コストの効果も兼備する。
【0029】
【0030】
上述の第一実施形態、および、第二実施形態のモノクロメーターは、主に、グレーティングの回転により、入射角度を変化させて、出力波長を変化させる。しかし、モノクロメーター内部の駆動システムが正常に動作するか否か、および、モノクロメーター出力光線の波長に対応するグレーティングの回転角度が正確か否か、使用者は知らず、自己診断を提供して、モノクロメーターが正常に動作するか否かを判断することももちろんできない。本発明の第四実施形態は、フィルター、および、受光ユニットの使用により、自己診断を実現して、モノクロメーターが正常に動作するか否か判断する。本発明のモノクロメーターの第四実施形態を詳細に説明し、上述の第一実施形態のモノクロメーター、あるいは、第二実施形態のモノクロメーターは更に、フィルターを追加し、および、受光ユニットを外接すれば、本発明の第四実施形態のモノクロメーターになる。表三を同時に参照すると、グレーティングの刻線数N=1200、偏位角度2K=30度であるとき、グレーティングの入射角度が、モノクロメーター出力波長に対応して、600nm~900nmに設定される場合、この時、モノクロメーターは、600nm~900nmの一次光(-1次)を出力する以外に、300nm~450nmの高次光(-2次)を混入し、この時、一個のフィルターを、集光ミラーとスリットの間に設置し、このフィルターは、500nm以上の光線だけを通過させ、480nm以下の光線を通過させず、480nm~500nmの光線は、波長が増加すれば、光線の透過率もそれに伴って増加し、混入された300nm~450nmの高次光(-2次)をフィルタリングすることができる。モノクロメーターとして動作している波長帯では使用しないフィルターを、モノクロメーター出力光線の波長関係に対応するグレーティングの回転角度に異常がないとき、受光ユニットにより測定された出力光量は、波長が480nm附近にある時、ほぼ0であり、波長が480nm~500nmで測定された出力光量は、波長の増加に伴って徐々に増加し、波長が500nm附近で測定される出力光量は安定する。モノクロメーターの動作が異常である場合、上述の関係は成立しないので、一個のフィルターを、集光ミラーとスリットの間を設置し、受光ユニットにより測定される出力光量により、モノクロメーターの自己診断を実行する。
【0031】
【0032】
図4を参照する。
図4は、モノクロメーター100の構造を示す。モノクロメーター100は、内蔵光源110、グレーティング130、フィルター190、出力光コネクタ150、グレーティング回転メカニズム160、フィルター切り換えメカニズム191、制御ユニット300、および、出力光量通信回路340を有する。制御ユニット300は、出力波長設定モジュール310、制御判断/波長領域/計算回路/記憶電路モジュール320、フィルター/グレーティング制御回路モジュール330、および、通信インターフェース360を有し、モノクロメーターの作用は、ブロードバンド光源から、狭い周波数帯光源を切り取ることである。内蔵光源110は光線1101を発射し、光線1101はグレーティング130に入射し、グレーティング130は、光線1101の入射角度にしたがって、光線1101を、波長、および、回折次数にしたがって、異なる角度で反射させ、特定波長の光線1101は、反射されて、フィルター190に入射するとともに通過し、最後に、出力光コネクタ150に入射して、出力光コネクタ150により、モノクロメーター100を離れて、テストサンプル192に照射する。本発明のモノクロメーターは、グレーティングを回転させることにより、光線1101の入射角度を変化させて、出力光線1101の波長の制御を達成し、グレーティングの回転角度が誤差を生じる場合、出力光線1101の波長、および、光量の誤差が生じるので、グレーティングの回転角度のモノクロメーターに対する精確さが極めて重要になる。グレーティングの回転角度の光波長に対応するデータは、モノクロメーターの回路中に保存されるので、角度センサーの信号により、グレーティング表面の回転角度(位置)を測定して、グレーティング表面の回転角度が、正確に、モノクロメーターが出力する光波長に対応することを保証することができ、すなわち、制御ユニットは、データ(表一)にしたがって、グレーティングを制御して、初期位置から一角度で特定位置まで回転して、この角度に対応する特定波長の光線を得る。制御ユニットが再度、グレーティングを制御し、回転させて、もう一つの特定波長の光線を得る時、制御ユニットは、グレーティングを制御して、特定位置(即ち、もう一つの初期位置)から回転を開始するとともに、データと角度センサーの信号にしたがって、さらに何度回転させれば、もう一つの特定波長の光線を得ることができるのかを知り、これにより、グレーティングを初期位置に戻す動作を実行しなくても、精確に、特定波長の光線出力を提供することができ、また、本発明は必要に応じて、自己診断方法を追加して、モノクロメーターが、正常に動作して、正確な波長光線を出力することを確保する。
【0033】
以下で、磁石位置が、モノクロメーターが出力する光線波長、および、光量に相対する参考表をどのように製作するかを詳細に説明し、この参考表は、本発明により提供される自己診断方法に用いる。
図4の右側のテストサンプル192、受光ユニット400、および、遠隔出力波長設定モジュール370を無視し、測定装置350が、モノクロメーター100からの特定波長の光線1101の照射を受信し、および、測定装置350が、出力光量通信回路340に電気的に接続されることだけを考慮する。測定装置350は、光波長を測定する専用の装置であり、その測定精度はとても高い。磁石132が特定位置まで回転するごとに、適当なフィルターを選定後、測定装置350により、モノクロメーター100により出力される特定波長の光線1101の波長、および、光量を測定し、異なる磁石132位置の測定された特定波長に相対する光線、および、光量データを、参考表として製作し、表四がこの参考表である。表四は、磁石位置、フィルター類別、特定波長の光線、光量、および、光量スレショルド間の対応関係、および、選択されるフィルター類別を表示する。このうち磁石位置22~48の行はモノクロメーターの分光動作で使用し、磁石位置31.2~35.0の行が、自己診断時に使用するデータを示している。
図5は、フィルターFの光学特性図である。この参考表データは、モノクロメーターメーカーにより、測定が完成され、制御判断/波長領域/計算回路/記憶電路モジュール320に保存されて、使用者がモノクロメーター自己診断を実行する時の参考データとし、光量スレショルドは、光量が衰弱又は増大しているか否かを得られた光量の割合で判断するのに用いられる。
【0034】
【0035】
本発明のモノクロメーターの第一種の自己診断方法を詳細に説明し、第一種の自己診断方法は、モノクロメーターに測定装置を組み合わせる必要がある。
図4の右側のテストサンプル192、受光ユニット400、および、遠隔出力波長設定モジュール370を通して、測定装置350が、モノクロメーター100からの特定波長の光線1101照射を受信し、および、測定装置350が、出力光量通信回路340に電気的に接続することだけを考慮する。モノクロメーター100はすでに、参考表(表四)データを、制御判断/波長領域/計算回路/記憶電路モジュール320に保存し、使用者は、出力波長設定モジュール310により、出力したい波長を入力し、出力波長設定モジュール310は、波長データを、制御判断/波長領域/計算回路/記憶電路モジュール320に伝送し、制御判断/波長領域/計算回路/記憶電路モジュール320は、既に保存された参考表(表四)データにしたがって、波長データを、対応する磁石位置データ、および、対応するフィルター類別データに転換し、対応する磁石位置データ、および、対応するフィルター類別データを、フィルター/グレーティング制御回路モジュール330に伝送し、フィルター/グレーティング制御回路モジュール330は、対応する磁石位置データにしたがって、グレーティング回転メカニズム160を制御して回転させ、磁石を回転させるとともに、対応するフィルター類別データにしたがって、フィルター切り換えメカニズム191を適当なフィルターに切り換え、磁石が、対応する磁石位置データにしたがって、特定位置まで回転する時、測定装置350は、測定された特定波長の光線、および、光量データを、出力光量通信回路340に伝送し、さらに、制御判断/波長領域/計算回路/記憶電路モジュール320に伝送し、制御判断/波長領域/計算回路/記憶電路モジュール320は、受信したデータ(表五を例として)と内部に保存された参考表(表四)データを比較して、磁石が、表四中の位置データにしたがって回転し、且つ、測定装置350が指定した、自己診断時のみ利用するフィルターFを使用した特定波長光線データ(表五中の磁石位置は31.2、32.4、33.1、35.0)時の測定された光量が、表四中の同じ特定波長光線データ時の光量に合致した場合、モノクロメーター100の出力波長、磁石の位置及び光量が正常であることを表し、表四中の光量に合致しない場合、フィルター切り換えメカニズム191に問題が生じたか、あるいは、グレーティング回転メカニズム160に問題が生じた可能性があり、モノクロメーター100の出力波長、あるいは、光量が異常になり、この時、制御ユニット300は、警報を発して、使用者に通知する。
【0036】
表5の光量データ(磁石位置が31.2、32.4、33.1、35.0、でフィルター類別がFの時)は、スレッショルド割合に合致していない例を示している。
【0037】
【0038】
本発明のモノクロメーターの第二種の自己診断方法を詳細に説明し、第二種の自己診断方法は、モノクロメーターに、外接の受光ユニットを組み合わせる必要がある。
図4の右側のテストサンプル192、測定装置350、および、遠隔出力波長設定モジュール370を通して、受光ユニット400が、モノクロメーター100からの特定波長の光線1101照射を受信し、および、受光ユニット400が、制御判断/波長領域/計算回路/記憶電路モジュール320に電気的に接続されることだけを考慮する。受光ユニット400は、受光器410、受光素子等制御演算回路420、LED警報回路430、および、データ通信回路440を有し、データ通信回路440は、制御判断/波長領域/計算回路/記憶電路モジュール320に電気的に接続される。モノクロメーター100はすでに、参考表(表四)データ、および、内蔵光源110の総駆動時間を、制御判断/波長領域/計算回路/記憶電路モジュール320に保存し、使用者は、出力波長設定モジュール310により、出力したい波長を入力し、出力波長設定モジュール310は、波長データを、制御判断/波長領域/計算回路/記憶電路モジュール320に送信し、制御判断/波長領域/計算回路/記憶電路モジュール320は、既に保存された参考表(表四)データにしたがって、波長データを、対応する磁石位置データ、および、対応するフィルター類別データに転換し、対応する磁石位置データ、および、対応するフィルター類別データを、フィルター/グレーティング制御回路モジュール330に伝送し、フィルター/グレーティング制御回路モジュール330は、さらに、対応する磁石位置データにしたがって、グレーティング回転メカニズム160を制御して回転させ、磁石を回転させるとともに、対応するフィルター類別データにしたがって(自己診断の場合はフィルターFの特定波長光線データを利用)、フィルター切り換えメカニズム191を制御して、適用なフィルターに切り換え、磁石が、対応する磁石位置データにしたがって、特定位置に回転する時、受光器410は、モノクロメーター100からの特定波長の光線1101照射を受信し、光エネルギーを電気エネルギーに転換後、データを、受光素子等制御演算回路420に伝送して、光量データを計算し、データ通信回路440により、光量データを、制御判断/波長領域/計算回路/記憶電路モジュール320に伝送し、制御判断/波長領域/計算回路/記憶電路モジュール320は、光量データを受信後、内部に保存された参考表(表四)データと比較、および/または、さらに、内蔵光源110の総駆動時間を確認し、受信した光量データが、スレショルドより高い場合、モノクロメーター100の出力波長、および、光量が正常であることを表し、受信した光量データがスレショルドより低い場合、すなわち、受信した光量データと表四中の光量スレッショルド割合に応じた光量と比較し合致しない場合、モノクロメーター100の出力波長、あるいは、光量が異常であることを表し、制御判断/波長領域/計算回路/記憶電路モジュール320は、警報情報をデータ通信回路440に送信し、受光素子等制御演算回路420に伝送し、さらに、LED警報回路430に伝送して、使用者に通知する。受光ユニットは価格が安いという長所があり、使用者は、高価な測定装置を購入して、波長を測定する必要がないので、第二種の自己診断方法は価格の優勢がある。
【0039】
上述の第一、二実施形態のモノクロメーター1、2は、それぞれ、内蔵光源110、210を有し、内蔵光源110、210を除去することもでき、外部光源により、モノクロメーター100、200に入力することも、本発明の範囲に属する。
【0040】
上述の第一、二実施形態のモノクロメーターは、その制御ユニットが、通信インターフェース(
図4に示される)を有し、この通信インターフェースは、遠隔出力波長設定モジュール370に接続されて、使用者が、遠隔設定して、モノクロメーターの出力波長を制御することができることも、本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0041】
100、200…モノクロメーター
110、210…内蔵光源
1101、2101…光線
1102、1501、2102、2501…スリット
1103、2103…LED光源
1104…スリットホルダー
120、220…コリメートミラー
130、230…グレーティング
140、240…集光ミラー
150、250…出力光コネクタ
1502、2502…光ファイバーレセプタクル出力端
1503、2503…凹槽
160、260…グレーティング回転メカニズム
1607、2607…回転中心軸
170、270…散熱器
180、280…ベース
132…磁石
134…角度センサー
136…角度
1601…グレーティングホルダー
1602…回転主軸
1603…伝動ギア
1604…装着板
2104…集束レンズ
2105…レンズホルダー
2504…光ファイバーレセプタクルホルダー
2505…ねじ
2506…光ファイバーレセプタクル
2507…光ファイバーレセプタクル延伸部
2508…洞孔
190…フィルター
191…フィルター切り換えメカニズム
300…制御ユニット
310…出力波長設定モジュール
320…制御判断/波長領域/計算回路/記憶電路モジュール
330…フィルター/グレーティング制御回路モジュール
340…出力光量通信回路
192…テストサンプル
350…測定装置
400…受光ユニット
410…受光器
420…受光素子等制御演算回路
430…LED警報回路
440…データ通信回路
360…通信インターフェース
370…遠隔出力波長設定モジュール