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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129248
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】スピーカ装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/28 20060101AFI20230907BHJP
   H04R 1/02 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
H04R1/28 310C
H04R1/02 102Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022207729
(22)【出願日】2022-12-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-31
(31)【優先権主張番号】202220477027.X
(32)【優先日】2022-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(71)【出願人】
【識別番号】511027518
【氏名又は名称】エーエーシーアコースティックテクノロジーズ(シンセン)カンパニーリミテッド
【氏名又は名称原語表記】AAC Acoustic Technologies(Shenzhen)Co.,Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】胡 洪建
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲帥▼
【テーマコード(参考)】
5D017
【Fターム(参考)】
5D017AE24
(57)【要約】
【課題】本願はスピーカ装置及び電子機器を提供する。
【解決手段】スピーカ装置はハウジング及び発音単体を含み、ハウジングは互いに接続される上ハウジングと下ハウジングを含み、上ハウジングと下ハウジングとの間には、発音単体を収容するための収容空間が設けられ、発音単体は振動発音のための振動膜を含み、振動膜は収容空間を前音響チャンバとバックチャンバに仕切り、ハウジングには、導音チャネルが設けられ、導音チャネルは前音響チャンバと外界とを連通し、ハウジングには、圧抜き孔が開設され、圧抜き孔は前音響チャンバに連通している。本願におけるスピーカ装置は収容空間に設けられた発音単体内から発された音を導音チャネルを介して外界に伝達し、ハウジングに開設されて前音響チャンバに連通する圧抜き孔は前音響チャンバの圧力解放能力を向上させることができ、更にスピーカ装置の歪み具合を改善し、音声品質を向上させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピーカ装置であって、
ハウジングと、発音単体とを含み、
前記ハウジングは、互いに接続される上ハウジングと下ハウジングを含み、前記上ハウジングと前記下ハウジングとの間には、前記発音単体を収容するための収容空間が設けられ、前記発音単体は、振動発音のための振動膜を含み、前記振動膜は、前記収容空間を前音響チャンバとバックチャンバに仕切り、前記ハウジングには、導音チャネルが設けられ、前記導音チャネルは、前記前音響チャンバと外界とを連通し、
前記ハウジングには、圧抜き孔が開設され、前記圧抜き孔は、前記前音響チャンバに連通していることを特徴とするスピーカ装置。
【請求項2】
前記圧抜き孔の延在方向は、前記導音チャネルの延在方向に交差することを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
【請求項3】
前記圧抜き孔は、第1方向に沿って延在し、前記導音チャネルは、第2方向に沿って延在し、前記第1方向と前記第2方向との夾角は、40°~50°であることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
【請求項4】
前記圧抜き孔の断面形状は、円形、楕円形、半円形、台形、方形のうちの一種であることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
【請求項5】
前記圧抜き孔は、前記導音チャネルと同一側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
【請求項6】
前記導音チャネルと前記圧抜き孔とは、いずれも前記下ハウジングに設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
【請求項7】
前記上ハウジングと前記下ハウジングには、係合するスナップフィット構造が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
【請求項8】
前記スピーカ装置は、隔離アセンブリを更に含み、前記隔離アセンブリは、支持部材及び通気隔離部材を含み、前記支持部材は、前記ハウジングの前記導音チャネルが設けられる側に接続され、前記支持部材には、前記導音チャネルにマッチングする構造孔が開設され、前記通気隔離部材は、前記構造孔を覆うことを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
【請求項9】
前記通気隔離部材は、メッシュ布であることを特徴とする請求項8に記載のスピーカ装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載のスピーカ装置が設けられていることを特徴とする電子機器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音響技術分野に関し、特にスピーカ装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイルインターネット時代の到来に伴い、モバイル端末の数が絶えず上昇し、音声を再生するための発音部品も携帯電話、タブレットなど、多くのモバイル端末に大量に応用される。製品を購入する時にモバイル端末の音質に対する消費者の要求もますます高まっている。
【0003】
関連技術におけるスピーカボックスは、収容空間を有するハウジングと、前記ハウジング内に収容された発音単体と、前記収容空間内に形成された導音チャネルとを含み、発音単体は、振動発音のための振動膜を含み、振動膜は、収容空間を前音響チャンバとバックチャンバに仕切り、導音チャネルは、前音響チャンバと外界とを連通し且つ前記前音響チャンバと共にフロントチャンバを構成する。
【0004】
しかしながら、関連技術における導音チャネルの圧力解放能力が不十分であるため、スピーカボックスの出力音が歪み、音質が悪くなり、ユーザの聴覚体験に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに鑑みて、本願は、スピーカボックスの出力音が歪み、音質が悪いという従来技術における問題を解決するために、スピーカ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は、スピーカ装置を提供する。前記スピーカ装置は、ハウジング及び発音単体を含み、前記ハウジングは、互いに接続される上ハウジングと下ハウジングを含み、前記上ハウジングと前記下ハウジングとの間には、前記発音単体を収容するための収容空間が設けられ、前記発音単体は、振動発音のための振動膜を含み、前記振動膜は、前記収容空間を前音響チャンバとバックチャンバに仕切り、前記ハウジングには、導音チャネルが設けられ、前記導音チャネルは、前記前音響チャンバを外界と連通し且つ前音響チャンバとともにフロントチャンバを形成し、
前記ハウジングには、圧抜き孔が開設され、前記圧抜き孔は、前記前音響チャンバに連通している。
【0007】
可能な設計において、前記圧抜き孔の延在方向は、前記導音チャネルの延在方向に交差する。
【0008】
可能な設計において、前記圧抜き孔は、第1方向に沿って延在し、前記導音チャネルは、第2方向に沿って延在し、前記第1方向と前記第2方向との夾角は、40°~50°である。
【0009】
可能な設計において、前記圧抜き孔の断面形状は、円形、楕円形、半円形、台形、方形のうちの一種である。
【0010】
可能な設計において、前記圧抜き孔は、前記導音チャネルと同一側に設けられている。
【0011】
可能な設計において、前記上ハウジングには、位置決め孔が開設され、前記導音チャネルと前記圧抜き孔とは、いずれも前記下ハウジングに設けられている。
【0012】
可能な設計において、前記上ハウジングと前記下ハウジングには、係合するスナップフィット構造が設けられている。
【0013】
可能な設計において、前記スピーカ装置は、隔離アセンブリを更に含み、前記隔離アセンブリは、支持部材及び通気隔離部材を含み、前記支持部材は、前記ハウジングの前記導音チャネルが設けられる側に接続され、前記支持部材には、前記導音チャネルにマッチングする構造孔が開設され、前記通気隔離部材は、前記構造孔を覆う。
【0014】
可能な設計において、前記通気隔離部材は、メッシュ布である。
【0015】
本願は、電子機器を更に提供する。電子機器は、上記いずれか一項に記載のスピーカ装置が設けられている。
【発明の効果】
【0016】
本願に係るスピーカ装置及び電子機器は、少なくとも下記の利点を有する。
【0017】
スピーカ装置は、ハウジング及び発音単体を含み、ハウジングは、互いに接続される上ハウジングと下ハウジングを含み、上ハウジングと下ハウジングとの間には、発音単体を収容するための収容空間が設けられている。発音単体は、振動発音のための振動膜を含み、振動膜は、収容空間を前音響チャンバ及びバックチャンバに仕切り、発音単体が収容空間内から発された音を導音チャネルを介して外部に伝達し、ハウジングに開設され且つ前音響チャンバに連通する圧抜き孔は、前音響チャンバの圧力解放能力を向上させ、スピーカ装置の歪み具合を改善し、音声品質を向上させることができる。
【0018】
本願の実施例の他の特徴及び利点は、後の明細書に説明され、且つ、一部は、明細書から明らかになり、又は本願の実施例を実施することにより理解される。本願の実施例の目的及び他の利点は、明細書及び図面に特に挙げられた構造により実現されて且つ取得される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本願の実施例に係るスピーカ装置の分解図である。
図2図1における下ハウジングのA-A方向に沿った断面模式図である。
図3】本願の実施例に係るスピーカ装置の構成を示す模式図である。
図4図3におけるスピーカ装置のB-B方向に沿った断面模式図である。
図5】本願の実施例に係る電子機器の模式図である。
【0020】
ここでの図面は、明細書に組み込まれ、且つ本明細書の一部を構成し、本願に合致する実施例を示し、且つ明細書と共に本願の原理を説明するために用いられる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本願の技術案をよりよく理解するために、以下は、添付の図面を参照して本願の実施例を詳細に説明する。
【0022】
説明される実施例は、本願の実施例の一部にすぎず、すべての実施形態ではないことは明らかである。本願の実施例に基づいて、創造的な作業なしに当業者によって得られる他のすべての実施例は、本願の保護範囲に含まれる。
【0023】
本願の実施例で使用される用語は、特定の実施例を説明することのみを目的とし、本願を限定する意図はない。本願の実施例および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「1種」、及び「当該」は、文脈が他の意味を明確に示さない限り、複数の形を含むことも意図される。
【0024】
本明細書で使用される用語「及び/又は」は、関連オブジェクトの関連関係を説明するだけであり、3種類の関係が存在することができ、例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在し、AとBが同時に存在し、Bが単独で存在するという3種類の状況が存在することを表すことができる。なお、ここで符号「/」とは、一般に、前後関連オブジェクトが「または」の関係であることを意味する。
【0025】
なお、本願の実施例に記載の「上」、「下」、「左」、「右」等の向きを示す用語は、図面の示す角度から記載したものであり、本願実施例を限定するものとして解釈されるべきではない。更に、この文脈では、ある要素が別の要素に「上」または「下」に接続されていると記載される場合、他の要素に「上」または「下」に直接接続することができるだけでなく、中間要素を介して、別の要素の「上」または「下」に間接的に接続されてもよいと理解されるべきである。
【0026】
以下は、本願の実施例に係るスピーカ装置の構造に基づき、その具体的な実施例を説明する。
【0027】
現在の市場における主なイヤホン及びホーンは、いずれもスピーカと呼ばれ、スピーカの作用原理は、電磁力を利用して振動膜21に接続される接続部材を駆動して振動膜21を振動させて音声を発させることであり、具体的には、通電コイルと磁性素子との間の引力及び反発力の変化により、接続部材を駆動して振動膜21を振動させて音声を発生させることができる。
【0028】
従来のスピーカは、ハウジング1に前音響チャンバ131と連通する導音チャネル14が設けられているため、発音単体2から発された音を導音チャネル14から外界に伝達することができる。発声過程において、前音響チャンバ131の導音チャネル14は、ある程度の共振を生じさせ、周波数応答曲線における前音響チャンバ131の導音チャネル14部分の共振ピークQ値(品質係数の値)に影響を与えるだけでなく、ある程度の歪み(高域遮断周波数のthd曲線での対応するピークとして表される)をもたらす。
【0029】
共振を低減し、歪みを回避し、後続のオーディオ調整を容易にし、より良い音質効果を実現するために、本発明は、スピーカ装置100を提供する。
【0030】
本願は、スピーカ装置100を提供する。スピーカ装置100は、ハウジング1及び発音単体2を含み、ハウジング1は、互いに接続される上ハウジング11と下ハウジング12を含み、上ハウジング11と下ハウジング12との間には、発音単体2を収容するための収容空間13が設けられ、発音単体2は、振動発音のための振動膜21を含み、振動膜21は、収容空間13を前音響チャンバ131とバックチャンバ132に仕切り、ハウジング1には、導音チャネル14が設けられ、導音チャネル14は、前音響チャンバ131と外界とを連通し且つ前音響チャンバ131とともにフロントチャンバを形成し、ハウジング1には、圧抜き孔15が開設され、圧抜き孔15は、前音響チャンバ131に連通している。
【0031】
図1図2図3及び図4に示すように、ハウジング1は、相互に接続される上ハウジング11及び下ハウジング12を含み、上ハウジング11と下ハウジング12は、対向して設けられ、上ハウジング11と下ハウジング12との間には、従来のスナップフィット接続構造が設けられてもよく、対応する突起と凹溝構造が設けられてもよく、且つ接着剤を利用して上ハウジング11と下ハウジング12との間の接続を実現する。
【0032】
上ハウジング11の本体部は、4つの側壁及び1つの頂壁を含んでもよく、上ハウジング11が下ハウジング12に接続されると、該固定リブは、スピーカ単体を固定することができる。上ハウジング11の本体部は、平板構造であってもよい。
【0033】
下ハウジング12の本体部には、凹溝が設けられてもよく、該凹溝は、発音単体2を収容することができ、発音単体2には、振動膜21が設けられ、発音単体2の振動膜21の下ハウジング12に近接する面は、凹溝とともに空間を囲んで形成し、該空間は、前音響チャンバ131として、上ハウジング11の1つの側壁には、導音チャネル14が開設され、、前音響チャンバ131は、導音チャネル14に連通してフロントチャンバを形成し、発音単体2における振動膜21の振動により発された音は、前音響チャンバ131及び導音チャネル14を介してスピーカ装置100の外部に伝達される。発音単体2の振動膜21の下ハウジング12から離れる一面は、後音響チャンバに連通する。
【0034】
ハウジング1には、前音響チャンバ131に連通する圧抜き孔15が開設され、具体的には、圧抜き孔15は、上ハウジング11に開設されてもよく、下ハウジング12に開設されてもよく、圧抜き孔15の数及び開設位置は、実際の需要及びハウジングの具体的な構造に応じて調整可能であり、圧抜き孔15が外界と前音響チャンバ131とを連通することを保証することができればよい。
【0035】
スピーカ装置100の後音響チャンバが密封される必要があるため、即ち、上ハウジング11と下ハウジング12との結合位置が密封される必要があり、上ハウジング11とスピーカ単体との結合位置も密封される必要があり、1つの具体的な実施形態において、上ハウジング11と下ハウジング12との結合位置も、上ハウジング11とスピーカ単体との結合位置も、超音波溶接又は接着剤塗布又は圧着などの方式で密封することができる。
【0036】
前記のように、本願は、従来の導音チャネル14の側面に前音響チャンバ131と外界とを連通する圧抜き孔15が設けられ、前音響チャンバ131の圧力解放能力を強化し、スピーカの歪みを改善し(対応する高域遮断周波数でのthdピークが同期減衰する)、それにより後続のオーディオ調整を容易にして、より良い音質効果を実現する。
【0037】
いずれか1つの発音単体2の実施例において、振動膜21は、透明な高分子材料、例えばポリカーボネート(Polycarbonate、PC)、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate、PET)、シクロオレフィンポリマー(Cyclic Olefin Copolymer、COC)、ポリメタクリル酸メチル(Polymethyl Methacrylate、PMMA)などを用いてもよいことができ、ここで限定しない。
【0038】
その中の1つの実施例において、図1及び図2に示すように、圧抜き孔15の延在方向は、導音チャネル14の延在方向に交差する。
【0039】
圧抜き孔15の延在方向は、即ち圧抜き孔15の幾何中心線の延在方向であり、導音チャネル14の延在方向は、導音チャネル14の幾何中心線の延在方向であり、圧抜き孔15の延在方向は、導音チャネル14の延在方向に交差し、圧抜き孔15の延在方向は、導音チャネル14の延在方向に平行ではないため、圧抜き孔15と導音チャネル14とから発生された音波が互いに干渉することをある程度で回避可能であり、それにより音質を向上させる。
【0040】
その中の1つの実施例において、圧抜き孔15は、第1方向16に沿って延在し、導音チャネル14は、第2方向17に沿って延在し、第1方向16と第2方向17との夾角は、40°~50°である。
【0041】
図2に示すように、圧抜き孔15の延在方向と導音チャネル14の延在方向との夾角を40°~50°に制限することにより、圧抜き孔15と導音チャネル14とから発生された音波が互いに干渉することを回避可能であり、歪みを回避し、それにより音質を向上させる。
【0042】
その中の1つの実施例において、圧抜き孔15の断面形状は、円形、楕円形、半円形、台形、方形のうちの一種である。
【0043】
図1に示すように、圧抜き孔15の断面形状は、円形、楕円形、半円形、台形、方形であってもよく、上記任意の2種又は複数種の形状の組み合わせ形状であってもよい。圧抜き孔15の断面形状を調整することによりスピーカ装置100の音声質感及び音質を微調整することができ、それにより使用者の聴覚体験を向上させる。
【0044】
その中の1つの実施例において、導音チャネル14は、間隔を隔てて設けられる3つの矩形通路を含む。
【0045】
図1図2及び図3に示すように、間隔を隔てて設けられる3つの矩形通路は、下ハウジング12に水平方向に沿って配置することができ、このように、下ハウジング12の縦方向のスペースを節約し、更にスピーカ装置100の厚さを縮小し、スピーカ装置100の小型化、軽量化設計を実現可能である。
【0046】
その中の1つの実施例において、圧抜き孔15は、導音チャネル14と同一側に設けられ、このように、スピーカ装置100の音声質感及び音質を向上させることができ、それにより使用者の聴覚体験を向上させる。
【0047】
その中の1つの実施例において、導音チャネル14と圧抜き孔15は、いずれも下ハウジング12に設けられている。
【0048】
図2に示すように、導音チャネル14と圧抜き孔15は、下ハウジング12の側壁に設けられてもよく、このように導音チャネル14及び圧抜き孔15の密封性を保証可能であり、導音チャネル14及び圧抜き孔15の加工を容易にすることができる。
【0049】
その中の1つの実施例において、上ハウジング11と下ハウジング12には、係合するスナップフィット構造が設けられている。
【0050】
好ましい実施形態において、上ハウジング11の下ハウジング12に近接する面には、係止溝が設けられ、下ハウジング12の上ハウジング11に近接する側には、フランジが設けられ、又は上ハウジング11には、フランジが設けられ、下ハウジング12には、係止溝が設けられている。フランジと係止溝との係合によって上ハウジング11を下ハウジング12に係着してもよく、構造が簡単であり、接続しやすく、使用効果を向上させる。
【0051】
その中の1つの実施例において、スピーカ装置100は、隔離アセンブリ3を更に含み、隔離アセンブリ3は、支持部材31及び通気隔離部材32を含み、支持部材31は、ハウジング1の導音チャネル14が設けられる側に接続され、支持部材31には、導音チャネル14にマッチングする構造孔311が開設され、通気隔離部材32は、構造孔311を覆う。
【0052】
図1に示すように、外部不純物が前音響チャンバ131に侵入することを回避するために、本実施例において隔離アセンブリ3が更に設けられ、隔離アセンブリ3は、通気隔離部材32と、通気隔離部材32を支持する支持部材31とを含み、支持部材31は、ハウジング1に接続されて且つ支持部材に導音チャネル14にマッチングする構造孔311が開設され、このように、音声は、導音チャネル14及び構造孔311に沿って外部に伝導することを妨げない。構造孔311の形状及び寸法は、導音チャネル14と同じであってもよく、それにより音に対する支持部材31の影響をできるだけ低減する。
【0053】
通気隔離部材32は、支持部材31の導音チャネル14に近接する一端に設けられてもよく、支持部材31の導音チャネル14から離れる一端に設けられてもよく、支持部材31の中部に設けられてもよく、通気隔離部材32は、支持部材31を2つの部分に仕切る。通気隔離部材32は、多孔質構造であってもよく、このように、通気隔離部材32は、外部不純物が前音響チャンバ131に入ることを阻止するだけでなく、音声が前音響チャンバ131から外部へ伝播することに影響を与えない。前記通気隔離部材32は、支持部材31の導音チャネル14に近接する一端に貼り付けられ、該構造は、同じ条件で前音響チャンバ131の体積を大幅に増加させることができるため、その高周波音響性能を大幅に改善する。
【0054】
その中の1つの実施例において、通気隔離部材32は,メッシュ布である。
【0055】
図2に示すように、メッシュ布は、前記支持部材31に貼り付けて固定され、該構造設計を使用した後に前記支持部材31の構造孔311の寸法及び前記メッシュ布の孔数を調整するためダンピングの寸法の調整を実現し、それにより前記スピーカ装置100の高周波音響性能の調整を実現し、性能調整の多様化及び柔軟性を増加させる。
【0056】
図5に示すように、本願は、電子機器200を更に提供し、電子機器200には、上記のいずれか一項のスピーカ装置100が設けられている。電子機器200は、携帯電話、タブレットPC、ノートパソコン、車載機、POS電子機器200、携帯型音楽プレイヤー、スマートブレスレット、スマートウォッチ、拡張現実設備又は仮想現実設備などの音声を再生する必要がある製品であってもよい。
【0057】
本願に係るスピーカ装置100及び電子機器200は、少なくとも下記の利点を有する。
【0058】
スピーカ装置100は、ハウジング1及び発音単体2を含み、ハウジング1は、互いに接続される上ハウジング11と下ハウジング12を含み、上ハウジング11と下ハウジング12との間には、発音単体2を収容するための収容空間13が設けられている。発音単体2は、振動発音のための振動膜21を含み、振動膜21は、収容空間13を前音響チャンバ131及びバックチャンバ132に仕切り、発音単体2が収容空間13内から発された音を導音チャネル14を介して外部に伝達し、前音響チャンバ131及び導音チャネル14内の圧力を弱めるために、ハウジングには、圧抜き孔15が開設され、該ハウジング1に開設され且つ前音響チャンバ131に連通する圧抜き孔15は、前音響チャンバ131の圧力解放能力を向上させることができ、圧抜き孔15を開設することによって前音響チャンバ131の導音チャネル14の共振を弱めることができ、周波数応答曲線における前音響チャンバ131の導音チャネル14部分の共振ピークQ値(品質係数の値)を効果的に低減し、更に周波数応答曲線の高域遮断周波数をある程度向上させ、製品の有効帯域幅を増加させ、且つスピーカスピーカの歪み(歪みは、高域遮断周波数のthd曲線での対応するピークとして表される)を改善する。
【0059】
以上のように、本願におけるスピーカ装置100を採用すると、高域遮断周波数のthd曲線におけるピークを効果的に低減し、スピーカ装置100の歪み具合を改善し、音声品質を向上させることができる。
【0060】
以上の記載は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明の精神及び原則内で行われるいかなる修正、同等置換及び改善などは、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0061】
100 スピーカ装置
200 電子機器
1 ハウジング
11 上ハウジング
12 下ハウジング
13 収容空間
131 前音響チャンバ
132 バックチャンバ
14 導音チャネル
15 圧抜き孔
16 第1方向
17 第2方向
2 発音単体
21 振動膜
3 隔離アセンブリ
31 支持部材
311 構造孔
32 通気隔離部材

図1
図2
図3
図4
図5