(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129310
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】調整可能なストロークデバイス
(51)【国際特許分類】
B24B 23/03 20060101AFI20230907BHJP
B24B 41/047 20060101ALI20230907BHJP
B25F 5/00 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
B24B23/03
B24B41/047
B25F5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023025939
(22)【出願日】2023-02-22
(31)【優先権主張番号】17/687,010
(32)【優先日】2022-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519314157
【氏名又は名称】レイク カントリー ツール エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Lake Country Tool,LLC
【住所又は居所原語表記】950 Blue Ribbon Circle North,Oconomowoc,Wisconsin 53066,U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】スコット エス.マクレイン
【テーマコード(参考)】
3C034
3C064
3C158
【Fターム(参考)】
3C034AA07
3C034BB01
3C034BB22
3C034BB37
3C034BB87
3C034DD20
3C064AA08
3C064AA20
3C064AB02
3C064AC03
3C064BA01
3C064BA12
3C064BB27
3C064CA03
3C064CB05
3C064CB08
3C064CB17
3C064CB64
3C064CB69
3C064CB72
3C158AA04
3C158AA06
3C158AA11
3C158AA14
3C158AA16
3C158AC01
3C158CA01
3C158CB04
3C158CB05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】特別な工具もマシンの分解もなしにストロークを調整できるランダムオービタルマシンのためのストローク調整デバイスを提供する。
【解決手段】ランダムオービタルマシンのための自動調整可能なストロークデバイスは、中心軸線と空洞を画成する壁とを備えたハウジングを有する。カウンタバランス軸アセンブリが少なくとも部分的に空洞の中に回転可能に配設される。カウンタウェイト軸アセンブリの軸部が中心軸線に位置合わせされる。装着アセンブリが少なくとも部分的に空洞の中に配設される。装着アセンブリは、ワーク取り付け機構を有する。ストロークアジャスタがカウンタウェイト軸を装着アセンブリに結合する。ストロークアジャスタは、カウンタウェイト軸の回転時に、装着アセンブリがそのストロークを調整できるようにする。装着アセンブリは、ワーク取り付け機構のストローク半径をハウジングの中心軸線に対して可変に調整する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランダムオービタルマシンのための自動調整可能なストロークデバイスであって、
中心軸線と空洞を画成する壁とを有するハウジングと、
少なくとも部分的に前記空洞の中に回転可能に配設されたカウンタバランス軸アセンブリであって、前記カウンタウェイト軸アセンブリの軸部が前記中心軸線に位置合わせされている、カウンタバランス軸アセンブリと、
少なくとも部分的に前記空洞の中に配設された装着アセンブリであって、ワーク取り付け機構を含む装着アセンブリと、
前記カウンタウェイト軸を前記装着アセンブリに結合するストロークアジャスタであって、前記ストロークアジャスタは、カウンタウェイト軸の回転時に、前記装着アセンブリがそのストロークを調整できるようにし、前記装着アセンブリは、前記ワーク取り付け機構のストローク半径を前記ハウジングの前記中心軸線に対して可変に調整し、前記ストロークアジャスタは、前記装着アセンブリのストロークを自動的に調整するギアを含む、ストロークアジャスタと、
を備えた、自動調整可能なストロークデバイス。
【請求項2】
前記カウンタバランス軸アセンブリは、カウンタウェイト部を含む、請求項1に記載の自動調整可能なストロークデバイス。
【請求項3】
前記カウンタウェイト部は、ベースプレートに結合され、前記ベースプレートは、前記ハウジングに対して回転可能である、請求項2に記載の自動調整可能なストロークデバイス。
【請求項4】
前記カウンタバランス軸アセンブリは、前記ストロークアジャスタを収容するための穴を含む、請求項1に記載の自動調整可能なストロークデバイス。
【請求項5】
前記ストロークアジャスタは、前記装着アセンブリを収容するための穴を含む、請求項1に記載の自動調整可能なストロークデバイス。
【請求項6】
前記装着アセンブリは、前記ワーク取り付け機構を結合するために、前記ベースプレートを貫通して延在する、請求項3に記載の自動調整可能なストロークデバイス。
【請求項7】
前記ハウジングは、前記ストロークアジャスタの前記ギアに噛み合うリングギアを含む、請求項1に記載の自動調整可能なストロークデバイス。
【請求項8】
回転工具であって、
ハウジングおよびモータであって、前記モータはドライブトレインを含む、ハウジングおよびモータと、
中心軸線と空洞を画成する壁とを有するハウジングと、
少なくとも部分的に前記空洞の中に回転可能に配設されたカウンタバランス軸アセンブリであって、前記カウンタウェイト軸アセンブリの軸部が前記中心軸線に位置合わせされている、カウンタバランス軸アセンブリと、
少なくとも部分的に前記空洞の中に配設された装着アセンブリであって、ワーク取り付け機構を含む装着アセンブリと、
前記カウンタウェイト軸を前記装着アセンブリに結合するストロークアジャスタであって、前記ストロークアジャスタは、カウンタウェイト軸の回転時に、前記装着アセンブリがそのストロークを調整できるようにし、前記装着アセンブリは、前記ワーク取り付け機構のストローク半径を前記ハウジングの前記中心軸線に対して可変に調整し、前記ストロークアジャスタは、前記装着アセンブリのストロークを自動的に調整するギアを含む、ストロークアジャスタと、
を備えた、回転工具。
【請求項9】
前記カウンタウェイト軸アセンブリは、カウンタバランス部を含む、請求項8に記載の回転工具。
【請求項10】
前記カウンタウェイト部は、ベースプレートに結合され、前記ベースプレートは、前記ハウジングに対して回転可能である、請求項9に記載の回転工具。
【請求項11】
前記カウンタバランス軸アセンブリは、前記ストロークアジャスタを収容するための穴を含む、請求項8に記載の回転工具。
【請求項12】
前記ストロークアジャスタは、前記装着アセンブリを収容するための穴を含む、請求項8に記載の回転工具。
【請求項13】
前記装着アセンブリは、前記ワーク取り付け機構を結合するために、前記ベースプレートを貫通して延在する、請求項10に記載の回転工具。
【請求項14】
前記ハウジングは、前記ストロークアジャスタの前記ギアに噛み合うリングギアを含む、請求項8に記載の回転工具。
【請求項15】
ランダムオービタルマシンのための自動調整可能なストロークデバイスであって、
中心軸線と空洞を画成する壁とを有するハウジングと、
少なくとも部分的に前記空洞の中に回転可能に配設されたカウンタバランス軸アセンブリであって、前記カウンタウェイト軸アセンブリの軸部が前記中心軸線に位置合わせされている、カウンタバランス軸アセンブリと、
少なくとも部分的に前記空洞の中に配設された装着アセンブリであって、ワーク取り付け機構を含む装着アセンブリと、
前記カウンタウェイト軸を前記装着アセンブリに結合するストロークアジャスタであって、前記ストロークアジャスタは、カウンタウェイト軸の回転時に、前記装着アセンブリがそのストロークを調整できるようにし、前記装着アセンブリは、前記ワーク取り付け機構のストローク半径を前記ハウジングの前記中心軸線に対して調整するので、前記軸の回転中に前記ワーク取り付け機構のほぼ直線状の移動経路部分をもたらすために、前記ワーク取り付け機構は一時停止する、ストロークアジャスタと、
を備えた、自動調整可能なストロークデバイス。
【請求項16】
前記ストロークアジャスタは、前記装着アセンブリを収容するための穴を含む、請求項18に記載の自動調整可能なストロークデバイス。
【請求項17】
前記装着アセンブリは、前記ストロークアジャスタより低速で回転する、請求項16に記載の自動調整可能なストロークデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ポリッシャ、バフ研磨機、サンダーおよびマッサージ機を含む、ただしこれだけには限定されない、ランダムオービタルデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
本開示は、ポリッシングマシン、サンディングマシンおよびマッサージマシンなどの、しかしこれだけには限定されない、ランダムオービタルマシンのストロークを自動的にランダムに交互に切り替えるための装置に関する。これにより、ユーザは、ランダムオービタルマシンの規定されたランダムストロークを有することができる。
【0003】
オートディテイリング業界および住宅建築業界では、塗装または乾式壁の不備を修正するために、ならびに艶出し剤およびワックスを塗布するために、ポリッシングマシンおよびサンディングマシンが日常的に使用されている。使用されている主なマシンは3種類あり、回転バフ研磨機、ランダムオービタルマシン、およびデュアルアクションマシンが含まれる。パッドのスピン方式がマシンごとに特有であり、異なる目的で使用されるので、工具にはそれぞれ役割がある。
【0004】
制御された手法で塗装不良を除去するには、回転バフ研磨機が最も高速かつ最も効果的なマシンであり、結果も良好である。回転バフ研磨機に用いられる駆動ユニットはパッドに直接的に接続され、それぞれ互いに軸方向に位置合わせされている。塗装の傷を補修するために、回転バフ研磨機は、通常、傷の周りの塗装を十分に除去して表面を平らにするために使用される。しかし、傷の補修には、一般的な愛好家がもっているよりも高いスキルおよびマシン制御が必要である。こうした理由から、回転バフ研磨機は、非常に簡単に塗装を除去し過ぎ、スワールマークを引き起こすかまたは塗装を焦がすことによって仕上げに損傷を与えてしまうため、通常は、平均的ユーザに避けられている。
【0005】
平均的ユーザの要求を満たすために、操作に経験および制御がさほど必要とされないランダムオービタルマシンが導入された。ランダムオービタルマシンには歯車箱が使用され、その歯車箱には、バッキングプレートに取り付けられたパッドを動かす特有の機構が2つ採用される。回転バフ研磨機とは異なり、ランダムオービタルマシンでは、パッドおよびバッキングプレートの中心回転軸が、マシンのドライブシャフトからオフセットするように配置される。このオフセットが、通常、「ストローク」と称される。その結果、バッキングプレートおよびパッドは、ドライブシャフトの周りを周回する円運動を行う。同時に、パッドは、アイドル軸受けに装着されているためランダムにスピンする。こうしたランダムなスピンは、パッドに加えられる圧力に応じて変化し、動力が直接的には供給されない。その結果、動力が供給されたスピン動作からの熱を発生させないため、研磨動作は塗装に焦げまたは切削を引き起こさない。したがって、ランダムオービタルマシンは、はるかに安全であり、塗装にスワールまたは焦げを劇的に引き起こしにくくなる。
【0006】
ランダムオービタルマシンと同じく、デュアルアクションマシンでも、パッドおよびバッキングプレートの中心回転軸がドライブシャフトからオフセットするように配置される。こうしたストロークの結果、バッキングプレートおよびパッドは、ドライブシャフトの周りを周回する円運動を行う。しかし、デュアルアクションマシンの場合、パッドのスピンは動力が直接的に供給される。
【0007】
ランダムオービタルマシンの本質にはマシンのストロークがある。ストロークは、ドライブシャフト軸とバッキング軸との間のオフセットによって決まる。オフセットまたはストロークが長いほど、バッキングプレートの回転軸がドライブシャフト軸からより遠くに配置される。オフセットを2倍したものがストロークの直径になる。したがって、「ストローク」は、ドライブシャフトの周りを周回するときのバッキングプレートの移動経路の直径を示す用語である。
【0008】
ランダムオービタルマシンの多くは小ストロークマシンであり、つまり、そのマシンは、約6mm~12mmの間の測定値を有するストローク長を用いる。小ストロークマシンでは、パッドの移動がより小さくより狭い軌道に制限される。その結果、動作がより滑らかになる。小ストロークマシンはまた、バッキングプレートがより狭い経路でドライブシャフト回転軸の周りを周回するので、制御がより簡単である。より滑らかな動作のおかげで、振動が少なく移動が小さいため、マシンが保持しやすくなる。
【0009】
大ストロークマシンでは、ドライブシャフトの周りでのバッキングプレートおよびパッドの軌道が大きいため、同じ毎分回転数(RPM)を用いると、バッキングプレートの動きの毎分周回数(OPM)が増大する。ストロークが大きいと、パッドの移動も大きくなり、そのことで、艶出し剤を広げより大きい面積を処理するのを助ける。さらに、塗装への切削動作が大きくなり、そのことで傷および塗装不良を補修できるようになる。小ストロークマシンは、通常、単に塗装を艶出しするだけであり、塗装を切削はせず、したがって、表面の不良を除去することができない。
【0010】
小ストロークの欠点に対処する一方法はマシンのRPMを増大させることであった。これはモータの回転数を増大させるが、マシンのストロークは同じままである。モータのRPM増大およびパッドのOPM増大に関連する寿命の課題もある。RPMを増大させるとモータに負担が掛かり、OPMを増大させるとパッドがより速く消耗する。
【0011】
要約して言えば、長ストロークマシンも短ストロークマシンも当業界ではそれぞれ役割がある。したがって、必要とされるのは、特別な工具もマシンの分解もなしに短ストロークと長ストロークとの間でランダムに調整できるマシンである。最後に、必要とされるのは、作動中にマシンのストロークを調整する、コンパクトかつ単純かつ効果的な方法である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示によると、ランダムオービタルマシンのための自動調整可能なストロークデバイスは、中心軸線と空洞を画成する壁とを有するハウジングを備える。カウンタウェイト軸アセンブリが少なくとも部分的に空洞の中に回転可能に配設される。カウンタウェイト軸アセンブリの軸部が中心軸線に位置合わせされる。装着アセンブリが少なくとも部分的に空洞の中に配設される。装着アセンブリは、ワーク取り付け機構を含む。ストロークアジャスタは、カウンタウェイト軸を装着アセンブリに結合する。ストロークアジャスタは、カウンタウェイト軸の回転時に、装着アセンブリがそのストロークを調整できるようにする。装着アセンブリは、ワーク取り付け機構のストローク半径をハウジングの中心軸線に対して可変に調整する。ストロークアジャスタは、装着アセンブリのストロークを自動的に調整するドライブトレインを含む。カウンタウェイト軸アセンブリは、カウンタウェイト部を含む。このカウンタウェイト部は、ベースディスクに結合される。ベースディスクは、ハウジングに対して回転可能である。カウンタウェイト軸アセンブリは、ストロークアジャスタを収容するための穴を含む。ストロークアジャスタは、装着アセンブリを収容するための穴を含む。装着アセンブリは、ワーク取り付け機構を結合するために、ベースディスクを貫通して延在する。ハウジングは、ストロークアジャスタのドライブトレインのギアに噛み合うリングギアを含む。
【0013】
第2の実施形態によると、回転工具がハウジングとモータとを備える。モータは、ドライブトレインを含む。カウンタウェイト軸アセンブリが少なくとも部分的に空洞の中に回転可能に配設される。カウンタウェイト軸アセンブリの軸部が中心軸線に位置合わせされる。装着アセンブリが少なくとも部分的に空洞の中に配設される。装着アセンブリは、ワーク取り付け機構を含む。ストロークアジャスタは、カウンタウェイト軸を装着アセンブリに結合する。ストロークアジャスタは、カウンタウェイト軸の回転時に、装着アセンブリがそのストロークを調整できるようにする。装着アセンブリは、ワーク取り付け機構のストローク半径をハウジングの中心軸線に対して可変に調整する。ストロークアジャスタは、装着アセンブリのストロークを自動的に調整するドライブトレインを含む。カウンタウェイト軸アセンブリは、カウンタウェイト部を含む。カウンタウェイト部は、ベースディスクに結合される。ベースディスクは、ハウジングに対して回転可能である。カウンタウェイト軸アセンブリは、ストロークアジャスタを収容するための穴を含む。ストロークアジャスタは、装着アセンブリを収容するための穴を含む。装着アセンブリは、ワーク取り付け機構を結合するために、ベースディスクを貫通して延在する。ハウジングは、ストロークアジャスタのドライブトレインのギアに噛み合うリングギアを含む。
【0014】
本願明細書に提供されている説明から更なる適用分野が明らかになるであろう。この概要における説明および具体例は、例示のみを目的としたものであり、本開示の範囲を制限しようとするものではない。
【0015】
本開示に記載の図面は、全ての可能な具現例ではなく、選択された実施形態のみの説明を目的としたものであり、本開示の範囲を制限しようとするものではない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図4】調整可能なストロークデバイスの分解図である。
【
図9A】経路軌道が想像線で描かれた
図8と同様の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下においては、添付の図面を参照して、複数の例示的実施形態をより詳細に説明する。
【0018】
図を参照すると、自動調整可能なストロークデバイスを有する工具が示されており、参照符号10が付されている。本工具は、モータ12と、電源14と、電源を起動および停止するためのスイッチ16とを含む。電源は、コードとして示されているが、充電式電池とすることもできる。モータは、工具のヘッドハウジング26の内部に位置付けられるピニオン18を含む。ドライブトレインのヘッドハウジング26は、ドライブトレイン22を収容するための空洞を含む。ドライブトレイン22は、ピニオン18に噛み合うベベルギアを含む。ベベルギア24は、自動調整可能なストロークデバイス30に結合されている。ストロークデバイス30は、ハウジング32を介して、ヘッドハウジング26の底部に装着されている。
【0019】
調整可能なストロークデバイス30は、カウンタバランスアセンブリ機構34と、ワーク装着アセンブリ36と、ストローク調整機構40とを含む。ハウジング42がカウンタバランスアセンブリ34と、ワーク装着アセンブリ36と、ストローク調整機構40とを覆う。ハウジング42は、これら要素を収容する空洞を画成する。
【0020】
カウンタバランスアセンブリ34は、軸46に固定されたカウンタバランスウェイト44を含む。軸46は、その一端にベベルギア24が固定される。軸46の他端に、カウンタウェイト44が固定されている。軸46は、ベベルギア24を軸46上に保持するためのキー50を収容するキー用凹部48を含む。
【0021】
カウンタウェイト44は、全体として無限形状を有し、一対の穴52、54を有する。穴52は、ストローク調整機構40の軸受56を収容している。穴52、54の間のウェブ58は、軸46のねじ部60を収容するためのねじ穴を含む。穴54を有するウェイト部62は、プレート66をカウンタウェイト44のウェイト部62に結合するための複数のファスナを収容する複数の穴64をウェイト部62に含む。プレート66は円形であり、ストローク調整機構40を収容するための穴68を含む。
【0022】
ストローク調整機構40は、複数の歯72を含む中空歯車70を含む。歯車70は、歯車70の上端から突出する軸部74を含む。軸部74は、カウンタウェイト部44の穴52に嵌め込まれた軸受56に収容される。円形ベース76がプレート66の穴の中に位置付けられる。ベース76は、歯車70の開口端の楕円形切欠き80に嵌入する楕円形部分78を含む。したがって、ベース76は歯車70に固定されるので、独立に回転しない。また、ベース76をプレート66に固定するために、穴82はベースを貫通して延在する。歯車70は、ワーク装着アセンブリ36の軸受86を収容する穴84を含む。
【0023】
ワーク装着アセンブリ36は、軸部88を含む。軸部は、軸受86内に突出する軸90を含む。また、ワーク固定部92が歯車70のベース76の下方に突出する。
【0024】
ハウジング42は、一対の部分96、98を含む。ディスク状のハウジング部分96は、穴100を含む。穴100は、カウンタバランスアセンブリ34の軸46を収容する軸受102を収容する。ハウジング部分96は、ハウジング部分98に固定される。ハウジング部分98は環状であり、空洞104を画成する。環状ハウジング部分98は、空洞104の内側の、ハウジング部分98の内壁にリングギア106を含む。ハウジング部分98は、その一端に溝108を含む。溝108は、カウンタウェイトアセンブリ34のプレート66を収容する。プレート66は、ハウジング部分98の溝108の中で回転する。
【0025】
作動時、ピニオン18を回転させるために、モータ12が起動される。ピニオン18は、ベベルギア24を回転させる。軸46に楔止されているベベルギア24は、カウンタバランスアセンブリ34を回転させる。カウンタバランスアセンブリ34の回転に伴い、プレート66がハウジング部分98の中で回転される。ストローク調整機構40は、その軸74がカウンタウェイトの穴52に、軸受56を介して、位置付けられている。したがって、カウンタウェイトアセンブリ34の回転に伴い、歯車70は、リングギア106によって回転される。歯車70は空洞の周囲を回転し移動する。プレート66は歯車70に固定されている。歯車70は、歯車70の中に位置付けられているワーク装着アセンブリ36を位置決めする。
【0026】
したがって、歯車70の回転に伴い、ワーク装着アセンブリの軸90も軸受86の中で回転する。ワーク装着アセンブリ36は、歯車70とは異なる回転速度で、通常は歯車70の回転速度より遅い回転速度で、回転する。したがって、カウンタバランスアセンブリ34の回転に伴い、歯車70は、ハウジング部分98の空洞104の中でギアリング106に沿って回転される。このとき、ワーク装着アセンブリ36は、歯車70の中で回転される。ワーク装着アセンブリ36に取り付けられたワーク110は、その経路全体にわたって回転しながら、自動的に調整される。したがって、カウンタウェイト軸およびワーク装着アセンブリの回転時に、ストロークが調整される。これにより、カウンタウェイト軸46によって規定されたハウジングの中心軸線に対して、ワーク取り付け機構のストローク半径が可変に調整される。したがって、ストロークアジャスタは、
図9Aに示されている経路に沿って装着アセンブリのストロークを自動的に調整するドライブトレインとして機能する。
【0027】
ワーク装着アセンブリ36の回転は歯車70の回転より遅いので、軸90の軸線は、
図9Aの経路線に示されているように、リングギア106に沿った線に留まる。したがって、一時停止が起こるので、ワーク装着アセンブリ36は、プレート66のもう一方の側に移動する前に、リングギア106に沿ったやや直線状の平らな弧状経路をたどる。これは、現在の回転機械とは異なる。現在の回転機械では、ワーク装着アセンブリは経路の縁端部に達すると、当該機械のもう一方の側に狭い半径で戻る。これは、仕上げにピグテールまたはスワールを引き起こす。ユーザがこれらを取り除くには、本開示の線形効果に比べ、相当な作業量を必要とする。
【0028】
各実施形態の上記説明は、例示および説明を目的として提供されている。網羅的であろうとするものでも、開示内容を制限しようとするものでもない。特定の一実施形態の個々の要素または特徴は、通常、その特定の実施形態に限定されず、場合によっては互換性があり、選択された一実施形態において、たとえそこに具体的に図示または説明されていなくとも、使用可能である。これは、多くの方法で変形もされ得る。このような変形例は、本開示からの逸脱とは見なされないものとし、このようなあらゆる変更は本開示の範囲内に含まれるものとする。
【外国語明細書】