(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129345
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】デジタルサイネージ配信装置、配信方法及び配信プログラム、コンテンツセット生成装置、生成方法及び生成プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0241 20230101AFI20230907BHJP
【FI】
G06Q30/0241
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031097
(22)【出願日】2023-03-01
(31)【優先権主張番号】P 2022032355
(32)【優先日】2022-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】519460579
【氏名又は名称】ネットドア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134706
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】藤田 知直
(72)【発明者】
【氏名】吉田 智一
(72)【発明者】
【氏名】坂口 広樹
(72)【発明者】
【氏名】杉本 隆史
(72)【発明者】
【氏名】前田 一貴
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】視聴対象者の興味をより引くデジタルサイネージ配信装置、配信方法及び配信プログラム、コンテンツセット生成装置、コンテンツセット生成方法及びコンテンツセット生成プログラムを提供する。
【解決手段】デジタルサイネージ配信装置11の取得部21は、広告タグを有する広告コンテンツデータと、動画タグを有する動画コンテンツデータとを取得する。広告順位設定部31は、各広告コンテンツデータについて広告タグ一致度を求め、この一致度が高い順に広告コンテンツデータの広告順位を設定する。動画順位設定部32は、各動画コンテンツデータについて動画タグ一致度を求め、この一致度が多い順に動画コンテンツデータの動画順位を設定する。送信制御部23は、広告順位及び動画順位が最も高い広告コンテンツデータ及び動画コンテンツデータを組み合わせた配信データを、画像表示装置13に送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告コンテンツを画像表示装置に送信するデジタルサイネージ配信装置において、
前記広告コンテンツ及び前記広告コンテンツに関連付けられた互いに異なる複数の広告タグを有する複数の広告コンテンツデータと、動画コンテンツ及び前記動画コンテンツに関連付けられた互いに異なる複数の動画タグを有する複数の動画コンテンツデータとを取得する取得部と、
前記画像表示装置に関連付けられた表示タグを記憶する表示タグ記憶部と、
取得した前記複数の広告コンテンツデータのそれぞれについて、前記表示タグと一致する前記広告タグの数を広告タグ一致度として求め、前記広告タグ一致度が高い順に広告コンテンツデータの広告順位を設定する広告順位設定部と、
取得した前記複数の動画コンテンツデータのそれぞれについて、前記表示タグと一致する前記動画タグの数を動画タグ一致度として求め、前記動画タグ一致度が高い順に動画コンテンツデータの動画順位を設定する動画順位設定部と、
前記広告順位が最も高い広告コンテンツデータに前記動画順位が最も高い動画コンテンツデータを組み合わせた配信データを、前記画像表示装置に送信する送信制御部と
を備えるデジタルサイネージ配信装置。
【請求項2】
前記送信制御部は、前記広告コンテンツデータと前記動画コンテンツデータとを前記広告順位と前記動画順位との高いものから順番に組み合わせて前記配信データとし、前記画像表示装置に送信する請求項1に記載のデジタルサイネージ配信装置。
【請求項3】
広告コンテンツを画像表示装置に送信するデジタルサイネージ配信方法において、
前記広告コンテンツ及び前記広告コンテンツに関連付けられた互いに異なる複数の広告タグを有する複数の広告コンテンツデータと、動画コンテンツ及び前記動画コンテンツに関連付けられた互いに異なる複数の動画タグを有する複数の動画コンテンツデータとを取得する取得ステップと、
前記画像表示装置に関連付けられた表示タグを記憶する表示タグ記憶ステップと、
取得した前記複数の広告コンテンツデータのそれぞれについて、前記表示タグと一致する前記広告タグの数を広告タグ一致度として求め、前記広告タグ一致度が高い順に広告コンテンツデータの広告順位を設定する広告順位設定ステップと、
取得した前記複数の動画コンテンツデータのそれぞれについて、前記表示タグと一致する前記動画タグの数を動画タグ一致度として求め、前記動画タグ一致度が高い順に動画コンテンツデータの動画順位を設定する動画順位設定ステップと、
前記広告順位が最も高い広告コンテンツデータに前記動画順位が最も高い動画コンテンツデータを組み合わせた配信データを、前記画像表示装置に送信する送信制御ステップと
を有するデジタルサイネージ配信方法。
【請求項4】
広告コンテンツの画像表示装置への送信をコンピュータに実行させるデジタルサイネージ配信プログラムにおいて、
前記広告コンテンツ及び前記広告コンテンツに関連付けられた互いに異なる複数の広告タグを有する複数の広告コンテンツデータと、動画コンテンツ及び前記動画コンテンツに関連付けられた互いに異なる複数の動画タグを有する複数の動画コンテンツデータとを取得する取得ステップと、
前記画像表示装置に関連付けられた表示タグを記憶する表示タグ記憶ステップと、
取得した前記複数の広告コンテンツデータのそれぞれについて、前記表示タグと一致する前記広告タグの数を広告タグ一致度として求め、前記広告タグ一致度が高い順に広告コンテンツデータの広告順位を設定する広告順位設定ステップと、
取得した前記複数の動画コンテンツデータのそれぞれについて、前記表示タグと一致する前記動画タグの数を動画タグ一致度として求め、前記動画タグ一致度が高い順に動画コンテンツデータの動画順位を設定する動画順位設定ステップと、
前記広告順位が最も高い広告コンテンツデータに前記動画順位が最も高い動画コンテンツデータを組み合わせた配信データを、前記画像表示装置に送信する送信制御ステップと
をコンピュータに実行させるデジタルサイネージ配信プログラム。
【請求項5】
デジタルサイネージの表示部に表示させる複数の広告コンテンツからなるコンテンツセットを生成するコンテンツセット生成装置において、
前記デジタルサイネージに関連付けられた表示タグを記憶する表示タグ記憶部と、
前記広告コンテンツと広告タグとを関連付けた互いに異なる複数の広告コンテンツデータを取得する取得部と、
取得した前記複数の広告コンテンツデータのそれぞれについて、前記広告タグと前記表示タグとの一致の程度である広告タグ一致度を求め、前記広告タグ一致度に基づいて、前記表示部に表示させる前記広告コンテンツデータの広告順位を設定する広告順位設定部と、
前記広告順位に基づいたコンテンツセットを生成するコンテンツセット生成部と
を備えるコンテンツセット生成装置。
【請求項6】
デジタルサイネージの表示部に表示させる複数の広告コンテンツからなるコンテンツセットを生成するコンテンツセット生成方法において、
前記デジタルサイネージに関連付けられた表示タグを記憶する表示タグ記憶ステップと、
前記広告コンテンツと広告タグとを関連付けた互いに異なる複数の広告コンテンツデータを取得する取得ステップと、
取得した前記複数の広告コンテンツデータのそれぞれについて、前記広告タグと前記表示タグとの一致の程度である広告タグ一致度を求め、前記広告タグ一致度に基づいて、前記表示部に表示させる前記広告コンテンツデータの広告順位を設定する広告順位設定ステップと、
前記広告順位に基づいたコンテンツセットを生成するコンテンツセット生成ステップと
を有するコンテンツセット生成方法。
【請求項7】
デジタルサイネージの表示部に表示させる複数の広告コンテンツからなるコンテンツセットの生成をコンピュータに実行させるコンテンツセット生成プログラムにおいて、
前記デジタルサイネージに関連付けられた表示タグを記憶する表示タグ記憶ステップと、
前記広告コンテンツと広告タグとを関連付けた互いに異なる複数の広告コンテンツデータを取得する取得ステップと、
取得した前記複数の広告コンテンツデータのそれぞれについて、前記広告タグと前記表示タグとの一致の程度である広告タグ一致度を求め、前記広告タグ一致度に基づいて、前記表示部に表示させる前記広告コンテンツデータの広告順位を設定する広告順位設定ステップと、
前記広告順位に基づいたコンテンツセットを生成するコンテンツセット生成ステップと
をコンピュータに実行させるコンテンツセット生成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルサイネージ配信装置、デジタルサイネージ配信方法及びデジタルサイネージ配信プログラム、コンテンツセット生成装置、コンテンツセット生成方法及びコンテンツセット生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品やイベント等を広告するための広告コンテンツを表示する画像表示装置は、デジタルサイネージと呼ばれ、公共施設や商業施設などに設置され、広く普及している。広告コンテンツの視聴対象者は、例えばデジタルサイネージの周辺にいる人々であり、広告コンテンツはそれらの人々の興味を引くように作製される。
【0003】
近年では、視聴対象者の興味をより引きやすくするために、広告コンテンツの表示スケジュールを決定する技術も提案されている。例えば、特許文献1は、取得部と決定部とを備える決定装置を提案している。取得部は、所定の期間においてデジタルサイネージから所定の範囲内に位置するユーザに関する統計情報を取得し、決定部は、取得された統計情報に基づいて、デジタルサイネージにおける広告コンテンツの表示スケジュールを決定する。この決定部は、広告コンテンツに付されたタグに基づいて表示スケジュールを決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、表示スケジュールを決定した上で広告コンテンツを表示しても、視聴対象者の興味を引くには限界がある。
【0006】
そこで、本発明は、視聴対象者の興味をより引くデジタルサイネージ配信装置、デジタルサイネージ配信方法及びデジタルサイネージ配信プログラム、コンテンツセット生成装置、コンテンツセット生成方法及びコンテンツセット生成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のデジタルサイネージ配信装置は、取得部と、表示タグ記憶部と、広告順位設定部と、動画順位設定部と、送信制御部とを備え、広告コンテンツを画像表示装置に送信する。取得部は、広告コンテンツ及び広告コンテンツに関連付けられた互いに異なる複数の広告タグを有する複数の広告コンテンツデータと、動画コンテンツ及び動画コンテンツに関連付けられた互いに異なる複数の動画タグを有する複数の動画コンテンツデータとを取得する。表示タグ記憶部は、画像表示装置に関連付けられた表示タグを記憶する。広告順位設定部は、取得した複数の広告コンテンツデータのそれぞれについて、表示タグと一致する広告タグの数を広告タグ一致度として求め、広告タグ一致度が高い順に広告コンテンツデータの広告順位を設定する。動画順位設定部は、取得した複数の動画コンテンツデータのそれぞれについて、表示タグと一致する動画タグの数を動画タグ一致度として求め、動画タグ一致度が高い順に動画コンテンツデータの動画順位を設定する。送信制御部は、広告順位が最も高い広告コンテンツデータに動画順位が最も高い動画コンテンツデータを組み合わせた配信データを、画像表示装置に送信する。
【0008】
送信制御部は、広告コンテンツデータと動画コンテンツデータとを広告順位と動画順位との高いものから順番に組み合わせて配信データとし、画像表示装置に送信することが好ましい。
【0009】
本発明のデジタルサイネージ配信方法は、取得ステップと、表示タグ記憶ステップと、広告順位設定ステップと、動画順位設定ステップと、送信制御ステップとを有し、広告コンテンツを画像表示装置に送信する。取得ステップは、広告コンテンツ及び広告コンテンツに関連付けられた互いに異なる複数の広告タグを有する複数の広告コンテンツデータと、動画コンテンツ及び動画コンテンツに関連付けられた互いに異なる複数の動画タグを有する複数の動画コンテンツデータとを取得する。表示タグ記憶ステップは、画像表示装置に関連付けられた表示タグを記憶する。広告順位設定ステップは、取得した複数の広告コンテンツデータのそれぞれについて、表示タグと一致する広告タグの数を広告タグ一致度として求め、広告タグ一致度が高い順に広告コンテンツデータの広告順位を設定する。動画順位設定ステップは、取得した複数の動画コンテンツデータのそれぞれについて、表示タグと一致する動画タグの数を動画タグ一致度として求め、動画タグ一致度が高い順に動画コンテンツデータの動画順位を設定する。送信制御ステップは、広告順位が最も高い広告コンテンツデータに動画順位が最も高い動画コンテンツデータを組み合わせた配信データを、画像表示装置に送信する。
【0010】
本発明のデジタルサイネージ配信プログラムは、上記の取得ステップと、表示タグ記憶ステップと、広告順位設定ステップと、動画順位設定ステップと、送信制御ステップとをコンピュータに実行させ、広告コンテンツの画像表示装置への送信をコンピュータに実行させる。
【0011】
本発明のコンテンツセット生成装置は、表示タグ記憶部と、取得部と、広告順位設定部と、コンテンツセット生成部とを備え、デジタルサイネージの表示部に表示させる複数の広告コンテンツからなるコンテンツセットを生成する。表示タグ記憶部は、デジタルサイネージに関連付けられた表示タグを記憶する。取得部は、広告コンテンツと広告タグとを関連付けた互いに異なる複数の広告コンテンツデータを取得する。広告順位設定部は、取得した複数の広告コンテンツデータのそれぞれについて、広告タグと表示タグとの一致の程度である広告タグ一致度を求め、広告タグ一致度に基づいて、表示部に表示させる広告コンテンツデータの広告順位を設定する。コンテンツセット生成部は、広告順位に基づいたコンテンツセットを生成する。
【0012】
本発明のコンテンツセット生成方法は、表示タグ記憶ステップと、取得ステップと、広告順位設定ステップと、コンテンツセット生成ステップとを有し、デジタルサイネージの表示部に表示させる複数の広告コンテンツからなるコンテンツセットを生成する。表示タグ記憶ステップは、デジタルサイネージに関連付けられた表示タグを記憶する。取得ステップは、広告コンテンツと広告タグとを関連付けた互いに異なる複数の広告コンテンツデータを取得する。広告順位設定ステップは、取得した複数の広告コンテンツデータのそれぞれについて、広告タグと表示タグとの一致の程度である広告タグ一致度を求め、広告タグ一致度に基づいて、表示部に表示させる広告コンテンツデータの広告順位を設定する。コンテンツセット生成ステップは、広告順位に基づいたコンテンツセットを生成する。
【0013】
本発明のコンテンツセット生成プログラムは、デジタルサイネージの表示部に表示させる複数の広告コンテンツからなるコンテンツセットの生成をコンピュータに実行させるプログラムであり、上記の表示タグ記憶ステップと、取得ステップと、広告順位設定ステップと、コンテンツセット生成ステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、視聴対象者の興味をより引くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態であるデジタルサイネージ配信装置の構成図である。
【
図2】実施形態であるコンテンツセット生成装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1に示すデジタルサイネージ配信装置(以下、配信装置と称する)11は、デジタルサイネージとしての画像表示装置13の表示部(図示無し)に、広告コンテンツを含む配信データを送信するためのものである。画像表示装置13の数は少なくともひとつであれば特に限定されず、
図1においては2つの画像表示装置13を図示している。
【0017】
画像表示装置13は、上記表示部と、配信装置11から取得した配信データに含まれる広告コンテンツ等を表示部に表示させる表示制御部(図示無し)とを備える。表示部は例えば液晶ディスプレイであり、表示制御部はコンピュータで構成されている。このコンピュータは、配信データを取得した場合に広告コンテンツ等を表示させる処理を実行させるアプリケーションプログラムがインストールされており、このアプリケーションプログラムの実行により表示制御部として機能する。
【0018】
配信装置11は、各画像表示装置13に、通信ネットワーク(図示無し)を介して接続し、配信データを送信する。本例のように複数の画像表示装置13と接続する場合には、複数の画像表示装置13へ配信データを配信する。複数の画像表示装置13のそれぞれに、同じ配信データを配信することもできるが、本例では画像表示装置13毎に異なる配信データを配信している。
【0019】
配信装置11は、データベースDBと、取得部21と、順位設定部22と、送信制御部23とを備える。データベースDBは、表示タグ記憶部26を備え、広告記憶部27と動画記憶部28とをさらに備えることが好ましく、本例でもそのようにしている。順位設定部22は、広告順位設定部31と、動画順位設定部32とを備える。
【0020】
データベースDBの表示タグ記憶部26は、画像表示装置13に関連付けられたタグ(以下、表示タグと称する)を記憶する。表示タグは、テキストデータで構成され、画像表示装置13を例えば所有、管理など行う管理者等によって事前に登録される。この例の配信装置11は制御部(図示無し)をさらに備えており、この制御部が管理者等からの登録要求の入力に応答して、表示タグ記憶部26に記憶させる。表示タグは少なくともひとつであればよく、数は限定されない。画像表示装置13が複数ある場合には、表示タグ記憶部26は、画像表示装置13と少なくとも表示タグとを関連付けて記憶し、このように、画像表示装置13毎に表示タグは関連付けられて記憶される。
【0021】
広告記憶部27は、互いに異なる複数の広告コンテンツデータを記憶する。広告コンテンツデータは、広告コンテンツと、当該広告コンテンツに関連付けられた互いに異なる複数のタグ(以下、広告タグと称する)とを含む。広告タグは、テキストデータで構成され、例えば広告主(広告コンテンツの提供者)等によって事前に登録される。この例の配信装置11は前述の制御部が、広告主等からの広告タグの登録要求に応答して、広告記憶部27に、広告タグを広告コンテンツと関連付けて記憶させる。広告タグは、いずれかの画像表示装置13に表示させる表示確率を高めるためのものであり、画像表示装置13の周辺環境(通行人の属性等を含む)等を考慮して、広告コンテンツ毎に登録される。一の広告コンテンツに関連付けられる広告タグの数は任意である。なお、広告コンテンツは、静止画像で構成されていてもよいし、動画画像で構成されていてもよい。
【0022】
動画記憶部28は、互いに異なる複数の動画コンテンツデータを記憶する。動画コンテンツデータは、動画コンテンツと、当該動画コンテンツに関連付けられた互いに異なる複数のタグ(以下、動画タグと称する)とを含む。動画タグは、テキストデータで構成され、例えば広告コンテンツに関連した商品やサービス等を使用した者等で、動画コンテンツの作成者(動画コンテンツの提供者)によって事前に登録される。この例の配信装置11は前述の制御部が、動画コンテンツの作成者からの動画タグの登録要求に応答して、動画記憶部28に、動画タグを動画コンテンツと関連付けて記憶させる。動画タグは、いずれかの画像表示装置13に表示させる表示確率を高めるためのものであり、動画コンテンツ毎に登録される。一の動画コンテンツに関連付けられる動画タグの数は任意である。
【0023】
取得部21は、複数の広告コンテンツデータを広告記憶部27から、複数の動画コンテンツデータを動画記憶部28から、それぞれ取得する。取得のタイミングは、予めプログラム等において設定しておいてもよいし、前述の制御部を介して接続する入力部(例えばキーボード等)における入力操作に応じて設定してもよい。本例では例えば15秒毎に広告記憶部27及び動画記憶部28から取得するようにプログラムにおいて設定している。取得部21は、取得した広告コンテンツデータ及び動画コンテンツデータを順位設定部22に出力する。なお、この例では、取得部21は、データベースDBから、記憶された広告コンテンツデータと動画コンテンツデータとを取得しているが、例えば通信ネットワーク(図示無し)を介して広告主が使用する広告主端末や動画コンテンツの作成者が使用する作成者端末等から取得してもよい。
【0024】
順位設定部22の広告順位設定部31は、取得部21から広告コンテンツデータが入力されると、表示タグ記憶部26に記憶されている表示タグ及び表示タグが関連付けられている画像表示装置13を読み出す。広告順位設定部31は、読み出した表示タグと取得部21からの広告コンテンツデータに含まれる広告タグとを比較し、表示タグと一致する広告タグの数を、表示タグが関連付けられている画像表示装置13毎に、広告タグ一致度として求める。そして、広告順位設定部31は、画像表示装置13毎に、広告タグ一致度が高い順に広告コンテンツデータの順位(以下、広告順位と称する)を設定する。
【0025】
例えば、入力された広告コンテンツデータADaに広告タグA、広告タグB、広告タグCが含まれており、広告コンテンツデータADbに広告タグA、広告タグE、広告タグFが含まれており、一の画像表示装置13に関連付けられた表示タグが表示タグA、表示タグB、表示タグDの3つであるとする。この場合には、広告コンテンツデータADaの広告タグ一致度はA、Bの2つであり、広告コンテンツデータADbの広告タグ一致度はAのひとつのみである。したがって、入力された複数の広告コンテンツデータにおける広告順位は、広告コンテンツデータADaを第1順位、広告コンテンツデータADbを第2順位として設定される。このように、広告順位設定部31は、取得部21により取得された複数の広告コンテンツデータのそれぞれについて、表示タグと一致する広告タグの数を広告タグ一致度として求め、広告タグ一致度が高い順に広告順位を設定する。なお、広告タグ一致度が互いに等しい場合の広告順位は同順位としてよい。
【0026】
動画順位設定部32は、取得部21から動画コンテンツデータが入力されると、広告順位設定部31と同様に、表示タグ記憶部26に記憶されている表示タグ及び表示タグが関連付けられている画像表示装置13を読み出す。動画順位設定部32は、読み出した表示タグと取得部21からの動画コンテンツデータに含まれる動画タグとを比較し、表示タグと一致する動画タグの数を、表示タグが関連付けられている画像表示装置13毎に、動画タグ一致度として求める。そして、動画順位設定部32は、画像表示装置13毎に、動画タグ一致度が高い順に動画コンテンツデータの順位(以下、動画順位と称する)を設定する。
【0027】
例えば、入力された動画コンテンツデータMDaに動画タグA、動画タグB、動画タグC、動画タグDが含まれており、動画コンテンツデータMDbに動画タグA、広告タグEが含まれており、一の画像表示装置13に関連付けられた表示タグが表示タグA、表示タグB、表示タグDの3つであるとする。この場合には、動画コンテンツデータMDaの広告タグ一致度はA、B、Dの3つであり、動画コンテンツデータMDbの広告タグ一致度はAのひとつのみである。したがって、入力された複数の動画コンテンツデータにおける動画順位は、動画コンテンツデータMDaが第1順位、動画コンテンツデータMDbが第2順位として設定される。このように、動画順位設定部32は、取得部21により取得された複数の動画コンテンツデータのそれぞれについて、表示タグと一致する動画タグの数を動画タグ一致度として求め、動画タグ一致度が高い順に動画順位を設定する。なお、動画タグ一致度が互いに等しい場合の動画順位は同順位としてよい。
【0028】
なお、表示タグと広告タグ及び動画タグとの一致は、完全一致であってもよいが、完全一致ではないものであっても関連の程度(以下、関連度と称する)によって一致とみなしてもよい。関連度を求めるにあたって、自然言語解析の手法を用いてもよい。例えば、「サッポロ」、「SAPPORO」、「Sapporo」は自然言語解析において地名「札幌」と解析される場合が多く、これらは「札幌」と関連度が高いものと言える。このように一定の関連度を示すタグは関連性有りと設定する。関連度は数値化してもよく、数値化には一例としてレーベンシュタイン距離を用いることができる。数値化する場合には、例えば関連度に閾値を設定し、閾値以上である場合を関連性有り、閾値未満を関連性無しとする。そして、表示タグが例えば「札幌」の場合には、このように関連性有りと設定された「サッポロ」、「SAPPORO」、「Sapporo」が広告タグ、動画タグであったときに、当該広告タグ、動画タグは表示タグと一致するものとして判定する。このように、広告順位設定部31と動画順位設定部32とは、自然言語解析機能により広告タグと動画タグとを表示タグと一致するか否かの判定を行ってもよい。
【0029】
広告順位設定部31と動画順位設定部32とは、また、自然言語ライブラリを用いて、タグの品詞や意味の解析を行って、表示タグ、広告タグ、動画タグのそれぞれを分割した上で、このように分割されて生成された分割単位(以下、タグ分割単位と称する)で関連性有り、無しと設定してもよい。このように、広告順位設定部31と動画順位設定部32とは、タグ分割単位をタグとみなして、表示タグと広告タグ及び動画タグとの一致か否かの判定を行ってもよい。
【0030】
送信制御部23には、広告順位設定部31から広告順位と関連付けられた広告コンテンツデータが、動画順位設定部32から動画順位と関連付けられた動画コンテンツデータがそれぞれ入力される。なお、順位設定部22は、広告順位と関連付けられた広告コンテンツデータと、動画順位と関連付けられた動画コンテンツデータとを併せて送信制御部23に入力してもよい。
【0031】
送信制御部23は広告コンテンツデータと動画コンテンツデータとが入力された場合に、広告順位が最も高い広告コンテンツデータに動画順位が最も高い動画コンテンツデータを組み合わせた配信データを、広告タグ一致度及び動画タグ一致度を求める際に比較した表示タグに関連付けられた画像表示装置13に送信する。本例の送信制御部23は、配信データを、画像表示装置13において継続的に表示させる表示単位(ロール)毎に生成しており、1ロール分を配信データとして画像表示装置13に送信する。送信は、画像表示装置13の前述のアプリケーションプログラムの起動時またはログイン時、画像表示装置13からの配信データの送信要求に応答して行ってよい。あるいは、画像表示装置13において表示中のロールの表示終了時を予め記憶しておき、この表示終了時を基準にした所定のタイミングで新たなロールの配信データが送信されるように設定しておいてもよい。なお、送信の時間間隔(次回の送信までの時間)よりも配信データの生成の時間間隔が短い場合には、次回の送信までに配信データが複数生成されることがある。この場合には、過去の直近に生成した配信データを送信するとよい。
【0032】
送信制御部23は、広告コンテンツデータと動画コンテンツデータとを広告順位と動画順位との高いものから順番に組み合わせて配信データとしてもよい。なお、広告順位が同じである複数の広告コンテンツデータがある場合には、これら複数の広告コンテンツデータを組み合わせる際の順番を例えば他の条件に基づいて決める、または、ランダム(不規則)に決めるように、送信制御部23を構成してもよい。動画順位が同じである複数の動画コンテンツデータがある場合も同様である。上記構成によれば、表示タグ、広告タグ、動画タグを用いた広告タグ一致度及び動画タグ一致度に基づいて広告順位及び動画順位が求められる。画像表示装置13に表示される配信データの画像は、広告順位が最も高い広告コンテンツデータに動画順位が最も高い動画コンテンツデータを組み合わせた配信データの表示画像であるから、視聴対象者の興味をより引くものとなる。さらに上記構成によれば、広告コンテンツデータと動画コンテンツデータとを広告順位と動画順位との高いものから順番に組み合わせて配信データとするから、画像表示装置には、視聴対象者の興味がより引かれる広告コンテンツが、順次表示されることになり、視聴対象者の興味をさらに引くものとなる。
【0033】
配信装置11は、コンピュータで構成されており、所定のデジタルサイネージ配信プログラム(以下、配信プログラムと称する)を記憶している。コンピュータは、この配信プログラムを実行することにより、表示タグ記憶部26を含むデータベースDB、取得部21、広告順位設定部31、動画順位設定部32、送信制御部23等の各部として機能する。
【0034】
配信プログラムは、広告コンテンツの画像表示装置への送信をコンピュータに実行させるものであり、取得ステップと、表示タグ記憶ステップと、広告順位設定ステップと、動画順位設定ステップと、送信制御ステップとをコンピュータに実行させる。取得ステップは、広告コンテンツ及び広告コンテンツに関連付けられた互いに異なる複数の広告タグとを有する複数の広告コンテンツデータと、動画コンテンツ及び動画コンテンツに関連付けられた互いに異なる複数の動画タグとを有する複数の動画コンテンツデータとを取得する。表示タグ記憶ステップは、画像表示装置に関連付けられた表示タグを記憶する。広告順位設定ステップは、取得した複数の広告コンテンツデータのそれぞれについて、表示タグと一致する広告タグの数を広告タグ一致度として求め、広告タグ一致度が高い順に広告コンテンツデータの広告順位を設定する。動画順位設定ステップは、取得した複数の動画コンテンツデータのそれぞれについて、表示タグと一致する動画タグの数を動画タグ一致度として求め、動画タグ一致度が高い順に動画コンテンツデータの動画順位を設定する。送信制御ステップは、広告順位が最も高い広告コンテンツデータに動画順位が最も高い動画コンテンツデータを組み合わせた配信データを、画像表示装置に送信する。
【0035】
上記の例においては、配信データを送信制御部23で生成し、送信制御部23から画像表示装置13に送信している。しかし、画像表示装置13の表示部に表示する広告コンテンツの広告コンテンツデータからなるコンテンツセットを画像表示装置13において生成してもよい。また、上記の例では、広告コンテンツデータに動画コンテンツデータを組み合わせた配信データを生成しているが、動画コンテンツデータを組み合わせずに、複数の広告コンテンツからなるコンテンツセットを生成して画像表示装置13の表示部に表示させてもよい。
【0036】
例えば
図2に示すコンテンツセット生成装置51は、画像表示装置13の表示部50に表示させる複数の広告コンテンツからなるコンテンツセットを生成し、配信装置11(
図1参照)と同様に、取得部21と、表示タグ記憶部26と、広告順位設定部31とを備える。コンテンツセット生成装置51は、コンテンツセット生成部53をさらに備えており、配信装置11と同様に広告記憶部27を備えてもよい。コンテンツセット生成部53は、画像表示装置13を構成するコンピュータ(前述のように表示制御部の機能ももつ)にプラグラムを実行させることにより機能させている。このようにコンテンツセット生成装置51は、一部(この例ではコンテンツセット生成部53)を画像表示装置13で構成し、他の一部(この例では取得部21、表示タグ記憶部26と、広告順位設定部31と、広告記憶部27)をサーバ(図示無し)で構成してもよい。広告順位設定部31は、サーバに備えられていてもよいし、コンテンツセット生成部53及び表示制御部とともに画像表示装置13に備えられていてもよい。なお、
図2においては、画像表示装置13の数をひとつとしているが、画像表示装置13の数は、複数であってもよく、本例でも複数としている。
図2において
図1に示す各部と同じものについては、
図1と同じ符号を付し、説明を略す。
【0037】
広告順位設定部31は、取得した複数の広告コンテンツデータのそれぞれについて、複数の広告タグと表示タグとの一致の程度である広告タグ一致度を求め、広告タグ一致度に基づいて表示部に表示させる前記広告コンテンツデータの広告順位を設定する。広告タグ一致度は、表示タグと一致する広告タグの数でもよい。
【0038】
本例の広告順位設定部31は、ABC分析を用い、表示タグの利用数に基づいて、すなわち、表示タグが関連付けられている画像表示装置13の数に基づいて、表示タグを複数のグループに分類する。例えば、すべての画像表示装置13のうち70%の画像表示装置13に関連付けられている表示タグをラージグループ、20%の画像表示装置13に関連付けられている表示タグをミドルグループ、10%の画像表示装置13に関連付けられている表示タグをスモールグループに分類する(分類ステップ)。この分類ステップはバッチ処理としている。一例として、第1画像表示装置13Aに関連付けられた表示タグが「化粧品」、「Three」、「シャンプー」、第2画像表示装置13Bに関連付けられた表示タグが「美容液」、「シャンプー」、第3画像表示装置13Cに関連付けられた表示タグが「化粧水」、「ミルボン」、「Threeee」、・・・とし、分類ステップにより、表示タグ「化粧品」がラージグループに、表示タグ「化粧水」、「乳液」、「美容液」、「シャンプー」、「トリートメント」がミドルグループに、表示タグ「ミルボン」、「インプレア」、「オージュア」、「ホーユー」、「トラック」、「Three」、「コタ」、「ラッシュ」がスモールグループにそれぞれ分類されたとする。なお、利用数が少ない表示タグを利用数が多い表示タグにマージ(併合)してもよい。また、本例では、4文字以上のタグを対象にし、1文字以上3文字以下の文字数のタグは完全一致か否かとしている。
【0039】
次に、スモールグループ、ミドルグループ、ラージグループの順で、それぞれに分類された表示タグに対する各広告タグのレーベンシュタイン距離(またはO(NP)等)を求める(距離算出ステップ)。一例として、第1広告コンテンツデータADaに広告タグ「化粧」、「Threee」が含まれ、第2広告コンテンツデータADbに広告タグ「インブレア」が含まれ、第3広告コンテンツデータADcに広告タグ「シャンプー」、「ミルボン」、「Tree」が含まれ、第4広告コンテンツデータADdに広告タグ「Three」、「オージュ」、「シャン」が含まれているとする。また、広告タグ「化粧」の表示タグ「化粧品」に対するレーベンシュタイン距離の算出値が1(完全一致を1とする)、広告タグ「Threee」の表示タグ「Three」に対する当該算出値が1、広告タグ「インブレア」の当該算出値が0(ゼロ)、広告タグ「シャンプー」の表示タグ「シャンプー」に対する当該算出値が1、広告タグ「ミルボン」の表示タグ「ミルボン」に対する当該算出値が1、広告タグ「Tree」の当該算出値が0(ゼロ)、広告タグ「Three」の表示タグ「Three」に対する当該算出値が1、広告タグ「オージュ」の表示タグ「オージュア」に対する当該算出値が1、広告タグ「シャン」の表示タグ「シャンプー」に対する当該算出値が2であるとする。
【0040】
次に、レーベンシュタイン距離の算出値に、算出の対象とした表示タグの分類に設定した係数(定数)を乗算する。係数は、プログラムにおいて予め設定しておく。この例では係数の設定にパレートの法則を適用し、スモールグループ:ミドルグループを2:8、ミドルグループ:ラージグループ=2:8として、スモールグループの表示タグに設定する係数を0.05(=5%)、ミドルグループの表示タグに設定する係数を0.2(20%)、ラージグループの表示タグに設定する係数を0.8(=80%)としている。なおこれら各係数は本例に限定されず、任意な数に設定してよい。
【0041】
そして、画像表示装置13Aの広告順位設定部31は、第1広告コンテンツデータADa、第2広告コンテンツデータADb、第3広告コンテンツデータADc、・・・の広告コンテンツデータ毎に、完全一致ではない広告タグのレーベンシュタイン距離に上記係数を乗算してそれらの乗算値の和を求める。この和を、乗算に用いた上記算出値の数、すなわち広告タグの数で除算し、広告タグ一致度としての除算値を求める。画像表示装置13B、13C・・・の各広告順位設定部31も同様に、第1広告コンテンツデータADa、第2広告コンテンツデータADb、第3広告コンテンツデータADc、・・・の広告コンテンツデータ毎に、広告タグ一致度としての除算値を求める(一致度算出ステップ)。広告コンテンツデータ毎に行う上記一致度算出ステップはバッチ処理である。広告順位設定部31は、求めた広告タグ一致度の高い広告コンテンツデータから順に広告順位を設定する。以上のように、利用される表示タグの数に基づいて分類した分類毎に係数を設定することにより、利用数が少なくレーベンシュタイン距離の算出値が小さいもの、例えば曖昧な広告タグ及び曖昧な表示タグが優先される。
【0042】
本例では、2文字以上の広告タグを広告タグ一致度の算出対象としている。前述の一例の場合には、画像表示装置13Aの広告順位設定部31において、第1広告コンテンツデータADaの広告タグ「化粧」について乗算値は1×0.8=0.8、広告タグ「Three」についての乗算値は1×0.05=0.05となり、広告タグ数は「化粧」と「Three」との2つであるから、広告タグ一致度は(0.8+0.05)/2=0.425と求められる。第2広告コンテンツデータADbにはレーベンシュタイン距離が正の値になる広告タグがないから広告タグ一致度は求めない。第3広告コンテンツデータADcの広告タグ「シャンプー」は表示タグと完全一致だから広告タグ一致度は1と求められる。第4広告コンテンツデータADdの広告タグ「Three」についての乗算値は1×0.05=0.05、広告タグ「オージュ」についての乗算値は1×0.05=0.05、広告タグ「シャン」についての乗算値は2×0.2=0.4となり、この乗算値の算出に用いた広告タグの数は3であるから、広告タグ一致度は(0.05+0.05+0.4)/3=0.16と求められる。これらから、画像表示装置13Aの広告順位設定部31は、広告順位を、高い方から順に、第3広告コンテンツデータADc、第4広告コンテンツデータADd、第1広告コンテンツデータADdと設定し、これら広告順位が設定された第3広告コンテンツデータADc、第4広告コンテンツデータADd、第1広告コンテンツデータADaを各広告順位と関連付けて、画像表示装置13Aのコンテンツセット生成部53に送る。
【0043】
上記一例において、画像表示装置13Bの広告順位設定部31は、第1広告コンテンツデータADa、第2広告コンテンツデータADbにはレーベンシュタイン距離が正の値になる広告タグがないから広告タグ一致度は求めない。第3広告コンテンツデータADcについては、表示タグと完全一致の広告タグ「シャンプー」があるから広告タグ一致度を1とする。第4広告コンテンツデータADdについては広告タグ「シャン」についての乗算値は2×0.2=0.4となり、この乗算値の算出に用いた広告タグの数は1つであるから、広告タグ一致度は0.4/1=0.4と求められる。これらから、画像表示装置13Bの広告順位設定部31は、広告順位を、高い方から順に、第3広告コンテンツデータADc、第4広告コンテンツデータADd、第1広告コンテンツデータADdと設定し、これら広告順位が設定された第3広告コンテンツデータADc、第4広告コンテンツデータADdを各広告順位と関連付けて、画像表示装置13Bのコンテンツセット生成部53に送る。
【0044】
同様にして、画像表示装置13Cの広告順位設定部31は、第2広告コンテンツデータADbにはレーベンシュタイン距離が正の値になる広告タグがないから広告タグ一致度は求めない。第1広告コンテンツデータADaについては、広告タグ「化粧」についての乗算値は1×0.2=0.2、広告タグ「Three」についての乗算値は1×0.05となり、この乗算値の算出に用いた広告タグの数は2つであるから、広告タグ一致度は(0.2+0.05)/2=0.125と求められる。第3広告コンテンツデータADcについては、表示タグと完全一致の広告タグ「ミルボン」があるから広告タグ一致度を1とする。第4広告コンテンツデータADdについては広告タグ「Three」についての乗算値は2×0.05=0.1となり、この乗算値の算出に用いた広告タグの数は1つであるから、広告タグ一致度は0.1/1=0.1と求められる。これらから、画像表示装置13Cの広告順位設定部31は、広告順位を、高い方から順に、第3広告コンテンツデータADc、第4広告コンテンツデータADd、第1広告コンテンツデータADaと設定し、これら広告順位が設定された第3広告コンテンツデータADc、第4広告コンテンツデータADd、第1広告コンテンツデータADaを各広告順位と関連付けて、画像表示装置13Cのコンテンツセット生成部53に送る。
【0045】
以上のように、すべての乗算値の中で、除算値である中央値(平均値)以下を示す広告タグで構成される広告コンテンツデータの広告コンテンツは表示の対象外とされる。
また、この広告タグ一致度の算出手法は、
図1に示す配信装置11の広告順位設定部31に適用してもよい。また、この広告タグ一致度の算出手法における広告タグを動画タグに置き換えることにより動画タグ一致度を求めることもできる。
【0046】
各画像表示装置13のコンテンツセット生成部53は、広告順位設定部31から広告タグコンテンツデータが送られてきた場合に、広告順位に基づいたコンテンツセットを生成する(コンテンツセット生成ステップ)。例えば、送られてきた複数の広告コンテンツデータについて、基本的な広告順位は、表示タグと完全一致である広告タグの数の計算結果と、レーベンシュタイン距離(またはO(NP)等)を応用した広告タグ一致度の計算結果、映像最新順、ランダム等のソート(並べ替え)の基準などとして用いてよい。コンテンツセット生成ステップはバッチ処理である。例えば、広告順位に応じた順序に設定された広告コンテンツが、当該順序で表示されるようにコンテンツセットを生成する。表示される表示順序の代わりに、表示される表示時間、表示される表示頻度としてもよい。コンテンツセット生成部53は、生成したコンテンツセットを前述の表示制御部に送る。コンテンツセットを構成する広告コンテンツは設定された表示順序などの表示設定に基づいて、表示制御部により表示部に順次表示される。各画像表示装置13に表示させる広告コンテンツの目的数に達するまで広告コンテンツを表示させることが好ましく、本例において生成するコンテンツセットの広告コンテンツの数は最大で100程度にしている。上記構成によれば、表示タグと広告タグとを用いた広告タグ一致度に基づいて広告順位が設定される。画像表示装置13に表示される配信データの画像は、広告順位に基づいた表示画像であるから、視聴対象者の興味をより引くものとなる。
【0047】
コンテンツセット生成装置51は、サーバと画像表示装置13とをそれぞれ構成するコンピュータに、以下のコンテンツセット生成プログラムを実行させることにより構成される。コンテンツセット生成プログラムは、表示タグ記憶ステップと、取得ステップと、広告順位設定ステップと、コンテンツセット生成ステップとをコンピュータに実行させるプログラムであり、デジタルサイネージの表示部に表示させる複数の広告コンテンツからなるコンテンツセットを生成する。表示タグ記憶ステップは、デジタルサイネージに関連付けられた表示タグを記憶する。取得ステップは、広告コンテンツと広告タグとを関連付けた互いに異なる複数の広告コンテンツデータを取得する。広告順位設定ステップは、取得した複数の広告コンテンツデータのそれぞれについて、広告タグと表示タグとの一致の程度である広告タグ一致度を求め、広告タグ一致度に基づいて、画像表示装置13の表示部に表示させる広告コンテンツデータの広告順位を設定する。コンテンツ生成ステップは、広告順位に基づいたコンテンツセットを生成する。
【符号の説明】
【0048】
11 デジタルサイネージ配信装置
13 画像表示装置
21 取得部
23 送信制御部
26 表示タグ記憶部
31 広告順位設定部
32 動画順位設定部
50 表示部
51 コンテンツセット生成装置
53 コンテンツセット生成部
DB データベース