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特開2023-129346再生高分子原料及びその製造方法、洗浄剤並びに再生高分子の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129346
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】再生高分子原料及びその製造方法、洗浄剤並びに再生高分子の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29B 17/00 20060101AFI20230907BHJP
   C09D 9/00 20060101ALI20230907BHJP
   C08L 61/28 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
B29B17/00
C09D9/00
C08L61/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031229
(22)【出願日】2023-03-01
(31)【優先権主張番号】P 2022033113
(32)【優先日】2022-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000168414
【氏名又は名称】荒川化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 良樹
(72)【発明者】
【氏名】守能 祥信
(72)【発明者】
【氏名】松浦 泰祐
【テーマコード(参考)】
4F401
4J002
4J038
【Fターム(参考)】
4F401AA20
4F401AA22
4F401AD01
4F401AD07
4F401BA13
4F401CA02
4F401CA46
4F401CA49
4F401CA51
4F401EA24
4F401EA25
4F401EA26
4F401EA27
4F401EA65
4F401EA70
4J002BG04X
4J002BG05X
4J002CC18W
4J002GF00
4J038RA05
4J038RA10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】再生高分子原料及びその製造方法、洗浄剤並びに再生高分子の製造方法を提供すること。
【解決手段】再生高分子原料の製造方法であって、前記再生高分子原料の製造方法は、積層物と洗浄剤とを接触させる工程を含み、前記積層物は、メラミン樹脂を含む組成物の硬化物を含み、前記洗浄剤は、酸を含む、再生高分子原料の製造方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生高分子原料の製造方法であって、
前記再生高分子原料の製造方法は、洗浄工程を含み、
前記洗浄工程は、積層物と洗浄剤とを接触させる工程であり、
前記積層物は、組成物の硬化物を含み、
前記組成物は、メラミン樹脂を含み、
前記洗浄剤は、酸を含む、再生高分子原料の製造方法。
【請求項2】
前記組成物は、組成物不揮発分100質量%に対し、5質量%~70質量%のメラミン樹脂を含む、請求項1に記載の再生高分子原料の製造方法。
【請求項3】
再生高分子原料であって、
前記再生高分子原料は、組成物の硬化物の残渣を含み、
前記組成物は、メラミン樹脂を含む、再生高分子原料。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の再生高分子原料の製造方法において用いられる、洗浄剤。
【請求項5】
請求項1若しくは2に記載の再生高分子原料の製造方法により得られた再生高分子原料及び/又は請求項3に記載の再生高分子原料を加熱する工程を含む、再生高分子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、再生高分子原料及びその製造方法、洗浄剤並びに再生高分子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地球環境保護の観点から、積層物の基材(高分子)のリサイクルが検討されている。リサイクルにおいて、基材上の層を除去する工程が実施される(特許文献1~2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-291690号公報
【特許文献2】特開2021-160351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基材上の層として、様々な層が設けられる。基材上の層は、例えば、メラミン樹脂を含む組成物の硬化物が挙げられる。しかし、当該硬化物を有する積層物の基材のリサイクルは、未だ検討されていない。本発明が解決しようとする課題は、メラミン樹脂を含む組成物の硬化物を有する積層物から、再生高分子原料を製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示により以下の項目が提供される。
(項目1)
再生高分子原料の製造方法であって、
前記再生高分子原料の製造方法は、洗浄工程を含み、
前記洗浄工程は、積層物と洗浄剤とを接触させる工程であり、
前記積層物は、組成物の硬化物を含み、
前記組成物は、メラミン樹脂を含み、
前記洗浄剤は、酸を含む、再生高分子原料の製造方法。
(項目2)
前記組成物は、組成物不揮発分100質量%に対し、5質量%~70質量%のメラミン樹脂を含む、上記項目に記載の再生高分子原料の製造方法。
(項目3)
再生高分子原料であって、
前記再生高分子原料は、組成物の硬化物の残渣を含み、
前記組成物は、メラミン樹脂を含む、再生高分子原料。
(項目4)
上記項目のいずれか1項に記載の再生高分子原料の製造方法において用いられる、洗浄剤。
(項目5)
上記項目のいずれか1項に記載の再生高分子原料の製造方法により得られた再生高分子原料及び/又は上記項目に記載の再生高分子原料を加熱する工程を含む、再生高分子の製造方法。
【0006】
本開示において、上述した1又は複数の特徴は、明示された組み合わせに加え、さらに組み合わせて提供され得る。
【発明の効果】
【0007】
本発明の効果は、メラミン樹脂を含む組成物の硬化物を有する積層物から、再生高分子原料を製造できることである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の全体にわたり、各物性値、含有量等の数値の範囲は、適宜(例えば下記の各項目に記載の値から選択して)設定され得る。具体的には、数値αについて、A3、A2、A1(A3>A2>A1とする)等が挙げられる場合、数値αの範囲は、A3以下、A2以下、A3未満、A2未満、A1以上、A2以上、A1より大きい、A2より大きい、A1~A2(A1以上A2以下)、A1~A3、A2~A3、A1以上A3未満、A1以上A2未満、A2以上A3未満、A1より大きくA3未満、A1より大きくA2未満、A2より大きくA3未満、A1より大きくA3以下、A1より大きくA2以下、A2より大きくA3以下等が挙げられる。
【0009】
本発明が解決しようとする課題が解決される限り、各成分、条件、数値等は、特に限定されない。
【0010】
「αβ量(A/B)」は、B100αに対するAのβ量(α)を意味する。αは、例えば、質量%、モル%、質量部等が挙げられる。β量は、例えば、含有量、使用量等が挙げられる。「質量%含有量(A/B)」は、B100質量%に対するAの含有量(質量%)を意味する。
【0011】
「γ比(A/B)」は、式「A÷B」により算出されるγ比を意味する。γ比は、例えば、質量比、モル比等が挙げられる。
【0012】
「不揮発分」は、有機溶剤及び水以外の成分の合計質量を意味する。1つの実施形態において、「Aの不揮発分」は、A 1gを105℃で加熱して恒量に達した時点で残存した成分の合計質量を意味する。
【0013】
「(メタ)アクリル」は、「アクリル及び/又はメタクリル」を意味する。「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート及び/又はメタクリレート」を意味する。「(メタ)アクリロイル」は、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」を意味する。
【0014】
「C・・・」は、「炭素数・・・の」を意味する。例えば、「C1~6アルキル基」は、炭素数1~6のアルキル基を意味する。「C6アルキル基」は、炭素数6のアルキル基を意味する。
【0015】
アルキル基は、例えば、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、シクロアルキル基等が挙げられる。
【0016】
直鎖アルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基等が挙げられる。
【0017】
「分岐アルキル基」は、直鎖アルキル基の少なくとも1つの水素原子がアルキル基によって置換された、環状構造を有さない基を意味する。
【0018】
分岐アルキル基は、例えば、i-プロピル基、ジエチルペンチル基、トリメチルブチル基、トリメチルペンチル基、トリメチルヘキシル基等が挙げられる。
【0019】
シクロアルキル基は、例えば、単環シクロアルキル基、架橋環シクロアルキル基、縮合環シクロアルキル基等が挙げられる。なお、シクロアルキル基の少なくとも1つの水素原子がアルキル基によって置換された基もシクロアルキル基とする。
【0020】
「単環」は、炭素の共有結合により形成された内部に橋かけ構造を有しない環状構造を意味する。「縮合環」は、2つ以上の単環が2つの原子を共有している(すなわち、それぞれの環の辺を互いに1つだけ共有(縮合)している)環状構造を意味する。「架橋環」は、2つ以上の単環が3つ以上の原子を共有している環状構造を意味する。
【0021】
単環シクロアルキル基は、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基、3,5,5-トリメチルシクロヘキシル基等が挙げられる。
【0022】
架橋環シクロアルキル基は、例えば、トリシクロデシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基等が挙げられる。
【0023】
なお、アルキル基には、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、シクロアルキル基を組み合わせた基も含まれる。上記組み合わせた基は、例えば、シクロアルキルアルキル基等が挙げられる。
【0024】
シクロアルキルアルキル基は、下記式で表される。
calkyl-Ralkyl
(式中、Rcalkylは、シクロアルキル基を表す。Ralkylは、アルキル基を表す。)
【0025】
アルキレン基は、例えば、直鎖アルキレン基、分岐アルキレン基、シクロアルキレン基等が挙げられる。
【0026】
直鎖アルキレン基は、例えば、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、n-ブチレン基、n-ペンチレン基、n-ヘキシレン基、n-ヘプチレン基、n-オクチレン基、n-ノニレン基、n-デカメチレン基等が挙げられる。
【0027】
「分岐アルキレン基」は、直鎖アルキレン基の少なくとも1つの水素原子がアルキル基によって置換された、環状構造を有さない基を意味する。分岐アルキレン基は、例えば、ジエチルペンチレン基、トリメチルブチレン基、トリメチルペンチレン基、トリメチルヘキシレン基等が挙げられる。
【0028】
シクロアルキレン基は、例えば、単環シクロアルキレン基、架橋環シクロアルキレン基、縮合環シクロアルキレン基等が挙げられる。またシクロアルキレン基は、1つ以上の水素原子が直鎖又は分岐アルキル基によって置換されていてもよい。
【0029】
単環シクロアルキレン基は、例えば、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロデシレン基、3,5,5-トリメチルシクロヘキシレン基等が挙げられる。
【0030】
架橋環シクロアルキレン基は、例えば、トリシクロデシレン基、アダマンチレン基、ノルボルニレン基等が挙げられる。
【0031】
縮合環シクロアルキレン基は、例えば、ビシクロデシレン基等が挙げられる。
【0032】
なお、アルキレン基には、直鎖アルキレン基、分岐アルキレン基、シクロアルキレン基を組み合わせた基も含まれる。上記組み合わせた基は、例えば、シクロアルキレンアルキレン基、アルキレンシクロアルキレンアルキレン基等が挙げられる。
【0033】
シクロアルキレンアルキレン基は、下記式で表される。
-Rcalkylene-Ralkylene
(式中、Rcalkyleneは、シクロアルキレン基を表す。Ralkyleneは、アルキレン基を表す。)
【0034】
アルキレンシクロアルキレンアルキレン基は、下記式で表される。
-Ralkylene-Rcalkylene-Ralkylene
(式中、Rcalkyleneは、シクロアルキレン基を表す。Ralkyleneは、アルキレン基を表す。)
【0035】
芳香族基(アリール基、アリーレン基)は、置換されていてもよいし、置換されていなくてもよい。芳香族基の置換基は、例えば、アルキル基、チオアルキル基、チオアリール基、カルボニルアリール基等が挙げられる。
【0036】
アリール基は、例えば、単環アリール基、縮合環アリール基等が挙げられる。
【0037】
単環アリール基は、例えば、フェニル基、トリル基、メシチル基等が挙げられる。
【0038】
縮合環アリール基は、例えば、ナフチル基等が挙げられる。
【0039】
アリーレン基は、例えば、単環アリーレン基、縮合環アリーレン基等が挙げられる。
【0040】
単環アリーレン基は、例えば、フェニレン基、トリレン基等が挙げられる。
【0041】
縮合環アリーレン基は、例えば、ナフチレン基等が挙げられる。
【0042】
[再生高分子原料の製造方法]
本開示は、再生高分子原料の製造方法であって、
前記再生高分子原料の製造方法は、洗浄工程を含み、
前記洗浄工程は、積層物と洗浄剤とを接触させる工程であり、
前記積層物は、メラミン樹脂を含む組成物の硬化物を含み、
前記洗浄剤は、酸を含む、再生高分子原料の製造方法に関する。
【0043】
<洗浄工程>
洗浄手段は、単独又は2種以上で実施され得る。
【0044】
洗浄手段は、例えば、浸漬洗浄、シャワー洗浄、スプレー洗浄、超音波洗浄、液中ジェット洗浄、直通式洗浄(DIRECTPASS(登録商標))等が挙げられる。
【0045】
洗浄温度は、例えば、100℃、95℃、90℃、85℃、80℃、75℃、70℃、65℃、60℃、55℃、50℃、45℃、40℃、35℃、30℃、25℃、20℃等が挙げられる。1つの実施形態において、洗浄温度は、好ましくは、20℃~100℃が挙げられ、より好ましくは、40℃~80℃が挙げられる。
【0046】
洗浄時間は、例えば、90分、85分、80分、75分、70分、65分、60分、55分、50分、45分、40分、35分、30分、25分、20分、15分、10分、5分、4分、3分、2分、1分、0.5分等が挙げられる。1つの実施形態において、洗浄時間は、好ましくは、0.5分~90分が挙げられ、より好ましくは、0.5分~35分が挙げられ、さらに好ましくは、1分~30分が挙げられる。
【0047】
質量%除去量(洗浄工程において除去される硬化物/積層物中の硬化物)は、例えば、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、95質量%以上、99質量%以上、100質量%等が挙げられる。上記除去量は、好ましくは、95質量%以上が挙げられ、より好ましくは、99質量%以上が挙げられる。
【0048】
<洗浄剤除去工程>
再生高分子原料の製造方法は、任意で、洗浄剤除去工程を含み得る。洗浄剤除去工程は、単独又は2種以上で実施され得る。
【0049】
洗浄剤除去工程は、例えば、すすぎ工程、乾燥工程、拭取工程等が挙げられる。
【0050】
(すすぎ工程)
すすぎ工程は、例えば、水すすぎ等が挙げられる。すすぎ工程後、乾燥工程及び/又は拭取工程が、実施され得る。
【0051】
(乾燥工程)
乾燥工程は、例えば、自然乾燥、加熱乾燥、熱風乾燥、照射乾燥、真空乾燥等が挙げられる。
【0052】
乾燥温度は、例えば、120℃、115℃、110℃、105℃、100℃、95℃、90℃、85℃、80℃、75℃、70℃、65℃、60℃、55℃、50℃、45℃、40℃、35℃、30℃等が挙げられる。1つの実施形態において、乾燥温度は、好ましくは、30℃~120℃が挙げられる。
【0053】
乾燥時間は、例えば、10分、8分、6分、4分、3分、2分、1分等が挙げられる。1つの実施形態において、乾燥時間は、好ましくは、1分~10分が挙げられる。
【0054】
(拭取工程)
拭取材は、例えば、不織布、織布等が挙げられる。
【0055】
<粉砕工程>
再生高分子原料の製造方法は、任意で、粉砕工程を含み得る。
【0056】
粉砕手段は、例えば、粉砕機、クラッシャー、シュレッダー等が挙げられる。
【0057】
粉砕機は、例えば、単軸粉砕機、二軸粉砕機、三軸粉砕機、カッターミル等が挙げられる。
【0058】
再生高分子原料の製造方法において、各工程の順序は、例えば、下記の順序等が挙げられる。
(1)洗浄工程、(2)洗浄剤除去工程、(3)粉砕工程
(1)粉砕工程、(2)洗浄工程、(3)洗浄剤除去工程
【0059】
(積層物)
1つの実施形態において、積層物は、基材の片面又は両面に組成物の硬化物を有する。
【0060】
〔硬化物〕
硬化物は、例えば、熱硬化物等が挙げられる。
【0061】
積層物中の上記硬化物の量は、好ましくは、0.05g/m~10g/mが挙げられ、より好ましくは、0.1g/m~5g/mが挙げられる。
【0062】
〈メラミン樹脂〉
メラミン樹脂は、単独又は2種以上で使用され得る。
【0063】
メラミン樹脂は、下記メラミン化合物に由来する構成単位を含むメラミン樹脂等が挙げられる。
【化1】
(式中、Rm1~Rm6は、それぞれ独立に、水素原子、メチロール基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、n-ブトキシメチル基及びイソブトキシメチル基から選択される。)
【0064】
1つの実施形態において、メラミン樹脂の平均重合度は、好ましくは、1.1~10が挙げられる。
【0065】
メラミン樹脂は、好ましくは、メチル化メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂が挙げられ、より好ましくは、フルエーテル型メチル化メラミン樹脂、フルエーテル型ブチル化メラミン樹脂、フルエーテル型メチル・ブチル化メラミン樹脂が挙げられる。
【0066】
「メチル化メラミン」は、上記Rm1~Rm6の少なくとも1つがメトキシメチル基であるメラミン化合物を意味する。「フルエーテル型メチル化メラミン」は、上記Rm1~Rm6の全てがメトキシメチル基であるメラミン化合物を意味する。「メチル化メラミン樹脂」は、メチル化メラミンに由来する構成単位のみから構成される樹脂を意味する。「フルエーテル型メチル化メラミン樹脂」は、フルエーテル型メチル化メラミンに由来する構成単位のみから構成される樹脂を意味する。
【0067】
「ブチル化メラミン」は、上記Rm1~Rm6の少なくとも1つがn-ブトキシメチル基、イソブトキシメチル基のいずれかであるメラミン化合物を意味する。「フルエーテル型ブチル化メラミン」は、上記Rm1~Rm6の全てがn-ブトキシメチル基、イソブトキシメチル基のいずれかであるメラミン化合物を意味する。「ブチル化メラミン樹脂」は、ブチル化メラミンに由来する構成単位のみから構成される樹脂を意味する。「フルエーテル型ブチル化メラミン樹脂」は、フルエーテル型ブチル化メラミンに由来する構成単位のみから構成される樹脂を意味する。
【0068】
「フルエーテル型メチル・ブチル化メラミン」は、上記Rm1~Rm6の少なくとも一つがメトキシメチル基であって、残りがそれぞれn-ブトキシメチル基、イソブトキシメチル基のいずれかであるメラミン化合物を意味する。「フルエーテル型メチル・ブチル化メラミン樹脂」は、フルエーテル型メチル・ブチル化メラミンに由来する構成単位のみから構成される樹脂を意味する。
【0069】
市販品(メラミン樹脂)は、例えば、サイメル300、サイメル301、サイメル303LF、サイメル350、サイメル370N、サイメル771、サイメル325、サイメル327、サイメル703、サイメル712、サイメル701、サイメル266、サイメル267、サイメル285、サイメル232、サイメル235、サイメル236、サイメル238、サイメル272、サイメル212、サイメル253、サイメル254、サイメル202、サイメル207、マイコート506(以上、オルネクスジャパン(株)製)、ニカラックMW-30M、ニカラックMW-30、ニカラックMW-30HM、ニカラックMW-390、ニカラックMW-100LM、ニカラックMX-750LM、ニカラックMW-22、ニカラックMS-21、ニカラックMS-11、ニカラックMW-24X、ニカラックMS-001、ニカラックMX-002、ニカラックMX-730、ニカラックMX-750、ニカラックMX-708、ニカラックMX-706、ニカラックMX-042、ニカラックMX-035、ニカラックMX-45、ニカラックMX-43、ニカラックMX-417、ニカラックMX-410(以上、(株)三和ケミカル製)、ユーバン20SB、ユーバン20SE60、ユーバン21R、ユーバン22R、ユーバン122、ユーバン125、ユーバン220、ユーバン225、ユーバン228、ユーバン2020(以上、三井化学(株)製)、アミディアJ-820-60、アミディアL-109-65、アミディアL-117-60、アミディアL-127-60、アミディア13-548、アミディアG-821-60、アミディアL-110-60、アミディアL-125-60、アミディアL-166-60B(以上、DIC(株)製)等が挙げられる。
【0070】
質量%含有量(メラミン樹脂/組成物不揮発分)は、例えば、85質量%、80質量%、75質量%、70質量%、65質量%、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、40質量%、35質量%、30質量%、25質量%、20質量%、15質量%、10質量%、5質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、5質量%~85質量%が挙げられ、より好ましくは、5質量%~70質量%が挙げられる。
【0071】
〈水酸基含有(メタ)アクリル樹脂〉
組成物は、任意で、水酸基含有(メタ)アクリル樹脂を含み得る。水酸基含有(メタ)アクリル樹脂は、単独又は2種以上で使用され得る。
【0072】
・構成単位1
水酸基含有(メタ)アクリル樹脂は、任意で、構成単位1を含み得る。構成単位1は、モノマーとして、長鎖アルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルを用いた場合に水酸基含有(メタ)アクリル樹脂に含まれる構成単位である。
【化2】
(式中、R11は、水素原子又はメチル基を表す。R12は、C8~28アルキル基を表す。)
長鎖アルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルは、単独又は2種以上で使用され得る。
【0073】
C8~28アルキル基は、例えば、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基(ラウリル基)、トリデシル基、テトラデシル基(ミリスチル基)、ペンタデシル基、ヘキサデシル基(パルミチル基)、ヘプタデシル基、オクタデシル基(ステアリル基)、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基等が挙げられる。
【0074】
炭素数(R12)は、例えば、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8が挙げられる。1つの実施形態において、上記炭素数は、好ましくは、8~28が挙げられ、より好ましくは、12~18が挙げられる。
【0075】
長鎖アルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルは、例えば、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ヘンイコシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレート、トリコシル(メタ)アクリレート、テトラコシル(メタ)アクリレート、ペンタコシル(メタ)アクリレート、ヘキサコシル(メタ)アクリレート、ヘプタコシル(メタ)アクリレート、オクタコシル(メタ)アクリレート、イソドデシル(メタ)アクリレート、イソトリデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソペンタデシル(メタ)アクリレート、イソヘキサデシル(メタ)アクリレート、イソヘプタデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0076】
質量%含有量(構成単位1/水酸基含有(メタ)アクリル樹脂)は、例えば、99.5質量%、99質量%、98質量%、97質量%、96質量%、95質量%、94質量%、92質量%、91質量%、90質量%、88質量%、87質量%、85質量%、83質量%、82質量%、81質量%、80質量%、79質量%、77質量%、75質量%、73質量%、71質量%、70質量%、69質量%、67質量%、65質量%、63質量%、60質量%、59質量%、58質量%、55質量%、50質量%、49質量%、45質量%、43質量%、40質量%、38質量%、35質量%、33質量%、31質量%、30質量%、25質量%、20質量%、15質量%、10質量%、5質量%、4質量%、2質量%、1質量%、0質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、0~99.5質量%が挙げられ、より好ましくは、30質量%~99.5質量%が挙げられ、さらに好ましくは、35質量%~99質量%が挙げられる。
【0077】
モル%含有量(構成単位1/水酸基含有(メタ)アクリル樹脂)は、例えば、99.5モル%、99モル%、98モル%、97モル%、96モル%、95モル%、94モル%、92モル%、91モル%、90モル%、88モル%、85モル%、80モル%、77モル%、75モル%、70モル%、65モル%、60モル%、58モル%、55モル%、50モル%、45モル%、40モル%、38モル%、35モル%、30モル%、25モル%、20モル%、15モル%、10モル%、5モル%、4モル%、2モル%、1モル%、0モル%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、0モル%~99.5モル%が挙げられ、より好ましくは、20モル%~99.5モル%が挙げられる。
【0078】
水酸基含有構成単位
水酸基含有(メタ)アクリル樹脂は、水酸基含有構成単位を含む。水酸基含有構成単位は、モノマーとして、水酸基含有モノマーを用いた場合に水酸基含有(メタ)アクリル樹脂に含まれる構成単位である。水酸基含有モノマーは、単独又は2種以上で使用され得る。水酸基含有構成単位は、例えば、下記構成単位2、水酸基を2個以上有するモノマーに由来する構成単位等が挙げられる。
【0079】
・構成単位2
構成単位2は、モノマーとして、水酸基含有(メタ)アクリル系モノマーを用いた場合に水酸基含有(メタ)アクリル樹脂に含まれる構成単位である。水酸基含有(メタ)アクリル系モノマーは、単独又は2種以上で使用され得る。
【化3】
[式中、R21は、水素原子又はメチル基を表す。R22は、NHR2A’又はOR2B’を表す。
2A’は、水酸基含有アルキル基を表す。
2B’は、(R2B1’O)H又はR2B2’O(C(=O)(CHO)Hを表す。
2B1’は、アルキレン基を表す。nは、1以上の整数を表す。
2B2’は、アルキレン基を表す。mは、1以上の整数を表す。]
【0080】
「水酸基含有アルキル基」は、アルキル基の1つ以上の水素原子が水酸基によって置換された基を意味する。水酸基含有アルキル基は、例えば、水酸基含有直鎖アルキル基、水酸基含有分岐アルキル基、水酸基含有シクロアルキル基等が挙げられる。
【0081】
本開示において、炭素数に言及されていない炭化水素基の炭素数は、例えば、30、29、25、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1等が挙げられる。
【0082】
水酸基含有(メタ)アクリル系モノマーは、例えば、水酸基含有(メタ)アクリルエステル、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、水酸基含有(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
【0083】
「水酸基含有(メタ)アクリルエステル」は、水酸基含有(メタ)アクリル系モノマーのR22がOR2B1’OH、すなわちR2B’が水酸基含有アルキル基であるモノマーを意味する。記号の意味は、上記と同じである。
【0084】
水酸基含有(メタ)アクリルエステルは、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0085】
「ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート」は、水酸基含有(メタ)アクリル系モノマーのR22がO(R2B1’O)Hであるモノマーを意味する。記号の意味は、上記と同じである。1つの実施形態において、nは、好ましくは、1以上が挙げられ、より好ましくは、1~60が挙げられる。R2B1’は、好ましくは、エチレン基、プロピレン基が挙げられる。
【0086】
市販品(ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート)は、例えば、ブレンマーPE-90、ブレンマー200、ブレンマー350、ブレンマーPME-400、ブレンマーAE-400、ブレンマーPME-1000、ブレンマーPME-2000(日油(株)製)等が挙げられる。
【0087】
「カプロラクトン変性ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート」は、水酸基含有(メタ)アクリル系モノマーのR22がOR2B2’O(C(=O)(CHO)Hであるモノマーを意味する。記号の意味は、上記と同じである。1つの実施形態において、mは、好ましくは、1以上が挙げられ、より好ましくは、1~6が挙げられ、さらに好ましくは、1~3が挙げられる。R2B2’は、好ましくは、C2~6アルキレン基が挙げられ、より好ましくは、エチレン基が挙げられる。
【0088】
市販品(カプロラクトン変性ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート)は、例えば、プラクセルFM1、プラクセルFM2、プラクセルFM1D、プラクセルFM2D、プラクセルFM3、プラクセルFM3X、プラクセルFM4、プラクセルFM-5、プラクセルFA1、プラクセルFA2、プラクセルFA1D、プラクセルFA1DDM、プラクセルFA2D、プラクセルFA3、プラクセルFA4、プラクセルFA5((株)ダイセル製)等が挙げられる。
【0089】
水酸基含有(メタ)アクリルアミドは、例えば、N-(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N-(1-メチル-2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
【0090】
水酸基を2個以上有するモノマーは、例えば、グリセリンモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0091】
質量%含有量(水酸基含有構成単位/水酸基含有(メタ)アクリル樹脂)は、例えば、70質量%、69質量%、67質量%、65質量%、62質量%、60質量%、59質量%、57質量%、55質量%、54質量%、53質量%、51質量%、50質量%、49質量%、47質量%、45質量%、44質量%、42質量%、40質量%、39質量%、37質量%、35質量%、34質量%、33質量%、31質量%、30質量%、29質量%、27質量%、25質量%、23質量%、21質量%、20質量%、18質量%、15質量%、12質量%、10質量%、9質量%、7質量%、5質量%、4質量%、3質量%、2質量%、1質量%、0.9質量%、0.5質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、0.5質量%~70質量%が挙げられ、より好ましくは、1質量%~65質量%が挙げられる。
【0092】
モル%含有量(水酸基含有構成単位/水酸基含有(メタ)アクリル樹脂)は、例えば、80モル%、79モル%、77モル%、75モル%、73モル%、71モル%、70モル%、69モル%、67モル%、65モル%、63モル%、62モル%、60モル%、59モル%、57モル%、55モル%、53モル%、50モル%、49モル%、47モル%、45モル%、42モル%、40モル%、39モル%、37モル%、35モル%、31モル%、30モル%、29モル%、27モル%、25モル%、23モル%、20モル%、18モル%、15モル%、12モル%、10モル%、9モル%、7モル%、5モル%、4モル%、3モル%、2モル%、1モル%、0.9モル%、0.5モル%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、0.5モル%~80モル%が挙げられる。
【0093】
・構成単位3
水酸基含有(メタ)アクリル樹脂は、任意で、構成単位3を含み得る。
【化4】
(式中、R31は、水素原子又はメチル基を表す。R32は、C1~7アルキル基を表す。)
【0094】
構成単位3は、モノマーとして、短鎖アルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルを用いた場合に水酸基含有(メタ)アクリル樹脂に含まれる構成単位である。
【化5】
(式中、R31は、水素原子又はメチル基を表す。R32は、C1~7アルキル基を表す。)
【0095】
C1~7アルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等の直鎖、分岐、シクロアルキル基が挙げられる。
【0096】
質量%含有量(構成単位3/水酸基含有(メタ)アクリル樹脂)は、例えば、30質量%、25質量%、20質量%、15質量%、10質量%、9質量%、7質量%、5質量%、4質量%、2質量%、1質量%、0質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、0質量%~30質量%が挙げられる。
【0097】
モル%含有量(構成単位3/水酸基含有(メタ)アクリル樹脂)は、例えば、30モル%、29モル%、27モル%、25モル%、23モル%、21モル%、20モル%、19モル%、17モル%、15モル%、13モル%、10モル%、9モル%、7モル%、5モル%、4モル%、2モル%、1モル%、0モル%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、0モル%~30モル%が挙げられる。
【0098】
・構成単位1~3以外の構成単位(その他の構成単位)
水酸基含有(メタ)アクリル樹脂は、任意で、構成単位1~3以外の構成単位(その他の構成単位)を含み得る。
【0099】
その他の構成単位は、モノマーとして、上記以外のモノマーを用いた場合に水酸基含有(メタ)アクリル樹脂に含まれる構成単位である。
【0100】
上記以外のモノマーは、例えば、(メタ)アクリル酸、スチレン、アルケニル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0101】
多官能(メタ)アクリレートは、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0102】
質量%含有量(その他の構成単位/水酸基含有(メタ)アクリル樹脂)は、例えば、10質量%未満、5質量%未満、2質量%未満、1質量%未満、0.1質量%未満、0質量%等が挙げられる。
【0103】
質量%含有量(その他の構成単位/水酸基含有構成単位、構成単位1~3のいずれか1つの構成単位)は、例えば、10質量%未満、5質量%未満、2質量%未満、1質量%未満、0.1質量%未満、0質量%等が挙げられる。
【0104】
モル%含有量(その他の構成単位/水酸基含有(メタ)アクリル樹脂)は、例えば、10モル%未満、5モル%未満、2モル%未満、1モル%未満、0.1モル%未満、0モル%等が挙げられる。
【0105】
モル%含有量(その他の構成単位/水酸基含有構成単位、構成単位1~3のいずれか1つの構成単位)は、例えば、10モル%未満、5モル%未満、2モル%未満、1モル%未満、0.1モル%未満、0モル%等が挙げられる。
【0106】
・物性等(水酸基含有(メタ)アクリル樹脂)
数平均分子量(水酸基含有(メタ)アクリル樹脂)は、例えば、80000、75000、70000、60000、50000、40000、30000、25000、24700、24000、23000、20000、19500、19000、18500、18000、17500、17000、16500、16000、15800、15700、15500、15000、14900、14500、14400、14300、14200、14000、13800、13700、13600、13500、13000、12500、12000、11500、11200、11000、10000、9000、8000等が挙げられる。1つの実施形態において、上記数平均分子量は、好ましくは、8000~80000が挙げられる。
【0107】
重量平均分子量(水酸基含有(メタ)アクリル樹脂)は、例えば、200000、190000、170000、150000、100000、90000、75000、60000、59000、57000、55000、54400、54000、53000、52500、52300、52000、51000、50000、49000、48000、47200、47000、46200、46000、45300、45000、44000、43000、42800、42000、41000、40100、40000、39500、39000、38100、38000、37500、37400、37000、36000、35000、34000、33000、32300、32000、31000、30000、29000、25000、24000、22000、20000等が挙げられる。1つの実施形態において、上記重量平均分子量は、好ましくは、20000~200000が挙げられる。
【0108】
重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により適切な溶媒下で測定したポリスチレン換算値として求められ得る。詳細な条件は、例えば、下記条件等が挙げられる。
機種:製品名「HLC-8220」(東ソー(株)製)
カラム:製品名「PLgel MIXED-C」(Agilent Technology製)×2本
展開溶媒:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/分
測定温度:40℃
検出器:RI
標準:単分散ポリスチレン
ポリマー濃度:0.2%
【0109】
水酸基価(水酸基含有(メタ)アクリル樹脂)は、例えば、300mgKOH/g、275mgKOH/g、250mgKOH/g、225mgKOH/g、210mgKOH/g、203mgKOH/g、200mgKOH/g、175mgKOH/g、150mgKOH/g、125mgKOH/g、100mgKOH/g、75mgKOH/g、52mgKOH/g、50mgKOH/g、40mgKOH/g、35mgKOH/g、30mgKOH/g、25mgKOH/g、22mgKOH/g、20mgKOH/g、15mgKOH/g、10mgKOH/g、9mgKOH/g、7mgKOH/g、5mgKOH/g、4mgKOH/g、2mgKOH/g、1mgKOH/g等が挙げられる。1つの実施形態において、上記水酸基価は、好ましくは、1mgKOH/g~300mgKOH/gが挙げられる。
【0110】
水酸基価は、JIS K1557-1に準拠する方法により測定される。
【0111】
ポリマー製造時において用いたモノマーの仕込み量が正確に把握でき、かつ重合率が高い場合、水酸基価は、下記式により算出できる。
水酸基価=[(全仕込み単量体1g中の水酸基含有単量体の仕込み質量×水酸基含有単量体一分子が有する水酸基の数)/水酸基含有単量体の分子量]×56.11(KOHの分子量)×1000・・・(1)
【0112】
製造方法(水酸基含有(メタ)アクリル樹脂)は、例えば、ラジカル重合等が挙げられる。
【0113】
ラジカル重合開始剤は、単独又は2種以上で使用され得る。ラジカル重合開始剤は、例えば、無機過酸化物、有機過酸化物、アゾ系化合物等が挙げられる。無機過酸化物は、例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等が挙げられる。有機過酸化物は、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等が挙げられる。アゾ系化合物は、例えば、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル-2,2’-アゾビスイソブチレート等のアゾ系化合物等が挙げられる。質量部使用量(ラジカル重合開始剤/全モノマー成分)は、好ましくは、1質量部~10質量部程度が挙げられる。
【0114】
水酸基含有(メタ)アクリル樹脂の製造において、連鎖移動剤が、任意で使用され得る。連鎖移動剤は、単独又は2種以上で使用され得る。連鎖移動剤は、例えば、ラウリルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、2-メルカプトベンゾチアゾール、ブロモトリクロロメタン、α-メチルスチレンダイマー等が挙げられる。質量部使用量(連鎖移動剤/全モノマー成分)は、好ましくは、0質量部~5質量部程度が挙げられる。
【0115】
質量%含有量(水酸基含有(メタ)アクリル樹脂/組成物不揮発分)は、例えば、95質量%、90質量%、85質量%、80質量%、75質量%、70質量%、65質量%、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、40質量%、35質量%、30質量%、29質量%、28.8質量%、28質量%、27質量%、25質量%、23質量%、20質量%、19質量%、17質量%、15質量%、14.4質量%、14質量%、12質量%、10質量%、9.6質量%、9.5質量%、9質量%、8質量%、7質量%、5質量%、4.8質量%、4質量%、2質量%、1質量%、0質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、0質量%~95質量%が挙げられる。
【0116】
〈水酸基含有シリコーン〉
組成物は、任意で、水酸基含有シリコーンを含み得る。水酸基含有シリコーンは、単独又は2種以上で使用され得る。
【0117】
水酸基含有シリコーンは、例えば、水酸基含有有機変性シリコーン等が挙げられる。
【0118】
「有機変性シリコーン」は、シリコーンに有機基を導入した化合物を意味する。有機変性シリコーンは、例えば、側鎖型有機変性シリコーン、両末端型有機変性シリコーン、片末端型有機変性シリコーン、側鎖両末端型有機変性シリコーン等が挙げられる。
【0119】
水酸基含有有機変性シリコーンは、例えば、水酸基含有シリコーン変性アクリル樹脂、水酸基含有ポリエステル変性シリコーン、水酸基含有ポリエーテル変性シリコーン、水酸基含有カルビノール変性シリコーン等が挙げられる。
【0120】
市販品(水酸基含有シリコーン変性アクリル樹脂)は、例えば、ZX-028-G((株)T&K TOKA製)、BYK-SILCLEAN3700(ビックケミー・ジャパン(株)製)、サイマックUS-270(東亞合成(株)製)等が挙げられる。
【0121】
市販品(水酸基含有ポリエステル変性シリコーン又は水酸基含有ポリエーテル変性シリコーン)は、例えば、BYK-370、BYK-375、BYK-377、BYK-SILCLEAN3720(ビックケミー・ジャパン(株)製)、X-22-4952、KF-6123(信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0122】
市販品(水酸基含有カルビノール変性シリコーン)は、例えば、X-22-4039、X-22-4015、X-22-4952、X-22-4272、X-22-170BX、X-22-170DX、KF-6000、KF-6001、KF-6002、KF-6003、KF-6123、X-22-176F(信越化学工業(株)製)、サイラプレーンFM-4411、サイラプレーンFM-4421、サイラプレーンFM-4425、サイラプレーンFM-0411、サイラプレーンFM-0421、サイラプレーンFM-0425、サイラプレーンFM-DA11、サイラプレーンFM-DA21、サイラプレーンFM-DA26(JNC(株)製)等が挙げられる。
【0123】
1つの実施形態において、水酸基含有シリコーンの水酸基数は、好ましくは、1個~4個が挙げられる。
【0124】
数平均分子量(水酸基含有シリコーン)は、例えば、15000、14000、13000、12000、11000、10000、9000、8000、7000、6000、5000、4000、3000、2000、1000等が挙げられる。1つの実施形態において、上記数平均分子量は、好ましくは、1000~15000が挙げられる。
【0125】
質量%含有量(水酸基含有シリコーン/組成物不揮発分)は、例えば、20質量%、19質量%、17質量%、15質量%、13質量%、11質量%、10質量%、9質量%、7質量%、5質量%、3質量%、2質量%、1質量%、0質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、0質量%~20質量%が挙げられる。
【0126】
〈ポリオール〉
組成物は、任意で、ポリオールを含み得る。ポリオールは、単独又は2種以上で使用され得る。
【0127】
「ポリオール」は、水酸基(-OH)を2個以上有する化合物を意味する。
【0128】
本開示において、水酸基含有(メタ)アクリル樹脂、水酸基含有シリコーンは、ポリオールには、含まれないものとする。
【0129】
ポリオールは、例えば、アルキレンポリオール、ダイマージオール、水添ダイマージオール、ひまし油系ポリオール、ヒドロキシ基含有脂肪酸アルキレングリコールエステル、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール等が挙げられる。
【0130】
・アルキレンポリオール
「アルキレンポリオール」は、アルキレン基及び2個以上の水酸基からなる化合物を意味する。
【0131】
アルキレンポリオールは、例えば、直鎖アルキレンポリオール、分岐アルキレンポリオール、シクロアルキレンポリオール等が挙げられる。
【0132】
直鎖アルキレンポリオールは、例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール等が挙げられる。
【0133】
分岐アルキレンポリオールは、例えば、ネオペンチルグリコール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジブチル-1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
【0134】
シクロアルキレンポリオールは、例えば、単環シクロアルキレンポリオール、架橋環シクロアルキレンポリオール等が挙げられる。
【0135】
単環シクロアルキレンポリオールは、例えば、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2,2’-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等が挙げられる。
【0136】
架橋環シクロアルキレンポリオールは、例えば、トリシクロデカンジメタノール等が挙げられる。
【0137】
・ダイマージオール
「ダイマージオール」は、高級不飽和脂肪酸を二量体化して得られる環式及び/又は非環式ダイマー酸とメタノールとの反応生成物を還元した化合物を意味する。高級不飽和脂肪酸の二量化反応は、例えば、特開平9-136861号公報に記載の方法等が挙げられる。「水添ダイマージオール」は、ダイマージオールを水素付加反応させた化合物を意味する。
【0138】
ダイマージオール製造において、上記高級不飽和脂肪酸は、単独又は2種以上で使用され得る。上記高級不飽和脂肪酸は、例えば、炭素数14~22の不飽和モノカルボン酸等が挙げられる。
【0139】
C14~22不飽和モノカルボン酸は、例えば、テトラデカジエン酸、ヘキサデカジエン酸、リノール酸、エイコサジエン酸、ドコサジエン酸、リノレン酸、アラキドン酸、ミリストオレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、エイコセン酸、エルカ酸、セトレイン酸、ブラシジン酸等が挙げられる。1つの実施形態において、C14~22不飽和モノカルボン酸は、好ましくは、オレイン酸及び/又はリノール酸が挙げられる。
【0140】
・ひまし油系ポリオール
ひまし油系ポリオールは、例えば、グリセリンヒドロキシ基含有脂肪酸(ポリ)エステル等が挙げられる。
【0141】
「グリセリンヒドロキシ基含有脂肪酸(ポリ)エステル」は、グリセリンの水酸基の1個以上とヒドロキシ基含有脂肪酸とが反応して得られる(ポリ)エステル(モノエステル、ジエステル、トリエステル)を意味する。
【0142】
ヒドロキシ基含有長鎖脂肪酸は、例えば、ヒドロキシ基含有飽和長鎖脂肪酸、ヒドロキシ基含有不飽和長鎖脂肪酸等が挙げられる。
【0143】
ヒドロキシ基含有飽和長鎖脂肪酸は、例えば、ヒドロキシラウリル酸、ヒドロキシトリデシル酸、ヒドロキシミリスチル酸、ヒドロキシペンタデシル酸、ヒドロキシパルミチル酸、ヒドロキシヘプタデシル酸、ヒドロキシステアリル酸、ヒドロキシノナデシル酸、ヒドロキシエイコシル酸、ヒドロキシヘンイコシル酸、ヒドロキシドコシル酸、ヒドロキシトリコシル酸、ヒドロキシテトラコシル酸、ヒドロキシペンタコシル酸、ヒドロキシヘキサコシル酸、ヒドロキシヘプタコシル酸、ヒドロキシオクタコシル酸、ヒドロキシイソドデシル酸、ヒドロキシイソトリデシル酸、ヒドロキシイソミリスチル酸、ヒドロキシイソペンタデシル酸、ヒドロキシイソヘキサデシル酸、ヒドロキシイソヘプタデシル酸、ヒドロキシイソステアリル酸、アロイリット酸等が挙げられる。
【0144】
ヒドロキシ基含有不飽和長鎖脂肪酸は、例えば、ヒドロキシ基含有モノ不飽和長鎖脂肪酸、ヒドロキシ基含有ジ不飽和長鎖脂肪酸、ヒドロキシ基含有トリ不飽和長鎖脂肪酸、ヒドロキシ基含有テトラ不飽和長鎖脂肪酸、ヒドロキシ基含有ペンタ不飽和長鎖脂肪酸、ヒドロキシ基含有ヘキサ不飽和長鎖脂肪酸等が挙げられる。
【0145】
ヒドロキシ基含有モノ不飽和長鎖脂肪酸は、例えば、リシノール酸、ヒドロキシミリストレイン酸、ヒドロキシパルミトレイン酸、ヒドロキシサピエン酸、ヒドロキシオレイン酸、ヒドロキシエライジン酸、ヒドロキシバクセン酸、ヒドロキシガドレイン酸、ヒドロキシエイコセン酸、ヒドロキシエルカ酸、ヒドロキシネルボン酸等が挙げられる。
【0146】
ヒドロキシ基含有ジ不飽和長鎖脂肪酸は、例えば、ヒドロキシリノール酸、ヒドロキシエイコサジエン酸、ヒドロキシドコサジエン酸等が挙げられる。
【0147】
ヒドロキシ基含有トリ不飽和長鎖脂肪酸は、例えば、ヒドロキシリノレン酸、ヒドロキシピノレン酸、ヒドロキシエレオステアリン酸、ヒドロキシミード酸、ヒドロキシエイコサトリエン酸等が挙げられる。
【0148】
ヒドロキシ基含有テトラ不飽和長鎖脂肪酸は、例えば、ヒドロキシステアリドン酸、ヒドロキシアラキドン酸、ヒドロキシアドレン酸等が挙げられる。
【0149】
ヒドロキシ基含有ペンタ不飽和長鎖脂肪酸は、例えば、ヒドロキシボセオペンタエン酸、ヒドロキシエイコサペンタエン酸、ヒドロキシオズボンド酸、ヒドロキシイワシ酸、ヒドロキシテトラコサペンタエン酸等が挙げられる。
【0150】
ヒドロキシ基含有ヘキサ不飽和長鎖脂肪酸は、例えば、ヒドロキシドコサヘキサエン酸、ヒドロキシニシン酸等が挙げられる。
【0151】
・ヒドロキシ基含有脂肪酸アルキレングリコールエステル
「ヒドロキシ基含有脂肪酸アルキレングリコールエステル」は、ヒドロキシ基含有脂肪酸とアルキレンポリオールとが反応して得られるエステルを意味する。
【0152】
ヒドロキシ基含有脂肪酸及びアルキレンポリオールは、例えば、上記の化合物等が挙げられる。
【0153】
・ポリエーテルポリオール
「ポリエーテルポリオール」は、水酸基を2個以上及びエーテル結合を含む繰り返し単位を2個以上連続して有する化合物を意味する。
【0154】
1つの実施形態において、ポリエーテルポリオールは、下記式で表される。
HO-(REther-O-)
(式中、REtherは、アルキレン基、アリーレン基又はアリーレンアルキレンアリーレン基を表す。nは、2以上の整数を表す。)
【0155】
ポリエーテルポリオールは、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリオールのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
【0156】
市販品(ポリエーテルポリオール)は、例えば、アデカポリエーテルGM-30、アデカポリエーテルP-400、アデカポリエーテルG-400、アデカポリエーテルT-400、アデカポリエーテルAM-302(以上、(株)アデカ製)等が挙げられる。
【0157】
・ポリエステルポリオール
「ポリエステルポリオール」は、水酸基を2個以上及びエステル結合を含む繰り返し単位を2個以上連続して有する化合物を意味する。なお、ポリカプロラクトンポリオールは、ポリエステルポリオールの1種である。
【0158】
1つの実施形態において、ポリエステルポリオールは、下記式で表される。
HO-{RaEster-OC(=O)-RbEster-C(=O)O}-RcEster-OH
(式中、RaEster、RbEster及びRcEsterは、アルキレン基又はアリーレン基を表す。RaEster、RbEster及びRcEsterは、異なっていてもよい。mは、2以上の整数を表す。)
【0159】
ポリエステルポリオールは、例えば、ポリカルボン酸又はその無水物とポリオールとの反応生成物等が挙げられる。
【0160】
ポリカルボン酸は、例えば、ジカルボン酸等が挙げられる。
【0161】
ジカルボン酸は、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、2-メチルコハク酸、2-メチルアジピン酸、3-メチルアジピン酸、3-メチルペンタン二酸、2-メチルオクタン二酸、3,8-ジメチルデカン二酸、3,7-ジメチルデカン二酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。
【0162】
ポリカルボン酸無水物は、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸等が挙げられる。
【0163】
ポリオールは、例えば、上記アルキレンポリオール等が挙げられる。
【0164】
・ポリカーボネートポリオール
「ポリカーボネートポリオール」は、ヒドロキシ基を2個以上及びカーボネート結合を含む繰り返し単位を2個以上有する化合物を意味する。
【0165】
1つの実施形態において、ポリカーボネートポリオールは、下記式で表される。
HO-{RaCarbo-OC(=O)O}-RbCarbo-OH
(式中、RaCarbo及びRbCarboは、アルキレン基を表す。RaCarbo、RbCarboは、異なっていてもよい。pは、2以上の整数を表す。)
【0166】
ポリカーボネートポリオールは、例えば、ポリオールとホスゲンとの反応物、環状炭酸エステル(アルキレンカーボネート等)の開環重合物等が挙げられる。
【0167】
ポリオールは、例えば、上記アルキレンポリオール等が挙げられる。
【0168】
アルキレンカーボネートは、例えば、エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネート、テトラメチレンカーボネート、ヘキサメチレンカーボネート等が挙げられる。
【0169】
・ポリオレフィンポリオール
ポリオレフィンポリオールは、例えば、水酸基を2個以上有するポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリイソプレン、これらの塩素化物等が挙げられる。
【0170】
市販品(ポリオレフィンポリオール)は、例えば、NISSO-PB GI-1000(日本曹達(株)製)等が挙げられる。
【0171】
質量%含有量(ポリオール/組成物不揮発分)は、例えば、95質量%、90質量%、85質量%、80質量%、65質量%、63質量%、62.5質量%、61質量%、60質量%、59質量%、58質量%、57.7質量%、57.5質量%、57質量%、55質量%、53質量%、52.9質量%、52質量%、51質量%、50質量%、49質量%、48.1質量%、48質量%、47質量%、45質量%、43質量%、41質量%、40質量%、39質量%、38.5質量%、37質量%、35質量%、32質量%、31.3質量%、31質量%、30質量%、29質量%、27.5質量%、27質量%、26.4質量%、26質量%、25質量%、23質量%、21質量%、20質量%、19質量%、15質量%、10質量%、5質量%、4質量%、2質量%、1質量%、0質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、0質量%~65質量%が挙げられ、より好ましくは、20質量%~65質量%が挙げられる。
【0172】
〈酸〉
組成物は、任意で、酸を含み得る。酸は、単独又は2種以上で使用され得る。
【0173】
酸は、例えば、無機酸、有機酸、熱酸発生剤等が挙げられる。
【0174】
無機酸は、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等が挙げられる。
【0175】
有機酸は、例えば、有機カルボン酸、有機スルホン酸、有機リン酸等が挙げられる。
【0176】
有機カルボン酸は、例えば、シュウ酸、酢酸、ギ酸等が挙げられる。
【0177】
有機スルホン酸は、例えば、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、イソプレンスルホン酸、カンファースルホン酸、ヘキサンスルホン酸、オクタンスルホン酸、ノナンスルホン酸、デカンスルホン酸、ヘキサデカンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、クメンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ノニルナフタレンスルホン酸等が挙げられる。
【0178】
有機リン酸は、例えば、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、プロピルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、オクチルアシッドホスフェート、2-エチルヘキシルアシッドホスフェート、デシルアシッドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、ベヘニルアシッドホスフェート、フェニルアシッドホスフェート、ノニルフェニルアシッドホスフェート、シクロヘキシルアシッドホスフェート、フェノキシエチルアシッドホスフェート、アルコキシポリエチレングリコールアシッドホスフェート、ビスフェノールAアシッドホスフェート、ジメチルアシッドホスフェート、ジエチルアシッドホスフェート、ジプロピルアシッドホスフェート、ジイソプロピルアシッドホスフェート、ジブチルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジ-2-エチルヘキシルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジラウリルアシッドホスフェート、ジステアリルアシッドホスフェート、ジフェニルアシッドホスフェート、ビスノニルフェニルアシッドホスフェート等が挙げられる。
【0179】
熱酸発生剤は、例えば、スルホニウム塩、ベンゾチアゾリウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩等が挙げられる。
【0180】
質量%含有量(酸/組成物不揮発分)は、例えば、10質量%、9.5質量%、9質量%、8.5質量%、8質量%、7.5質量%、7質量%、6.5質量%、6質量%、5.5質量%、5質量%、4.5質量%、4質量%、3.9質量%、3.8質量%、3.5質量%、3質量%、2.5質量%、2質量%、1.5質量%、1質量%、0.9質量%、0.5質量%、0.4質量%、0.2質量%、0.1質量%、0質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、0質量%~10質量%が挙げられ、より好ましくは、1質量%~10質量%が挙げられる。
【0181】
〈溶媒〉
組成物は、任意で、溶媒を含み得る。溶媒は、単独又は2種以上で使用され得る。
【0182】
溶媒は、例えば、水、有機溶媒等が挙げられる。
【0183】
水は、例えば、超純水、純水、蒸留水、イオン交換水、水道水等が挙げられる。
【0184】
有機溶媒は、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、イソプロピルアルコール、エタノール、ブタノール等が挙げられる。
【0185】
質量%含有量(溶媒/組成物)は、例えば、99質量%、95質量%、90質量%、85質量%、80質量%、75質量%、70質量%、65質量%、60質量%、55質量%、50質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、50質量%~99質量%が挙げられる。
【0186】
〈組成物用添加剤〉
前記組成物は、任意で、メラミン樹脂、水酸基含有(メタ)アクリル樹脂、水酸基含有シリコーン、ポリオール、酸、溶媒のいずれにも該当しない剤(組成物用添加剤)を含み得る。
【0187】
組成物用添加剤は、例えば、バインダー、消泡剤、防滑剤、防腐剤、防錆剤、pH調整剤、酸化防止剤、顔料、染料、滑剤、レベリング剤、導電剤、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリペンタジエン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリスチレン、イソプレン・ブタジエン共重合体、スチレン・イソプレン共重合体、ポリオレフィン及びこれらの誘導体等、イソシアネート、エポキシド、アミン、カルボン酸無水物、長鎖アルキル基含有アルコール等が挙げられる。上記バインダーは、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂等が挙げられる。
【0188】
1つの実施形態において、質量部含有量(組成物用添加剤/組成物)は、例えば、1質量部未満、0.1質量部未満、0.01質量部未満、0質量部等が挙げられる。
【0189】
1つの実施形態において、質量部含有量(組成物用添加剤/メラミン樹脂、水酸基含有(メタ)アクリル樹脂、水酸基含有シリコーン、ポリオール、酸、溶媒のいずれか)は、例えば、1質量部未満、0.1質量部未満、0.01質量部未満、0質量部等が挙げられる。
【0190】
前記組成物の製造は、メラミン樹脂並びに必要に応じて水酸基含有(メタ)アクリル樹脂、水酸基含有シリコーン、ポリオール、酸、溶媒及び添加剤が、分散・混合されることにより実施され得る。
【0191】
用途(組成物)は、例えば、コーティング剤、熱硬化コーティング剤、熱硬化剥離コーティング剤等が挙げられる。
【0192】
〔基材〕
基材は、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリエポキシ樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ノルボルネン系樹脂等が挙げられる。
【0193】
ポリエステルは、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等が挙げられる。
【0194】
(洗浄剤)
洗浄剤は、単独又は2種以上で使用され得る。
【0195】
〈酸〉
洗浄剤は、酸を含む。酸は、単独又は2種以上で使用され得る。
【0196】
酸は、例えば、上述の酸等が挙げられる。
【0197】
1つの実施形態において、酸は、好ましくは、有機スルホン酸、硫酸が挙げられ、より好ましくは、p-トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、硫酸が挙げられる。
【0198】
1つの実施形態において、質量%含有量(酸/洗浄剤)は、好ましくは、0.5質量%~30質量%が挙げられる。
【0199】
〈モノアルコール〉
洗浄剤は、任意で、モノアルコールを含み得る。モノアルコールは、単独又は2種以上で使用され得る。
【0200】
モノアルコールは、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコール等が挙げられる。1つの実施形態において、洗浄性向上の観点から、モノアルコールは、好ましくは、ブタノールが挙げられ、より好ましくは、1-ブタノール、ベンジルアルコールが挙げられる。
【0201】
質量%含有量(モノアルコール/洗浄剤)は、例えば、99.5質量%、99質量%、95質量%、90質量%、85質量%、80質量%、75質量%、70質量%、65質量%、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、40質量%、35質量%、30質量%、25質量%、20質量%、15質量%、10質量%、5質量%、1質量%、0質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、0質量%~99.5質量%が挙げられる。
【0202】
〈水〉
洗浄剤は、任意で、水を含み得る。
【0203】
質量%含有量(水/洗浄剤)は、例えば、99.5質量%、99質量%、95質量%、90質量%、85質量%、80質量%、75質量%、70質量%、65質量%、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、40質量%、35質量%、30質量%、25質量%、20質量%、15質量%、10質量%、5質量%、1質量%、0質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、0質量%~99.5質量%が挙げられる。
【0204】
〈洗浄剤用添加剤〉
前記洗浄剤は、任意で、酸、モノアルコール、水のいずれにも該当しない剤(洗浄剤用添加剤)を含み得る。
【0205】
洗浄剤用添加剤は、例えば、界面活性剤、表面張力低下剤等が挙げられる。
【0206】
1つの実施形態において、質量部含有量(洗浄剤用添加剤/洗浄剤)は、例えば、1質量部未満、0.1質量部未満、0.01質量部未満、0質量部等が挙げられる。
【0207】
1つの実施形態において、質量部含有量(洗浄剤用添加剤/酸、アルコール、水のいずれか)は、例えば、1質量部未満、0.1質量部未満、0.01質量部未満、0質量部等が挙げられる。
【0208】
前記洗浄剤の製造は、酸並びに必要に応じてアルコール、水及び添加剤が、分散・混合されることにより実施され得る。
【0209】
[再生高分子原料]
本開示は、再生高分子原料であって、前記再生高分子原料は、組成物の硬化物の残渣を含み、前記組成物は、メラミン樹脂を含む、再生高分子原料に関する。
【0210】
再生高分子原料は、例えば、再生ポリエステル原料、再生ポリカーボネート原料、再生ポリスチレン原料、再生ポリイミド原料、再生ポリオレフィン原料、再生ポリエポキシ樹脂原料、再生トリアセチルセルロース樹脂原料、再生ABS樹脂原料、再生AS樹脂原料、再生ノルボルネン系樹脂原料等が挙げられる。
【0211】
再生ポリエステル原料は、例えば、再生ポリエチレンテレフタレート原料、再生ポリトリメチレンテレフタレート原料、再生ポリブチレンテレフタレート原料、再生ポリエチレンナフタレート原料、再生ポリブチレンナフタレート原料等が挙げられる。
【0212】
質量%含有量(硬化物/再生高分子原料)は、例えば、10質量%未満、8質量%未満、6質量%未満、5質量%未満、4質量%未満、3質量%未満、2質量%未満、1質量%未満、0.5質量%未満、0.1質量%未満、0.05質量%未満、0.01質量%未満等が挙げられる。
【0213】
[洗浄剤]
本開示は、前記再生高分子原料の製造方法において用いられる、洗浄剤に関する。
【0214】
洗浄剤の成分、量等は、例えば、上述の成分、量等が挙げられる。
【0215】
[再生高分子の製造方法]
本開示は、前記再生高分子原料の製造方法により得られた再生高分子原料及び/又は前記再生高分子原料を溶融する加熱工程を含む、再生高分子の製造方法に関する。
【0216】
加熱工程は、例えば、溶融工程、解重合工程等が挙げられる。
【0217】
<溶融工程>
溶融手段は、例えば、溶融機、ベント式押出機等が挙げられる。溶融温度は、再生高分子の融点以上であればよい。
【0218】
<解重合工程>
解重合触媒及びグリコールの存在下、解重合反応は、実施され得る。
【0219】
解重合温度は、好ましくは、120℃~210℃が挙げられる。
【0220】
解重合触媒は、好ましくは、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物が挙げられ、より好ましくは、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられる。
【0221】
質量%使用量(解重合触媒/再生高分子原料+グリコール)は、好ましくは、0.01質量%~10質量%が挙げられる。
【実施例0222】
以下、実施例及び比較例を通じて本発明を具体的に説明する。但し、上述の説明及び以下の実施例は、本発明を限定する目的で記載されていない。本発明は、特許請求の範囲のみにより限定される。以下特に説明がない限り、部、%等の数値は、質量基準である。
【0223】
作製例1 積層物
メラミン樹脂(フルエーテル型メチル化メラミン樹脂、製品名「サイメル303LF」:オルネクスジャパン社製)40質量部、水酸基含有(メタ)アクリル樹脂A 10質量部、水添ダイマージオール(製品名「Pripol2033」、エクウスジャパンクロー
ダジャパン株式会社、OH価=207mgKOH/g社製)50質量部、p-トルエンスルホン酸4質量部を含む組成物をポリエチレンテレフタレートフィルムに塗工し、乾燥させ(120℃×1分)、積層物を得た(硬化物層の厚さ:約0.3μm)。なお、質量部は、いずれも不揮発分量である。
【0224】
特段言及がない限り、他の例は、下記表のように変更した以外は、上記と同様にして行った。
【表1】
KF-6000:両末端カルビノール変性シリコーン(製品名「KF-6000」、信越シリコーン(株)製)
【0225】
製造例1 水酸基含有(メタ)アクリル樹脂
撹拌器、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を備え付けた4口フラスコにステアリルアクリレート 40部、ラウリルアクリレート 55部、2-ヒドロキシルエチルメタクリレート 5部、アゾビスイソブチロニトリル 2部、メチルエチルケトン 153部を加え、80℃まで徐々に昇温し、9時間反応を行い、樹脂溶液を得た(不揮発分濃度40%)。
【0226】
特段言及がない限り、他の例は、下記表のように変更した以外は、上記と同様にして行った。
【0227】
【表2】
SA:ステアリルアクリレート
LA:ラウリルアクリレート
LMA:ラウリルメタクリレート
BA:ブチルアクリレート
HEA:2-ヒドロキシルエチルアクリレート
HEMA:2-ヒドロキシルエチルメタクリレート
【0228】
実施例1 再生高分子原料の製造(積層物の洗浄)
作製例1の積層物を50℃の10%p-トルエンスルホン酸水溶液に30分浸漬させた。その後、イオン交換水ですすいだ後、不織布で拭取った。
【0229】
特段言及がない限り、他の例は、下記表のように変更した以外は、上記と同様にして行った。
【0230】
【表3】
PTS:p-トルエンスルホン酸
DBSA:ドデシルベンゼンスルホン酸
NaOH:水酸化ナトリウム
nBuOH:1-ブタノール
IPA:2-プロパノール
EtOH:エタノール
BnOH:ベンジルアルコール
【0231】
洗浄性は、IRスペクトルにより評価した。
A:洗浄前後でIRスペクトルに変化が見られ、ポリエチレンテレフタレートのスペクトルが得られた。
B:洗浄前後でIRスペクトルの変化が見られたが、メラミン積層物由来のスペクトルとポリエチレンテレフタレートのスペクトルが合わさったスペクトルが得られた。
C:洗浄前後でIRスペクトルに変化はなかった。
【0232】
作製例1に記載のフィルムを塗工した面側からIRスペクトルを測定した。測定条件は、下記条件である。
測定機器 :NICOLET is10(Thermo Scientific製)
測定方法 :ATR法
測定波数範囲:400cm-1~4000cm-1
分解能 :4cm-1
積算回数 :32回