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  • 特開-ブロック積み重ね装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129349
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】ブロック積み重ね装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 63/00 20060101AFI20230907BHJP
【FI】
B65G63/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023031486
(22)【出願日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】22160001.8
(32)【優先日】2022-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】503314705
【氏名又は名称】ユングハインリヒ・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベッカー, ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】カヴェリウス, イェルク
(72)【発明者】
【氏名】モラヴィーツ, ティム
(72)【発明者】
【氏名】リープハーバー, マルクス
(57)【要約】
【課題】ブロック積み重ね装置の動作を確実に設計できるようにする。
【解決手段】複数のコンテナ受容スロット(2)と、重力方向においてコンテナ受容スロット(2)の下方に配置された積み込みスペース(3)と、積み込みスペース(3)内で移動させることができ、コンテナ受容スロット(2)内にあるコンテナ(5)であって、コンテナ受容スロット(2)から取り外されることができるコンテナ(5)を配置することができる少なくとも1つの積み込み車両(4)とを備えるブロック積み重ね装置(1)を説明する。ブロック積み重ね装置の動作を確実に設計できるようにする目的のために、ブロック積み重ね装置(1)は、移動経路を介して積み込みスペース(3)に接続された積み込み車両保守エリア(8)を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンテナ受容スロット(2)と、重力方向において前記コンテナ受容スロット(2)の下方に配置された積み込みスペース(3)と、前記積み込みスペース(3)内で移動させることができ、前記コンテナ受容スロット(2)内にあるコンテナ(5)であって、前記コンテナ受容スロット(2)から取り外されることができるコンテナ(5)を格納することができる少なくとも1つの積み込み車両(4)とを備えるブロック積み重ね装置(1)であって、移動経路を介して前記積み込みスペース(3)に接続された積み込み車両保守エリア(8)を有することを特徴とするブロック積み重ね装置(1)。
【請求項2】
前記積み込み車両保守エリア(8)が、前記重力方向を横切る方向において前記積み込みスペース(3)の横方向隣に配置されている、請求項1に記載のブロック積み重ね装置。
【請求項3】
前記積み込み車両保守エリア(8)が、前記積み込みスペース(3)に隣接している、請求項2に記載のブロック積み重ね装置。
【請求項4】
前記コンテナ受容スロット(2)及び前記積み込みスペース(3)が、共通のハウジング(12)によって囲まれており、前記積み込み車両保守エリア(8)が、前記ハウジング(12)内に配置されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のブロック積み重ね装置。
【請求項5】
前記ハウジング(12)が、前記積み込み車両保守エリア(8)の領域に窓(13)を有することを特徴とする、請求項4に記載のブロック積み重ね装置。
【請求項6】
エアロック装置(14)が、前記積み込み車両保守エリア(8)と前記積み込みスペース(3)との間に配置されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のブロック積み重ね装置。
【請求項7】
前記保守エリアの高さが、前記重力方向における前記積み込み車両(4)の長さに作業スペースを加えたものに対応する、請求項1~6のいずれか一項に記載のブロック積み重ね装置。
【請求項8】
前記積み込み車両保守エリア(8)が、少なくとも1.80mの高さを有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のブロック積み重ね装置。
【請求項9】
前記積み込み車両保守エリア(8)が、安全なアクセス扉(15)によって閉鎖されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のブロック積み重ね装置。
【請求項10】
操舵装置に接続された煙検出器(19)が設けられ、前記操舵装置が、前記煙検出器(19)によって煙検出信号が生成された場合に、前記積み込み車両(4)を前記積み込み車両保守エリア(8)内に操舵する、請求項1~9のいずれか一項に記載のブロック積み重ね装置。
【請求項11】
温度センサ(20)が設けられ、前記温度センサが操舵装置に接続され、前記操舵装置が、前記温度センサによって検出された温度が所定の閾値を超えた場合に、前記積み込み車両(4)を前記積み込み車両保守エリア(8)内に操舵することを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のブロック積み重ね装置。
【請求項12】
前記移動経路が、レール装置(9、10)によって形成されることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のブロック積み重ね装置。
【請求項13】
前記レール装置(9、10)が、前記積み込みスペース(3)内で前記積み込み車両(4)を移動させることができるレールの直線状延長部によって形成されることを特徴とする、請求項12に記載のブロック積み重ね装置。
【請求項14】
充電ステーション(16)が前記積み込み車両保守エリア(8)に設けられている、請求項1~13のいずれか一項に記載のブロック積み重ね装置。
【請求項15】
前記積み込み車両保守エリア(8)が、最大作業荷重が前記積み込み車両(4)の質量よりも大きい昇降装置(17)を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載のブロック積み重ね装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のコンテナ受容スロットと、重力方向においてコンテナ受容スロットの下方に配置された積み込みスペースと、積み込みスペース内で移動させることができ、コンテナ受容スロット内にあるコンテナであって、コンテナ受容スロットから取り外されることができるコンテナを格納することができる少なくとも1つの積み込み車両とを備えるブロック積み重ね装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなブロック積み重ね装置では、多くのコンテナを省スペースで格納することができる。コンテナは、積み重ねの形態でコンテナ受容スロット内に格納されることができる。コンテナは、互いの上に直接立っているので、重力方向におけるコンテナのパッキング密度が大きくなる。コンテナ受容スロット自体も水平方向に比較的密に隣接することができるので、ここでもコンテナのパッキング密度が比較的高くなる。コンテナは、コンテナ受容スロット内に下から入れられ、また、コンテナ受容スロットから下方向に取り出されるので、取り出されるコンテナにアクセスするのに必要な時間は、いずれの場合も比較的短い。
【0003】
積み込み車両は、コンテナをコンテナ受容スロット内に配置し、コンテナをコンテナ受容スロットから取り出すために使用される。一方では、コンテナを保管場所に入れたり、コンテナを取り出したりするために、コンテナ受容スロットの下に車両が位置することとなる位置に積み込み車両を移動させることができる。他方では、積み込み車両は昇降装置を有しており、この昇降装置を用いて、コンテナをコンテナ受容スロット内に配置することができるようにコンテナを上げること、又はコンテナをコンテナ受容スロットから取り出すためにコンテナを下げることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ブロック積み重ね装置の、信頼性の高い動作を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、冒頭で述べたタイプのブロック積み重ね装置において、ブロック積み重ね装置が、移動経路を介して積み込みスペースに接続された積み込み車両保守エリアを有することによって達成される。
【0006】
以下では略して「保守エリア」と呼ばれる積み込み車両保守エリアは、積み込み車両のための保守ステーションを形成し、そこで積み込み車両を検査し、必要であれば修理することができる。保守エリアは、好ましくは、ブロック積み重ね装置に設けられる全ての積み込み車両を収容することができるように寸法決めされる。保守エリアは、例えば、安全防護目的のために使用することができる。保守員がブロック積み重ね装置に入ることが必要になった場合、全ての積み込み車両が保守エリア内に移動され、ブロック積み重ね装置内の保守員を危険にさらさないようにすることができる。
【0007】
好ましくは、保守エリアは、重力方向を横切る方向において積み込みスペースの横方向隣に配置される。特に、保守エリアが積み込みスペースに隣接するようにすることができる。この場合、保守エリアは、積み込みスペースの横方向に続いており、保守エリアは、重力方向において、積み込みスペースとは異なる高さを有することが完全に可能である。この配置は、非常に省スペースの配置を有する保守エリアをもたらす。また、積み込みスペースから保守エリア内への、積み込み車両の移動経路を短いままにとする。
【0008】
好ましくは、コンテナ受容スロット及び積み込みスペースは、共通のハウジングによって囲まれ、保守エリアは、ハウジング内に配置される。ハウジングは、防火のために設けることができる。ハウジング内では、例えば酸素が低減された雰囲気を維持することができるので、火災は発生しないか、又は発生しにくい。保守エリアが同様にハウジング内に配置される場合、火災状況が発生したとき、又は火災状況が疑われるときであっても、酸素侵入のリスクなしに、1つ又は複数の積み込み車両を積み込みスペースから保守エリア内に移動させることができる。
【0009】
好ましくは、ハウジングは、保守エリアの領域に窓を有する。これにより、保守員は、保守エリアに位置する積み込み車両を目視で点検することができる。このブロック積み重ね装置では、火災の危険は、主に1つ又は複数の積み込み車両から生じる。これにより、保守員は、積み込み車両において煙が発生しているか否かを即座に把握することができる。
【0010】
エアロック設備は、好ましくは、保守エリアと積み込みスペースとの間に配置される。これにより、エアロック設備は、保守エリアと積み込みスペースとの間にバリアを形成するので、保守エリア及び積み込みスペースの雰囲気を互いに分離した状態に保つことができる。
【0011】
保守エリアの高さは、好ましくは、重力方向における、積み込み車両の長さに作業スペースを加えたものに対応する。したがって、保守員は、上方から積み込み車両を検査し、扱うこともできる。したがって、保守エリアは、一般に、積み込みスペースよりも高い。積み込みスペースは、一般に、積み込み車両よりもわずかに高いだけである。積み込みスペースのために使用されるスペースを可能な限り少なくするために、積み込みスペースは可能な限り低く作られる。
【0012】
好ましくは、保守エリアは、少なくとも1.8mの高さを有する。したがって、ほとんどの保守員が直立姿勢で保守エリアに入ることが可能であり、その結果、1つ又は複数の積み込み車両が保守されているときに快適な作業姿勢が容易になる。
【0013】
好ましくは、保守エリアは、安全なアクセス扉によって閉鎖される。したがって、例えば、積み込み車両が、まさに保守エリアに入っていくときに、保守員が保守エリアに入ることを防止することが可能である。
【0014】
好ましくは、操舵装置に接続された煙検出器が設けられ、操舵装置が、煙検出器によって煙検出信号が生成された場合に、積み込み車両を保守エリア内に操舵する。例えば、排煙システムによって可能なことであるが、煙が検出された場合、積み込み車両は自動的に保守エリア内に運ばれる。したがって、積み込み車両は、もはやコンテナ受容スロットの下方に位置しない。ここで、コンテナ受容スロット内に収容されたコンテナは、潜在的な焼夷剤を形成する。
【0015】
温度センサも設けることができ、温度センサは操舵装置に接続され、操舵装置は、温度センサによって検出された温度が所定の閾値を超えた場合に、積み込み車両を保守エリア内に操舵する。一般的に「火災検知器」とも呼ばれる温度センサは、許容できないほど高い温度が現れているか否かを検知し、これはブロック積み重ね装置において火災が発生していること、又は火災が発生しようとしていることを示す。この場合にも、積み込み車両から、物品が格納された頭上のコンテナに火が広がる可能性を最小限にするために、積み込み車両は、積み込みスペースから直ちに外へ出るよう駆動される。保守エリア内の積み込み車両には、消防署が直接アクセスすることができる。
【0016】
移動経路は、好ましくはレール装置によって形成される。このように、レール装置は、積み込みスペースから保守エリア内に延びることができる。
【0017】
好ましくは、レール装置は、積み込みスペース内で積み込み車両を移動させることができるレールの直線状延長部によって形成される。したがって、積み込み車両を保守エリア内に移動させるために、積み込み車両を1つのレールシステムから別のレールシステムに移動させる必要は、もはやない。
【0018】
充電ステーションが保守エリアに設けられることが好ましい。充電ステーションは、積み込み車両が保守エリアにあるときに、積み込み車両の充電式バッテリを充電することができる。
【0019】
好ましくは、保守エリアは昇降装置を有し、その限界荷重は積み込み車両の質量より大きい。昇降装置は、例えば、トロリー又はクレーンとして設計することができ、それにより、積み込みスペース内の積み込み車両をレール上に配置することや、修理するために昇降することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明は、好ましい例示的な実施形態を図面と併せて参照して以下に説明される。図面において、
図1】ブロック積み重ね装置の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
ブロック積み重ね装置1は、複数のコンテナ受容スロット2を有する。積み重ねたコンテナは、各コンテナ受容スロットに受容されることができる。積み込みスペース3は、重力方向においてコンテナ受容スロット2の下方に配置される。積み込みスペース3において、複数の積み込み車両4が移動できる。積み込み車両4は、コンテナ5をコンテナ受容スロット2に格納したり、コンテナ5をコンテナ受容スロット2から取り出したりする役割を果たす。この目的のために、積み込み車両4は昇降装置6を有し、それによって、コンテナ5を、矢印yによって示されるように重力方向に上昇又は下降させることができる。
【0022】
コンテナ受容スロット2は、方向「X」に延びる列において互いに隣り合って配置される。このような列の複数が、方向「X」に対して垂直に、互いに隣り合って配置される。これは、「Z」方向によって表される。積み込み車両4は、列の方向、すなわちX方向にも、X方向を横切る方向、すなわちZ方向にも移動させることができる。
【0023】
積み込みスペース3には扉7が設けられており、この扉7を通って保守員が積み込みスペース3に入ることができる。
【0024】
ブロック積み重ね装置1は、以下で単に「保守エリア8」と呼ばれる積み込み車両保守エリア8を有する。保守エリア8は、本例ではレール装置9、10によって形成される移動経路を介して積み込みスペース3に接続される。レール装置9、10は、積み込みスペース3内に延びる第1のレール9と、保守エリア8内にのみ位置する第2のレール10とを有する。これを明確にするために、レール装置9、10は間隙11を有する。しかしながら、これは必須ではない。レール装置9、10は、連続したレールによって形成することもできる。
【0025】
保守エリア8は、重力方向を横切る方向において積み込みスペース3の横方向隣に配置されており、積み込みスペース3に隣接している。したがって、積み込み車両4は、より長い距離を移動する必要なく、積み込みスペース3から保守エリア8内に直接通ることができる。
【0026】
コンテナ受容スロット2及び積み込みスペース3は、共通のハウジング12によって囲まれることができる。ハウジング12は、保守エリア8も含む。したがって、保守エリア8は、ハウジング12内に配置されている。上述した扉7によって、保守員がハウジング12を通ることができる。ハウジング12は、酸素還元によって火災のリスクから保護されるシステムにおいて必要とされる。
【0027】
他のタイプの消火システムでは、ハウジングは不要な場合もある。この場合、コンテナ受容スロット2及び積み込みスペース3は、保護フェンス又は同様のパネルによって囲まれることができ、これらも、「ハウジング」という用語に含まれる。保守エリア8は、水消火システム(スプリンクラー)を備えたシステムにおいても使用されることができ、炎がコンテナまで跳ね上がるリスクを回避することができる。
【0028】
ハウジング12は、保守エリア8の領域に窓13を有する。概観を明確にするために、この窓13は、コンテナ受容スロット2の列に平行に延びる壁に配置されている。しかしながら、窓13は、別の壁に配置されることができる。窓13によって、例えば、保守エリア8に何らかの異常な状況があるか否かを検出するために、外部から保守エリア8内を覗くことが可能になる。例えば、保守エリア8に位置する積み込み車両4が煙を発しているか否かを判定することができる。
【0029】
エアロック装置14が、保守エリア8と積み込みスペース3との間に配置される。エアロック装置14は、積み込みスペース3内の雰囲気を保守エリア8内の雰囲気から分離するために使用されることができる。これは、例えば、酸素含有量が低減された雰囲気が、積み込みスペース3及びコンテナ受容スロット2において維持されるべき場合に有利であり、これは、火災安全上の理由から望ましいことが多いが、保守エリア8においては、周囲空気中の通常の酸素含有量が望まれる。
【0030】
保守員が保守エリアに入れるようにするために、保守エリア8を外部に対して閉鎖する安全なアクセス扉15が設けられる。アクセス扉15は、ここでは比較的低い高さで示されている。しかしながら、より高くすることもできる。
【0031】
保守エリア8の重力方向における高さは、積み込み車両4の重力方向の長さよりも著しく大きい。積み込み車両4の上方には作業スペースが設けられているので、例えば、そこで修理を行うことができるようにするために、保守員又は作業員が積み込み車両4に上方からアクセスすることもできる。
【0032】
保守エリアは、重力方向において少なくとも1.8mの高さを有する。これは、ほとんどの保守員が直立姿勢でその中を歩くことができることを意味する。
【0033】
また、充電ステーション16が保守エリア8に設けられており、この充電ステーションによって、積み込み車両4が保守エリア8に位置しているときに積み込み車両4の充電式バッテリを充電することができる。
【0034】
保守エリア8は、例えば、トロリー又はクレーンとして設計することができる昇降装置17を更に有する。積み込み車両4は、昇降装置17を用いて昇降されることができ、レール10上に設置されることができる。
【0035】
保守エリア8は、好ましくは、コンテナ受容スロット2の列に対して垂直な(すなわち、図面に応じた描画平面に対して垂直な)方向に長さを有し、これは、Z方向における全てのコンテナ受容スロット2の長さに対応する。したがって、保守エリア8は比較的大きなサイズを有するので、必要な場合に、ブロック積み重ね装置1内に存在する積み込み車両4の、好ましくは全てが、積み込みスペース8内に移動することができる。
【0036】
ブロック積み重ね装置1は、煙を検出すると煙検出信号を発生する煙検出器19を有する。この煙検出信号は、1つ又は複数の積み込み車両4に転送されることができる。この場合、各積み込み車両4は、煙検出信号を受信するとすぐに積み込み車両4を保守エリア8内に操舵する操舵装置を有する。
【0037】
煙は、例えば、積み込み車両4が動作中に過熱したときに発生し得る。煙検出器19からの煙信号により積み込み車両4を保守エリア内に移動させると、2つの利点が達成される。1つめとして、積み込み車両4が、コンテナ受容スロット2内に格納されたコンテナの下から、すなわち潜在的な焼夷剤から離れるように移動される。もう1つとして、こうすることで、煙が、積み込み車両4に起因するのか、あるいはコンテナ又はコンテナ内に収容された物体に起因するのかがわかる。したがって、消火措置を効果的に制御することができる。
【0038】
煙検出器19は、ここでは積み込みスペース3の上端に配置されている。しかしながら、これは必須ではない。煙検出器19は、別の位置に配置されることもできる。
【0039】
また、ブロック積み重ね装置は温度センサ20を有し、温度センサ20は、所定の設定値を超えて上昇した温度を検出すると、温度信号を生成する。この温度信号は、積み込み車両4内の操舵装置に送信されることもでき、それによって、積み込み車両4を同様に保守エリア8内に移動させる。煙検出信号と同じことが、ここでも当てはまる。積み込み車両4が積み込みスペース3から移動された場合、積み込み車両4は、コンテナ受容スロット2内に配置されたコンテナ及びその中に位置する物体によって形成される潜在的な焼夷剤の下方に、もはや位置しない。加えて、温度上昇が、積み込み車両4に起因するのか、あるいはコンテナ又はコンテナ内に収容された物品に起因するのかを迅速に判定することが可能となる。
図1
【手続補正書】
【提出日】2023-03-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンテナ受容スロット(2)と、重力方向において前記コンテナ受容スロット(2)の下方に配置された積み込みスペース(3)と、前記積み込みスペース(3)内で移動させることができ、前記コンテナ受容スロット(2)内にあるコンテナ(5)であって、前記コンテナ受容スロット(2)から取り外されることができるコンテナ(5)を格納することができる少なくとも1つの積み込み車両(4)とを備えるブロック積み重ね装置(1)であって、移動経路を介して前記積み込みスペース(3)に接続された積み込み車両保守エリア(8)を有することを特徴とするブロック積み重ね装置(1)。
【請求項2】
前記積み込み車両保守エリア(8)が、前記重力方向を横切る方向において前記積み込みスペース(3)の横方向隣に配置されている、請求項1に記載のブロック積み重ね装置。
【請求項3】
前記積み込み車両保守エリア(8)が、前記積み込みスペース(3)に隣接している、請求項2に記載のブロック積み重ね装置。
【請求項4】
前記コンテナ受容スロット(2)及び前記積み込みスペース(3)が、共通のハウジング(12)によって囲まれており、前記積み込み車両保守エリア(8)が、前記ハウジング(12)内に配置されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のブロック積み重ね装置。
【請求項5】
前記ハウジング(12)が、前記積み込み車両保守エリア(8)の領域に窓(13)を有することを特徴とする、請求項4に記載のブロック積み重ね装置。
【請求項6】
エアロック装置(14)が、前記積み込み車両保守エリア(8)と前記積み込みスペース(3)との間に配置されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のブロック積み重ね装置。
【請求項7】
前記保守エリアの高さが、前記重力方向における前記積み込み車両(4)の長さに作業スペースを加えたものに対応する、請求項1~3のいずれか一項に記載のブロック積み重ね装置。
【請求項8】
前記積み込み車両保守エリア(8)が、少なくとも1.80mの高さを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のブロック積み重ね装置。
【請求項9】
前記積み込み車両保守エリア(8)が、安全なアクセス扉(15)によって閉鎖されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のブロック積み重ね装置。
【請求項10】
操舵装置に接続された煙検出器(19)が設けられ、前記操舵装置が、前記煙検出器(19)によって煙検出信号が生成された場合に、前記積み込み車両(4)を前記積み込み車両保守エリア(8)内に操舵する、請求項1~3のいずれか一項に記載のブロック積み重ね装置。
【請求項11】
温度センサ(20)が設けられ、前記温度センサが操舵装置に接続され、前記操舵装置が、前記温度センサによって検出された温度が所定の閾値を超えた場合に、前記積み込み車両(4)を前記積み込み車両保守エリア(8)内に操舵することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のブロック積み重ね装置。
【請求項12】
前記移動経路が、レール装置(9、10)によって形成されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のブロック積み重ね装置。
【請求項13】
前記レール装置(9、10)が、前記積み込みスペース(3)内で前記積み込み車両(4)を移動させることができるレールの直線状延長部によって形成されることを特徴とする、請求項12に記載のブロック積み重ね装置。
【請求項14】
充電ステーション(16)が前記積み込み車両保守エリア(8)に設けられている、請求項1~3のいずれか一項に記載のブロック積み重ね装置。
【請求項15】
前記積み込み車両保守エリア(8)が、最大作業荷重が前記積み込み車両(4)の質量よりも大きい昇降装置(17)を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のブロック積み重ね装置。
【外国語明細書】