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特開2023-129350ブロック保管装置及びブロック保管装置の動作方法
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  • 特開-ブロック保管装置及びブロック保管装置の動作方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129350
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】ブロック保管装置及びブロック保管装置の動作方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20230907BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023031487
(22)【出願日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】22160000.0
(32)【優先日】2022-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】503314705
【氏名又は名称】ユングハインリヒ・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モラヴィーツ, ティム
(72)【発明者】
【氏名】デ アルメイダ, カルロス
(72)【発明者】
【氏名】ライジング, ミヒャエル
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022EE09
3F022FF01
3F022JJ11
3F022MM51
(57)【要約】
【課題】ブロック保管装置を、低コストで安全に動作させる。
【解決手段】複数のコンテナ積み重ねチャンバ(2)と、コンテナ積み重ねチャンバ(2)の下方に配置された積載チャンバ(3)と、制御装置(18)と、積載チャンバ(3)内で移動可能な少なくとも1つの積載車両(4)とを有し、積載車両(4)は、制御装置(18)によって予め選択されたコンテナ積み重ねチャンバ(2)の下方に積載車両を位置決めすることができる走行駆動装置と、コンテナ(5)を、コンテナ積み重ねチャンバ(2)の下方からコンテナ積み重ねチャンバ内に保管することができ、又はコンテナ積み重ねチャンバ(2)から下方に取り出すことができる昇降駆動装置(6)とを有するブロック保管装置(1)を動作させる方法が示される。ブロック保管装置を低コストで安全に動作させる目的のために、ブロック保管装置(1)は、積載車両(4)の昇降駆動装置(6)を停止することによって、保守員によるアクセスの前に安全な状態に置かれる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンテナ積み重ねチャンバ(2)と、前記コンテナ積み重ねチャンバ(2)の下方に配置された積載チャンバ(3)と、制御装置(18)と、前記積載チャンバ(3)内で移動可能な少なくとも1つの積載車両(4)とを有し、前記積載車両(4)は、前記制御装置(18)によって予め選択されたコンテナ積み重ねチャンバ(2)の下方に前記積載車両を位置決めすることができる走行駆動装置と、コンテナ(5)を、前記コンテナ積み重ねチャンバ(2)の下方から前記コンテナ積み重ねチャンバ内に保管することができ、又は前記コンテナ積み重ねチャンバ(2)から下方に取り出すことができる昇降駆動装置(6)とを有するブロック保管装置(1)を動作させる方法であって、前記ブロック保管装置(1)は、保守員によるアクセスの前に、前記積載車両(4)の前記昇降駆動装置(6)を停止することによって安全な状態にされることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記積載車両(4)が停止されると、前記積載車両(4)の前記昇降駆動装置(6)は重力方向の最下位置に移動され、次いで前記昇降駆動装置(6)は停止されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記積載車両(4)は、それが配置された位置で停止されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記積載車両(4)が停止されると、前記積載車両(4)の前記走行駆動装置が停止されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記保守員の前記アクセスは、閉じられたドア(7、15)によって防止され、前記ドア(7、15)を開くために、イネーブル信号が生成されなければならないことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記保守員は、前記イネーブル信号を生成するために前記ブロック保管装置(1)に要求信号を送信しなければならず、前記イネーブル信号は、前記要求信号が生成された後の所定の期間まで生成されず、前記所定の期間は、前記積載車両(4)が停止し、前記積載車両(4)が前記要求信号を検出するのに必要な時間より長いことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
信号は、前記制御装置(18)から前記積載車両(4)に連続的に送信され、前記積載車両(4)は、所定の期間内に所定の数未満の信号を受信した場合に前記要求信号を検出することを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記信号は、少なくとも1つの制御信号に加えて、前記制御装置(18)から前記積載車両(4)に送信される制御信号であることを特徴とする、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
複数のコンテナ積み重ねチャンバ(2)と、前記コンテナ積み重ねチャンバ(2)の下方に配置され、前記コンテナ積み重ねチャンバにアクセス可能な積載チャンバ(3)と、制御装置(18)と、少なくとも1つの積載車両(4)とを有し、前記積載車両(4)は、前記制御装置(18)によって予め選択されたコンテナ積み重ねチャンバ(2)の下方に前記積載車両(4)を位置決めすることができる走行駆動装置と、コンテナ(5)を、前記コンテナ積み重ねチャンバ(2)の下方から前記コンテナ積み重ねチャンバ(2)内に保管することができ、又は前記コンテナ積み重ねチャンバから下方に取り出すことができる昇降駆動装置(6)とを有するブロック保管装置であって、前記制御装置(18)は、保守員がアクセス要求を示すことができる要求装置(21)に接続され、前記制御装置(18)は、前記要求装置(21)の作動後、かつ前記保守員がアクセスする前に、前記ブロック保管装置(1)を、前記積載車両(4)の前記昇降駆動装置(6)が停止される、安全な状態にすることを特徴とする、ブロック保管装置。
【請求項10】
前記制御装置(18)は、前記積載車両(4)に信号を連続的に送信し、前記積載車両(4)は、所定の期間内に所定の数の信号を受信しない場合に要求信号を検出し、前記積載車両(4)は、前記要求信号を検出した後に停止状態に切り替わることを特徴とする、請求項9に記載のブロック保管装置。
【請求項11】
前記積載車両(4)は、その後に前記積載車両(4)が前記停止状態に切り替わる第1の時間間隔を制御する第1のタイマ(19)を有し、前記制御装置(18)は、前記制御装置(18)が、その後に前記イネーブル信号を生成する第2の時間間隔を制御する第2のタイマ(20)を有し、前記第2の時間間隔は前記第1の時間間隔よりも大きいことを特徴とする、請求項10に記載のブロック保管装置。
【請求項12】
前記積載車両は、前記要求信号を検出した後にそれ自体を停止することを特徴とする、請求項10又は11に記載のブロック保管装置。
【請求項13】
保守チャンバが前記積載チャンバの外側に配置され、前記積載車両は、前記要求信号を受信した後に前記保守チャンバに移動することを特徴とする、請求項10から12のいずれか一項に記載のブロック保管装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のコンテナ積み重ねチャンバと、コンテナ積み重ねチャンバの下方に配置された積載チャンバと、制御装置と、積載チャンバ内で移動可能な少なくとも1つの積載車両とを有し、積載車両は、制御装置によって予め選択されたコンテナ積み重ねチャンバの下方に積載車両を位置決めすることができる走行駆動装置と、コンテナを、コンテナ積み重ねチャンバの下方からコンテナ積み重ねチャンバ内に保管することができ、又はコンテナ積み重ねチャンバから下方に取り出すことができる昇降駆動装置とを有するブロック保管装置に関する。
【0002】
更に、本発明は、複数のコンテナ積み重ねチャンバと、コンテナ積み重ねチャンバの下方に配置され、コンテナ積み重ねチャンバにアクセス可能な積載チャンバと、制御装置と、少なくとも1つの積載車両とを有し、積載車両は、制御装置によって予め選択されたコンテナ積み重ねチャンバの下方に積載車両を位置決めすることができる走行駆動装置と、コンテナを、コンテナ積み重ねチャンバの下方からコンテナ積み重ねチャンバ内に保管することができ、又はコンテナ積み重ねチャンバから下方に取り出すことができる昇降駆動装置とを有するブロック保管装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ブロック保管装置は、保管される多数の物品を収容するために利用可能な空間を比較的良好に利用することが可能であるという事実によって特徴付けられる。これにより、対応する商品がコンテナ内に配置される。次に、コンテナは、具体的には、並んで配置され得るコンテナ積み重ねチャンバ内で積み重ねられる。コンテナ積み重ねチャンバ内のコンテナの保管は、具体的には積載車両を用いて、積載チャンバを通して下から行われる。コンテナ積み重ねチャンバからのコンテナの取り出しもまた、コンテナ積み重ねチャンバから積載チャンバ内にコンテナを下降させ、次いで積載チャンバからコンテナを移動させることができる積載車両を用いて下向きに行われる。
【0004】
このようなブロック保管装置は、通常、ほとんど干渉なく動作する。しかしながら、誤動作が発生した場合には、その誤動作を修正するために保守員がブロック保管装置にアクセスしなければならない。誤動作は、例えば、コンテナが詰まったり傾いたりすることであり得る。この場合、コンテナは、再び手動で正確に位置合わせされなければならない。
【0005】
しかしながら、ブロック保管装置において、より具体的には、積載チャンバにおいて、少なくとも1台の積載車両があり、これは保守員にとって危険の源である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ブロック保管装置を低コストで安全に動作させるという目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、上述したタイプのブロック保管装置において、ブロック保管装置を、保守員がアクセスする前に、積載車両の昇降駆動装置を停止させることによって安全な状態に置くことによって達成される。
【0008】
積載車両が停止すると、昇降駆動装置はもはや移動できなくなる。したがって、リフトアクチュエータが作動されるときに、コンテナ又はコンテナ接触面と、積載チャンバとコンテナ積み重ねチャンバとの間に配置されたフレーム又は床との間に保守員が挟まれるリスクがない。したがって、積載車両によって引き起こされるリスクはかなり低減される。保守員のアクセスの前にブロック保管装置を安全な状態に置くことによって、ブロック保管装置は、保守員がブロック保管装置にいる間、安全な状態に維持され得る。
【0009】
積載車両が停止されると、積載車両の昇降駆動装置は重力方向の最下位置に移動され、次いで昇降駆動装置は停止される場合、有利である。また、これにより、昇降駆動装置の沈み込みに起因し得る保守員へのリスクが実質的に排除される。
【0010】
好ましくは、積載車両は、それが配置された位置で停止される。これにより時間が節約される。積載車両が停止され得る前に、積載車両が所定の位置に達するまで待つ必要はもはやない。逆に、時間遅延なく停止を続けることができる。
【0011】
好ましくは、積載車両の走行駆動装置は、積載車両が停止されたときに停止される。走行駆動装置が停止されると、積載車両は、もはや積載チャンバ内で移動することができず、したがって実際にはもはや保守員の危険源を形成しない。
【0012】
好ましくは、保守員のアクセスは、閉じられたドアによって防止され、ドアを開くために、イネーブル信号が生成されなければならない。このようなイネーブル信号は、ブロック保管装置が安全な状態に置かれるまで生成されない。
【0013】
好ましくは、保守員は、イネーブル信号を生成するためにブロック保管装置に要求信号を送信する必要があり、イネーブル信号は、要求信号が生成された後の所定の期間まで生成されず、所定の期間は、積載車両が停止し、積載車両が要求信号を検出するのに必要な時間より長い。この実施形態では、保守員又は保守員と協働する別の人が要求信号を生成する必要がある。次に、ブロック保管装置は、保守員によるアクセスが望まれていることを「知る」。しかしながら、制御装置は、ドアを開くためのイネーブル信号をまだ生成せず、所定の期間待機するので、積載車両は、ドアを開く前に実際には停止状態にある。積載車両は要求信号を検出するので、積載車両は、積載車両を停止状態にするための一連のステップを開始するのに必要な情報を有する。したがって、積載車両の停止は、ブロック保管装置内で自律的に行うことができる。積載車両による要求信号の検出以外の、制御装置による介入は必要とされない。
【0014】
好ましくは、信号は制御装置から積載車両に連続的に送信され、積載車両は、所定の期間内に所定の数未満の信号を受信した場合に要求信号を検出する。これにより、ブロック保管装置において信号が常に干渉なしに送信されることを保証することが常に可能であるとは限らない場合であっても、信号を無線で、例えば無線を介して、又はWLANを介して送信することが可能になる。ブロック保管装置において、典型的には、無線送信信号からの遮蔽を提供し得る複数の支持体が存在する。また、複数の積載車両が積載チャンバ内で同時に移動していることがあり、これにより、全ての信号が全ての積載車両に到達するわけではないように、相互遮蔽を引き起こしてもよい。しかしながら、単一の信号の故障はまだ、要求信号が存在するという積載車両のサインではない。むしろ、積載車両は、所定の期間内に所定数未満の信号を受信した場合にのみ、要求信号を検出する。例えば、1秒間に1000個の信号を送信することができる。積載車両が毎秒500個未満の信号を受信する場合、積載車両は要求状態を検出する。しかしながら、そのような数は一例として理解されるべきである。
【0015】
好ましくは、信号は、少なくとも1つの制御信号に加えて、制御装置から積載車両に送信される制御信号である。その場合、制御信号は、積載車両によって別個に検出されることができ、その結果、安全性が向上する。
【0016】
この目的は、制御装置が、保守員がアクセスの要求を示すことができる要求装置に接続され、制御装置が、要求装置の作動後、かつ保守員のアクセスの前に、ブロック保管装置を安全な状態にし、それによって積載車両の昇降駆動装置が停止される、冒頭で述べたタイプのブロック保管装置によって達成される。停止された積載車両は、もはや保守員にとって危険源ではない。停止は、保守員がブロック保管装置に入る前に行われるので、安全又は非安全な状態が定義される。ブロック保管装置が安全な状態にあるとき、保守員はブロック保管装置に入ることができる。進入は、例えば、ブロック保管装置が、保守員がブロック保管装置に進入してもよいドアを有することによって許可されてもよく、ドアは閉じられており、積載車両が停止されるまで開かれない。
【0017】
好ましくは、制御装置は、積載車両に信号を連続的に送信し、積載車両は、所定の期間内に所定の数の信号を受信しない場合に要求信号を検出し、積載車両は、要求信号を検出した後に停止状態に切り替わる。この実施形態では、信号は無線で、すなわち無線又はWLANによって、制御装置から積載車両に送信することができる。しかしながら、ブロック保管装置では、スタンド等のブロック保管装置の要素が信号を遮る可能性があるため、全ての信号が積載車両に到達するわけではないというリスクがある。更なる問題は、積載チャンバ内に複数の積載車両が存在し得ることであり、積載車両は互いに対して移動してもよく、したがって、時々、制御装置からの信号がそれぞれの積載車両に到達しない原因となり得る。この問題を軽減するために、制御装置は連続的に信号を送出する。積載車両が所定の期間内に所定数未満の信号を受信した場合にのみ、積載車両は要求信号を検出する。例えば、中断されない動作において、制御装置が毎秒1000個の信号を積載車両に送信する場合、積載車両は、毎秒500個以下の信号を検出する場合に要求信号を検出する。したがって、1つ又はいくつかの信号が存在しないことは、要求信号の検出につながらず、したがって、積載車両の停止につながらない。例えば、信号は、各積載車両に対する特定のコードを表すパルスシーケンスであってもよい。制御装置は、信号が制御信号を形成し、制御装置が更に、それぞれの積載車両の作動状態において積載車両を制御する、すなわち積載車両が移動すべき位置と、コンテナを保管すべきか収集すべきかに関する指示とを積載車両に与える、制御信号を発するように設計され得る。
【0018】
好ましくは、積載車両は、その後に積載車両が停止状態に切り替わる第1の時間間隔を制御する第1のタイマを有し、制御装置は、制御装置が、その後にイネーブル信号を生成する第2の時間間隔を制御する第2のタイマを有し、第2の時間間隔は第1の時間間隔よりも大きい。両方の時間間隔は、要求信号の生成又は受信で開始する。第1の時間間隔は、積載車両が特定の動作を実行する時間を依然として含むことができる。例えば、積載車両がコンテナを持ち上げてコンテナ積み重ねチャンバから取り出す場合、積載車両は、最下部のコンテナが取り出されるまで、コンテナ積み重ねチャンバ内に位置するコンテナスタックの残りのコンテナを保持する保持装置を開いたままにしておかなければならない。その場合にのみ、積載車両は、停止状態に切り替わることができる。しかしながら、そのような時間部分は、事前に決定することができ、第1の時間間隔を決定するときに考慮に入れることができる。
【0019】
好ましくは、積載車両は、要求信号を検出した後にそれ自体を停止する。したがって、積載車両が要求信号を検出した後、制御装置との信号接続はもはや必要とされない。むしろ、積載車両は、それを停止するために必要な全てのステップを自動的に行うことができる。
【0020】
保守チャンバが積載チャンバの外側に配置され、積載車両は、要求信号を受信した後に保守チャンバに移動することは有利である。このため、要求信号を受信した直後に積載車両を停止させる必要がない。むしろ、依然として、それが実行しているタスクを終了し、次いで、積載チャンバとは別個の保守チャンバに移動することができ、それにより、積載チャンバが積載車両から解放され、保守員は積載チャンバ全体にアクセスできる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明は、図面に関連して好ましい例示的な実施形態を参照して以下に説明される。以下の図である。
図1】ブロック保管装置の非常に図式化された図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
唯一の図は、ブロック保管装置の非常に図式化された図を示す。
【0023】
ブロック保管装置1は、行(X方向)に並んで配置された複数のコンテナ積み重ねチャンバ2を有する。このようなコンテナ積み重ねチャンバ2の複数の行は、(図の例示では、図面平面に対してZ方向に垂直に)前後に配置されてもよい。各コンテナ積み重ねチャンバ2は、1つのコンテナスタックを受容することができる。コンテナ積み重ねチャンバ2の下方には積載チャンバ3が配置されている。積載車両4は、積載チャンバ3内を移動可能である。積載車両4は、コンテナ5をコンテナ積み重ねチャンバ2に保管したり、コンテナ積み重ねチャンバからコンテナ5を取り出したりするために用いられる。この目的のために、積載車両4は、コンテナを矢印Yの方向、すなわち重力の方向に移動させることができる昇降駆動装置6を有する。
【0024】
積載チャンバ3は、ドア7を通して保守員がアクセス可能であり、ドア7はロックされており、そのようなロックは、以下で更に説明することができる方法でのみ解放することができる。
【0025】
積載車両4は、コンテナ積み重ねチャンバ2の行の長手方向の延長に対応する方向Xに移動することができる。積載車両はまた、それに垂直に向けられた方向Zに移動することができる。
【0026】
積載チャンバ3に隣接して保守チャンバ8が配置されている。積載車両4は、レール装置を介して保守チャンバ8内に駆動されることができ、レール装置は、積載チャンバ3内にも延在する第1のレール9と、保守チャンバ8内にのみ配置される第2のレール10とを有する。ここで、レール9、10は、それらの間に間隙11を有して示されている。しかしながら、レール9とレール10を継ぎ目なく結合することも可能である。
【0027】
ブロック保管装置1は、コンテナ積み重ねチャンバ2及び積載チャンバ3の両方を、保守チャンバ8とともに囲むエンクロージャ12を有する。エンクロージャ12は、火災の危険が最小限に抑えられるように、少なくともコンテナ積み重ねチャンバ2及び積載チャンバ3内の酸素含有量が低減された雰囲気を維持するために使用することができる。
【0028】
エンクロージャ12は、保守チャンバ8内に窓13を有する。保守員は、窓13を通して保守チャンバ8を覗いて、そこに位置する積載車両4を少なくとも視覚的に検査することができる。一方では保守区画8の雰囲気、他方ではコンテナ積み重ねチャンバ2及び積載チャンバ3の雰囲気は、スルース構成14によって分離された状態に保つことができ、これは、保守作業がオペレータによって保守チャンバ8内で実行される場合に、時として有利である。
【0029】
保守チャンバ8自体は、ドア15を介してアクセス可能であり、ドア15は、積載チャンバ3のドア7と同様に、特定の条件下でのみ開くことができる。保守チャンバ8は更に、積載車両4のための積載ステーション16を有することができ、この積載ステーションは、積載チャンバ内で移動を実行するために蓄電池又は充電式バッテリを有する。更に、例えばトロリー又はクレーンとして設計され得る昇降装置17が、保守チャンバ8内に配置されている。
【0030】
ブロック保管装置1は、1つ又は複数の積載車両4を制御する制御装置18を有する。制御装置18は、積載車両4と無線通信する。例えば修理又は保守が必要なために保守員が積載チャンバ3に入りたい場合、積載チャンバ3内に位置する車両からのある種の危険があるので、これは容易に可能ではない。
【0031】
この危険を最小限に抑えるために、オペレータは最初に、制御装置18に送信される要求信号を生成しなければならない。要求信号は、例えば、エンクロージャ12の外部に取り付けられたスイッチ又はボタン(図示せず)によって生成することができる。しかしながら、要求信号は、遠隔制御ユニット又は携帯電話を介して制御装置18に無線で送信することもできる。制御装置18は、対応する要求信号を受信するとすぐに、これを積載車両4に通知する。
【0032】
積載車両4への要求信号の送信は、例えば、制御装置18が各積載車両4に信号を連続的に送信し、積載車両4が、所定の期間内に所定の数未満の信号を受信した場合に要求信号を検出することによって行うことができる。
【0033】
信号は、異なる形状を有し得る。例えば、制御装置18が積載車両4に制御信号を送信し、積載車両4に特定の動作又は活動を実行するように命令するように進行してもよい。この例は、積載車両4が特定のコンテナ積み重ねチャンバ2の下を移動し、そのような位置で、コンテナ5がコンテナ積み重ねチャンバ2に挿入され、より詳細には示されていない保持装置によってそこに保持されるまで、コンテナ5を持ち上げることである。別のアプローチでは、積載車両4は、コンテナ積み重ねチャンバ2の下で駆動され、昇降駆動装置6は、コンテナ積み重ねチャンバ2内に位置するコンテナを、保持装置から解放されるまで持ち上げるように動作する。次に、積載車両4は、保持装置を解放し、コンテナ5を下降させることができ、その結果、コンテナ5は、積載チャンバ3内に完全に配置され、そこで移動することができる。
【0034】
更に、制御装置18は、制御信号を送信することもできる。この場合、積載車両4は、制御信号を別個に評価する。積載車両4が、制御信号から、要求信号が生成されたことを判定した場合、積載車両4は、以下に説明する安全確保シーケンスを開始することができる。
【0035】
積載車両4は、所定時間内に所定数未満の信号を受信した場合であっても、このシーケンスを開始することができる。これは、上述の制御信号及び制御信号の両方に適用される。例えば、制御装置18が毎秒1000個の信号を積載車両4に送信する場合、積載車両4は、毎秒500個未満の信号を受信した場合に、要求信号が生成されたと仮定する。これは、制御装置18と積載車両4との間の無線接続が常に確保されているわけではない領域が積み重ね構成内に存在するという事実を考慮している。
【0036】
積載車両4は、要求信号が生成されたことを検出すると、上述した停止シーケンスを開始する。しかしながら、これは、要求信号が検出された直後に行われる必要はなく、積載車両4が始動された後に命令を完了することを含むこともできる。制御装置18は、それぞれの積載車両4にどの命令を与えたかを「知っており」、したがって、この命令にどの期間が必要とされるかも「知っている」。
【0037】
この命令の完了後(又は必要であればより早く)、積載車両4は昇降駆動装置6を停止する。具体的には、積載車両4は、昇降駆動装置6を重力方向の最下位置まで移動させた後、昇降駆動装置6を停止させる。これにより、保守員が昇降駆動装置6又は昇降駆動装置6上に配置されたコンテナ5によって、Y方向に押しつぶされるか又は他の形で負傷するリスクが最小限に抑えられる。
【0038】
積載車両が停止するのに必要な時間は、場合によって異なり得る。それは、とりわけ、積載車両4が依然として命令を完了しなければならないかどうかに依存する。しかしながら、これは制御装置18に知られており、制御装置は停止に必要な時間を決定することができる。
【0039】
積載車両4は、第1の時間間隔を制御する第1のタイマ19を有する。第1の時間間隔の後、積載車両4は、停止状態に制御される。制御装置18は、第2の時間間隔を制御する第2のタイマ20を有する。第2の時間間隔の後、制御装置18はイネーブル信号を生成する。第2の時間間隔は、第1の時間間隔よりも大きい。
【0040】
要求装置21が、ドア7に隣接して概略的に示されている。要求装置21は、エンクロージャ12の外側、いずれにしても積載チャンバ3の外側に配置される。ドア15に隣接して、対応する要求装置21を設けることもできる。
【0041】
更に、積載車両4は、その走行駆動装置を停止させることができる。これは、積載車両4が保守領域8に移動された後にのみ都合よく行われる。全ての積載車両4が保守領域8に移動された場合、積載チャンバ3は空であり、保守員が容易に入ることができる。
【0042】
進入するために、制御装置18は、ドア7及び/又はドア15を開かせるイネーブル信号を生成する。しかしながら、イネーブル信号は、要求信号が生成された直後に生成されるのではなく、所定の期間後にのみ生成される。このような所定の期間は、積載車両が停止するのに必要な時間よりも長い。更なる要件は、積載車両が要求信号を検出し、積載車両は次に制御装置18に知らせなければならないことである。
【0043】
これらの条件が全て満たされた場合にのみ、保守員は積載チャンバ3に入り、そこで必要な処置を実行することができる。
【0044】
積載車両4は、要求信号6を検出した後にそれ自体を停止する、すなわち、停止に必要なステップは、積載車両4に設けられた制御システム(図示せず)にすでに記憶されている。したがって、積載車両4は、要求信号を検出するだけで停止することができる。制御装置18から受信する必要がある更なる信号は、停止のために必要とされない。
図1
【手続補正書】
【提出日】2023-03-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンテナ積み重ねチャンバ(2)と、前記コンテナ積み重ねチャンバ(2)の下方に配置された積載チャンバ(3)と、制御装置(18)と、前記積載チャンバ(3)内で移動可能な少なくとも1つの積載車両(4)とを有し、前記積載車両(4)は、前記制御装置(18)によって予め選択されたコンテナ積み重ねチャンバ(2)の下方に前記積載車両を位置決めすることができる走行駆動装置と、コンテナ(5)を、前記コンテナ積み重ねチャンバ(2)の下方から前記コンテナ積み重ねチャンバ内に保管することができ、又は前記コンテナ積み重ねチャンバ(2)から下方に取り出すことができる昇降駆動装置(6)とを有するブロック保管装置(1)を動作させる方法であって、前記ブロック保管装置(1)は、保守員によるアクセスの前に、前記積載車両(4)の前記昇降駆動装置(6)を停止することによって安全な状態にされることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記積載車両(4)が停止されると、前記積載車両(4)の前記昇降駆動装置(6)は重力方向の最下位置に移動され、次いで前記昇降駆動装置(6)は停止されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記積載車両(4)は、それが配置された位置で停止されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記積載車両(4)が停止されると、前記積載車両(4)の前記走行駆動装置が停止されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記保守員の前記アクセスは、閉じられたドア(7、15)によって防止され、前記ドア(7、15)を開くために、イネーブル信号が生成されなければならないことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記保守員は、前記イネーブル信号を生成するために前記ブロック保管装置(1)に要求信号を送信しなければならず、前記イネーブル信号は、前記要求信号が生成された後の所定の期間まで生成されず、前記所定の期間は、前記積載車両(4)が停止し、前記積載車両(4)が前記要求信号を検出するのに必要な時間より長いことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
信号は、前記制御装置(18)から前記積載車両(4)に連続的に送信され、前記積載車両(4)は、所定の期間内に所定の数未満の信号を受信した場合に前記要求信号を検出することを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記信号は、少なくとも1つの制御信号に加えて、前記制御装置(18)から前記積載車両(4)に送信される制御信号であることを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項9】
複数のコンテナ積み重ねチャンバ(2)と、前記コンテナ積み重ねチャンバ(2)の下方に配置され、前記コンテナ積み重ねチャンバにアクセス可能な積載チャンバ(3)と、制御装置(18)と、少なくとも1つの積載車両(4)とを有し、前記積載車両(4)は、前記制御装置(18)によって予め選択されたコンテナ積み重ねチャンバ(2)の下方に前記積載車両(4)を位置決めすることができる走行駆動装置と、コンテナ(5)を、前記コンテナ積み重ねチャンバ(2)の下方から前記コンテナ積み重ねチャンバ(2)内に保管することができ、又は前記コンテナ積み重ねチャンバから下方に取り出すことができる昇降駆動装置(6)とを有するブロック保管装置であって、前記制御装置(18)は、保守員がアクセス要求を示すことができる要求装置(21)に接続され、前記制御装置(18)は、前記要求装置(21)の作動後、かつ前記保守員がアクセスする前に、前記ブロック保管装置(1)を、前記積載車両(4)の前記昇降駆動装置(6)が停止される、安全な状態にすることを特徴とする、ブロック保管装置。
【請求項10】
前記制御装置(18)は、前記積載車両(4)に信号を連続的に送信し、前記積載車両(4)は、所定の期間内に所定の数の信号を受信しない場合に要求信号を検出し、前記積載車両(4)は、前記要求信号を検出した後に停止状態に切り替わることを特徴とする、請求項9に記載のブロック保管装置。
【請求項11】
前記積載車両(4)は、その後に前記積載車両(4)が前記停止状態に切り替わる第1の時間間隔を制御する第1のタイマ(19)を有し、前記制御装置(18)は、前記制御装置(18)が、その後に前記イネーブル信号を生成する第2の時間間隔を制御する第2のタイマ(20)を有し、前記第2の時間間隔は前記第1の時間間隔よりも大きいことを特徴とする、請求項10に記載のブロック保管装置。
【請求項12】
前記積載車両は、前記要求信号を検出した後にそれ自体を停止することを特徴とする、請求項10又は11に記載のブロック保管装置。
【請求項13】
保守チャンバが前記積載チャンバの外側に配置され、前記積載車両は、前記要求信号を受信した後に前記保守チャンバに移動することを特徴とする、請求項10又は11に記載のブロック保管装置。
【外国語明細書】