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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129351
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】ブロック貯蔵設備
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20230907BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023031488
(22)【出願日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】22159999.6
(32)【優先日】2022-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】503314705
【氏名又は名称】ユングハインリヒ・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベッカー, ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】モラヴィーツ, ティム
(72)【発明者】
【氏名】クレマー, ホルガー
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022EE09
3F022FF01
3F022JJ11
3F022MM51
3F022MM67
3F022NN05
3F022PP06
3F022QQ11
(57)【要約】
【課題】ブロック貯蔵設備の動作中の損傷の危険を最小限に抑える。
【解決手段】少なくとも1つのコンテナ収容スペース(2)と、重力方向においてコンテナ収容スペース(2)の下にある載荷スペース(4)と、少なくとも1つの載荷車両(5)であって、載荷スペース(4)内でコンテナ収容スペース(2)の下の位置に移動することができ、コントローラ付きの昇降装置を有する少なくとも1つの載荷車両(5)と、を有するブロック貯蔵設備(1)が記載される。損傷の危険を最小限に抑える目的のために、コンテナ検知装置(10)がコンテナ収容スペース(2)の重力方向上端に配置され、コンテナ検知装置(10)がコントローラと協働し、コンテナ検知装置(10)がコンテナ(3)の通過を検知した場合に、コントローラが昇降装置の持上げ移動を中断させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのコンテナ収容スペース(2)と、重力方向において前記コンテナ収容スペース(2)の下にある載荷スペース(4)と、少なくとも1つの載荷車両(5)であって、前記載荷スペース(4)内で前記コンテナ収容スペース(2)の下の位置に移動することができ、コントローラ付きの昇降装置を有する少なくとも1つの載荷車両(5)と、を有するブロック貯蔵設備(1)において、前記コンテナ収容スペース(2)の重力方向上端にコンテナ検知装置(10)が配置され、前記コンテナ検知装置(10)がコントローラと協働し、前記コントローラが、前記コンテナ検知装置(10)がコンテナ(3)の通過を検知した場合に前記昇降装置の持上げ移動を中断させることを特徴とする、ブロック貯蔵設備(1)。
【請求項2】
前記コンテナ検知装置(10)が、重力方向に対して横方向に前記コンテナ収容スペース(2)内に突出するアーム(11)を有することを特徴とする、請求項1に記載のブロック貯蔵設備。
【請求項3】
前記コンテナ検知装置(10)が信号伝達装置(16,17)に接続され、前記載荷車両(5)が前記コントローラに接続された受信器(20)を有し、前記受信器が、少なくとも前記載荷車両(5)が前記載荷スペース(2)の下の位置にある場合に、前記信号伝達装置(16,17)からの信号を検知することを特徴とする、請求項1又は2に記載のブロック貯蔵設備。
【請求項4】
前記コンテナ検知装置(10)が、前記信号伝達装置(16、17)に機械的に接続されていることを特徴とする、請求項3に記載のブロック貯蔵設備。
【請求項5】
前記信号伝達装置が、前記コンテナ検知装置(10)によって重力方向に移動可能な信号伝達要素(16)を有することを特徴とする、請求項3又は4に記載のブロック貯蔵設備。
【請求項6】
保持フレーム(15)が前記コンテナ収容スペース(2)と前記載荷スペース(4)との間に配置され、前記信号伝達装置(16、17)が前記保持フレーム(15)内で重力方向に案内されることを特徴とする、請求項5に記載のブロック貯蔵設備。
【請求項7】
前記載荷車両(5)が、前記信号伝達要素(16)が重力方向の所定の範囲にあるか否か検知することを特徴とする、請求項5又は6に記載のブロック貯蔵設備。
【請求項8】
前記受信器(20)が、光受信器として形成されることを特徴とする、請求項5から7のいずれか一項に記載のブロック貯蔵設備。
【請求項9】
前記載荷車両(5)が光送信器(18)を有し、前記信号伝達要素(16)が反射器として形成されることを特徴とする、請求項5から8のいずれか一項に記載のブロック貯蔵設備。
【請求項10】
スタンド(9)が前記コンテナ収容スペース(2)の少なくとも1つの隅部に配置され、前記コンテナ検知装置(10)が前記スタンド(9)の重力方向上端に配置されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のブロック貯蔵設備。
【請求項11】
前記コンテナ検知装置(10)と前記信号伝達装置(16、17)との間の接続部が、前記スタンド(9)を通って延びていることを特徴とする、請求項10に記載のブロック貯蔵設備。
【請求項12】
前記接続部が、ケーブル(14)又はロッドとして形成されることを特徴とする、請求項11に記載のブロック貯蔵設備。
【請求項13】
前記スタンド(9)が、少なくとも1つの別のコンテナ収容スペースの少なくとも1つの隅部に配置され、前記コンテナ検知装置(10)が前記別のコンテナ収容スペースとも協働することを特徴とする、請求項10から12のいずれか一項に記載のブロック貯蔵設備。
【請求項14】
前記スタンド(9)が、角部(21)が形成された少なくとも1つのレールを備えた形材を有し、前記レールが、前記コンテナ収容スペース(2)内に配置されたコンテナ(3)のためのガイドとして機能し、前記コンテナ検知装置(10)が、前記レールの前記角部(21)に突出していることを特徴とする、請求項10から13のいずれか一項に記載のブロック貯蔵設備。
【請求項15】
少なくとも1つのコンテナ収容スペース(2)と、重力方向において前記コンテナ収容スペース(2)の下にある載荷スペース(4)と、少なくとも1つの載荷車両(5)であって、前記載荷スペース(4)内で前記コンテナ収容スペース(2)の下の位置に移動することができ、コントローラ付きの昇降装置を有する少なくとも1つの載荷車両(5)と、を有するブロック貯蔵設備であって、前記載荷車両(5)を用いてコンテナを前記コンテナ収容スペース(2)に下から格納するブロック貯蔵設備を操作する方法において、前記コンテナ収容スペース(2)の重力方向上端でコンテナ検知装置(10)を用いてコンテナ(3)通過の検知が行われ、コンテナが前記コンテナ検知装置(10)を通過した場合に前記昇降装置の持上げ移動が中断されることを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのコンテナ収容スペースと、重力方向においてコンテナ収容スペースの下にある載荷スペースと、少なくとも1つの載荷車両であって、載荷スペース内でコンテナ収容スペースの下の位置に移動することができ、コントローラ付きの昇降装置を有する少なくとも1つの載荷車両と、を有するブロック貯蔵設備に関する。
【0002】
更に、本発明は、少なくとも1つのコンテナ収容スペースと、重力方向においてコンテナ収容スペースの下にある載荷スペースと、少なくとも1つの載荷車両であって、載荷スペース内でコンテナ収容スペースの下の位置に移動することができ、コントローラ付きの昇降装置を有する少なくとも1つの載荷車両と、を有するブロック貯蔵設備であって、載荷車両を用いコンテナをコンテナ収容スペースに下から格納するブロック貯蔵設備を操作する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
「スタック貯蔵設備」と称されることもあるブロック貯蔵設備は、複数のコンテナを収容するために使用され、1つ以上のコンテナ収容スペース内にスタック状に複数のコンテナが配置され得る。スタック内のコンテナは直接積み重ねられるので、重力方向に高いコンテナ充填密度が実現される。また、コンテナ収容スペースを重力方向に対して横方向に互いに比較的近接して配置することもできるので、ここでも利用可能な設置スペースの極めて優れた利用率が達成される。
【0004】
本例では、コンテナ収容スペースは下から装填がなされ、すなわち、コンテナはコンテナ収容スペース内に重力方向において下から格納され、コンテナ収容スペースから下向きに取り出される。
【0005】
この目的のために、載荷スペース内で移動可能な載荷車両が使用される。
【0006】
ブロック貯蔵設備は、コンテナ収容スペースの重力方向上方にハンドリング機器を要しないので、生産ホール内に配置された場合に生産ホールの高さを実質的に最大限に利用することができる。
【0007】
コンテナをコンテナ収容スペースに入れる場合、コンテナは、載荷車両を用いてコンテナ収容スペースの下の位置に移動される。次いで、昇降装置は、コンテナがコンテナ収容スペースに入るまでコンテナを持ち上げる。コンテナ収容スペースに既に1つ以上のコンテナがある場合、格納されるべき新しいコンテナは、そのようなコンテナ又はコンテナスタックを持ち上げて上方に押す。持上げ移動は、保管されるべき新しいコンテナが保持装置を通り過ぎるまで続けられる。新しいコンテナが持ち上げられた後に下降されると、このコンテナは保持装置上に静止し、載荷スペースの床の上方に距離を隔ててそこに保持される。
【0008】
コンテナ収容スペースが既にいっぱいに装填されている場合、すなわち、最大許容数のコンテナがコンテナ収容スペース内に配置されている場合に問題が生じる可能性がある。この場合、コンテナは、重力方向上方にコンテナ収容スペース外に移動される。ブロック貯蔵設備が生産ホール内に配置され生産ホールの高さを使用する場合、これによって損傷が生じる可能性がある。例えば、生産ホールの天井、コンテナ、及び/又はコンテナ内に保管された物体が損傷することがある。コンテナ収容スペースの上端からコンテナが出ると、コンテナはもはや案内されず、これは、誤動作や可用性低下にもつながり得る。ブロック貯蔵設備が囲いの中にある場合(これは、例えば、火災安全上の理由から望ましい場合がある)でも、コンテナ収容スペース外へのコンテナの上方移動が深刻な損傷を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、ブロック貯蔵設備の動作中の損傷の危険を最小限に抑えるという目的に基づくものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、コンテナ検知装置がコンテナ収容スペースの重力方向上端に配置され、コンテナ検知装置がコントローラと協働し、コンテナ検知装置がコンテナの通過を検知した場合にコントローラが昇降装置の持上げ移動を中断させる、上述タイプのブロック貯蔵設備によって達成される。
【0011】
したがって、コンテナがコンテナ検知装置を通過すると、コンテナが検知され、載荷車両の昇降装置によるコンテナスタックの更なる持上げが直ちに阻止される。これは、コンテナがコンテナ収容スペースの上端から離れ過ぎることを防止するために使用することができ、したがって、コンテナがそこで損傷を引き起こすことはない。必要なのは、コンテナ検知装置と載荷車両の昇降装置との協働だけである。しかし、このような協働は、以下に示すように、比較的容易に設定することができる。
【0012】
好ましくは、コンテナ検知装置は、重力方向に対して横方向にコンテナ収容スペース内に突出するアームを有する。したがって、コンテナが持ち上げられてアームに接触して引っ掛かると、アームは、コンテナと一緒に持ち上げられる。これは、コンテナの存在とその動きを検知する比較的簡単な方法である。このように、コンテナの検知は機械的に行われる。
【0013】
好ましくは、コンテナ検知装置が信号伝達装置に接続され、載荷車両が、コントローラに接続された受信器を有し、受信器は、少なくとも載荷車両が載荷スペースの下の位置にある場合に信号伝達装置からの信号を検知する。受信器は、載荷車両が載荷スペースの下の位置にある場合に信号を受信すればよい。というのは、この位置においてのみ、昇降装置の上方移動によってコンテナ収容スペースからのコンテナの望ましくない突出がもたらされる可能性があるからである。こうして、コンテナがコンテナ収容スペースの上端に到達したという情報がコンテナ検知装置によって検知されて信号伝達装置に伝えられ、信号伝達装置は、対応する情報を受信器を介して載荷車両のコントローラに伝える。これにより、コンテナ検知装置と載荷車両との間に直接的な接続がなくても、載荷車両及びそのコントローラに情報を送信しやすくなる。
【0014】
好ましくは、コンテナ検知装置が信号伝達装置に機械的に接続される。コンテナ検知装置から信号伝達装置への情報の伝送はこのように機械的であり、したがって電気エネルギーなどの更なる補助エネルギーは不要である。これにより、信頼性の高い設計が得られる。
【0015】
好ましくは、信号伝達装置は、コンテナ検知装置によって重力方向に移動され得る信号伝達要素を有する。したがって、検知装置は、コンテナ検知装置がまだコンテナを検知していない位置に信号伝達要素があるのか、又は、コンテナ検知装置がコンテナ収容スペース外に移動するコンテナによって移動された位置に信号伝達要素があるのか、容易に判断することができる。
【0016】
好ましくは、保持フレームがコンテナ収容スペースと載荷スペースとの間に配置され、信号伝達装置が保持フレーム内を重力方向に案内される。信号伝達装置、特に信号伝達要素は、このとき、重力方向に垂直な所定の位置を有する。変化し得るのが重力方向の位置だけであり、これにより、受信器が信号伝達要素の様々な位置を区別しやすくなる。
【0017】
好ましくは、載荷車両が、信号伝達要素が重力方向の所定の範囲にあるか否か検知する。信号伝達要素がその「一番下」の位置にある場合、これは、コンテナ検知装置がコンテナによって作動されてなく、上方向に変位されていないことを示唆するものである。この場合、昇降装置は、引き続き動作してコンテナを持ち上げることができる。信号伝達要素が重力方向上方に所定の距離だけ移動し、受信器に検知され得なくなった場合、これは、コンテナ検知装置がコンテナによって移動されたことを明確に示唆するものである。この場合、昇降装置は、その持上げ移動を直ちに停止する。
【0018】
好ましくは、受信器が光受信器として形成される。光受信器は、信号伝達要素が重力方向の所定の範囲にあるか否か光学的に判定することができる。これは、当該情報の非接触送信を確実なものにする比較的簡単な方法である。
【0019】
好ましくは、載荷車両が光送信器を有し、信号伝達要素が反射器として形成される。載荷車両が載荷スペースの下の位置にある場合、光送信器は、人間の目に見える又は見えない光ビームを信号伝達要素の方向に向けることができる。信号伝達要素がこの光ビームを反射して戻し、そのような反射が受信器に到達するように案内される場合、これは、信号伝達要素が所定の範囲にあり、コンテナ検知装置がコンテナの通過を検知していないことを示唆する。光ビームが受信器に反射されない場合、これは、コンテナがコンテナ検知装置を作動させたことを示唆するものであり、持上げ移動を停止させなければならない。
【0020】
好ましくは、コンテナ収容スペースの少なくとも1つの隅部にスタンドが配置され、スタンドの重力方向上端にコンテナ検知装置が設けられる。また、スタンドは、同時にコンテナ検知装置の静止位置を規定することができる。スタンドの端には必要に応じて停止部が設けられ、この停止部は、コンテナ検知装置の静止位置、すなわち、まだコンテナがコンテナ積重ねスペースの上端に達しない位置、を規定する。「スタンドの端」とは、ここでは、コンテナを持ち上げることができる範囲を意味する。これは、必ずしも重力方向上端にあるスタンドの物理的端部である必要はない。
【0021】
好ましくは、コンテナ検知装置と信号伝達装置との間の接続部が、スタンドを通って延びている。その場合、接続部は外部の影響から保護される。例えば、コンテナのスタックが倒れることによる損傷の危険は小さい。
【0022】
ここでは、接続部は、ケーブル又はロッドとして形成されることが好ましい。接続部は実質的に張力がかかるので、ケーブル又はロッドで足りる。
【0023】
好ましくは、少なくとも1つの別のコンテナ収容スペースの少なくとも隅部にスタンドが配置され、コンテナ検知装置が、この別のコンテナ収容スペースとも協働する。その場合、このコンテナ検知装置をいくつかのコンテナ収容スペースで共用に供することができる。例えば、4つのコンテナ収容スペースの隅部が交わる場所にスタンドが位置する場合、4つのコンテナ収容スペースのうちの1つからコンテナが不適切に上方に押し出されることを防止するために1つのコンテナ検知装置で十分である。
【0024】
好ましくは、スタンドは角部が形成された少なくとも1つのレールを備えた形材を有し、このレールはコンテナ収容スペース内に配置されたコンテナのためのガイドとして機能し、コンテナ検知装置はレールの角部に突出している。これは、コンテナ収容スペース外へのコンテナの移動をコンテナ検知装置が検知できることを確実にするための簡単な方法である。
【0025】
好ましくは、コンテナ検知装置がスタンド内を案内される。これにより、重力方向に対して垂直な方向に規定された位置がコンテナ検知装置に与えられる。これによって、コンテナ検知装置を常に確実に、通過するコンテナを検知できるように位置付けることができる。
【0026】
この目的は、コンテナ検知装置用いてコンテナ収容スペースの重力方向上端におけるコンテナの通過を検出し、コンテナ検知装置がコンテナの通過を検知した場合に昇降装置の持上げ移動を中断することによって達成される。
【0027】
これにより、コンテナがコンテナ収容スペースから遠くに移動し過ぎることが防止される。これに伴う損傷を容易に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
以下、本発明を、図面と組合わせて好ましい例示的な実施形態を参照しながら説明する。図面には下記が示されている。
図1】ブロック貯蔵設備の一部を示す概略図である。
図2】コンテナが上端から押し出された状態のコンテナ収容スペースの上端を示す図である。
図3】コンテナ検知装置の上面図である。
図4】コンテナ収容スペースの上端におけるスタンドの概略断面図である。
図5】コンテナ検知装置の斜視図である。
図6】スタンドの下端の断面図である。
図7図6によるビューの斜視図である。
図8】不具合のない状態における信号伝達装置と受信器との間の協働を説明する概略図である。
図9】不具合のある状態における、図8による図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、ブロック貯蔵設備1の高度に図式化した切取り部を斜視図で示すものである。ブロック貯蔵設備1は、いくつかのコンテナ収容スペース2を有し、図1では、そのうちの3つが互いに隣接して示されている。但し、ブロック貯蔵設備1は、通常、一列に非常に多数のコンテナ収容スペース2を有する。更に、コンテナ収容スペース2のいくつかの列が互いに隣接して配置される。
【0030】
コンテナ収容スペース2内には、いくつかのコンテナ3が配置される。本例では、中央のコンテナ収容スペース2は、コンテナ3がいっぱいに装填されている。
【0031】
載荷車両5が移動可能な載荷スペース4が、重力方向においてコンテナ収容スペース2の下にある。載荷車両5は、例えば、載荷スペース4に配置されたレール6上を移動することができる。しかし、載荷車両5は、載荷スペース4の床上に移動させることも可能である。
【0032】
本例では、ブロック貯蔵設備1のコンテナ収容スペース2は、下からコンテナ3が装填される。コンテナ3はまた、コンテナ収容スペース2から重力方向下方に取り出される。
【0033】
コンテナ3をコンテナ収容スペース2に格納するために、載荷スペース4内の載荷車両5は、コンテナ3を格納すべきコンテナ収容スペース2の下の位置に移動される。載荷車両5は、格納されるべきコンテナ3a、又は、図示のように格納されるべき2つのコンテナ3a、3bのスタックを載せている。次いで、載荷車両5は、コンテナ3a、3bがコンテナ収容スペース2に入るまでコンテナ3a、3bを持ち上げる。次に、コンテナ3a、3bは、コンテナ収容スペース2の下端、すなわちコンテナ収容スペース2と載荷スペース4との間にある保持装置7を超えて案内される。コンテナ3a、3bのスタックの一番下のコンテナ3bが保持装置7を超えて移動されると、載荷車両5によってスタックが再び下降され、一番下のコンテナ3bが保持装置7によって保持される。
【0034】
コンテナ収容スペース2内に既にコンテナ3のスタックがある場合、このスタックも同様に持ち上げられる。これにより、図2に示すように、スタックの一番上のコンテナ3をブロック貯蔵設備1外に移動させることができる。例えば、それは、スタンド9を互いに接続する横げた8を超えて移動される。
【0035】
ブロック貯蔵設備1が生産ホール内に配置され、生産ホールの高さのほぼ全てを占める場合、そのような状況は損傷につながる可能性がある。例えば、生産ホールの天井、コンテナ、及び/又はコンテナ内に格納された物体が損傷することがある。コンテナ収容スペースの上端からコンテナが出ると、コンテナはもはや案内されず、これは、誤動作や可用性低下にもつながり得る。
【0036】
多くの場合、ブロック貯蔵設備1はまた、例えば、酸素含有量を低減させた雰囲気を作り出すことができるように、囲いに包囲される。その場合、一番上のコンテナ3がブロック貯蔵設備1から遠くに移動し過ぎると、この囲いを損傷する可能性がある。
【0037】
そのような損傷のリスクを最小限に抑えるために、ブロック貯蔵設備1は、図3に部分的に示すコンテナ検知装置10をコンテナ収容スペースの上端に有する。
【0038】
コンテナ検知装置10は、それぞれが重力方向に対して横方向にコンテナ収容スペース2内に延びているいくつかのアーム11を有する。したがって、コンテナ3が重力方向上方にコンテナ収容スペース外に移動されると、コンテナ3は、重力方向において下からコンテナ検知装置10のアーム11と接触し、コンテナ検知装置10をコンテナ3と一緒に重力方向上方に更に移動させる。
【0039】
コンテナ検知装置10のそのような移動が検知されるとすぐに、載荷車両5は、コンテナ3a、3bの持上げ移動を中断しなければならない。この目的のために、載荷車両5の昇降装置は、詳細には図示されていない方法でコントローラに接続されており、例えばコンテナ3が持ち上げられることでコンテナ3が通過したことをコンテナ検知装置10が検知した場合、コントローラは昇降装置の持上げ移動を中断させる。
【0040】
図4は、コンテナ検知装置10が取り付けられたスタンド9の重力方向上端の断面図を示している。コンテナ検知装置10は伸長部12を有し、伸長部12はスタンド9の中空形材13内を案内される。伸長部12、したがってコンテナ検知装置10が重力方向にのみ移動可能で、重力方向に対して垂直に移動不可能であるように、中空形材13は多角形、例えば長方形である。また、コンテナ検知装置10は捻れることがないので、アーム11は常に確実にコンテナ収容スペース2内に延びている。
【0041】
伸長部12はケーブル14(ロッドを設けることもできる)に接続され、ケーブル14もまた中空形材13を通って案内される。
【0042】
スタンド9は、保持フレーム15上に載置され、保持フレーム15に接続されている。ケーブル14は信号伝達要素16に接続され、信号伝達要素16は、例えば反射器として形成され得る。信号伝達要素16は、保持フレーム15内を案内されるガイドロッド17上に配置される。これは、信号伝達要素16が重力方向にのみ移動可能であって、横方向には移動不可能であることを意味する。
【0043】
載荷車両5は、光送信器18(図8及び図9)を有する。光送信器18は、信号伝達要素16が不具合のない状態にある、すなわち、コンテナ3がコンテナ収容スペース2の上端からまだ出ていない場合に、信号伝達要素16が位置する箇所又は範囲に向かって光ビーム19を放射する。光ビーム19は、人間の目で見えるものとすることができる。しかし、人間の目に見えないものとすることもできる。例えば、赤外線又は紫外線とすることもできる。
【0044】
図8では、光ビーム19が信号伝達要素16に当たっている。次に、光ビーム19は、反射されて光送信器18に戻る。光送信器18は、光ビーム19の反射19’を受信する光受信器20を含んでいる。受信器20が光ビーム19の反射19’を受光する場合、これは、コンテナ3がコンテナ収容スペース2の重力方向上端からまだ出ていない、不具合のない状態であることを明確に示唆するものである。
【0045】
他方、光ビーム19が信号伝達要素16によって反射されない場合、又は図9に示すように、信号伝達要素16が光ビーム19の反射19’を他の場所に向ける場合、すなわち、受信器20が対応する信号を受信しない場合、信号伝達要素は所定の重力方向における高さ範囲内に位置しておらず、これは、コンテナ検知装置10が上昇させられたことを示唆するものである。具体的には、コンテナ検知装置10が上昇させられると、信号伝達要素16も上昇させられるが、光ビーム19を当てることができる領域はそのままで、すなわち、この領域からはもう反射19’を受信器20に向けることができない。
【0046】
このように、信号伝達要素16は信号伝達装置16、17の一部を形成し、信号伝達装置16、17は、ケーブル14又は一般に接続部を介してコンテナ検知装置10に接続される。この接続部(この場合、ケーブル14)は、スタンド9を通って延び、したがって保護されている。
【0047】
これは純粋に機械的な接続であり、したがって、コンテナ検知装置10の持上げを信号伝達要素16が信号伝達するために補助電力を要しない。
【0048】
信号伝達装置16、17及びコンテナ検知装置10は、両方ともスタンド9内で案内される。信号伝達要素16は、コンテナ検知装置10と共に強制移動される。
【0049】
図3に関連して上述したように、また図5からも分かるように、4つのコンテナ収容スペース2からのコンテナの突出を検知するのに1つのコンテナ検知装置10で十分である。したがって、スタンド9は、コンテナ収容スペースの少なくとも1つの隅部に配置されていれば十分である。このスタンド9が隣接する4つのコンテナ収容スペース2の4つの隅部に配置される場合、4つのコンテナ収容スペース2の全てが監視される。
【0050】
図5及び図7から分かるように、スタンド9は、角部21が形成された少なくとも1つのレールを備えた形材を有し、このレールがコンテナ収容スペース2内に配置されたコンテナ3のためのガイドとして機能し、コンテナ検知装置10がレールの角部21に突出している。本例では、コンテナ検知装置10のアーム11が角部21内に突出している。ここで、「角部」とは、2つの側面の間の中間スペース、すなわち、いわゆるコンテナ収容スペースの隅部のことをいう。コンテナ3がスライドできる斜面又は丸みを角部に配置することは十分に可能である。
【0051】
よって、コンテナ検知装置10が使用して、コンテナ3がコンテナ収容スペース2の上端から押し出されることを確実に防止することができる。コンテナ3がコンテナ検知装置10に接触して所定の高さを超えてコンテナ検知装置10を持ち上げると即座に、対応する信号を載荷車両5上の受信器20が検知しなくなるように信号伝達装置の信号伝達要素16が移動され、載荷車両5のコントローラは、持ち上げられたばかりのコンテナ3a、3bの持上げ移動を中断させる。また、受信器20は、載荷車両5が実際にコンテナ収容スペース2の下の位置にある場合にのみ、対応する信号、すなわち反射された光ビーム19を検知できればよい。
【0052】
したがって、コンテナ3a、3bをコンテナ収容スペース2内に格納できる位置に載荷車両が実際に位置している場合にのみ、信号(光ビーム19の反射19’)に応答するように昇降装置のコントローラを形成することが可能である。
【0053】
昇降装置が持上げ移動を中断すると、格納されるべき新しいコンテナ3aをもうコンテナ収容スペース2内に格納することができない。
【0054】
これはまた、コンテナ収容スペース2からコンテナ3aが取り出される場合でも、危険な状況が生じ得ないことを簡素な方法で自動的に保証するものである。
【0055】
コンテナ収容スペース2からコンテナを取り出すために、載荷車両5がコンテナ収容スペース2の下の位置に戻され、昇降装置は、スタックの一番下のコンテナが保持装置7から解放されて保持装置7が空けられるまで、一番下のコンテナを持ち上げるように操作される。次いで、載荷車両5の昇降装置を下降させることができ、保持装置7が次の(又は、2つのコンテナを取り出す場合は次の1つの)コンテナを適所に保持するまで、スタックの一番下のコンテナをそのコンテナ収容スペース2から下降させることができる。取り出されたコンテナは、その後、載荷車両5によってブロック貯蔵設備1から出すことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-03-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのコンテナ収容スペース(2)と、重力方向において前記コンテナ収容スペース(2)の下にある載荷スペース(4)と、少なくとも1つの載荷車両(5)であって、前記載荷スペース(4)内で前記コンテナ収容スペース(2)の下の位置に移動することができ、コントローラ付きの昇降装置を有する少なくとも1つの載荷車両(5)と、を有するブロック貯蔵設備(1)において、前記コンテナ収容スペース(2)の重力方向上端にコンテナ検知装置(10)が配置され、前記コンテナ検知装置(10)がコントローラと協働し、前記コントローラが、前記コンテナ検知装置(10)がコンテナ(3)の通過を検知した場合に前記昇降装置の持上げ移動を中断させることを特徴とする、ブロック貯蔵設備(1)。
【請求項2】
前記コンテナ検知装置(10)が、重力方向に対して横方向に前記コンテナ収容スペース(2)内に突出するアーム(11)を有することを特徴とする、請求項1に記載のブロック貯蔵設備。
【請求項3】
前記コンテナ検知装置(10)が信号伝達装置(16,17)に接続され、前記載荷車両(5)が前記コントローラに接続された受信器(20)を有し、前記受信器が、少なくとも前記載荷車両(5)が前記載荷スペース(2)の下の位置にある場合に、前記信号伝達装置(16,17)からの信号を検知することを特徴とする、請求項1又は2に記載のブロック貯蔵設備。
【請求項4】
前記コンテナ検知装置(10)が、前記信号伝達装置(16、17)に機械的に接続されていることを特徴とする、請求項3に記載のブロック貯蔵設備。
【請求項5】
前記信号伝達装置が、前記コンテナ検知装置(10)によって重力方向に移動可能な信号伝達要素(16)を有することを特徴とする、請求項に記載のブロック貯蔵設備。
【請求項6】
保持フレーム(15)が前記コンテナ収容スペース(2)と前記載荷スペース(4)との間に配置され、前記信号伝達装置(16、17)が前記保持フレーム(15)内で重力方向に案内されることを特徴とする、請求項5に記載のブロック貯蔵設備。
【請求項7】
前記載荷車両(5)が、前記信号伝達要素(16)が重力方向の所定の範囲にあるか否か検知することを特徴とする、請求項に記載のブロック貯蔵設備。
【請求項8】
前記受信器(20)が、光受信器として形成されることを特徴とする、請求項に記載のブロック貯蔵設備。
【請求項9】
前記載荷車両(5)が光送信器(18)を有し、前記信号伝達要素(16)が反射器として形成されることを特徴とする、請求項に記載のブロック貯蔵設備。
【請求項10】
スタンド(9)が前記コンテナ収容スペース(2)の少なくとも1つの隅部に配置され、前記コンテナ検知装置(10)が前記スタンド(9)の重力方向上端に配置されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のブロック貯蔵設備。
【請求項11】
前記コンテナ検知装置(10)と前記信号伝達装置(16、17)との間の接続部が、前記スタンド(9)を通って延びていることを特徴とする、請求項10に記載のブロック貯蔵設備。
【請求項12】
前記接続部が、ケーブル(14)又はロッドとして形成されることを特徴とする、請求項11に記載のブロック貯蔵設備。
【請求項13】
前記スタンド(9)が、少なくとも1つの別のコンテナ収容スペースの少なくとも1つの隅部に配置され、前記コンテナ検知装置(10)が前記別のコンテナ収容スペースとも協働することを特徴とする、請求項10に記載のブロック貯蔵設備。
【請求項14】
前記スタンド(9)が、角部(21)が形成された少なくとも1つのレールを備えた形材を有し、前記レールが、前記コンテナ収容スペース(2)内に配置されたコンテナ(3)のためのガイドとして機能し、前記コンテナ検知装置(10)が、前記レールの前記角部(21)に突出していることを特徴とする、請求項10に記載のブロック貯蔵設備。
【請求項15】
少なくとも1つのコンテナ収容スペース(2)と、重力方向において前記コンテナ収容スペース(2)の下にある載荷スペース(4)と、少なくとも1つの載荷車両(5)であって、前記載荷スペース(4)内で前記コンテナ収容スペース(2)の下の位置に移動することができ、コントローラ付きの昇降装置を有する少なくとも1つの載荷車両(5)と、を有するブロック貯蔵設備であって、前記載荷車両(5)を用いてコンテナを前記コンテナ収容スペース(2)に下から格納するブロック貯蔵設備を操作する方法において、前記コンテナ収容スペース(2)の重力方向上端でコンテナ検知装置(10)を用いてコンテナ(3)通過の検知が行われ、コンテナが前記コンテナ検知装置(10)を通過した場合に前記昇降装置の持上げ移動が中断されることを特徴とする、方法。
【外国語明細書】