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  • 特開-スロットル弁アセンブリ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129380
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】スロットル弁アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F02D 9/10 20060101AFI20230907BHJP
【FI】
F02D9/10 A
F02D9/10 Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023032312
(22)【出願日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】10 2022 202 128.2
(32)【優先日】2022-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】520032675
【氏名又は名称】ビング パワー システムズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110003421
【氏名又は名称】弁理士法人フィールズ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アルヴィン シュマー
(72)【発明者】
【氏名】マルティン ザングル
【テーマコード(参考)】
3G065
【Fターム(参考)】
3G065CA00
3G065HA10
3G065HA11
(57)【要約】
【課題】スロットル弁アセンブリを提供する。
【解決手段】本発明における特に燃料電池との使用に意図されたスロットル弁アセンブリ1は、ハウジング本体2と、エネルギーキャリア流体の流体流れを導くためにハウジング本体2を貫通する主流路4と、を備える。スロットル弁アセンブリ1は、さらに、主流路4内の流体流れを制御又は調節するために、主流路4内に位置調節可能に配置されたスロットル弁6と、弁軸8であって、スロットル弁6がその弁軸8に対して回転固定に結合され、少なくとも意図した使用状態においてスロットル弁6を位置調節するために、駆動装置10に結合されている弁軸8と、シール体22であって、このシール体22によって、スロットル弁6が、閉位置18において、主流路4をエネルギーキャリア流体の通過に対して密閉して閉鎖する、シール体22とを備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スロットル弁アセンブリ(1)、特に燃料電池用のスロットル弁アセンブリ(1)であって、
ハウジング本体(2)と、
エネルギーキャリア流体の流体流れを導くために前記ハウジング本体(2)を貫通する主流路(4)と、
前記主流路(4)内の前記流体流れを制御又は調節するために、前記主流路(4)内に位置調節可能に配置されたスロットル弁(6)と、
弁軸(8)であって、前記スロットル弁(6)が前記弁軸(8)に対して回転固定に結合され、少なくとも意図した使用状態において前記スロットル弁(6)を位置調節するために、駆動装置(10)に結合されている弁軸(8)と、
シール体(22)であって、前記シール体(22)によって、前記スロットル弁(6)が、閉位置(18)において、前記主流路(4)を前記エネルギーキャリア流体の通過に対して密閉して閉鎖する、シール体(22)と、を備えた、スロットル弁アセンブリ(1)。
【請求項2】
前記主流路(4)を取り囲む流路壁に肩部(24)が形成されており、前記肩部は、少なくとも一部の領域において、前記主流路(4)の内のり幅を縮小しており、
前記スロットル弁(6)は、前記閉位置(18)において、片側のみから、前記肩部(24)に形成された閉鎖面(26)に密着しており、
前記肩部(24)及び前記閉鎖面(26)は、環状に閉じられて、前記主流路(4)の周囲に形成されている、請求項1に記載のスロットル弁アセンブリ(1)。
【請求項3】
前記スロットル弁(6)は、周辺エッジ(30)において前記弁軸(8)に結合されている、請求項1に記載のスロットル弁アセンブリ(1)。
【請求項4】
前記主流路(4)は、少なくとも部分的に円切片状の断面を有し、前記スロットル弁(6)の形状は、前記断面に適合している、請求項3に記載のスロットル弁アセンブリ(1)。
【請求項5】
前記シール体(22)は、前記スロットル弁(6)に密着形成されている、請求項1に記載のスロットル弁アセンブリ(1)。
【請求項6】
前記シール体(22)は、前記スロットル弁(6)の閉位置において、少なくとも、前記主流路(4)を環状に閉じて取り囲んでいる、請求項1に記載のスロットル弁アセンブリ(1)。
【請求項7】
前記スロットル弁(6)は、その閉位置において、前記シール体(22)の介在の下に、環状に閉じて、前記肩部(24)の閉鎖面(26)に密着しており、
前記弁軸(8)は、前記肩部(24)の前記閉鎖面(26)の外側に配置されている、請求項2に記載のスロットル弁アセンブリ(1)。
【請求項8】
前記弁軸(8)は、密閉された軸受けによって前記ハウジング本体(2)に取り付けられている、請求項1に記載のスロットル弁アセンブリ(1)。
【請求項9】
前記スロットル弁(6)は、前記エネルギーキャリア流体の意図された流れ方向に対向して前記閉位置(18)から開くように、前記主流路(4)内に配置されている、請求項1に記載のスロットル弁アセンブリ(1)。
【請求項10】
前記スロットル弁(6)又は前記弁軸(8)は、閉鎖方向にバネ付勢されている、請求項1に記載のスロットル弁アセンブリ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットル弁アセンブリ、特に燃料電池用のスロットル弁アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関において、内燃機関に供給される燃焼空気量又はチャージ空気量は、負荷要件に応じて、スロットル要素、特にいわゆるスロットル弁によって規則的に制御又は調節される。スロットル弁の場合、スロットル弁は、内燃機関への主空気流に影響を与えるために主空気流路に配置され、通常、回転ドアと同様、回転可能に取り付けられた弁軸に固定されている。弁軸は通常、駆動装置によって位置調節可能である。最近の内燃機関においては、スロットル弁は、通常、電気モータ駆動装置によって位置調節される。従来の内燃機関においては、スロットル弁は通常、ケーブルによって位置調節される。
【0003】
「閉じた」スロットル弁の際においてもアイドリング運転に必要な空気量を供給できるために、例えばストッパによってスロットル弁が完全かつ堅く閉じることを防止する構想、又は、「アイドリング空気」を流すことのできるバイパス流路を有する構想が知られている。
【0004】
しかしながら、スロットル弁は、例えば燃料電池のような他の駆動構想にも使用可能である。燃料電池においては、(周囲の)空気はエネルギーキャリア流体として使用されない。しかし、この場合、エネルギー変換は、特に、燃料電池に供給されるエネルギーキャリアの量を、特にエネルギーキャリア流体、例えば水素、メタノール、ブタン又は天然ガスを調整することによって制御又は調節される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、スロットル弁の機能を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、本発明に従って、請求項1の特徴を有するスロットル弁アセンブリによって解決される。本発明の、有利で、且つ部分的にそれ自体において発明的な実施形態、及び更なる展開は、従属請求項及び以下の説明において示されている。
【0007】
本発明によるスロットル弁アセンブリは、好ましくは、燃料電池と共に使用するために構成され、意図される。しかしながら、オプションとして、スロットル弁アセンブリは、内燃機関と共に使用することも可能である。
【0008】
本発明によるスロットル弁アセンブリは、ハウジング本体と、エネルギーキャリア流体の流体流れを導くためにハウジング本体を貫通する主流路とを備える。スロットル弁アセンブリは、主流路内のエネルギーキャリア流体の流体流れを制御又は調節するために、主流路内に位置調節可能に配置されたスロットル弁をさらに備える。さらに、スロットル弁アセンブリは弁軸を備え、スロットル弁がその弁軸に対して回転固定(回転不可)に結合されており、その弁軸は、少なくとも意図した使用状態において、スロットル弁を位置調節するための駆動装置に結合されている。さらに、スロットル弁アセンブリはシール体を備え、そのシール体によって、スロットル弁が、閉位置において、主流路をエネルギーキャリア流体の通過に対して密閉して閉鎖する。
【0009】
このようにスロットル弁アセンブリは、遮断弁の機能も有しているため、「遮断弁」ともいう。
【0010】
「密閉して」は、特に、ここ及び以下において、好ましくは、残留流が発生しないこと、又は、スロットル弁アセンブリの後続のユニット(すなわち、特に燃料電池、オプションとして内燃機関)の意図した動作には不十分な残留流のみが、スロットル弁を過ぎて主流路を通る漏れとして発生することと解される。特に、スロットル弁アセンブリが燃料電池と共に使用される場合、「密閉して」は、好ましくは、エネルギーキャリア流体の漏れがスロットル弁を越えて生じ得ないことと解される。
【0011】
弁軸に作用する駆動装置は、好ましくはスロットル弁アセンブリの一部でもあり、この場合特に、駆動装置に後続される(ただし、弁軸には前接続される)ギア装置を有する電気モータによって形成される。
【0012】
スロットル弁が閉位置にある場合に主流路を密閉することによって、エネルギーキャリア(例えば、エネルギーキャリア流体自体又は別の燃料)の消費が有利に低減される。内燃機関の場合、空気(本願の理解においては、燃焼の反応相手として酸素を含み、このため、エネルギーキャリア流体とも考えられる)の漏れは、望ましくない燃焼の継続、又はシリンダの部分充填を導き、その部分充填はその後の燃焼に不利になる可能性がある。燃料電池の場合、エネルギーキャリア流体(例えば水素、メタノール、天然ガス等)の漏れは、エネルギー変換の継続を導き、このエネルギー変換は、実際の動作状態(又は非動作状態も)において望ましくない可能性がある。
【0013】
ハウジングは、好ましくは、主流路がガイドされる管部を有する。この管部は、特に、主流路を取り囲む流路壁を形成する。
【0014】
好適な一実施形態においては、主流路を取り囲む流路壁に(スロットル弁アセンブリ内において)肩部(Absatz)が形成されており、この肩部は、少なくとも一部の領域において、主流路の内のり幅(回転対称の流路の場合、その直径)を縮小している(テーパー状である)。言い換えれば、主流路を取り囲む管部は、好ましくは、段的に又はジャンプ的に、テーパー状である。その場合、「スロットル開口部」、すなわち主流路の内のりの「残り幅」が形成される。その閉位置においては、その際、スロットル弁は、肩部に形成された閉塞面に密着する(例えば、ドア枠内の戸当りに静止するドア扉に匹敵する)。その際、好ましくは、肩部及び閉鎖面は、環状に閉じられて、主流路の周囲(具体的には、スロットル開口部の周囲)に形成されている。さらに、閉鎖面は、好ましくは、主流路の(主)流れ方向(又は主流路軸でもよい)に対して半径方向に延びている、又は、言い換えれば、閉鎖面の表面法線がこの(主)流れ方向に対して平行である。それによって、スロットル弁が閉鎖面に完全に接触し、特に片側のみから(言い換えれば、一方向から)密着することができ、それは密閉効果を向上させることができる。
【0015】
「主流れ方向」は、ここ及び以下において、特に、主流路の軸又は延びによって与えられる、主流路内における全体的な流れ方向であり、それは、特に、例えば上記の肩部によって引き起こされ得るような、単に局所的な外乱とは無関係であると解される。
【0016】
好ましい一実施形態においては、スロットル弁は、(スロットル弁自体の)周辺エッジにおいて弁軸に結合されている、すなわち、特に片側のみ弁軸から半径方向に突出している。これは、特に、弁軸が、少なくとも一部分において、この周辺エッジに沿って(好ましくは平行に)延び、また、好ましくはこのエッジと交差していないことを意味する。好適には、その際、この周辺エッジも直線的に実施される。それによって、スロットル弁は、ドア扉に匹敵して移動し、したがって、1つの(平坦な)面のみによって閉鎖面に接することができ、それは、同様に密閉効果の向上に寄与する。典型的なスロットル弁とは対照的であり、その典型的なスロットル弁は、弁軸の中央において軸留めされ、それによって回転ドアのように移動し、そのため、閉位置において2つの異なる側から閉鎖エッジに密着しなければならない。
【0017】
オプションとして、その際、弁軸は主流路を通過して延び、反対側の流路壁に固定される。この場合、スロットル弁は、特に周辺エッジを例えば弁軸のスリットに挿入する、又は弁軸の平らにした(例えばフライス加工した)受け面に取り付けることができる。代替的に、弁軸の一部のみを主流路内に突出させることもできる。この場合、スロットル弁は、その関連する周縁領域又は「角」領域において、弁軸に結合される。スロットル弁は、好ましくは弁軸にネジ留めされ、それによって、少なくとも原則的には、容易に交換可能である。代替的には、スロットル弁は弁軸に溶接される。
【0018】
特に、スロットル弁の周辺側の弁軸への接続の実施形態においては、弁軸(又は少なくともその回転軸)は、そのため、主流路に対して中心からずれて、特に主流路の周辺側に配置される。好ましくは、弁軸(又はその回転軸)は、スロットル開口部の隣又は外側において延びている。
【0019】
原理的には、主流路が多角形、特に四角形の矩形断面を有し、スロットル弁がそれに対応して矩形形状であることは、本発明の範囲内において考えられ得る。
【0020】
好ましい一実施形態においては、主流路(特に、少なくとも上記のテーパー部の領域においては、好ましくはスロットル開口部)は、円形切片状の断面、又は、四角形状、特に長方形と円切片との組み合わせ(例えば、その長辺に、割線部を伴う円形部分を有する長方形)を有する。後者の場合、断面は、したがって、少なくとも部分的に円切片状である。好ましくは、スロットル弁は、主流路が上記のテーパー部を通過するときの主流路の断面形状に(すなわち、特にスロットル開口部の形状に)適合され、好ましくは、適切に拡大した寸法において同様の形状を有する。それによって、主流路の囲んだ閉蓋がこの場所において可能となる。「真の」円切片の場合、円弧は、好ましくは半円より大きい。すなわち、円の中心は、円切片の領域内にある。この場合、スロットル弁も同様に、対応する、円切片を形成する。その場合、スロットル弁の円切片の割線部は、上記の周辺エッジを形成し、この周辺エッジによってスロットル弁は弁軸に軸留めされる。
【0021】
好適な一実施形態においては、シール体はスロットル弁に密着形成されている。その際、シール体は、好ましくは、スロットル弁に射出成形技術的に密着形成されている、すなわち「密着射出成形されている」。これは、簡単でありながら耐久性のある、特にシール体の配置位置に関しての、処置方法を示している。
【0022】
代替的な一実施形態においては、シール体は別個に形成され、例えば、閉鎖面上に配置され、その閉鎖面に又はスロットル弁に、締付けられる、又は貼付けられる。
【0023】
好ましい、特に好適な一実施形態においては、シール体は、スロットル弁の閉位置において、少なくとも、主流路を環状に閉じて取り囲んでいる。
【0024】
好適な一実施形態においては、シール体は、エラストマーから、特に、エネルギーキャリア流体に対して耐性を有するエラストマーから、例えば、ゴム、シリコーンゴム、ニトリルゴム等から形成されている。
【0025】
さらに好ましくは、スロットル弁は、その閉位置において、シール体の介在の下に、環状に閉じて、肩部の閉鎖面に密着している。これによって、主流路におけるスロットル弁の特に緊密な配置が達成される。
【0026】
さらなる好適な一実施形態においては、スロットル弁は、さらに、エネルギーキャリア流体の意図された流れ方向に対向して閉位置から開くように、主流路に配置されている。言い換えれば、エネルギーキャリア流体によってスロットル弁に及ぼされる力は、その閉鎖方向に作用し、したがって有利にも、スロットル弁を閉鎖面に押し付け、それによってシール体に対する締付け作用を増大させる。これは、有利にも、密閉作用をさらに増大させる。
【0027】
弁軸が漏れを引き起こすことを防止するために、又は少なくとも密閉作用への悪影響を低減するために、特に好適な一実施形態においては、弁軸は肩部の閉鎖面の外側に配置される。
【0028】
更なる好適な一実施形態においては、弁軸は、密閉された軸受けによってハウジング本体に取り付けられている。これによって、弁軸に沿ったエネルギーキャリア流体の漏れが防止される、又は少なくとも無視できる量まで低減される。
【0029】
更なる別の好適な一実施形態においては、弁軸及び/又はスロットル弁は、閉鎖方向にバネ付勢されている。これによって、駆動装置の不完全な制御の際にも、スロットル弁の閉鎖が可能となり、また、通常の動作中の閉鎖もサポートされる。
【0030】
接続詞「及び/又は」は、ここ及び以下において、特に、この接続詞によって結び付けられた特徴が、一緒に形成されることも、また、互いの代替物として形成されることもできると解される。
【0031】
以下、本発明の実施例について、図面を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】スロットル弁によって閉鎖された主流路を有するスロットル弁アセンブリを示す概略的な平面図である。
図2】スロットル弁が無い状態のスロットル弁アセンブリの図1による図である。
図3】スロットル弁の閉位置における、主流路とスロットル弁の、図1によるIIII-IIIに沿った概略的な断面図である。
図4】スロットル弁アセンブリの概略的な分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
すべての図において、対応する部品には常に同一の参照符号を付す。
【0034】
図1には、スロットル弁アセンブリ(以下、略して遮断弁1という)が概略的に示されている。遮断弁1は、特に管状部3によって主流路4を囲むハウジング本体2を備える。主流路4は、エネルギーキャリア流体の流体流れを導通(又はガイド)するために使用される。遮断弁1は、本実施例においては、燃料電池に使用するためのものである。そのため、本実施例におけるエネルギーキャリア流体は、例えば水素等の気体である。
【0035】
遮断弁1は、主流路4内に可逆的に位置調節可能に配置されたスロットル弁6をさらに備え、このスロットル弁6は、主流路4内の流体流れを制御又は調節するために構成及び意図されている。スロットル弁6は、回転可能に設けられた弁軸8に固定されて結合されている。弁軸8、従ってスロットル弁6を位置調節するために、遮断弁1は、後続のギア装置14(図4においては、弁軸8に対して回転固定に結合された平歯車16によって示されている)を有する電気モータ12の形態の(位置調節)駆動装置10を備える。
【0036】
図1及び図3においては、閉位置18にあるスロットル弁6が示されている。この場合、スロットル弁6は、主流路4を閉鎖する。具体的には、スロットル弁6は、「スロットル領域」内に、すなわち、スロットル弁6が軸留めされる箇所に位置し、主流路4のテーパー部によって形成されるスロットル開口部20(図2参照)を閉鎖する。スロットル開口部20をできるだけ密閉して閉じるために、遮断弁1はシール体22を備える。シール体22はスロットル弁6に射出形成技術的に密着形成されている。
【0037】
スロットル開口部20は、環状に閉じた肩部24によって、管状部3内に形成されており、この肩部は、主流路4内に半径方向に突出して、主流路の内のりの幅を縮小する。肩部24は閉鎖面26を形成し、この閉鎖面26はスロットル開口部20を環状に閉じて取り囲んでいる。その際、特に閉鎖面26の表面法線は主流路4の主流れ方向に向き、その閉鎖面26に、スロットル弁6が、具体的にはシール体22が、閉位置において片側から環状に閉じて密着する。「片側から」とは、本実施例においては、特に、スロットル弁6が閉鎖面26に、複数の方向からではなく、1つの方向(それは、本実施例においては好ましくは主流れ方向に設定される)から密着すると解される。このために、シール体22は、スロットル弁6のエッジに沿って延びるリングとして形成されている。オプションとして、シール体22をスロットル弁6の全体にわたって形成することも可能である。
【0038】
スロットル開口部20の形状は、円形切片の形状に従った外側の湾曲した長手方向エッジ27を有する長方形である。その際、この長手方向エッジ27は、主流路4の(基本的に円形の)断面の半径に適合している。スロットル弁6は、その形状において、スロットル開口部20を模して形成されており、また、スロットル開口部20に比べて拡大された寸法を有している。それによって、スロットル弁6は、閉位置18においてスロットル開口部20を完全に覆うことができる。
【0039】
弁軸8は、主流路4に対して中心から外れた位置に、すなわち主流路4の中心から外れた位置に、具体的にはスロットル開口部20の隣に配置されている。具体的には、弁軸8は、スロットル弁6が弁軸8に保持されたとき、スロットル弁6が肩部24上、具体的には閉鎖面26上に水平に載るように、肩部24の窪み部28内に配置されている。このために、スロットル弁6は、湾曲した長手方向エッジ27に対向する長手方向エッジ(周辺エッジ)30によって、弁軸8の長手方向のスリット32に受け入れられ、回転固定の状態に(本実施例においては、例示的にネジ留めによって)固定されている。長手方向のスリット32の代替として、弁軸8の片側を平らにフライス加工することも可能であり、それによって、スロットル弁6を、それによって形成された受け面又は支持面上に配置して固定できる。
【0040】
弁軸8、したがってスロットル弁6も、その場合、スロットル弁アセンブリ1の流入側に配置される。それによって、エネルギーキャリア流体がスロットル弁6に閉鎖的に作用する。そのため、仮に駆動装置10が停止した場合においても、スロットル弁6はエネルギーキャリア流体によって閉位置に保持され(また、閉鎖面26に押し付けられ)、それによって、スロットル弁6とシール体22の密閉効果がサポートされる。
【0041】
オプションとして、弁軸8は、図示しない方法によって、閉鎖方向にバネ付勢されている。
【0042】
上記したスロットル弁6、弁軸8、及びシール体22の配置によって、遮断弁1は、特に高い密閉効果を有する。
【0043】
なお、本発明の対象は、上記した実施例に限定されるものではない。むしろ、本発明の更なる実施形態は、当業者によって上記の説明から導き出すことができる。
【符号の説明】
【0044】
1 遮断弁(スロットル弁アセンブリ)
2 ハウジング本体
3 管状部
4 主流路
6 スロットル弁
8 弁軸
10 駆動装置
12 電気モータ
14 ギア装置
16 平歯車
18 閉位置
20 スロットル開口部
22 シール体
24 肩部
26 閉鎖面
27 長手方向エッジ
28 窪み部
30 長手方向エッジ
32 スリット
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】