(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129383
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】車両用外部リアビューミラーアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B60R 1/062 20060101AFI20230907BHJP
【FI】
B60R1/062
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023032344
(22)【出願日】2023-03-03
(31)【優先権主張番号】22382205
(32)【優先日】2022-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】517089662
【氏名又は名称】フィコミロース, エセ. ア. ウ.
【氏名又は名称原語表記】Ficomirrors, S.A.U.
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100160004
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 憲雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120558
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100148909
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧澤 匡則
(74)【代理人】
【識別番号】100192533
【弁理士】
【氏名又は名称】奈良 如紘
(72)【発明者】
【氏名】デビッド・ブラボー・コルバチョ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ロペス・ガレラ
【テーマコード(参考)】
3D053
【Fターム(参考)】
3D053FF03
3D053FF29
3D053GG06
3D053GG12
3D053HH52
3D053KK02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】空気力学的に効率が良く、製造コストを低減することができる車両用外部リアビューミラーアセンブリを提供する。
【解決手段】外部リアビューミラーアセンブリ1は、車両の外装部に取り付けられるように構成された固定部2と、該固定部2に取り付けられ、第1軸X1を中心として該固定部2に対して回転可能な可動部3と、ミラーハウジング5およびミラー反射面を含むミラーヘッド4と、を備える。ミラーヘッド4は、ミラーヘッド4と可動部3とが共同で第1軸X1を中心として回転可能であるように、可動部3に取り付けられている。ミラーヘッド4は、外部リアビューミラーアセンブリ1が車両に動作可能に取り付けられたときに、後方視野を調整するために、傾斜点または第2軸を中心として、可動部3に対して傾斜または回転することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の外装部に取り付けられるように構成された固定部(2)と、
前記固定部(2)に取り付けられ、前記固定部(2)に対して第1軸(X1)を中心に相対的に回転可能な可動部(3)と、
ミラーハウジング(5)とミラーペイン(6)とを含むミラーヘッド(4)と、
備え、
前記ミラーヘッド(4)と前記可動部(3)とが共同で前記第1軸(X1)を中心に回転可能であるように、前記ミラーヘッド(4)が前記可動部(3)に取り付けられ、
前記ミラーヘッド(4)は、前記可動部(3)に対して、傾動点または第2軸(X2)を中心として傾動または回転することができる、
車両用の外部リアビューミラーアセンブリ(1)。
【請求項2】
前記ミラーヘッド(4)は、第3軸(X3)を中心として前記可動部(3)に対して傾斜または回転するように、さらに適合される、
請求項1に記載の外部リアビューミラーアセンブリ(1)。
【請求項3】
前記可動部(3)と前記ミラーヘッド(4)との間に、前記ミラーヘッド(4)の傾斜または回転を可能にするための隙間(7)が形成されるように構成された、
請求項1に記載の外部リアビューミラーアセンブリ(1)。
【請求項4】
前記ミラーハウジング(5)と前記ミラーペイン(6)が共同で可動である、
請求項1に記載の外部リアビューミラーアセンブリ(1)。
【請求項5】
前記ミラーヘッド(4)が下側延長部(10)を有し、
該外部リアビューミラーアセンブリ(1)が車両に動作可能に取り付けられ、前記車両を運転中の運転者の視点から見た場合に、前記可動部(3)の一部が、前記下側延長部(10)の後方に配置される、
請求項1に記載の外部リアビューミラーアセンブリ(1)。
【請求項6】
前記可動部(3)の内部に少なくとも部分的に包まれ、前記可動部(3)に回転運動を与えるように適合された第1アクチュエータ(12)と、
前記ミラーヘッド(4)内に封入され、前記ミラーヘッド(4)に傾斜点に関する傾斜運動、または、前記ミラーヘッド(4)に少なくとも前記第2軸(X2)を中心とする回転運動を付与するように適合された第2アクチュエータ(13)と、
さらに備える請求項1乃至5の何れか1項に記載の外部リアビューミラーアセンブリ(1)。
【請求項7】
前記第1アクチュエータ(12)および前記第2アクチュエータ(13)は、独立して動作可能である、
請求項6に記載の外部リアビューミラーアセンブリ(1)。
【請求項8】
第1部分(11a)および第2部分(11b)を有するブラケット(11)を
さらに備え、
前記第1部部分(11a)は、前記可動部(3)の内部に収納され、前記第1アクチュエータ(12)の可動部品(12b)と結合されまたは一体的に形成され、
前記第2部分(11b)は、前記ミラーヘッド(4)の内部に収納され、前記第2アクチュエータ(13)の固定部品(13a)と結合されまたは一体的に形成され、
前記ミラーヘッド(4)が前記ブラケット(11)によって前記可動部(3)に取り付けられる、
請求項6に記載の外部リアビューミラーアセンブリ(1)。
【請求項9】
前記ブラケット(11)の一部は、前記隙間(7)を横切る、
請求項8に記載の外部リアビューミラーアセンブリ(1)。
【請求項10】
少なくとも1つの電気・電子部品が前記可動部(3)または前記ミラーヘッド(4)の内部に収容される、
請求項1に記載の外部リアビューミラーアセンブリ(1)。
【請求項11】
少なくとも1つの電気・電子部品が前記ブラケット(11)に取り付けらる、
請求項8に記載の外部リアビューミラーアセンブリ(1)。
【請求項12】
該外部リアビューミラーアセンブリ(1)が車両に動作可能に取り付けられたときに、前記可動部(3)が、前記ミラーヘッド(4)が車両運転中に運転者に後方視野を提供するために配置され得る拡張位置と、前記ミラーヘッド(4)が前記車両に向かって折り畳まれる駐車位置と、の間で、前記第1軸(X1)を中心に回転し得るように構成された、請求項1に記載の外部リアビューミラーアセンブリ(1)。
【請求項13】
前記第1軸(X1)および前記第3軸(X3)は、互いに平行である、または、340°から20°の範囲内の角度を規定するように互いに対して配置される、
請求項2に記載の外部リアビューミラーアセンブリ(1)。
【請求項14】
前記第1軸(X1)および前記第2軸(X2)は、互いに直交する、または、70°から110°の範囲内の角度を規定するように互いに対して配置される、
請求項1に記載の外部リアビューミラーアセンブリ(1)。
【請求項15】
前記ミラーペイン(6)は、第1表面、第2表面および周縁部を有し、
前記第1表面は、該外部リアビューミラーアセンブリ(1)が前記車両に動作可能に取り付けられているときに、前記運転者に近い方の表面であり、
前記ミラーパネル(6)の前記周縁部は、前記ミラーハウジング(5)によって全体的または部分的に重なり、あるいは代替的に、前記ミラーハウジング(5)によって重ならない、
請求項1に記載の外部リアビューミラーアセンブリ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野および目的)
本発明は、一般に、車両の運転者の後方視野を調整するように操作可能な車両用外部リアビューミラーアセンブリの分野に関する。
【0002】
本発明の目的は、空気力学的に効率の良い外部リアビューアセンブリを提供することであり、さらに、その構成要素の設計自由度を高めることである。
【0003】
本発明の付加的な目的は、製造コストを低減するために、小型化されたミラーヘッドおよび脚部等の部品で製造することができる外部リアビューミラーアセンブリを提供することである。
【背景技術】
【0004】
(発明の背景)
自動車用の外部リアビューミラーアセンブリは、通常、自動車に取り付けるために適合されたミラーベースまたはミラーフットと、ミラーフット上に配置されたミラーヘッドと、ミラーヘッドに収容され、それに剛性的に配置されたミラーガラスと、を含む。ミラーヘッドと自動車上のミラーフットとの配置の間には、少なくとも1つの節が設けられている。
【0005】
一般に、外部リアビューミラーアセンブリは、車両の運転者の後方視界を調整するように、ミラーケーシングに対してミラー反射要素を調整するように動作可能なミラーアクチュエータを含む。折り畳み式リアビューミラーアセンブリは、ミラーケーシングを車両の側面に対して枢動または折り畳むアクチュエータを含む。
【発明の概要】
【0006】
(発明の概要)
本発明は、車両用外部リアビューアセンブリに関し、アセンブリは、車両の外装部に取り付けられるように構成された固定部と、固定部に取り付けられ、第1軸X1を中心として固定部に対して回転可能な可動部と、ミラーハウジングおよびミラーペイン(pane)を含むミラーヘッドと、を備える。
【0007】
ミラーペインは、第1表面、第2表面および周縁部を有する。ミラーペインの周縁部は、ミラーハウジングによって完全にまたは部分的に重なり得る、あるいは、ミラーハウジングによって重ならないこともある。さらに、ミラーハウジングは、ミラーペインの第1表面と重なって、面一になり、または面一にならないこともある。ここで、第1表面は、アセンブリが車両に動作可能に取り付けられているときに、運転者に近い方の表面である。
【0008】
ミラーヘッドは、可動部に取り付けられており、ミラーヘッドと可動部とが第1軸X1の周りで一緒に回転可能である。
【0009】
アセンブリが車両に動作可能に取り付けられたときに、可動部が、拡張位置すなわちミラーヘッドが車両の運転中に運転者に後方視野を提供するように配置される運転位置(ドライブ)とミラーヘッドが車両に向かって折り畳まれる駐車位置(パーキング)との間で、第1軸X1の周りで回転し得るように、アセンブリは、構成される。
【0010】
さらに、アセンブリが車両に動作可能に取り付けられたときに、運転者のための後方視野を調整するために、ミラーヘッドは、傾斜点又は第2軸X2を中心として可動部に対して傾斜又は回転することができる。
【0011】
さらに、ミラーヘッドは、第3軸X3を中心に可動部に対して傾斜または回転するように、さらに適合され得る。
【0012】
好ましい実施形態では、第1軸および第2軸(X1, X2)は、互いに直交するか、または、70°-110°の範囲内の角度を規定するように互いに対して配置される。
【0013】
また、第1軸および第3軸(X1, X3)は、互いに平行であるか、または、340°-20°の範囲内の角度を規定するように互いに対して配置される。
【0014】
アセンブリは、可動部とミラーヘッドとの間に隙間が形成されて、ミラーヘッドの傾動又は回転運動を可能にするように、構成される。好ましくは、隙間は、可動部の曲面とミラーハウジングの曲面との間に形成される。
【0015】
ミラーヘッドは、下側延長部を有していてもよく、可動部の一部は、車両を前進させる間の運転者の視点から、アセンブリが車両に動作可能に取り付けられているときに、下側延長部の後ろに配置され得る。この構成により、アセンブリの高さが低減され、その構成要素のサイズも、低減される。
【0016】
好ましい実施形態では、ミラーヘッドの一部が可動部の上方に配置され、ミラーヘッドの別の部分が、車両を前進させる間、及びアセンブリが車両に動作可能に取り付けられているときに、運転者の視点から可動部の前方に配置される。好ましくは、可動部の上面の少なくとも50%、または少なくとも75%、または100%が、ミラーヘッドによって重なる。さらに、好ましくは、可動部の前面(車両運転中の運転者の視点から)の少なくとも50%、または75%、または100%が、ミラーヘッドによって重なる、または覆われる。
【0017】
また、上述した可動部とミラーヘッドとの重なり部分の場合、可動部の上面又は前面がミラーヘッドによって車両長手方向と平行な方向(
図7の軸X)の一端から他端まで重なっている実施形態も含む。ただし、可動部の上面又は前面は、ミラーヘッドによって車両長手方向に対して横方向(
図7の軸Y)の一端から他端まで完全には重なっていない。
【0018】
アセンブリは、可動部の内部に(少なくとも部分的に)収納され、且つ、第1軸X1周りの回転運動を可動部に付与するように適合された第1アクチュエータを備える。アセンブリは、ミラーヘッドの内部に収納され、且つ、少なくとも第2軸X2または傾斜点を中心とする傾動又は回転運動をミラーヘッドに付与するように適合された第2アクチュエータを更に備える。第1および第2のアクチュエータは、独立して操作可能であり、従来は電気モータで構成される。好ましくは、第2アクチュエータ、又は、第1および第2のアクチュエータから独立して動作する第3アクチュエータは、第3軸X3を中心とする傾動又は回転運動をミラーヘッドに付与することができる。
【0019】
ミラーハウジングとミラーペインとが互いに取り付けられている場合、両者は、タンデムで動く(共同で動く)、つまり、第1または第2のアクチュエータが動作しているとき、両者の間に、相対的な動きはない。
【0020】
さらに、アセンブリは、第1部分および第2部分を有するブラケットを含み、第1部分は、可動部の内部に取り囲まれ、第1アクチュエータの可動部品と結合され、第2部分は、ミラーヘッドの内部に取り囲まれ、第2アクチュエータの固定部品と結合され、ミラーヘッドは、ブラケットによって可動部に取り付けられる。
【0021】
ブラケットは、第1アクチュエータの可動部品に取り付けられ、第2アクチュエータの固定部品にも取り付けられる独立した部品で構成されてもよい。あるいは、ブラケットは、第1アクチュエータの可動部品と一体的に形成されるか、第2アクチュエータの固定部品と一体的に形成されるか、または、第1アクチュエータの可動部品および第2アクチュエータの固定部品の両方と一体的に形成される。
【0022】
ブラケットの第1部分および第2部分の間の中間部分は、可動部とミラーヘッドとの間に形成される隙間を横切り、好ましくは横方向に配置される。
【0023】
少なくとも1つの電気・電子部品が、可動部に取り付けられ、かつ/または、ミラーヘッドに取り付けられる。この電気・電子部品は、好ましくは、次のリストのうちの1つである:カメラ、照明装置、アンテナ、無線通信システム。
【0024】
好ましい実施形態では、アセンブリは、可動部に装着された2つのカメラを含み、好ましくは、可動部またはミラーヘッドに装着された照明装置も含む。カメラは、駐車位置と運転位置との間で移動するだけの可動部に配置されているので、運転位置にあるカメラの視野は、ミラーペインがミラーヘッドと連動して移動する際に、ミラーペインの調整によって影響を受けない。
【0025】
好ましくは、別の電気・電子部品がブラケットに取り付けられる。この電気・電子部品は、好ましくは、以下のリストのうちの1つである:カメラ、照明装置、アンテナ、無線通信システム。
【0026】
本発明のいくつかの利点を以下に挙げる。
・ 対称ミラー。審美的および空気力学的な理由から、運転席側のサイドミラーと運転者自身との間の視野角と、助手席側のサイドミラーと運転者との間の視野角とは、大きく異なるため、通常、ミラーヘッドの設計は、2つの間で変更される。本発明では、ミラーヘッドの調整が可動部分とは独立しているため、2つのミラーヘッド間の対称性を維持することができ、美的および空力的外観を向上させることができる。
・ 折りたたみ操作のためのアクチュエータがミラーヘッドの外側、少なくとも部分的に可動部に配置されるため、ミラーヘッドのサイズを縮小することができる。
・ 次の理由による摩擦係数の低下。ミラーハウジングとミラーペインが連動して移動する際に、第2アクチュエータがミラーペインの規制装置として動作する際に、可動部とミラーヘッドとの間に隙間を設けることにより、また、ミラーヘッドの低伸長により、前項に従ってミラーヘッドのサイズが縮小される。
・ ミラーヘッドと可動部との間に空気の入口および出口を設けることで、より効率的な設計が可能になる。また、その隙間やエアガイドを利用して、空力設計を向上させることができる。
・ プロジェクトごとの金型を削減することができる。サイズの縮小されたミラーハウジングによるエネルギー効率は、サイズの縮小と金型の縮小を意味する。
・ リアビューミラーの概念は、フラグまたは三角形であり、(
図5A、
図5Bのように)車両に取り付けることができる。
・ 可動部には、カメラやウィンカーなどの追加デバイスを取り付けることができ、これらは静止部に配置される。これらの追加デバイスは、静止部にあることが必須である。これらの部品は、駐車位置から運転位置に移動するだけであり、その逆も同様であるため、これらの部品は、運転位置で動作するように構成することができ、独立したミラー調節がこれらの部品に影響を与えないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
(図面の簡単な説明)
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面を参照して説明する。
【0028】
【
図1】
図1は、本発明による好ましい実施形態の正面図である。
【
図2A】
図2Aおよび
図2Bは、リアビューミラーアセンブリの側面図の、
図1の平面A-Aで取られた2つの断面図である。
図2Aは、概略図である。
【
図2B】
図2Aおよび
図2Bは、リアビューミラーアセンブリの側面図の、
図1の平面A-Aで取られた2つの断面図である。
図2Bは、詳細図である。
【
図3】
図3は、回転軸を含む本発明によるミラーアセンブリの2つの側面図、3Aおよび3Bを示し、ミラーヘッドの傾斜または回転運動は、3Bにおいて破線で示される。
【
図4】
図4は、アセンブリの透視図であり、ミラーヘッドの傾斜または回転運動が破線によって示される。
【
図5】
図5Aおよび
図5Bは、リアビューアセンブリの固定部の2つの代替設計の2つの正面図である。
【
図6】
図6は、本発明によるリアビューアセンブリの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(発明の好ましい形態)
図1および
図2は、本発明による車両用外部リアビューミラーアセンブリ(1)の例示的な実施態様を示し、アセンブリ(1)は、車両の外装部(図示せず)に取り付けられるように構成された固定部(2)と、固定部(2)に取り付けられ、第1の軸(X1)を中心として固定部(2)に対して回転可能な可動部(3)と、を備える。
【0030】
アセンブリ(1)は、ミラーハウジング(5)とミラー反射面を有するミラーペイン(6)とを含むミラーヘッド(4)を、さらに備える。
【0031】
ミラーペイン(6)は、第1表面、第2表面および周縁部を有し、第1表面は、アセンブリが車両に動作可能に取り付けられているときに運転者に近い方の表面である。ミラーペイン(6)の周縁部は、
図2A、
図2Bに示すように、ミラーハウジング(5)によって完全に重なってもよく、部分的に重なってもよく、代替的に、ミラーハウジング(5)によって重ならない。さらに、ミラーハウジング(5)は、ミラーペイン(6)の第1表面と重なって、
図2A、
図2Bに示されるように、面一になり、または面一にならないこともある。
【0032】
ミラーヘッド(4)は、ミラーヘッド(4)と可動部(3)とが第1軸(X1)を中心に回転可能であるように、可動部(3)に取り付けられている。
【0033】
アセンブリ(1)が車両に動作可能に取り付けれると、可動部(3)が、拡張位置すなわちミラーヘッド(4)が車両の運転中に運転者に後方視野を提供するように配置される運転位置(ドライブ)とミラーヘッド(4)が車両に向かって折り畳まれる駐車位置(パーキング)との間で、第1軸(X1)の周りで回転し得る。
【0034】
さらに、ミラーヘッド(4)は、少なくとも1つの移動自由度を有し、例えば、アセンブリが車両に動作可能に取り付けられたときに、ミラーヘッド(4)が可動部(3)に対して傾斜点又は第2軸(X2)を中心に傾斜及び/又は回転して運転者の後部視野を調整することができる。傾斜運動を付与するためのアクチュエータは、例えば、ボールジョイントとして実装することができ、これは、典型的には、いくつかの移動自由度を有する。第1軸および第2軸(X1, X2)は、互いに実質的に直交するか、または70°-110°、すなわち(90°+/-20°)の範囲内の角度を規定するように互いに対して配置される。
【0035】
図3A、
図3Bおよび
図4に表されるように、ミラーヘッド(4)は、さらに、第2の移動自由度を有するように適合され、例えば、ミラーヘッド(4)は、第3軸(X3)を中心に可動部(3)に対して傾き又は回転し、これにより、第1軸および第3軸(X1, X3)は、互いに平行であるか、または、340°-20°、すなわち(0°+/-20°)の範囲内の角度を規定するように互いに対して配置される。
【0036】
アセンブリ(1)は、可動部(3)とミラーヘッド(4)との間に隙間(7)が形成されて、可動部(3)に対するミラーヘッド(4)の傾動又は回転運動を可能にするように、構成される。
【0037】
図2に示すように、ミラーヘッド(4)は曲面(8)を有し、可動部(3)も曲面(9)を有し、両曲面(8, 9)が対向するようにし、また、両曲面(8, 9)の間に隙間(7)を形成して、可動部(3)に対するミラーヘッド(4)の回転運動又は傾斜運動を可能とする。
【0038】
アセンブリ(1)には、摩擦係数を最適化するために、隙間に空気の流れを導くディフューザーまたはガイドを含むことができる。
【0039】
あるいは、曲面(8, 9)および隙間(7)を設けることに対して、本発明の他の好ましい実施形態(図示せず)では、ミラーヘッド(4)は、ミラーヘッド(4)の外側からアクセス可能なキャビティを有し、また、可動部(3)は、可動部とミラーヘッドとの間の相対移動が可能になるように、ミラーヘッド(4)のそのキャビティの中に封入されまたは部分的に封入される。
【0040】
さらに、ミラーヘッド(4)は、ミラーペイン(6)が嵌め込まれる部分において、下側延長部(10)を有する。下側延長部(10)は、ミラーハウジング(5)を地面に向かって延長したものであり(アセンブリが車両に操作可能に取り付けられたとき)、また、可動部(3)の一部は、アセンブリ(1)が車両に取り付けられたとき、運転者から見て延長部(10)の後ろにあり、また、ミラーハウジング(5)は、可動部の上方にあり可動部(3)よりも運転者に近い。
【0041】
図2Aに示す実施形態では、可動部(3)の前面(車両を正常に前進させている間の運転者の視点からの)の100%が、ミラーヘッド(4)によって重なるまたは覆われる。代替的な実施形態では、可動部(3)の前面の少なくとも50%、または少なくとも75%が、ミラーヘッド(4)によって重なるまたは覆われる。
【0042】
ミラーヘッド(4)の下側延長部(10)のために、アセンブリ(1)は、ミラーヘッドと固定部品が、可動部の上面全体がミラーヘッドによって覆われている状態で、互いの上に1つずつ組み立てられるため、一般的にかなりかさばる先行技術のリアビューミラーとは対照的に、サイズを小さくすることができる。
【0043】
先行技術とは対照的に、本発明では、ミラーヘッド(4)と可動部(3)は、アセンブリ(1)全体の体積を減少させるために一緒にされると説明することができるが、ミラーペイン(6)の必要な表面は、維持される。
【0044】
さらに、
図2Aの実施形態では、可動部(3)の上面の100%が、ミラーヘッド(4)によって重なる。
図2Bの代替実施形態では、可動部(3)の上面の75%から100%までの間で、ミラーヘッド(4)によって重なる。
【0045】
ミラーペイン(6)は、例えば
図2に示すように、この延長部(10)上にも延在する。可動部(3)は、車両の運転中、およびアセンブリが車両に動作可能に取り付けられているときに、運転者の視点から見て、下側延長部(10)の後方に配置される。また、隙間(7)は、延長部(10)と可動部(3)との間に延在する。
【0046】
アセンブリ(1)は、可動部(3)の内部に少なくとも部分的に収納され、且つ、可動部(3)に回転運動を付与するように適合された第1アクチュエータ(12)を備える。アセンブリ(1)は、ミラーヘッド(4)の内部に収納され、且つ、ミラーペイン(6)に、または、ミラーペイン(6)とミラーヘッド(4)が一緒に結合されたときにミラーペイン(6)およびミラーヘッド(4)に、回転運動又は傾動を付与するように適合された第2アクチュエータ(13)を更に備える。いずれにしても、ミラーハウジング(5)とミラーペイン(6)は、常に、第1のアクチュエータ(12)に対して連動して移動する。
【0047】
第1および第2のアクチュエータ(12, 13)は、独立して動作可能であり、典型的には電気モータで構成される。
【0048】
第1および第2のアクチュエータ(12, 13)の各々は、それぞれ固定部品(12a, 13a)と、固定部品(12a,13a)に対してそれぞれ移動可能な可動部品(12b, 13b)とを、有する。第1アクチュエータ(12)の固定部品(12a)は、固定部(2)に固定され、可動部品(12b)は、可動部(3)とブラケット(11)の第1部分(11a)とに固定される。次に、ブラケット(11)の第2部分(11b)は、ミラーヘッド(4)の内部に配置された第2アクチュエータ(13)の固定部品(13a)に結合され、第2アクチュエータ(13)の可動部品(13b)は、ミラーペイン(6)に結合される。
【0049】
アセンブリ(1)は、可動部(3)の内部に封入されて、第1アクチュエータ(12)の可動部品(12b)と結合または一体的に形成された第1部分(11a)と、ミラーヘッド(4)の内部に封入されて、第2アクチュエータ(13)の固定部品(13a)と結合または一体的に形成された第2部分(11b)と、を有するブラケット(11)を、含み、ミラーヘッド(4)は、ブラケット(11)によって可動部(3)で取り付けられ、または支持される。ブラケット(11)は、
図2に示すように、隙間(7)を横切ることができる。
【0050】
ミラーヘッド(4)および可動部(3)には、ブラケット(11)を通すための開口部がそれぞれ設けられており、これらの開口部には、ミラーヘッド(5)および可動部(3)の内部に水や塵などの外部要素が侵入しないように、ゴム製ガスケット(16)が装着される。
【0051】
ミラーペイン(6)と第2アクチュエータ(13)の可動部品(13b)とは、互いに直接取り付けられる。あるいは、ミラーペイン(6)および可動部品(13b)は、
図2Bに示すように、バックプレート(15)のような第1中間結合部材によって結合される。
【0052】
好ましくは、ミラーハウジング(5)およびミラーペイン(6)は、第1または第2のアクチュエータ(12, 13)によって付与される作用によって、連動して動き、それらの間の相対的な移動がない状態で、互いに接続される。例えば、互いに直接的に取り付けられていてもよい。あるいは、ミラーハウジング(5)およびミラーペイン(6)は、第2中間結合部材(17)によって結合されてもよい。この場合、第2アクチュエータ(13)の可動部品(13b)への取り付けは、次の手段によって実現することができる:ミラーハウジング(5)、第2中間結合部材(17)、またはミラーペイン(6)。1例として、
図2Bでは、第2アクチュエータ(13)の可動部品(13b)への取り付けは、第2中間結合部材(17)を介して行われる。
【0053】
ミラーハウジング(5)およびミラーペイン(6)が一緒に移動しない代替実施形態では、次に、ミラーハウジング(5)は、ブラケット(11)に、または第2アクチュエータ(13)の固定部品(13a)に結合され、ミラーペイン(6)は、第2アクチュエータ(13)の可動コンポーネント(13b)に結合される。
【0054】
可動部(3)には、少なくとも1つの電気・電子部品、例えば
図3A、
図3Bに示す実施形態の場合のように少なくとも1つのカメラ(14)、2つのカメラ、または、照明装置が取り付けられる。あるいは、電気・電子部品は、ミラーヘッド(4)内または同じブラケット(11)上にも設けられる。
【0055】
カメラ(14)または電気・電子部品を可動部(3)またはブラケット(11)に配置することで、カメラ(14)または電気・電子部品がミラーヘッド(4)と共に、破損しにくい駐車位置まで移動するので、アセンブリの安全性が向上するが、同時に、ミラーペイン(6)がミラーハウジング(5)と連動して移動する場合に、カメラ(14)または電気・電子部品が第1アクチュエータ(12)の作用に従ってのみ移動し、ミラーペイン(6)の位置を調整する第2アクチュエータ(13)の作用に従って移動しないために、ミラーペイン(6)の位置を調整する必要がある場合に、カメラ(14)または電気・電子部品の適切な作業位置が運転位置で変化しないことが達成される。
【0056】
ブラケット(11)には、動作に電力および制御信号を必要とするミラーヘッド(4)内の第2アクチュエータ(13)および他の電気デバイスの電気接続のために、可動部(3)からミラーヘッド(4)への配線を通すための内部チャネルを設けることができる。この内部通路は、ミラーヘッドの内部または可動部の内部への水または埃の侵入を避けるために周囲から隔離することができ、このことは、アセンブリがミラーヘッドと可動部との間に隙間を設けている実施形態において特に有利であり、その場合、隙間にあるブラケットの部分は、可動部またはミラーハウジングによって保護されていないためである。
【0057】
ブラケット(11)には、特に可動部(3)がミラーヘッド(4)の内部にある実施形態において、ブラケット(11)に沿って配線を固定するための固定手段を設けることができる。
【0058】
ブラケット(11)は、第2アクチュエータ(13)の作用によりミラーヘッド(4)が移動し得る場合、または、第1アクチュエータ(12)の作用によりミラーヘッド(4)および可動部(3)と共に移動する場合、移動しない要素であるので、ブラケット(11)に配線を固定したり、ブラケット(11)に配線を通すことで、配線がミラーヘッド(4)または可動部(3)にねじれたり引っかかるのを防ぐことができる。
【0059】
ブラケット(11)は、重いミラーヘッドを支持する必要がある場合、または、高速車両のようにミラーヘッドが強い空気力に耐える必要がある場合には、アルミニウム、アルミニウム合金、その他の適切な軽金属または軽金属合金などの金属材料から作ることができる。他の場合、ブラケット(11)は、適切なプラスチック材料で作ることができる。
【0060】
本発明の他の好ましい実施形態は、添付の従属請求項およびそれらの請求項の複数の組み合わせに記載されている。
【外国語明細書】