(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129398
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】潮力エネルギーを利用したハイブリッド発電システム
(51)【国際特許分類】
F03B 13/26 20060101AFI20230907BHJP
【FI】
F03B13/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023033953
(22)【出願日】2023-03-06
(31)【優先権主張番号】63/316,544
(32)【優先日】2022-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】523081580
【氏名又は名称】ラヒブ, ムスバフ アリ
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ラヒブ, ムスバフ アリ
【テーマコード(参考)】
3H074
【Fターム(参考)】
3H074AA06
3H074AA12
3H074BB11
3H074CC02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】1つまたは複数のタンクを有するプラットフォームを使用して潮力エネルギーから発電するためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1つの垂直ギヤによって支持されたタンクを備え、タンクが、少なくとも1つの垂直ギヤと共に上方向および下方向に移動し、タンクが、潮汐の垂直移動に基づいて移動する、潮汐電力を生成するためのシステム。少なくとも1つの円形ギヤが、少なくとも1つの垂直ギヤが上方向および下方向に移動するときに少なくとも1つの円形ギヤが回転するように、少なくとも1つの垂直ギヤに結合される。シャフトが、少なくとも1つの円形ギヤが回転するときにシャフトが回転するように、少なくとも1つの円形ギヤに接続される。ダイナモが、シャフトの回転が発電のためにダイナモに伝達されるように、シャフトに取り付けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの垂直ギヤによって支持されたタンクであって、前記少なくとも1つの垂直ギヤと共に上方向および下方向に移動し、前記タンクを持ち上げる、および下降させる潮汐の垂直移動に基づいて移動する、タンクと、
前記少なくとも1つの垂直ギヤに結合された少なくとも1つの円形ギヤであって、前記少なくとも1つの垂直ギヤが上方向および下方向に移動するときに回転する、少なくとも1つの円形ギヤと、
前記少なくとも1つの円形ギヤに接続されたシャフトであって、前記少なくとも1つの円形ギヤが回転するときに回転する、シャフトと、
前記シャフトに取り付けられたダイナモであって、前記シャフトの回転が発電のために前記ダイナモに伝達される、ダイナモと
を備える、潮汐電力を生成するためのハイブリッドシステム。
【請求項2】
前記タンクの底部にフロアキャビティをさらに備え、
前記フロアキャビティが、開いて、水を前記タンクに満たす、または空にすることを可能にするように構成され、
前記フロアキャビティが、閉じて、前記タンク内の水を保持するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記タンクおよび前記垂直ギヤに結合されたヒンジをさらに備え、前記ヒンジが、前記ヒンジが確実に係合しているときに前記タンクの枢動移動を防止し、前記ヒンジが確実に係合していないときに前記タンクの前記枢動移動を許容するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
第2の組の平行摺動軌道の上に配置され、前記第2の組の平行摺動軌道に垂直な第1の組の平行摺動軌道をさらに備え、
前記第1の平行摺動軌道が、前記タンクの第1の水平方向の移動を許容するように構成され、
前記第2の組の平行摺動軌道が、前記タンクの第2の水平方向の移動を許容するように構成される、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
ボールジョイントと、
ロックと
をさらに備え、
前記ロックが、前記ロックがロック解除位置にあるときに前記ボールジョイントが前記タンクを枢動させることを許容し、
前記ロックが、前記ロックがロック位置にあるときに前記ボールジョイントが前記タンクを枢動させるのを阻止する、
請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記ヒンジの上部と、
前記ヒンジの下部と、
前記ヒンジの上部と前記ヒンジの下部との間の隙間と
をさらに備え、
前記ロック解除位置では、前記ボールジョイントが前記隙間内で枢動することができるように、前記ロックが前記ヒンジの前記上部と一体になって上昇され、
前記ロック位置では、前記ボールジョイントが前記隙間内で枢動することができないように、前記ロックが、前記ヒンジの前記上部と前記ヒンジの前記下部との間の前記隙間を閉鎖するように落下する、
請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記ロックが水より下にあるとき、前記ロックがロック解除位置まで上昇し、前記ロックが水より上にあるとき、前記ロックがロック位置まで落下するように、前記ロックが浮力材料を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
動作の第1の部分では、前記ロックが水より下かつ前記ロック解除位置にあり、前記フロアキャビティが閉鎖されており、前記タンクが前記少なくとも1つの垂直ギヤ上を上昇しており、
動作の第2の部分では、前記ロックが水より下かつ前記ロック解除位置にあり、前記フロアキャビティが開放されており、前記タンクが前記少なくとも1つの垂直ギヤ上の高い地点にあり、
動作の第3の部分では、前記ロックが水より上かつ前記ロック位置にあり、前記フロアキャビティが閉鎖されており、前記タンクが前記少なくとも1つの垂直ギヤ上を下降しており、
動作の第4の部分では、前記ロックが水より下かつ前記ロック解除位置にあり、前記フロアキャビティが開放されており、前記タンクが前記少なくとも1つの垂直ギヤ上の低い地点にある、
請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の水平方向における前記タンクの前記移動および前記第2の水平方向における前記タンクの前記移動が、発電するために利用され得る、請求項4に記載のシステム。
【請求項10】
前記タンクの上面に配置された太陽パネルをさらに備え、
前記太陽パネルが、前記ダイナモとは別個に発電するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
潮汐電力を生成する方法であって、
タンクを上方向および下方向に移動させることであって、前記タンクが、少なくとも1つの垂直ギヤに結合され、前記少なくとも1つの垂直ギヤが、前記タンクと共に移動するように構成され、前記タンクが、潮汐の垂直移動に基づいて移動する、タンクを上方向および下方向に移動させることと、
少なくとも1つの円形ギヤを回転させることであって、前記少なくとも1つの円形ギヤが、前記少なくとも1つの垂直ギヤが前記上方向に上昇するときに前記少なくとも1つの円形ギヤが回転するように構成される、少なくとも1つの円形ギヤを回転させることと、
少なくとも1つのシャフトをスピンさせることであって、前記少なくとも1つのシャフトが、前記少なくとも1つの円形ギヤが回転するときに前記少なくとも1つのシャフトがスピンするように前記少なくとも1つの円形ギヤに接続される、少なくとも1つのシャフトをスピンさせることと、
前記少なくとも1つのシャフトの回転をダイナモに伝達することであって、前記ダイナモが、前記少なくとも1つのシャフトの回転移動から発電するように構成される、前記少なくとも1つのシャフトの回転をダイナモに伝達することと
を含む方法。
【請求項12】
前記タンクの垂直位置に基づいて前記フロアキャビティを開放および閉鎖するように構成することと、
前記タンクが前記潮汐のピーク高さに達したときに、前記フロアキャビティを開放することと、
前記タンクが満水になると、前記フロアキャビティを閉鎖することと、
前記タンクが前記潮汐の低い高さに達したときに、前記フロアキャビティを開放することと、
前記タンクの水が空になると、前記フロアキャビティを閉鎖することと
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ヒンジを前記タンクおよび前記少なくとも1つの垂直ギヤに結合することと、
前記ヒンジを確実に係合させて前記タンクの枢動移動を防止することと
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
ロック解除位置において、前記ヒンジの上部と前記ヒンジの下部との間の隙間内でボールジョイントを枢動させることと、
ロックが、ロック位置において、前記ヒンジの前記上部と前記ヒンジの前記下部との間の隙間内でボールジョイントが枢動することを阻止するように、前記隙間を前記ロックで閉鎖することと
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
第1の組の平行摺動軌道が、前記タンクが第1の水平方向に摺動することを許容することができ、第2の組の平行摺動軌道が、前記タンクが第2の水平方向に摺動することを許容することができるように、前記第2の組の平行軌道の上に、かつ前記第2の組の平行軌道に垂直に前記第1の組の平行軌道を配置することと、
前記タンクの前記第1の水平方向の摺動および前記タンクの前記第2の水平方向の摺動から発電することと
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記潮汐による前記タンクの垂直移動と同時に、波による前記タンクの垂直移動によって電力が生成されるように、前記波の動きと共に前記タンクを上昇させ、前記タンクを下降させることをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
単一の動作サイクルの前半の間に、前記潮汐と共に上昇するように構成された前記タンクを、前記潮汐のピーク高さまで上昇させることと、
単一の動作サイクルの後半の間に、前記潮汐よりも遅い速度で下降するように構成された前記タンクを、前記潮汐の低い高さまで下降させることと
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記フロアキャビティが開いて前記タンク内への水の流入を可能にするように、前記潮汐のピーク高さに到達し、前記タンク内の弁を開放することと、
前記フロアキャビティが開いて前記タンクから水を空にするのを可能にするように、前記潮汐の前記低い高さに到達し、前記タンク内の弁を開放することと
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記タンクが前記潮汐よりも遅い速度で下降しているときに前記ヒンジが前記ロック位置にあるように、前記ヒンジが水より上にあるときにロックを落下させることをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記タンクが浮遊しているとき、および前記潮汐と共に上昇しているときに、前記ヒンジが前記ロック解除位置にあるように、前記ヒンジが水中にあるときにロックを上昇させることをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年3月4日に出願された米国仮特許出願第63/316,544号の利益を主張し、その開示は、参照によりその全体が本明細書に完全に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、1つまたは複数のプラットフォームを使用して潮力エネルギーから発電する海上のハイブリッド発電システムに関する。
【背景技術】
【0003】
気候変動および再生不可能な資源の減少に関連する問題が増加するにつれて、クリーンな電気および再生可能な燃料に対する世界的な需要が増加し続けている。太陽電力および風力は、他の様々な供給源の中でも、持続可能なエネルギーを生成するために利用されていることが知られている。
【0004】
海水は地球の表面の約70%を占め、陸上のエネルギー源と比較して膨大な資源を提供する。さらに、水は空気よりも密度が高いため、潮力エネルギーは風力エネルギーよりも強力である可能性がある。さらに、潮力エネルギーは、一般に、風力または太陽エネルギーよりも予測可能で一貫しており、潮力エネルギーを、追い求めるべき重要な再生可能エネルギー源にしている。
【0005】
潮力エネルギーは、潮汐の上昇および下降中の海洋水のサージによって生成される。高潮汐と低潮汐との間の波高の差が大きい場合、潮汐の動きによって電気が生成され得る。
【0006】
潮力エネルギーから発電する公知のシステムは、少なくとも潮汐流、堰、および潮汐ラグーンを含む。潮汐流または水の急速な流れにおいて、タービンを水中に配置してエネルギーを生成することができる。安定性および信頼性があるが、タービン機械は、潮汐流を破壊する可能性があり、浅水域で効果的であり得る。堰によってダムを使用して水を貯め、次いでタービンを介して水を一度に放出して電気エネルギーを生成する。ダムの使用は、発電機を取り囲む環境を著しく破壊し、土地、水流、ならびに植物および動物の生命に影響を及ぼす可能性がある。堰と同様に、潮汐ラグーンは、天然または人工の障壁によって構築され得る水のプールである。潮汐ラグーンは、典型的には、堰よりも環境の破壊が少ないが、そのエネルギー出力は一般に低く、完全に機能する発電機システムは成功しない可能性がある。
【0007】
潮力エネルギー利用のための公知のシステムは、障害物に直面し、海岸の広い領域を占有する施設の必要性を含む条件を必要とする場合があり、これは、環境に悪影響を及ぼし、都市および地域から貴重な海岸を奪う可能性がある。さらに、これらの施設は、ダムによって保持される水量を収容するために、海岸に隣接する土地の地形および水平面の追加の適応を必要とする場合がある。
【0008】
したがって、陸上または海上で利用され得る潮汐の動きに基づく改善された発電システムが必要とされている。
【発明の概要】
【0009】
本開示は、1つまたは複数のタンクを有するプラットフォームを使用して潮力エネルギーから発電するためのシステムおよび方法に関する。
【0010】
一態様によれば、潮汐電力を生成するためのシステムは、少なくとも1つの垂直ギヤによって支持されたタンクを備え、タンクは、少なくとも1つの垂直ギヤと共に上方向および下方向に移動し、タンクは、潮汐の垂直移動に基づいて移動する。少なくとも1つの円形ギヤが、少なくとも1つの垂直ギヤが上方向および下方向に移動するときに少なくとも1つの円形ギヤが回転するように、少なくとも1つの垂直ギヤに結合される。シャフトが、少なくとも1つの円形ギヤが回転するときにシャフトが回転するように、少なくとも1つの円形ギヤに接続される。ダイナモが、シャフトの回転が発電のためにダイナモに伝達されるように、シャフトに取り付けられる。
【0011】
別の態様によれば、潮汐電力を生成する方法は、タンクを上方向および下方向に移動させることであって、タンクは、少なくとも1つの垂直ギヤによって支持されるように構成され、少なくとも1つの垂直ギヤは、タンクと共に移動するように構成され、タンクは、潮汐の垂直移動に基づいて移動する、タンクを上方向および下方向に移動させることと、少なくとも1つの円形ギヤを回転させることであって、少なくとも1つの円形ギヤは、少なくとも1つの垂直ギヤが上方向に上昇するときに少なくとも1つの円形ギヤが回転するように構成される、少なくとも1つの円形ギヤを回転させることと、少なくとも1つのシャフトをスピンさせることであって、少なくとも1つのシャフトは、少なくとも1つの円形ギヤが回転するときに少なくとも1つのシャフトがスピンするように少なくとも1つの円形ギヤに接続される、少なくとも1つのシャフトをスピンさせることと、少なくとも1つのシャフトの回転をダイナモに伝達することであって、ダイナモは、少なくとも1つのシャフトの回転移動から発電するように構成される、少なくとも1つのシャフトの回転をダイナモに伝達することとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】ハイブリッド発電システムに関連して使用されるプラットフォームを全体的に示す概略側面図である。
【
図2】ハイブリッド発電システムに関連して使用される複数のプラットフォームのシステムを全体的に示す概略上面図である。
【
図3】プラットフォームに関連して使用されるシャフトと、ダイナモに関連して使用される受けシャフトとの間の接続を概略的に示す概略上面拡大図である。
【
図4】ハイブリッド発電システムに関連して使用されるプラットフォームを全体的に示す斜視図である。
【
図5】ハイブリッド発電システムに関連して使用されるプラットフォームを全体的に示す側面図である。
【
図6A】ロック解除位置にあるハイブリッド発電システムに関連して使用されるヒンジを全体的に示す概略図である。
【
図6B】ロック位置にあるハイブリッド発電システムに関連して使用されるヒンジを全体的に示す概略図である。
【
図7A】ロック位置にあるハイブリッド発電システムに関連して使用されるヒンジを全体的に示す概略正面図である。
【
図7B】ロック解除位置にあるハイブリッド発電システムに関連して使用されるヒンジを全体的に示す概略正面図である。
【
図7C】ロック位置にあるハイブリッド発電システムに関連して使用されるヒンジを全体的に示す概略側面図である。
【
図8】ハイブリッド発電システムに関連して使用されるフロアキャビティの弁を全体的に示す概略図である。
【
図9】上昇および下降潮汐に関連して使用されるハイブリッド発電システムの動作ステップを全体的に示すフローチャートである。
【
図10】上昇および下降潮汐に関連して使用されるハイブリッド発電システムの動作ステップを全体的に示すチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、以下の説明および図面を参照して、開示されたシステムおよび方法に対する例示的な手法を詳細に説明する。図面はいくつかの可能な手法を表すが、図面は必ずしも縮尺通りではなく、特定の特徴は、本開示をよりよく例示し説明するために誇張、除去、または部分的に切断され得る。さらに、本明細書に記載の説明は、網羅的であること、そうでなければ特許請求の範囲を図面に示され、以下の詳細な説明に開示される正確な形態および構成に限定または制限することを意図するものではない。
【0014】
本開示は、一般に、1つまたは複数のプラットフォームを使用して潮力エネルギーから発電する海上のハイブリッド発電システムに関する。例示的な発電機システムは、海水の潮汐と共に移動するように構成されたタンクを含むことができる。タンクは、少なくとも1つの垂直ギヤの上に配置することができ、これはさらに、潮汐と共に垂直に移動することができる。発電機システムはまた、円形ギヤが垂直ギヤの垂直移動と共に回転するように構成されるように、垂直ギヤの各側に接続された一組の円形ギヤを含むことができる。円形ギヤの回転移動は、シャフトを介してダイナモに伝達され、持続可能な発電源を提供することができる。
【0015】
図面を参照すると、
図1は、ハイブリッド発電システムに関連して使用されるプラットフォーム100の概略側面図である。プラットフォーム100は、海の潮汐によって上昇および下降するように構成されたタンク102を含み、タンクはフロアキャビティ104およびベント126を有する。図示の例は、単一のプラットフォーム100に単一のタンク102を有するものであるが、複数のタンク102が単一のプラットフォーム100に含まれてもよく、または
図2に示すようにより大きなシステムを作るために複数のプラットフォーム100が接続されてもよいことを理解されたい。
【0016】
タンク102は、一般に正方形の形状であり、底部、側壁および上面を有する箱として構成される。タンク102の底部は、開放および閉鎖可能なフロアキャビティ104を含み、フロアキャビティ104内の弁106の開放および閉鎖に基づいて水がタンク102に流入および流出することができる。すなわち、フロアキャビティ104は、弁106を含み、タンク102が潮汐の上昇および下降によって上方または下方に移動するとき、弁106は、タンク102の内部または外部の水を保持するように閉鎖されたままである。以下でより詳細に説明するように、タンク102が潮汐のピーク高さに達すると、弁106が開き、水がフロアキャビティ104を通ってタンク102に入ることを可能にする。潮汐が後退し、タンク102が満水のままであるとき、タンク102内に収容された水の重量は、ダイナモ116を駆動してそこから電気エネルギーを抽出するための重力または位置エネルギーとして使用される。
【0017】
プラットフォーム100はまた、重力エネルギーが消費されると、タンク102が低潮汐時の水位付近に達し、次いでタンク102が空になり、その結果、次の周期の潮汐の間、空になったタンク102が一般に浮力となり、上方に浮上して発電するように、ならびに、上昇する潮汐の場合、高潮汐に近いときのみタンク102が満たされ、この時点で周期が繰り返され、潮汐が後退するとき、水で荷重されたタンク102の下方移動の間に発電が再開するように動作する。開示されたシステムはまた、後述されるロック機構を含み、ロック機構は、上昇する潮汐の場合にタンク102が係合されているときにスロッシング、枢動、および軸方向移動が起こることを可能にするが、発電中にタンクが満杯になったときに転覆を防止するために所定の位置にロックする。
【0018】
タンク102は、少なくとも1つのヒンジ122点を含み、そのうちの2つは
図1に見ることができ、タンク102の底部の各角に4つのヒンジ122を有するものとして示されている。ヒンジ122は、タンク102を垂直ギヤ110に結合する。ヒンジ122は、
図6Aおよび
図6Bならびに
図7A~
図7Cに示すように、ロック解除時にタンク102の摺動および枢動移動を可能にする、またはロック時に枢動移動を阻止する平行軌道、ボールジョイントおよびロックを含む。
【0019】
ヒンジ122に接続されているのは、垂直ギヤ110の少なくとも1つであり、好ましくは、タンク102の各角に1つのヒンジ122および垂直ギヤ110が含まれる。垂直ギヤ110は、潮汐が上昇および後退するときにタンク102と共に上昇および下降するように構成されており、垂直ギヤ110はタンク102の垂直移動と共に移動する。少なくとも一対の円形ギヤ112,114は、第1の円形ギヤ112が垂直ギヤ110の一方の側に配置され、第2の円形ギヤ114が第1の円形ギヤ112とは反対側の垂直ギヤ110の第2の側に配置されるように、各垂直ギヤ110上に配置される。垂直ギヤ110は、垂直ギヤ110がタンク102の移動と共に上方または下方に移動するにつれて、垂直ギヤ110の垂直移動が第1および第2の円形ギヤ112を回転させるように、第1の円形ギヤ112と第2の円形ギヤ114との間に配置される。一例では、円形ギヤ112,114の一方のみがギヤとして含まれ、他方は、垂直ギヤ110の他方の側から加えられる圧力に耐えることができる単純で滑らかな回転要素であってもよい。
【0020】
図示の例では、垂直ギヤ110が上方向に移動するとき、第1の円形ギヤ112は、第1のシャフト118が第1の円形ギヤ112によって時計回りに回転するように、第1のシャフト118と係合する。同時に、第2の円形ギヤ114は、第2のシャフト120と係合することなく受動的に回転する。垂直ギヤ110が下方向に移動するとき、第2の円形ギヤ114は、第2のシャフト120が第2の円形ギヤ114によって反時計回りに回転するように、第2のシャフト120と係合する。同時に、第1の円形ギヤ112は、第1のシャフト118と係合することなく受動的に回転する。これは、垂直ギヤ110が上方向に移動する間、第1の円形ギヤ112と第1のシャフト118とが係合するためである。第2の円形ギヤ114と第2のシャフト120とは、垂直ギヤ110が下方向に移動する間、係合する。第1のシャフト118および第2のシャフト120は、シャフト118,120の回転をメインシャフト220に伝達し、これは次に、ダイナモ116に伝達される。メインシャフト220は、シャフト118,120,220の回転移動を電力に伝達するのを助けるためのトランスミッションボックスおよび速度コントローラを含むことができる。
【0021】
垂直ギヤ110は、垂直ギヤホルダ134によって所定の位置に保持される。垂直ギヤホルダ134は、垂直ギヤ110を取り囲む一組の円形ギヤとして示されている。しかしながら、垂直ギヤ110を所定の位置に保持し、垂直ギヤ110が上方および下方に移動することを可能にするために、他の垂直ギヤホルダ134が構成され得ることに留意されたい。また、垂直ギヤホルダ134自体をそれ自体のそれぞれのシャフトおよびダイナモに取り付けてもよいことが企図され、電力を抽出するためのさらに追加の選択肢および構成を提供する。垂直ギヤ110の、タンク102と反対側の一端には、垂直ギヤロック130がある。垂直ギヤロック130は、垂直ギヤ110が上方に移動するときに、垂直ギヤロック130が垂直ギヤホルダ134で停止してさらなる上方移動を防止するように、垂直ギヤホルダ134より下に配置される。垂直ギヤホルダ134は、垂直ギヤベース132に取り付けられている。垂直ギヤベース132は、安定性を高めるために断面が三角形のベースとして示されている。垂直ギヤベース132はさらに、任意選択的に、海底に配置されたプラットフォームベース128に固定される。
【0022】
タンク102の上面124には、コントローラ117が配置されている。コントローラ117は、プラットフォームに対する動作制御を提供するために外部ネットワークと通信する。コントローラ117は、外部ネットワークにデータをアップロードし、外部ネットワークと通信してもよい。コントローラ117は、動作を監視し、システムの手動動作を提供する。コントローラ117は、潮汐が後退し始めると、垂直ギヤロック130を選択的に動作させてタンク102を高い地点に保持し、潮汐がタンク102より下に下がるまで発電を延期する。コントローラ117は、フロアキャビティ104内の弁106を開放および閉鎖するのを助けるように構成される。コントローラ117は、外部ネットワークと通信して、オペレータからの手動動作に基づいて、潮汐スケジュールに従ってプログラムされたタイマーによって、および/またはコントローラ117に接続されたセンサ119と連動して、弁106の開放および閉鎖などの制御を提供することができる。例えば、センサ119は、タンク102がピークおよび低潮汐高さに達するときを示すためにレーザビームを利用する既知の従来のセンサであってもよい。センサ119は、さらに、タンク102のフロアキャビティ104における電気フロートレベル送信機またはフロートボールであってもよい。
【0023】
ここで
図2を参照し、
図1と概して相関すると、複数のプラットフォーム102を含むことができるが、少なくとも1つのプラットフォーム102を含むハイブリッド発電システム200の上面図が示されている。図示の例では、ハイブリッド発電システム200は4つのプラットフォーム100を含み、各プラットフォーム100は1つのタンク102を含む。各タンク102は、各タンク102の各角に取り付けられた垂直ギヤ110を含む。4つの垂直ギヤ110の各々は、第1の円形ギヤ112と、第2の円形ギヤ114とを含む。第1の円形ギヤ112は、第1のシャフト118が第1の円形ギヤ112の中心を通って配置されるように第1のシャフト118に取り付けられている。第2の円形ギヤ114は、第2のシャフト120が第2の円形ギヤ114の中心を通って配置されるように第2のシャフト120に取り付けられている。第1のシャフト118および第2のシャフト120は、シャフト118,120が複数対の第1および第2の円形ギヤ112,114に接続されるように配置される。第1のシャフト118および第2のシャフト120は、互いに平行に延びている。システム200は、システム200で使用されるプラットフォーム102のサイズおよび数に応じて、追加の第1のシャフト118および第2のシャフト120を有してもよい。例えば、プラットフォーム100の各列は、二対の第1のシャフト118および第2のシャフト120を含む。第1の列のプラットフォーム100は、プラットフォーム100の第1の側の垂直ギヤ110と係合する第1の対のシャフト118,120を含む。第2の対のシャフト118’,120’は、プラットフォーム100の第2の側の垂直ギヤ110’と係合する。複数の第1のシャフト118および第2のシャフト120は、シャフト118,120が受けシャフト220と接続するように配置される。
【0024】
図3は、受けシャフト220と接続する第1のシャフト118および第2のシャフト120の拡大図を示す。第1のシャフト118は、第1のシャフト118からの回転移動が第1の差動装置204を介して受けシャフト220に伝達されるように、第1の差動装置204において受けシャフト220と接続する。第1の差動装置204は、第1のシャフト118の軸から受けシャフト220の軸に移動を伝達するように回転する少なくとも2つのギヤを含むギヤのユニットである。第2のシャフト120は、第2のシャフト120からの回転移動が第2の差動装置206を介して受けシャフト220に伝達されるように、第2の差動装置206において受けシャフト220と接続する。第2の差動装置206は、第2のシャフト120の軸から受けシャフト220の軸に移動を伝達するために回転する少なくとも2つのギヤを含むギヤのユニットである。したがって、複数の第1のシャフト118および第2のシャフト120からの回転移動は、受けシャフト220に伝達される。受けシャフト220は、
図2に示すように、ダイナモ116の入力車軸である。受けシャフト220からの回転移動はダイナモ116に入力され、ダイナモ116は、機械的回転を、発電に利用することができるパルス直流に変換する。
【0025】
図4は、ハイブリッド発電システム200に関連して使用されるタンク102を含むプラットフォーム100の斜視図を示す。タンク102は、正方形のチャンバであるが、様々な形状およびサイズを使用することができる。タンク102の底部は、システム200の異なる動作点で開放および閉鎖するように構成されたフロアキャビティ104を含む。タンク102は、ヒンジ122を介してタンク102の各角で垂直ギヤ110の上に支持される。各垂直ギヤ110は、第1の円形ギヤ112と第2の円形ギヤ114との間を通過する。円形ギヤ112,114は、垂直ギヤ110が円形ギヤ112,114の間で上方および下方に移動するときに回転する。円形ギヤ112,114の移動は、シャフト118,120の組を介して発電のためにダイナモ116に伝達される。各タンク102は、二組のシャフト118,120を含む。第1の対の第1のシャフト118および第2のシャフト120は、タンク102の第1の側を共有する2つの垂直ギヤ110のための円形ギヤ112,114に接続されている。第2の対の第1のシャフト118’および第2のシャフト120’は、タンク102の第1の側とは反対側の第2の側を共有する2つの垂直ギヤ110’のための円形ギヤ112’,114’に接続されている。
【0026】
ここで
図5を参照すると、タンク102は、ベント126が貫通する上面124を含むことができる。ベント126は、フロアキャビティ104の動作中に水がタンク102に流入または流出するときに水の吸引またはうなりを回避するために、タンク102を満たす、および空にする間に空気抜きを提供する。ベント126がない場合、水がタンク102に流入または流出するとき、空気は一般に、タンク102の底部から出ることによって移動されなければならない。したがって、ベント126は、タンク102の下側を介して水を移動させる必要なく空気が流入および流出する機会を提供する。タンク表面124は、さらなる機構のために利用され得る自由空間および自由プラットフォームを提供する。例えば、図示のように、タンク表面124は、追加の電気エネルギーを生成する太陽パネル400を設置するために利用することができる。太陽パネル400を設置することにより、プラットフォーム100が、需要、要件および気象条件に従って、同時に、または別々の時間に複数の供給源からエネルギーを生成することが可能になる。
【0027】
ここで
図6Aおよび
図6Bを参照すると、ヒンジ122の拡大図がロック解除位置およびロック位置で示されており、
図6Aはロック解除位置にある。ロックが解除されると、ヒンジ122は、タンク102が波の動きと共に揺動および枢動することを可能にし、タンク102および他の構成要素に損傷が生じるのを防止する。しかしながら、揺動は、平行軌道500,502によって可能になり、枢動は、ボールジョイント504によって可能になる。したがって、揺動は、前後および左右の直線方向で生じることができ、ヒンジ122上の第1の組の摺動軌道500(左右)および第1の組の軌道500に直交する第2の組の摺動軌道502(前後移動)を介して可能になる。したがって、直交する摺動軌道の第1の組500および第2の組502は、タンク102が水面に浮遊しているときに、タンク102が平面内で、かつタンク102の垂直移動に直交する任意の方向にまとまって移動することを可能にする。摺動軌道500,502によって可能にされる移動は、波がタンク102の中および上に衝突するのではなく、むしろ波と共にタンク102が揺動するように、タンク102が波と共に移動する自由を提供する。摺動軌道500,502による移動はまた、タンク102がいくつかの形態の発電を有するハイブリッドシステムであるように、発電するために使用されてもよい。
【0028】
タンク102の枢動またはスロッシングは、ボールジョイント504によって可能になる。ボールジョイント504は、ジョイント504がヒンジ122の下部512からヒンジ122の上部510の丸い開口部内に延びるように配置される。ヒンジの上部510は、丸い開口部内のボールジョイント504を中心に枢動することができる。しかしながら、ボールジョイント504がタンク102および上部510を傾斜させること(およびタンク102を激しく傾斜させることによってタンク102を損傷させる、または水を失う可能性があること)を防止するために、ヒンジ122には、タンク102が水中にあるときに衝突または傾斜が生じることを可能にし、タンク102が水中にないときに衝突を低減することを可能にするロックまたはロック機構が設けられている。
【0029】
ロック解除位置では、上部510はボールジョイント504上で自由に枢動することができる。ロック506は、例では、ポリスチレン発泡体または別の浮力材料で作製され、ヒンジ122に対するその位置に基づいて上方および下方に移動することができる。一例では、上部510および下部512は円錐形形状であり、ロック506が上昇位置で上部510の周りを浮遊し、下降位置で下部512のより広い表面の周りに落下することを可能にする。したがって、水位がヒンジ122より上にあるとき、ロック506は上方に浮上し、上部510を取り囲む。隙間514は、上部510が下部512に接触することなく、ボールジョイント504上の上部510の移動を可能にする。ロック506は、水中でのその浮力のために浮遊するので、上昇位置に留まる。
【0030】
水位がヒンジ122より下に下がると、ロック506は重力により下降位置に落下する。ロック506は、ヒンジ122の上部510および下部512の両方を同時に取り囲むような位置まで下降する。上部510および下部512の円錐形形状は、ロック506を上部510および下部512の外面に密接させ、ボールジョイント504上の上部510の枢動移動を最小化または制限する。これにより、ロック506は、上部510および下部512の円錐形形状により隙間513のサイズが縮小するために、および上部512がボールジョイント504上で枢動するのを阻止するように上部510が下部512に対してある位置にロックされるために、ボールジョイント504の移動を低減する。
【0031】
ロック506は、ロックストッパ508によって、隙間514および下部512より下に下降することが阻止される。ストッパ508は、ロック506が上部510、隙間514および下部512を同時に覆うが、水位がヒンジ122より下にあるときにそれ以上下降しないような位置まで降りることができるように、下部512の頂部の直下に配置される。図示の例では、ロック機構は円筒形形状の係合を含み、ギヤレスであるが、追加のロック機構を利用することができる。例えば、ロック506は、ロック506がより低い位置にあるときに内側ギヤと外側ギヤとが嵌合するようなギヤ構造に結合されてもよく、内側ギヤおよび外側ギヤは、ロック506が係合しているときにヒンジ122の回転または揺動移動を防止する。
【0032】
ここで
図7A~
図7Cを参照すると、ロック506の動作を示すためにヒンジ122が示されている。
図7Aに示すように、ヒンジ122はロック位置にあり、ロック506の内側を示している。ロック506は下方位置にあり、ヒンジ122が水位(図示せず)より上にあり、ロック506が浮遊していないが水面より上にあるので、重力によりロックストッパ508の上に載っている。ロック506は、上部510および下部512を取り囲み、このような上部510は、下部512に対してボールジョイント504上で枢動することができない。上部510および下部512の円錐形形状は、ロック506が下方位置に降下して枢動移動を防止することを可能にする。
【0033】
図7Bは、ロック解除位置にあるヒンジ122を示す。
図7Bは、
図7Aの図から90度オフセットした図をさらに示す。ロック506は、上部510と略一体になって、上昇位置にある。ロック506は、ロック506の浮力により上方位置にあり、水位(図示せず)がロック506を上昇させる。ヒンジ122は水位より下にあり、したがってロック506がその上昇位置に浮上するのでロック解除位置にある。ロック506は、平行摺動軌道502より上に浮上することが防止され、ロック506は上部510と整列したまま保たれる。隙間514が露出し、上部510がボールジョイント504の上で枢動することを可能にする。
【0034】
図7Cは、ロック位置にある水(図示せず)より上のヒンジ122を外観図で示す。図示のように、ロック506は、重力によりロックストッパ512の上に配置され、ロック位置において水位より上にある。ロック506は、ロック506が下部512、隙間514および上部510を覆うように、ロックストッパ512の上に着座する。ロック506は、上部510がボールジョイント504上で枢動するのを防止し、上部510が下部512および隙間514に対して移動するのを防止する。
【0035】
図8は、タンク102の底面のフロアキャビティ104内の弁106を示す。図示の例では、弁106は、弁106を開放および閉鎖するためのデュアルボール機構である。弁106が閉鎖されたときにボール800がフロアキャビティ104を封鎖することができるように、フロアキャビティ104よりも大きい直径を有する重い内部ボール800がタンク102の内側にある。内部ボール800は、ボールアーム808を介してボールリフタ810に取り付けられている。ボールリフタ810は、一例では、傾斜したタンク102の底部を移動するホイールであってもよい。内部ボール800は、ボール接続部804を介して外部ボール802にさらに接続されている。内部ボール800は、十分な移動のために接続部に可撓性を提供するように、可撓性ジョイント806を介してボール接続部804に取り付けられている。ボール接続部804は、タンク102の内側からフロアキャビティ104を通ってタンク102の外側に延びる細いロッドである。外部ボール802は、内部ボール800と反対側のボール接続部804の端部に、第2の可撓性ジョイント806を介して取り付けられている。ボール接続部804は、内部ボール800が上方または下方に移動することを可能にし、外部ボール802を内部ボール800の移動に追従させ、逆もまた同様である。外部ボール802は、同様に、フロアキャビティ104に押し付けられたときに封鎖体として作用するようにフロアキャビティ104よりも大きい直径を有する。ゴムアンカー812をフロアキャビティ104内に配置して、閉鎖位置にあるときに外部ボール802および内部ボール804がフロアキャビティ104の封鎖体に当接して密接するための位置を提供することができる。
【0036】
タンク102は、弁806が閉鎖され、外部ボール802がタンク102に水が流入するのを防止するように、外部ボール802がゴムアンカー812に押し付けられた状態で、空になり始める。タンク102は水面で支持され、潮汐によって持ち上げられ、波によって揺動する。タンク102が潮汐のピーク高さに達したとき、弁106が開き、タンク102に水を満たす。弁106は、外部ボール802が、外部ボール802も内部ボール800もゴムアンカー812に当接して配置されていない中間位置まで下降したときに開き、フロアキャビティ104内の弁106が開放状態で、水がタンク102に流入することを可能にする。タンク102が満水になったとき、重い内部ボール800が下降してゴムアンカー812にしっかりと着座し、フロアキャビティ104を閉鎖する。潮汐が後退するとき、フロアキャビティ104は、水がタンク102内に留まり、タンク102が水の重量下で後退することを可能にするように、閉鎖されたままである。タンク102が潮汐の低い高さに近づいたとき、水がフロアキャビティ104を通って流出することができるように、弁106は開き始める。水がタンク102から流出してタンク102が空になると、ボールリフタ810は内部ボール800を持ち上げ、外部ボール802をそれと共に上昇させる。外部ボール802は、弁106およびフロアキャビティ104が閉鎖されるように、ゴムアンカー812に対してしっかりと持ち上げられる。
【0037】
弁106は、ボールリフタ810に接続されたコントローラ117を使用して開放および閉鎖される。コントローラ117は、水がタンク102に流入および流出するのを可能にするために弁106をいつ開放および閉鎖するかについての指示を有するオペレータからの手動入力を受信する。コントローラ117はまた、手動入力が必要ないように潮汐スケジュールに従ってプログラムされてもよい。さらに、コントローラ117は、センサ119およびコントローラ117が協働して
図9および
図10に記載された動作ステップがいつ発生するかを決定するように、タンクの高さおよびタンクの水容量などの情報を示すためのセンサ119に接続されてもよい。例えば、センサ119は、タンク102が潮汐のピーク高さ付近または低い高さにいつ達するかを決定するレーザなどの従来の高さセンサを含むことができる。タンク102内の電気フロートレベル送信機またはフロートボールセンサは、タンク102内の水の容量、およびタンク102が空または満杯であるときを決定することができる。弁106は、フロアキャビティ104の封鎖体として外部ボール802および内部ボール800を有するものとして示されているが、弁106は、フロアキャビティ104を閉鎖するために外部ボールおよび内部ボールの少なくとも一方または別のタイプの封鎖体を有することができる。
【0038】
図9は、動作ステップ900のグラフであり、ステップ902からステップ916に続く動作を数字が大きくなる順で示し、ステップ902からステップ916の各々における発生事象を特定する
図10に示すチャートに対応する。902において、タンク102は低潮汐にある。タンク102は水面の高さで浮遊しており、ロック506は、ヒンジ122が水位より下にあるために浮遊している。したがって、ロック506はロック解除位置にあり、タンク102は、ボールジョイント504が隙間514内を移動することができる結果として、波と共に枢動することができる。外部の軽いボール802(図示せず)は、弁106内のゴムアンカー812に押し付けられ、水がタンク102に流入しないようにフロアキャビティ104を閉鎖する。
【0039】
904において、潮汐が上昇し始め、タンク102を水位と共に上方に移動させる。タンク102は、上昇する潮汐と共に上方に移動し、垂直ギヤ110を上昇させ、垂直ギヤ110から円形ギヤ112に、円形ギヤ112からシャフト118に、シャフト118から受けシャフト220に(
図1にも示されている)、および受けシャフト220からダイナモ116に伝達される上方移動を介して電力が生成される。ヒンジ122が水中に留まり、ロック506が上昇位置に浮遊しているので、ロック506はロック解除されたままである。フロアキャビティ104は、タンク102が空のままであるように閉鎖されたままである。
【0040】
906において、潮汐は高潮汐に近づく。ロック506はロック解除されたままであり、波と共に移動し、フロアキャビティ104は閉鎖されたままである。
【0041】
908において、潮汐およびタンク102はピーク高さ付近に達しており、この段階では、高潮汐に達するにつれてタンク102は満たされていく。ヒンジ122は、ロック506の浮力によりロック506が上方位置にあるように、水中に留まる。ロック506のロック解除位置は、タンク102が水面の高さにある間および満たす間に波と共に枢動し続けることを可能にする。外部ボール802も内部ボール800も弁106を封鎖しない中間位置まで外部ボール802が下方に移動するように、弁106が開き始める。水は、フロアキャビティ104に流入してタンク102を満たすことができる。
【0042】
910において、潮汐が後退し始める。フロアキャビティ104は、内部ボール800がゴムアンカー812、封鎖弁106にしっかりと当接してタンク102内に水を収容するように閉じる。
【0043】
912において、潮汐はタンク102の高さより下に後退しているが、タンク102は垂直ギヤロック130を介して落下が中断されている。このように、コントローラ117は、潮汐が底部またはタンク102より下に下がるまで発電を延期する。タンク102の垂直移動は、垂直ギヤロック130などの物理的停止部を介してもよい。次いで、コントローラ117は、垂直ギヤロック130を選択的に動作させて解放し、満杯になったときにタンク102が重力によって落下し、ダイナモ116における発電を最大化するパラメータに基づいて発電する機会を与えることができる。
【0044】
この動作では、ヒンジ122は、ロック506が重力によって下方位置に移動しているように、水位より上にある。このときロック506は、ロック506がボールジョイント504上の上部510の移動を阻止し、タンク102が水平位置のままであるように、ロックストッパ512に当接して配置されている。ヒンジ122のロック位置は、タンク102が枢動することを阻止し、タンク102が下降するときにタンクに安定性を提供する。フロアキャビティ104および弁106は、弁106に対する内部ボール800の位置のために閉鎖されたままである。
【0045】
したがって、912において、タンク102は、タンク102内の水の重量のために下方に移動し始める。垂直ギヤ110は、タンク102の浮力からの補助がない場合、高い地点でタンク102を保持しないように構成される。そのため、垂直ギヤ110は、水の重量により下方に移動し始め、タンク102は、下方に移動する。垂直ギヤ110の下方移動は、垂直ギヤ110の下方移動が円形ギヤ114に伝達され、円形ギヤ114の回転移動がシャフト120に伝達され、シャフト120の回転移動が受けシャフト220に伝達され、および受けシャフト220の回転移動がダイナモ116に入力されるとき、電力を生成する。
【0046】
914において、タンク102は、潮汐に追いつき、潮汐最下点に達する。このときヒンジ122は水中にあり、ロック506がその浮力により上昇位置に浮上することを可能にする。上方位置では、ロック506は、タンク102がボールジョイント504上で枢動し、再び波の動きと共に揺動することができるように、ロック解除位置にある。最も低い潮汐に達する直前かつ水位に達する直前に、弁106が開いて、タンク102内からフロアキャビティ104を通って水を空にする。内部ボール800は、水がフロアキャビティ104を通って流出することができるように、内部ボール800も外部ボール802も弁106を封鎖していない中間位置まで上昇する。弁106は、水がタンク102に再び流入することなくタンク102から流出することができるように、水位に達する前に水を放出する。空になると、弁106は閉じ、外部ボール802は、ゴムアンカー812に隣接する位置まで上昇し、それに押し付けられてフロアキャビティ104を封鎖している。
【0047】
916において、タンク102は空であり、ロック506はロック解除位置にあり、タンク102は水面の高さで浮遊しており、この時点で、サイクルが新たに開始する。
【0048】
ハイブリッド発電システムは、少なくとも3つの持続可能なエネルギー源を利用することができ、すなわち上昇する潮汐のエネルギーの利用、後退する潮汐のエネルギーの利用、および波エネルギーの利用である。開示されたシステムは、潮汐変化による発電を示しているが、進行中の波に起因したタンク102の上昇および下降により、わずかに増加した発電が発生し得る。タンク102が波と共にわずかに増加して上方および下方に移動するとき、潮汐が同時に上昇または下降するときに追加的に発電が発生し得る。さらに、プラットフォーム100は、タンク102の上面に配置された太陽パネル400を介して太陽エネルギー源として機能することができる。タンク102は、軌道500,502からの摺動移動によるタンク102の水平移動から電力をさらに生成することができる。ハイブリッドシステムは、潮汐の動きから革新的で、持続可能な、クリーンで、安価な、環境に優しいエネルギーを大規模に生成することができる。海水は地球の表面の約70%を構成し、陸上のエネルギー源と比較して膨大な資源を提供することが知られている。
【0049】
一態様によれば、潮汐電力を生成するためのシステムは、少なくとも1つの垂直ギヤによって支持されたタンクを備え、タンクは、少なくとも1つの垂直ギヤと共に上方向および下方向に移動し、タンクは、潮汐の垂直移動に基づいて移動する。少なくとも1つの円形ギヤが、少なくとも1つの垂直ギヤが上方向および下方向に移動するときに少なくとも1つの円形ギヤが回転するように、少なくとも1つの垂直ギヤに結合される。シャフトが、少なくとも1つの円形ギヤが回転するときにシャフトが回転するように、少なくとも1つの円形ギヤに接続される。ダイナモが、シャフトの回転が発電のためにダイナモに伝達されるように、シャフトに取り付けられる。
【0050】
別の態様によれば、潮汐電力を生成する方法は、タンクを上方向および下方向に移動させることを含み、タンクは、少なくとも1つの垂直ギヤによって支持されるように構成され、少なくとも1つの垂直ギヤは、タンクと共に移動するように構成され、タンクは、潮汐の垂直移動に基づいて移動し、少なくとも1つの円形ギヤを回転させることを含み、少なくとも1つの円形ギヤは、少なくとも1つの垂直ギヤが上方向に上昇するときに少なくとも1つの円形ギヤが回転するように構成され、少なくとも1つのシャフトをスピンさせることを含み、少なくとも1つのシャフトは、少なくとも1つの円形ギヤが回転するときに少なくとも1つのシャフトがスピンするように少なくとも1つの円形ギヤに接続され、少なくとも1つのシャフトの回転をダイナモに伝達することを含み、ダイナモは、少なくとも1つのシャフトの回転移動から発電するように構成される。
【0051】
開示された材料の様々な実施形態の要素を導入する場合、冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」、「前記(the)」、および「前記(said)」は、1つまたは複数の要素があることを意味することを意図している。「備える(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」という用語は、包括的であることを意図しており、列挙された要素以外の追加の要素が存在してもよいことを意味する。さらに、以下の説明における任意の数値例は非限定的であることを意図しており、したがって、追加の数値、範囲、および割合は、開示された実施形態の範囲内である。
【0052】
前述の説明は、一般に海上のハイブリッド発電システムの状況で提供されているが、本技術はそのような限定された状況に限定されないことを理解されたい。そのような状況における例および説明の提供は、実装および適用の例を提供することによって説明を容易にするためのものである。開示された手法は、他の状況または構成でも利用され得る。
【0053】
開示された材料は、限られた数の実施形態のみに関連して詳細に説明されているが、実施形態はそのような開示された実施形態に限定されないことが容易に理解されるはずである。むしろ、開示されたものは、これまでに記載されていないが、開示された材料の精神および範囲に相応する任意の数の変形、変更、置換または同等の構成を組み込むように修正することができる。さらに、様々な実施形態が説明されているが、開示された態様は、説明された実施形態の一部のみを含んでもよいことを理解されたい。したがって、開示されたものは、前述の説明によって限定されると見なされるべきではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【外国語明細書】