(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129426
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】カセット圧力の非侵襲的測定のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61F 9/007 20060101AFI20230907BHJP
【FI】
A61F9/007 130Z
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023106228
(22)【出願日】2023-06-28
(62)【分割の表示】P 2022073120の分割
【原出願日】2017-08-31
(31)【優先権主張番号】62/382,351
(32)【優先日】2016-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(72)【発明者】
【氏名】ヨハン エックバル
(72)【発明者】
【氏名】ポール ジェイ.エセックス
(72)【発明者】
【氏名】カーク トッド
(57)【要約】
【課題】カセット、コンソール、及びコンソールと結合された干渉計型圧力検知システムを含む外科システムを提供する。
【解決手段】方法及びシステムは、カセット、コンソール、及びコンソールと結合された干渉計型圧力検知システムを含む外科システムを提供する。カセットは、物質を患者と交換するためのものであり、且つ壁及び反射器を含む。壁は、非周囲カセット内圧に応答して偏向を受ける。コンソールは、カセットと結合される。干渉計型圧力検知システムは、コンソールと結合される。干渉計型圧力検知システムは、光源及び検出器を含む。光源は、反射器で反射される光の第1の部分及び反射器を迂回する光の第2の部分を提供する。光の第1の部分及び第2の部分は、再結合されて干渉パターンを形成する。偏向は、検出器によって検出可能な干渉パターンのシフトに対応する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物質を患者と交換するためのカセットであって、壁及び反射器を含み、前記壁は、非周囲カセット内圧に応答して偏向を受けるように構成される、カセットと、
前記カセットと結合されるコンソールと、
前記コンソールと結合される干渉計型圧力検知システムであって、光源及び検出器を含み、前記光源は、前記反射器で反射される光の第1の部分及び前記反射器を迂回する光の第2の部分を提供し、前記第1の部分及び前記第2の部分は、再結合して干渉パターンを形成し、前記偏向は、前記検出器によって検出可能な前記干渉パターンのシフトに対応する、干渉計型圧力検知システムと、
を含む外科システム。
【請求項2】
前記干渉パターンは、前記光の前記第1の部分及び前記光の前記第2の部分の物理的経路の差から生じる、請求項1に記載の外科システム。
【請求項3】
前記干渉計型圧力検知システムは、マイケルソン干渉計を含む、請求項2に記載の外科システム。
【請求項4】
前記マイケルソン干渉計は、ビームスプリッタ及び追加の反射器を含み、前記光源からの前記光は、前記ビームスプリッタを通過して前記光の前記第1の部分及び前記第2の部分を形成し、前記追加の反射器は、レセクプタクルの部分と結合される、請求項3に記載の外科システム。
【請求項5】
プロセッサを更に含み、前記プロセッサは、
前記干渉パターンに関係する信号を前記検出器から受信することと、
前記受信された信号に基づいて前記干渉パターンのシフトを計算することと、
前記計算されたシフトに基づいてカセット圧力を特定することと
を行うように構成される、請求項1に記載の外科システム。
【請求項6】
前記光源及び検出器は、前記コンソールに統合される、請求項1に記載の外科システム。
【請求項7】
前記反射器は、前記カセットの前記壁に統合される、請求項1に記載の外科システム。
【請求項8】
前記反射器は、前記カセットの前記壁と結合される、請求項1に記載の外科システム。
【請求項9】
前記光源は、レーザである、請求項1に記載の外科システム。
【請求項10】
前記光源は、波長を有し、前記干渉パターンの前記シフトは、前記偏向の2倍を前記波長で除算したものに対応する、請求項1に記載の外科システム。
【請求項11】
前記非周囲圧力は、周囲圧力よりも大きく、及び前記偏向は、前記反射器が前記検出器により近いようなものである、請求項1に記載の外科システム。
【請求項12】
前記非周囲圧力は、周囲圧力よりも小さく、及び前記偏向は、前記反射器が前記検出器からより離れているようなものである、請求項1に記載の外科システム。
【請求項13】
前記干渉計型圧力検知システムは、前記検出器と結合されたローパスフィルタを更に含み、前記ローパスフィルタは、前記シフトに対応する信号を送信するためのものであり、前記ローパスフィルタは、閾値周波数未満の通過帯域を有する、請求項1に記載の外科システム。
【請求項14】
前記コンソールは、前記カセットを受けるように構成されたレセプタクルを含む、請求項1に記載の外科システム。
【請求項15】
外科カセットの干渉計型圧力検知システムであって、
光線を提供するように構成された光源と、
ビームスプリッタと
を含み、前記ビームスプリッタは、
前記光線の第1の部分を前記外科カセットの壁における反射器に向けることであって、前記壁は、非周囲カセット内圧に応答して偏向するように構成される、向けることと、
検出ユニットへの途中で前記反射器を迂回するように前記光線の第2の部分を向けることと
を行うように構成され、
前記検出ユニットは、光線センサ、プロセッサ、及びメモリを含み、
前記反射器によって反射された前記光線の前記第1の部分及び前記反射器を迂回した前記光線の前記第2の部分を含む再結合された光線を受け取ることと、
前記再結合された光線に関連する干渉パターンを検出することと、
前記検出された干渉パターンを分析して前記干渉パターンのシフトを識別することであって、前記シフトは、前記外科カセットの前記壁の偏向に対応する、識別することと、
前記識別されたシフトに基づいてカセット内圧を特定することと
を行うように構成される、干渉計型圧力検知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、眼科手術システム及び方法に関する。より詳細には、本開示は、外科システムにおいてカセット圧力を測定するための技法に関する。
【背景技術】
【0002】
眼科手術は、往々にして、目から流体及び/又は組織を除去し、除去された物質を平衡塩類溶液(BSS)等の流体で置換することを含む。物質を除去するために、吸引ラインに接続されたカニューレが目の切開部に挿入される。吸引ラインは、電子回路、制御システム、蠕動ポンプ等の真空源、及び流体源を含むコンソールに結合される。真空源は、真空を吸引ラインに提供する。吸引ライン内の真空は、目から吸引ラインを通して物質を流す。眼圧を維持するために、洗浄ライン又は注入ラインに接続された別のカニューレが目の別の切開部に挿入される。洗浄ラインは、コンソールの流体源に接続される。流体源は、周囲圧力よりも高い圧力に加圧することができるBSSのリザーバであり得る。流体源が加圧されると、流体フローは、強制的に流体源から流出し、洗浄ラインを通り、目に流入する。
【0003】
そのような手術中、目から除去された生体物質を真空ポンプから分離することが望ましい。そうするためにカセットが使用される。カセットは、通常、コンソール内のレセプタクル内に嵌め込まれる。吸引ラインからの管がカセットのポートに接続される。カセットは、別のポートを介して真空源に接続される。真空源は、真空をカセットに適用し、カセットは、真空を吸引ラインに提供する。吸引ラインの吸引は、生体物質を目からカセットに流入させ、生体物質がカセットに格納される。したがって、生体物質は、真空ポンプから分離される。流体を目に提供するために、圧力源又は流体源及び洗浄ラインに結合された別のカセットを同様に使用し得る。
【0004】
使用中、圧力センサを使用して、カセット内の圧力をモニタし得る。例えば、カセットの内圧に応答してゴム膜が撓み得る。この偏向は、膜を接触センサに接触させ得る。したがって、圧力を特定し得る。代替的に、センサは、斜角で膜から反射する光を提供し得る。反射光は、センサに提供される。光の位置変化は、内圧変化に対応する。
【0005】
カセット機能の内圧を測定するそのような機構には欠点があり得る。例えば、反射光を使用すると、内圧への十分な感度が提供されないことがある。更に、可撓性膜は、使い捨てである各カセットのコストを増大させる。内圧センサは、目から除去された生体物質の影響を受け得る。したがって、そのようなセンサは、故障し得る。これらのセンサも使い捨てカセットのコストを増大させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、必要とされるのは、外科システムにおいてカセットの内圧をモニタするための改善されたメカニズムである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
方法及びシステムは、カセット、コンソール、及びコンソールと結合された干渉計型圧力検知システムを含む外科システムを提供する。カセットは、物質を患者と交換するためのものであり、且つ壁及び反射器を含む。壁は、非周囲カセット内圧に応答して偏向を受ける。コンソールは、カセットと結合される。干渉計型圧力検知システムは、コンソールと結合される。干渉計型圧力検知システムは、光源及び検出器を含む。光源は、反射器で反射される光の第1の部分及び反射器を迂回する光の第2の部分を提供する。光の第1の部分及び第2の部分は、再結合されて干渉パターンを形成する。偏向は、検出器によって検出可能な干渉パターンのシフトに対応する。
【0008】
本明細書に開示される方法及びシステムの実施形態によれば、カセットの内圧は、より正確に測定され得、カセット内部でセンサを使用する必要がなくてよく、カセットへの高価な追加物を必要としなくてよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】干渉計型圧力検知システムを使用してカセット内圧を測定する外科システムの例示的な実施形態を示す図である。
【
図2】干渉計型圧力検知システムを使用してカセット内圧を測定する外科システムの一部の別の例示的な実施形態を示す。
【
図3A-3B】干渉計型圧力検知システムを使用してカセット内圧を測定する外科システムの別の例示的な実施形態を示す。
【
図3C】干渉計型圧力検知システムを使用してカセット内圧を測定する外科システムの別の例示的な実施形態を示す。
【
図4】外科システムを提供する方法の例示的な実施形態を示すフローチャートである。
【
図5】外科システムを使用する医師を支援する方法の例示的な実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
例示的な実施形態は、眼科手術で使用されるコンソール等の外科システムに関する。以下の説明は、当業者が本発明を製作し使用できるようにするために提示され、特許出願及びその要件に関連して提供される。本明細書に記載される例示的な実施形態並びに一般原理及び特徴に対する様々な変更形態が容易に明らかになるであろう。例示的な実施形態は、主に特定の実装形態で提供される特定の方法及びシステムに関して説明される。しかしながら、方法及びシステムは、他の実装形態でも有効に動作する。「例示的な実施形態」、「一実施形態」、及び「別の実施形態」等の語句は、同じ又は異なる実施形態及び複数の実施形態を指し得る。実施形態は、特定の実施形態を有するシステム及び/又はデバイスに関して説明される。しかしながら、システム及び/又はデバイスは、示されるものよりも多数又は少数の構成要素を含み得、本発明の範囲から逸脱せずに構成要素の構成及びタイプの変形形態がなされ得る。例示的な実施形態は、特定のステップを有する特定の方法に関しても説明される。しかしながら、方法及びシステムは、異なる及び/又は追加のステップ並びに例示的な実施形態と一致しない異なる順序のステップを有する他の方法でも有効に動作する。したがって、本発明は、示される実施形態に限定されるものではなく、本明細書に記載される原理及び特徴に一致する最も広い範囲に従うべきである。
【0011】
方法及びシステムはまた、複数形ではなくむしろ単数形で説明される。例えば、1つの干渉計型圧力検知システムを有する1つのカセットが幾つかの実施形態において使用及び/又は示される。これらの単数形の用語が複数を含むことを当業者は認識するであろう。例えば、複数のカセット及び/又は複数の干渉計型検知システムが使用可能である。
【0012】
特定の実施形態では、システムは、1つ又は複数のプロセッサ及びメモリを含む。1つ又は複数のプロセッサは、メモリに記憶された命令を実行して、図面に記載され、後述されるプロセスの幾つか又は全てを生じさせ、制御するように構成され得る。本明細書で使用される場合、プロセッサは、1つ又は複数のマイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コントローラ、又は任意の他の適する計算デバイス若しくはリソースを含み得、メモリは、限定ではなく、磁気媒体、光学媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、リムーバブル媒体、又は任意の他の適するメモリ構成要素を含む揮発性メモリ又は不揮発性メモリの形態をとり得る。メモリは、プロセッサによって実行されると、処理機能を含む任意のそのようなプロセッサ、メモリ、又は構成要素に関して本明細書に記載される機能を実施するプログラム及びアルゴリズムの命令を記憶し得る。更に、方法及びシステムの態様は、全体的にハードウェアの実施形態、全体的にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)、又はソフトウェア態様とハードウェア態様とを組み合わせた実施形態の形態をとり得る。更に、方法及びシステムの態様は、少なくとも1つのプロセッサで実行され、そこで具現されるコンピュータ可読プログラムコードを有する1つ又は複数のコンピュータ可読媒体で実施され得るソフトウェアコンポーネントの形態をとり得る。
【0013】
方法及びシステムは、カセット、コンソール、及びコンソールと結合された干渉計型圧力検知システムを含む外科システムを提供する。カセットは、物質を患者と交換するためのものであり、且つ壁及び反射器を含む。壁は、非周囲カセット内圧に応答して偏向を受ける。コンソールは、カセットと結合される。干渉計型圧力検知システムは、コンソールと結合される。干渉計型圧力検知システムは、光源及び検出器を含む。光源は、反射器で反射される光の第1の部分及び反射器を迂回する光の第2の部分を提供する。光の第1の部分及び第2の部分は、再結合されて干渉パターンを形成する。偏向は、検出器によって検出可能な干渉パターンのシフトに対応する。
【0014】
図1は、眼科手術で使用可能な外科システム100の例示的な実施形態の斜視図を示す。
図2は、外科システム100の一部を示す。
図1及び
図2を参照すると、外科システム100は、コンソール101、カセット110、及び干渉計型圧力検知システム120を含む。
図1及び
図2は、一定の縮尺で描かれておらず、例示のみを目的としている。したがって、システム100は、特定のコンソール101、カセット110、又は干渉計型検知システム120に限定されない。例えば、コンソール101内のカセット110の特定の位置及びジオメトリが
図1に示されているが、外科システム100は、示される位置及びジオメトリに限定されない。簡明にするために、コンソール101の全ての部分が示される又は記されているわけではない。コンソール101は、カセット110及び干渉計型検知システム120と結合される。使用中、コンソール101は、通常、外科ハンドピース(図示せず)とも結合される。外科ハンドピースは、管(図示せず)を介してコンソール101に接続された吸引ライン及び/又は洗浄ラインと、コンソール101に接続され、且つコンソール101によって制御される電子回路とを含み得る。
【0015】
コンソール101は、ディスプレイ102、関連する電子回路(明示的に示されず又は記されず)、真空/圧力源104、カセット110を受けるレセプタクル106、及び検出ユニット140を含む。幾つかの実施形態では、コンソール101は、真空源及び圧力源の両方を含み得る。そのような実施形態では、真空源及び圧力源は、同じ又は異なるレセプタクルに存在し得る異なるカセットに結合される。しかしながら、簡明にするために、外科システム100は、1つのレセプタクル106、1つのカセット110、及び1つの真空/圧力源104に関して説明される。真空/圧力源104は、主に真空源104に関して説明される。同様の考察が流体/圧力源にも該当する。
図1ではコンソール101の一部として示されているが、検出ユニット140は、干渉計型圧力検知システム120の一部であり得る。検出ユニット140は、干渉計型圧力検知システム120及びシステム100の他の構成要素に通信可能に結合される。特定の実施形態では、検出ユニット140は、圧力検知システム120から1つ又は複数の信号(例えば、検出器124によって生成された干渉パターン又は干渉パターンのシフトを示す信号)を受信し、本明細書に記載されるように、干渉パターンのシフト又は変化をカセット内圧及び/又は壁偏向と相関付ける記憶データに基づいて、受信された信号に基づいてカセット圧力を特定するように構成された1つ又は複数のプロセッサ及びメモリを含み得る。
【0016】
真空/圧力源104は、レセプタクル110を通してカセット110に結合される。真空/圧力源104は、真空ポンプ等の真空源であり得る。そのような実施形態では、真空源104は、負圧(真空)をカセット110に提供し、カセット110は、真空を吸引ラインに提供する。他の実施形態では、真空/圧力源104は、正圧をカセット110に提供する圧力源であり得る。カセット110は、流体源に結合され、流体源は、正圧下で流体を洗浄ラインに提供する。代替的に、真空/圧力源104は、正圧(大気圧よりも大きい圧力)下に配置することができる流体源であり得る。
【0017】
カセット110は、物質を患者と交換するためのものである。示される実施形態では、カセット110は、組織、流体、及び/又は他の生体物質を患者の目から受け取る。他の実施形態では、カセット110は、BSS等の流体を患者の目に提供するために使用され得る。カセットは、壁及び内部チャンバ(
図1に明示的に記されず)を含む。カセット110は、
図2に示される(
図1に示されない)反射器112も含む。反射器112は、ミラー又は任意の他の適する反射器であり得る。反射器112は、壁に取り付けられ得、又は壁に一体化され得る。したがって、幾つかの実施形態では、壁自体が反射性であり得る。特定の例では、壁は、反射材料で塗膜されるか又は反射材料に結合され得る。カセット110は、反射器112が干渉計型検知システム120に面するように向けられる。示される実施形態では、反射器112の表面への法線は、干渉計型検知システム120に直交する。反射器112は、他の実施形態では、干渉計型検知システム120の幾つか又は全てと斜角をなし得る。
【0018】
ポート114及び116も示されている。ポート114は、管(図示せず)と、したがって外科ハンドピースとに接続され得る。ポート116は、真空源104に接続される。したがって、真空は、ポート116を通してカセット110に提供される一方、吸引は、ポート114を介して吸引ラインに提供される。患者の目からの生体物質は、ポート114を介してカセット110において受け取られる。この生体物質は、カセット110内に留まる。したがって、カセット110は、真空源104を生体物質から分離する。
【0019】
干渉計型圧力検知システム120は、コンソール101と結合される。特定の例では、干渉計型圧力検知システム120は、コンソール101に組み込まれるものと見なされ得る。したがって、コンソール101と結合される干渉計型圧力検知システム120は、コンソール101の一部である干渉計型圧力検知システムの構成要素の幾つか又は全てを含むが、これらに限定されない。他の実施形態では、干渉計型圧力検知システムの幾つか又は全ての構成要素は、コンソール101に組み込まれる必要がない。そのような実施形態では、使用される光は、例えば、光ファイバケーブルを介して適切な位置に伝達され得る。そのような実施形態ではまた、配線を介して制御信号及びデータ信号をコンソール101と干渉計型圧力検知システム120との間で伝送し得る。
【0020】
干渉計型圧力検知システム120は、光源122及び検出器124を含む。検出器124は、線形又は面検出器アレイであり得る。特定の実施形態では、検出器124は、任意の適する光検出器(例えば、CMOS、CCD等)を含み得る。幾つかの実施形態では、光源122は、レーザを含み得る。特に、生成される光が同相であり且つ同じ波長である場合、複数の光源を使用し得る。しかしながら、一般に1つの光源122が存在する。干渉計型圧力検知システム120は、光を第1の部分及び第2の部分に分割する。一般に、ビームスプリッタ又は同様の構成要素を使用して光源122からの光を複数の部分に分割する。
図2では、光のこれらの部分は、光源122から発せられる2つの別個のビーム132及び134として示されている。しかしながら、光の部分が、実際には、何らかの物理的な幅及びわずかに異なる軌跡を有する複数のビームに対応することを当業者は認識するであろう。
【0021】
光の第1の部分132は、光源122からカセット110の壁に移り、壁において反射器112に衝突する。光の第1の部分132は、反射器112で反射され、検出器124に移る。光の第2の部分134は、異なる経路を辿って検出器124に至る。光の第2の部分134が辿る経路は、反射器112を除外又は迂回する。光の経路長は、移動した物理的な距離及び任意の位相変化を含む。示される実施形態では、カセット110に圧力/真空が掛けられていない状態で光の部分132及び134が検出器124まで辿る経路は、異なる物理的長さを有する。加えて、光の第1の部分132は、反射器112からの反射によって180度の位相変化を受ける。光の部分132及び134は、検出器124及び/又はその近傍において再結合/再び一体化する。光の2つの部分132及び134の経路長は、検出器124にわたる様々な位置で異なるため、ビームが結合されるとき、干渉パターン(
図1及び
図2に示されず)が生成される。干渉パターンにおける明暗の縞の間隔は、使用される光の波長に依存する。検出器124を使用して干渉パターンの明暗の縞の位置を特定することができる。
【0022】
干渉パターンの明暗の縞は、カセット110が真空圧又は過度の圧力下にないときに特定の位置にあり得る。換言すれば、干渉パターンは、カセット110の内部が周囲圧である場合に既知であり得る。周囲圧とは、コンソール101の周囲環境の圧力である。真空源がアクティブ化される場合、カセット110の内部は、非周囲圧(すなわちこの状況では真空下)になる。カセット110の内圧が周囲圧未満であるため、カセットの壁は、内側に湾曲し得る。したがって、干渉計型圧力検知システム120に面した壁は、偏向し得る。この偏向は、反射器112の位置及び幾つかの実施形態では形状を変化させる。この偏向はまた、偏向に比例した量、光の第1の部分132の物理的な経路長を変化させる。その結果、縞のパターンが変化する。例えば、縞は、位置をシフトし得る。位置のこのシフトは、使用される光の波長及び偏向のサイズの両方に基づく。一般に、シフトは、偏向に比例し、部分132及び134の光の波長に反比例する。したがって、波長が短い光ほど、偏向を検出する感度が高い。
【0023】
検出器124は、縞の位置を特定することができるため、干渉パターンのシフトも検出器124を使用して測定し得る。測定されたシフトを使用してカセット110の壁の偏向を特定し得る。カセットの壁の既知の特性及び/又は前の較正に基づいて、この偏向を生じさせたカセット内圧を特定し得る。較正は、カセット110内の内圧センサ(図示せず)を使用して、手術での使用前に行われ得る。代替的に、別の較正方法を使用し得る。特定の実施形態では、縞シフト値をカセット内圧及び/又はカセット壁偏向値に相関付けるシステム固有の較正データをメモリ(例えば、検出ユニット140のメモリ)に記憶し、1つ又は複数のプロセッサ(例えば、検出ユニット140のプロセッサ)によって使用して、受け取られた光線に関連する干渉パターンに基づいて圧力値を特定し得る。
【0024】
幾つかの実施形態では、カセット110の内圧は、干渉パターンのシフト及び較正に基づいて検出ユニット140によって計算され得る。例えば、検出器124は、再結合された光線を受け取り、干渉パターンの明るい及び/又は暗い縞の位置を示す信号を生成し得る。検出ユニット140は、信号を検出器124から受信するように構成されたハードウェア(例えば、1つ又は複数のプロセッサ及びメモリ)及び/又はソフトウェアを含み得る。較正フェーズにおいて、検出器124は、カセットが、非加圧状態(例えば、外科処置が開始される前)を含む様々な加圧状態であるときの縞の位置を示す信号を検出ユニット140のプロセッサに送信し得る。検出ユニット140は、この較正縞位置情報をメモリに記憶し得る。処置中、検出器124は、カセットが処置中に使用されているときの縞の位置を示す信号を検出ユニット140に送信し得る。上述したように、縞の位置は、反射器112によって反射される光線を変えるカセット110の壁の偏向に起因してシフトする。したがって、検出ユニット140のプロセッサは、縞の位置を示す受信された信号を分析してカセット圧力を特定し得る。例えば、プロセッサは、異なる時間(例えば、処置中)に受信した信号を比較して縞シフトを計算又は特定し得る。縞シフトに基づき、検出ユニット140のプロセッサは、縞シフト値をカセット内圧及び/又は偏向値に相関付ける、メモリに記憶されたデータを使用してカセット内圧及び/又はカセット壁の偏向を特定し得る。幾つかの実施形態では、検出ユニット140は、干渉計型圧力検知システム120からの信号の処理に使用されるデジタル信号プロセッサ(DSP)を含む。他の実施形態では、カセット110の内圧は、干渉計型圧力検知システム120内のブロック(図示せず)を使用して特定され得る。次に、検出ユニット140のプロセッサは、特定されたカセット内圧を示す信号を出力し得、したがって、システム100の他の構成要素は、例えば、目標圧力を維持するように眼圧を増減することによって適宜応答し得る。
【0025】
したがって、干渉計型圧力検知システム120を使用してカセット110の内圧を特定し得る。干渉法が使用されるため、干渉計型圧力検知システム120は、例えば、上述した反射法よりも正確に圧力を特定し得る。干渉計型圧力検知システムの感度は、光源からの光の波長を使用して設定され得る。より高感度の測定を得るために、より低波長の光源122を使用し得る。したがって、干渉計型圧力検知システム120は、設計フェーズで比較的容易に調整され得る。干渉計型圧力検知システム120は、カセット110の外部にあるため、圧力測定は、非侵襲的である。基本的に、患者から除去された生体物質が干渉計型圧力検知システム120に接触するリスクはない。したがって、干渉計型圧力検知システム120は、より安価であり得、故障の可能性がより低いことができる。反射器112がカセット110に追加されるが、反射器112は、比較的安価である。カセット110の内圧をより正確に測定することができるのみならず、コストを削減することもできる。更に、干渉計型圧力検知システム120に使用される干渉計は、小型であり得る。その結果、干渉計型圧力検知システム120は、比較的コンパクトであり得る。
【0026】
図3A~
図3Cは、干渉計型圧力検知システムを使用して圧力を測定する外科システム100’の別の例示的な実施形態を示す。
図3A~
図3Cは、一定の縮尺で描かれておらず、例示のみを目的としている。したがって、特定の外科システムが示されるものではない。
図3Aは、カセット110’が周囲(ゼロ印加)圧であるときの外科システム100’を示す。
図3Bは、カセットが真空(周囲内圧未満)下であるときの外科システム100’を示す。
図3Cは、カセット110’が圧力(周囲内圧よりも大きい)下であるときの外科システム100’を示す。一般に、カセットは、加圧下に置かれるか、真空下に置かれるか、又はそれらの両方でないかのいずれかである。しかしながら、外科システム100’の動作を説明するために、両方の状況での同じカセットを示す。
【0027】
外科システム100’は、外科システム100と同様である。同様の構成要素は、同様の符号を有する。外科システム100’は、構成要素101、110、及び120とそれぞれ同様のコンソール(明示的に記されず)、カセット110’、及び干渉計型圧力検知システム120’を含む。コンソールの圧力/真空源104’が示されている。カセット110’は、コンソールのレセプタクル内に存在し得る。カセットのポート114及び同様の特徴は示されていない。
【0028】
カセット110’を使用して圧力/真空源104’を生体物質から分離する。カセット110’は、圧力/真空源104’と結合されたポート116及び反射器112を含む。この実施形態では、反射器112は、カセット110’の壁に統合される。加えて、カセット110’は、任意選択的な内圧センサ118を含む。内圧センサ118は、カセット110’の較正に使用される。したがって、内圧センサ118は、手術中に使用されないこともある。
【0029】
干渉計型圧力検知システム120’は、コンソールと結合され、マイケルソン干渉計の形態をとり得る。他の実施形態では、別の干渉計を使用し得る。干渉計型圧力検知システム120’は、レーザ光源122’、検出器124’、任意選択的な光学アイソレータ123、追加の反射器126、ビームスプリッタ128、及び任意選択的なフィルタ129を含む。光学アイソレータ123は、反射光がレーザ122’に到達しないようにするために使用され得る。ビームスプリッタ128は、レーザ122’からの光を2つの部分に分割する。ビームスプリッタ128は、示される実施形態では、光の再結合にも使用される。ビームスプリッタ128は、部分的銀被覆ミラーであり得る。検出器124’は、線形検出器アレイである。フィルタ129は、検出器124’からの信号をフィルタリングするのに使用され得る。フィルタ129は、ローパスフィルタであり得る。例えば、フィルタ129は、100ヘルツ未満の周波数を有する信号を通過させ得る。幾つかのそのような実施形態では、フィルタ129は、60Hz未満の周波数を有する信号を通過させ得る。フィルタ129の通過帯域を定義するために他の閾値周波数を使用し得る。例えば、バンドパス又はノイズを低減する他のメカニズムを使用し得る。他の実施形態では、フィルタ129の代わりにDSP等の他の構成要素を使用して検出器124’からの信号を処理し得る。
【0030】
レーザ124’からの光は、アイソレータ123を通過し、ビームスプリッタ128に衝突する。光の第1の部分は、ビームスプリッタ128によって透過及び屈折され、反射器112に達する。反射器112は、光の第1の部分をビームスプリッタ128に反射する。ビームスプリッタ128は、部分的銀被覆ミラーであるため、光のこの部分はまた、下方の線形検出器アレイ124に反射される。光の第2の部分は、ビームスプリッタ128によって追加の反射器126に反射される。光のこの第2の部分は、反射器126から再びビームスプリッタ128に反射する。光の第2の部分は、ビームスプリッタ128によっても透過されて、線形検出器アレイ124’に達する。光の2つの部分は、再結合されて線形検出器アレイ124’に干渉パターン135を生じさせる。
【0031】
この例では、光の2つの部分は、異なる物理的経路を辿った。光の両方の部分は、2つの反射を受け、各反射は、位相を180度変更する。第1の部分は、まず反射器112で反射し、次にビームスプリッタ128で反射する。第2の部分は、まずビームスプリッタ128で反射し、次に反射器126で反射する。線形検出器アレイ124において再結合される2つの部分の位相差は、物理的な経路長の差に起因する。他の実施形態では、任意の位相差は、部分的に物理的な経路長の差及び部分的に反射における位相反転に起因し得る。
図3Aに見ることができるように、カセット110’が周囲内圧である場合の干渉パターン135が形成される。
【0032】
図3Bは、真空源104’’が真空を提供する場合のシステム100’を示す。そのような真空は、通常、水銀柱mmで測定される。例えば、600mmHg又は700mmHgの真空を適用し得る。そのような場合、カセット110’の内圧は、周囲圧よりも600mmHg又は700mmHg低い。カセット110’の内圧が周囲圧未満であるため、カセット110’の壁は、
図3Bに示されるのと同様に偏向を受ける。反射器112’も偏向を受ける。この偏向は、偏向d1でビームスプリッタ128と反射器112’との間の距離を増大させる。その結果として反射器112’によって反射される光の第1の部分が辿る距離の増大は、偏向の概ね2倍である。したがって、物理的な経路長は、光のこの部分の偏向の概ね2倍だけ増大する。しかしながら、反射器126で反射する光の第2の部分では、経路長は変わらない。その結果、干渉パターン135’は、距離s1だけシフトする。較正中、真空源104’’が真空を適用する場合、内圧センサ118を使用して内圧を測定し、シフトs1を偏向d1及び内圧に較正し得る。そのようなデータは、上述したように、検出ユニット140のメモリに記憶され得る。吸引ライン(図示せず)を介して患者の目に吸引を適用するために真空源104’’が真空を提供する場合、センサ118は使用されない。代わりに、前に得られた較正並びに測定されたシフトs1及び偏向d1を使用してカセット110’の内圧を特定する。
【0033】
図3Cは、真空/圧力源104’’’が正圧をカセット110’に提供する場合のシステム100’を示す。幾つかの実施形態では、例えば、80psi以上の圧力を適用し得る。カセット110’の内圧が周囲圧よりも高いため、
図3Cに示されるのと同様に、カセット110’の壁は、偏向を受ける。反射器112’’も偏向を受ける。この偏向は、偏向d2でビームスプリッタ128と反射器112’’との間の距離を低減させる。その結果として反射器112’’によって反射される光の第1の部分が辿る距離の低減は、偏向の概ね2倍である。しかしながら、反射器126で反射する光の第2の部分では、経路長は変わらない。その結果、干渉パターン135’’は、距離s2だけシフトする。示される実施形態では、シフトs2は、シフトs1と異なる方向であり、異なる大きさを有する。他のシフトも可能である。較正中、真空/圧力源104’’’が圧力を付与する場合、内圧センサ118を使用して内圧を測定し、シフトs2を偏向d2及び内圧に較正し得る。そのようなデータは、上述したように、検出ユニット140のメモリに記憶され得る。洗浄ライン(図示せず)を介して患者の目に流体を供給するために真空源104’’’が圧力を提供する場合、センサ118は使用されない。代わりに、前に得られた較正、シフトs2、及び偏向d2を使用してカセット110’の内圧を測定する。
【0034】
システム100’は、システム100の利点を共有する。干渉計型圧力検知システム120’を使用してカセット110’の内圧を特定し得る(例えば、システム120’に通信可能に結合された検出ユニット140のプロセッサ及びメモリにより)。干渉計型圧力検知システム120’は、干渉法が使用されるため、より正確であり得る。干渉計型圧力検知システム120’は、カセット110’の外部にある。したがって、患者から除去された生体物質が干渉計型圧力検知システム120’に接触するリスクは、あったとしてもごくわずかである。使い捨てカセット110’への追加物である反射器112/112’/112’’は、比較的安価である。したがって、カセット110の内圧をより正確に測定することができるのみならず、コストを削減することもできる。更に、干渉計型圧力検知システム120’に使用される干渉計は、小型であり得るため、干渉計型圧力検知システム120は、比較的コンパクトであり得る。
【0035】
図4は、外科システム100及び/又は100’等の外科システムを提供する方法200の例示的な実施形態である。簡明にするために、幾つかのステップは、省略、インタリーブ、及び/又は結合され得る。方法200はまた、外科システム100に関して説明される。しかしながら、方法200は、外科システム100’及び/又は同様の外科システムの形成に使用し得る。
【0036】
反射器112を含むカセット110は、ステップ202を介して提供される。ステップ202は、カセット110を形成し、反射器112を取り付けることを含み得る。代替的に、反射器112は、カセットの壁に統合され得る。他の実施形態では、カセットの壁の幾つか又は全ては、反射器112によって形成され得る。特定の例では、カセットの壁の幾つか又は全ては、反射材料で塗膜され得る。
【0037】
干渉計型圧力検知システム120は、ステップ204を介して提供され、コンソール101と結合される。ステップ204は、コンソール101の一部として干渉計型圧力検知システム120を形成することを含み得る。他の実施形態では、別個の干渉計型検知システム120は、光ファイバケーブル、配線、又は他の手段を介して提供され且つコンソール101に接続され得る。光源122、反射器112、ビームスプリッタ128、反射器126、及び検出器124等の開示されるシステムの構成要素は、光学的に整列する。方法200を使用して外科システム100及び/又は100’を製作し得る。したがって、外科システム100及び/又は100’の1つ又は複数の利点を達成し得る。
【0038】
図5は、眼科手術中、カセットの壁の偏向を使用してカセット内圧を測定する方法210の例示的な実施形態を示すフローチャートである。簡明にするために、幾つかのステップは、省略され、インタリーブされ、別の順序で実行され、及び/又は結合され得る。方法210は、メモリに記憶されたソフトウェア命令を実行するように構成されたシステム100の1つ又は複数のプロセッサで命令を実行することを含み得る。更に、方法210は、外科システム100を使用する眼科外科に関して説明される。しかしながら、方法210は、他のタイプの手術に拡張され得る。
【0039】
方法は、手術開始前に開始される。したがって、外科医は、患者の目を切開し、他の必要とされるタスクを実行し、吸引ライン及び/又は洗浄ラインを患者の目に挿入した。干渉計型圧力検知システム120も、例えば、内圧センサを使用して較正された。患者の目に流体を提供するのにカセット110が使用される場合、カセット110内の圧力は、周囲よりも大きい値であり得る。目から物質を抽出するのにカセット110が使用される場合、カセット110内の圧力は、周囲未満であり得る。
【0040】
ステップ212において、光が光源122から提供される。ステップ212は、レーザ122をアクティブ化することを含み得る。レーザ122は、断続的に電源をオン及びオフにされるように制御され得、又は単に使用中に電源をオンにされ得る。ステップ212は、光を光学アイソレータ123等のアイソレータに通すことを含み得る。
【0041】
ステップ214において、光源からの光は、2つの部分に分割される。ステップ214は、スプリッタ128等のビームスプリッタに光を通すことによって実行され得る。干渉計型圧力検知システム120の構成により、光の第1の部分は、反射器112で反射する一方、光の第2の部分は、反射器112を迂回する。幾つかの実施形態では、光の第2の部分は、第2の反射器126で反射する。
【0042】
ステップ216において、異なる経路を辿った光が再結合される。ステップ216は、単に、
図3A~
図3Cに示されるのと同様に光をビームスプリッタ128に通すことを含み得る。したがって、干渉パターンが生じる。カセット110内の圧力が周囲と異なる場合、干渉パターンがシフトし得る。
【0043】
干渉パターンのシフトが存在する場合、ステップ218において、干渉パターンのシフトが検出される。ステップ218は、光検出器124及び検出ユニット140のプロセッサを使用して干渉パターンを検出することを含み得る。特定の例では、検出された干渉パターン、縞の位置、又は縞の位置のシフトを示す信号をプロセッサに送信し且つプロセッサによって受信し得る。プロセッサは、信号を分析して、任意のシフトが存在するか否かを判断し、存在する場合、シフトのサイズ及び大きさを特定するように構成され得る。プロセッサは、特定されたシフトデータを更に使用して、カセット内圧及び/又は壁偏向を特定し、特定された圧力を示す信号をシステム100の他の構成要素に出力し得る。したがって、ステップ218は、信号を検出器124から取得するのみならず、信号を処理し、シフト、圧力、及び偏向を特定し、圧力及び/又は偏向を示す出力信号を生成することも含み得る。ステップ218の1つ又は複数の態様は、検出ユニット140のプロセッサによって実行されるソフトウェアを使用して実行され得る。ステップ220において、信号をフィルタリングすることもできる。ステップ220は、ローパスフィルタを使用して実行され得る。代替的に、ステップ212において、光源122がオン及びオフにされる場合、バンドパスフィルタを使用してシフトの検出を断続的なレーザパルスと同期させ得る。幾つかの実施形態では、ステップ220は、ステップ218の前又はステップ218の一環として行われる。したがって、シフトの検出をポンプ又は他のノイズ源に起因する振動から分離し得る。
【0044】
方法210を使用して、手術での使用中、カセット110/110’内の圧力を非侵襲的に検出し得る。したがって、外科システム100及び/又は100’の様々な利点を達成し得る。眼科手術中、カセット圧力を干渉法で特定することができる外科システムを提供する方法及びシステムについて記載した。方法及びシステムは、示される例示的な実施形態に従って説明され、実施形態に対する変形形態があり得ることを当業者は容易に認識し、あらゆる変形形態は、方法及びシステムの趣旨及び範囲内にある。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱せずに多くの変更形態が当業者によってなされ得る。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物質を患者と交換するためのカセットであって、壁、反射器及び内圧センサを含み、前記壁は、非周囲カセット内圧に応答して偏向を受けるように構成される、カセットと、
前記カセットと結合されるコンソールと、
前記コンソールと結合される干渉計型圧力検知システムであって、光源及び検出器を含み、前記光源は、前記反射器で反射される光の第1の部分及び前記反射器を迂回する光の第2の部分を提供し、前記第1の部分及び前記第2の部分は、再結合して干渉パターンを形成し、前記偏向は、前記検出器によって検出可能な前記干渉パターンのシフトに対応する、干渉計型圧力検知システムと、
を含み、
前記内圧センサは、前記カセットの内圧を測定し、前記干渉パターンのシフトを前記偏向及び前記内圧に較正するように構成されている、外科システム。
【請求項2】
前記非周囲カセット内圧は、正圧及び負圧の両方を含む、請求項1に記載の外科システム。
【請求項3】
前記干渉パターンは、前記光の前記第1の部分及び前記光の前記第2の部分の物理的経路の差から生じる、請求項1に記載の外科システム。
【請求項4】
前記干渉計型圧力検知システムは、マイケルソン干渉計を含む、請求項1に記載の外科システム。
【請求項5】
前記マイケルソン干渉計は、ビームスプリッタ及び追加の反射器を含み、前記光源からの前記光は、前記ビームスプリッタを通過して前記光の前記第1の部分及び前記第2の部分を形成し、前記追加の反射器は、レセクプタクルの部分と結合される、請求項4に記載の外科システム。
【請求項6】
プロセッサを更に含み、前記プロセッサは、
前記干渉パターンに関係する信号を前記検出器から受信することと、
前記受信された信号に基づいて前記干渉パターンのシフトを計算することと、
前記計算されたシフトに基づいてカセット圧力を特定することと
を行うように構成される、請求項1に記載の外科システム。
【請求項7】
前記光源及び検出器は、前記コンソールに統合される、請求項1に記載の外科システム。
【請求項8】
前記反射器は、前記カセットの前記壁に統合される、請求項1に記載の外科システム。
【請求項9】
前記反射器は、前記カセットの前記壁と結合される、請求項1に記載の外科システム。
【請求項10】
前記光源は、レーザである、請求項1に記載の外科システム。
【請求項11】
前記光源は、波長を有し、前記干渉パターンの前記シフトは、前記偏向の2倍を前記波長で除算したものに対応する、請求項1に記載の外科システム。
【請求項12】
前記非周囲カセット内圧は、周囲圧力よりも大きく、及び前記偏向は、前記反射器が前記検出器により近いようなものである、請求項1に記載の外科システム。
【請求項13】
前記非周囲カセット内圧は、周囲圧力よりも小さく、及び前記偏向は、前記反射器が前記検出器からより離れているようなものである、請求項1に記載の外科システム。
【請求項14】
前記干渉計型圧力検知システムは、前記検出器と結合されたローパスフィルタを更に含み、前記ローパスフィルタは、前記シフトに対応する信号を送信するためのものであり、前記ローパスフィルタは、閾値周波数未満の通過帯域を有する、請求項1に記載の外科システム。
【請求項15】
前記コンソールは、前記カセットを受けるように構成されたレセプタクルを含む、請求項1に記載の外科システム。
【請求項16】
前記干渉計型圧力検知システムの前記光源は、光線を提供するように構成されており、
前記干渉計型圧力検知システムは、ビームスプリッタを備え、
前記ビームスプリッタは、
前記光線の第1の部分を前記外科カセットの壁における前記反射器に向けることと、
前記検出器への途中で前記反射器を迂回するように前記光線の第2の部分を向けることと
を行うように構成され、
前記検出器は、光線センサ、プロセッサ、及びメモリを含み、
前記反射器によって反射された前記光線の前記第1の部分及び前記反射器を迂回した前記光線の前記第2の部分を含む再結合された光線を受け取ることと、
前記再結合された光線に関連する干渉パターンを検出することと、
前記検出された干渉パターンを分析して前記干渉パターンのシフトを識別することであって、前記シフトは、前記外科カセットの前記壁の偏向に対応する、識別することと、
前記識別されたシフトに基づいてカセット内圧を特定することと
を行うように構成される、請求項1に記載の外科システム。
【外国語明細書】