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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023012952
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】取出しロボット
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/00 20060101AFI20230119BHJP
   B23D 33/00 20060101ALI20230119BHJP
   B23D 35/00 20060101ALI20230119BHJP
   B23D 19/06 20060101ALI20230119BHJP
   B25J 15/10 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
B25J15/00 F
B23D33/00 L
B23D35/00 Z
B23D19/06 F
B25J15/10
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021116739
(22)【出願日】2021-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】000238946
【氏名又は名称】株式会社エイチアンドエフ
(74)【代理人】
【識別番号】100103805
【弁理士】
【氏名又は名称】白崎 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100126516
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 綽勝
(74)【代理人】
【識別番号】100132104
【弁理士】
【氏名又は名称】勝木 俊晴
(74)【代理人】
【識別番号】100211753
【弁理士】
【氏名又は名称】岡崎 紳吾
(72)【発明者】
【氏名】竹生 健悟
(72)【発明者】
【氏名】藤井 章一郎
【テーマコード(参考)】
3C039
3C051
3C707
【Fターム(参考)】
3C039CB33
3C051FF21
3C707AS01
3C707BS10
3C707BT01
3C707DS01
3C707ES04
3C707EV07
3C707NS07
(57)【要約】
【課題】丸刃又はスペーサーを取り出す際に、これらが金属疲労を引き起こすことを防止することができ、且つ、支持安定性にも優れる取出しロボットを提供すること。
【解決手段】本発明は、本体部11と、該本体部11に取り付けられたアーム部12と、該アーム部12の先端に設けられた基部13と、横方向に突出するように基部13に取り付けられ、周面に突起状の支持用突起部20cが設けられた複数の支持用ロッド部20と、該支持用ロッド部20を、該支持用ロッド部20の長さ方向の支持用軸A1を中心に回動させるための支持用駆動部30と、を備え、支持用突起部20cが円筒体Xの内壁部の溝部Gに係合された状態で、円筒体Xを載置棚5から取り出す取出しロボット1である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スリッター装置のアーバー軸に取り付けて用いられる円筒体を、該円筒体が載置された載置棚から取り出すための取出しロボットであって、
本体部と、該本体部に取り付けられたアーム部と、該アーム部の先端に設けられた基部と、横方向に突出するように前記基部に取り付けられ、周面に突起状の支持用突起部が設けられた複数の支持用ロッド部と、該支持用ロッド部を、該支持用ロッド部の長さ方向の支持用軸を中心に回動させるための支持用駆動部と、を備え、
前記円筒体が、刃物、又は、該刃物同士の間に設置されるスペーサーであり、
前記円筒体の内壁部には、周方向に延びる溝部が設けられており、
前記支持用駆動部が、前記円筒体の中空部に挿入された前記支持用ロッド部を回動させ、前記支持用突起部が前記溝部に係合された状態で、前記円筒体を前記載置棚から取り出す取出しロボット。
【請求項2】
前記支持用軸が前記支持用ロッド部の軸心に対して偏心している請求項1記載の取出しロボット。
【請求項3】
前記円筒体を、該円筒体が隣接する別円筒体から分離すると共に、前記載置棚から取り出すためのものであり、
前記複数の支持用ロッド部のうちの少なくとも1つが、周面に突起状の分離用突起部が更に設けられた支持分離用ロッド部であり、
前記支持用駆動部が前記別円筒体の中空部に挿入された前記支持分離用ロッド部を回動させ、前記分離用突起部が前記別円筒体の内壁部の溝部以外の部分を押すことにより、前記別円筒体が前記円筒体から分離される請求項1又は2に記載の取出しロボット。
【請求項4】
前記円筒体を、該円筒体が隣接する別円筒体から分離すると共に、前記載置棚から取り出すためのものであり、
横方向に突出するように前記基部に取り付けられ、周面に突起状の分離用突起部が設けられた分離用ロッド部と、該分離用ロッド部を、該分離用ロッド部の長さ方向の分離用軸を中心に回動させるための分離用駆動部と、を更に備え、
前記分離用駆動部が前記別円筒体の中空部に挿入された前記分離用ロッド部を回動させ、前記分離用突起部が前記別円筒体の内壁部の溝部以外の部分を押すことにより、前記別円筒体が前記円筒体から分離される請求項1又は2に記載の取出しロボット。
【請求項5】
前記分離用軸が前記分離用ロッド部の軸心に対して偏心している請求項4記載の取出しロボット。
【請求項6】
前記支持用ロッド部が、前記円筒体の一方側から内部に挿入されるものであり、
複数の前記円筒体における前記溝部が、前記円筒体の他方側から一定の距離の位置に設けられている請求項1~5のいずれか1項に記載の取出しロボット。
【請求項7】
前記アーバー軸には周面から長さ方向に延出した延出部が設けられており、
前記支持用駆動部が、前記円筒体を前記延出部に引っ掛けた状態の前記支持用ロッド部を回動させ、前記支持用突起部を前記溝部から離脱させることにより、前記円筒体を前記アーバー軸に引き渡す請求項1~6のいずれか1項に記載の取出しロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スリッター装置のアーバー軸に取り付けて用いられる円筒体を、当該円筒体が載置された載置棚から取り出すための取出しロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、コイル状の板材を切断加工するためのスリット装置が知られている。
かかるスリット装置においては、上下に設置されたアーバー軸に、それぞれ、刃物及びスペーサーを取り付け、当該刃物で板材を挟み込むようにして、これを切断している。
なお、このときの切断される板材の幅寸法は、刃物同士の間に設置されるスペーサーのサイズにより決定される。
【0003】
ところで、スリット装置においては、板材の厚さ、材質等に応じて、使用される刃物が交換され、また、求める板材の幅寸法に応じて、使用されるスペーサーが交換される。そのため、複数のタイプの刃物やスペーサーを所持していることが通常であり、これらは所定の保管場所に保管される。そして、使用時においては、必要な刃物やスペーサーが、保管場所から、ロボットにより把持され、取り出されるようになっている。
【0004】
このようなロボットとしては、例えば、保管台の1または複数の丸刃および/またはスペーサーを把持するフィンガーを有するハンドリングロボットが知られている(例えば、特許文献1参照)。
かかるハンドリングロボットにおいては、丸刃の内側に、3つのフィンガーを挿入した後、3つのフィンガーを丸刃の内径に当接させ、丸刃を3点で把持するようになっている。すなわち、ハンドリングロボットは、丸刃の内壁の部分を拡縮方式のフィンガーでクランプすることにより把持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5329728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1記載のハンドリングロボットにおいて、丸刃は、その内壁の部分にフィンガーが当接され、且つ、フィンガーにより外側に向けて一定の力で押圧されることになるため、ハンドリングロボットによる把持が繰り返されることにより、丸刃の内壁が金属疲労を引き起こす恐れがある。
また、ハンドリングロボットが丸刃を把持した場合の支持安定性は、フィンガーと丸刃の内壁の部分との間の摩擦力に依存することになるため、十分に優れるとはいえない。例えば、丸刃を高速で搬送した場合等には、慣性力により、丸刃が滑り落ちる恐れがある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、丸刃又はスペーサーを取り出す際に、これらが金属疲労を引き起こすことを防止することができ、且つ、支持安定性にも優れる取出しロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、支持用ロッド部に設けられた支持用突起部を、円筒体に設けられた溝部に係合させた状態で、円筒体を載置棚から取り出すことにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明は、(1)スリッター装置のアーバー軸に取り付けて用いられる円筒体を、該円筒体が載置された載置棚から取り出すための取出しロボットであって、本体部と、該本体部に取り付けられたアーム部と、該アーム部の先端に設けられた基部と、横方向に突出するように基部に取り付けられ、周面に突起状の支持用突起部が設けられた複数の支持用ロッド部と、該支持用ロッド部を、該支持用ロッド部の長さ方向の支持用軸を中心に回動させるための支持用駆動部と、を備え、円筒体が、刃物、又は、該刃物同士の間に設置されるスペーサーであり、円筒体の内壁部には、周方向に延びる溝部が設けられており、支持用駆動部が、円筒体の中空部に挿入された支持用ロッド部を回動させ、支持用突起部が溝部に係合された状態で、円筒体を載置棚から取り出す取出しロボットに存する。
【0010】
本発明は、(2)支持用軸が支持用ロッド部の軸心に対して偏心している上記(1)記載の取出しロボットに存する。
【0011】
本発明は、(3)円筒体を、該円筒体が隣接する別円筒体から分離すると共に、載置棚から取り出すためのものであり、複数の支持用ロッド部のうちの少なくとも1つが、周面に突起状の分離用突起部が更に設けられた支持分離用ロッド部であり、支持用駆動部が別円筒体の中空部に挿入された支持分離用ロッド部を回動させ、分離用突起部が別円筒体の内壁部の溝部以外の部分を押すことにより、別円筒体が円筒体から分離される上記(1)又は(2)に記載の取出しロボットに存する。
【0012】
本発明は、(4)円筒体を、該円筒体が隣接する別円筒体から分離すると共に、載置棚から取り出すためのものであり、横方向に突出するように基部に取り付けられ、周面に突起状の分離用突起部が設けられた分離用ロッド部と、該分離用ロッド部を、該分離用ロッド部の長さ方向の分離用軸を中心に回動させるための分離用駆動部と、を更に備え、分離用駆動部が別円筒体の中空部に挿入された分離用ロッド部を回動させ、分離用突起部が別円筒体の内壁部の溝部以外の部分を押すことにより、別円筒体が円筒体から分離される上記(1)又は(2)に記載の取出しロボットに存する。
【0013】
本発明は、(5)分離用軸が分離用ロッド部の軸心に対して偏心している上記(4)記載の取出しロボットに存する。
【0014】
本発明は、(6)支持用ロッド部が、円筒体の一方側から内部に挿入されるものであり、複数の円筒体における溝部が、円筒体の他方側から一定の距離の位置に設けられている上記(1)~(5)のいずれか1つに記載の取出しロボットに存する。
【0015】
本発明は、(7)アーバー軸には周面から長さ方向に延出した延出部が設けられており、支持用駆動部が、円筒体を延出部に引っ掛けた状態の支持用ロッド部を回動させ、支持用突起部を溝部から離脱させることにより、円筒体をアーバー軸に引き渡す上記(1)~(6)のいずれか1つに記載の取出しロボットに存する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の取出しロボットにおいては、支持用ロッド部が回動可能となっているので、支持用突起部が円筒体側に向いていない状態で、支持用ロッド部を円筒体の中空部に挿入することができる。これにより、支持用ロッド部を円筒体の中空部に挿入する際に、支持用突起部が円筒体に衝突することを確実に防止することができる。
また、取出しロボットにおいては、支持用ロッド部を複数備えているので、円筒体を少なくとも2か所で支持することになる。これにより、支持安定性をより向上させることができる。
【0017】
本発明の取出しロボットにおいては、支持用駆動部が、円筒体の中空部に挿入された支持用ロッド部を回動させることにより、支持用突起部を円筒体に設けられた溝部に係合させることができる。そして、円筒体は、取出しロボットに持ち上げられることにより、載置棚から取り出される。
このように、取出しロボットにおいては、円筒体を取り出す際に、円筒体の内壁部を積極的に押圧する、いわゆる拡縮方式ではないため、円筒体が金属疲労を引き起こすことを抑制することができる。
また、取出しロボットにおいては、支持用突起部が溝部に係合された状態で、円筒体を載置棚から取り出すことになるので、支持安定性にも優れる。例えば、丸刃を高速で搬送した場合等であっても、丸刃が慣性力で滑り落ちることを防止することができる。
【0018】
本発明の取出しロボットにおいては、支持用ロッド部の回動中心となる支持用軸を、支持用ロッド部の軸心に対して偏心した構成とすることにより、支持用ロッド部の円筒体の内壁部への接近、当接、乖離を当該回動で行うことが可能となる。
例えば、支持用突起部を溝部に係合させる際にのみ、支持用ロッド部を円筒体の内壁部に当接させることができる。この場合、支持用ロッド部が円筒体の内壁部に当接されることによる当該内壁部の摩耗を極力抑制することができる。
【0019】
本発明の取出しロボットにおいては、複数の支持用ロッド部のうちの少なくとも1つが、支持用突起部に加え、分離用突起部を更に有する支持分離用ロッド部である場合、支持用駆動部が、円筒体及び別円筒体の中空部に挿入された支持分離用ロッド部を回動させることにより、支持用突起部を円筒体に設けられた溝部に係合させ、また、分離用突起部を別円筒体に設けられた溝部以外の部分に当接させ当該部分を押すことができる。これにより、別円筒体を円筒体から分離させると共に、支持用突起部を溝部に係合させた状態で当該円筒体を取り出すことができる。
その結果、取出しロボットにおいては、支持用ロッド部が円筒体を取り出す際に、分離用ロッド部が別円筒体を積極的に分離させることで、別円筒体が円筒体と共に取り出されてしまうことを防止することができる。
また、支持用突起部及び分離用突起部を設ける位置を調整することにより、円筒体の支持と別円筒体の分離とを同時に行うことも可能である。
【0020】
本発明の取出しロボットにおいては、分離用ロッド部と、分離用駆動部とを更に備える場合、分離用ロッド部が回動可能となっているので、分離用突起部が円筒体に向いていない状態で、分離用ロッド部を円筒体及び別円筒体の中空部に挿入することができる。これにより、分離用ロッド部を円筒体及び別円筒体の中空部に挿入する際に、分離用突起部が円筒体又は別円筒体に衝突することを確実に防止することができる。
また、取出しロボットにおいては、分離用駆動部が別円筒体の中空部に挿入された分離用ロッド部を回動させることにより、分離用突起部が別円筒体に設けられた溝部以外の部分に当接させ、当該部分を押すことができる。これにより、別円筒体を円筒体から分離させることができる。
したがって、この場合の取出しロボットにおいては、支持用ロッド部が円筒体を取り出す際に、分離用ロッド部が別円筒体を積極的に分離させることで、別円筒体が円筒体と共に取り出されてしまうことを防止することができる。
【0021】
このとき、分離用ロッド部の回動中心となる分離用軸を、分離用ロッド部の軸心に対して偏心した構成とすることにより、分離用ロッド部の円筒体の内壁部への接近、当接、乖離を当該回動で行うことが可能となる。
例えば、分離用突起部で別円筒体を押す際にのみ、分離用ロッド部を別円筒体の内壁部に当接させればよいので、分離用ロッド部が別円筒体の内壁部に当接されることによる当該内壁部の摩耗を極力抑制することができる。
【0022】
本発明の取出しロボットにおいては、複数の円筒体における溝部が、いずれも、他方側から一定の距離の位置に設けられている場合、円筒体の他方側の端部を基準として溝部の位置が認識できるので、溝部を利用した円筒体の取り出しや溝部を利用しない円筒体の別円筒体からの分離の制御がし易くなる。
【0023】
本発明の取出しロボットにおいては、アーバー軸に設けられた延出部を利用することにより、アーバー軸に干渉することなく、円筒体の引き渡しを行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、本発明に係る取出しロボットの一実施形態を示す斜視図である。
図2(a)】図2(a)は、本実施形態に係る取出しロボットの第4アームの先端部分を拡大して示す斜視図である。
図2(b)】図2(b)は、図2(a)に示すロボットの第4アームの先端部分の上面図である。
図3図3の(a)は、本実施形態に係る取出しロボットにより取り出される円筒体と、当該円筒体に隣接する別円筒体を模式的に示す水平断面図であり、図3の(b)は、図3の(a)に示す円筒体に支持用突起部を係合させ、別円筒体を分離用突起部で分離させた状態を示す水平断面図である。
図4図4は、本実施形態に係る取出しロボットにおける支持用ロッド部及び支持分離用ロッド部の回動を説明するための説明図である。
図5図5は、、本実施形態に係る取出しロボットにより、円筒体Xを取り出す一連の流れを説明するための説明図である。本実施形態に係る取出しロボットにおける支持用ロッド部及び支持分離用ロッド部の回動を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
【0026】
本発明に係る取出しロボットは、スリッター装置のアーバー軸に取り付けて用いられる円筒体を載置棚から取り出すためのものである。
なお、取出しロボットが、後述する分離用突起部を有する場合は、取り出す円筒体に隣接する別の円筒体(以下便宜的に「別円筒体」という。)を、当該円筒体から分離し、当該円筒体のみを載置棚から取り出すことが可能となっている。
【0027】
ここで、円筒体としては、刃物、又は、該刃物同士の間に設置されるスペーサーが挙げられる。すなわち、刃物及びスペーサーは、何れも、アーバー軸に取り付けられて用いられるものであり、円筒状である。
【0028】
図1は、本発明に係る取出しロボットの一実施形態を示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係る取出しロボット1は、後述する支持用ロッド部20が載置棚5に届くように、当該載置棚5の近傍に設置される。
また、取出しロボット1においては、支持用ロッド部20が把持した円筒体Xを引き渡すためのアーバー軸6も支持用ロッド部20が届く範囲の近傍に設置されている。
これにより、本実施形態に係る取出しロボット1においては、円筒体Xを、載置棚5から取り出すと共に搬送し、アーバー軸6に引き渡すことが可能となっている。
【0029】
取出しロボット1は、架台10に取り付け固定された本体部11と、本体部11に取り付けられたアーム部12と、アーム部12の先端に設けられた基部13と、基部13に取り付けられた複数の支持用ロッド部20と、基部13に取り付けられた支持用駆動部(図示しない)と、を備える。
また、複数の支持用ロッド部20のうちの1つが、分離用突起部21dを更に有する支持分離用ロッド部21となっている。なお、これらの詳細については、後述する。
なお、架台10は、載置棚5及びアーバー軸6の近傍の地面に設置され、取出しロボット1を取り付けるためのいわゆる基礎土台である。
かかる架台10の形状及びサイズは特に限定されない。
【0030】
本実施形態に係る取出しロボット1においては、支持用ロッド部20を複数備えているので、円筒体Xを少なくとも2か所で支持することになる。その結果、支持安定性をより向上させることが可能となる。
また、支持分離用ロッド部21を備えるので、円筒体を取り出す際に、別円筒体と確実に分離させることができる。
【0031】
取出しロボット1において、本体部11は、架台10に取り付け固定される。
また、本体部11は、その中心に、鉛直方向の本体軸(図示しない)を内蔵している。
そして、取付けロボット1においては、本体部11の本体軸にアーム部12が枢着されている。これにより、アーム部12は、本体軸を中心に水平面に沿って回動可能となっている。
【0032】
アーム部12は、上述したように、本体部11に回動可能となるように取り付けられる。
具体的には、アーム部12は、一端が本体部11の本体軸に枢着された第1アーム12aと、当該第1アーム12aの他端に内蔵された水平方向の第1関節軸(図示しない)に、一端が枢着された第2アーム12bと、当該第2アーム12bの他端に内蔵された水平方向の第2関節軸(図示しない)に、一端が枢着された第3アーム12cと、当該第3アーム12cの他端に内蔵された水平方向の第3関節軸(図示しない)に、一端が枢着された第4アーム12dとを有する。
そして、第4アーム12dの他端(先端)には、基部13が設けられている。
【0033】
アーム部12においては、第2アーム12bが、第1アーム12aの第1関節軸を中心に鉛直面に沿って回動可能となっており、第3アーム12cが、第2アーム12bの第2関節軸を中心に鉛直面に沿って回動可能となっており、第4アーム12dが、第3アーム12cの第3関節軸を中心に鉛直面に沿って回動可能となっている。
また、アーム部12においては、第1アーム12aを駆動させるためのサーボモータM1が本体部11に取り付けられており、第2アーム12bを駆動させるためのサーボモータM2が第1関節軸に取り付けられており、第3アーム12cを駆動させるためのサーボモータM3が第2関節軸に取り付けられており、第4アーム12dを駆動させるためのサーボモータM4が第3アーム12cの端部に取り付けられている。
【0034】
取出しロボット1においては、これらのアームの回動を駆使することにより、一般的な制御に基づいて、特定の位置にある円筒体Xを取り出すことができ、且つ、別の特定の位置まで当該円筒体Xを搬送することが可能となっている。
【0035】
図2(a)は、本実施形態に係る取出しロボットの第4アームの先端部分を拡大して示す斜視図であり、図2(b)は、図2(a)に示すロボットの第4アームの先端部分の上面図である。なお、図2(a)及び図2(b)には、円筒体Xを記載していない。
また、図2(a)及び図2(b)においては、上下方向をZ方向、基部13の長手方向をX方向、支持用ロッド部の長さ方向をY方向としている。Z方向、Y方向、X方向は、互いに直交する。
図2(a)に示すように、基部13は、第4アーム12dの先端に、連結部120を介して設けられている。
具体的には、下方を向いた第4アーム12dの先端に、箱状の連結部120が直線状に取り付けられており、当該連結部120の側面(Y方向に垂直な面)に横方向(X方向)に延出するYa矢視矩形状の板材からなる基部13が取り付けられている。
【0036】
基部13は、一方の面側に突出するように、3本の支持用ロッド部20が取り付けられており、他方の面側に、各支持用ロッド部20に対応する支持用駆動部30が取り付けられている(図2(b)参照)。
ここで、基部13においては、一方の面側に、連結部120及び第4アーム12dが位置しているため、支持用ロッド部20と、連結部120又は第4アーム12dとが互いに干渉しないように、両者間には一定の距離が設けられている。
【0037】
基部13においては、上側に並んで2本の支持用ロッド部20が取り付けられており、下側に1本の支持用ロッド部20が取り付けられている。なお、上側の2本の支持用ロッド部20は、互いに同じ構造である。また、上側の2本の支持用ロッド部20を結ぶ線は、基部13の長手方向(X方向)に平行となっている。
そして、下側の1本の支持用ロッド部20は、分離用突起部を更に有する支持分離用ロッド部21となっている。
これらは、何れも棒状であり、基部13から、基部13の長手方向(X方向)に直交する横方向(Y方向)に突出し、且つ、互いに平行となっている。
【0038】
支持用ロッド部20は、基部13に取り付けられた軸受け部20aと、該軸受け部20aに支持されたロッド部20bと、ロッド部20bの先端部の周面に設けられた突起状の支持用突起部20cとを有している。
また、支持分離用ロッド部21は、基部13に取り付けられた軸受け部21aと、該軸受け部21aに支持されたロッド部21bと、ロッド部21bの先端部の周面に設けられた突起状の支持用突起部21cと、該支持用突起部21cよりも先端側の周面に設けられた突起状の分離用突起部21dと、を有している。
すなわち、支持分離用ロッド部21は、支持用ロッド部20のロッド部20bを若干長くし、分離用突起部21dを更に付加したものに相当する。
【0039】
ここで、支持用突起部20c,21c及び分離用突起部21dは、何れも、Xa矢視逆V字状となっている。すなわち、円錐状となっている。
また、後述するように、支持用突起部20c,21cが係合される円筒体の溝部は、断面視V字状となっている。
【0040】
図3の(a)は、本実施形態に係る取出しロボットにより取り出される円筒体と、当該円筒体に隣接する別円筒体を模式的に示す水平断面図であり、図3の(b)は、図3の(a)に示す円筒体に支持用突起部を係合させ、別円筒体を分離用突起部で分離させた状態を示す水平断面図である。
図3の(a)に示すように、円筒体Xにおいては、一方側Y1から中空部に支持用ロッド部が挿入されるようになっており、他方側には別円筒体X1が隣接されている。
ちなみに、隣接する別円筒体X1の有無に関わらず、円筒体Xを取り出す際に支持用ロッド部を挿入する側は、常に円筒体Xの一方側Y1からとなる。
【0041】
円筒体Xは、その中空部の内壁部に、周方向に延びる溝部Gが設けられている。
図3の(b)に示すように、溝部Gは、支持用突起部20c,21cと係合可能となっている。
取出しロボット1においては、円筒体Xを持ち上げ載置棚5から取り出す際に、支持用突起部20c,21cを溝部Gに係合させた状態とするので、円筒体Xを支持した場合の支持安定性に優れる。
また、円筒体Xを高速で搬送した場合等であっても、支持用突起部20c,21cが溝部Gに係合されているので、円筒体Xが慣性力で滑り落ちることを防止することができる。
また、上述したように、取出しロボット1においては、溝部GをV字状、支持用突起部20c,21cを逆V字状としているので、係合する際に、溝部Gの位置と支持用突起部20c,21cの位置とに微小なズレがあったとしても、支持用突起部20c,21cを溝部Gの傾斜面に沿って滑らせることで、両者を確実に係合させることが可能となる。
【0042】
円筒体Xにおいて、溝部Gは、円筒体Xの他方側(支持用ロッド部が挿入される側とは反対側)から一定の距離D1の位置に設けられている。すなわち、円筒体Xである刃物及びスペーサーは、何れも、その内壁部の特定の位置に溝部Gを有している。
一方、支持用ロッド部20におけるロッド部20bの根元から支持用突起部20cまでの距離D2と、支持分離用ロッド部21におけるロッド部21bの根元から支持用突起部21cまでの距離D2とは同じとなっている。
これらのことから、円筒体Xの他方側の端部を基準として溝部Gの位置が認識できるので、溝部Gを利用した円筒体Xの取り出しや溝部Gを利用しない円筒体Xの別円筒体X1からの分離の制御がし易くなる。
また、仮に外観が異なる円筒体Xであっても、上述した距離D1,D2が一定であるので、同一の制御で、異なる円筒体Xを支持用ロッド部20で取り出すことが可能となっている。
【0043】
また、取出しロボット円筒体Xにおいては、円筒体Xに別円筒体X1が隣接している場合は、支持分離用ロッド部21のロッド部21bの延びた先端部分に位置する分離用突起部21dが、円筒体Xの中空部を通過し、別円筒体X1の中空部に挿入され、別円筒体X1の内壁部の溝部G以外の部分を押すことにより、仮に別円筒体X1が負圧等により円筒体Xに付着していたとしても、当該別円筒体X1を円筒体Xから確実に分離させることができる。その結果、別円筒体X1が円筒体Xと共に取り出されてしまうことを防止することができる。
【0044】
このとき、作業性の観点から、支持分離用ロッド部21の支持用突起部21cの溝部Gへの係合と、分離用突起部21dによる別円筒体X1の分離とは、同時に行うことが好ましい。すなわち、支持用突起部21cと、分離用突起部21dとを結ぶ線が、支持分離用ロッド部21の長さ方向(Y方向)に平行となっていることが好ましい。
【0045】
図2(b)に戻り、支持用駆動部30は、2本の支持用ロッド部20及び1本の支持分離用ロッド部30に対応するように、基部13に3基に取り付けられている。なお、これらの支持用駆動部30は、全て同じ構造のものとなっている。
支持用駆動部30は、支持用ロッド部20又は支持分離用ロッド部21をそれらの長さ方向(Y方向)の支持用軸を中心に回動させるためのものである。
支持用駆動部30としては、特に限定されないが、例えば、ロータリーアクチュエータ、サーボモータ等を採用すればよい。
【0046】
図4は、本実施形態に係る取出しロボットにおける支持用ロッド部及び支持分離用ロッド部の回動を説明するための説明図である。なお、図4中、左側が、支持用ロッド部20及び支持分離用ロッド部21が円筒体Xを把持した状態(以下便宜的に「当接状態L1」という。)であり、右側が、支持用ロッド部20及び支持分離用ロッド部21が離脱して円筒体Xを把持していない状態(以下便宜的に「乖離状態L2」という。)である。
図4に示すように、取出しロボット1においては、支持用ロッド部20の回動中心である支持用軸A1が、支持用ロッド部20自体の軸心A2に対して偏心している。同様に、支持分離用ロッド部21の回動中心である支持用軸A1が、支持分離用ロッド部21自体の軸心A2に対して偏心している。
このため、支持用駆動部30が、支持用ロッド部20及び支持分離用ロッド部21を回動させると、当接状態L1から乖離状態L2となり、逆に回動させると、乖離状態L2から当接状態L1となる。
【0047】
すなわち、乖離状態L1から当接状態L1になると、支持用ロッド部20及び支持分離用ロッド部21が円筒体Xの内壁部に当接されると同時に、支持用突起部20c,21cが円筒体Xの溝部Gに係合される。また、分離用突起部が別円筒体X1を押すことになる。
一方、当接状態L1から乖離状態L2になると、支持用突起部20c,21cが円筒体Xの溝部Gから外れると同時に、支持用ロッド部20及び支持分離用ロッド部21自体も内壁部から乖離することになる。
【0048】
このように、取出しロボット1においては、支持用軸A1が偏心しているため、支持用ロッド部20及び支持分離用ロッド部21の円筒体Xの内壁部への接近、当接、乖離を当該回動で順次行うことが可能となっている。
これにより、支持用ロッド部20及び支持分離用ロッド部21が円筒体Xの内壁部に当接されることによる当該内壁部の摩耗を極力抑制することができる。
【0049】
次に、取出しロボット1による円筒体Xの取出し方法について説明する。
図5は、本実施形態に係る取出しロボットにより、円筒体Xを取り出す一連の流れを説明するための説明図である。
図5に示すように、まず、取出しロボット1においては、支持用ロッド部20及び支持分離用ロッド部21を、円筒体Xの一方側から中空部に挿入する(第1状態S1)。
このとき、支持用駆動部30が、予め、支持用ロッド部20及び支持分離用ロッド部21を回動させることにより、支持用突起部20c,21c及び分離用突起部21dが円筒体X側に向いていない乖離状態L2(図4の右図参照)で、支持用ロッド部を円筒体の中空部に挿入することができる。
その結果、支持用ロッド部20及び支持分離用ロッド部21を円筒体Xの中空部に挿入する際に、支持用ロッド部20及び支持分離用ロッド部21だけでなく、支持用突起部20c,21c及び分離用突起部21dも、円筒体Xに衝突することを確実に防止することができる。
【0050】
支持用ロッド部20及び支持分離用ロッド部21を円筒体Xの中空部に挿入した後、支持用駆動部30が、支持用ロッド部20及び支持分離用ロッド部21を回動させ、当接状態L1(図4の左図参照)とする。
このとき、支持用ロッド部2は、支持用突起部20cが円筒体の溝部Gに係合される位置まで円筒体Xの中空部に挿入される。また、支持分離用ロッド部21は、支持用突起部21cが円筒体の溝部Gに係合され、且つ、分離用突起部21dが別円筒体X1の溝部G以外の部分に到達する位置までこれらの中空部に挿入される。
これにより、円筒体Xが支持用ロッド部20及び支持分離用ロッド部21に支持され、別円筒体X1が分離される(図3の(b)参照)。
なお、支持用ロッド部20及び支持分離用ロッド部21の円筒体Xの中空部への挿入と、支持用ロッド部20及び支持分離用ロッド部21の円筒体Xの内壁部への当接とを略同時に行ってもよい。
【0051】
こうして、円筒体Xが取出しロボット1により載置棚5から取り出される(第2状態S2)。
取出しロボット1においては、円筒体Xを取り出す際に、円筒体Xの内壁部を積極的に押圧する、いわゆる拡縮方式ではないため、円筒体Xが金属疲労を引き起こすことを抑制することができる。
【0052】
載置棚5から取り出された円筒体Xは、取出しロボット1により搬送され、アーバー軸6に引き渡される。
アーバー軸6は、円筒状であり、その周面の上部から長さ方向に延出した延出部6aを有している(図1参照)。
取出しロボット1は、円筒体Xを延出部6aに挿入する(第3状態S3)。
このとき、支持用ロッド部20同士の間にはスペースがあるので、延出部6aと支持用ロッド部20とは互いに干渉しない。
そして、支持用駆動部30が、円筒体Xを延出部6aに引っ掛けた状態の支持用ロッド部20及び支持分離用ロッド部21を回動させ、乖離状態L2とすることにより、円筒体Xがアーバー軸6に引き渡される(第4状態S4)。
その後、取出しロボット1は、延出部6aから退避する(第5状態S5).
このように、取出しロボット1においては、アーバー軸6に設けられた延出部6aを利用することにより、アーバー軸6に干渉することなく、円筒体Xの引き渡しを行うことが可能となる。
【0053】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0054】
本実施形態に係る取出しロボット1においては、本体部11と、アーム部12とを備えているが、所定の位置の円筒体Xを取り出すことが可能であれば、本体部11及びアーム部12の構造は、上述したものに限定されない。
【0055】
本実施形態に係る取出しロボット1においては、3本の支持用ロッド部20と、これに対応する支持用駆動部30とを備えているが、支持用ロッド部20の数は、3本に限定されず、4本以上であってもよい。
また、支持用ロッド部20のうちの1本を、分離用突起部21dを更に有する支持分離用ロッド部21としているが、必須ではない。
例えば、支持分離用ロッド部21の代わりに、分離用突起部を有さない支持用ロッド部20を採用してもよい。
【0056】
また、支持分離用ロッド部21の代わりに、支持用突起部を有さず、分離用突起部のみを有する分離用ロッド部を採用してもよい。
具体的には、取出しロボットは、基部から横方向に突出し、周面に突起状の分離用突起部が設けられた分離用ロッド部と、該分離用ロッド部を、該分離用ロッド部の長さ方向の分離用軸を中心に回動させるための分離用駆動部と、を更に備えていてもよい。なお、分離用軸は、上述した支持用軸と置き換えることができ、分離用駆動部は、上述した支持用駆動部と置き換えることができる。
この場合、分離用駆動部が別円筒体の中空部に挿入された分離用ロッド部を回動させ、分離用突起部が別円筒体の内壁部の溝部以外の部分を押すことにより、別円筒体を円筒体から分離させることができる。
また、この場合であっても、上述したことと同様の理由で、分離用軸が分離用ロッド部の軸心に対して偏心していることが好ましい。
【0057】
本実施形態に係る取出しロボット1において、基部13は、連結部120を介して、第4アーム12dに取り付けられているが、この構造に限定されない。
【0058】
本実施形態に係る取出しロボット1においては、支持用突起部20c,21c及び分離用突起部21dをXa矢視逆V字状とし、円筒体の溝部を断面視V字状としているが、これに限定されない。
【0059】
本実施形態に係る取出しロボット1は、載置棚5から取り出した円筒体Xを、アーバー軸6に引き渡しているが、円筒体Xを取出し可能であればよく、アーバー軸6に引き渡すことまでは必須ではない。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明に係る取出しロボットは、コイル状の板材を切断加工するためのスリット装置において、アーバー軸に取り付けて用いられる刃物及びスペーサーを載置棚から取り出すためのロボットとして利用できる。
本発明に係る取出しロボットによれば、丸刃又はスペーサーを取り出す際に、これらが金属疲労を引き起こすことを防止することができ、且つ、支持安定性にも優れる。
【符号の説明】
【0061】
1・・・取出しロボット
10・・・架台
11・・・本体部
12・・・アーム部
120・・・連結部
12a・・・第1アーム
12b・・・第2アーム
12c・・・第3アーム
12d・・・第4アーム
13・・・基部
20・・・支持用ロッド部
20a,21a・・・軸受け部
20b,21b・・・ロッド部
20c,21c・・・支持用突起部
21・・・支持分離用ロッド部
21d・・・分離用突起部
30・・・支持用駆動部
5・・・載置棚
6・・・アーバー軸
6a・・・延出部
A1・・・支持用軸
A2・・・軸心
G・・・溝部
L1・・・当接状態
L2・・・乖離状態
M1,M2,M3,M4・・・サーボモータ
X・・・円筒体
X1・・・別円筒体
図1
図2(a)】
図2(b)】
図3
図4
図5