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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129527
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】キー付き入出力コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/64 20060101AFI20230907BHJP
   H01R 13/6596 20110101ALI20230907BHJP
【FI】
H01R13/64
H01R13/6596
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023117963
(22)【出願日】2023-07-20
(62)【分割の表示】P 2022073137の分割
【原出願日】2018-11-20
(31)【優先権主張番号】62/589,327
(32)【優先日】2017-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/633,819
(32)【優先日】2018-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】エドムンド ポー
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ ダンバッハ
(72)【発明者】
【氏名】リー チェン
(72)【発明者】
【氏名】マリエ ポッフ カイン
(72)【発明者】
【氏名】デビット エル ブランカー
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドラ ヘーザー
(72)【発明者】
【氏名】エッジ ムリーサ
(72)【発明者】
【氏名】ヒュアドン リー
(72)【発明者】
【氏名】スコット ディー ソマーズ
(57)【要約】
【解決手段】プラグコネクタ(22)及び導電性のケージ(20)を含むアセンブリ。プラグコネクタは、ハウジング(44)と、ハウジング(44)から延在する突起(66)と、ハウジング(44)内に取り付けられたパドルカード(60)と、を含む。ケージ(20)は、内側領域を形成するケージハウジング(26)と、キー溝(68)を形成する少なくとも1つのキャップ(64)と、を含む。プラグコネクタ(22)のハウジング(44)は、ケージ(20)の内側領域(36)内に受容されており、プラグコネクタ(22)の突出部(66)は、ケージ(20)のキー溝(68)内に受容されている。ケージ(20)は、導電性のベゼル(122)と係着する複数のバネフィンガを含み得る。ケージ(20)は、プラグコネクタ(22)のEMIシールドを提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラグコネクタであって、
導電性の材料から形成され、プラグコネクタ容器を収容するように構成されたケージであって、嵌合端部と反対側端部とを有するケージを備え、該ケージは、
頂壁と、底壁と、前記頂壁と底壁とを接続する側壁とを含むケージハウジングであって、前記頂壁、底壁及び側壁は、前記嵌合端部から反対側端部までの内部領域であって、前記プラグコネクタ容器の突起を収容するのに適応する内部領域を形成する、ケージハウジングと、
該ケージハウジングの頂壁上にあるキャップであって、端壁と、前記頂壁から上方に向けて延在する傾斜側壁と、該傾斜側壁の上端にあり、前記頂壁から離間した上壁とを有し、前記傾斜側壁及び上壁は前記内部領域と連通するキー溝を形成するキャップと、を含み、
前記キー溝は前記嵌合端部から前記ケージハウジングの全長の一部に沿って延在し、これにより、前記キャップの端壁が前記ケージハウジングの後端から離間する、
プラグコネクタ。
【請求項2】
前記キャップが、前記ケージハウジングと一体的に形成されている、請求項1に記載のプラグコネクタ。
【請求項3】
前記端壁、傾斜側壁及び頂壁の各々は、平坦である、請求項1に記載のプラグコネクタ。
【請求項4】
前記ケージハウジングの頂壁は中点を有し、前記キャップは、前記頂壁上において前記中点の一方側に横ずれして位置決めされている、請求項1に記載のプラグコネクタ。
【請求項5】
前記キャップは第1のキャップであり、前記キー溝は第1のキー溝であり、前記内部領域は前記ケージハウジングの内壁によって画定され、該内壁は、第2の内部領域を有する第2の区画を更に画定する、請求項1に記載のプラグコネクタ。
【請求項6】
前記ケージハウジングの頂壁上にある第2のキャップであって、端壁と、前記頂壁から上方に向けて延在する傾斜側壁と、該傾斜側壁の上端にあり、前記頂壁から離間した上壁とを有し、前記傾斜側壁及び上壁は前記第2の内部領域と連通する第2のキー溝を形成する第2のキャップを更に含み、
前記第2のキー溝は前記嵌合端部から前記ケージハウジングの全長の一部に沿って延在し、これにより、前記第2のキャップの端壁が前記ケージハウジングの後端から離間する、請求項5に記載のプラグコネクタ。
【請求項7】
前記ケージハウジングの頂壁から延在する複数の偏向可能なバネフィンガと、前記キャップの各側壁から延在する偏向可能なバネフィンガと、前記キャップの上壁から延在する偏向可能なバネフィンガと、を更に備える、請求項1に記載のプラグコネクタ。
【請求項8】
前記偏向可能なバネフィンガの各々が、バネ性材料で形成されている、請求項4に記載のプラグコネクタ。
【請求項9】
前記頂壁上の複数の偏向可能なバネフィンガのうちの所定のものが、ブリッジによって互いに接続されている、請求項8に記載のプラグコネクタ。
【請求項10】
前記頂壁上及びキャップ上の複数の偏向可能なバネフィンガが、ブリッジによって互いに接続されている、請求項8に記載のプラグコネクタ。
【請求項11】
第1の区画は第1のプラグコネクタを収容するのに適応し、第2の区画は第2のプラグコネクタを収容するのに適応し、第2のプラグコネクタは第1のプラグコネクタとは異なる別のものである、請求項1に記載のプラグコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2017年11月21日に出願された米国特許出願第62/589,327号、及び2018年2月22日に出願された米国特許出願第62/633,819号の国内の優先権を主張するものであり、それらの両方の内容は、それらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、入出力(IO)コネクタの分野に関し、より具体的には、高いデータレート用途での使用に好適なI/Oコネクタに関する。
【背景技術】
【0003】
入出力(IO)コネクタは、高帯域幅が所望される用途において一般的に使用される。例えば、スモールフォームファクタプラガブル(small form factor pluggable 、SFP)型のコネクタは、当初、送信及び受信チャネル(例えば、1×コネクタとして既知のものを証明するため)を提供するために開発され、次第に、SFPコネクタの性能が向上して、SFPコネクタは、16Gbps及び更には25+Gbpsチャネルをサポートすることができるようになった。1×コネクタは、特定のニーズには不十分であると迅速に決定され、より多くのチャネルを提供し、かつ4×コネクタとして機能するために、クワッドスモールフォームファクタプラガブル(quad small form factor pluggable、QSFP)型コネクタが開発された。
【0004】
より大きなサイズのコネクタが開発されてきたが、高密度化は依然として必要とされている。これを達成するために、第2の列のチャネルが現在の構成に追加され、このタイプの(I/O)は、一般に、ダブルデンシティとして知られ、SFP(SFP-DD)及びQSFP(QSFP-DD)の元の又はレガシー形態因子に適用することができ、したがって、チャネル密度を倍増させる。しかしながら、特定の個人は、このようなプラガブルなコネクタの設計に対する更なる改善を高く評価するであろう。
【0005】
個々のチャネル内で16Gbps、更には25+Gbpsなどの高められた信号伝達速度をサポートするために、電磁干渉(electromagnetic interference、EMI)が発生する機会を最小限に抑えるために、有効なモジュール及びケージ遮蔽システムが必要とされる。モジュール及びケージ遮蔽システムは、典型的には銅又は光ケーブル終端、増幅、リタイミング、選択的フィルタリング、EO/OE変換、及び他の同様の機能を含むことができる回路の範囲の封じ込めをサポートする、実質的に閉囲された導電性モジュール内に能動回路及び接触システムを収容することによってEMIを最小限に抑えるために、用いられる。これらの高められた伝送速度で動作する回路は、非常にエネルギッシュであり、EMIを発生させることができると考えられる。
【発明の概要】
【0006】
プラグコネクタ及び導電性ケージを含むアセンブリ。プラグコネクタは、ハウジングと、ハウジングから延在する突起と、ハウジング内に取り付けられたパドルカードと、を含む。ケージは、内側領域を形成するケージハウジングと、キー溝を形成する少なくとも1つのキャップと、を含む。キー溝は、概して、3つの異なる面を有するチャネルとして形成される。プラグコネクタのハウジングが、ケージの内側領域内に受容されており、プラグコネクタの突起が、ケージのキー溝内に受容されている。ケージは、導電性ベゼルと係着する複数のバネフィンガを内部に含んでもよい。ケージは、プラグコネクタのEMIシールドを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明は、例として図示されるが、添付図面に限定されるものではなく、図中、同様の符号は同様の要素を示す。
【0008】
図1】入出力コネクタの一部を形成するケージの実施形態の斜視図である。
図2】入出力コネクタの一部を形成するプラグコネクタの実施形態の斜視図である。
図3】ケージの分解斜視図である。
図4】ケージの上面図である。
図5】ケージのキャップの様々な形状を示す端部立面図である。
図6】ケージのキャップの様々な形状を示す端部立面図である。
図7】ケージのキャップの様々な形状を示す端部立面図である。
図8】ケージのキャップの様々な形状を示す端部立面図である。
図9】ケージのキャップの様々な形状を示す端部立面図である。
図10】ケージが内部に装着されたベゼルの実施形態の斜視図である。
図11】ベゼル及びケージの正面立面図である。
図12】内部に装着されたケージの実施形態を有するベゼルの別の実施形態の斜視図である。
図13図12に示されるベゼル及びケージの正面立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の詳細な説明は、例示的な実施形態を説明し、開示される特徴は、明示的に開示された組み合わせ(複数可)に限定されることを意図するものではない。したがって、特に明記しない限り、本明細書で開示される特徴は、簡潔にするために別に示されていない追加の組み合わせを形成するために、一緒に組み合わされてもよい。
【0010】
このような電磁放射線を最小限に抑える一実施形態は、遮蔽されたモジュール又はプラグコネクタ22が挿入される導電性ケージ20を含む入出力コネクタであり、遮蔽された導電性プラグコネクタ22は、主要な電磁閉じ込めを形成し、ケージ20はシールドされたプラグコネクタ22の周囲に導電性スリーブを形成する。ケージ20及びプラグコネクタ22は、入れ子式セクションの遠位範囲に向かって嵌合コネクタ(図示せず)を収容することができる入れ子式アセンブリを形成する。このようにして、任意の露出した接点を、入れ子式構造体内にほぼ凹設することができる。遮蔽プラグコネクタ22と周囲の導電性ケージ20との間に形成された最大横方向間隙は、カットオフ未満の周波数で動作するときに、関連するフィルタリング能力を有する導波路開口部を確立する。プラグコネクタ22が導電性ケージ20内に設置されていることによって入れ子式セクションの陥没部が形成されるとき、取り付け方向で、横方向の間隙に長さが追加される。導波路の長さと制限横断間隙とを組み合わせて、カットオフ未満で動作するときに電磁干渉(EMI)フィルタを形成する。これにより、プラグコネクタ閉じ込めの完全性と、導電性ケージ20内のプラグコネクタ22の入れ子式動作によって確立された有効導波路フィルタの形成と、を維持することによって、高速性能の向上を確立する。
【0011】
レガシーSFP+ケーブルソリューションは、長年にわたってデジタル世界の接続ソリューションとして広く使用されてきた。レガシーSFPの同じフォームファクタを利用して、より多くの接続を提供するために、チャネルの量の2倍又は更には複数倍に対する、分野からの必要性が存在する。このようにして、顧客は、既存のフォームファクタを有する既存のシステムを、新しいレベルの能力に活用することができる。より広い帯域幅に対する需要の増加に伴い、SFPなどに対するソリューションは、既存のレガシーフレームワークに複数のチャネル列を追加することによって、同じフォームファクタで全体帯域幅を2倍にすることができる、ダブルデンシティ(double density、DD)ソリューションである。これにより、SFP-DDコネクタ及びケージ20で作動するレガシーSFP+モジュールが可能になる。
【0012】
図1図3、及び図4に示されるように、ケージ20は、頂壁28と、頂壁28から下方に垂れ下がる側壁30、32と、側壁30、32の下端に接続された底壁34と、を有するケージハウジング26を含む。壁28、30、32、34は、ケージハウジング26の前部に嵌合端部42を画定する前部開口部38を通してアクセスされる内側領域36を形成する。ケージハウジング26の後端部40は、前部開口部38と反対側にある。ケージハウジング26の長さは、ケージハウジングの前部開口部38と後端部40との間に画定される。ケージハウジング26は、プリント回路基板(図示せず)上に置かれてもよい。ケージ20は、スタンピング及び成形によって形成され得る。
【0013】
図2に示されるように、ケージ22は、頂壁46と、頂壁46から下方に垂れ下がる側壁48、50と、側壁48、50の下端部に接続された底壁52と、を有するハウジング44を含む。ハウジング44は、前面54及び反対側の後面56を画定する。後面56は、ケーブル入口58を画定する。ハウジング44は、限定されないが、ダイカスト、成形、及び/又は機械加工などの様々な方法で形成することができる。プラグコネクタ22のハウジング44は、プラグコネクタ22がケージ20内の相手方コネクタと嵌合することができるように、ケージ20のケージハウジング26の内側領域36内に着座するように成形されている。パドルカード60は、頂壁46と底壁52との間に位置決めされており、底壁52に向かってオフセットされ得る。パドルカード60は前面54の前方に延在する。ダブルデンシティ構成では、パドルカード60は、嵌合方向に沿って互いに隣接して位置決めされた2列の接触パッドを含む。1つ以上のフランジは、前面54から前方に延在することができ、パドルカード60の保護を提供するのに役立ち得る。
【0014】
実施形態では、嵌合コネクタ(図示せず)は、並列配置で配置され、かつ絶縁フレームによって支持された、複数のウェハを含む。相手方コネクタのフレームは、プラグコネクタ22がケージ20内の相手方コネクタと嵌合することができるように、ケージ20のケージハウジング26の内側領域36内に着座するように成形されている。ウェハは、嵌合方向に沿って離間配置された2列の端子を含み、これらの端子の各々は、パドルカード上に形成されたそれぞれの接触パッドと係着する。接点の各列は、パドルカードの上面及び底面上で接触パッドに係着する端子を含む。
【0015】
ケージ20及びプラグコネクタ22は、プラグコネクタ22がケージ20に挿入されたときにプラグコネクタ22の適切な配向を確実にするキーイングシステムを含む。キーイングシステムは、少なくとも1つのキャップ64であって、キャップ64がケージハウジング26の一部を形成するように、ケージ20のケージハウジング26の頂壁28と一体的に形成された少なくとも1つのキャップ64と、ケージ20内へのプラグコネクタ22の嵌合方向に直交して、プラグコネクタ22のハウジング44の頂壁46から延在する、少なくとも1つのせり上げ突起66と、を含む。
【0016】
キャップ64は、ハウジング44の頂壁28から上方に延在し、嵌合端部42から後方に延在するキー溝68を内部に形成する。キー溝は、概して、3つの異なる面を有するチャネルとして形成される。この面は、好ましくは平坦であるが湾曲した面も想到される。キー溝68は、内側領域36とキー溝68とが互いに連通するように、内側領域36に開放している。キャップ64は、第1側壁70と、第1側壁70から離間配置された第2の側壁72と、側壁70、72の後端部にある端壁74と、壁70、72、74の上端部にある上壁76と、から形成される。壁70、72、74、76は、ハウジング44の嵌合端部42から後方に延在するキー溝68を形成する。第1の側壁70は、頂壁28に接続された下端部を有し、頂壁28から上端部まで上方に突出している。第1の側壁70の前端部は、ハウジング44の嵌合端部42にあり、後端部は前端部の後方にある。第2の側壁72は、頂壁28に接続された下端部を有し、頂壁28から上端部まで上方に突出している。第2の側壁72の前端部は、ハウジング44の嵌合端部42にあり、後端部は前端部の後方にある。実施形態では、後端部は互いに位置整合されている。端壁74は、頂壁28に接続された下端部を有し、頂壁28から上端部まで上方に突出している。上壁76は、上壁76が頂壁28から離間配置されるように壁70、72、74の上端部間に延在する。実施形態では、各壁70、72、74、76は平坦である。
【0017】
ここに記載されるように、キャップ64は、頂壁28と一体的に形成されるが、ある実施形態では、キャップ64は、ケージハウジング26とは別個に形成されており、頂壁28は、キャップ64が上に位置決めされた、頂壁28中にわたって形成された長尺のスロット(図示せず)を有し、キャップ64は、例えば、実効的にキャップ64がケージハウジング26と一体になるように、溶接によって頂壁28に恒久的に取り付けられている。
【0018】
前述したように、キー溝68の断面形状は、嵌合端部42から見たときに概して3面を有するが、多様な形状をとり得る。ある実施形態では、図5及び図6に示されるように、嵌合端部42から見たときのキー溝68は、矩形などの四辺形である。図5に示されるように、頂壁28及び上壁76は互いに平行であり、側壁70、72は、キー溝68の断面形状が嵌合端部42から見たときに矩形であるように、頂壁28及び上壁76に対して垂直である。図6に示されるように、頂壁28及び上壁76は互いに平行であり、側壁70、72は、キー溝68の断面形状が嵌合端部42から見たときに不規則な3面セクションであるように、頂壁28及び上壁76に対して角度をなし、かつ互いに向かって内側に角度をなす。この実施形態では、面は同じ内向きの角度で示されているが、異なる角度及び異なる角度の組み合わせを有する面が想到される。別の例では、一方の面のみが角度をなしてもよく、他方の面は、頂壁及び上壁に対して垂直である。ある実施形態では、図7に示されるように、キー溝68の断面形状を嵌合端部42から見たときに、壁70、72、76は弓状の形状を形成するように配置され得る。この例では、キー溝は単一の壁によって画定されてもよい。ある実施形態では、図8に示されるように、キー溝68の断面形状を嵌合端部42から見たときに、壁70、72、76は「T」形状を形成するように配置され得る。ある実施形態では、図9に示されるように、壁70、72、76は、キー溝68の断面形状を嵌合端部42から見たときに、反転された「L」形状を形成するように配置され得る。キー溝68のいくつかの形状が本明細書に記載されているが、他の形状も本開示の範囲内である。キー溝の形状を画定するチャネル部分は、複数の壁によって画定されてもよい。例えば、三角形のキー溝は、2つの壁によって画定され、4つ以上の壁は、多様な形状の断面を画定してもよい。
【0019】
ある実施形態では、キャップ64は、図4に示されるように、端壁74がケージハウジング26の後端部40から離間配置されるように、ケージハウジング26の長さの一部分に沿って延在する。ある実施形態では、キャップ64は、端壁74がケージハウジング26の後端部40にあるように、ケージハウジング26の全長に沿って延在する。
【0020】
図示のように、キー溝68を形成するキャップ64は、頂壁28の中点の一方側に横ずれして位置決めされている。キャップ64は、頂壁28の中点に位置決めされてもよく、又は頂壁28の中点の他方側に横ずれして位置決めされてもよい。あるいは、キー溝68を形成する複数のキャップ64が、頂壁28に設けられてもよい。キー溝68を形成する複数のキャップ64が設けられる場合、キー溝68は、異なる断面形状を有してもよい。
【0021】
突起66は、プラグコネクタ22のハウジング44の頂壁46から、前面54の後方の距離で延在する。突起66は、突起66が挿入されるキー溝68に対応する形状を有し、突起66が挿入されるキー溝68に対応する位置に、頂壁46上に位置決めされている。この構成により、プラグコネクタ22の適切な配向が、プラグコネクタ22が嵌合レセプタクルに適切に接続され得るように維持される。2つ以上のキー溝68が設けられる場合、2つ以上の突起66が設けられ、それぞれの突起66はそれぞれのキー溝68に形状が対応する。
【0022】
プラグコネクタ22は、前部開口部38を通してケージ20に挿入される。プラグコネクタ22がケージ20への挿入に対して適切に配向されると、突起66はキー溝68と位置整合する(又は複数の突起66は、設けられる場合、複数のキー溝68と位置整合する)。プラグコネクタ22がケージ20の内側領域36に挿入される際に、突起(複数可)66はキー溝(複数可)68に沿って摺動する。キー溝68は、適切な嵌合を確保するために、プラグコネクタ22をケージ20に適切に位置整合する経路を提供する。プラグコネクタ22は、ケージ20内の嵌合レセプタクルに接続する。
【0023】
突起66及びキー溝68は、顧客システムに損傷を与える可能性がある、不適切に挿入されたSFP-DDモジュールがレガシーSFP+ケージ20及びコネクタに挿入されることに対する、失敗防止キーイングソリューションを提供する。本開示の態様では、キーイング構成は、レガシーSFPモジュールがSFP-DDコネクタ及びケージで作動することを可能にする。
【0024】
ある実施形態では、ケージハウジング26は、頂壁28とケージハウジング26の嵌合端部42に近接するキャップ64とに取り付けられた上側ベゼルガスケット78と、ケージハウジング26の嵌合端部42に近接して第1の側壁30に取り付けられた第1の側壁ベゼルガスケット80と、ケージハウジング26の嵌合端部42に近接して第2の側壁32に取り付けられた第2の側壁ベゼルガスケット82と、ケージハウジング26の嵌合端部42に近接して底壁34に取り付けられた下側ベゼルガスケット84と、を更に有する。
【0025】
上側ベゼルガスケット78は、ブリッジ100で互いに接続された前端部を有する複数の偏向可能なバネフィンガ86、88、90、92、94、96、98を有する。上側ベゼルガスケット78は、バネ性材料で形成されてもよい。ブリッジ100は、ケージハウジング26の嵌合端部42に近接する、溶接などの好適な手段によって、ケージハウジング26に装着される。バネフィンガ86、88、90、98は、ケージハウジング26の頂壁28に近接し、頂壁28の長さの一部分に沿って延在する。バネフィンガ92は、キャップ64の第1の側壁70に近接し、第1の側壁70の長さの一部に沿って延在し、バネフィンガ94は、キャップ64の上壁76に近接し、上壁76の長さの一部分に沿って延在し、バネフィンガ96は、キャップ64の第2の側壁72に近接し、第2の側壁72の長さの一部分に沿って延在する。4つのバネフィンガ86、88、90、98は頂壁28上に示されているが、これは単なる例であり、4つを超える又は4つ未満のバネフィンガが設けられてもよい。加えて、キャップ64の一方側に3つのバネフィンガ86、88、90が示され、かつキャップ64の他方側に1つのバネフィンガ98が示されているが、より多い又はより少ないバネフィンガがキャップ64のいずれかの側に設けられてもよい。更に、キャップ64の各壁70、72、74上に、2つ以上のバネフィンガ92、94、96が設けられてもよい。
【0026】
側部及び下側ベゼルガスケット80、82、84の各々は、ブリッジ104で互いに接続された前端部を有する複数の偏向可能なバネフィンガ102を有する。各ベゼルガスケット80、82、84は、バネ性材料で形成されてもよい。ブリッジ104は、ケージハウジング26の嵌合端部42に近接する、溶接などの好適な手段によって、ケージハウジング26に装着される。各バネフィンガ102は、それぞれの壁30、32、34の長さの一部分に沿って延在する。側部及び下側ベゼルガスケット80、82、84は単一の部材として示されているが、側部及び下側ベゼルガスケット80、82、84は、個々に形成され、ケージハウジング26に取り付けられ得る。
【0027】
ここに記載されるように、キャップ64は、頂壁28と一体的に形成されるが、ある実施形態では、キャップ64は、ケージハウジング26とは別個に形成されており、頂壁28は、キャップ64が上に位置決めされた、頂壁28中にわたって形成された長尺のスロット(図示せず)を有し、キャップ64は、例えば、実効的にキャップ64がケージハウジング26と一体になるように、溶接によって頂壁28に恒久的に取り付けられている。この実施形態では、ケージハウジング26の上壁28上に着座したバネフィンガ86、88、90、98は、別個に形成されたキャップ64と一体的に形成され、別個に形成されたキャップ64で上壁28に固定されてもよい。キャップ64上のバネフィンガ92、94、96は、頂壁28上に着座したバネフィンガ86、88、90、98と一体的に形成されているものとして説明されているが、キャップ64上のバネフィンガ92、94、96は、頂壁28上に着座し、かつキャップ64に別個に取り付けられたバネフィンガ86、88、90、98とは別個に形成され得る。
【0028】
ある実施形態では、各バネフィンガ86~98及び102は、縁部の上に折り畳まれ、182度に形成された縁部を生成する。この方法では過剰な材料が使用されるが、プラグコネクタ22上に形成された突起66の導入を提供することによって利点が得られる。代替的な構成では、バネフィンガ86~98及び102は、通常溶接によってケージハウジング26に固定される別個の部品として形成される。
【0029】
図10及び図11に示されるような実施形態では、ケージ20は、導電性ベゼル106に装着される。ベゼル106は、ケージ20のケージハウジング26の形状をミラー反転したI/Oポート開口部108と、キャップ64の形状をミラー反転した切り欠き部110と、を有する。切り欠き部110は、開口部108と切り欠き部110とが互いに連通するように、開口部108に開放している。適切な嵌合を確保するために、間隙は、ケージ20のキャップ64の輪郭と壁28、30、32、34の外周との周りに維持され、それによってケージ20とベゼル106との間に隙間が設けられる。バネフィンガ86、88、90、102は、ベゼル106の開口部108の縁部に係合し、かつ縁部によって圧縮されて追加の封止を提供し、バネフィンガ92、94、96は、ベゼル106の切り欠き部110の縁部に係合し、かつ縁部によって圧縮されて、追加の封止を提供する。ベゼル106内の切り欠き部110から生成された間隙は、ベゼル106へのケージ20の挿入方向に対して概して直交し、それにより、バネフィンガ86~98及び102が偏向されると、ケージ20とベゼル106との間に効率的な封止が生成される。
【0030】
図12及び図13に示されるような実施形態では、ケージ20は、内部領域36を複数の区画120に分離する複数の内壁116、118を有し、区画120内に、プラグコネクタ22を各区画120内へと挿入することができる。図示のように、頂壁28は、それぞれの区画120と区画120上の関連するバネフィンガ86~98とに対して開放しているキー溝68を形成する複数のキャップ64を有し、キャップ64は互いに離間配置されており、底壁34は、それぞれの区画120と区画120上の関連するバネフィンガ86~98とに開放しているキー溝68を形成する複数のキャップ64を有し、キャップ64は互いに離間配置されている。底壁34上のキャップ64は、側壁70、72が底壁34から下方に延在し、かつ壁76が各キャップ64の下壁を形成することを除き、頂壁28上のキャップ64に同一に形成されている。ケージ20は、導電性ベゼル122に取り付けられている。ベゼル122は、ケージ20のケージハウジング26の形状をミラー反転したI/Oポート開口部126と、それぞれのキャップ64の形状をミラー反転した複数の切り欠き部128と、を有する。各区画120は、関連付けられた切り欠き部128を有する。適切な嵌合を確保するために、間隙は、ケージ20のキャップ64の輪郭と壁28、30、32、34の外周との周りに維持され、それによってケージ20とベゼル122との間に隙間が設けられる。バネフィンガ86、88、90、102は、ベゼル122の開口部126の縁部に係合し、かつ縁部によって圧縮されて追加の封止を提供し、バネフィンガ92、94、96は、ベゼル122のそれぞれの切り欠き部128の縁部に係合し、かつ縁部によって圧縮されて、追加の封止を提供する。ベゼル122内の切り欠き部128から生成された間隙は、ベゼル122へのケージ20の挿入方向に対して概して直交し、それにより、バネフィンガ86~98及び102が偏向されると、ケージ20とベゼル122との間に効率的な封止が生成される。典型的には、この配置の区画120は、ベリートゥベリー配向で位置決めされるが、積み重ねられた垂直に位置整合した配置で配置されてもよい。複数の列配置がまた、長手方向に配置され、線状アレイを形成してもよい。ある意味では、配置は「M×N」配向に従い、ここで、Mは積み重ねられた区画の数であり、Nは、積み重ねられた区画の縦列の数である。一群の配置では、ベゼルガスケット78、80、82、84は、長手方向に沿って区画120の全てに対してEMIシールを提供する。
【0031】
導電性ケージ20は、導電性ベゼル106、120とプラグコネクタ22との間に接地シールを提供する。これにより、ベゼル106、122への接地経路を提供し、かつI/Oポート開口部108、126の封止を提供する、低インピーダンス及び低漏れ封止が提供され、プラグコネクタ22を設置されたケージ20に差し込むことが可能になる。
【0032】
追加のEMIシールドは、完全に封止されなくてもよい角部及び縁部の開口部の周囲に使用することができる。これらの例では、導電性特性を有するように形成された適合性又はエラストマー材料を、漏れの領域内に配置することができる。これらの二次ガスケットとしては、導電性発泡体、柔軟なワイヤ編組、毛羽ボタン、及び導電性ウィスカーなどを挙げることができる。これらの二次ガスケットは、典型的には、ベゼル106、122へのケージ20の組み立て中に、ケージ20とベゼル106、122との間と、更にはキャップ64上のケージ20とバネフィンガ92、94、96との間の空隙又は隙間間隙を充填して、任意の間隙を更に封止する。また、空気硬化性膨張性導電性材料又は発泡体などの、投入された導電性材料が、ケージ20とベゼル106、122との嵌合後に、間隙に適用され得ることも想到される。全ての封止構造において、ケージ20とベゼル106、122との間の間隙内又は間隙の付近に位置決めされた材料は、弾力を有し、かつケージ20からのプラグコネクタ22の挿入及び引き抜きの間の振動及び摩耗に起因する間欠的な電気的接続を防止するために弾性を維持しなければならない。
【0033】
バネフィンガ及びベゼル106、122によって提供される強化された接地特徴部、並びにベゼル106、120にほぼ隣接する接地を有するキー溝68の両方を含むことは、EMI閉じ込めを維持すること、並びに、識別情報をキーイングするケージ20にプラグコネクタ22を提供することが可能である。
【0034】
本明細書で提供される開示は、その好ましい実施形態及び例示的な実施形態の観点から特徴を説明する。当業者には、添付の特許請求の範囲及び趣旨内での修正及び変形が、本開示を検討することにより想起されるであろう。
図1
図2
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図5
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図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13