(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023012953
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】商品販売方法、及び商品販売システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20230119BHJP
G07F 9/00 20060101ALI20230119BHJP
G07F 9/02 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
G06Q30/06 330
G06Q30/06 340
G07F9/00 110A
G07F9/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021116740
(22)【出願日】2021-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】真壁 剛
(72)【発明者】
【氏名】石原 聡子
(72)【発明者】
【氏名】松井 英梨子
【テーマコード(参考)】
3E044
5L049
【Fターム(参考)】
3E044AA01
3E044BA01
3E044BA02
3E044CC04
3E044EA11
5L049BB08
5L049BB66
(57)【要約】
【課題】生産者が希望する商品をアピールして、消費者の購入意欲を向上させ、商品の販売を促進させるようにした商品販売方法、及び商品販売システムを提供すること。
【解決手段】一態様の商品販売方法は、販売される商品を収納する無人販売装置100と、サーバ200と、端末装置300と、を有する商品販売システム10における商品販売方法である。前記商品販売方法は、サーバ300が、無人販売装置100から送信された商品の在庫情報と、商品の生産者が希望する条件とに基づいて、料理のレシピに関するレシピ情報を取得するステップを含む。また、前記商品販売方法は、サーバ300が、レシピ情報と在庫情報とを端末装置300へ送信するステップを含む。更に、前記商品販売方法は、端末装置300が、レシピ情報と在庫情報とを表示部に表示させるステップを含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売される商品を収納する無人販売装置と、サーバと、端末装置と、を有する商品販売システムにおける商品販売方法であって、
前記サーバが、前記無人販売装置から送信された前記商品の在庫情報と、前記商品の生産者が希望する条件とに基づいて、料理のレシピに関するレシピ情報を取得するステップと、
前記サーバが、前記レシピ情報と前記在庫情報とを前記端末装置へ送信するステップと、
前記端末装置が、前記レシピ情報と前記在庫情報とを表示部に表示させるステップと、
を備える商品販売方法。
【請求項2】
前記取得するステップは、前記サーバが、前記在庫情報と前記条件に加え、前記商品を購入する消費者に関する消費者情報に基づいて、前記レシピ情報と前記在庫情報とを取得するステップを含む、請求項1記載の商品販売方法。
【請求項3】
前記条件は、生産者が販売を希望する第1商品である、請求項1記載の商品販売方法。
【請求項4】
前記条件は、売れやすい第2商品と、売れにくい第3商品との組み合わせである、請求項3記載の商品販売方法。
【請求項5】
前記条件は、前記商品の収穫量に基づく条件である、請求項1記載の商品販売方法。
【請求項6】
前記条件は、前記無人販売装置に収納された期間に基づく条件である、請求項1記載の商品販売方法。
【請求項7】
前記条件は、前記商品の賞味期限に基づく条件である、請求項1記載の商品販売方法。
【請求項8】
前記消費者情報は、消費者の過去の閲覧履歴、消費者の年代、及び消費者の性別のうち少なくとも1つである、請求項2記載の商品販売方法。
【請求項9】
前記レシピ情報は、前記料理の名称と前記料理の写真とを含む、請求項1記載の商品販売方法。
【請求項10】
販売される商品を収納する無人販売装置と、
サーバと、
端末装置と、を有する商品販売システムにおいて、
前記サーバは、
前記無人販売装置から送信された前記商品の在庫情報と、前記商品の生産者が希望する条件とに基づいて、料理のレシピに関するレシピ情報を取得する処理部と、
前記レシピ情報と前記在庫情報とを端末装置へ送信する通信部とを有し、
前記端末装置は、前記レシピ情報と前記在庫情報とを表示する表示部を有する、
商品販売システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品販売方法、及び商品販売システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、野菜や果物などの商品が収納ロッカーに収納され、消費者が硬貨を投入することで、収納ロッカーから商品を取り出し、商品を購入できるようにした無人販売装置がある。
【0003】
しかしながら、このような無人販売装置は、消費者が購入したい商品を選択して購入する装置である。そのため、無人販売装置においては、売れやすい商品がある一方で、売れにくい商品もある。売れにくい商品が無人販売装置に長時間残ってしまうと、生産者は、そのような商品を廃棄する場合がある。従って、無人販売装置では、商品が無駄になる場合がある。
【0004】
無人販売装置に関して、例えば、以下のような技術がある。すなわち、販売ボックスごとにラベル走査モジュールが設置された無人販売装置とサーバとを有する無人販売システムにおいて、当該モジュールが、商品のラベルが破られたことを検出すると、商品の注文情報をサーバへ送信する。そして、サーバが、商品の注文情報に基づいて、ユーザの口座から商品の料金を差し引くようにした技術がある。この技術によれば、購買不正行為を防ぐことができる、とされる。
【0005】
また、冷蔵庫とサーバと端末装置とを備えた食材管理システムにおいて、サーバが、冷蔵庫から受信した貯蔵食材情報を参照して、予め設定された方針レシピに従ってレシピを提案し、提案レシピの情報を端末装置へ送信する技術がある。この技術によれば、現在の食材の貯蔵状況に応じたレシピを提案でき、使用者の調理活動を効果的に支援することが可能である、とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2010-522069号公報
【特許文献2】特開2021-89105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、生産者が自ら商品をアピールすることで、消費者の商品購入意欲を向上させ、無人販売装置に収容された商品の販売を促進させる場合もある。
【0008】
上述した無人販売システムは、消費者が自らの意思のみで商品を購入するシステムであって、生産者が希望する商品をアピールするものではない。従って、当該技術では、消費者の意思のみに依存しており、消費者の商品購入意欲を向上させ、無人販売装置に収容された商品の販売を促進させることができない場合がある。
【0009】
また、上述した食材管理システムも、冷蔵庫に貯蔵されている商品に関するレシピを端末装置へ送信するだけであって、商品を販売する生産者の意図はなく、生産者が希望する商品をアピールするものではない。
【0010】
そこで、一態様は、生産者が希望する商品をアピールして、消費者の購入意欲を向上させ、商品の販売を促進させるようにした商品販売方法、及び商品販売システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の態様に係る商品販売方法は、販売される商品を収納する無人販売装置と、サーバと、端末装置と、を有する商品販売システムにおける商品販売方法である。前記商品販売方法は、前記サーバが、前記無人販売装置から送信された前記商品の在庫情報と、前記商品の生産者が希望する条件とに基づいて、料理のレシピに関するレシピ情報を取得するステップを含む。また、前記商品販売方法は、前記サーバが、前記レシピ情報と前記在庫情報とを前記端末装置へ送信するステップを含む。更に、前記商品販売方法は、前記端末装置が、前記レシピ情報と前記在庫情報とを表示部に表示させるステップを含む。
【0012】
第2の態様に係る商品販売システムは、販売される商品を収納する無人販売装置と、 サーバと、端末装置とを有する商品販売システムである。前記商品販売システムにおいて、前記サーバは、前記無人販売装置から送信された前記商品の在庫情報と、前記商品の生産者が希望する条件とに基づいて、料理のレシピに関するレシピ情報を取得する処理部と、前記レシピ情報と前記在庫情報とを端末装置へ送信する通信部とを有する。また、前記商品販売システムにおいて、前記端末装置は、前記レシピ情報と前記在庫情報とを表示する表示部を有する。
【発明の効果】
【0013】
一態様によれば、生産者が希望する商品をアピールして、消費者の購入意欲を向上させ、商品の販売を促進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】一実施形態に係る商品販売システムの構成例を表す図である。
【
図2】一実施形態に係るサーバの構成例を表す図である。
【
図3】一実施形態に係る端末装置の構成例を表す図である。
【
図4】一実施形態に係る表示画面の例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1実施形態]
図面を参照して、第1実施形態について説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0016】
(商品販売システムの構成例)
図1は、一実施形態に係る商品販売システム10の構成例を表す図である。
【0017】
図1に表すように、商品販売システム10は、無人販売装置100と、サーバ200、及び端末装置300を有する。無人販売装置100とサーバ200、及び端末装置300は、互いにネットワーク400に接続され、ネットワーク400を介して相互に通信が可能である。
【0018】
なお、
図1では、無人販売装置100は1台の例を表しているが、複数台あってもよい。
【0019】
無人販売装置100は、野菜や果物などの商品を収納し、収納した商品を無人で販売する装置である。無人販売装置100は、商品を収納する収納装置であってもよい。無人販売装置100は、複数の収納ロッカーを有してもよい。この場合、無人販売装置100は、生産者又は販売者によって、商品を各収納ロッカーに収納可能である。また、無人販売装置100は、消費者によって、収納ロッカーから商品を取り出すことが可能である。商品の取り出しは、無人販売装置100の投入口から消費者が硬貨を投入することで行われてもよいし、消費者がお札を投入することで行われてもよい。また、商品の取り出しは、無人販売装置100に設けられた表示画面上に消費者のスマートフォンをかざして決済する無人電子決済システムにより行われてもよい。これにより、消費者は、所望の商品を購入することができる。無人販売装置100は、例えば、道路沿いなど所定の場所に設置される。無人販売装置100は、スーパーマーケット又はコンビニエンスストアに設置されたショーケースであってもよい。
【0020】
また、無人販売装置100は、収納ロッカーがなくてもよい。この場合、無人販売装置100は、無人コンビニエンスストアであってもよい。具体的には、無人販売装置10は、無人コンビニエンスストアの出入り口に設けれた表示画面上に、消費者のスマートフォンをかざして決済する無人決済システムでもよい。
【0021】
さらに、無人販売装置100は、無人直売所であってもよい。
【0022】
なお、無人販売装置100は、商品の有無を表す在庫情報を、サーバ200へ送信することができる。無人販売装置100がショーケース又は無人直売所の場合、無人販売装置100の近傍に設けられたカメラによって、在庫情報が、サーバ200へ送信されてもよい。以下では、この場合でも、無人販売装置100が在庫情報を送信するものとして説明する場合がある。
【0023】
上述したように、無人販売装置100は、生産者又は販売者が商品を収納することができる。ただし、以下では、生産者が商品を収納するものとして説明する。また、無人販売装置100に収納する者が生産者で、無人販売装置100で商品を販売する者が販売者で、別々の者によって、収納と販売が行われてもよい。以下では、無人販売装置100の収納と販売とを行う者が生産者であるとして説明する場合がある。
【0024】
サーバ200は、無人販売装置100を管理するサーバである。また、サーバ200は、無人販売装置100の在庫情報と、料理のレシピに関するレシピ情報とを、端末装置300で送信することができる。すなわち、サーバ200は、無人販売装置100の在庫情報と、生産者が希望する条件とに基づいて、レシピを検索する。そして、サーバ200は、当該在庫情報と、レシピ情報とを、端末装置300へ送信する。詳細は後述する。
【0025】
なお、サーバ200は、無人販売装置100の在庫情報を管理する在庫情報管理サーバと、レシピ情報を管理するレシピ情報管理サーバとが別々のサーバであってもよい。以下では、1つのサーバ200で、在庫情報とレシピ情報とを管理するものとして説明する。
【0026】
なお、サーバ200は、クラウドサーバであってもよい。この場合、サーバ200の一部のリソース(又は資源)が、端末装置(又は生産者)に割り当てられてもよい。
【0027】
端末装置300は、消費者が使用する端末装置である。消費者は、端末装置300を操作して、サーバ200にアクセスし、表示画面を開くことで、無人販売装置100の在庫情報とレシピ情報とを表示させることが可能である。
図4は、表示画面の一例である。詳細は後述する。消費者は、表示画面において、無人販売装置100に収納された商品の在庫を確認して、無人販売装置100に出向いて、商品を購入することができる。
【0028】
図1に戻り、サーバ200は、このようなサービスを端末装置300(又は端末装置300を操作するユーザ)に提供するため、予め登録されたユーザに対して、リンク情報を送信してもよい。消費者が、端末装置300に表示されたリンク情報をクリックすることで、端末装置300が所定画面を表示させるようにしてもよい。
【0029】
なお、ユーザ登録の際に、消費者は端末装置300を操作して、消費者情報をサーバ200に登録することができる。消費者情報には、例えば、消費者の性別、年代などが含まれる。端末装置300は、消費者情報をサーバ200へ送信する。サーバ200では、在庫情報と、生産者が希望する条件とに加えて、消費者情報に基づいて、レシピを検索してもよい。
【0030】
(商品の登録手続と在庫情報について)
なお、生産者が無人販売装置10に商品を収納させると、生産者は、自身で保持する端末装置を利用して商品の登録手続きを行うことができる。生産者は、例えば、以下のようにして登録手続きを行う。
【0031】
すなわち、生産者は、商品を無人販売装置100に収納させると、端末装置を操作して、登録画面を表示させる。生産者は、端末装置を操作して、表示枠に、収納した商品のアイコンを移動させる。これにより、登録手続きが行われ、端末装置は、登録情報をサーバ200へ送信する。サーバ200は、登録情報に基づいて、無人販売装置100にどのような商品が登録されているかを、DB(Data Base)(野菜在庫管理DB)に登録させておくことができる。以上が登録手続きである。
【0032】
なお、生産者による商品の登録手続は、これ以外にも、端末装置のカメラを利用して行われてもよい。この場合、消費者は、カメラを利用して収納する商品を撮影し、端末装置が、撮影データをサーバ200へ送信する。そして、サーバ200は、撮影データに基づいて、人工知能など用いて、撮影された商品を認識し、当該商品に関する情報をDBに登録することで、登録手続が行われてもよい。
【0033】
また、上述したように、無人販売装置100は、在庫情報をサーバ200へ送信する。サーバ200は、在庫情報に基づいて、野菜在庫管理DBから、対応する商品の情報を削除することによって、無人販売装置100に収納された商品に関する情報を削除することができる。これにより、サーバ200は、無人販売装置100において、現在、どのような商品が収納されているのか(又は残っているのか)を把握することが可能となる。
【0034】
(サーバの構成例)
図2は、一実施形態に係るサーバ200の構成例を表す図である。
【0035】
図2に表すように、サーバ200は、通信部210、処理部220、及び記憶部230を有する。
【0036】
通信部210は、無人販売装置100と通信可能であるとともに、端末装置300と通信可能である。通信部210は、生産者が保持する端末装置から送信された登録情報を受信し、受信した登録情報を処理部220へ出力する。また、通信部210は、無人販売装置100から在庫情報を受信し、受信した在庫情報を処理部220へ出力する。さらに、通信部210は、端末装置300から送信された消費者情報を受信し、受信した消費者情報を処理部220へ出力する。
【0037】
処理部220は、登録情報に基づいて、無人販売装置100の各収納ロッカー110にどのような商品が登録されているかを、記憶部230の野菜在庫管理DB231に登録する。また、処理部220は、在庫情報に基づいて、野菜在庫管理DB231に登録された対応商品の情報を削除する。これにより、処理部220は、無人販売装置100において、各収納ロッカー110に現在どのような商品が収納されているかを把握できる。
【0038】
さらに、処理部220は、無人販売装置100から送信された商品の在庫情報と、商品の生産者が希望する条件とに基づいて、料理のレシピに関するレシピ情報を取得する。具体的には、処理部220は、野菜在庫管理DB231から、現在、無人販売装置100に収納されている商品を読み出し、当該商品の中で、生産者が希望する条件に合致した商品を用いたレシピを、レシピDB232から検索する。
【0039】
生産者が希望する条件は、例えば、生産者が商品の登録手続きを行う際に、生産者が保持する端末装置を利用して、商品販売システム10に入力させることが可能となる。端末装置は、入力された生産者が希望する条件を、サーバ200へ送信する。
【0040】
ここで、生産者が希望する条件の具体例について説明する。
【0041】
生産者が希望する条件は、生産者が販売を希望する商品であってもよい。この場合、処理部220は、無人販売装置100に収納されている(残っている)商品のうち、生産者が販売を希望する商品を用いた料理のレシピをレシピDB232から検索する。これにより、例えば、無人販売装置100に収納されている商品のうち、生産者が販売することを希望する商品を消費者に対してアピールすることができる。
【0042】
また、生産者が希望する条件は、売れやすい商品と売れにくい商品との組み合わせであってもよい。この場合、処理部220は、無人販売装置100に収納されている(残っている)商品のうち、売れやすい商品と売れにくい商品との組み合わせたレシピを、レシピDB232から検索する。これにより、例えば、無人販売装置100に収納されている商品のうち、売れにくい商品も販売することを希望する生産者が、当該商品を消費者に対してアピールすることができる。
【0043】
さらに、生産者が希望する条件は、商品の収穫量に基づく条件であってもよい。商品の収穫量に基づく条件とは、商品の収穫量が所定量以上の商品であってもよいし、商品の収穫量が所定量以下の商品であってもよい。処理部220は、無人販売装置100に収納されている(残っている)商品のうち、収穫量が所定量以上の商品のレシピをレシピDB232から検索してもよい。また、処理部220は、無人販売装置100に収納されている(残っている)商品のうち、収穫量が所定量以下の商品を用いた料理のレシピをレシピDB232から検索してもよい。これにより、例えば、無人販売装置100に収納されている商品のうち、収穫量が所定量以上の商品、又は収穫量が所定量以下の商品の販売を希望する生産者が、そのような商品を消費者に対してアピールすることができる。
【0044】
さらに、生産者が希望する条件は、無人販売装置100に収納された期間に基づく条件であってもよい。無人販売装置100に収容された期間に基づく条件は、無人販売装置100に収納された期間が所定期間以上の商品であってもよいし、無人販売装置100に収納された期間が所定期間以下の商品であってもよい。処理部220は、無人販売装置100に収納されている(残っている)商品のうち、無人販売装置100に収納された期間が所定期間以上の商品を用いた料理のレシピをレシピDB232から検索してもよい。また、処理部220は、無人販売装置100に収納されている(残っている)商品のうち、無人販売装置100に収納された期間が所定期間以下の商品を用いた料理のレシピをレシピDB232から検索してもよい。これにより、例えば、無人販売装置100に収納されている商品のうち、収納期間が所定期間以上の商品、又は収納期間が所定期間以下の商品の販売を希望する生産者が、そのような商品を消費者に対してアピールすることができる。
【0045】
さらに、生産者が希望する条件は、商品の賞味期限に基づく条件であってもよい。商品の賞味期限に基づく条件とは、賞味期限までの期間が所定期間以上の商品でもよいし、賞味期限までの期間が所定期間以下の商品でもよい。処理部220は、無人販売装置100に収納されている(残っている)商品のうち、賞味期限までの期間が所定期間以上の商品を用いた料理のレシピをレシピDB232から検索してもよい。また、処理部220は、無人販売装置100に収納されている(残っている)商品のうち、賞味期限までの期間が所定期間以下の商品を用いた料理のレシピをレシピDB232から検索してもよい。これにより、例えば、無人販売装置100に収納されている商品のうち、賞味期限までの期間が所定期間以上の商品、又は賞味期間までの期間が所定期間以下の商品の販売を希望する生産者が、そのような商品を消費者に対してアピールすることができる。
【0046】
上述した生産者が希望する条件は、一例であって、他の条件であってもよい。
【0047】
他の条件としては、新製品(例えば、新しく栽培した野菜など)であってもよい。また、他の条件としては、無人販売装置100が設置された場所又は土地で、あまりなじみのない商品であってもよい。新製品又はなじみのない商品は、レシピ情報と合わせて販売することで、購入意欲を向上させるとともに、新製品又はなじみのない商品の認知度を向上させて、継続的な購入を促すことが可能となる。
【0048】
また、他の条件としては、時刻であってもよい。例えば、ある時刻以降で無人販売装置100に残っている商品を販売したい場合の当該時刻である。例えば、20時に閉店する無人販売装置100において、時刻の条件として、18時とすることで、18時以降に残っている商品と、当該商品で作ることが可能なレシピとを、消費者にアピールすることが可能となる。閉店近くになると、生産者は、売れ残りをなくしたいため、時刻の条件設定により、このような商品を適切に販売することも可能となる。
【0049】
さらに、生産者が希望する条件は、上述した条件が組み合わされたものであってもよい。
【0050】
処理部220は、在庫情報と生産者が希望する条件とに加えて、更に、消費者情報に基づいて、レシピDB232から、該当するレシピを検索してもよい。例えば、処理部220は、無人販売装置100に収納されている(残っている)商品のうち、生産者が販売を希望する商品を用いたレシピを、レシピDB232から複数検索する。そして、処理部220は、そのうち、消費者の性別、及び/又は年代に合致したレシピを、レシピDB232から検索するようにしてもよい。
【0051】
消費者情報には、消費者の過去の閲覧履歴を含めてもよい。例えば、処理部220は、上述のようにして検索したレシピ情報を、消費者の識別情報とともに、記憶部230に記憶する。そして、消費者が再度、サーバ200にアクセスしたときに、端末装置300が消費者の識別情報を送信する。一方、処理部220は、記憶部230に記憶された消費者の識別情報と、端末装置300から受信した消費者の識別情報とが一致すると、記憶部230から、過去の閲覧履歴として、過去に検索したレシピ情報を読み出す。処理部220は、過去に検索したレシピ情報と、上述した在庫情報及び生産者が希望する条件と、に基づいて、レシピDB232からレシピを検索してもよい。
【0052】
また、処理部220は、在庫情報と生産者が希望する条件とに加えて、さらに、消費者が商品を購入する際の気温、天候、及び季節のうち少なくとも1つに基づいて、レシピDB232から、該当するレシピを検索してもよい。
【0053】
消費者が商品を購入する際の気温は、処理部220が、無人販売装置100に設けられた気温センサから取得してもよい。また、消費者が商品を購入する際の天候は、処理部220が、無人販売装置100に設けられたタイマーから時刻を取得し、時刻を基に、天候を確認するサーバへアクセスして、当該サーバから現在の天候を取得してもよい。さらに、消費者が商品を購入する際の季節は、処理部220が、無人販売装置100に設けられたタイマーから日付を取得し、取得した日付に基づいて、季節を取得してもよい。
【0054】
処理部220は、以上のようにして、料理のレシピに関するレシピ情報を取得し、レシピ情報と、在庫情報とを、通信部210へ出力する。この際、処理部220は、消費者向けサイトの表示画面(例えば、在庫確認画面)に関する情報を記憶部230から読み出し、レシピ情報及び在庫情報とともに、通信部210を介して、端末装置300へ送信する。これにより、端末装置300では、消費者向けサイトの所定位置に、レシピ情報と在庫情報とを表示させることが可能となる。
【0055】
(端末装置の構成例)
図3は、一実施形態に係る端末装置300の構成例を表す図である。
【0056】
図3に示すように、端末装置300は、通信部310と、処理部320、表示部330、及び記憶部340を有する。
【0057】
通信部310は、ネットワーク400を介して、サーバ200と通信する。
【0058】
処理部320は、通信部310、表示部330、及び記憶部340を制御する。処理部320は、表示部330における消費者の操作に応じて、消費者情報を生成し、通信部310を介して、生成した消費者情報を、サーバ200へ送信する。また、処理部320は、通信部310を介して、サーバ200から送信された、レシピ情報と在庫情報とを受信し、レシピ情報と在庫情報とを表示させるように表示部330を制御する。この際、処理部320は、サーバ200から送信された、消費者向けサイトの表示画面に関する情報を受信すると、当該情報に基づいて、消費者向けサイトの所定位置に、レシピ情報と在庫情報とが表示されるように、表示部330を制御する。
【0059】
表示部330は、処理部320の制御により、レシピ情報と在庫情報とを表示する。また、表示部330は、処理部320の制御により、消費者向けサイトの所定位置に、レシピ情報と在庫情報とを表示する。
【0060】
図4は、一実施形態に係る表示画面の例を表す図である。
図4は、表示部330に表示されたレシピ情報331と在庫情報332の例を表している。また、
図4は、消費者向けサイトの表示例を表している。
図4に示すように、消費者向けサイトの目立つ位置に、レシピ情報331と在庫情報332とが表示されている。また、
図4に示すように、レシピ情報331は、料理の名称(「カレーライス」)とその料理の写真(カレーの写真)とを含む。
【0061】
なお、レシピ情報331には、レシピサイトへのサイト情報が含まれてもよい。消費者は、表示部330の画面上で、レシピ情報331が表示されている部分をクリックすると、表示画面を消費者サイトからレシピサイトへ移動させることが可能である。レシピサイトでは、例えば、料理の具体的な調理方法などが表示される。
【0062】
図3に戻り、記憶部340は、メモリである。記憶部340は、ワーキングメモリとして機能してもよい。
【0063】
(動作例)
図5は、一実施形態に係る動作例を表す図である。
図5に示す動作例は、主に、サーバ200の処理部220において実行される。なお、野菜在庫管理DB231には、登録情報に基づいて、無人販売装置100の各収納ロッカー110にどのような商品が収納されているかが既に登録されているものとする。
【0064】
図6に示すように、ステップS10において、処理部220は、処理を開始する。
【0065】
ステップS11において、処理部220は、無人販売装置100から送信された商品の在庫情報を取得する。処理部220は、在庫情報に対応する収納ロッカー110に収納された商品の情報を、野菜在庫管理DB231から削除する。
【0066】
ステップS12において、処理部220は、生産者が希望する条件を取得する。例えば、処理部220は、生産者が保持する端末装置から送信された当該条件を受信することで、当該条件を取得する。
【0067】
ステップS13において、処理部220は、消費者情報を取得する。例えば、処理部220は、端末装置300から送信された消費者情報を受信することで、消費者情報を取得する。
【0068】
ステップS14において、処理部220は、無人販売装置100から送信された商品の在庫情報と、商品の生産者が希望する条件とに基づいて、料理のレシピに関するレシピ情報を取得する。例えば、処理部220は、在庫情報と当該条件とに基づいて、無人販売装置100に収納された商品のうち、当該条件に合致した商品を用いたレシピ(又はレシピ情報)を、レシピDB232から取得する。処理部220は、取得したレシピ情報と、在庫情報とを、通信部210へ出力する。
【0069】
なお、上述したように、処理部220は、在庫情報と、当該条件と、更に、消費者情報とに基づいて、レシピ情報を取得してもよい。
【0070】
ステップS15において、通信部210は、レシピ情報と在庫情報とを端末装置300へ送信する。
【0071】
ステップS16において、端末装置300の通信部310は、レシピ情報と在庫情報とを受信し、表示部330は、レシピ情報と在庫情報とを表示する。
【0072】
そして、ステップS17において、処理部220は、一連の処理を終了する。
【0073】
(実施形態における効果)
このように、商品販売システム10は、生産者が希望する条件を考慮して、レシピ情報を端末装置300において表示させるようにしている。そのため、商品販売システム10は、無人販売装置100に収納されている商品のうち、生産者が希望する商品を消費者へアピールすることができる。これにより、商品販売システム10は、消費者に対して、購入意欲を向上させることができ、商品の販売を促進させることが可能となる。更に、商品販売システム10は、商品の販売を促進させることで、商品を廃棄するような無駄をなくすことも可能となる。
【0074】
また、商品販売システム10は、レシピ情報を端末装置300の表示部330に表示させることで、消費者に対して、無人販売装置100に収納されている商品に対する購入意欲を更に増加させることが可能となる。
【0075】
(変形例)
上述した例は、生産者が、端末装置を利用して、生産者が希望する条件を、一つずつ入力する例について説明した。例えば、生産者が希望する条件を複数まとめて、1つのモードとして、生産者が入力できるようにしてもよい。例えば、「当日に商品を販売したいモード」として、生産者が販売した商品であって、賞味期限までの期間が所定期間以下の商品、かつ、滞在時間も所定期間以下の商品が含まれる。生産者が、収納ロッカー110に収納した商品をサーバ200に登録する際に、端末装置の登録画面上に、「当日に商品を販売したいモード」が表示され、生産者がこのモードを選択することで、上記のような条件が設定される。サーバ200の処理部220は、無人販売装置100に収納された商品のうち、「当日に商品を販売したいモード」として、上記の条件に合致する商品を用いたレシピを検索することが可能となる。なお、このようなモードは、複数あってもよい。これにより、生産者が希望する条件の入力に関する、生産者の手間を省くことが可能となる。
【0076】
また、上述した例では、野菜の在庫を管理する野菜在庫管理DB231を例にして説明した。例えば、野菜以外の商品である果物の在庫を管理する果物在庫管理DBが、サーバ200の記憶部230に記憶されてもよい。また、例えば、野菜と果物とを区別することなく商品の在庫を管理する商品在庫管理DBが、サーバ200の記憶部230に記憶されてもよい。
【0077】
[その他の実施形態]
上述した実施形態に係る各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。このような記録媒体は、サーバ200の記憶部230、又は端末装置300の記憶部340であってもよい。サーバ200の処理部220と端末装置300の処理部320は、記憶部230,340からそれぞれプログラムを読み出して、実行することで、上述した実施形態で説明した機能を実現してもよい。そのため、処理部220,320は、CPU(Central Processing Unit)又はDSP(Digital Signal Processor)などのプロセッサ又はコントローラであってもよい。
【0078】
以上、図面を参照して実施形態について詳しく説明したが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。また、矛盾しない範囲で、各実施形態を組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0079】
10 :商品販売システム 100 :無人販売装置
110(110a,110b,...,110i) :収納ロッカー
120(120a,120b,120c,...) :センサ
130(130a,130b,130c,...) :通信部
200 :サーバ 210 :通信部
220 :処理部 230 :記憶部
231 :野菜在庫管理DB 232 :レシピDB
250 :在庫表示画面 300 :端末装置
310 :通信部 320 :処理部
330 :表示部 340 :記憶部