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特開2023-129553骨髄異形成症候群及び急性骨髄性白血病を治療するための併用療法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129553
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】骨髄異形成症候群及び急性骨髄性白血病を治療するための併用療法
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/395 20060101AFI20230907BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20230907BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230907BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20230907BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230907BHJP
   A61K 31/706 20060101ALI20230907BHJP
   C07K 16/28 20060101ALN20230907BHJP
【FI】
A61K39/395 N
A61P7/00
A61P35/00
A61P35/02
A61P43/00 121
A61K39/395 D
A61K31/706
C07K16/28 ZNA
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023120126
(22)【出願日】2023-07-24
(62)【分割の表示】P 2022521420の分割
【原出願日】2020-10-16
(31)【優先権主張番号】62/916,949
(32)【優先日】2019-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/944,851
(32)【優先日】2019-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/031,438
(32)【優先日】2020-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517054604
【氏名又は名称】フォーティ セブン, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Forty Seven, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】イーヌオ ツァオ
(72)【発明者】
【氏名】マーク ピン チャオ
(72)【発明者】
【氏名】ラビンドラ マジェティ
(72)【発明者】
【氏名】ロイ ルイス モーテ
(72)【発明者】
【氏名】クリス ヒデミ ミズフネ タキモト
(72)【発明者】
【氏名】ケリー トラン
(57)【要約】
【課題】骨髄異形成症候群及び急性骨髄性白血病を治療するための併用療法の提供。
【解決手段】本明細書では、抗体などの抗CD47剤及びアザシチジンなどの低メチル化剤を使用して、造血障害を治療するために使用することができる方法、キット、及び組成物が提供される。一態様では、本明細書において、対象における造血障害を治療する方法が提供され、対象は、少なくとも1つのp53変異を有し、本方法には、(a)CD47とSIRPα;との間の結合を阻害する単離された抗体を投与することと、(b)対象に低メチル化剤を投与することとが含まれる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年10月18日に出願された米国特許仮出願第62/916,949号、2019年12月6日に出願された米国特許仮出願第62/944,851号、及び2020年5月28日に出願された米国特許仮出願第63/031,438号の優先権の利益を主張するものであり、これらの各々は、すべての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(配列表)
本出願は、EFS-Webを介して提出された配列表を含み、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。2020年10月9日に作成された当該ASCIIコピーは、FSI-006_P3F_SLと名付けられ、145,290バイトのサイズである。
【背景技術】
【0003】
CD47は、自然免疫系による貪食作用のがん細胞回避を媒介する主要な分子として特定されている。CD47は、がん幹細胞を含むがん細胞が、しばしばそれらの貪食作用促進性「eat me」シグナルの固有の発現を克服する重要な手段であると思われる。正常細胞からがん細胞への進行は、プログラム細胞死(programmed cell death、PCD
)及びプログラム細胞除去(programmed cell removal、PCR)を引き起こす遺伝子
及び/又は遺伝子発現の変化を伴い得る。がん進行の段階の多くはPCDの複数の機序を妨害し、抗貪食作用シグナルCD47の発現は重要なチェックポイントを表し得る。
【0004】
CD47は、マクロファージ及び樹状細胞を含む貪食細胞で発現されるSIRPαのリガンドとして機能する。SIRPαがCD47結合によって活性化されると、これにより、貪食作用の阻害をもたらすシグナル伝達カスケードが開始される。このようにして、CD47は、優勢な阻害性シグナルを貪食細胞に送達することによって抗貪食シグナルとして機能する。
【0005】
急性骨髄性白血病(Acute myeloid leukemia、AML)は、発生率が若年成人の3:100,000から高齢者の20:100,000超に上昇する一般的な血液悪性腫瘍である。60歳未満の患者については、全生存(overall survival、OS)は40~50
%であるが、60歳超の患者については、わずか5%である。新たに診断されたAMLの患者の大部分は、60歳超である。この患者集団では、標準的な導入化学療法は、年齢及び併存症の結果として治療関連死亡が増加することにより選択肢ではないことが多い。併用化学療法に不適合なAML患者の標準治療は、低メチル化剤(アザシチジン又はデシタビン)又は低用量シタラビンによる治療である。これらの最先端の治療にもかかわらず、OS中央値はわずか約10ヶ月である。すべての種類のAMLでは、初期の治療奏効にもかかわらず、疾患の再発が一般的であり、死亡の最も一般的な理由である。標準的な化学療法及び同種異系幹細胞移植(使用される場合)は、すべての腫瘍伝播細胞を根絶し、化学療法耐性白血病伝播サブクローンを選択することができないことが多い。現在の治療選択肢が非常に限定されているため、救済療法に対して不応性の患者は、対症的に治療される。これらの患者は、2ヶ月の生存中央値を有する。加えて、新たに診断された中等度又は高リスクの骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome、MDS)の患者及び標準
治療後に再発した患者は、予後が不良であり、AMLへの進行へのリスクが高い。したがって、再発性/不応性(relapsed/refractory、R/R)AML及びMDS患者、年齢及
び併存症に基づいた導入化学療法に不適格な新たに診断されたAML患者、並びに新たに診断された中等度/高/非常に高リスクのMDS患者のための新しい治療モダリティが緊急に必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、本明細書において、対象における造血障害を治療する方法が提供され、対象は、少なくとも1つのp53変異を有し、本方法には、(a)CD47とSIRPα;との間の結合を阻害する単離された抗体を投与することと、(b)対象に低メチル化剤を投与することとが含まれる。
【0007】
一態様では、本明細書において、対象における造血障害を治療する方法が提供され、本方法には、(a)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する単離された抗体を投与することと、(b)対象に低メチル化剤を投与することであって、この対象が、少なくとも1つのp53変異を有すると決定されるか又は決定されている、投与することとが含まれる。
【0008】
一態様では、本明細書において、対象における造血障害を治療する方法が提供され、本方法には、対象における少なくとも1つのp53変異の存在を決定するか又は決定していることと、対象に、(i)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する単離された抗体、及び(ii)低メチル化剤を投与するか又は投与していることとが含まれる。
【0009】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのp53変異の存在を決定することは、DNAアッセイ、RNAアッセイ、又はタンパク質アッセイを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのp53変異が存在する場合、抗体及び低メチル化剤が対象に投与される。
【0011】
いくつかの実施形態では、抗体は、抗CD47抗体又は抗SIRPα抗体である。
【0012】
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、体重1kg当たり10mg以上の抗体の用量で対象に投与される。
【0013】
いくつかの実施形態では、低メチル化剤は、アザシチジン又はデシタビンである。
【0014】
いくつかの実施形態では、低メチル化剤は、アザシチジンである。
【0015】
いくつかの実施形態では、造血障害は、血液前がんである。
【0016】
いくつかの実施形態では、造血障害は、血液がんである。
【0017】
いくつかの実施形態では、造血障害は、骨髄異形成症候群(MDS)である。
【0018】
いくつかの実施形態では、造血障害は、急性骨髄性白血病(AML)である。
【0019】
いくつかの実施形態では、造血障害は、クローン性造血(clonal hematopoiesis、C
H)、未確定の潜在能をもつクローン性造血(clonal hematopoiesis of indeterminant potential、CHIP)、加齢性クローン性造血(age-related clonal hematopoiesis、ARCH)、意義不明の特発性血球減少症(idiopathic cytopenias of undetermined significance、ICUS)、又は意義不明のクローン性血球減少症(clonal cytopenia of undetermined significance、CCUS)である。
【0020】
いくつかの実施形態では、p53変異は、ミスセンス変異、ナンセンス変異、フレームシフト変異、イントロン変異、切断変異、DNA結合ドメインにおける変異、又は四量体化ドメインにおける変異のうちの少なくとも1つを含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、p53変異は、DNA結合ドメインにおける変異を含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は10超の以前の選択がん療法に対して再発性又は不応性である。
【0023】
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、Hu5F9-G4である。
【0024】
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、Hu5F9-G4からなる。
【0025】
いくつかの実施形態では、抗SIRPα抗体は、Hu1H9-G1、Hu1H9-G4、Hu3C2-G1、Hu3C2-G4、9B11-G1、9B11-G4、7E11-G1、及び7E11-G4のうちの少なくとも1つを含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、抗SIRPα抗体は、Hu1H9-G1、Hu1H9-G4、Hu3C2-G1、Hu3C2-G4、9B11-G1、9B11-G4、7E11-G1、及び7E11-G4からなる群から選択される抗体からなる。
【0027】
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、体重1kg当たり少なくとも10~30、20~30、10、15、20、又は30mgの抗体の用量で投与される。
【0028】
いくつかの実施形態では、抗体は、静脈内に投与される。
【0029】
いくつかの実施形態では、アザシチジンは、少なくとも75mg/mの用量で投与される。
【0030】
いくつかの実施形態では、アザシチジンは、静脈内に、皮下に、又は経口で投与される。
【0031】
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、1日目及び4日目に体重1kg当たり少なくとも1mgの抗体の初回刺激用量、続いて、8日目に体重1kg当たり少なくとも15mgの抗体の用量、続いて15日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗体の用量を含む第1のサイクルで対象に投与される。
【0032】
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、1日目及び4日目に体重1kg当たり少なくとも1mgの抗体の初回刺激用量、続いて、8日目に体重1kg当たり少なくとも15mgの抗体の用量、続いて、15日目及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗体の用量を含む第1のサイクルで対象に投与される。
【0033】
いくつかの実施形態では、本方法は、11日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗体の負荷用量を更に含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、第1のサイクルは、4週間の期間である。
【0035】
いくつかの実施形態では、アザシチジンは、第1のサイクルの1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/m2の用量で対象に投与される。
【0036】
いくつかの実施形態では、アザシチジンは、第1のサイクルの1~5日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/m2の用量で対象に投与される。
【0037】
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、4週間に1回、体重1kg当たり少なくとも30mgの抗体の用量を含む第2のサイクルで対象に投与される。
【0038】
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、2週間に1回、体重1kg当たり少なくとも30mgの抗体の用量を含む第2のサイクルで対象に投与される。
【0039】
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、毎週1回、体重1kg当たり少なくとも30mgの抗体の用量を含む第2のサイクルで対象に投与される。
【0040】
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、週に2回、体重1kg当たり少なくとも30mgの抗体の用量を含む第2のサイクルで対象に投与される。
【0041】
いくつかの実施形態では、第2のサイクルは、4週間の期間である。
【0042】
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、4週間に1回、体重1kg当たり少なくとも30mgの抗体の用量を含む第3のサイクルで対象に投与される。
【0043】
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、2週間に1回、体重1kg当たり少なくとも30mgの抗体の用量を含む第3のサイクルで対象に投与される。
【0044】
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、毎週1回、体重1kg当たり少なくとも30mgの抗体の用量を含む第3のサイクルで対象に投与される。
【0045】
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、週に2回、体重1kg当たり少なくとも30mgの抗体の用量を含む第3のサイクルで対象に投与される。
【0046】
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、1日目に体重1kg当たり少なくとも1mgの抗体の初回刺激用量、続いて、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗体の用量を含む第1のサイクルで対象に投与される。
【0047】
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、2週間に1回、1日目及び15日目に体重1kg当たり少なくとも60mgの抗体の用量を含む第2のサイクルで対象に投与される。
【0048】
いくつかの実施形態では、第2のサイクルは、4週間の期間である。
【0049】
いくつかの実施形態では、アザシチジンは、第2のサイクルの1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/m2の用量で対象に投与される。
【0050】
いくつかの実施形態では、アザシチジンは、第2のサイクルの1~5日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/m2の用量で対象に投与される。
【0051】
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、4週間に1回、体重1kg当たり少なくとも60mgの抗体の用量を含む第3のサイクルで対象に投与される。
【0052】
いくつかの実施形態では、第3のサイクルは、4週間の期間である。
【0053】
いくつかの実施形態では、アザシチジンは、第3のサイクルの1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/m2の用量で対象に投与される。
【0054】
いくつかの実施形態では、アザシチジンは、第3のサイクルの1~5日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/m2の用量で対象に投与される。
【0055】
いくつかの実施形態では、対象は、抗体の投与前に、アザシチジン、デシタビン、又はシタラビンに対して不応性であると決定されるか又は決定されており、本方法により、アザシチジン、デシタビン、又はシタラビンに対する不応性の逆転が得られる。
【0056】
いくつかの実施形態では、抗体及び低メチル化剤の投与は、投与前に対象に存在するp53変異量と比較して、対象におけるp53変異量を低減する。
【0057】
いくつかの実施形態では、本方法は、抗体及び低メチル化剤の少なくとも1回のサイクルの投与後に、対象におけるp53変異量を評価することを更に含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、本方法は、p53変異量が減少した場合、少なくとも追加サイクルの抗体及び低メチル化剤を投与することを更に含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、抗体及び低メチル化剤の投与は、投与前に対象の骨髄中に存在する白血病幹細胞のレベルと比較して、対象の骨髄中に存在する白血病幹細胞のレベルを低減させる。
【0060】
いくつかの実施形態では、本方法は、抗体及び低メチル化剤の少なくとも1回のサイクルの投与後に、対象の骨髄中に存在する白血病幹細胞のレベルを評価することを更に含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、本方法は、白血病幹細胞の量が減少した場合、少なくとも追加サイクルの抗体及び低メチル化剤を投与することを更に含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、対象は、ヒト対象であり、本方法は、抗CD47抗体及びアザシチジンを、それぞれ4週間の少なくとも2つの異なるサイクルにわたって対象に投与することを含み、第1のサイクルは、(1)1日目及び4日目に体重1kg当たり1mg~10mg(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)の抗体の範囲で抗CD47抗体の初回刺激用量を投与することと、(2)8日目に体重1kg当たり少なくとも15mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(3)11、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(4)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/m2のアザシチジンの用量を投与することと、を含み、第2のサイクルは、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/m2のアザシチジンの用量を投与することと、を含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、第2のサイクルは、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返される。
【0064】
いくつかの実施形態では、4週間の第3のサイクルは、(1)2週間に1回、1日目及び15日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/m2のアザシチジンの用量を投与することと、を含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、4週間の第3のサイクルは、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/m2のアザシチジンの用量を投与することと、を含む。
【0066】
いくつかの実施形態では、第3のサイクルは、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返され、任意選択で、対象が臨床的利益を失うまで、抗CD47抗体及びアザシチジンが対象に投与され、任意選択で、抗CD47抗体は、Hu5F9-G4である。
【0067】
いくつかの実施形態では、対象は、ヒト対象であり、本方法は、抗CD47抗体及びアザシチジンを、それぞれ4週間の少なくとも2つの異なるサイクルにわたって対象に投与することを含み、第1のサイクルは、(1)1日目及び4日目に体重1kg当たり1mg~10mg(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)の抗体の範囲で抗CD47抗体の初回刺激用量を投与することと、(2)8日目に体重1kg当たり少なくとも15mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(3)15日目及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(4)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/m2のアザシチジンの用量を投与することと、を含み、第2のサイクルは、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/m2のアザシチジンの用量を投与することと、を含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、第2のサイクルは、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返される。
【0069】
いくつかの実施形態では、4週間の第3のサイクルは、(1)2週間に1回、1日目及び15日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/m2のアザシチジンの用量を投与することと、を含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、第3のサイクルは、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返され、任意選択で、対象が臨床的利益を失うまで、抗CD47抗体及びアザシチジンが対象に投与され、任意選択で、抗CD47抗体は、Hu5F9-G4である。
【0071】
いくつかの実施形態では、対象は、ヒト対象であり、本方法は、抗CD47抗体及びアザシチジンを、それぞれ4週間の少なくとも2つの異なるサイクルにわたって対象に投与することを含み、第1のサイクルは、(1)1日目に体重1kg当たり1mg~10mg(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)の抗体の範囲で抗CD47抗体の初回刺激用量を投与することと、(2)8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(3)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/m2のアザシチジンの用量を投与することと、を含み、第2のサイクルは、(1)2週間に1回、1日目及び15日目に体重1kg当たり少なくとも60mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/m2のアザシチジンの用量を投与することと、を含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、第2のサイクルは、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返される。
【0073】
いくつかの実施形態では、4週間の第3のサイクルは、(1)4週間に1回、1日目に体重1kg当たり少なくとも60mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/m2のアザシチジンの用量を投与することと、を含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、第3のサイクルは、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返され、任意選択で、対象が臨床的利益を失うまで、抗CD47抗体及びアザシチジンが対象に投与され、任意選択で、抗CD47抗体は、Hu5F9-G4である。
【0075】
いくつかの実施形態では、対象は、ヒト対象であり、本方法は、抗CD47抗体及びアザシチジンを、それぞれ4週間の少なくとも2つの異なるサイクルにわたって対象に投与することを含み、第1のサイクルは、(1)1日目に体重1kg当たり1mg~10mg(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)の抗体の範囲で抗CD47抗体の初回刺激用量を投与することと、(2)8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(3)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、第2のサイクルは、(1)4週間に1回、1日目に体重1kg当たり少なくとも60mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、対象は、低リスクのMDSを有する。いくつかの実施形態では、第2のサイクルは、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返される。
【0076】
いくつかの実施形態では、対象は、ヒト対象であり、本方法は、抗CD47抗体及びアザシチジンを、それぞれ4週間の少なくとも2つの異なるサイクルにわたって対象に投与することを含み、第1のサイクルは、(1)1日目に80mg~800mg(例えば、80mg~400mg、例えば、80mg~200mg、例えば、80mg、100mg、160mg、200mg、240mg、320mg、400mg)の抗体の範囲で抗CD47抗体の初回刺激用量を投与することと、(2)8、15、及び22日目に少なくとも2400mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(3)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、第2のサイクルは、(1)4週間に1回、1日目に少なくとも4800mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、対象は、低リスクのMDSを有する。いくつかの実施形態では、第2のサイクルは、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返される。
【0077】
いくつかの実施形態では、対象は、ヒト対象であり、本方法は、抗CD47抗体及びアザシチジンを、それぞれ4週間の少なくとも3つの異なるサイクルにわたって対象に投与することを含み、第1のサイクルは、(1)1日目及び4日目に体重1kg当たり1mg~10mg(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)の抗体の範囲で抗CD47抗体の初回刺激用量を投与することと、(2)8日目に体重1kg当たり少なくとも15mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(3)11日目及び15日目のうちの1日又は両日、並びに22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(4)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、第2のサイクルは、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、第3のサイクルは、(1)毎週1回、1日目及び15日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、対象は、高リスクのMDS又はAMLを有する。いくつかの実施形態では、第3のサイクルは、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返される。いくつかの実施形態では、対象は、ヒト対象であり、本方法は、抗CD47抗体及びアザシチジンを、それぞれ4週間の少なくとも3つの異なるサイクルにわたって対象に投与することを含み、第1のサイクルは、(1)1日目及び4日目に体重1kg当たり1mg~10mg(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)の抗体の範囲で抗CD47抗体の初回刺激用量を投与することと、(2)8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(3)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、第2のサイクルは、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、第3のサイクルは、(1)毎週1回、1日目及び15日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、対象は、高リスクのMDS又はAMLを有する。いくつかの実施形態では、第3のサイクルは、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返される。
【0078】
いくつかの実施形態では、4週間の第4のサイクルは、(1)2週間に1回、1日目及び15日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、第4のサイクルは、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返され、任意選択で、対象が臨床的利益を失うまで、抗CD47抗体及びアザシチジンが対象に投与され、任意選択で、抗CD47抗体は、Hu5F9-G4である。
【0080】
いくつかの実施形態では、対象は、ヒト対象であり、本方法は、抗CD47抗体及びアザシチジンを、それぞれ4週間の少なくとも3つの異なるサイクルにわたって対象に投与することを含み、第1のサイクルは、(1)1日目及び4日目に80mg~800mg(例えば、80mg~400mg、例えば、80mg~200mg、例えば、80mg、100mg、160mg、200mg、240mg、320mg、400mg)の抗体の範囲で抗CD47抗体の初回刺激用量を投与することと、(2)8日目に少なくとも1200mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(3)15日目及び22日目に少なくとも2400mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(4)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、第2のサイクルは、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも2400mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、第3のサイクルは、(1)2週間に1回、1日目及び15日目に少なくとも2400mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、対象は、高リスクのMDS又はAMLを有する。いくつかの実施形態では、第3のサイクルは、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返される。
【0081】
いくつかの実施形態では、対象は、骨髄異形成症候群(MDS)を有するヒト対象であり、対象は、少なくとも1つのp53変異を有し、本方法は、抗CD47抗体及びアザシチジンを、それぞれ4週間の少なくとも2つの異なるサイクルにわたって対象に投与することを含み、第1のサイクルは、(1)1日目及び4日目に体重1kg当たり1mg~10mg(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)の抗体の範囲で抗CD47抗体の初回刺激用量を投与することと、(2)8日目に体重1kg当たり少なくとも15mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(3)11、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(4)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/m2のアザシチジンの用量を投与することと、を含み、第2のサイクルは、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/m2のアザシチジンの用量を投与することと、を含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、第2のサイクルは、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返される。
【0083】
いくつかの実施形態では、4週間の第3のサイクルは、(1)4週間に1回、1日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/m2のアザシチジンの用量を投与することと、を含む。
【0084】
いくつかの実施形態では、4週間の第3のサイクルは、(1)2週間に1回、1日目及び15日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/m2のアザシチジンの用量を投与することと、を含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、4週間の第3のサイクルは、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/m2のアザシチジンの用量を投与することと、を含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、第3のサイクルは、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返され、任意選択で、対象が臨床的利益を失うまで、抗CD47抗体及びアザシチジンが対象に投与され、任意選択で、抗CD47抗体は、Hu5F9-G4である。
【0087】
いくつかの実施形態では、対象は、急性骨髄性白血病(AML)を有するヒト対象であり、対象は、少なくとも1つのp53変異を有し、本方法は、抗CD47抗体及びアザシチジンを、それぞれ4週間の少なくとも2つの異なるサイクルにわたって対象に投与することを含み、第1のサイクルは、(1)1日目及び4日目に体重1kg当たり1mg~10mg(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)の抗体の範囲で抗CD47抗体の初回刺激用量を投与することと、(2)8日目に体重1kg当たり少なくとも15mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(3)11、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(4)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/m2のアザシチジンの用量を投与することと、を含み、第2のサイクルは、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/m2のアザシチジンの用量を投与することと、を含む。
【0088】
いくつかの実施形態では、第2のサイクルは、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返される。
【0089】
いくつかの実施形態では、4週間の第3のサイクルは、(1)4週間に1回、1日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/m2のアザシチジンの用量を投与することと、を含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、4週間の第3のサイクルは、(1)2週間に1回、1日目及び15日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/m2のアザシチジンの用量を投与することと、を含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、4週間の第3のサイクルは、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/m2のアザシチジンの用量を投与することと、を含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、第3のサイクルは、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返され、任意選択で、対象が臨床的利益を失うまで、抗CD47抗体及びアザシチジンが対象に投与され、任意選択で、抗CD47抗体は、Hu5F9-G4である。
【0093】
別の態様では、本明細書において、対象における造血障害を治療する方法が提供され、対象は、ヒト対象であり、本方法は、抗CD47抗体及びアザシチジンを、それぞれ4週間の少なくとも2つの異なるサイクルにわたって対象に投与することを含み、第1のサイクルは、(1)1日目及び4日目に体重1kg当たり1mg~10mg(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)の抗体の範囲で抗CD47抗体の初回刺激用量を投与することと、(2)8日目に体重1kg当たり少なくとも15mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(3)15日目及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(4)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、第2のサイクルは、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む。
【0094】
いくつかの実施形態では、第2のサイクルは、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返される。
【0095】
いくつかの実施形態では、4週間の第3のサイクルは、(1)4週間に1回、1日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することを含む。
【0096】
いくつかの実施形態では、4週間の第3のサイクルは、(1)2週間に1回、1日目及び15日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することを含む。
【0097】
いくつかの実施形態では、4週間の第3のサイクルは、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することを含む。
【0098】
いくつかの実施形態では、4週間の第3のサイクルは、1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することを更に含む。
【0099】
いくつかの実施形態では、第3のサイクルは、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返され、任意選択で、対象が臨床的利益を失うまで、抗CD47抗体及びアザシチジンが対象に投与され、任意選択で、抗CD47抗体は、Hu5F9-G4である。
【0100】
別の態様では、本明細書において、対象における造血障害を治療する方法が提供され、対象は、ヒト対象であり、本方法は、抗CD47抗体及びアザシチジンを、それぞれ4週間の少なくとも2つの異なるサイクルにわたって対象に投与することを含み、第1のサイクルは、(1)1日目に体重1kg当たり1mg~10mg(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)の抗体の範囲で抗CD47抗体の初回刺激用量を投与することと、(2)8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(3)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、第2のサイクルは、(1)2週間に1回、1日目及び15日目に体重1kg当たり少なくとも60mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む。
【0101】
いくつかの実施形態では、第2のサイクルは、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返される。
【0102】
いくつかの実施形態では、4週間の第3のサイクルは、(1)4週間に1回、1日目に体重1kg当たり少なくとも60mgの抗CD47抗体の用量を投与することを含む。
【0103】
いくつかの実施形態では、4週間の第3のサイクルは、(1)2週間に1回、1日目及び15日目に体重1kg当たり少なくとも60mgの抗CD47抗体の用量を投与することを含む。
【0104】
いくつかの実施形態では、4週間の第3のサイクルは、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも60mgの抗CD47抗体の用量を投与することを含む。
【0105】
いくつかの実施形態では、4週間の第3のサイクルは、1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することを更に含む。
【0106】
別の態様では、本明細書において、対象における造血障害を治療する方法が提供され、本方法には、対象の骨髄におけるT細胞浸潤レベルを決定するか又は決定していることと、対象に、(i)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する単離された抗体、及び(ii)低メチル化剤を投与するか又は投与していることとが含まれる。
【0107】
いくつかの実施形態では、T細胞浸潤レベルを決定することは、DNAアッセイ、RNAアッセイ、又はタンパク質アッセイを含む。
【0108】
いくつかの実施形態では、アッセイは、T細胞受容体配列決定、逆転写定量ポリメラーゼ連鎖反応、RNA配列決定、RNAハイブリダイゼーション、蛍光ベースのフローサイトメトリー、飛行時間型質量分析、又は免疫ブロットからなる群から選択される。
【0109】
いくつかの実施形態では、抗体及び低メチル化剤の投与は、投与前の骨髄におけるT細胞浸潤レベルと比較して、骨髄におけるT細胞浸潤レベルを変化させる。
【0110】
いくつかの実施形態では、投与は、T細胞浸潤レベルを増加させ、T細胞は、CD8+CTL又はCD4+Tヘルパー(T helper、Th)細胞である。
【0111】
いくつかの実施形態では、投与は、T細胞浸潤レベルを減少させ、T細胞は、FOXP3Treg細胞である。
【0112】
いくつかの実施形態では、投与は、骨髄におけるT細胞浸潤においてFOXP3Treg細胞のレベルを減少させる。
【0113】
いくつかの実施形態では、投与は、骨髄におけるFOXP3+Treg細胞のインサイチュ発生を減少させる。
【0114】
いくつかの実施形態では、本方法は、抗体及び低メチル化剤の少なくとも1回のサイクルの投与後に、対象の骨髄におけるT細胞浸潤レベルを評価することを更に含む。
【0115】
いくつかの実施形態では、本方法は、骨髄におけるT細胞浸潤レベルが増加しており、T細胞がCD8+CTL又はCD4+Tヘルパー(Th)細胞である場合、少なくとも追加サイクルの抗体及び低メチル化剤を投与することを更に含む。
【0116】
いくつかの実施形態では、本方法は、骨髄におけるT細胞浸潤レベルが減少しており、T細胞がFOXP3Treg細胞である場合、少なくとも追加サイクルの抗体及び低メチル化剤を投与することを更に含む。
【0117】
いくつかの実施形態では、抗体は、抗CD47抗体又は抗SIRPα抗体である。
【0118】
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、体重1kg当たり1mg以上の抗体の用量で対象に投与される。
【0119】
いくつかの実施形態では、低メチル化剤は、アザシチジン又はデシタビンである。
【0120】
いくつかの実施形態では、造血障害は、血液前がん又は血液がんである。
【0121】
いくつかの実施形態では、造血障害は、急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である。
【0122】
いくつかの実施形態では、対象はヒト対象であり、対象の骨髄におけるT細胞浸潤レベルは決定される対象であるか、又は決定されている対象であり、本方法は、抗CD47抗体及びアザシチジンを、それぞれ4週間の少なくとも2つの異なるサイクルにわたって対象に投与することを含み、第1のサイクルは、(1)1日目及び4日目に体重1kg当たり1mg~10mg(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)の抗体の範囲で抗CD47抗体の初回刺激用量を投与することと、(2)8日目に体重1kg当たり少なくとも15mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(3)11、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(4)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、第2のサイクルは、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む。
特定の実施形態では、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
対象における造血障害を治療する方法であって、前記対象が、少なくとも1つのp53変異を有し、(a)CD47とSIRPα;との間の結合を阻害する単離された抗体を投与することと、(b)低メチル化剤を前記対象に投与することと、を含む、方法。
(項目2)
対象における造血障害を治療する方法であって、(a)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する単離された抗体を投与することと、(b)前記対象に低メチル化剤を投与することであって、前記対象が、少なくとも1つのp53変異を有すると決定されるか、又は決定されている、投与することと、を含む、方法。
(項目3)
対象における造血障害を治療する方法であって、
a.前記対象における少なくとも1つのp53変異の存在を決定する、又は決定していることと、
b.(i)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する単離された抗体、及び(ii)低メチル化剤を前記対象に投与する、又は投与していることと、を含む、方法。
(項目4)
前記少なくとも1つのp53変異の存在を決定することが、DNAアッセイ、RNAアッセイ、又はタンパク質アッセイを含む、項目3に記載の方法。
(項目5)
前記少なくとも1つのp53変異が存在する場合、前記抗体及び低メチル化剤が、前記対象に投与される、項目1~4のいずれか一項に記載の方法。
(項目6)
前記抗体が、抗CD47抗体又は抗SIRPα抗体である、項目1~5のいずれか一項に記載の方法。
(項目7)
前記抗CD47抗体が、体重1kg当たり10mg以上の抗体の用量で前記対象に投与される、項目1~6のいずれか一項に記載の方法。
(項目8)
前記低メチル化剤が、アザシチジン又はデシタビンである、項目1~7のいずれか一項に記載の方法。
(項目9)
前記低メチル化剤が、アザシチジンである、項目1~8のいずれか一項に記載の方法。
(項目10)
前記造血障害が、血液前がんである、項目1~9のいずれか一項に記載の方法。
(項目11)
前記造血障害が、血液がんである、項目1~9のいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
前記造血障害が、骨髄異形成症候群(MDS)である、項目1~9のいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
前記造血障害が、急性骨髄性白血病(AML)である、項目1~9のいずれか一項に記載の方法。
(項目14)
前記造血障害が、クローン性造血(CH)、未確定の潜在能をもつクローン性造血(CHIP)、加齢性クローン性造血(ARCH)、意義不明の特発性血球減少症(ICUS)、又は意義不明のクローン性血球減少症(CCUS)である、項目1~9のいずれか一項に記載の方法。
(項目15)
前記p53変異が、ミスセンス変異、ナンセンス変異、フレームシフト変異、イントロン変異、切断変異、DNA結合ドメインにおける変異、又は四量体化ドメインにおける変異を含む、項目1~14のいずれか一項に記載の方法。
(項目16)
前記p53変異が、前記DNA結合ドメインにおける変異を含む、項目15に記載の方法。
(項目17)
対象が、がん療法の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は10超の以前の選択に対して再発性又は不応性である、項目1~16のいずれか一項に記載の方法。
(項目18)
前記抗CD47抗体が、Hu5F9-G4を含む、項目1~17のいずれか一項に記載の方法。
(項目19)
前記抗CD47抗体が、Hu5F9-G4からなる、項目1~17のいずれか一項に記載の方法。
(項目20)
前記抗SIRPα抗体が、Hu1H9-G1、Hu1H9-G4、Hu3C2-G1、Hu3C2-G4、9B11-G1、9B11-G4、7E11-G1、及び7E11-G4のうちの少なくとも1つを含む、項目1~17のいずれか一項に記載の方法。
(項目21)
前記抗SIRPα抗体が、Hu1H9-G1、Hu1H9-G4、Hu3C2-G1、Hu3C2-G4、9B11-G1、9B11-G4、7E11-G1、及び7E11-G4からなる群から選択される抗体からなる、項目1~17のいずれか一項に記載の方法。
(項目22)
前記抗CD47抗体が、体重1kg当たり少なくとも10~60、20~30、30~40、40~50、50~60、10、15、20、30、40、50、又は60mgの抗体の用量で投与される、項目1~21のいずれか一項に記載の方法。
(項目23)
前記抗体が、静脈内投与される、項目1~22のいずれか一項に記載の方法。
(項目24)
前記アザシチジンが、少なくとも75mg/mの用量で投与される、項目1~23のいずれか一項に記載の方法。
(項目25)
前記アザシチジンが、静脈内、皮下、又は経口投与される、項目1~24のいずれか一項に記載の方法。
(項目26)
前記抗CD47抗体が、1日目及び4日目に体重1kg当たり少なくとも1mgの抗体の初回刺激用量、続いて、8日目に体重1kg当たり少なくとも15mgの抗体の用量、続いて、15日目及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗体の用量を含む第1のサイクルで前記対象に投与される、項目1~25のいずれか一項に記載の方法。
(項目27)
11日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗体の負荷用量を更に含む、項目26に記載の方法。
(項目28)
前記第1のサイクルが、4週間の期間である、項目26又は27に記載の方法。
(項目29)
前記アザシチジンが、前記第1のサイクルの1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mの用量で前記対象に投与される、項目26又は27に記載の方法。
(項目30)
前記アザシチジンが、前記第1のサイクルの1~5日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mの用量で前記対象に投与される、項目26又は27に記載の方法。
(項目31)
前記抗CD47抗体が、4週間に1回、体重1kg当たり少なくとも30mgの抗体の用量を含む第2のサイクルで前記対象に投与される、項目26~30のいずれか一項に記載の方法。
(項目32)
前記抗CD47抗体が、2週間に1回、体重1kg当たり少なくとも30mgの抗体の用量を含む第2のサイクルで前記対象に投与される、項目26~30のいずれか一項に記載の方法。
(項目33)
前記抗CD47抗体が、毎週1回、体重1kg当たり少なくとも30mgの抗体の用量を含む第2のサイクルで前記対象に投与される、項目26~30のいずれか一項に記載の方法。
(項目34)
前記抗CD47抗体が、週に2回、体重1kg当たり少なくとも30mgの抗体の用量を含む第2のサイクルで前記対象に投与される、項目26~30のいずれか一項に記載の方法。
(項目35)
前記第2のサイクルが、4週間の期間である、項目33又は34に記載の方法。
(項目36)
前記抗CD47抗体が、4週間に1回、体重1kg当たり少なくとも30mgの抗体の用量を含む第3のサイクルで前記対象に投与される、項目26~35のいずれか一項に記載の方法。
(項目37)
前記抗CD47抗体が、2週間に1回、体重1kg当たり少なくとも30mgの抗体の用量を含む第3のサイクルで前記対象に投与される、項目1~35のいずれか一項に記載の方法。
(項目38)
前記抗CD47抗体が、毎週1回、体重1kg当たり少なくとも30mgの抗体の用量を含む第3のサイクルで前記対象に投与される、項目1~35のいずれか一項に記載の方法。
(項目39)
前記抗CD47抗体が、週に2回、体重1kg当たり少なくとも30mgの抗体の用量を含む第3のサイクルで前記対象に投与される、項目1~35のいずれか一項に記載の方法。
(項目40)
前記抗CD47抗体が、1日目に体重1kg当たり少なくとも1mgの抗体の初回刺激用量、続いて、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗体の用量を含む第1のサイクルで前記対象に投与される、項目1~25のいずれか一項に記載の方法。
(項目41)
前記抗CD47抗体が、2週間に1回、1日目及び15日目に体重1kg当たり少なくとも60mgの抗体の用量を含む第2のサイクルで前記対象に投与される、項目40に記載の方法。
(項目42)
前記第2のサイクルが、4週間の期間である、項目41に記載の方法。
(項目43)
前記アザシチジンが、前記第2のサイクルの1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mの用量で前記対象に投与される、項目40~43のいずれか一項に記載の方法。
(項目44)
前記アザシチジンが、前記第2のサイクルの1~5日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mの用量で前記対象に投与される、項目40~43のいずれか一項に記載の方法。
(項目45)
前記抗CD47抗体が、4週間に1回、体重1kg当たり少なくとも60mgの抗体の用量を含む第3のサイクルで前記対象に投与される、項目40~43のいずれか一項に記載の方法。
(項目46)
前記第3のサイクルが、4週間の期間である、項目40~45のいずれか一項に記載の方法。
(項目47)
前記アザシチジンが、前記第3のサイクルの1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mの用量で前記対象に投与される、項目40~46のいずれか一項に記載の方法。
(項目48)
前記アザシチジンが、前記第3のサイクルの1~5日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mの用量で前記対象に投与される、項目40~46のいずれか一項に記載の方法。
(項目49)
前記対象が、前記抗体の投与前に、アザシチジン、デシタビン、又はシタラビンに対して不応性であると決定されるか、又は決定されており、前記方法が、アザシチジン、デシタビン、又はシタラビンに対する不応性の逆転をもたらす、項目1~48のいずれか一項に記載の方法。
(項目50)
前記抗体及び低メチル化剤の前記投与が、前記投与前に前記対象に存在するp53変異量と比較して、前記対象における前記p53変異量を低減する、項目1~49のいずれか一項に記載の方法。
(項目51)
前記抗体及び前記低メチル化剤の少なくとも1回のサイクルの投与後に、前記対象における前記p53変異量を評価することを更に含む、項目1~50のいずれか一項に記載の方法。
(項目52)
前記p53変異量が減少した場合、少なくとも追加サイクルの前記抗体及び前記低メチル化剤を投与することを更に含む、項目51に記載の方法。
(項目53)
前記抗体及び低メチル化剤の前記投与が、前記投与前に前記対象の骨髄中に存在する白血病幹細胞のレベルと比較して、前記対象の骨髄中に存在する白血病幹細胞のレベルを低減させる、項目1~52のいずれか一項に記載の方法。
(項目54)
前記抗体及び前記低メチル化剤の少なくとも1回のサイクルの投与後に、前記対象の骨髄中に存在する白血病幹細胞のレベルを評価することを更に含む、項目1~53のいずれか一項に記載の方法。
(項目55)
白血病幹細胞の量が減少した場合、少なくとも追加サイクルの前記抗体及び前記低メチル化剤を投与することを更に含む、項目54に記載の方法。
(項目56)
前記対象が、ヒト対象であり、前記方法が、前記抗CD47抗体及び前記アザシチジンを、それぞれ4週間の少なくとも2つの異なるサイクルにわたって前記対象に投与することを含み、第1のサイクルが、(1)1日目及び4日目に体重1kg当たり1mg~10mgの抗体の範囲で抗CD47抗体の初回刺激用量を投与することと、(2)8日目に体重1kg当たり少なくとも15mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(3)11、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(4)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、第2のサイクルが、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む、項目1~19又は22~55のいずれか一項に記載の方法。
(項目57)
前記第2のサイクルが、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返される、項目56に記載の方法。
(項目58)
4週間の第3のサイクルが、(1)2週間に1回、1日目及び15日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む、項目56又は57に記載の方法。
(項目59)
4週間の第3のサイクルが、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む、項目56又は57に記載の方法。
(項目60)
前記第3のサイクルが、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返され、任意選択で、前記対象が臨床的利益を失うまで、前記抗CD47抗体及びアザシチジンが前記対象に投与され、任意選択で、前記抗CD47抗体が、Hu5F9-G4である、項目58又は59に記載の方法。
(項目61)
前記対象が、ヒト対象であり、前記方法が、前記抗CD47抗体及び前記アザシチジンを、それぞれ4週間の少なくとも2つの異なるサイクルにわたって前記対象に投与することを含み、第1のサイクルが、(1)1日目及び4日目に体重1kg当たり1mg~10mgの抗体の範囲で抗CD47抗体の初回刺激用量を投与することと、(2)8日目に体重1kg当たり少なくとも15mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(3)15日目及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(4)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、第2のサイクルが、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む、項目1~19又は22~55のいずれか一項に記載の方法。
(項目62)
前記第2のサイクルが、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返される、項目61に記載の方法。
(項目63)
4週間の第3のサイクルが、(1)2週間に1回、1日目及び15日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む、項目61又は62に記載の方法。
(項目64)
前記第3のサイクルが、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返され、任意選択で、前記対象が臨床的利益を失うまで、前記抗CD47抗体及びアザシチジンが前記対象に投与され、任意選択で、前記抗CD47抗体が、Hu5F9-G4である、項目63に記載の方法。
(項目65)
前記対象が、ヒト対象であり、前記方法が、前記抗CD47抗体及び前記アザシチジンを、それぞれ4週間の少なくとも2つの異なるサイクルにわたって前記対象に投与することを含み、第1のサイクルが、(1)1日目に体重1kg当たり1mg~10mgの抗体の範囲で抗CD47抗体の初回刺激用量を投与することと、(2)8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(3)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、第2のサイクルが、(1)2週間に1回、1日目及び15日目に体重1kg当たり少なくとも60mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む、項目1~19又は22~55のいずれか一項に記載の方法。
(項目66)
前記第2のサイクルが、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返される、項目62に記載の方法。
(項目67)
4週間の第3のサイクルが、(1)4週間に1回、1日目に体重1kg当たり少なくとも60mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む、項目62又は66に記載の方法。
(項目68)
前記第3のサイクルが、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返され、任意選択で、前記対象が臨床的利益を失うまで、前記抗CD47抗体及びアザシチジンが前記対象に投与され、任意選択で、抗CD47抗体が、Hu5F9-G4である、項目66又は67に記載の方法。
(項目69)
前記対象が、ヒト対象であり、前記方法が、前記抗CD47抗体及び前記アザシチジンを、それぞれ4週間の少なくとも3つの異なるサイクルにわたって前記対象に投与することを含み、第1のサイクルが、(1)1日目及び4日目に体重1kg当たり1mg~10mgの抗体の範囲で抗CD47抗体の初回刺激用量を投与することと、(2)8日目に体重1kg当たり少なくとも15mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(3)11、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(4)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、第2のサイクルが、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、前記第3のサイクルが、(1)毎週1回、1日目及び15日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む、項目1~19又は22~55のいずれか一項に記載の方法。
(項目70)
前記対象が、ヒト対象であり、前記方法が、前記抗CD47抗体及び前記アザシチジンを、それぞれ4週間の少なくとも3つの異なるサイクルにわたって前記対象に投与することを含み、第1のサイクルが、(1)1日目及び4日目に体重1kg当たり1mg~10mgの抗体の範囲で抗CD47抗体の初回刺激用量を投与することと、(3)15日目及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(4)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、第2のサイクルが、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、前記第3のサイクルが、(1)毎週1回、1日目及び15日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む、項目1~19又は22~55のいずれか一項に記載の方法。
(項目71)
前記第3のサイクルが、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返される、項目69又は70に記載の方法。
(項目72)
4週間の第4のサイクルが、(1)2週間に1回、1日目及び15日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む、項目69~71のいずれか一項に記載の方法。
(項目73)
前記第4のサイクルが、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返され、任意選択で、前記対象が臨床的利益を失うまで、前記抗CD47抗体及びアザシチジンが前記対象に投与され、任意選択で、前記抗CD47抗体が、Hu5F9-G4である、項目72に記載の方法。
(項目74)
前記対象が、骨髄異形成症候群(MDS)を有するヒト対象であり、前記対象が、少なくとも1つのp53変異を有し、前記方法が、前記抗CD47抗体及び前記アザシチジンを、それぞれ4週間の少なくとも2つの異なるサイクルにわたって前記対象に投与することを含み、第1のサイクルが、(1)1日目及び4日目に体重1kg当たり1mg~10mgの抗体の範囲で抗CD47抗体の初回刺激用量を投与することと、(2)8日目に体重1kg当たり少なくとも15mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(3)11、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(4)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、第2のサイクルが、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む、項目1~19又は22~68のいずれか一項に記載の方法。
(項目75)
前記第2のサイクルが、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返される、項目74に記載の方法。
(項目76)
4週間の第3のサイクルが、(1)4週間に1回、1日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む、項目74又は75に記載の方法。
(項目77)
4週間の第3のサイクルが、(1)2週間に1回、1日目及び15日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む、項目74又は75に記載の方法。
(項目78)
4週間の第3のサイクルが、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む、項目74又は75に記載の方法。
(項目79)
前記第3のサイクルが、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返され、任意選択で、前記対象が臨床的利益を失うまで、前記抗CD47抗体及びアザシチジンが前記対象に投与され、任意選択で、前記抗CD47抗体が、Hu5F9-G4である、項目77又は78に記載の方法。
(項目80)
前記対象が、急性骨髄性白血病(AML)を有するヒト対象であり、前記対象が、少なくとも1つのp53変異を有し、前記方法が、前記抗CD47抗体及び前記アザシチジンを、それぞれ4週間の少なくとも2つの異なるサイクルにわたって前記対象に投与することを含み、第1のサイクルが、(1)1日目及び4日目に体重1kg当たり1mg~10mgの抗体の範囲で抗CD47抗体の初回刺激用量を投与することと、(2)8日目に体重1kg当たり少なくとも15mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(3)11、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(4)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、第2のサイクルが、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む、項目1~19又は22~68のいずれか一項に記載の方法。
(項目81)
前記第2のサイクルが、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返される、項目80に記載の方法。
(項目82)
4週間の第3のサイクルが、(1)4週間に1回、1日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む、項目80又は81に記載の方法。
(項目83)
4週間の第3のサイクルが、(1)2週間に1回、1日目及び15日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む、項目80又は81に記載の方法。
(項目84)
4週間の第3のサイクルが、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む、項目80又は81に記載の方法。
(項目85)
前記第3のサイクルが、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返され、任意選択で、前記対象が臨床的利益を失うまで、前記抗CD47抗体及びアザシチジンが前記対象に投与され、任意選択で、前記抗CD47抗体が、Hu5F9-G4である、項目83又は84に記載の方法。
(項目86)
対象における造血障害を治療する方法であって、
a.前記対象の骨髄におけるT細胞浸潤レベルを決定する、又は決定していることと、
b.(i)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する単離された抗体、及び(ii)低メチル化剤を前記対象に投与する、又は投与していることと、を含む、方法。
(項目87)
前記T細胞浸潤レベルを決定することが、DNAアッセイ、RNAアッセイ、又はタンパク質アッセイを含む、項目86に記載の方法。
(項目88)
前記アッセイが、T細胞受容体配列決定、逆転写定量ポリメラーゼ連鎖反応、RNA配列決定、RNAハイブリダイゼーション、蛍光ベースのフローサイトメトリー、飛行時間型質量分析、又は免疫ブロットからなる群から選択される、項目87に記載の方法。
(項目89)
前記抗体及び低メチル化剤の前記投与が、投与前の前記骨髄におけるT細胞浸潤レベルと比較して、前記骨髄における前記T細胞浸潤レベルを変化させる、項目86~88のいずれか一項に記載の方法。
(項目90)
前記投与が、前記T細胞浸潤レベルを増加させ、前記T細胞が、CD8+CTL又はCD4+Tヘルパー(Th)細胞である、項目89に記載の方法。
(項目91)
前記投与が、前記T細胞浸潤レベルを減少させ、前記T細胞が、FOXP3Treg細胞である、項目86~90のいずれか一項に記載の方法。
(項目92)
前記投与が、前記骨髄における前記T細胞浸潤においてFOXP3Treg細胞のレベルを減少させる、項目86~90のいずれか一項に記載の方法。
(項目93)
前記投与が、前記骨髄におけるFOXP3+Treg細胞のインサイチュ発生を減少させる、項目86~90のいずれか一項に記載の方法。
(項目94)
前記抗体及び前記低メチル化剤の少なくとも1回のサイクルの投与後に、前記対象の前記骨髄における前記T細胞浸潤レベルを評価することを更に含む、項目86~93のいずれか一項に記載の方法。
(項目95)
前記骨髄における前記T細胞浸潤レベルが増加しており、前記T細胞がCD8+CTL又はCD4+Tヘルパー(Th)細胞である場合、少なくとも追加サイクルの前記抗体及び前記低メチル化剤を投与することを更に含む、項目94に記載の方法。
(項目96)
前記骨髄における前記T細胞浸潤レベルが減少しており、前記T細胞がFOXP3Treg細胞である場合、少なくとも追加サイクルの前記抗体及び前記低メチル化剤を投与することを更に含む、項目94に記載の方法。
(項目97)
前記抗体が、抗CD47抗体又は抗SIRPα抗体である、項目86~96のいずれか一項に記載の方法。
(項目98)
前記抗CD47抗体が、体重1kg当たり1mg以上の抗体の用量で前記対象に投与される、項目86~97のいずれか一項に記載の方法。
(項目99)
前記低メチル化剤が、アザシチジン又はデシタビンである、項目86~98のいずれか一項に記載の方法。
(項目100)
前記造血障害が、血液前がん又は血液がんである、項目86~99のいずれか一項に記載の方法。
(項目101)
前記造血障害が、急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、項目86~100のいずれか一項に記載の方法。
(項目102)
前記対象が、ヒト対象であり、前記対象の前記骨髄における前記T細胞浸潤レベルが、決定される対象であるか、又は決定されている対象であり、前記方法が、前記抗CD47抗体及び前記アザシチジンを、それぞれ4週間の少なくとも2つの異なるサイクルにわたって前記対象に投与することを含み、前記第1のサイクルが、(1)1日目及び4日目に体重1kg当たり1mg~10mgの抗体の範囲で抗CD47抗体の初回刺激用量を投与することと、(2)8日目に体重1kg当たり少なくとも15mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(3)11、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(4)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、前記第2のサイクルが、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む、項目86~101のいずれか一項に記載の方法。
(項目103)
低リスクのMDSを有する対象を治療する方法であって、静脈内に抗CD47抗体及びアザシチジンを、それぞれ4週間の少なくとも2つの異なるサイクルにわたって前記対象に投与することを含み、
第1のサイクルが、(1)1日目に体重1kg当たり1mg~10mgの抗体の範囲で抗CD47抗体の初回刺激用量を投与することと、(2)8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(3)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、
第2のサイクルが、(1)4週間に1回、1日目に体重1kg当たり少なくとも60mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む、方法。
(項目104)
低リスクのMDSを有する対象を治療する方法であって、静脈内に抗CD47抗体及びアザシチジンを、それぞれ4週間の少なくとも2つの異なるサイクルにわたって前記対象に投与することを含み、
第1のサイクルが、(1)1日目に80mg~800mgの範囲で抗CD47抗体の初回刺激用量を投与することと、(2)8、15、及び22日目に少なくとも2400mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(3)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、
第2のサイクルが、(1)4週間に1回、1日目に少なくとも4800mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む、方法。
(項目105)
高リスクのMDS又はAMLを有する対象を治療する方法であって、静脈内に抗CD47抗体及びアザシチジンを、それぞれ4週間の少なくとも3つの異なるサイクルにわたって前記対象に投与することを含み、
第1のサイクルが、(1)1日目及び4日目に体重1kg当たり1mg~10mgの抗体の範囲で抗CD47抗体の初回刺激用量を投与することと、(2)8日目に体重1kg当たり少なくとも15mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(3)15日目及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(4)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、
第2のサイクルが、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、
第3のサイクルが、(1)毎週1回、1日目及び15日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む、方法。
(項目106)
高リスクのMDS又はAMLを有する対象を治療する方法であって、静脈内に抗CD47抗体及びアザシチジンを、それぞれ4週間の少なくとも3つの異なるサイクルにわたって前記対象に投与することを含み、
第1のサイクルが、(1)1日目及び4日目に80mg~800mgの範囲で抗CD47抗体の初回刺激用量を投与することと、(2)8日目に少なくとも1200mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(3)15日目及び22日目に少なくとも2400mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(4)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、
第2のサイクルが、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも2400mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、
第3のサイクルが、(1)2週間に1回、1日目及び15日目に少なくとも2400mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む、方法。
(項目107)
アザシチジンが、静脈内投与される、項目103~106のいずれか一項に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0123】
本発明のこれら及び他の特徴、態様、並びに利点は、以下の説明及び添付の図面に関してよりよく理解されるであろう。
【0124】
図1】血液悪性腫瘍の患者におけるHu5F9-G4単剤療法又はアザシチジンと併用したHu5F9-G4の第1b相試験の研究設計スキーマを示す。
【0125】
図2A】DNMT3a 2577DUPA及びTP53 559+1G>A表現型の患者における治療前及び治療の57日目のバリアント対立遺伝子頻度及び芽球細胞数のグラフを示す。
図2B】Hu5F9-G4及びアザシチジン療法後の経時的な第2の代表的な患者の骨髄芽球数及びTP53変異量を示す。
【0126】
図3A】治療前、並びに最良全奏効としてHu5F9-G4及びアザシチジン療法中の9人の患者のTP53変異量を示す。
図3B】治療前、並びに最良全奏効としてHu5F9-G4及びアザシチジン療法中の12人の患者のTP53変異量示す。
【0127】
図4】試験患者で特定されたp53遺伝子及びp53変異の概略図を示す。
【0128】
図5A】Hu5F9-G4及びアザシチジンによる治療前後の奏効を示すMDS/AML患者の骨髄におけるCD34+CD38-白血病幹細胞の枯渇を示す。
図5B】Hu5F9-G4及びアザシチジン療法後の経時的な代表的な患者の骨髄芽球数及びTP 53変異量を示す。
【0129】
図6A】Hu5F9-G4及びアザシチジン療法後の総T細胞の増加を示す。
図6B】Hu5F9-G4及びアザシチジン療法後のCD4+T細胞の増加を示す。
図6C】Hu5F9-G4及びアザシチジン療法後のCD8+T細胞の増加を示す。
図6D】Hu5F9-G4及びアザシチジン療法後の客観的レスポンダー集団においてTreg T細胞の顕著な変化がないことを示す。
図6E】Hu5F9-G4及びアザシチジン療法後の安定集団におけるTreg T細胞の顕著な増加を示す。
【0130】
図7A】毎週Hu5F9投薬(Q1W)から2週間毎のHu5F9-G4投薬(Q2W)に移行した後の、経時的なCD45+末梢血細胞におけるHu5F9-G4によるCD47受容体占有率を示す。受容体占有率は、定常状態Q1Wレベルの一部として表される。
図7B】毎週Hu5F9-G4投薬(Q1W)から2週間毎のHu5F9-G4投薬(Q2W)に移行した後の、経時的なCD45+骨髄細胞におけるHu5F9-G4によるCD47受容体占有率を示す。受容体占有率は、定常状態Q1Wレベルの一部として表される。
【発明を実施するための形態】
【0131】
定義
特許請求の範囲及び本明細書で使用される用語は、特に明記しない限り、以下に特定されるように定義される。
【0132】
「改善」という用語は、疾患状態、例えば、予防を含むがん疾患状態の治療、それらの重症度若しくは進行の低下、寛解、又は治癒における任意の治療的に有益な結果を指す。
【0133】
「インサイチュ」という用語は、生きた生物から分離して成長する、例えば、組織培養で成長する生きた細胞において生じるプロセスを指す。
【0134】
「インビボ」という用語は、生きた生物で生じるプロセスを指す。
【0135】
本明細書で使用される「哺乳動物」という用語は、ヒト及び非ヒトの両方を含み、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、マウス、ウシ、ウマ、及びブタを含むがこれらに限定されない。
【0136】
2つ以上の核酸又はポリペプチド配列の文脈における「同一性パーセント」という用語は、以下に記載される配列比較アルゴリズム(例えば、BLASTP及びBLASTN又は当業者に利用可能な他のアルゴリズム)のうちの1つを使用して、又は目視検査によって測定して、最大対応について比較及び整合される場合、同じであるヌクレオチド又はアミノ酸残基の特定の割合を有する2つ以上の配列又は部分配列を指す。用途に応じて、「同一性」パーセントは、比較される配列の領域にわたって、例えば、機能的ドメインにわたって存在してもよく、又は代替的に、比較される2つの配列の全長にわたって存在してもよい。
【0137】
配列比較のために、典型的には、1つの配列は、試験配列が比較される参照配列として機能する。配列比較アルゴリズムを使用する場合、試験及び参照配列をコンピュータに入力し、必要に応じて部分配列座標を指定し、配列アルゴリズムプログラムパラメータを指定する。次いで、配列比較アルゴリズムは、指定されたプログラムパラメータに基づいて、参照配列に対する試験配列の配列同一性パーセントを計算する。
【0138】
比較のための配列の最適なアラインメントは、例えば、Smith&Waterman,Adv.Appl.Math.2:482(1981)のローカルホモロジーアルゴリズムによって、Needleman&Wunsch,J.Mol.Biol.48:443(1970)のホモロジーアライメントアルゴリズムによって、Pearson&Lipman,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 85:2444(1988)の類似検索法によって、これらのアルゴリズム(Wisconsin Genetics Software PackageのGAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTA、Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,Wis.)のコンピュータ実装によって、又は目視検査(一般に、下記のAusubelらを参照されたい)によって行われ得る。
【0139】
配列同一性パーセント及び配列類似性を決定するのに好適なアルゴリズムの一例は、Altschul et al.J.Mol.Biol.215:403-410(1990)に記載されているBLASTアルゴリズムである。BLAST分析を行うためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Information(www.ncbi.nlm.nih.gov/)を介して公的に入手可能である。
【0140】
「十分な量」という用語は、所望の効果、例えば、細胞におけるタンパク質凝集を調節するのに十分な量をもたらすに十分な量を意味する。
【0141】
「治療有効量」という用語は、疾患の症状を改善するのに有効な量である。治療有効量は、予防が療法と考えられる場合、「予防有効量」であり得る。
【0142】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「a」、「an」、及び「the」という単数形は、別途文脈で明確に示されない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。
抗体:
【0143】
本明細書に記載の方法は、抗体の投与、例えば、抗CD47抗体又は抗SIRPα抗体の投与を含む。上記のように、「抗体」という用語は、特定の抗原と免疫学的に反応性の免疫グロブリン分子への言及を含み、ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体の両方を含む。この用語はまた、キメラ抗体(例えば、ヒト化マウス抗体)及びヘテロコンジュゲート抗体などの遺伝子操作された形態を含む。「抗体」という用語はまた、抗原結合能力を有する断片(例えば、Fab’、F(ab’)2、Fab、Fv、及びrIgG)を含む、抗体の抗原結合形態も含む。この用語はまた、組換え単鎖Fv断片(single chain Fv fragments、scFv)を指す。抗体という用語はまた、二価又は二重特異性分子、ダイアボディ、トリアボディ、及びテトラボディも含む。
【0144】
本明細書に記載される方法で使用するための抗体は、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗体を含む。いくつかの実施形態では、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗体は、抗CD47抗体である。いくつかの実施形態では、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗体は、抗SIRPα抗体である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される抗CD47抗体は、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害するために使用される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される抗SIRPα抗体は、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害するために使用される。いくつかの実施形態では、CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する抗体は、モノクローナル抗体である。
【0145】
抗体の選択は、選択性、親和性、細胞傷害性などを含む様々な基準に基づき得る。抗体に「特異的に(又は選択的に)結合する」、又は抗体と「特異的に(又は選択的に)免疫反応性」という句は、タンパク質又はペプチドを指す場合、タンパク質及び他の生物製剤の不均一な集団におけるタンパク質の存在を決定する結合反応を指す。したがって、指定されたイムノアッセイ条件下で、指定された抗体は、バックグラウンドの少なくとも2倍、より典型的にはバックグラウンドの10~100倍超で、特定のタンパク質配列に結合する。一般に、本発明の抗体は、エフェクター細胞(ナチュラルキラー細胞又はマクロファージなど)の存在下で、標的細胞の表面上の抗原に結合する。エフェクター細胞上のFc受容体は、結合抗体を認識する。
【0146】
特定の抗原と免疫学的に反応性の抗体は、ファージ若しくは類似のベクターにおける組換え抗体のライブラリの選択などの組換え方法によって、又は抗原若しくは抗原をコードするDNAを用いて動物を免疫化することによって生成することができる。ポリクローナル抗体を調製する方法は、当業者に既知である。抗体は、代替的に、モノクローナル抗体であってもよい。モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法を使用して調製することができる。ハイブリドーマ法において、適切な宿主動物は、典型的には、免疫剤で免疫化されて、免疫剤に特異的に結合する抗体を産生するか、又は産生することができるリンパ球を誘発する。代替的に、リンパ球は、インビトロで免疫化されてもよい。次いで、リンパ球を、ポリエチレングリコールなどの好適な融合剤を使用して不死化細胞株と融合させて、ハイブリドーマ細胞を形成する。
【0147】
ヒト抗体は、ファージディスプレイライブラリを含む、当該技術分野で既知の様々な技術を使用して産生させることができる。同様に、ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン遺伝子座をトランスジェニック動物、例えば、内因性免疫グロブリン遺伝子が部分的又は完全に不活性化されているマウスに導入することによって作製することができる。抗原投与すると、遺伝子再配置、アセンブリ、及び抗体レパートリーを含む、あらゆる点でヒトにおいて見られるものに非常に似ているヒト抗体産生が観察される。
【0148】
抗体はまた、様々なペプチダーゼでの消化によって産生されるいくつかの十分に特徴付けられた断片として存在する。したがって、ペプシンは、ヒンジ領域内のジスルフィド結合の下方の抗体を消化して、それ自体がジスルフィド結合によってVH-CH1に結合された軽鎖である、Fabの二量体であるF(ab)’2を産生する。F(ab)’2は、ヒンジ領域内のジスルフィド結合を破壊し、それによってF(ab)’2二量体をFab’単量体に変換するために、穏やかな条件下で還元され得る。Fab’単量体は、本質的に、ヒンジ領域の一部を有するFabである。様々な抗体断片が無傷の抗体の消化に関して定義されるが、当業者は、そのような断片が化学的に、又は組換えDNA方法論を使用することによってのいずれかで新規に合成され得ることを理解するであろう。したがって、本明細書で使用される抗体という用語はまた、抗体全体の修飾によって産生される抗体断片、又は組換えDNA方法論を使用して新規に合成されたもの(例えば、単鎖Fv)、又はファージディスプレイライブラリを使用して特定されたもののいずれかを含む。
【0149】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体は、抗体断片を含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体は、抗体断片からなる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体は、本質的に抗体断片からなる。いくつかの態様では、抗体断片は、Fv断片である。いくつかの態様では、抗体断片は、Fab断片である。いくつかの態様では、抗体断片は、F(ab’)2断片である。いくつかの態様では、抗体断片は、Fab’断片である。いくつかの態様では、抗体断片は、scFv(sFv)断片である。いくつかの態様では、抗体断片は、scFv-Fc断片である。いくつかの態様では、抗体断片は、単一ドメイン抗体の断片である。
【0150】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体断片は、本明細書で提供される例示的な抗体に由来する。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体断片は、本明細書で提供される例示的な抗体に由来せず、例えば、抗体断片を得るために本明細書で提供される方法によって新規に単離されてもよい。
【0151】
「ヒト化抗体」は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含む免疫グロブリン分子である。ヒト化抗体は、レシピエントの相補的決定領域(complementary determining
region、CDR)からの残基が、所望の特異性、親和性、及び能力を有するマウス、ラット、又はウサギなどの非ヒト種(ドナー抗体)のCDRからの残基によって置き換えられるヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)を含む。場合によっては、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基は、対応する非ヒト残基によって置き換えられる。ヒト化抗体はまた、レシピエント抗体にも、インポートされたCDR又はフレームワーク配列にも見られない残基を含み得る。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインのうちの実質的にすべてを含み、CDR領域のすべて又は実質的にすべてが非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、フレームワーク(framework region、FR)
領域のすべて又は実質的にすべてがヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものである。ヒト化抗体はまた、最適には、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部、典型的にはヒト免疫グロブリンの一部を含む。
【0152】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体は、軽鎖を含む。いくつかの態様では、軽鎖は、カッパ軽鎖である。いくつかの態様では、軽鎖は、ラムダ軽鎖である。
【0153】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体は、重鎖を含む。いくつかの態様では、重鎖は、IgAである。いくつかの態様では、重鎖は、IgDである。いくつかの態様では、重鎖は、IgEである。いくつかの態様では、重鎖は、IgGである。いくつかの態様では、重鎖は、IgMである。いくつかの態様では、重鎖は、IgG1である。いくつかの態様では、重鎖は、IgG2である。いくつかの態様では、重鎖は、IgG3である。いくつかの態様では、重鎖は、IgG4である。いくつかの態様では、重鎖は、IgA1である。いくつかの態様では、重鎖は、IgA2である。
【0154】
Fcγ受容体に対する親和性が低下したヒトFc領域を含む抗体の使用の代替として、抗体は、例えば、F(ab’)2断片などの抗体断片を産生させることによって、Fc配列を欠くように操作することができる。F(ab)2断片を生成するために、精製された抗体は、製造業者の指示に従って、沈降樹脂に固定化されたPierce F(ab’)2調製ペプシンで懸濁される。ペプシン消化により、典型的には、F(ab’)2断片(非還元条件下でSDS-PAGEにより約110kDa)及びFc部分の多数の小さなペプチドが産生される。得られたF(ab’)2断片は、2つのジスルフィド結合によって接続された対のFab’単位で構成される。Fc断片は、広く分解され、透析、ゲル濾過、又はイオン交換クロマトグラフィーによって、F(ab’)2から分離される。
【0155】
ある特定の態様では、抗体は、ヒトFc受容体への結合を低減する少なくとも1つの修飾を含むヒトFc領域を含む。
【0156】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体は、モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体は、ポリクローナル抗体である。
【0157】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体は、キメラ抗体を含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体は、キメラ抗体からなる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体は、本質的にキメラ抗体からなる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体は、ヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体は、ヒト化抗体からなる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体は、本質的にヒト化抗体からなる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体は、ヒト抗体を含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体は、ヒト抗体からなる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体は、本質的にヒト抗体からなる。
【0158】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体は、代替の足場を含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体は、代替の足場からなる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体は、本質的に代替の足場からなる。任意の好適な代替の足場を使用することができる。いくつかの態様では、代替の足場は、Adnectin(商標)、iMab、Anticalin(登録商標)、EETI-II/AGRP、Kunitzドメイン、チオレドキシンペプチドアプタマー、Affibody(登録商標)、DARPin、アフィリン、テトラネクチン、フィノマー、及びアビマーから選択される。
【0159】
目的の抗体は、ADCC(抗体依存性細胞傷害性)又はADCP(抗体依存性細胞貪食作用)を誘導する能力について試験され得る。抗体関連ADCC活性は、溶解細胞からの標識若しくは乳酸デヒドロゲナーゼの放出の検出、又は低下した標的細胞生存の検出(例えば、アネキシンアッセイ)のいずれかの検出を通じて監視及び定量化することができる。アポトーシスのアッセイは、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ介在ジゴキシゲニン-11-dUTPニック末端標識(TUNEL)アッセイによって行うことができる(Lazebnik et al.Nature:371,346(1994))。細胞傷害性は、Roche Applied Science(Indianapolis,Ind.)の細胞傷害性検出キットなどの当該技術分野で既知の検出キットによって直接検出することもできる。
【0160】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、本明細書に記載の配列、例えば、本明細書に記載の重鎖、軽鎖、及び/又はCDR配列を有する抗体の投与を含む。投与される抗体の配列は、例えば、本明細書に記載の配列と、例えば、少なくとも95、96、97、98、99、又は100%同一であり得る。
【0161】
抗体が細胞において発現される場合、抗体は翻訳後に修飾されることが知られている。翻訳後修飾の例としては、カルボキシペプチダーゼによる重鎖のC末端におけるリジンの切断、ピログルタミル化による重鎖及び軽鎖のN末端におけるグルタミン又はグルタミン酸のピログルタミン酸への修飾、グリコシル化、酸化、脱アミド、並びに糖化が挙げられ、そのような翻訳後修飾は、様々な抗体で生じることが知られている(Pharmaceutical Sciences,2008,Vol.97,p.2426-2447を参照されたい、参照によりその全体が組み込まれる)。いくつかの実施形態では、抗体は、翻訳後修飾を受けた抗体又はその抗原結合断片である。翻訳後修飾を受けた抗体又はその抗原結合断片の例としては、重鎖可変領域のN末端におけるピログルタミル化及び/又は重鎖のC末端におけるリジンの欠失を受けた抗体又はその抗原結合断片が挙げられる。N末端におけるピログルタミル化及びC末端におけるリジンの欠失によるそのような翻訳後修飾は、抗体又はその断片の活性にいかなる影響も及ぼさないことが当該技術分野において既知である(Analytical Biochemistry,2006,Vol.348,p.24-39、参照によりその全体が組み込まれる)。
【0162】
いくつかの実施形態では、指向された抗体のFc領域又はFcドメインは、抗結合分子の血清半減期の増加を促進するアミノ酸修飾を含む。抗体の半減期を増加させる変異が記載されている。一実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖の一方又は両方のFc領域又はFcドメインは、252位でのメチオニンからチロシンへの置換(EU番号付け)、254位でのセリンからトレオニンへの置換(EU番号付け)、及び256位でのトレオニンからグルタミン酸への置換(EU番号付け)を含む。例えば、米国特許第7,658,921号を参照されたい。「YTE変異体」と命名されたこのタイプの変異体は、同じ抗体の野生型バージョンと比較して、4倍増加した半減期を呈する(Dall’Acquaet al.J Biol Chem,281:23514-24(2006);Robbieet al.Antimicrob Agents Chemotherap.,57(12):6147-6153(2013))。特定の実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖の一方又は両方のFc領域又はFcドメインは、251~257位、285~290位、308~314位、385~389位、及び428~436位でのアミノ酸残基の1つ、2つ、3つ又はそれ以上のアミノ酸置換を含むIgG定常ドメインを含む(EU番号付け)。あるいは、M428L及びN434S(「LS」)置換は、多重特異性抗原結合分子の薬物動態学的半減期を増加させることができる。他の実施形態では、CD3-標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖の一方又は両方のFc領域又はFcドメインは、M428L及びN434S置換(EU番号付け)を含む。他の実施形態では、CD3標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖の一方又は両方のFc領域又はFcドメインは、T250Q及びM428L(EU番号付け)変異を含む。他の実施形態では、CD3-標的化重鎖及びHIV抗原標的化重鎖の一方又は両方のFc領域又はFcドメインは、H433K及びN434F(EU番号付け)変異を含む。
【0163】
いくつかの実施形態では、抗体のFc領域又はFcドメインは、エフェクター活性を増加させる、例えば、改善されたFcγIIIa結合及び増加された抗体依存性細胞傷害性(antibody-dependent cellular cytotoxicity、ADCC)を有する翻訳後修飾及び
/又はアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態では、抗体のFc領域又はFcドメインは、Fc領域におけるDE修飾(すなわち、EU番号付けによるS239D及びI332E)を含む。いくつかの実施形態では、抗体のFc領域又はFcドメインは、Fc領域におけるDEL修飾(すなわち、EU番号付けによるS239D、I332E、及びA330L)を含む。いくつかの実施形態では、抗体のFc領域又はFcドメインは、Fc領域におけるDEA修飾(すなわち、EU番号付けによるS239D、I332E、及びG236A)を含む。いくつかの実施形態では、抗体のFc領域又はFcドメインは、Fc領域におけるDEAL修飾(すなわち、EU番号付けによるS239D、I332E、G236A、及びA330L)を含む。例えば、米国特許第7,317,091号、同第7,662,925号、同第8,039,592号、同第8,093,357号、同第8,093,359号、同第8,383,109号、同第8,388,955号、同第8,735,545号、同第8,858,937号、同第8,937,158号、同第9,040,041号、同第9,353,187号、同第10,184,000号、及び同第10,584,176号を参照されたい。エフェクター活性を増加させる、例えば、改善されたFcγIIIa結合及び増加された抗体依存性細胞傷害性(ADCC)を有する追加のアミノ酸修飾には、F243L/R292P/Y300L/V305I/P396L、S298A/E333A/K334A、又は第1のFcドメイン上のL234Y/L235Q/G236W/S239M/H268D/D270E/S298A、及び第2のFcドメイン上のD270E/K326D/A330M/K334Eが含まれるが、これらに限定されない(EU番号付け)。C1q結合及び補体依存性細胞傷害(complement-dependent cytotoxicity、CDC)を増加させるアミノ酸変異には、S267E/H268F/
S324T又はK326W/E333Sが含まれるが、これらに限定されない(EU番号付け)。エフェクター活性を増強するFc領域変異は、例えば、Wang,et al.Protein Cell(2018)9(1):63-73、及びSaunders,Front Immunol.(2019)10:1296に概説されている。
【0164】
他の実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、修飾されたグリコシル化を有し、これは、例えば、翻訳後に、又は遺伝子操作によって導入することができる。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、例えば、抗体又はその抗原結合断片に存在するグリコシル化部位において脱フコシル化される。ほとんどの承認されたモノクローナル抗体はIgG1イソタイプであり、ここで2つのN結合型二分岐複合型オリゴ糖がFc領域に結合している。Fc領域は、FcγRファミリーの白血球受容体との相互作用を通じてADCCのエフェクター機能を発揮する。脱フコシル化モノクローナル抗体は、抗体のFc領域内のオリゴ糖がいずれのフコース糖単位も有さないように操作されたモノクローナル抗体である。
抗CD47剤
【0165】
本明細書に記載の方法は、抗CD47剤の投与を含む。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、抗CD47抗体である。
【0166】
CD47(IAP、MER6、OA3;NCBI遺伝子ID:961;UniProt
Q08722)は、単一のIg様ドメイン及び5つの膜貫通領域を有する、広く発現した膜貫通糖タンパク質であり、SIRPαのNH2末端V様ドメインを介して媒介される結合を伴うSIRPαの細胞リガンドとして機能する。SIRPαは、主に、マクロファージ、顆粒球、骨髄樹状細胞(dendritic cell、DC)、マスト細胞、及び造血幹細胞
を含むそれらの前駆体を含む、骨髄系細胞で発現される。CD47結合を媒介するSIRPα上の構造決定因子は、Lee et al.(2007)J.Immunol.J Immunol.179:7741-7750、Hatherley et al.(2008)Mol Cell.31(2):266-77、Hatherley et al.(2007)J.B.C.282:14567-75に論じられており、CD47結合におけるSIRPαシス二量体化の役割は、Lee et al.(2010)J.B.C.285:37953-63により論じられている。正常な細胞の貪食作用を阻害するCD47の役割と一致して、それが、移行期の直前及び移行期中に造血幹細胞(HSC)及び前駆細胞で一時的に上方調節され、これらの細胞上のCD47のレベルがインビボで貪食される確率を決定するという証拠がある。
【0167】
「抗CD47剤」又は「CD47遮断を提供する薬剤」という用語は、CD47(例えば、標的細胞上)のSIRPαなどのCD47リガンド(例えば、貪食細胞上)への結合を低減する任意の薬剤を指す。好適な抗CD47試薬の非限定的な例としては、高親和性SIRPαポリペプチド、抗SIRPα抗体、可溶性CD47ポリペプチド、及び抗CD47抗体又は抗体断片を含むが、これらに限定されないSIRPα試薬が挙げられる。いくつかの実施形態では、好適な抗CD47剤(例えば、抗CD47抗体、SIRPα試薬など)は、CD47に特異的に結合して、CD47のSIRPαへの結合を低減する。
【0168】
いくつかの実施形態では、対象抗CD47抗体は、CD47に特異的に結合し、1つの細胞(例えば、感染細胞)上のCD47と別の細胞(例えば、貪食細胞)上のSIRPαとの間の相互作用を低減する。いくつかの実施形態では、好適な抗CD47抗体は、結合時にCD47を活性化しない。いくつかの抗CD47抗体は、CD47のSIRPαへの結合を低減せず、そのような抗体は、「非遮断抗CD47抗体」と称され得る。「抗CD47剤」である好適な抗CD47抗体は、「CD47遮断抗体」と称され得る。好適な抗体の非限定的な例としては、クローンB6H12、5F9、8B6、及びC3(例えば、参照により本明細書に具体的に組み込まれる、2012年1月19日に公開された国際公開第2011/143624号に記載されているように)が挙げられる。好適な抗CD47抗体は、そのような抗体の完全ヒト型、ヒト化型、又はキメラ型を含む。ヒト化抗体(例えば、hu5F9-G4)は、それらの低い抗原性のため、ヒトにおけるインビボ適用に特に有用である。同様に、イヌ化抗体及びネコ化抗体などは、それぞれ、イヌ、ネコ、及び他の種における適用で特に有用である。目的の抗体には、ヒト化抗体、又はイヌ化、ネコ化、ウマ化、ウシ化、ブタ化などの抗体、及びそれらのバリアントが含まれる。
【0169】
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、ヒトIgG Fc領域、例えば、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3、IgG4定常領域を含む。一実施形態では、IgG Fc領域は、IgG4定常領域である。IgG4ヒンジは、アミノ酸置換S241Pによって安定化され得る(Angal et al.(1993)Mol.Immunol.30(1):105-108、参照により本明細書に具体的に組み込まれる)。
【0170】
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、CD47への結合についてHu5F9-G4と競合する。いくつかの実施形態では、抗CD47は、Hu5F9-G4と同じCD47エピトープに結合する。
【0171】
いくつかの実施形態では、抗体は、Biacoreアッセイによって測定して、約1、1~6、1~5、1~4、1~3、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10×10^-9M以下のKDでヒトCD47に結合する。
【0172】
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、体重1kg当たり10~30、20~30、10、20、又は30mgの抗体の用量で投与される。
【0173】
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、90%以上の受容体飽和、任意選択で、90~100、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%の受容体飽和をもたらし、任意選択で、受容体飽和は、フローサイトメトリー又は同等のアッセイを使用して測定される。
【0174】
抗CD47抗体は、薬学的に許容される賦形剤とともに医薬組成物に製剤化することができる。
【0175】
抗CD47抗体は、静脈内に投与され得る。
【0176】
抗CD47剤は、SIRPα又はその一部を含むSIRPα剤を含み得る。例えば、抗CD47剤は、SIRPαベースのFc融合体を含み得る。例えば、Kipp Weiskopf,et al.Science 341,88(2013)を参照されたく、参照により本明細書に組み込まれる。
【0177】
抗CD47剤は、すべての目的のために、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第2014/094122号に開示されているSIRPα剤を含み得る。例えば、SIRPα剤は、国際公開第2014/094122号に開示されているように、配列番号3、25、又は26の配列を含み得、その各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0178】
抗CD47剤は、すべての目的のために、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第2017/177333号に開示されているSIRPα剤を含み得る。例えば、SIRPα剤は、国際公開第2017/177333号に開示されているように、配列番号3又は8の配列を含み得、その各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0179】
抗CD47剤は、すべての目的のために、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第2016/023040号に開示されているSIRPα剤を含み得る。例えば、SIRPα剤は、国際公開第2016/023040号に開示されているように、配列番号78~85、98~104、107~113、116~122、135~137、又は152~159の配列を含み得、その各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0180】
抗CD47剤は、すべての目的のために、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第2017/027422号に開示されているSIRPα剤を含み得る。例えば、SIRPα剤は、国際公開第2017/027422号に開示されているように、配列番号3~34の配列を含み得、その各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
CD47抗体
【0181】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、抗CD47抗体Hu5F9-G4の投与を含む。Hu5F9-G4は、マグロリマブとしても知られる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、抗CD47抗体マグロリマブの投与を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、Hu5f9-G4の配列と少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%同一の配列(軽鎖、重鎖、可変軽鎖ドメイン、可変重鎖ドメイン、及び/又はCDR)を有する抗CD47抗体の投与を含む。表1は、Hu5f9-G4抗体重鎖及び軽鎖の配列(それぞれ配列番号50及び51)、Kabat CDR定義によるVH及びVL CDR(配列番号52~57及び133)、IMGT CDR定義によるVH及びVL CDR(配列番号134~139)、Chothia CDR定義によるVH及びVL CDR(配列番号140~145)、Honegger CDR定義によるVH及びVL CDR(配列番号146~151)、並びに可変重鎖及び軽鎖配列(配列番号131及び132)を含む。更に好適な抗CD-47抗体には、クローンB6H12、5F9、8B6、C3、及びhuC3(例えば、参照により具体的に組み込まれる国際公開第2011/143624号に記載される)が含まれる。5F9可変重鎖ドメインは配列番号58として提供され、5F9可変軽鎖ドメインは配列番号59として提供される。HuB6H12可変重鎖ドメインは配列番号60として提供され、HuB6H12可変軽鎖ドメインは配列番号61として提供される。8B6可変重鎖ドメインは配列番号62として提供され、HuB6H12可変軽鎖ドメインは配列番号63として提供される。C3可変重鎖ドメインは配列番号64として提供され、C3可変軽鎖ドメインは配列番号65として提供される。HuC3可変重鎖ドメインは配列番号66及び67として提供され、huC3可変軽鎖ドメインは配列番号68及び69として提供される。抗CD47抗体は、配列番号50の重鎖配列及び配列番号51の配列の軽鎖を含み得る。抗CD47抗体は、配列番号58のVH配列及び配列番号59のVL配列を含み得る。抗CD47抗体は、配列番号60のVH配列及び配列番号61のVL配列を含み得る。抗CD47抗体は、配列番号62のVH配列及び配列番号63のVL配列を含み得る。抗CD47抗体は、配列番号64のVH配列及び配列番号65のVL配列を含み得る。抗CD47抗体は、配列番号66又は67のVH配列及び配列番号68又は69のVL配列を含み得る。
【0182】
2014年5月22日に公開された米国特許公開第2014/0140989号、及び2013年8月15日に公開された国際公開第2013/119714号(それらの両方は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)において、抗CD47抗体重鎖可変領域は配列番号5~30として開示されており、抗CD47抗体軽鎖可変領域は配列番号31~47として開示されている。好適な抗CD47可変重鎖ドメインは配列番号70~95として提供され、抗CD47可変軽鎖ドメインは配列番号96~112として提供される。抗CD47抗体は、配列番号70~95のVH配列を含み得る。抗CD47抗体は、配列番号96~112のVL配列を含み得る。抗CD47抗体は、配列番号70~95のVH配列と、配列番号96~112のVL配列とを含み得る。
【0183】
抗CD47抗体は、配列番号113~115のVH配列を含み得る。抗CD47抗体は、配列番号116~118のVL配列を含み得る。抗CD47抗体は、配列番号113~115のVH配列と、配列番号116~118のVL配列とを含み得る。
【0184】
【表1】
【0185】
追加のCD47阻害剤又は抗CD47剤には、抗CD47 mAb(Vx-1004)、抗ヒトCD47 mAb(CNTO-7108)、CC-90002、CC-90002-ST-001、ヒト化抗CD47抗体(Hu5F9-G4;マグロリマブ)、NI-1701、NI-1801、RCT-1938、ALX-148、TTI-621、RRx-001、DSP-107、VT-1021、TTI-621、TTI-622、IMM-02、SGN-CD47M、及びレムゾパルリマブ(Lemzoparlimab)が含まれるが
、これらに限定されない。
【0186】
いくつかの実施形態では、抗CD47剤は、二重特異性抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗CD47剤は、二重特異性抗CD47抗体を含む。CD47を標的とする二重特異性抗体の例としては、IBI-322(CD47/PD-L1)、IMM-0306(CD47/CD20)、TJ-L1C4(CD47/PD-L1)、HX-009(CD47/PD-1)、PMC-122(CD47/PD-L1)、PT-217(CD47/DLL3)、IMM-26011(CD47/FLT3)、IMM-0207(CD47/VEGF)、IMM-2902(CD47/HER2)、BH29xx(CD47/PD-L1)、IMM-03(CD47/CD20)、IMM-2502(CD47/PD-L1)、HMBD-004B(CD47/BCMA)、HMBD-004A(CD47/CD33)が挙げられるが、これらに限定されない。追加の単一特異性及び二重特異性抗CD47抗体には、IBI-188、TJC-4、SHR-1603、HLX-24、LQ-001、IMC-002、ZL-1201、IMM-01、B6H12、GenSci-059、TAY-018、PT-240、1F8-GMCSF、SY-102、及びKD-015が含まれるが、これらに限定されない。
【0187】
抗体などの追加の抗CD47剤は、国際公開第1997/27873号、国際公開第1999/40940号、国際公開第2002/092784号、国際公開第2005/044857号、国際公開第2009/046541号、国際公開第2010/070047号、国際公開第2011/143624号、国際公開第2012/170250号、国際公開第2013/109752号、国際公開第2013/119714号、国際公開第2014/087248号、国際公開第2015/191861号、国際公開第2016/022971号、国際公開第2016/023040号、国際公開第2016/024021号、国際公開第2016/081423号、国際公開第2016/109415号、国際公開第2016/141328号、国際公開第2016/188449号、国際公開第2017/027422号、国際公開第2017/049251号、国際公開第2017/053423号、国際公開第2017/121771号、国際公開第2017/194634号、国際公開第2017/196793号、国際公開第2017/215585号、国際公開第2018/075857号、国際公開第2018/075960号、国際公開第2018/089508号、国際公開第2018/095428号、国際公開第2018/137705号、国際公開第2018/233575号、国際公開第2019/027903号、国際公開第2019/034895号、国際公開第2019/042119号、国際公開第2019/042285号、国際公開第2019/042470号、国際公開第2019/086573号、国際公開第2019/108733号、国際公開第2019/138367号、国際公開第2019/144895号、国際公開第2019/157843号、国際公開第2019/179366号、国際公開第2019/184912号、国際公開第2019/185717号、国際公開第2019/201236号、国際公開第2019/238012号、国際公開第2019/241732号、国際公開第2020/019135号、国際公開第2020/036977号、国際公開第2020/043188号、及び国際公開第2020/009725号に記載されており、それらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
抗SIRPα剤
【0188】
本明細書に記載の方法は、抗SIRPα剤又は阻害剤の投与を含む。
【0189】
いくつかの実施形態では、抗SIRPα剤は、SIRPαに特異的に結合する抗SIRPα抗体である。いくつかの態様では、SIRPαは、ヒトSIRPα(NCBI遺伝子ID:140885;UniProt P78324)である。
【0190】
いくつかの実施形態では、抗SIRPα剤は、SIRPα阻害剤である。そのような阻害剤には、AL-008、RRx-001、及びCTX-5861が含まれるが、これらに限定されない。
【0191】
いくつかの実施形態では、抗SIRPα剤は、抗SIRPα抗体である。そのような抗体には、FSI-189、ES-004、BI765063、ADU1805、及びCC-95251が含まれるが、これらに限定されない。
【0192】
追加の抗SIRPα剤、阻害剤、及び抗体は、国際公開第2001/40307号、国際公開第2002/092784号、国際公開第2007/133811号、国際公開第2009/046541号、国際公開第2010/083253号、国際公開第2011/076781号、国際公開第2013/056352号、国際公開第2015/138600号、国際公開第2016/179399号、国際公開第2016/205042号、国際公開第2017/178653号、国際公開第2018/026600号、国際公開第2018/057669号、国際公開第2018/107058号、国際公開第2018/190719号、国際公開第2018/210793号、国際公開第2019/023347号、国際公開第2019/042470号、国際公開第2019/175218号、国際公開第2019/183266号、国際公開第2020/013170号、及び国際公開第2020/068752号に記載されており、それらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0193】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗SIRPα抗体は、SIRPαの細胞外ドメインに特異的に結合する。SIRPαは、任意の好適な標的細胞の表面上に発現され得る。いくつかの実施形態では、標的細胞は、プロフェッショナル抗原提示細胞である。いくつかの実施形態では、標的細胞は、マクロファージである。抗体は、ヒトSIRPαアイソタイプに汎特異的であり得る。抗体は、ヒトSIRPαアイソタイプに特異的であり得る。
【0194】
ある特定の実施形態では、抗体は、1H9である。ある特定の実施形態では、抗体は、3C2である。
【0195】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体は、SIRPαの、SIRPαの1つ以上のリガンドへの結合を阻害する。
【0196】
ある特定の態様では、抗体は、SIRPγに結合しない。ある特定の態様では、抗体は、SIRPγに実質的に結合しない。
【0197】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体断片は、SIRPαへの結合について1H9及び/又は3C2と競合する。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体の断片は、そのような抗体と同じSIRPαのエピトープに結合する。
【0198】
いくつかの態様では、本明細書に開示される抗体は、ヒトSIRPαアイソタイプに汎特異的である。1H9などの本明細書に開示される抗体は、V1、V2、及びV1/V5のうちの1つ以上を含む複数のヒトSIRPαアイソタイプに結合することができる。例示的なV1配列は、配列番号48に示される。例示的なV2配列は、配列番号49に示される。Polymorphism in Sirpa modulates engraftment of human hematopoietic stem cells.Nature Immunology,8;1313,2007も参照されたい。本明細書に開示される抗体は、ヒトSIRPαアイソタイプV1及びV2の各々に結合することができる。本明細書に開示される抗体は、ホモ接合型を含むヒトSIRPαアイソタイプV1に結合することができる。本明細書に開示される抗体は、ホモ接合型を含むヒトSIRPαアイソタイプV2に結合することができる。本明細書に開示される抗体は、ヒトSIRPαアイソタイプV1/V5(ヘテロ接合型)に結合することができる。1H9などの本明細書に開示される抗体は、V1、V2、及びV1/V5の各々を含む複数のヒトSIRPαアイソタイプに結合することができる。そのような抗体は、そのような抗体のヒト化及び/又はFc操作された型を含む1H9及び3C2を含み得る。1H9は、ヒトSIRPαアイソタイプV1及びV2の各々に結合することができる。1H9は、ホモ接合型を含むヒトSIRPαアイソタイプV1に結合することができる。1H9は、ホモ接合型を含むヒトSIRPαアイソタイプV2に結合することができる。1H9は、ヒトSIRPαアイソタイプV1/V5(ヘテロ接合型)に結合することができる。1H9は、V1、V2、及びV1/V5の各々を含む複数のヒトSIRPαアイソタイプに結合することができる。ヒトSIRPαバリアントへの結合は、PCR及び/又はフローサイトメトリーを含む当該技術分野で既知のアッセイを使用して測定することができる。例えば、所与の試料を遺伝子型決定してSIRP状態を決定し、SIRPへの結合をフローサイトメトリーを使用して決定することができる。
【0199】
ある特定の態様では、抗体は、ヒトSIRPαへの結合について、1H9及び3C2から選択される抗体と競合する。ある特定の態様では、抗体は、1H9又は3C2によって結合されるのと同じヒトSIRPαエピトープに結合する。ある特定の態様では、抗体は、1H9又は3C2によって結合されるのと重複するヒトSIRPαエピトープに結合する。ある特定の態様では、抗体は、1H9又は3C2によって結合されるのとは別個のヒトSIRPαエピトープに結合する。
【0200】
ある特定の態様では、抗体は、ヒトSIRPαへの結合について、KWar抗体と競合しない。
【0201】
ある特定の態様では、抗体は、ヒトSIRPαへの結合について、KWar抗体と部分的に競合する。
【0202】
ある特定の態様では、抗体は、ヒトCD47のヒトSIRPαへの結合を阻害する。
【0203】
ある特定の態様では、抗体は、ヒトSP-AのヒトSIRPαへの結合を阻害する。
【0204】
ある特定の態様では、抗体は、ヒトSP-DのヒトSIRPαへの結合を阻害する。
【0205】
ある特定の態様では、抗体は、アカゲザルSIRPαに結合する。
【0206】
ある特定の態様では、抗体はカニクイザルSIRPαに結合する。
【0207】
いくつかの実施形態では、SIRPα抗体は、本明細書で提供される例示的な抗体、例えば、1H9及び/又は3C2と競合する抗体である。いくつかの態様では、本明細書で提供される例示的な抗体と競合する抗体は、本明細書で提供される例示的な抗体と同じエピトープに結合する。
【0208】
いくつかの実施形態では、対象抗CD47剤は、SIRPa由来のポリペプチド及びそれらの類似体を含む「高親和性SIRPa試薬」である。高親和性SIRPa試薬は、国際公開第2013/109752(A1)号に記載されており、参照により本明細書に具体的に組み込まれる。高親和性SIRPα試薬は、天然SIRPαタンパク質のバリアントである。いくつかの実施形態では、高親和性SIRPa試薬は可溶性であり、ポリペプチドはSIRPa膜貫通ドメインを欠き、野生型SIRPa配列に対して少なくとも1つのアミノ酸変化を含み、アミノ酸変化は、例えば、オフレートを少なくとも10分の1、少なくとも20分の1、少なくとも50分の1、少なくとも100分の1、少なくとも500分の1、又はそれ以上減少することによって、CD47に結合するSIRPaポリペプチドの親和性を増加させる。
【0209】
高親和性SIRPα試薬は、CD47を認識可能な親和性、例えば、シグナル配列と膜貫通ドメインとの間に通常存在する高親和性でCD47に結合するのに十分なSIRPαの部分、又は結合活性を保持するその断片を含む。高親和性SIRPα試薬は、通常、親和性を増加させるために修飾アミノ酸残基を有するSIRPαの少なくともd1ドメインを含む。いくつかの実施形態では、本発明のSIRPαバリアントは、例えば、インフレームで第2のポリペプチドと融合した融合タンパク質である。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドは、例えば、融合タンパク質が循環から急速に除去されないように、融合タンパク質のサイズを増加させることができる。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドは、免疫グロブリンFc領域の一部又は全部である。Fc領域は、「eat me」シグナルをもたらすことによって貪食作用を助け、これは、高親和性SIRPα試薬によってもたらされる「don’t eat me」シグナルの遮断を増強する。他の実施形態では、第2のポリペプチドは、Fcと実質的に同様である任意の好適なポリペプチドであり、例えば、増加したサイズ、多量体化ドメイン、及び/又はlg分子との追加の結合若しくは相互作用をもたらす。親和性の増加をもたらすアミノ酸変化はd1ドメインに局在しており、したがって、高親和性SIRPα試薬は、d1ドメイン内の野生型配列に対して少なくとも1つのアミノ酸変化を備えたヒトSIRPαのd1ドメインを含む。このような高親和性SIRPα試薬は、任意選択で、追加のアミノ酸配列、例えば抗体Fc配列、天然タンパク質又はその断片、通常はd1ドメインに隣接する断片の残基150~374を含むがこれらに限定されない、d1ドメイン以外の野生型ヒトSIRPαタンパク質の部分などを含む。高親和性SIRPα試薬は、単量体又は多量体、すなわち、二量体、三量体、四量体などであってもよい。
SIRPα抗体
【0210】
いくつかの実施形態では、抗体は、Biacoreアッセイによって測定して、約1、1~6、1~5、1~4、1~3、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10×10-9M以下のKDでヒトSIRPαに結合する。
【0211】
抗体は、配列番号1に記載の配列を含むCDR-H1、配列番号2に記載の配列を含むCDR-H2、配列番号3に記載の配列を含むCDR-H3、配列番号4に記載の配列を含むCDR-L1、配列番号5に記載の配列を含むCDR-L2、及び配列番号6に記載の配列を含むCDR-L3を含み得る。
【0212】
抗体は、配列番号7のVH配列及び配列番号8のVL配列を含み得る。
【0213】
抗体は、配列番号17の重鎖及び配列番号18の軽鎖を含み得る。
【0214】
抗体は、配列番号9に記載の配列を含むCDR-H1、配列番号10に記載の配列を含むCDR-H2、配列番号11に記載の配列を含むCDR-H3、配列番号12に記載の配列を含むCDR-L1、配列番号13に記載の配列を含むCDR-L2、及び配列番号14に記載の配列を含むCDR-L3を含み得る。
【0215】
抗体は、配列番号15のVH配列及び配列番号16のVL配列を含み得る。
【0216】
抗体は、配列番号19の重鎖及び配列番号20の軽鎖を含み得る。
【0217】
抗体は、配列番号21に記載の配列を含むCDR-H1、配列番号22に記載の配列を含むCDR-H2、配列番号23に記載の配列を含むCDR-H3、配列番号24に記載の配列を含むCDR-L1、配列番号25に記載の配列を含むCDR-L2、及び配列番号26に記載の配列を含むCDR-L3を含み得る。
【0218】
抗体は、配列番号27のVH配列及び配列番号28のVL配列を含み得る。
【0219】
抗体は、配列番号29に記載の配列を含むCDR-H1、配列番号30に記載の配列を含むCDR-H2、配列番号31に記載の配列を含むCDR-H3、配列番号32に記載の配列を含むCDR-L1、配列番号33に記載の配列を含むCDR-L2、及び配列番号34に記載の配列を含むCDR-L3を含み得る。
【0220】
抗体は、配列番号35のVH配列及び配列番号36のVL配列を含み得る。
【0221】
ある特定の態様では、抗体は、1H9の1つ以上のCDRを含み得る。ある特定の態様では、抗体は、1H9のすべてのCDRを含み得る。ある特定の態様では、抗体は、1H9の1つ以上の可変配列を含み得る。ある特定の態様では、抗体は、1H9の各可変配列を含み得る。ある特定の態様では、抗体は、1H9の重鎖を含み得る。ある特定の態様では、抗体は、1H9の軽鎖を含み得る。ある特定の態様では、抗体は、1H9の重鎖及び軽鎖を含み得る。ある特定の態様では、抗体は、1H9である。
【0222】
ある特定の態様では、抗体は、3C2の1つ以上のCDRを含み得る。ある特定の態様では、抗体は、3C2のすべてのCDRを含み得る。ある特定の態様では、抗体は、3C2の1つ以上の可変配列を含み得る。ある特定の態様では、抗体は、3C2の各可変配列を含み得る。ある特定の態様では、抗体は、3C2の重鎖を含み得る。ある特定の態様では、抗体は、3C2の軽鎖を含み得る。ある特定の態様では、抗体は、3C2の重鎖及び軽鎖を含み得る。ある特定の態様では、抗体は、3C2である。
【0223】
ある特定の態様では、抗体は、9B11の1つ以上のCDRを含み得る。ある特定の態様では、抗体は、9B11のすべてのCDRを含み得る。ある特定の態様では、抗体は、9B11の1つ以上の可変配列を含み得る。ある特定の態様では、抗体は、9B11の各可変配列を含み得る。ある特定の態様では、抗体は、9B11の重鎖を含み得る。ある特定の態様では、抗体は、9B11の軽鎖を含み得る。ある特定の態様では、抗体は、9B11の重鎖及び軽鎖を含み得る。ある特定の態様では、抗体は、9B11である。
【0224】
ある特定の態様では、抗体は、7E11の1つ以上のCDRを含み得る。ある特定の態様では、抗体は、7E11のすべてのCDRを含み得る。ある特定の態様では、抗体は、7E11の1つ以上の可変配列を含み得る。ある特定の態様では、抗体は、7E11の各可変配列を含み得る。ある特定の態様では、抗体は、7E11の重鎖を含み得る。ある特定の態様では、抗体は、7E11の軽鎖を含み得る。ある特定の態様では、抗体は、7E11の重鎖及び軽鎖を含み得る。ある特定の態様では、抗体は、7E11である。
【0225】
抗SIRPα抗体重鎖可変ドメインも、配列番号119~125として提供される。抗SIRPα抗体軽鎖可変ドメインも、配列番号126~128.として提供される。2019年5月5日に公開された米国特許公開第2019/0127477号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)において、抗SIRPα抗体重鎖可変領域は、配列番号24、25、26、27、28、29、及び30として開示されており、抗SIRPα抗体軽鎖可変領域は、配列番号31、32、及び33として開示されている。
【0226】
2018年11月1日に公開された米国特許公開第2018/0312587号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)において、抗SIRPα抗体重鎖可変領域は、配列番号7、10、14、16、18、30、75、78、80、82、84、86、及び88として開示されており、抗SIRPα抗体軽鎖可変領域は、配列番号8、20、22、24、26、28、32、76、90、92、94、96、98、100、及び104として開示されている。
【0227】
2019年9月26日に公開された国際公開第2019/183266(A1)号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)において、抗SIRPα抗体重鎖可変領域は、配列番号26、81、83として開示されており、抗SIRPα抗体軽鎖可変領域は、配列番号25、39~41として開示されている。
【0228】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体は、配列番号1~36に提供される例示的な配列と少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は99%の同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体は、最大1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25個のアミノ酸置換を有する、配列番号1~36に提供される配列を含む。いくつかの態様では、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換である。いくつかの実施形態では、本段落に記載の抗体は、本明細書では「バリアント」と称される。いくつかの実施形態では、そのようなバリアントは、例えば、親和性成熟、部位指向的変異誘発、ランダム変異誘発、又は当該技術分野で既知の、若しくは本明細書に記載の任意の他の方法によって本明細書に提供される配列に由来する。いくつかの実施形態では、そのようなバリアントは、本明細書で提供される配列に由来しないが、例えば、抗体を得るために本明細書で提供される方法によって新規に単離され得る。
併用療法のための追加の薬剤
【0229】
血液悪性腫瘍を治療するのに適切な、小分子、抗体、養子細胞療法、及びキメラ抗原受容体T細胞(chimeric antigen receptor T cells、CAR-T)、チェックポイン
ト阻害剤、並びにワクチンなどの追加の薬剤を、本明細書に記載の抗CD47剤と組み合わせて投与することができる。血液悪性腫瘍のための追加の免疫療法剤は、Dong S
et al,J Life Sci(Westlake Village).2019
June;1(1):46-52及びCuesta-Mateos C Et al,Front.Immunol.8:1936.doi:10.3389/fimmu.2017.01936に記載されており、それらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0230】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、1つ以上の追加の治療薬、例えば、阻害性免疫チェックポイント遮断薬若しくは阻害剤、刺激性免疫チェックポイント刺激因子、アゴニスト、若しくは活性化因子、化学療法剤、抗がん剤、放射線療法剤、抗新生物剤、抗増殖剤、抗血管新生剤、抗炎症剤、免疫療法剤、治療用抗原結合分子(任意のフォーマットの単一及び多重特異性抗体及びその断片(例えば、DART(登録商標)、Duobodies(登録商標)、BiTEs(登録商標)、BiKEs、TriKEs、XmAbs(登録商標)、TandAbs(登録商標)、scFvs、Fabs、Fab誘導体を含むが、これらに限定されない)、二重特異性抗体、非免疫グロブリン抗体ミメティック(例えば、アドネクチン、アフィボディ分子、アフィリン、アフィマー、アフィチン、アルファボディ、アンチカリン、ペプチドアプタマー、アルマジロ反復タンパク質(armadillo repeat protein、ARM)、アトリマー、アビマー、設計アンキリン反復タンパク質(DARPins(登録商標))、フィノマー、ノッチン、クニッツドメインペプチド、モノボディ、及びナノCLAMPを含むが、これらに限定されない)、抗体薬物コンジュゲート(antibody-drug conjugate、ADC)
、抗体-ペプチドコンジュゲート)、腫瘍溶解性ウイルス、遺伝子修飾剤若しくはエディタ、キメラ抗原受容体(chimeric antigen receptor、CAR)を含む細胞(例えば、
T細胞免疫療法剤、NK細胞免疫療法剤、若しくはマクロファージ免疫療法剤、操作されたT細胞受容体(TCR-T)を含む細胞を含む)、又はこれらの任意の組み合わせと組み合わされる。
【0231】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、アベルソンマウス白血病ウイルス性がん遺伝子ホモログ1遺伝子(ABL1などのABL)、アセチル-CoAカルボキシラーゼ(ACC1/2など)、活性化CDCキナーゼ(ACK1などのACK)、アデノシンデアミラーゼ、アデノシン受容体(A2BR、A2aR、A3aRなど)、アデニル酸シクラーゼ、ADPリボシルシクラーゼ-1、副腎皮質ホルモン受容体(ACTH)、アエロリジン、AKT1遺伝子、Alk-5プロテインキナーゼ、アルカリホスファターゼ、アルファ1アドレナリン受容体、アルファ2アドレナリン受容体、アルファ-ケトグルタレートデヒドロゲナーゼ(KGDH)、アミノペプチダーゼN、AMP活性化プロテインキナーゼ、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK1などのALK)、アンドロゲン受容体、アンジオポエチン(リガンド-1、リガンド-2など)、アンジオテンシノーゲン(AGT)遺伝子、マウス胸腺腫ウイルス性がん遺伝子ホモログ1(AKT)プロテインキナーゼ(AKT1、AKT2、AKT3など)、アポリポタンパク質A-I(APOA1)遺伝子、アポトーシス誘導因子、アポトーシスタンパク質(1、2など)、アポトーシスシグナル調節キナーゼ(ASK1などのASK)、アルギナーゼ(I)、アルギニンデイミナーゼ、アロマターゼ、アステロイドホモログ1(ASTE1)遺伝子、毛細血管拡張性運動失調症及びRad3関連(ATR)セリン/スレオニンプロテインキナーゼ、オーロラプロテインキナーゼ(1、2など)、Axlチロシンキナーゼ受容体、4-1BBリガンド(CD137L)、バキュロウイルスIAPリピート含有5(BIRC5)遺伝子、バシギン、B細胞リンパ腫2(BCL2)遺伝子、Bcl2結合成分3、Bcl2タンパク質、BCL2L11遺伝子、BCR(ブレークポイントクラスター領域)タンパク質及び遺伝子、βアドレナリン受容体、βカテニン、Bリンパ球抗原CD19、Bリンパ球抗原CD20、Bリンパ球細胞接着分子、Bリンパ球刺激因子リガンド、骨形成タンパク質-10リガンド、骨形成タンパク質-9リガンド修飾因子、ブラキュリタンパク質、ブラジキニン受容体、B-Rafがん原遺伝子(BRAF)、Brc-Ablチロシンキナーゼ、ブロモドメイン及び外部ドメイン(BET)ブロモドメイン含有タンパク質(BRD2、BRD3、BRD4)、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)、カルモジュリン、カルモジュリン依存性タンパク質キナーゼ(CAMKIIなどのCaMK)、がん精巣抗原2、がん精巣抗原NY-ESO-1、がん/精巣抗原1B(CTAG1)遺伝子、カンナビノイド受容体(CB1、CB2など)、炭酸脱水酵素、カゼインキナーゼ(CKI、CKIIなどのCK)、カスパーゼ(カスパーゼ-3、カスパーゼ-7、カスパーゼ-9など)、カスパーゼ8アポトーシス関連システインペプチダーゼCASP8-FADD様調節因子、カスパーゼ動員ドメインタンパク質-15、カテプシンG、CCR5遺伝子、CDK活性化キナーゼ(CAK)、チェックポイントキナーゼ(CHK1、CHK2など)、ケモカイン(C-Cモチーフ)受容体(CCR2、CCR4、CCR5、CCR8など)、ケモカイン(C-X Cモチーフ)受容体(CXCR1、CXCR2、CXCR3、及びCXCR4など)、ケモカインCC21リガンド、コレシストキニンCCK2受容体、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、c-Kit(チロシン-プロテインキナーゼKit又はCD117)、CISH(サイトカイン誘導性SH2含有タンパク質)、クローディン(6、18など)、CD4、CD27、CD29、CD30、CD33、CD37、CD40、CD40リガンド受容体、CD40リガンド、CD40LG遺伝子、CD44、CD45、CD47、CD49b、CD51、CD52、CD55、CD58、CD66e(CEACAM6)、CD70遺伝子、CD74、CD79、CD79b、CD79B遺伝子、CD80、CD95、CD99、CD117、CD122、CDw123、CD134、CDw137、CD158a、CD158b1、CD158b2、CD223、CD276抗原などの分化抗原群(CD);クラスタリン(CLU)遺伝子、クラスタリン、c-Met(肝細胞成長因子受容体(HGFR))、補体C3、連結組織成長因子、COP9シグナロソームサブユニット5、CSF-1(コロニー刺激因子1受容体)、CSF2遺伝子、CTLA-4(細胞傷害性Tリンパ球タンパク質4)受容体、C型レクチンドメインタンパク質9A(CLEC 9A)、サイクリンD1、サイクリンG1、サイクリン依存性キナーゼ(CDK、例えば、CDK1、CDK12、CDK1B、CDK2-9)、シクロオキシゲナーゼ(COX1、COX2)、CYP2B1遺伝子、システインパルミトイルトランスフェラーゼポルキュパイン、シトクロムP450 11B2、シトクロムP450 17、シトクロムP450 17A1、シトクロムP450 2D6、シトクロムP450 3A4、シトクロムP450レダクターゼ、サイトカインシグナル伝達1、サイトカインシグナル伝達3、細胞質イソクエン酸デヒドロゲナーゼ、シトシンデアミナーゼ、シトシンDNAメチルトランスフェラーゼ、細胞傷害性T-リンパ球タンパク質4、DDR2遺伝子、DEAD-ボックスヘリカーゼ6(DDX6)、デスレセプター5(DR5、TRAILR2)、デスレセプター4(DR4、TRAILR1)、デルタ様タンパク質リガンド(3、4など)、デオキシリボヌクレアーゼ、脱ユビキチン化酵素(DUB)、Dickkopf-1リガンド、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)、ジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ、ジペプチジルペプチダーゼIV、ディスコイジンドメイン受容体(DDR1などのDDR)、ジアシルグリセロールキナーゼゼータ(DGKZ)、DNA結合タンパク質(HU-ベータなど)、DNA依存性プロテインキナーゼ、DNAジャイレース、DNAメチルトランスフェラーゼ、DNAポリメラーゼ(アルファなど)、DNAプリマーゼ、dUTPピロホスファターゼ、L-ドパクロムトートメラーゼ、E3ユビキチンタンパク質リガーゼ(RNF128、CBL-Bなど)、棘皮動物微小管様タンパク質4、EGFRチロシンキナーゼ受容体、エラスターゼ、伸長因子1アルファ2、伸長因子2、エンドグリン、エンドヌクレアーゼ、小胞体アミノペプチダーゼ(ERAP1、ERAP2などのERAP)、エンドプラスミン、エンドシアリン、エンドスタチン、エンドセリン(ET-A、ET-Bなど)、zesteホモログ2のエンハンサー(EZH2)、エフリン(EPH)チロシンキナーゼ(Epha3、Ephb4など)、エフリンB2リガンド、上皮成長因子、上皮成長因子受容体(EGFR)、上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子、エピジェン、上皮細胞接着分子(EpCAM)、Erb-b2(v-erb-b2トリ赤芽球性白血病ウイルス性がん遺伝子ホモログ2)チロシンキナーゼ受容体、Erb-b3チロシンキナーゼ受容体、Erb-b4チロシンキナーゼ受容体、E-セレクチン、エストラジオール17ベータデヒドロゲナーゼ、エストロゲン受容体(アルファ、ベータなど)、エストロゲン関連受容体、真核生物翻訳開始因子5A(EIF5A)遺伝子、エクスポーチン1、細胞外シグナル関連キナーゼ(1、2など)、細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)、低酸素誘導因子プロリルヒドロキシラーゼ(HIF-PH又はEGLN)、因子(Xa、VIIaなど)、ファルネソイドX受容体(FXR)、Fasリガンド、脂肪酸シンターゼ(FASN)、フェリチン、FGF-2リガンド、FGF-5リガンド、線維芽細胞増殖成長因子(FGF1、FGF2、FGF4などのFGF)、フィブロネクチン、接着斑キナーゼ(FAK2などのFAK)、葉酸ヒドロラーゼ前立腺特異的膜抗原1(FOLH1)、葉酸受容体(アルファなど)、葉酸、葉酸輸送体1、FYNチロシンキナーゼ、対塩基アミノ酸切断酵(FURIN)、ベータ-グルクロニダーゼ、ガラクトシルトランスフェラーゼ、がレクチン-3、ガングリオシドGD2、グルココルチコイド、グルココルチコイド誘導性TNFR関連タンパク質GITR受容体、グルタミン酸カルボキシペプチダーゼII、グルタミナーゼ、グルタチオンSトランスフェラーゼP、グリコーゲンシンターゼキナーゼ(3-ベータなどのGSK)、グリピカン3(GPC3)、ゴナドトロピン放出ホルモン(GNRH)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)受容体、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)リガンド、成長因子受容体結合タンパク質2(GRB2)、Grp78(78kDaグルコース調節タンパク質)、カルシウム結合タンパク質、分子シャペロンgroEL2遺伝子、ヘムオキシゲナーゼ1(HO1)、ヘムオキシゲナーゼ2(HO2)、熱ショックタンパク質(27、70、90アルファ、ベータなど)、熱ショックタンパク質遺伝子、熱安定性エンテロトキシン受容体、ヘッジホッグタンパク質、ヘパラナーゼ、肝細胞成長因子、HERV-H LTR関連タンパク質2、ヘキソースキナーゼ、ヒスタミンH2受容体、ヒストンメチルトランスフェラーゼ(DOT1L)、ヒストンデアセチラーゼ(1、2、3、6、10、11などのHDAC)、ヒストンH1、ヒストンH3、HLAクラスI抗原(A-2アルファ)、HLAクラスII抗原、HLAクラスI抗原アルファG(HLA-G)、非古典的HLA、ホメオボックスタンパク質NANOG、HSPB1遺伝子、ヒト白血球抗原(HLA)、ヒトパピローマウイルス(E6、E7など)タンパク質、ヒアルロン酸、ヒアルロニダーゼ、低酸素誘導因子-1アルファ(HIF1α)、インプリント母方発現転写産物(Imprinted Maternally Expressed Transcript)(H19)遺伝子、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ1(MAP 4K1)、チロシン-プロテインキナーゼキナーゼHCK、I-カッパ-Bキナーゼ(IKKbeなどのIKK)、IL-1アルファ、IL-1ベータ、IL-12、IL-12遺伝子、IL-15、IL-17、IL-2遺伝子、IL-2受容体アルファサブユニット、IL-2、IL-3受容体、IL-4、IL-6、IL-7、IL-8、免疫グロブリン(G、G1、G2、K、Mなど)、免疫グロブリンFc受容体、免疫グロブリンガンマFc受容体(I、III、IIIAなど)、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO1及びIDO2などのIDO)、インドールアミンピロール2,3-ジオキシゲナーゼ1阻害剤、インスリン受容体、インスリン様成長因子、(1、2など)、インテグリンアルファ-4/ベータ-1、インテグリンアルファ-4/ベータ-7、インテグリンアルファ-5/ベータ-1、インテグリンアルファV/ベータ-3、インテグリンアルファV/ベータ-5、インテグリンアルファV/ベータ-6、細胞間接着分子1(ICAM-1)、インターフェロン(アルファ、アルファ2、ベータ、ガンマなど)、インターフェロン誘導タンパク質(黒色腫に不在2(AIM2))、I型インターフェロン受容体、インターロイキン1リガンド、インターロイキン13受容体アルファ2、インターロイキン2リガンド、インターロイキン-1受容体関連キナーゼ4(IRAK4)、インターロイキン-2、インターロイキン29リガンド、インターロイキン35(IL-35)、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(IDH1、IDH2など)、ヤヌスキナーゼ(JAK1、JAK2などのJAK)、Jun N末端キナーゼ、カリクレイン関連ペプチダーゼ3(KLK3)遺伝子、キラー細胞Ig様受容体、
キナーゼ挿入ドメイン受容体(KDR)、キネシン様タンパク質KIF11、カーステンマウス肉腫ウイルスがん遺伝子ホモログ(KRAS)遺伝子、キスぺプチン(KiSS-1)受容体、KIT遺伝子、v-kit Hardy-Zuckerman4ネコ肉腫ウイルスがん遺伝子ホモログ(KIT)チロシンキナーゼ、ラクトフェリン、ラノステロール-14デメチラーゼ、LDL受容体関連タンパク質1、白血球免疫グロブリン様受容体サブファミリーBメンバー1(ILT 2)、白血球免疫グロブリン様受容体サブファミリーBメンバー2(ILT 4)、ロイコトリエンA4ヒドロラーゼ、リステリオリジン、L-セレクチン、黄体ホルモン受容体、リアーゼ、リンパ球活性化遺伝子3タンパク質(LAG-3)、リンパ球抗原75、リンパ球機能抗原3受容体、リンパ球特異的プロテインキナーゼ(LCK)、リンホタクチン、Lyn(Lck/Yes novel)チロシンキナーゼ、リジンデメチラーゼ(KDM1、KDM2、KDM4、KDM5、KDM6、A/B/C/Dなど)、リゾホスファチジン酸-1受容体、リソソーム関連膜タンパク質ファミリー(LAMP)遺伝子、リジルオキシダーゼホモログ2、リジルオキシダーゼタンパク質(LOX)、5-リポキシゲナーゼ(5-LOX)、造血前駆細胞キナーゼ1(HPK1)、肝細胞成長因子受容体(MET)遺伝子、マクロファージコロニー刺激因子(MCSF)リガンド、マクロファージ遊走阻害因子、MAGEC1遺伝子、MAGEC2遺伝子、主要ヴォールトタンパク質、MAPK活性化プロテインキナーゼ(MK2)、Mas関連Gタンパク質結合受容体、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP2、MMP9などのMMP)、Mcl-1分化タンパク質、Mdm2 p53結合タンパク質、Mdm4タンパク質、メランA(MART-1)、黒色腫抗原、メラニン細胞タンパク質Pmel 17、メラニン細胞刺激ホルモンリガンド、黒色腫抗原ファミリーA3(MAGEA3)遺伝子、黒色腫関連抗原(例えば、1、2、3、6など)、膜銅アミンオキシダーゼ、メソテリン、METチロシンキナーゼ、代謝型グルタミン酸受容体1、メタロレダクターゼSTEAP1(前立腺1の6回膜貫通上皮抗原)、メタスチン、メチオニンアミノペプチダーゼ-2、メチルトランスフェラーゼ、ミトコンドリア3ケトアシルCoAチオラーゼ、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MEK1、MEK2などのMEK)、mTOR(ラパマイシン標的タンパク質(セリン/スレオニンキナーゼ))、mTOR複合体(1、2など)、ムチン(1、5A、16など)、mut Tホモログ(MTH1などのMTH)、Mycがん原遺伝子タンパク質、骨髄系細胞白血病1(MCL1)遺伝子、ミリストイル化アラニン富化プロテインキナーゼC基質(MARCKS)タンパク質、NAD ADPリボシルトランスフェラーゼ、ナトリウム利尿ペプチド受容体C、神経細胞接着分子1、ニューロキニン1(NK1)受容体、ニューロキニン受容体、ニューロピリン2、NFカッパB活性化タンパク質、NIMA関連キナーゼ9(NEK 9)、一酸化窒素シンターゼ、NK細胞受容体、NK3受容体、NKG2 A B活性化NK受容体、NLRP3(NACHT
LRR PYDドメインタンパク質3)修飾因子、ノルアドレナリン輸送体、ノッチ(ノッチ-2受容体、ノッチ-3受容体、ノッチ-4受容体など)、核赤血球2関連因子2、核因子(NF)カッパB、ヌクレオリン、ヌクレオホスミン、ヌクレオホスミン-未分化リンパ腫キナーゼ(NPM-ALK)、2オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ、2,5-オリゴアデニル酸シンターゼ、O-メチルグルタミンDNAメチルトランスフェラーゼ、オピオイド受容体(デルタなど)、オルニチンデカルボキシラーゼ、オロチン酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ、オーファン核ホルモン受容体NR4A1、オステオカルシン、破骨細胞分化因子、オステオポンチン、OX-40(腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー4 TNFRSF4又はCD134)受容体、P3タンパク質、p38キナーゼ、p38 MAPキナーゼ、p53腫瘍抑制タンパク質、副甲状腺ホルモンリガンド、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(アルファ、デルタ、ガンマなどのPPAR)、P-糖タンパク質(1など)、ホスファターゼ・テンシンホモログ(PTEN)、ホスファチジルイノシトール3キナーゼ(PI3K)、ホスホイノシチド-3キナーゼ(アルファ、デルタガンマなどのPI3K)、ホスホリラーゼキナーゼ(PK)、PKN3遺伝子、胎盤成長因子、血小板由来成長因子(アルファ、ベータなどのPDGF)、血小板由来成長因子(アルファ、ベータなどのPDGF)、多剤耐性輸送体、プレキシンB1、PLK1遺伝子、ポロ様キナーゼ(PLK)、ポロ様キナーゼ1、ポリ(ADP-リボーズ)ポリメラーゼ(PARP1、PARP2、及びPARP3、PARP7、並びにモノ-PARPなどのPARP)、好ましくは黒色腫で発現される抗原(PRAME)遺伝子、プレニル結合タンパク質(PrPB)、高可能性転写因子(Probable transcription factor)PML、プロゲステロン受容体、プログラム細胞死1(PD-1)、プログ
ラム細胞死リガンド1阻害剤(PD-L1)、プロサポシン(PSAP)遺伝子、プロスタノイド受容体(EP4)、プロスタグランジンE2シンターゼ、前立腺特異的抗原、前立腺酸性ホスファターゼ、プロテアソーム、タンパク質E7、タンパク質ファルネシルトランスフェラーゼ、プロテインキナーゼ(A、B、CなどのPK)、タンパク質チロシンキナーゼ、タンパク質チロシンホスファターゼベータ、がん原遺伝子セリン/スレオニンプロテインキナーゼ(PIM-1、PIM-2、PIM-3などのPIM)、P-セレクチン、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ、プリン作動性受容体P2Xリガンド開口型イオンチャネル7(P2X7)、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ(PDH)、ピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼ、ピルビン酸キナーゼ(PYK)、5-アルファレダクターゼ、Rafプロテインキナーゼ(1、Bなど)、RAF1遺伝子、Ras遺伝子、Ras GTPase、RET遺伝子、Retチロシンキナーゼ受容体、網膜芽細胞関連タンパク質、レチノイン酸受容体(ガンマなど)、レチノイドX受容体、Rheb(脳で富化されるRasホモログ)GTPase、Rho(Rasホモログ)関連プロテインキナーゼ2、リボヌクレアーゼ、リボヌクレオチドレダクターゼ(M2サブユニットなど)、リボソームタンパク質S6キナーゼ、RNAポリメラーゼ(I、IIなど)、Ron(Recepteur d’Origine Nantais)チロシンキナーゼ、ROS1(ROSがん原遺伝子1、受容体チロシンキナーゼ)遺伝子、Ros1チロシンキナーゼ、Runt関連転写因子3、ガンマセクレターゼ、S100カルシウム結合タンパク質A9、Sarco内質カルシウムATPase、カスパーゼの第2のミトコンドリア由来活性化因子(SMAC)タンパク質、分泌frizzled関連タンパク質-2、分泌ホスホリパーゼA2、セマフォリン-4D、セリンプロテアーゼ、セリン/スレオニンキナーゼ(STK)、セリン/スレオニンプロテインキナーゼ(TBK1などのTBK)、シグナル伝達兼転写(STAT-1、STAT-3、STAT-5などのSTAT)、シグナル伝達リンパ球性活性化分子(SLAM)ファミリーメンバー7、前立腺の6回膜貫通上皮抗原(STEAP)遺伝子、SLサイトカインリガンド、スムーズンド(SMO)受容体、ナトリウムヨウ化物共輸送体、ナトリウムリン酸共輸送体2B、ソマトスタチン受容体(1、2、3、4、5など)、ソニックヘッジホッグタンパク質、セブンレスの息子(SOS)、特異的タンパク質(Sp1)転写因子、スフィンゴミエリンシンターゼ、スフィンゴシンキナーゼ(1、2など)、スフィンゴシン-1-リン酸受容体1、脾臓チロシンキナーゼ(SYK)、SRC遺伝子、Src-チロシンキナーゼ、スタビリン-1(STAB1)、STAT3遺伝子、ステロイドスルファターゼ、インターフェロン遺伝子の刺激因子(STING)受容体、インターフェロン遺伝子の刺激因子タンパク質、間質細胞由来因子1リガンド、SUMO(小さいユビキチン様修飾因子)、スーパーオキシドディスムターゼ、チロシンシグナル伝達修飾因子の抑制因子(SOCS)、サバイビンタンパク質、シナプシン3、シンデカン1、シヌクレインアルファ、T細胞表面糖タンパク質CD28、tank結合キナーゼ(TBK)、TATAボックス結合タンパク質関連因子RNAポリメラーゼIサブユニットB(TAF1B)遺伝子、T細胞CD3糖タンパク質ゼータ鎖、T細胞分化抗原CD6、T細胞免疫グロブリン及びムチンドメイン含有-3(TIM-3)、T細胞糖タンパク質CD8、Tecタンパク質チロシンキナーゼ、Tekチロシンキナーゼ受容体、テロメラーゼ、テロメラーゼ逆転写酵(TERT)遺伝子、テネイシン、スリープライム修復エクソヌクレアーゼ1(TREX1)、スリープライム修復エクソヌクレアーゼ2(TREX2)、トロンボポエチン受容体、チミジンキナーゼ、チミジンホスホリラーゼ、チミジル酸シンターゼ、チモシン(アルファ1など)、甲状腺ホルモン受容体、甲状腺刺激ホルモン受容体、組織因子、TNF関連アポトーシス誘導リガンド、TNFR1関連デスドメインタンパク質、TNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)受容体、TNFSF11遺伝子、TNFSF9遺伝子、Toll様受容体(1~13などのTLR)、トポイソメラーゼ(I、II、IIIなど)、転写因子、トランスフェラーゼ、トランスフェリン(TF)、トランスフォーミング成長因子アルファ(TGFα)、トランスフォーミング成長因子ベータ(TGFB)及びそのアイソフォーム、TGFベータ2リガンド、トランスフォーミング成長因子TGF-B受容体キナーゼ、トランスグルタミナーゼ、転位関連タンパク質、膜貫通糖タンパク質NMB、Trop-2カルシウムシグナルトランスデューサー、栄養膜糖タンパク質(TPBG)遺伝子、栄養膜糖タンパク質、トロポミオシン受容体キナーゼ(Trk)受容体(TrkA、TrkB、TrkCなど)、トリプトファン2,3-ジオキシゲナーゼ(TDO)、トリプトファン5-ヒドロキシラーゼ、チューブリン、腫瘍壊死因子(アルファ、ベータなどのTNF)、腫瘍壊死因子13C受容体、腫瘍進行遺伝子座2(TPL2)、腫瘍タンパク質53(TP53)遺伝子、腫瘍抑制候補2(TUSC2)遺伝子、腫瘍特異的ネオ抗原、チロシナーゼ、チロシンヒドロキシラーゼ、チロシンキナーゼ(TK)、チロシンキナーゼ受容体、チロシンキナーゼ受容体、チロシンキナーゼ受容体、免疫グロブリン様及びEGF様ドメインを伴うチロシンキナーゼ(TIE)受容体、チロシンプロテインキナーゼABL1阻害剤、ユビキチン、ユビキチンカルボキシルヒドロラーゼアイソザイムL5、ユビキチンチオエステラーゼ14、ユビキチンコンジュゲート酵E2I(UBE2I、UBC9)、ユビキチン特異的プロセシングプロテアーゼ7(USP7)、ウレアーゼ、ウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子、ウテログロビン、バニロイドVR1、血管細胞接着タンパク質1、血管内皮成長因子受容体(VEGFR)、T細胞活性化のVドメインIg抑制因子(VISTA)、VEGF-1受容体、VEGF-2受容体、VEGF-3受容体、VEGF-A、VEGF-B、ビメンチン、ビタミンD3受容体、がん原遺伝子チロシン-プロテインキナーゼ、Mer(Merチロシンキナーゼ受容体修飾因子)、YAP(Yes関連タンパク質修飾因子)es、Wee-1プロテインキナーゼ、ウェルナー症候群RecQ1様ヘリカーゼ(WRN)、ウイルムス腫瘍抗原1、ウイルムス腫瘍タンパク質、WWドメイン含有転写調節因子タンパク質1(TAZ)、X連鎖アポトーシス抑制タンパク質、ジンクフィンガータンパク質転写因子、又はそれらの組み合わせを含むが、これらに

限定されない標的(例えば、ポリペプチド又はポリヌクレオチド)の阻害剤、アゴニスト、アンタゴニスト、リガンド、調節剤、刺激因子、遮断薬、活性化因子、又は抑制因子を含むが、これらに限定されない1つ以上の追加の治療薬と組み合わされる。
【0232】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、それらの作用機序によって、例えば、以下の群に分類され得る1つ以上の追加の治療薬と組み合わされる:ピリミジン類似体、フロクスウリジン、カペシタビン、シタラビン、CPX-351(リポソームシタラビン、ダウノルビシン)、及びTAS-118などの代謝拮抗薬/抗がん剤;フェノキシベンズアミン塩酸塩などのアルファ1アドレナリン受容体/アルファ2アドレナリン受容体アンタゴニスト(注射剤、褐色細胞腫);ニルタミドなどのアンドロゲン受容体アンタゴニスト;HKT-288などの抗カドヘリン抗体;ABBV-085などの抗ロイシンリッチリピート含有15(LRRC15)抗体。ARGX-110;アンジオテンシン受容体遮断薬、一酸化窒素ドナー;AEG35156、IONIS-KRAS-2.5Rx、EZN-3042、RX-0201、IONIS-AR-2.5Rx、BP-100(プレキシゲベルセン)、IONIS-STAT3-2.5Rxなどのアンチセンスオリゴヌクレオチド;MEDI3617及びLY3127804などの、抗アンジオポエチン(ANG)-2抗体;AMG-780などの抗ANG-1/ANG-2抗体;エマクツマブ、LY3022855、AMG-820、FPA-008(カビラリズマブ)などの抗CSF1R抗体;TRC105(カロツキシマブ)などの抗エンドグリン抗体;CDX-3379、HLX-02、セリバンツマブなどの抗ERBB抗体;HERCEPTIN(登録商標)(トラスツズマブ)、トラスツズマブバイオシミラー、マルゲツキシマブ、MEDI4276、BAT-8001、ペルツズマブ(Perjeta)、
RG6264、ZW25(細胞外ドメイン2及び4を標的とする二重特異性HER2指向抗体)などの抗HER2抗体;Cancer Discov.2019 Jan;9(1):8;PMID:30504239);IMMU-114などの抗HLA-DR抗体;JNJ-56022473などの抗IL-3抗体;抗TNF受容体スーパーファミリーメンバー18(TNFRSF18、GITR;NCBI遺伝子ID:8784)抗体(MK-4166、MEDI1873、FPA-154、INCAGN-1876、TRX-518、BMS-986156、MK-1248、GWN-323など);並びに、例えば、国際公開第2017/096179号、国際公開第2017/096276号、国際公開第2017/096189号、及び国際公開第2018/089628号に記載されるもの;KB-004などの抗EphA3抗体;オトレルツズマブ(TRU-016)などの抗CD37抗体;LY3076226、B-701などの抗FGFR-3抗体;GAL-F2などの抗FGFR-2抗体;ALXN-1210などの抗C5抗体;VB4-845などの抗EpCAM抗体;RG-7813などの抗CEA抗体;BAY-1834942、NEO-201(CEACAM 5/6)などの、抗がん胎児性抗原関連細胞接着分子6(CEACAM6、CD66C)抗体;APN-301などの抗GD2抗体;CJM-112などの抗インターロイキン17(IL-17)抗体;カナキヌマブ(ACZ885)、VPM087などの抗インターロイキン-1ベータ抗体;TX-250などの抗炭酸脱水酵素9(CA9、CAIX)抗体;ガチポツズマブ、Mab-AR-20.5などの抗ムチン1(MUC1)抗体;MDX-1097などの抗KMA抗体;PAT-SC1などの抗CD55抗体;ABBV-399などの抗c-Met抗体;ATL-101などの抗PSMA抗体;VX-15などの抗CD100抗体;フィバツズマブなどの抗EPHA3抗体;BION-1301などの抗APRIL抗体;RG7461などの抗線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)/IL-2R抗体;RG7386などの抗線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)/TRAIL-R2抗体;BMS-986012などの抗フコシル-GM1抗体;HuMax-Inflamなどの抗IL-8(インターロイキン-8)抗体;ランドグロズマブなどの抗ミオスタチン阻害剤;ロバルピツズマブテシリンなどの抗デルタ様タンパク質リガンド3(DDL3)抗体;デムシズマブなどの抗DLL4(デルタ様リガンド4)抗体;AB-16B5などの抗クラステリン抗体;PF-06647263などの抗エフリン-A4(EFNA4)抗体;BMS-986148、抗MSLN-MMAEなどの抗メソセリン抗体;リファスツズマブなどの抗リン酸ナトリウム共輸送体2B(NaP2B)抗体;SAR439459などの抗TGFb抗体;ABBV-151、LY3022859、NIS793、XOMA089などの抗トランスフォーミング成長因子-ベータ(TGF-ベータ)抗体;プリン類似体、葉酸アンタゴニスト(プララトレキサートなど)、クラドリビン、ペントスタチン、フルダラビン、及び関連阻害剤;ビンカアルカロイド(ビンブラスチン、ビンクリスチン)及びタキサン(パクリタキセル、ドセタキセル)などの微小管阻害剤、ビンブラスチン、ノコダゾール、エポチロン、ビノレルビン(NAVELBINE(登録商標))、及びエピポドフィロトキシン(エトポシド、テニポシド)などの天然産物を含む抗増殖/抗有糸分裂剤;アクチノマイシン、アムサクリン、ブスルファン、カルボプラチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド(CYTOXAN(登録商標))、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、DEBDOX、エピルビシン、イフォスファミド、メルファラン、メクロレタミン、マイトマイシンC、ミトキサントロン、ニトロソウレア、プロカルバジン、タキソール、タキソテール、テニポシド、エトポシド、及びトリエチレンチオホスホラミドなどのDNA損傷剤;グアデシタビン(SGI-110)、ASTX727などのDNA低メチル化剤;ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、イダルビシン、アントラサイクリン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、プリマイシン(ミトラマイシン)などの抗生物質;L-アスパラギンを全身に代謝し、それら自体のアスパラギンを合成する能力を有さない細胞を除去する、L-アスパラギナーゼなどの酵素;PNT2258などのBcl-2を標的化するDNAiオリゴヌクレオチド;パノビノスタット及びロミデプシンなどの潜伏ヒト免疫不全ウイルス(HIV)を活性化又は再活性化する薬剤;クリサンタスパーゼ(Erwinase(登録商標))及びGRASPA(ERY-001、ERY-ASP)、カラスパルガーゼペゴル、ペグアスパルガーゼなどのアスパラギナーゼ刺激因子;エヌトレクチニブ、TPX-0005などのpan-Trk、ROS1及びALK阻害剤;アレクチニブ、セリチニブ、アレセンサ(RG7853)、ALUNBRIG(登録商標)(ブリガチニブ)などの未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)阻害剤;ナイトロジェンマスタードシクロホスファミド及び類似体(例えば、メルファラン、クロラムブシル、ヘキサメチルメラミン、チオテパ)、アルキルニトロソウレア(例えば、カルムスチン)及び類似体、ストレプトゾシン、及びトリアジン(例えば、ダカルバジン)などの抗増殖/抗有糸分裂アルキル化剤;葉酸類似体(メトトレキサート)などの抗増殖/抗有糸分裂性代謝拮抗物質;白金配位錯体(例えば、シスプラチン、オキシロプラチニム、及びカルボプラチン)、プロカルバジン、ヒドロキシウレア、ミトタン、及びアミノグルテチミド;ホルモン、ホルモン類似体(例えば、エストロゲン、タモキシフェン、ゴセレリン、ビカルタミド、及びニルタミド)、及びアロマターゼ阻害剤(例えば、レトロゾール及びアナストロゾール);抗血小板剤;ヘパリン、合成ヘパリン塩、及びトロンビンの他の阻害剤などの抗凝固剤;組織プラスミノーゲン活性化因子、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、アスピリン、ジピリダモル、チクロピジン、及びクロピドグレルなどの線維素溶解剤;抗移動剤;抗分泌剤(例えば、ブレベルジン(breveldin));タクロリム
ス、シロリムス、アザチオプリン、及びミコフェノレートなどの免疫抑制剤;成長因子阻害剤及び血管内皮成長因子阻害剤;FPA14などの線維芽細胞成長因子阻害剤;メトホルミン塩酸塩などのAMP活性化プロテインキナーゼ刺激因子;ダラツムマブ(DARZALEX(登録商標))などのADPリボシルサイクラーゼ-1阻害剤;ミファムルチド(リポソーム)などのカスパーゼ動員ドメインタンパク質-15刺激因子;MK-7690(ビクリビロック)などのCCR5ケモカインアンタゴニスト;TAK-931などのCDC7プロテインキナーゼ阻害剤;ODM-209などのコレステロール側鎖切断酵素阻害剤;セフェゾン(テガフール+ギメラシル+オテラシルカリウム)などのジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ/オロチン酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ阻害剤;クロファラビンなどのDNAポリメラーゼ/リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤;PNT2258、AZD-9150などのDNA干渉オリゴヌクレオチド;バゼドキシフェンなどのエストロゲン受容体調節剤;TRI-CYCLEN LO(ノルエチンドロン+エチニルエストラジオール)などのエストロゲン受容体アゴニスト/プロゲステロン受容体アンタゴニスト;FH-MCVA2TCRなどのHLAクラスI抗原A-2アルファ調節剤;MART-1 F5 TCR操作されたPBMCなどのHLAクラスI抗原A-2アルファ/MART-1黒色腫抗原調節剤;PF-06881894などのヒト顆粒球コロニー刺激因子;リュープロレリン酢酸塩、リュープロレリン酢酸塩持続放出デポー(ATRIGEL)、トリプトレリンパモ酸塩、ゴセレリン酢酸塩などのGNRH受容体アゴニスト;エラゴリクス、レルゴリクス、デガレリクスなどのGNRH受容体アンタゴニスト;アナロチニブなどのエンドプラスミン調節剤;オメプラゾール、エソメプラゾールなどのH+K+ATPase阻害剤;cavatak(V-937)などのICAM-1/CD55調節剤;SAR441000などのIL-15/IL-12調節剤;グセルクマブなどのインターロイキン23A阻害剤;
CC-90011などのリジン特異的ヒストンデメチラーゼ1阻害剤;MEDI 1191などのIL-12 Mrna;RGT-100などのRIG-I調節剤;SB-9200及びIR-103などのNOD2調節剤;レボノルゲストレルなどのプロゲステロン受容体アゴニスト;CC-92480、CC-90009などのタンパク質セレブロン調節剤;イベルドミドなどのタンパク質セレブロン調節剤/DNA結合タンパク質Ikaros阻害剤/ジンクフィンガー結合タンパク質Aiolos阻害剤;アリトレチノイン、ベキサロテン(経口製剤)などのレチノイドX受容体調節剤;GSK-3145095などのRIP-1キナーゼ阻害剤;AZD9833などの選択的エストロゲン受容体分解剤;TAK-981などのSUMO阻害剤;エルトロンボパグなどのトロンボポエチン受容体アゴニスト;レボチロキシンナトリウムなどの甲状腺ホルモン受容体アゴニスト;タソネルミンなどのTNFアゴニスト;CC-95251などのチロシンホスファターゼ基質1阻害剤;ネラチニブ、ツカチニブ(ONT-380)などのHER2阻害剤;テセバチニブなどのEGFR/ErbB2/Ephb4阻害剤;TAK-788などのEGFR/HER2阻害剤;DZD-9008などのEGFRファミリーチロシンキナーゼ受容体阻害剤;バリチニブなどのEGFR/ErbB-2阻害剤;PF-06747775、EGF816(ナザルチニブ)、ASP8273、ACEA-0010、BI-1482694などの変異選択的EGFR阻害剤;MM-310などのepha2阻害剤;MAK683などのポリコームタンパク質(EED)阻害剤;プララトレキサートなどのDHFR阻害剤/葉酸輸送体1調節剤/葉酸受容体アンタゴニスト;ペメトレキセドニナトリウムなどのDHFR/GARトランスホルミラーゼ/チミミジル酸シンターゼ/トランスフェラーゼ阻害剤;ラリメチニブなどのp38 MAPキナーゼ阻害剤;MS203、PF-06939999、GSK3368715、GSK3326595などのPRMT阻害剤;オパガニブなどのスフィンゴシンキナーゼ2(SK2)阻害剤;オマベロキソロン(RTA-408)などの核赤血球2関連因子2刺激因子;LOXO-195、ONO-7579などのトロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)阻害剤;GO-203-2Cなどのムチン1阻害剤;BIO-11006などのMARCKSタンパク質阻害剤;アルフォリチキソリンなどの葉酸アンタゴニスト;GR-MD-02などのガレクチン-3阻害剤;RX-5902などのリン酸化P68阻害剤;ofranergene obadenovecなどのCD95/TNF調節剤;INCB-053914などのpan-PIMキナーゼ阻害剤;EGEN-001、タボキノゲンテルセプラスミドなどのIL-12遺伝子刺激因子;TAS-116、PEN-866などの熱ショックタンパク質HSP90阻害剤;MP-0250などのVEGF/HGFアンタゴニスト;ベバシズマブバイオシミラーなどのVEGFリガンド阻害剤;ラムシルマブなどのVEGF受容体アンタゴニスト/VEGFリガンド阻害剤;VEGF-1/VEGF-2/VEGF-3受容体アンタゴニスト;フルキンチニブなど;HLA-A2402/HLA-A0201制限エピトープペプチドワクチンなどのVEGF-1/VEGF-2受容体調節剤;アフリベルセプトなどの胎盤成長因子リガンド阻害剤/VEGF-Aリガンド阻害剤;ASN-002などのSYKチロシンキナーゼ/JAKチロシンキナーゼ阻害剤;ラロトレクチニブ硫酸塩などのTrkチロシンキナーゼ受容体阻害剤;CS-12912などのJAK3/JAK1/TBK1キナーゼ阻害剤;AD-IL24などのIL-24アンタゴニスト;BMS-986299などのNLRP3(NACHT LRR PYDドメインタンパク質3)調節剤;RGT-100などのRIG-Iアゴニスト;トプサリシンなどのエロリジン刺激因子;HM-30181AなどのP糖タンパク質1阻害剤;ARRY-382、BLZ-945などのCSF-1アンタゴニスト;JTX-1811、I-309、SB-649701、HG-1013、RAP-310などのCCR8阻害剤;SEL-403などの抗メソセリン抗体;アグラチマゲンベサデノベクなどのチミジンキナーゼ刺激因子;PCM-075、オンバンセルチブなどのPolo様キナーゼ1阻害剤;ペボネジスタット(MLN-4924)、TAS-4464などのNAE阻害剤;アバドミド(CC-122)などの多経路調節剤;ペボネジスタットなどのアミロイドタンパク質結合タンパク質-1阻害剤/ユビキチンリガーゼ調節剤;チオストレプトプトンなどのFoxM1阻害剤;TAK-243などのUBA1阻害剤;VAL-201などのSrcチロシンキナーゼ阻害剤;VDA-1102などのVDAC/HK阻害剤;ロヒニチブ、eFT226などのElf4a阻害剤;ad-p53などのTP53遺伝子刺激因子;トレチノインなどのレチノイン酸受容体アゴニスト;SY-1425などのレチノイン酸受容体アルファ(RARα)阻害剤;YC8-02などのSIRT3阻害剤;オラプテストペゴル(NOX-A12)などの間質細胞由来因子1リガンド阻害剤;MDNA-55などのIL-4受容体調節剤;ペグジラリギナーゼなどのアルギナーゼI刺激因子;イリノテカン塩酸塩、オニバイドなどのトポイソメラーゼI阻害剤;PEG-SN38(フィルテカンペゴル)などのトポイソメラーゼI阻害剤/低酸素誘導因子-1アルファ阻害剤;PT-2977、PT-2385などの低酸素誘導性因子-1アルファ阻害剤;プロロイキン(アルデスロイキン、IL-2)などのCD122(IL-2受容体)アゴニスト;ペグ化IL-2(例えば、NKTR-214);IL-2の修飾バリアント(例えば、THOR-707);NKTR-262などのTLR7/TLR8アゴニスト;DS-0509、GS-9620、LHC-165、TMX-101(イミキモド)などのTLR7アゴニスト;ケベトリンなどのp53腫瘍抑制タンパク質刺激因子;ALRN-6924などのMdm4/Mdm2
p53結合タンパク質阻害剤;フィラネシブ(ARRY-520)などのキネシンスピンドルタンパク質(KSP)阻害剤;FPT-155などのCD80-fc融合タンパク質阻害剤;KO-539などのメニン及び混合形質型白血病(MLL)阻害剤;RGX-104などの肝臓x受容体アゴニスト;ペグイロデカキン(AM-0010)などのIL-10アゴニスト;ボロラニブなどのVEGFR/PDGFR阻害剤;CA-4948などのIRAK4阻害剤;OPN-305などの抗TLR-2抗体;CBP-501などのカルモジュリン調節剤。
【0233】
レラコリラント(CORT-125134)などのグルココルチコイド受容体アンタゴニスト;BI-891065などのカスパーゼの第2のミトコンドリア由来活性化因子(SMAC)タンパク質阻害剤;LTX-315などのラクトフェリン調節剤;PLX-9486などのKITがん原遺伝子、受容体チロシンキナーゼ(KIT)阻害剤;BLU-285、DCC-2618などの、血小板由来成長因子受容体アルファ(PDGFRA)/KITがん原遺伝子、受容体チロシンキナーゼ(KIT)変異体特異的アンタゴニスト/阻害剤;エルタネクソルなどのエクスポーチン1阻害剤;STNM-01などのCHST15遺伝子阻害剤;OPS-201などのソマトスタチン受容体アンタゴニスト;MTL-501などのCEBPA遺伝子刺激因子;MTG-201などのDKK3遺伝子調節剤;SX-682などのケモカイン(CXCR1/CXCR2)阻害剤;MSC2363318Aなどのp70s6k阻害剤;M8891、APL-1202などのメチオニンアミノペプチダーゼ2(MetAP2)阻害剤;GSK-3326595などのアルギニンN-メチルトランスフェラーゼ5阻害剤;CX-2029-ABBV-2029などのCD71調節剤;AZD0156、AZD1390などのATM(毛細血管拡張性運動失調症)阻害剤;GDC-0575、LY2606368(プレキサセルチブ)、SRA737、RG7741(CHK1/2)などのCHK1阻害剤;BL-8040、LY2510924、ブリキサホル(TG-0054)、X4P-002、X4P-001-IO、プレリキサホルなどのCXCR4アンタゴニスト;GSK2816126などのEXH2阻害剤;ORY-1001、IMG-7289、INCB-59872、GSK-2879552などのKDM1阻害剤;AZD-5069などのCXCR2アンタゴニスト;MSC2490484A(ネディセルチブ)、VX-984、AsiDNA(DT-01)などのDNA依存性プロテインキナーゼ阻害剤;LXS-196、ソトラスタウリンなどのプロテインキナーゼC(PKC)阻害剤;フルベストラント(Faslodex(登録商標))、RG6046、RG6047、RG6171、エラセストラント(RAD-1901)、SAR439859、及びAZD9496などの選択的エストロゲン受容体ダウンレギュレーター(SERD);H3B-6545などの選択的エストロゲン受容体共有結合アンタゴニスト(SERCAs);GTX-024、ダロルタミドなどの選択的アンドロゲン受容体調節剤(SARM);ガルニセルチブ、LY3200882などのトランスフォーミング成長因子-ベータ(TGF-ベータ)キナーゼアンタゴニスト;国際公開第2019/103203号に記載のTGF-ベータ阻害剤;PF-06952229などのTGFベータ受容体1阻害剤;ABT-165(DLL4/VEGF)、MM-141(IGF-1/ErbB3)、MM-111(Erb2/Erb3)、JNJ-64052781(CD19/CD3)、PRS-343(CD-137/HER2)、AFM26(BCMA/CD16A)、JNJ-61186372(EGFR/cMET)、AMG-211(CEA/CD3)、RG7802(CEA/CD3)、ERY-974(CD3/GPC3)、バンシズマブ(アンジオポエチン/VEGF)、PF-06671008(カドヘリン/CD3)、AFM-13(CD16/CD30)、APVO436(CD123/CD3)、フロテツズマブ(CD123/CD3)、REGN-1979(CD20/CD3)、MCLA-117(CD3/CLEC12A)、MCLA-128(HER2/HER3)、JNJ-0819、JNJ-7564(CD3/ヘム)、AMG-757(DLL3-CD3)、MGD-013(PD-1/LAG-3)、FS-118(LAG-3/PD-L1)、MGD-019(PD-1/CTLA-4)、KN-046(PD-1/CTLA-4)、MEDI-5752(CTLA-4/PD-1)、RO-7121661(PD-1/TIM-3)、XmAb-20717(PD-1/CTLA-4)、AK-104(CTLA-4/PD-1)、AMG-420(BCMA/CD3)、BI-836880(VEFG/ANG2)、JNJ-63709178(CD123/CD3)、MGD-007(CD3/gpA33)、MGD-009(CD3/B7H3)、AGEN1223、IMCgp100(CD3/gp100)、AGEN-1423、ATOR-1015(CTLA-4/OX40)、LY-3415244(TIM-3/PDL1)、INHIBRX-105(4-1BB/PDL1)、ファリシマブ(VEGF-A/ANG-2)、FAP-4-IBBL(4-1BB/FAP)、XmAb-13676(CD3/CD20)、TAK-252(PD-1/OX40L)、TG-1801(CD19/CD47)、XmAb-18087(SSTR2/CD3)、カツマキソマブ(CD3/EpCAM)、SAR-156597(IL4/IL13)、EMB-01(EGFR/cMET)、REGN-4018(MUC16/CD3)、REGN-1979(CD20/CD3)、RG-7828(CD20/CD3)、CC-93269(CD3/BCMA)、REGN-5458(CD3/BCMA)、ナビシキズマブ(DLL4/VEGF)、GRB-1302(CD3/Erbb2)、バヌシズマブ(VEGF-A/ANG-2)、GRB-1342(CD38/CD3)、GEM-333(CD3/CD33)、IMM-0306(CD47/CD20)、RG6076、MEDI5752(PD-1/CTLA-4)、LY3164530(MET/EGFR)などの二重特異的抗体;CPI-613などのアルファ-ケトグルタル酸デヒドロゲナーゼ(KGDH)阻害剤;セリネクソル(KPT-330)などのXPO1阻害剤;エナシデニブ(AG-221)などのイソクエン酸デヒドロゲナーゼ2(IDH2)阻害剤;AG-120、及びAG-881(IDH1及びIDH2)、IDH-305、BAY-1436032などのIDH1阻害剤;イボシデニブなどのIDH1遺伝子阻害剤;SL-401などのインターロイキン-3受容体(IL-3R)修飾因子;ペガルギミナーゼ(ADI-PEG-20)などのアルギニンデイミナーゼ刺激因子;クラウジキシマブなどのクローディン-18阻害剤;CWP-291などのβ-カテニン阻害剤;PF-04136309、CCX-872、BMS-813160(CCR2/CCR5)などのケモカイン受容体2(CCR)阻害剤;ONX-0801などのチミミジル酸シンターゼ阻害剤;ロルラチニブなどのALK/ROS1阻害剤;G007-LKなどのタンキラーゼ阻害剤;PY159などの骨髄系細胞1上に発現されるトリガー受容体(TREM1;NCBI遺伝子ID:54210);PY314などの骨髄系細胞2上に発現されるトリガー受容体(TREM2;NCBI遺伝子ID:54209);CMG-097、HDM-201などのMdm2 p53結合タンパク質阻害剤;PIM447などのc-PIM阻害剤;Yeliva(登録商標)(ABC294640)などのスフィンゴシンキナーゼ-2(SK2)阻害剤;サパシタビンなどのDNAポリメラーゼ阻害剤;エリブリンメシル酸塩などの細胞周期/微小管阻害剤;AMG-337、サボリチニブ、チバンチニブ(ARQ-197)、カプマチニブ、及びテポチニブ、ABT-700、AG213、AMG-208、JNJ-38877618(OMO-1)、メリスチニブ、HQP-8361などのc-MET阻害剤;BMS-817378、TAS-115などのc-Met/VEGFR阻害剤;BMS-777607などのc-Met/RON阻害剤;レバスチニブ、アシミニブ、ポナチニブ(ICLUSIG(登録商標))などのBCR/ABL阻害剤;eFT-508などのMNK1/MNK2阻害剤;LAE-201などのシトクロムP450 11B2/シトクロムP450 17/AKTプロテインキナーゼ阻害剤;ミトタンなどのシトクロムP450 3A4刺激因子;CC-90011などのリジン特異的デメチラーゼ-1(LSD1)阻害剤;ペキシダルチニブ(PLX3397)などのCSF1R/KIT及びFLT3阻害剤;キザルチニブ塩酸塩などのFlt3チロシンキナーゼ/Kitチロシンキナーゼ阻害剤、及びPDGF受容体アンタゴニスト;バンデタニブなどのキナーゼ阻害剤;GMI-1271などのEセレクチンアンタゴニスト;トレチノインなどの分化誘導因子;オシメルチニブ(AZD-9291)、セツキシマブなどの上皮増殖成長因子受容体(EGFR)阻害剤;アドリアマイシン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、DaunoXome、Caelyx、エニポシド、エピルビシン、エトポシド、イダルビシン、イリノテカン、ミトキサントロン、ピキサントロン、ソブゾキサン、トポテカン、イリノテカン、MM-398(リポソームイリノテカン)、ボサロキシン及びGPX-150、アルドキソルビシン、AR-67、マベレルチニブ、AST-2818、アビチニブ(ACEA-0010)、イロフルベン(MGI-114)などのトポイソメラーゼ阻害剤;コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、プレドニゾロンなどのコルチコイド;成長因子シグナル伝達キナーゼ阻害剤;DFP-10917などのヌクレオシド類似体;BGB-324(ベムセンチニブ)、SLC-0211などのAxl阻害剤;ギルテリチニブなどのAxl/Flt3阻害剤;ブロモドメイン及び末端外モチーフ(BET)タンパク質の阻害剤(ABBV-744、BRD2(NCBI遺伝子ID:6046)、BRD3(NCBI遺伝子ID:8019)、BRD4(NCBI遺伝子ID:23476)、及びブロモドメイン精巣特異的タンパク質(BRDT;NCBI遺伝子ID:676)を含む)、例えば、INCB-054329、INCB057643、TEN-010、AZD-5153、ABT-767、BMS-986158、CC-90010、GSK525762(モリブレシブ)、NHWD-870、ODM-207、GSK-2820151、GSK-1210151A、ZBC246、ZBC260、ZEN3694、FT-1101、RG-6146、CC-90010、CC-95775、ミベブレシブ、BI-894999、PLX-2853、PLX-51107、CPI-0610、GS-5829;オラパリブ(MK7339)、ルカパリブ、ベリパリブ、タラゾパリブ、ABT-767、BGB-290、フルゾレパリ(SHR-3162)、ニラパリブ(JNJ-64091742)、ベンダムスチン塩酸塩などのPARP阻害剤;2X-121(e-7499)などのPARP/タンキラーゼ阻害剤;IMP-4297、SC-10914、IDX-1197、HWH-340、CK-102、シムミパリブ;イキサゾミブ(NINLARO(登録商標))、カルフィルゾミブ(Kyprolis(登録商標))、マリゾミブ、ボルテゾミブなどのプロテアソーム阻害剤;CB-839(テラグレナスト)、ビス-2-(5-フェニルアセトアミド-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)エチル硫化物(BPTES)などのグルタミナーゼ阻害剤;メトホルミン、フェネフォーミンなどのミトコンドリア複合体I阻害剤;ペプチドワクチンTG-01(RAS)、GALE-301、GALE-302、ネリペピムト-s、SurVaxM、DSP-7888、TPIV-200、PVX-410、VXL-100、DPX-E7、ISA-101、6MHP、OSE-2101、ガリンペピムト-S、SVN53-67/M57-KLH、IMU-131、ペプチドサブユニットワクチン(急性リンパ芽球性白血病、University Children’s Hospital Tuebingen)などのワクチン;CRS-207/GVAX、アクサリモジン・フィロリスバック(ADX



S11-001)などの細菌性ベクターワクチン;nadofaragene firadenovecなどのアデノウイルスベクターワクチン;自己Gp96ワクチン;
CVactm、tapuldencel-T、eltrapuldencel-T、SL-701、BSK01TM、rocapuldencel-T(AGS-003)、DCVAC、CVactm、stapuldencel-T、eltrapuldencel-T、SL-701、BSK01TM、ADXS31-142、自家樹状細胞ワクチン(転移性悪性黒色腫、皮内/静脈内、Universitatsklinikum Erlangen)などの樹状細胞ワクチン;タリモジンラヘルパレプベク、pexastimogene devacirepvec、GL-ONC1、MG1-MA3、パルボウイルスH-1、ProstAtak、エナデノチュシレブ、MG1MA3、ASN-002(TG-1042)などの腫瘍溶解性ワクチン;CVAC-301、CMP-001、CreaVax-BC、PF-06753512、VBI-1901、TG-4010、ProscaVax(商標)などの治療ワクチン;Vigil(登録商標)(IND-14205)、Oncoquest-Lワクチンなどの腫瘍細胞ワクチン;PVS-RIPOなどの弱毒性組換え血清型1ポリオウイルスワクチン;Adagloxad simolenin;MEDI-0457;DPV-001腫瘍由来オートファゴソームリッチがんワクチン;CV-9209、LV-305などのRNAワクチン;MEDI-0457、MVI-816、INO-5401などのDNAワクチン;MVA-p53などのp53を発現する修飾されたワクシニアウイルスAnkaraワクチン;DPX-Survivac;BriaVax(商標);GI-6301;GI-6207;GI-4000;IO-103;AGEN-2017、GEN-010、NeoVax、RG-6180、GEN-009、PGV-001(TLR-3アゴニスト)、GRANITE-001、NEO-PV-01などのネオ抗原ペプチドワクチン;PhosphoSynVax(商標)などの熱ショックタンパク質を標的とするペプチドワクチン;Vitespen(HSPPC-96-C)、アルドキソルビシンを含有するNANT結腸直腸がんワクチン、自家腫瘍細胞ワクチン+全身性CpG-B+IFN-アルファ(がん)、IO-120+IO-103(PD-L 1/PD-L2ワクチン)、HB-201、HB-202、HB-301、TheraT(登録商標)ベースのワクチン;ポリICLC(NSC-301463)などのTLR-3アゴニスト/インターフェロン誘導因子;ナパブバカシン(BBI-608)などのSTAT-3阻害剤;CB-5083などのATPase p97阻害剤;Odomzo(登録商標)(ソニデギブ、旧LDE-225)、LEQ506、ビスモデギブ(GDC-0449)、BMS-833923、グラスデギブ(PF-04449913)、LY2940680、及びイトラコナゾールなどのスムーズンド(SMO)受容体阻害剤;インターフェロンアルファ-2b、インターフェロンアルファ-2aバイオシミラー(Biogenomics)、ropegインターフェロンアルファ-2b(AOP-2014、P-1101、PEG IFNアルファ-2b)、マルチフェロン(アルファナチベ、Viragen)、インターフェロンアルファ1b、ロフェロン-A(カンフェロン、Ro-25-3036)、インターフェロンアルファ-2aバイオ後続品(Biosidus)(インムタグ(Inmutag)、Inter 2A)、インターフェロン
アルファ-2bバイオ後続品(Biosidus-ビオフェロン、シトフェロン、ガナパー(Ganapar)、Beijing Kawin Technology-カフェロン)、
アルファフェロン、PEG化インターフェロンアルファ-1b、ペグインターフェロンアルファ-2bバイオ後続品(Amega)、組換えヒトインターフェロンアルファ-1b、組換えヒトインターフェロンアルファ-2a、組換えヒトインターフェロンアルファ-2b、ベルツズマブ-IFNアルファ2b connjyuge-to、Dynavax(SD-101)、及びインターフェロンアルファ-n1(Humoferon、SM-10500、スミフェロン)などのインターフェロンアルファリガンド調節剤;インターフェロンガンマ(OH-6000、Ogamma100)などのインターフェロンガンマリガンド調節剤;テルトモチド(GV-1001、HR-2802、Riavax)及びイメテルスタット(GRN-163、JNJ-63935937)などのテロメラーゼ調節剤;テモゾロミド(CCRG-81045)、デシタビン、グアデシタビン(S-110、SGI-110)、KRX-0402、RX-3117、RRx-001、及びアザシチジン(CC-486)などのDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤;ピキサントロン及びソブゾキサンなどのDNAジャイレース阻害剤;アムルビシンなどのDNAジャイレース阻害剤/トポイシメラーゼII阻害剤;ABT-263、ベネトクラックス(ABT-199)、ABT-737、RG7601、及びAT-101などのBcl-2ファミリータンパク質阻害剤;ノビトクラックスなどのBcl-2/Bcl-XL阻害剤;LY3039478(クレニガアセタット)、タレクスツマブ(抗Notch2/3)、BMS-906024などのNotch阻害剤;PEGPH-20などのヒアルロニダーゼ刺激因子;Herceptin HylectaなどのErbb2チロシンキナーゼ受容体阻害剤/ヒアルロニダーゼ刺激因子;SM-04755、PRI-724、WNT-974などのWnt経路阻害剤;PF-03084014、MK-0752、RO-4929097などのガンマ-セクレターゼ阻害剤;BP1001などのGrb-2(成長因子受容体結合タンパク質-2)阻害剤;ONC201、ABBV-621などのTRAIL経路誘導化合物;SCB-313などのTRAIL調節剤;VS-4718、デファクチニブ、GSK2256098などの接着斑キナーゼ阻害剤;サリデギブ、ソノデギブ(LDE225)、グラスデギブなどのヘッジホッグ阻害剤;アリセルチブ(MLN-8237)、及びAZD-2811、AMG-900、バラセルチブ、ENMD-2076などのオーロラキナーゼ阻害剤;ブリブジン、アパトルセンなどのHSPB1調節剤(熱ショックタンパク質27、HSP27);BAY-937、AZD6738、AZD6783、VX-803、VX-970(ベルゾセルチブ)及びVX-970などのATR阻害剤;AUY922、オナレスピブ(AT13387)、SNX-2112、SNX5422などのHsp90阻害剤;DS-3032b、RG7775、AMG-232、HDM201、及びイダザヌツリン(RG7388)などのマウス二重微小染色体(mdm2)がん遺伝子阻害剤;ウレルマブ、ウトミルマブ(PF-05082566)、AGEN2373、ADG-106、BT-7480、QL1806などのCD137アゴニスト;ADU-S100(MIW-815)、SB-11285、MK-1454、SR-8291、AdVCA0848、GSK-532、SYN-STING、MSA-1、SR-8291、GSK3745417などのSTINGアゴニスト;FGF-401、INCB-054828、BAY-1163877、AZD4547、JNJ-42756493、LY2874455、Debio-1347などのFGFR阻害剤;TVB-2640などの脂肪酸シンターゼ(FASN)阻害剤;A6などのCD44結合剤;LB-100などのタンパク質ホスファテアーゼ2A(PP2A)阻害剤;セビテロンネル(VT-464)、ASN-001、ODM-204、CFG920、酢酸アビラテロンなどのCYP17阻害剤;IRX4204などのRXRアゴニスト;タラデギブ、パチデギブ、ビスモデギブなどのヘッジホッグ/スムーズンド(hh/Smo)アンタゴニスト;Imprime PGGなどの補体C3調節剤;ALT-803、NKTR-255、インターロイキン-15/Fc融合タンパク質、AM-0015、NIZ-985、及びhetIL-15などのIL-15アゴニスト;タゼメトスタット、CPI-1205、GSK-2816126、PF-06821497などのEZH2(zesteホモログ2のエンハンサー)阻害剤;pelareorep、CG-0070、MV-NIS療法、HSV-1716、DS-1647、VCN-01、ONCOS-102、TBI-1401、tasadenoturev(DNX-2401)、vocimagene amiretrorepvec、RP-1、CVA21、Celyvir、LOAd-703、OBP-301、IMLYGIC(登録商標)などの腫瘍溶解性ウイルス;ピノメトスタット(EPZ-5676)などのDOT1L(ヒストンメチルトランスフェラーゼ)阻害剤Cholera毒素、リシン、Pseudomonas外毒素、Bordetella pertussisアデニル酸シクラーゼ毒素、ジフテリア毒素、及びカスパーゼ活性化因子などの毒素;BC-819などのDNAプラスミド;ボラセルチブ(PLK1)などのPLK1、2、及び3のPLK阻害剤;AZD-1775(アダボセルチブ)などのWEE1阻害剤;AT13148、KD025などのRhoキナーゼ(ROCK)阻害剤;ASTX660、debio-1143、ビリナパント、APG-1387、LCL-161などのアポトーシス阻害タンパク質(IAP)阻害剤;ルルビネクテジン(PM-1183)、CX-5461などのRNAポリメラーゼ阻害剤;PM-184、BAL-101553(リサバンブリン)、及びOXI-4503、フルオラパシン(AC-0001)、プリナブリン、ビンフルニンなどのチューブリン阻害剤;G100、GSK1795091、及びPEPA-10などのToll様受容体4(TLR-4)アゴニスト;プリチデプシンなどの伸長因子1アルファ2阻害剤;デニロイキンジフチトクスなどの伸長因子2阻害剤/インターロイキン-2リガンド/NAD ADPリボシルトランスフェラーゼ刺激因子;APG-101、APO-010、アスネルセプトなどのCD95阻害剤;DSP-7888などのWT1阻害剤;H3B-8800などのスプライシング因子3Bサブユニット1(SF3B1)阻害剤;LYC-55716などのレチノイドZ受容体ガンマ(RORγ)アゴニスト;及びSER-401、EDP-1503、MRx-0518などの微生物叢調節剤。
【0234】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、以下の阻害剤又はアンタゴニストを含む1つ以上の追加の治療薬と同時投与される:骨髄系細胞白血病配列1(MCL1)アポトーシス調節因子(NCBI遺伝子ID:4170);マイトジェン活性化プロテインキナーゼ1(MAP4K1)(造血前駆細胞キナーゼ1(HPK1)とも呼ばれる、NCBI遺伝子ID:11184));ジアシルグリセロールキナーゼアルファ(DGKA、DAGK、DAGK1、又はDGK-アルファ;NCBI遺伝子ID:1606);5’-ヌクレオチダーゼエクト(NT5E又はCD73;NCBI遺伝子ID:4907);エクトヌクレオシド三リン酸ジホスホ加水分解酵素1(ENTPD1又はCD39;NCBI遺伝子ID:593);トランスフォーミング成長因子β1(TGFB1又はTGFβ;NCBI遺伝子ID:7040);ヘムオキシゲナーゼ1(HMOX1、HO-1、又はHO1;NCBI遺伝子ID:3162);ヘムオキシゲナーゼ2(HMOX2、HO-2、又はHO2;NCBI遺伝子ID:3163);血管内皮成長因子A(VEGFA又はVEGF;NCBI遺伝子ID:7422);erb-b2受容体チロシンキナーゼ2(ERBB2、HER2、HER2/neu、又はCD340;NCBI遺伝子ID:2064)、上皮成長因子受容体(EGFR、ERBB、ERBB1、又はHER1;NCBI遺伝子ID:1956);ALK受容体チロシンキナーゼ(ALK、CD246;NCBI遺伝子ID:238);ポリ(ADPリボース)ポリメラーゼ1(PARP1;NCBI遺伝子ID:142);ポリ(ADPリボース)ポリメラーゼ2(PARP2;NCBI遺伝子ID:10038);TCDD誘導性ポリ(ADPリボース)ポリメラーゼ(TIPARP、PARP7;NCBI遺伝子ID:25976);サイクリン依存性キナーゼ4(CDK4;NCBI遺伝子ID:1019);サイクリン依存性キナーゼ6(CDK6;NCBI遺伝子ID:1021);TNF受容体スーパーファミリーメンバー14(TNFRSF14、HVEM、CD270;NCBI遺伝子ID:8764);Ig及びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT;NCBI遺伝子ID:201633);X結合アポトーシス阻害剤(XIAP、BIRC4、IAP-3;NCBI遺伝子ID:331);バキュロウイルスIAP反復含有2(BIRC2、cIAP1;NCBI遺伝子ID:329);バキュロウイルスIAPリピート含有3(BIRC3、cIAP2;NCBI遺伝子ID:330);バキュロウイルスIAP反復含有5(BIRC5、生存;NCBI遺伝子ID:332);C-Cモチーフケモカイン受容体2(CCR2、CD192;NCBI遺伝子ID:729230);C-Cモチーフケモカイン受容体5(CCR5、CD195;NCBI遺伝子ID:1234);C-Cモチーフケモカイン受容体8(CCR8、CDw198;NCBI遺伝子ID:1237);C-X-Cモチーフケモカイン受容体2(CXCR2、CD182;NCBI遺伝子ID:3579);C-X-Cモチーフケモカイン受容体3(CXCR3、CD182、CD183;NCBI遺伝子ID:2833);C-X-Cモチーフケモカイン受容体4(CXCR4、CD184;NCBI遺伝子ID:7852);アルギナーゼ(ARG1(NCBI遺伝子ID:383)、ARG2(NCBI遺伝子ID:384))、炭酸脱水酵素(CA1(NCBI遺伝子ID:759)、CA2(NCBI遺伝子ID:760)、CA3(NCBI遺伝子ID:761)、CA4(NCBI遺伝子ID:762)、CA5A(NCBI遺伝子ID:763)、CA5B(NCBI遺伝子ID:11238)、CA6(NCBI遺伝子ID:765)、CA7(NCBI遺伝子ID:766)、CA8(NCBI遺伝子ID:767)、CA9(NCBI遺伝子ID:768)、CA10(NCBI遺伝子ID:56934)、CA11(NCBI遺伝子ID:770)、CA12(NCBI遺伝子ID:771)、CA13(NCBI遺伝子ID:377677)、CA14(NCBI遺伝子ID:23632))、プロスタグランジンエンドペルオキシド合成酵素1(PTGS1、COX-1;NCBI遺伝子ID:5742)、プロスタグランジンエンドペルオキシド合成酵素2(PTGS2、COX-2;NCBI遺伝子ID:5743)、分泌型ホスホリパーゼA2、プロスタグランジンE合成酵素(PTGES、PGES;遺伝子ID:9536)、アラキドン酸5-リポキシゲナーゼ(ALOX5、5-LOX;NCBI遺伝子ID:240)及び/又は可溶性エポキシド加水分解酵素2(EPHX2、SEH;NCBI遺伝子ID:2053);分泌型ホスホリパーゼA2(例えば、PLA2G1B(NCBI遺伝子ID:5319);PLA2G7(NCBI遺伝子ID:7941)、PLA2G3(NCBI遺伝子ID:50487)、PLA2G2A(NCBI遺伝子ID:5320);PLA2G4A(NCBI遺伝子ID:5321);PLA2G12A(NCBI遺伝子ID:81579);PLA2G12B(NCBI遺伝子ID:84647);PLA2G10(NCBI遺伝子ID:8399);PLA2G5(NCBI遺伝子ID:5322);PLA2G2D(NCBI遺伝子ID:26279);PLA2G15(NCBI遺伝子ID:23659));インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ1(IDO1;NCBI遺伝子ID:3620);インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ2(IDO2;NCBI遺伝子ID:169355);低酸素誘導因子1サブユニットα(HIF1A;NCBI遺伝子ID:3091);アンジオポエチン1(ANGPT1;NCBI遺伝子ID:284);内皮TEKチロシンキナーゼ(TIE-2、TEK、CD202B;NCBI遺伝子ID:7010);ヤヌスキナーゼ1(JAK1;NCBI遺伝子ID:3716);カテニンβ1(CTNNB1;NCBI遺伝子ID:1499);ヒストンデアセチラーゼ9(HDAC9;NCBI遺伝子ID:9734)、及び/又は5’-3’エキソリボヌクレアーゼ1(XRN1;NCBI遺伝子ID:54464)。
【0235】
様々な実施形態では、本明細書に記載の抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、fms関連受容体チロシンキナーゼ3(FLT3);FLK2;STK1;CD135;FLK-2;NCBI遺伝子ID:2322)のアゴニストと組み合わされる。FLT3アゴニストの例としては、CDX-301及びGS-3583が挙げられるが、これらに限定されない。
【0236】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗CD19剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗CD19剤又は抗体の例としては、MOR 00208、XmAb5574(Xencor)、AFM-11、イネビリズマブ、MEDI 551(Cellective Therapeutics);MDX-1342(Medarexand)、及びブリナツモマブ(Amgen)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0237】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗CD20剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗CD20剤又は抗体の例としては、IGN-002、PF-05280586;リツキシマブ(Rituxan/Biogen Idec)、オファツムマブ(Arzerra/Genmab)、オビヌツズマブ(Gazyva/Roche Glycart Biotech)、アレムツズマブ、ベルツズマブ、IMMU-106(Immunomedics)、オクレリズマブ(Ocrevus/Biogen Idec;Genentech)、オカラツズマブ、LY2469298(Applied Molecular Evolution)、及びウブリツキシマブ、LFB-R603(LFB Biotech;rEVO Biologics)、IGN-002、PF-05280586が挙げられるが、これらに限定されない。
【0238】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗CD22剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗CD22剤又は抗体の例としては、エプラツズマブ、AMG-412、IMMU-103(Immunomedics)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0239】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗CD30剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗CD30剤又は抗体の例としては、ブレンツキシマブベドチン(Seattle Genetics)が挙げられるが、これに限定されない。
【0240】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗CD33剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗CD33剤又は抗体の例としては、CIK-CAR.CD33;CD33CART、AMG-330(CD33/CD3)、AMG-673(CD33/CD3)、及びGEM-333(CD3/CD33)、並びにIMGN-779が挙げられるが、これらに限定されない。
【0241】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗CD37剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗CD37剤又は抗体の例としては、BI836826(Boehringer Ingelheim)、オトレルツズマブ、及びTRU-016(Trubion Pharmaceuticals)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0242】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗CD38剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る例示的な抗CD38剤又は抗体としては、T-007,UCART-38などのCD38;Darzalex(Genmab)、ダラツムマブ、JNJ-54767414(Darzalex/Genmab)、イサツキシマブ、SAR650984(ImmunoGen)、MOR202、MOR03087(MorphoSys)、TAK-079;及びTAK573などの抗CD38-attenukineが挙げられるが、これらに限定されない。
【0243】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗CD52剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗CD52剤又は抗体の例としては、アレムツズマブ(Campath/University of Cambridge)などの抗CD52抗体が挙げられるが、これに限定されない。
【0244】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗CD98(4F2、FRP-1)剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗CD98剤又は抗体の例としては、IGN523(Igenica)が挙げられるが、これに限定されない。
【0245】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗CD157(BST-1)剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗CD157剤又は抗体の例としては、OBT357、MEN1112(Menarini;Oxford BioTherapeutics)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0246】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗DKK-1剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗DKK-1剤又は抗体の例としては、BHQ880(MorphoSys;Novartis)及びDKN-01、LY-2812176(Eli Lilly)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0247】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗GRP78(BiP)剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗GRP78剤又は抗体の例としては、PAT-SM6(OncoMab GmbH)が挙げられるが、これに限定されない。
【0248】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗NOTCH1剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗NOTCH1剤又は抗体の例としては、ブロンチクツズマブ、OMP-52M51(OncoMed Pharmaceuticals)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0249】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗ROR1剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗ROR1剤又は抗体の例としては、マパツムマブ、TRM1、及びHGS-1012(Cambridge Antibody Technology)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0250】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗SLAMF7(CS1、CD319)剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗SLAMF7剤又は抗体の例としては、エロツズマブ、HuLuc63、BMS-901608(Empliciti/PDL BioPharma)、モガムリズマブ(KW-0761)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0251】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗TNFRSF10A剤(DR4;APO2;CD261;TRAILR1;TRAILR-1)剤又は抗体が挙げられるが、これらに限定されない。同時投与され得る抗TNFRSF10A剤又は抗体の例としては、マパツムマブ、TRM1、及びHGS-1012(Cambridge Antibody Technology)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0252】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗トランスフェリン受容体(TFRC;CD71)剤又は抗体が挙げられるが、これらに限定されない。同時投与され得る抗トランスフェリン受容体剤又は抗体の例としては、E2.3/A27.15(University of Arizona)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0253】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗EPHA3剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗EPHA3剤又は抗体の例としては、イファボツズマブ、KB004(Ludwig Institute for Cancer Research)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0254】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗CCR4剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗CCR4剤又は抗体の例としては、モガムリズマブ、KW-0761(Poteligeo/Kyowa Hakko Kirin Co.)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0255】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗CXCR4剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗CXCR4剤又は抗体の例としては、ウロクプルマブ、BMS-936564、MDX-1338(Medarex)、及びPF-06747143(Pfizer)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0256】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗BAFF剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗BAFF剤又は抗体の例としては、タバルマブ、LY2127399(Eli Lilly)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0257】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗BAFF受容体(BAFF-R)薬剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗BAFF-R剤又は抗体の例としては、VAY736(MorphoSys;Novartis)が挙げられるが、これに限定されない。
【0258】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗RANKL剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗RANKL剤又は抗体の例としては、デノスマブ、AMG-162(Prolia;Ranmark;Xgeva/Amgen)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0259】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗IL-6剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗IL-6剤又は抗体の例としては、シルツキシマブ、CNTO-328(Sylvant/Centocor)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0260】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗IL-6受容体(IL-6R)剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗IL-6R剤又は抗体の例としては、トシリズマブ、R-1569(Actemra/Chugai Pharmaceutical;Osaka University)又はAS-101(CB-06-02、IVX-Q-101)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0261】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗IL3RA(CD123)剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗IL3RA(CD123)剤又は抗体の例としては、CSL360(CSL)、タラコツズマブ、JNJ-56022473、CSL362(CSL);XmAb14045(Xencor);KHK2823(Kyowa Hakko Kirin Co.);APVO436(CD123/CD3);フロテツズマブ(CD123/CD3);JNJ-63709178(CD123、CD3);及びXmAb-14045(CD123/CD3)(Xencor)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0262】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗IL2RA(CD25)剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗IL2RA剤又は抗体の例としては、バシリキシマブ、SDZ-CHI-621(Simulect/Novartis)、及びダクリズマブが挙げられるが、これらに限定されない。
【0263】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗IGF-1R(CD221)剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗IGF-1R剤又は抗体の例としては、ガニツマブ、AMG-479(Amgen);ガニツマブ、AMG-479(Amgen)、ダロツズマブ、MK-0646(Pierre Fabre)、及びAVE1642(ImmunoGen)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0264】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗GM-CSF(CSF2)剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗GM-CSF剤又は抗体の例としては、レンジルマブ(Lenzilumab)、KB003(KaloBios
Pharmaceuticals)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0265】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗HGF剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗HGF剤又は抗体の例としては、フィクラツズマブ、AV-299(AVEO Pharmaceuticals)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0266】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗CD44剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗CD44剤又は抗体の例としては、RG7356、RO5429083(Chugai Biopharmaceuticals;Roche)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0267】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗VLA-4(CD49d)剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗VLA-4剤又は抗体の例としては、ナタリズマブ、BG-0002-E(Tysabri/Elan
Corporation)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0268】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗ICAM-1(CD54)剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗ICAM-1剤又は抗体の例としては、BI-505(BioInvent International)が挙げられるが、これに限定されない。
【0269】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗VEGF-A剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗VEGF-A剤又は抗体の例としては、ベバシズマブ(Avastin/Genentech;Hackensack University Medical Center)が挙げられるが、これに限定されない。
【0270】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗エンドシアリン(CD248、TEM1)剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗エンドシアリン剤又は抗体の例としては、オンテシズマブ、MORAB-004(Ludwig Institute for Cancer Research;Morphotek)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0271】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗CD79剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗CD79剤又は抗体の例としては、ポラツズマブ、DCDS4501A、RG7596(Genentech)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0272】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(IDH)剤又は抗体と組み合わされる。同時投与され得る抗IDH剤又は抗体の例としては、IDH1阻害剤イボシデニブ(Tibsovo;Agios)及びIDH 2阻害剤のエナシデニブ(Idhifa;Celgene/Agios)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0273】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、サシツズマブなどの腫瘍関連カルシウムシグナルトランスデューサー2(TACSTD2)(NCBI遺伝子ID:4070;EGP-1、EGP1、GA733-1、GA7331、GP50、M1S1、TROP2)を標的とする抗体と組み合わされる。
【0274】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、TTX-080などの抗主要組織適合遺伝子複合体クラスI、G(HLA-G;NCBI遺伝子ID:3135)抗体と組み合わされる。
【0275】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、JTX-8064又はMK-4830などの抗白血球免疫グロブリン様受容体B 2(LILRB2、別名CD85D、ILT4;NCBI遺伝子ID:10288)抗体と組み合わされる。
TNF受容体スーパーファミリー(TNFRSF)メンバーのアゴニスト又は活性化因子
【0276】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、1つ以上のTNF受容体スーパーファミリー(TNFRSF)メンバー、例えば、TNFRSF1A(NCBI遺伝子ID:7132)、TNFRSF1B(NCBI遺伝子ID:7133)、TNFRSF4(OX40、CD134;NCBI遺伝子ID:7293)、TNFRSF5(CD40;NCBI遺伝子ID:958)、TNFRSF6(FAS、NCBI遺伝子ID:355)、TNFRSF7(CD27、NCBI遺伝子ID:939)、TNFRSF8(CD30、NCBI遺伝子ID:943)、TNFRSF9(4-1BB、CD137、NCBI遺伝子ID:3604)、TNFRSF10A(CD261、DR4、TRAILR1、NCBI遺伝子ID:8797)、TNFRSF10B(CD262、DR5、TRAILR2、NCBI遺伝子ID:8795)、TNFRSF10C(CD263、TRAILR3、NCBI遺伝子ID:8794)、TNFRSF10D(CD264、TRAILR4、NCBI遺伝子ID:8793)、TNFRSF11A(CD265、RANK、NCBI遺伝子ID:8792)、TNFRSF11B(NCBI遺伝子ID:4982)、TNFRSF12A(CD266、NCBI遺伝子ID:51330)、TNFRSF13B(CD267、NCBI遺伝子ID:23495)、TNFRSF13C(CD268、NCBI遺伝子ID:115650)、TNFRSF16(NGFR、CD271、NCBI遺伝子ID:4804)、TNFRSF17(BCMA、CD269、NCBI遺伝子ID:608)、TNFRSF18(GITR、CD357、NCBI遺伝子ID:8784)、TNFRSF19(NCBI遺伝子ID:55504)、TNFRSF21(CD358、DR6、NCBI遺伝子ID:27242)、及びTNFRSF25(DR3、NCBI遺伝子ID:8718)のうちの、1つ以上のアゴニストと組み合わされる。
【0277】
同時投与され得る例示的な抗TNFRSF4(OX40)抗体としては、MEDI6469、MEDI6383、MEDI0562(タボリキシズマブ)、MOXR0916、PF-04518600、RG-7888、GSK-3174998、INCAGN1949、BMS-986178、GBR-8383、ABBV-368、並びに国際公開第2016/179517号、国際公開第2017/096179号、国際公開第2017/096182号、国際公開第2017/096281号、及び国際公開第2018/089628号(それらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載のものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0278】
同時投与され得る例示的な抗TNF受容体スーパーファミリーメンバー10b(TNFRSF10B、DR5、TRAILR 2)抗体としては、DS-8273、CTB-006、INBRX-109、及びGEN-1029などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0279】
同時投与され得る抗TNFRSF5(CD40)抗体としては、セリクレルマブ(RO7009789)、ミタザリマブ(mitazalimab)(別名バナリマブ、ADC-1013
、JNJ-64457107)、RG7876、SEA-CD40、APX-005M、及びABBV-428、ABBV-927、並びにJNJ-64457107が挙げられるが、これらに限定されない。
【0280】
同時投与され得る抗TNFRSF7(CD27)の例としては、バルリルマブ(CDX-1127)が挙げられるが、これに限定されない。
【0281】
同時投与され得る抗TNFRSF9(4-1BB、CD137)抗体の例としては、ウレルマブ、ウトミルマブ(PF-05082566)、AGEN2373、及びADG-106、BT-7480、並びにQL1806が挙げられるが、これらに限定されない。
【0282】
同時投与され得る抗TNFRSF17(BCMA)の例としては、GSK-2857916が挙げられるが、これに限定されない。
【0283】
同時投与され得る抗TNFRSF18(GITR)抗体の例としては、MEDI1873、FPA-154、INCAGN-1876、TRX-518、BMS-986156、MK-1248、GWN-323、並びに国際公開第2017/096179号、国際公開第2017/096276号、国際公開第2017/096189号、及び国際公開第2018/089628号に記載のものが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、抗体又はその断片、共標的化TNFRSF4(OX40)及びTNFRSF18(GITR)は、同時投与される。そのような抗体は、例えば、国際公開第2017/096179号及び国際公開第2018/089628号に記載されており、それらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0284】
同時投与され得る例示的な抗TRAILR1、抗TRAILR2、抗TRAILR3、抗TRAILR4抗体としては、ABBV-621が挙げられるが、これらに限定されない。
【0285】
同時投与され得るTNFRSFファミリーメンバーを標的とする二重特異性抗体の例としては、PRS-343(CD-137/HER2)、AFM26(BCMA/CD16A)、AFM-13(CD16/CD30)、REGN-1979(CD20/CD3)、AMG-420(BCMA/CD3)、INHIBRX-105(4-1BB/PDL1)、FAP-4-IBBL(4-1BB/FAP)、XmAb-13676(CD3/CD20)、RG-7828(CD20/CD3)、CC-93269(CD3/BCMA)、REGN-5458(CD3/BCMA)、及びIMM-0306(CD47/CD20)、並びにAMG-424(CD38.CD3)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0286】
同時投与され得るPVR関連免疫グロブリンドメイン含有(PVRIG、CD112R)の阻害剤の例としては、COM-701が挙げられるが、これに限定されない。
【0287】
同時投与され得るIg及びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT;NCBI遺伝子ID:201633)の阻害剤の例としては、BMS-986207、RG-6058、AGEN-1307、及びCOM-902、エチギリマブ、チラゴルマブ(別名MTIG-7192A;RG-6058;RO 7092284)、AGEN1777、IBI-939、AB154、MG1131、及びEOS884448(EOS-448)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0288】
同時投与され得るA型肝炎ウイルス細胞受容体2(HAVCR2、TIMD3、TIM-3)の阻害剤の例としては、TSR-022、LY-3321367、MBG-453、INCAGN-2390、RO-7121661(PD-1/TIM-3)、LY-3415244(TIM-3/PDL1)、及びRG7769(PD-1/TIM-3)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0289】
同時投与され得るリンパ球活性化3(LAG-3、CD223)の阻害剤の例としては、レラトリマブ(ONO-4482)、LAG-525、MK-4280、REGN-3767、INCAGN2385、TSR-033、MGD-013(PD-1/LAG-3)、及びFS-118(LAG-3/PD-L1)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0290】
抗キラー細胞免疫グロブリン様受容体、3つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端1(KIR3DL1;KIR;NCBI遺伝子ID:3811)モノクローナル抗体の例は、リリルマブ(IPH-2102)、IPH-4102など。
【0291】
同時投与され得る抗NKG2a抗体の例としては、モナリズマブが挙げられるが、これに限定されない。
【0292】
同時投与され得る抗Vセット免疫調節受容体(VSIR、B7H5、VISTA)抗体の例としては、HMBD-002及びCA-170(PD-L1/VISTA)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0293】
同時投与され得る抗CD70抗体の例としては、AMG-172が挙げられるが、これに限定されない。
【0294】
同時投与され得る抗ICOS抗体の例としては、JTX-2011、GSK3359609が挙げられるが、これらに限定されない。
【0295】
同時投与され得るICOSアゴニストの例としては、ICOS-L.COMP(Gariepy,J.et al.106th Annu Meet Am Assoc Immunologists(AAI)(May 9-13,San Diego)2019,Abst 71.5)が挙げられるが、これに限定されない。
免疫チェックポイント阻害剤
【0296】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤と組み合わされる。いくつかの実施形態では、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤は、PD-L1(CD274)、PD-1(PDCD1)、又はCTLA4のタンパク質性(例えば、抗体若しくはその断片、又は抗体ミメティック)阻害剤である。いくつかの実施形態では、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤は、PD-L1(CD274)、PD-1(PDCD1)、又はCTLA4の小有機分子阻害剤を含む。
【0297】
同時投与され得るCTLA4の阻害剤の例としては、イピリムマブ、トレメリムマブ、BMS-986218、AGEN1181、AGEN1884、BMS-986249、MK-1308、REGN-4659、ADU-1604、CS-1002、BCD-145、APL-509、JS-007、BA-3071、ONC-392、AGEN-2041、JHL-1155、KN-044、CG-0161、ATOR-1144、PBI-5D3H5、BPI-002、HBM-4003、並びに多重特異性阻害剤FPT-155(CTLA4/PD-L1/CD28)、PF-06936308(PD-1/CTLA4)、MGD-019(PD-1/CTLA4)、KN-046(PD-1/CTLA4)、MEDI-5752(CTLA4/PD-1)、XmAb-20717(PD-1/CTLA4)、及びAK-104(CTLA4/PD-1)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0298】
同時投与され得るPD-L1(CD274)又はPD-1(PDCD1)の阻害剤/抗体の例としては、ペンブロリズマブ、ニボルマブ、セミプリマブ、ピジリズマブ、AMG-404、AMP-224、MEDI0680(AMP-514)、スプルアリズマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、BMS-936559、CK-301、PF-06801591、BGB-A317(ティスレリズマブ)、GEN-1046(PD-L1/4-1BB)、GLS-010(WBP-3055)、AK-103(HX-008)、AK-105、CS-1003、HLX-10、MGA-012、BI-754091、AGEN-2034、JS-001(トリパリマブ)、JNJ-63723283、ゲノリズマブ(CBT-501)、LZM-009、BCD-100、LY-3300054、SHR-1201、SHR-1210(カムレリズマブ)、Sym-021、ABBV-181、PD1-PIK、BAT-1306(MSB0010718C)、CX-072、CBT-502、TSR-042(ドスタリマブ)、MSB-2311、JTX-4014、BGB-A333、SHR-1316、CS-1001(WBP-3155、KN-035、IBI-308(シンチリマブ)、HLX-20、KL-A167、STI-A1014、STI-A1015(IMC-001)、BCD-135、FAZ-053、TQB-2450、MDX1105-01、GS-4224、GS-4416、INCB086550、MAX10181、並びに多重特異性阻害剤FPT-155(CTLA4/PD-L1/CD28)、PF-06936308(PD-1/CTLA4)、MGD-013(PD-1/LAG-3)、RO-7247669(PD-1/LAG-3)、FS-118(LAG-3/PD-L1)、MGD-019(PD-1/CTLA4)、KN-046(PD-1/CTLA4)、MEDI-5752(CTLA4/PD-1)、RO-7121661(PD-1/TIM-3)、XmAb-20717(PD-1/CTLA4)、AK-104(CTLA4/PD-1)、M7824(PD-L1/TGFβ-ECドメイン)、CA-170(PD-L1/VISTA)、CDX-527(CD27/PD-L1)、LY-3415244(TIM-3/PDL1)、RG7769(PD-1/TIM-3)、及びINBRX-105(4-1BB/PDL1)、GNS-1480(PD-L1/EGFR)、RG-7446(Tecentriq、アテゾリズマブ)、ABBV-181、ニボルマブ(OPDIVO(登録商標)、BMS-936558、MDX-1106)、ペムブロリズマブ(KEYTRUDA(登録商標)、MK-3477、SCH-900475、ラムブロリズマブ、CAS登録番号1374853-91-4)、ピリジリズマブ、PF-06801591、BGB-A317(ティスレリズマブ)、GLS-010(WBP-3055)、AK-103(HX-008)、CS-1003、HLX-10、MGA-012、BI-754091、REGN-2810(セミプリマブ)、AGEN-2034、JS-001(トリパリマブ)、JNJ-63723283、ゲノリズマブ(CBT-501)、LZM-009、BCD-100、LY-3300054、SHR-1201、SHR-1210(カムレリズマブ)、Sym-021、ABBV-181、AK-105、PD1-PIK、BAT-1306、BMS-936559、アテゾリズマブ(MPDL3280A)、デュルバルマブ(MEDI-4736)、アベルマブ、CK-301(MSB0010718C)、MEDI-0680、CX-072、CBT-502、PDR-001(スパルタリズマブ)、PDR001+Tafinlar(登録商標)+Mekinist(登録商標)、MSB-2311、JTX-4014、BGB-A333、SHR-1316、CS-1001(WBP-3155、KN-035、IBI-308(シンチリマブ)、HLX-20、KL-A167、STI-A1014、STI-A1015(IMC-001)、BCD-135、FAZ-053、TQB-2450、及びMDX1105-01、並びに例えば、国際公開第2018/195321号、国際公開第2020/014643号、国際公開2019/160882号、及び国際公開2018/195321号に記載のものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0299】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤は、MCL1アポトーシス調節因子、BCL2ファミリーメンバー(MCL1、TM;EAT;MCL1L;MCL1S;Mcl-1;BCL2L3;MCL1-ES;bcl2-L-3;mcl1/EAT;NCBI遺伝子ID:4170)の阻害剤と組み合わされる。MCL1阻害剤の例としては、AMG-176、AMG-397、S-64315、及びAZD-5991、483-LM、A-1210477、UMI-77、JKY-5-037、並びに国際公開第2018/183418号、国際公開第2016/033486号、国際公開第2017/147410号に記載されたものが挙げられる。
Toll様受容体(TLR)アゴニスト
【0300】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、toll様受容体(TLR)のアゴニスト、例えば、TLR1(NCBI遺伝子ID:7096)、TLR2(NCBI遺伝子ID:7097)、TLR3(NCBI遺伝子ID:7098)、TLR4(NCBI遺伝子ID:7099)、TLR5(NCBI遺伝子ID:7100)、TLR6(NCBI遺伝子ID:10333)、TLR7(NCBI遺伝子ID:51284)、TLR8(NCBI遺伝子ID:51311)、TLR9(NCBI遺伝子ID:54106)、及び/又はTLR10(NCBI遺伝子ID:81793)のアゴニストと組み合わされる。同時投与され得る例示的なTLR7アゴニストとしては、DS-0509、GS-9620、LHC-165、TMX-101(イミキモド)、GSK-2245035、レシキモド、DSR-6434、DSP-3025、IMO-4200、MCT-465、MEDI-9197、3M-051、SB-9922、3M-052、Limtop、TMX-30X、TMX-202、RG-7863、RG-7795、並びに米国特許出願公開第2010/0143301号(Gilead Sciences)、米国特許出願公開第2011/0098248号(Gilead Sciences)、及び米国特許出願公開第2009/0047249号(Gilead
Sciences)、米国特許出願公開第2014/0045849号(Janssen)、米国特許出願公開第2014/0073642号(Janssen)、国際公開第2014/056953号(Janssen)、国際公開第2014/076221号(Janssen)、国際公開第2014/128189号(Janssen)、米国特許出願公開第2014/0350031号(Janssen)、国際公開第2014/023813号(Janssen)、米国特許出願公開第2008/0234251号(Array Biopharma)、米国特許出願公開第2008/0306050号(Array Biopharma)、米国特許出願公開第2010/0029585号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2011/0092485号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2011/0118235号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2012/0082658号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2012/0219615号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2014/0066432号(Ventirx
Pharma)、米国特許出願公開第2014/0088085号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2014/0275167号(Novira Therapeutics)、及び米国特許出願公開第2013/0251673号(Novira Therapeutics)に開示される化合物が挙げられるが、これらに限定されない。同時投与され得るTLR7/TLR8アゴニストは、NKTR-262である。同時投与され得るTLR8アゴニストの例としては、E-6887、IMO-4200、IMO-8400、IMO-9200、MCT-465、MEDI-9197、モトリモド、レシキモド、GS-9688、VTX-1463、VTX-763、3M-051、3M-052、並びに米国特許出願公開第2014/0045849号(Janssen)、米国特許出願公開第2014/0073642号(Janssen)、国際公開第2014/056953号(Janssen)、国際公開第2014/076221号(Janssen)、国際公開第2014/128189号(Janssen)、米国特許出願公開第2014/0350031号(Janssen)、国際公開第2014/023813号(Janssen)、米国特許出願公開第2008/0234251号(Array Biopharma)、米国特許出願公開第2008/0306050号(Array Biopharma)、米国特許出願公開第2010/0029585号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2011/0092485号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2011/0118235号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2012/0082658号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2012/0219615号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2014/0066432号(Ventirx
Pharma)、米国特許出願公開第2014/0088085号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2014/0275167号(Novira Therapeutics)、及び米国特許出願公開第2013/0251673号(Novira Therapeutics)に開示される化合物が挙げられるが、これらに限定されない。同時投与され得る例示的なTLR9アゴニストとしては、AST-008、CMP-001、IMO-2055、IMO-2125、リテニモド、MGN-1601、BB-001、BB-006、IMO-3100、IMO-8400、IR-103、IMO-9200、アガトリモド、DIMS-9054、DV-1079、DV-1179、AZD-1419、レフトリモド(leftolimod)(MGN-1703)、CYT-003、CYT-003-QbG10、及びPUL-042が挙げられるが、これらに限定されない。TLR3アゴニストの例としては、リンタトリモド、ポリ-ICLC、RIBOXXON(登録商標)、Apoxxim、RIBOXXIM(登録商標)、IPH-33、MCT-465、MCT-475、及びND-1.1が挙げられる。
【0301】
TLR8阻害剤の例としては、E-6887、IMO-8400、IMO-9200、及びVTX-763が挙げられるが、これらに限定されない。
【0302】
TLR8アゴニストの例としては、MCT-465、モトリモド、GS-9688、及びVTX-1463が挙げられるが、これらに限定されない。
【0303】
TLR9阻害剤の例としては、AST-008、IMO-2055、IMO-2125、レフィトリモド、リテニモド、MGN-1601、及びPUL-042が挙げられるが、これらに限定されない。
【0304】
NKTR-262、IMO-4200、MEDI-9197(テルラトリモド)、レシキモドなどのTLR7/TLR8アゴニストの例;
【0305】
TLRアゴニストの例としては、レフィトリモド、チルソトリモド、リンタトリモド、DSP-0509、AL-034、G-100、コビトリモド、AST-008、モトリモド、GSK-1795091、GSK-2245035、VTX-1463、GS-9688、LHC-165、BDB-001、RG-7854、テルラトリモドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0306】
いくつかの実施形態では、治療薬は、インターフェロン遺伝子の刺激因子(STING)である。いくつかの実施形態では、STING受容体アゴニスト又は活性化因子は、ADU-S100(MIW-815)、SB-11285、MK-1454、SR-8291、AdVCA0848、GSK-532、SYN-STING、MSA-1、SR-8291、5,6-ジメチルキサンテノン-4-酢酸(DMXAA)、サイクリックGAMP(cGAMP)、及びサイクリック-ジ-AMPからなる群から選択される。
TCRシグナル伝達調節剤
【0307】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、T細胞受容体(TCR)シグナル伝達調節剤の1つ以上のアゴニスト又はアンタゴニストと組み合わされる。TCRを介したT細胞の活性化は、胸腺細胞発生及びエフェクターT細胞機能に不可欠である。TCR活性化は、サイトカイン産生、細胞生存、増殖、及び分化を調節することによって細胞運命を最終的に決定するシグナル伝達カスケードを促進する。TCRシグナル伝達調節剤の例としては、CD2(表面抗原分類2、LFA-2、T11、LFA-3受容体)、CD3(表面抗原分類3)、CD4(表面抗原分類4)、CD8(表面抗原分類8)、CD28(表面抗原分類28)、CD45(PTPRC、B220、GP180)、LAT(T細胞の活性かのためのリンカー、LAT1)、Lck、LFA-1(ITGB2、CD18、LAD、LCAMB)、Src、Zap-70、SLP-76、DGKアルファ、CBL-b、CISH、HPK1が挙げられるが、これらに限定されない。同時投与され得る表面抗原分類3(CD3)のアゴニストの例としては、MGD015が挙げられるが、これに限定されない。
【0308】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、阻害性免疫チェックポイントタンパク質若しくは受容体の1つ以上の遮断剤若しくは阻害剤、及び/又は1つ以上の刺激性免疫チェックポイントタンパク質若しくは受容体の1つ以上の刺激因子、活性化因子、又はアゴニストと組み合わされる。阻害性免疫チェックポイントの遮断又は阻害は、T細胞又はNK細胞活性化を積極的に調節し、腫瘍環境内のがん細胞の免疫逃避を防止することができる。刺激性免疫チェックポイントの活性化又は刺激は、がん治療における免疫チェックポイント阻害剤の効果を増強することができる。様々な実施形態では、免疫チェックポイントタンパク質又は受容体は、T細胞応答を調節する(例えば、Xu,et al.J Exp Clin Cancer Res.(2018)37:110)。様々な実施形態では、免疫チェックポイントタンパク質又は受容体は、NK細胞応答を調節する(例えば、Davis,et al.Semin Immunol.(2017)31:64-75、及びChiossone,et al.Nat Rev Immunol.(2018)18(11):671-688に概説されている)。
【0309】
免疫チェックポイントタンパク質又は受容体の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:CD27、CD70;CD40、CD40LG;CD47、CD48(SLAMF2)、膜貫通ドメイン及び免疫グロブリンドメイン含有2(TMIGD2、CD28H)、CD84(LY9B、SLAMF5)、CD96、CD160、MS4A1(CD20)、CD244(SLAMF4);CD276(B7H3);Vセットドメイン含有T細胞活性化阻害剤1(VTCN1、B7H4);Vセット免疫調節性受容体(VSIR、B7H5、VISTA);免疫グロブリンスーパーファミリーメンバー11(IGSF11、VSIG3);ナチュラルキラー細胞傷害性受容体3リガンド1(NCR3LG1、B7H6);HERV-H LTR関連2(HHLA2、B7H7);誘導性T細胞共刺激分子(ICOS、CD278);誘導性T細胞共刺激分子リガンド(ICOSLG、B7H2);TNF受容体スーパーファミリーメンバー4(TNFRSF4、OX40);TNFスーパーファミリーメンバー4(TNFSF4、OX40L);TNFRSF8(CD30)、TNFSF8(CD30L);TNFRSF10A(CD261、DR4、TRAILR1)、TNFRSF9(CD137)、TNFSF9(CD137L);TNFRSF10B(CD262、DR5、TRAILR2)、TNFRSF10(TRAIL);TNFRSF14(HVEM、CD270)、TNFSF14(HVEML);CD272(B及びTリンパ球関連(BTLA));TNFRSF17(BCMA、CD269)、TNFSF13B(BAFF);TNFRSF18(GITR)、TNFSF18(GITRL);MHCクラスIポリペプチド関連配列A(MICA);MHCクラスIポリペプチド関連配列B(MICB);CD274(PDL1、PD-L1);プログラム細胞死1(PDCD1、PD-1、PD-1);細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4、CD152);CD80(B7-1)、CD28;ネクチン細胞接着分子2(NECTIN2、CD112);CD226(DNAM-1);ポリオウイルス受容体(PVR)細胞接着分子(PVR、CD155);Ig及びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT);T細胞免疫グロブリン及びムチンドメイン含有4(TIMD4;TIM4);A型肝炎ウイルス細胞受容体2(HAVCR2、TIMD3、TIM-3);ガレクチン9(LGALS9);リンパ球活性化3(LAG-3、CD223);シグナル伝達リンパ球活性化分子ファミリーメンバー1(SLAMF1、SLAM、CD150);リンパ球抗原9(LY9、CD229、SLAMF3);SLAMファミリーメンバー6(SLAMF6、CD352;SLAMファミリーメンバー7(SLAMF7、CD319);UL16結合タンパク質1(ULBP1);UL16結合タンパク質2(ULBP2);UL16結合タンパク質3(ULBP3);レチノイン酸初期転写物1E(RAET1E;ULBP4);レチノイン酸初期転写物1G(RAET1G;ULBP5);レチノイン酸初期転写物1L(RAET1L;ULBP6);リンパ球活性化3(CD223);キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR);キラー細胞レクチン様受容体C1(KLRC1、NKG2A、CD159A);キラー細胞レクチン様受容体K1(KLRK1、NKG2D、CD314);キラー細胞レクチン様受容体C2(KLRC2、CD159c、NKG2C);キラー細胞レクチン様受容体C3(KLRC3、NKG2E);キラー細胞レクチン様受容体C4(KLRC4、NKG2F);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端1(KIR2DL1);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端2(KIR2DL2);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端3(KIR2DL3);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、3つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端1(KIR3DL1);キラー細胞レクチン様受容体D1(KLRD1)。
【0310】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、1つ以上のT細胞阻害性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体の1つ以上の遮断剤又は阻害剤と組み合わされる。例示的なT細胞阻害性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:CD274(PDL1、PD-L1);プログラム細胞死1リガンド2(PDCD1LG2、PD-L2、CD273);プログラム細胞死1(PDCD1、PD1、PD-1);細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4、CD152);CD276(B7H3);Vセットドメイン含有T細胞活性化阻害剤1(VTCN1、B7H4);Vセット免疫調節性受容体(VSIR、B7H5、VISTA);免疫グロブリンスーパーファミリーメンバー11(IGSF11、VSIG3);TNFRSF14(HVEM、CD270)、TNFSF14(HVEML);CD272(B及びTリンパ球関連(BTLA));PVR関連免疫グロブリンドメイン含有(PVRIG、CD112R);Ig及びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT);リンパ球活性化3(LAG-3、CD223);A型肝炎ウイルス細胞受容体2(HAVCR2、TIMD3、TIM-3);ガレクチン9(LGALS9);キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端1(KIR2DL1);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端2(KIR2DL2);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端3(KIR2DL3);並びに、キラー細胞免疫グロブリン様受容体、3つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端1(KIR3DL1)。様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、1つ以上のT細胞刺激性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体の1つ以上のアゴニスト又は活性化因子と組み合わされる。例示的なT細胞刺激性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体としては、以下が挙げられるまれるが、これらに限定されない:CD27、CD70;CD40、CD40LG;誘導性T細胞共刺激分子(ICOS、CD278);誘導性T細胞共刺激分子リガンド(ICOSLG、B7H2);TNF受容体スーパーファミリーメンバー4(TNFRSF4、OX40);TNFスーパーファミリーメンバー4(TNFSF4、OX40L);TNFRSF9(CD137)、TNFSF9(CD137L);TNFRSF18(GITR)、TNFSF18(GITRL);CD80(B7-1)、CD28;ネクチン細胞接着分子2(NECTIN2、CD112);CD226(DNAM-1);CD244(2B4、SLAMF4)、ポリオウイルス受容体(PVR)細胞接着分子(PVR、CD155)。例えば、Xu et al.J Exp Clin Cancer Res.(2018)37:110を参照されたい。
【0311】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、1つ以上のNK細胞阻害性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体の1つ以上の遮断剤又は阻害剤と組み合わされる。例示的なNK細胞阻害性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:キラー細胞免疫グロブリン様受容体、3つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端1(KIR、CD158E1);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端1(KIR2DL1);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端2(KIR2DL2);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端3(KIR2DL3);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、3つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端1(KIR3DL1);キラー細胞レクチン様受容体C1(KLRC1、NKG2A、CD159A);及びキラー細胞レクチン様受容体D1(KLRD1、CD94)。
【0312】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、1つ以上のNK細胞刺激性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体の1つ以上のアゴニスト又は活性化因子と組み合わされる。例示的なNK細胞刺激性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:CD16、CD226(DNAM-1);CD244(2B4、SLAMF4);キラー細胞レクチン様受容体K1(KLRK1、NKG2D、CD314);SLAMファミリーメンバー7(SLAMF7)。例えば、Davis et al.Semin Immunol.(2017)31:64-75;Fang et al.Semin Immunol.(2017)31:37-54、及びChiossone,et al.Nat Rev Immunol.(2018)18(11):671-688を参照されたい。
アデノシン生成及びシグナル伝達
【0313】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、A1R、A2AR、A2BR、A3R、CD73、CD39、CD26のアゴニスト又はアンタゴニスト;例えば、ナモデノソン(CF102)などのアデノシンA3受容体(A3R)アゴニスト;AB928などのA2aR/A2bRアンタゴニスト;MEDI-9447(オレクルマブ)、CPX-006、IPH-53、BMS-986179、NZV-930、CPI-006などの抗CD73抗体;AB-680、PSB-12379、PSB-12441、PSB-12425、CB-708、及び国際公開第19173692号に記載のものなどのCD73阻害剤;PBF-1662などのCD39/CD73阻害剤;TTX-030などの抗CD39抗体;CPI-444、AZD-4635、プレラデナント、PBF-509などのアデノシンA2A受容体アンタゴニスト;並びにペントスタチン、クラドリビンなどのアデノシンデアミナーゼ阻害剤と組み合わされる。
二重特異性T細胞誘導因子(Bi-Specific T-Cell Engager)
【0314】
様々な実施形態では、本明細書に記される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、二重特異性T細胞誘導因子(bi-specific T-cell engager)(例えば、Fcを有さない)又は抗CD3二重特異性抗体(例えば、Fcを有する)と組み合わされる。同時投与され得る例示的な抗CD3二重特異性抗体又はBiTEとしては、AMG-160(PSMA/CD3)、AMG-212(PSMA/CD3)、AMG-330(CD33/CD3)、AMG-420(BCMA/CD3)、AMG-427(FLT3/CD3)、AMG-562(CD19/CD3)、AMG-596(EGFRvIII/CD3)、AMG-701(BCMA/CD3)、AMG-757(DLL3/CD3)、JNJ-64052781(CD19/CD3)、AMG-211(CEA/CD3)、BLINCYTO(登録商標)(CD19/CD3)、RG7802(CEA/CD3)、ERY-974(CD3/GPC3)、huGD2-BsAb(CD3/GD2)、PF-06671008(カドヘリン/CD3)、APVO436(CD123/CD3)、ERY974、フロテツズマブ(CD123/CD3)、GEM333(CD3/CD33)、GEMoab(CD3/PSCA)、REGN-1979(CD20/CD3)、REGN-5678(PSMA/CD28)、MCLA-117(CD3/CLEC12A)、JNJ-0819、JNJ-7564(CD3/ヘム)、JNJ-63709178(CD123/CD3)、MGD-007(CD3/gpA33)、MGD-009(CD3/B7H3)、IMCgp100(CD3/gp100)、XmAb-14045(CD123/CD3)、XmAb-13676(CD3/CD20)、XmAb-18087(SSTR2/CD3)、カツマキソマブ(CD3/EpCAM)、REGN-4018(MUC16/CD3)、RG6026、RG6076、RG6194、RG-7828(CD20/CD3)、CC-93269(CD3/BCMA)、REGN-5458(CD3/BCMA)、GRB-1302(CD3/Erbb2)、GRB-1342(CD38/CD3)、PF-06863135(BCMA/CD3)、SAR440234(CD3/CDw123)が挙げられる。必要に応じて、抗CD3結合二重特異性分子は、Fcを有してもよく、又は有しなくてもよい。同時投与され得る例示的な二重特異性T細胞誘導因子は、CD3及び本明細書に記載の腫瘍関連抗原(例えば、CD19(例えば、ブリナツモマブ);CD33(例えば、AMG330);CEA(例えば、MEDI-565);受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)が含まれる)を標的とする(Gohilet al.Oncoimmunology.(2017)May 17;6(7):e1326437);PD-L1(Horn et al.Oncotarget.2017 Aug 3;8(35):57964-57980);並びに、EGFRvIII(Yang et al.Cancer Lett.2017 Sep 10;403:224-230)。
二重及び三重特異性ナチュラルキラー(NK)細胞誘導因子
【0315】
様々な実施形態では、本明細書に記載される化合物は、二重特異性NK細胞誘導因子(BiKE)若しくは三重特異性NK細胞誘導因子(tri-specific NK-cell engager:TriKE)(例えば、Fcを有しない)、又はNK細胞活性化受容体に対する二重特異性抗体(例えば、Fcを有する)、例えば、CD16A、C型レクチン受容体(CD94/NKG2C、NKG2D、NKG2E/H、及びNKG2F)、自然細胞傷害性受容体(NKp30、NKp44、及びNKp46)、キラー細胞C型レクチン様受容体(NKp65、NKp80)、Fc受容体FcγR(抗体依存性細胞傷害性を媒介)、SLAMファミリー受容体(例えば、2B4、SLAM6、及びSLAM7)、キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)(KIR-2DS及びKIR-3DS)、DNAM-1、並びにCD137(41BB)と組み合わされる。同時投与され得る例示的な抗CD16二重特異性抗体、BiKE、又はTriKEとしては、AFM26(BCMA/CD16A)及びAFM-13(CD16/CD30)が挙げられる。必要に応じて、抗CD16結合二重特異性分子は、Fcを有しても有しなくてもよい。同時投与され得る例示的な二重特異性NK細胞誘導因子は、CD16及び本明細書に記載の1つ以上の腫瘍関連抗原(例えば、CD19、CD20、CD22、CD30、CD33、CD123、EGFR、EpCAM、ガングリオシドGD2、HER2/neu、HLAクラスII、及びFOLR1が含まれる)を標的とする。BiKE及びTriKEについては、例えば、Felices et al.Methods Mol Biol.(2016)1441:333-346;Fang et al.Semin Immunol.(2017)31:37-54を参照されたい。
造血前駆細胞キナーゼ1(HPK1)阻害剤
【0316】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼキナーゼ1(MAP4K1、HPK1;NCBI遺伝子ID:11184)の阻害剤と組み合わされる。造血前駆細胞キナーゼ1(HPK1)の阻害剤の例としては、国際公開第2018/183956号、国際公開第2018/183964号、国際公開第2018/167147号、国際公開第2018/183964号、国際公開第2016/205942号、国際公開第2018/049214号、国際公開第2018/049200号、国際公開第2018/049191号、国際公開第2018/102366号、国際公開第2018/049152号、国際公開第2020/092528号、国際公開第2020/092621号、及び国際公開第2016/090300号に記載されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
アポトーシスシグナル調節キナーゼ(ASK)阻害剤
【0317】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、ASK阻害剤、例えば、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼ5(MAP3K5;ASK1、MAPKKK5、MEKK5;NCBI遺伝子ID:4217)の阻害剤と組み合わされる。ASK1阻害剤の例としては、国際公開第2011/008709号(Gilead Sciences)及び同第2013/112741号(Gilead Sciences)に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤
【0318】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK、AGMX 1、AT、ATK、BPK、IGHD3、IMD1、PSCTK1、XLA;NCBI遺伝子ID:695)の阻害剤と組み合わされる。BTK阻害剤の例としては、(S)-6-アミノ-9-(1-(ブタ-2-イノイル)ピロリジン-3-イル)-7-(4-フェノキシフェニル)-7H-プリン-8(9H)-オン、アカラブルチニブ(ACP-196)、BGB-3111、CB988、HM71224、イブルチニブ(Imbruvica)、M-2951(エボブルチニブ)、M7583、チラブルチニブ(ONO-4059)、PRN-1008、スペブルチニブ(CC-292)、TAK-020、ベカブルチニブ、ARQ-531、SHR-1459、DTRMWXHS-12、TAS-5315、Calquence+AZD6738、Calquence+danvatirsenが挙げられるが、これらに限定されない。
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)阻害剤
【0319】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、サイクリン依存性キナーゼ1(CDK1、CDC2;CDC28A;P34CDC2;NCBI遺伝子ID:983);サイクリン依存性キナーゼ2(CDK2、CDKN2;p33(CDK2);NCBI遺伝子ID:1017);サイクリン依存性キナーゼ3(CDK3;NCBI遺伝子ID:1018);サイクリン依存性キナーゼ4(CDK4、CMM3;PSK-J3;NCBI遺伝子ID:1019);サイクリン依存性キナーゼ6(CDK6、MCPH12;PLSTIRE;NCBI遺伝子ID:1021);サイクリン依存性キナーゼ7(CDK7、CAK;CAK1;HCAK;MO15;STK1;CDKN7;p39MO15;NCBI遺伝子ID:1022);サイクリン依存性キナーゼ9(CDK9、TAK;C-2k;CTK1;CDC2L4;PITALRE;NCBI遺伝子ID:1025)の阻害剤と組み合わされる。CDK1、2、3、4、6、7、及び/又は9の阻害剤としては、アベマシクリブ、アルボシジブ(HMR-1275、フラボピリドール)、AT-7519、ジナシクリブ、イブランセ、FLX-925、LEE001、パルボシクリブ、リボシクリブ、リゴセルチブ、セリネクソル、UCN-01、SY1365、CT-7001、SY-1365、G1T38、ミルシクリブ、トリラシクリブ、PF-06873600、AZD4573、及びTG-02が挙げられるが、これらに限定されない。
ジスコイジンドメイン受容体(DDR)阻害剤。
【0320】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、ジスコイジンドメイン受容体チロシンキナーゼ1(DDR1、CAK、CD167、DDR、EDDR1、HGK2、MCK10、NEP、NTRK4、PTK3、PTK3A、RTK6、TRKE;NCBI遺伝子ID:780);及び/又はジスコイジンドメイン受容体チロシンキナーゼ2(DDR2、MIG20a、NTRKR3、TKT、TYRO10、WRCN;NCBI遺伝子ID:4921)の阻害剤と組み合わされる。DDR阻害剤の例としては、ダサチニブ、並びに国際公開第2014/047624号(Gilead
Sciences)、米国特許出願公開第2009-0142345号(Takeda
Pharmaceutical)、同第2011-0287011号(Oncomed
Pharmaceuticals)、国際公開第2013/027802号(Chugai Pharmaceutical)、及び同第2013/034933号(Imperial Innovations)に開示されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤
【0321】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、ヒストンデアセチラーゼ、例えば、ヒストンデアセチラーゼ9(HDAC9、HD7、HD7b、HD9、HDAC、HDAC7、HDAC7B、HDAC9B、HDAC9FL、HDRP、MITR;遺伝子ID:9734)の阻害剤と組み合わされる。HDAC阻害剤の例としては、アベキシノスタット、ACY-241、AR-42、BEBT-908、ベリノスタット、CKD-581、CS-055(HBI-8000)、CUDC-907(フィメピノスタット)、エンチノスタット、ギビノスタット、モセチノスタット、パノビノスタット、プラシノスタット、キシノスタット(JNJ-26481585)、レスミノスタット、リコリノスタット、SHP-141、バルプロ酸(VAL-001)、ボリノスタット、チノスタムスチン、レメチノスタット、エンチノスタット、ロミデプシン、ツシジノスタットが挙げられるが、これらに限定されない。
インドレアミン-ピロール-2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO1)阻害剤;
【0322】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ1(IDO1、NCBI遺伝子ID:3620)の阻害剤と組み合わされる。IDO1阻害剤の例としては、BLV-0801、エパカドスタット、F-001287、GBV-1012、GBV-1028、GDC-0919、インドキシモッド、NKTR-218、NLG-919系ワクチン、PF-06840003、ピラノナフトキノン誘導体(SN-35837)、レスミノスタット、SBLK-200802、BMS-986205、及びshIDO-ST、EOS-200271、KHK-2455、LY-3381916が挙げられるが、これらに限定されない。
ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤
【0323】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、ヤヌスキナーゼ1(JAK1、JAK1A、JAK1B、JTK3;NCBI遺伝子ID:3716);ヤヌスキナーゼ2(JAK2、JTK10、THCYT3;NCBI遺伝子ID:3717);及び/又は、ヤヌスキナーゼ3(JAK3、JAK-3、JAK3_HUMAN、JAKL、L-JAK、LJAK;NCBI遺伝子ID:3718)の阻害剤と組み合わされる。JAK阻害剤の例としては、AT9283、AZD1480、バリシチニブ、BMS-911543、フェドラチニブ、フィルゴチニブ(GLPG0634)、ガンドチニブ(LY2784544)、INCB039110(イタシチニブ)、レスタウルチニブ、モメロチニブ(CYT0387)、NS-018、パクリチニブ(SB1518)、ペフィシチニブ(ASP015K)、ルキソリチニブ、トファシチニブ(旧タソシチニブ)、INCB052793、及びXL019が挙げられるが、これらに限定されない。
マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)阻害剤
【0324】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、マトリックスメタロペプチダーゼ(MMP)の阻害剤、例えば、MMP1(NCBI遺伝子ID:4312)、MMP2(NCBI遺伝子ID:4313)、MMP3(NCBI遺伝子ID:4314)、MMP7(NCBI遺伝子ID:4316)、MMP8(NCBI遺伝子ID:4317)、MMP9(NCBI遺伝子ID:4318);MMP10(NCBI遺伝子ID:4319);MMP11(NCBI遺伝子ID:4320);MMP12(NCBI遺伝子ID:4321)、MMP13(NCBI遺伝子ID:4322)、MMP14(NCBI遺伝子ID:4323)、MMP15(NCBI遺伝子ID:4324)、MMP16(NCBI遺伝子ID:4325)、MMP17(NCBI遺伝子ID:4326)、MMP19(NCBI遺伝子ID:4327)、MMP20(NCBI遺伝子ID:9313)、MMP21(NCBI遺伝子ID:118856)、MMP24(NCBI遺伝子ID:10893)、MMP25(NCBI遺伝子ID:64386)、MMP26(NCBI遺伝子ID:56547)、MMP27(NCBI遺伝子ID:64066)、及び/又はMMP28(NCBI遺伝子ID:79148)の阻害剤と組み合わされる。MMP9阻害剤の例としては、マリマスタット(BB-2516)、シペマスタット(Ro 32-3555)、GS-5745(アンデカリキシマブ)、及び国際公開第2012/027721号(Gilead Biologics)に記載のものが挙げられるが、これらに限定されない。
RAS及びRAS経路阻害剤
【0325】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、KRASがん原遺伝子、GTPase(KRAS;別名、NS;NS3;CFC2;RALD;K-Ras;KRAS1;KRAS2;RASK2;KI-RAS;C-K-RAS;K-RAS2A;K-RAS2B;K-RAS4A;K-RAS4B;c-Ki-ras2;NCBI遺伝子ID:3845);NRASがん原遺伝子、GTPアーゼ(NRAS;別名、NS6;CMNS;NCMS;ALPS4;N-ras;NRAS1;NCBI遺伝子ID:4893);HRasがん原遺伝子、GTPアーゼ(HRAS;別名、CTLO;KRAS;HAMSV;HRAS1;KRAS2;RASH1;RASK2;Ki-Ras;p21ras;C-H-RAS;c-K-ras;H-RASIDX;c-Ki-ras;C-BAS/HAS;C-HA-RAS1;NCBI遺伝子ID:3265)の阻害剤と組み合わされる。Ras阻害剤は、ポリヌクレオチド(例えば、転写阻害剤)レベル又はポリペプチド(例えば、GTPアーゼ酵素阻害剤)レベルのいずれかで、Rasを阻害することができる。いくつかの実施形態では、阻害剤は、Ras経路における1つ以上のタンパク質を標的とし、例えば、EGFR、Ras、Raf(A-Raf、B-Raf、C-Raf)、MEK(MEK1、MEK2)、ERK、PI3K、AKT、及びmTORのうちの1つ以上を阻害する。
【0326】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、KRASの阻害剤と組み合わされる。KRAS阻害剤の例としては、AMG-510、COTI-219、MRTX-1257、ARS-3248、ARS-853、WDB-178、BI-3406、BI-1701963、ARS-1620(G12C)、SML-8-73-1(G12C)、化合物3144(G12D)、Kobe0065/2602(Ras GTP)、RT11、MRTX-849(G12C)、及びK-Ras(G12D)選択的阻害性ペプチド(KRpep-2(Ac-RRCPLYISYDPVCRR-NH)(配列番号152)及びKRpep-2d(Ac-RRRRCPLYISYDPVCRRRR-NH)(配列番号153)を含む)が挙げられる。
【0327】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、KRAS mRNAの阻害剤と組み合わされる。例示的なKRASmRNA阻害剤としては、抗KRAS U1アダプタ、AZD-4785、siG12D-LODER(商標)、及びsiG12Dエキソソームが挙げられる。
【0328】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、MEKの阻害剤と組み合わされる。同時投与され得る例示的なMEK阻害剤としては、ビニメチニブ、コビメチニブ、PD-0325901、ピマセルチブ、RG-7304、セルメチニブ、トラメチニブ、及びセルメチニブが挙げられる。
【0329】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、AKTの阻害剤と組み合わされる。同時投与され得る例示的なAKT阻害剤としては、RG7440、MK-2206、イパタセルチブ、アフレセルチブ、AZD5363、及びARQ-092、カピバセルチブ、トリシリビン、ABTL-0812(PI3K/Akt/mTOR)が挙げられる。
【0330】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、Rafの阻害剤と組み合わされる。BGB-283(Raf/EGFR)、HM-95573、LXH-254、LY-3009120、RG7304、TAK-580、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、エンコラフェニブ(LGX818)、PLX8394を同時投与することができる例示的なRaf阻害剤。RAF-265(Raf/VEGFR)、ASN-003(Raf/PI3K)。
【0331】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、ERKの阻害剤と組み合わされる。同時投与され得る例示的なERK阻害剤としては、LTT-462、LY-3214996、MK-8353、ラボキセルチニブ、GDC-0994、及びウリキセルチニブが挙げられる。
【0332】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、PI3Kの阻害剤と組み合わされる。同時投与され得る例示的なPI3K阻害剤としては、イデラリシブ(Zydelig(登録商標))、アルペリシブ、ブパルリシブ、ピクチリシブ、エガネリシブ(IPI-549)が挙げられる。同時投与され得る例示的なPI3K/mTOR阻害剤としては、ダクトリシブ、オミパリシブ、ボクスタリシブ、ゲダトリシブ、GSK2141795、RG6114が挙げられる。
【0333】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、mTORの阻害剤と組み合わされる。同時投与され得る例示的なmTOR阻害剤としては、サポアニセルチブ、ビスツセルチブ(AZD2014)、ME-344、シロリムス(経口ナノ非晶質製剤、がん)、TYME-88(mTOR/シトクロムP450 3A4)が挙げられる。
【0334】
ある特定の実施形態では、CDKN2A変異を有するRas駆動がん(例えば、NSCLC)は、MEK阻害剤セルメチニブとCDK4/6阻害剤パルボシクリブとの同時投与によって阻害され得る。例えば、Zhouet al.Cancer Lett.2017 Nov 1;408:130-137を参照されたい。また、K-RAS及び変異体N-RASは、不可逆性ERBB1/2/4阻害剤ネラチニブによって減少させることができる。例えば、Boothet al.Cancer Biol Ther.2018
Feb 1;19(2):132-137を参照されたい。
【0335】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、RASの阻害剤と組み合わされる。RAS阻害剤の例としては、NEO-100、リゴセルチブが挙げられる。
【0336】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、AMG-595、ネシツムマブ、ABBV-221、デパツキシズマブマホドチン(ABT-414)、トムゾツキシマブ、ABT-806、ベクティビックス、モドツキシマブ、RM-1929などのEGFRのアンタゴニストと組み合わされる。
【0337】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、タンパク質チロシンホスファターゼ非受容体11型(PTPN11;BPTP3、CFC、JMML、METCDS、NS1、PTP-1D、PTP2C、SH-PTP2、SH-PTP3、SHP2;NCBI遺伝子ID:5781)の阻害剤と組み合わされる。SHP2阻害剤の例としては、TNO155(SHP-099)、RMC-4550、JAB-3068、RMC-4630、SAR442720、並びに国際公開第2018/172984号及び国際公開第2017/211303号に記載されているものが挙げられる。
【0338】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ7(MAP2K7、JNKK2、MAPKK7、MEK、MEK7、MKK7、PRKMK7、SAPKK-4、SAPKK4;NCBI遺伝子ID:5609)の阻害剤と組み合わされる。MEK阻害剤の例としては、アントロキノノール、ビニメチニブ、CK-127、コビメチニブ(GDC-0973、XL-518)、MT-144、セルメチニブ(AZD6244)、ソラフェニブ、トラメチニブ(GSK1120212)、ウプロセルチブ+トラメチニブ、PD-0325901、ピマセルチブ、LTT462、AS703988、CC-90003、レファメチニブ、TAK-733、CI-1040、RG7421が挙げられる。
【0339】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、ホスファチジルイノシトール-4,5-ビスホスフェート3-キナーゼ触媒サブユニット、例えば、ホスファチジルイノシトール-4,5-ビスホスフェート3-キナーゼ触媒サブユニットアルファ(PIK3CA、CLAPO、CLOVE、CWS5、MCAP、MCM、MCMTC、PI3K、PI3K-アルファ、p110-アルファ;NCBI遺伝子ID:5290);ホスファチジルイノシトール-4,5-ビスホスフェート3-キナーゼ触媒サブユニットβ(PIK3CB、P110BETA、PI3K、PI3KBETA、PIK3C1;NCBI遺伝子ID:5291);ホスファチジルイノシトール-4,5-ビスホスフェート3-キナーゼ触媒サブユニットγ(PIK3CG、PI3CG、PI3K、PI3Kγ、PIK3、p110γ、p120-PI3K;遺伝子ID:5494);及び/又は、ホスファチジルイノシトール-4,5-ビスホスフェート3-キナーゼ触媒サブユニットδ(PIK3CD、APDS、IMD14、P110DELTA、PI3K、p110D、NCBI遺伝子ID:5293)の阻害剤と組み合わされる。いくつかの実施形態では、PI3K阻害剤は、pan-PI3K阻害剤である。PI3K阻害剤の例としては、ACP-319、AEZA-129、AMG-319、AS252424、AZD8186、BAY1082439、BEZ235、ビミラリシブ(PQR309)、ブパルリシブ(BKM120)、BYL719(アルペリシブ)、オロチン酸カルボキシアミドトリアゾール(CTO)、CH5132799、CLR-457、CLR-1401、コパンリシブ(BAY 80-6946)、DS-7423、ダクトリシブ、デュベルシブ(IPI-145)、フィメピノスタット(CUDC-907)、ゲダトリシブ(PF-05212384)、GDC-0032、GDC-0084(RG7666)、GDC-0077、ピクチリシブ(GDC-0941)、GDC-0980、GSK2636771、GSK2269577、GSK2141795、イデラリシブ(Zydelig(登録商標))、INCB040093、INCB50465、IPI-443、IPI-549、KAR4141、LY294002、LY3023414、NERLYNX(登録商標)(ネラチニブ)、ネミラリシブ(GSK2269557)、オミパリシブ(GSK2126458、GSK458)、OXY111A、パヌリシブ(P7170、AK151761)、PA799、ペリホシン(KRX-0401)、ピララリシブ(SAR245408;XL147)、パキチニブメシル酸塩(XC-302)、SAR260301、セレタリシブ(UCB-5857)、セラベリシブ(INK-1117、MLN-1117、TAK-117)、SF1126、ソノリシブ(PX-866)、RG6114、RG7604、リゴセルチブナトリウム(ON-01910ナトリウム)、RP5090、テナリシブ(RP6530)、RV-1729、SRX3177、タセリシブ、TG100115、ウムブラリシブ(TGR-1202)、TGX221、ボクスタリシブ(SAR245409)、VS-5584、WX-037、X-339、X-414、XL499、XL756、ウォルトマンニン、ZSTK474、並びに国際公開第2005/113556号(ICOS)、国際公開第2013/052699号(Gilead Calistoga)、国際公開第2013/116562号(Gilead Calistoga)、国際公開第2014/100765号(Gilead Calistoga)、国際公開第2014/100767号(Gilead Calistoga)、及び国際公開第2014/201409号(Gilead Sciences)に記載の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
脾臓チロシンキナーゼ(SYK)阻害剤
【0340】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、脾臓関連チロシンキナーゼ(SYK,p72-Syk、遺伝子ID:6850)の阻害剤と組み合わされる。SYK阻害剤の例としては、6-(1H-インダゾール-6-イル)-N-(4-モルホリノフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-アミン、BAY-61-3606、セルドゥラチニブ(PRT-062607)、エンストプレチニブ、フォスタマチニブ(R788)、HMPL-523、NVP-QAB 205 AA、R112、R343、タマチニブ(R406)、及び米国特許第8450321号(Gilead Connecticut)に記載されているもの、及び米国特許出願公開第2015/0175616号に記載のものが挙げられるが、これらに限定されない。
チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)
【0341】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)と組み合わされる。TKIは、上皮成長因子受容体(EGFR)並びに線維芽細胞成長因子(FGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、及び血管内皮成長因子(VEGF)の受容体を標的にし得る。TKIの例としては、アキシチニブ、アファチニブ、ARQ-087(デラザンチニブ)、asp5878、AZD3759、AZD4547、ブスチニブ、ブリガチニブ、カボザンチニブ、セジラニブ、クレノラニブ、ダコミチニブ、ダサチニブ、ドビチニブ、E-6201、エルダフィチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ギルテリチニブ(ASP-2215)、FP-1039、HM61713、イコチニブ、イマチニブ、KX2-391(Src)、ラパチニブ、レスタウルチニブ、レンバチニブ、ミドスタウリン、ニンテダニブ、ODM-203、オルムチニブ、オシメルチニブ(AZD-9291)、パゾパニブ、ポナチニブ、ポジオチニブ、キザルチニブ、ラドチニブ、ロシレチニブ、スルファチニブ(HMPL-012)、スニチニブ、ファミチニブ、L-リンゴ酸、(MAC-4)、ティボアニブ、TH-4000、ティボアニブ、及びMEDI-575(抗PDGFR抗体)、TAK-659、カボザンチニブが挙げられるが、これらに限定されない。
化学療法剤(標準治療)
【0342】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、化学療法剤又は抗新生物剤と組み合わされる。
【0343】
本明細書で使用される場合、「化学療法剤」又は「化学療法薬」(又は化学療法剤で治療する場合の「化学療法」)という用語は、がんの治療において有用な任意の非タンパク質性(例えば、非ペプチド性)化学化合物を包含することを意味する。化学療法剤の例としては、チオテパ及びシクロホスファミド(CYTOXAN(登録商標))などのアルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファン、及びピポスルファンなどのスルホン酸アルキル;ベンゾデパ、カルボクオン、メチュレデパ、及びウレデパなどのアジリジン;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミド、及びトリメミロロメラミンを含むエチレンイミン及びメチルアメラミン;アセトゲニン、例えばブラタシン及びブラタシノン;合成類似体トポテカンを含むカンプトテシン;ブリオスタチン、カリスタチン;アドゼレシン、カルゼレシン及びビゼレシン合成類似体を含むCC-1065;クリプトフィシン、特にクリプトフィシン1及びクリプトフィシン8;ドラスタチン;合成類似体KW-2189及びCBI-TMIを含むデュオカルマイシン;エリュテロビン;5-アザシチジン;パンクラチスタチン;サルコジクチイン;スポンジスタチン;クロラムブシル、クロルナファジン、シクロホスファミド、グルホスファミド、エボホスファミド、ベンダムスチン、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロルエタミンオキサイド塩酸塩、メルファラン、ノベムビチン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、及びウラシルマスタードなどのナイトロジェンマスタード;カルムスチン、クロロゾトシン、フォレムスチン、ロムスチン、ニムスチン及びラニムスチンなどのニトロソウレア;エンジイン抗生物質(例えば、カルシフェマイシン、特にカリケアマイシンγII及びカリケアマイシンphiI1)、ジネマイシンAを含むジネマイシン、クロドロネートなどのビスホスホネート、エスペラマイシン、ネオカルジノスタチンクロモフォア及び関連するクロモタンパク質エンジイン抗生物質発色団、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アントラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ドキソルビシン(モルホリノ-ドキソルビシン、シアノモルホリノドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシン、及びデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マーセロマイシン、マイトマイシンCなどのマイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、及びゾルビシンなどの抗生物質;メトトレキサート及び5-フルオロウラシル(5-FU)などの代謝拮抗剤;デモプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサートなどの葉酸類似体;クラドリビン、ペントスタチン、フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、及びチオグアニンなどのプリン類似体;アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、及びフロクスウリジンなどのピリミジン類似体、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、及びテストトラクトンなどのアンドロゲン;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなどの抗副腎薬;フロリン酸などの葉酸補充剤;ラジウム-223、177-Lu-PSMA-617などの放射線治療薬、トリコテセン類、特にT-2トキシン、ベラクリンA、ロリジンA、及びアングイジン、パクリタキセル(TAXOL(登録商標))、アブラキサン、ドセタキセル(TAXOTERE(登録商標))、カバジタキセル、BIND-014、テセタキセルなどのタキソイド;シスプラチン及びカルボプラチン、NC-6004ナノプラチンなどのプラチナ類似体;アセグラトン;アルドホスファミド配糖体;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ヘストラブシル;ビサントレン;エダトレキサート;デフォファミン;デメコルシン;ジアジクオン;エルホルムチン;酢酸エリプチニウム;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロイコボリン;ロニダミン;メイタンシン及びアンサミトシンなどのメイタンシノイド;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラクリン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;フルオロピリミジン;フォリン酸;ポドフィリン酸;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;多糖-K(PSK);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トラベクテジン、トリアジクオン;2,2’,2’‘-トリクロロトリエミルアミン;ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara-C」);シクロホスファミド;チオテパ(thiopeta);クロラムブシル;ゲムシタビン(GEMZAR(登録商標));6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;ビンブラスチン;プラチナ;エトポシド(VP-16);イホスファミド;ミトキサントロン;バンクリスチン;ビノレルビン(NAVELBINE(登録商標));ノバントロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロネート;CPT-11;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DFMO);レチノイン酸などのレチノイド;カペシタビン;NUC-1031;FOLFOX(フォリン酸、5-フルオロウラシル、オキサリプラチン);FOLFIRI(フォリン酸、5-フルオロウラシル、イリノテカン);FOLFOXIRI(フォリン酸、5-フルオロウラシル、オキサリプラチン、イリノテカン)、FOLFIRINOX(フォリン酸、5-フルオロウラシル、イリノテカン、オキサリプラチン)、及び上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸、又は誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。そのような薬剤を抗体又は本明細書に記載の任意の標的薬剤にコンジュゲート化して、抗体薬物コンジュゲート(ADC)又は標的化薬物コンジュゲートを作製することができる。
【0344】
また、「化学療法剤」の定義には、抗エストロゲン及び選択的エストロゲン受容体調節剤(SERM)などの抗ホルモン剤、酵素アロマターゼの阻害剤、抗アンドロゲン、並びに腫瘍に対するホルモン作用を調節又は阻害するように作用する上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸又は誘導体も含まれる。抗エストロゲン及びSERMの例としては、例えば、タモキシフェン(NOLVADEX(商標)を含む)、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、4-ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン及びトレミフェン((FARESTON(登録商標))が挙げられる。酵素アロマターゼの阻害剤は、副腎でのエストロゲン産生を調節する。例としては、4(5)-イミダゾール、アミノグルテチミド、酢酸メゲストロール(MEGACE(登録商標))、エキセメスタン、フォルメスタン、ファドロゾール、ボロゾール(RIVISOR(登録商標))、レトロゾール(FEMARA(登録商標))、アナストロゾール(ARIMIDEX(登録商標))が挙げられる。抗アンドロゲンの例としては、アパルタミド、アビラテロン、エンザルタミド、フルタミド、ガレテロン、ニルタミド、ビカルタミド、リュープロリド、ゴセレリン、ODM-201、APC-100、ODM-204が挙げられる。プロゲステロン受容体アンタゴニストの例には、オナプリストンが含まれる。
抗血管新生剤
【0345】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗血管新生剤と組み合わされる。同時投与され得る抗血管新生剤としては、レチノイド酸及びその誘導体、2-メトキシエストラジオール、ANGIOSTATIN(登録商標)、ENDOSTATIN(登録商標)、レゴラフェニブ、ネクパラニブ、スラミン、スクアラミン、メタロプロテイナーゼ-1の組織阻害剤、メタロプロテイナーゼ-2の組織阻害剤、プラスミノーゲン活性化因子阻害剤-1、プラスミノーゲン活性化因子阻害剤-2、軟骨由来阻害剤、パクリタキセル(nab-パクリタキセル)、血小板因子4、硫酸プロタミン(クルペイン)、硫酸化キチン誘導体(ズワイ蟹の殻から調製)、硫酸化多糖ペプチドグリカン複合体(sp-pg)、スタウロスポリン、l-アゼチジン-2-カルボン酸(LACA)などのプロリン類似体を含むマトリックス代謝の調節剤、シスヒドロキシプロリン、d,I-3,4-デヒドロプロリン、チアプロリン、α,α’-ジピリジル、β-アミノプロピオニトリルフマル酸塩、4-プロピル-5-(4-ピリジニル)-2(3h)-オキサゾロン、メトトレキサート、ミトキサントロン、ヘパリン、インターフェロン、2マクログロブリン-血清、メタロプロテイナーゼ-3のニワトリ阻害剤(ChIMP-3)、キモスタチン、β-シクロデキストリンテトラデカ硫酸、エポネマイシン、フマギリン、金チオリンゴ酸ナトリウム、d-ペニシラミン、β-1-抗コラゲナーゼ血清、アルファ-2-抗プラスミン、ビサントレン、ロベンザリットジナトリウム、n-2-カルボキシフェニル-4-クロロアントニル酸二ナトリウム又は「CCA」、サリドマイド、血管新生抑制ステロイド、カルボキシアミノイミダゾール、BB-94などのメタロプロテイナーゼ阻害剤、タスキニモドなどのS100A9阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。他の抗血管新生剤には、抗体、好ましくは、β-FGF、α-FGF、FGF-5、VEGFアイソフォーム、VEGF-C、HGF/SF及びAng-1/Ang-2というこれらの血管新生成長因子に対するモノクローナル抗体が含まれる。
抗線維化剤
【0346】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗線維化剤と組み合わされる。同時投与され得る抗線維化剤には、β-アミノプロピオニトリル(BAPN)などの化合物だけでなく、リシルオキシダーゼの阻害剤及びコラーゲンの異常な沈着に関連する疾患及び状態の治療におけるそれらの使用に関する米国特許第4965288号、様々な病理学的線維性状態の治療のためにLOXを阻害する化合物に関する米国特許第4997854号に開示された化合物が含まれるがこれらに限定されず、これらは参照により本明細書に組み込まれる。更なる例示的な阻害剤は、2-イソブチル-3-フルオロ-、クロロ-、又はブロモ-アリルアミンなどの化合物に関する米国特許第4943593号、米国特許第5021456号、米国特許第5059714号、米国特許第5120764号、米国特許第5182297号、2-(1-ナフチルオキシメミル)-3-フルオロアリルアミンに関する米国特許第5252608号、及び米国特許出願第2004-0248871号に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0347】
例示的な抗線維化剤はまた、リジルオキシダーゼの活性部位のカルボニル基と反応する一級アミン、より具体的には、カルボニルと結合した後、共鳴によって安定化された生成物を生成するもの、例えば、エミレンマミン、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、及びそれらの誘導体;セミカルバジド及び尿素誘導体;BAPN又は2-ニトロエチルアミンなどのアミノニトリル、2-ブロモ-エチルアミン、2-クロロエチルアミン、2-トリフルオロエチルアミン、3-ブロモプロピルアミン及びp-ハロベンジルアミンなどの不飽和又は飽和ハロアミン、並びにセレノホモシステインラクトンという一級アミンを含む。
【0348】
他の抗線維化剤は、細胞に浸透する又は浸透しない銅キレート剤である。例示的な化合物には、リシルオキシダーゼによるリシル及びヒドロキシリシル残基の酸化的脱アミノ化に由来するアルデヒド誘導体をブロックする間接的阻害剤が含まれる。例としては、チオラミン、特にD-ペニシラミン、及びその類似体、例えば、2-アミノ-5-メルカプト-5-メチルヘキサン酸、D-2-アミノ-3-メチル-3-((2-アセトアミドエチル)ジチオ)ブタン酸、p-2-アミノ-3-メチル-3-((2-アミノエチル)ジチオ)ブタン酸、ナトリウム-4-(((p-1-ジメチル-2-アミノ-2-カルボキシエチル)ジチオ)ブタン硫酸塩、2-アセトアミドエチル-2-アセトアミドエタンチオールスルファネート、及びナトリウム-4-メルカプトブタンスルフィネート三水和物が挙げられる。
抗炎症剤
【0349】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、抗炎症剤と組み合わされる。抗炎症剤の例としては、アルギナーゼ(ARG1(NCBI遺伝子ID:383)、ARG2(NCBI遺伝子ID:384))、炭酸脱水酵素(CA1(NCBI遺伝子ID:759)、CA2(NCBI遺伝子ID:760)、CA3(NCBI遺伝子ID:761)、CA4(NCBI遺伝子ID:762)、CA5A(NCBI遺伝子ID:763)、CA5B(NCBI遺伝子ID:11238)、CA6(NCBI遺伝子ID:765)、CA7(NCBI遺伝子ID:766)、CA8(NCBI遺伝子ID:767)、CA9(NCBI遺伝子ID:768)、CA10(NCBI遺伝子ID:56934)、CA11(NCBI遺伝子ID:770)、CA12(NCBI遺伝子ID:771)、CA13(NCBI遺伝子ID:377677)、CA14(NCBI遺伝子ID:23632))、プロスタグランジンエンドペルオキシド合成酵素1(PTGS1、COX-1;NCBI遺伝子ID:5742)、プロスタグランジンエンドペルオキシド合成酵素2(PTGS2、COX-2;NCBI遺伝子ID:5743)、分泌型ホスホリパーゼA2、プロスタグランジンE合成酵素(PTGES、PGES;遺伝子ID:9536)、アラキドン酸5-リポキシゲナーゼ(ALOX5、5-LOX;NCBI遺伝子ID:240)、可溶性エポキシド加水分解酵素2(EPHX2、SEH;NCBI遺伝子ID:2053)及び/又はマイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼ8(MAP3K8、TPL2;NCBI遺伝子ID:1326)のうちの1つ以上の阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、阻害剤は、二重阻害剤、例えば、COX-2/COX-1、COX-2/SEH、COX-2/CA、COX-2/5-LOXの二重阻害剤である。
【0350】
同時投与され得るプロスタグランジンエンドペルオキシド合成酵素1(PTGS1、COX-1;NCBI遺伝子ID:5742)の阻害剤の例としては、モフェゾラク、GLY-230、及びTRK-700が挙げられるが、これらに限定されない。
【0351】
同時投与され得るプロスタグランジンエンドペルオキシドシンターゼ2(PTGS2、COX-2;NCBI遺伝子ID:5743)の阻害剤の例としては、ジクロフェナク、メロキシカム、パレコキシブ、エトリコキシブ、AP-101、セレコキシブ、AXS-06、ジクロフェナクカリウム、DRGT-46、AAT-076、メイスオシュリ、ルミラコキシブ、メロキシカム、バルデコキシブ、ザルトプロフェン、ニメスリド、アニトラザフェン、アプリコキシブ、シミコキシブ、デラコキシブ、フルミゾール、フィロコキシブ、マコキシブ、NS-398、パミコグレル、パレコキシブ、ロベナコキシブ、ロフェコキシブ、ルテカルピン、チルマコキシブ、及びザルトプロフェンが挙げられるが、これらに限定されない。同時投与され得る二重COX1/COX2阻害剤の例としては、HP-5000、ロルノキシカム、ケトロラクトロメタミン、ブロムフェナクナトリウム、ATB-346、HP-5000が挙げられるが、これらに限定されない。同時投与され得る二重COX-2/炭酸脱水酵素(CA)阻害剤の例としては、ポルマコキシブ及びイムレコキシブが挙げられるが、これらに限定されない。
【0352】
同時投与され得る分泌型ホスホリパーゼA2、プロスタグランジンE合成酵素(PTGES、PGES;遺伝子ID:9536)の阻害剤の例としては、LY3023703、GRC27864、並びに国際公開第2015/158204号、同第2013/024898号、同第2006/063466号、同第2007/059610号、同第2007/124589号、同第2010/100249号、同第2010/034796号、同第2010/034797号、同第2012/022793号、同第2012/076673号、同第2012/076672号、同第2010/034798号、同第2010/034799号、同第2012/022792号、同第2009/103778号、同第2011/048004号、同第2012/087771号、同第2012/161965号、同第2013/118071号、同第2013/072825号、同第2014/167444号、同第2009/138376号、同第2011/023812号、同第2012/110860号、同第2013/153535号、同第2009/130242号、同第2009/146696号、同第2013/186692号、同第2015/059618号、同第2016/069376号、同第2016/069374号、同第2009/117985号、同第2009/064250号、同第2009/064251号、同第2009/082347号、同第2009/117987号、及び同第2008/071173号に記載される化合物が挙げられるが、これらに限定されない。メトホルミンは、COX2/PGE2/STAT3軸を抑制することが更に見出されており、同時投与することができる。例えば、Tonget al.Cancer Lett.(2017)389:23-32、及びLiu,et al.Oncotarget.(2016)7(19):28235-46を参照されたい。
【0353】
同時投与され得る炭酸脱水酵素(例えば、CA1(NCBI遺伝子ID:759)、CA2(NCBI遺伝子ID:760)、CA3(NCBI遺伝子ID:761)、CA4(NCBI遺伝子ID:762)、CA5A(NCBI遺伝子ID:763)、CA5B(NCBI遺伝子ID:11238)、CA6(NCBI遺伝子ID:765)、CA7(NCBI遺伝子ID:766)、CA8(NCBI遺伝子ID:767)、CA9(NCBI遺伝子ID:768)、CA10(NCBI遺伝子ID:56934)、CA11(NCBI遺伝子ID:770)、CA12(NCBI遺伝子ID:771)、CA13(NCBI遺伝子ID:377677)、CA14(NCBI遺伝子ID:23632)のうち1つ以上)の阻害剤の例としては、アセタゾラミド、メタゾラミド、ドルゾラミド、ゾニサミド、ブリンゾラミド、及びジクロフェナミドが挙げられるが、これらに限定されない。同時投与され得る二重COX-2/CA1/CA2阻害剤には、CG100649が含まれる。
【0354】
同時投与され得るアラキドン酸5-リポキシゲナーゼ(ALOX5、5-LOX;NCBI遺伝子ID:240)の阻害剤の例としては、メクロフェナム酸ナトリウム、ジロートンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0355】
同時投与され得る可溶性エポキシド加水分解酵素2(EPHX2、SEH;NCBI遺伝子ID:2053)の阻害剤の例としては、国際公開第WO2015148954号に記載されている化合物が挙げられるが、これらに限定されない。同時投与され得るCOX-2/SEHの二重阻害剤としては、国際公開第2012/082647号に記載されている化合物が挙げられる。同時投与され得るSEH及び脂肪酸アミド加水分解酵素の二重阻害剤(FAAH;NCBI遺伝子ID:2166)としては、国際公開第2017/160861号に記載されている化合物が挙げられる。
【0356】
同時投与され得るマイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼ8の阻害剤の例(MAP3K8、腫瘍進行遺伝子座2、TPL2);NCBI遺伝子ID:1326)としては、GS-4875、GS-5290、BHM-078、並びに例えば、国際公開第2006/124944号、同第2006/124692号、同第2014/064215号、同第2018/005435号、Teliet al.J Enzyme Inhib Med Chem.(2012)27(4):558-70;Gangwallet al.Curr Top Med Chem.(2013)13(9):1015-35、Wuet al.Bioorg Med Chem Lett.(2009)19(13):3485-8、Kailaet al.Bioorg Med Chem.(2007)15(19):6425-42、及びHu,et al.Bioorg Med Chem Lett.(2011)21(16):4758-61に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
腫瘍酸素化剤
【0357】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、腫瘍酸素化若しくは再酸素化を促進若しくは増加させるか、又は腫瘍低酸素を防止若しくは低減する薬剤と組み合わされる。同時投与され得る例示的な薬剤には、例えば、PT-2977、PT-2385などの低酸素誘導性因子1α(HIF-1α)阻害剤;ベバシズマブ、IMC-3C5、GNR-011、タニビルマブ、LYN-00101、ABT-165などのVEGF阻害剤;並びに/又は、例えば国際公開第2007/137767号、同第2007/139791号、同第2014/107171号、及び同第2016/149562号に記載されているOMX-302及びHNOXタンパク質などの、酸素キャリアタンパク質(例えば、ヘム一酸化窒素及び/又は酸素結合タンパク質(HNOX))が含まれる。
免疫療法剤
【0358】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、免疫療法剤と組み合わされる。同時投与され得る免疫療法剤の例としては、アバゴボマブ、ABP-980、アデカツムマブ、アフツムマブ、アレムツズマブ、アルツモマブ、アマツキシマブ、アナツモマブ、アルシツノマブ、バビツキシマブ、ベクツモマブ、ベバシズマブバイオシミラー、ビバツズマブ、ブリナツマブ、ブレンツキシマブ、カンツズマブ、カツマキソマブ、CC49、セツキシマブ、シタツズマブ、シクスツムマブ、クリバツズマブ、コナツムマブ、ダセツズマブ、ダロツズマブ、ダラツズマブ、デツモマブ、ジヌツキシマブ、ドロジツマブ、デュリゴツマブ、ドゥシギツマブ、エクロメキシマブ、エミベツズマブ、エンシツズマブ、エルツマキソマブ、エタラシズマブ、ファルレツズマブ、フィギツムマブ、フランボツマブ、フツキシマブ、ゲムツズマブ、ギレンツキシマブ、グレンバツムマブ、イブリツモマブ、イゴボマブ、イムガツズマブ、インダツキシマブ、イノツモマブ、インテツムマブ、イピリムマブ(YERVOY(登録商標)、MDX-010、BMS-734016、及びMDX-101)、イラツムマブ、ラべツズマブ、レクサツムマブ、リンツズマブ、ロルボツズマブ、ルカツムマブ、マツズマブ、ミラツズマブ、ミンレツズマブ、ミツモマブ、モキセツモマブ、モキセツモマブパスドトクス、ナプツモマブ、ナルナツマブ、ネシツムマブ、ニモツズマブ、ノフェツモマブ、OBI-833、オビヌツズマブ、オカラツズマブ、オファツムマブ、オララツマブ、オナルツズマブ、オポルツズマブ、オレゴボマブ、パニツムマブ、パルサツズマブ、パスドトクス、パトリツマブ、ペムツモマブ、ペルツズマブ、ピンツモマブ、プリツムマブ、ラコツモマブ、ラドレツマブ、ラムシルマブ(Cyramza(登録商標))、リロツムマブ、リツキシマブ、ロバツムマブ、サマリズマブ、サツモマブ、シブロツズマブ、シルツキシマブ、ソリトマブ、シムツズマブ、タカツズマブ、タプリツモマブ、テナツモマブ、テプロツムマブ、ティガツズマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、トラスツズマブバイオシミラー、ツコツズマブ、ウビリツキシマブ、ベルツズマブ、ボルセツズマブ、ボツムマブ、ザルツムマブ、及び3F8が挙げられるが、これらに限定されない。リツキシマブは、辺縁帯リンパ腫、WM、CLL、及び小リンパ球性リンパ腫を含む、緩慢性B細胞がんを治療するために使用することができる。リツキシマブ及び化学療法剤の組み合わせは、特に有効である。
【0359】
例示された治療用抗体は、インジウム-111、イットリウム-90(90Yクリバツズマブ)、又はヨウ素131などの放射性同位体粒子で更に標識されてもよく、又は組み合わされてもよい。
【0360】
いくつかの実施形態では、免疫療法剤は、抗体薬物コンジュゲート(ADC)である。同時投与され得る例示的なADCとしては、薬物コンジュゲート化抗体、その断片、又は上記及び本明細書に列挙されるタンパク質若しくは抗原を標的とする抗体ミメティックが挙げられるが、これらに限定されない(例えば、表B)。同時投与され得る例示的なADCとしては、ゲムツズマブ、ブレンツキシマブ、トラスツズマブ、イノツズマブ、グランバツムマブ、アネツマブ、ミルベツキシマブ、デパツキシズマブ、ノバルピツズマブ、バダスツキシマブ、ラベツズマブ、サクツズマブ、リファスツズマブ、インデュサツマブ、ポラツズマブ、ピナツズマブ、コルツキシマブ、インダツキシマブ、ミラツズマブ、ロバルピツズマブ、ABBV-011、ABBV-2029、ABBV-321、ABBV-647、MLN0264(抗GCC、グアニリルシクラーゼC)、T-DM1(トラツズマブエムタンシン、Kadcycla);SYD985(抗HER2、デュオカルマイシン)、ミラツズマブドキソルビシン(hCD74-DOX)、DCDT2980S、ベランタマブマフォドチン(GSK2857916)、ポラツズマブベドチン(RG-7596)、SGN-CD70A、SGN-CD19A、イノツズマブオゾガマイシン(CMC-544)、ロルボツズマブメルタンシン、SAR3419、イサクツズマブゴビテカン、エンホルツマブベドチン(ASG-22ME)、ASG-15ME、DS-8201((トラスツズマブデルウクテカン)、225Ac-リンツズマブ、U3-1402、177Lu-テトラキセタン-テツロマ、チソツマブベドチン、アネツマブラブタンシン、CX-2009、SAR-566658、W-0101、ABBV-085、ゲムツズマブオゾガマイシン、ABT-414、グレンバツムマブベドチン(CDX-011)、ラベツズマブゴビテカン(IMMU-130)、サクツズマブゴビテカン(IMMU-132)、リファスズマブベドチン、(RG-7599)、ミラツズマブ-ドキソルビシン(IMMU-110)、インダツキシマブラブタンシン(BT-062)、ピナツズマブベドチン(RG-7593)、SGN-LIV1A、SGN-CD33A、SAR566658、MLN2704、SAR408701、ロバルブスピズマブテシリン、ABBV-399、AGS-16C3F、ASG-22ME、AGS67E、AMG172、AMG595、AGS-15E、BAY1129980、BAY1187982、BAY94-934(アネツマブラブタンシン)、GSK2857916、Humax-TF-ADC(チソツマブベドチン)、IMGN289、IMGN529、IMGN853(ミルベツキシマブソラブタンシン)、LOP628、PCA062、MDX-1203、MEDI-547、PF-06263507、PF-06647020、PF-06647263、PF-06664178、PF-06688992、PF-06804103、RG7450、RG7458、RG7598、SAR566658、SGN-CD33A、DS-1602、及びDS-7300、DS-6157、DS-6000、TAK-164,MEDI2228,MEDI7247,AMG575が挙げられるが、これらに限定されない。同時投与され得るADCは、例えば、Lambertet al.Adv Ther(2017)34:1015-1035、及びin de Goeij,Current
Opinion in Immunology(2016)40:14-23に記載されている。
【0361】
薬物コンジュゲート化抗体、その断片、又は抗体ミメティックにコンジュゲート化することができる、例示的な治療薬(例えば、抗がん剤又は抗新生物剤)としては、モノメチルオーリスタチンE(MMAE)、モノメチルオーリスタチンF(MMAF)、カリチアマイシン、アンサミトシン、メイタンシン又はその類似体(例えば、メルタンシン/エムタンシン(DM1)、ラブタンシン/ソラブタンシン(DM4))、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン)、ピロロベンゾジアゼピン(PBD)DNA架橋剤SC-DR002(D6.5)、デュオカルマイシン、微小管阻害剤(MTI)(例えば、タキサン、ビンカアルカロイド、エポチロン)、ピロロベンゾジアゼピン(PBD)又はその二量体、及びデュオカルマイシン(A、B1、B2、C1、C2、D、SA、CC-1065)、並びに本明細書に記載の他の抗がん剤又は抗新生物剤が挙げられるが、これらに限定されない。
がん遺伝子療法及び細胞療法
【0362】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、がん遺伝子療法及び細胞療法と組み合わされる。がん遺伝子療法及び細胞療法は、変異又は改変された遺伝子を置換するための正常遺伝子のがん細胞への挿入;変異した遺伝子をサイレンシングする遺伝子修飾;がん細胞を直接死滅させるための遺伝的アプローチ;例えば、がん細胞に対する免疫応答を増強するために、患者自身の免疫系の大部分を置き換える、又はがん細胞を死滅させるために、若しくはがん細胞を発見及び死滅させるために、患者自身の免疫系(T細胞若しくはナチュラルキラー細胞)を活性化するように、設計された免疫細胞の注入;細胞活性を改変して、がんに対する内因性免疫応答性を更に変更するための遺伝的アプローチを含む。
細胞療法
【0363】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、1つ以上の細胞療法と組み合わされる。例示的な細胞療法としては、免疫細胞の集団の1つ以上の同時投与が挙げられるが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、免疫細胞は、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、T細胞、ガンマデルタT細胞、B細胞、サイトカイン誘導性キラー(CIK)細胞、マクロファージ(MAC)細胞、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、顆粒球、自然リンパ細胞、巨核球、単球、マクロファージ、血小板、胸腺細胞、骨髄細胞、及び/又は樹状細胞(DC)である。いくつかの実施形態では、細胞療法は、T細胞療法、例えば、α/βTCR T細胞、γ/δTCR T細胞、制御性T(Treg)細胞、及び/又はTRuC(商標)T細胞の集団を同時投与することを伴う。いくつかの実施形態では、細胞療法は、NK細胞療法、例えばNK-92細胞の同時投与を伴う。必要に応じて、細胞療法は、対象に対する自家、同系、又は同種の細胞の同時投与を伴い得る。
【0364】
一部の実施形態では、細胞療法は、キメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)TCRを発現するように操作された免疫細胞の同時投与を伴う。特定の実施形態では、免疫細胞の集団は、CARを発現するように操作され、CARは、がん抗原結合ドメインを含む。他の実施形態では、免疫細胞の集団は、腫瘍細胞の表面に提示された腫瘍由来ペプチドを標的とするように操作されたT細胞受容体(TCR)を発現するように操作される。一実施形態では、キメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)TCRを発現するように操作された免疫細胞は、T細胞である。別の実施形態では、キメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)TCRを発現するように操作された免疫細胞は、NK細胞である。
【0365】
CARの構造に関して、いくつかの実施形態では、CARは、抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの実施形態では、細胞内ドメインは、一次シグナル伝達ドメイン、共刺激ドメイン、又は一次シグナル伝達ドメイン及び共刺激ドメインの両方を含む。ある特定の実施形態では、主要シグナル伝達ドメインは、CD3ゼータ、CD3ガンマ、CD3デルタ、CD3エプシロン、一般的なFcRガンマ(FCERIG)、FcRベータ(Fcエプシロン、Rlb)、CD79a、CD79b、FcガンマRIIa、DAP10、及びDAP12、4-1BB/CD137、活性化NK細胞受容体、免疫グロブリンタンパク質、B7-H3、BAFFR、BLAME(SLAMF8)、BTLA、CD100(SEMA4D)、CD103、CD160(BY55)、CD18、CD19、CD19a、CD2、CD247、CD27、CD276(B7-H3)、CD28、CD29、CD3デルタ、CD3イプシロン、CD3ガンマ、CD30、CD4、CD40、CD49a、CD49D、CD49f、CD69、CD7、CD84、CD8アルファ、CD8ベータ、CD96(Tactile)、CD11a、CD11b、CD11c、CD11d、CDS、CEACAM1、CRT AM、サイトカイン受容体、DAP-10、DNAM1(CD226)、Fcガンマ受容体、GADS、GITR、HVEM(LIGHTR)、IA4、ICAM-1、ICAM-1、Igアルファ(CD79a)、IL-2Rベータ、IL-2Rガンマ、IL-7Rアルファ、誘導性T細胞共刺激因子(ICOS)、インテグリン、ITGA4、ITGA4、ITGA6、ITGAD、ITGAE、ITGAL、ITGAM、ITGAX、ITGB2、ITGB7、ITGB1、KIRDS2、LAT、LFA-1、LFA-1、CD83に結合するリガンド、LIGHT、LIGHT、LTBR、Ly9(CD229)、Ly108)、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1、CD1-1a/CD18)、MHCクラス1分子、NKG2C、NKG2D、NKp30、NKp44、NKp46、NKp80(KLRF1)、OX-40、PAG/Cbp、プログラム死-1(PD-1)、PSGL1、SELPLG(CD162)、シグナル伝達リンパ球活性化分子(SLAMタンパク質)、SLAM(SLAMF1、CD150;IPO-3)、SLAMF4(CD244、2B4)、SLAMF6(NTB-A、SLAMF7、SLP-76、TNF受容体タンパク質、TNFR2、TNFSF14、Tollリガンド受容体、TRANCE/RANKL、VLA1、若しくはVLA-6、又は断片、切断、若しくはそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上のタンパク質の機能的シグナル伝達ドメインを含む。
【0366】
一部の実施形態では、共刺激ドメインは、CD27、CD28、4-1BB(CD137)、OX40、CD30、CD40、PD-1、ICOS、CD2、CD7、LIGHT、NKG2C、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1)、MYD88、B7-H3、CD83と特異的に結合するリガンド、CDS、ICAM-1、GITR、BAFFR、HVEM(LIGHTR)、SLAMF7、NKp80(KLRFI)、CD19、CD4、CD8アルファ、CD8ベータ、IL2Rベータ、IL2Rガンマ、IL7Rアルファ、ITGA4、VLA1、CD49a、ITGA4、IA4、CD49D、ITGA6、VLA-6、CD49f、ITGAD、ITGAE、CD103、ITGAL、CD1A(NCBI遺伝子ID:909)、CD1B(NCBI遺伝子ID:910)、CD1C(NCBI遺伝子ID:911)、CD1D(NCBI遺伝子ID:912)、CD1E(NCBI遺伝子ID:913)、ITGAM、ITGAX、ITGB1、CD29、ITGB2(CD18、LFA-1)、ITGB7、TNFR2、TRANCE/RANKL、DNAM1(CD226)、SLAMF4(CD244、2B4)、CD84、CD96(Tactile)、CEACAM1、CRTAM、Ly9(CD229)、CD160(BY55)、PSGL1、CD100(SEMA4D)、CD69、SLAMF6(NTB-A、Ly108)、SLAM(SLAMF1、CD150、IPO-3)、BLAME(SLAMF8)、SELPLG(CD162)、LTBR、LAT、GADS、SLP-76、PAG/Cbp、NKp44、NKp30、NKp46及びNKG2Dからなる群から選択される1つ以上のタンパク質の機能ドメインを含む。
【0367】
一部の実施形態では、膜貫通ドメインは、T細胞受容体のアルファ、ベータ、又はゼータ鎖、CD28、CD3イプシロン、CD3デルタ、CD3ガンマ、CD45、CD4、CD5、CD7、CD8アルファ、CD8ベータ、CD9、CD11a、CD11b、CD11c、CD11d、CD16、CD18、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、CD154、KIRDS2、OX40、CD2、CD27、ICOS(CD278)、4-1BB(CD137)、GITR、CD40、BAFFR、HVEM(LIGHTR)、SLAMF7、NKp80(KLRF1)、CD19、CD19a、IL2Rベータ、IL2Rガンマ、IL7Rアルファ、ITGA1、VLA1、CD49a、ITGA4、IA4、CD49D、ITGA6、VLA-6、CD49f、ITGAD、CD1A、CD1B、CD1C、CD1D、CD1E、ITGAE、CD103、ITGAL、ITGAM、ITGAX、ITGB1、ITGB2、ITGB7、CD29、ITGB2(LFA-1、CD18)、ITGB7、TNFR2、DNAM1(CD226)、SLAMF4(CD244、2B4)、CD84、CD96(TACTILE)、CEACAM1、CRTAM、Ly9(CD229)、CD160(BY55)、PSGL1、CD100(SEMA4D)、SLAMF6(NTB-A、Ly108)、SLAM(SLAMF1、CD150、IPO-3)、BLAME(SLAMF8)、SELPLG(CD162)、LTBR、PAG/Cbp、NKp44、NKp30、NKp46、NKG2D、NKG2C活性化NK細胞受容体、免疫グロブリンタンパク質、BTLA、CD247、CD276(B7-H3)、CD30、CD84、CDS、サイトカイン受容体、Fcガンマ受容体、GADS、ICAM-1、Igアルファ(CD79a)、インテグリン、LAT、CD83と結合するリガンド、LIGHT、MHCクラス1分子、PAG/Cbp、TNFSF14、Tollリガンド受容体、TRANCE/RANKL、又はそれらの断片、切断若しくは組み合わせからなる群から選択されるタンパク質に由来する膜貫通ドメインを含む。
【0368】
一部の実施形態では、CARはヒンジドメインを含む。ヒンジドメインは、CD2、CD3デルタ、CD3イプシロン、CD3ガンマ、CD4、CD7、CD8アルファ、CD8ベータ、CD11a(ITGAL)、CD11b(ITGAM)、CD11c(ITGAX)、CD11d(ITGAD)、CD18(ITGB2)、CD19(B4)、CD27(TNFRSF7)、CD28、CD28T、CD29(ITGB1)、CD30(TNFRSF8)、CD40(TNFRSF5)、CD48(SLAMF2)、CD49a(ITGA1)、CD49d(ITGA4)、CD49f(ITGA6)、CD66a(CEACAM1)、CD66b(CEACAM8)、CD66c(CEACAM6)、CD66d(CEACAM3)、CD66e(CEACAM5)、CD69(CLEC2)、CD79A(B細胞抗原受容体複合体関連アルファ鎖)、CD79B(B細胞抗原受容体複合体関連ベータ鎖)、CD84(SLAMF5)、CD96(Tactile)、CD100(SEMA4D)、CD103(ITGAE)、CD134(OX40)、CD137(4-1BB)、CD150(SLAMF1)、CD158A(KIR2DL1)、CD158B1(KIR2DL2)、CD158B2(KIR2DL3)、CD158C(KIR3DP1)、CD158D(KIRDL4)、CD158F1(KIR2DL5A)、CD158F2(KIR2DL5B)、CD158K(KIR3DL2)、CD160(BY55)、CD162(SELPLG)、CD226(DNAM1)、CD229(SLAMF3)、CD244(SLAMF4)、CD247(CD3-ゼータ)、CD258(LIGHT)、CD268(BAFFR)、CD270(TNFSF14)、CD272(BTLA)、CD276(B7-H3)、CD279(PD-1)、CD314(NKG2D)、CD319(SLAMF7)、CD335(NK-p46)、CD336(NK-p44)、CD337(NK-p30)、CD352(SLAMF6)、CD353(SLAMF8)、CD355(CRTAM)、CD357(TNFRSF18)、誘導性T細胞共刺激因子(ICOS)、LFA-1(CD11a/CD18)、NKG2C,DAP-10、ICAM-1、NKp80(KLRF1)、IL-2Rベータ、IL-2Rガンマ、IL-7Rアルファ、LFA-1、SLAMF9、LAT、GADS(GrpL)、SLP-76(LCP2)、PAG1/CBP、CD83リガンド、Fcガンマ受容体、MHCクラス1分子、MHCクラス2分子、TNF受容体タンパク質、免疫グロブリンタンパク質、サイトカイン受容体、インテグリン、活性化NK細胞受容体、又はTollリガンド受容体、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgD、IgE、IgM、又はそれらの断片若しくは組み合わせからなる群から選択されるタンパク質に由来し得る。
【0369】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のTCR若しくはCAR抗原結合ドメイン又は免疫療法剤(例えば、単一特異性若しくは多重特異性抗体又はその抗原結合断片、又は抗体ミメティック(antibody mimetic))は、腫瘍関連抗原(TAA)に結合する。い
くつかの実施形態では、腫瘍関連抗原は、CD19;CD123;CD22;CD30;CD171;CS-1(CD2サブセット1、CRACC、SLAMF7、CD319及び19A24とも称される);C型レクチン様分子-1(CLL-1又はCLECLI);CD33;上皮成長因子受容体多様体III(EGFRvlll);ガングリオシドG2(GD2);ガングリオシドGD3(αNeuSAc(2-8)αNeuSAc(2-3)βDGaip(1-4)bDGIcp(1-1)Cer);ガングリオシドGM3(αNeuSAc(2-3)βDGalp(1-4)βDGIcp(1-1)Cer);GM-CSF受容体TNF受容体スーパーファミリーメンバー17(TNFRSF17、BCMA);Bリンパ球細胞接着分子、Tn抗原((Tn Ag)又は(GaINAcu-Ser/Thr));前立腺特異的膜抗原(PSMA);受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(RORI);腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72);CD38;CD44v6;がん胎児性抗原(CEA);上皮細胞接着分子(EPCAM);B7H3(CD276);KIT(CD117);インターロイキン-13受容体サブユニットα-2(IL-13Ra2又はCD213A2);メソテリン;インターロイキン11受容体α(IL-11Ra);前立腺幹細胞抗原(PSCA);プロテアーゼセリン21(テスチシン又はPRSS21);血管内皮成長因子受容体2(VEGFR2);HLAクラスI抗原A-2アルファ、HLA抗原、ルイス(Y)抗原;CD24;血小板由来成長因子受容体β(PDGFR-β);ステージ特異的胎児性抗原-4(SSEA-4)、CD20;デルタ様3(DLL3);葉酸受容体α;葉酸受容体ベータ、GDNFアルファ4受容体、受容体チロシンキナーゼ、ERBB2(Her2/neu)、ムチン1、細胞表面結合(MUC1);APRIL受容体、ADPリボシルシクラーゼ-1、Ephb4チロシンキナーゼ受容体、DCAMKL1セリンスレオニンキナーゼ、アスパラギン酸ベータ-ヒドロキシラーゼ、上皮成長因子受容体(EGFR)、神経細胞接着分子(NCAM);プロスターゼ;前立腺酸性ホスファターゼ(PAP);伸長因子2変異(ELF2M);エフリンB2;線維芽細胞活性化タンパク質α(FAP);インスリン様成長因子1受容体(IGF-I受容体)、カルボニックアンヒドラーゼIX(CAIX);プロテアソーム(プロソーム、マクロペイン)サブユニット、β型、9(LMP2);糖タンパク質100(gp100);切断点クラスター領域(BCR)及びアベルソンマウス白血病ウイルスがん遺伝子ホモログ1(Abl)(bcr-abl)からなるがん遺伝子融合タンパク質;チロシナーゼ;エフリンA型受容体2(EphA2)、エフリンA型受容体3(EphA3)、フコシルGM1、シアリルルイス接着分子(sLe);トランスグルタミナーゼ5(TGS5);高分子量-黒色腫関連抗原(HMWMAA);o-アセチル-GD2ガングリオシド(OAcGD2);葉酸受容体β;腫瘍内皮マーカー1(TEM1/CD248);腫瘍内皮マーカー7関連(TEM7R);前立腺Iの6つの膜貫通上皮抗原(STEAP1);クローディン6(CLDN6);甲状腺刺激ホルモン受容体(TSHR);Gタンパク質共役型受容体クラスCグループ5、メンバーD(GPRCSD);IL-15受容体(IL-15)、X染色体オープンリーディングフレーム61(CXORF61);CD97;CD179a;未分化リンパ腫キナーゼ(ALK);ポリシアル酸;胎盤特異的1型(PLAC1);globoHグリコセラミド(GloboH)の六糖部分;乳腺分化抗原(NY-BR-1);ウロプラキン2(UPK2);A型肝炎ウイルス細胞受容体1(HAVCR1);アドレナリン受容体β3(ADRB3);パネキシン3(PANX3);Gタンパク質共役型受容体20(GPR20);リンパ球抗原6複合体、遺伝子座K9(LY6K);嗅覚受容体51E2(ORS IE2);TCRγ代替リーディングフレームタンパク質(TARP);ウイルムス腫瘍タンパク質(WT1);がん/精巣抗原1(NY-ESO-1);がん/精巣抗原2(LAGE-la);黒色腫関連抗原1(MAGE-A1);黒色腫関連抗原3(MAGE-A3);黒色腫関連抗原4(MAGE-A4);T細胞受容体ベータ2鎖C、染色体12pに位置するETS転座多様体遺伝子6(ETV6-AML);精子タンパク質17(SPA17);X抗原ファミリー、メンバー1A(XAGE1);アンジオポエチン結合細胞表面受容体2(Tie2);黒色腫がん精巣抗原-1(MADCT-1);黒色腫がん精巣抗原-2(MAD-CT-2);Fos関連抗原1;腫瘍タンパク質p53(p53);p53変異体;プロスタイン;スルビビン;テロメラーゼ;前立腺がん腫瘍抗原-1(PCTA-1又はガレクチン8)、T細胞1によって認識される黒色腫抗原(MelanA又はMARTI);ラット肉腫(Ras)変異体;ヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT);肉腫転座切断点;黒色腫アポトーシス阻害剤(ML-IAP);ERG(膜貫通型プロテアーゼ、セリン2(TMPRSS2)ETS融合遺伝子);N-アセチルグルコサミニル転移酵素V(NA17);ペアードボックスタンパク質Pax-3(PAX3);アンドロゲン受容体;サイクリン-A1、サイクリンB1;v-mycトリ骨髄腫ウイルスがん遺伝子神経芽細胞腫由来ホモログ(MYCN);RasホモログファミリーメンバーC(RhoC);チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP-2);シトクロムP450 1B1(CYP IBI);CCCTC結合因子(亜鉛フィンガータンパク質)様(BORIS又は刷り込み部位の調節因子の兄弟)、T細胞によって認識される扁平上皮がん抗原3(SART3);ペアードボックスタンパク質Pax-5(PAX5);プロアクロシン結合タンパク質sp32(OY-TES I);リンパ球特異的タンパク質チロシンキナーゼ(LCK);キナーゼアンカータンパク質4(AKAP-4);ペプチドグリカン認識タンパク質、滑膜肉腫、X切断点2(SSX2)、終末糖化産物用受容体(RAGE-I);腎ユビキタス1(RUI);腎ユビキタス2(RU2);レグマイン;ヒト乳頭腫ウイルスE6(HPV E6);ヒト乳頭腫ウイルスE7(HPV E7);腸内カルボキシルエステラーゼ;熱ショックタンパク質70-2変異(mut hsp70-2);CD79a;CD79b;CD72;白血球関連免疫グロブリン様受容体1(LAIRI);IgA受容体のFc断片(FCAR又はCD89);白血球免疫グロブリン様受容体サブファミリーAメンバー2(LILRA2);CD300分子様ファミリーメンバーf(CD300LF);C型レクチンドメインファミリー12メンバーA(CLEC12A);骨髄間質細胞抗原2(BST2);ムチン様ホルモン受容体様2(EMR2)を含むEGF様モジュールリンパ球抗原75(LY75);グリピカン-2(GPC2);グリピカン3(GPC3);Fc受容体様5(FCRL5);及び免疫グロブリンλ様ポリペプチド1(IGLL1)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、標的は、MHCに提示される腫瘍関連抗原のエピトープである。
【0370】
いくつかの実施形態では、腫瘍抗原は、CD150、5T4、ActRIIA、B7、TNF受容体スーパーファミリーメンバー17(TNFRSF17、BCMA)、CA-125、CCNA1、CD123、CD126、CD138、CD14、CD148、CD15、CD19、CD20、CD200、CD21、CD22、CD23、CD24、CD25、CD26、CD261、CD262、CD30、CD33、CD362、CD37、CD38、CD4、CD40、CD40L、CD44、CD46、CD5、CD52、CD53、CD54、CD56、CD66a-d、CD74、CD8、CD80、CD92、CE7、CS-1、CSPG4、ED-Bフィブロネクチン、EGFR、EGFRvIII、EGP-2、EGP-4、EPHa2、ErbB2、ErbB3、ErbB4、FBP、HER1-HER2の組み合わせ、HER2-HER3の組み合わせ、HERV-K、HIV-1エンベロープ糖タンパク質gp120、HIV-1エンベロープ糖タンパク質gp41、HLA-DR、HLAクラスI抗原アルファG、HM1.24、K-Ras GTPase、HMW-MAA、Her2、Her2/neu、IGF-1R、IL-11アルファ、IL-13R-アルファ2、IL-2、IL-22R-アルファ、IL-6、IL-6R、Ia、Ii、L1-CAM、L1-細胞接着分子、ルイスY、Ll-CAM、MAGE A3、MAGE-A1、MART-1、MUC1、NKG2Cリガンド、NKG2Dリガンド、NYESO-1、OEPHa2、PIGF、PSCA、PSMA、ROR1、T101、TAC、TAG72、TIM-3、TRAIL-R1、TRAIL-R1(DR4)、TRAIL-R2(DR5)、VEGF、VEGFR2、WT-I、Gタンパク質共役受容体、アルファフェトプロテイン(AFP)、血管新生因子、外因性同族結合分子(ExoCBM)、がん遺伝子産物、抗葉酸受容体、c-Met、がん胎児性抗原(CEA)、サイクリン(D 1)、エフリンB2、上皮性腫瘍抗原、エストロゲン受容体、胎児アセチルコリンe受容体、葉酸結合タンパク質、gp100、B型肝炎表面抗原、エプスタインバー核抗原1、潜在膜タンパク質1、分泌タンパク質BARF1、P2X7プリン受容体、シンデカン-1、カッパ鎖、カッパ軽鎖、kdr、ラムダ鎖、リビン、黒色腫関連抗原、メソテリン、マウス二重微小染色体2ホモログ(MDM2)、ムチン16(MUC16)、変異p53、変異ras、壊死抗原、がん胎児性抗原、ROR2、プロゲステロン受容体、前立腺特異抗原、tEGFR、テネイシン、P2-ミクロギオブイイン、Fc受容体様5(FcRL5)から選択される。
【0371】
細胞療法の例としては、AMG-119、Algenpantucel-L、ALOFISEL(登録商標)、Sipuleucel-T、(BPX-501)rivogenlecleucel米国特許出願公開第9089520号、国際公開第2016/100236号、AU-105、ACTR-087、活性化同種ナチュラルキラー細胞CNDO-109-AANK、MG-4101、AU-101、BPX-601、FATE-NK100、LFU-835造血幹細胞、Imilecleucel-T、baltaleucel-T、PNK-007、UCARTCS1、ET-1504、ET-1501、ET-1502、ET-190、CD19-ARTEMIS、ProHema、FT-1050治療による骨髄幹細胞療法、CD4CARNK-92細胞、SNK-01、NEXI-001、CryoStim、AlloStim、レンチウイルス形質導入huCART-meso細胞、CART-22細胞、EGFRt/19-28z/4-1BBL CAR T細胞、自家4H11-28z/fIL-12/EFGRt T細胞、CCR5-SBC-728-HSPC、CAR4-1BBZ、CH-296、dnTGFbRII-NY-ESOc259T、Ad-RTS-IL-12、IMA-101、IMA-201、CARMA-0508、TT-18、CMD-501、CMD-503、CMD-504、CMD-502、CMD-601、CMD-602、CSG-005、LAAP T細胞療法、PD-1ノックアウトT細胞療法(食道がん/NSCLC)、抗MUC1 CAR T細胞療法(食道がん/NSCLC)、抗MUC1 CAR T細胞療法+PD-1ノックアウトT細胞療法(食道がん/NSCLC)、抗KRAS G12D mTCR PBL、抗CD123 CAR T細胞療法、抗変異新抗原TCR T細胞療法、腫瘍ライセート/MUC1/スルビビンPepTivator負荷樹状細胞ワクチン、自家樹状細胞ワクチン(転移性悪性黒色腫、皮内/静脈内)、抗LeY-scFv-CD28-ゼータCAR T細胞、PRGN-3005、iC9-GD2-CAR-IL-15 T-細胞、HSC-100、ATL-DC-101、MIDRIX4-LUNG、MIDRIXNEO、FCR-001、PLX幹細胞療法、MDR-101、GeniusVac-Mel4、ilixadencel、同種間葉系幹細胞療法、romyelocel L、CYNK-001、ProTrans、ECT-100、MSCTRAIL、dilanubicel、FT-516、ASTVAC-2、E-CEL UVEC、CK-0801、同種アルファ/ベータCD3+T細胞及びCD19+B細胞枯渇幹細胞(血液疾患、TBX-1400、HLCN-061、臍帯由来Hu-PHEC細胞(血液悪性腫瘍/再生不良性貧血)、AP-011、apceth-201、apceth-301、SENTI-101、幹細胞療法(膵臓がん)、ICOVIR15-cBiTE、CD33HSC/CD33 CAR-T、PLX-Immune、SUBCUVAX、CRISPR同種ガンマ-デルタT細胞ベースの遺伝子療法(がん)、エクスビボCRISPR同種健康ドナーNK細胞ベースの遺伝子療法(がん)、エクスビボ同種人工多能性幹細胞由来NK細胞ベースの遺伝子療法(固形腫瘍)、及び抗CD20 CAR T細胞療法(非ホジキンリンパ腫)が挙げられるが、これらに限定されない。
腫瘍を標的とする追加の薬剤
【0372】
腫瘍を標的とする追加の薬剤としては、ET-1402及びAFP-TCRなどのアルファ-フェトプロテイン調節剤;抗TEM8 CAR T細胞療法などの炭疽菌毒素受容体1調節剤;bb-2121(ide-cel)、bb-21217、JCARH125、UCART-BCMA、ET-140、MCM-998、LCAR-B38M、CART-BCMA、SEA-BCMA、BB212、ET-140、P-BCMA-101、AUTO-2(APRIL-CAR)、JNJ-68284528などのTNF受容体スーパーファミリーメンバー17(TNFRSF17、BCMA);抗CLL-1抗体(例えば、PCT/米国特許出願公開第2017/025573号を参照されたい);KD-045などの抗PD-L1-CARタンク細胞療法;PD-L1 t-haNKなどの抗PD-L1 t-haNK;131I-BC8(lomab-B)などの抗CD45抗体;LJM716、GSK2849330などの抗HER3抗体;抗BCMA CAR T細胞療法、Descartes-011などのAPRIL受容体調節剤;二重抗BCMA/抗CD38 CAR T細胞療法などのADPリボシルシクラーゼ-1/APRIL受容体調節剤;CART-ddBCMA;CAR-NKp30及びCAR-B7H6などのB7ホモログ6;TBI-1501、CTL-119 huCART-19 T細胞、iso-cel、JCAR-015米国特許第7446190号、JCAR-014、JCAR-017(国際公開第2016/196388号、国際公開第2016/033570号、国際公開第2015/157386号)、アキシカブタゲンシロルユーセル(KTE-C19、Yescarta(登録商標))、KTE-X19、米国特許第7741465号、米国特許第6319494号、UCART-19、EBV-CTL、Tチサゲンレクルユーセル-T(CTL019)、国際公開第2012/079000号、国際公開第2017/049166号、CD19CAR-CD28-CD3ゼータ-EGFRt発現T細胞、CD19/4-1BBL武装化CAR T細胞療法、C-CAR-011、CIK-CAR.CD19、CD19CAR-28-ゼータT細胞、PCAR-019、MatchCART、DSCAR-01、IM19 CAR-T、TC-110などのBリンパ球抗原CD19;抗CD19 CAR T細胞療法(B細胞急性リンパ芽球性白血病、マレーシア国民大学);抗CD19 CAR T細胞療法(急性リンパ芽球性白血病/非ホジキンリンパ腫、ハイデルベルク大学病院)、抗CD19 CAR T細胞療法(IL-6発現抑制、がん、Shanghai Unicar-Therapy Bio-medicine Technology)、MB-CART2019.1(CD19/CD20)、GC-197(CD19/CD7)、CLIC-1901、ET-019003、抗CD19-STAR-T細胞、AVA-001、BCMA-CD19 cCAR(CD19/APRIL)、ICG-134、ICG-132(CD19/CD20)、CTA-101、WZTL-002、二重抗CD19/抗CD20 CAR T細胞(慢性リンパ性白血病/B細胞リンパ腫)、HY-001、ET-019002、YTB-323、GC-012(CD19/APRIL)、GC-022(CD19/CD22)、CD19CAR-CD28-CD3zeta-EGFRt発現Tn/mem;UCAR-011、ICTCAR-014、GC-007F、PTG-01、CC-97540;GC-007Gなどの同種抗CD19 CART細胞;APRIL受容体調節剤;SLAMファミリーメンバー7調節剤、BCMA-CS1 cCAR;ADCTA-SSI-Gなどの自家樹状細胞腫瘍抗原(ADCTA);ACTR707 ATTCK-20、PBCAR-20AなどのBリンパ球抗原CD20;LB-1905などのCD20 CARを発現する同種T細胞;TC-310などのBリンパ球抗原CD19/Bリンパ球抗原22;UCART-22、JCAR-018国際公開第2016/090190号などのBリンパ球抗原22細胞接着;GSK-3377794、TBI-1301、GSK3537142などのNY-ESO-1調節剤;DC-Ad-GMCAIXなどのカルボニックアンヒドラーゼ;CaspaCIDe DLI、BPX-501などのカスパーゼ9自殺遺伝子;SB-728などのCCR5;レンチウイルスベクターCCR5 shRNA/TRIM5alpha/TARデコイ形質導入自家CD34陽性造血前駆細胞などのCCR5遺伝子阻害剤/TAT遺伝子/TRIM 5遺伝子刺激因子;MB-102、IM-23、JEZ-567、UCART-123などのCDw123;ICG-122などのCD4;CD5.28z CART細胞などのCD5調節剤;抗CD22 CARTなどの抗CD22;TT-11などの抗CD30;LB-1910などの二重抗CD33/抗CLL 1;BPX-201、MEDI5083などのCD40リガンド;同種CD56陽性CD3陰性ナチュラルキラー細胞(骨髄性悪性腫瘍)などのCD56;GC-197などのCD19/CD7調節剤;抗CD7 CAR T細胞療法(CD7陽性血液悪性腫瘍)などのT細胞抗原CD7調節剤;UniCAR02-T-CD123などのCD123調節剤;抗CD276 CARTなどの抗CD276;MG7-CARTなどのCEACAMタンパク質5調節剤;CSG-002などのクローディン6;LB-1904などのクローディン18.2;CLTX-CARTなどのクロロトキシン;CMD-003などのEBV標的;自家4H11-28z/fIL-12/EFGRt T細胞などのMUC16EGFR;PGN-514,PGN-201などのエンドヌクレアーゼ;TT-10などのエプスタインバーウイルス特異的Tリンパ球;TT-10Xなどのエプスタインバー核抗原1/潜在膜タンパク質1/分泌タンパク質BARF1調節剤;CST-102、CIDeCARなどのErbb2;4SCAR-GD2などのガングリオシド(GD2);ICS-200などのガンマデルタT細胞;葉酸加水分解酵素1(FOLH1、グルタミン酸カルボキシペプチダーゼII、PSMA;NCBI遺伝子ID:2346)、CIK-CAR.PSMA、CART-PSMA-TGFβRDN、P-PSMA-101など;TT-16、GLYCARなどのグリピカン-3(GPC3)、PGN-236などのヘモグロビン;抗cMet RNA CAR Tなどの肝細胞増殖因子受容体;FH-MCVA2TCRなどのHLAクラスI抗原A-2アルファ調節剤;ADP-A2M4CD8などのHLAクラスI抗原A-2アルファ/黒色腫関連抗原4調節剤;FIT-001、NeoTCR-P1などのHLA抗原調節剤;KITE-439などのヒトパピローマウイルスE7タンパク質(例えば、PCT/米国特許出願公開第2015/033129号を参照されたい);AIC-100などのICAM-1調節剤;ACTR087などの免疫グロブリンガンマFc受容体III;DC-RTS-IL-12などのIL-12;JCAR-020などのIL-12アゴニスト/ムチン16;MB-101などのIL-13アルファ2;PRGN-3006、ALT-803などのIL-15受容体アゴニスト;インターロイキン-15/Fc融合タンパク質(例えば、XmAb24306);組換えインターロイキン-15(例えば、AM0015、NIZ-985);ペグ化IL-15(例えば、NKTR-255);CST-101などのIL-2;自家腫瘍細胞ワクチン+全身CpG-B+IFN-アルファ(がん)などのインターフェロンアルファリガンド;抗KRAS G12V mTCR細胞療法などのK-Ras GTPase;JCAR-023などの神経細胞接着分子L1 L1CAM(CD171);Ad5f35-LMPd1-2-形質導入自家樹状細胞などの潜在膜タンパク質1/潜在膜タンパク質2;MART-1 F5 TCR操作PBMCなどのMART-1黒色腫抗原調節剤;MAGE-A10C796T MAGE-A10 TCRなどの黒色腫関連抗原10;KITE-718などの黒色腫関連抗原3/黒色腫関連抗原6(MAGE A3/A6)(例えば、PCT/米国特許出願公開第2013/059608号を参照されたい);CSG-MESO、TC-210などのメソテリン;ICTCAR-052、Tn MUC-1 CAR-T、ICTCAR-053などのムチン1調節剤;CYAD-02などの抗MICA/MICB;NKR-2などのNKG2D;JCAR-024などのNtrkr1チロシンキナーゼ受容体;BPX-701などのPRAMET細胞受容体;MB-105などの前立腺幹細胞抗原調節剤;ATCG-427などのラウンドアバウトホモログ1調節剤;Tag-7遺伝子改変自家腫瘍細胞ワクチンなどのペプチドグリカン認識タンパク質調節剤;PSMA-CAR T細胞療法((レンチウイルスベクター、去勢抵抗性前立腺がん)などのPSMA;IC9-Luc90-CD828ZなどのSLAMファミリーメンバー7調節剤;DNR.NPC T細胞などのTGFベータ受容体調節剤;TT-12などのTリンパ球;ATL-001などのTリンパ球刺激因子;ICTCAR-051などのTSH受容体調節剤;LN-144、LN-145などの腫瘍浸潤リンパ球;及びJTCR-016、WT1-CTL、ASP-7517などのウイルムス腫瘍タンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。
MCL1アポトーシス調節物質、BCL2ファミリーメンバー(MCL1)阻害剤
【0373】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、MCL1アポトーシス調節因子、BCL2ファミリーメンバー(MCL1、TM;EAT;MCL1L;MCL1S;Mcl-1;BCL2L3;MCL1-ES;bcl2-L-3;mcl1/EAT;NCBI遺伝子ID:4170)の阻害剤と組み合わされる。MCL1阻害剤の例としては、AMG-176、AMG-397、S-64315、及びAZD-5991、483-LM、A-1210477、UMI-77、JKY-5-037、並びに国際公開第2018/183418号、国際公開第2016/033486号、国際公開第2019/222112号、及び国際公開第2017/147410号に記載されたものが挙げられる。
サイトカイン誘導性SH2含有タンパク質(CISH)阻害剤
【0374】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、サイトカイン誘導性SH2含有タンパク質の阻害剤(CISH;CIS;G18;SOCS;CIS-1;BACTS2;NCBI遺伝子ID:1154)の阻害剤と組み合わされる。CISH阻害剤の例としては、国際公開第2017/100861号、国際公開第2018/075664号及び国際公開第2019/213610号に記載されているものが挙げられる。
遺伝子エディタ
【0375】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、遺伝子エディタと組み合わされる。同時投与され得る例示的な遺伝子編集系には、CRISPR/Cas9系、ジンクフィンガーヌクレアーゼ系、TALEN系、ホーミングエンドヌクレアーゼ系(例えば、ARCUS)、及びホーミングメガヌクレアーゼ系が含まれるが、これらに限定されない。
不特定の標的を有する他の薬物
【0376】
様々な実施形態では、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤は、ヒト免疫グロブリン(10%液体製剤)、Cuvitru(ヒト免疫グロブリン(20%溶液)、レボフォリネート二ナトリウム、IMSA-101、BMS-986288、IMUNO BGC Moreau RJ、R-OKY-034F、GP-2250、AR-23、カルシウムレボフォリネート、ポルフィマーナトリウム、RG6160、ABBV-155、CC-99282、カルムスチンを含むポリフェプロサン20、Veregen、ガドキセト酸二ナトリウム、ガドブトロール、ガドテル酸メグルミン、ガドテリドール、99mTc-セスタミビ、ポマリドミド、パシバニル、及び/又はバルルビシンと組み合わされる。
例示的な併用療法
リンパ腫又は白血病併用療法
【0377】
一部の化学療法剤は、リンパ腫又は白血病の治療に適する。これらの薬剤には、アルデスロイキン、アルボシジブ、アミフォスチン三水和物、アミノカンプトテシン、アンチネオプラストンA10、アンチネオプラストンAS2-1、抗胸腺細胞グロブリン、三酸化ヒ素、Bcl-2ファミリータンパク質阻害剤ABT-263、ベータアレチン、BMS-345541ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標)、PS-341)、ブリオスタチン1、ブルスルファン、カンパス-1H、カルボプラチン、カルフィルゾミブ(Kyprolis(登録商標))、カルムスチン、カスポファンギン酢酸塩、CC-5103、クロラムブシル、CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン及びプレドニゾン)、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、クルクミン、CVP(シクロホスファミド、ビンクリスチン、及びプレドニゾン)、シクロホスファミド、シクロスポリン、シタラビン、デニロイキンジフチトクス、デキサメタゾン、ドセタキセル、ドラスタチン10、ドキソルビシン、塩酸ドキソルビシン、DT-PACE(デキサメタゾン、サリドマイド、シスプラチン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、及びエトポシド)、エンザスタウリン、エポエチンアルファ、エトポシド、エベロリムス(RAD001)、FCM(フルダラビン、シクロホスファミド、及びミトキサントロン)、FCR(フルダラビン、シクロホスファミド、及びリツキシマブ)、フェンレチニド、フィルグラスチム、フラボピリドール、フルダラビン、FR(フルダラビン及びリツキシマブ)、ゲルダナマイシン(17 AAG)、hyperCVAD(超分画シクロホスファミド、ビンクリスチン、ドキソルビシン、デキサメタゾン、メトトレキサート及びシタラビン)、ICE(イフォスファミド、カルボプラチン、及びエトポシド)、イホスファミド、イリノテカン塩酸塩、インターフェロンアルファ-2 b、イキサベピロン、レナリドマイド(REVLIMID(登録商標)、CC-5013)、ポマリドマイド(POMALYST(登録商標)/IMNOVID(登録商標))リンホカイン活性化キラー細胞、MCP(ミトキサントロン、クロラムブシル、及びプレドニゾロン)、メルファラン、メスナ、メトトレキサート、ミトキサントロン塩酸塩、モテキサフィンガドリニウム、ミコフェノール酸モフェチル、ネララビン、オバトクラックス(GX15-070)、オブリメルセン、酢酸オクトレオチド、オメガ3脂肪酸、Omr-IgG-am(WNIG、Omrix)、オキサリプラチン、パクリタキセル、パルボシクリブ(PD0332991)、ペグフィルグラスチム、ペグ化リポソームドキソルビシン塩酸塩、ペリホシン、プレドニゾロン、プレドニゾン、組換えflt3リガンド、組換えヒトトロンボポエチン、組換えインターフェロンアルファ、組換えインターロイキン-11、組換えインターロイキン-12、リツキシマブ、R-CHOP(リツキシマブ及びCHOP)、R-CVP(リツキシマブ及びCVP)、R-FCM(リツキシマブ及びFCM)、R-ICE(リツキシマブ及びICE)、R MCP(リツキシマブ及びMCP)、R-ロスコビチン(セリシクリブ、CYC202)、サルグラモスチム、クエン酸シルデナフィル、シンバスタチン、シロリムス、スチリルスルホン、タクロリムス、タネスピマイシン、テムシロリムス(CCl-779)、サリドマイド、治療用同種リンパ球、チオテパ、ティピファルニブ、ビンクリスチン、硫酸ビンクリスチン、酒石酸ビノレルビン、SAHA(スベラニロヒドロキサム酸、又はスベロイル、アニリド、及びヒドロキサム酸)、ベムラフェニブ(Zelboraf(登録商標))、ベネトクラクス(ABT-199)が含まれる。
【0378】
1つの修正アプローチは、モノクローナル抗体が、インジウム-111、イットリウム-90、及びヨウ素-131などの放射性同位体粒子と組み合わされる放射線免疫療法である。併用療法の例には、ヨウ素-131トシツモマブ(BEXXAR(登録商標))、イットリウム-90イブリツモマブチウキセタン(ZEVALIN(登録商標))、及びCHOPを伴うBEXXAR(登録商標)が含まれるが、これらに限定されない。
【0379】
上記の療法は、幹細胞移植又は治療を補充又は組み合わせてもよい。治療処置としては、末梢血幹細胞移植、自家造血幹細胞移植、自家骨髄移植、抗体療法、生物学的療法、酵素阻害剤療法、全身照射、幹細胞の注入、幹細胞支持を伴う骨髄切除、インビトロで治療された末梢血幹細胞移植、臍帯血移植、免疫酵素技術、低LETコバルト-60γ線療法、ブレオマイシン、従来の手術、放射線療法、及び非骨髄切除性同種異系造血幹細胞移植が挙げられる。
非ホジキンリンパ腫の併用療法
【0380】
非ホジキンリンパ腫(NHL)、特にB細胞起源のリンパ腫の治療には、モノクローナル抗体の使用、標準的な化学療法アプローチ(例えば、CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン)、CVP(シクロホスファミド、ビンクリスチン、及びプレドニゾン)、FCM(フルダラビン、シクロホスファミド、及びミトキサントロン)、MCP(ミトキサントロン、クロランブシル、プレドニゾン)、いずれも任意選択でリツキシマブ(R)などを含む)、放射線免疫療法、及びそれらの組み合わせ、特に抗体療法と化学療法との統合が含まれる。
【0381】
NHL/B細胞がんの治療用の非コンジュゲート型モノクローナル抗体の例には、リツキシマブ、アレムツズマブ、ヒト又はヒト化抗CD20抗体、ルミリキシマブ、抗TNF関連アポトーシス誘導リガンド(抗TRAIL)、ベバシズマブ、ガリキシマブ、エプラツズマブ、SGN-40、及び抗CD74が含まれる。
【0382】
NHL/B細胞がんの治療に使用される実験的な抗体薬剤の例には、オファツムマブ、ha20、PRO131921、アレムツズマブ、ガリキシマブ、SGN-40、CHIR-12.12、エプラツズマブ、ルミリキシマブ、アポリズマブ、ミラツズマブ、及びベバシズマブが含まれる。
【0383】
NHL/B細胞がんに対する化学療法の標準レジメンの例には、CHOP、FCM、CVP、MCP、R-CHOP(リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン)、R-FCM、R-CVP、及びR-MCPが含まれる。
【0384】
NHL/B細胞がんに対する放射線免疫療法の例には、イットリウム90イブリツモマブチウキセタン(ZEVALIN(登録商標))及びヨウ素131トシツモマブ(BEXXAR(登録商標))が含まれる。
マントル細胞リンパ腫の併用療法
【0385】
マントル細胞リンパ腫(MCL)の治療には、CHOP、hyperCVAD、FCMなどの併用化学療法が含まれる。これらのレジメンにモノクローナル抗体リツキシマブを補充して、R-CHOP、hyperCVAD-R及びR-FCMの併用療法を形成することもできる。MCLを治療するために、上記の治療法のいずれかを幹細胞移植又はICEと組み合わせることができる。
【0386】
MCLを治療する代替アプローチは免疫療法である。1つの免疫療法は、リツキシマブなどのモノクローナル抗体を使用する。もう1つは、個々の患者の腫瘍の遺伝的構造に基づくGTOP-99などのがんワクチンを使用する。
【0387】
MCLを治療するための修正アプローチは、モノクローナル抗体がヨウ素-131トシツモマブ(BEXXAR(登録商標))及びイットリウム-90イブリツモマブチウキセタン(ZEVALIN(登録商標))などの放射性同位体粒子と組み合わされる放射線免疫療法である。別の例では、BEXXAR(登録商標)はCHOPによる連続治療で使用される。
【0388】
MCLを治療する他のアプローチには、自家幹細胞移植と高用量化学療法の併用、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標)又はPS-341)などのプロテアソーム阻害剤の投与、又は特にリツキシマブと組み合わせたサリドマイドなどの抗血管新生剤の投与が含まれる。
【0389】
別の治療アプローチは、他の化学療法剤と組み合わせて、Bcl-2タンパク質の分解を引き起こし、オブリメルセンなどの化学療法に対するがん細胞の感受性を高める薬物を投与することである。
【0390】
更なる治療アプローチは、mTOR阻害剤の投与を含み、これは、細胞増殖の阻害、更に細胞死につながり得る。非限定的な例は、シロリムス、テムシロリムス(TORISEL(登録商標)、CCI-779)、CC-115、CC-223、SF-1126、PQR-309(ビミラリシブ)、ボクスタリシブ、GSK-2126458、及びテムシロリムスとRITUXAN(登録商標)、VELCADE(登録商標)、又は他の化学療法剤との併用である。
【0391】
MCLに対する他の最近の療法が開示されている。そのような例には、フラボピリドール、パルボシクリブ(PD0332991)、R-ロスコビチン(セリシクリブ、CYC202)、スチリルスルホン、オバトクラックス(GX15-070)、TRAIL、抗TRAILデスレセプターDR4及びDR5抗体、テムシロリムス(TORISEL(登録商標)、CCl-779)、エベロリムス(RAD001)、BMS-345541、クルクミン、SAHA、サリドマイド、レナリドマイド(REVLIMID(登録商標)、CC-5013)、及びゲルダナマイシン(17 AAG)が含まれる。
ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症の併用療法
【0392】
ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症(WM)の治療に使用される治療薬には、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アルボシジブ、アミフォスチン三水和物、アミノカンプトテシン、アンチネオプラストンA10、アンチネオプラストンAS2-1、抗胸腺細胞グロブリン、三酸化ヒ素、自家ヒト腫瘍由来HSPPC-96、Bcl-2ファミリータンパク質阻害剤ABT-263、βアレチン、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標))、ブリオスタチン1、ブスルファン、カムパス-1H、カルボプラチン、カルムスチン、カスポファンギン酢酸塩、CC-5103、シスプラチン、クロファラビン、シクロホスファミド、シクロスポリン、シタラビン、デニロイキンジフチトクス、デキサメタゾン、ドセタキセル、ドラスタチン10、ドキソルビシン塩酸塩、DT-PACE、エンザスタウリン、エポエチンα、エプラツズマブ(hLL2-抗CD22ヒト化抗体)、エトポシド、エベロリムス、フェンレチニド、フィルグラスチム、フルダラビン、イブルチニブ、イホスファミド、インジウム-111モノクローナル抗体MN-14、ヨウ素-131トシツモマブ、イリノテカン塩酸塩、イキサベピロン、リンホカイン活性化キラー細胞、メルファラン、メスナ、メトトレキサート、ミトキサントロン塩酸塩、モノクローナル抗体CD19(チサゲンレクロイセル-T、CART-19、CTL-019など)、モノクローナル抗体CD20、モテキサフィンガドリニウム、ミコフェノール酸モフェチル、ネララビン、オブリメルセン、オクトレオチド酢酸塩、オメガ3脂肪酸、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペグフィルグラスチム、ペグ化リポソームドキソルビシン塩酸塩、ペントスタチン、ペリホシン、プレドニゾン、組換えflt3リガンド、組換えヒトトロンボポエチン、組換えインターフェロンアルファ、組換えインターロイキン-11、組換えインターロイキン-12、リツキシマブ、サルグラモスチム、クエン酸シルデナフィル(VIAGRA(登録商標))、シンバスタチン、シロリムス、タクロリムス、タネスピマイシン、サリドマイド、治療用同種リンパ球、チオテパ、ティピファルニブ、トシツモマブ、ウロクプルマブ、ベルツズマブ、硫酸ビンクリスチン、酒石酸ビノレルビン、ボリノスタット、WT1 126-134ペプチドワクチン、WT-1アナログペプチドワクチン、イットリウム-90イブリツモマブチウキセタン、イットリウム-90ヒト化エプラツズマブ、及びそれらの任意の組み合わせが含まれる。
【0393】
WMの治療に使用される治療処置の例には、末梢血幹細胞移植、自家造血幹細胞移植、自家骨髄移植、抗体療法、生物学的療法、酵素阻害療法、全身照射、幹細胞注入、幹細胞サポートによる骨髄切除、インビトロ治療による末梢血幹細胞移植、臍帯血移植、免疫酵素法、低LETコバルト60γ線療法、ブレオマイシン、従来の手術、放射線療法及び骨髄非破壊的同種造血幹細胞移植が含まれる。
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫併用療法
【0394】
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療に使用される治療薬には、ICE及びRICEなどの、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン、抗CD20モノクローナル抗体、エトポシド、ブレオマイシン、WMのために列挙された多くの薬剤、並びにそれらの任意の組み合わせが含まれる。
慢性リンパ球白血病併用療法
【0395】
慢性リンパ球白血病(CLL)の治療に使用される治療薬の例には、クロラムブシル、シクロホスファミド、フルダラビン、ペントスタチン、クラドリビン、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン、プレドニゾロン、アレムツズマブ、WMのために列挙された多くの薬剤、CVP、R-CVP、ICE、R-ICE、FCR、FRという一般的な併用レジメンを含む併用化学療法及び化学免疫療法が含まれる。
骨髄線維症の併用療法
【0396】
骨髄線維症阻害剤には、ヘッジホッグ阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤、及びチロシンキナーゼ阻害剤が含まれるが、これらに限定されない。ヘッジホッグ阻害剤の非限定的な例は、サリデギブ及びビスモデギブである。HDAC阻害剤の例には、プラシノスタット及びパノビノスタットが含まれるが、これらに限定されない。チロシンキナーゼ阻害剤の非限定的な例は、レスタウルチニブ、ボスチニブ、イマチニブ、ラドチニブ、及びカボザンチニブである。
過剰増殖性障害併用療法
【0397】
過剰増殖性障害を治療するために、ゲムシタビン、nab-パクリタキセル、及びゲムシタビン/nab-パクリタキセルをJAK阻害薬及び/又はPI3Kδ阻害薬と併用することができる。
低メチル化剤
【0398】
本明細書に記載の方法は、低メチル化剤の投与を含む。低メチル化剤としては、アザシチジン(azacitidine)(Vidaza、アザシチジン(azacytidine)としても知られる)及びデシタビン(Dacogen)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施
形態では、低メチル化剤は、アザシチジン又はデシタビンである。いくつかの実施形態では、低メチル化剤は、アザシチジンである。
【0399】
アザシチジン(5-アザシチジン)は、シチジンの化学類似体であり、骨髄異形成症候群(MDS)の治療に使用するために米国FDAにより承認されている。アザシチジンは、DNA上のメチル基を除去し、またDNAメチルトランスフェラーゼも阻害し、DNAの低メチル化を引き起こす。高濃度では、アザシチジンはDNA及びRNAに組み込まれ、骨髄における異常な造血細胞の直接的な細胞傷害性をもたらす。アザシチジンの構造を以下に示す。
【化1】
【0400】
デシタビン(5-アザ-2’デオキシシチジン)は、シチジンの化学類似体であり、骨髄異形成症候群(MDS)及び急性骨髄性白血病(AML)の治療に使用するために米国FDAにより承認されている。アザシチジンと同様に、デシタビンは、DNAメチルトランスフェラーゼを阻害し、DNAの低メチル化を引き起こす。しかしながら、デシタビンは、DNA鎖にのみ組み込まれる。DNAに組み込まれると、デシタビンはDNAメチルトランスフェラーゼ(DNMT)に不可逆的に結合し、DNA鎖からのDNMTの脱離を阻害し、DNAのメチル化を阻害する。デシタビンの構造を以下に示す。
【化2】
治療方法
【0401】
治療用量の抗CD47剤又は抗SIRPα剤で対象を治療するための方法が提供される。例えば、本方法は、(a)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する単離された抗体を投与することと、(b)対象に低メチル化剤を投与することと、を含み得る。別の例では、本方法は、(a)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する単離された抗体を投与することと、(b)対象に低メチル化剤を投与することと、を含み得、対象は、少なくとも1つのp53変異を有すると決定されるか、又は決定されている。第3の例では、本方法は、対象における少なくとも1つのp53変異の存在を決定するか又は決定していることと、対象に、(i)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する単離された抗体、及び(ii)低メチル化剤を投与するか又は投与していることと、を含み得る。
【0402】
本方法は、対象にプライマー剤を投与する工程、続いて対象に治療有効用量の抗CD47剤又は抗SIRPα剤を投与する工程を含み得る。いくつかの実施形態では、治療有効用量を投与する工程は、プライマー剤の投与を開始した後、少なくとも約3日(例えば、少なくとも約4日、少なくとも約5日、少なくとも約6日、少なくとも約7日、少なくとも約8日、少なくとも約9日、又は少なくとも約10日)後に行われる。この期間は、例えば、個体による網状赤血球産生の増強をもたらすのに十分である。いくつかの実施形態では、抗CD47剤は、単離された抗CD47抗体である。いくつかの実施形態では、抗SIRPα剤は、単離された抗SIRPα抗体である。
【0403】
治療有効用量の抗CD47剤又は抗SIRP α剤の投与は、いくつかの異なる方法で達成することができる。場合によっては、プライマー剤が投与された後に、2つ以上の治療有効用量が投与される。治療有効用量の適切な投与は、単一用量の投与を伴い得るか、又は毎日、週2回、毎週、2週間に1回、1ヶ月に1回、毎年などの用量の投与を伴い得る。場合によっては、治療有効用量は、2つ以上の漸増濃度の用量(すなわち、用量を増加させる)として投与され、(i)用量のすべてが、治療用量であるか、又は(ii)治療用量以下(又は2つ以上の治療用量以下)が最初に与えられ、治療用量が、当該漸増によって達成される。漸増濃度(すなわち、用量を増加させる)を例示するための1つの非限定的な例として、治療有効用量を毎週投与することができ、治療用量以下(例えば、10mg/kg未満の用量、例えば、5mg/kg、4mg/kg、3mg/kg、2mg/kg、又は1mg/kg)で始まり、その後の各用量は、治療用量(例えば、15mg/kg、30mg/kg、45mg/kg、60mg/kg)に達するまで特定の増分(例えば、5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg)だけ、又は様々な増分だけ増加させることができ、その時点で、投与を停止するか、又は1つ以上の追加の治療用量(例えば、継続治療用量、又は漸増治療用量、例えば、15mg/kg、30mg/kg、45mg/kg、60mg/kgの用量)で継続することができる。漸増濃度(すなわち、用量を増加させる)を例示するための別の非限定的な例として、治療有効用量を毎週投与することができ、1つ以上の比較的低い治療用量(例えば、10mg/kg、15mg/kg、又は30mg/kgの用量)で始まり、その後の各用量は、比較的高い治療用量(例えば、30mg/kg、45mg/kg、60mg/kg、100mg/kgなど)に達するまで特定の増分(例えば、10mg/kg又は15mg/kg)だけ、又は様々な増分だけ増加させることができ、その時点で、投与を停止するか、又は継続することができる(例えば、1つ以上の継続又は漸増治療用量、例えば、30mg/kg、45mg/kg、60mg/kg、100mg/kgの用量)。様々な実施形態では、比較的低い治療用量は、より頻繁に投与され(例えば、2つ以上の15mg/kgの用量が毎週投与される(Q1W)か、又は2つ以上の30mg/kgの用量が2週間毎に投与され(Q2W))、比較的高い治療用量は、より少ない頻度で投与される(例えば、2つ以上の45mg/kgの用量が3週間毎に投与される(Q3W)か、又は2つ以上の60mg/kgの用量が毎月又は4週間毎に投与される(Q4W))。いくつかの実施形態では、治療有効用量の投与は連続注入であり得、用量は経時的に変化(例えば、漸増)し得る。
【0404】
投与量及び頻度は、患者における抗CD47剤又は抗SIRPα剤の半減期に応じて異なり得る。そのようなガイドラインが、例えば、抗体断片の使用における、抗体コンジュゲートの使用における、SIRPα試薬の使用における、可溶性CD47ペプチドなどの使用における活性剤の分子量に対して調整されることを当業者は理解するであろう。投与量もまた、局所投与、例えば、鼻腔内、吸入など、又は全身投与、例えば、筋肉内(i.m.)、腹腔内(i.p.)、静脈内(i.v.)、皮下(s.c.)などに対して異なり得る。
【0405】
CD47剤又はSIRPα結合剤の初期用量(初回刺激用量を含むが、これに限定されない)は、注入直後の期間に貧血又は赤血球凝集をもたらし得る。理論に束縛されるものではないが、多価のCD47剤又はSIRPα結合剤の初期用量は、薬剤に結合したRBCの架橋を引き起こし得ると考えられる。本発明のある特定の実施形態では、CD47剤又はSIRPα結合剤は、高い局所濃度のRBC及び薬剤が存在する血液学的微小環境の可能性を低減する期間及び/又は濃度にわたって、初期用量で、及び任意選択で、その後の用量で患者に注入される。
【0406】
いくつかの実施形態では、CD47剤又はSIRPα結合剤の初期用量は、少なくとも約2時間、少なくとも約2.5時間、少なくとも約3時間、少なくとも約3.5時間、少なくとも約4時間、少なくとも約4.5時間、少なくとも約5時間、少なくとも約6時間以上の期間にわたって注入される。いくつかの実施形態では、初期用量は、約2.5時間~約6時間、例えば、約3時間~約4時間の期間にわたって注入される。いくつかのそのような実施形態では、注入剤中の薬剤の用量は、約0.05mg/ml~約0.5mg/ml、例えば、約0.1mg/ml~約0.25mg/mlである。
【0407】
他の実施形態では、CD47剤又はSIRPα結合剤の初期用量、例えば、初回刺激用量は、例えば、浸透圧ポンプ、送達パッチなどの連続融合によって投与され、用量は、少なくとも約6時間、少なくとも約12時間、少なくとも約24時間、少なくとも約2日間、少なくとも約3日間の期間にわたって投与される。多くのそのような系は、当該技術分野で既知である。例えば、DUROS技術は、ピストンによって分離された二区画系を提供する。区画の一方は、過剰の固体NaClで特別に配合された浸透圧エンジンからなり、そのため、送達期間全体を通して存在し、一定の浸透圧勾配をもたらす。それはまた、水が浸透圧エンジンに引き込まれ、組織水と浸透圧エンジンとの間に大きく一定の浸透勾配を確立する、一端上の半透膜からなる。他方の区画は、薬物溶液からなり、浸透圧勾配により薬物が放出されるオリフィスを有する。これは、ヒトに移植されたときに部位特異的及び全身的な薬物送達を提供するのに役立つ。移植の好ましい部位は、上腕の内側の皮下に配置される。
【0408】
プライミング剤の投与後、及び網状赤血球産生の増加に有効な期間を与えて、治療用量の抗CD47剤又は抗SIRPα剤が投与される。治療用量は、いくつかの異なる方法で投与することができる。いくつかの実施形態では、2つ以上の治療有効用量は、例えば、毎週の投与スケジュールで、プライマー剤が投与された後に投与される。いくつかの実施形態では、治療有効用量の抗CD47剤は、2つ以上の漸増濃度の用量として投与され、他の実施形態では、用量は同じである。初回刺激用量後に赤血球凝集が低減する。
【0409】
追加の薬剤は、抗CD47剤又は抗SIRPα剤の有効性を増強することができる。抗CD47又は抗SIRPα抗体は、組み合わせて、又は追加の薬剤の前に投与することができる。
【0410】
抗CD47又は抗SIRPα抗体と本明細書に記載の追加の薬剤との組み合わせは、これらの療法に応答する腫瘍サブタイプを有する患者に与えられる。これらの腫瘍は、本明細書に記載されるように、より高い変異頻度によって定義され得、より多くの腫瘍抗原をもたらし、したがってよりより免疫原性である。いくつかの実施形態では、併用療法で治療された患者は、免疫活性化因子又はチェックポイント阻害剤による治療に応答する。しかしながら、これは、応答性である可能性がある特定の腫瘍サブタイプ内の患者の約25%のサブセットを表す。いくつかの実施形態では、個体は、白金療法感受性又は耐性であり得る。
【0411】
いくつかの実施形態では、対象方法は、対象にプライマー剤を投与する工程、続いて対象に治療有効用量の抗CD47剤又は抗SIRPα剤及び追加の薬剤を投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、治療有効用量を投与する工程は、プライマー剤の投与を開始した後、少なくとも約3日(例えば、少なくとも約4日、少なくとも約5日、少なくとも約6日、少なくとも約7日、少なくとも約8日、少なくとも約9日、又は少なくとも約10日)後に行われる。この期間は、例えば、個体による網状赤血球産生の増強をもたらすのに十分である。
【0412】
治療有効用量の抗CD47又は抗SIRPα抗体及び/又は追加の薬剤の投与は、いくつかの異なる方法で達成することができる。場合によっては、プライマー剤が投与された後に、2つ以上の治療有効用量が投与される。治療有効用量の適切な投与は、単一用量の投与を伴い得るか、又は毎日、週2回、毎週、2週間に1回、1ヶ月に1回、毎年などの用量の投与を伴い得る。場合によっては、治療有効用量は、2つ以上の漸増濃度の用量(すなわち、用量を増加させる)として投与され、(i)用量のすべてが、治療用量であるか、又は(ii)治療用量以下(又は2つ以上の治療用量以下)が最初に与えられ、治療用量が、当該漸増によって達成される。漸増濃度(すなわち、用量を増加させる)を例示するための1つの非限定的な例として、治療有効用量を毎週投与することができ、治療用量以下(例えば、10mg/kg未満の用量、例えば、5mg/kg、4mg/kg、3mg/kg、2mg/kg、1mg/kgの用量)で始まり、その後の各用量は、治療用量(例えば、15mg/kg、30mg/kg、45mg/kg、60mg/kg)に達するまで特定の増分(例えば、5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg)だけ、又は様々な増分だけ増加させることができ、その時点で、投与を停止するか、又は継続することができる(例えば、1つ以上の継続治療用量、又は追加の漸増(すなわち、増加)用量、例えば、15mg/kg、30mg/kg、45mg/kg、60mg/kgの用量)。漸増濃度(すなわち、用量を増加させる)を例示するための別の非限定的な例として、治療有効用量を毎週投与することができ、1つ以上の比較的低い治療用量(例えば、10mg/kg、15mg/kg、30mg/kgの用量)で始まり、その後の各用量は、比較的高い治療用量(例えば、30mg/kg、45mg/kg、60mg/kg、100mg/kgなど)に達するまで特定の増分(例えば、10mg/kg、15mg/kg)だけ、又は様々な増分だけ増加させることができ、その時点で、投与を停止するか、又は継続することができる(例えば、1回以上の継続又は漸増治療用量、例えば、30mg/kg、45mg/kg、60mg/kg、100mg/kgの用量)。様々な実施形態では、比較的低い治療用量は、より頻繁に投与され(例えば、2つ以上の15mg/kgの用量が毎週投与される(Q1W)か、又は2つ以上の30mg/kgの用量が2週間毎に投与され(Q2W))、比較的高い治療用量は、より少ない頻度で投与される(例えば、2つ以上の45mg/kgの用量が3週間毎に投与される(Q3W)か、又は2つ以上の60mg/kgの用量が毎月又は4週間毎に投与される(Q4W)。いくつかの実施形態では、治療有効用量の投与は連続注入であり得、用量は経時的に変化(例えば、漸増)し得る。
【0413】
投与量及び頻度は、患者における抗CD47又は抗SIRPα抗体及び/又は追加の薬剤の半減期に応じて異なり得る。そのようなガイドラインが、例えば、抗体断片の使用における、抗体コンジュゲートの使用における、SIRPα試薬の使用における、可溶性CD47ペプチドなどの使用における活性剤の分子量に対して調整されることを当業者は理解するであろう。投与量もまた、局所投与、例えば、鼻腔内、吸入など、又は全身投与、例えばi.m.、i.p.、i.v.、s.c.などに対して異なり得る。
【0414】
本発明のある特定の実施形態では、抗CD47又は抗SIRPα抗体は、高い局所濃度のRBC及び薬剤が存在する血液学的微小環境の可能性を低減する期間及び/又は濃度にわたって、初期用量で、及び任意選択で、その後の用量で患者に注入される。
【0415】
本発明のいくつかの実施形態では、抗CD47又は抗SIRPα抗体の初期用量は、少なくとも約2時間、少なくとも約2.5時間、少なくとも約3時間、少なくとも約3.5時間、少なくとも約4時間、少なくとも約4.5時間、少なくとも約5時間、少なくとも約6時間以上の期間にわたって注入される。いくつかの実施形態では、初期用量は、約2.5時間~約6時間、例えば、約3時間~約4時間の期間にわたって注入される。いくつかのそのような実施形態では、注入剤中の薬剤の用量は、約0.05mg/ml~約0.5mg/ml、例えば、約0.1mg/ml~約0.25mg/mlである。
造血障害
【0416】
造血障害には、血液がん、血液前がん、血液障害、血液異形成症、血液過剰増殖性障害、血液がん(hematological cancer)、血液悪性腫瘍、血液障害、白血病、前白血病、
急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、クローン性造血(CH)、未確定の潜在能をもつクローン性造血(CHIP)、加齢性クローン性造血(ARCH)、意義不明の特発性血球減少症(ICUS)、及び意義不明のクローン性血球減少症(CCUS)が含まれる。造血障害には、1つ以上のp53変異を含む血液がん又は血液前がんが含まれ得る。造血障害は、血液がんであり得る。造血障害は、AMLであり得る。造血障害は、MDSであり得る。
【0417】
「がん」、「新生物」、及び「腫瘍」という用語は、本明細書では交換可能に使用されて、自律的で調節されていない成長を呈し、そのため、それらは細胞増殖に対する制御の顕著な損失を特徴とする異常な成長表現型を呈する細胞を指す。本出願における検出、分析、又は治療の目的の細胞には、前がん性(例えば、良性)、悪性、前転移性、転移性、及び非転移性細胞が含まれる。実質的にすべての組織のがんが既知である。「がん量」という語句は、対象におけるがん細胞の量又はがん体積を指す。それに応じてがん量を低減することは、対象におけるがん細胞の数又はがん体積を低減することを指す。本明細書で使用される「がん細胞」という用語は、がん細胞であるか、又はがん細胞、例えば、がん細胞のクローンに由来する任意の細胞を指す。多くのがん型が当業者に既知であり、がん腫、肉腫、膠芽腫、黒色腫、リンパ腫、骨髄腫などの固形腫瘍、及び白血病などの循環がんを含む。
【0418】
がんの「病理」には、患者の健康を損なうすべての現象が含まれる。これには、異常な又は制御不能な細胞の成長、転移、隣接する細胞の正常な機能との干渉、異常なレベルでのサイトカイン又は他の分泌産物の放出、炎症又は免疫学的応答、新生物、前悪性腫瘍、悪性腫瘍の抑制又は悪化、周囲若しくは遠隔組織又は器官、例えば、リンパ節などの浸潤が含まれるが、これらに限定されない。
【0419】
本明細書で使用される「がん再発」及び「腫瘍再発」という用語、並びにその文法的変形は、がんの診断後の新生物の又はがん性細胞の更なる成長を指す。特に、がん性組織において更なるがん性細胞の成長が生じる場合、再発が起こり得る。「腫瘍の広がり」は同様に、腫瘍の細胞が局所的又は遠隔の組織及び器官に播種するときに生じる。したがって、腫瘍の広がりは腫瘍転移を包含する。「腫瘍浸潤」は、腫瘍成長が局所的に広がって、正常な器官機能の圧縮、破壊、又は防止によって、関与する組織の機能を損なうときに生じる。
【0420】
本明細書で使用される「転移」という用語は、元のがん性腫瘍の器官に直接つながっていない器官又は身体部分におけるがん性腫瘍の成長を指す。転移は、元のがん性腫瘍の器官に直接つながっていない器官又は身体部分における検出不可能な量のがん性細胞の存在である微小転移を含むと理解される。転移はまた、元の腫瘍部位からのがん細胞の離脱、並びに身体の他の部分へのがん細胞の遊走及び/又は浸潤などのいくつかのプロセスの工程として定義され得る。
【0421】
いくつかの実施形態では、患者は、低い変異量を有する。いくつかの実施形態では、患者は、高い変異量を有する。当該技術分野で知られているように、がん型は、平均又は特定の変異の程度が異なり得、より高いレベルの変異は、新抗原の発現の増加に関連している。例えば、上記のVogelstein et al.(2013)を参照されたい。低い変異量は、腫瘍当たりの平均、又は個々の腫瘍の特定の数が、腫瘍当たり最大約10、最大約20、最大約30、最大約40、最大約50の非同義変異を有するがん型であり得る。高い変異量は、腫瘍当たり約50超、約75超、約100超、約125超、約150超の非同義変異を有するがん型であり得る。
【0422】
いくつかの実施形態では、造血障害は、骨髄異形成症候群(MDS)である。いくつかの実施形態では、造血障害は、急性骨髄性白血病(AML)である。いくつかの実施形態では、がんは、血液(hematological又はblood)がんである。
【0423】
いくつかの実施形態では、造血障害は、対象の造血細胞における体細胞変異に関連している。いくつかの実施形態では、クローン性造血(CH)、未確定の潜在能をもつクローン性造血(CHIP)、加齢性クローン性造血(ARCH)、意義不明の特発性血球減少症(ICUS)、及び意義不明のクローン性血球減少症(CCUS)は、対象の造血細胞における体細胞変異に関連している。そのような変異には、DNMT3A、TET2、ASXL1、TP53、JAK2、SF3B1、GNB1、CBL、SRSF2、PPM1D、GNAS、BRCC3、CREBBP、NRAS、RAD21、SETDB1m、U2AF1、SETD2、又はそれらの任意の組み合わせの変異が含まれるが、これらに限定されない。
【0424】
前白血病及びAMLへの進行に関連する例示的な変異は、一般に、Desai P,et al,Nature Medicine,24:1015-1023(2018)及びJaiswal et al,NEJM 2014に開示されており、それらの両方は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。健康な対象におけるAMLのリスクに関連する変異は、Abelson S et al,Nature,559:400-404(2018)に開示されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。未確定の潜在能をもつクローン性造血に関連する変異は、Gibson et al,J.Clin.Oncol,2017 May 10;35(14):1598-1605、Jaiswal et al,NEJM 2014、及びSteensam DP,Blood Adv.2018 Nov 27;2(22):3404-3410に開示されており、それらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。加齢性クローン性造血(ARCH)に関連する変異は、Shlush LI,Blood(2018)131(5):496-504に開示されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
P53変異
【0425】
本明細書において、対象における造血障害を治療する方法が提供され、対象は、少なくとも1つのp53変異を有し、本方法には、(a)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する単離された抗体を投与することと、(b)対象に低メチル化剤を投与することとが含まれる。
【0426】
本明細書において、対象における造血障害を治療する方法も提供され、本方法には、(a)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する単離された抗体を投与することと、(b)対象に低メチル化剤を投与することであって、この対象が、少なくとも1つのp53変異を有すると決定されるか又は決定されている、投与することとが含まれる。
【0427】
本明細書において、対象における造血障害を治療する方法が提供され、本方法には、対象における少なくとも1つのp53変異の存在を決定するか又は決定していることと、対象に、(i)CD47とSIRPαとの間の結合を阻害する単離された抗体、及び(ii)低メチル化剤を投与するか又は投与していることとが含まれる。
【0428】
腫瘍タンパク質53(TP53、UNIPROT P04637、NCBI遺伝子ID:7157、NG_017013.2、p53アイソフォームa:NM_000546.6)としても知られるp53は、細胞ストレス後の細胞周期調節及びアポトーシスにおいて重要な役割を果たす腫瘍抑制タンパク質である。p53の主要な役割は、細胞分裂中のG1/S調節点にある。DNA損傷をもたらす細胞ストレスが生じた後、p53タンパク質が活性化され、p53応答性遺伝子の転写を開始する。p53は、DNA修復タンパク質を活性化し、細胞周期をG1/S点で保持して、DNA修復タンパク質が任意の損傷したDNAを修復する時間を与え、DNA損傷が修復不可能である場合、アポトーシスを開始することにより、細胞成長を停止させることができる。これにより、細胞が遺伝的安定性を維持することが可能になる。p53遺伝子は、複数のプロモーター、代替スライス、及び内部リボソーム侵入部位を介して12の異なるアイソフォームを作製することができる。
【0429】
p53は、ヒトがんにおける最も頻繁に変異した遺伝子である。p53における機能変異の喪失は、DNA結合コアドメインで生じ得、p53がその標的DNA配列に結合することができず、したがってそれらの遺伝子の転写を防止する。ほとんどのがん変異は、DNA結合コアにおけるミスセンス変異である。加えて、N末端及びC末端の切断変異も、がんに関連している。p53アイソフォーム及び変異は、「p53 Isoforms and Their Implications in Cancer」,Vieler
M et al,Cancers(Basel).2018 Sep;10(9):288に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。AML患者におけるp53の変異は、「TP53 Mutations in Newly Diagnosed Acute Myeloid Leukemia」,Kadia TM et al,Cancer.2016 Nov 15;122(22):3484-3491に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。p53変異は、早期終止コドン(C末端切断)、N末端ドメイン欠失切断、機能を損なうミスセンス又はホットスポット変異、ナンセンス変異、フレームシフト変異、イントロン変異、DNA結合ドメインの変異(アミノ酸残基98~293)における変異、及び四量体化ドメイン(アミノ酸残基326~353)における変異などの様々なクラスに群化され得る。
【0430】
いくつかの実施形態では、p53変異は、1つ以上のアミノ酸変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、2、3、4、5、6、7、8、9、10以上のアミノ酸変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、1つ以上のヌクレオチド変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、2、3、4、5、6、7、8、9、10以上のヌクレオチド変異を含む。
【0431】
いくつかの実施形態では、p53変異は、アルギニンの別のアミノ酸への変異である。いくつかの実施形態では、p53変異は、アルギニンのヒスチジンへの変異である。いくつかの実施形態では、p53変異は、エクソン4、5、6、7、8、又は10に変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、エクソン4に変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、エクソン5に変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、エクソン6に変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、エクソン7に変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、エクソン8に変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、エクソン10に変異を含む。
【0432】
いくつかの実施形態では、p53変異は、イントロン5、6、又は9に変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、イントロン5に変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、イントロン6に変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、イントロン9に変異を含む。
【0433】
野生型p53のアミノ酸配列は、配列番号129として示される。野生型p53アイソフォームaの核酸転写物配列を、配列番号130(NM_000546.6)として示す。いくつかの実施形態では、p53変異は、p53のコドン248に変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、559+1G>A変異、589T>C変異、672+1G>T変異、673+1G>T変異、659A>G変異、517G>A変異、658T>G変異、405C>G変異、298C>T変異、993+1G>A変異、736A>C変異、824G>A変異、584T>C変異、710T>A変異、及び1024delC変異、又はそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上を含む核酸変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、559+1G>A変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、589 T>C変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、672+1G>T変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、673+1G>T変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、659A>G変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、517G>A変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、658T>G変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、405C>G変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、298C>T変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、993+1G>A変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、736A>C変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、824G>A変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、584T>C変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、710T>A変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、1024delC変異を含む。
【0434】
いくつかの実施形態では、p53変異は、673+1 G>T変異及び659A>C変異;736A>C変異及び824G>A変異;672+1G>T変異及び584T>C変異、並びに710T>A変異及び1024delC変異、又はそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上を含む、少なくとも2つ以上の変異を含む。
【0435】
いくつかの実施形態では、p53変異は、体細胞変異である。いくつかの実施形態では、p53変異は、ゲノム変異である。
【0436】
いくつかの実施形態では、p53変異は、Tyr220Cys、Val173Met、Tyr220Cys、Tyr220Asp、Cys135Trp、Gln100Ter(終結)、Met248Leu、Cys275Tyr、Ile195Thr、Met237Lys、及びArg342Glu fsTer3、又はそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上を含む、少なくとも1つのアミノ酸変異を含む。
【0437】
いくつかの実施形態では、p53変異は、ミスセンス変異、フレームシフト変異、ナノンセンス変異、欠失変異、イントロン変異、又は切断変異のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、ミスセンス変異又は切断変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、ミスセンス変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、切断変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、N末端切断変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、C末端切断変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、フレームシフト変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、ナンセンス変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、欠失変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、イントロン変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、DNA結合ドメインに変異を含む。いくつかの実施形態では、p53変異は、四量体化ドメインに変異を含む。
【0438】
一実施形態では、少なくとも1つのp53変異の存在を決定することは、DNAアッセイ、RNAアッセイ、又はタンパク質アッセイを含む。一実施形態では、少なくとも1つのp53変異が存在する場合、CD47とSIRPαとアザシチジンとの間の結合を阻害する抗体が対象に投与される。
【0439】
いくつかの実施形態では、対象におけるp53変異は、対象から収集された生体試料で任意の適切な方法によって決定されるか又は決定されている。そのような方法には、ヌクレオチドベースのアッセイ、タンパク質ベースのアッセイ、PCR、RNA-seq、DNA-seq、次世代DNA配列決定、配列決定、全エクソーム配列決定、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)、DNAマイクロアレイ分析、RNAマイクロアレイ分析、質量分析、ウエスタンブロット、免疫ブロット、又は酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)が含まれるが、これらに限定されない。そのような方法は、遺伝的又はタンパク質の変異を決定するために当該技術分野において周知である。生体試料には、血液、末梢血、骨髄、腫瘍生検、血清、唾液、皮膚、毛髪、頬側スワブ、又はそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの態様では、試料は、一般的な前白血病、白血病、AML、及びMDS変異のパネルについてアッセイされる。
【0440】
いくつかの実施形態では、対象のp53変異状態は、消費者直接遺伝的検査によって決定されるか又はそれによって決定されている。そのような検査は、23andMe、Ancestry.com、Futura Genetics、MyDNA、Pathway
Genomics、Progenity、及びDante Labsを含むがこれらに限定されない、複数の業者から市販されている。
【0441】
いくつかの実施形態では、対象のp53変異状態は、医師又は医療提供者が指示した遺伝的検査によって決定されるか又はそれによって決定されている。そのような検査は、大学内のラボ、又はInvivoscribe、Cancer Genetics、Foundation Medicine、Centogene、及びQuest Diagnosticsを含むがこれらに限定されない様々な確立された CLIA認定業者などの複数の業者によって提供され得る。
【0442】
いくつかの実施形態では、対象のp53変異状態は、市販のアッセイパネルによって決定されるか又はそれによって決定されている。Illumina TruSight sequencing panel、Foundation Medicine FoundationOne panel、Paragon GenomicsのCleanPlex TP53 Panel、及びSwift BioSciencesのAccel-Amplicon Comprehensive TP53 Panelを含むがこれらに限定されない様々な業者からの複数の市販のパネルが、当業者に利用可能である。
対象の状態及び選択
【0443】
抗CD47剤及びアザシチジンを投与されるがんの対象は、ある特定の状態を有し得る。状態は、対象の選択に使用することができる。状態は、所与の対象を両薬剤の投与から利益を得る可能性を高くすることができる。
【0444】
いくつかの実施形態では、抗CD47剤及びアザシチジンを投与される対象は、p53変異を有する。
【0445】
対象は、がん療法の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は10超の以前の選択に対して再発性又は不応性であり得る。
【0446】
対象は、アザシチジンに対して不応性であり得る。対象は、アザシチジンに耐性であり得る。
【0447】
アザシチジン不応性状態は、任意の以前のアジシチジン含有レジメンに応答しないか若しくはその間に進行するか、又は最後のアザシチジン投与の6ヶ月以内の進行であり得る。
【0448】
アザシチジン不応性状態は、最後の以前のアジシチジン含有レジメンに応答しないか若しくはその間に進行するか、又は最後のアザシチジン投与の6ヶ月以内の進行であり得る。
【0449】
いくつかの態様では、対象は、AML又はMDSを有し、少なくとも2回の事前全身療法を受けている。いくつかの態様では、対象は、AML又はMDSを有し、アザシチジン含有レジメンの後に再発するか、又はそれに不応性である。
【0450】
MDSを有する対象の選択、及び本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤での治療は、対象のリスク層別化に基づき得る。細胞遺伝学的異常は、MDSを有する対象の80%超で見られ、転位又は異数性を含む(Greenberg et al.Myelodysplastic Syndromes,Version 2.2017,NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology.J Natl Compr Canc Netw.15(1):60-87,2017を参照されたく、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。国際予後スコアリングシステム(IPSS)又は改訂IPSS(R-IPSS)は、最も一般的なMDS分類システムである(Dotson and Lebowicz.Myelodysplastic Syndrome.In:StatPearls[Internet].Treasure Island(FL):StatPearls Publishing;2020を参照されたい。www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK534126/から入手可能、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
【0451】
IPSSを使用して、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤で治療するために対象のMDSリスクレベルを分類することができる。IPSSは、骨髄中の芽球の割合、核型、及び血球減少を伴う細胞系統の数に基づいて患者のリスクを層別化する。良好な予後の核型は、正常核型、-Y、欠失5q、又は欠失20qを含み得る。予後不良の核型は、複雑な細胞遺伝学(例えば、4つ以上の異常)又は染色体7の異常を含み得る。他のすべての核型は、中等度のリスクとして分類することができる。これらの所見に基づいて、スコアを計算して、低、中等度-1、中等度-2、又は高リスクのリスクスコアを決定することができる。いくつかの実施形態では、対象は、MDSのリスクが低いものとして分類される。いくつかの実施形態では、対象は、MDSのリスクが中等度-1のものとして分類される。いくつかの実施形態では、対象は、MDSのリスクが中等度-2のものとして分類される。いくつかの実施形態では、対象は、MDSのリスクが高いものとして分類される。
【0452】
R-IPSSを使用して、本明細書に記載される抗CD47剤又は抗SIRPα剤で治療するために、対象のMDSリスクレベルを分類することができる。新しいR-IPSSは、細胞遺伝学、芽球の割合に基づいて患者のリスクを層別化し、絶対好中球数、ヘモグロビン値、及び血小板値に対して別個のスコアを有する。R-IPSSを使用して、対象を5つのカテゴリー:非常に良好、良好、中等度、高、及び非常に高リスクのうちの1つに層別化することができる。いくつかの実施形態では、対象は、MDSの予後が非常に良好なものとして分類される。いくつかの実施形態では、対象は、MDSの予後が良好なものとして分類される。いくつかの実施形態では、対象は、MDSのリスクが中等度ものとして分類される。いくつかの実施形態では、対象は、MDSのリスクが高いものとして分類される。いくつかの実施形態では、対象は、MDSのリスクが非常に高いものとして分類される。
【0453】
いくつかの態様では、対象のリンパ腫組織におけるCD47の発現レベルは、アッセイによって決定され得る。CD47の発現は、免疫組織化学、フローサイトメトリー、質量サイトメトリー(CyTOF)によるタンパク質発現、又はRNA配列決定、マイクロアレイ分析による遺伝子発現、又は他の遺伝子発現プロファイリング方法によるタンパク質発現であり得る。
【0454】
CD47のアッセイの例としては、DNAアッセイ(全ゲノム又はエクソーム配列決定を含む)、マイクロアレイ、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、RT-PCR、サザンブロット、ノーザンブロット、抗体結合アッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、フローサイトメトリー、タンパク質アッセイ、ウエスタンブロット、比濁分析、比濁法、クロマトグラフィー、質量分析、イムノアッセイが挙げられ、例として、RIA、免疫蛍光、免疫化学発光、免疫電気化学発光、又は競合イムノアッセイ、及び免疫沈降が含まれるが、これらに限定されない。アッセイからの情報は、定量的であり、本発明のコンピュータシステムに送信され得る。情報はまた、パターン又は蛍光を観察するなどの定性的であり得、これは、ユーザにより、又はリーダー若しくはコンピュータシステムによって自動的に定量的尺度に変換され得る。一実施形態では、対象はまた、人種、身長、体重、年齢、性別、眼の色、髪色、家族の病歴、及び臨床因子などのユーザに有用であり得る任意の他の情報などの、アッセイ情報以外の情報を提供することができる。
【0455】
タンパク質検出アッセイは、試料から所与のタンパク質の発現レベルを検出するために使用されるアッセイである。タンパク質検出アッセイは、一般に当該技術分野で既知であり、イムノアッセイ、タンパク質結合アッセイ、抗体ベースのアッセイ、抗原結合タンパク質ベースのアッセイ、タンパク質ベースのアレイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、フローサイトメトリー、タンパク質アレイ、ブロット、ウエスタンブロット、比濁分析、比濁法、クロマトグラフィー、質量分析、酵素活性、並びにRIA、免疫蛍光、免疫化学発光、免疫電気化学発光、免疫電気泳動、競合イムノアッセイ、及び免疫沈降から選択されるイムノアッセイを含み得る。
【0456】
改変された核酸によってコードされるポリペプチドに特異的に結合する上述の抗体、又は改変されていない核酸によってコードされるポリペプチドに特異的に結合する抗体、又は核酸によってコードされる特定のスプライシングバリアントに特異的に結合する抗体を使用するタンパク質ベースの分析は、試験試料における、特定のスプライシングバリアント又は多型若しくは改変された核酸によってコードされるポリペプチドの存在、あるいは試験試料における、特定のスプライシングバリアント又は非多型若しくは改変されていない核酸によってコードされるポリペプチドの不在を特定するために使用され得る。多型若しくは改変された核酸によってコードされるポリペプチドの存在、又は非多型若しくは改変されていない核酸によってコードされるポリペプチドの不在は、冠状動脈疾患に対する感受性の診断である。
【0457】
一態様では、試験試料中の核酸によってコードされるポリペプチドのレベル又は量を、対照試料中の核酸によってコードされるポリペプチドのレベル又は量と比較する。差が統計的に有意であるような、対照試料中のポリペプチドのレベル又は量よりも高い又は低い試験試料中のポリペプチドのレベル又は量は、核酸によってコードされるポリペプチドの発現における変化を示し、診断である。代替的に、試験試料中の核酸によってコードされるポリペプチドの組成は、対照試料中の核酸によってコードされるポリペプチドの組成(例えば、異なるスプライシングバリアントの存在)と比較される。対照試料におけるポリペプチドの組成と比較した、試験試料におけるポリペプチドの組成の差は、診断である。別の態様では、ポリペプチドのレベル又は量及び組成の両方が、試験試料及び対照試料において評価され得る。対照試料と比較した、試験試料中のポリペプチドの量若しくはレベルの差、対照試料と比較した、試験試料における組成の差、又は量若しくはレベルの差及び組成における差の両方は、対象が増加又は減少のいずれかで、抗CD47抗体で治療されるべきかどうかを示す。
【0458】
加えて、当業者はまた、上述の方法が一般に、多型を含まないマーカーを検出するためにも使用され得ることを理解するであろう。
投薬
【0459】
本明細書に記載の方法は、組成物の治療有効用量、例えば、単離された抗CD47又は抗SIRPα抗体及び低メチル化剤の治療有効用量の投与を含む。
【0460】
組成物は、上述のように、標的細胞を実質的に除去するのに十分な量で患者に投与される。これを達成するのに十分な量は、全生存率の改善をもたらし得る「治療有効用量」として定義される。組成物の単回又は複数回投与は、必要に応じて、投与量及び頻度に応じて投与され、患者によって忍容され得る。治療に使用される特定の用量は、哺乳動物の病状及び病歴、並びに年齢、体重、性別、投与経路、効率などの他の要因に依存する。
【0461】
がんの治療のための本発明の組み合わせた薬剤の有効用量は、投与手段、標的部位、患者の生理学的状態、患者がヒト又は動物であるかどうか、投与される他の薬剤、及び治療が予防的又は治療的であるかどうかを含む、多くの異なる要因に応じて異なる。通常、患者はヒトであるが、非ヒト哺乳動物、例えば、イヌ、ネコ、ウマなどのコンパニオン動物、ウサギ、マウス、ラットなどの実験室哺乳動物なども治療され得る。治療投与量は、安全性及び有効性を最適化するために滴定され得る。
【0462】
抗CD47抗体の治療有効用量は、使用される特定の薬剤に依存し得るが、通常、約10mg/kg体重以上(例えば、約10mg/kg以上、約15mg/kg以上、約20mg/kg以上、約25mg/kg以上、約30mg/kg以上、約35mg/kg以上、約40mg/kg以上、約45mg/kg以上、約50mg/kg以上、又は約55mg以上、又は約60mg/kg以上、又は約65mg以上、又は約70mg/kg以上)、又は約10mg/kg~、約15mg/kg~約70mg/kg(例えば、約10mg/kg~約67.5mg/kg、又は約10mg/kg~、約15mg/kg~約60mg/kg)である。
【0463】
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体の治療有効用量は、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、又は67.5mg/kgである。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体の治療有効用量は、10~60mg/kgである。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体の治療有効用量は、10~67.5mg/kgである。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、体重1kg当たり少なくとも10~30、20~30、15~60、30~60、10、15、20、30、40、45、50、又は60mgの抗体の用量で投与される。
【0464】
抗CD47抗体の用量は、一定用量であり得る。例えば、特定の対象の体重に関係なく、一定用量を与えることができる。代替的に、一定用量は、特定の重量範囲内にある特定の対象の体重、例えば、100kg以下の第1の範囲、又は100kgを超える第2の範囲に基づいて与えられ得る。一定用量は、例えば、1000~5000、2000~4000、2000~3500、2400~3500、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、2600、2700、2800、2900、3000、3100、3200、3300、3400、3500、3600、3700、3800、3900、4000、4100、4200、4300、4400、4500、4600、4700、4800、4900、5000mg、又はそれらの中間数のmgであり得る。
【0465】
低メチル化剤の治療有効用量は、10~150mg/kgであり得る。いくつかの実施形態では、低メチル化剤の治療有効用量は、10~20、20~30、30~40、40~50、50~60、60~70、75、70~80、80~90、90~100、100~110、110~120、120~130、130~140、又は140~150mg/kgである。いくつかの実施形態では、低メチル化剤の治療有効用量は、約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、又は150mg/kgである。
【0466】
アザシチジンの治療有効用量は、10~150mg/kgであり得る。いくつかの実施形態では、アザシチジンの治療有効用量は、10~20、20~30、30~40、40~50、50~60、60~70、75、70~80、80~90、90~100、100~110、110~120、120~130、130~140、又は140~150mg/kgである。いくつかの実施形態では、アザシチジンの治療有効用量は、約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、又は150mg/kgである。いくつかの実施形態では、アザシチジンの治療有効用量は、75mg/kgである。いくつかの実施形態では、アザシチジンは、少なくとも75mg/mの用量で投与される。
【0467】
投与される組成物の特定の血清レベルを達成及び/又は維持するために必要な用量は、投薬間の時間の量に比例し、投与される用量の数に反比例する。したがって、投薬の頻度が増加するにつれて、必要な用量は減少する。投薬戦略の最適化は、当業者によって容易に理解され、実施されるであろう。例示的な治療レジメンは、2週間に1回又は1ヶ月に1回、又は3~6ヶ月に1回投与することを伴う。本発明の治療エンティティは、通常、複数の場合で投与される。単一投与量間の間隔は、毎週、毎月、又は毎年であり得る。間隔はまた、患者における治療エンティティの血中レベルを測定することによって示される場合、不規則であり得る。代替的に、本発明の治療エンティティは、持続放出製剤として投与され得、その場合、より少ない投与頻度が使用される。投与量及び頻度は、患者におけるポリペプチドの半減期に応じて異なる。いくつかの実施形態では、各単一用量間の間隔は、1週間である。いくつかの実施形態では、各単一用量間の間隔は、2週間である。いくつかの実施形態では、各単一用量間の間隔は、3週間である。いくつかの実施形態では、各単一用量間の間隔は、4週間である。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体の各単一用量間の間隔は、1週間である。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体の各単一用量間の間隔は、2週間である。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体の各単一用量間の間隔は、3週間である。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体の各単一用量間の間隔は、4週間である。いくつかの実施形態では、Hu5F9-G4の各単一用量間の間隔は、1週間である。いくつかの実施形態では、Hu5F9-G4の各単一用量間の間隔は、2週間である。いくつかの実施形態では、Hu5F9-G4の各単一用量間の間隔は、3週間である。いくつかの実施形態では、Hu5F9-G4の各単一用量間の間隔は、4週間である。
【0468】
「維持用量」は、治療有効用量であることを意図した用量である。例えば、治療有効用量を決定するための実験では、複数の異なる維持用量が異なる対象に投与され得る。したがって、維持用量のいくつかは治療有効用量であり得、他は治療用量以下であり得る。
【0469】
予防用途では、比較的低い投与量が、長期間にわたって比較的不定期な間隔で投与され得る。一部の患者は、その後の生涯にわたって治療を受け続ける。他の治療用途では、比較的短い間隔で比較的高い投与量が、疾患の進行が低減又は終了するまで、好ましくは患者が疾患の症状の部分的又は完全な改善を示すまで使用されることがある。その後、特許は予防レジメンを投与され得る。
【0470】
更に他の実施形態では、本発明の方法は、がん腫、血液がん、黒色腫、肉腫、神経膠腫などを含むがんの腫瘍成長、腫瘍転移、又は腫瘍浸潤を治療する、低減する、又は予防することを含む。予防用途について、医薬組成物又は薬剤は、疾患の生化学的、組織学的及び/又は行動的症状、その合併症、及び疾患の発生中に存在する中間病理学的表現型を含む、疾患のリスクを排除若しくは低減する、その重症度を低下させる、又はその発症を遅延するのに十分な量で、疾患に感受性の、又はそうでなければ疾患のリスクがある患者に投与される。
【0471】
本明細書に記載の組み合わせた薬剤の毒性は、細胞培養物又は実験動物における標準的な医薬手順によって、例えば、LD50(集団の50%に致死である用量)又はLD100(集団の100%に致死である用量)を決定することによって、決定することができる。毒性と治療効果との間の用量比は、治療指数である。これらの細胞培養アッセイ及び動物研究から得られたデータは、ヒトでの使用に毒性ではない投与量範囲を配合する際に使用することができる。本明細書に記載のタンパク質の投与量は、毒性がほとんど又は全くない有効用量を含む循環濃度の範囲内にあることが好ましい。投与量は、用いられる剤形及び利用される投与経路に応じて、この範囲内で変化し得る。正確な配合、投与経路、及び投与量は、患者の状態を考慮して、個々の医師によって選択され得る。
プライマー剤及び初回刺激用量
【0472】
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、プライマー剤は、治療有効用量の抗CD47抗体を個体に投与する前に投与される。好適なプライマー剤としては、赤血球産生刺激剤(ESA)及び/又は初回刺激用量の抗CD47抗体が挙げられる。プライミング剤の投与後、及び網状赤血球産生の増加に有効な期間を与えて、治療用量の抗CD47抗体が投与される。投与は、同時係属中の特許出願の米国特許第9,623,079号(参照により本明細書に具体的に組み込まれる)に記載の方法により行うことができる。
【0473】
いくつかの実施形態では、本発明の薬剤の組み合わせの投与は、患者のヘマトクリットを増加させる有効用量の薬剤、例えば、エリスロポエチン刺激剤(ESA)と組み合わされる。例えば、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、Epogen(登録商標)NF/Procrit(登録商標)NF(エポエチンアルファ)、Omontys(登録商標)(ペギネサチド)、Procrit(登録商標)などを含むそのような薬剤は、当該技術分野において既知であり、使用される。
【0474】
「初回刺激用量」という用語又は本明細書で使用される「初回刺激用量」は、治療有効用量がRBCの重度の喪失(ヘマトクリットの低減又はヘモグロビンの低減)をもたらさないように、治療有効用量の抗CD47抗体を投与するために対象をプライムする抗CD47抗体の用量を指す。抗CD47抗体の特定の適切な初回刺激用量は、使用される薬剤の性質及び多数の対象特異的要因(例えば、年齢、体重など)に応じて異なり得る。抗CD47抗体の好適な初回刺激用量の例としては、約0.5mg/kg~約5mg/kg、約0.5mg/kg~約4mg/kg、約0.5mg/kg~約3mg/kg、約1mg/kg~約5mg/kg、約1mg/kg~約4mg/kg、約1mg/kg~約3mg/kg、約1mg/kg、約2mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kgが挙げられる。いくつかの実施形態では、初回刺激用量は、好ましくは1mg/kgである。
【0475】
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、約0.5mg~約10mgの範囲、例えば、約0.5~約5mg/kgの抗体、任意選択で4mg/kg、3mg/kg、2mg/kg、又は1mg/kgの抗体の初回刺激用量として対象に投与される。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、約20~約67.5mg/kgの抗体、任意選択で15~60mg/kgの抗体、任意選択で30~60mg/kgの抗体の範囲、任意選択で15mg/kgの抗体、20mg/kgの抗体、30mg/kgの抗体、45mg/kgの抗体、60mg/kgの抗体、又は67.5mg/kgの抗体の治療用量として対象に投与される。
【0476】
抗CD47抗体の初回刺激用量は、一定の初回刺激用量であり得る。例えば、特定の対象の体重に関係なく、一定の初回刺激用量を与えることができる。代替的に、一定の初回刺激用量は、特定の重量範囲内にある特定の対象の体重、例えば、100kg以下の第1の範囲、又は100kgを超える第2の範囲に基づいて与えられ得る。一定の初回刺激用量は、例えば、10~200、50~100、80~800、80~400、80~200、70~90、75~85、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、240、300、320、400、500、600、700、若しくは800mg、又はそれらの中間数のmgであり得る。
【0477】
いくつかの実施形態では、プライマー剤は、治療有効用量の抗CD47抗体を個体に投与する前に投与される。好適なプライマー剤としては、赤血球産生刺激剤(ESA)及び/又は初回刺激用量の抗CD47抗体が挙げられる。プライミング剤の投与後、及び網状赤血球産生の増加に有効な期間を与えて、治療用量の抗CD47抗体が投与される。治療用量は、いくつかの異なる方法で投与することができる。いくつかの実施形態では、プライマー剤が投与された後に、2つ以上の治療有効用量が投与される。いくつかの実施形態では、治療有効用量の抗CD47抗体は、2つ以上の漸増濃度の用量として投与され、他の実施形態では、用量は同じである。
【0478】
いくつかの実施形態では、有効初回刺激用量のHu-5F9G4が提供され、ヒトの有効初回刺激用量は、およそ約1mg/kg、例えば、少なくとも約0.5mg/kg~最大約5mg/kg以下、少なくとも約0.75mg/kg~最大約1.25mg/kg以下、少なくとも約0.95mg/kg~最大約1.05mg/kg以下であり、およそ約1mg/kgであり得る。
【0479】
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体の初期用量は、少なくとも約2時間、少なくとも約2.5時間、少なくとも約3時間、少なくとも約3.5時間、少なくとも約4時間、少なくとも約4.5時間、少なくとも約5時間、少なくとも約6時間以上の期間にわたって注入される。いくつかの実施形態では、初期用量は、約2.5時間~約6時間、例えば、約3時間~約4時間の期間にわたって注入される。いくつかのそのような実施形態では、注入剤中の抗CD47抗体の用量は、約0.05mg/ml~約0.5mg/ml、例えば、約0.1mg/ml~約0.25mg/mlである。
【0480】
いくつかの実施形態では、初回刺激用量は、当技術分野で知られているように、注射、パッチ、浸透圧ポンプなどによって皮下経路を通して送達され得る。
【0481】
プライミング剤の投与後、及び網状赤血球産生の増加に有効な期間を与えて、治療用量の抗CD47抗体が投与される。治療用量は、いくつかの異なる方法で投与することができる。いくつかの実施形態では、2つ以上の治療有効用量は、例えば、毎週の投与スケジュールで、プライマー剤が投与された後に投与される。いくつかの実施形態では、治療有効用量の抗CD47抗体は、2つ以上の漸増濃度の用量として投与され、他の実施形態では、用量は同じである。
【0482】
他の実施形態では、CD47抗体の初期用量、例えば、初回刺激用量は、例えば、浸透圧ポンプ、送達パッチなどの連続融合によって投与され、用量は、少なくとも約6時間、少なくとも約12時間、少なくとも約24時間、少なくとも約2日間、少なくとも約3日間の期間にわたって投与される。多くのそのような系は、当該技術分野で既知である。例えば、DUROS技術は、ピストンによって分離された二区画系を提供する。区画の一方は、過剰の固体NaClで特別に配合された浸透圧エンジンからなり、そのため、送達期間全体を通して存在し、一定の浸透圧勾配をもたらす。それはまた、水が浸透圧エンジンに引き込まれ、組織水と浸透圧エンジンとの間に大きく一定の浸透勾配を確立する、一端上の半透膜からなる。他方の区画は、薬物溶液からなり、浸透圧勾配により薬物が放出されるオリフィスを有する。これは、ヒトに移植されたときに部位特異的及び全身的な薬物送達を提供するのに役立つ。移植の好ましい部位は、上腕の内側の皮下に配置される。
【0483】
プライミング剤の投与後、及び網状赤血球産生の増加に有効な期間を与えて、治療用量の抗CD47抗体が投与される。治療用量は、いくつかの異なる方法で投与することができる。いくつかの実施形態では、2つ以上の治療有効用量は、例えば、毎週の投与スケジュールで、プライマー剤が投与された後に投与される。いくつかの実施形態では、治療有効用量の抗CD47抗体は、2つ以上の漸増濃度の用量として投与され、他の実施形態では、用量は同じである。初回刺激用量後に赤血球凝集が低減する。
投薬サイクル
【0484】
本明細書において、p53変異を有するMDS若しくはAMLがんを有するヒト対象を治療するか、又はp53変異を有するMDS若しくはAMLがんのサイズを低減するか、又はヒト対象におけるp53変異を有するMDS若しくはAML患者の腫瘍量を低減する方法が提供され、(a)体重1kg当たり10mg以上の抗体の用量で対象に抗CD47抗体を投与すること、及び(b)対象にアザシチジンを投与すること、の少なくとも1サイクルを含み得る。
【0485】
別の態様では、本明細書で提供されるp53変異を有するMDS若しくはAMLがんを有するヒト対象を治療するか、又はp53変異を有するMDS若しくはAMLがんのサイズを低減するか、又はヒト対象におけるp53変異を有するMDS若しくはAML患者の腫瘍量を低減する方法は、(a)体重1kg当たり10mg以上の抗CD47剤(例えば、抗体)の用量で対象に抗CD47剤(例えば、抗CD47抗体、例えば、Hu5F9-G4)を投与すること、及び(b)対象に低メチル化剤を投与すること、の少なくとも1サイクルを含み得る。
【0486】
投与は、1回以上のサイクルで起こり得、例えば、第1のサイクルは、第1の投薬スキームを有し得、1回以上の後続サイクルは、第1のサイクルとは異なる(又は同じ)投薬スキームを有し得る。
【0487】
抗CD47抗体は、体重1kg当たり約10~約67.5mgの抗体、任意選択で体重1kg当たり10~30mgの抗体、任意選択で体重1kg当たり15~60mgの抗体の範囲、任意選択で体重1kg当たり10mgの抗体、体重1kg当たり15mgの抗体、体重1kg当たり20mgの抗体、体重1kg当たり30mgの抗体、体重1kg当たり45mgの抗体、体重1kg当たり60mgの抗体、体重1kg当たり67.5mgの抗体の用量として、所与のサイクルで対象に投与され得る。
【0488】
抗CD47抗体は、所与のサイクル、例えば、週に2回、毎週1回、2週間に1回、3週間に1回、又は4週間に1回対象に投与され得る。
【0489】
体重1kg当たり1mg以上の抗体の用量で対象に抗CD47抗体を投与する前に、所与のサイクルで対象に抗CD47抗体の初回刺激用量。初回刺激用量は、体重1kg当たり1mgの抗体であり得る。初回刺激用量は、約3時間にわたって対象に投与され得る。
【0490】
抗CD47抗体は、1日目に体重1kg当たり1mgの抗体の初回刺激用量、続いて、毎週1回体重1kg当たり30mgの抗体の用量を含む第1のサイクルで対象に投与され得る。第1のサイクルは、4週間の期間であり得る。アザシチジンは、75mg/mの薬物の用量で、1~7日目に第1のサイクルで対象に投与され得る。アザシチジンは、75mg/mの薬物の用量で、1~5日目に第1のサイクルで対象に投与され得る。
【0491】
抗CD47剤(例えば、抗体)は、例えば、医師によって決定されるとおりに、必要に応じて、第2のサイクル及び追加のサイクルで投与され得る。追加のサイクルは、2週間に1回、体重1kg当たり少なくとも10mg(例えば、10~50、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60mg)の抗体の用量を含み得る。第2のサイクル及び追加のサイクルは、4週間の期間であり得る。抗CD47抗体は、医師によって有益であると決定されるとおりに、更に多くのサイクルで投与することができる。抗CD47抗体は、例えば、医師によって有益であると決定されるとおりに、少なくとも第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10以上のサイクルで投与され得る。いくつかの実施形態では、少なくとも第2のサイクルは、毎週1回の抗体の投与を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも第2のサイクルは、2週間に1回の抗体の投与を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10以上のサイクルは、2週間に1回、体重1kg当たり少なくとも10mg(例えば、10~50、15~60、30~60、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60mg)の抗体の用量を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10以上のサイクルは、2週間に1回、体重1kg当たり少なくとも10mg(例えば、10~50、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60mg)の抗体の用量を含む。例えば、第1のサイクル後の各4週間サイクルは、対象に対して必要に応じて継続することができ、それぞれ2週間に1回投与される抗CD47抗体の2回の総用量を含み、それぞれ体重1kg当たり少なくとも10mg(例えば、10~50、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60mg)の抗体を含み得る。
【0492】
抗CD47抗体は、2週間1回、体重1kg当たり30mgの抗体の用量を含む第2のサイクルで投与され得る。第2のサイクルは、4週間の期間であり得る。アザシチジンは、75mg/mの薬物の用量で、1~5日目又は1~7日目に第2のサイクルで対象に投与され得る。
【0493】
抗CD47抗体は、2週間1回、体重1kg当たり30mgの抗体の用量を含む第3のサイクルで投与され得る。第3のサイクルは、4週間の期間であり得る。アザシチジンは、75mg/mの薬物の用量で、1~5日目又は1~7日目に第3のサイクルで対象に投与され得る。
【0494】
抗CD47抗体は、2週間1回、体重1kg当たり30mgの抗体の用量を含む第4のサイクルで投与され得る。第4のサイクルは、4週間の期間であり得る。アザシチジンは、75mg/mの薬物の用量で、1~5日目又は1~7日目に第4のサイクルで対象に投与され得る。
【0495】
抗CD47抗体は、2週間1回、体重1kg当たり30mgの抗体の用量を含む第5のサイクルで投与され得る。第5のサイクルは、4週間の期間であり得る。アザシチジンは、75mg/mの薬物の用量で、1~5日目又は1~7日目に第5のサイクルで対象に投与され得る。
【0496】
抗CD47抗体は、2週間1回、体重1kg当たり30mgの抗体の用量を含む第6のサイクルで投与され得る。第6のサイクルは、4週間の期間であり得る。アザシチジンは、75mg/mの薬物の用量で、1~5日目又は1~7日目に第6のサイクルで対象に投与され得る。
【0497】
抗CD47抗体は、2週間1回、体重1kg当たり30mgの抗体の用量を含む第7のサイクルで投与され得る。第7のサイクルは、4週間の期間であり得る。アザシチジンは、75mg/mの薬物の用量で、1~5日目又は1~7日目に第7のサイクルで対象に投与され得る。
【0498】
抗CD47抗体は、2週間1回、体重1kg当たり30mgの抗体の用量を含む第8のサイクルで投与され得る。第8のサイクルは、4週間の期間であり得る。アザシチジンは、75mg/mの薬物の用量で、1~5日目又は1~7日目に第8のサイクルで対象に投与され得る。
【0499】
抗CD47抗体は、2週間1回、体重1kg当たり30mgの抗体の用量を含む第9のサイクルで投与され得る。第9のサイクルは、4週間の期間であり得る。アザシチジンは、75mg/mの薬物の用量で、1~5日目又は1~7日目に第9のサイクルで対象に投与され得る。
【0500】
抗CD47抗体は、2週間1回、体重1kg当たり30mgの抗体の用量を含む第10のサイクルで投与され得る。第10のサイクルは、4週間の期間であり得る。アザシチジンは、75mg/mの薬物の用量で、1~5日目又は1~7日目に第10のサイクルで対象に投与され得る。
【0501】
いくつかの実施形態では、アザシチジンなどの低メチル化剤は、抗CD47抗体と組み合わせて投与されない。いくつかの実施形態では、アザシチジンなどの低メチル化剤は、抗CD47抗体と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、アザシチジンは、第2のサイクル、第3のサイクル、第4のサイクル、第5のサイクル、第6のサイクル、第7のサイクル、第8のサイクル、第9のサイクル、第10のサイクル、又は追加サイクル(例えば、医師によって有益であると決定されるとおり)で、例えば、75mg/mの薬物の用量で1~5日目又は1~7日目に対象に投与され得る。
【0502】
追加サイクルを使用することができる。例えば、少なくとも1回の追加サイクル、任意選択で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、又は20超の追加サイクルを使用することができる。少なくとも1回の追加サイクルの投薬レジメンは、第2のサイクルと同じであり得、任意選択で、投薬レジメンのアザシチジン部分は、合計6回のサイクルを完了した後に中止される。任意選択で、所与のサイクルのアザシチジン部分は、例えば、月に1回又は2ヶ月に1回の投薬プロトコルを続けることによって、合計6回のサイクルを完了した後に継続することができる。少なくとも1回の追加サイクルは、4週間の期間であり得る。
【0503】
別の例では、第1のサイクル及び第2のサイクルの投薬間隔は同じであり(例えば、抗CD47剤は1週間に1回投与される)、第3のサイクル及び更なる追加サイクルの投薬間隔は、第1及び第2のサイクルとは異なる(例えば、抗CD47剤は、2週間に1回投与される)。第3のサイクル及び追加サイクルの投薬間隔は、同じであり得る。例えば、抗CD47抗体は、毎週1回、抗体のある用量を含む第1のサイクル、毎週1回、抗体のある用量を含む第2のサイクル、2週間に1回、抗体のある用量を含む第3のサイクル、2週間に1回、抗体のある用量を含む第4のサイクル、及び例えば、医師によって決定されるとおりに、必要に応じて、2週間に1回、抗体のある用量を含む追加サイクルで投与され得る。第1のサイクル、第2のサイクル、第3のサイクル、及び追加サイクルは、4週間の期間であり得る。
【0504】
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、それぞれ4週間の少なくとも3つの異なるサイクルにわたって対象に投与され得、第1のサイクルは、(1)毎週1回、抗体のある用量を投与することを含み、第2のサイクルは、(2)毎週1回、抗体のある用量を投与することを含み、第3のサイクルは、(3)2週間に1回、抗体のある用量を投与することを含む。アザシチジンは、75mg/mの薬物の用量で、1~5日目又は1~7日目に第2のサイクルで対象に投与され得る。
【0505】
本明細書において、ヒト対象におけるがんを治療する、又はそのサイズを低減する方法も開示され、本方法には、抗CD47抗体(例えば、Hu5F9-G4)及びアザシチジンを、それぞれ4週間の少なくとも3つの異なるサイクルにわたって対象に投与することが含まれ、第1のサイクルは、(1)時間0(T0)で、体重1kg当たり1mg~10mg(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)の抗体の範囲で抗CD47抗体の初回刺激用量を投与することと、(2)T0の1週間後から毎週1回、体重1kg当たり少なくとも30mg(例えば、30~50、30、35、40、45、50、60mg)の抗CD47抗体の用量とともに、8日目に少なくとも15mg/kg(例えば、15~50、15、20,25、30、35、40、45、50、60mg)の追加の(任意選択の)負荷用量、及び/又は11日目(2週目)に少なくとも30mg/kg(例えば、30~50、30、35、40、45、50、60mg)の追加の(任意選択の)負荷用量を投与することと、(3)第1のサイクルの1~5日目若しくは1~7日目に75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、第2のサイクルは、(1)毎週1回、体重1kg当たり少なくとも30mg(例えば、30~50、30、35、40、45、50、60mg)の抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)第2のサイクルの1~5日目若しくは1~7日目に、75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、第3のサイクルは、(1)2週間に1回、体重1kg当たり少なくとも30mg(例えば、30~50、30、35、40、45、50、60mg)の抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)第3のサイクルの1~5日目若しくは1~7日目に、75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む。第3のサイクルは、制限なく、又は例えば、臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、追加サイクル(例えば、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10など)として繰り返され得る。
【0506】
本明細書において、ヒト対象におけるがんを治療する、又はそのサイズを低減する方法も開示され、本方法には、抗CD47抗体(例えば、Hu5F9-G4)及びアザシチジンを、それぞれ4週間の少なくとも2つの異なるサイクルにわたって対象に投与することが含まれ、第1のサイクルは、(1)時間0(T0)で、体重1kg当たり1mg~10mg(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)の抗体の範囲で抗CD47抗体の初回刺激用量を投与することと、(2)T0の1週間後から毎週1回、体重1kg当たり少なくとも30mg(例えば、30~50、30、35、40、45、50、60mg)の抗CD47抗体の用量とともに、8日目に少なくとも15mg/kg(例えば、15~50、15、20,25、30、35、40、45、50、60mg)の追加の(任意選択の)負荷用量、及び/又は11日目(2週目)に少なくとも30mg/kg(例えば、30~50、30、35、40、45、50、60mg)の追加の(任意選択の)負荷用量を投与することと、(3)第1のサイクルの1~5日目若しくは1~7日目に75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、第2のサイクルは、(1)2週間に1回、毎週1回、又は週に2回、体重1kg当たり少なくとも30mg(例えば、30~50、30、35、40、45、50、60mg)の抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)第2のサイクルの1~5日目若しくは1~7日目に、75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む。第2のサイクルは、制限なく、又は例えば、臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、追加サイクル(例えば、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10など)として繰り返され得る。サイクル6に達した場合、及びそれ以降、アザシチジンは、代わりに、8週間ごとに、7日間、75mg/mの用量で対象に投与され得る。一般に、抗CD47抗体及びアザシチジンは、対象が、例えば、CR又は死亡により臨床的利益を失うまで、上記のように対象に投与され続ける。抗CD47抗体は、Hu5F9-G4であり得る。がんは、p53変異を有する骨髄異形成症候群(MDS)(例えば、低、中等度、又は高リスク)、又はp53変異を有する急性骨髄性白血病(AML)のうちの少なくとも1つであり得る。
【0507】
いくつかの実施形態では、対象は、ヒト対象であり、本方法は、抗CD47抗体及びアザシチジンを、それぞれ4週間の少なくとも2つの異なるサイクルにわたって対象に投与することを含み、第1のサイクルは、(1)1日目及び4日目に体重1kg当たり1mg~10mg(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)の抗体の範囲で抗CD47抗体の初回刺激用量を投与することと、(2)8日目に体重1kg当たり少なくとも15mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(3)11、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(3)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、第2のサイクルは、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~5日目若しくは1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む。
【0508】
いくつかの実施形態では、第2のサイクルは、1~5日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、第2のサイクルは、1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することを含む。
【0509】
いくつかの実施形態では、第2のサイクルは、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返される。
【0510】
いくつかの実施形態では、4週間の第3のサイクルは、(1)4週間に1回、1日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~5日目若しくは1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む。
【0511】
いくつかの実施形態では、4週間の第3のサイクルは、(1)2週間に1回、1日目及び15日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~5日目若しくは1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む。
【0512】
いくつかの実施形態では、4週間の第3のサイクルは、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~5日目若しくは1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む。
【0513】
いくつかの実施形態では、第3のサイクルは、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返され、任意選択で、対象が臨床的利益を失うまで、抗CD47抗体及びアザシチジンが対象に投与され、任意選択で、抗CD47抗体は、Hu5F9-G4である。
【0514】
いくつかの実施形態では、対象は、ヒト対象であり、本方法は、抗CD47抗体及びアザシチジンを、それぞれ4週間の少なくとも3つの異なるサイクルにわたって対象に投与することを含み、第1のサイクルは、(1)1日目及び4日目に体重1kg当たり1mg~10mg(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)の抗体の範囲で抗CD47抗体の初回刺激用量を投与することと、(2)8日目に体重1kg当たり少なくとも15mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(3)11、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(4)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、第2のサイクルは、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、第3のサイクルは、(1)毎週1回、1日目及び15日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む。
【0515】
いくつかの実施形態では、対象は、ヒト対象であり、本方法は、抗CD47抗体及びアザシチジンを、それぞれ4週間の少なくとも3つの異なるサイクルにわたって対象に投与することを含み、第1のサイクルは、(1)1日目及び4日目に体重1kg当たり1mg~10mg(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)の抗体の範囲で抗CD47抗体の初回刺激用量を投与することと、(3)15及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(4)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、第2のサイクルは、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、第3のサイクルは、(1)毎週1回、1日目及び15日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む。
【0516】
いくつかの実施形態では、第3のサイクルは、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返される。
【0517】
いくつかの実施形態では、4週間の第4のサイクルは、(1)2週間に1回、1日目及び15日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む。
【0518】
いくつかの実施形態では、第4のサイクルは、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返され、任意選択で、対象が臨床的利益を失うまで、抗CD47抗体及びアザシチジンが対象に投与され、任意選択で、抗CD47抗体は、Hu5F9-G4である。
【0519】
いくつかの実施形態では、対象は、骨髄異形成症候群(MDS)を有するヒト対象であり、対象は、少なくとも1つのp53変異を有し、本方法は、抗CD47抗体及びアザシチジンを、それぞれ4週間の少なくとも2つの異なるサイクルにわたって対象に投与することを含み、第1のサイクルは、(1)1日目及び4日目に体重1kg当たり1mg~10mg(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)の抗体の範囲で抗CD47抗体の初回刺激用量を投与することと、(2)8日目に体重1kg当たり少なくとも15mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(3)11、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(3)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、第2のサイクルは、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む。
【0520】
いくつかの実施形態では、第2のサイクルは、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返される。
【0521】
いくつかの実施形態では、4週間の第3のサイクルは、(1)2週間に1回、1日目及び15日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む。
【0522】
いくつかの実施形態では、4週間の第3のサイクルは、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む。
【0523】
いくつかの実施形態では、第3のサイクルは、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返され、任意選択で、対象が臨床的利益を失うまで、抗CD47抗体及びアザシチジンが対象に投与され、任意選択で、抗CD47抗体は、Hu5F9-G4である。
【0524】
いくつかの実施形態では、対象は、急性骨髄性白血病(AML)を有するヒト対象であり、対象は、少なくとも1つのp53変異を有し、方法は、抗CD47抗体及びアザシチジンを、それぞれ4週間の少なくとも2つの異なるサイクルにわたって対象に投与することを含み、第1のサイクルは、(1)1日目及び4日目に体重1kg当たり1mg~10mg(例えば、1mg~5mg、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg)の抗体の範囲で抗CD47抗体の初回刺激用量を投与することと、(2)8日目に体重1kg当たり少なくとも15mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(3)11、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(3)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含み、第2のサイクルは、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、第2のサイクルは、1~5日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することを含む。
【0525】
いくつかの実施形態では、第2のサイクルは、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返される。
【0526】
いくつかの実施形態では、4週間の第3のサイクルは、(1)2週間に1回、1日目及び15日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む。
【0527】
いくつかの実施形態では、4週間の第4のサイクルは、(1)2週間に1回、1日目及び15日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む。
【0528】
いくつかの実施形態では、4週間の第5のサイクルは、(1)2週間に1回、1日目及び15日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む。
【0529】
いくつかの実施形態では、4週間の第6のサイクルは、(1)2週間に1回、1日目及び15日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む。
【0530】
いくつかの実施形態では、4週間の第3のサイクルは、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも30mgの抗CD47抗体の用量を投与することと、(2)1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することと、を含む。
【0531】
いくつかの実施形態では、第3のサイクルは、制限なく、又は臨床的利益が低減されるか若しくは失われるか若しくはもはや観察されなくなるまで、1回以上の追加サイクルとして繰り返され、任意選択で、対象が臨床的利益を失うまで、抗CD47抗体及びアザシチジンが対象に投与され、任意選択で、抗CD47抗体は、Hu5F9-G4である。
【0532】
いくつかの実施形態では、4週間の第3のサイクルは、(1)4週間に1回、1日目に体重1kg当たり少なくとも60mgの抗CD47抗体の用量を投与することを含む。
【0533】
いくつかの実施形態では、4週間の第3のサイクルは、(1)2週間に1回、1日目及び15日目に体重1kg当たり少なくとも60mgの抗CD47抗体の用量を投与することを含む。
【0534】
いくつかの実施形態では、4週間の第3のサイクルは、(1)毎週1回、1、8、15、及び22日目に体重1kg当たり少なくとも60mgの抗CD47抗体の用量を投与することを含む。
【0535】
いくつかの実施形態では、4週間の第3のサイクルは、1~7日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することを更に含む。いくつかの実施形態では、4週間の第3のサイクルは、1~5日目のそれぞれの日に、少なくとも75mg/mのアザシチジンの用量を投与することを更に含む。
投与
【0536】
本明細書に記載の方法では、組成物、例えば、抗CD47抗体、及び任意選択で、追加の薬剤が対象に投与される。組成物は、非経口、局所、静脈内、腹部内、腫瘍内、経口、皮下、動脈内、頭蓋内、腹腔内、鼻腔内、又は筋肉内手段によって投与され得る。典型的な投与経路は、静脈内又は腫瘍内であるが、他の経路も等しく効果的であり得る。
【0537】
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体及び/又は追加の薬剤は、腹部内に投与される。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体及び/又は追加の薬剤は、静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体及び/又は追加の薬剤は、腫瘍内に投与される。一実施形態では、抗CD47抗体の初回刺激用量が投与され、初回刺激用量は皮下に送達される。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体及び追加の薬剤は、同時に投与される。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体及び追加の薬剤は、順次に投与される。
【0538】
活性剤は、宿主におけるがん細胞の枯渇に対する追加又は相乗効果もたらすために一定期間内投与される。投与方法には、全身投与、腫瘍内投与などが含まれるが、これらに限定されない。通常、抗CD47抗体は、およそ約45日、約30日、約21日、約14日、約10日、約8日、約7日、約6日、約5日、約4日、約3日、約2日、約1日の期間内、又は実質的に追加の薬剤と同じ日に投与される。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、追加の薬剤の前に投与される。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、追加の薬剤の後に投与される。薬剤は、両方の薬剤の血清レベルが同時に治療レベルにあるような投与スケジューリングである場合、組み合わされると考えられ得る。がん細胞集団の枯渇のために、必要に応じて、投与を繰り返すことができる。
【0539】
本明細書に開示される1つ以上の抗体は、医療専門家、任意選択で医師によって投与され得る。
【0540】
本明細書に開示される1つ以上の抗体は、対象によって投与され得る。
臨床エンドポイント
【0541】
本明細書に記載の方法は、ベースラインと比較して少なくとも1つの改善されたエンドポイントをもたらす。
【0542】
本明細書に開示される方法は、対象における客観的奏効(OR)をもたらし得る。客観的奏効は、Cheson、Lugano、又は同様のNHL奏効基準によって定義される部分奏効又は完全寛解である。
【0543】
本明細書に開示される方法は、対象における疾患制御をもたらし得る。疾患制御は、安定+客観的奏効である。
【0544】
本明細書に開示される方法は、対象における部分奏効(PR)をもたらし得る。PRは、腫瘍病変が完全に消失することなく、撮像基準(CT又はPET/CT)による少なくとも50%の腫瘍の収縮である。PET/CT基準により、PRは、上記のとおりであるか、又はベースラインと比較して低減された代謝取り込み、及び任意のサイズの残留質量(Lugano基準、Cheson et al.JCO 2014)による。
【0545】
本明細書に開示される方法は、対象における完全奏効(CR)をもたらし得る。Cheson et al.JCO 2014。
【0546】
本明細書に開示される方法は、対象において安定(SD)をもたらし得る。Cheson et al.JCO 2014。
【0547】
本明細書に開示される方法は、ベースラインと比較して対象のがんのサイズを低減することができ、ベースラインは、抗CD47抗体の投与前に決定される。
【0548】
本明細書に開示される方法は、対象におけるアザシチジンに対する不応性の逆転をもたらし得る。
医薬組成物
【0549】
本明細書で提供される抗体は、任意の適切な医薬組成物に製剤化され、任意の好適な投与経路により投与され得る。好適な投与経路には、動脈内、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、経鼻、非経口、肺、及び皮下経路が含まれるが、これらに限定されない。
【0550】
医薬組成物は、1つ以上の薬学的賦形剤を含み得る。任意の好適な薬学的賦形剤を使用することができ、当業者は、適切な薬学的賦形剤を選択することができる。したがって、以下に提供される薬学的賦形剤は、例示的であることを意図しており、限定するものではない。追加の薬学的賦形剤としては、例えば、Handbook of Pharmaceutical Excipients,Rowe et al.(Eds.)6th Ed.(2009)(参照によりその全体が組み込まれる)に記載されているものが挙げられる。
【0551】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、消泡剤を含む。任意の好適な消泡剤を使用することができる。いくつかの態様では、消泡剤は、アルコール、エーテル、油、ワックス、シリコーン、界面活性剤、及びそれらの組み合わせから選択される。いくつかの態様では、消泡剤は、鉱油、植物油、エチレンビスステアラミド、パラフィンワックス、エーテルワックス、脂肪アルコールワックス、長鎖脂肪アルコール、脂肪酸石鹸、脂肪酸エステル、ケイ素グリコール、フルオロシリコーン、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールコポリマー、ポリジメチルシロキサン二酸化ケイ素、エーテル、オクチルアルコール、カプリルアルコール、ソルビタントリオレエート、エチルアルコール、2-エチル-ヘキサノール、ジメチコン、オレイルアルコール、シメチコン、及びそれらの組み合わせから選択される。
【0552】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、共溶媒を含む。共溶媒の例示的な例としては、エタノール、ポリ(エチレン)グリコール、ブチレングリコール、ジメチルアセトアミド、グリセリン、プロピレングリコール、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0553】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、緩衝液を含む。緩衝液の例示的な例としては、酢酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、水酸化物、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、グリシン、メチオニン、グアーガム、グルタミン酸ナトリウム(monosodium glutamate)、及びそれらの組み合わせが挙げられる
【0554】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、担体又は充填剤を含む。担体又は充填剤の例示的な例としては、ラクトース、マルトデキストリン、マンニトール、ソルビトール、キトサン、ステアリン酸、キサンタンガム、グアーガム、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0555】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、界面活性剤を含む。界面活性剤の例示的な例としては、d-アルファトコフェロール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、ドクサートナトリウム、ベヘン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、ラウリン酸、マクロゴール15ヒドロキシステアレート、ミリスチルアルコール、リン脂質、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシエチレン、ポリオキシグリセリド、ラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタンエステル、ビタミンEポリエチレン(グリコール)スクシネート、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0556】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、固化防止剤を含む。固化防止剤の例示的な例としては、リン酸カルシウム(三塩基性)、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酸化マグネシウム、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0557】
医薬組成物とともに使用され得る他の賦形剤としては、例えば、アルブミン、酸化防止剤、抗菌剤、抗真菌剤、生体吸収性ポリマー、キレート剤、制御放出剤、希釈剤、分散剤、溶解促進剤、乳化剤、ゲル化剤、軟膏基剤、浸透促進剤、防腐剤、可溶化剤、溶媒、安定化剤、糖、及びそれらの組み合わせが挙げられる。これらの薬剤の各々の具体例は、例えば、Handbook of Pharmaceutical Excipients,Rowe et al.(Eds.)6th Ed.(2009),Pharmaceutical Press(参照によりその全体が組み込まれる)に記載されている。
【0558】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、溶媒を含む。いくつかの態様では、溶媒は、滅菌等張生理食塩水又はデキストロース溶液などの生理食塩水溶液である。いくつかの態様では、溶媒は、注射用水である。
【0559】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、微粒子又はナノ粒子などの粒子形態である。微粒子及びナノ粒子は、ポリマー又は脂質などの任意の好適な材料から形成され得る。いくつかの態様では、微粒子又はナノ粒子は、ミセル、リポソーム、又はポリマーソームである。
【0560】
水はいくつかの抗体の分解を促進することができるため、抗体を含む無水医薬組成物及び剤形が本明細書において更に提供される。
【0561】
本明細書で提供される無水医薬組成物及び剤形は、無水又は低水分含有成分及び低水分又は低湿度条件を使用して調製することができる。製造、パッケージング、及び/又は貯蔵中の水分及び/又は湿度との実質的な接触が予想される場合、ラクトース及び一級又は二級アミンを含む少なくとも1つの活性成分を含む医薬組成物及び剤形は無水であり得る。
【0562】
無水医薬組成物は、その無水性質が維持されるように調製及び貯蔵されるべきである。したがって、無水組成物は、好適な処方キットに含まれ得るように、水への曝露を防止することが知られている材料を使用してパッケージングされ得る。好適なパッケージングの例としては、密封された箔、プラスチック、単位用量容器(例えば、バイアル)、ブリスターパック、及びストリップパックが挙げられるが、これらに限定されない。
【0563】
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗体は、非経口剤形として製剤化される。非経口剤形は、皮下、静脈内(注入及びボーラス注射を含む)、筋肉内、及び動脈内を含むがこれらに限定されない、様々な経路によって対象に投与され得る。それらの投与は、典型的には、汚染物質に対する対象の自然防御を回避するため、非経口剤形は、典型的には、無菌であるか、又は対象への投与前に滅菌され得る。非経口剤形の例としては、すぐに注射可能な溶液、注射用の薬学的に許容されるビヒクルにすぐに溶解又は懸濁できる乾燥(例えば、凍結乾燥)製品、すぐに注射可能な懸濁液、及びエマルションが挙げられるが、これらに限定されない。
【0564】
非経口剤形を提供するために使用することができる好適なビヒクルは、当業者に周知である。例としては、注射用水USP;水性ビヒクル、例えば、限定されないが、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、デキストロース注射液、デキストロース及び塩化ナトリウム注射液、並びに乳酸リンゲル注射液;水混和性ビヒクル、例えば、限定されないが、エチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコール;並びに非水性ビヒクル、例えば、限定されないが、トウモロコシ油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、及び安息香酸ベンジルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0565】
本明細書に開示される抗体のうちの1つ以上の溶解度を増加させる賦形剤も、非経口剤形に組み込まれ得る。
【0566】
いくつかの実施形態では、非経口剤形は凍結乾燥される。例示的な凍結乾燥製剤は、例えば、米国特許第6,267,958号及び同第6,171,586号、並びに国際公開第2006/044908号に記載されており、その各々は、参照によりその全体が組み込まれる。
【0567】
ヒト治療薬において、医師は、予防的又は治療的処置により、並びに治療される対象に特区医的な年齢、体重、状態、及び他の要因により、最も適切に思われる用法用量を決定する。
【0568】
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される組成物は、医薬組成物又は単一の単位剤形である。本明細書で提供される医薬組成物及び単一の単位剤形は、予防又は治療有効量の1つ以上の予防的又は治療用抗体を含む。
【0569】
障害又はその1つ以上の症状の予防又は治療に有効である抗体又は組成物の量は、疾患又は状態の性質及び重症度、並びに抗体が投与される経路によって異なる。頻度及び投与量はまた、施される特定の療法(例えば、治療薬又は予防剤)、障害、疾患、若しくは状態の重症度、投与経路、並びに対象の年齢、体、重量、応答、及び過去の病歴に応じて、各対象に特異的な要因によって異なる。有効用量は、インビトロ又は動物モデル試験系に由来する用量応答曲線から推定され得る。
【0570】
当業者によって容易に知られているように、異なる治療有効量が、異なる疾患及び状態に適用可能であり得る。同様に、そのような障害を予防、管理、治療、又は改善するのに十分であるが、本明細書で提供される抗体に関連する有害作用を引き起こすのに不十分であるか、又はそれを低減するのに十分な量も、本明細書で提供される投与量及び用量頻度スケジュールに包含される。更に、対象が本明細書で提供される組成物の複数の投与量を投与される場合、投与量のすべてが同じである必要はない。例えば、対象に投与される投与量は、組成物の予防若しくは治療効果を向上させるために増加され得るか、又は特定の対象が経験している1つ以上の副作用を低減するために減少され得る。
【0571】
ある特定の実施形態では、治療又は予防は、本明細書で提供される抗体又は組成物の1つ以上の負荷用量で開始され得、その後1つ以上の維持用量が続く。
【0572】
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗体又は組成物の用量は、対象の血液又は血清中の抗体の定常状態濃度を達成するために投与され得る。定常状態濃度は、当業者に利用可能な技法による測定によって決定され得るか、又は身長、体重、及び年齢などの対象の物理的特徴に基づき得る。
【0573】
本開示の他の箇所でより詳細に論じられるように、本明細書で提供される抗体は、任意選択で、疾患又は障害を予防又は治療するのに有用な1つ以上の追加の薬剤とともに投与され得る。そのような追加の薬剤の有効量は、製剤中に存在する抗体の量、障害又は治療の種類、並びに当該技術分野で既知の又は本明細書に記載の他の要因に依存し得る。
【0574】
「薬学的に許容される賦形剤」は、一般に安全で、非毒性で、望ましい医薬組成物を調製するのに有用である賦形剤を意味し、獣医学的使用及びヒトの薬学的使用に許容可能な賦形剤を含む。そのような賦形剤は、固体、液体、半固体、又はエアロゾル組成物の場合、気体であり得る。
【0575】
「薬学的に許容される塩及びエステル」は、薬学的に許容され、所望の薬理学的特性を有する塩及びエステルを意味する。そのような塩には、化合物中に存在する酸性プロトンが無機又は有機塩基と反応することができる場合に形成され得る塩が含まれる。好適な無機塩には、アルカリ金属、例えば、ナトリウム及びカリウム、マグネシウム、カルシウム、並びにアルミニウムで形成されたものが含まれる。好適な有機塩には、アミン塩基などの有機塩基、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、Nメチルグルカミンなどで形成されたものが含まれる。そのような塩には、無機酸(例えば、塩酸及び臭化水素酸)及び有機酸(例えば、酢酸、クエン酸、マレイン酸、並びにアルカン及びアレーン-スルホン酸、例えば、メタンスルホン酸及びベンゼンスルホン酸)で形成される酸付加塩も含まれる。薬学的に許容されるエステルには、化合物中に存在するカルボキシ、スルホニルオキシ、及びホスホノオキシ基から形成されるエステル、例えば、C1-6アルキルエステルが含まれる。2つの酸性基が存在する場合、薬学的に許容される塩又はエステルは、一酸一塩若しくはエステル、又は二塩若しくはエステルであり得、同様に、3つ以上の酸性基が存在する場合、そのような基の一部又は全部が塩化又はエステル化され得る。本発明で命名された化合物は、非塩化若しくは非エステル化形態で、又は塩化及び/若しくはエステル化形態で存在することができ、そのような化合物の命名は、元の(非塩化及び非エステル化)化合物、並びにその薬学的に許容される塩及びエステルの両方を含むことが意図される。また、本発明で命名されたある特定の化合物は、2つ以上の立体異性体形態で存在してもよく、そのような化合物の命名は、すべての単一の立体異性体及びそのような立体異性体のすべての混合物(ラセミ体であるか又はそうでないかにかかわらず)を含むことが意図されている。
【0576】
「薬学的に許容される」、「生理学的に許容される」という用語、及びそれらの文法的変形は、組成物、担体、希釈剤、及び試薬を指すとき、交換可能に使用され、組成物の投与を妨げるであろう程度まで望ましくない生理学的作用をもたらすことなく、材料がヒトに又はヒトに対して投与することができることを表す。
キット
【0577】
本明細書において、活性剤、例えば、抗CD47抗体、並びに任意選択で追加の薬剤及びその製剤、並びに使用説明書を含むキットも記載される。キットは、少なくとも1つの追加の試薬、例えば、アザシチジンを更に含み得る。キットは、典型的には、キットの内容物の意図された使用を示すラベルを含む。ラベルという用語には、キット上又はキットとともに供給される、又はそうでなければキットに付随する任意の文書、又は記録材料が含まれる。
【0578】
本明細書に開示される様々な方法で使用するためのキットも提供される。対象キットには、プライマー剤及び抗CD47剤が含まれる。いくつかの実施形態では、キットには、2つ以上のプライマー剤が含まれる。いくつかの実施形態では、キットには、2つ以上の抗CD47剤が含まれる。いくつかの実施形態では、プライマー剤は、剤形(例えば、初回刺激剤形)で提供される。いくつかの実施形態では、プライマー剤は、2つ以上の異なる剤形(例えば、2つ以上の異なる初回刺激剤形)で提供される。いくつかの実施形態では、抗CD47剤は、剤形(例えば、治療有効剤形)で提供される。いくつかの実施形態では、抗CD47剤は、2つ以上の異なる剤形(例えば、2つ以上の異なる治療有効剤形)で提供される。キットの文脈において、プライマー剤及び/又は抗CD47剤は、任意の便利なパッケージング(例えば、スティックパック、用量パックなど)で、液体又は販売形態で提供され得る。
【0579】
上記の成分に加えて、対象キットは、(ある特定の実施形態では)対象方法を実施するための説明書を更に含み得る。これらの説明書は様々な形態で対象キットに存在し得、そのうちの1つ以上がキットに存在し得る。これらの説明書が存在し得る1つの形態は、好適な媒体又は基板、例えば、情報が印刷される1枚の紙(複数可)上、キットのパッケージング、パッケージ挿入物などの印刷された情報としてである。これらの説明書の更に別の形態は、コンピュータ可読媒体、例えば、ディスケット、コンパクトディスク(CD)、フラッシュドライブなどであり、その上に情報が記録されている。存在し得るこれらの説明書の更に別の形態は、離れた場所で情報にアクセスするためにインターネットを介して使用され得るウェブサイトアドレスである。
【実施例0580】
以下は、本発明を実施するための特定の実施形態の例である。実施例は、単に例示を目的として提供されており、いかなる方法でも本発明の範囲を限定することを意図するものではない。使用される数値(例えば、量、温度など)に関する精度を確保する努力がなされているが、いくらかの実験誤差及び偏差が、当然ながら考慮されるべきである。
【0581】
本発明の実施は、特に指示がない限り、当技術分野の範囲内で、タンパク質化学、生化学、組換えDNA技法、及び薬理学の従来の方法を用いる。そのような技術は、文献において完全に説明されている。例えば、T.E.Creighton,Proteins:Structures and Molecular Properties(W.H.Freeman and Company,1993)、A.L.Lehninger,Biochemistry(Worth Publishers,Inc.,current addition)、Sambrook,et al.Molecular Cloning:A Laboratory Manual(2nd Edition,1989)、Methods In Enzymology(S.Colowick and
N.Kaplan eds.,Academic Press,Inc.)、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Edition(Easton,Pennsylvania:Mack Publishing
Company,1990)、Carey and Sundberg Advanced Organic Chemistry 3rd Ed.(Plenum Press)Vols A and B(1992)を参照されたい。
実施例1:血液悪性腫瘍の患者におけるアザシチジンと組み合わせたHu5F9-G4
序論
【0582】
急性骨髄性白血病(AML)は、発生率が若年成人の3:100,000から高齢者の20:100,000超に上昇する一般的な血液悪性腫瘍である。60歳未満の患者については、全生存(OS)は40~50%であるが、60歳超の患者については、たった5%である。新たに診断されたAMLの患者の大部分は、60歳超である。この患者集団では、標準的な導入化学療法は、年齢及び併存症の結果として治療関連死亡の増加により選択肢ではないことが多い。併用化学療法に不適合なAML患者の標準治療は、低メチル化剤(アザシチジン又はデシタビン)又は低用量シタラビンによる治療である。これらの最先端の治療にもかかわらず、全生存(OS)の中央値はたった約10ヶ月である。すべての種類のAMLでは、初期の治療奏効にもかかわらず、疾患の再発が一般的であり、死亡の最も一般的な理由である。標準的な化学療法及び同種異系幹細胞移植(使用される場合)は、すべての腫瘍伝播細胞を根絶し、化学療法耐性白血病伝播サブクローンを選択することができないことが多い。現在の治療選択肢が非常に限定されているため、救済療法に対して不応性の患者は、対症的に治療される。これらの患者は、2ヶ月の生存中央値を有する。加えて、新たに診断された中等度又は高リスクの骨髄異形成症候群(MDS)の患者及び標準治療後に再発した患者は、予後が不良であり、AMLへの進行へのリスクが高い。したがって、再発性/不応性(R/R)AML及びMDS患者、年齢及び併存症に基づいた導入化学療法に不適格な新たに診断されたAML患者、並びに新たに診断された中等度/高/非常に高リスクのMDS患者のための新しい治療モダリティが緊急に必要とされている。
【0583】
Hu5F9-G4は、AMLを含むがん細胞上で高度に発現され、がんの主要な免疫回避シグナルとして機能する、抗貪食作用シグナルCD47を遮断するヒト化モノクローナル抗体である。Hu5F9-G4はCD47に結合し、貪食細胞上で、それがそのリガンドのシグナル調節タンパク質アルファ(SIRPα)と相互作用するのを遮断し、がん細胞の貪食作用の排除をもたらす。ヒトAMLの非臨床異種移植片モデルにおけるHu5F9-G4治療は、末梢血及び骨髄における白血病性疾患の堅固な排除をもたらし、これは、処置されたマウスの高い割合で長期の寛解をもたらす。Hu5F9-G4は、固形腫瘍及びAMLの第1相試験で試験されている。Hu5F9-G4単剤療法は十分に忍容されており、第1相試験では最大耐量(MTD)に達していない。非臨床試験に基づいて、Hu5F9-G4は、AML又は中等度/高/非常に高リスクMDSを有する患者において顕著な抗白血病活性を示す。更に、標準治療の低メチル化剤(アザシチジン)へのHu5F9-G4の追加は、抗白血病活性を増強し得る。この試験では、再発性又は不応性のAML又はMDSの患者におけるHu5F9-G4単剤療法の抗白血病活性を評価し、Hu5F9-G4単剤療法から継続的な臨床利益を得る第1相AML試験の患者に対する継続的な治療を提供する。加えて、アザシチジンと組み合わせたHu5F9-G4の安全性及び抗白血病活性が、R/R AML又はMDSの患者、標準導入化学療法に不適格な以前に未治療のAML患者、及び新たに診断された中等度/高/非常に高リスクのMDS患者において調査される。
研究設計及びスキーマ
【0584】
図1は、血液悪性腫瘍の患者におけるHu5F9-G4単剤療法又はアザシチジンと併用したHu5F9-G4の第1b相試験の研究設計スキーマを示す。
【0585】
研究には、3つの患者群が含まれる。
1.R/Rコホート:Hu5F9-G4を以前に受けていない再発性及び/若しくは不応性AML又はMDS患者は、安全性導入(run-in)コホートではHu5F9-G4単剤療法、又はこの研究の拡大コホートではアザシチジンと組み合わせてHu5F9-G4を受けた(合計N=最大46人)。
2.TN/Uコホート:標準的な導入化学療法に不適格なAML患者、及び以前に未治療の、IPSS-Rによる中等度/高/非常に高リスクのMDS患者で、この研究でアザシチジンと組み合わせてHu5F9-G4を受けた患者、少なくとも91人の中等度から非常に高リスクのMDS患者が治療された(合計N=最大121人)。TN/Uは、治療未処置/不適合(標準的な導入化学療法に)を表す。
3.継続コホート:第1相R/R AML研究でHu5F9-G4を受け、この研究でHu5F9-G4単剤療法を継続する患者(合計N=最大8人)。
【0586】
研究設計-R/Rコホート
R/Rコホートを2段階で評価した。10人の患者(R/R安全性コホート)を安全性導入で治療して、このR/R集団におけるHu5F9-G4単剤療法の安全性プロファイルを評価した。R/R安全性コホートにおける総合臨床、安全性、PK、及び薬力学的データに基づいて、臨床試験運営委員会(Clinical Trial Steering Committee)(CTSC)は、登録が初期のR/Rコホートの拡大段階で開始することができるかどうかを決定し、R/R拡大コホートの合計最大36人の追加の患者を治療して、アザシチジンと組み合わせてHu5F9-G4の臨床活性を評価した。R/R拡大コホートでは、Hu5F9-G4は、表2に示されるように、週に2回(1日目及び4日目)、1週目に1mg/kg;8日目に15mg/kg;11日目及び15日目に30mg/kg、並びに22日目からサイクル2の終了まで毎週30mg/kg、その後、サイクル3からそれ以降、Q2週30mg/kgを、臨床、PK、及び薬力学的データに基づいて、及びより便利な投薬レジメンの評価のために投与した。患者がサイクルにわたって1日目の治療のみを受けた場合、患者は、このサイクル以降のバランスのために、そのサイクルで新しい投薬レジメンに移行し得る。
【0587】
用量の増加又は投薬頻度が調査される場合、追加のコホートは、標準的な3+3設計を使用する。有効性データを含む新たな臨床データに基づいて、R/R拡大コホートは、CTSCによって決定して、36人の患者を超えて増加し得る。
【0588】
【表2】
【0589】
R/R拡大におけるHu5F9-G4維持用量を、サイクル3からQ2週に変更した。領域特異的標識で投与されるアザシチジン:UK又はUSでは皮下(SC)、USのみで静脈内(IV)。
研究設計-TN/Uコホート用量レベル
【0590】
TN/Uコホートの全患者は、アザシチジンと組み合わせてHu5F9-G4を受けた。Hu5F9-G4は、表3に示されるように、サイクル1を通して11日目まで週に2回、次いでサイクル1の15日目以降、毎週投与された。この用量レジメンは、新たな臨床、PK、及び薬力学的データに基づいて選択された。投薬は週2回から毎週(サイクル1の3週目以降)に変更されるため、以前のレジメンで治療された患者は、次のサイクルで、又は治験責任医師によって決定されるとおりに、新しい(毎週)投薬スケジュールに移行した。患者がサイクルにわたって1日目の治療のみを受けた場合、患者は、このサイクル以降のバランスのために、新しい投薬レジメンに移行し得る。
【0591】
アザシチジンは、両用量レベルの各28日サイクルの1~7日目に75mg/m2の標準用量で、SC又はIVのいずれかで、領域特異的薬物標識に従って投与された。Hu5F9-G4は、アザシチジン注入/注射が完了した少なくとも1時間後に与えられた。
【0592】
【表3】
【0593】
Hu5F9-G4の用量評価は、表2に示される指定された用量レベルで開始された。用量漸増又は漸減の可能性に関連する決定は、4週間を超えて療法を継続した前のコホートの患者の継続的な評価と併せて、「用量制限毒性(DLT)評価期間」と称される、現在のコホートにおける最初の4週間の治療に基づいた。最大耐量(MTD)又は推奨される第2相の用量及びスケジュール(RP2DS)を更に改善するための追加のコホートに関する決定は、CTSCによって行われた。CTSCは、追加の用量コホートを追加すること、中間用量工程(例えば、追加の患者内用量漸増工程)を追加すること、中間用量工程を減らすこと(例えば、患者内用量漸増工程の削除)、又は新たなPK及び臨床データによって支持される場合、毎週若しくは最大4週間ごとまでの用量スケジュールを探索することを含むが、これらに限定されない3+3設計を使用して評価されるように、追加の用量コホートを作製してもよい。
研究設計-継続コホート
【0594】
R/R AMLにおけるHu5F9-G4の第1相試験では、Hu5F9-G4から臨床的利益を得た患者は、Hu5F9-G4投薬を継続的に受けている。これらの患者は、継続コホートのこのプロトコル下でHu5F9-G4療法を受け続けることができる。継続コホートの患者は、第1相AML研究で以前に受けたのと同じ用量レベル及びスケジュール(すなわち、週に2回)のHu5F9-G4単剤療法を受け得るか、又は治験責任医師の裁量で、及び治験依頼者の承認により、毎週1回の投薬に移行し得る。週2回の投薬を受けている患者は、次のサイクルで、又は治験責任医師によって決定されるとおりに、新しい(毎週)投薬スケジュールに移行し得る。患者がサイクルにわたって1日目の治療のみを受けた場合、患者は、このサイクル以降のバランスのために、そのサイクルで新しい投薬レジメンに移行し得る。療法を継続する、もはや臨床的利益を得ない、又はHu5F9-G4に対して許容できない毒性を示す継続コホートの患者は、研究から外される。
【0595】
【表4】
患者の適格性
【0596】
組み入れ基準
【0597】
全患者:
1.適切なコホートは以下の基準を満たす:
a.すべてのR/Rコホート(i又はiiを満たす):
i.病理学的に確認されたAML(2017 ELN分類によって定義される;Dohner 2017)、低メチル化剤(アザシチジン又はデシタビンなど)、非集中化学療法(低用量シタラビンアラビノシドなど)、及び/又はベネトクラクスのいずれかで、以前の治療に対して再発性又は不応性である。治療は、療法の1つの以前の選択に限定される。寛解期の患者の造血幹細胞移植は、AMLの選択療法として数えられない、若しくは
ii.低メチル化剤に対して不応性(低メチル化剤の開始後のどの時点でもIWG2006基準[Cheson 2006]により疾患進行として定義されるか、又は4サイクル後にIWG2006基準による客観的奏効を達成することができない)であるか、又は低メチル化剤、非集中化学療法、若しくは標的療法のいずれかの以前の治療に対して再発性若しくは不耐性であるかのいずれかである、世界保健機関(WHO)分類に従って定義される確認されたMDS。治療は、全R/R MDS患者について、低メチル化剤療法(治験用低メチル化剤を含む)の1回の以前の選択に限定される。
b.すべてのTN/Uコホート(i又はiiを満たす):
i.WHO分類に従って定義されたMDSを有する以前に未治療の患者、IPSS-R(Greenberg 2012)リスク分類の中等度、高、又は非常に高リスク。ヒドロキシウレア、経口エトポシド、赤血球、及び/又は骨髄成長因子による以前の及び同時療法は許容される。
ii.併存症、年齢、又は他の要因による標準的なシタラビン及びアントラサイクリン導入レジメンによる治療に不適格であるか、又はそのような療法を拒否する、WHO基準によってAMLの組織学的確認を伴う以前に未治療の患者。
c.継続コホート:治験責任医師の評価によって臨床的利益を得ている、第1相AML(SCI-CD47-002)試験の能動的なHu5F9-G4療法を受けている患者。
2.研究治療の初回用量前、及びサイクル1の各Hu5F9-G4用量前のWBC数≦20×103/mcL。WBC>20×103/mcLの患者は、WBCを≦20×103/mcLに低減するために、試験全体を通してヒドロキシウレア(最大4g/日)で治療され得る。経口エトポシド(最大200mg経口[PO]/日)は、ヒドロキシウレアに不耐性であるか、又はヒドロキシウレアで十分なWBC低下を達成することができない患者に対してヒドロキシウレアの代替として与えられ得る。
3.患者がインフォームドコンセントを提供している。
4.研究プロトコルに概説されているクリニック訪問及び手順に従う意思があり、また従うことができなければならない。
R/R及びTN/Uコホートのみ(基準5~9のDO NOTは継続コホートには適用されない):
5.男性又は女性、≧18歳。
6.Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)パフォーマンススコアが0~2。
7.臨床的に必要とみなされる、血液輸血を受ける意思がある。
8.治療前の血液交差適合が完了している(セクション7.3.4に詳述される)。
9.以下に示す範囲内の血液学的及び生化学的指標:
a.アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)/血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(SGOT)及びアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)/血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(SGPT)≦5×正常の上限(ULN)
b.患者がジルベール症候群又は遺伝的等価物の文書病歴を有する場合、ビリルビン≦1.5×ULN、又は3.0×ULN、及び主に非抱合型
c.血清クレアチニン≦1.5×ULN又は計算された糸球体濾過率(GFR)≧40mL/分/1.73m2
10.妊娠可能な女性患者は、授乳中又は妊娠予定であってはならず、登録前30日以内及び治験薬の最初の投与前72時間以内に陰性尿又は血清妊娠検査を有しなければならない。
11.妊娠可能な女性患者は、研究中1つの非常に効果的な避妊方法を使用する意思があり、Hu5F9-G4又はアザシチジンの最後の投薬のうちのいずれか遅く終わった方の後4ヶ月間継続しなければならない(セクション4.5.1)。
12.WOCBPと性的に活発であり、精管切除していない男性患者は、研究中、及びHu5F9-G4又はアザシチジンの最後の投薬のうちのいずれか遅く終わった後4ヶ月間、バリア避妊法を使用する意思がなければならない(セクション4.5.2)。
13.治験責任医師によって実現可能ではないと決定されない限り、強制治療前及び治療中の骨髄生検(トレフィン)に同意する意思がある。
除外基準
1.CD47又はSIRPα標的化剤による以前の治療(継続コホートの患者におけるHu5F9-G4を除く)。
2.1日目のHu5F9-G4投薬前の4週間以内の化学療法(ヒドロキシウレア若しくは経口エトポシドを除く)、標的化療法、免疫療法、又は放射線療法を含むがこれらに限定されない、以前の抗白血病療法。注記:局在非中枢神経系(非CNS)放射線療法、前立腺がんの黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニストによる以前のホルモン療法、並びにビスホスホネート及び核因子カッパBリガンドの受容体活性化因子(RANKL)阻害剤による治療は、排除の基準ではない。
3.TN/Uコホートのみ:任意の以前の抗白血病療法(ヒドロキシウレア又は経口エトポシドを除く)、低メチル化剤による以前の治療、及び/又は低用量シタラビン。
4.R/R拡大コホート及びTN/Uコホートのみ:進行性悪性肝腫瘍又はアザシチジン若しくはマンニトールに対する既知の過敏症を含む、アザシチジンに対する禁忌。
5.急性前骨髄球性白血病。
6.既知の遺伝性又は獲得出血障害。
7.登録前の6ヶ月以内の以前の同種異系造血幹細胞移植、活動性移植片対宿主病(GVHD)、又は移植関連免疫抑制を必要とする。
8.白血病による活動性CNS関与の臨床上の疑い。
9.研究における参加のリスク効果比を実質的に増加させるであろう、治験責任医師及び治験依頼者によって評価される顕著な医学的疾患又は状態。これには、過去6ヶ月以内の急性心筋梗塞、不安定な狭心症、制御不良の真性糖尿病、顕著な活動性感染症、及びうっ血性心不全ニューヨーク心臓協会(New York Heart Association)(NYHA)ク
ラスIII~IVが含まれるが、これらに限定されない。
10.患者が除外基準2で定義される能動的抗がん療法中ではない、治療された基底細胞若しくは局所扁平上皮がん、局所前立腺がん、又は他の悪性腫瘍を除く、二次性悪性腫瘍。
11.精神疾患又は物質乱用の病歴は、プロトコル要件に従うか、又はインフォームドコンセントを得る能力を妨げる可能性が高い。
12.妊娠又は活発な授乳。
13.既知の活動性又は慢性B若しくはC型肝炎感染又はヒト免疫不全ウイルス(HIV)。
研究目的
【0598】
主要目的
【0599】
1)このR/R AML及びMDS集団におけるHu5F9-G4単剤療法の、並びにAML若しくはMDSを有する以前に未治療の患者並びにR/R AML及びMDSの患者におけるアザシチジンと組み合わせたHu5F9-G4の安全性並びに忍容性を確認すること。
【0600】
2)AML患者の完全寛解(CR)率、MDS患者のCR+部分寛解(PR)率、AML患者のCRの持続時間、及びMDS患者のCR+PRの持続時間によって測定した、R/R AML/MDSにおけるHu5F9-G4単剤療法の、又はAML/MDS若しくはR/R AML/MDSを有する以前に未治療の患者におけるアザシチジンと組み合わせたHu5F9-G4の有効性を評価すること。
【0601】
二次目的
【0602】
1)Hu5F9-G4単独及びアザシチジンと組み合わせた薬物動態(PK)プロファイルを評価すること。
【0603】
2)Hu5F9-G4の免疫原性を評価すること。
【0604】
3)客観的奏効率、部分的な血液学的回復を伴うCR、AML患者の奏効持続期間(DOR)、MDS患者のDOR、赤血球(RBC)輸血非依存性、無増悪生存期間(PFS)、無再発生存期間(RFS)、及びOSによって測定した、Hu5F9-G4単独又はアザシチジンとの併用の有効性を評価すること。
【0605】
4)最小残存疾患(MRD)陰性レベルを評価すること
【0606】
探索的目的
【0607】
1)CD47受容体占有率(RO)を評価すること。
【0608】
2)免疫細胞の有効性及びHu5F9-G4の骨髄浸透のバイオマーカーを評価すること。
【0609】
3)AML/MDSの分子サブタイプにおける有効性を評価すること。
エンドポイント
【0610】
主要評価項目
【0611】
この研究の主要評価項目は以下のとおりであった。
【0612】
1)以下に定義されるように、国立がん研究所有害事象の共通用語基準(National Cancer Institute Common Terminology Criteria for Adverse Events(NCI CTCAE))バージョン4.03又は赤血球凝集及び微小血管症のためのカスタマイズされた有害事象(AE)重症度グレーディングによるAEの測定。
【0613】
2)欧州白血病ネット(European Leukemia Net(ELN))AML推奨(Dohn
er 2017)、IWG MDS奏効基準によって定義されるMDS患者のCR+PR(完全寛解及び部分寛解)率、AML患者のDCR、(Cheson 2006)、及びMDS患者のCR+PRの持続時間に基づく、以下に示すプロトコル指定基準による、治験責任医師によって定義されるAML患者の完全寛解(CR)率。
【0614】
副次的評価項目
【0615】
この研究の副次的評価項目は以下のとおりであった。
【0616】
1)Hu5F9-G4濃度対時間測定。
【0617】
2)Hu5F9-G4に対するADA。
【0618】
3)ELN AML推奨(Dohner 2017)及びIWG AML奏効基準に基づくAMLにおける客観的奏効、又はIWG MDS奏効基準(Cheson 2006)によって定義されるMDS患者のORR(Cheson 2003);部分的な血液学的回復を伴う完全寛解(CRh);AML患者のDOR;MDS患者のDOR;RBC輸血非依存性(少なくとも8週間連続した期間にわたってRBC輸血なし);並びに適切な場合、AML又はMDS患者の無増悪生存期間(PFS)、無再発生存期間(RFS)、及びOS。
【0619】
4)療法での患者のマルチパラメータフローサイトメトリーベースのアッセイを使用したMRD陰性レベル。
【0620】
探索的評価項目
【0621】
この研究の探索的評価項目は以下のとおりであった。
【0622】
1)末梢RBC、白血球(WBC)、及び白血病細胞に対するROの米国のみの下位研究。
【0623】
2)循環サイトカインプロファイル、循環T細胞のT細胞受容体配列決定、循環白血球の質量サイトメトリー(CyTOF)/フローサイトメトリー、及びT細胞活性化研究を可能性として含むがこれらに限定されない、Hu5F9-G4生物学的活性の薬理学的マーカー。
【0624】
3)腫瘍細胞のHu5F9-G4飽和、並びにマクロファージ及びT細胞腫瘍浸潤を可能性として含むがこれらに限定されない腫瘍微小環境の変化。
【0625】
4)細胞遺伝的及び変異プロファイル、並びに白血病/異形成免疫表現型を可能性としてがこれらに限定されない、AML/MDSの分子サブタイプに対する応答の相関。
【0626】
5)骨髄細胞性及び白血病幹細胞集団に対するHu5F9-G4の影響。
【0627】
赤血球凝集及び微小血管症のAE重症度グレーティング
【0628】
グレード1:末梢血スミアにおける赤血球凝集及び/又は微小血管症、並びに無症候性又は軽度で、介入を必要としない関連する臨床的続発症のエビデンス
【0629】
グレード2:末梢血スミアにおける赤血球凝集及び/又は微小血管症、並びに医療介入を必要とする関連する臨床的続発症のエビデンス
【0630】
グレード3:末梢血スミアにおける赤血球凝集及び/又は微小血管症、並びに医学的に重要であり、入院又は既存の入院の延長を必要とし、障害を与え、日常生活の自己ケア活動を制限する関連する臨床的続発症のエビデンス
【0631】
グレード4:末梢血スミアにおける赤血球凝集及び/又は微小血管症、並びに生命を脅かすか、若しくは緊急な介入を必要とする関連する臨床的続発症のエビデンス
【0632】
グレード5:末梢血スミアにおける赤血球凝集及び/又は微小血管症、並びに死亡をもたらす関連する臨床的続発症のエビデンス、
【0633】
欧州白血病ネット及び国際ワーキンググループ基準に基づく介入及び送達モード疾患奏効評価(Intervention and Mode of Delivery Disease Response Assessment Based on European Leukemianet And International Working Group)
【0634】
AML患者における白血病奏効の評価は、主にAMLの欧州白血病ネット(ELN)2017推奨(Dohner 2017)及び2003国際ワーキンググループ(IWG)基準(Cheson 2003)を使用して行われた。奏効分類には、完全寛解(CR)、最小残存疾患がない完全寛解(CRMRD-)、細胞遺伝的完全寛解(cCR)、分子完全寛解(mCR)、不完全な血液学的回復を伴う完全寛解(CRi)、部分寛解(PR)、及び安定(SD)が含まれる。
【0635】
加えて、部分的血液学的回復を伴うCRは、>50×109/Lの血小板数及び>500/μLの絶対好中球数によって定義される部分的な血液学的回収を必要とすることを除いて、AML ELN 2017推奨(Dohner 2017)又はMDS IWG 2006基準(Cheson 2006)によるCR を達成する患者として定義して、AML及びMDSについて評価された。
【0636】
加えて、血液学的改善(HI)は、2017 ELN基準(Dohner 2017)及び2003 IWG基準(Cheson 2003)によって評価された疾患奏効と比較するために、2006 IWG基準(Cheson 2006)によって評価された。
【0637】
奏効は、2006 IWG基準(Cheson 2006)を使用して、MDS患者において評価され、貧血の影響が疾患関連であり、研究治療によるものではないとみなされなければないという補足説明が追加される。
治験薬情報
Hu5F9-G4
【0638】
活性医薬成分(API)は、Fabアーム交換を低減するために重鎖のヒンジ領域にSer-Pro(S-P)置換(228位)を含むIgG4カッパアイソタイプのヒト化IgG4モノクローナル抗体である、Hu5F9-G4である。それは、2つの同一の444アミノ酸重ガンマ鎖及び2つの同一の219アミノ酸カッパ軽鎖からなるジスルフィド結合グリコシル化四量体を含む。Hu5F9-G4は、ヒトCD47抗原を標的とする。Hu5F9-G4薬物製品は、IV注入を意図した滅菌の透明で無色の防腐剤を含まない液体である。
【0639】
Hu5F9-G4 APIは、現在の適正製造基準(Good Manufacturing Practices)で製造された。Hu5F9-G4は、10mMの酢酸ナトリウム、5%(w/v)ソルビトール、0.01%(w/v)ポリソルベート20(pH5.0)の製剤中200mgの抗体を含む、単回使用の10mLのバイアルで供給された。ラベルは、適切な規制機関の要件に従う。
アザシチジン
【0640】
アザシチジンは、ヌクレオシド代謝阻害剤である。アザシチジンは、SC注射用に懸濁液として再構成するため、又は(米国のみ)、IV注入用に更に希釈した溶液として再構成するために、滅菌形態で供給される白色からオフホワイトの固体である。
【0641】
アザシチジンの単回使用バイアルには、滅菌凍結乾燥粉末として100mgのアザシチジン及び100mgのマンニトールが含まれた。
介入期間及び評価
【0642】
研究治療(Hu5F9-G4及び/又はアザシチジン)は、疾患の進行、臨床的利益の喪失、又は許容できない毒性が生じるまで連続して投与された。単剤療法としてのアザシチジンによる治療は、最低6サイクルが推奨されることに留意されたい。治療失敗のエビデンス、CR/CRi後の再発(完全寛解/不完全な血球数回復を伴う完全寛解)、又は許容できない毒性がないTN/Uコホートの全患者は、少なくとも6サイクルの研究治療を継続した。以下に詳述されるこれらの理由のいずれかのために、推奨最小サイクルに達する前に治験責任医師の裁量により患者の治療を中止した。
【0643】
治験薬治療の中止の理由としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:(i)少なくとも4週間離れた後続の評価において確認された疾患の進行(すなわち、以前の評価と比較して疾患悪化)、(ii)許容できない毒性、(iii)更なる治療を妨げる患者の状態における臨床的に顕著な変化(例えば、妊娠若しくは他のAE)、(iv)はっきりとした理由の有無にかかわらず、患者による要求、(v)骨髄移植、又は(vi)上記のいずれかがない、治験責任医師若しくは治療医師の裁量。
患者の数
【0644】
この試験に含まれる患者の数は、以下のように、有効性の評価が可能な合計最大193人の患者であった。
【0645】
R/R安全性コホート:10人の患者
【0646】
R/R拡大コホート:最大36人の患
【0647】
TN/U用量評価コホート:最大18人の患者
【0648】
TN/U拡大コホート:少なくとも91人のMDS患者を含む最大121人の患者
【0649】
継続コホート:最大8人の患者
統計的方法
【0650】
事象発生までの期間(time-to-event)データをカプランマイヤー法によって分析し
た。連続変数を記述統計で要約した(n、平均、標準偏差、範囲、及び中央値)。カテゴリーデータのために、各カテゴリー内の頻度数及び患者の割合が提供された。
【0651】
安全性及び有効性分析は、少なくとも1用量のHu5F9-G4を受けたすべての登録患者に対して行われた。評価可能な患者の有効性分析はまた、少なくとも1用量のHu5F9-G4を受け、少なくとも1つの疾患奏効評価を有したか、又は最初の疾患奏効評価前に死亡した全患者に対して行われた。
【0652】
評価可能なPKデータを提供する少なくとも1つの血液試料を有するすべての治療患者として定義されるPK分析セット(PAS)を、PK濃度データ及びPKパラメータの要約に使用した。
【0653】
抗Hu5F9-G4抗体陽性の比率及び規模を評価した。
【0654】
薬力学及び相対的研究を患者試料で行い、組織及び血液試料の両方を後の分析のためにバイオバンクに預けた。
症例数の計算
【0655】
合計最大193人の有効性評価可能な患者が登録された。R/R安全性コホート及び拡大コホートには、安全性導入コホートで治療された10人の患者及び拡張コホートで治療された36人の患者を含めて、合計46人の患者が登録された。
【0656】
TN/U用量評価コホートには、3つの可能性のある用量コホートを仮定してコホートごとに最大6人の患者が治療される3+3用量漸減設計に基づいて、最大18人の患者が登録された。TN/U拡大コホートには、所望の35%以上のCR率の95%信頼区間がアザシチジン単独の17.85%の既知のCR率を除外するように、患者30人の初期症例数が提案された。迅速承認の可能性を後押しするための単一アーム試験についての補正5及び食品医薬品局(FDA)フィードバックに基づいて、未治療の高リスクMDS患者のTN/U拡大コホートの症例数は、MDSの少なくとも91人の患者(評価及び拡大コホートで以前に治療された患者を含む)を含むように更に増加された。患者91人の症例数は、真のCR+PR率が少なくとも36.5%(すなわち、13%改善)であると仮定して、CR+PR率が両側0.05有意レベルで23.5%以下であるという帰無仮説を拒絶するために80%検出力を提供した。23.5%の帰無CR+PR率は、アザシチジンCR+PR率の片側95%信頼区間の上限が23.5%であり、点推定値が15.7%である、MDSにおけるアザシチジン承認をもたらす主要無作為化試験に基づく。
【0657】
継続コホートについて、わずか8人の適格患者がこの研究の開始時に以前の第1相研究で継続することが予想されたため、最大8人の患者が登録された。
実施例2:ヒト結果
Hu5F9-G4+アザシチジンの安全性
【0658】
43人の患者をHu5F9-G4+アザシチジンで治療した:MDSの患者18人及びAMLの患者25人。Hu5F9-G4+アザシチジン(1DLT:G4赤血球凝集)の有害作用(AE)により、1人の患者(43人中1人:2%)が中止した。最も頻繁な治療関連の有害作用(TRAE)は、>15%であった:貧血(37%)、好中球減少症(26%)、血小板減少症(26%)。TRAE:発熱性好中球減少症が1人の患者(2%)で発生した。治療関連感染は観察されなかった。
Hu5F9-G4+アザシチジンの有効性
【0659】
有効性評価可能コホート及び総治療患者の各パラメータにおけるMDS有効性パラメータ及び応答する患者の数を表5に示す。
【表5】
【0660】
有効性評価可能コホートの各パラメータにおけるAML有効性パラメータ及び応答する患者の数を表6に示す。
【表6】
【0661】
表7の要約は、有効性評価可能な患者における奏効の深度(DOR)である。
【表7】
【0662】
奏効パラメータは、AML及びMDSコホートの両方で類似した。加えて、Hu5F9-G4+アザシチジンでのMRD陰性率は、AML患者におけるアザシチジン/デシタビン及びベネトクラクス治療よりも良好(50%)であった。アザシチジン/デシタビン及びベネトクラクスのレスポンダー(CR/CRi)におけるMRD陰性は、以前に29%であることが示された(DiNardo et al.Blood 2019)。
TP53変異体患者応答
【0663】
レスポンダーの更なる分析は、TP53変異を有するAML及びMDS患者のサブセットにおいて高い奏効率を示した。Hu5F9-G4及びアザシチジン治療に対するTP53変異を有する患者の奏効率を表8に示す。
【0664】
【表8】
【0665】
Hu5F9-G4及びアザシチジン治療に対する全患者の奏効率を表8に示す。
【0666】
【表9】
【0667】
TP53変異を有するAML患者及びMDS患者の両方は、Hu5F9-G4及びアザシチジンの組み合わせ治療に対する高い奏効率を示した(AML患者については83%及びMDS患者については100%)。対照的に、TP53変異を有するAML患者は、アザシチジン/デシタビン及びベネトクラクス治療に十分に応答しなかった(47%応答、DiNardo et al.Blood 2019)。更に、全AML患者の69%のみが、Hu5F9-G4及びアザシチジンの組み合わせ治療に対する高い奏効率を達成した。
【0668】
図2Aは、DNMT3a 2577DUPA及びTP53 559+1G>A表現型の患者における治療前及び治療の57日目のバリアント対立遺伝子頻度及び芽球細胞数のグラフを示す。Hu5F9-G4及びアザシチジンの組み合わせによる治療は、DNMTa及びTP53のバリアント変異体対立遺伝子を有する細胞の割合を大幅に低減した。治療はまた、患者の骨髄芽球細胞の数を大幅に低減した。
【0669】
研究における追加の代表的な患者は、図2Bに示される。非常に高リスク及び複雑な核型MDS及び2つのTP53変異を有する77歳の患者(584T>C及び672+1G>T)を、Hu5F9-G4及びアザシチジンで治療した。骨髄芽球数及びTP53変異量は、3サイクルの治療後に経時的に示される。図2Bは、治療前及びサイクル3の終了時の変異体対立遺伝子頻度及び骨髄芽球細胞数のグラフを示す。CR、CyCr、及びTP53変異のクリアランスも顕著である。
結論
【0670】
IPSS-Rによる未治療の中等度~非常に高リスクのMDS患者及び未治療のAML(導入化学療法不適格)患者におけるHu5F9-G4+アザシチジンの治療を、実施例1に記載されるように行った。Hu5F9-G4初回刺激/患者内用量漸増レジメン(毎週1~30mg/kg)を利用して、標的貧血を軽減した。アザシチジン投薬は、28日サイクルで1~7日目に75mg/mであった。奏効は、MDS及びAML患者において、それぞれ、IWG 2006及びELN 2017基準によって評価された。
【0671】
中央値が73歳の43人の患者(MDS18人及びAML25人)を、Hu5F9-G4+アザシチジンで治療した。19%は中等度の細胞遺伝学的リスクであり、63%が高リスクである(不明19%)。患者の28%はTP53変異を有する。Hu5F9-G4+アザシチジンは忍容性が良好であり、AZA単剤療法と同様の安全性プロファイルであった。Hu5F9-G4+アザシチジンの治療関連AE(患者の>15%)は、貧血(37%)、好中球減少症(26%)、及び血小板減少症(26%)であった。治療関連の発熱性好中球減少症は、1人(2%)の患者のみで発生した。AEにより1人の患者のみが中止した。29人の患者が、データカット時に有効性について評価可能であった。未治療のMDS患者13人中13人(100%)が客観的奏効を有し、7人の患者(54%)がCRを達成し、5人(39%)が髄CRを達成した(5人中3人は血液学的改善(HI))も有し、1人(7%)がHIのみであった。AMLにおいて、16人中11人(69%)が客観的奏効を有し、16人8人(50%)がCR又はCRiを有し、2人(13%)がPRを有し、1人(6%)がMLFSを有し、5人(31%)が安定した疾患を有した。奏効に至るまでの期間は、AZA単独で予想されるよりも早かった(中央値1.9ヶ月)。ベースラインで異常な細胞遺伝学を有するものについては、それぞれ、MDS及びAML患者の40%及び44%が細胞遺伝学的CRを達成した。CR/CRiを有するAML患者8人中4人(50%)、及びCR又は髄CRを有するMDS患者12人中2人(17%)が、フローサイトメトリーによりMRD陰性であった。16人中11人(69%)のAML患者がRBC輸血非依存性となり、13人中11人(85%)のMDS患者が血液学的改善を有した。
【0672】
CD47が白血病細胞上のLSCマーカーであることを考えると、CD34+CD38-推定LSC頻度は、5F9+AZA治療AML/MDS患者の骨髄においてフローサイトメトリーにより測定された。分析に利用可能なデータにおいて、LSCは、臨床応答を有したAML/MDS患者の16人中10人(63%)において完全に排除された。最後に、サブグループを奏効と相関させるために、変異分析が進行中である。8人中7人(88%)の評価可能なTP53変異体患者(AML患者6人中5人[CR/CRi5人]、MDS2人中2人[CR1人、髄CR1人])は、客観的奏効を達成し、予後不良及び治療不応性集団における有効性が強調される。MDS患者又はAML患者のいずれかでは、奏効持続期間の中央値又は全生存は達成されず、フォローアップ中央値は、MDSでは4.9ヶ月(範囲3.1~8.8ヶ月)であり、AMLでは5.8ヶ月(範囲1.9~9.5ヶ月)であった。
【0673】
Hu5F9-G4+アザシチジンは、主要なマクロファージチェックポイントを遮断する新規免疫療法レジメンである。併用療法は、MDS及びAML患者において堅固な活性で十分に忍容され続け、ORRは、それぞれ100%及び69%である。高い推定LSC根絶率は、持続的奏効の可能性を示唆しているが、奏効持続期間の中央値にはまだ達していない。初期データは、Hu5F9-G4+アザシチジンが、治療不応性サブグループのTP53変異体患者において特に効果的であり得ることを示す。
実施例3:Hu5F9-G4及びアザシチジンは、TP53変異を有するAML患者の疾患を低減する
【0674】
臨床的有効性は、Hu5F9-G4及びアザシチジンによる治療でのTP53変異を有する9人の未治療のAML患者において示される。全奏効率は78%であり、44%はCRを達成し、33%はCRiを達成した。加えて、67%の細胞遺伝的CR率によって証明されるように、強い奏効が観察され、患者の57%は、フローサイトメトリーにより最小残存疾患陰性を達成した。奏効持続期間の中央値は達成されておらず、フォローアップの中央値は6.9ヶ月である。Hu5F9-G4及びアザシチジンによる治療でTP53変異を有する追加の3人のAML患者を特定した。TP53変異を有するこれらの12人の未治療のAML患者においても臨床的有効性が示されている。n=12人のTP53変異AML患者の全奏効率は78%であり、44%はCRを達成し、33%はCRiを達成した。
【0675】
臨床的有効性は、Hu5F9-G4及びアザシチジンによる治療でのTP53変異を有する4人のMDS患者においても示される。n=4人のTP53変異MDS患者の全奏効率は75%であり、50%はCRを達成し、25%はCRiを達成した。n=12人のAML患者及びMDS患者の6ヶ月での生存確率は、91%(AML)及び100%(MDS)である。
【0676】
表10は、TP53変異を有するAML及びMDS患者のHu5F9-G4及びアザシチジンの組み合わせの有効性に関する更なるデータを提供する。
【表10】
【0677】
CCyRは、ベースラインで異常な細胞遺伝学を有する患者についてのものである。
【0678】
p 53変異状態に関係なく、AML及びMDSの患者における全体的な臨床的有効性を、表11に示す。Hu5F9-G4及びアザシチジンによる治療は、MDS患者において91%のORR(42%CR)、及びAML患者において64%のORR(56%CR/CRi)を誘導した。フォローアップが少なくとも6ヶ月のMDS患者において、56%のCR率で経時的に奏効が強まり、奏効に至るまでの期間の中央値は1.9ヶ月であり、これはアザシチジン単独よりも早い。
【表11】
【0679】
図3Aは9人のAML患者のTP53変異量を示し、図3Bは更に3人の患者のTP53変異量を示す(合計12人のAML患者)。治療前及び療法での最良全奏効としてTP53変異バリアント対立遺伝子頻度が示される。Hu5F9及びアザシチジンによる治療は、患者におけるTP53変異量を実質的に低減又は排除する。6人の患者は1つのTP53変異を有し、変異量は6人すべての患者において排除された。3人の患者は2つのTP53変異を有し、変異量は2つのTP53変異を有する患者のうちの2人において排除された。3人の追加の患者の分析は、合計7人の患者が少なくとも1つの検出されたTP53変異を有し、変異量が7人すべての患者において低減又は排除され、5人の患者が少なくとも2つの検出されたTP53変異を有し、変異量が少なくとも2つのTP53変異を有する患者のうちの3人において排除されたことを示した。したがって、Hu5F9-G4及びアザシチジンは、TP53変異体AML患者において高い奏効率及びMRD陰性を有し、TP53変異量は、療法でのAML患者において劇的に低減した。加えて、持続期間及び生存中央値には達していないが、これは、ベネトクラクス及びアザシチジン(ORR47%、DOR5.6ヶ月、OS7.2ヶ月)などの現在の療法と比較して遜色ない。
【0680】
様々なドメインを示すTP53遺伝子及び試験患者で観察されたTP53変異の図を図4に示す。表12は、試験患者における観察されたp53変異の核酸変異、アミノ酸変異、遺伝子標的領域、及びタンパク質ドメインの要約も提供する。
【表12】
実施例4:Hu5F9-G4及びアザシチジンが白血病幹細胞を枯渇させる
【0681】
推定CD34+CD38-LSC頻度を、フローサイトメトリーにより、Hu5F9-G4及びアザシチジンで治療されたAML/MDS患者で評価した。平均及び範囲細胞頻度は、治療前及び治療に対する最良の奏効を示す。図5Aに示されるように、Hu5F9-G4及びアザシチジンによる治療は、TP53変異状態に関係なく、応答するMDS/AML患者の骨髄におけるCD34+CD38-白血病幹細胞を枯渇させた。CD34+CD38-は、応答するMDS/AML患者の40%において排除された。
【0682】
Hu5F9-G4及びアザシチジンによる治療は、代表的なTP53変異体患者の骨髄におけるCD34+CD38-白血病幹細胞及び骨髄芽球細胞も枯渇させた。研究における代表的な患者は、図5Bに示す。高リスク細胞遺伝学及びTP53変異を有する65歳のAML患者を、Hu5F9-G4及びアザシチジンで治療した。骨髄芽球数及びTP53変異量は、療法で経時的に示される。治療の5ヶ月目に、患者は、骨髄芽球の排除、TP53変異量、及びLSCの排除により、完全寛解(CR)及び完全な細胞遺伝学的CR(CCyR)を達成した(図5B)。患者は、280日にわたって、かつ現在進行で、芽球及びTP53変異の継続したクリアランスを伴う強いCRに留まっている。

実施例5:Hu5F9-G4及びアザシチジンは、骨髄におけるT細胞浸潤を変化させる
【0683】
骨髄吸引物を、ベースライン(BL)、サイクル3の1日目(C3)、サイクル5の1日目(C5)、及びサイクル7の1日目(C7)に、5F9005試験に登録された患者から収集した。生存可能な有核骨髄細胞を、密度勾配遠心分離によって単離し、凍結保存した。関連する免疫細胞調節又はマーカータンパク質の発現を、質量サイトメトリー(飛行時間によるサイトメトリー、CyToF)を使用して評価した。評価された調節又はマーカータンパク質には、CD45、CD8α、TIGIT、CD86、CD4、CD163、ICOS、OX40、PD-L1、CD3、TIM-3、CD86、PD-1、VISTA、FoxP3、LILRB1、CTLA-4、PD-L2、HLA-DR、CD11c、CD24、CD117、CD123、CD33、CD38、CD99、BCL2、CD47、CD206、SIRPα、CD56、MCL1、CD34、CLEC12A、FTL3、SIGLEC、及びCD14が含まれた。総T細胞(CD45+CD3+)、ヘルパーT細胞(CD45+CD3+CD4+)、細胞傷害性T細胞(CD45+CD3+CD8+)、及び調節性T細胞(Treg;CD45+CD3+CD4+FOXP3)を定量化した。有意性は、すべての場合において一元配置分散分析によって評価された。
【0684】
ベースラインに対して、C3、C5、及びC7における総T細胞の顕著な増加が、全AML患者試料にわたって観察された(図6A)。CD4+T細胞は、ベースラインに対して、C5及びC7において顕著に増加した(図6B)。CD8+T細胞は、ベースラインに対して、C7において顕著に増加した(図6C)。T細胞集団におけるこれらの変化は、治療誘導性抗がん適応免疫応答及びチェックポイント阻害剤との組み合わせの機会を強く支持する。臨床応答カテゴリーによって客観的レスポンダー(図6D)及び安定患者(図6E)に分けた場合、Treg集団における有意な変化は、客観的レスポンダーにおいて観察されなかった。しかしながら、安定患者では、Treg集団における有意な増加がベースラインに対して、C5及びC7で観察された。
実施例6:Q1W対Q2W投薬レジメンにおける抗体受容体占有率
【0685】
抗体受容体占有率(RO)を、1週間に1回の投薬(Q1W)及び2週間に1回の投薬(Q2W)レジームで評価した。患者に、全サイクルにわたって1週間に1回(全体を通してQ1W)、又はサイクル1及び2にわたって1週間に1回、次いでサイクル3以降2週間に1回(Q2W)、Hu5F9-G4を投薬した。CD47抗体受容体占有率(RO)を、末梢血及び骨髄において評価し、Q1W対Q2W投薬と比較した。一次患者血液又は骨髄細胞を、Hu5F9反応性蛍光抗IgG4抗体で染色し、続いてフローサイトメトリーにより定量化した。占有レベルは、抗IgG4抗体染色の前に添加された未標識Hu5F9-G4の飽和量と一致した患者試料によって定義される、最大シグナルのパーセントとして計算した。Q2W投薬のデータを Q1W ROレベルに対して正規化した。
【0686】
患者は、サイクル1及びサイクル2の間に最大占有率を急速に達成した(Q1W投薬、図示せず)。サイクル3以降のQ2W投薬変更後の末梢血(図7A)又は骨髄(図7B)の両方で、同様のCD47抗体ROを観察した。両方の図について、ドットは、患者のQ1W ROレベルに対して正規化された、サイクル3以降から経時的に採取された患者試料における抗体占有レベルを示し、一方、中央線は線形回帰最良適合を示し、上線及び下線は、95%信頼区間を示す。したがって、Hu5F9-G4 Q2W(すなわち、2週間に1回の用量投与)投薬は、Q1W(すなわち、毎週1回の用量投与)投薬と同様のCD47受容体占有率をもたらした。
【0687】
本発明は、好ましい実施形態及び様々な代替の実施形態を参照して特に示され説明されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細の様々な変更をその中で行うことができることを、当業者は理解するであろう。
【0688】
本明細書の本体内で引用されたすべての参考文献、交付済み特許、及び特許出願は、すべての目的のために、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【表13-1】
【表13-2】
【表13-3】
【表13-4】
【表13-5】
【表13-6】
【表13-7】
【表13-8】
【表13-9】
【表13-10】
【表13-11】
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7A
図7B
【配列表】
2023129553000001.app
【外国語明細書】