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特開2023-129598情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129598
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/087 20230101AFI20230907BHJP
【FI】
G06Q10/087
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023121212
(22)【出願日】2023-07-26
(62)【分割の表示】P 2020030576の分割
【原出願日】2020-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 和哉
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
(57)【要約】
【課題】新規に登録する枠数が残枠を上回っている場合にはエラーを通知できる新規登録枠数チェック装置等の提供を課題とする。
【解決手段】本実施形態では、(1)出荷予定伝票データを含む出荷予定データにおいて、伝票番号と倉庫と出荷日の組合せが同じである出荷予定伝票データを1枠としてカウントし、当該カウントした値を倉庫及び出荷日毎に集計した値を登録済枠として算出し、(2)出荷枠マスタ中の出荷枠から、前記算出した登録済枠を差し引くことにより、倉庫及び出荷日毎の残枠を算出し、(3)新規伝票データを含む新規登録データにおいて、倉庫と出荷日の組合せが同じである新規伝票データを1枠としてカウントすることにより、倉庫および出荷日毎の新規登録枠を算出し、(4)前記算出した新規登録枠の数が、前記算出した残枠の数を上回っている場合、エラーを通知する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える新規登録枠数チェック装置であって、
前記制御部は、
伝票を識別するための伝票識別データと倉庫を識別するための倉庫識別データと出荷日とを有する、登録済の伝票に関するデータである登録済伝票データを含む登録済データにおいて、前記伝票識別データと前記倉庫識別データと前記出荷日の組合せが同じである前記登録済伝票データを1枠としてカウントし、当該カウントした値を前記倉庫および前記出荷日ごとに集計した値を登録済枠として算出する登録済枠算出手段と、
前記倉庫および前記出荷日ごとに設定された出荷の上限の枠数である上限枠を含む上限枠設定マスタ中の当該上限枠から、前記登録済枠算出手段で算出した前記登録済枠を差し引くことにより、前記倉庫および前記出荷日ごとの残枠を算出する残枠算出手段と、
前記倉庫識別データと前記出荷日とを有する、新規に登録された伝票に関するデータである新規伝票データを含む新規登録データにおいて、前記倉庫識別データと前記出荷日の組合せが同じである前記新規伝票データを1枠としてカウントすることにより、前記倉庫および前記出荷日ごとの新規登録枠を算出する新規登録枠算出手段と、
前記新規登録枠算出手段で算出した前記新規登録枠の数が、前記残枠算出手段で算出した前記残枠の数を上回っている場合、エラーを通知するエラー通知手段と、
を備えること、
を特徴とする新規登録枠数チェック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規登録枠数チェック装置、新規登録枠数チェック方法および新規登録枠数チェックプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、納期回答を行うために必要になる各種情報を格納したファイルの更新を容易に行うことができる納期回答技術が開示されており(特許文献1の0001段落参照)、当該納期回答技術においては、従来、1個のファイルで管理していた販路、製造所、製品、出荷日、出荷枠数量、引当残数量を、販路別出荷枠計画ファイルで販路、製品、出荷日、出荷枠数量、引当残数量を管理し、製造所別出荷枠計画ファイルで製造所、製品、出荷日、出荷枠数量、引当残数量を管理するというように2つのファイルで分割して管理すると共に、最終的な回答納期は、製造所別出荷枠計画ファイルを用いて決定しているようにすることで、製造所において製品の製造遅れが発生した場合、更新することが必要になるレコード数を少なくし、レコード更新に要する時間を短縮できることが開示されている(特許文献1の0071段落参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-323207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、予め設定した「上限枠」に対して過不足なく出荷することはできなかった。
【0005】
「上限枠」とは、例えば、倉庫および出荷日ごとに設定される出荷の上限の枠数である。例えば、「○○倉庫および出荷日11/1についての上限枠は10枠」という設定があるとすれば、○○倉庫から11/1に出荷可能な枠数は10であることを意味する。
【0006】
しかしながら、従来においては、上限枠に対して適切な枠数を出荷することができなかった。具体的には、大型連休や年末年始の直後の営業日には、受注が集中し、受注した枠数が上限枠を上回ってしまい(例えば、上限枠10枠に対して受注した枠数が15)、受注を消化できずに顧客に迷惑がかかってしまうという問題があった。また、逆に、受注した枠数が上限枠を下回ってしまい(例えば、上限枠10枠に対して受注した枠数が5)、枠の余りが生じてしまうという問題もあった。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、受注して新規に登録しようとしている枠数が、登録可能な枠数(残枠)を上回っているか否かをチェックし、上回っている場合にはエラーを通知することができる新規登録枠数チェック装置、新規登録枠数チェック方法および新規登録枠数チェックプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る新規登録枠数チェック装置は、制御部を備える新規登録枠数チェック装置であって、前記制御部が、伝票を識別するための伝票識別データと倉庫を識別するための倉庫識別データと出荷日とを有する、登録済の伝票に関するデータである登録済伝票データを含む登録済データにおいて、前記伝票識別データと前記倉庫識別データと前記出荷日の組合せが同じである前記登録済伝票データを1枠としてカウントし、当該カウントした値を前記倉庫および前記出荷日ごとに集計した値を登録済枠として算出する登録済枠算出手段と、前記倉庫および前記出荷日ごとに設定された出荷の上限の枠数である上限枠を含む上限枠設定マスタ中の当該上限枠から、前記登録済枠算出手段で算出した前記登録済枠を差し引くことにより、前記倉庫および前記出荷日ごとの残枠を算出する残枠算出手段と、前記倉庫識別データと前記出荷日とを有する、新規に登録された伝票に関するデータである新規伝票データを含む新規登録データにおいて、前記倉庫識別データと前記出荷日の組合せが同じである前記新規伝票データを1枠としてカウントすることにより、前記倉庫および前記出荷日ごとの新規登録枠を算出する新規登録枠算出手段と、前記新規登録枠算出手段で算出した前記新規登録枠の数が、前記残枠算出手段で算出した前記残枠の数を上回っている場合、エラーを通知するエラー通知手段と、を備えること、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る新規登録枠数チェック装置は、前記制御部が、前記倉庫識別データと前記出荷日とを有する、前記登録済伝票データを修正することにより登録された伝票に関するデータである修正伝票データを含む修正登録データにおいて、前記倉庫識別データと前記出荷日の組合せが同じである前記修正伝票データを1枠としてカウントすることにより、前記倉庫および前記出荷日ごとの修正登録枠を算出する修正登録枠算出手段を更に備え、前記エラー通知手段が、前記修正登録枠算出手段で算出した前記修正登録枠の数が、前記残枠算出手段で算出した前記残枠に前記修正を行った前記登録済伝票データについての前記登録済枠を加算した枠の数を上回っている場合、エラーを通知すること、を特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る新規登録枠数チェック装置は、前記制御部が、枠の照会を行うための画面である照会画面において指定された倉庫識別データおよび指定された期間に基づいて、当該指定された倉庫識別データで特定される倉庫および当該指定された期間に属する出荷日ごとの前記上限枠、前記登録済枠および前記残枠を、前記照会画面に表示する枠表示手段を更に備えること、を特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る新規登録枠数チェック装置は、前記登録済データが、受注データまたは移動指示データであり、前記新規登録データおよび前記修正登録データが、受注入力または移動指示入力により作成されたデータであること、を特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る新規登録枠数チェック方法は、制御部を備える情報処理装置で実行される新規登録枠数チェック方法であって、前記制御部で実行される、伝票を識別するための伝票識別データと倉庫を識別するための倉庫識別データと出荷日とを有する、登録済の伝票に関するデータである登録済伝票データを含む登録済データにおいて、前記伝票識別データと前記倉庫識別データと前記出荷日の組合せが同じである前記登録済伝票データを1枠としてカウントし、当該カウントした値を前記倉庫および前記出荷日ごとに集計した値を登録済枠として算出する登録済枠算出ステップと、前記倉庫および前記出荷日ごとに設定された出荷の上限の枠数である上限枠を含む上限枠設定マスタ中の当該上限枠から、前記登録済枠算出ステップで算出した前記登録済枠を差し引くことにより、前記倉庫および前記出荷日ごとの残枠を算出する残枠算出ステップと、前記倉庫識別データと前記出荷日とを有する、新規に登録された伝票に関するデータである新規伝票データを含む新規登録データにおいて、前記倉庫識別データと前記出荷日の組合せが同じである前記新規伝票データを1枠としてカウントすることにより、前記倉庫および前記出荷日ごとの新規登録枠を算出する新規登録枠算出ステップと、前記新規登録枠算出ステップで算出した前記新規登録枠の数が、前記残枠算出ステップで算出した前記残枠の数を上回っている場合、エラーを通知するエラー通知ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る新規登録枠数チェックプログラムは、制御部を備える情報処理装置に実行させるための新規登録枠数チェックプログラムであって、前記制御部に実行させるための、伝票を識別するための伝票識別データと倉庫を識別するための倉庫識別データと出荷日とを有する、登録済の伝票に関するデータである登録済伝票データを含む登録済データにおいて、前記伝票識別データと前記倉庫識別データと前記出荷日の組合せが同じである前記登録済伝票データを1枠としてカウントし、当該カウントした値を前記倉庫および前記出荷日ごとに集計した値を登録済枠として算出する登録済枠算出ステップと、前記倉庫および前記出荷日ごとに設定された出荷の上限の枠数である上限枠を含む上限枠設定マスタ中の当該上限枠から、前記登録済枠算出ステップで算出した前記登録済枠を差し引くことにより、前記倉庫および前記出荷日ごとの残枠を算出する残枠算出ステップと、前記倉庫識別データと前記出荷日とを有する、新規に登録された伝票に関するデータである新規伝票データを含む新規登録データにおいて、前記倉庫識別データと前記出荷日の組合せが同じである前記新規伝票データを1枠としてカウントすることにより、前記倉庫および前記出荷日ごとの新規登録枠を算出する新規登録枠算出ステップと、前記新規登録枠算出ステップで算出した前記新規登録枠の数が、前記残枠算出ステップで算出した前記残枠の数を上回っている場合、エラーを通知するエラー通知ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、受注して新規に登録しようとしている枠数が、登録可能な枠数(残枠)を上回っているか否かをチェックし、上回っている場合にはエラーを通知することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、新規登録枠数チェック装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、倉庫配送業者別出荷枠マスタの登録画面の一例を示す図である。
図3図3は、倉庫配送業者別出荷枠マスタの内容の一例を示す図である。
図4図4は、出荷予定データおよびこれに基づく枠のカウントの仕方の一例を示す図である。
図5図5は、出荷枠、利用枠および残枠の取得の仕方の一例を示す図である。
図6図6は、出荷予定データの内容等の一例を示す図である。
図7図7は、倉庫配送業者別出荷枠マスタの内容等の一例を示す図である。
図8図8は、新規で受注入力する場合の受注入力画面の一例を示す図である。
図9図9は、新規で受注入力する場合におけるセンター倉庫かつ出荷日11/1でのチェックの具体例を示す図である。
図10図10は、新規で受注入力する場合におけるセンター倉庫かつ出荷日11/3でのチェックの具体例を示す図である。
図11図11は、修正により受注入力する場合の受注入力画面の一例を示す図である。
図12図12は、修正により受注入力する場におけるセンター倉庫かつ出荷日11/1でのチェックの具体例を示す図である。
図13図13は、修正により受注入力する場合におけるセンター倉庫かつ出荷日11/2でのチェックの具体例を示す図である。
図14図14は、修正により受注入力する場合におけるセンター倉庫かつ出荷日11/3でのチェックの具体例を示す図である。
図15図15は、出荷枠確認照会画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明に係る新規登録枠数チェック装置、新規登録枠数チェック方法および新規登録枠数チェックプログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0017】
[1.構成]
本実施形態に係る新規登録枠数チェック装置100の構成の一例について、図1を参照して説明する。図1は、新規登録枠数チェック装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0018】
新規登録枠数チェック装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、新規登録枠数チェック装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0019】
新規登録枠数チェック装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。新規登録枠数チェック装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0020】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、新規登録枠数チェック装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、新規登録枠数チェック装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する各種マスタ等のデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0021】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0022】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0023】
記憶部106は、例えば、上限枠設定マスタとしての倉庫配送業者別出荷枠マスタ106a(以下、単に「出荷枠マスタ106a」という。)と、登録済データとしての出荷予定データ106bと、新規登録データ106cと、修正登録データ106dと、を備えている。
【0024】
出荷枠マスタ106aは、倉庫および出荷日ごとに(倉庫別の管理)、または、前記倉庫、配送業者および前記出荷日ごとに(倉庫配送業者別の管理)、出荷の上限の枠数である上限枠を管理するマスタである。出荷枠マスタ106aは、図3に示すように、例えば、区分と、前記倉庫を識別するための倉庫識別データ(倉庫)と、配送業者を識別するための配送業者識別データ(配送業者)と、前記出荷日と、前記上限枠(出荷枠)と、等を含む。当該区分は、前記倉庫別の管理を意味する区分である「0:倉庫別」または前記倉庫配送業者別の管理を意味する区分である「1:倉庫配送業者別」である。
【0025】
出荷予定データ106bは、受注データや移動指示データを包含する概念である。出荷予定データ106bは、図4に示すように、出荷予定伝票データ(1つ1つの明細)を含む。当該出荷予定伝票データは、図4に示すように、例えば、伝票を識別するための伝票識別データ(伝票番号)と、行番号(行)と、前記倉庫識別データ(倉庫)と、前記配送業者識別データ(配送業者)と、前記出荷日と、出荷先を識別するための出荷先識別データ(出荷先)と、等を含む。
【0026】
新規登録データ106cは、図8に示すように、新規に登録された伝票に関するデータである新規伝票データ(1つ1つの明細)を含む。当該新規伝票データは、図8に示すように、例えば、商品を識別するための商品識別データ(商品)と、前記倉庫識別データ(倉庫)と、前記配送業者識別データ(配送業者)と、新規に登録された前記出荷日と、等を含む。
【0027】
修正登録データ106dは、図11に示すように、前記出荷予定伝票データを修正することにより登録された伝票に関するデータである修正伝票データ(1つ1つの明細)を含む。当該修正伝票データは、図8に示すように、例えば、前記商品識別データ(商品)と、前記倉庫識別データ(倉庫)と、前記配送業者識別データ(配送業者)と、修正により登録された前記出荷日と、等を含む。
【0028】
制御部102は、新規登録枠数チェック装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0029】
制御部102は、機能概念的に、例えば、(1)伝票を識別するための伝票識別データと倉庫を識別するための倉庫識別データと出荷日とを有する、登録済の伝票に関するデータである登録済伝票データを含む登録済データにおいて、前記伝票識別データと前記倉庫識別データと前記出荷日の組合せが同じである前記登録済伝票データを1枠としてカウントし、当該カウントした値を前記倉庫および前記出荷日ごとに集計した値を登録済枠として算出する登録済枠算出手段としての登録済枠算出部102aと、(2)前記倉庫および前記出荷日ごとに設定された出荷の上限の枠数である上限枠を含む上限枠設定マスタ中の当該上限枠から、前記登録済枠算出手段で算出した前記登録済枠を差し引くことにより、前記倉庫および前記出荷日ごとの残枠を算出する残枠算出手段としての残枠算出部102bと、(3)前記倉庫識別データと前記出荷日とを有する、新規に登録された伝票に関するデータである新規伝票データを含む新規登録データにおいて、前記倉庫識別データと前記出荷日の組合せが同じである前記新規伝票データを1枠としてカウントすることにより、前記倉庫および前記出荷日ごとの新規登録枠を算出する新規登録枠算出手段としての新規登録枠算出部102cと、(4)前記倉庫識別データと前記出荷日とを有する、前記登録済伝票データを修正することにより登録された伝票に関するデータである修正伝票データを含む修正登録データにおいて、前記倉庫識別データと前記出荷日の組合せが同じである前記修正伝票データを1枠としてカウントすることにより、前記倉庫および前記出荷日ごとの修正登録枠を算出する修正登録枠算出手段としての修正登録枠算出部102dと、(5)前記新規登録枠算出手段で算出した前記新規登録枠の数が、前記残枠算出手段で算出した前記残枠の数を上回っている場合、エラーを通知するエラー通知手段としてのエラー通知部102eと、(6)枠の照会を行うための画面である照会画面において指定された倉庫識別データおよび指定された期間に基づいて、当該指定された倉庫識別データで特定される倉庫および当該指定された期間に属する出荷日ごとの前記上限枠、前記登録済枠および前記残枠を、前記照会画面に表示する枠表示手段としての枠表示部102fと、を備えている。
【0030】
登録済枠算出部102aは、前記伝票識別データと前記倉庫識別データと前記出荷日とを有する出荷予定伝票データを含む出荷予定データ106bにおいて、前記伝票識別データと前記倉庫識別データと前記出荷日の組合せが同じである前記出荷予定伝票データを1枠としてカウントし、当該カウントした値を前記倉庫および前記出荷日ごとに集計した値を登録済枠(=利用枠)として算出する。当該登録済枠(=利用枠)の算出の仕方は、本実施形態に係る新規登録枠数チェックを、倉庫別に行う場合(倉庫別のチェック)と倉庫配送業者別に行う場合(倉庫配送業者別のチェック)とで異なる。
【0031】
「倉庫別のチェック」の場合、伝票番号、倉庫および出荷日でカウントを行う。つまり、同一伝票内で、倉庫および出荷日が同値であれば1枠と考える。図4に示す出荷予定データ106bを用いて具体的に説明する。図4において、伝票番号「D00000000001」の行1および行2の2つの伝票は、ともに、倉庫が「センター倉庫」であり、かつ、出荷日が「2019/11/1」であるため、登録済枠算出部102aは、当該2つの伝票をまとめて1枠としてカウントする。次に、伝票番号「D00000000001」の行3および行4の2つの伝票は、倉庫が「センター倉庫」であり、かつ、出荷日が「2019/11/2」であるため、登録済枠算出部102aは、当該2つの伝票をまとめて1枠としてカウントする。そして、伝票番号「D00000000002」の行1、行2および行3の伝票は、すべて倉庫が「センター倉庫」であるが、出荷日がそれぞれ「2019/11/1」、「2019/11/2」および「2019/11/3」であり異なるため、登録済枠算出部102aは、それぞれの伝票を1枠としてカウントする。本段落でカウントした結果をまとめたものを、図4の出荷予定データ106bの右の表における「倉庫別」の欄に示す。図4の「倉庫別」の欄において、重複した伝票であるため別の枠としてはカウントされず、枠数が「0」となった箇所は、ハッチングで示している。
【0032】
登録済枠算出部102aは、当該カウントした値を、前記倉庫および前記出荷日ごとに集計して、登録済枠(利用枠)を算出する。具体的には、前段落で算出した枠の数を前記倉庫および前記出荷日ごとに集計すると、「センター倉庫」および「2019/11/1」については、1+1=2枠となり、「センター倉庫」および「2019/11/2」についても、1+1=2枠となり、「センター倉庫」および「2019/11/3」については、1枠となる。本段落で集計した結果をまとめたものを、図4の出荷予定データ106bの右の表における「倉庫別」の欄の「合計」として示す。
【0033】
「倉庫配送業者別のチェック」の場合、伝票番号、倉庫、配送業者および出荷日でカウントを行う。つまり、同一伝票内で、倉庫、配送業者および出荷日が同値であれば1枠と考える。倉庫配送業者別の場合のカウント方法は、倉庫別の場合のカウント方法に「配送業者」の要素を追加する点以外は同じであるため、詳細な説明は割愛する。倉庫配送業者別の場合におけるカウントした結果をまとめたものを、図4の出荷予定データ106bの右の表における「配送業者別」の欄に示す。図4の「配送業者別」の欄において、重複した伝票であるため別の枠としてはカウントされず、枠数が「0」となった箇所は、ハッチングで示している。
【0034】
登録済枠算出部102aは、当該カウントした値を、前記倉庫および前記出荷日ごとに集計して、登録済枠(利用枠)を算出する。具体的な集計方法は、倉庫別の場合の集計方法に「配送業者」の要素を追加する点以外は同じであるため、詳細な説明は割愛する。倉庫配送業者別の場合における集計した結果をまとめたものを、図4の出荷予定データ106bの右の表における「配送業者別」の欄の「合計」として示す。
【0035】
残枠算出部102bは、出荷枠マスタ106a中の前記上限枠(出荷枠)から、登録済枠算出部102aで算出した前記登録済枠(利用枠)を差し引くことにより、前記倉庫および前記出荷日ごとの残枠を算出する。
【0036】
ここまで説明した「倉庫別のチェック」についての前記上限枠(出荷枠)、前記登録済枠(利用枠)および前記残枠の取得の仕方をまとめたものを、図5の表の「倉庫別のチェック」の列に示す。また、ここまで説明した「倉庫配送業者別のチェック」についての前記上限枠(出荷枠)、前記登録済枠(利用枠)および前記残枠の取得の仕方をまとめたものを、図5の表の「倉庫配送業者別のチェック」の列に示す。
【0037】
新規で受注入力する場合、新規登録枠算出部102cは、前記倉庫識別データと前記出荷日とを有する前記新規伝票データを含む新規登録データ106cにおいて、前記倉庫識別データと前記出荷日の組合せが同じである前記新規伝票データを1枠としてカウントすることにより、前記倉庫および前記出荷日ごとの新規登録枠を算出する。
【0038】
修正により受注入力する場合、修正登録枠算出部102dは、前記倉庫識別データと前記出荷日とを有する前記修正伝票データを含む修正登録データ106dにおいて、前記倉庫識別データと前記出荷日の組合せが同じである前記修正伝票データを1枠としてカウントすることにより、前記倉庫および前記出荷日ごとの修正登録枠を算出する。
【0039】
エラー通知部102eは、新規で受注入力する場合、新規登録枠算出部102cで算出した前記新規登録枠の数が、残枠算出部102bでカウントした前記残枠の数を上回っている場合、エラーを通知する。また、エラー通知部102eは、修正により受注入力する場合、修正登録枠算出部102dで算出した前記修正登録枠の数が、残枠算出部102bで算出した前記残枠に前記修正を行った前記出荷予定伝票データについての前記登録済枠(=利用枠)を加算した枠の数を上回っている場合、エラーを通知する。
【0040】
枠表示部102fは、枠の照会を行うための画面である出荷枠確認照会画面(図15参照)において指定された倉庫識別データおよび指定された期間に基づいて、当該指定された倉庫識別データで特定される倉庫および当該指定された期間に属する日付ごとの前記上限枠(出荷枠)、前記登録済枠(利用枠)および前記残枠を、前記出荷枠確認照会画面(図15参照)に表示する。
【0041】
[2.画面例の説明]
本項目では、本実施形態に係る画面例について説明する。
【0042】
[2-1.倉庫配送業者別出荷枠マスタメンテ]
図2は、出荷枠マスタ106aを登録するための画面(倉庫配送業者別出荷枠マスタメンテ)の一例を示す図である。オペレータは、当該画面から、いずれかの前記区分(「0:倉庫別」または「1:倉庫配送業者別」)の指定、前記倉庫識別データの指定、前記配送業者識別データの指定および前記出荷日ごとの前記出荷枠の入力を行うことで、出荷枠マスタ106aの内容を設定することができる。なお、前記区分として「0:倉庫別」を指定した場合には、前記配送業者識別データの指定は不要である。
【0043】
[2-2.受注入力画面]
図8に示す受注入力画面は、新規に受注入力をして新規登録データ106cを作成する場合の受注入力画面である。オペレータは、当該画面から、ヘッダ部分(MB1)に受注日および前記出荷先識別データ(顧客)を入力し、明細部分(MB2)に前記商品識別データ(商品)、前記倉庫識別データ(倉庫)、前記配送業者識別データ(配送業者)および前記出荷日の入力を行った上で、画面下部の「F10:登録」を押下することで、新規登録データ106cを作成することができる。
【0044】
図11に示す受注入力画面は、修正による受注入力をして修正登録データ106dを作成する場合の受注入力画面である。オペレータは、当該画面から、ヘッダ部分(MC1)に受注番号を入力することで、所定の前記出荷予定伝票データを呼び出すことができる。オペレータは、図11の明細部分(MC2)において、当該呼び出した出荷予定伝票データ中の前記出荷日を修正した上で、画面下部の「F10:登録」を押下することで、修正登録データ106dを作成することができる。
【0045】
図8および図11に示す受注入力画面は、展示品やカタログ商品を後日倉庫から出荷する顧客からの注文を行う画面である。当該画面から、図8および図11の画面下部の「F6:枠照会」を押下することで、図15に示す出荷枠確認照会画面をホップアップで起動して確認することが可能である。なお、登録時に残枠がない場合には、登録不可とする。
【0046】
[2-3.移動指示入力画面]
図示しないが、移動指示入力画面としては、新規に移動指示入力をして新規登録データ106cを作成する場合の移動指示入力画面と、修正による移動指示入力をして修正登録データ106dを作成する場合の移動指示入力画面とがある。移動指示入力画面は、店舗に在庫を抱え販売する商品で、倉庫から店舗への移動指示を行う画面である。当該画面から、画面下部の「F6:枠照会」を押下することで、図15に示す出荷枠確認照会画面をホップアップで起動して確認することが可能である。なお、登録時に残枠がない場合には、登録不可とする。
【0047】
[2-4.出荷枠確認照会画面]
図15に示す出荷枠確認照会画面は、[2-2]で説明した受注入力および[2-3]で説明した移動指示入力において、倉庫・配送業者の出荷枠、利用枠および残枠を確認することが可能な画面である。オペレータは、図15に示す出荷枠確認照会画面から、ヘッダ部分(MC1)に前記倉庫識別データ(倉庫)および期間(出荷日_開始および出荷日_終了)を入力した上で、画面下部の「F6:表示」を押下することで、明細部分(MC2)に、出荷日および倉庫ごと、または、出荷日および配送業者ごと、に残枠(出荷枠-利用枠)、出荷枠および利用枠を確認することが可能である。
【0048】
[3.処理の具体例]
本項目では、本実施形態における処理の具体例を説明する。処理の概要としては、出荷枠エンジンに、伝票番号、倉庫、配送業者および出荷日を渡すことで、倉庫別の出荷枠のチェックおよび倉庫配送業者別の出荷枠のチェックを行うことができる。当該チェックは、新規伝票登録時または修正伝票登録時に、例えば、「1.出荷枠」-「2.登録済枠のデータの利用枠」+「3.自身の伝票の修正前の利用枠(=0or1)」-「4.自身の伝票登録する利用枠(=1)」<0の場合に、エラーを通知することにより行う。
【0049】
以下、出荷枠マスタ106aは図7に示す内容で、出荷予定データ106bは図6に示す内容で登録されているという前提で、「倉庫別」のチェックの具体例を詳細に説明する。なお、詳細な説明は割愛するが、「倉庫配送業者別」のチェックも、前記配送業者識別データが追加となる点以外は、「倉庫別」のチェックと同様の考え方により実行可能である。
【0050】
[3-1.登録済枠算出処理]
登録済枠算出部102aは、出荷予定データ106bにおいて、伝票番号と倉庫と出荷日の組合せが同じである伝票を1枠としてカウントする。具体的には、図6の出荷予定データ106bを参照すると、伝票番号「D00000000001」の行1および行2の2つの伝票は、ともに、倉庫が「センター倉庫」であり、かつ、出荷日が「2019/11/1」であるため、登録済枠算出部102aは、当該2つの伝票をまとめて1枠としてカウントする。次に、伝票番号「D00000000001」の行3の伝票は、倉庫が「センター倉庫」であるが、出荷日が「2019/11/2」であるため、登録済枠算出部102aは、当該伝票を1枠としてカウントする。最後に、伝票番号「D00000000002」の行1、行2および行3の伝票は、すべて倉庫が「センター倉庫」であるが、出荷日がそれぞれ「2019/11/1」、「2019/11/2」および「2019/11/3」であり異なるため、登録済枠算出部102aは、それぞれの伝票を1枠としてカウントする。本段落でカウントした結果をまとめたものを、図6の出荷予定データ106bの右の表に示す。
【0051】
続いて、登録済枠算出部102aは、当該カウントした値を、倉庫および出荷日ごとに集計して、登録済枠(利用枠)を算出する。具体的には、前段落で算出した枠の数を倉庫および出荷日ごとに集計すると、「センター倉庫」および「2019/11/1」については、1+1=2枠となり、「センター倉庫」および「2019/11/2」についても1+1=2枠となり、「センター倉庫」および「2019/11/3」については、1枠となる。本段落で集計した結果をまとめたものを、図6の出荷予定データ106bの右の表における「合計」に示す。
【0052】
[3-2.残枠算出処理]
残枠算出部102bは、出荷枠マスタ106a中の上限枠(出荷枠)から、登録済枠算出部102aで算出した登録済枠(利用枠)を差し引くことにより、倉庫および出荷日ごとの残枠を算出する。具体的には、残枠算出部102bは、図7に示すように、「センター倉庫」および「2019/11/1」については、出荷枠マスタ106a中の出荷枠「2」-登録済枠算出部102aで算出した利用枠「2」=残枠「0」を算出し、「センター倉庫」および「2019/11/2」についても、出荷枠マスタ106a中の出荷枠「2」-登録済枠算出部102aで算出した利用枠「2」=残枠「0」を算出し、「センター倉庫」および「2019/11/3」については、出荷枠マスタ106a中の出荷枠「4」-登録済枠算出部102aで算出した利用枠「1」=残枠「3」を算出する。
【0053】
[3-3.新規登録枠算出処理およびエラー通知処理]
本項目では、新規で受注入力を行う場合における新規登録枠算出処理およびエラー通知処理について、図8図10を用いて説明する。
【0054】
まず、図8に示す受注入力画面から、オペレータによって、受注日、顧客および3つの新規伝票が入力されて新規登録データ106cが作成される。当該入力が行われた上で、画面下部の「F10:登録」がオペレータによって押下されると、以下のようにして、新規登録枠算出処理およびエラー通知処理が実行される。
【0055】
(1)新規登録枠算出処理
新規登録枠算出部102cは、新規登録データ106cにおいて、倉庫と出荷日の組合せが同じである新規伝票を1枠としてカウントする。具体的には、図8の新規登録データ106cを参照すると、商品Aおよび商品Bの2つの伝票は、ともに、倉庫が「センター倉庫」であり、かつ、出荷日が「2019/11/1」であるため、新規登録枠算出部102cは、当該2つの伝票をまとめて1枠としてカウントする。つまり、「センター倉庫」および「2019/11/1」についての新規登録枠は「1枠」である。次に、商品Cの伝票は、倉庫が「センター倉庫」であるが、出荷日が「2019/11/3」であるため、新規登録枠算出部102cは、当該伝票を1枠としてカウントする。つまり、「センター倉庫」および「2019/11/3」についての新規登録枠は「1枠」である。
【0056】
(2)エラー通知処理
エラー通知部102eは、倉庫および出荷日ごとにチェックを実行し、新規登録枠の数が、残枠の数を上回っている場合、エラーを通知する。具体的には、以下のとおりである。
【0057】
(2-1)倉庫「センター倉庫」かつ出荷日「2019/11/1」についてのチェック
[3-2]で説明したように、「センター倉庫」および「2019/11/1」についての残枠は「0枠」である。一方で、本項目[3-3]の(1)で説明したように、「センター倉庫」および「2019/11/1」についての新規登録枠は「1枠」である。この場合、新規登録枠「1枠」が、残枠「0枠」を上回っているため、エラー通知部102eは、エラーを通知する。
【0058】
前段落で説明したチェックに用いる枠数をまとめた表を、図9に示す。前段落の残枠「0枠」が、図9においては、出荷枠「2」-登録済のデータの利用枠「2」に対応する。また、前段落の新規登録枠「1枠」が、図9においては、自身の伝票の登録する利用枠「1」に対応する。
【0059】
(2-2)倉庫「センター倉庫」かつ出荷日「2019/11/3」についてのチェック
[3-2]で説明したように、「センター倉庫」および「2019/11/3」についての残枠は「3枠」である。一方で、本項目[3-3]の(1)で説明したように、「センター倉庫」および「2019/11/3」についての新規登録枠は「1枠」である。この場合、新規登録枠「1枠」が、残枠「3枠」を上回っていないため、エラーは通知されない。
【0060】
前段落で説明したチェックに用いる枠数をまとめた表を、図10に示す。前段落の残枠「3枠」が、図10においては、出荷枠「4」-登録済のデータの利用枠「1」に対応する。また、前段落の新規登録枠「1枠」が、図10においては、自身の伝票の登録する利用枠「1」に対応する。
【0061】
[3-4.修正登録枠算出処理およびエラー通知処理]
本項目では、修正により受注入力を行う場合における修正登録枠算出処理およびエラー通知処理について、図11図14を用いて説明する。
【0062】
まず、図11に示す受注入力画面から、オペレータによって受注番号が入力されると、出荷予定データ106bにおける3つの出荷予定伝票データが呼び出される。そして、オペレータにより、当該3つの出荷予定伝票データにおける出荷日が修正されて修正登録データ106dが作成される。当該修正が行われた上で、画面下部の「F10:登録」がオペレータによって押下されると、以下のようにして、修正登録枠算出処理およびエラー通知処理が実行される。なお、図11の受注入力画面のMC2における「出荷日」の列において、取消線を付した日付が修正前の出荷日を意味しており、取消線を付していない日付が修正後の出荷日を意味している。
【0063】
(1)修正登録枠算出処理
修正登録枠算出部102dは、修正登録データ106dにおいて、倉庫と出荷日の組合せが同じである修正伝票を1枠としてカウントする。具体的には、図11の修正登録データ106dを参照すると、商品A、BおよびCの伝票は、すべて倉庫が「センター倉庫」であるが、出荷日がそれぞれ「2019/11/2」、「2019/11/3」および「2019/11/1」であり異なるため、修正登録枠算出部102dは、それぞれの伝票を1枠としてカウントする。つまり、「センター倉庫」および「2019/11/1」についての修正登録枠は「1枠」であり、「センター倉庫」および「2019/11/2」についての修正登録枠も「1枠」であり、「センター倉庫」および「2019/11/3」についての修正登録枠も「1枠」である。
【0064】
(2)エラー通知処理
エラー通知部102eは、倉庫および出荷日ごとにチェックを実行し、修正登録枠の数が、残枠に修正して取り消す前の登録済枠を加算した枠の数を上回っている場合、エラーを通知する。具体的には、以下のとおりである。
【0065】
(2-1)倉庫「センター倉庫」かつ出荷日「2019/11/1」についてのチェック
[3-2]で説明したように、「センター倉庫」および「2019/11/1」についての残枠は「0枠」である。また、図11の受注入力画面のMC2における「出荷日」の列において、取消線で示すように、「センター倉庫」および「2019/11/1」についての修正前の登録済枠は、商品Aおよび商品Bについての「1枠」である。そして、本項目[3-4]の(1)で説明したように、「センター倉庫」および「2019/11/1」についての修正登録枠は「1枠」である。この場合、修正登録枠「1枠」が、残枠「0枠」に修正前の登録済枠「1枠」を加算した枠数である「1枠」を上回っていないため、エラーは通知されない。
【0066】
前段落で説明したチェックに用いる枠数をまとめた表を、図12に示す。前段落の残枠「0枠」が、図12においては、出荷枠「2」-登録済のデータの利用枠「2」に対応する。また、前段落の修正前の登録済枠「1枠」が、図12においては、自身の伝票の修正前の利用枠「1」に対応する。そして、前段落の修正登録枠「1枠」が、図12においては、自身の伝票の登録する利用枠「1」に対応する。
【0067】
(2-2)倉庫「センター倉庫」かつ出荷日「2019/11/2」についてのチェック
[3-2]で説明したように、「センター倉庫」および「2019/11/2」についての残枠は「0枠」である。また、図11の受注入力画面のMC2における「出荷日」の列において、取消線で示すように、「センター倉庫」および「2019/11/2」についての修正前の登録済枠は、商品Cについての「1枠」である。一方で、本項目[3-4]の(1)で説明したように、「センター倉庫」および「2019/11/2」についての修正登録枠は「1枠」である。この場合、修正登録枠「1枠」が、残枠「0枠」に修正前の登録済枠「1枠」を加算した枠数である「1枠」を上回っていないため、エラーは通知されない。
【0068】
前段落で説明したチェックに用いる枠数をまとめた表を、図13に示す。前段落の残枠「0枠」が、図13においては、出荷枠「2」-登録済のデータの利用枠「2」に対応する。また、前段落の修正前の登録済枠「1枠」が、図13においては、自身の伝票の修正前の利用枠「1」に対応する。そして、前段落の修正登録枠「1枠」が、図13においては、自身の伝票の登録する利用枠「1」に対応する。
【0069】
(2-3)倉庫「センター倉庫」かつ出荷日「2019/11/3」についてのチェック
[3-2]で説明したように、「センター倉庫」および「2019/11/3」についての残枠は「3枠」である。また、図11の受注入力画面のMC2における「出荷日」の列において、取消線で示される出荷日は存在せず、すなわち、「センター倉庫」および「2019/11/3」についての修正前の登録済枠は、「0枠」である。一方で、本項目[3-4]の(1)で説明したように、「センター倉庫」および「2019/11/3」についての修正登録枠は「1枠」である。この場合、修正登録枠「1枠」が、残枠「3枠」に修正前の登録済枠「0枠」を加算した枠数である「3枠」を上回っていないため、エラーは通知されない。
【0070】
前段落で説明したチェックに用いる枠数をまとめた表を、図14に示す。前段落の残枠「3枠」が、図14においては、出荷枠「4」-登録済のデータの利用枠「1」に対応する。また、前段落の修正前の登録済枠「0枠」が、図14においては、自身の伝票の修正前の利用枠「0」に対応する。そして、前段落の修正登録枠「1枠」が、図14おいては、自身の伝票の登録する利用枠「1」に対応する。
【0071】
以上、[3-1]~[3-4]で説明したように、本実施形態に係る新規登録枠数チェック装置100によれば、受注して新規にまたは修正により登録しようとしている枠数が、登録可能な枠数(残枠)を上回っているか否かをチェックし、上回っている場合にはエラーを通知することができる。これにより、出荷担当者は、例えば、予め設定した上限枠に対して過不足のない適切な量の出荷を行うことができる。
【0072】
[3-5.枠表示処理]
本項目では、枠表示処理について、図15を用いて説明する。
【0073】
まず、図15の出荷枠照会画面のヘッダ部分(MD1)において、倉庫コードとして、「1000(センター倉庫に対応)」が指定され、期間として、出荷日_開始「2019/11/1」および出荷日_終了「11/30」が指定される。
【0074】
当該指定がされた上で、図15の出荷枠照会画面の画面下部の「F6:表示」が押下されると、枠表示部102fは、前記指定された倉庫コード「1000」で特定される倉庫である「センター倉庫」および前記指定された期間「2019/11/1~11/30」に属する日付ごとに、出荷枠、利用枠および残枠を、図15の出荷枠照会画面の明細部分(MD2)に表示する。
【0075】
具体的には、出荷枠、利用枠および残枠についてまとめた図7を参照すると、例えば、センター倉庫かつ出荷日2019/11/1については、出荷枠「2」、利用枠「2」および残枠「0」という内容であるため、枠表示部102fは、当該内容を図15の明細部分(MD2)における一番上の行のレコードとして表示する。
【0076】
本項目[3-5]で説明したように、本実施形態に係る新規登録枠数チェック装置100によれば、出荷枠照会画面から、倉庫および出荷日ごとに、出荷枠、利用枠および残枠を確認することができる。出荷担当者は、受注して新規にまたは修正により登録しようとする際に、当該確認を行った上で入力をすることで、予め設定した上限枠に対して過不足のない適切な量の出荷を行うことができる。
【0077】
[4.本実施形態のまとめ]
流通小売業界等においては、大型連休や年末年始には物流業務は停止しているが、店舗は営業をしているため、倉庫業務が再開した日に梱包および出荷の業務が多くなり、結果として、当該業務を消化できずに顧客に迷惑がかかるという課題が従来あった。言い換えると、大型連休や年末年始に倉庫業務が停止した後に営業を再開する場合およびイベント等が原因で注文が多い場合に、倉庫の出荷業務が追い付かないことがあった。
【0078】
また、自社便や配送業者の1日当たりの出荷量のコントロールができず、顧客の求める納期に商品を届けることができないという課題も従来あった。通常、流通小売業界等においては、配送業者と契約を結び、1日あたりの枠の上限数を設けており(自社便も同様の枠の上限数あり)、店舗の売上規模やイベント等を考慮して、各店舗の上限枠を事前に決め、当該上限枠を超えないよう店舗の運用にてコントロールしている。この場合に、当該上限枠に届くことがなく(すなわち、枠が余り)、本来なら顧客に届けられるはずの商品を届けることができない、すなわち、配送業者との契約を有効に活用できていないという課題があった。言い換えると、従来においては、倉庫での可能枠と配送業者の枠を本社から店舗に配信してエクセル等にて管理していたため、枠が上限に達することなく、枠を効率的に使用できていないという課題があった。
【0079】
そこで、本実施形態においては、例えば、倉庫別に、または、倉庫配送業者別に、出荷日毎の利用枠および残枠を確認する機能ならびに登録時チェックを行う機能を実装することで、前記課題を解決することができる。倉庫から出荷する商品としては、例えば、店舗に在庫を抱え販売する商品および展示品やカタログ商品として事前に宣伝して後日倉庫から出荷する商品等が挙げられる。言い換えると、本実施形態においては、例えば、配送業者との配送枠の契約や倉庫業務の出荷量をコントロールする仕組みを実現した。
【0080】
本実施形態における効果として、例えば、以下の1~4が挙げられる。
1.システムで配送枠チェックを行うことで、配送枠を無駄なく使用することが可能となった。
2.配送枠の適切量で契約することが可能となった。
3.注文や在庫移動の際に、店舗スタッフにて配送枠の確認が可能となった。
4.大型連休や年末年始に倉庫業務が停止した後に営業を再開する時およびイベント等が原因で注文が多い時期における梱包および出荷業務の負荷を低減することに成功し、これにより、業務を平準化することができた。
【0081】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0082】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0083】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0084】
また、新規登録枠数チェック装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0085】
例えば、新規登録枠数チェック装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて新規登録枠数チェック装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0086】
また、このコンピュータプログラムは、新規登録枠数チェック装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0087】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0088】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0089】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0090】
また、新規登録枠数チェック装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、新規登録枠数チェック装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0091】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、例えば、流通小売業界において有用であり、特に、物流の制限が必要な(物流量の多い)業界において極めて有用である。
【符号の説明】
【0093】
100 新規登録枠数チェック装置
102 制御部
102a 登録済枠算出部
102b 残枠算出部
102c 新規登録枠算出部
102d 修正登録枠算出部
102e エラー通知部
102f 枠表示部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 倉庫配送業者別出荷枠マスタ
106b 出荷予定データ
106c 新規登録データ
106d 修正登録データ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2023-08-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
伝票を識別するための伝票識別データと倉庫を識別するための倉庫識別データと出荷日とを有する、登録済の伝票に関するデータである登録済伝票データを含む登録済データにおいて、前記伝票識別データと前記倉庫識別データと前記出荷日の組合せが同じである前記登録済伝票データを1枠としてカウントし、当該カウントした値を前記倉庫および前記出荷日ごとに集計した値を登録済枠として算出する登録済枠算出手段と、
前記倉庫および前記出荷日ごとに設定された出荷の上限の枠数である上限枠を含む上限枠設定マスタ中の当該上限枠から、前記登録済枠算出手段で算出した前記登録済枠を差し引くことにより、前記倉庫および前記出荷日ごとの残枠を算出する残枠算出手段と、
枠の照会を行うための画面である照会画面において指定された倉庫識別データおよび指定された期間に基づいて、当該指定された倉庫識別データで特定される倉庫および当該指定された期間に属する出荷日ごとの前記上限枠、前記登録済枠および前記残枠を、前記照会画面に表示する枠表示手段と、
を備えること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記登録済データが、受注データまたは移動指示データであること、
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
制御部を備える情報処理装置で実行される情報処理方法であって、
前記制御部で実行される、
伝票を識別するための伝票識別データと倉庫を識別するための倉庫識別データと出荷日とを有する、登録済の伝票に関するデータである登録済伝票データを含む登録済データにおいて、前記伝票識別データと前記倉庫識別データと前記出荷日の組合せが同じである前記登録済伝票データを1枠としてカウントし、当該カウントした値を前記倉庫および前記出荷日ごとに集計した値を登録済枠として算出する登録済枠算出ステップと、
前記倉庫および前記出荷日ごとに設定された出荷の上限の枠数である上限枠を含む上限枠設定マスタ中の当該上限枠から、前記登録済枠算出ステップで算出した前記登録済枠を差し引くことにより、前記倉庫および前記出荷日ごとの残枠を算出する残枠算出ステップと、
枠の照会を行うための画面である照会画面において指定された倉庫識別データおよび指定された期間に基づいて、当該指定された倉庫識別データで特定される倉庫および当該指定された期間に属する出荷日ごとの前記上限枠、前記登録済枠および前記残枠を、前記照会画面に表示する枠表示ステップと、
を含むこと、
を特徴とする情報処理方法。
【請求項4】
制御部を備える情報処理装置に実行させるための情報処理プログラムであって、
前記制御部に実行させるための、
伝票を識別するための伝票識別データと倉庫を識別するための倉庫識別データと出荷日とを有する、登録済の伝票に関するデータである登録済伝票データを含む登録済データにおいて、前記伝票識別データと前記倉庫識別データと前記出荷日の組合せが同じである前記登録済伝票データを1枠としてカウントし、当該カウントした値を前記倉庫および前記出荷日ごとに集計した値を登録済枠として算出する登録済枠算出ステップと、
前記倉庫および前記出荷日ごとに設定された出荷の上限の枠数である上限枠を含む上限枠設定マスタ中の当該上限枠から、前記登録済枠算出ステップで算出した前記登録済枠を差し引くことにより、前記倉庫および前記出荷日ごとの残枠を算出する残枠算出ステップと、
枠の照会を行うための画面である照会画面において指定された倉庫識別データおよび指定された期間に基づいて、当該指定された倉庫識別データで特定される倉庫および当該指定された期間に属する出荷日ごとの前記上限枠、前記登録済枠および前記残枠を、前記照会画面に表示する枠表示ステップと、
を含むこと、
を特徴とする情報処理プログラム。