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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129622
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】磁気浮上ドア
(51)【国際特許分類】
   E05D 15/06 20060101AFI20230907BHJP
   E06B 3/46 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
E05D15/06 117
E06B3/46
E05D15/06 125Z
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023121592
(22)【出願日】2023-07-26
(62)【分割の表示】P 2022144845の分割
【原出願日】2017-11-20
(31)【優先権主張番号】62/427,024
(32)【優先日】2016-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/525,118
(32)【優先日】2017-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/723,045
(32)【優先日】2017-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519191824
【氏名又は名称】ラム、トニー
【氏名又は名称原語表記】LAM,Tony
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ラム、トニー
(57)【要約】
【課題】改良されたドアアセンブリを提供すること。
【解決手段】ブラケット(342)が第1のドア(300)の上端部に取り付けられる。軌道(314)がドア開口上部に隣接して配置される。第1の磁石(316)がブラケット(342)の上部に近接して設けられる。第2の磁石(318)が軌道(314)の上部に取り付けられる。第1の磁石(316)と第2の磁石(318)とは互いに垂直に整合するとともに反発力を生成するように配置される。安定化ローラ(384)がブラケット(342)に回転可能に取り付けられる。ブラケット(342)は、第1の磁石(316)と第2の磁石(318)とにより生じる反発力によって第1のドア(300)の重量を支持し得るように、軌道(314)の外周を部分的に包囲するように配置される。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドア開口の前面に配置可能であり、かつ、開位置と閉位置との間で横移動可能な第1のドアを具備するドアアセンブリであって、該ドアアセンブリは、
前記第1のドアであって、前記開位置と前記閉位置にスライド可能であり、長さを画定する第1のドアと、
前記第1のドアの上端部に取り付けられたブラケットと、
前記ドア開口の上部に近接して配置される軌道であって、前記第1のドアの長さの約2倍の長さを画定し、前記ブラケットがスライド可能に取り付けられる、前記軌道と、
前記ブラケットの上部に近接して設けられた第1の磁石であって、前記第1のドアの前記長さよりも短い長さを有する、前記第1の磁石と、
前記軌道の上部に取り付けられた第2の磁石であって、前記第1のドアの長さよりも長い長さを有し、前記第1の磁石と互いに垂直に整合するとともに、反発力を生成するために第1の磁石に臨む面が同極である、前記第2の磁石と、
前記ブラケットに回転可能に取り付けられ、かつ、前記第1のドアが前記開位置と前記閉位置との間で横移動する際に前記第1の磁石と前記第2の磁石とを垂直に整合させるために前記軌道内に配置される安定化ローラと、
を備え、
前記ブラケットは、前記第1の磁石と前記第2の磁石とにより生じる反発力によって前記第1のドアの重量を支持し得るように、前記軌道の外周を包囲するように配置されるドアアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の種々の態様及び実施形態は、スライドドア用の機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スライドドアは、ドアを開位置と閉位置との間で横移動させるために、ドアがスライドする軌道を有し得る。ドアは非常に重いため、軌道とドアとの間の転がり摩擦は過度になることがある。そのような場合には、閉位置と開位置との間でドアが横移動することが困難であり得る。さらに、非常に重いドアは、長期間にわたってドアを反復的、かつ、周期的に開閉することにより、その他の故障を生じさせることがある。
【0003】
よって、当技術分野では、スライドドア用の改良された機構が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本明細書では、ドア開口を横切って延びる軌道と、その軌道に磁気的に係合するドアについて開示する。ドアは軌道に物理的には接触しておらず、ドアが軌道と物理的に接触する場合でも、ドアの重量のごくわずかな一部が軌道に伝達するにすぎない。これに関連して、軌道とドアとの間の物理的接触がないことによって、ドアは、開位置と閉位置との間でスムーズに横移動することが可能となり、ドアと軌道との間の転がり摩擦は、概ね排除されるか、又は最小限となる。軌道とドアは、互いに反発し合う磁石を有し得ることで、ドアが軌道に接触しないように、ドアを軌道から離間するように浮揚する。また、ドアが開位置と閉位置との間で横移動するときに、ドアと軌道との整合が維持されるように、安定化ローラを用いてもよい。
【0005】
より具体的には、ドア開口の前面に配置可能であり、かつ、開位置と閉位置との間で横移動可能なドアを具備するドアアセンブリについて開示する。このドアアセンブリは、ドアと、ブラケットと、第1の磁石と、軌道と、第2の磁石と、安定化ローラとを備え得る。ドアは、開位置と閉位置にスライドし得る。第1のドアは、長さを画定し得る。ブラケットは、第1のドアに取り付けられ得る。第1の磁石は、ブラケットに取り付けられ得る。第1の磁石は、第1のドアの長さよりも短い長さを有し得る。軌道は、ドア開口に隣接して配置され得る。軌道は、第1のドアの長さの約2倍の長さを画定し得る。ブラケットは、軌道にスライド可能に取り付けられ得る。第2の磁石は、軌道に取り付けられ得る。第2の磁石は、ドアの長さよりも長い長さを有し得る。第1、第2の磁石は、互いに垂直に整合し得る。安定化ローラは、軌道に取り付けられ得るとともに、ドアが開位置と閉位置との間で横移動するときの第1、第2の磁石の垂直に整合させるために軌道内に配置され得る。
【0006】
ブラケットは、ドアの垂直中心線の各側に配置された第1、第2のブラケットであり得る。
第2の磁石は、軌道の長さの約80%超であり得る。
【0007】
軌道は、ドア開口を囲繞する構造体の敷居に埋め込まれ得る。軌道は、ドア開口を画定する、ドアの左右の支柱並びに/又はヘッダに取り付けられ得る。
軌道は、ベースと、第2の磁石を受容するためのキャビティを有するインサートとを備え得る。インサートは、ベースによって画定されるキャビティ内に挿入され得る。ベースは、インサートの突起を自由に差し込めるキャビティを有し得るとともに、インサートの突起は、接着剤によってベースのキャビティ内で定位置に保持され得る。
【0008】
第2の磁石上でドアの平衡が保たれるように、第1の磁石は、ドアの相対する両側に配置された複数の磁石であり得る。
第2の磁石は、ドアが開位置と閉位置との間で横移動するときにドアを均等に浮上させるように端から端まで配置された単一の連続した磁石又は複数の磁石であり得る。
【0009】
第1、第2の磁石の反発力は、ドアの重量と等しくてよい。また、第1、第2の磁石の反発力がドアの重量よりも短くてもよいことも想定される。
本明細書で開示する種々の実施形態のこれら及び他の特徴並びに効果は、以下の説明及び図面との関連で、より良く理解されるであろう。以下の説明及び図面の全体を通して、類似の部分は同様の番号で示している。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】シャワードアの第1の実施形態の正面図。
図2図1に示すシャワードアのガラスドア、軌道、及びブラケットの断面図。
図3図1に示すシャワードアの断面図。
図4】シャワードアの第2の実施形態の正面図。
図5図4に示すシャワードアのガラスドア、軌道、及びブラケットの断面図。
図6図4に示すシャワードアの断面図。
図7】シャワードアの第3の実施形態の正面図。
図8図7に示すシャワードアのガラスドア、軌道、及びブラケットの断面図。
図9図7に示すシャワードアの断面図。
図10】シャワードアの第4の実施形態の正面図。
図11図10に示すシャワードアの上面図。
図12図10に示すシャワードアの右側分解斜視図。
図13図10に示すシャワードアの左側分解斜視図。
図14図10に示すシャワードアの左側拡大組立斜視図。
図15図10に示すシャワードアの断面図。
図16】シャワードアの第5の実施形態の正面図。
図17図16に示すシャワードアの上面図。
図18図16に示すシャワードアの右側斜視図。
図19図16に示すシャワードアの左側斜視図。
図20図16に示すシャワードアの断面図。
図21】シャワードアの第6の実施形態の正面図。
図22図21に示すシャワードアの上面図。
図23図21に示すシャワードアの右側斜視図。
図24図21に示すシャワードアの左側斜視図。
図25図21に示すシャワードアの断面図。
図26】シャワードアの第7の実施形態の、ドア、軌道、及びブラケットを示す断面図。
図27図26に示すシャワードアの上面図。
図28図26に示すシャワードアの正面図。
図29図26に示すシャワードアの右側分解斜視図。
図30図26~29に示すシャワードアを組み込んだシャワードアの左側斜視図。
図31】シャワードアの第8の実施形態の、ドア、軌道、及びブラケットを示す断面図。
図31A図31に示す断面図の変形例。
図32図31に示すシャワードアの上面図。
図33図31に示すシャワードアの正面図。
図34図31に示すシャワードアの右側分解斜視図。
図35図31に示すシャワードアの左側分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで図面を参照すると、磁気浮上式のシャワーガラスドア10,100,200,300,400,500,600,700を示している。ガラスドア10,100,200,300,400,500,600,700は、軌道14,114,214,314,414,514,614,714上で、矢印12の方向に水平にスライドさせてよい。ガラスドア10,100,200,300,400,500,600,700は、短尺の磁石16,116,216,316,416,516,616,716を有し得る。軌道14,114,214,314,414,514,614,714は、長尺の磁石18,118,218,318,418,518,618,718を有し得る。磁石16,116,216,316,416,516,616,716は、磁石18,118,119,218,318,418,518,618,718による反発を受け得ることで、ガラスドア10,100,200,300,400,500,600,700を垂直に浮揚して、これにより、ガラスドア10,100,200,300,400,500,600,700が、矢印12,112,212,312,412,512,612,712の方向に水平に移動するときに、ガラスドア10,100,200,300,400,500,600,700の重量は、短尺磁石16,116,216,316,416,516,616,716及び長尺磁石18,118,119,218,318,418,518,618,718を介して軌道14,114,214,314,414,514,614,714に伝達される。軌道14,114,214,314,414,514,614,714とガラスドア10,100,200,300,400,500,600,700との間に生じる接触量が最小限であることによって、ガラスドア10,100,200,300,400,500,600,700の水平方向の動きは、静かでスムーズである。
【0012】
次に図1から図3を参照して、同図にはシャワー室20が示されている。シャワー室20は、相対する第1の壁22、第2の壁24を有する。このシャワーは、さらに、第1の壁22にブラケット28で固定された固定ガラスドア26を有する。また、ガラスドア26の底縁も、敷居30に接続されている。固定ガラスドア26は、さらに、図3に示すように、スライドガラスドア10から偏倚されている。これにより、ガラスドア10は、図1に示すように左に移動することが可能になるとともに、人がドア開口を通り抜けてシャワー室20に入ることが可能となる。ガラスドア10が磁力で浮揚された状態で、ガラスドア10を左にスライドさせると、このときのガラスドア10の動きは静かでスムーズである。
【0013】
軌道14は、第1の壁22から第2の壁24まで延びており、固定具を用いてブラケット32で固定されている。ここで図3を参照して、軌道14は、軌道14の長さに沿って延びる磁石18を有し得る。より具体的には、人がシャワー室20に入るためにドア開口を通って入ることが可能となるように、スライドドア10をスライドさせる必要がある範囲まで、磁石18は、軌道14に沿って延びている。図1に示す例では、固定ドア26の長さ36は、スライドドア10の長さ38に略等しいので、ドア10を全開までスライドさせることができる。従って、磁石18の長さ40は、スライドドア10の長さ38の2倍に略等しいか、又は2倍よりもわずかに短い(例えば、180%)。
【0014】
スライドドア10は、少なくとも2つのブラケット42に取り付けられ得る。これらのブラケット42は、磁石16,18の反発力によってドア10を上方に浮揚するために、磁石16を磁石18の上方に位置決めする。2つのブラケット42が必要であり、これら2つのブラケット42は、長さ38を二等分するドア10の垂直中心線44の各側、すなわち、ドア10の重心を中央とする各側において、ドア10に取り付けられる。好ましくは、これらのブラケット42は、垂直中心線44から等距離に離間して配置されることで、これらのブラケット42及び磁石16のそれぞれは、ドア10を均等に支持する。これに関連して、中心線44から一方のブラケット42までの距離45は、中心線44から他方のブラケット42までの距離46に等しい。
【0015】
これらの図面及び説明では、2つのブラケット42を参照している。しかしながら、これらの2つのブラケット42を、1つの長尺ブラケットで置き換え得ることも想定される。その長尺ブラケットは、ドア10の垂直中心線44の両側に2つの磁石16を有していてもよく、又はドア10の垂直中心線44の両側まで延びる1つの長尺磁石16を有していてもよい。好ましくは、左右にスライドさせるときのドア10の平衡をできるだけよく得られるように、磁石16は、ドア10の両側へ可能な限り延びる。また、2つの磁石16を用いる場合には、それらの磁石16を、垂直中心線44、すなわち重心から可能な限り離間させて配置することが好ましい。これは、やはり、左右にスライドさせるときのドア10の平衡を、可能な限りよく得るためである。
【0016】
スライドドア10の磁石16は、磁石18から反発を受ける。磁石16の反発力は、ブラケット42が軌道14の頂部に物理的に接触することなく、磁気反発力によって垂直に浮揚されるように、十分に強力である。或いは、磁石16の反発力は、ブラケット42が軌道14の頂部に物理的に接触し得るものの、ガラスドア10の重量のごくわずかな一部のみが、ブラケット42が軌道14の頂部に接触することによって物理的に支持されるように、相当弱くてもよい。そのようなわずかな一部は、ガラスドア10の重量の約1%~30%の間であってよく、より好ましくは、ガラスドア10の重量の約1%~10%の間である。2つの磁石16、すなわち、ブラケット42のそれぞれに1つの磁石16があるので、それぞれの磁石16は、ガラスドア10の重量の半分を支持するのに十分な強さである。さらなる代替構成として、磁石16の反発力は、ブラケット42が軌道14の底に物理的に接触して、約8.90N(2lbf)~88.97N(20lbf)の力を付与し得るのに、十分に強力であってよい。舌部66は、溝68内に乗って走行するローラで置き換えられてよい。
【0017】
磁石16,18間に生じる反発力をそれぞれ増加又は減少させるために、長さ48(図1を参照)、高さ50、及び/又は幅52を増加又は減少させることによって、磁石18に対する磁石16の反発力を調整してよい。追加的又は代替的に、磁石16,18間に生じる反発力をそれぞれ増加又は減少させるために、磁石18の高さ54及び/又は幅56を調整してよい。また、他の2つの実施形態における反発力の調整はいずれも、個々の磁石の長さ、高さ、又は幅を増加又は減少させることによる調整であってよく、それらの他の実施形態について本明細書で説明する。
【0018】
例えば、スライドガラスドア10が約22.68kg(50ポンド)の重量である場合に、磁石16,18の各対は、約111.21N(25ポンド)の反発力を生じることになる。このようにして、スライドドア10の全重量ではないにしても、重量の少なくとも大部分は、磁石16の反発力によって支持される。
【0019】
ドア10は、少なくとも2つのブラケット42を有し得る。ブラケット42は、軌道14の周囲を囲繞し得る。内寸幅58は、軌道14の外寸幅60よりも大きくてよい。これにより、ブラケット14を、矢印12の方向に左右に水平横移動させることが可能となる。さらに、ブラケット42の内寸高さは、軌道14の外寸高さよりも大きくてよい。ブラケット42は、そのブラケット42が軌道14上を転がることを許容する少なくとも2つのローラ62を有し得る。より具体的には、ローラ62は、軌道14の長さに沿って形成された溝64に整合し得る。磁石16,18によって生じる反発力がドア10を完全に浮揚するのに十分でないときに、ローラ62は、溝64に係合し得る。にも拘らず、磁石16,18は、ドア10の重量の100%ではないにしても80%、より好ましくは95%を支持する反発力を付与するようにサイズ設定され得るので、わずかな重量がローラ62によって支持され得る。
【0020】
ブラケットは、溝68に整合した舌部66を有してよく、これにより、図2に示すように、ドアがブラケット42に取り付けられていないときであって、磁石16,18で生じる反発力によってブラケット42が上方に押しやられているときに、ブラケット42を支持する。
【0021】
ブラケット42は、金属材料で製造されることがある。そのブラケット42を、最初に軌道14上に取り付けて(すなわち、スライドさせて)よく、次に、その軌道14を第1、第2の壁22,24に取り付けてよい。その後、ガラスドア10を、ブラケット42に取り付けてよい。或いは、ブラケット42は、プラスチック材料で製造されることがあり、そのブラケット42を外側に撓ませて軌道14に被せることにより、ブラケット42を軌道14上に滑らせる。
【0022】
ドア10が左右にスライドするときに垂直に直立し続けるために、ドア10は、敷居30全体に沿って延びるガイド72内に嵌まる下端部70を画定し得る。
次に図4から図6を参照して、同図にはシャワー室120が示されている。シャワー室120は、相対する第1の壁22、第2の壁24を有する。このシャワー室は、2つのスライドガラスドア100,101を有し得る。また、ドア100,101のうちの一方は、固定であり得る一方、人がシャワー室120に出入りできるように、他方のドアは、スライド可能であることも想定される。これらのガラスドア100,101は、図6に示すように、互いに偏倚されている。ガラスドア100,101の各々は、軌道114,115内にスライド可能に受容されたブラケット142を有し得る。
【0023】
軌道114,115は、第1の壁22から第2の壁24まで延び得るとともに、ブラケット及び固定具32で固定され得る。ここで図6を参照して、軌道114,115は、軌道114,115の長さに沿って延びる磁石218,219を有し得る。より具体的には、人がドア開口を通ってシャワー室120に入ることをスライドドア100,101が許容する範囲まで、磁石218,219は、軌道114,115に沿って延び得る。例えば、図4に示すシャワー室120では、ドア100の長さ136は、必ずしもドア101の長さ138に等しくない。軌道114の磁石118,119の長さ140は、スライドドア100の長さ136の約2倍に等しくてよく、又はその長さ136の約2倍よりもわずかに短くてもよい。
【0024】
ブラケット142は、ドア100又は101の重心の上方に垂直に整合した1つの磁石を有し得る。すなわち、図6に示すように、ドア100又は101の垂直面180に対して等距離に互いに離間した2つの磁石116,117があり得る。
【0025】
それに対応する磁石118,119を、軌道114,115は有し得る。これらの磁石116,118及び磁石117,119は、ドア100又は101の重量の約80%、より好ましくは95%~100%を支持する反発力を発生する。ドア100,101のそれぞれに対して2つのブラケット142があり、各ブラケット142に対して2対の磁石116,118及び117,119があるので、それぞれの磁石116,118及び117,119は、ドア100又は101の重量の約25%を支持するように設計され得る。限定するものではない例として、磁石116,118,117,119の幅、高さ、又は長さを増加又は減少させることによって、それらの反発力を調整し得る。
【0026】
軌道114,115は、ドア100,101がブラケット142に取り付けられているときにローラ162を受ける内面溝166を有し得る。その重量の大部分又はすべてを、磁石116,118及び磁石117,119によって生じる反発力で支持し得る。図6では、ドア100,101の重量のいくらかは、ローラ162によって支持される。
【0027】
ここで図5を参照して、ドア100,101がブラケット142に取り付けられていないときに、磁石116,118,117,119によって生じる反発力により、ブラケット142は押されて、ローラ162が軌道114,115の下天井182に接触することによって止められる。
【0028】
それらのブラケット142は、ドア100又は101の垂直中心線144から等距離に取り付けられる。
次に図7~9を参照して、同図にはシャワー室220を示している。このシャワー室は、固定ガラスドア226及びスライドガラスドア200を有し得る。スライドガラスドア200は、矢印212の方向に、左右にスライドする。スライドドア200は、ドア200の下端部に埋め込まれた磁石216及び敷居230に埋め込まれた磁石218によって支持され得る。磁石218は、敷居230の長さ240の少なくとも80%~90%にわたって延び得る。磁石218及び磁石216で、ドア200を均等に垂直方向上方に浮揚し得るように、磁石216は、ドア200の長さ236の約80%~90%に延び得る。ドア200は、敷居230に形成された細長い舌部286に嵌合し、受容する細長スロット284を有し得る。ドア200の底端部は、Uチャネル288内に嵌合し得る。舌部286は、磁石216,218によって生じる反発力で舌部286が溝284から外れることがないような、十分な長さである。ドア200の上端部280は、Uチャネル290内に受容され得る。ローラ262は、ドアの上端部を安定化させ得る。
【0029】
敷居230内に装着又は埋設された磁石218の長さ240は、往復スライドするガラスドア200の長さ236の2倍に略等しくてよい。ガラスドア200の底部に配置された磁石216の長さ238は、ガラスドア200の長さ236の約80%~100%であってよい。
【0030】
ドア200の底端は、Uチャネル288の底面上で転動するローラを有してよく、これにより、磁石216,218によって生じる反発力がドアを上方に完全に浮揚するのに十分でない場合に、それらのローラがドアを支持して、ドアが左右にスライドすることを許容する。往復スライドさせるときのドア200を、それらのローラで均等に支持することができるように、ローラは、ドア200の垂直中心線292の両側に配置され得る。
【0031】
また、磁石216は、ドア200の長さ236の50%超にわたって延びる単一の細長い磁石であるものとして図示及び説明されている。しかしながら、磁石216は、ドア200を均等に上方に浮揚するために、ドア200の長さ236に沿って分布させた複数の磁石であり得ることも想定される。限定するものではない例として、磁石216は、ドア200の下端部において垂直中心線262の両側に配置された2つの別個の磁石であり得る。
【0032】
磁石216,218の長さ、幅、高さを調整することにより、反発力を調整し得る。
次に図10図15を参照して、同図にはシャワー室320が示されている。明確にするために、シャワーヘッド及び壁22,24は図示していない。シャワー室320は、第1の壁22(図示せず)にブラケット328で固定され得る固定ガラスドア326を有し得る。使用者がシャワーに入りたいとき、又はシャワー室320から出たいときに、スライドガラスドア300が固定ガラスドア326と外側方に並び得るように、固定ガラスドア326は、スライドガラスドア300から外側方に偏倚させてよい。また、シャワー室320の使用中は、シャワー室320からの水が漏れることを防ぐために、スライドガラスドア300を、図10に示す閉位置に移行させてよい。ガラスドア300を開位置から閉位置にスライドさせるときに、図14に示す磁石316,318の反発力によって、ガラスドア300の重量をすべて又は概ね支持し得る。
【0033】
軌道314は、第1の壁から第2の壁まで延び得るとともに、ブラケット及び固定具で固定され得る。ドア300が開位置にあるとき、閉位置にあるとき、又はその間で移行されているときに、常に磁石316が磁石318による反発を受けるように、軌道314は、軌道328の長さに概ね沿って又は軌道328の全長に沿って全体に延び得る細長い磁石318を有し得る。図10に示す例では、固定ドア326の長さ336は、スライドドアの長さ338に略等しくてよく、これにより、ドア300は、開位置に全開までスライドされ得る。これに関連して、磁石318の長さは、スライドドア300の長さ338の2倍に略等しくてよく、又は2倍よりもわずかに短くてもよい。
【0034】
スライドドア300は、少なくとも2つのブラケット342及び天部材374に取り付けられ得る。天部材374は、それらのブラケット342をこの天部材374に固定するのに十分な長さである。ブラケット342は、スライドドア300の上端部において、スライドドア300に取り付けられ得る。天部材374は、実継ぎ(凹凸接合)376によって、ブラケット342に取り付けられ得る。具体的には、天部材374は、この天部材374の左側と右側にVノッチを有し得る。ブラケット342は、それに合わせたV形舌部を有するハウジング378を有し得る。それらのV形舌部は、天部材374のV形ノッチに滑入され得るとともに、接着剤又は止めネジによって定位置に保持され得る。ブラケット342のハウジング378は、ガラスドア300に固定された一対の板に取り付けられ得る。その一対の板380は、ドア300を挟持しており、ボルト381でハウジング378に固定される。
【0035】
2つのブラケット342を、ドア300の垂直中心線344の各側において、ドア300に装着し得る。それらのブラケット342は、垂直中心線344から等距離で垂直中心線344から離間して配置されてよく、これにより、ドア300を水平に保持するように、磁石316,318の反発力が垂直方向上向きに均等に作用し得ることで、ブラケット342は軌道314に接触しないか、又は最小限にしか接触しない。磁石316は、天部材374において、天部材374の長さに沿って延びるキャビティ382内に埋め込まれ得る。磁石316は、単一の細長い磁石であってよく、それは、天部材374の少なくとも50%にわたって、最大で天部材374の全長にわたって延びる。磁石316は、組み付けられたときに垂直中心線344に関して均等に分布するように位置決めされ得る。
【0036】
また、磁石316は複数の磁石316であり得ることも想定される。この場合、磁石316,318によって生じる反発力が、ブラケット342に上向きの力を均等に作用させるように、それらの複数の磁石は、天部材374の長さに沿って均等に分布させ得る。これは、磁石316,318によってドア300を水平姿勢に保持することを許容するためである。
【0037】
また、軌道314も、磁石318を受容するキャビティ383を有し得る。磁石318は、軌道314の全長又は軌道314の十分な長さにわたって延び得、これにより、天部材374に埋め込まれた磁石316は、常に磁石318による反発を受ける。限定するものではない例として、磁石318は、軌道314の長さの80%又は90%にわたって延び得る。これらの磁石316,318は、キャビティ382,383内に埋め込まれて、接着剤又はネジなどの他の装着機構によって、定位置に保持され得る。磁石316,318によって生じる反発力は、スライドドア300の重量に等しいものであり得、該スライドドア300の重量は、ブラケット342、天部材374、及び磁石316、並びにスライドドアに取り付けられ得る他の構成要素、すなわち、スライドドア300が閉位置と開位置との間で横移動するときにスライドドアと共に移動し得る他の構成要素を含む。磁石316,318の構成は、上述のような天部材374が理由で、より長い長さにわたって磁石316が分布し得ること以外は、図1~3に示す実施形態に関連した磁石16,18の構成と同一であってよい。天部材374はより長く、天部材374に埋め込まれる磁石316は、より長い長さに沿って分布させることができる。
【0038】
ここで図15を参照して、ハウジング378は、安定化ローラ384を有し得る。ドア300に対して2つの安定化ローラ384があってよい。安定化ローラ384は、ブラケット342のそれぞれのハウジング378内に隠されていてよい。安定化ローラ384は、矢印385で示すように回転し得る。軌道314は、内向きフィンガ386を有し得る。これらのフィンガ386間の距離は、安定化ローラ384の直径387に等しいか、又はそれよりもわずかに大きくてよい。限定するものではない例として、フィンガ386間の距離は、安定化ローラ384の直径387よりも、約0.0254mm(1000分の1インチ)~約6.35mm(4分の1インチ)大きくてよい。安定化ローラ384は、ハウジング378に回転可能に取り付けられる。安定化ローラ384は、フィンガ386を間に保持する上側と下側のリッジ388を有し得る。これに関連して、ドア300は、フィンガ386がリッジ388間で移動し得るのと等しい量で、垂直に移動し得る。これに関連して、磁石316,318は互いに反発して、磁石316,318によって生じる反発力がドア300の重量に等しくなるまで、ドア300を垂直方向上方に変位させる。また、これは、本明細書で開示する他の実施形態で、磁石の反発力とスライドドアの重量を平衡させるように機能する方法でもある。
【0039】
次に図16図20を参照して、同図には第5の実施形態のシャワー室420が示されている。シャワー室320と同様に、壁及びシャワーヘッドは図示していない。シャワー室420は、壁の間に延びるとともに壁22,24に取り付けられた軌道414を有し得る。軌道414は、図20に示すような押出構成を有し得る。軌道414に、固定ドア426がネジで取り付けられ得る。磁石416と418によって生じる反発力で、スライドドア400を垂直に浮揚して保持し得る。反発用磁石416は、スライドドア400に固定取り付けられる。限定するものではない例として、スライドドア400は、ネジでガラスドア400に取り付けられた磁石受け部材474を有し得る。磁石受け部材474は、1つ又は複数のいずれかの磁石416を受容する受容キャビティを有し得る。磁石416は、磁石受け部材474の全長に沿って延びる単一の細長い磁石416であってよい。或いは、複数の磁石416がある場合には、それらの複数の磁石を、磁石受け部材474の長さに沿って均等に分布させてよい。
【0040】
磁石416の配分は、第4の実施形態のシャワードア320に関して説明した磁石316の配分と同じガイドラインに従ってよい。また、磁石418は、軌道314に対する磁石318と同様に、軌道414内に埋め込まれてよい。
【0041】
軌道414は、溝476を有し得る。溝476は、スライドドア300に取り付けられた1つ以上の車輪478を受容し得る。例えば、これらの図面に示すように、スライドドア300は、水平方向に互いに同じ高さにある2つの車輪478を有し得る。これらの車輪478は、軌道414の溝476内に乗って走行し得る。
【0042】
車輪478は、中心軸に関して矢印479の方向に回転可能であり得る。これらの車輪478が軌道414の溝476内を移動するときに、車輪478は回転し得る。スライドドア400が開位置と閉位置との間で横移動するときに、車輪478は軌道414に接触しないことが好ましい。むしろ、磁石416,418によって生じる反発力を、ドア400の重量と平衡させるべきである。より具体的には、磁石416,418の反発力は、ドアの重量に等しくてよい。車輪478は、ドア400の重量を全く支持していないことが好ましい。一方、これらの1つ以上の車輪478は、溝476に形成されたスロット481内に受容されるリッジ480を有し得る。このように、ドア400が軌道414から外れることを許さないようにしている。
【0043】
ドアの重量482を矢印482で表しており、これは、磁石416,418によって生じる上向きの力484に対して偏倚483されている。磁石416,418の反発力を、矢印484で表している。この偏倚483は、ドアを矢印485の方向に回転させる。ドア400を垂直姿勢に維持するために、ドア400の下端部においてドア400の内側にローラ486を配置してよく、これを、ドア400が垂直姿勢に維持されるように位置決めしてよい。このローラ486にドアが押し当てられ、ドア400が開位置と閉位置との間で横移動するときに、ローラ486は回転し得る。
【0044】
次に図21図25を参照して、同図には、第6の実施形態のシャワー室520が示されている。図21図25に示す第6の実施形態は、以下のことを除いて、第5の実施形態のシャワー室420と同じように機能する。軌道514は、壁22,24に取り付けられる。軌道514に、固定ドア526が取り付けられる。軌道514と、スライドドア500に取り付けられた磁石受け部材574は、埋め込まれた磁石516、518を有し、これらにより、それらの間の接触をいずれも防ぐようにドア500を浮揚するための反発力を発生させる。スライドドア500は、2つのローラ586を有し得る。それぞれのローラ586は、溝587を有し得る。軌道514は、ローラ又は車輪586の溝587内に受容される延長舌部588を有し得る。これにより、ドア500が軌道514から外側方に外れることを防止又は軽減することが可能となる。
【0045】
次に図26図30を参照して、同図には、第7の実施形態のシャワー室620を示している。図26図30に示す第7の実施形態は、以下で説明することを除いて、本明細書で説明する他の実施形態と同じように機能する。軌道614は、壁に取り付けられ得る。一方又は両方のドアを、左右に横移動させてよい。軌道614と、ドア600a,600bに取り付けられ得る磁石受け部材674a,674bは、その中に埋め込まれた磁石616a,616b,618a,618bを有し得ることにより、それらの間の接触をいずれも防ぐようにドア600a,600bを浮揚するための反発力を発生させる。
【0046】
軌道614は、アルミニウム又は他の適切な材料からなる単一の細長い押出片であり得る。或いは、軌道614は、相互に組み付けられたアルミニウムの複数の細長い押出片から製造されることがある。限定するものではない例として、軌道614は、押出インサート678a,678bを有し得る。これに関連して、軌道614は、ベース680及び2つのインサート678a,678bを含み得る。ベース680は、磁石受け部材674a,674bを受容するキャビティ682を有し得る。具体的には、ベース680は、それぞれ個別に磁石受け部材674a,674b及びインサート678a,678bを受容するキャビティ682a,682bを有し得る。インサート678a,678bは、キャビティ692a,692b内に受容され得る。インサート678a,678bは、基部694a,694bを有し得る。基部694a,694bは、キャビティ692a,692bに合わせた構成を有し得る。限定するものではない例として、基部694a,694bとキャビティ692a,692bは、一致した台形構成を有し得る。基部694a,694bを、キャビティ692a,692bに自由に滑入させ得る。基部694a,694bは、接着剤(例えば、シリコーン)によって定位置に保持され得る。ベース680及びインサート678a,678bは、相対する両端が壁22,24に取り付けられるための、十分な長さであり得る。一方、磁石受け部材674a,674bは、ドア600a,600bの要部又は全幅にわたって延びるための、十分な長さであり得る。より具体的には、磁石受け部材は、ドア600a,600bの要部又は全幅にわたって延びるブラケット642を備え得る。
【0047】
さらに、磁石受け部材674a,674bは、図30に示すように、ドア600a,600bの相対する両端に安定化ローラ684a,684bを有し得る。これらの安定化ローラ684は、垂直軸686に関して回転可能であり得る。安定化ローラ684は、キャビティ682a,682bの距離690よりもわずかに小さい直径688を有し得る。ドア600a,600bが左右にスライドするときに、ローラ684によって、磁石616a,616b,618a,618b及びドア600a,600bの垂直アライメントが維持される。
【0048】
ブラケット642a,642bの底側に、ガラスドア600a,600bを磁石受け部材674a,674bのブラケット642a,642bに装着するブラケット679を有し得る。
【0049】
次に図31~35を参照すると、第8の実施形態のシャワー室720を示している。図31~35に示す第8の実施形態は、以下で説明することを除いて、本明細書で説明する他の実施形態と同じように機能する。図31に、左右にスライドする2つのドア700a,700bを示している。一方、図31Aに、軌道714を左右に横移動する単一のドア700を示している。図示していない他方のドアは固定であり得る。図31A及び本明細書で説明する他の実施形態では、軌道がドア開口の上方に取り付けられ得ることで、人や物が開口を通り抜けることを許す開位置と、人や物が開口を通り抜けることを阻止する閉位置との間で、ドア700を往復スライドさせることが可能である。
【0050】
軌道714と、ドア700a,700bに取り付けられ得る磁石受け部材774a,774bは、その中に埋め込まれた磁石716a,716b,718a,718bを有し得ることで、それらの間の接触をいずれも防ぐか、又は接触を最小限とするように、ドア700a,700bを浮揚するための反発力を発生させる。
【0051】
磁石受け部材774a,774bは、安定化ローラ784a,784bを有し得る。安定化ローラ784a,784bは、図34に示すように、ドア700a,700bの相対する両端に配置され得る。これらの安定化ローラ784a,784bは、垂直軸786に関して回転可能であり得る。安定化ローラ784は、キャビティ782a,782bの距離790よりもわずかに小さい直径788を有し得る。ドア700a,700bが左右にスライドするときに、ローラ784a,784bをキャビティ782a,782bの内面に押し当てることによって、磁石716a,716b,718a,718b及びドア700a,700bの垂直アライメントが維持される。
【0052】
また、本明細書で図示及び説明したドアは、ガラスドアであるものとして記載されている。しかしながら、それらのドアは、同様に他の材料で製造され得ることも想定され、それらの材料として、木材、プレキシガラスなどが含まれるが、ただし、これらに限定されない。上記の種々の態様及び実施形態では、ブラケットは、ドアの垂直中心線から等距離に離間して設定されているものとして説明した。これに関連して、垂直中心線の相対する両側において、ブラケットに埋め込まれた磁石によって生じる反発力は、互いに等しい。一方、垂直中心線の相対する両側において発生する反発力を垂直中心線に関して非対称に設定し得ることで、同じく非対称の反発力を発生させながらも、ドアを上方に均等に浮揚し得ることも想定される。
【0053】
軌道14,114,314,414,514,614,714は、ドア開口の周囲の構造体に直接的又は間接的に取り付けられてよく、これにより、軌道14,114,314,414,514,614,714は、ドア開口の上方に配置され得るとともに、軌道14,114,314,414,514,614,714に係合したドアは、開位置と閉位置との間で横移動し得る。閉位置では、人や物がドア開口を通り抜けできないように、ドアはドア開口の前面に配置される。開位置では、人や物がドア開口を通り抜けできるように、ドアはドア開口からずらされている。また、使用時に軌道がより目立ちにくいように、軌道14,114,214,314,414,514,614をドア開口の周囲の構造体内に埋め込み得ることも想定される。ドア開口の周囲の構造体は、壁、ヘッダ、敷居、床であり得る。これに関連して、ドアは、ドア開口の前面でバーンドアとして機能するものであってよい。
【0054】
図26図35に示す第7及び第8の実施形態では、磁石618a,618b及び718a,718bは、インサート678a,678b及び778a,778b内に挿入される。それらのインサート678a,678b及び778a,778bは、磁石618a,618b及び718a,718bがインサート678,778内に配置されるまでは、ベース680,780内に挿入されない。磁石618a,618b及び718a,718bがインサート678,778内に配置されたら、インサート678,778は軌道614、714のベース680,780内に挿入される。インサート678,778は、接着剤(例えば、シリコーン)で定位置に保持され得る。
【0055】
本明細書に記載の種々の態様及び実施形態は、シャワードアによって例示される磁気浮上ドアに関するものである。しかしながら、これらの磁気浮上ドアの種々の態様及び実施形態は、スライド網戸、掃き出し窓、水平スライド窓、又は開口を開閉するために水平にスライドするパネルを有する他の任意のドアもしくは開口、に組み込んでよい。
【0056】
(付記)
好ましい実施形態として、上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下記載する。
[項目1]
ドア開口の前面に配置可能であり、かつ、開位置と閉位置との間で横移動可能な第1のドアを具備するドアアセンブリであって、該ドアアセンブリは、
前記第1のドアであって、前記開位置と前記閉位置にスライド可能であり、長さを画定する第1のドアと、
前記第1のドアの上端部に取り付けられたブラケットと、
前記ドア開口の上部に近接して配置される軌道であって、前記第1のドアの長さの約2倍の長さを画定し、前記ブラケットがスライド可能に取り付けられる、前記軌道と、
前記ブラケットの上部に近接して設けられた第1の磁石であって、前記第1のドアの前記長さよりも短い長さを有する、前記第1の磁石と、
前記軌道の上部に取り付けられた第2の磁石であって、前記第1のドアの長さよりも長い長さを有し、前記第1の磁石と互いに垂直に整合するとともに、反発力を生成するために第1の磁石に臨む面が同極である、前記第2の磁石と、
前記ブラケットに回転可能に取り付けられ、かつ、前記第1のドアが前記開位置と前記閉位置との間で横移動する際に前記第1の磁石と前記第2の磁石とを垂直に整合させるために前記軌道内に配置される安定化ローラと、
を備え、
前記ブラケットは、前記第1の磁石と前記第2の磁石とにより生じる反発力によって前記第1のドアの重量を支持し得るように、前記軌道の外周を包囲するように配置されるドアアセンブリ。
[項目2]
前記第2の磁石は、前記軌道の長さの約80%超である、項目1に記載のドアアセンブリ。
[項目3]
前記第1の磁石は、前記第2の磁石上で前記第1のドアの平衡が保たれるように前記第1のドアの相対する両側に配置された複数の磁石である、項目1に記載のドアアセンブリ。
[項目4]
前記第2の磁石は、前記第1のドアが前記開位置と前記閉位置との間で横移動するときに前記第1のドアを均等に浮上させるように端から端まで配置された単一の連続した磁石又は複数の磁石である、項目1に記載のドアアセンブリ。
[項目5]
前記軌道は、前記ドア開口を画定する、前記第1のドアの左右の支柱若しくはヘッダ、又は前記左右の支柱及び前記ヘッダに取り付けられる、項目1に記載のドアアセンブリ。
[項目6]
前記第1の磁石と前記第2の磁石の反発力は、前記第1のドアの重量に等しい、項目1に記載のドアアセンブリ。
[項目7]
前記第1の磁石と前記第2の磁石の反発力は、前記第1のドアの重量よりも小さい、項目1に記載のドアアセンブリ。
[項目8]
前記安定化ローラの回転軸線は垂直に向いているとともに、前記回転軸線は、前記第1の磁石及び前記第2の磁石と交差している、項目1に記載のドアアセンブリ。
[項目9]
前記安定化ローラの前記回転軸線は、前記軌道に取り付けられた前記第2の磁石の幅の中心と交差しており、該幅は、前記第1の磁石及び前記第2の磁石の長さを横断する、項目8に記載のドアアセンブリ。
[項目10]
前記軌道は、当該軌道の長さに沿って延びる凹部を有するとともに、前記安定化ローラは、前記軌道の前記凹部内に配置され、かつ、前記第1のドアが前記開位置と前記閉位置との間で横移動する際に前記凹部内で長さ方向に横移動可能である項目1記載のドアアセンブリ。
上記説明は、例示によるものであって、限定するものではない。上記の開示を踏まえて、当業者であれば、本明細書で開示する発明の範囲及び趣旨の範囲内にある変形例を考案できるであろう。また、本明細書に開示の実施形態の種々の特徴は、単独で、又は様々に互いに組み合わせて用いることができ、本明細書に記載の特定の組み合わせに限定されるものではない。よって、請求項の範囲は、例示された実施形態によって限定されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図31A
図32
図33
図34
図35
【手続補正書】
【提出日】2023-08-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドア開口の前面に配置可能であり、かつ、開位置と閉位置との間で横移動可能な第1のドアを具備するドアアセンブリであって、該ドアアセンブリは、
前記第1のドアであって、前記開位置と前記閉位置にスライド可能であり、長さを画定する第1のドアと、
前記第1のドアの上端部に取り付けられたブラケットと、
前記ドア開口の上部に近接して配置される軌道であって、前記第1のドアの長さの約2倍の長さを画定し、前記ブラケットがスライド可能に取り付けられる、前記軌道と、
前記ブラケットの上部に近接して設けられた第1の磁石であって、前記第1のドアの前記長さよりも短い長さを有する、前記第1の磁石と、
前記軌道の上部に取り付けられた第2の磁石であって、前記第1のドアの長さよりも長い長さを有し、前記第1の磁石と互いに垂直に整合するとともに、反発力を生成するために第1の磁石に臨む面が同極である、前記第2の磁石と
を備え、
前記ブラケットは、前記第1の磁石と前記第2の磁石とにより生じる反発力によって前記第1のドアの重量を支持し得るように、前記軌道の外周を包囲するように配置されるドアアセンブリ。
【請求項2】
前記第2の磁石は、前記軌道の長さの約80%超である、請求項1に記載のドアアセンブリ。
【請求項3】
前記第1の磁石は、前記第2の磁石上で前記第1のドアの平衡が保たれるように前記第1のドアの相対する両側に配置された複数の磁石である、請求項1に記載のドアアセンブリ。
【請求項4】
前記第2の磁石は、前記第1のドアが前記開位置と前記閉位置との間で横移動するときに前記第1のドアを均等に浮上させるように端から端まで配置された単一の連続した磁石又は複数の磁石である、請求項1に記載のドアアセンブリ。
【請求項5】
前記軌道は、前記ドア開口を画定する、前記第1のドアの左右の支柱若しくはヘッダ、又は前記左右の支柱及び前記ヘッダに取り付けられる、請求項1に記載のドアアセンブリ。
【請求項6】
前記第1の磁石と前記第2の磁石の反発力は、前記第1のドアの重量に等しい、請求項1に記載のドアアセンブリ。
【請求項7】
前記第1の磁石と前記第2の磁石の反発力は、前記第1のドアの重量よりも小さい、請求項1に記載のドアアセンブリ。