(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129630
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】低複雑度イーサネットノード(LEN)1ポート
(51)【国際特許分類】
H04L 69/323 20220101AFI20230907BHJP
【FI】
H04L69/323
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023121807
(22)【出願日】2023-07-26
(62)【分割の表示】P 2021577628の分割
【原出願日】2020-06-04
(31)【優先権主張番号】62/868,288
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519383544
【氏名又は名称】アナログ・ディヴァイシス・インターナショナル・アンリミテッド・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】シーマス・ライアン
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・デイヴィッド・アルサップ
(57)【要約】
【課題】ホストデバイスをネットワークノードとしてスイッチドネットワークに結合するためのネットワークインターフェースモジュールが説明される。
【解決手段】ネットワークインターフェースモジュールは、スイッチドネットワークの共有バスに通信可能に結合するための単一の半二重ポートと、共有バスを介して受信された1つのマルチキャストリードフレームを格納するようにサイズ設定された少なくとも1つのフレームキューと、論理回路と、を備える。論理回路は、スイッチドネットワークの他のネットワークノードのための複数の読み取りコマンドを含む、マルチキャストリードフレームのペイロードに含まれるインターフェースモジュールのための読み取りコマンドを復号し、共有バスが送信可能であることを検出すると、共有バス上で読み取りデータを含む応答フレームを送信するように構成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホストデバイスをネットワークノードとしてスイッチドネットワークに結合するためのネットワークインターフェースモジュールであって、前記ネットワークインターフェースモジュールは、
スイッチドネットワークの共有バスに通信可能に結合するための単一の半二重ポートを含む第1の外部インターフェースと、
ホストデバイスに通信可能に結合するための第2の外部インターフェースと、
前記共有バスを介して受信された1つのマルチキャストリードフレームを格納するようにサイズ設定された少なくとも1つのフレームキューと、
論理回路であって、
前記スイッチドネットワークの他のネットワークノードのための複数の読み取りコマンドを含む、前記マルチキャストリードフレームのペイロードに含まれる前記インターフェースモジュールのための読み取りコマンドを復号することと、
前記共有バスが送信可能であることを検出すると、前記共有バス上で読み取りデータを含む応答フレームを送信することと、を行うように構成されている、論理回路と、を含む、ネットワークインターフェースモジュール。
【請求項2】
ネットワークマスターノードを前記スイッチドネットワークの前記共有バスに通信可能に結合するための専用シリアルペリフェラルインターフェース(SPI)を含む第3の外部インターフェースを含む、請求項1に記載のネットワークインターフェースモジュール。
【請求項3】
前記フレームキューは、1つのマルチキャストライトフレームを格納するようにサイズ設定されており、
前記論理回路は、前記スイッチドネットワークの他のネットワークノードのための書き込みデータを含む複数の部分を含む前記マルチキャストライトフレームの指定された部分から書き込みデータを抽出し、前記抽出された書き込みデータを前記ホストデバイスに送信するように構成されている、請求項1に記載のネットワークインターフェースモジュール。
【請求項4】
前記少なくとも1つのフレームキューは、より高い優先フレームキューおよびより低い優先フレームキューを含み、前記論理回路は、前記共有バスが送信に利用可能であることを検出すると、前記より低い優先キューからフレームを送信する前に、前記より高い優先キューからフレームを送信するように構成されている、請求項1に記載のネットワークインターフェースモジュール。
【請求項5】
前記ネットワークインターフェースモジュールは、ネットワークスレーブノードに含まれ、前記マルチキャストリードフレームの前記ペイロードは、前記ネットワークスレーブノードおよび他のネットワークスレーブノードのための複数のコマンドを含み、
前記論理回路は、前記共有バスが送信可能であることを検出すると、前記ネットワークスレーブノードにアドレス指定されたコマンドを復号し、前記読み取りデータを前記スイッチドネットワークのマスターノードに送信するように構成されている、請求項1に記載のネットワークインターフェースモジュール。
【請求項6】
前記論理回路が、前記共有バス上で前記応答フレームを送信するときに衝突が検出されると、前記少なくとも1つのフレームキュー内に前記応答フレームを保持するように構成されている、請求項1に記載のネットワークインターフェースモジュール。
【請求項7】
前記論理回路は、フレームのペイロードに含まれる前記インターフェースモジュールのための読み取りまたは書き込みコマンドを復号するように構成されている、請求項1に記載のネットワークインターフェースモジュール。
【請求項8】
前記ペイロードは、他のネットワークノードをターゲットとするマルチキャスト読み取りまたは書き込みコマンドを含む、請求項7に記載のネットワークインターフェースモジュール。
【請求項9】
複数のインターフェースタイプを含み、
前記論理回路は、受信フレームのペイロードに含まれる前記ネットワークインターフェースモジュールのための複数のコマンドを復号し、前記複数のコマンドのうちの1つのコマンドに含まれる前記複数のインターフェースタイプのための複数のコマンドを復号するように構成されている、請求項1に記載のネットワークインターフェースモジュール。
【請求項10】
前記論理回路は、データを含まない前記応答フレームをフレーム受信確認として送信するように構成されている、請求項1に記載のネットワークインターフェースモジュール。
【請求項11】
スイッチドネットワークであって、
第1のネットワークマスターノードと、
ネットワークスレーブノードであって、前記ネットワークスレーブノードが、ネットワークインターフェースモジュールによって前記ネットワークに接続されたホストデバイスを含み、前記ネットワークインターフェースモジュールが、
前記スイッチドネットワークの共有バスに接続された単一の半二重ポートを含む第1の外部インターフェースと、
ホストデバイスに接続された第2の外部インターフェースと、
前記共有バスを介して受信された1つのマルチキャストリードフレームを格納するようにサイズ設定された少なくとも1つのフレームキューと、
論理回路であって、
前記スイッチドネットワークの他のネットワークノードのための複数の読み取りコマンドを含む、前記マルチキャストリードフレームのペイロードに含まれる前記インターフェースモジュールのための読み取りコマンドを復号することと、
前記共有バスが送信可能であることを検出すると、前記共有バス上で読み取りデータを含む応答フレームを送信することと、を行うように構成されている、論理回路と、を含む、ネットワークインターフェースモジュールである、ネットワークスレーブノードと、を含む、スイッチドネットワーク。
【請求項12】
前記ネットワークインターフェースモジュールを通じて前記スイッチドネットワークに接続された第2のネットワークマスターノードを含み、
前記ネットワークインターフェースモジュールは、前記第2のネットワークマスターノードに接続された専用シリアルペリフェラルインターフェース(SPI)を含む第3の外部インターフェースを含む、請求項11に記載のスイッチドネットワーク。
【請求項13】
前記ネットワークインターフェースモジュールの前記論理回路が、
前記ネットワークスレーブノードおよび前記スイッチドネットワークの他のスレーブノードのための複数のコマンドのフレームペイロードを含む受信フレームから前記ネットワークスレーブノードのための読み取りコマンドを抽出することと、
前記共有バスが送信に利用可能であることを検出すると、前記読み取りコマンドを復号し、前記読み取りデータを前記スイッチドネットワークの前記第1のネットワークマスターノードに送信することと、を行うように構成されている、請求項11に記載のスイッチドネットワーク。
【請求項14】
前記ネットワークインターフェースモジュールは、複数のインターフェースタイプを含み、
前記論理回路は、
前記ネットワークスレーブノードおよび前記スイッチドネットワークの他のスレーブノードのための複数のコマンドのフレームペイロードを含む受信フレームから前記ネットワークスレーブノードのためのコマンドを抽出することと、
前記抽出されたコマンドに含まれる前記複数のインターフェースタイプのための複数のコマンドを復号することと、を行うように構成されている、請求項11に記載のスイッチドネットワーク。
【請求項15】
前記共有バスにスレーブノードとして結合されたネットワークインターフェースモジュールを含み、前記第1のネットワークマスターノードが中間ネットワーク接続を介して前記共有バスに結合されている、請求項11に記載のスイッチドネットワーク。
【請求項16】
すべてのネットワークノードが、共有ネットワークリンク上で送信されるすべてのデータを見る、マルチドロップスイッチドネットワークの動作を制御する方法であって、
第1のネットワークマスターノードによって、マルチキャストリードフレームを、前記共有ネットワークリンクに結合された複数のネットワークスレーブノードに送信することと、
前記マルチキャストリードフレームを、前記共有ネットワークリンクに結合された半二重ポートを使用して、第1のネットワークスレーブノードの第1のネットワークインターフェースモジュールのフレームキューに受信することと、
前記第1のネットワークインターフェースモジュールによって、前記複数のネットワークスレーブノードの他のネットワークスレーブノードのための複数の読み取りコマンドを含む、前記マルチキャストリードフレームのペイロードに含まれる前記第1のネットワークインターフェースモジュールに結合されたホストデバイスのための読み取りコマンドを復号することと、
前記共有ネットワークリンクが送信可能であることを検出すると、前記共有ネットワークリンク上で読み取りデータを含む応答フレームを送信することと、を含む、方法。
【請求項17】
前記第1のネットワークインターフェースモジュールの第1の外部インターフェース上で前記マルチキャストリードフレームを受信することであって、前記第1の外部インターフェースが前記共有ネットワークリンクに接続されている、前記受信することと、
前記読み取りデータを、前記第1のネットワークインターフェースモジュールの第2の外部インターフェース上で前記第1のネットワークインターフェースモジュールに接続されたホストデバイスから受信することと、
前記第1のネットワークインターフェースモジュールの前記第1の外部インターフェース上で前記応答を送信することと、
前記第1のネットワークインターフェースモジュールの第3の外部インターフェース上で第2のネットワークマスターノードから別のスレーブノードのためのコマンドを受信することであって、前記第2のネットワークマスターノードが前記共有ネットワークリンクに接続されていない、前記受信することと、
前記共有ネットワークリンクが利用可能であることを検出すると、前記第1の外部インターフェース上で前記コマンドをブロードキャストすることと、を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のネットワークインターフェースモジュールの第1の外部インターフェースを使用して、前記第1のネットワークインターフェースモジュールの前記フレームキュー内にマルチキャストライトフレームを受信することであって、前記第1の外部インターフェースが前記共有ネットワークリンクに接続されている、前記受信することと、
前記複数のネットワークスレーブノードの他のネットワークスレーブノードのための書き込みデータを含む複数の部分を含む前記マルチキャストライトフレームの指定された部分から書き込みデータを抽出することと、
前記第1のネットワークインターフェースモジュールの第2の外部インターフェースを使用して、前記抽出された書き込みデータを前記ホストデバイスに送信することと、を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のネットワークインターフェースモジュールの前記フレームキューにマルチキャストコマンドフレームを受信することであって、前記マルチキャストコマンドフレームのペイロードは、前記複数のネットワークスレーブノードの他のネットワークスレーブノードを対象とするマルチキャストリードまたは書き込みコマンドを含む、前記受信することと、
前記ペイロードに含まれる前記第1のネットワークインターフェースモジュールのための第1のコマンドを復号することと、
前記第1のコマンドに含まれる前記第1のネットワークインターフェースモジュールの異なるインターフェースタイプの複数のインターフェースのための複数のコマンドを復号することと、を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記共有ネットワークリンク上の衝突を検出すると、前記第1のネットワークインターフェースモジュールの前記フレームキュー内に前記応答フレームを保持することを含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、2019年6月28日に提出された米国仮出願第62/868,288号の優先権を主張し、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本書は、スイッチドネットワークに関し、特に、マルチポイントネットワークおよびマルチドロップネットワークにインターフェースするデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
エリアネットワーク(例えば、ワイドエリアネットワーク(WAN)またはローカルエリアネットワーク(LAN))は、複数のネットワークノードから構成される。例えば、イーサネットプロトコルなどのプロトコルに従ってデータのパケットを送信することによって、ネットワークのノード間で情報を通信することができる。ネットワークスイッチデバイスを使用して、エリアネットワークを実現することができる。しかしながら、ネットワークスイッチは、典型的には、複数のポートを含み、各ポートは、通信のためのハードウェアおよびソフトウェアを含む。これにより、ネットワークスイッチデバイスは、特定のアプリケーションでは法外なコストがかかる。
【0004】
図面において、必ずしも縮尺どおりに描かれていないが、同様の数字は、異なる図面において同様の構成要素を表す場合がある。異なる文字の接尾辞を有する同様の数字は、同様の構成要素の異なる例を表す場合がある。図面は、一般的に、限定ではなく例として、本書において考察された様々な実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1A】低複雑度マルチドロップネットワークの例のブロック図である。
【
図1B】低複雑度マルチドロップネットワークの例のブロック図である。
【
図1C】低複雑度マルチドロップネットワークの例のブロック図である。
【
図2】ネットワークインターフェースモジュールの例のブロック図である。
【
図3A】低複雑性マルチドロップネットワークのさらなる例のブロック図である。
【
図3B】低複雑性マルチドロップネットワークのさらなる例のブロック図である。
【
図4A】ネットワークインターフェースモジュールの別の例のブロック図を示す。
【
図4B】ネットワークインターフェースモジュールの別の例のブロック図を示す。
【
図5】半二重マルチドロップネットワークのためのマルチキャストライトフレームの例である。
【
図6】半二重マルチドロップネットワークのためのユニキャストライトフレームの例である。
【
図7】全二重ポイントツーポイントネットワークのためのマルチキャスト読み取り要求の例の図である。
【
図8】半二重マルチドロップネットワークのためのマルチキャストリード要求の例の図である。
【
図9】半二重マルチドロップネットワークのためのマルチキャストリードフレームの例である。
【
図10】半二重マルチドロップネットワークのためのユニキャストリードフレームの例である。
【
図11】低複雑性マルチドロップネットワークのさらなる例のブロック図である。
【
図12】低複雑性マルチドロップネットワークのさらなる例のブロック図である。
【
図13】低複雑性マルチドロップネットワークのさらなる例のブロック図である。
【
図14】低複雑性マルチドロップネットワークのさらなる例のブロック図である。
【
図15】低複雑性マルチドロップネットワークのさらなる例のブロック図である。
【
図16】低複雑性マルチドロップネットワークのさらなる例のブロック図である。
【
図17】低複雑性マルチドロップネットワークのさらなる例のブロック図である。
【
図18】スイッチドネットワークの動作を制御する方法の例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
イーサネットネットワークなどのスイッチドネットワークを実装するコストを削減するために、低複雑性マルチポイントまたはマルチドロップネットワークを半二重デバイスを使用して実装することができる。
【0007】
図1Aは、低複雑性マルチドロップネットワークの例のブロック図である。ネットワークは、マスターデバイス102、またはマスターノードと、共有ネットワークリンク108(例えば、共有バス)上のネットワークノードとして接続された複数のネットワークインターフェースモジュールとを含む。本例では、マルチドロップネットワークは、イーサネットネットワークであり、ネットワークインターフェースモジュールは、イーサネットネットワークインターフェースモジュール(EIM)である。マスターデバイス102は、記載の機能を行うのに十分な処理能力を有する任意のイーサネット認識デバイスであってもよい。例としては、パーソナルコンピュータ(PC)、クラウドベースのサーバ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、電子制御ユニット(ECU)、中央/ゾーン処理ユニット、または専用コントローラが挙げられる。マスターデバイス102は、スレーブノードであるEIMによって行われるアクションを開始し、リードフレーム、ライトフレーム、検出フレーム、および状態フレームをEIMに送信する。
【0008】
EIM104は、デバイス(例えば、ホストデバイス110)をネットワークに接続するために使用される。EIMを単純かつ低コストに維持するために、EIM104は、ハードウェア回路のみから構成され得、ソフトウェアに含まれる命令を実行するプロセッサまたはコントローラを含まなくてもよい。EIM104は、記載の機能を行うためのハードウェア状態機械および他の論理回路を含んでよい。ネットワークは、マスターデバイスおよびEIM以外の他のイーサネットデバイス106を含み得る。これらの他のデバイスは、物理(PHY)層、メディアアクセス制御(MAC)層を含み、典型的には、ネットワークを使用してデータを転送することに関連する機能を実行するためのマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含む。
【0009】
ネットワークは、すべてのネットワークノードが、共有リンク(例えば、共有バス)上で送信されるすべてのデータを見るマルチドロップネットワークである。マルチドロップネットワークのブロードキャストの性質上、ネットワーク上に単一の送信機と複数の受信機が同時に存在する。ネットワークノードは、共有ネットワークリンク108への単一の半二重ポートのみを有する。リンクへのアクセスは、すべてのネットワークノード間で共有されるため、各ノードは、他のノードが現在送信していない場合にのみ送信することができる。これは、ネットワークノードが共有リンクが利用可能になるまで送信されるすべての関連情報を格納する必要があり、その時点で共有リンク上でデータを送信することができ、共有リンク上の他のすべてのノードがデータを受信することができることを意味する。マルチドロップネットワークの半二重の性質は、ネットワークノードが共有リンク上の衝突を適切に処理できる必要があることも意味する。
【0010】
図2は、ネットワークインターフェースモジュール204(例えば、EIM)の例のブロック図である。ネットワークインターフェースモジュール204の半二重ポートは、PHY層212およびMAC層214を含む。ネットワークインターフェースモジュール204は、フレームをローカルにバッファリングするフレームキュー216を含む。フレームは、送信が成功するか、または再試行制限に達するまで、フレームキュー216に保持されることになる。ネットワークインターフェースモジュール204は、評価ロジック220による受信パケットの評価のための短いキュー218を含み得るか、または評価ロジックは、フレームキュー216を使用してフレームを評価し得る。評価ロジック220は、受信フレームが短いキュー218を横断する際に監視し、フレームの宛先アドレスをこのデバイスのローカルに格納されたアドレスと比較する。エラーのあるフレームは破棄される。読み取り/書き込みロジック224およびレジスタ/メモリ空間226は、接続されたデバイスとのデータ転送のために使用される。読み取り/書き込みロジック224およびレジスタ/メモリ空間226のサイズおよび複雑さは、接続されたデバイスの複雑さに依存する。外部デバイス(例えば、ホストデバイス)は、外部インターフェース222に接続される。外部インターフェース222のいくつかの例は、シリアルペリフェラルインターフェース(SPI)、汎用入出力(GPIO)インターフェース、およびユニバーサル非同期受信機/送信機(UART)インターフェースを含む。
【0011】
半二重マルチドロップネットワークでは、データは一度に送信または受信しかできないため、ノードがその入口/出口ポートからデータを送信したい場合、共有リンクが利用可能である場合、ノードは、着信データを失う危険なしにこれを行うことができ(定義上、送信中と同時に受信することができない)、MAC層での衝突の処理に必要なものを超えて受信データをバッファリングする追加の要件はない。
【0012】
これにより、半二重イーサネットネットワーク上の低複雑性イーサネットデバイスは、ネットワーク内のマスターデバイスから明示的に要求されることなく、送信されるイーサネットデータのフレームを簡単に生成することができる。フレームの生成は、一般的に、何らかのローカルイベントに応答する。このようなローカルイベントのいくつかの例には、以下のようなものがある。
・ノード内で発生するイベント(例えば、メモリアクセスエラー、ローカルタイムアウトなど)
・ネットワークインターフェース上で発生するイベント(例えば、フレームチェックシーケンスエラー、ロックの喪失/回復、ネットワーク過負荷状態の消失、間違ったコマンドシーケンスなど)
・センサ/アクチュエータインターフェース上のイベント(例えば、外部センサからプッシュされたデータ、外部IOトリガ、フレーミングエラー、プロトコルチェックエラー、衝突エラーなど)
・グローバル同期時間またはローカルフリー実行時間(例えば、同期データキャプチャ、出力または再生、ハートビートステータス更新など)に対して作動する時間トリガイベント
これらの機能は、ネットワークのマスタースレーブアーキテクチャの一部としてマスターデバイスによって構成されてもよい。
【0013】
半二重マルチドロップネットワークにおいて、ネットワークマスターノード(例えば、
図1Aのマスターデバイス102)は、スレーブノードから上記の情報を照会するために、スレーブノードがそれらのデータを入れるためのコンテナフレームを提供する必要はない。このような運用には、いくつかのメリットがある。ネットワーク効率が向上する(ネットワークトラフィックを減らしても、情報量が同じかより多くなる)。あらかじめ決められていない方法でネットワークアクセスを必要とするポーリングデバイスの必要性を取り除く。スレーブノードがネットワークにアクセスするための遅延を改善する。
【0014】
図1Bは、ネットワークが複数のマスターデバイス102(マスター1、マスター2)および複数のEIM104(EIM A、EIM B、EIM C)を含む、低複雑性イーサネットマルチドロップネットワークの別の例のブロック図である。ネットワークは、ユニキャストフレームおよびマルチキャストフレームを送信するために使用することができる。
【0015】
次のネットワークシーケンスは、半二重マルチドロップネットワークでのユニキャストおよびマルチキャスト操作についての衝突検出/バックオフ送信管理を示す。
1.マスター1は、発見フレームをデフォルトのマルチキャストアドレスに送信する。
2.EIM Aは、最短のバックオフを有し、発見応答フレームの正常な送信を開始する。
3.EIM B、マスター2、およびEIM Cは、EIM Aが終了した後に応答を送信しようとすると、すべて衝突する。
4.マスター2は、リンクを制御し、その応答を正常に送信する。
5.EIM Cは、制御し、送信する。
6.EIM Bがリンクを制御し、送信する。
この時点で、マスター1とマスター2の両方は、セグメント上のデバイスの全体像をつかんでいる。次に、単一キャスト操作を使用して、マスター1は、今後のネットワーク運用を最適化するために、ユニキャスト送信遅延、マルチキャスト送信遅延、および送信の最大再試行回数などいくつかのパラメータを各デバイスにプログラムする。
【0016】
各EIMは、送信/応答時間を最小限に抑えるために、最小限のユニキャスト送信遅延値でプログラムされる。マルチキャスト遅延の場合、衝突がなく、応答のタイミングが常に同じであるように、デバイスは、優先順位が付けられる。マスターデバイス302が失敗に迅速に応答できるように、再試行回数を小さな値に設定することができる。
・ EIM A
○ ユニキャスト送信遅延TX_DELAY_MIN
○ マルチキャスト送信遅延MCAST_TX_DELAY_MIN
○ 最大再試行回数2(例えば)
・ EIM B
○ ユニキャスト送信遅延TX_DELAY_MIN
○ マルチキャスト送信遅延MCAST_TX_DELAY_MIN+DELAY_INCREMENT
○ 最大再試行回数2
・ EIM C
○ ユニキャスト送信遅延TX_DELAY_MIN
○ マルチキャスト送信遅延MCAST_TX_DELAY_MIN+(2 * DELAY_INCREMENT)
○ 最大再試行回数2
これにより、ネットワーク全体の応答性が最大化され、ユニキャストとマルチキャストの両方の運用が使用できる。この場合、ユニキャスト操作は次のように進むことに留意されたい。
・ マスターデバイスは、単一のマルチキャストフレームを送信する
・ 各EIMは、フレームに順番に応答する。
【0017】
図1Cは、ネットワークがマスターデバイス102および共有ネットワークリンク108に接続された複数のEIM 104(EIM A、EIM B、EIM C)を含む、低複雑性イーサネットマルチドロップネットワークの別の例のブロック図である。EIM Bは、複数のセンサまたはアクチュエータを共有ネットワークリンク108に接続する。複数のセンサまたはアクチュエータは、EIM Bの外部インターフェースに接続される共有バス160に追加される。特定の例では、複数のセンサ/アクチュエータは、例えば、SPI、GPIOインターフェース、またはUARTインターフェースを使用して並列に接続される。特定の例では、複数のセンサ/アクチュエータは、アナログ信号入力および出力を通じてEIMに接続される。
【0018】
図3Aは、低複雑性イーサネットマルチドロップネットワークの別の例のブロック図である。マスターデバイス302は、中間ネットワーク接続(例えば、ネットワークブリッジデバイス)を通じて接続され、ネットワークリンク308によってスレーブノードに接続される必要はない。
【0019】
図3Bは、さらに別の低複雑性イーサネットマルチドロップネットワークのブロック図である。ネットワークは、複数のマスターデバイス302を含むが、マスターデバイスの1つ(例えば、マイクロコントローラユニット、またはMCU)は、EIM304を通じてネットワークに接続される。EIMを通じて接続されたマスターデバイスは、マイクロコントローラに接続されたPHYレイヤおよびMACレイヤを含む。これにより、スレーブデバイスは、マスターデバイスとスレーブデバイスの両方として機能することができる。
【0020】
図4Aおよび
図4Bは、EIM404であるネットワークインターフェースモジュールの例のブロック図を示す。EIM404は、ホストデバイス(図示せず)を、マルチドロップネットワークのための低複雑性半二重ネットワークノードとしてマルチドロップネットワークに結合する。変形例では、ホストデバイスは、センサまたはアクチュエータとすることができ、ネットワークインターフェースモジュールは、ホストデバイスが産業用モノのインターネット(IIoT)の一部になることを可能にする。他の変形例では、ネットワークインターフェースモジュールは、ホストデバイスを自動車、航空機、または鉄道の用途のためのネットワークの一部にすることができる。
【0021】
図4Bでは、EIM404の半二重ポートは、PHY層412、MAC層414、および外部入力/出力(IO)インターフェースを含む。関連するデバイスへの外部インターフェース422は、SPIとGPIOインターフェースの一方または両方を含むことができる。外部インターフェースの他のオプションは、集積回路間(I2C)インターフェース、改善された集積回路間(I3C)インターフェース、コントローラエリアネットワーク(CAN)インターフェース、CANフレキシブルデータレート(CAN-FD)インターフェース、次の進化CAN(CAN-XL)インターフェース、ローカルインターネットネットワーク(LIN)インターフェース、汎用クロックIO、UART、周辺センサインターフェース5(PSI5)などを含み得る。EIM404は、半二重ポートMAC層およびPHY層に加えて、専用SPI424を有する第2の外部インターフェースを含み得る。これは、
図3Bの例のように、EIM404がデュアルマスタおよびスレーブデバイスとして機能することを可能にする。これは、一例として、センサ/アクチュエータに接続され、専用SPI424を通じて接続された追加のデバイスにマスターとして動作するMCUと並行して、低複雑性イーサネット(LCE)スレーブデバイスを有することが有用であり得る。
【0022】
メモリ426(例えば、ランダムアクセスメモリまたはRAM)およびレジスタ427は、ホストデバイスとデータを転送するために使用される。EIM404は、受信されたフレームを評価するための受信分析論理回路420を含む。EIM404は、高優先フレームキュー416および低優先フレームキュー417も含む。複数の受信(Rx)および送信(Tx)キュー416は、フレーム単位で専用SPI424または半二重ポートのいずれかに、およびそこからトラフィックが誘導されることを可能にし、また、送信および受信の両方のトラフィックの優先順位付けを可能にする。キューは各々、最大フレームサイズの少なくとも1つのフレームを格納するのに十分な大きさである。いくつかの態様では、キューはフレーム全体を保持しない。キュー416は、送信元アドレス、宛先アドレス、VLANヘッダ、Ethertype、LENサブコマンドおよびLENコマンドのみを格納してよく、フレームがオンザフライで生成されているときに、ペイロードはメモリ426から読み出される。
【0023】
EIM404はまた、フレームビルダ430も含む。フレームビルダ430は、送信するためのフレームを構築するための状態機械論理回路を含み得る。フレームビルダ430は、フレームをオンザフライで構築することができる(例えば、フレームが送信されるとき)。フレームビルダ430は、フレームヘッダ(例えば、標準的なイーサネットフレームヘッダ)ネットワークコマンドおよびメモリ426から読み出されるペイロードデータを含むフレームを構築する。
【0024】
EIM404は、外部MCUへの並列インターフェース経路も含み得る。これは、外部センサ/アクチュエータを制御する低複雑性ネットワークインターフェースに加えて動作し得る。このインターフェースは、高および低優先度TxおよびRxキュー416を通じてMAC層にアクセスする。フレームは、受信したフレームの宛先アドレスに基づいて、低複雑性インターフェースまたは外部MCUのいずれかにルーティングされる。Txメッセージルーターは、MACへのアクセスを仲裁する。外部MCUへのこの並列インターフェースは、ローカルセンサおよびアクチュエータが低複雑性ネットワークインターフェースを介して制御されると同時に、ネットワークアクセスを提供する。
【0025】
EIM404は、暗号化論理回路432を含み得る。マスターノードは、暗号化されたデータをスレーブノードとしてEIM404と通信し得る。暗号化論理回路432は、データを暗号化および復号するために一意の鍵を使用してもよい。EIM404は、フレームがいつ送信または受信されるかを示すタイムスタンプをフレームに追加するタイムスタンプ論理回路を含み得る。
【0026】
EIM404は、時間同期のためのハードウェアベースのオプションを提供するために、PHY層412に接続された時間/同期回路434を含み得る。このハードウェアは、時間同期フレーム(802.1AS-rev)を処理し、同期フレーム内に含まれるネットワークグランドマスタークロックからトランスポートされるグローバル時間にローカルクロックを同期および合成するために、入出力フレームのためのキャプチャされたイベントタイムスタンプに加えて、中の情報を使用する。グローバル時間インターフェースは、外部インターフェース422に行き、そこで、データキャプチャのタイムスタンプ/タイムドアクチュエーションのスケジュール/同期されたクロックソースの作成のために使用することができる。時間同期ハードウェアは、ネットワークの遅延を計算し、時間同期情報を要求し、応答するために、時間同期フレームを送受信する。同期された時間は、同期された時間に基づいてイベントを作動させ、同期されたクロックソースを作成し、内部およびセンサ/アクチュエータインターフェース上の両方のイベントにタイムスタンプを付けるためにローカルに使用される。
【0027】
半二重ポートに到着するイーサネットユニキャストおよびマルチキャストライトフレームは、関連するイーサタイプ、アドレスおよびコマンドについてチェックされ、マルチドロップネットワークによって実装されるネットワークプロトコル(例えば、イーサネットプロトコル)に従って復号および処理される。適切な場合、データは、RAM426の関連するセクションに書き込まれる。共有リンクのため、衝突の可能性が高く、衝突が検出される前に部分的なフレームが受信される例が多いことを意味する。ネットワークプロトコルは、フレームが完全に受信され、フレームチェックシーケンス(FCS)が検証されるまで、ホストアクションまたはレジスタ書き込みを実行しないことによって、これらの状況に対処する。
【0028】
EIM404は、ユニキャストおよびマルチキャストフレームを受信し、処理することができる。
図5は、マルチドロップネットワークのための複数の低複雑性イーサネットコマンドを含むマルチキャストライトフレームの例である。マルチキャストフレーム書き込みは、ユニキャストフレーム書き込みよりもデータ効率とレイテンシの面でいくつかのかなりの利点がある。マルチキャストフレームでは、プレアンブル、宛先アドレス、送信元アドレス、仮想ローカルエリアネットワーク(VLAN)ヘッダ(含まれている場合)、イーサタイプ、パディング(必要な場合)、およびFCSのオーバーヘッドが、マルチキャストアドレスによってアドレス指定される各ノード間で共有される。これらのフィールドを含む単一のマルチキャストフレームは、各ノードに書き込まれるデータおよび/またはコマンド(例えば、
図5のノード1からNで、Nは1より大きい整数である)とともに1回のみ送信され、各ノードは、ノード宛のデータおよびコマンドを抽出する。次に、抽出されたデータは、スレーブノードに関連付けられたホストデバイスに転送され得る。
【0029】
メッセージペイロードは、各個々のコマンドが、スレーブデバイスのマルチキャストグループ内の1つ以上のインターフェースに向けられることを可能にするために、「宛先オーバーライド」フィールドを含むことができる。各デバイスのデータの固定オフセット位置は必要ない。
【0030】
各LCEコマンドは、シーケンス番号を受信し得る。これらのシーケンス番号は、順次インクリメントされる。インターフェースが順不同のシーケンス番号を持つコマンドを受信した場合、そのコマンドは処理されない。任意選択のエラーイベント割り込みフレームも生成され、コマンドを発信するマスターデバイスに返送され得る。EIM内でローカルに生成されたすべてのメッセージには、受信時にマスターによって検証されなければならないシーケンス番号も含まれる。LCEコマンドヘッダに適切なフラグを設定することにより、LCEスレーブノードに肯定応答フレームを要求することができる。これらの要求がLCEスレーブデバイスによって受信され、処理されると、LCEは、受信すると予想される次の予想されるシーケンス番号を含むフレームで応答する。順不同のシーケンス番号が受信されると、次の予想されるシーケンス番号はインクリメントされず、したがって、スレーブデバイスは、常に、シーケンスが中断されたポイントを示す応答をし、マスターデバイスが適切な是正措置を取ることを可能にする。
【0031】
図6は、マルチドロップネットワークのための単一のLCEコマンドを含むユニキャストライトフレームの例である。ユニキャストライトフレームは、1つのネットワークノードに送信される。各ノードのユニキャストアドレス指定は、各ノードに送信されたユニキャストフレーム内でフィールドを一意に複製することを必要とする(例えば、N個のノードの各々について1回)。宛先オーバーライドフィールドは必要ない。
【0032】
マルチキャストマルチコマンドフレームは、レイテンシの観点からも非常に効率的である。各フレームについて上記のフィールドのすべてを繰り返す必要がないことは、送信ノードからマルチキャスト受信ノードのグループへのデータを取得するために必要な時間が大幅に削減されることを意味する。削減の相対的な規模は、ペイロードの大きさに関連する。小さなペイロードの場合、データ効率の向上は、ペイロードサイズがペイロードに対してイーサネットオーバーヘッドを増加させるにつれて有意であり、ユニキャストアドレッシングに対してマルチキャストアドレッシングを使用することから達成されるレイテンシの利点も同様に減少する。
【0033】
出力アクチュエーションまたは入力キャプチャの相対的な同期に加えて、複数のEIMを必要なデータおよび/またはコマンドを事前ロードすることができ、後続のマルチキャストフレームを使用して、すべてのノード上の動作を並行してトリガすることができる。EIMはハードウェアベースであり、各ノードで従来のソリューションの可変ソフトウェア処理のレイテンシを発生させないため、正確な相対時間同期精度を達成することができる。
【0034】
ネットワークリードフレーム、リード/ライトフレーム、構成リードフレーム、発見戻りフレーム、およびステータス戻りフレームもまた、EIM404によって受信され、復号され、処理される。EIM404の半二重動作のため、フレームの関連するセクションは、共有リンクが応答フレームの送信に利用可能になるまで、優先キューに格納される。格納されたフレームフィールドには以下が含まれる。
・ 送信元アドレス(返されたフレームの宛先アドレス)
・ VLANヘッダ
・ ネットワークサブコマンド
・ ネットワークコマンド
○ +関連するペイロードセクション
・ フレームの優先度
キューに格納する必要がないものには以下が含まれる。
・ FCS(チェックされているが、格納されてない)
・ 他のネットワークノードに関連する非適用のマルチキャストフィールド
・ メモリ426に書き込まれるデータ。
【0035】
キュー416は、共有バスが利用可能になるまで送信要求を格納し得る。利用可能になると、最高優先度のキューが最初に送信のためにデータを送信する。キュー416はまた、優先順位の低いフレームよりも処理においてより重要なメッセージを優先して受信することを可能にする優先受信キューを含み、したがって、そのようなフレームに対するネットワークの応答性を増加させる。優先キューは、ネットワークの決定論およびこれらの低複雑性イーサネットデバイスの性能をさらに改善するために、時間同期回路434によって提供されるグローバル時間に同期されるスケジュールと併せて使用され得る。
【0036】
送信の機会があるとき、応答フレームは、フレームビルダ430によって即時に構築され得る。標準のイーサネットフレームヘッダが、格納されたフレーム要求と事前構成されたレジスタとの組み合わせから構築された後、適切なネットワークサブコマンドおよびコマンドが入力され、メモリ426から直接読み出されるデータペイロードコンテンツが続く。メモリ426の内容および格納されたフレーム要求の内容は、フルフレームが共有リンクを介して正常に送信されるまで、または再試行制限に達するまで、キュー内で上書きされないであろう。応答フレームはまた、いかなる読み取りデータも含まずにフレーム受信確認として送信され得る。
【0037】
送信が正常に完了すると、送信要求およびメモリ関連コンテンツは、書き込みアクセスのために解放される。送信中の任意の時点で衝突が発生した場合、フレームビルダ430がインターフェースするMAC層414およびPHY層412のアーキテクチャに応じて、フレーム生成プロセスを凍結、巻き戻す(MAC+PHYに格納されたデータの量に応じて特定の地点に戻す)、または完全に再起動することができる。これは、関連するすべてのデータが依然として利用可能であり(例えば、フレームキュー内で)、衝突の検出のために上書きまたは削除されていないために可能である。
【0038】
マルチキャスト要求が受信されたときにEIM404からネットワークマスターデバイスに返されるデータは、2つのポートがデイジーチェーントポロジでデバイスを接続する全二重ポイントツーポイントネットワークアプローチで転送されるデータに対して最適化される。特定のネットワークノードに関連する要求されたデータのみが、ネットワークノードによって返される。また、マスターデバイスからのデータの要求は、EIM404がそのデータを挿入するためにフレーム内に空間を挿入するために必要とされない。これにより、全二重ポイントツーポイント送信アプローチと比較して、チャネル容量の使用におけるネットワークの効率が向上する。
【0039】
図7は、全二重ポイントツーポイントネットワークのためのマルチキャスト読み取り要求の例の図である。例では、ネットワークマスターノード702は、マルチキャストリードフレーム705を2つのスレーブノード(スレーブノード1、スレーブノード2)に送信する。マルチキャストリードフレーム705は、スレーブノード1およびスレーブノード2の各々から要求されたデータのためのペイロード空間を含む。マルチキャストリードフレーム705は、マスターデバイスからスレーブノード1に渡され、スレーブノード1は、マルチキャストリードフレーム705を処理し、要求されたデータをマルチキャストフレームのスレーブノード1ペイロード空間に挿入することによって、フレームを修正する。次いで、スレーブノード1は、マルチキャストリードフレーム705をスレーブノード2に渡し、スレーブノード2は、マルチキャストリードフレームを処理し、その要求されたデータをスレーブノード2ペイロード空間に挿入する。ネットワークは、全二重デュプレックスポイントツーポイントネットワークであるため、スレーブノード2は、マルチキャストリードフレーム705を反射して、マルチキャストフレームを受信したポートからマスターデバイス702に向けて戻す。
【0040】
マルチキャストリードフレーム705は、ポイントツーポイントフォームノードに渡されて満たされ、その後再びマスターデバイス702に戻されなければならないため、ネットワーク容量が完全に利用されないことが分かる。ノード数が増えると、チャネル容量の使用量は減少する。例えば、マスターデバイス702が8つのスレーブノードから100バイトのデータを読み取りたい場合、マスターデバイス702は、標準のイーサネットフレームプロトコルフィールドに加えて、800バイトのデータのためのペイロード空間を含むマルチキャストリードフレームを構築する必要がある。次いで、大規模マルチキャストリードフレームは、すべての8つのスレーブノードからデータを収集するために、ポイントツーポイントネットワーク内の8つのスレーブノードの各々によって受信、修正、および送信されなければならない(および任意の介在するノードによって受信、および送信される)。
【0041】
図8は、半二重マルチドロップネットワークのためのマルチキャストリード要求の例の図である。例では、ネットワークマスターノード802は、マルチキャストリードフレーム805を2つのスレーブノード(スレーブノード1、スレーブノード2)に送信する。スレーブノード804は、EIMであってもよい。各スレーブノードは、フレームに含まれる1つ以上のコマンドを復号し、要求された読み取りデータを伴う応答フレーム810をマスターデバイス802に返す。
【0042】
マルチキャストリードフレーム805が、半二重マルチドロップネットワーク上の8つのスレーブノードから100バイトのデータを要求するように構築される例では、フレームは、標準的なイーサネットフィールドおよびマルチドロップネットワークプロトコルフィールドのみを必要とする。マルチキャストリードフレーム805は、各スレーブノードから要求されたデータを運ぶために必要な追加の800バイトのペイロード空間を必要としない。各スレーブノードから送信される応答フレーム810は、要求された100バイトのみを含み、他の7つのスレーブノードからの追加の700バイトを含まない。
【0043】
図9は、半二重マルチドロップネットワークのための異なるEIMデバイス宛の複数の読み取りコマンドのマルチキャストフレーム905の図である。複数のコマンドは、単一のフレーム内に含めることができ、個々のコマンドは、特定のインターフェースタイプ(例えば、SPI、I2Cなど)に関する複数のインターフェースコマンドを含み得る。
【0044】
図10は、半二重マルチドロップネットワークのための単一の読み取りコマンドから構成されるユニキャストフレーム1015の図である。マルチキャストリードフレームには、半二重マルチキャスト読み取り操作のためのペイロードプレースホルダを含める必要はない。受信側スレーブノードは、要求されたデータをマスターノードに返す前に、共有リンク伝送媒体が利用可能になるまで待つ。これにより、
図9に示すように、マルチキャスト読み取り要求フレームを最適化することができる。フレームは、標準のイーサネットフィールドおよびマルチドロップネットワークプロトコルフィールド(例えば、ネットワークコマンドおよびサブコマンド)のみを必要とする。リードフレームは、読み取られるバイト数を示すSPIコマンドフィールドおよびSPIサイズフィールドを含む。フレームにはSPIペイロードのプレースホルダが含まれていないことに留意されたい。スレーブノードから読み取られるデータの量が多いほど、データ効率の向上が大きくなる。複数の読み取りデータプレースホルダが排除されるにつれて、マルチキャスト読み取り動作のためのデータ効率の向上がさらに増大する。
【0045】
本明細書に記載するデバイス、システムおよび方法は、低複雑性マルチドロップスイッチドネットワークを提供する。ネットワークのプロトコルは、チャネル容量の使用を最適化するマルチキャストおよびユニキャスト操作を利用する。
【0046】
図11は、低複雑性マルチドロップネットワークの別の例のブロック図である。ネットワークは、マルチドロップ方式で複数のセンサおよびアクチュエータ1142を接続する単一のイーサネットリンク1108上のネットワークノードとして接続された1つ以上のマスターデバイス1102および複数のEIM1104を含む。単一の低複雑性マルチドロップネットワーク1100は、複数のレガシーネットワークの置き換えをサポートすることができる。センサノード1140またはアクチュエータノード1142では、すべての処理がマスターノード1102で行われることを可能にする処理は必要とされない。マスターノード1102は、中央またはゾーン処理ユニットまたは他の電子制御ユニット(ECU)に組み込まれ得る。このネットワークは、車のドアおよび車のシートのためのセンサおよびアクチュエータの接続を提供するために使用することができる。
【0047】
図12は、低複雑性マルチドロップネットワークの別の例のブロック図である。ネットワークは、マイクロフォン1244およびスピーカ1246などの複数のオーディオデバイスをネットワークに接続する単一のイーサネットリンク1208上のネットワークノードとして接続される1つ以上のマスターデバイス1202およびEIM1204を含む。ネットワークは、オーディオデバイスノードでの処理を必要とせずに、複数のオーディオデバイスへのイーサネット接続をサポートする。これは、自動車用途のための低レイテンシの決定論的接続を提供する。
【0048】
図13は、低複雑性マルチドロップネットワークの別の例のブロック図である。ネットワークは、複数の超音波センサ1348または他の超音波デバイスをネットワークに接続する単一のイーサネットリンク1308上のネットワークノードとして接続される1つ以上のマスターデバイス1302およびEIM1304を含む。マルチドロップアプローチは、各超音波センサから処理を取り除くことを可能にし、マスターノード1302内に処理を統合する。
【0049】
図14は、低複雑性マルチドロップネットワークの別の例のブロック図である。ネットワークは、発光ダイオードの複数のアレイ(LEDアレイ1450)をネットワークに接続する、単一のイーサネットリンク1408上のネットワークノードとして接続された1つ以上のマスターデバイス1402およびEIM1404を含む。LEDアレイ1450は、車両の内部照明または車両の外部ヘッドライトに使用できる。低複雑性技術を使用しない従来のイーサネットデバイス1406もネットワークに接続することができる。
【0050】
図15は、低複雑性マルチドロップネットワークの別の例のブロック図である。ネットワークは、アナログ-デジタル変換(ADC)デバイス1552およびデジタル-アナログ変換(DAC)デバイス1554を接続する、単一のイーサネットリンク1508上のネットワークノードとして接続された1つ以上のマスターデバイス1502およびEIM1504を含む。
【0051】
図16は、低複雑性マルチドロップネットワークの別の例のブロック図である。ネットワークは、単一のイーサネットリンク1608上のネットワークノードとして接続された1つ以上のマスターデバイス1602およびEIM1604を含む。
図15のネットワークと同様に、ネットワークは、アナログ-デジタル変換(ADC)デバイス1652およびデジタル-アナログ変換(DAC)デバイス1654に接続するが、複数のADCおよびDACは、単一のEIM1604に接続することができる。
【0052】
図17は、低複雑性マルチドロップネットワークの別の例のブロック図である。ネットワークは、ビデオセンサデバイス1756およびビデオディスプレイデバイス1758を接続する単一のイーサネットリンク1708上のネットワークノードとして接続された1つ以上のマスターデバイス1702およびEIM1704を含む。
【0053】
図18は、スイッチドネットワークの動作を制御する方法1800の例のフロー図である。スイッチドネットワークは、本明細書に記載の例示的なネットワークのいずれでもよい。スイッチドネットワークは、すべてのネットワークノードが共有ネットワークリンク上で送信されるすべてのデータを見るマルチドロップスイッチドネットワークである。
【0054】
1805において、マルチキャストコマンドフレームは、ネットワークマスターノードから、共有ネットワークリンクに結合された複数のネットワークスレーブノードに送信される。ネットワークスレーブノードは、ネットワークインターフェースモジュールを使用して共有リンクに結合されるノードを含む。
【0055】
1810において、マルチキャストフレームは、第1のネットワークスレーブノードの第1のネットワークインターフェースモジュールのフレームキューに受信される。マルチキャストフレームは、共有ネットワークリンクに結合された半二重ポートを使用して受信される。1815において、マルチキャストフレームが、第1のネットワークインターフェースモジュールに結合されたホストデバイスのためのマルチキャストリードフレームである場合、第1のネットワークインターフェースモジュールは、マルチキャストフレームのペイロード内の読み取りコマンドを復号する。マルチキャストフレームのペイロードは、複数のネットワークスレーブノードの他のネットワークスレーブノードのための複数の読み取りコマンドを含むことができる。
【0056】
読み取りデータは、第1のネットワークインターフェースモジュールによってホストデバイスから取り出され、1820で、共有ネットワークリンクが送信に利用可能であることを検出すると、読み取りデータを含む応答フレームが共有ネットワークリンク上で送信される。マルチキャストフレームは、PHY層およびMAC層を含む半二重ポートであるスイッチドネットワークへのインターフェース上で受信され得、応答フレームは、半二重ポートを使用して送信され得る。読み取りデータは、ホストデバイスに結合された第2のインターフェースを使用してホストデバイスから取得され得る。
【0057】
第1のスレーブノードのネットワークインターフェースモジュールは、共有ネットワークリンクに接続されていない第2のマスターノードに接続される第3の外部インターフェースを含み得る。ネットワークインターフェースモジュールは、第2のマスターノードから1つ以上の他のスレーブノードのためのコマンドを受信し、共有リンクが利用可能であるときに、半二重ポートを使用してコマンドをブロードキャストし得る。
【0058】
低複雑性は、自動車、航空機および鉄道用途、産業オートメーション、建物オートメーション(例えば、センサ、エレベータなどの制御)などの様々な技術領域で説明されたネットワークを使用する利点を提供する。他の技術領域としては、バックプレーン用途(例えば、多点低電圧差動信号(M-LVDS)ネットワークの物理層)が挙げられる。
【0059】
追加の説明および態様
【0060】
第1の態様(態様1)は、スイッチドネットワークの共有バスに通信可能に結合するための単一の半二重ポートを含む第1の外部インターフェースと、ホストデバイスに通信可能に結合するための第2の外部インターフェースと、共有バスを介して受信された1つのマルチキャストリードフレームを格納するようにサイズ設定された少なくとも1つのフレームキューと、論理回路と、を含む、主題を含む(ネットワークインターフェースモジュール)を含む。論理回路は、スイッチドネットワークの他のネットワークノードのための複数の読み取りコマンドを含む、マルチキャストリードフレームのペイロードに含まれるインターフェースモジュールのための読み取りコマンドを復号し、共有バスが送信可能であることを検出すると、共有バス上で読み取りデータを含む応答フレームを送信するように構成される。
【0061】
態様2において、態様1の主題は、任意選択で、ネットワークマスターノードをスイッチドネットワークの共有バスに通信可能に結合するための専用シリアルペリフェラルインターフェース(SPI)を含む第3の外部インターフェースを含む。
【0062】
態様3において、態様1および2の一方または両方の主題は、任意選択で、1つのマルチキャストライトフレームを格納するようにサイズ設定されたフレームキューと、スイッチドネットワークの他のネットワークノードのための書き込みデータを含む複数の部分を含むマルチキャストライトフレームの指定された部分から書き込みデータを抽出し、抽出された書き込みデータをホストデバイスに送信するように構成されている論理回路と、を含む。
【0063】
態様4において、態様1~3のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題は、任意選択で、より高い優先フレームキューおよびより低い優先フレームキューと、共有バスが送信に利用可能であることを検出すると、より低い優先キューからフレームを送信する前に、より高い優先キューからフレームを送信するように構成されている論理回路と、を含む。
【0064】
態様5において、態様1~4のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題は、任意選択で、ネットワークスレーブノードに含まれるネットワークインターフェースモジュールを含み、マルチキャストリードフレームのペイロードは、ネットワークスレーブノードおよび他のネットワークスレーブノードのための複数のコマンドと、共有バスが送信可能であることを検出すると、ネットワークスレーブノードにアドレス指定されたコマンドを復号し、読み取りデータをスイッチドネットワークのマスターノードに送信するように構成されている論理回路と、を含む。
【0065】
態様6において、態様1~5の1つまたは任意の組み合わせの主題は、任意選択で、共有バス上で応答フレームを送信するときに衝突が検出されると、少なくとも1つのフレームキュー内に応答フレームを保持するように構成されている論理回路を含む。
【0066】
態様7において、態様1~6のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題は、任意選択で、フレームのペイロードに含まれるインターフェースモジュールのための読み取りまたは書き込みコマンドを復号するように構成されている論理回路を含む。
【0067】
態様8において、態様7の主題は、任意選択で、他のネットワークノードをターゲットとするマルチキャスト読み取りまたは書き込みコマンドを含むフレームのペイロードを含む。
【0068】
態様9において、態様1~8の1つまたは任意の組み合わせの主題は、任意選択で、複数のインターフェースタイプと、受信フレームのペイロードに含まれるネットワークインターフェースモジュールのための複数のコマンドを復号し、複数のコマンドのうちの1つのコマンドに含まれる複数のインターフェースタイプのための複数のコマンドを復号するように構成されている論理回路と、を含む。
【0069】
態様10において、態様1~9の1つまたは任意の組み合わせの主題は、任意選択で、データを含まない応答フレームをフレーム受信確認として送信するように構成されている論理回路を含む。
【0070】
態様11は、主題(スイッチドネットワークなど)を含むか、または任意選択で、態様1~10の1つまたは任意の組み合わせと組み合わせて、そのような主題を含むことができ、第1のネットワークマスターノードと、ネットワークインターフェースモジュールによってネットワークに接続されたホストデバイスを含むネットワークスレーブノードと、を含む。ネットワークインターフェースモジュールは、スイッチドネットワークの共有バスに接続された単一の半二重ポートを含む第1の外部インターフェースと、ホストデバイスに接続された第2の外部インターフェースと、共有バスを介して受信された1つのマルチキャストリードフレームを格納するようにサイズ設定された少なくとも1つのフレームキューと、論理回路であって、スイッチドネットワークの他のネットワークノードのための複数の読み取りコマンドを含む、マルチキャストリードフレームのペイロードに含まれるインターフェースモジュールのための読み取りコマンドを復号することと、共有バスが送信可能であることを検出すると、共有バス上で読み取りデータを含む応答フレームを送信することと、を行うように構成されている、論理回路と、を含む。
【0071】
態様12において、態様11の主題は、任意選択で、ネットワークインターフェースモジュールを通じてスイッチドネットワークに接続された第2のネットワークマスターノードを含み、ネットワークインターフェースモジュールは、第2のネットワークマスターノードに接続された専用シリアルペリフェラルインターフェース(SPI)を含む第3の外部インターフェースを含む。
【0072】
態様13において、態様11および12の一方または両方の主題は、任意選択で、ネットワークスレーブノードおよびスイッチドネットワークの他のスレーブノードのための複数のコマンドのフレームペイロードを含む受信フレームからネットワークスレーブノードのための読み取りコマンドを抽出することと、共有バスが送信に利用可能であることを検出すると、読み取りコマンドを復号し、読み取りデータをスイッチドネットワークの第1のネットワークマスターノードに送信することと、を行うように構成されているネットワークインターフェースモジュールの論理回路を含む。
【0073】
態様14において、態様11~13の1つまたは任意の組み合わせの主題は、任意選択で、ネットワークインターフェースモジュールは、複数のインターフェースタイプを含み、ネットワークスレーブノードおよびスイッチドネットワークの他のスレーブノードのための複数のコマンドのフレームペイロードを含む受信フレームからネットワークスレーブノードのためのコマンドを抽出することと、抽出されたコマンドに含まれる複数のインターフェースタイプのための複数のコマンドを復号することと、を行うように構成されている、論理回路を含む。
【0074】
態様15において、態様11~14の1つまたは任意の組み合わせの主題は、任意選択で、共有バスにスレーブノードとして結合されたネットワークインターフェースモジュールを含み、第1のネットワークマスターノードが中間ネットワーク接続を介して共有バスに結合されている。
【0075】
態様16は、主題(すべてのネットワークノードが、共有ネットワークリンク上で送信されるすべてのデータを見る、マルチドロップスイッチドネットワークの動作を制御する方法など)を含むか、または任意選択で、態様1~15の1つまたは任意の組み合わせと組み合わせて、そのような主題を含むことができ、第1のネットワークマスターノードによって、マルチキャストリードフレームを、共有ネットワークリンクに結合された複数のネットワークスレーブノードに送信することと、マルチキャストリードフレームを、共有ネットワークリンクに結合された半二重ポートを使用して、第1のネットワークスレーブノードの第1のネットワークインターフェースモジュールのフレームキューに受信することと、第1のネットワークインターフェースモジュールによって、複数のネットワークスレーブノードの他のネットワークスレーブノードのための複数の読み取りコマンドを含む、マルチキャストリードフレームのペイロードに含まれる第1のネットワークインターフェースモジュールに結合されたホストデバイスのための読み取りコマンドを復号することと、共有ネットワークリンクが送信可能であることを検出すると、共有ネットワークリンク上で読み取りデータを含む応答フレームを送信することと、を含む。
【0076】
態様17において、態様16の主題は、任意選択で、第1のネットワークインターフェースモジュールの第1の外部インターフェース上でマルチキャストリードフレームを受信することであって、第1の外部インターフェースが共有ネットワークリンクに接続されている、受信することと、読み取りデータを、第1のネットワークインターフェースモジュールの第2の外部インターフェース上で第1のネットワークインターフェースモジュールに接続されたホストデバイスから受信することと、第1のネットワークインターフェースモジュールの第1の外部インターフェース上で応答を送信することと、第1のネットワークインターフェースモジュールの第3の外部インターフェース上で第2のネットワークマスターノードから別のスレーブノードのためのコマンドを受信することであって、第2のネットワークマスターノードが共有ネットワークリンクに接続されていない、受信することと、共有ネットワークリンクが利用可能であることを検出すると、第1の外部インターフェース上でコマンドをブロードキャストすることと、を含む。
【0077】
態様18において、態様16および17の一方または両方の主題は、任意選択で、第1のネットワークインターフェースモジュールの第1の外部インターフェースを使用して、第1のネットワークインターフェースモジュールのフレームキュー内にマルチキャストライトフレームを受信することであって、第1の外部インターフェースが共有ネットワークリンクに接続されている、受信することと、複数のネットワークスレーブノードの他のネットワークスレーブノードのための書き込みデータを含む複数の部分を含むマルチキャストライトフレームの指定された部分から書き込みデータを抽出することと、第1のネットワークインターフェースモジュールの第2の外部インターフェースを使用して、抽出された書き込みデータをホストデバイスに送信することと、を含む。
【0078】
態様19において、態様16~18の1つまたは両方の主題は、任意選択で、第1のネットワークインターフェースモジュールのフレームキューにマルチキャストコマンドフレームを受信することであって、マルチキャストコマンドフレームのペイロードは、複数のネットワークスレーブノードの他のネットワークスレーブノードを対象とするマルチキャストリードまたは書き込みコマンドを含む、受信することと、ペイロードに含まれる第1のネットワークインターフェースモジュールのための第1のコマンドを復号することと、第1のコマンドに含まれる第1のネットワークインターフェースモジュールの異なるインターフェースタイプの複数のインターフェースのための複数のコマンドを復号することと、を含む。
【0079】
態様20において、態様16~19の1つまたは任意の組み合わせの主題は、任意選択で、共有ネットワークリンク上の衝突を検出すると、第1のネットワークインターフェースモジュールのフレームキュー内に応答フレームを保持することを含む。
【0080】
これらの非限定的な態様は、任意の順列または組み合わせで組み合わせることができる。上記の詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する添付図面の参照を含む。図面は、実例として、本発明を実施することができる特定の実施形態を示す。これらの実施形態は、本明細書では「例」とも称される。本書で言及されるすべての刊行物、特許、および特許文献は、参照により個別に組み込まれるかのように、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本書と参照により組み込まれる文書との間に矛盾する使用法がある場合には、組み込まれる参照における使用法は、この文書における使用法の補足と見なされ、調整不能な矛盾については、本書における使用法が制御する。
【0081】
この文書では、「a」または「an」という用語は、特許文書で一般的であるように、「少なくとも1つ」または「1つ以上」の他の例または使用法とは関係なく、1つまたは1つ以上を含むように使用される。本書では、「または」という用語は、特に指定のない限り、「AまたはB」が「AであるがBではない」、「BであるがAではない」、および「AおよびB」を含むように、非排他的な「または」を指すために使用される。添付の特許請求の範囲では、「含む」および「そこで」という用語は、「備える」および「そこで」というそれぞれの用語の平易な英語の同等語として使用される。また、以下の特許請求の範囲において、「含む」および「備える」という用語は制限のないものであり、つまり、請求項でそのような用語の後に列挙されたものに加えて、要素を含むシステム、デバイス、物品、またはプロセスは、依然としてその請求項の範囲内にあると考えられる。さらに、以下の請求項では、「第1」、「第2」、および「第3」などの用語は単にラベルとして使用され、その対象に数値的な要件を課すことを意図するものではない。本明細書に記載される方法の例は、少なくとも部分的に機械またはコンピュータに実装することができる。
【0082】
上記の説明は例示的なものであり、限定的なものではない。例えば、上記の例(またはその1つ以上の態様)を互いに組み合わせて使用することができる。当業者であれば、上記の説明を検討することにより、他の実施形態を使用することができる。要約は、読者が技術的開示の性質を迅速に確認することを可能にするために、37C.F.R§1.72(b)に準拠して提供される。要約は、特許請求の範囲または意味を解釈または限定するために使用されないということを理解した上で提出される。また、上記の発明を実施するための形態では、開示を簡素化するために、様々な特徴をグループ化してまとめることができるこれは、特許請求されていない開示された特徴がいずれかの請求項に不可欠であることを意図するものとして解釈されるべきではない。むしろ、発明の主題は、特定の開示された実施形態のすべての特徴よりも少ない特徴にある場合がある。したがって、以下の特許請求の範囲は、詳細な説明に組み込まれ、各請求項は別個の実施形態としてそれ自体で成り立つ。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲とともに決定されるべきである。
【符号の説明】
【0083】
102 マスターデバイス
104 EIM
106 他のイーサネットデバイス
108 共有ネットワークリンク
110 ホストデバイス
【手続補正書】
【提出日】2023-07-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチドロップネットワークであって、
前記ネットワークのすべてのネットワークデバイスを結合する共有ネットワークリンクと、
マルチキャストリードフレームを、前記共有ネットワークリンクに結合された複数のネットワークスレーブデバイスに送信するように構成されたメディアアクセス制御(MAC)層を含む第1のネットワークマスターデバイスであって、すべてのネットワークデバイスが前記共有ネットワークリンク上で送信されるすべてのデータを見る、第1のネットワークマスターデバイスと、
第1のネットワークスレーブデバイスの第1のネットワークインターフェースモジュールであって、
前記共有ネットワークリンクに結合された半二重ポートと、
前記半二重ポートを介して受信された前記マルチキャストリードフレームを格納するフレームキューと、
前記マルチキャストリードフレームのペイロードに含まれる前記第1のネットワークインターフェースモジュールに結合されたホストデバイスのための読み取りコマンドを検出し、前記共有ネットワークリンク上で送信するための読み取りデータを含む応答フレームを符号化するように構成された論理回路であって、前記マルチキャストリードフレームが、前記複数のネットワークスレーブデバイスの他のネットワークスレーブデバイスのための複数の読み取りコマンドを含む、論理回路と、を含む、第1のネットワークインターフェースモジュールと、を含む、マルチドロップネットワーク。
【請求項2】
前記第1のネットワークインターフェースモジュールが、
前記共有ネットワークリンクに結合された前記半二重ポートを含む第1の外部インターフェースと、
ホストデバイスから前記読み取りデータを受信するために前記ホストデバイスに結合された第2の外部インターフェースであって、前記論理回路が、前記第1の外部インターフェース上で前記応答フレームを送信するように構成されている、第2の外部インターフェースと、
第2のネットワークマスターデバイスから第2のネットワークスレーブデバイスのためのコマンドを受信する第3の外部インターフェースであって、前記第2のネットワークマスターデバイスが前記共有ネットワークリンクに結合されていない、第3の外部インターフェースと、を含み、
前記第1のネットワークインターフェースモジュールの前記論理回路が、前記共有ネットワークリンクが利用可能であることを検出すると、前記第1の外部インターフェース上で前記コマンドをブロードキャストするように構成されている、請求項1に記載のマルチドロップネットワーク。
【請求項3】
前記第1のネットワークインターフェースモジュールが、
前記フレームキューにマルチキャストライトフレームを受信するために前記共有ネットワークリンクに結合された前記半二重ポートを含む第1の外部インターフェースと、
前記ホストデバイスに結合された第2の外部インターフェースと、を含み、
前記論理回路が、
前記他のネットワークスレーブノードのための書き込みデータを含む複数の部分を含む前記マルチキャストライトフレームの指定された部分から書き込みデータを抽出し、
前記第2の外部インターフェースを使用して、前記抽出された書き込みデータを前記ホストデバイスに送信するように構成されている、請求項1に記載のマルチドロップネットワーク。
【請求項4】
前記第1のネットワークインターフェースモジュールが、
前記フレームキューにマルチキャストコマンドフレームを受信するために前記共有ネットワークリンクに結合された前記半二重ポートを含む第1の外部インターフェースであって、前記マルチキャストコマンドフレームのペイロードは、前記マルチドロップネットワークの他のネットワークスレーブデバイスを対象とするマルチキャスト読み取りまたは書き込みコマンドを含む、第1の外部インターフェースを含み、
前記論理回路が、
前記ペイロードに含まれる前記第1のネットワークインターフェースモジュールのための第1のコマンドを復号し、
前記第1のコマンドに含まれる前記第1のネットワークインターフェースモジュールの異なるインターフェースタイプの複数のインターフェースのための複数のコマンドを復号するように構成されている、請求項1に記載のマルチドロップネットワーク。
【請求項5】
前記第1のネットワークインターフェースモジュールの前記論理回路が、前記共有ネットワークリンク上の衝突を検出すると、前記フレームキュー内に前記応答フレームを保持するように構成されている、請求項1に記載のマルチドロップネットワーク。
【外国語明細書】