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特開2023-129631脱落部分を除去するための2段式止血クリップ展開メカニズム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129631
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】脱落部分を除去するための2段式止血クリップ展開メカニズム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/128 20060101AFI20230907BHJP
   A61B 17/122 20060101ALI20230907BHJP
   A61B 17/94 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
A61B17/128
A61B17/122
A61B17/94
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023121813
(22)【出願日】2023-07-26
(62)【分割の表示】P 2021571337の分割
【原出願日】2020-07-22
(31)【優先権主張番号】62/877,873
(32)【優先日】2019-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】レーティネン、ローリー エイ.
(72)【発明者】
【氏名】キング、ジョセフ ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】コンドン、ダニエル
(57)【要約】
【課題】複数のクリップを配置するときに標的部位をより見やすくし、且つより良好な操作性を可能にすること。
【解決手段】クリップと、制御部材と、コネクタとを備える。該コネクタは、クリップアームの対のそれぞれの開口部を貫通するピンを含む。コネクタは、制御部材の遠位端に解放可能に結合されている。それにより、コネクタがロック解除形態にあるときに、カプセルに対する相対的な制御部材の長手方向の移動が、カプセルを開放形態と閉鎖形態との間で移動させる。それにより、制御部材を介してコネクタに第1の予め決められた力が加えられると、ピンが、開口部の第1の部分内に当該ピンが受け入れられるロック解除形態から、開口部の第2の部分内に当該ピンが受け入れられるロック形態に移動される。
【選択図】 図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリップ装置であって、
クリップを備え、該クリップは、カプセルとクリップアームの対とを含み、前記クリップアームが開放形態と閉鎖形態との間で移動可能に前記クリップアームが近位に移動し、前記カプセルの遠位開口から遠位に延出するように、前記クリップアームの対の近位端が前記カプセル内に摺動可能に受け入れられ、前記クリップアームのそれぞれは、その近位端を貫通する開口部を含み、
本クリップ装置の近位部分を通って近位端から遠位端まで延びる制御部材を備え、
コネクタを備え、該コネクタは、前記クリップアームのそれぞれの前記開口部を貫通するピンを含み、前記コネクタは、前記制御部材の前記遠位端に解放可能に結合されており、それにより、前記コネクタがロック解除形態にあるときに、前記カプセルに対する相対的な前記制御部材の長手方向の移動が、前記クリップを前記開放形態と前記閉鎖形態との間で移動させ、それにより、前記制御部材を介して前記コネクタに第1の予め決められた力が加えられると、前記開口部の第1の部分内に当該ピンが受け入れられる前記ロック解除形態から前記開口部の第2の部分内に当該ピンが受け入れられるロック形態に移動されるように、前記ピンが構成される、クリップ装置。
【請求項2】
前記カプセルは、前記カプセルのチャンネル内に半径方向に延びるように付勢されるロッキングタブを含み、それにより、前記ピンが前記開口部の前記第1の部分から前記開口部の前記第2の部分に移動されるときに、前記ピンは、前記クリップを前記閉鎖形態にロックするように前記ロッキングタブに係合して前記ロッキングタブを通り越して移動される、請求項1に記載のクリップ装置。
【請求項3】
前記開口部の前記第1の部分及び前記第2の部分は、途中部分を介して互いに接続されており、前記途中部分は前記第1の部分及び前記第2の部分の幅よりも小さい幅を有しており、それにより、前記ピンと前記途中部分を囲む前記クリップアームの対の一部分のうちの一方が、前記第1の予め決められた力が加わることにより変形し、前記第1の部分から前記第2の部分へ前記ピンが移動することを可能にする、請求項1に記載のクリップ装置。
【請求項4】
前記クリップアームのそれぞれは、前記クリップアームの最近位端から前記開口部まで延びるスリットを含んでフィンガの対を画定し、前記フィンガは、前記第1の予め決められた力が加わると、互いに対して広がることによって変形して、前記ピンが近位方向に前記途中部分を通り越して移動することを可能にする、請求項3に記載のクリップ装置。
【請求項5】
前記ピンは、前記ピンから横向きに外側へ延びて、前記クリップアームのうちの第1のものの外面に被さるオーバーハングを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のクリップ装置。
【請求項6】
前記コネクタは、前記コネクタがロック解除形態からロック形態に移動されるときに、前記コネクタが、前記カプセルの近位端において内向きに変形されたタブを半径方向外向きに移動し、本クリップ装置の前記近位部分から前記クリップを解放するようなサイズ及び形状にされる、請求項1に記載のクリップ装置。
【請求項7】
前記コネクタは、前記制御部材の溶接部、丸められた部分、及びボール形チップのうちの1つを介して前記制御部材に接続され、前記溶接部、前記丸められた部分、及び前記ボール形チップのうちの1つは、前記第1の予め決められた力よりも大きい第2の予め決められた力が前記制御部材に加えられたときに前記制御部材の近位部分から分離するように構成される、請求項1に記載のクリップ装置。
【請求項8】
前記コネクタは、前記クリップアームの対の近位端の間に受け入れ可能な中央部を含む、請求項1に記載のクリップ装置。
【請求項9】
クリップ装置であって、
クリップアームの対を含むカプセルを含むクリップを備え、前記クリップアームが開放形態と閉鎖形態との間で移動されるように前記クリップアームの近位端が前記カプセル内に摺動可能に受け入れられ、前記クリップアームのそれぞれは、その近位端を貫通する開口部を含み、
制御部材を備え、該制御部材は、本クリップ装置の近位部分を通って近位端から遠位端まで延びており、
コネクタを備え、該コネクタは、前記クリップアームのそれぞれの前記開口部を貫通するピンを含み、前記コネクタは前記制御部材の前記遠位端と解放可能に結合され、それにより、前記コネクタがロック解除形態にあるときに、前記カプセルに対する相対的な前記制御部材の長手方向の移動が、前記カプセルを前記開放形態と前記閉鎖形態との間で移動させ、第1の予め決められた力が前記制御部材を介して前記コネクタに加えられたときに、前記コネクタの少なくとも一部分が、前記ピンが前記開口部の第1の部分に受け入れられるロック解除形態から前記ピンが前記開口部の第2の部分に受け入れられるロック形態へ、前記ピンと前記クリップアームとに対し相対移動可能である、クリップ装置。
【請求項10】
前記カプセルは、前記カプセル内に半径方向に延びるように付勢されるロッキングタブを含み、それにより、前記コネクタが前記ロック解除形態から前記ロック形態に移動されるときに、前記コネクタの一部は、前記ロッキングタブに係合して、前記クリップを前記閉鎖形態にロックする、請求項9に記載のクリップ装置。
【請求項11】
前記コネクタは、それを貫通する長孔を含み、前記ピンは、前記長孔内に受け入れられるとともに、当該長孔に対して相対的に、前記ロック解除形態における前記長孔の近位部分から、前記ロック形態における前記長孔の遠位部分まで移動可能である、請求項9に記載のクリップ装置。
【請求項12】
前記長孔の前記近位部分及び遠位部分は、前記長孔の前記近位部分及び遠位部分の幅よりも小さい幅を有する途中部分を介して互いに接続され、それにより、前記第1の予め決められた力が加わることにより、前記ピンが変形して、前記長孔の前記近位部分から前記遠位部分まで移動することを可能にする、請求項11に記載のクリップ装置。
【請求項13】
前記コネクタは、前記ピンが延びる内部部材と、せん断タブを介して前記内部部材に接続される摺動部材とを含み、前記せん断タブは、前記摺動部材を前記ロック解除形態から前記ロック形態に移動させるための前記第1の予め決められた力を受けると、せん断されるように構成される、請求項9に記載のクリップ装置。
【請求項14】
前記摺動部材は、前記内部部材の対向する側面に沿って延びる摺動アームの対を含み、前記摺動アームの遠位端における内向きに延びるフィンガが、前記せん断タブが位置する前記内部部材の遠位端において、前記せん断タブに係合する、請求項13に記載のクリップ装置。
【請求項15】
前記ピンは、摩擦嵌め、溶接、接着剤及び前記ピンから延びるオーバーハングの1つを介して前記クリップアームのそれぞれの前記開口部に係合する、請求項9に記載のクリップ装置。
【請求項16】
前記コネクタは、前記コネクタがロック解除形態からロック形態に移動されるときに、前記コネクタが、内向きに変形されたタブを半径方向外向きに動かして前記内向きに変形されたタブと係合し、本クリップ装置の前記近位部分から前記クリップを解放するようなサイズ及び形状にされる、請求項9に記載のクリップ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡装置に関し、特に胃腸管に沿って組織を治療するための内視鏡用クリップ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡的な胃腸(GI:gastrointestinal)処置中、患者は、GI管壁の穿孔のリスクがあり得るか、又は処置の一部としてGI管壁を塞ぐ必要があり得る。止血クリップは、例えば、管腔の穿孔を塞ぐことと共に、粘膜/粘膜下欠損、出血性潰瘍、動脈、ポリープ、憩室の止血に使用され得る。欠損のサイズに応じて、複数のクリップが使用され得る。
【発明の概要】
【0003】
本発明はクリップを含むクリップ装置に関する。該クリップは、近位端から遠位端まで長手方向に延びるとともにそれを貫通するチャンネルを含むカプセルと、クリップアームの対とを含む。クリップアームの近位端は、チャンネル内に摺動可能に受け入れられて、クリップアームを開放形態と閉鎖形態との間で移動させる。クリップアームの対のそれぞれは、その近位端を貫通する長孔を含む。コネクタは、クリップアームの近位端の間に受け入れ可能な中央部と、中央部から延び、クリップアームのそれぞれの開口部内に受け入れ可能なピンとを含む。コネクタは、ピンが長孔の遠位部分内に受け入れられるロック解除形態から、ピンが、予め決められた力がそれに加えられると、長孔の近位部分内に受け入れられるロック形態に移動可能である。制御部材は、クリップ装置の近位部分を通して、近位端から、コネクタに解放可能に結合される遠位端まで延び、それにより、コネクタがロック解除形態であるとき、カプセルに対する制御部材の長手方向の移動は、クリップを開放形態と閉鎖形態との間で移動させる。
【0004】
ある実施態様では、カプセルは、チャンネル内に半径方向に延びるように付勢されるロッキングタブを含み得、それにより、ピンが長孔の遠位部分から長孔の近位部分に移動されるとき、ピンは、ピンがロッキングタブに係合して、クリップを閉鎖形態でロックするまで、近位方向にロッキングタブを通り越して移動される。
【0005】
ある実施態様では、長孔の遠位部分及び近位部分は、遠位部分及び近位部分の幅よりも小さい幅を有する途中部分を介して接続され得、それにより、ピンとクリップアームの一部のうち一方が変形して、ピンが遠位部分から近位部分まで移動することを可能にする。
【0006】
ある実施態様では、クリップアームのそれぞれは、クリップアームの最近位端から長孔まで延びるスリットを含んでフィンガの対を画定し得、これらのフィンガは、互いに対して広がることによって変形して、ピンが近位方向に途中部分を通り越して移動することを可能にする。
【0007】
ある実施態様では、コネクタは、ピンから延びて、クリップアームのそれぞれの外面に係合するオーバーハングを含み得る。
ある実施態様では、コネクタの中央部は、コネクタがロック解除形態からロック形態に移動されるとき、中央部が、カプセルの近位端において内向きにクリンプされたタブを半径方向外向きに移動させ、クリップ装置の近位部分からクリップを解放するようなサイズ及び形状にされ得る。
【0008】
ある実施態様では、コネクタは、制御部材の溶接部、丸められた部分及びボール形チップの1つを介して制御部材に接続され得、制御部材は、コネクタをロック解除形態からロック形態に移動させるための予め決められた力よりも大きい力がそれに加えられるときに分離するように構成される。
【0009】
本発明はクリップ装置に関する。該クリップ装置はクリップを含む。クリップは、近位端から遠位端まで長手方向に延びるとともにそれを貫通するチャンネルを含むカプセルと、クリップアームの対とを含む。クリップアームの近位端は、チャンネル内に摺動可能に受け入れられて、クリップアームは開放形態と閉鎖形態との間で移動される。クリップアームの対のそれぞれは、その近位端を貫通する開口部を含む。コネクタは、クリップアームの近位端の間に受け入れ可能な中央部と、中央部から延び、クリップアームのそれぞれの開口部内に受け入れ可能なピンとを含む。中央部の少なくとも一部は、予め決められた力がそれに加えられると、ピン及びクリップアームに対してロック解除形態からロック形態に移動可能であるように構成される。制御部材は、クリップ装置の近位部分を通して、近位端から、コネクタに解放可能に結合される遠位端まで延び、それにより、コネクタがロック解除形態であるとき、カプセルに対する制御部材の長手方向の移動は、クリップを開放形態と閉鎖形態との間で移動させる。
【0010】
ある実施態様では、カプセルは、チャンネル内に半径方向に延びるように付勢されるロッキングタブを含み得、それにより、中央部がロック解除形態からロック形態に移動されるとき、中央部の一部は、ロッキングタブに係合して、クリップを閉鎖形態でロックする。
【0011】
ある実施態様では、中央部は、それを貫通する長孔を含み得、ピンは、長孔内に受け入れられ、且つそれに対して、ロック解除形態における長孔の近位部分から、ロック形態における長孔の遠位部分まで移動可能である。
【0012】
ある実施態様では、長孔の近位部分及び遠位部分は、長孔の近位部分及び遠位部分の幅よりも小さい幅を有する途中部分を介して互いに接続され得、それにより、ピンは、変形して、長孔の近位部分から遠位部分まで移動することを可能にする。
【0013】
ある実施態様では、中央部は、内部部材であって、それからピンが延びる内部部材と、せん断タブを介して内部部材に接続される摺動部材とを含み得、せん断タブは、摺動部材をロック解除形態からロック形態に移動させるための予め決められた力を受けると、せん断されるように構成される。
【0014】
ある実施態様では、摺動部材は、内部部材の対向する側面に沿って延びる摺動アームの対を含み得、摺動アームの遠位端における内向きに延びるフィンガは、内部部材の遠位端においてせん断タブに係合する。
【0015】
ある実施態様では、ピンは、摩擦嵌め、溶接、接着剤及びピンから延びるオーバーハングの1つを介してクリップアームのそれぞれの開口部に係合し得る。
ある実施態様では、コネクタの中央部は、コネクタがロック解除形態からロック形態に移動されるとき、中央部が、カプセルの近位端において内向きにクリンプされたタブに係合して、クリンプされたタブを半径方向外向きに移動させ、クリップ装置の近位部分からクリップを解放するようなサイズ及び形状にされ得る。
【0016】
本発明は、組織をクリップ留めする方法にも関する。クリップ装置は、体内の標的部位まで、クリップ装置のクリップが内視鏡の作業チャンネルの遠位端を通り越して遠位方向に延びるまで作業チャンネルを通して挿入される。クリップ装置は、カプセル及びそれに摺動可能に受け入れられるクリップアームの対を含む。クリップ装置は、クリップアームに結合された制御ワイヤを使用して、標的組織が必要に応じて遠位端間に受け入れられるまで開放形態と閉鎖形態との間で移動される。制御ワイヤの遠位端は、コネクタによってクリップアームの近位端に結合され、コネクタは、クリップアームの近位端の間に受け入れられる中央部と、それから延び、クリップアームのそれぞれの近位端を貫通する長孔内に受け入れ可能なピンとを含む。クリップアームは、近位方向にカプセル内に引き入れられて、クリップを閉鎖形態に向かって移動させ、クリップアーム間に標的組織を掴む。クリップは、予め決められた力がコネクタに加えられ、ピンを長孔の遠位部分から長孔の近位部分まで移動させて、ピンが、カプセルのチャンネル内に半径方向に付勢されたロッキングタブに係合するまで、制御部材をカプセルに対して近位方向に引くことによって閉鎖形態でロックされる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A】本発明の例示的な実施形態によるクリップ装置の長手方向側面図。
図1B図1Aの装置によるクリップの長手方向側面の部分透視図。
図2】閉鎖した非展開形態における図1Aのクリップ装置の一部の斜視拡大図。
図3】ロックした展開形態における図1Aのクリップ装置の一部の斜視拡大図。
図4】代替的な実施形態によるクリップ装置のクリップアームに接続されたコネクタの斜視図。
図5図1Aのクリップ装置による制御部材及びコネクタの斜視図。
図6】代替的な実施形態による制御部材及びコネクタの長手方向側面図。
図7】別の代替的な実施形態による制御部材及びコネクタの斜視図。
図8】本発明の別の例示的な実施形態による、閉鎖した非展開形態におけるクリップ装置の一部の斜視拡大図。
図9】ロック形態におけるクリップ装置の一部の斜視拡大図。
図10】ロックした展開形態におけるクリップ装置の一部の側面図。
図11図8のクリップ装置によるコネクタの代替的な実施形態の斜視図。
図12】本発明の別の例示的な実施形態による、閉鎖した非展開形態におけるクリップ装置の一部の斜視拡大図。
図13】ロックした展開形態における図11のクリップ装置の一部の斜視拡大図。
図14図11のクリップ装置によるコネクタの一部の斜視図。
図15】せん断タブがせん断された状態の、図11のクリップ装置によるコネクタの一部の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、以下の説明及び添付図面を参照することによってさらに理解され得、図面では、同様の要素に同じ参照符号が付されている。本発明は、内部組織の穿孔、欠損及び/又は出血を治療するための内視鏡用クリップ装置に関する。場合により、複数のクリップを配置するときに標的部位をより見やすくし、且つより良好な操作性を可能にするために、展開されたクリップがより短いことが好ましいことがあり得る。さらに、脱落部分は、通常の状況下では体内から自然に移動するが、脱落部分は、閉鎖後により大きい欠損部内にトラップされ得る。
【0019】
本発明の例示的な実施形態は、クリップ装置について説明する。該クリップ装置は、カプセル内で摺動可能であり、必要に応じて、開放形態と、組織を挟む閉鎖形態との間で移動するクリップアームを含むクリップを備える。特に、クリップアームは、制御部材によってカプセルに対して移動可能であり、制御部材は、その遠位端において、この制御部材をクリップアームに接続するコネクタを含む。コネクタは、クリップアームの近位端に結合され、クリップが必要に応じて標的組織に被さってクリップ留めされると、コネクタの少なくとも一部は、クリップアームに対して近位方向に摺動して、クリップアームをカプセルに対してロックし、且つ装置の近位部分からのクリップの展開を促す。摺動コネクタは、展開時、クリップアームに取り付けられたままである。摺動コネクタは、そのロックメカニズムを含め、体内に入り込むクリップアームの潜在的な長さを短くし、且つ/又はクリップから脱落する部分を減少させる。本明細書で使用されるとき、近位及び遠位という用語は、装置の使用者に向かう方向及び装置の使用者から離れる方向をそれぞれ指すものとすることが当業者に理解される。
【0020】
図1A図7に示すように、クリップ装置100は、クリップアーム104の対を含むクリップ102を備え、その近位端108は、カプセル106内に摺動可能に受け入れられ、それにより、クリップアームは、クリップアーム104の遠位端110が互いに分離される開放形態と、遠位端110が互いに向かって引き寄せられる閉鎖形態との間で移動し得る。クリップアーム104は、コネクタ114を介してクリップアーム104に結合される制御部材112の近位方向及び遠位方向の移動により、開放形態と閉鎖形態との間で移動される。コネクタ114は、クリップアーム104間のアライメントを維持し、標的組織が挟まれると、カプセル106に対してクリップアーム104をロックし、且つクリップ装置100の近位部分116からのクリップの展開を促し、それにより標的部位へのクリップ102の挿入を促すように構成される。
【0021】
いくつかの実施形態では、クリップ102が標的組織に被さってクリップ留めされると、下記でさらに詳細に説明するように、制御部材112は、コネクタ114の少なくとも一部がクリップアーム104に対して近位方向に摺動してクリップ102を閉鎖形態でロックするまでカプセル106に対して近位方向に引かれて、近位部分116からのクリップ102の展開を促す。近位部分116は、例えば、制御部材112を収納し、且つクリップ102をハンドル119及び/又は1つ若しくは複数のアクチュエータに接続する可撓性長尺状部材117を含み得、ハンドル及び/又はアクチュエータは、使用中、体外に留まって使用者がアクセスできるようにして、使用者が、開放形態と閉鎖形態との間での装置100の動作及び移動を制御し、且つ標的組織に被さってクリップ102を展開することを可能にする。可撓性長尺状部材は、可撓性長尺状部材の遠位端において、ブシュ118により、クリップ102に解放可能に結合され得る。制御部材112は、ハンドル部材の一部に接続された近位端から、コネクタ114に接続される遠位端120まで長尺状部材を通って延びる。
【0022】
カプセル106は、近位端122から遠位端124まで延びるとともにそれを貫通するチャンネル126を含む。一実施形態では、近位端122は、例えば、半径方向内向きにクリンプされたタブ128によってブシュ118に解放可能に結合されるように構成され、タブは、ブシュ118の対応する部分に係合する。カプセル106の近位部分は、チャンネル126内に延びるロッキングタブ130も含む。一例では、ロッキングタブ130は、カプセル106の壁132の切断部分によって画定され、チャンネル126内に角度が付けられるか又は曲げられて、それにより、ロッキングタブ130の近位端134は、カプセル106の中心線に向かって付勢される。
【0023】
クリップアーム104のそれぞれは、近位端108から遠位端110まで延びる。上述の通り、クリップアーム104の近位部分は、カプセル106のチャンネル126内に摺動可能に受け入れられる。具体的には、クリップアーム104のそれぞれの近位端108は、チャンネル126内に摺動可能に受け入れられて、制御部材112を操作することにより、クリップ102を開放形態と閉鎖形態との間で移動させることができるようにする。一実施形態では、クリップアーム104は、開放形態に向かって付勢されるため、カプセル106から出て遠位方向に進められるとき、クリップアーム104は、それらの自然な付勢下で開放形態へと互いに離れるように移動する。アーム104がカプセル106内に近位方向に引き入れられると、クリップアーム104は、カプセル106の壁132によって拘束され、且つ一緒に閉鎖位置に引き寄せられて、遠位端110が互いに隣接する状態になる。当業者は、クリップアーム104を開閉するための任意の数の他のメカニズムが用いられ得ることを理解する。
【0024】
この実施形態のクリップアーム104は、それから延びる係合特徴136も含み、係合特徴は、カプセル106の一部に係合するように構成されるため、係合特徴136がカプセル106に係合すると、クリップアーム104は、カプセル106内に近位方向にさらに移動することを防止される。一実施形態では、係合特徴136は、横方向外向きに延びており、カプセル106内に近位方向へ当該クリップアーム104を引き込み得るサイズに設定されているクリップアーム104のより近位方向にある部分の幅よりも、広い幅を有している。従って、クリップアーム104がカプセル106内に近位方向に引き込まれると、係合特徴136は、カプセル106の遠位端124に当接する。係合特徴136は、係合特徴136がカプセル106と係合した箇所では、クリップアーム104がカプセル106内に十分に近位方向に引き入れられて、両方のクリップアーム104を一緒に閉鎖形態に引き寄せるように、クリップアーム104に沿って位置決めされる。一例では、係合特徴136は、クリップアーム104の長手方向縁から横方向に延びるウィングとして構成される。
【0025】
クリップアーム104の近位端108は、それを貫通する長孔138を含み、それにコネクタ114の一部を受け入れる。長孔138は、途中部分144を介して互いに接続された近位部分140及び遠位部分142を含み、この途中部分の幅は、近位部分及び遠位部分140、142のそれぞれの幅(例えば、直径)よりも小さい幅を有する。近位部分及び遠位部分140、142のそれぞれは、コネクタ114の一部、例えばピン146などを受け入れるようなサイズ及び形状にされる。
【0026】
クリップアーム104がカプセル106に対して移動可能であるロック解除形態では、ピン146は、長孔138の遠位部分142内に受け入れられる(例えば、図2を参照)。クリップアーム104がカプセル106に対して閉鎖形態でロックされるロック形態では、ピン146は、長孔138の近位部分140内に受け入れられる(例えば、図3を参照)。途中部分144の幅は、近位部分及び遠位部分140、142の幅よりも小さいため、クリップ102を閉鎖形態でロックすることが望まれるまで、ピン146が遠位部分142から近位部分140まで不注意で摺動することを防止する。いくつかの実施形態では、ピン146は、予め決められた力が制御部材112によって加えられると、遠位部分142から近位部分140まで移動するように構成される。
【0027】
上述の通り、制御部材112は、コネクタ114を介してクリップアーム104に接続され、それにより、制御部材112の移動は、クリップ102の移動、特にクリップアーム104のカプセル106に対する相対移動を制御する。図5に示すように、コネクタ114は、制御部材112の遠位端120に解放可能に取り付けられ、且つクリップアーム104の近位端108間に受け入れられるようなサイズ及び形状にされる中央部150と、長孔138内に受け入れられるように、中央本体150の対向する側面から延びるピン146とを含む。中央部150は、制御部材112に接続された近位端152から遠位端154まで延びる。
【0028】
一実施形態では、中央部は、クリップアーム104の対応するクリップアームにそれぞれ接触する対向する面156と、対向面156の長手方向縁160に接続する側面158とによって画定される。側面158間の距離は、コネクタ114がクリップアーム104に対して相対的にロック解除形態からロック形態に近位方向に摺動されるとき、側面158がカプセル106の近位端122において内向きにクリンプされたタブ128に係合し、タブ128を半径方向外向きに移動させて、装置100の近位部分116のブシュ118から係合解除し、クリップ102を展開するように選択される。一実施形態では、側面158間の距離は、カプセル106のチャンネル126の幅(例えば、直径)に概ね一致し、それにより、コネクタ114は、その中で長手方向に摺動可能となる。
【0029】
ピン146は、突起162を含み、該突起162は、対向面156のそれぞれから延びて、クリップアーム104のうち対応するものの長孔138内に受け入れられる。一実施形態では、ピン146は、各突起162から横方向に延びるオーバーハング164を含み得、それにより、各突起162が対応するクリップアーム104の長孔138に受け入れられると、オーバーハング164は、クリップアーム104の外面166(例えば、カプセル106の中心線から外れて臨むクリップアーム104の面)に係合し、チャンネル126からクリップアーム104を隔てて、チャンネル126の面に対するクリップアーム104の外面166の摺動から発生し得るいかなる摩擦も防止する。
【0030】
上述の通り、ピン146は、クリップアーム104の係合特徴136がカプセル106の遠位端124に係合して、カプセル106に対するクリップアーム104のさらなる近位方向の移動を防止するとき、ロック解除形態からロック形態に移動する。従って、制御部材112がカプセル106に対して近位方向にさらに移動され、それにより、予め決められた力がコネクタ114に加えられるとき、ピン146は、近位部分及び遠位部分140、142及びピン146よりも小さい幅を有する途中部分144を介して、クリップアーム104の長孔138の遠位部分142から長孔138の近位部分140まで移動する。一例では、ピン146の突起162及び/又はクリップアーム104の、途中部分144の両側に沿って延びる部分の一方は、変形して、それを通り越してピン146が近位方向に移動されることを可能にする。
【0031】
別の例では、図4に示すように、クリップアーム104’の近位端108’は、クリップアーム104’の最近位端169’から長孔138’までスリット168’を含んでフィンガ170’の対を画定する。予め決められた力が、上述のコネクタ114と概ね同様のコネクタ114’に加えられて、コネクタ114’をロック解除形態からロック形態に移動させると、そのフィンガ170’の対は、撓むか又は互いに広がって、コネクタ114’のピン146’を、長孔138’の遠位部分142’から長孔138’の近位部分140’まで、近位部分及び遠位部分140’、142’よりも小さい幅を有する途中部分144’を介して移動させることを容易にする。しかしながら、ピン146’が長孔138’の近位部分140’内に受け入れられると、フィンガ170’は、それらの初期形態に戻り、それにより、ピン146’は、近位部分140’内に保持され、及び上述の通り、クリップアーム104’は、ロッキングタブ130によってカプセル106に対してロックされる。
【0032】
図3に示すように、ピン146は、カプセル106のチャンネル126の幅(例えば、直径)にわたって延び、それにより、ピン146の長さは、当該チャンネル126の幅に概ね対応する。従って、コネクタ114がロック解除形態からロック形態に移動されるにつれて、ピン146は、ロッキングタブ130に沿って摺動して、それを通り越して近位方向に移動し、それにつれてロッキングタブ130を半径方向外向きに移動させる。しかしながら、ピン146がロッキングタブ130を近位方向に越えると、ロッキングタブ130は、その角度が付けられた/クリンプされた形態に戻ることが許容され、それにより、その近位端134は、カプセル106の中心線に向かって延びる。ロック形態では、ピン146は、ロッキングタブ130の近位端134の近位側にあり、それにより、ピン146は、ロッキングタブ130に係合し、且つそれを通り越して遠位方向に移動することを防止され、それによりクリップアーム104をそれに対して閉鎖形態でロックする。
【0033】
上述の通り、コネクタ114は、制御部材112の遠位端120に解放可能に結合される。従って、コネクタ114がロック形態に移動され、それにより、中央部150が、クリンプされたタブ128を移動させてブシュ118との係合から外し、且つピン146が開口部138の近位部分140内に配置されると、制御部材112は、予め決められた力がそれに加えられ、制御部材112をコネクタ114から解放するか又は他の方法で分離するまで、カプセル106に対してさらに近位方向に移動される。コネクタ114から制御部材112を分離するために必要な予め決められた力は、コネクタ114をロック解除形態からロック形態に移動させるために必要な予め決められた力を上回ることが当業者に理解される。コネクタ114からの制御部材112の分離は、近位部分116を体内から除去できるようにする一方、クリップ102を、体内で標的組織に被さってクリップ留めされたままにする。
【0034】
制御部材112は、様々な方法のいずれかでコネクタ114に解放可能に結合され得ることが当業者に理解される。一実施形態では、図5に示すように、例えば、制御部材112の遠位端120は、中央部150の近位端152に溶接され、且つ予め決められた力がそれに加えられると壊れるか又は分離するように構成され得る。別の例では、図6に示すように、コネクタ114’は、中央部150’の近位端152’から近位方向に延びるスリーブ172’を含み、制御部材112’の遠位部分の上側を覆うように曲げられ得る。スリーブ172’の丸められた部分173’の遠位方向において、スリーブ172’は、予め決められた力が加えられると破損するか又は壊れるように構成されたネックダウン部分174’を含む。
【0035】
さらに別の例によれば、図7に示すように、制御部材112’’は、制御部材112’’の遠位端120’’に解放可能に結合されるボール形チップ172’’を含み得る。特に、制御部材112’’の遠位部分は、コネクタ114’’の中央部150’’を通して延び、それにより、ボール形チップ172’’は、中央部150’’の遠位端154’’の遠位側にある。コネクタ114’’の中央部150’’のすぐ近位側において、ハイポチューブ113’’は、制御部材112’’の上側を覆うように丸められるか又は溶接され得、それにより、クリップ102を開いている間、制御部材112’’は、中央部150’’を通して遠位方向に摺動することを防止される。予め決められた力がそれに加えられると、ボール形チップ172’’は、制御部材112’’の残りの部分から分離され、それにより、制御部材112’’は、中央部150’’から近位方向に引き出され得る。
【0036】
図7は、ハイポチューブ113’’を具体的に示し且つ説明するが、制御部材112’’は、コネクタ114’’に対する制御部材112’’の遠位方向への移動を防止する他の要素又はメカニズムを含み得ることが当業者に理解される。例えば、制御部材112’’は、代わりに、中央部150’’のすぐ遠位側に直径増大部分を含み得る。具体例を示し且つ上述しているが、制御部材112は、予め決められた力を受けると制御部材112がコネクタ114から解放される限り、いくつかの例のいずれかでコネクタ114に解放可能に結合され得ることが当業者に理解される。
【0037】
クリップ装置100を用いる例示的な方法によれば、クリップ102は、例えば、体内の標的部位まで内視鏡の作業チャンネルを通して挿入されるが、ハンドル部材は、体外に留まったままである。クリップ102は、閉鎖形態で作業チャンネルを通して挿入される。クリップ102が標的部位に到達すると、使用者は、制御部材112を遠位方向に進めて、クリップアーム104をカプセル106から出して遠位方向に進め、それらの自然な付勢下でクリップアーム104を自由にして開放形態に向かって移動させ、それにより、標的組織がクリップアーム104間に受け入れられ得る。その後、使用者は、組織の標的部分が必要に応じてクリップアーム104間に位置決めされるまで、必要に応じてクリップ102を開放形態と閉鎖形態との間で移動させるように制御部材112を動作させる。
【0038】
上述の通り、クリップアーム104は、制御コネクタ114がクリップアーム104に対してロック解除形態である間、開放位置と閉鎖位置との間で移動され得る。特に、コネクタ114のピン146は、クリップアーム104の近位端を貫通する長孔138の遠位部分142に受け入れられる。必要に応じて標的組織が挟まれると、使用者は、制御部材112を近位方向に引き(又は近位部分116を制御部材112の上側にわたって遠位方向に進め)、それにより、クリップアーム104がカプセル106に引き入れられるとき、クリップアーム104は、互いに向かって引き寄せられて、クリップアーム104の遠位端110間に標的組織を掴む。
【0039】
クリップ102が標的組織を掴んでいる所望の位置にあるとき、上述の通り、係合特徴136がカプセル106に係合した後、使用者は、近位方向に向かって制御部材112に加える力を、コネクタ114のピン146が近位方向に長孔138内でその遠位部分142から近位部分140まで途中部分144を介して移動するまで増大させる。上述の通り、クリップ104及び/又はピン146のいずれかが変形して、近位部分及び遠位部分140、142よりも小さい幅を有する途中部分144を通るピン146の近位方向の移動を許可する。
【0040】
コネクタ114がロック解除位置からロック位置に移動されると、ピン146は、カプセル106のロッキングタブ130の近位端134を通り越して遠位方向に移動し、カプセルに対してクリップアーム104を閉鎖形態でロックするだけでなく、カプセル106の近位端122において内向きにクリンプされたタブ128を中央部150の側面158によって半径方向外向きに移動させて、ブシュ118からカプセル106を係合解除する。コネクタ114がロック形態に移動されると、制御部材112に加わる近位方向の力は、制御部材112がコネクタ114から分離されるまで増大されて、クリップ102を装置100の近位部分116から自由にし、且つクリップ102を標的組織に結合したままにし得る。その後、制御部材112を含む近位部分116は、体内から引き出され得る。
【0041】
図8図10に示すように、別の例示的な実施形態によるクリップ装置200は、上述のクリップ装置100と概ね同様であり、且つクリップアーム204の対を含むクリップ202を備え、その近位端208は、カプセル206に摺動可能に受け入れられ、それにより、クリップ202は、クリップアーム204の遠位端が互いに分離される開放形態と、遠位端が互いに向かって引き寄せられる閉鎖形態との間で移動し得る。クリップアーム204は、制御部材212の遠位方向及び近位方向の移動により、開放形態と閉鎖形態との間で移動され、制御部材は、コネクタ214を介してクリップアーム204に結合される。コネクタ214は、コネクタ114と概ね同様であり、中央部250及びピン246を含む。クリップ202をロック解除形態からロック形態に移動させるために、コネクタ214全体がクリップアーム204に対して近位方向に移動するのではなく、下記でさらに詳細に説明するように、ピン246は、クリップアーム204に対して固定位置に留まり、それにより、中央部250は、ピン246及びクリップアーム204に対して近位方向に摺動して、クリップ202をロック解除形態からロック形態に移動させる。
【0042】
装置100と同様に、コネクタ214は、制御部材212に解放可能に結合され、且つ中央部250及びピン246を含む。ピン246は、クリップアーム204の近位端208を貫通する開口部238内に受け入れられるように、中央部250の対向する面から延びる。しかしながら、開口部238は、長尺状ではなく、むしろそれに受け入れられるピン246のサイズ及び形状に対応するように特定のサイズ及び形状にされ、それにより、ピン246は、クリップアーム204に対して固定位置に留まる。一実施形態では、ピン246は、摩擦嵌めによって開口部238に固定され得る。別の実施形態では、ピン246は、例えば、溶接又は接着剤によって開口部238に固定され得る。代わりに、ピン246は、クリップアーム204を係合するためのクリップ装置100に関して説明したオーバーハング164と概ね同様のオーバーハングを含み得る。上述したようなことを除いた他の部分では、クリップアーム204は、クリップアーム104と概ね同様である。
【0043】
中央部250は、近位端252から遠位端254まで延び、且つ中央部150と同様に、クリップアーム204の対応するクリップアームの内面にそれぞれ接触する対向面256と、対向面の長手方向縁260に近位端252から遠位端254まで接続する側面258とによって画定される。しかしながら、中央部250は、対向面256の第1の面から対向面256の第2の面までそれを貫通する長孔276をさらに含む。長孔276は、クリップ装置100のクリップアーム104を貫通する長孔138と概ね同様に構成され得る。特に、長孔276は、途中部分を介して互いに接続された近位部分240及び遠位部分242を含み得、この途中部分は、近位部分及び遠位部分240、242よりも小さい幅を有する。下記でさらに詳細に説明するピン246は、長孔276を貫通する。ピン246は、近位部分240内にロック解除形態(図8を参照)で受け入れられ、且つ遠位部分242内にロック形態(図9を参照)で移動される。
【0044】
中央部150と同様に、中央部250の側面258間の距離は、コネクタ214がピン246に対して相対的にロック解除形態からロック形態に近位方向に摺動されるとき、側面258がカプセル206の近位端222において内向きにクリンプされたタブ228に係合して、タブ228を半径方向外向きに移動させ、且つ装置200の近位部分216のブシュ218との係合から外し、クリップ202を展開するように選択される。しかしながら、側面258は、カプセル206のロッキングタブ230をロック形態に係合するための肩部278をさらに含む。ロッキングタブ130と同様に、ロッキングタブ230は、カプセル206の壁232から延びて、カプセル206のチャンネル226内に角度が付けられるか又は曲げられ得、それにより、ロッキングタブ230の近位端234は、カプセル206の中心線に向かって付勢される。
【0045】
コネクタ214のピン246は、クリップアーム204に対して固定されたままであるが、ロッキングタブ230は、中央部250がロック形態に向かって移動されるとき、中央部250の肩部278に係合する。特に、図8に示すように、コネクタ214がロック解除形態であるとき、中央部250は、ロッキングタブ230間に位置決めされ、それにより、ロッキングタブ230は、半径方向外向きに変形される。しかしながら、中央部250がピン246に対して近位方向に移動されて、ピン246が長孔276の遠位部分242に受け入れられるとき、肩部278は、ロッキングタブ230を通り越して近位方向に移動されて、ロッキングタブ230が、図9及び図10に示すようなそれらの内向きに付勢された形態に戻ることを可能にする。従って、ロッキングタブ230は、肩部278に係合し、それにより、中央部250は、もはやカプセル206に対して相対的に遠位方向に移動できず、それによりクリップアーム204をカプセル206に対して閉鎖形態でロックする。
【0046】
ピン246は、カプセルの長手方向軸に対して横切る方向に第1の端部280から第2の端部282まで延び、それにより、第1の端部280は、クリップアーム204の第1のクリップアームの開口部238内に受け入れられ、且つ第2の端部282は、クリップアーム204の第2のクリップアームの開口部238内に受け入れられる。上述の通り、ピン246は、中央部250の長孔276内に受け入れられ、且つクリップ202がロック解除形態からロック形態に移動されるとき、近位部分240から遠位部分242まで移動可能である。ピン146と同様に、ピン246は、予め決められた力を受けると変形して、近位部分及び遠位部分240、242よりも小さい幅を有する途中部分244を通過し得る。
【0047】
代替的な実施形態によれば、図11に示すように、コネクタ214’の中央部250’には、同様に長孔276’が設けられ得、それを通してピン(ピン246と概ね同様)が受け入れられ得る。コネクタ214と同様に、長孔276’は、途中部分244’を介して互いに接続された近位部分及び遠位部分240’、242’を含み、この途中部分は、近位部分及び遠位部分242’、242’よりも小さい幅を有する。しかしながら、中央部250’は、それを通して遠位部分242’から遠位端254’まで延びるスロット243’をさらに含み、それにより、ピンは、途中部分244’を通過するときに変形する必要がない。特に、予め決められた負荷がコネクタ214’に加えられるとき、スロット243’によって画定された中央部250’の対向する部分255’が互いに広がって、ピンが近位部分240’から遠位部分242’まで移動することを可能にする。ピンが遠位部分242’に受け入れられると、中央部250’は、その初期形態に戻り、ピンを遠位部分242’内に保持する。
【0048】
上述のようなことを除いて、クリップ装置200の要素は、クリップ装置100の対応する要素と概ね同様であり得、当業者に理解されるように、クリップ装置200は、クリップ装置100と概ね同様に利用され得る。
【0049】
図12図15に示すように、本発明の別の例示的な実施形態によるクリップ装置300は、下記で説明することを除いてクリップ装置100、200と概ね同様である。クリップ装置100、200と同様に、クリップ装置300は、クリップアーム304の対を含むクリップ302を含み、その近位端308は、カプセル306に摺動可能に受け入れられ、それにより、クリップ302は、クリップアーム304の遠位端が互いに分離される開放形態と、遠位端が互いに向かって引き寄せられる閉鎖形態との間で移動し得る。クリップアーム304は、コネクタ314によってクリップアーム304に結合される制御部材312の遠位方向及び近位方向の移動により、開放形態と閉鎖形態との間で移動される。
【0050】
コネクタ314は、コネクタ214と概ね同様であり得、クリップ302を、図12に示すようなロック解除形態から、図13に示すようなロック形態に移動させるとき、ピン346に対して移動可能である中央部350を含む。しかしながら、中央部350は、内部部品386の周りに延びる摺動部材384をさらに含み、それにより、下記でさらに詳細に説明するように、摺動部材384のみが、クリップ302がロック解除形態からロック形態に移動されるときにピン346に対して移動される。
【0051】
内部部品386は、クリップアーム304の近位端308間に受け入れられるようなサイズ及び形状にされ、且つそれから延びるピン346を含む。ピン146と同様に、ピン346は、突起362の対を含み、突起362のそれぞれが内部部品386の対向する面356から延びて、クリップアーム304の対応するクリップアームを貫通する開口部338に受け入れられる。クリップ202と同様に、クリップ302の開口部338は、それに受け入れられるピン346のサイズ及び形状に対応するような特定のサイズ及び形状にされ、それにより、ピン346は、それに対して固定位置になる。対向面356のそれぞれは、クリップアーム304の対応するクリップアームの近位端308に沿って内面に接触する。
【0052】
図14に示すように、内部部品386は、せん断タブ388も含む。せん断タブ388は、近位端352から延びる停止肩部390と一緒に、遠位端354から横方向に延びる。せん断タブ388は、クリップ302がロック解除形態からロック形態に移動されるときに摺動部品384の一部によってせん断されるように構成される。停止肩部390は、摺動部品384の一部に当接して、摺動部品384がそれに対してさらに近位方向に移動することを防止し、それにより摺動部品384が内部部品386から係合解除されることを防止するように構成される。摺動部品384が停止肩部390に当接すると、クリップ302は、ロック形態になる。
【0053】
摺動部品384は、制御部材312に解放可能に結合された近位端391と、内部部品386の上側を覆うように装着される、近位端391から遠位方向に延びる摺動アーム392の対とを含み、それにより、摺動アーム392の対は、内部部品386の横方向側面358に沿って延びる。摺動アーム392の対は、その遠位端398に半径方向内向きに延びるフィンガ394をそれぞれ含み、これらのフィンガは、ロック解除形態において、せん断タブ388に、その上側を覆って遠位方向に延びることによって係合する。ある実施形態では、各フィンガ394は、刃先396を含み得、クリップ302が必要に応じて標的組織に被さってクリップ留めされると、予め決められた近位方向の力が制御部材312によって摺動部品384に加えられ得る。予め決められた近位方向の力が加えられると、刃先396は、図15に示すように、せん断タブ388を内部部品386の残りの部分から切断する/切り落とす。せん断タブ388を切り落とすと、摺動部品384は、フィンガ394が停止肩部390に当接して、内部部品386に対する摺動部品384のさらなる近位方向への移動を防止するまで、内部部品386、それによりクリップアーム304及びカプセル306に対して近位方向に摺動できるようにされる。せん断タブ388の切り落としにより、脱落部分が生じるが、いずれの脱落部分も、展開されたクリップ302内にトラップされたままになる。
【0054】
ロック解除形態では、摺動アーム394の対は、カプセル306のロッキングタブ330間に位置決めされ、それにより、内向きに付勢されたロッキングタブは、半径方向外向きに変形される。しかしながら、フィンガ394が停止肩部390に当接するロック形態では、摺動アームの遠位端398は、近位方向にロッキングタブ330を通り越して移動され、それにより、ロッキングタブ330は、それらの内向きに付勢された形態に戻る。従って、ロッキングタブ330は、摺動アーム394の遠位端398に係合して、摺動部品384が内部部品386に対して遠位方向に移動されることを防止し、それによりクリップアーム304及びカプセル306がクリップ302を閉鎖形態でロックするようにする。このロック形態では、摺動アーム392はまた、カプセル306の近位端322において内向きにクリンプされたタブ328に係合して、タブ328を半径方向外向きに移動させて、装置300の近位部分316との係合から外し、クリップ302を展開する。クリップ装置300は、クリップ装置100、200と概ね同様の方法で用いられ得、装置100、200に関して上述した通り、クリップ302を標的組織に被さってクリップ留めし、それに続いてクリップ302をロック及び展開することが当業者に理解される。
【0055】
(付記)
好ましい実施形態として、上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下記載する。
[項目1]
クリップ装置であって、
クリップを備え、該クリップは、近位端から遠位端まで長手方向に延びるとともにそれを貫通するチャンネルを含むカプセルと、クリップアームの対とを含み、前記クリップアームの対が開放形態と閉鎖形態との間で移動されるように前記クリップアームの対の近位端が前記チャンネル内に摺動可能に受け入れられ、前記クリップアームのそれぞれは、その近位端を貫通する長孔を含み、
コネクタを備え、該コネクタは、前記クリップアームの前記近位端の間に受け入れ可能な中央部と、前記中央部から延びて、前記クリップアームの対のそれぞれの前記長孔内に受け入れ可能なピンとを含み、前記コネクタは、前記ピンが前記長孔の遠位部分内に受け入れられるロック解除形態から、前記ピンに予め決められた力が加えられると、当該ピンが前記長孔の近位部分内に受け入れられて前記カプセルに対し前記クリップアームを前記閉鎖形態でロックするロック形態に移動可能であり、
制御部材を備え、該制御部材は、本クリップ装置の近位部分を通って近位端から遠位端まで延びて、前記コネクタに解放可能に結合され、それにより、前記コネクタがロック解除形態であるとき、前記カプセルに対する前記制御部材の長手方向の相対移動が前記クリップを前記開放形態と前記閉鎖形態との間で移動させ、
前記長孔は、前記コネクタが前記ロック形態であるとき、前記ピンが近位部分から遠位部分まで移動することを防止するように構成される、クリップ装置。
[項目2]
クリップ装置であって、
クリップを備え、該クリップは、近位端から遠位端まで長手方向に延びるとともにそれを貫通するチャンネルを含むカプセルと、クリップアームの対とを含み、前記クリップアームの対が開放形態と閉鎖形態との間で移動されるように前記クリップアームの対の近位端が前記チャンネル内に摺動可能に受け入れられ、前記クリップアームのそれぞれは、その近位端を貫通する長孔を含み、
コネクタを備え、該コネクタは、前記クリップアームの前記近位端の間に受け入れ可能な中央部と、前記中央部から延びて、前記クリップアームの対のそれぞれの前記長孔内に受け入れ可能なピンとを含み、前記コネクタは、前記ピンが前記長孔の遠位部分内に受け入れられるロック解除形態から、前記ピンに予め決められた力が加えられると、当該ピンが前記長孔の近位部分内に受け入れられて前記カプセルに対し前記クリップアームを前記閉鎖形態でロックするロック形態に移動可能であり、
制御部材を備え、該制御部材は、本クリップ装置の近位部分を通って近位端から遠位端まで延びて、前記コネクタに解放可能に結合され、それにより、前記コネクタがロック解除形態であるとき、前記カプセルに対する前記制御部材の長手方向の相対移動が前記クリップを前記開放形態と前記閉鎖形態との間で移動させ、
前記カプセルは、前記チャンネル内に半径方向に延びるように付勢されるロッキングタブを含み、それにより、前記ピンが前記長孔の前記遠位部分から前記長孔の前記近位部分に移動されるとき、前記ピンは、前記ピンが前記ロッキングタブに係合して、前記コネクタが前記ロック形態に移動するまで、前記ロッキングタブを通り越して近位方向に移動される、クリップ装置。
[項目3]
前記長孔の前記遠位部分及び近位部分は、前記遠位部分及び近位部分の幅よりも小さい幅を有する途中部分を介して接続され、それにより、前記ピンと前記クリップアームの一部のうち一方が変形して、前記ピンが前記遠位部分から前記近位部分まで移動することを可能にする、項目1又は2に記載のクリップ装置。
[項目4]
前記クリップアームのそれぞれは、前記クリップアームの最近位端から前記長孔まで延びるスリットを含んでフィンガの対を画定し、前記フィンガは、互いに対して広がることによって変形して、前記ピンが近位方向に前記途中部分を通り越して移動することを可能にする、項目3に記載のクリップ装置。
[項目5]
前記コネクタは、前記ピンから延びて、前記クリップアームのそれぞれの外面に係合するオーバーハングを含む、項目1~4のいずれか一項に記載のクリップ装置。
[項目6]
前記コネクタの前記中央部は、前記コネクタが前記ロック解除形態から前記ロック形態に移動されるとき、前記コネクタの前記中央部が、前記カプセルの前記近位端において、一対の内向きに変形されたタブを半径方向外向きに移動させて本クリップ装置の前記近位部分から前記クリップを解放するように構成される、項目1~5のいずれか一項に記載のクリップ装置。
[項目7]
前記コネクタは、当該コネクタを前記ロック解除形態から前記ロック形態に移動させるための前記予め決められた力よりも大きい力が当該制御部材に加えられるときに分離するように構成される、前記制御部材の接続部を介して前記制御部材に接続され、前記制御部材の接続部は、前記コネクタとの溶接部、丸められた部分、及びボール形チップのうちの1つである、項目1~6のいずれか一項に記載のクリップ装置。
[項目8]
クリップ装置であって、
クリップを備え、該クリップは、近位端から遠位端まで長手方向に延びるとともにそれを貫通するチャンネルを含むカプセルと、クリップアームの対とを含み、前記クリップアームの対が開放形態と閉鎖形態との間で移動されるように前記クリップアームの近位端が前記チャンネル内に摺動可能に受け入れられ、前記クリップアームのそれぞれは、その近位端を貫通する開口部を含み、
コネクタを備え、該コネクタは、前記クリップアームの前記近位端の間に受け入れ可能な中央部と、前記中央部から延び、前記クリップアームのそれぞれの前記開口部内に受け入れ可能なピンとを含み、前記中央部の少なくとも一部は、それに予め決められた力が加えられると、前記ピン及び前記クリップアームに対して相対的にロック解除形態からロック形態に移動可能であるように構成され、前記ロック形態において、前記クリップアームは前記閉鎖形態で前記カプセルに対し相対的にロックされ、
制御部材を備え、該制御部材は、本クリップ装置の近位部分を通って近位端から遠位端まで延びて、前記コネクタに解放可能に結合され、それにより、前記コネクタがロック解除形態であるとき、前記カプセルに対する前記制御部材の長手方向の相対移動が前記クリップを前記開放形態と前記閉鎖形態との間で移動させ、
前記開口部は、前記コネクタがロック形態であるとき、前記ピンが近位部分から遠位部分まで移動することを防止するように構成される、クリップ装置。
[項目9]
クリップ装置であって、
クリップを備え、該クリップは、近位端から遠位端まで長手方向に延びるとともにそれを貫通するチャンネルを含むカプセルと、クリップアームの対とを含み、前記クリップアームの対が開放形態と閉鎖形態との間で移動されるように前記クリップアームの近位端が前記チャンネル内に摺動可能に受け入れられ、前記クリップアームのそれぞれは、その近位端を貫通する開口部を含み、
コネクタを備え、該コネクタは、前記クリップアームの前記近位端の間に受け入れ可能な中央部と、前記中央部から延び、前記クリップアームのそれぞれの前記開口部内に受け入れ可能なピンとを含み、前記中央部の少なくとも一部は、それに予め決められた力が加えられると、前記ピン及び前記クリップアームに対して相対的にロック解除形態からロック形態に移動可能であるように構成され、前記ロック形態において、前記クリップアームは前記閉鎖形態で前記カプセルに対し相対的にロックされ、
制御部材を備え、該制御部材は、本クリップ装置の近位部分を通って近位端から遠位端まで延びて、前記コネクタに解放可能に結合され、それにより、前記コネクタがロック解除形態であるとき、前記カプセルに対する前記制御部材の長手方向の相対移動が前記クリップを前記開放形態と前記閉鎖形態との間で移動させ、
前記カプセルは、前記チャンネル内に半径方向に延びるように付勢されるロッキングタブを含み、それにより、前記中央部が前記ロック解除形態から前記ロック形態に移動されるとき、前記中央部の一部は、前記ロッキングタブに係合して、前記コネクタが前記ロック形態に移動する、クリップ装置。
[項目10]
前記中央部は、それを貫通する長孔を含み、前記ピンは、前記長孔内に受け入れられるとともに、当該長孔に対して相対的に、前記ロック解除形態における前記長孔の近位部分から、前記ロック形態における前記長孔の遠位部分まで移動可能である、項目8又は9に記載のクリップ装置。
[項目11]
前記長孔の前記近位部分及び遠位部分は、前記長孔の前記近位部分及び遠位部分の幅よりも小さい幅を有する途中部分を介して互いに接続され、それにより、前記ピンが変形して、前記長孔の前記近位部分から前記遠位部分まで移動することを可能にする、項目10に記載のクリップ装置。
[項目12]
前記中央部は、前記ピンが延びる内部部材と、せん断タブを介して前記内部部材に接続される摺動部材とを含み、前記せん断タブは、前記摺動部材を前記ロック解除形態から前記ロック形態に移動させるための前記予め決められた力を受けると、せん断されるように構成される、項目8に記載のクリップ装置。
[項目13]
前記摺動部材は、前記内部部材の対向する側面に沿って延びる摺動アームの対を含み、前記摺動アームの遠位端における内向きに延びるフィンガが、前記内部部材の遠位端においてせん断タブに係合する、項目12に記載のクリップ装置。
[項目14]
前記ピンは、摩擦嵌め、溶接、接着剤及び前記ピンから延びるオーバーハングの1つを介して前記クリップアームのそれぞれの前記開口部に係合する、項目8~13のいずれか一項に記載のクリップ装置。
[項目15]
前記コネクタの前記中央部は、前記コネクタが前記ロック解除形態から前記ロック形態に移動されるとき、前記コネクタの前記中央部が、前記カプセルの前記近位端において一対の内向きに変形された一対のタブに係合して、前記変形された一対のタブを半径方向外向きに移動させ、本クリップ装置の前記近位部分から前記クリップを解放するように構成される、項目8~14のいずれか一項に記載のクリップ装置。
本発明の範囲から逸脱することなく、本発明に対する様々な修正形態がなされ得ることが当業者に明らかであろう。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15