(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129710
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】釣糸を結ぶための補助具
(51)【国際特許分類】
A01K 91/047 20060101AFI20230907BHJP
【FI】
A01K91/047
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2023123894
(22)【出願日】2023-07-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-06
(71)【出願人】
【識別番号】721008752
【氏名又は名称】大野 新
(72)【発明者】
【氏名】大野 新
(57)【要約】
【課題】第2釣糸に対して第1釣糸をより安定して締込むことができる釣糸を結ぶための補助具を提供する。
【解決手段】釣糸を結ぶための補助具1Aにおいて、第1釣糸100を固定する第1固定部5と、第1固定部5から離隔した位置で第1釣糸100を固定する第2固定部6とを有する第1張力付与部7Aにより、第1固定部5と第2固定部6との間に第1釣糸100が固定され、第1釣糸100に張力が付与される。第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸100に交差するように配置された第2釣糸200を固定する第3固定部8と、第3固定部8との間に第1釣糸100を挟む位置で第2釣糸200を固定する第4固定部9とを有する第2張力付与部10Aにより、第3固定部8と第4固定部9との間に第2釣糸200が固定され、第2釣糸200に張力が付与される。第1張力付与部7Aは、第1釣糸100に付与する張力を変更自在である。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1釣糸を固定する第1固定部と、前記第1固定部から離隔した位置で前記第1釣糸を固定する第2固定部とを有し、前記第1固定部と前記第2固定部との間に固定された前記第1釣糸に張力を付与する第1張力付与部と、
前記第1固定部と前記第2固定部との間に固定された前記第1釣糸に交差するように配置された第2釣糸を固定する第3固定部と、前記第3固定部との間に前記第1釣糸を挟む位置で前記第2釣糸を固定する第4固定部とを有し、前記第3固定部と前記第4固定部との間に固定された前記第2釣糸に張力を付与する第2張力付与部と、
を備え、
前記第1張力付与部は、前記第1釣糸に付与する張力を変更自在である、釣糸を結ぶための補助具。
【請求項2】
前記第1張力付与部では、
前記第1固定部と前記第2固定部との間の距離を変更自在であり、
前記第1釣糸を固定した前記第1固定部と前記第1釣糸を固定した前記第2固定部とが互いに離れる方向に力が付与されることにより、前記第1釣糸に張力が付与され、
前記第1釣糸を固定した前記第1固定部と前記第1釣糸を固定した前記第2固定部との間の距離を変更することにより、前記第1釣糸に付与する張力を変更自在である、請求項1に記載の釣糸を結ぶための補助具。
【請求項3】
前記第1張力付与部では、
前記第1固定部と前記第2固定部との間に固定された前記第1釣糸に張力を付与しつつ、前記第1固定部と前記第2固定部との間の距離を近づけることが可能な距離減少状態と、
前記第1固定部と前記第2固定部との間に固定された前記第1釣糸に張力を付与し且つ前記第1固定部と前記第2固定部との間の距離が所定の距離より近くならないように固定しつつ、前記第1固定部と前記第2固定部との間の距離を遠ざけることが可能な距離増大状態と、
を切替自在である、請求項2に記載の釣糸を結ぶための補助具。
【請求項4】
前記第1張力付与部では、
前記第1固定部と前記第2固定部との間に固定された前記第1釣糸に張力を付与し且つ前記第1固定部と前記第2固定部との間の距離が所定の距離より近くならないように固定しつつ、前記第1釣糸を固定した前記第1固定部及び前記第1釣糸を固定した前記第2固定部のいずれかは、前記第1釣糸の引き込みが自在である、請求項1に記載の釣糸を結ぶための補助具。
【請求項5】
前記第2張力付与部では、
前記第3固定部と前記第4固定部との間の距離は一定であり、
前記第2釣糸を固定した前記第3固定部及び前記第2釣糸を固定した前記第4固定部は、前記第2釣糸の引き込み及び繰り出しが自在である、請求項1に記載の釣糸を結ぶための補助具。
【請求項6】
前記第2張力付与部では、
前記第3固定部と前記第4固定部との間の距離は一定であり、
前記第2釣糸を固定した前記第3固定部及び前記第2釣糸を固定した前記第4固定部は、前記第2釣糸の引き込み及び繰り出しが自在である、請求項2に記載の釣糸を結ぶための補助具。
【請求項7】
前記第2張力付与部では、
前記第3固定部と前記第4固定部との間の距離は一定であり、
前記第2釣糸を固定した前記第3固定部及び前記第2釣糸を固定した前記第4固定部は、前記第2釣糸の引き込み及び繰り出しが自在である、請求項3に記載の釣糸を結ぶための補助具。
【請求項8】
前記第2張力付与部では、
前記第3固定部と前記第4固定部との間の距離は一定であり、
前記第2釣糸を固定した前記第3固定部及び前記第2釣糸を固定した前記第4固定部は、前記第2釣糸の引き込み及び繰り出しが自在である、請求項4に記載の釣糸を結ぶための補助具。
【請求項9】
前記第2張力付与部では、
前記第3固定部と前記第4固定部との間の距離を変更自在であり、
前記第2釣糸を固定した前記第3固定部と前記第2釣糸を固定した前記第4固定部とが互いに離れる方向に力が付与されることにより、前記第2釣糸に張力が付与され、
前記第2釣糸を固定した前記第3固定部及び前記第2釣糸を固定した前記第4固定部のいずれかは、前記第2釣糸の引き込み及び繰り出しが自在である、請求項1に記載の釣糸を結ぶための補助具。
【請求項10】
前記第2張力付与部では、
前記第3固定部と前記第4固定部との間の距離を変更自在であり、
前記第2釣糸を固定した前記第3固定部と前記第2釣糸を固定した前記第4固定部とが互いに離れる方向に力が付与されることにより、前記第2釣糸に張力が付与され、
前記第2釣糸を固定した前記第3固定部及び前記第2釣糸を固定した前記第4固定部のいずれかは、前記第2釣糸の引き込み及び繰り出しが自在である、請求項2に記載の釣糸を結ぶための補助具。
【請求項11】
前記第2張力付与部では、
前記第3固定部と前記第4固定部との間の距離を変更自在であり、
前記第2釣糸を固定した前記第3固定部と前記第2釣糸を固定した前記第4固定部とが互いに離れる方向に力が付与されることにより、前記第2釣糸に張力が付与され、
前記第2釣糸を固定した前記第3固定部及び前記第2釣糸を固定した前記第4固定部のいずれかは、前記第2釣糸の引き込み及び繰り出しが自在である、請求項3に記載の釣糸を結ぶための補助具。
【請求項12】
前記第2張力付与部では、
前記第3固定部と前記第4固定部との間の距離を変更自在であり、
前記第2釣糸を固定した前記第3固定部と前記第2釣糸を固定した前記第4固定部とが互いに離れる方向に力が付与されることにより、前記第2釣糸に張力が付与され、
前記第2釣糸を固定した前記第3固定部及び前記第2釣糸を固定した前記第4固定部のいずれかは、前記第2釣糸の引き込み及び繰り出しが自在である、請求項4に記載の釣糸を結ぶための補助具。
【請求項13】
前記第1張力付与部は、前記第1釣糸に付与された張力を測定する張力測定部をさらに有する、請求項1~12のいずれか1項に記載の釣糸を結ぶための補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣糸を結ぶための補助具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
PE(polyethylene)ラインと、ナイロン又はフロロカーボン等のリーダーとを結ぶ際には、FG(First Jigging)ノットと呼ばれる結び方によりPEラインとリーダーとが結ばれることがある。しかし、FGノットは工程が複雑であり、初心者には安定した強度で結ぶことが難しい。そのため、例えば、特許文献1には、FGノットによりPEラインとリーダーとを結ぶための補助具が開示されている。特許文献1の補助具は、平面視でくの字の形状を有する一対のアームの先端の間にPEラインを展張し、PEラインに交差させたリーダーをアームの中央のリーダー係止部で係止する。これにより、FGノットにおけるPEラインにリーダーを編込む工程が補助される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような補助具では、FGノットによる結び目の強度を高めるために、FGノットにおけるPEラインにリーダーを編込む工程が終了した後に、リーダーに対してPEラインをさらに強固に締込むことが必要となる。しかし、特許文献1のような補助具では、リーダーに対してPEラインを安定して締込むことが難しく、改善が望まれている。
【0005】
そこで本発明は、第2釣糸に対して第1釣糸をより安定して締込むことができる釣糸を結ぶための補助具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1釣糸を固定する第1固定部と、第1固定部から離隔した位置で第1釣糸を固定する第2固定部とを有し、第1固定部と第2固定部との間に固定された第1釣糸に張力を付与する第1張力付与部と、第1固定部と第2固定部との間に固定された第1釣糸に交差するように配置された第2釣糸を固定する第3固定部と、第3固定部との間に第1釣糸を挟む位置で第2釣糸を固定する第4固定部とを有し、第3固定部と第4固定部との間に固定された第2釣糸に張力を付与する第2張力付与部とを備え、第1張力付与部は、第1釣糸に付与する張力を変更自在である、釣糸を結ぶための補助具である。
【0007】
この構成によれば、釣糸を結ぶための補助具において、第1釣糸を固定する第1固定部と、第1固定部から離隔した位置で第1釣糸を固定する第2固定部とを有する第1張力付与部により、第1固定部と第2固定部との間に第1釣糸が固定され、第1釣糸に張力が付与される。また、第1固定部と第2固定部との間に固定された第1釣糸に交差するように配置された第2釣糸を固定する第3固定部と、第3固定部との間に第1釣糸を挟む位置で第2釣糸を固定する第4固定部とを有する第2張力付与部により、第3固定部と第4固定部との間に第2釣糸が固定され、第2釣糸に張力が付与される。
【0008】
このため、第1固定部と第2固定部との間に第1釣糸(PEライン)を固定し、FGノットにおける第1釣糸(PEライン)に第2釣糸(リーダー)を編込む工程が終了した後に、第3固定部と第4固定部の間に第2釣糸(リーダー)を固定することにより、第1釣糸に対する第2釣糸の位置関係が安定する。さらに、第1張力付与部は、第1釣糸に付与する張力を変更自在であるため、第3固定部と第4固定部との間に第2釣糸を固定し、第1釣糸に対する第2釣糸の位置関係が安定した状態で第1釣糸に付与する張力を増大させることにより、第2釣糸に対して第1釣糸をより安定して締込むことができる。
【0009】
この場合、第1張力付与部では、第1固定部と第2固定部との間の距離を変更自在であり、第1釣糸を固定した第1固定部と第1釣糸を固定した第2固定部とが互いに離れる方向に力が付与されることにより、第1釣糸に張力が付与され、第1釣糸を固定した第1固定部と第1釣糸を固定した第2固定部との間の距離を変更することにより、第1釣糸に付与する張力を変更自在でもよい。
【0010】
この構成によれば、第1張力付与部では、第1固定部と第2固定部との間の距離を変更自在であり、第1釣糸を固定した第1固定部と第1釣糸を固定した第2固定部とが互いに離れる方向に力が付与されることにより、第1釣糸に張力が付与されているため、FGノットにおける第1釣糸(PEライン)に第2釣糸(リーダー)を編込む工程が容易となる。
【0011】
また、第1張力付与部では、第1釣糸を固定した第1固定部と第1釣糸を固定した第2固定部との間の距離を変更することにより、第1釣糸に付与する張力を変更自在であるため、FGノットにおける第1釣糸(PEライン)に第2釣糸(リーダー)を編込む工程が終了した後に、第1釣糸を固定した第1固定部と第1釣糸を固定した第2固定部との間の距離を拡げ、第1釣糸に付与する張力を増大させることにより、第2釣糸に対して第1釣糸を締込むことができる。
【0012】
また、第1張力付与部では、第1固定部と第2固定部との間に固定された第1釣糸に張力を付与しつつ、第1固定部と第2固定部との間の距離を近づけることが可能な距離減少状態と、第1固定部と第2固定部との間に固定された第1釣糸に張力を付与し且つ第1固定部と第2固定部との間の距離が所定の距離より近くならないように固定しつつ、第1固定部と第2固定部との間の距離を遠ざけることが可能な距離増大状態とを切替自在でもよい。
【0013】
FGノットにおける第1釣糸(PEライン)に第2釣糸(リーダー)を編込む工程においては、第1釣糸への第2釣糸の編込みが進行するにしたがって第1固定部と第2固定部との間に固定された第1釣糸の見かけ上の長さは短くなっていく。しかし、この構成によれば、距離減少状態では、第1固定部と第2固定部との間に固定された第1釣糸に張力を付与しつつ、第1固定部と第2固定部との間の距離を近づけることが可能である。そのため、第1釣糸への第2釣糸の編込みが進行するにしたがって第1固定部と第2固定部との間の距離を近づけることにより、FGノットにおける第1釣糸(PEライン)に第2釣糸(リーダー)を編込む工程が容易となる。
【0014】
一方、距離増大状態では、第1固定部と第2固定部との間に固定された第1釣糸に張力を付与し且つ第1固定部と第2固定部との間の距離が所定の距離より近くならないように固定しつつ、第1固定部と第2固定部との間の距離を遠ざけることが可能である。そのため、FGノットにおける第1釣糸(PEライン)に第2釣糸(リーダー)を編込む工程が終了した後に、距離増大状態とし、第1固定部と第2固定部との間の距離を遠ざけることにより、第1釣糸に付与する張力を増大させることによって、第2釣糸に対して第1釣糸を締込むことができる。
【0015】
また、第1張力付与部では、第1固定部と第2固定部との間に固定された第1釣糸に張力を付与し且つ第1固定部と第2固定部との間の距離が所定の距離より近くならないように固定しつつ、第1釣糸を固定した第1固定部及び第1釣糸を固定した第2固定部のいずれかは、第1釣糸の引き込みが自在でもよい。
【0016】
この構成によれば、第1張力付与部では、第1固定部と第2固定部との間に固定された第1釣糸に張力を付与し且つ第1固定部と第2固定部との間の距離が所定の距離より近くならないように固定しつつ、第1釣糸を固定した第1固定部及び第1釣糸を固定した第2固定部のいずれかは第1釣糸の引き込みが自在であるため、FGノットにおける第1釣糸(PEライン)に第2釣糸(リーダー)を編込む工程が終了した後に、第1釣糸を固定した第1固定部及び第2固定部のいずれかが第1釣糸を引き込むことにより、第1釣糸に付与する張力を増大させることによって、第2釣糸に対して第1釣糸を締込むことができる。
【0017】
また、第2張力付与部では、第3固定部と第4固定部との間の距離は一定であり、第2釣糸を固定した第3固定部及び第2釣糸を固定した第4固定部は、第2釣糸の引き込み及び繰り出しが自在でもよい。
【0018】
この構成によれば、第2張力付与部では、第2釣糸を固定した第3固定部及び第2釣糸を固定した第4固定部は第2釣糸の引き込み及び繰り出しが自在であるため、第3固定部及び第4固定部のいずれか一方に第2釣糸が固定され、第3固定部及び第4固定部のいずれか他方に第2釣糸が固定されていない状態では、第2釣糸を固定した第3固定部及び第4固定部のいずれかが第2釣糸を引き込み又は繰り出すことにより、FGノットにおける第1釣糸(PEライン)に第2釣糸(リーダー)を編込む工程がさらに容易となる。
【0019】
また、第3固定部及び第4固定部の両方に第2釣糸が固定されている状態では、第3固定部と第4固定部との間の距離は一定であり、第2釣糸を固定した第3固定部及び第4固定部が第2釣糸を引き込み又は繰り出すことにより、第3固定部と第4固定部との間に固定された第2釣糸に付与する張力と、第3固定部と第4固定部との間に固定された第2釣糸の特定の部位の第1釣糸に対する位置関係とを変更することができ、FGノットにおける第1釣糸(PEライン)に第2釣糸(リーダー)を編込む工程が終了した後に第1釣糸に付与する張力を増大させて第2釣糸に対して第1釣糸を締込む際の工程がさらに容易になる。
【0020】
また、第2張力付与部では、第3固定部と第4固定部との間の距離を変更自在であり、第2釣糸を固定した第3固定部と第2釣糸を固定した第4固定部とが互いに離れる方向に力が付与されることにより、第2釣糸に張力が付与され、第2釣糸を固定した第3固定部及び第2釣糸を固定した第4固定部のいずれかは、第2釣糸の引き込み及び繰り出しが自在でもよい。
【0021】
この構成によれば、第2張力付与部では、第3固定部と第4固定部との間の距離を変更自在であり、第2釣糸を固定した第3固定部と第2釣糸を固定した第4固定部とが互いに離れる方向に力が付与されることにより第2釣糸に張力が付与され、第2釣糸を固定した第3固定部及び第2釣糸を固定した第4固定部のいずれかは第2釣糸の引き込み及び繰り出しが自在である。
【0022】
このため、第2釣糸に張力を付与することにより第2釣糸を安定させた状態で第2釣糸を固定した第3固定部又は第4固定部が第2釣糸を引き込み又は繰り出すことによって、第3固定部と第4固定部との間に固定された第2釣糸の特定の部位の第1釣糸に対する位置関係を変更することができ、FGノットにおける第1釣糸(PEライン)に第2釣糸(リーダー)を編込む工程が終了した後に第1釣糸に付与する張力を増大させて第2釣糸に対して第1釣糸を締込む際の工程がさらに容易になる。
【0023】
また、第1張力付与部は、第1釣糸に付与された張力を測定する張力測定部をさらに有していてもよい。
【0024】
この構成によれば、第1張力付与部は第1釣糸に付与された張力を測定する張力測定部をさらに有するため、FGノットにおける第1釣糸(ライン)に第2釣糸(リーダー)を編込む工程が終了した後に第1釣糸に付与する張力を増大させて第2釣糸に対して第1釣糸を締込む際に、第1釣糸に適切な張力を付与することが容易となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の釣糸を結ぶための補助具によれば、第2釣糸に対して第1釣糸をより安定して締込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】(A)は第1実施形態の補助具の第1張力付与部を示す平面図であり、(B)は(A)の右側面図であり、(C)は(A)の左側面図である。
【
図2】
図1(A)において、第1固定部及び第2固定部のラチェット機構部が第1釣糸の引き込みのみが可能であり、第3固定部及び第4固定部のラチェット機構部が第2釣糸の引き込みのみが可能である状態を示す平面図である。
【
図3】
図2において、第1固定部及び第2固定部のラチェット機構部が第1釣糸の引き込み及び繰り出しが可能であり、第3固定部及び第4固定部のラチェット機構部が第2釣糸の引き込み及び繰り出しが可能である状態を示す平面図である。
【
図4】第1実施形態の補助具の第1張力付与部の距離減少状態を示す平面図である。
【
図5】第1実施形態の補助具の第1張力付与部の距離増大状態を示す平面図である。
【
図6】第1実施形態の補助具の第1張力付与部の全閉状態を示す平面図である。
【
図7】第1実施形態の補助具の第1張力付与部の距離減少状態において、第1固定部と第2固定部との間に第1釣糸が固定され、第3固定部に第2釣糸が固定された状態を示す平面図である。
【
図8】
図7の状態から第1釣糸に第2釣糸を編込む工程を示す平面図である。
【
図9】
図8の状態から第1釣糸に第2釣糸を編込む工程を示す平面図である。
【
図10】
図9の状態から第1釣糸に第2釣糸を編込む工程の終了後に第1釣糸と第2釣糸とを互いに仮固定する工程を示す平面図である。
【
図11】
図10の状態から第1釣糸と第2釣糸とを互いに仮固定する工程の終了後に第2釣糸に対して第1釣糸を締込む工程の準備をする工程を示す平面図である。
【
図12】
図11の状態から準備をする工程の終了後に第2釣糸に対して第1釣糸を締込む工程を示す平面図である。
【
図13】
図12の状態から第2釣糸に対して第1釣糸を締込む工程の終了後に第2釣糸の端部を処理する工程を示す平面図である。
【
図14】
図13の状態から第1釣糸に第2釣糸の端部をハーフヒッチにより一回編込む工程を示す平面図である。
【
図15】
図14の状態から第1釣糸に第2釣糸の端部がハーフヒッチにより一回編込まれた後に第2釣糸の端部に対して第1釣糸を締込む工程を示す平面図である。
【
図16】
図15の状態から第2釣糸の端部に対して第1釣糸が締込まれた後に第1釣糸に第2釣糸の端部をハーフヒッチにより一回編込む工程を示す平面図である。
【
図18】
図17の状態から第1釣糸に第2釣糸末端部近傍の第1釣糸がハーフヒッチにより複数回編込まれた後に第2釣糸末端部近傍の第1釣糸に対して第1釣糸を締込む工程を示す平面図である。
【
図19】
図18の状態からハーフヒッチにより編込まれた部位近傍の第1釣糸にエンドノットにより第1釣糸を固定する工程を示す平面図である。
【
図20】
図19の状態からハーフヒッチにより編込まれた部位近傍の第1釣糸にエンドノットにより第1釣糸が固定された後に第1釣糸に対して第1釣糸を締込む工程を示す平面図である。
【
図21】第2実施形態の補助具により第2釣糸に対して第1釣糸を締込む工程を示す平面図である。
【
図22】第2実施形態の補助具の第1張力付与部の全閉状態を示す平面図である。
【
図23】第3実施形態の補助具の第3固定部と第4固定部との間の距離が最大である状態を示す平面図である。
【
図24】
図23の状態から第3固定部と第4固定部との間の距離が狭められ、第2釣糸を固定した第3固定部と第2釣糸を固定した第4固定部とが互いに離れる方向に力が付与されることにより、第2釣糸に張力が付与されている状態を示す平面図である。
【
図25】第4実施形態の補助具の第3固定部と第4固定部との間の距離が最大である状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1(A)、
図1(B)、
図1(C)及び
図2に示されるように、本発明の第1実施形態に係る釣糸を結ぶための補助具1Aは、本体部2、右アーム部3及び左アーム部4を備える。本実施形態の補助具1Aは、例えば、FGノットにより第1釣糸(PEライン)と第2釣糸(リーダー)とを結ぶために用いられる。なお、以下の説明では、説明の便宜上、左アーム部4、本体部2及び右アーム部3が左右方向に並ぶように地面等に置かれた状態を基準として説明するが、例えば、上から順に右アーム部3、本体部2及び左アーム部4が上下方向に並んだ状態で使用されてもよい。
【0028】
本体部2、右アーム部3及び左アーム部4は、例えば、防錆処理が施された鉄、アルミニウム等の金属、合成樹脂及び繊維強化プラスチックから形成されている。本体部2は、前後方向に長い直方体形状を有する。右アーム部3及び左アーム部4のそれぞれは、平面視で円周の略1/4をなす円弧形状を有し、本体部2の側に湾曲している。右アーム部3及び左アーム部4のそれぞれは、平面視で本体部2の前後方向を対称軸とする線対称の形状を有する。なお、本実施形態の右アーム部3及び左アーム部4は平面視で円弧形状を有しているが、右アーム部3及び左アーム部4は平面視で長方形状を有していてもよい。
【0029】
右アーム部3は、その一端の上部に第1釣糸(PEライン)を固定する第1固定部5を有し、その他端にアーム基部11を有する。左アーム部4は、その一端の上部に第1固定部5から離隔した位置で第1釣糸を固定する第2固定部6を有し、他端にアーム基部11を有する。第1固定部5及び第2固定部6のそれぞれは、円柱形状を有し、その側面に第1釣糸が巻回されることにより、第1釣糸を固定する。
【0030】
第1固定部5及び第2固定部6のそれぞれの側面は、巻回された第1釣糸が滑らずに固定され、巻回された第1釣糸が傷つかず且つ巻回された第1釣糸が食い込むことにより破損しないようなシリコーンゴム等の材料により形成されている。第1固定部5及び第2固定部6のそれぞれの側面の上端部及び下端部には、外側に突出したフランジが設けられている。フランジの外周には、把持し易いような凹凸が設けられている。
【0031】
本体部2は、その後端近傍に左右一対のアーム支持部12を有する。右アーム部3及び左アーム部4のアーム基部11のそれぞれと、本体部2の左右一対のアーム支持部12のそれぞれとは、アーム回転軸13により連結されている。右アーム部3及び左アーム部4のそれぞれは、本体部2の左右一対のアーム支持部12のそれぞれに対して、垂直方向のアーム回転軸13の周りに回転可能である。
【0032】
本体部2は、その後端に引張コイルばね固定部15を有する。右アーム部3及び左アーム部4のそれぞれは、右アーム部3及び左アーム部4の湾曲の外側であってアーム端部11の近傍に引張コイルばね固定部16を有する。左右一対の引張コイルばね固定部15と引張コイルばね固定部16との間には、右アーム部3と左アーム部4との間が拡がり、第1固定部5と第2固定部6とが互いに離れる方向に付勢する引張コイルばね14が取り付けられている。なお、本実施形態では、引張コイルばね14により右アーム部3と左アーム部4との間が拡がるように付勢されるが、圧縮コイルばねにより右アーム部3と左アーム部4との間が拡がるように付勢されてもよい。
【0033】
右アーム部3、左アーム部4、第1固定部5、第2固定部6、アーム基部11、アーム支持部12、アーム回転軸13、引張コイルばね14及び引張コイルばね固定部15,16は、第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸に張力を付与する第1張力付与部7Aを形成する。
【0034】
本体部2は、その後側の上部に第3固定部8を有し、その前側の上部に第4固定部9を有する。第3固定部8は、第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸に交差するように配置された第2釣糸を固定する。第4固定部9は、第3固定部8との間に第1釣糸を挟む位置で第2釣糸を固定する。
【0035】
第3固定部8及び第4固定部9のそれぞれは、円柱形状を有し、その側面に第2釣糸が巻回されることにより、第2釣糸を固定する。第3固定部8及び第4固定部9のそれぞれの側面は巻回された第2釣糸が滑らずに固定され、巻回された第2釣糸が傷つかず且つ巻回された第2釣糸が食い込むことにより破損しないようなシリコーンゴム等の材料により形成されている。
【0036】
第3固定部8及び第4固定部9のそれぞれの側面の上端部及び下端部には、外側に突出したフランジが設けられている。フランジの外周には、把持し易いような凹凸が設けられている。第3固定部8及び第4固定部9は、第3固定部8と第4固定部9との間に固定された第2釣糸に張力を付与する第2張力付与部10Aを形成する。
【0037】
なお、本発明で「張力を付与する」とは、例えば、固定された第1釣糸及び第2釣糸が外部からの補助具1Aに対する操作がされなくても弛まずに0kgwを超える張力が付与されている状態とすることを意味する。また、後述するように、本実施形態では、平面視において、第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸に、第3固定部8と第4固定部9との間に固定された第2釣糸は直交するが、本発明で「交差」とは直交以外の他の角度をなすことも含む。また、本実施形態では、平面視において、第3固定部8と第4固定部9との間に固定された第2釣糸は、第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸の中間点において交差するが、本発明はこれに限定されない。
【0038】
図1(A)、
図1(B)、
図1(C)、
図2及び
図3に示されるように、第1固定部5及び第2固定部6のそれぞれは、右アーム部3及び左アーム部4のそれぞれの一端に、固定部回転軸17により連結されている。第1固定部5及び第2固定部6のそれぞれは、垂直方向の固定部回転軸17の周りに回転可能である。
図2及び
図3に示されるように、第1張力付与部7Aは、第1固定部5及び第2固定部6のそれぞれにラチェット機構部18を有する。
【0039】
第1固定部5及び第2固定部6のそれぞれのラチェット機構部18は、ラチェット歯車20、ラチェットレバー21、レバー回転軸23、ラチェット爪24、レバー操作部25、ばね収容部26、圧縮コイルばね27及び押圧体28を含む。ラチェット歯車20のそれぞれは、第1固定部5及び第2固定部6のそれぞれと一体化し、右アーム部3及び左アーム部4のそれぞれの一端に固定部回転軸17により連結されている。ラチェット歯車20のそれぞれは、第1固定部5及び第2固定部6のそれぞれと一緒に垂直方向の固定部回転軸17の周りに回転可能である。ラチェット歯車20は、その外周に複数の歯を含む。
【0040】
ラチェットレバー21のそれぞれは、右アーム部3及び左アーム部4のそれぞれの一端の内部でレバー回転軸23により連結されている。ラチェットレバー21は、垂直方向のレバー回転軸23の周りに回転可能である。ラチェットレバー21は、ラチェット歯車20の側の一端に、ラチェット歯車20の歯と噛み合うラチェット爪24を含む。ラチェットレバー21のそれぞれは、ラチェット歯車20とは反対側の他端に、右アーム部3及び左アーム部4のそれぞれの外側に突出したレバー操作部25を含む。
【0041】
ラチェット爪24とレバー操作部25との間にレバー回転軸23が位置する。右アーム部3及び左アーム部4のそれぞれは、レバー操作部25の近傍に、ばね収容部26と、ばね収容部26に収容された圧縮コイルばね27と、圧縮コイルばね27により付勢される押圧体28とを有する。圧縮コイルばね27は、押圧体28を介して、レバー操作部25のそれぞれが右アーム部3及び左アーム部4のそれぞれの外側に突出するように付勢する。
【0042】
図2に示されるように、圧縮コイルばね27により付勢されたレバー操作部25が右アーム部3又は左アーム部4の外側に突出しているときは、ラチェット爪24はラチェット歯車20の歯と噛み合う。ラチェット爪24がラチェット歯車20の歯と噛み合っている状態では、第1固定部5及び第2固定部6は、第1固定部5及び第2固定部6のそれぞれに固定された第1釣糸を引き込む方向にのみ回転可能であり、第1釣糸を繰り出す方向には回転不可能である。
【0043】
一方、
図3に示されるように、レバー操作部25が右アーム部3又は左アーム部4の内側に押圧されると、ラチェットレバー21はレバー回転軸23の周りに回転し、ラチェット爪24はラチェット歯車20の歯から離れる。ラチェット爪24がラチェット歯車20の歯から離れた状態では、第1固定部5及び第2固定部6は、第1固定部5及び第2固定部6のそれぞれに固定された第1釣糸を引き込む方向及び繰り出す方向のいずれの方向にも回転可能である。
【0044】
なお、ラチェット機構部18は、例えば、ラチェット歯車20にそれぞれ異なる方向への回転のみを許可する2種類のラチェット爪24を1つのラチェットレバー21に設け、2種類のラチェット爪24を選択的にラチェット歯車20に噛み合わせてもよい。これにより、ラチェット機構部18は、第1固定部5又は第2固定部6が固定された第1釣糸を引き込む方向にのみ回転可能な状態と、第1固定部5又は第2固定部6が固定された第1釣糸を繰り出す方向にのみ回転可能な状態とを切り替えることができるように構成されていてもよい。
【0045】
図1(A)、
図1(B)、
図1(C)、
図2及び
図3に示されるように、第1固定部5及び第2固定部6と同様に、第3固定部8及び第4固定部9のそれぞれは、本体部2に固定部回転軸17により連結されている。第1固定部5及び第2固定部6と同様に、第3固定部8及び第4固定部9のそれぞれは、垂直方向の固定部回転軸17の周りに回転可能である。
図2及び
図3に示されるように、第2張力付与部10Aは、第3固定部8及び第4固定部9のそれぞれに第1固定部5及び第2固定部6のラチェット機構部18と同様のラチェット機構部19を有する。
【0046】
第3固定部8及び第4固定部9のそれぞれのラチェット機構部19は、ラチェット歯車20、ラチェットレバー22、レバー回転軸23、ラチェット爪24、レバー操作部25、ばね収容部26、圧縮コイルばね27及び押圧体28を含む。ラチェット機構部19では、ラチェットレバー22の形状がラチェット機構部18のラチェット21の形状と異なる。その他は、ラチェット機構部19はラチェット機構部18と同様の機能を有する。
【0047】
つまり、
図2に示されるように、圧縮コイルばね27により付勢されたレバー操作部25が本体部2の外側に突出しているときは、ラチェット爪24はラチェット歯車20の歯と噛み合う。ラチェット爪24がラチェット歯車20の歯と噛み合っている状態では、第3固定部8及び第4固定部9は、第3固定部8及び第4固定部9のそれぞれに固定された第2釣糸を引き込む方向にのみ回転可能であり、第2釣糸を繰り出す方向には回転不可能である。
【0048】
一方、
図3に示されるように、レバー操作部25が本体部2の内側に押圧されると、ラチェットレバー22はレバー回転軸23の周りに回転し、ラチェット爪24はラチェット歯車20の歯から離れる。ラチェット爪24がラチェット歯車20の歯から離れた状態では、第3固定部8及び第4固定部9は、第3固定部8及び第4固定部9のそれぞれに固定された第2釣糸を引き込む方向及び繰り出す方向のいずれの方向にも回転可能である。
【0049】
つまり、本実施形態では、第3固定部8及び第4固定部9が、第3固定部8及び第4固定部9のそれぞれに固定された第2釣糸を引き込む方向にのみ回転可能であり、第2釣糸を繰り出す方向には回転不可能な状態では、第2張力付与部10Aの第3固定部8及び第4固定部9は、第3固定部8と第4固定部9との間に固定された第2釣糸に張力を付与することができる。また、第2張力付与部10Aでは、第3固定部8と第4固定部9との間の距離は一定であり、第2釣糸を固定した第3固定部8及び第2釣糸を固定した第4固定部9は、第2釣糸の引き込み及び繰り出しが自在である。
【0050】
なお、ラチェット機構部19は、例えば、ラチェット歯車20にそれぞれ異なる方向への回転のみを許可する2種類のラチェット爪24を1つのラチェットレバー22に設け、2種類のラチェット爪24を選択的にラチェット歯車20に噛み合わせてもよい。これにより、ラチェット機構部19は、第3固定部8又は第4固定部9が固定された第2釣糸を引き込む方向にのみ回転可能な状態と、第3固定部8又は第4固定部9が固定された第2釣糸を繰り出す方向にのみ回転可能な状態とを切り替えることができるように構成されていてもよい。
【0051】
図2に示されるように、第1張力付与部7Aは、ねじ機構部29を有する。ねじ機構部29は、アーム開閉度調整軸30、外ねじ側面部31、平滑側面部32、回転ノブ33、内ねじ部34、軸受部35及び拡径部36,37を含む。
【0052】
アーム開閉度調整軸30は、右アーム部3、本体部2及び左アーム部4を横断するように配置された軸体である。アーム開閉度調整軸30は、その先端側の外ねじ側面部31と、その末端の回転ノブ33と、外ねじ側面部31と回転ノブ33との間の平滑側面部32とを含む。外ねじ側面部31は、アーム開閉度調整軸30の側面にねじ溝が設けられている領域である。一方、平滑側面部32は、アーム開閉度調整軸30の側面が滑らかな正円柱の側面である領域である。回転ノブ33は、アーム開閉度調整軸30の他のいずれの部位よりも直径が大きい部位であり、その外周面には、把持し易いような凹凸が設けられている。
【0053】
アーム開閉度調整軸30の外ねじ側面部31は、左アーム部4の上部に設けられた内ねじ部34にねじ込まれることにより、左アーム部4に支持されている。内ねじ部34は、その内面に外ねじ側面部31のねじ溝と噛み合うねじ溝を含む。外ねじ側面部31及び内ねじ部34の互いに噛み合うねじ溝の作用により、アーム開閉度調整軸30の回転に伴い、アーム開閉度調整軸30はその内ねじ部34に支持されている部位がその長手方向に変化する。
【0054】
また、左アーム部4において、内ねじ部34は垂直方向の軸回りに回転自在に支持されている。したがって、アーム開閉度調整軸30は、左アーム部4のアーム回転軸13の周りの回転角度の変化に関わらず、平面視で、その長手方向を本体部2の長手方向に直交する方向に維持できる。
【0055】
アーム開閉度調整軸30の平滑側面部32は、右アーム部3の上部に設けられた軸受部35に挿入されることにより、右アーム部3に支持されている。軸受部35は、平滑側面部32の滑らかな正円柱の側面に対応した内周面を含む。アーム開閉度調整軸30の平滑側面部32は、軸受部35において、軸回りに回転自在であり、アーム開閉度調整軸30の長手方向に摺動自在である。
【0056】
また、右アーム部3において、軸受部35は垂直方向の軸回りに回転自在に支持されている。したがって、アーム開閉度調整軸30は、右アーム部3のアーム回転軸13の周りの回転角度の変化に関わらず、平面視で、その長手方向を本体部2の長手方向に直交する方向に維持できる。
【0057】
外ねじ側面部31と平滑側面部32との境界の部位と、平滑側面部32の軸受部35により支持されている部位との間に、アーム開閉度調整軸30は拡径部36を含む。拡径部36は、軸受部35により支持されている平滑側面部32の部位よりも直径が大きく、平滑側面部32から突出した部位となっている。そのため、拡径部36は、平滑側面部32とは異なり、軸受部35を通過して摺動することは不可能である。
【0058】
回転ノブ33と、平滑側面部32の軸受部35により支持されている部位との間に、アーム開閉度調整軸30は拡径部37を含む。拡径部37は、軸受部35により支持されている平滑側面部32の部位よりも直径が大きく、平滑側面部32から突出した部位となっている。そのため、拡径部37は、平滑側面部32とは異なり、軸受部35を通過して摺動することは不可能である。
【0059】
図2に示されるように、第1固定部5と第2固定部6との間に第1釣糸が固定されていない状態では、左右一対の引張コイルばね14は、右アーム部3と左アーム部4との間が拡がり、第1固定部5と第2固定部6とが互いに離れる方向に付勢する。右アーム部3の軸受部35は、内ねじ部34に外ねじ側面部31を固定されたアーム開閉度調整軸30の平滑側面部32を摺動可能である。
【0060】
しかし、軸受部35は、アーム開閉度調整軸30の拡径部37と当接すると、それ以上は右アーム部3と左アーム部4との間が拡がる方向に摺動できない。このため、第1固定部5と第2固定部6との間に第1釣糸が固定されていない状態では、右アーム部3と左アーム部4との間の開度は一定に保たれる。したがって、第1張力付与部7Aにおいて、軸受部35が拡径部37と当接している状態が、右アーム部3と左アーム部4との間が最大の開度である全開状態である。なお、引張コイルばね14が縮み切った状態が右アーム部3と左アーム部4との間が最大の開度である状態としてよい場合は、拡径部37は省略されてもよい。
【0061】
図4に示されるように、第1固定部5と第2固定部6との間に第1釣糸100が固定されている状態では、左右一対の引張コイルばね14は、右アーム部3と左アーム部4との間が拡がり、第1固定部5と第2固定部6とが互いに離れる方向に付勢し、第1釣糸100に張力を付与する。第1固定部5と第2固定部6との間の第1釣糸100がFGノットにおける第1釣糸100に第2釣糸を編込む工程の進行等により短くなるにつれて、拡径部37と当接していた軸受部35は拡径部37から離れ、内ねじ部34に外ねじ側面部31を固定されたアーム開閉度調整軸30の平滑側面部32を摺動する。
【0062】
上記の軸受部35が拡径部37に当接している全開状態から軸受部35が拡径部36と拡径部37との間に位置する状態が、第1張力付与部7Aにおいて、第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸100に引張コイルばね14により張力を付与しつつ、第1固定部5と第2固定部6との間の距離を近づけることが可能な距離減少状態である。
【0063】
図5に示されるように、第1固定部5と第2固定部6との間の第1釣糸100がさらに短くなり、軸受部35がアーム開閉度調整軸30の拡径部36と当接すると、軸受部35は、それ以上は右アーム部3と左アーム部4との間が狭まり、第1固定部5と第2固定部6とが近くなる方向に摺動できない。
【0064】
軸受部35が拡径部36と当接した状態で、アーム開閉度調整軸30の外ねじ側面部31が内ねじ部34から抜けていく方向に回転ノブ33が回されると、軸受部35に当接している拡径部36は、右アーム部3と左アーム部4との間が拡がり、第1固定部5と第2固定部6とが互いに離れ、第1釣糸100に付与する張力が増大する方向に軸受部35を押圧する。
【0065】
上記の軸受部35が拡径部36に当接した状態が、第1張力付与部7Aにおいて、第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸100に張力を付与し且つ第1固定部5と第2固定部6との間の距離が所定の距離より近くならないように固定しつつ、第1固定部5と第2固定部6との間の距離を遠ざけることが可能な距離増大状態である。また、この距離増大状態において、第1張力付与部7Aの第1固定部5及び第2固定部6は、ラチェット機構部18により、固定された第1釣糸100の引き込み及び繰り出しが可能であるため、第1釣糸100に付与する張力を変更自在である。
【0066】
つまり、本実施形態では、第1張力付与部7Aは、第1釣糸100に付与する張力を変更自在である。また、第1張力付与部7Aでは、第1固定部5と第2固定部6との間の距離を変更自在であり、第1釣糸100を固定した第1固定部5と第1釣糸100を固定した第2固定部6とが互いに離れる方向に力が付与されることにより、第1釣糸100に張力が付与され、第1釣糸100を固定した第1固定部5と第1釣糸100を固定した第2固定部6との間の距離を変更することにより、第1釣糸100に付与する張力を変更自在である。
【0067】
さらに、本実施形態では、第1張力付与部7Aでは、第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸100に張力を付与しつつ、第1固定部5と第2固定部6との間の距離を近づけることが可能な距離減少状態と、第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸100に張力を付与し且つ第1固定部5と第2固定部6との間の距離が所定の距離より近くならないように固定しつつ、第1固定部5と第2固定部6との間の距離を遠ざけることが可能な距離増大状態とを切替自在である。
【0068】
また、本実施形態では、第1張力付与部7Aでは、上記の距離増大状態において、第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸100に張力を付与し且つ第1固定部5と第2固定部6との間の距離が所定の距離より近くならないように固定しつつ、第1釣糸100を固定した第1固定部5及び第1釣糸100を固定した第2固定部6は、第1釣糸100の引き込み及び繰り出しが自在である。
【0069】
なお、本実施形態では、上記の距離増大状態において、平面視で、第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸100に、第3固定部8と第4固定部9との間に固定された第2釣糸は直交する。また、本実施形態では、上記の距離増大状態において、平面視で、第3固定部8と第4固定部9との間に固定された第2釣糸は、第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸100の中間点において交差する。また、本実施形態では、上記の距離増大状態において、平面視で、第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸100は、第3固定部8と第4固定部9との間に固定された第2釣糸の中間点において交差する。しかし、本発明はこれに限定されない。
【0070】
図6に示されるように、第1固定部5と第2固定部6との間に第1釣糸100が固定されておらず、軸受部35が拡径部37と当接した状態で、アーム開閉度調整軸30の外ねじ側面部31が内ねじ部34にねじ込まれていく方向に回転ノブ33が回されると、軸受部35に当接している拡径部37は、右アーム部3と左アーム部4との間が狭まり、第1固定部5と第2固定部6とが互いに接近する方向に軸受部35を押圧する。第1張力付与部7Aにおいて、本体部2と右アーム部3とが互いに当接し、本体部2と左アーム部4とが互いに当接している状態が、右アーム部3と左アーム部4との間が最小の開度である全閉状態である。全閉状態では、補助具1Aを小さく畳むことができるため、携行に適する。
【0071】
図5に示されるように、第1張力付与部7Aは、第1釣糸100に付与された張力を測定する張力測定部38をさらに有する。本実施形態では、張力測定部38は、右アーム部3の固定部回転軸17への荷重を測定するロードセルである。張力測定部38は、固定部回転軸17への荷重から第1釣糸100に付与された張力を測定する。張力測定部38により測定された第1釣糸100に付与された張力は、右アーム部3の上部に設けられた張力表示部39に表示される。なお、張力測定部38は、第1釣糸100の側面に当接するプーリーへの荷重から第1釣糸100に付与された張力を測定するもの又は軸受部35への荷重から第1釣糸100に付与された張力を測定するものでもよい。また、張力表示部39は、補助具1Aの外部で無線通信により接続された携帯電子端末装置でもよい。
【0072】
以下、本実施形態の補助具1Aを用いてFGノットにより第1釣糸(PEライン)100と第2釣糸(リーダー)とを結ぶ工程について説明する。なお、FGノットには、様々な手法が存在するため、以下の説明は、あくまでも本実施形態の補助具1Aの使用方法の一例である。
【0073】
図7に示されるように、第1張力付与部7Aの距離減少状態において、第1固定部5及び第2固定部6のそれぞれの側面に第1釣糸(PEライン)100が巻回されることにより、第1固定部5及び第2固定部6に第1釣糸100が固定される。このとき、ラチェット機構部18により第1固定部5及び第2固定部6は固定された第1釣糸100を引き込む方向にのみ回転可能な状態であるため、第1釣糸100を引き込む方向に第1固定部5及び第2固定部6を回転させることにより、第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸100に張力を付与することが容易になる。
【0074】
第3固定部8の側面に第2釣糸(リーダー)200が巻回されることにより、第3固定部8に、第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸100の上方に交差するように配置された第2釣糸200が固定される。このとき、第3固定部8が固定された第2釣糸200を引き込む方向及び繰り出す方向に回転可能である状態に、第3固定部8のラチェット機構19を操作し、第3固定部8を適宜回転させることにより、第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸100に第2釣糸200が交差するように、第3固定部8から第2釣糸200が繰り出された長さを調整することが容易となる。
【0075】
なお、以下の説明では、説明の便宜のため、第1固定部5に第1釣糸(PEライン)100の本線の側、つまり釣竿又はリールが存在する側が固定され、第2固定部6に第1釣糸100の端部の側が固定されることを前提とする。しかし、本実施形態の補助具1Aでは、第1固定部5に第1釣糸100の端部の側が固定され、第2固定部6に第1釣糸100の本線の側が固定されてもよい。また、以下の説明では、説明の便宜のため、第3固定部8に固定された第2釣糸(リーダー)200の第4固定部9とは反対側が本線の側、つまり釣針又はルアーが存在する側であり、第3固定部8に固定された第2釣糸200の第4固定部9の側が第1釣糸100とFGノットで結ばれる端部であることを前提とする。
【0076】
図8に示されるように、第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸100の上方に配置された第2釣糸200の端部が、平面視で第1釣糸100と第2釣糸200とが交差する部位よりも第2固定部6の側であって且つ第1釣糸100の下方において、第1釣糸100の第4固定部9の側から第3固定部8の側へと通される。次に、第2釣糸200の端部が、平面視で直前に第2釣糸200の端部が第1釣糸100の第4固定部9の側から第3固定部8の側へと通された部位よりもさらに第2固定部6の側であって且つ第1釣糸100の上方において、第1釣糸100の第3固定部8の側から第4固定部9の側へと通される。最後に第2釣糸200の端部が第4固定部9の側に引っ張られると、
図9に示されるような編込み部101が形成される。
【0077】
図9に示されるような編込み部101が形成された後、第2釣糸200の端部が、平面視で編込み部101よりも第1固定部5の側であって且つ第1釣糸100の下方において、第1釣糸100の第4固定部9の側から第3固定部8の側へと通される。次に、第2釣糸200の端部が、平面視で直前に第2釣糸200の端部が第1釣糸100の第4固定部9の側から第3固定部8の側へと通された部位よりも第1固定部5の側であって且つ第1釣糸100の上方において、第1釣糸100の第3固定部8の側から第4固定部9の側へと通される。最後に第2釣糸200の端部が第4固定部9の側に引っ張られる。
図8及び
図9工程が繰り返されることにより、FGノットにおける第1釣糸(PEライン)100に第2釣糸(リーダー)200を編込む工程が進行する。
【0078】
第1張力付与部7Aは距離減少状態であるため、第1固定部5と第2固定部6との間の第1釣糸100がFGノットにおける第1釣糸100に第2釣糸200を編込む工程の進行により短くなるにつれて、拡径部37と当接していた軸受部35は拡径部37から離れ、内ねじ部34に外ねじ側面部31を固定されたアーム開閉度調整軸30の平滑側面部32を摺動する。第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸100は引張コイルばね14により張力を付与され、第1固定部5と第2固定部6との間の距離は近づいていく。
【0079】
FGノットにおける第1釣糸100に第2釣糸200を編込む工程の進行に伴い、編込み部101の位置が変化した場合には、例えば、第1張力付与部7Aの第1固定部5及び第2固定部6のラチェット機構部18及び第2張力付与部10Aの第3固定部8のラチェット機構部19が適宜操作され、第1固定部5及び第2固定部6からの第1釣糸100の引き込み及び繰り出し並びに第3固定部8からの第2釣糸200の引き込み及び繰り出しが適宜行われる。
【0080】
ラチェット機構部18,19を操作し、第1固定部5、第2固定部6及び第3固定部8を適宜回転させることにより、例えば、平面視において、編込み部101の第4固定部9の側の端部で第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸100は屈曲していない直線状をなし、編込み部101の第4固定部9の側の端部で第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸100に第3固定部8に固定された第2釣糸200は直交し、編込み部101の第4固定部9の側の端部は第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸100の中間点に形成されるように、適宜調整できる。
【0081】
図8及び
図9の工程が繰り返された後、
図8の工程が最後に行われることで、
図10に示されるような編込み部101が形成される。なお、第1釣糸100に第2釣糸200を編込む工程では、第1釣糸100及び第2釣糸200が適宜唾液等の水分で湿らされてもよい。また、本実施形態では、第1釣糸100に第2釣糸200を編込む工程において、第2固定部6に固定された第1釣糸100の端部の側から編込んだが、第1固定部5に固定された第1釣糸100の本線の側から編込んでもよい。
図10に示されるように、第1釣糸100に第2釣糸200を編込む工程の終了後に第1釣糸100と第2釣糸200とを互いに仮固定する工程が行われる。
【0082】
第1釣糸100と第2釣糸200とを互いに仮固定する工程では、編込み部101から第4固定部9の側へと延在する第2釣糸200の端部が、平面視で編込み部101よりも第2固定部6の側であって且つ第1釣糸100の下方において、第1釣糸100の第4固定部9の側から第3固定部8の側へと通される。次に、第2釣糸200の端部が、平面視で直前に第2釣糸200の端部が第1釣糸100の第4固定部9の側から第3固定部8の側へと通された部位と編込み部101との間であって且つ且つ第1釣糸100の上方において、第1釣糸100の第3固定部8の側から第4固定部9の側へと通される。
【0083】
次に、第2釣糸200の端部が、平面視で第1釣糸100の第4固定部9の側であって第2釣糸200の端部が第1釣糸100の第4固定部9の側から第3固定部8の側へと通された部位と編込み部101との間に湾曲しつつ延在する第2釣糸200の下方において、第2釣糸200の第3固定部8の側から第4固定部9の側へと通される。最後に第2釣糸200の端部が第4固定部9の側に引っ張られると、
図11に示されるような仮固定部102が形成される。なお、第1釣糸100と第2釣糸200とを互いに仮固定する工程では、第1釣糸100及び第2釣糸200が適宜唾液等の水分で湿らされてもよい。
【0084】
図11に示されるように、第1釣糸100と第2釣糸200とを互いに仮固定する工程の終了後に第2釣糸200に対して第1釣糸100を締込む工程の準備をする工程が行われる。第1張力付与部7Aは距離減少状態から距離増大状態へと切り替えられる。回転ノブ33が回されることにより、軸受部35が拡径部36と当接した距離増大状態へと切り替えられる。また、ラチェット機構部18により第1固定部5及び第2固定部6は固定された第1釣糸100を引き込む方向にのみ回転可能な状態であるため、第1釣糸100を引き込む方向に第1固定部5及び第2固定部6を回転させることにより、軸受部35が拡径部36と当接した距離増大状態へと切り替えられる。
【0085】
第1張力付与部7Aの距離増大状態において、第4固定部9の側面に第2釣糸200の端部が巻回されることにより、第4固定部9に、第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸100に交差するように配置された第2釣糸200が固定される。このとき、ラチェット機構部19により第3固定部8及び第4固定部9は固定された第2釣糸200を引き込む方向にのみ回転可能な状態であるため、第2釣糸200を引き込む方向に第3固定部8及び第4固定部9を回転させることにより、第3固定部8と第4固定部9との間に固定された第2釣糸200に張力を付与することができる。
【0086】
また、ラチェット機構部18,19を操作し、第1固定部5、第2固定部6、第3固定部8及び第4固定部9を適宜回転させることにより、第1釣糸100と第2釣糸200との位置関係を、例えば、以下のように適宜調整できる。つまり、平面視において、第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸100は、仮固定部102において屈曲していない直線状をなす。第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸100に、第3固定部8と第4固定部9に固定された第2釣糸200は、仮固定部102において直交する。仮固定部102は、第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸100の中間点に位置する。仮固定部102は、第3固定部8と第4固定部9との間に固定された第2釣糸200の中間点に位置する。
【0087】
なお、第2釣糸200に対して第1釣糸100を締込む工程の準備をする工程では、第1釣糸100及び第2釣糸200が適宜唾液等の水分で湿らされてもよい。また、第2釣糸200に対して第1釣糸100を締込む工程の準備をする工程では、編込部101及び仮固定部102にワセリン等の潤滑剤が塗布されてもよい。
【0088】
図12に示されるように、準備をする工程の終了後に第2釣糸200に対して第1釣糸100を締込む工程が行われる。軸受部35が拡径部36と当接した距離増大状態で、アーム開閉度調整軸30の外ねじ側面部31が内ねじ部34から抜けていく方向に回転ノブ33が回されると、軸受部35に当接している拡径部36は、右アーム部3と左アーム部4との間が拡がり、第1固定部5と第2固定部6とが互いに離れ、第1釣糸100に付与する張力が増大する方向に軸受部35を押圧する。これにより、編込部101及び仮固定部102において、第2釣糸200に対して第1釣糸100が締込まれる。
【0089】
また、第2釣糸200に対して第1釣糸100を締込む工程では、軸受部35が拡径部36と当接し、第1固定部5と第2固定部6との間の距離が所定の距離より近くならないように固定された距離増大状態において、ラチェット機構部18により第1固定部5及び第2固定部6は固定された第1釣糸100を引き込む方向にのみ回転可能な状態であるため、第1釣糸100を引き込む方向に第1固定部5又は第2固定部6を回転させることにより、編込部101及び仮固定部102において、第2釣糸200に対して第1釣糸100が締込まれる。
【0090】
第2釣糸200に対して第1釣糸100を締込む工程では、第1張力付与部7Aの張力測定部38は、第1釣糸100に付与された張力を測定する。第1張力付与部7Aの張力表示部39は、張力測定部38が測定した第1釣糸100に付与された張力を表示する。
【0091】
図13に示されるように、第2釣糸200に対して第1釣糸100を締込む工程の終了後に第2釣糸200の端部を処理する工程が行われる。第2釣糸200の端部を処理する工程では、仮固定部102から第4固定部9の側へと延在する第2釣糸200の端部が、仮固定部102から数mmの長さに切断される。これにより、第2釣糸末端部201が形成される。第4固定部9から残余の第2釣糸200が取り外される。なお、第2釣糸200の切断された角で第1釣糸100が傷つけられることを防止し、後述するハーフヒッチにより編込まれる第1釣糸100が第2釣糸末端部201から脱落することを防止するために、第2釣糸末端部201は滑らかに拡径した形状となるように熱処理がなされてもよい。
【0092】
なお、本実施形態では、第2釣糸200に対して第1釣糸100を締込む工程の直後に第2釣糸200の端部を処理する工程が行われるが、第2釣糸200の端部を処理する工程は、後述する他の工程の後に行われてもよい。
【0093】
図14に示されるように、第2釣糸200の端部を処理する工程の終了後に、第1釣糸100に第2釣糸200の端部をハーフヒッチと呼ばれる結び方により編込む工程が行われる。第1固定部5から本線の側の第1釣糸100が取り外される。第4固定部9の側面に第1固定部5から取り外された本線の側の第1釣糸100が巻回されることにより、第4固定部9に本線の側の第1釣糸100が固定される。
【0094】
ラチェット機構部19により、第3固定部8は固定された第2釣糸200を引き込む方向にのみ回転可能な状態であり、第4固定部9は固定された第1釣糸100を引き込む方向にのみ回転可能な状態であるため、第2釣糸200を引き込む方向に第3固定部8を回転させ、第1釣糸100を引き込む方向に第4固定部9を回転させることにより、第3固定部8と第4固定部9との間に固定された第1釣糸100及び第2釣糸200に張力が付与される。
【0095】
第2固定部6から端部の側の第1釣糸100が取り外される。第1固定部5と第2固定部6との間に第1釣糸100が固定されていない状態では、第1張力付与部7Aでは、引張コイルばね14により右アーム部3と左アーム部4との間は拡げられ、アーム開閉度調整軸30の平滑側面部32を摺動した軸受部35は拡径部37と当接し、右アーム部3と左アーム部4との間が最大の開度である全開状態に戻る。
【0096】
仮固定部102から第1固定部5の側へ延在させられた第1釣糸100の端部は、第2固定部6の側に折り返され、第2釣糸末端部201の上方を通される。第2釣糸末端部201の上方を通された第1釣糸100の端部は、仮固定部102と第2釣糸末端部201との間であって、第2釣糸200の下方を通される。第2釣糸200の下方を通された第1釣糸100の端部は、第2釣糸200の第1固定部5の側において、仮固定部102と第2釣糸末端部201との間で折り返されている第1釣糸100の上方を通される。最後に第1釣糸100の端部が第1固定部5の側に引っ張られると、
図15に示されるようなハーフヒッチ部103が形成される。
【0097】
図15に示されるように、第1釣糸100に第2釣糸200の端部がハーフヒッチにより一回編込まれた後に第2釣糸200の端部に対して第1釣糸100を締込む工程が行われる。第1張力付与部7Aの距離増大状態において、第1固定部5側面に第1釣糸100の端部が巻回されることにより、第1固定部5に第1釣糸100の端部が固定される。このとき、ラチェット機構部18により第1固定部5は固定された第1釣糸100を引き込む方向にのみ回転可能な状態であるため、第1釣糸100を引き込む方向に第1固定部5を回転させることにより、ハーフヒッチ部103と第1固定部5との間の第1釣糸100に張力を付与することができる。
【0098】
上記の編込部101の第2釣糸200に対して第1釣糸100を締込む工程と同様に、アーム開閉度調整軸30の外ねじ側面部31が内ねじ部34から抜けていく方向に回転ノブ33が回されると、第1釣糸100に付与する張力が増大する。これにより、第2釣糸200の端部に対して第1釣糸100が締込まれる。また、上記の編込部101の第2釣糸200に対して第1釣糸100を締込む工程と同様に、第1釣糸100を引き込む方向に第1固定部5を回転させることにより、第2釣糸200の端部に対して第1釣糸100が締込まれる。第1張力付与部7Aの張力測定部38は、第1釣糸100に付与された張力を測定する。第1張力付与部7Aの張力表示部39は、張力測定部38が測定した第1釣糸100に付与された張力を表示する。
【0099】
図16に示されるように、第2釣糸200の端部に対して第1釣糸100が締込まれた後に第1釣糸100に第2釣糸200の端部をハーフヒッチにより一回編込む工程が行われる。第1固定部5から第1釣糸100の端部が取り外される。第1固定部5と第2固定部6との間に第1釣糸100が固定されていない状態では、第1張力付与部7Aでは、右アーム部3と左アーム部4との間が最大の開度である全開状態に戻る。
【0100】
ハーフヒッチ部103から第1固定部5の側へ延在させられた第1釣糸100の端部は、第2固定部6の側に折り返され、第2釣糸末端部201の下方を通される。第2釣糸末端部201の下方を通された第1釣糸100の端部は、ハーフヒッチ部103と第2釣糸末端部201との間であって、第2釣糸200の上方を通される。第2釣糸200の上方を通された第1釣糸100の端部は、第2釣糸200の第1固定部5の側において、ハーフヒッチ部103と第2釣糸末端部201との間で折り返されている第1釣糸100の下方を通される。最後に第1釣糸100の端部が第1固定部5の側に引っ張られる。
図15に示されるように、第1釣糸100に第2釣糸200の端部がハーフヒッチにより一回編込まれた後に第2釣糸200の端部に対して第1釣糸100を締込む工程が再び行われる。
【0101】
図14、
図15、
図16及び
図15の工程が繰り返された後に、仮固定部102から第2釣糸末端部200までの第2釣糸200の端部が第1釣糸100に編込まれると、
図17に示されるように、最後に第2釣糸200の端部に対して第1釣糸100を締込む工程が行われる。なお、第1釣糸100に第2釣糸200の端部をハーフヒッチにより編込む工程及びハーフヒッチにより編込んだ後に第2釣糸200の端部に対して第1釣糸100を締込む工程では、第1釣糸100及び第2釣糸200が適宜唾液等の水分で湿らされてもよく、ハーフヒッチ部103にワセリン等の潤滑剤が塗布されてもよい。
【0102】
なお、本実施形態では、第1釣糸100に第2釣糸200の端部がハーフヒッチにより一回編込まれるたびに第2釣糸200の端部に対して第1釣糸100を締込む工程が行われたが、
図14及び
図16に示されるように第1釣糸100に第2釣糸200の端部がハーフヒッチにより複数回編込まれた後に、
図17に示されるように、最後に第2釣糸200の端部に対して第1釣糸100を締込む工程が行われてもよい。また、本実施形態では、
図14及び
図16に示されるように、一回ごとのハーフヒッチにおいて、第2釣糸200の第2固定部6の側に折り返された第1釣糸100の端部は第2釣糸末端部201の上方及び下方を交互に通されたが、第2固定部6の側に折り返された第1釣糸100の端部は第2釣糸末端部201の上方又は下方の同じ側のみを通されてもよい。
【0103】
図18に示されるように、第1釣糸100に第2釣糸末端部201の近傍の第1釣糸100がハーフヒッチにより複数回編込まれ、一回ごとのハーフヒッチの後に第2釣糸末端部201の近傍の第1釣糸100に対して第1釣糸100を締込む工程が行われ、ハーフヒッチ部104が形成される。第1釣糸100に第2釣糸末端部201の近傍の第1釣糸100をハーフヒッチにより編込む工程及びハーフヒッチにより編込んだ後に第2釣糸末端部201の近傍の第1釣糸100に対して第1釣糸100を締込む工程は、
図14~
図17に示した第1釣糸100に第2釣糸200の端部をハーフヒッチにより編込む工程及びハーフヒッチにより編込んだ後に第2釣糸200の端部に対して第1釣糸100を締込む工程と同様に行われる。
【0104】
図19に示されるように、ハーフヒッチ部104の近傍の第1釣糸100にエンドノットと呼ばれる結び方により第1釣糸100の端部を固定する工程が行われる。第1固定部5から第1釣糸100の端部が取り外される。第1張力付与部7Aでは、右アーム部3と左アーム部4との間が最大の開度である全開状態に戻る。
【0105】
ハーフヒッチ部104から本線の第1釣糸100の第1固定部5の側へ延在させられた第1釣糸100の端部は、本線の第1釣糸100の第2固定部6の側に折り返され、ハーフヒッチ部104の近傍の本線の第1釣糸100の下方を通される。ハーフヒッチ部104の近傍の本線の第1釣糸100の下方を通された第1釣糸100の端部は、背面視において、ハーフヒッチ部104の近傍の本線の第1釣糸100の周囲を反時計回りに2~3回巻回される。
【0106】
第1釣糸100の周囲を巻回された第1釣糸100の端部は、平面視で、本線の第1釣糸100の第1固定部5の側において、ハーフヒッチ部104と第1釣糸100の端部による巻回が開始された部位との間で折り返されている第1釣糸100の下方を第1固定部の側に通される。最後に第1釣糸100の端部が第1固定部5の側に引っ張られると、
図20に示されるようなエンドノット部105が形成される。
【0107】
図20に示されるように、ハーフヒッチ部104の近傍の第1釣糸100にエンドノットにより第1釣糸100が固定された後に第1釣糸100に対して第1釣糸100の端部を締込む工程が行われる。エンドノットにより第1釣糸100が固定された後に第1釣糸100に対して第1釣糸100の端部を締込む工程は、上記の
図15、
図17及び
図18に示したハーフヒッチ部103,104を形成した後に第1釣糸100を締込む工程と同様に行われる。エンドノット部105から延在する残余の第1釣糸100が切断され、必要に応じて切断された第1釣糸100の端部が熱処理される。
【0108】
なお、本実施形態では、編込部101の形成後のハーフヒッチ部103,104及びエンドノット部105の形成及び締込みが、第3固定部8に第2釣糸200を固定し、第4固定部9に第1釣糸100の本線の側を固定することで行われたが、本実施形態の補助具1Aの使用方法はこれに限定されない。例えば、編込部101の形成後のハーフヒッチ部103,104及びエンドノット部105の形成及び締込みが、第1固定部5に第1釣糸100の本線の側を固定し、第2固定部6に第2釣糸200を固定することで行われてもよい。
【0109】
本実施形態によれば、釣糸を結ぶための補助具1Aにおいて、第1釣糸100を固定する第1固定部5と、第1固定部5から離隔した位置で第1釣糸100を固定する第2固定部6とを有する第1張力付与部7Aにより、第1固定部5と第2固定部6との間に第1釣糸100が固定され、第1釣糸100に張力が付与される。また、第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸100に交差するように配置された第2釣糸200を固定する第3固定部8と、第3固定部8との間に第1釣糸100を挟む位置で第2釣糸200を固定する第4固定部9とを有する第2張力付与部10Aにより、第3固定部8と第4固定部9との間に第2釣糸200が固定され、第2釣糸200に張力が付与される。
【0110】
このため、第1固定部5と第2固定部6との間に第1釣糸(PEライン)100を固定し、FGノットにおける第1釣糸(PEライン)100に第2釣糸(リーダー)200を編込む工程が終了した後に、第3固定部8と第4固定部9の間に第2釣糸(リーダー)200を固定することにより、第1釣糸100に対する第2釣糸200の位置関係が安定する。さらに、第1張力付与部7Aは、第1釣糸100に付与する張力を変更自在であるため、第3固定部8と第4固定部9との間に第2釣糸200を固定し、第1釣糸100に対する第2釣糸200の位置関係が安定した状態で第1釣糸100に付与する張力を増大させることにより、第2釣糸200に対して第1釣糸100をより安定して締込むことができる。
【0111】
つまり、上記特許文献1のような一対のアームの先端の間にPEラインを展張し、PEラインに交差させたリーダーをアームの中央のリーダー係止部で係止した補助具では、リーダーはリーダー係止部の一箇所でしか一定の位置に固定されておらず、PEラインに対するリーダーの位置関係が安定していないため、PEラインにリーダーを編込む工程が終了した後に、そのままPEラインに付与する張力を増大させたとしても、編込んだ部位に型崩れが生じることが多く、リーダーに対してPEラインを安定して締込むことが難しい。一方、本実施形態では、第1釣糸100に対する第2釣糸200の位置関係が安定しているため、第2釣糸200に対して第1釣糸100をより安定して締込むことができる。
【0112】
また、本実施形態によれば、第1張力付与部7Aでは、第1固定部5と第2固定部6との間の距離を変更自在であり、第1釣糸100を固定した第1固定部5と第1釣糸100を固定した第2固定部6とが互いに離れる方向に力が付与されることにより、第1釣糸100に張力が付与されているため、FGノットにおける第1釣糸(PEライン)100に第2釣糸(リーダー)200を編込む工程が容易となる。
【0113】
また、第1張力付与部7Aでは、第1釣糸100を固定した第1固定部5と第1釣糸100を固定した第2固定部6との間の距離を変更することにより、第1釣糸100に付与する張力を変更自在であるため、FGノットにおける第1釣糸(PEライン)100に第2釣糸(リーダー)200を編込む工程が終了した後に、第1釣糸100を固定した第1固定部5と第1釣糸100を固定した第2固定部6との間の距離を拡げ、第1釣糸100に付与する張力を増大させることにより、第2釣糸200に対して第1釣糸100を締込むことができる。
【0114】
FGノットにおける第1釣糸(PEライン)100に第2釣糸(リーダー)200を編込む工程においては、第1釣糸100への第2釣糸200の編込みが進行するにしたがって第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸100の見かけ上の長さは短くなっていく。しかし、本実施形態によれば、距離減少状態では、第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸100に張力を付与しつつ、第1固定部5と第2固定部6との間の距離を近づけることが可能である。そのため、第1釣糸100への第2釣糸200の編込みが進行するにしたがって第1固定部5と第2固定部6との間の距離を近づけることにより、FGノットにおける第1釣糸(PEライン)100に第2釣糸(リーダー)200を編込む工程が容易となる。
【0115】
一方、距離増大状態では、第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸100に張力を付与し且つ第1固定部5と第2固定部6との間の距離が所定の距離より近くならないように固定しつつ、第1固定部5と第2固定部6との間の距離を遠ざけることが可能である。そのため、FGノットにおける第1釣糸(PEライン)100に第2釣糸(リーダー)200を編込む工程が終了した後に、距離増大状態とし、第1固定部5と第2固定部6との間の距離を遠ざけることにより、第1釣糸100に付与する張力を増大させることによって、第2釣糸200に対して第1釣糸100を締込むことができる。
【0116】
また、本実施形態によれば、第1張力付与部7Aでは、第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸100に張力を付与し且つ第1固定部5と第2固定部6との間の距離が所定の距離より近くならないように固定しつつ、第1釣糸100を固定した第1固定部5及び第1釣糸100を固定した第2固定部6のいずれかは第1釣糸100の引き込みが自在であるため、FGノットにおける第1釣糸(PEライン)100に第2釣糸(リーダー)200を編込む工程が終了した後に、第1釣糸100を固定した第1固定部5及び第2固定部6のいずれかが第1釣糸100を引き込むことにより、第1釣糸100に付与する張力を増大させることによって、第2釣糸200に対して第1釣糸100を締込むことができる。
【0117】
また、本実施形態によれば、第2張力付与部10Aでは、第2釣糸200を固定した第3固定部8及び第2釣糸200を固定した第4固定部9は第2釣糸200の引き込み及び繰り出しが自在であるため、第3固定部8及び第4固定部9のいずれか一方に第2釣糸200が固定され、第3固定部8及び第4固定部9のいずれか他方に第2釣糸200が固定されていない状態では、第2釣糸200を固定した第3固定部8及び第4固定部9のいずれかが第2釣糸200を引き込み又は繰り出すことにより、FGノットにおける第1釣糸(PEライン)100に第2釣糸(リーダー)200を編込む工程がさらに容易となる。
【0118】
また、第3固定部8及び第4固定部9の両方に第2釣糸200が固定されている状態では、第3固定部8と第4固定部9との間の距離は一定であり、第2釣糸200を固定した第3固定部8及び第4固定部9が第2釣糸200を引き込み又は繰り出すことにより、第3固定部8と第4固定部9との間に固定された第2釣糸200に付与する張力と、第3固定部8と第4固定部9との間に固定された第2釣糸200の特定の部位の第1釣糸100に対する位置関係とを変更することができ、FGノットにおける第1釣糸(PEライン)100に第2釣糸(リーダー)200を編込む工程が終了した後に第1釣糸100に付与する張力を増大させて第2釣糸200に対して第1釣糸100を締込む際の工程がさらに容易になる。
【0119】
また、本実施形態によれば、第1張力付与部7Aは第1釣糸100に付与された張力を測定する張力測定部38をさらに有するため、FGノットにおける第1釣糸(ライン)100に第2釣糸(リーダー)200を編込む工程が終了した後に第1釣糸100に付与する張力を増大させて第2釣糸200に対して第1釣糸100を締込む際に、第1釣糸100に適切な張力を付与することが容易となる。
【0120】
また、本実施形態によれば、第1張力付与部7Aは、ラチェット機構部18により、第1固定部5及び第2固定部6が第1釣糸100を引き込む方向にのみ回転可能な状態と、第1固定部5及び第2固定部6が第1釣糸100を引き込む方向及び繰り出す方向に回転可能な状態とを切り替えることが可能であるため、第1固定部5と第2固定部6との間における第1釣糸100の状態及び第2釣糸200との位置関係を調節することが容易となる。
【0121】
また、本実施形態によれば、第2張力付与部10Aは、ラチェット機構部19により、第3固定部8及び第4固定部9が第2釣糸200を引き込む方向にのみ回転可能な状態と、第3固定部8及び第4固定部9が第2釣糸200を引き込む方向及び繰り出す方向に回転可能な状態とを切り替えることが可能であるため、第3固定部8と第4固定部9との間における第2釣糸200の状態及び第1釣糸100との位置関係を調節することが容易となる。
【0122】
また、本実施形態によれば、第1張力付与部7Aはねじ機構部29を有し、回転ノブ33が回されることにより、第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸100に付与する張力を増大させることができるため、第1釣糸100及び第2釣糸200の状態を安定させつつ、小さな力で第1釣糸100に付与する張力を増大させることができる。
【0123】
また、本実施形態によれば、第1固定部5、第2固定部6、第3固定部8及び第4固定部9の4つの釣糸を固定可能な部位を有し、第1張力付与部7Aにより第1固定部5と第2固定部6との間に固定された釣糸に張力を付与可能であり、第2張力付与部10Aにより第3固定部8と第4固定部9との間に固定された釣糸に張力付与可能であるため、FGノットにおける編込部101、仮固定部102、ハーフヒッチ部103,104及びエンドノット部105の形成及び締込みの工程をより多様な方法でより容易に行うことができる。
【0124】
以下、本発明の第2実施形態について説明する。
図21に示されるように、本実施形態の釣糸を結ぶための補助具1Bの第1張力付与部7Bでは、上記第1実施形態の補助具1Aの第1張力付与部7Aからねじ機構部29が省略されている。そのため、上記第1実施形態の補助具1Aのように第1張力付与部7Bを距離増大状態とすることはできず、回転ノブ33が回されることにより、第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸100に付与する張力を増大させることはできない。しかし、例えば、第1固定部5及び第2固定部6の間を手で拡げることにより、第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸100に付与する張力を増大させることができる。
【0125】
また、本実施形態では、アーム開閉度調整軸30を含むねじ機構部29が省略されているため、
図22に示されるように、全閉状態としたときに上記第1実施形態の補助具1Aよりもさらに小さく畳むことができるため、携行にさらに適する。
【0126】
以下、本発明の第3実施形態について説明する。
図23に示されるように、本実施形態の釣糸を結ぶための補助具1Cでは、第2張力付与部10Bでは、第3固定部8と第4固定部9との間の距離を変更自在である。第2張力付与部10Bでは、第2釣糸200を固定した第3固定部8と第2釣糸200を固定した第4固定部9とが互いに離れる方向に力が付与されることにより、第2釣糸に張力が付与される。第2張力付与部10Bでは、第2釣糸200を固定した第3固定部8及び第2釣糸200を固定した第4固定部9は、第2釣糸200の引き込み及び繰り出しが自在である。
【0127】
本実施形態の第2張力付与部10Bでは、本体部2の前部に、第4固定部9が設けられ且つ本体部2の前後方向に摺動可能な摺動部40を有している。本体部2は摺動部40に対向する部位に突出した凸部41を有し、摺動部40は本体部2と対向する部位に窪んだ凹部42を有する。凸部41と凹部42とは互いに対応した形状を有し、互いに嵌合しつつ、本体部2の前後方向に互いに摺動可能である。凸部41の外面は、凸部41の端部において、外側に突出した係合部43を含む、凹部42の内面は、凹部42の端部から底部に至る所定の範囲において、内側に突出した係合部44を含む。係合部43と係合部44とは、互いに係合し、本体部2から摺動部40が離脱することを防止する。
【0128】
凸部41の端部の中央部は、円筒状に窪んだばね収容部45を含む。凹部42の底部の中央部は、円筒状に窪んだばね収容部46を含む。ばね収容部45,46には、圧縮コイルばね47が収容されている。圧縮コイルばね47は、本体部2と摺動部40とが互いに離れる方向に付勢する。第3固定部8と第4固定部9との間に第2釣糸200が固定されていない状態では、本体部2と摺動部40とが互いに離れる方向に付勢されるが、係合部43,44が互いに係合することにより、本体部2と摺動部40との距離は一定に保たれ、第3固定部8と第4固定部9との間の距離は一定に保たれる。この状態が、第3固定部8と第4固定部9との間の距離が最大の状態である。
【0129】
一方、
図24に示されるように、第3固定部8と第4固定部9との間に第2釣糸200が固定された状態では、圧縮コイルばね47は、本体部2と摺動部40とが互いに離れる方向に付勢しつつ、凸部41と凹部42との互いに摺動可能な範囲で伸縮自在である。そのため、第2張力付与部10Bでは、凸部41と凹部42との互いに摺動可能な範囲で、第3固定部8と第4固定部9との間の距離を変更自在である。
【0130】
第2張力付与部10Bでは、圧縮コイルばね47により、第2釣糸200を固定した第3固定部8と第2釣糸200を固定した第4固定部9とが互いに離れる方向に力が付与されることにより、第2釣糸に張力が付与される。第2張力付与部10Bは、上記第1実施形態の補助具1Aと同様のラチェット機構部19を有するため、第2釣糸200を固定した第3固定部8及び第2釣糸200を固定した第4固定部9は、第2釣糸200の引き込み及び繰り出しが自在である。
【0131】
本実施形態では、第2張力付与部10Bでは、第4固定部9が設けられた摺動部40が本体部2に対して前後方向に摺動するため、第3固定部8と第4固定部9との間の距離を変更自在である。第2張力付与部10Bでは、圧縮コイルばね47により、第2釣糸200を固定した第3固定部8と第2釣糸200を固定した第4固定部9とが互いに離れる方向に力が付与されることにより第2釣糸200に張力が付与される。第2張力付与部10Bでは、ラチェット機構部19により、第2釣糸200を固定した第3固定部8及び第2釣糸200を固定した第4固定部9のいずれかは第2釣糸200の引き込み及び繰り出しが自在である。
【0132】
このため、第2釣糸200に張力を付与することにより第2釣糸200を安定させた状態で第2釣糸200を固定した第3固定部8又は第4固定部9が第2釣糸200を引き込み又は繰り出すことによって、第3固定部8と第4固定部9との間に固定された第2釣糸200の特定の部位の第1釣糸100に対する位置関係を変更することができ、FGノットにおける第1釣糸(PEライン)100に第2釣糸(リーダー)200を編込む工程が終了した後に第1釣糸100に付与する張力を増大させて第2釣糸200に対して第1釣糸100を締込む際の工程がさらに容易になる。
【0133】
以下、本発明の第4実施形態について説明する。
図25に示されるように、本実施形態の釣糸を結ぶための補助具1Dの第1張力付与部7Bでは、上記第3実施形態の補助具1Cの第1張力付与部7Aからねじ機構部29が省略されている。そのため、上記第2実施形態の補助具1Bと同様に、第1張力付与部7Bを距離増大状態とすることはできず、回転ノブ33が回されることにより、第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸100に付与する張力を増大させることはできない。しかし、上記第2実施形態の補助具1Bと同様に、例えば、第1固定部5及び第2固定部6の間を手で拡げることにより、第1固定部5と第2固定部6との間に固定された第1釣糸100に付与する張力を増大させることができる。
【0134】
また、本実施形態では、アーム開閉度調整軸30を含むねじ機構部29が省略されているため、上記第2実施形態の補助具1Bと同様に、
図22に示されるように、全閉状態としたときに上記第1実施形態の補助具1A及び上記第3実施形態の補助具1Cよりもさらに小さく畳むことができるため、携行にさらに適する。
【0135】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく様々な形態で実施される。例えば、上記の第1実施形態~第4実施形態の補助具1A~1Dにおいて、第1釣糸100及び第2釣糸200の太さ、強度及び材質等に応じて、各部の形状、大きさ、強度、材質及び配置等は適宜変更し得る。
【符号の説明】
【0136】
1A,1B,1C,1D 補助具
2 本体部
3 右アーム部
4 左アーム部
5 第1固定部
6 第2固定部
7A,7B 第1張力付与部
8 第3固定部
9 第4固定部
10A,10B 第2張力付与部
11 アーム基部
12 アーム支持部
13 アーム回転軸
14 引張コイルばね
15,16 引張コイルばね固定部
17 固定部回転軸
18,19 ラチェット機構部
20 ラチェット歯車
21,22 ラチェットレバー
23 レバー回転軸
24 ラチェット爪
25 レバー操作部
26 ばね収容部
27 圧縮コイルばね
28 押圧体
29 ねじ機構部
30 アーム開閉度調整軸
31 外ねじ側面部
32 平滑側面部
33 回転ノブ
34 内ねじ部
35 軸受部
36,37 拡径部
38 張力測定部
39 張力表示部
40 摺動部
41 凸部
42 凹部
43,44 係合部
45,46 ばね収容部
47 圧縮コイルばね
100 第1釣糸
101 編込部
102 仮固定部
103 ハーフヒッチ部
104 ハーフヒッチ部
105 エンドノット部
200 第2釣糸
201 第2釣糸末端部