(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129756
(43)【公開日】2023-09-19
(54)【発明の名称】収納容器及び収納箱
(51)【国際特許分類】
B65D 83/08 20060101AFI20230911BHJP
B65D 85/07 20170101ALI20230911BHJP
【FI】
B65D83/08 Z
B65D85/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022034002
(22)【出願日】2022-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】722001767
【氏名又は名称】わたしの暮らし研究所株式会社
(72)【発明者】
【氏名】沢田直美
【テーマコード(参考)】
3E068
【Fターム(参考)】
3E068AA22
3E068AB02
3E068AC05
3E068BB06
3E068BB17
3E068CC05
3E068CE01
3E068DD04
3E068DD08
3E068DE13
3E068DE15
3E068EE10
3E068EE31
3E068EE32
(57)【要約】
【課題】市販される複数の吸収性物品が入った袋から中身の複数の吸収性物品を収納容器へ移すときに、作業者が複数の吸収性物品を触る可能性を低減させることができる収納容器、及びこれを用いた収納箱を提供する。
【解決手段】収納容器10は、複数の吸収性物品100が入った袋150を挿入するための袋挿入開口70、及び複数の吸収性物品100を一つずつ取出すための物品取出開口60を有し、複数の吸収性物品100を収納可能な収納容器10であって、袋150を取り出すための袋取出開口28pが形成され、袋取出開口28pの周囲に配置されて袋150を袋取出開口28pから取り出すときに複数の吸収性物品100を引っ掛ける後板部28を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の吸収性物品が入った袋を挿入するための袋挿入開口、及び前記複数の吸収性物品を一つずつ取出すための物品取出開口を有し、前記複数の吸収性物品を収納可能な収納容器であって、
前記袋を取り出すための袋取出開口が形成され、前記袋取出開口の周囲に配置されて前記袋を前記袋取出開口から取り出すときに前記複数の吸収性物品を引っ掛ける袋取出用板部を備えることを特徴とする収納容器。
【請求項2】
前記袋取出開口の面積は、前記袋取出用板部の面積の50%未満であることを特徴とする請求項1に記載の収納容器。
【請求項3】
前記袋取出開口の鉛直方向の寸法は、前記袋取出開口の水平方向の寸法よりも長く設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の収納容器。
【請求項4】
前記袋取出開口は、
水平方向に第1所定幅で形成された第1幅開口と、
前記第1幅開口の鉛直方向の端部に配置されると共に水平方向に前記第1所定幅よりも大きな第2所定幅で形成された第2幅開口と、
を有し、
前記第2所定幅は、前記水平方向の寸法であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の収納容器。
【請求項5】
底板部、及び前記底板部の前縁部から上方へと延びる前板部を備え、
前記物品取出開口は、
前記底板部の前側に形成されて人の第1の指が挿入可能な底孔と、
前記前板部の下側に形成されて人の第2の指が挿入可能な前孔と、
を有し、
前記底孔及び前記前孔は、連続していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の収納容器。
【請求項6】
前記底板部の上に設けられ、前記吸収性物品が載置される床板部は、後方側から前方側へと下るように傾斜する板であることを特徴とする請求項5に記載の収納容器。
【請求項7】
前記袋挿入開口の一部を被覆可能な被覆板部を備え、
前記被覆板部が開かれているときに、前記袋挿入開口の全部が開放され、
前記被覆板部が前記袋挿入開口の一部を被覆しているときに、前記袋挿入開口の他の部分が前記物品取出開口を形成することを特徴とする請求項1に記載の収納容器。
【請求項8】
請求項7に記載の収納容器と、
前記収納容器の前記被覆板部の上下方向の移動を外側からガイドするガイド部と、
を備え、
前記ガイド部は、前記収納容器の外側に配置され、前記吸収性物品を取り出すための外開口を有し、
前記外開口は、前記物品取出開口の位置に揃えられると連通し、前記被覆板部の位置に揃えられると閉塞されることを特徴とする収納箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納容器及び収納箱に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、下部に切り欠き部が形成された収納扉が筐体の前面の開口に回動可能に取り付けられた収納容器が開示されている。そして、ユーザは、その収納容器の内部に予め複数の生理用品(吸収性物品)を平積みしておき、必要時に吸収性物品を切り欠き部と筐体の底板との間の取出し開口から取り出す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の収納容器では、作業者は、市販される複数の吸収性物品が入った袋から中身の複数の吸収性物品を収納容器へ移すときに、複数の吸収性物品を触ってしまう。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、市販される複数の吸収性物品が入った袋から中身の複数の吸収性物品を収納容器へ移すときに、作業者が複数の吸収性物品を触る可能性を低減させることができる収納容器、及びこれを用いた収納箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る収納容器は、複数の吸収性物品が入った袋を挿入するための袋挿入開口、及び前記複数の吸収性物品を一つずつ取出すための物品取出開口を有し、前記複数の吸収性物品を収納可能な収納容器であって、前記袋を取り出すための袋取出開口が形成され、前記袋取出開口の周囲に配置されて前記袋を前記袋取出開口から取り出すときに前記複数の吸収性物品を引っ掛ける袋取出用板部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、市販される複数の吸収性物品が入った袋から中身の複数の吸収性物品を収納容器へ移すときに、作業者が複数の吸収性物品を触る可能性を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る収納容器を前板部及び右板部の方から見た斜視図である。
【
図2】(a)は、吸収性物品の斜視図である。(b)は、複数の吸収性物品を収納する収納容器の正面図である。(c)は、(b)のL1-L1線に沿う端面図である。(d)は、複数の吸収性物品を収納する収納容器の背面図である。
【
図3】複数の吸収性物品が入った袋を、収納容器に収納する過程を示す斜視図である。
【
図4】(a)は、複数の吸収性物品が入った袋から袋を取り出す過程を示す右板部側から見た端面図である。(b)は、(a)のL2-L2線に沿う端面図である。
【
図5】(a)は、複数の吸収性物品のうち一番下の吸収性物品を取り出す過程を示す右板部側から見た端面図である。(b)は、(a)のL3-L3線に沿う底面図である。
【
図6】本発明の第2実施形態に係る収納容器を前板部及び右板部の方から見た斜視図である。
【
図7】(a)は、収納容器の正面図である。(b)は、(a)のL5-L5線に沿う端面図である。(c)は、(a)のL6-L6線に沿う端面図である。(d)は、収納容器の背面図である。
【
図8】複数の吸収性物品が入った袋を、収納容器に収納する過程を示す斜視図である。
【
図9】(a)は、複数の吸収性物品が入った袋から袋を取り出す過程を示す右板部側から見た端面図である。(b)は、(a)のL7-L7線に沿う断面図である。
【
図10】(a)は、複数の吸収性物品のうち一番下の吸収性物品を取り出す過程を示す右板部側から見た端面図である。(b)は、(a)のL8-L8線に沿う断面図である。
【
図11】本発明の第3実施形態に係る収納箱の斜視図である。
【
図12】ガイド部材を、前ガイド部及び右ガイド部の方から見た斜視図である。
【
図13】(a)は、ガイド部材の外開口の位置と収納容器の物品取出開口の位置とが外されている状態を示す断面図である。(b)は、(a)の斜視図である。
【
図14】(a)は、ガイド部材の外開口の位置と収納容器の物品取出開口の位置とが揃えられた状態を示す断面図である。(b)は、(a)の斜視図である。
【
図15】変形例に係る複数の吸収性物品が入った袋を、収納容器に収納する過程を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を好適な実施形態に沿って説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る収納容器10を前板部16及び右板部12の方から見た斜視図である。
図2(a)は、吸収性物品100の斜視図である。
【0011】
図1に示す収納容器10は、平積みされた複数の吸収性物品100を収納可能な容器である。複数の吸収性物品100の各々は、
図2(a)に示されるように構成され、例えば、生理用品と、生理用品を包む個包装と、を有する。
図2(a)に示されるように、吸収性物品100の個包装101が、生理容器を介在させる介在部101aと、上下で貼付された貼付部101bと、を有する。
図1に示されるように、収納容器10は、底板部11と、右板部12と、左板部13と、天板部14と、前板部16と、後板部18(袋取出用板部)と、把持部50と、を有する。収納容器10は、例えばLIMEX(登録商標)という材質で形成される。
【0012】
底板部11、右板部12、左板部13、天板部14、前板部16、及び後板部18は、四方形で板状に形成されている。
【0013】
底板部11は、物品取出開口60の一部としての底孔11pを有する。底孔11pは、複数の吸収性物品100を一つずつ取出すための孔である。また、底孔11pは、底板部11の前側に形成されて人の人差し指(第1の指)が挿入可能な孔である。底板部11の上には、床板部11xが設けられる。床板部11xは、後方側の後板部18から前方側の前板部16へと下るように傾斜する板であり、吸収性物品100が載置される板である。
【0014】
右板部12は、底板部11の右縁部11c及び天板部14の右縁部14cを結び、底板部11及び天板部14と直交し、板状に形成されている。
【0015】
左板部13は、底板部11の左縁部11d及び天板部14の左縁部14dを結び、底板部11及び天板部14と直交し、板状に形成されている。左板部13には、袋150を取り出すための袋取出開口13pが形成されている。また、左板部13は、袋取出開口13pの周囲に配置されて袋150を袋取出開口13pから取り出すときに複数の吸収性物品100を引っ掛ける部分である。袋取出開口13pの鉛直方向の寸法S1は、袋取出開口13pの水平方向の寸法S2よりも長く設定されている。
【0016】
天板部14は、底板部11の上方で底板部11に並行に配置されている。天板部14は、右板部12、左板部13、前板部16、及び後板部18の上端部により形成される袋挿入開口70(
図3参照)を開閉する板状の部分である。袋挿入開口70は、複数の吸収性物品100が入った袋150(
図3参照)を挿入するための開口である。また、
図1に示されるように、把持部50は、天板部14の上面に取り付けられ、ユーザが把持する部分である。
【0017】
前板部16は、底板部11の前縁部11a及び天板部14の前縁部14aを結び、底板部11及び天板部14と直交し、板状に形成されている。このことから、前板部16は、底板部11の前縁部14aから上方へと延びる部分とも言える。
図2(b)は、複数の吸収性物品100を収納する収納容器10の正面図である。
図2(c)は、
図2(b)のL1-L1線に沿う端面図である。
図2(b)及び
図2(c)では、収納容器10内の複数の吸収性物品100が点線で示されている。前板部16は、物品取出開口60の一部としての前孔16pを有する。前孔16pは、
図2(b)及び
図2(c)に示すような複数の吸収性物品100を一つずつ取出すための孔である。また、前孔16pは、前板部16の下側に形成されて人の親指(第2の指)が挿入可能な孔である。前孔16pは、底孔11pと連続している。
【0018】
後板部18は、底板部11の後縁部11b及び天板部14の後縁部14bを結び、底板部11及び天板部14と直交し、板状に形成されている。後板部18には、袋150を取り出すための袋取出開口18pが形成されている。また、後板部18は、袋取出開口18pの周囲に配置されて袋150を袋取出開口18pから取り出すときに複数の吸収性物品100を引っ掛ける部分である。袋取出開口18pの鉛直方向の寸法S1は、袋取出開口18pの水平方向の寸法S2よりも長く設定されている。なお、左板部13における袋取出開口13pも、袋取出開口18pと同様に構成しても良い。
【0019】
図2(d)は、複数の吸収性物品100を収納する収納容器10の背面図である。
図2(d)では、収納容器10内の複数の吸収性物品100を点線で示している。
図2(d)に示される袋取出開口18pの面積は、後板部18の面積の50%未満(特に10~30%未満が望ましい)である。ここでは、特に、袋取出開口18pの水平方向の寸法は、後板部18の水平方向の寸法の50%未満(特に30%未満が望ましい)である。袋取出開口18pは、水平方向に第1所定幅S3で形成された第1幅開口18p1と、第1幅開口18p1の鉛直方向の端部に配置されると共に水平方向に第1所定幅S3よりも大きな第2所定幅S2形成された第2幅開口18p2と、を有する。なお、この点についても、左板部13における袋取出開口13pも、袋取出開口18pと同様に構成しても良い。すなわち、袋取出開口13pは、水平方向に第1所定幅S3で形成された第1幅開口13p1と、第1幅開口13p1の鉛直方向の端部に配置されると共に水平方向に第1所定幅S3よりも大きな第2所定幅S2形成された第2幅開口13p2と、を有する構成としても良い。
【0020】
次に、収納容器10に吸収性物品100を収納する方法について説明する。
図3は、複数の吸収性物品100が入った袋150を、収納容器10に収納する過程を示す斜視図である。個包装101の貼付部101bの長手方向及び袋150の貼り合わせ部150Bの突出方向とが同じ方向となるように、複数の吸収性物品100が袋150に入っている場合を想定して、以下説明する。ユーザは、複数の吸収性物品100が入った直方体状の袋150において、一方の貼り合わせ部を引きはがして開口150Aにし、他方の貼り合わせ部150Bをそのままの状態にする。ユーザは、収納容器10を、前縁部14aを中心として天板部14を開いて配置する。ユーザは、開口150Aを収納容器10の正面側に向け、貼り合わせ部150Bを収納容器10の背面側に向け、複数の吸収性物品100が入った袋150を、収納容器10に挿入していく。複数の吸収性物品100が入った袋150は、後板部28に引っ掛かる。そして、ユーザは、天板部14を後縁部14bを中心として回動して閉じる。
【0021】
図4(a)は、複数の吸収性物品100が入った袋150から袋150を取り出す過程を示す右板部側から見た端面図である。
図4(b)は、
図4(a)のL2-L2線に沿う端面図である。ユーザは、複数の吸収性物品100を後板部18に引っ掛けながら、袋150を袋取出開口18pから取り出す。複数の吸収性物品100は、収納容器10の内部に残る。
【0022】
図5(a)は、複数の吸収性物品100のうち一番下の吸収性物品100を取り出す過程を示す右板部側から見た端面図である。
図5(b)は、
図5(a)のL3-L3線に沿う断面図である。ユーザは、吸収性物品100を底孔11pから引っ張ると、その吸収性物品100の上の複数の吸収性物品100が床板部11xの上を滑りながら底孔11pから取り出される。
【0023】
前述してきた収納容器10の構成では、袋150を取り出すための袋取出開口18p、13pが形成され、袋取出開口18p、13pの周囲に配置されて袋150を袋取出開口18p、13pから取り出すときに複数の吸収性物品100を引っ掛ける後板部18、左板部13を備える。このため、ユーザは、複数の吸収性物品100が入った袋150を収納容器10に移す場合には、複数の吸収性物品100を後板部28に引っ掛けながら、袋150を袋取出開口18p、13pから取り出すことができる。従って、ユーザが袋150を引っ張ることで、収納容器10の内部では、吸収性物品100が収納容器10に残り、袋150が収納容器10に無い状態に移行させることができる。こうした構成によれば、市販される複数の吸収性物品100が入った袋150から中身の複数の吸収性物品100を収納容器10へ移すときに、作業者が複数の吸収性物品100を触る可能性を低減させることができる。袋取出開口13p及び後板部13の使い方については、後述する。
【0024】
袋取出開口18p、13pの面積は、後板部18、左板部13の面積の50%未満(特に10~30%未満が望ましい)である。袋取出開口18p、13pの大きさが小さいことにより、袋取出開口18p、13pを形成することによる後板部18及び左板部13の強度の低減を抑制することができる。
【0025】
袋取出開口18p、13pの鉛直方向の寸法S1は、袋取出開口18p、13pの水平方向の寸法S2よりも長く設定されている。袋取出開口18p、13pの形状が縦長形状で形成されることにより、袋150の貼り合わせ部150Bを袋取出開口18p、13pに沿って取り出し易くすることができる。
【0026】
袋取出開口18p、13pは、水平方向に第1所定幅S3で形成された第1幅開口18p1、13p1と、第1幅開口18p1、13p1の鉛直方向の端部に配置されると共に水平方向に第1所定幅S3よりも大きな第2所定幅S2で形成された第2幅開口18p2、13p2と、を有し、第2所定幅S2は、水平方向の寸法S2である。袋取出開口18p、13pは、第1幅開口18p1、13p1以外にこれよりも広い第2幅開口18p2、13p2が端部に有することにより、袋150の貼り合わせ部150Bが第1幅開口18p1、13p1の位置に沿っていない場合に、ユーザが第2幅開口18p2、13p2に指を入れて袋150の貼り合わせ部150Bの方向を変えることができる。
【0027】
物品取出開口60は、底板部11の前側に形成されて人の第1の指が挿入可能な底孔11pと、前板部16の下側に形成されて人の第2の指が挿入可能な前孔16pと、を有し、底孔11p及び前孔16pは、連続している。こうした構成によれば、底孔11pの他に前孔16pがあることにより、ユーザが吸収性物品100を摘まみ易くすることができる。
【0028】
底板部11の上に設けられ、吸収性物品100が載置される床板部11xは、後方側から前方側へと下るように傾斜する板である。こうした構成によれば、床板部11xが後方側から前方側へと傾斜するので、吸収性物品100が前方へと滑り易くなり、吸収性物品100を取り出し易くすることができる。
【0029】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る収納容器20について説明する。第2実施形態に係る構成については、前述した第1実施形態に係る収納容器10と同一の機能を有する構成については、第1実施形態の構成と同一の符号を付して、第1実施形態の説明が援用されるものとする。
【0030】
図6は、本発明の第2実施形態に係る収納容器20を被覆板部26及び右板部12の方から見た斜視図である。
図6に示す収納容器20は、平積みされた複数の吸収性物品100を収納可能な容器である。吸収性物品100は、生理用品と、生理用品を包む個包装と、を有する。
図6に示される収納容器20は、底板部11と、右板部12と、左板部23と、天板部14と、被覆板部26と、後板部28と、把持部50と、を有する。収納容器20は、例えばLIMEX(登録商標)という材質で形成される。
【0031】
底板部11、右板部12、左板部23、天板部14、被覆板部26、及び後板部28は、四方形で板状に形成されている。底板部11、右板部12、左板部23、及び天板部14により四角筒状の筒状体を構成している。底板部11の前縁部11a、右板部12の前縁部12a、左板部23の前縁部23a、天板部14の前縁部14aは、一方の開口としての袋挿入開口70(
図8参照)を形成する。
【0032】
右板部12は、底板部11の右縁部11c及び天板部14の右縁部14cを結び、底板部11及び天板部14と直交する板状に形成されている。左板部23は、底板部11の左縁部11d及び天板部14の左縁部14dを結び、底板部11及び天板部14と直交する板状に形成されている。第2実施形態の左板部23には、第1実施形態の袋取出開口13pが設けられていない。天板部14は、底板部11の上方で底板部11に並行に配置されている。
【0033】
被覆板部26は、袋挿入開口70を形成する天板部14の前縁部14aを中心に上下方向に回動可能に折り曲げ可能に設けられ、袋挿入開口70の上部(一部)を被覆可能な板状の部分である。
図7(a)は、複数の吸収性物品100を収納する収納容器20の正面図である。
図7(b)は、
図7(a)のL5-L5線に沿う端面図である。
図7(c)は、
図7(a)のL6-L6線に沿う端面図である。被覆板部26が開かれているきに、袋挿入開口70の全部が開放される。被覆板部26が袋挿入開口70の一部を被覆しているときに、袋挿入開口70の他の部分が物品取出開口60を形成する。
【0034】
物品取出開口60は、袋挿入開口70の上部が被覆板部26によって被覆されているときに袋挿入開口70の下部の被覆板部26によって被覆されていない開口部分をいう。物品取出開口60は、底板部11の前縁部11a、右板部12の前縁部12a、左板部23の前縁部23a、及び被覆板部26の下端部26aにより形成されている。
【0035】
後板部28は、底板部11の後縁部11b及び天板部14の後縁部14bを結び、底板部11及び天板部14と直交し、板状に形成されている。後板部28には、中央側に、袋150を取り出すための袋取出開口28pが形成されている。また、後板部28は、袋取出開口28pの周囲に配置されて袋150を袋取出開口28pから取り出すときに複数の吸収性物品100を引っ掛ける部分である。後板部28は、底板部11、右板部12、左板部23、及び天板部14の全ての後縁部11b、12b、13b、14bから袋取出開口28pの中心に向かって所定幅で延びている。後板部28は、底板部11の後縁部11bから上方へと所定幅(例1.5cm~5cm)で折り曲げられた凸部分と、右板部12の後縁部12bから左方へと所定幅(例2cm~6cm)で折り曲げられた凸部分と、左板部23の後縁部13bか右方へと所定幅(例2cm~6cm)で折り曲げられた凸部分と、天板部14の後縁部14bから下方へと所定幅(例1.5cm~5cm)で折り曲げられた凸部分と、を有し、それらが一体として枠状に形成された部分とも言える。
【0036】
図7(d)は、複数の吸収性物品100を収納する収納容器20の背面図である。
図7(d)に示される袋取出開口28pの面積は、後板部28の面積の50%以上(
図6の例では、80%以上ある)である。
【0037】
次に、収納容器20に吸収性物品100を収納する方法について説明する。
図8は、複数の吸収性物品100が入った袋150を、収納容器20に収納する過程を示す斜視図である。ユーザは、複数の吸収性物品100が入った直方体状の袋150において、一方の貼り合わせ部をミシン目に沿って切る等して除去することにより開口150Aにし、他方の貼り合わせ部150Bをそのままの状態にする。ユーザは、収納容器20を、前縁部14aを中心として被覆板部26を開き、袋挿入開口70を上方に向けられた状態にして配置する。ユーザは、開口150Aを上方側に向け、貼り合わせ部150Bを下方側に向け、複数の吸収性物品100が入った袋150を、収納容器20に挿入していく。複数の吸収性物品100が入った袋150は、後板部28に引っ掛かる。そして、ユーザは、被覆板部26を、前縁部14aを中心として回動させて複数の吸収性物品100の一部を被覆する。
【0038】
図9(a)は、複数の吸収性物品100が入った袋150から袋150を取り出す過程を示す右板部12側から見た端面図である。
図9(b)は、
図9(a)のL7-L7線に沿う断面図である。ユーザは、複数の吸収性物品100を後板部28に引っ掛けながら、袋150を引っ張って袋取出開口28pから取り出す。複数の吸収性物品100は、収納容器10の内部に残る。
【0039】
図10(a)は、複数の吸収性物品100のうち一番下の吸収性物品100を取り出す過程を示す右板部側から見た端面図である。
図10(b)は、
図10(a)のL8-L8線に沿う断面図である。ユーザは、吸収性物品100を物品取出開口60から引っ張って吸収性物品100を取り出す。
【0040】
前述した構成によれば、袋挿入開口70の一部が物品取出開口60と兼用される。従って、袋挿入開口70と物品取出開口60とを別に設ける必要がなくなる。
【0041】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る収納箱30について説明する。第3実施形態に係る構成については、前述した第2実施形態に係る収納容器20と同一の機能を有する構成については、第2実施形態の構成と同一の符号を付して、第2実施形態の説明が援用されるものとする。
【0042】
図11は、本発明の第3実施形態に係る収納箱30の構成を示す斜視図である。
図11に示される収納箱30は、吸収性物品100を収納する箱であり、収納容器20と、ガイド部材40と、を備える。収納容器20は、ガイド部材40の内側に配置され、ガイド部材40に沿って上下に移動可能に構成されている。ガイド部材40は、例えばLIMEX(登録商標)という材質で形成される。また、ガイド部材40は、その前面に外開口41を有する。この外開口41については、後述する。
【0043】
図12は、ガイド部材40を、前ガイド部46及び右ガイド部42の方から見た斜視図である。
図12に示されるように、ガイド部材40は、前ガイド部46(ガイド部)と、後ガイド部48と、右ガイド部42と、左ガイド部43と、を有する。
【0044】
前ガイド部46は、収納容器20の被覆板部26及び物品取出開口60の外側に配置され、被覆板部26及び物品取出開口60の上下方向の移動を外側からガイドする部分である。前ガイド部46は、収納容器20の外側に配置され、吸収性物品100を取り出すための外開口41を有する。
【0045】
右ガイド部42は、収納容器20の右板部12が上下方向に移動するのをガイドする部材である。右ガイド部42は、位置調整部42pを有する。位置調整部42pは、右ガイド部42の一部であり、ガイド部材40の内側へと折り曲げられた部分である。位置調整部42pは、折り曲げ前には右ガイド部42の開口42qを塞いでいる。
【0046】
左ガイド部43は、収納容器20の左板部23が上下方向に移動するのをガイドする部材である。左ガイド部43は、位置調整部43pを有する。位置調整部43pは、左ガイド部43の一部であり、ガイド部材40の内側へと折り曲げられた部分である。位置調整部43pは、折り曲げ前には左ガイド部43の開口43qを塞いでいる。
【0047】
後ガイド部48は、収納容器20の後板部28及び袋取出開口28pの外側に配置され、後板部28及び袋取出開口28pの上下方向の移動を外側からガイドする部分である。
【0048】
上開口51は、収納容器20を底板部11側から挿入可能な開口であり、前ガイド部46、後ガイド部48、右ガイド部42、及び左ガイド部43の上縁部により形成される。下開口52は、収納容器20を天板部14側から挿入可能な開口であり、前ガイド部46、後ガイド部48、右ガイド部42、及び左ガイド部43の下縁部により形成される。
【0049】
外開口41は、前ガイド部46に形成された吸収性物品100を取り出すための開口である。外開口41と物品取出開口60とは、上下方向の位置が揃えられることにより連通する。別の表現をすると、外開口41は、物品取出開口60の位置に揃えられると連通する。これにより、吸収性物品100を取り出すことができる。外開口41と物品取出開口60とは、上下方向の位置が外されることにより閉塞される。別の表現をすると、外開口41は、被覆板部26の位置に揃えられると閉塞される。これにより、吸収性物品100が取り出し不可となる。なお、外開口41の上下方向の寸法は、物品取出開口60の上下方向の寸法よりも小さい。
【0050】
図13(a)は、前ガイド部46の外開口41の位置と収納容器20の物品取出開口60の位置とが外されている状態を示す断面図である。
図13(b)は、
図13(a)の斜視図である。
図13(a)に示されるように、収納容器20の底板部11が前ガイド部46の下端部40zと同じ位置にあるときには、前ガイド部46の外開口41と収納容器20の物品取出開口60との位置が外されている。このため、吸収性物品100は、収納箱30から取り出すことはできない。なお、このとき、収納容器20の底板部11は、位置調整部42p、43pよりも下方に位置する。また、位置調整部42p、43pは、開口42q、43qを塞いだ状態になる位置に配置されている。また、外開口41と物品取出開口60とが連通しないことで、収納箱30には、外部からゴミや虫が入ることが抑制される。
【0051】
図14(a)は、前ガイド部46の外開口41の位置と収納容器20の物品取出開口60の位置とが揃えられた状態を示す断面図である。
図14(b)は、
図14(a)の斜視図である。
図14(a)に示されるように、収納容器20の底板部11が位置調整部42pと同じ位置にあるときには、前ガイド部46の外開口41が収納容器20の物品取出開口60の位置に揃えられている。このため、吸収性物品100は、収納箱30から取り出すことができる。
【0052】
次に、収納箱30の使用方法について、説明する。ユーザは、袋150が除去された複数の吸収性物品100を収納する収納容器20を、天板部14側からガイド部材40の下端部40zからガイド部材40に挿入する。ユーザは、収納容器20をガイド部材40に対して下方に移動して、
図13に示されるように外開口41を閉じる。それから、ユーザは、吸収性物品100を使用する場合には、
図14に示されるように収納容器20をガイド部材40に対して上方に移動して、外開口41と物品取出開口60の高さを揃え、吸収性物品100を取り出せるようにする。
【0053】
前述してきた収納箱30の構成によれば、吸収性物品100を使用しないときには、ガイド部材40が物品取出開口60を閉塞させるため、外部からゴミや虫が入ることが抑制される。
【0054】
また、複数の吸収性物品100が入った袋150からガイド部材40に吸収性物品100を移す場合には、袋150の内部の吸収性物品100を手で掴んで移す必要がある。しかし、生理用品は医薬部外品であり、薬機法で厳しく取り扱いが制限されている商材である。補充者が汚れた手で補充した場合、生理用品自体も汚れることが考えられ、そのために利用者に健康被害が発生する可能性がある。現在は生理用品の設置が進んでいるが、多くの場所で補充者が素手で生理用品の個包装を掴み、トイレ内で補充している状況がある。また、上部が常に空いているケースで管理している現場も多くあるが、これでは不特定多数の人が常時無意識に自身が使用しない生理用品に触れてしまい、かつ、ケースを誤ってトイレの床に落下させた際は、中身の生理用品が容易に撒き散らされ、医薬部外品にも関わらず、落下した生理用品を箱に戻すこともできてしまう状況である。そして、利用者は、そのような不衛生が起きたことを気づくこともできず生理用品を使うことになり、常に自分の体に当てるものにも関わらず自分自身で衛生面を判断し、利用することができない。これでは、せっかくトイレに生理用品が設置されても、衛生的で安全な利用は難しく、利用者に健康被害が発生する可能性が考えられる。
【0055】
そのために、補充者が内容物に触れずに衛生的に補充を行うことができ、誤ってケースを落としても内容物が散らばらないように、安全に管理できる容器の開発が早急に必要である。これは、不特定多数の人で使用する施設のみならず、家庭内でも同じである。補充時に手が汚れていたら、補充品に手を触れるのは好ましくないため、どのような時にもなるべく中身に触れずに補充できることが理想である。複数の吸収性物品100が入った袋150から袋150を除外しつつ複数の吸収性物品100を一体的に収納容器20に移してからガイド部材40に収納すれば、複数の吸収性物品100を袋150からガイド部材40に手を触れずに移すことができる。
【0056】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、可能な範囲で適宜他の技術を組み合わせてもよい。
【0057】
前述の実施形態では、吸収性物品100は、生理用品及びこれを包む個包装を例に説明していたが、これに限定されなくても良い。例えば、吸収性物品100は、おりものシート及びこれを包む個包装、尿もれパッド及びこれを包む個包装、その他オムツ等であっても良い。
【0058】
素材について、塩ビシートやポリプロピレンシート、LIMEX(登録商標)などの素材を使用し、展開された状態で届けられる仕様にすることにより、ユーザの元で組み立てられる製品が制作できる。生理用品は安価であり、そのケースとして高額な素材を使うことは現実的ではない。多くの人が誤った管理を余儀なくされており、多くの人の手に渡るためには、折りたたみが可能で送料が安く、かつ個々人がシートと両面テープで組み立てをすることで初めて完成する商品となる。現在販売されている多くの生理用品はパッケージが類似しており、どの商品がどのような規格(昼用夜用の種別、サイズ、香料など)なのかが収納時に見極めにくいという問題がある。各種類の生理用品ケースにシールを貼る・文字を入れるなど装飾を行うことによって、真の意味で使いやすいケースにすることが可能になる。
【0059】
学校や公共施設など多数の人が使う現場においては、塩ビシートやポリプロピレンでは強度が足りない場合もあると想定され、その場合にはアクリルや樹脂など、射出成型できる素材で作成されることも良い。
【0060】
第1実施形態の収納容器10では、底板部11の上に床板部11xを設け、第2実施形態の収納容器20では、底板部11の上に床板部11xを設けない構成であったが、第2実施形態の収納容器20にも、床板部11xの構成を適用しても良い。
【0061】
第1実施形態の収納容器10では、後板部28の袋取出開口18pから袋150を取り出す構成であったが、これに限定されなくても良い。
図15は、変形例に係る複数の吸収性物品100が入った袋150を、収納容器10に収納する過程を示す斜視図である。例えば、
図15に示されるように、吸収性物品100の個包装101が、生理容器を介在させる介在部101aと、上下で貼付された貼付部101bと、を有し、個包装101の貼付部101bの長手方向及び袋150の貼り合わせ部150Bの突出方向とが90°の関係を有する場合を考える。この場合に、複数の吸収性物品100を有する袋150が収納容器10に挿入されると、貼り合わせ部105Bが左板部13の袋取出開口13pの位置に合わせられるように用いても良い。そうして、ユーザは、このタイプの吸収性物品100が入った袋150を袋取出開口13pから取り出すことができる。
【0062】
その他、前述した第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態の構成は、適宜組み合わせて構成しても良い。
【符号の説明】
【0063】
10 収納容器
11 床板部
11a 前縁部
11b 後縁部
11c 右縁部
11d 左縁部
11p 底孔
11x 床板部
12 右板部
12a 前縁部
12b 後縁部
13 左板部
13a 前縁部
13b 後縁部
13p 袋取出開口
14 天板部
14a 前縁部
14b 後縁部
14c 右縁部
14d 左縁部
16 前板部
16p 前孔
18 後板部
18p 袋取出開口
18p1 第1幅開口
18p2 第2幅開口
20 収納容器
23 左板部
23a 前縁部
23b 後縁部
26 被覆板部
26a 下縁部
28 後板部
28p 袋取出開口
30 収納箱
40 ガイド部材
40z 下端部
41 外開口
42 右ガイド部
42p 位置調整部
42q 開口
43 左ガイド部
43p 位置調整部
43q 開口
46 前ガイド部
48 後ガイド部
50 把持部
51 上開口
52 下開口
60 物品取出開口
70 袋挿入開口
100 吸収性物品
150 袋
150A 開口
150B 貼り合わせ部
S1 寸法
S3 第1所定幅
S2 第2所定幅