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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129830
(43)【公開日】2023-09-20
(54)【発明の名称】レーダー装置取付ブラケット
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/03 20060101AFI20230912BHJP
【FI】
G01S7/03 240
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022034115
(22)【出願日】2022-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】000135209
【氏名又は名称】株式会社ニフコ
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100174425
【弁理士】
【氏名又は名称】水崎 慎
(74)【代理人】
【識別番号】100203932
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 克宗
(72)【発明者】
【氏名】森 大輔
【テーマコード(参考)】
5J070
【Fターム(参考)】
5J070AB01
5J070AB17
5J070AB24
5J070AF03
(57)【要約】
【課題】レーダー装置の位置を一定に保つことで、電波の適切な照射角を維持することができるレーダー装置取付ブラケットを提供する。
【解決手段】レーダー装置取付ブラケット10は、ブラケット本体11と規制部35とから構成され、レーダー装置1がブラケット本体11に取り付けられて係止部22に係止された状態で、規制部35がブラケット本体11の基部29に押し込まれると、規制本体部43が、係止部22同士の間に配置されて係止部22に当たることで、係止部22が撓むことが規制される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部環境を認識するレーダー装置を乗り物に取り付けるためのレーダー装置取付ブラケットであって、
前記レーダー装置が取り付けられる際に撓み、前記レーダー装置を支持する係止部と、
前記係止部に対して前記レーダー装置と反対側において前記係止部と間を空けて形成された基部と、
前記基部に備えられ、前記係止部に当たらない状態、または、前記係止部に当たって前記係止部の撓みを規制する状態に変化する規制部と、を有する、
ことを特徴とするレーダー装置取付ブラケット。
【請求項2】
前記規制部が、
前記基部に対して、前記係止部に当たる手前の位置である非規制位置で、前記基部に係止する仮留爪部と、前記係止部に当たった位置である規制位置で、前記基部に係止する定着爪部と、を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載されたレーダー装置取付ブラケット。
【請求項3】
前記定着爪部が、
前記基部に係止した状態を解除する際に操作される解除操作部を有する、
ことを特徴とする請求項2に記載されたレーダー装置取付ブラケット。
【請求項4】
前記規制部が、
前記係止部に対して摺動する傾斜面部を有する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載されたレーダー装置取付ブラケット。
【請求項5】
一対の前記係止部が、前記基部を介在させて互いに対峙し、
前記基部が、内側に挿入路を有し、
前記規制部が、
前記仮留爪部及び前記定着爪部が形成されて前記挿入路に挿入される着脱部と、
前記着脱部から、前記着脱部と交差する方向に張り出すと共に前記係止部同士の間に配置される規制本体部と、を有し、
前記解除操作部が、前記規制部の内側に在ると共に、前記規制部が前記規制位置から前記非規制位置に移動する方向である解除方向に向けて露出した、
ことを特徴とする請求項3、又は、請求項3に従属する請求項4に記載されたレーダー装置取付ブラケット。
【請求項6】
前記基部が形成されたブラケット本体と、前記基部から取り外される前記規制部とを、有する、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載されたレーダー装置取付ブラケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗り物にレーダー装置を取り付けるためのレーダー装置取付ブラケットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車には、外部環境を認識するレーダー装置が搭載されている。具体的には、レーダー装置は、例えば、ミリ波帯の電波を送受信して外部環境を認識するものであり、自動車のフロントグリル等に、専用のブラケットを介して取り付けられている。
【0003】
レーダー装置用のブラケットとして、例えば、下記特許文献1に記載されたレーダーブラケット(以下、「文献公知1発明」と記す。)がある。この文献公知1発明は、可撓性を有する複数の爪部を有し、この爪部によって、レーダー装置を支持している。レーダー装置が文献公知1発明に取り付けられる際、レーダー装置に押されて爪部が撓み、レーダー装置が取り付けられると、爪部が元の状態に戻ることによって、レーダー装置が爪部に支持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6095789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記した文献公知1発明は、気温、走行中の振動や衝撃、経年によるクリープ等の環境要因によって、爪部が変形し、レーダー装置を適切に支持することができなくなる場合がある。爪部が変形することにより、レーダー装置の位置がずれると、電波の照射角が変化してしまうため、車間距離等を適切に検知することができなくなる。
【0006】
本発明は、この様な実情に鑑みて提案されたものである。本発明は、レーダー装置の位置を一定に保つことで、電波の適切な照射角を維持することができるレーダー装置取付ブラケットの提供を目的とする。また、広義には、本発明は、外部環境を適切に認識し、安全を維持すること、及び、環境要因による影響を抑え、快適な環境を維持することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係るレーダー装置取付ブラケットは、外部環境を認識するレーダー装置を乗り物に取り付けるためのレーダー装置取付ブラケットであって、前記レーダー装置が取り付けられる際に撓み、前記レーダー装置を支持する係止部と、前記係止部に対して前記レーダー装置と反対側において前記係止部と間を空けて形成された基部と、前記基部に備えられ、前記係止部に当たらない状態、または、前記係止部に当たって前記係止部の撓みを規制する状態に変化する規制部と、を有する、ことを特徴とする。
【0008】
本発明に係るレーダー装置取付ブラケットは、前記規制部が、前記基部に対して、前記係止部に当たる手前の位置である非規制位置で、前記基部に係止する仮留爪部と、前記係止部に当たった位置である規制位置で、前記基部に係止する定着爪部と、を有する、ことを特徴とする。
【0009】
本発明に係るレーダー装置取付ブラケットは、前記定着爪部が、前記基部に係止した状態を解除する際に操作される解除操作部を有する、ことを特徴とする。
【0010】
本発明に係るレーダー装置取付ブラケットは、前記規制部が、前記係止部に対して摺動する傾斜面部を有する、ことを特徴とする。
【0011】
本発明に係るレーダー装置取付ブラケットは、一対の前記係止部が、前記基部を介在させて互いに対峙し、前記基部が、内側に挿入路を有し、前記規制部が、前記仮留爪部及び前記定着爪部が形成されて前記挿入路に挿入される着脱部と、前記着脱部から、前記着脱部と交差する方向に張り出すと共に前記係止部同士の間に配置される規制本体部と、を有し、前記解除操作部が、前記規制部の内側に在ると共に、前記規制部が前記規制位置から前記非規制位置に移動する方向である解除方向に向けて露出した、ことを特徴とする。
【0012】
本発明に係るレーダー装置取付ブラケットは、前記基部が形成されたブラケット本体と、前記基部から取り外される前記規制部とを、有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るレーダー装置取付ブラケットは、レーダー装置が取り付けられる際に撓み、レーダー装置を支持する係止部と、係止部に対してレーダー装置と反対側において係止部と間を空けて形成された基部と、基部に備えられ、係止部に当たらない状態、または、係止部に当たって係止部の撓みを規制する状態に変化する規制部とを有している。すなわち、規制部が係止部に当たらない状態においては、係止部が規制部からの外力から解放されていることから、係止部は、レーダー装置と反対側に撓むことができる。したがって、レーダー装置がレーダー装置取付ブラケットに取り付けられる際、係止部が一旦撓み、元の状態に戻ることで、レーダー装置が係止部に支持される。一方で、規制部が係止部に当たった状態においては、係止部が規制部からの外力によって規制されていることから、係止部は、レーダー装置と反対側に撓むことが規制され、係止部は、環境要因によって変形することが抑止される。したがって、本発明は、レーダー装置の位置を一定に保つことができ、電波の適切な照射角を維持することができる。
【0014】
本発明に係るレーダー装置取付ブラケットは、規制部が、基部に対して、係止部に当たる手前の位置である非規制位置で、基部に係止する仮留爪部と、係止部に当たった位置である規制位置で、基部に係止する定着爪部とを有している。この構成により、規制部の仮留爪部が、非規制位置で基部に係止することで、規制部は、基部に仮留めされる。この状態で、レーダー装置が、レーダー装置取付ブラケットに取り付けられる。一方で、規制部の定着爪部が、規制位置で基部に係止することで、規制部は、基部に定着する。この状態で、レーダー装置が、レーダー装置取付ブラケットに取り付けられた状態を、堅固に維持することができる。
【0015】
本発明に係るレーダー装置取付ブラケットは、定着爪部が、基部に係止した状態を解除する際に操作される解除操作部を有している。したがって、定着爪部が基部に係止した状態が解除されることで、規制部は、規制位置から非規制位置に移動することができ、レーダー装置の着脱が可能となる。
【0016】
本発明に係るレーダー装置取付ブラケットは、規制部が、係止部に対して摺動する傾斜面部を有している。規制部が、傾斜面部を介して係止部に対して摺動することで、規制部の動きが円滑となる。
【0017】
本発明に係るレーダー装置取付ブラケットは、一対の係止部が、基部を介在させて互いに対峙し、基部が、内側に挿入路を有し、規制部が、仮留爪部及び定着爪部が形成されて挿入路に挿入される着脱部と、着脱部から、着脱部と交差する方向に張り出すと共に係止部同士の間に配置される規制本体部とを有し、解除操作部が、規制部の内側に在ると共に、規制部が規制位置から非規制位置に移動する方向である解除方向に向けて露出している。規制部の規制本体部が基部の挿入路に挿入された状態で、規制部は、規制位置又は非規制位置に移動し、係止部の撓みの許否が制御される。解除操作部は、解除方向に向けて露出しているため、操作が容易である。
【0018】
本発明に係るレーダー装置取付ブラケットは、基部が形成されたブラケット本体と、基部から取り外される規制部とを有している。したがって、ブラケット本体と規制部とを、別個に成形することが可能となるし、規制部が破損した場合、規制部の交換が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の実施形態に係るレーダー装置取付ブラケットの外観斜視図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係るレーダー装置取付ブラケットにおけるブラケット本体の外観斜視図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係るレーダー装置取付ブラケットにおけるブラケット本体を正面から視した正面図である。
図4図4は、図3のIV-IV断面であって、本発明の実施形態に係るレーダー装置取付ブラケットにおけるブラケット本体の側面断面図である。
図5図5は、図3のV-V断面であって、本発明の実施形態に係るレーダー装置取付ブラケットにおけるブラケット本体の側面断面図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係るレーダー装置取付ブラケットにおける規制部の外観斜視図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係るレーダー装置取付ブラケットにおける規制部を正面から視した正面図である。
図8図8は、本発明の実施形態に係るレーダー装置取付ブラケットにおける規制部を上方から視した上面図である。
図9図9は、本発明の実施形態に係るレーダー装置取付ブラケットにおける規制部を背面から視した背面図である。
図10図10は、本発明の実施形態に係るレーダー装置取付ブラケットにおける規制部の側面図である。
図11図11は、図7のXI-XI断面であって、本発明の実施形態に係るレーダー装置取付ブラケットにおける規制部の上面断面図である。
図12図12は、本発明の実施形態に係るレーダー装置取付ブラケットの取り扱い手順が示された第一手順説明斜視図である。
図13図13は、本発明の実施形態に係るレーダー装置取付ブラケットの取り扱い手順が示された第一手順説明正面図である。
図14図14は、図13のXIV-XIV断面であって、本発明の実施形態に係るレーダー装置取付ブラケットの仮留状態が示された仮留状態第一説明断面図である。
図15図15は、図13のXV-XV断面であって、本発明の実施形態に係るレーダー装置取付ブラケットの仮留状態が示された仮留状態第二説明断面図である。
図16図16は、本発明の実施形態に係るレーダー装置取付ブラケットの取り扱い手順が示された第二手順説明斜視図である。
図17図17は、本発明の実施形態に係るレーダー装置取付ブラケットの取り扱い手順が示された第三手順説明斜視図である。
図18図18は、図17のXVIII-XVIII断面であって、本発明の実施形態に係るレーダー装置取付ブラケットの規制状態が示された規制状態第一説明断面図である。
図19図19は、図17のXIX-XIX断面であって、本発明の実施形態に係るレーダー装置取付ブラケットの規制状態が示された規制状態第二説明断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の実施形態に係るレーダー装置取付ブラケットを図面に基づいて説明する。図1は、レーダー装置取付ブラケット10の外観が示されている。レーダー装置取付ブラケット10は、ブラケット本体11と規制部35とが合体することで、乗り物である自動車のフロントグリル(図示省略。)等に、レーダー装置1を取り付ける。したがって、以下の説明では、レーダー装置取付ブラケット10がフロントグリルに取り付けられることを仮定し、自動車の正面側が正面(Front)、その裏側が背面(Back)、鉛直方向が上方(Up)及び下方(Down)、横幅が右側方(Right Side)及び左側方(Left Side)である。なお、図1では、規制部35の着脱位置をわかり易くするため、レーダー装置取付ブラケット10の姿勢が、上下逆さまである。
【0021】
図1において、レーダー装置1は、例えば、周波数を30ないし300GHz程度とするミリ波帯の電波を外部に送信し、対象物で反射した反射波を受信して、対象物との距離や対象物の方位を測定することで、外部環境を認識する。レーダー装置1は、例えば、送受信パルスの時間差を測定するパルス方式や、送受信において周波数差を測定するFM-CW方式等である。レーダー装置1は、ほぼ直方体であり、レーダー装置取付ブラケット10に係止する複数の取付フランジ2を有している。取付フランジ2は、下側に突出した一対の下側取付フランジ3と、上側に突出した上側取付フランジ4とから構成されている。レーダー装置1の背面は、入出力信号線や電源線等が接続されるコネクタ5を有している。
【0022】
レーダー装置取付ブラケット10は、ブラケット本体11と、このブラケット本体11に着脱される規制部35とを有している。ブラケット本体11は、レーダー装置1が着脱されるレーダー装置着脱領域12と、規制部35が着脱される規制部着脱領域としての基部29と、フロントグリルに固定するための固定部19とを有している。レーダー装置着脱領域12は、レーダー装置1を支持する係止部22及び係止孔23と、レーダー装置1の位置ズレを防ぐ複数の押圧部24と、レーダー装置1のコネクタ5が通されるコネクタ孔部28とを有してる。ブラケット本体11は、例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂製であり、係止部22及び押圧部24は、レーダー装置1が取り付けられる際に適宜撓む。一方で、規制部35は、係止部22に当たる規制本体部43と、基部29に取り付けられる着脱部36とを有している。規制部35も、ブラケット本体11と同様に、例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂製である。
【0023】
ここで、ブラケット本体11及び規制部35を図面に基づいて詳説する。図2ないし5は、ブラケット本体11の外観及び断面が示されている。図6ないし11は、規制部35の外観及び断面が示されている。
【0024】
図2ないし5に示されているとおり、ブラケット本体11は、ほぼ四角形の箱型であり、底部13と、この底部13の各縁に連接されて前方に向けて立ち上がった上下左右の各壁部14,15,16,17とを有している。底部13の正面は開放されている。固定部19は、下壁部15の外面に形成された下側固定部20と、上壁部14の外面に形成された上側固定部21とを有している。下側固定部20は、板状片であり、下壁部15のほぼ中央に配置され、下方に向けて突出している。上側固定部21は、フランジにネジ孔18が形成されたものであり、上壁部14の左右にそれぞれ配置され、上方に向けて突出している。
【0025】
レーダー装置着脱領域12は、ブラケット本体11の底部13及び上下左右壁部14,15,16,17によって囲まれた範囲のうち、基部29が除かれた範囲である。係止部22は、レーダー装置1を支持するための一対のスナップフィットであり、ブラケット本体11における下壁部15の内側に配置されている。係止部22は、底部13から正面に向けて伸びると共に、間に基部29を介在させて互いに対峙し、先端がフック状に形成されている。係止孔23は、レーダー装置1を支持するための孔であり、ブラケット本体11における上壁部14に形成されている。押圧部24は、板バネであり、レーダー装置1を、上方、左側方及び背面から押すことで、レーダー装置1を一定の位置に留めるものである。押圧部24は、ブラケット本体11の上壁部14に形成されて下方に向けてレーダー装置1を押す複数の下方向押圧部25と、ブラケット本体11の左壁部17に形成されて右側方に向けてレーダー装置1を押す複数の右方向押圧部26と、底部13に形成されて正面に向けてレーダー装置1を押す複数の正面方向押圧部27とから構成されている。コネクタ孔部28は、底部13における左側の一部に形成されている。
【0026】
基部29は、内側に規制部35が挿入される挿入路30を形成したものであり、下壁部15の内面に形成されている。詳説すれば、基部29は、下壁部15に対してレーダー装置1の下側取付フランジ3と反対側であって、係止部22同士の間において、係止部22と間を空けて形成されている。挿入路30は、ブラケット本体11の底部13から正面に向けて伸びている。基部29は、下壁部15と挿入路30を介して対面した第一基壁部31と、この第一基壁部31と下壁部15とに連接されて互いに挿入路30を介して対面した一対の第二基壁部32とを有している。第一基壁部31のほぼ中央には、仮留孔部33が形成されている。左右の第二基壁部32には、定着孔部34が形成されている。仮留孔部33は、定着孔部34よりも正面側に長く形成されている。
【0027】
図6ないし11に示されているとおり、規制部35は、ほぼT字状であり、後方に向けて伸びた着脱部36と、この着脱部36における正面側の端部から、着脱部36と交差する方向である左右側方に向けて張り出した規制本体部43とを有している。着脱部36は、中空の直方体であり、第一着脱壁部37と、この第一着脱壁部37の両端に連接されて第一着脱壁部37に対して直角である一対の第二着脱壁部38と、この第二着脱壁部38に連接されると共に第一着脱壁部37と対面した第三着脱壁部39とを有している。第一着脱壁部37は、ほぼ中央の一部が切り欠かれて、仮留爪部40が形成され、一方で、第二着脱壁部38は、一部が切り欠かれて、定着爪部41が形成されている。仮留爪部40よりも、定着爪部41の方が、規制本体部43に近い位置に配置されている。定着爪部41の先端部は、解除操作部42を有している。解除操作部42は、定着爪部41の先端部から正面に向けて伸びている。解除操作部42が操作されることで、定着爪部41は適宜撓む。
【0028】
規制本体部43は、各第二着脱壁部38の端部に、着脱部36に対してほぼ直角に連接され、背面に傾斜面部44を有している。傾斜面部44は、規制本体部43の先端部における背面に形成され、先端に向かうにしたがって徐々に正面側に傾斜している。規制本体部43の正面は開口され、着脱部36に通じた窓部45が形成されている。窓部45の内側において、定着爪部41の解除操作部42が露出している。規制本体部43における下方部には、規制解除片46が形成されている。規制解除片46は、規制本体部43の一部から、外側に向けて張り出している。
【0029】
上記のとおり、レーダー装置取付ブラケット10が構成されている。
【0030】
次に、レーダー装置取付ブラケット10にレーダー装置1を取り付ける手順を、レーダー装置取付ブラケット10の作用、効果と共に、図面に基づいて説明する。図12ないし19は、レーダー装置取付ブラケット10にレーダー装置1が取り付けられる手順が示されている。図12ないし16は、規制部35が、ブラケット本体11の基部29に仮留めされた状態が示され、図17ないし19は、規制部35が、基部29に定着した状態が示されている。すなわち、規制部35は、基部29に取り付けられ、基部29に対して移動して位置が変わることで、状態が変化する。なお、図12ないし19では、規制部35の着脱位置をわかり易くするため、レーダー装置取付ブラケット10の姿勢が、上下逆さまである。
【0031】
図12ないし16に示されているとおり、規制部35が仮留の状態では、規制部35は基部29に取り付けられているが、基部29に対して、係止部22に当たる手前の位置である非規制位置に配置され、係止部22には当たっていない。詳説すれば、規制部35の着脱部36が、基部29の挿入路30に挿入され、着脱部36の仮留爪部40が、基部29の仮留孔部33に係止している。定着爪部41は、仮留爪部40よりも正面側に配置されているため、定着爪部41は、基部29に係止していない。したがって、規制部35が仮留の状態において、規制部35は、基部29から外れて落下することない。非規制位置では、規制部35は、係止部22に当たっておらず、係止部22には規制部35からの外力が作用していない。
【0032】
この状態で、レーダー装置1は、ブラケット本体11のレーダー装置着脱領域12に配置され、ブラケット本体11に取り付けられる。レーダー装置1の上側取付フランジ4は、ブラケット本体11の係止孔23に係止され、下側取付フランジ3は、ブラケット本体11の係止部22に係止される。その際、係止部22は、下側取付フランジ3からの外力で押されることで互いに近づく方向に一旦撓み、レーダー装置1が取り付けられると、係止部22は、下側取付フランジ3からの外力から解放されて元の状態に戻る。このようにして、レーダー装置1は、係止部22と係止孔23とで支持される。
【0033】
図16において、規制部35が背面に向けて押されると、規制部35は、基部29に押し込まれ、基部29に対して、係止部22に当たる位置である規制位置に配置される。詳説すれば、図17ないし19に示されているとおり、規制部35の着脱部36が、基部29の挿入路30に更に押し込まれ、着脱部36の定着爪部41が、基部29の定着孔部34に係止する。その際、傾斜面部44が、係止部22に対して摺動することで、規制部35は、円滑に移動する。したがって、規制部35が定着した状態では、規制本体部43が、係止部22同士の間に配置され、係止部22に当たることで、係止部22が撓むことが規制される。例えば、コネクタ5がレーダー装置1に押し込まれる際の正面方向への外力が作用した場合であっても、係止部22が撓むことが規制される。したがって、係止部22は、環境要因によって変形することが抑止される。更に、レーダー装置1は、各押圧部25,26,27によって、押されることで、位置ズレが抑止される。したがって、レーダー装置取付ブラケット10は、レーダー装置1の位置を一定に保つことができ、電波の適切な照射角を維持することができる。
【0034】
レーダー装置1がレーダー装置取付ブラケット10から取り外される場合、規制部35を規制位置から非規制位置に移動させる必要がある。規制部35は、解除操作部42が操作されることで、定着爪部41が基部29に係止した状態が解除され、規制部35は、規制位置から非規制位置に移動することが可能となる。その際、規制解除片46に、工具や利用者の指が引っ掛けられる。解除操作部42は、規制部35が規制位置から非規制位置に移動する方向である解除方向(正面)に向けて露出しているため、利用者は、解除方向から、工具や指等で容易に解除操作部42を操作できる。
【0035】
非規制位置に配置されて仮留めの状態の規制部35は、仮留爪部40が仮留孔部33から外れることで、基部29から取り外すことも可能である。したがって、ブラケット本体11と規制部35とを、別個に成形することが可能であるし、規制部35が破損した場合、規制部35の交換が可能となる。
【0036】
なお、本発明に係る他の実施形態は、ブラケット本体と規制部とが、ヒンジ構造や関節構造等によって連結されている。この場合、規制部は、ブラケット本体に対して移動するが、規制部とブラケットとは分離しない。
他の実施形態では、ブラケット本体がフロントグリルに取り付けられる際の姿勢は任意である。この場合、上下逆さま、左右逆向きで、フロントグリルに取り付けられる。
他の実施形態は、仮留爪部を有していない。
他の実施形態は、解除操作部を有していない。
他の実施形態は、傾斜面部を有していない。
他の実施形態では、係止部が一つである。この場合、規制部の規制本体部は、片方にのみ張り出している。
他の実施形態では、規制部が上下方向又は左右側方に移動して基部に着脱され、係止部に当たる。
他の実施形態に着脱されるレーダー装置の構成は任意である。したがって、取付フランジの位置、数、形状は、任意である。
【0037】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではない。そして本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。本発明の実施形態が取り付けられる乗り物は、例えば、自動二輪車、列車、船舶、航空機等も含まれる。
【符号の説明】
【0038】
1 レーダー装置
2 取付フランジ
3 下側取付フランジ
4 上側取付フランジ
5 コネクタ
10 レーダー装置取付ブラケット
11 ブラケット本体
12 レーダー装置着脱領域
13 底部
14 上壁部
15 下壁部
16 右壁部
17 左壁部
18 ネジ孔
19 固定部
20 下側固定部
21 上側固定部
22 係止部
23 係止孔
24 押圧部
25 下方向押圧部
26 右方向押圧部
27 正面方向押圧部
28 コネクタ孔部
29 基部
30 挿入路
31 第一基壁部
32 第二基壁部
33 仮留孔部
34 定着孔部
35 規制部
36 着脱部
37 第一着脱壁部
38 第二着脱壁部
39 第三着脱壁部
40 仮留爪部
41 定着爪部
42 解除操作部
43 規制本体部
44 傾斜面部
45 窓部
46 規制解除片
図1
図2
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