(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129835
(43)【公開日】2023-09-20
(54)【発明の名称】遊技盤の製造方法
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230912BHJP
【FI】
A63F7/02 310C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022034120
(22)【出願日】2022-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】513183164
【氏名又は名称】株式会社シャリー商事
(74)【代理人】
【識別番号】100117503
【弁理士】
【氏名又は名称】間瀬 ▲けい▼一郎
(72)【発明者】
【氏名】小林 幸二
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088DA13
2C088EA02
(57)【要約】
【課題】化粧シートから得る装飾用シールの構成に工夫を凝らし、当該装飾用シールを、粘着剤に依拠することなく、盤部品に良好に貼着し得るようにした遊技盤の製造方法を提供する。
【解決手段】遊技基板10に貼着される化粧シートSは、ベースフィルム層20a、オフセット印刷層20b、シルク印刷層20c、セパレータSp及び粘着層30でもって積層構成される。シルク印刷層20cは、ベースフィルム層20aの中央フィルム部にオフセット印刷層20bを介しシルク印刷される。セパレータSpは、シルク印刷層20c及びオフセット印刷層20bの中央オフセット印刷部を介しベースフィルム層20aの中央フィルム部に貼着される。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明のポリカーボネート樹脂製或いは透明のアクリル樹脂製の遊技基板と当該遊技基板にその表面から積層される化粧シートとを各種盤部品を組み付けるために用いる遊技盤の製造方法において、
前記各種盤部品のうちの演出表示装置を組み付けるために前記遊技基板に形成してなる中央開口部に対応する透明のベースフィルム層の中央フィルム部の少なくとも一部にその裏面側から前記各種盤部品のうちの前記演出表示装置以外の少なくとも1つの盤部品の表面を所定の盤部品用オフセット印刷パターン部でもって盤部品表面オフセット印刷部を含む中央オフセット印刷部としてオフセット印刷し、かつ前記ベースフィルム層のうちの前記中央フィルム部の外周側に位置する外周側フィルム部をその裏面側から所定の外周側オフセット印刷パターン部でもって外周側オフセット印刷部として前記中央オフセット印刷部と共にオフセット印刷層を形成するようにオフセット印刷するオフセット印刷工程と、
前記ベースフィルム層の前記中央フィルム部にその裏面側から前記中央オフセット印刷部を介し所定のシルク印刷パターンでもってシルク印刷しシルク印刷層として形成するシルク印刷工程と、
フィルム状セパレータを、前記シルク印刷層を介し、前記ベースフィルム層の前記中央フィルム部に貼着するセパレータ貼着工程と、
前記遊技基板に粘着されたとき当該粘着直後には低くその後の時間の経過に伴い高くなる粘着力特性を所定の雰囲気温度の環境にて発揮する透明性粘着剤でもって形成してなる粘着層及び当該粘着層にその裏面に沿い積層してなる裏面側離形シートを有する粘着部材を、前記粘着層にて前記セパレータ、前記シルク印刷層及び前記オフセット印刷層を介し前記ベースフィルム層に粘着する粘着部材粘着工程と、
前記ベースフィルム層、前記オフセット印刷層、前記シルク印刷層、前記セパレータ及び前記粘着部材からなる積層体をその前記遊技基板の前記中央開口部の内周に対応する環状切り込み位置にて切り込むことで、前記積層体のうちの前記環状切り込み位置の内周側及び外周側に位置する内周側積層体部位及び外周側積層体部位をそれぞれ前記化粧シートの中央化粧シート部位及び外周側化粧シート部位として分離形成する切り込み工程と、
前記外周側化粧シート部位からその前記裏面側離形シートに対応する裏面側離形シート部位を剥がすことで現れる前記外周側化粧シート部位のうちの前記裏面側離形シート部位に対応する前記粘着層の粘着層部位にて、前記遊技基板のうちの前記中央開口部の外周側に位置する外周側基板部にその表面側から所定の圧力範囲以内の圧力による押圧でもって粘着する遊技基板への粘着工程とを備えて、
前記オフセット印刷工程、前記シルク印刷工程、前記セパレータ貼着工程、前記粘着部材粘着工程、前記切り込み工程及び前記遊技基板への粘着工程を前記所定の雰囲気温度の環境内で行い、前記遊技基板への粘着工程後所定の短時間内に前記外周側化粧シート部位の異常或いは当該外周側化粧シート部位のうちの前記粘着層部位と前記遊技基板の前記外周側基板部との間への異物の混入が発見されたとき、前記外周側化粧シート部位を前記外周側基板部から剥がして新たな化粧シートの外周側化粧シート部位を、その裏面側離形シート部位を剥がした後の接着層部位にて、前記外周側基板部に対し前記オフセット印刷工程、前記シルク印刷工程、前記セパレータ貼着工程、前記粘着部材粘着工程、前記切り込み工程及び前記遊技基板への粘着工程を経て粘着し直すことで製造するようにして、
前記中央化粧シート部位のうちの前記中央オフセット印刷部の前記盤部品表面オフセット印刷部に対する対応化粧シート部位を、前記中央化粧シート部位から分離して、前記少なくとも1つの盤部品のための装飾用シールとして保持するようにしたことを特徴とする遊技盤の製造方法。
【請求項2】
透明のポリカーボネート樹脂製或いは透明のアクリル樹脂製の遊技基板と当該遊技基板にその表面から積層される化粧シートとを各種盤部品を組み付けるために用いる遊技盤の製造方法において、
前記各種盤部品のうちの演出表示装置を組み付けるために前記遊技基板に形成してなる中央開口部に対応する透明のベースフィルム層の中央フィルム部の少なくとも一部にその裏面側から前記各種盤部品のうちの前記演出表示装置以外の少なくとも1つの盤部品の表面を所定の盤部品用オフセット印刷パターン部でもって盤部品表面オフセット印刷部を含む中央オフセット印刷部としてオフセット印刷し、かつ前記ベースフィルム層のうちの前記中央フィルム部の外周側に位置する外周側フィルム部をその裏面側から所定の外周側オフセット印刷パターン部でもって外周側オフセット印刷部として前記中央オフセット印刷部と共にオフセット印刷層を形成するようにオフセット印刷するオフセット印刷工程と、
前記ベースフィルム層の前記中央フィルム部にその裏面側から前記中央オフセット印刷部を介し所定のシルク印刷パターンでもってシルク印刷しシルク印刷層として形成するシルク印刷工程と、
フィルム状セパレータを、前記シルク印刷層を介し、前記ベースフィルム層の前記中央フィルム部に貼着するセパレータ貼着工程と、
前記遊技基板に粘着されたとき当該粘着直後には低くその後の時間の経過に伴い高くなる粘着力特性を所定の雰囲気温度の環境にて発揮する透明性粘着剤でもって形成してなる粘着層及び当該粘着層にその裏面に沿い積層してなる裏面側離形シートを有する粘着部材を、当該粘着部材を前記粘着層にて前記セパレータ、前記シルク印刷層及び前記オフセット印刷層を介し前記ベースフィルム層に粘着する粘着部材粘着工程と、
前記ベースフィルム層、前記オフセット印刷層、前記シルク印刷層、前記フィルム状セパレータ及び前記粘着部材からなる積層体をその前記遊技基板の前記中央開口部の内周に対応する環状切り込み位置にて切り込むことで、前記積層体のうちの前記環状切り込み位置の内周側及び外周側に位置する内周側積層体部位及び外周側積層体部位をそれぞれ前記化粧シートの中央化粧シート部位及び外周側化粧シート部位として分離形成する切り込み工程と、
前記外周側化粧シート部位からその前記裏面側離形シートに対する裏面側離形シート部位を剥がすことで現れる前記外周側化粧シート部位のうちの前記裏面側離形シート部位に対応する前記粘着層の粘着層部位にて、前記遊技基板のうちの前記中央開口部の外周側に位置する外周側基板部にその表面側から所定の圧力範囲以内の圧力による押圧でもって粘着する遊技基板への粘着工程と、
前記中央化粧シート部位のうちの前記中央オフセット印刷部の前記盤部品表面オフセット印刷部に対する対応化粧シート部位を、前記少なくとも1つの盤部品のための装飾用シールとして、前記中央化粧シート部位から分離するとともに、前記装飾用シールのうちの前記盤部品の表面に対する前記シルク印刷層の対応シルク印刷部位から、当該対応シルク印刷部位に対する前記セパレータの対応セパレータ部位を当該セパレータ部位に対する前記粘着層の対応粘着部位及び前記裏面側離形シートの対応離形シート部位と共に剥がすことで現れる前記装飾用シールのうちの前記対応シルク印刷部位にて、前記少なくとも1つの盤部品の表面に貼着する装飾用シール貼着工程とを備えて、
前記オフセット印刷工程、前記シルク印刷工程、前記セパレータ貼着工程、前記粘着部材粘着工程、前記積層体切り込み工程及び前記遊技基板への粘着工程を前記所定の雰囲気温度の環境内で行い、前記装飾用シール貼着工程後所定の短時間内に前記外周側化粧シート部位の異常或いは当該外周側化粧シート部位と前記外周側基板部との間への異物の混入が発見されたとき、前記外周側化粧シート部位を前記外周側基板部から剥がして新たな化粧シートの外周側化粧シート部位を、その裏側離形シート部位を剥がすことで現れる粘着層部位にて、前記外周側基板部に対し少なくとも前記オフセット印刷工程、前記シルク印刷工程、前記セパレータ貼着工程、前記粘着部材粘着工程、前記切り込み工程及び前記遊技基板への粘着工程を経て粘着し直すことで製造するようにしたことを特徴とする遊技盤の製造方法。
【請求項3】
透明のポリカーボネート樹脂製或いは透明のアクリル樹脂製の遊技基板と当該遊技基板にその表面から積層される化粧シートとを各種盤部品を組み付けるために用いる遊技盤の製造方法において、
第1熱可塑性樹脂製の長手状フィルム体からなる保護フィルムロールを、その裏面にて、透明の第2熱可塑性樹脂製の長手状フィルム体からなるベースフィルムロールに対しその表面に沿い積層して積層フィルムロール体を形成する積層フィルムロール体形成工程と、
前記積層フィルムロール体を前記遊技基板に対応する長さにて切断して保護フィルム層及びベースフィルム層からなる積層フィルム層として形成する積層フィルム層形成工程と、
前記各種盤部品のうちの演出表示装置を組み付けるために前記遊技基板に形成してなる中央開口部に対応する前記積層フィルム層の前記ベースフィルム層の中央フィルム部の少なくとも一部にその裏面側から前記各種盤部品のうちの前記演出表示装置以外の少なくとも1つの盤部品の表面を所定の盤部品用オフセット印刷パターン部でもって盤部品表面オフセット印刷部を含む中央オフセット印刷部としてオフセット印刷し、かつ前記ベースフィルム層のうちの前記中央フィルム部の外周側フィルム部にその裏面側から所定の外周側オフセット印刷パターン部でもって外周側オフセット印刷部として前記中央オフセット印刷部と共にオフセット印刷層を形成するようにオフセット印刷するオフセット印刷工程と、
前記ベースフィルム層の前記中央フィルム部にその裏面側から前記中央オフセット印刷部を介し所定のシルク印刷パターンでもってシルク印刷しシルク印刷層として形成するシルク印刷工程と、
フィルム状セパレータを、前記シルク印刷層を介し、前記ベースフィルム層の前記中央フィルム部に貼着するセパレータ貼着工程と、
前記遊技基板の表面に粘着されたとき当該粘着直後には低くその後の時間の経過に伴い高くなる粘着力特性を所定の雰囲気温度の環境にて発揮する透明性粘着剤を粘着素材とする長手状粘着素材層、当該長手状粘着素材層の表面に沿い積層される長手状表面側離形層、及び前記長手状粘着素材層の裏面に沿い積層される長手状裏面側離形層でもって形成してなる粘着素材ロールにおいて前記長手状表面側離形層を前記長手状粘着素材層から剥がしながら当該長手状粘着素材層をその表面にて前記フィルム状セパレータ、前記シルク印刷層及び前記オフセット印刷層を介し前記積層フィルム層の前記ベースフィルム層にその裏面に沿い粘着するとともに、前記粘着素材層及び前記裏面側離形層を前記積層フィルム層にあわせて切断して、前記保護フィルム層、前記ベースフィルム層、前記オフセット印刷層、前記シルク印刷層、前記セパレータ、前記粘着層及び前記裏面側離形シートからなる7層積層体として形成する7層積層体形成工程と、
前記7層積層体をその前記遊技基板の前記中央開口部の内周に対する対応内周位置にて切り込むことで、前記7層積層体のうちの前記対応内周位置の内周側及び外周側に位置する内周側積層体部位及び外周側積層体部位をそれぞれ前記化粧シートの中央化粧シート部位及び外周側化粧シート部位として分離形成する切り込み工程と、
前記外周側化粧シート部位からその前記裏面側離形シートに対する対応裏面側離形シート部位を剥がすことで現れる前記粘着層の前記対応裏面側離形シート部位に対する対応外周側粘着部位にて、前記遊技基板のうちの前記中央開口部の外周側に位置する外周側基板部にその表面側から所定の圧力範囲以内の圧力による押圧でもって粘着する遊技基板への粘着工程とを備えて、
前記積層フィルムロール体形成工程、前記積層フィルム層形成工程、前記オフセット印刷工程、前記シルク印刷工程、前記セパレータ貼着工程、前記7層積層体形成工程、前記切り込み工程及び前記遊技基板への粘着工程を前記所定の雰囲気温度の環境内で行い、前記遊技基板への粘着工程後所定の短時間内に前記外周側化粧シート部位の異常或いは前記対応外周側粘着部位と前記外周側基板部との間への異物の混入が発見されたとき、前記外周側化粧シート部位を前記外周側基板部から剥がして新たな化粧シートの外周側化粧シート部位を、その対応裏面側離形シート部位を剥がした後の対応外周側粘着部にて、前記積層フィルムロール体形成工程、前記積層フィルム層形成工程、前記オフセット印刷工程、前記シルク印刷工程、前記セパレータ貼着工程、前記7層積層体形成工程、前記切り込み工程及び前記遊技基板への粘着工程を経て前記外周側基板部に粘着し直すことで製造するようにして、
前記中央化粧シート部位のうちの前記中央オフセット印刷部の前記盤部品表面オフセット印刷部に対する対応化粧シート部位を、前記中央化粧シート部位から分離して、前記少なくとも1つの盤部品の盤部品のための装飾用シールとして保持するようにしたことを特徴とする遊技盤の製造方法。
【請求項4】
透明のポリカーボネート樹脂製或いは透明のアクリル樹脂製の遊技基板と当該遊技基板にその表面から積層される化粧シートとを各種盤部品を組み付けるために用いる遊技盤の製造方法において、
第1熱可塑性樹脂製の長手状フィルム体からなる保護フィルムロールを、その裏面にて、透明の第2熱可塑性樹脂製の長手状フィルム体からなるベースフィルムロールに対しその表面に沿い積層して積層フィルムロール体を形成する積層フィルムロール体形成工程と、
前記積層フィルムロール体を前記遊技基板に対応する長さにて切断して保護フィルム層及びベースフィルム層からなる積層フィルム層として形成する積層フィルム層形成工程と、
前記各種盤部品のうちの演出表示装置を組み付けるために前記遊技基板に形成してなる中央開口部に対応する前記積層フィルム層の前記ベースフィルム層の中央フィルム部の少なくとも一部にその裏面側から前記各種盤部品のうちの前記演出表示装置以外の少なくとも1つの盤部品の表面を所定の盤部品用オフセット印刷パターン部でもって盤部品表面オフセット印刷部を含む中央オフセット印刷部としてオフセット印刷し、かつ前記ベースフィルム層のうちの前記中央フィルム部の外周側フィルム部にその裏面側から所定の外周側オフセット印刷パターン部でもって外周側オフセット印刷部として前記中央オフセット印刷部と共にオフセット印刷層を形成するようにオフセット印刷するオフセット印刷工程と、
前記ベースフィルム層の前記中央フィルム部にその裏面側から前記中央オフセット印刷部を介し所定のシルク印刷パターンでもってシルク印刷しシルク印刷層として形成するシルク印刷工程と、
フィルム状セパレータを、前記シルク印刷層を介し、前記ベースフィルム層の前記中央フィルム部に貼着するセパレータ貼着工程と、
前記遊技基板の表面に粘着されたとき当該粘着直後には低くその後の時間の経過に伴い高くなる粘着力特性を所定の雰囲気温度の環境にて発揮する透明性粘着剤を粘着素材とする長手状粘着素材層と、当該長手状粘着素材層の表面に沿い積層される長手状表面側離形層と、前記長手状粘着素材層の裏面に沿い積層される長手状裏面側離形層とでもって形成してなる粘着素材ロールにおいて前記長手状表面側離形層を前記長手状粘着素材層から剥がしながら当該長手状粘着素材層をその表面にて前記フィルム状セパレータ、前記シルク印刷層及び前記オフセット印刷層を介し前記積層フィルム層の前記ベースフィルム層にその裏面に沿い粘着するとともに、前記粘着素材層及び前記裏面側離形層を前記積層フィルム層にあわせて切断して前記保護フィルム層、前記ベースフィルム層、前記オフセット印刷層、前記シルク印刷層、前記セパレータ、前記粘着層及び裏面側離形シートからなる7層積層体として形成する7層積層体形成工程と、
前記7層積層体をその前記遊技基板の前記中央開口部の内周に対する対応内周位置にて切り込むことで、前記7層積層体のうちの前記対応内周位置の内周側及び外周側に位置する内周側積層体部位及び外周側積層体部位をそれぞれ前記化粧シートの中央化粧シート部位及び外周側化粧シート部位として分離形成する切り込み工程と、
前記外周側化粧シート部位からその前記裏面側離形シートに対する対応裏面側離形シート部位を剥がすことで現れる前記粘着層の前記対応裏面側離形シート部位に対する対応外周側粘着部位にて、前記遊技基板のうちの前記中央開口部の外周側に位置する外周側基板部にその表面側から所定の圧力範囲以内の圧力による押圧でもって粘着する遊技基板への粘着工程と、
前記中央化粧シート部位のうちの前記中央オフセット印刷部の前記盤部品表面オフセット印刷部に対する対応化粧シート部位を、前記少なくとも1つの盤部品のための装飾用シールとして、前記中央化粧シート部位から分離するとともに、前記装飾用シールのうちの前記盤部品の表面に対する前記シルク印刷層の対応シルク印刷部位から、当該対応シルク印刷部位に対する前記セパレータの対応セパレータ部位を当該セパレータ部位に対する前記粘着層の対応粘着部位及び前記裏面側離形シートの対応離形シート部位と共に剥がすことで現れる前記装飾用シールのうちの前記対応シルク印刷部位にて、前記少なくとも1つの盤部品の表面に貼着する装飾用シール分離貼着工程とを備えて、
前記積層フィルムロール体形成工程、前記積層フィルム層形成工程、前記オフセット印刷工程、前記シルク印刷工程、前記セパレータ貼着工程、前記7層積層体形成工程、前記切り込み工程及び前記遊技基板への粘着工程を前記所定の雰囲気温度の環境内で行い、前記遊技基板への粘着工程後所定の短時間内に前記外周側化粧シート部位の異常または前記対応外周粘着層部位と前記外周側基板部との間への異物の混入が発見されたとき、前記外周側化粧シート部位を前記外周側基板部から剥がして新たな化粧シートの外周側化粧シート部位を前記外周側基板部に前記積層フィルムロール体形成工程、前記積層フィルム層形成工程、前記オフセット印刷工程、前記シルク印刷工程、前記セパレータ貼着工程、前記7層積層体形成工程、前記切り込み工程及び前記遊技基板への粘着工程を経て貼着し直すことで製造するようにしたことを特徴とする遊技盤の製造方法。
【請求項5】
前記所定の短時間内に前記装飾用シールの異常或いは前記少なくとも1つの盤部品と前記装飾用シールとの間への異物の混入が発見されたとき、前記装飾用シールを前記少なくとも1つの盤部品から剥がして新たな化粧シートの内周側化粧シート部位からその前記フィルム状セパレータ、前記粘着層及び前記裏面側離形シートに対する各対応部位を剥がすことで現れる前記新たな化粧シートの内周側化粧シート部位のうちの前記シルク印刷層の前記各対応部位に対する対応部位にて、前記少なくとも1つの盤部品に新たな装飾用シールとして、前記各工程を経て貼着し直すことで製造するようにしたことを特徴とする請求項2または4に記載の遊技盤の製造方法。
【請求項6】
前記セパレータ貼着工程において、
前記セパレータは、前記ベースフィルム層の前記中央フィルム部の半径よりも所定の値だけ小さい半径を有するように形成されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の遊技盤の製造方法。
【請求項7】
前記所定の値は10mmであることを特徴とする請求項6に記載の遊技盤の製造方法。
【請求項8】
前記シルク印刷工程において、
前記所定のシルク印刷パターンは、第1及び第2のシルク印刷パターン部でもって形成されており、
前記第1シルク印刷パターン部は、前記ベースフィルム層の前記中央フィルム部のうち前記少なくとも1つの盤部品表面オフセット印刷部に対する対応フィルム部位を除く残りのフィルム部位と当該残りのフィルム部位に対する前記セパレータの対応セパレータ部位との間に混入する気泡を前記セパレータの外周側へ放出可能な通路部を第1気泡放出通路部として前記残りのフィルム部位と前記対応セパレータ部位との間に形成するように構成されており、
前記第2シルク印刷パターン部は、前記少なくとも1つの盤部品表面オフセット印刷部に対する前記セパレータの対応セパレータ部位と前記少なくとも1つの盤部品表面オフセット印刷部との間に混入する気泡を前記第1気泡放出通路部内へ放出可能な通路部を第2気泡放出通路部として前記少なくとも1つの盤部品表面オフセット印刷部とこれに対する前記対応セパレータ部位との間に形成するように構成されていることを特徴とする請求項1~7のいずれか1つに記載の遊技盤の製造方法。
【請求項9】
前記第1シルク印刷パターン部は、前記フィルム状セパレータの外周部に対応する円周シルク印刷パターン部であり、
前記第2シルク印刷パターン部は、前記少なくとも1つの盤部品表面オフセット印刷部に対応する少なくとも1つの盤部品表面シルク印刷パターン部であり、
前記円周シルク印刷パターン部は、その円周方向に沿い少なくとも1つの不連続部を有するように形成されており、
前記少なくとも1つの盤部品表面シルク印刷パターン部は、前記少なくとも1つの盤部品の表面の輪郭に沿い少なくとも1つの不連続部を有するように形成されており、
前記円周シルク印刷パターン部の前記少なくとも1つの不連続部は、少なくとも1つの前記第1気泡放出通路部を前記セパレータの前記外周部とこれに対する前記中央フィルム部の対応部との間に構成しており、
前記少なくとも1つの盤部品表面シルク印刷パターン部の前記少なくとも1つの不連続部は、少なくとも1つの前記第2気泡放出通路部を前記少なくとも1つの盤部品とこれに対する前記セパレータの対応セパレータ部との間に構成していることを特徴とする請求項8に記載の遊技盤の製造方法。
【請求項10】
前記シルク印刷工程において、前記オフセット印刷後、前記オフセット印刷層を介し前記ベースフィルム層に対しホログラム箔を転写して形成し、
然る後、前記シルク印刷工程において、前記ホログラム箔及び前記オフセット印刷層を介し前記ベースフィルム層に対し前記シルク印刷を行うようにしたことを特徴とする請求項1~9のいずれか1つに記載の遊技盤の製造方法。
【請求項11】
前記所定の雰囲気温度は、前記粘着層が前記遊技基板に対する粘着力を良好に発揮し得る範囲以内の温度であり、前記所定の圧力範囲は、前記粘着層の前記遊技基板に対する粘着力を良好に確保し得る範囲以内の圧力であることを特徴とする請求項1~10のいずれか1つに記載の遊技盤の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、回胴式遊技機等の各種遊技機に採用される遊技盤の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技盤の製造方法においては、例えば、下記特許文献1に記載の遊技盤の製造方法が提案されている。
【0003】
当該遊技盤の製造方法によれば、第1工程において、保護フィルムを透明のベースフィルムにその表面側から貼着し、然る後、第2工程において、当該ベースフィルムの裏面のうちの遊技基板の中央開口部に対応する中央裏面部の少なくとも一部に、各種盤部品のうちの演出表示装置以外の少なくとも1つの盤部品のための盤部品外周側オフセット印刷パターン部を印刷し、ベースフィルムの裏面のうちの中央裏面部に対する外周側裏面部に、遊技基板のうちの中央開口部に対する外周側基板部のための外周側基板部外周側オフセット印刷パターン部を印刷することで、ベースフィルムを印刷ベースフィルムとして形成する。
【0004】
ついで、第3工程において、粘着部材において表面側離形シートを剥がすことで現れる粘着層を印刷ベースフィルムにその裏面側から貼着し、第4工程において、表面側離形シートを剥がした後の粘着部材の裏面側離形シート及び粘着層、並びに印刷ベースフィルム及び保護フィルムからなる貼着積層体をその遊技基板の中央開口部の内周に対応する環状切り込み位置にて切り込むことで、貼着積層体のうちの環状切り込み位置の内周側部位及び外周側部位をそれぞれ化粧シートの中央化粧シート部位及び外周側化粧シート部位として分離形成する。
【0005】
そして、第5工程において、化粧シートの外周側化粧シート部位を、その裏面側離形シートに対する対応外周側離形シート部位を剥がすことで現れる粘着層の対応外周側離形シート部位に対する対応外周側粘着層部位にて、外周側基板部にその表面側から所定の圧力範囲以内の圧力による押圧でもって貼着する。
【0006】
これら第1~第5の工程を所定の雰囲気温度の環境内で行い、第5工程後所定の短時間内に外周側化粧シート部位の異常或いは対応外周側粘着層部位と外周側基板部との間に異物の混入が発見されたとき、外周側化粧シート部位を外周側基板部から剥がして新たな化粧シートの外周側化粧シート部位を外周側基板部に第1~第5の工程を経て貼着し直すことで製造するようになっている。
【0007】
そして、このような製造方法において、
中央化粧シート部位のうちの盤部品外周側オフセット印刷パターン部を含む部位を、中央化粧シート部位から切り取って、装飾用シールとして、少なくとも1つの盤部品の盤部品本体に貼着するか、或いは、当該盤部品本体に締着するための装飾用シールとして保持するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上述した遊技盤の製造方法においては、上述したごとく、中央化粧シート部位のうちの盤部品外周側オフセット印刷パターン部を含む部位が、中央化粧シート部位から切り取られて、少なくとも1つの盤部品の盤部品本体に貼着するための装飾用シールとして保持されるようになっている。なお、上述の中央化粧シート部位は、貼着積層体のうちの環状切り込み位置の内周側部位として分離形成されるものである。
【0010】
ここで、貼着積層体は、上述したごとく、粘着部材の裏面側離形シート及び粘着層、並びに印刷ベースフィルム及び保護フィルムからなるものである。従って、中央化粧シート部位から切り取られた装飾用シールも、裏面側離形シート、粘着層、印刷ベースフィルム及び保護フィルムのうちの装飾用シールの切り取り形状に対する各対応部位でもって構成されている。
【0011】
このように構成してなる装飾用シールを盤部品の盤部品本体に貼着するにあたっては、例えば、作業者が、片手の指で装飾用シールを把持した状態で、残りの手の指で裏面側離形シートを装飾用シールの粘着層から剥がした上で、装飾用シールをその粘着層でもって盤部品本体に貼着する。
【0012】
しかしながら、粘着層が粘性を有するため、例えば、上述のように裏面側離形シートを粘着層から剥がす際や装飾用シールを盤部品本体に貼着する際に、作業者が粘着層に誤って触れてしまうと、指が粘着層の粘性のためにべとついてしまう。これに伴い、裏面側離形シートを粘着層から剥がす作業や装飾用シールを粘着層にて盤部品本体に貼着する作業が円滑には行うことができないおそれが生ずる。その結果、最終的には、装飾用シールの粘着層を盤部品本体に良好には貼着し得ないという不具合を招く。
【0013】
そこで、本発明は、以上のようなことに対処するため、化粧シートから得る装飾用シールの構成に工夫を凝らし、当該装飾用シールを、粘着剤に依拠することなく、盤部品に良好に貼着し得るようにした遊技盤の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題の解決にあたり、本発明に係る遊技盤の製造方法は、請求項1の記載によれば、
透明のポリカーボネート樹脂製或いは透明のアクリル樹脂製の遊技基板(10)と当該遊技基板にその表面から積層される化粧シート(S)とを各種盤部品(40、50、60、70、80、90)を組み付けるために用いるものである。
【0015】
当該遊技盤の製造方法において、
各種盤部品のうちの演出表示装置(60)を組み付けるために遊技基板に形成してなる中央開口部(11)に対応する透明のベースフィルム層(20a)の中央フィルム部(21)の少なくとも一部にその裏面側から各種盤部品のうちの演出表示装置以外の少なくとも1つの盤部品(40、50、70、80、90)の表面を所定の盤部品用オフセット印刷パターン部でもって盤部品表面オフセット印刷部を含む中央オフセット印刷部(Cf)としてオフセット印刷し、かつベースフィルム層のうちの上記中央フィルム部の外周側に位置する外周側フィルム部(22)をその裏面側から所定の外周側オフセット印刷パターン部でもって外周側オフセット印刷部(Sf)として上記中央オフセット印刷部と共にオフセット印刷層(20b)を形成するようにオフセット印刷するオフセット印刷工程(S4)と、
ベースフィルム層の上記中央フィルム部にその裏面側から上記盤部品表面オフセット印刷部を介し所定のシルク印刷パターンでもってシルク印刷しシルク印刷層(20c)として形成するシルク印刷工程(S5)と、
フィルム状セパレータ(Sp)を、シルク印刷層を介し、ベースフィルム層の上記中央フィルム部に貼着するセパレータ貼着工程(S7)と、
遊技基板に粘着されたとき当該粘着直後には低くその後の時間の経過に伴い高くなる粘着力特性を所定の雰囲気温度の環境にて発揮する透明性粘着剤でもって形成してなる粘着層(30a)及び当該粘着層にその裏面に沿い積層してなる裏面側離形シート(30c)を有する粘着部材(30)を、粘着層にてセパレータ、シルク印刷層及びオフセット印刷層を介しベースフィルム層に粘着する粘着部材粘着工程と、
ベースフィルム層、オフセット印刷層、シルク印刷層、セパレータ及び粘着部材からなる積層体をその遊技基板の上記中央開口部の内周に対応する環状切り込み位置にて切り込むことで、積層体のうちの上記環状切り込み位置の内周側及び外周側に位置する内周側積層体部位及び外周側積層体部位をそれぞれ化粧シートの中央化粧シート部位及び外周側化粧シート部位として分離形成する切り込み工程(S9)と、
上記外周側化粧シート部位からその裏面側離形シートに対応する裏面側離形シート部位を剥がすことで現れる上記外周側化粧シート部位のうちの上記裏面側離形シート部位に対応する粘着層の粘着層部位にて、遊技基板のうちの上記中央開口部の外周側に位置する外周側基板部(12)にその表面側から所定の圧力範囲以内の圧力による押圧でもって粘着する遊技基板への粘着工程(S11)とを備えて、
オフセット印刷工程、シルク印刷工程、セパレータ貼着工程、粘着部材粘着工程、切り込み工程及び遊技基板への粘着工程を上記所定の雰囲気温度の環境内で行い、遊技基板への粘着工程後所定の短時間内に上記外周側化粧シート部位の異常或いは当該外周側化粧シート部位のうちの上記粘着層部位と遊技基板の上記外周側基板部との間への異物の混入が発見されたとき、上記外周側化粧シート部位を上記外周側基板部から剥がして新たな化粧シートの外周側化粧シート部位を、その裏面側離形シート部位を剥がした後の接着層部位にて、上記外周側基板部に対しオフセット印刷工程、シルク印刷工程、セパレータ貼着工程、粘着部材粘着工程、切り込み工程及び遊技基板への粘着工程を経て粘着し直すことで製造するようにして、
上記中央化粧シート部位のうちの上記中央オフセット印刷部の上記盤部品表面オフセット印刷部に対する対応化粧シート部位を、上記中央化粧シート部位から分離して、上記少なくとも1つの盤部品のための装飾用シールとして保持するようにしたことを特徴とする。
【0016】
このように、高価な透明のポリカーボネート樹脂製或いは透明のアクリル樹脂製の遊技基板を活用して、オフセット印刷工程、シルク印刷工程、セパレータ貼着工程、粘着部材粘着工程、切り込み工程及び遊技基板への粘着工程を所定の雰囲気温度の環境内で行って遊技盤を製造するようにした。
【0017】
ここで、遊技基板への粘着工程後所定の短時間内に化粧シートの異常或いは粘着層と遊技基板との間への異物の混入が発見されたときには、外周側化粧シート部位を遊技基板から剥がして新たな化粧シートの外周側化粧シート部位を,その裏面側離形シート部位を剥がした後の接着層部位にて、遊技基板の外周側基板部に対しオフセット印刷工程、シルク印刷工程、セパレータ貼着工程、粘着部材粘着工程、切り込み工程及び遊技基板への粘着工程を経て貼着し直すことで製造するようにした。
【0018】
一方、中央化粧シート部位のうちの中央オフセット印刷部の盤部品表面オフセット印刷部に対する対応化粧シート部位を、中央化粧シート部位から分離して、少なくとも1つの盤部品のための装飾用シールとして保持するようにした。
【0019】
然るに、装飾用シールとしての上述の対応化粧シート部位が、盤部品の表面にそれぞれ対応するベースフィルム層の対応フィルム部位、オフセット印刷層の対応オフセット印刷部位、シルク印刷層の対応シルク印刷部位、セパレータの対応セパレータ部位及び対応粘着部材部位でもって構成される。
【0020】
従って、保持した装飾用シールを少なくとも1つの盤部品の表面に貼着するにあたっては、作業者は、当該装飾用シールの対応シルク印刷部から対応セパレータ部位を対応粘着部材部位と共に剥がした上で、当該装飾用シールをそのシルク印刷部位にて少なくとも1つの盤部品の表面に貼着することとなる。このことは、装飾用シールは、盤部品の表面にそれぞれ対応するベースフィルム層の対応フィルム部位、オフセット印刷層の中央オフセット印刷部位及びシルク印刷層のシルク印刷部位からなる構成にて、少なくとも1つの部品に貼着されることを意味する。
【0021】
このため、作業者が当該装飾用シールを少なくとも1つの盤部品の表面に貼着する際には、当該装飾用シールには、粘着部材の粘着層の対応粘着部位が存在しない。従って、作業者は、当該装飾用シールを手により把持して貼着作業を行う際に、粘着層に依拠することなく、当該粘着層の粘着部位に触れて生じがちな手のべとつき等の発生を未然に防止しつつ円滑に貼着作業を終えることができる。
【0022】
また、上述のように保持するようにした装飾用シールを分離する内周側積層体部位は、化粧シートの中央化粧シート部位であることから、上述のような作用効果を、化粧シートをその中央部(中央化粧シート部位)を廃棄することなく当該中央部も含めて有効に活用し得て、化粧シートの無駄を省き経済的にし得る作用効果と共に達成し得る。
【0023】
さらに、遊技基板への粘着工程後所定の短時間内であれば,遊技基板に対する化粧シートの粘着力は低い。従って、化粧シートの異常或いは粘着層と遊技基板との間に異物の混入が発見されたとき、化粧シートを遊技基板からきれいに剥がすことができる。これに伴い、高価なポリカーボネート樹脂或いは透明性アクリル樹脂からなる遊技基板の再利用が可能となる。
【0024】
従って、新たな化粧シートを遊技基板に上述の各工程を経て良好に貼着し直すことが可能となる。このように、高価な遊技基板の再利用でもって無駄を無くすることで、省資源に貢献し得る。
【0025】
また、上述のように貼着した装飾用シールの異常或いは当該装飾用シールと少なくとも1つの盤部品との間への異物の混入が発見された場合には、上述した中央化粧シート部位から予備の装飾用シールを分離しておけば、貼着済みの装飾用シールを少なくとも1つの盤部品から剥がした上で、予備の装飾用シールを上述と同様にして対応シルク印刷部位にて少なくとも1つの盤部品の表面に貼着し直せばよい。
【0026】
また、本発明に係る遊技盤の製造方法は、請求項2の記載によれば、透明のポリカーボネート樹脂製或いは透明のアクリル樹脂製の遊技基板(10)と当該遊技基板にその表面から積層される化粧シート(S)とを各種盤部品(40、50、60、70、80、90)を組み付けるために用いるものである。
【0027】
当該遊技盤の製造方法において、
各種盤部品のうちの演出表示装置(60)を組み付けるために遊技基板に形成してなる中央開口部(11)に対応する透明のベースフィルム層(20a)の中央フィルム部(21)の少なくとも一部にその裏面側から前記各種盤部品のうちの演出表示装置以外の少なくとも1つの盤部品(40、50、70、80、90)の表面を所定の盤部品用オフセット印刷パターン部でもって盤部品表面オフセット印刷部を含む中央オフセット印刷部(Cf)としてオフセット印刷し、かつベースフィルム層のうちの上記中央フィルム部の外周側に位置する外周側フィルム部(22)をその裏面側から所定の外周側オフセット印刷パターン部でもって外周側オフセット印刷部(Sf)として上記中央オフセット印刷部と共にオフセット印刷層(20b)を形成するようにオフセット印刷するオフセット印刷工程(S4)と、
ベースフィルム層の上記中央フィルム部にその裏面側から上記中央オフセット印刷部を介し所定のシルク印刷パターンでもってシルク印刷しシルク印刷層(20c)として形成するシルク印刷工程(S5)と、
フィルム状セパレータ(Sp)を、シルク印刷層を介し、ベースフィルム層の上記中央フィルム部に貼着するセパレータ貼着工程(S7)と、
遊技基板に粘着されたとき当該粘着直後には低くその後の時間の経過に伴い高くなる粘着力特性を所定の雰囲気温度の環境にて発揮する透明性粘着剤でもって形成してなる粘着層(30a)及び当該粘着層にその裏面に沿い積層してなる裏面側離形シート(30c)を有する粘着部材(30)を、当該粘着部材を粘着層にてセパレータ、シルク印刷層及びオフセット印刷層を介しベースフィルム層に粘着する粘着部材粘着工程と、
ベースフィルム層、オフセット印刷層、シルク印刷層、フィルム状セパレータ及び粘着部材からなる積層体をその遊技基板の上記中央開口部の内周に対応する環状切り込み位置にて切り込むことで、積層体のうちの上記環状切り込み位置の内周側及び外周側に位置する内周側積層体部位及び外周側積層体部位をそれぞれ化粧シートの中央化粧シート部位及び外周側化粧シート部位として分離形成する切り込み工程(S9)と、
上記外周側化粧シート部位からその裏面側離形シートに対する裏面側離形シート部位を剥がすことで現れる上記外周側化粧シート部位のうちの上記裏面側離形シート部位に対応する粘着層の粘着層部位にて、遊技基板のうちの上記中央開口部の外周側に位置する外周側基板部(12)にその表面側から所定の圧力範囲以内の圧力による押圧でもって粘着する遊技基板への粘着工程(S11)と、
上記中央化粧シート部位のうちの上記中央オフセット印刷部の上記盤部品表面オフセット印刷部に対する対応化粧シート部位を、上記少なくとも1つの盤部品のための装飾用シールとして、上記中央化粧シート部位から分離するとともに、装飾用シールのうちの盤部品の表面に対するシルク印刷層の対応シルク印刷部位から、当該対応シルク印刷部位に対するセパレータの対応セパレータ部位を当該セパレータ部位に対する粘着層の対応粘着部位及び裏面側離形シートの対応離形シート部位と共に剥がすことで現れる装飾用シールのうちの上記対応シルク印刷部位にて、上記少なくとも1つの盤部品の表面に貼着する装飾用シール貼着工程(S12)とを備えて、
オフセット印刷工程、シルク印刷工程、セパレータ貼着工程、粘着部材粘着工程、切り込み工程及び遊技基板への粘着工程を上記所定の雰囲気温度の環境内で行い、装飾用シール貼着工程後所定の短時間内に上記外周側化粧シート部位の異常或いは当該外周側化粧シート部位と上記外周側基板部との間への異物の混入が発見されたとき、上記外周側化粧シート部位を上記外周側基板部から剥がして新たな化粧シートの外周側化粧シート部位を、その裏側離形シート部位を剥がすことで現れる粘着層部位にて、上記外周側基板部に対し少なくともオフセット印刷工程、シルク印刷工程、セパレータ貼着工程、粘着部材粘着工程、切り込み工程及び遊技基板への粘着工程を経て粘着し直すことで製造するようにしたことを特徴とする。
【0028】
このように、高価な透明のポリカーボネート樹脂製或いは透明のアクリル樹脂製の遊技基板を活用して、少なくともオフセット印刷工程、シルク印刷工程、セパレータ貼着工程、粘着部材粘着工程、切り込み工程及び遊技基板への粘着工程を所定の雰囲気温度の環境内で行って遊技盤を製造するようにした。
【0029】
ここで、遊技基板への粘着工程後所定の短時間内に化粧シートの異常或いは粘着層と遊技基板との間への異物の混入が発見されたときには、外周側化粧シート部位を外周側基板部から剥がして新たな化粧シートの外周側化粧シート部位を、その裏側離形シート部位を剥がすことで現れる粘着層部位にて、外周側基板部に対し少なくともオフセット印刷工程、シルク印刷工程、セパレータ貼着工程、粘着部材粘着工程、切り込み工程及び遊技基板への粘着工程を経て粘着し直すことで製造するようにした。
【0030】
一方、装飾用シールとしての中央化粧シート部位のうちの中央オフセット印刷部の盤部品表面オフセット印刷部に対する対応化粧シート部位が、盤部品の表面にそれぞれ対応するベースフィルム層の対応フィルム部位、オフセット印刷層の対応オフセット印刷部位、シルク印刷層の対応シルク印刷部位及び粘着部材の対応粘着部位でもって構成される。
【0031】
従って、装飾用シールを少なくとも1つの盤部品の表面に貼着するにあたっては、作業者は、当該装飾用シールの対応シルク印刷部から対応セパレータ部位を対応粘着部材部位と共に剥がした上で、当該装飾用シールをそのシルク印刷部位にて少なくとも1つの盤部品の表面に貼着することとなる。このことは、装飾用シールは、盤部品の表面にそれぞれ対応するベースフィルム層のフィルム部位、オフセット印刷層の中央オフセット印刷部位及びシルク印刷層のシルク印刷部位からなる構成にて、少なくとも1つの部品に貼着されることを意味する。
【0032】
このため、作業者が当該装飾用シールを少なくとも1つの盤部品の表面に貼着する際には、当該装飾用シールには、粘着部材の粘着層の対応粘着部位が存在しない。従って、作業者は、当該装飾用シールを手により把持して貼着作業を行う際に粘着層の粘着部位に触れて生じがちな手のべとつき等の発生を未然に防止しつつ円滑に貼着作業を終えることができる。その他の作用効果は、請求項1に記載の発明と実質的に同様である。
【0033】
また、本発明に係る遊技盤の製造方法は、請求項3の記載によれば、透明のポリカーボネート樹脂製或いは透明のアクリル樹脂製の遊技基板(10)と当該遊技基板にその表面から積層される化粧シート(S)とを各種盤部品(40、50、60、70、80、90)を組み付けるために用いるものである。
【0034】
当該遊技盤の製造方法において、
第1熱可塑性樹脂製の長手状フィルム体からなる保護フィルムロール(110)を、その裏面にて、透明の第2熱可塑性樹脂製の長手状フィルム体からなるベースフィルムロール(100)に対しその表面に沿い積層して積層フィルムロール体(120)を形成する積層フィルムロール体形成工程(S1)と、
積層フィルムロール体を遊技基板に対応する長さにて切断して保護フィルム層(20d)及びベースフィルム層(20a)からなる積層フィルム層(120a)として形成する積層フィルム層形成工程(S2)と、
各種盤部品のうちの演出表示装置(60)を組み付けるために遊技基板に形成してなる中央開口部(11)に対応する積層フィルム層のベースフィルム層の中央フィルム部(21)の少なくとも一部にその裏面側から各種盤部品のうちの演出表示装置以外の少なくとも1つの盤部品(40、50、70、80、90)の表面を所定の盤部品用オフセット印刷パターン部でもって盤部品表面オフセット印刷部を含む中央オフセット印刷部(Cf)としてオフセット印刷し、かつベースフィルム層のうちの上記中央フィルム部の外周側フィルム部(22)にその裏面側から所定の外周側オフセット印刷パターン部でもって外周側オフセット印刷部(Sf)として上記中央オフセット印刷部と共にオフセット印刷層(20b)を形成するようにオフセット印刷するオフセット印刷工程(S4)と、
ベースフィルム層の上記中央フィルム部にその裏面側から上記中央オフセット印刷部を介し所定のシルク印刷パターンでもってシルク印刷しシルク印刷層(20c)として形成するシルク印刷工程(S5)と、
フィルム状セパレータ(Sp)を、シルク印刷層を介し、ベースフィルム層の上記中央フィルム部に貼着するセパレータ貼着工程(S7)と、
遊技基板の表面に粘着されたとき当該粘着直後には低くその後の時間の経過に伴い高くなる粘着力特性を所定の雰囲気温度の環境にて発揮する透明性粘着剤を粘着素材とする長手状粘着素材層、当該長手状粘着素材層の表面に沿い積層される長手状表面側離形層、及び長手状粘着素材層の裏面に沿い積層される長手状裏面側離形層でもって形成してなる粘着素材ロール(140)において長手状表面側離形層を長手状粘着素材層から剥がしながら当該長手状粘着素材層をその表面にてフィルム状セパレータ、シルク印刷層及びオフセット印刷層を介し積層フィルム層のベースフィルム層にその裏面に沿い粘着するとともに、粘着素材層及び裏面側離形層を積層フィルム層にあわせて切断して、保護フィルム層、ベースフィルム層、オフセット印刷層、シルク印刷層、セパレータ、粘着層及び裏面側離形シート(30c)からなる7層積層体(150)として形成する7層積層体形成工程(S8)と、
7層積層体をその遊技基板の上記中央開口部の内周に対する対応内周位置にて切り込むことで、7層積層体のうちの上記対応内周位置の内周側及び外周側に位置する内周側積層体部位及び外周側積層体部位をそれぞれ化粧シートの中央化粧シート部位及び外周側化粧シート部位として分離形成する切り込み工程(S9)と、
上記外周側化粧シート部位からその裏面側離形シートに対する対応裏面側離形シート部を剥がすことで現れる粘着層の上記対応裏面側離形シート部位に対する対応外周側粘着部位にて、遊技基板のうちの上記中央開口部の外周側に位置する外周側基板部(12)にその表面側から所定の圧力範囲以内の圧力による押圧でもって粘着する遊技基板への粘着工程(S11)とを備えて、
積層フィルムロール体形成工程、積層フィルム層形成工程、オフセット印刷工程、シルク印刷工程、セパレータ貼着工程、7層積層体形成工程、切り込み工程及び遊技基板への粘着工程を上記所定の雰囲気温度の環境内で行い、遊技基板への粘着工程後所定の短時間内に上記外周側化粧シート部位の異常或いは上記対応外周側粘着部位と上記外周側基板部との間への異物の混入が発見されたとき、上記外周側化粧シート部位を上記外周側基板部から剥がして新たな化粧シートの外周側化粧シート部位を、その対応裏面側離形シート部位を剥がした後の対応外周側粘着部にて、積層フィルムロール体形成工程、積層フィルム層形成工程、オフセット印刷工程、シルク印刷工程、セパレータ貼着工程、7層積層体形成工程、切り込み工程及び遊技基板への粘着工程を経て上記外周側基板部に粘着し直すことで製造するようにして、
上記中央化粧シート部位のうちの上記中央オフセット印刷部の上記盤部品表面オフセット印刷部に対する対応化粧シート部位を、前記中央化粧シート部位から分離して、上記少なくとも1つの盤部品の盤部品のための装飾用シールとして保持するようにしたことを特徴とする。
【0035】
このように、積層フィルムロール体形成工程にて、第1熱可塑性樹脂製の長手状フィルム体からなる保護フィルムロールを、その裏面にて、透明の第2熱可塑性樹脂製の長手状フィルム体からなるベースフィルムロールに対しその表面に沿い積層して積層フィルムロール体を形成し、積層フィルム層形成工程にて、前記積層フィルムロール体を遊技基板に対応する長さにて切断して保護フィルム層及びベースフィルム層からなる積層フィルム層として形成した上で、オフセット印刷工程以後の工程を行うようにしても、請求項1の発明と同様の作用効果を達成することができる。
【0036】
また、本発明に係る遊技盤の製造方法は、請求項4の記載によれば、透明のポリカーボネート樹脂製或いは透明のアクリル樹脂製の遊技基板(10)と当該遊技基板にその表面から積層される化粧シート(S)とを各種盤部品(40、50、60、70、80、90)を組み付けるために用いるものである。
【0037】
当該遊技盤の製造方法において、
第1熱可塑性樹脂製の長手状フィルム体からなる保護フィルムロール(110)を、その裏面にて、透明の第2熱可塑性樹脂製の長手状フィルム体からなるベースフィルムロール(100)に対しその表面に沿い積層して積層フィルムロール体(120)を形成する積層フィルムロール体形成工程(S1)と、
積層フィルムロール体を遊技基板に対応する長さにて切断して保護フィルム層20d)及びベースフィルム層(20a)からなる積層フィルム層(120a)として形成する積層フィルム層形成工程(S2)と、
各種盤部品のうちの演出表示装置(60)を組み付けるために遊技基板に形成してなる中央開口部(11)に対応する積層フィルム層のベースフィルム層の中央フィルム部(21)の少なくとも一部にその裏面側から各種盤部品のうちの演出表示装置以外の少なくとも1つの盤部品(40、50、70、80、90)の表面を所定の盤部品用オフセット印刷パターン部でもって盤部品表面オフセット印刷部を含む中央オフセット印刷部(Cf)としてオフセット印刷し、かつベースフィルム層のうちの上記中央フィルム部の外周側フィルム部(22)にその裏面側から所定の外周側オフセット印刷パターン部でもって外周側オフセット印刷部(Sf)として上記中央オフセット印刷部と共にオフセット印刷層(20b)を形成するようにオフセット印刷するオフセット印刷工程(S4)と、
ベースフィルム層の上記中央フィルム部にその裏面側から上記中央オフセット印刷部を介し所定のシルク印刷パターンでもってシルク印刷しシルク印刷層(20c)として形成するシルク印刷工程(S5)と、
フィルム状セパレータ(Sp)を、シルク印刷層を介し、ベースフィルム層の前記中央フィルム部に貼着するセパレータ貼着工程(S7)と、
遊技基板の表面に粘着されたとき当該粘着直後には低くその後の時間の経過に伴い高くなる粘着力特性を所定の雰囲気温度の環境にて発揮する透明性粘着剤を粘着素材とする長手状粘着素材層と、当該長手状粘着素材層の表面に沿い積層される長手状表面側離形層と、長手状粘着素材層の裏面に沿い積層される長手状裏面側離形層とでもって形成してなる粘着素材ロール(140)において長手状表面側離形層を長手状粘着素材層から剥がしながら当該長手状粘着素材層をその表面にてフィルム状セパレータ、シルク印刷層及びオフセット印刷層を介し積層フィルム層のベースフィルム層にその裏面に沿い粘着するとともに、粘着素材層及び裏面側離形層を積層フィルム層にあわせて切断して保護フィルム層、ベースフィルム層、オフセット印刷層、シルク印刷層、セパレータ、粘着層及び裏面側離形シート(30c)からなる7層積層体(150)として形成する7層積層体形成工程(S8)と、
7層積層体をその遊技基板の上記中央開口部の内周に対する対応内周位置にて切り込むことで、7層積層体のうちの上記対応内周位置の内周側及び外周側に位置する内周側積層体部位及び外周側積層体部位をそれぞれ化粧シートの中央化粧シート部位及び外周側化粧シート部位として分離形成する切り込み工程(S9)と、
外周側化粧シート部位からその裏面側離形シートに対する対応裏面側離形シート部位を剥がすことで現れる粘着層の上記対応裏面側離形シート部位に対する対応外周側粘着部位にて、遊技基板のうちの上記中央開口部の外周側に位置する外周側基板部(12)にその表面側から所定の圧力範囲以内の圧力による押圧でもって粘着する遊技基板への粘着工程(S11)と、
上記中央化粧シート部位のうちの上記中央オフセット印刷部の上記盤部品表面オフセット印刷部に対する対応化粧シート部位を、上記少なくとも1つの盤部品のための装飾用シールとして、上記中央化粧シート部位から分離するとともに、装飾用シールのうちの盤部品の表面に対するシルク印刷層の対応シルク印刷部位から、当該対応シルク印刷部位に対するセパレータの対応セパレータ部位を当該セパレータ部位に対する粘着層の対応粘着部位及び裏面側離形シートの対応離形シート部位と共に剥がすことで現れる装飾用シールのうちの上記対応シルク印刷部位にて、上記少なくとも1つの盤部品の表面に貼着する装飾用シール分離貼着工程(S10、S12)とを備えて、
積層フィルムロール体形成工程、積層フィルム層形成工程、オフセット印刷工程、シルク印刷工程、セパレータ貼着工程、7層積層体形成工程、切り込み工程及び遊技基板への粘着工程を上記所定の雰囲気温度の環境内で行い、遊技基板への粘着工程後所定の短時間内に上記外周側化粧シート部位の異常または上記対応外周粘着層部位と上記外周側基板部との間への異物の混入が発見されたとき、上記外周側化粧シート部位を上記外周側基板部から剥がして新たな化粧シートの外周側化粧シート部位を上記外周側基板部に積層フィルムロール体形成工程、積層フィルム層形成工程、オフセット印刷工程、シルク印刷工程、セパレータ貼着工程、7層積層体形成工程、切り込み工程及び遊技基板への粘着工程を経て貼着し直すことで製造するようにしたことを特徴とする。
【0038】
このように、積層フィルムロール体形成工程にて、第1熱可塑性樹脂製の長手状フィルム体からなる保護フィルムロールを、その裏面にて、透明の第2熱可塑性樹脂製の長手状フィルム体からなるベースフィルムロールに対しその表面に沿い積層して積層フィルムロール体を形成し、積層フィルム層形成工程にて、積層フィルムロール体を遊技基板に対応する長さにて切断して保護フィルム層及びベースフィルム層からなる積層フィルム層として形成した上で、オフセット印刷工程以後の工程を行うようにしても、請求項2の発明と同様の作用効果を達成することができる。
【0039】
また、本発明は、請求項5の記載によれば、請求項2または4に記載の遊技盤の製造方法において、
上記所定の短時間内に装飾用シールの異常或いは上記少なくとも1つの盤部品と装飾用シールとの間への異物の混入が発見されたとき、装飾用シールを上記少なくとも1つの盤部品から剥がして新たな化粧シートの内周側化粧シート部位からそのフィルム状セパレータ、粘着層及び裏面側離形シートに対する各対応部位を剥がすことで現れる新たな化粧シートの内周側化粧シート部位のうちのシルク印刷層の上記各対応部位に対する対応部位にて、上記少なくとも1つの盤部品に新たな装飾用シールとして、上記各工程を経て貼着し直すことで製造するようにしたことを特徴とする。
【0040】
これによれば、請求項2または4に記載の発明の作用効果に加えて、所定の短時間内に装飾用シールの異常或いは少なくとも1つの盤部品と装飾用シールとの間への異物の混入が発見されたときにも、少なくとも1つの盤部品に新たな装飾用シールとして、各工程を経て、粘着層のべとつきを伴うことなく円滑に貼着し直すことができる。
【0041】
また、本発明は、請求項6の記載によれば、請求項1~5のいずれか一つに記載の遊技盤の製造方法において、
セパレータ貼着工程において、セパレータは、ベースフィルム層の上記中央フィルム部の半径よりも所定の値だけ小さい半径を有するように形成されていることを特徴とする。
【0042】
これによれば、セパレータは、ベースフィルム層の中央フィルム部から位置ずれすることなく、良好に貼着され得る、その結果、請求項1~5のいずれか一つに記載の発明の作用効果がより一層向上され得る。
【0043】
また、本発明は、請求項7の記載によれば、請求項6に記載の遊技盤の製造方法において、上記所定の値は10mmであってもよい。
【0044】
また、本発明は、請求項8の記載によれば、請求項1~7のいずれか1つに記載の遊技盤の製造方法では、
シルク印刷工程において、
上記所定のシルク印刷パターンは、第1及び第2のシルク印刷パターン部でもって形成されており、
上記第1シルク印刷パターン部は、ベースフィルム層の上記中央フィルム部のうち上記少なくとも1つの盤部品表面オフセット印刷部に対する対応フィルム部位を除く残りのフィルム部位と当該残りのフィルム部位に対するセパレータの対応セパレータ部位との間に混入する気泡をセパレータの外周側へ放出可能な通路部を第1気泡放出通路部として上記残りのフィルム部位と上記対応セパレータ部位との間に形成するように構成されており、
上記第2シルク印刷パターン部は、上記少なくとも1つの盤部品表面オフセット印刷部に対するセパレータの対応セパレータ部位と上記少なくとも1つの盤部品表面オフセット印刷部との間に混入する気泡を上記第1気泡放出通路部内へ放出可能な通路部を第2気泡放出通路部として上記少なくとも1つの盤部品表面オフセット印刷部とこれに対する上記対応セパレータ部位との間に形成するように構成されていることを特徴とする。
これによれば、セパレータをシルク印刷層及びベースフィルム層の中央フィルム部にシルク印刷層の接着作用のもとに貼着したとき、セパレータと中央フィルム部との間には、第1及び第2のシルク印刷パターン部でもって、第1及び第2の気泡放出通路部が形成される。
従って、セパレータの中央フィルム部への貼着の際に、中央フィルム部のうち少なくとも1つの盤部品表面オフセット印刷部に対する対応フィルム部位を除く残りのフィルム部位と当該残りのフィルム部位に対するセパレータの対応セパレータ部位との間に気泡が混入しても、当該気泡は、上述の貼着に伴い第1気泡放出通路からセパレータの外周側は押し出されるようにして放出され得る。
また、セパレータの中央フィルム部への貼着の際に、少なくとも1つの盤部品表面オフセット印刷部に対するセパレータの対応セパレータ部位と少なくとも1つの盤部品表面オフセット印刷部との間に気泡が混入しても、当該気泡は、上述の貼着に伴い、第2気泡放出通路部から第1気泡放出通路部を介しセパレータの外周側は押し出されるようにして放出され得る。
これにより、中央フィルム部の表面に気泡の存在によって生じがちな凹凸の発生を未然に防止し得る。その結果、請求項1~7のいずれか1つに記載の発明の作用効果に加え、ベースフィルムの中央フィルム部、ひいては、化粧シートの見栄えが良好に維持され得る。
また、本発明は、請求項9の記載によれば、請求項8に記載の遊技盤の製造方法において、
上記第1シルク印刷パターン部は、フィルム状セパレータの外周部に対応する円周シルク印刷パターン部であり、
上記第2シルク印刷パターン部は、上記少なくとも1つの盤部品表面オフセット印刷部に対応する少なくとも1つの盤部品表面シルク印刷パターン部であり、
上記円周シルク印刷パターン部は、その円周方向に沿い少なくとも1つの不連続部を有するように形成されており、
上記少なくとも1つの盤部品表面シルク印刷パターン部は、上記少なくとも1つの盤部品の表面の輪郭に沿い少なくとも1つの不連続部を有するように形成されており、
上記円周シルク印刷パターン部の上記少なくとも1つの不連続部は、少なくとも1つの上記第1気泡放出通路部をセパレータの上記外周部とこれに対する上記中央フィルム部の対応部との間に構成しており、
上記少なくとも1つの盤部品表面シルク印刷パターン部の上記少なくとも1つの不連続部は、少なくとも1つの上記第2気泡放出通路部を上記少なくとも1つの盤部品とこれに対するセパレータの対応セパレータ部との間に構成していることを特徴とする。
このような構成によっても、請求項8に記載の発明と同様の作用効果を達成することができる。
【0045】
また、本発明は、請求項10の記載によれば、請求項1~9に記載の遊技盤の製造方法では、
シルク印刷工程において、上記オフセット印刷後、オフセット印刷層を介しベースフィルム層に対しホログラム箔を転写して形成し、
然る後、シルク印刷工程において、ホログラム箔及びオフセット印刷層を介しベースフィルム層に対し上記シルク印刷を行うようにしたことを特徴とする。
【0046】
これによれば、ベースフィルム層にホログラム箔を転写して形成することで、印刷パターンの絵柄がホログラム箔を介して浮き出るといった新しい斬新な加飾による見映えのさらなる向上を図りつつ、請求項1~9のいずれか1つに記載の発明による化粧シートの無駄を省く作用効果その他の作用効果を達成することができる。
【0047】
また、本発明は、請求項11の記載のように、請求項1~10のいずれか1つに記載の遊技盤の製造方法において、前記所定の雰囲気温度は、前記粘着層が前記遊技基板に対する粘着力を良好に発揮し得る範囲以内の温度であり、前記所定の圧力範囲は、前記粘着層の前記遊技基板に対する粘着力を良好に確保し得る範囲以内の圧力であってもよい。
【0048】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】本発明が適用されるパチンコ遊技機の第1実施形態を示す部分破断前面図である。
【
図2】
図1にて2-2線に沿うパチンコ遊技機の断面図である。
【
図3】
図2の遊技盤及び裏ユニットの組み付け構造を示す側面図である。
【
図4】
図3の遊技盤及び裏ユニットを示す分解斜視図である。
【
図5】
図3の遊技基板及び当該遊技基板に貼着してなる化粧シートを示す断面図である。
【
図6】上記第1実施形態における粘着部材の断面図である。
【
図7】上記第1実施形態における化粧シートの分解図である。
【
図9】
図4の液晶パネル用カバーを示す拡大前面図である。
【
図10】
図4の左右両側サイドランプ部材、スタートチャッカー部材及びアタッカー部材を示す拡大斜視図である。
【
図11】
図2の遊技盤の製造工程を示す工程図である。
【
図12】
図11の積層フィルムロール体形成工程における保護フィルムロールとベースフィルムロールとの貼着過程を示す斜視図である。
【
図13】
図11の積層フィルムロール体形成工程における保護フィルムロールとベースフィルムロールとの積層後の積層フィルムロール体を示す斜視図である。
【
図14】
図11の切断工程における積層フィルムロール体の切断後の積層フィルムを示す部分破断裏面図である。
【
図15】
図11の印刷工程において
図14の積層フィルムの裏面に所定のオフセット印刷パターンを印刷してなるベースフィルム層の裏面図である。
【
図16】
図11の7層積層体形成工程における粘着素材ロールの貼着ベースフィルム層との貼着過程を示す模式的側面図である。
【
図18】
図11の7層積層体形成工程における粘着素材ロールの貼着ベースフィルム層との貼着後の7層積層体を示す断面図である。
【
図19】
図11の切り込み工程において
図18の7層積層体に対する切り込みを示す模式的断面図である。
【
図20】(a)は、
図11の切り込み工程における切り込み後の切り込み済み7層積層体を外周側貼着体部位及び内周側貼着体部位に分解した状態にて示す分解側面図であり、(b)は、装飾用シールの側面図である。
【
図21】
図11の遊技基板への粘着工程において切り込み済み7層積層体を遊技基板に粘着する過程を示す断面図である。
【
図22】
図11の装飾用シール貼着工程においてセンターフレームの下フレームに左側フレーム用装飾用シールを貼着する過程を示す部分拡大斜視図である。
【
図23】
図11の装飾用シール貼着工程において液晶パネル用カバーの上枠の左側部位及び左側枠部に左上側カバー用装飾用シール及び左横側カバー用装飾用シールを貼着する過程を示す部分拡大斜視図である。
【
図24】
図11の装飾用シール貼着工程において左側サイドランプにランプ用装飾用シールを貼着する過程を示す部分拡大斜視図である。
【
図25】
図11の装飾用シール貼着工程においてスタートチャッカーにチャッカー装飾用シールを貼着する過程を示す部分拡大斜視図である。
【
図26】
図11の装飾用シール貼着工程においてアタッカー部材の蓋体にチャッカー装飾用シールを貼着する過程を示す部分拡大斜視図である。
【
図27】本発明の第2実施形態の要部を示す印刷工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、本発明の各実施形態を図面により説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明を適用してなるパチンコ遊技機(以下、遊技機ともいう)の第1実施形態を示している。当該遊技機は、パチンコホール内の島に立設されるもので、この遊技機は、
図1及び
図2のいずれかにて示すごとく、外枠F、遊技機本体B及び前扉Dにより構成されている。
【0051】
遊技機本体Bは、外枠Fに対し、前後方向に開閉可能に支持されており、当該遊技機本体Bは、
図2或いは
図3にて示すごとく、遊技盤P及び裏ユニットUを備えている。なお、裏ユニットUは、遊技基板10にその裏面側から液晶パネル用カバー50及び液晶パネル60(後述する)を覆蓋するように取り付けられている。
【0052】
遊技盤Pは、前扉Dの透明板Db(後述する)の裏面側に位置するように、遊技機本体Bに設けられている(
図2参照)。当該遊技盤Pは、
図1~
図4のいずれかにて示すごとく、遊技基板10及び化粧シートSを備えている。
【0053】
遊技基板10は、ポリカーボネート樹脂(以下、PC樹脂ともいう)でもって、所定の板厚範囲以内の板厚にて、平板状に形成されている。本第1実施形態において、上記PC樹脂は、熱可塑性樹脂のうちのポリエステルの一種であって、高い剛性を有するとともに、無色透明である。
【0054】
当該遊技基板10は、
図4にて示すごとく、液晶パネル用カバー50を介し液晶パネル60を取り付けるための中央開口部11、左右両側サイドランプ70を取り付けるための左右両側長手状開口部12、スタートチャッカー80を取り付けるための下側開口部13を有している。
【0055】
ここで、中央開口部11は、遊技基板10の中央部に形成されている。左右両側長手状開口部12は、中央開口部11の左右両側下方にて遊技基板10に形成されている。また、下側開口部13は、左右両側長手状開口部12の間において、遊技基板10に形成されている。なお、本第1実施形態では、遊技基板10の面外形形状は、
図4から分かるように、幅W×高さHからなる矩形形状となっている。
【0056】
化粧シートSは、その裏面(後述する粘着層30aの裏面)にて、遊技基板10の表面に粘着されている(
図4参照)。なお、化粧シートSの表面は、遊技盤Pの盤面を構成する。
【0057】
加飾フィルム部材20は、
図5或いは
図7にて示すごとく、ベースフィルム層20aを有しており、当該ベースフィルム層20aは、ポリエステルの一種である無色透明のポリエチレンテレフタレート(以下、PETともいう)でもって、所定の厚さ範囲以内の厚さにて、遊技基板10の面外形形状と同一の面外形形状を有するように形成されている。
【0058】
このことは、加飾フィルム部材20が、その表面にて、遊技基板10の面外形形状と同一の面外形形状を有することを意味する。なお、当該ベースフィルム層20aは、その中央フィルム部21(
図7参照)にて、遊技基板10の中央開口部11(
図4、
図5参照)に対応しており、当該ベースフィルム層20aのうちの中央フィルム部21の外周側に位置する外周側フィルム部22は、遊技基板10のうちの中央開口部11の外周側に位置する外周側基板部12(
図5参照)に対応する。
【0059】
また、当該加飾フィルム部材20は、
図5或いは
図7にて示すごとく、オフセット印刷層20b、シルク印刷層20c及びセパレータSpを有している。
【0060】
オフセット印刷層20bは、後述のごとく、ベースフィルム層20aの裏面に沿いオフセット印刷されている。
【0061】
ここで、オフセット印刷層20bは、
図7或いは
図15にて示すごとく、中央オフセット印刷部Cf及び外周側フィルム印刷部Sfでもって構成されている。中央オフセット印刷部Cfは、ベースフィルム層20aの中央フィルム部21(
図7参照)に対応している。また、外周側フィルム印刷部Sfは、オフセット印刷層20bのうちの中央オフセット印刷部Cfの外周側にて、ベースフィルム層20aの外周側フィルム部22に対応している(
図5及び
図7参照)。
【0062】
本第1実施形態において、オフセット印刷層20bは所定のオフセット印刷パターンでもってオフセット印刷されているが、当該所定のオフセット印刷パターンは、中央オフセット印刷部Cfに対する中央オフセット印刷パターンと、外周側フィルム印刷部Sfに対する外周側オフセット印刷パターンでもって構成されている。
【0063】
シルク印刷層20cは、オフセット印刷層20bの中央オフセット印刷部Cfを介しベースフィルム層20aの中央フィルム部21に対向するように、後述のごとく、中央オフセット印刷部Cfにシルク印刷されている。
【0064】
本第1実施形態においては、シルク印刷層20cは、所定のシルク印刷パターン(後述する)でもってシルク印刷されている。
【0065】
また、フィルム状セパレータSpは、厚さ75μmの緑色のフィルムでもって円板状に形成されている。当該セパレータSpは、
図7から分かるように、シルク印刷層20cに対し、ベースフィルム層20aの中央フィルム部21と同心的に位置するように貼着されている(
図7参照)。
【0066】
本第1実施形態では、セパレータSpの半径は、シルク印刷層20cの半径と同様に、遊技基板10の中央開口部11の半径よりも所定の値だけ小さくなるように設定されている。
【0067】
本第1実施形態において、上記所定の値は、例えば、10mmに設定されている。このように設定した理由は、後述のように、セパレータSpがオフセット印刷層20bの中央オフセット印刷部Cfの半径方向に位置ずれしてシルク印刷層20cに貼着されても、セパレータSpがその外周部にてオフセット印刷層20bの外周側フィルム印刷部Sf側へ位置ずれしないようにするためである。
【0068】
粘着部材30は、
図6或いは
図7にて示すごとく、粘着層30aと、当該粘着層30aの表面に粘着してなる表面側離形シート30bと、当該粘着層30aの裏面に粘着してなる裏面側離形シート30cとによって構成されている。
【0069】
粘着層30aは、所定の粘着剤でもって、所定の厚さ範囲以内の厚さ(例えば、50(μm))にて、遊技基板10の面外形形状と同一の面外形形状を有するように層状に形成されている。本第1実施形態において、粘着層30aの上記所定の厚さ範囲は、25(μm)~70(μm)である。
【0070】
ここで、当該所定の厚さ範囲の下限を25(μm)としたのは、粘着層30aが25(μm)よりも薄すぎると、破れ易く取り扱いにも不便であるのは勿論のこと、粘着層30aの遊技基板10に対する定着が甘く、遊技釘の打ち込み時の衝撃に耐えられないためである。また、当該所定の厚さ範囲の上限を70(μm)としたのは、粘着層30aが70(μm)よりも厚すぎると、柔軟性に欠け取り扱いにも不便であるためである。なお、上記所定の厚さ範囲は、より好ましくは、40(μm)~50(μm)としてもよい。
【0071】
しかして、当該粘着部材30は、後述のごとく、表面側離形シート30bを剥がした上で、粘着層30aにて、加飾部材20のセパレータSpとオフセット印刷層20bのうちのセパレータSpの外周側部位との双方に粘着されている。このことは、当該粘着層30aが、セパレータSp、シルク印刷層20c及びオフセット印刷層20bを介し、フィルム層20aに粘着されていることを意味する。このように粘着層30aをベースフィルム層20aに粘着しても、シルク印刷層20c及びセパレータSpの各厚さはそれぞれ薄いため、粘着層30aの中央粘着部31とその外周側に位置する外周側粘着部32との間において、ベースフィルム層20a側への段差は殆ど発生しない。
【0072】
なお、当該粘着部材30は、後述のごとく、裏面側離形シート30cを剥がした上で、粘着層30aでもって、遊技基板10の表面に粘着されている(
図5参照)。また、粘着層30aには、中央開口部31a(
図5参照)が遊技基板10の中央開口部11に対応して形成されているが、当該中央開口部31aは、加飾フィルム部材20のベースフィルム層20aの中央フィルム部21、オフセット印刷層20bの中央オフセット印刷部Cf(
図7参照)及びシルク印刷層20c及びセパレータSp並びに粘着層30aの中央粘着部31(遊技基板10の中央開口部11に対応)を、後述のごとく、一体的に切断する際に、ベースフィルム層20aの中央側開口部21a、オフセット印刷層20bの中央側開口部23と共に形成されている(
図5参照)。
【0073】
本第1実施形態において、上記所定の粘着剤としては、日栄化工株式会社製のWF-D804型アクリル系粘着剤が採用されており、このWF-D804型アクリル系粘着剤は、所定の粘着力特性を有する。
【0074】
当該アクリル系粘着剤の粘着力特性を雰囲気温度との関係において測定してみた。測定方法は次の通りである。
【0075】
WF-D804型アクリル系粘着剤からなる粘着層の剥離面を25(μm)の厚さのPETで裏打ちした後25(mm)×150(mm)の大きさに切断して粘着試料として複数準備した。このように準備した各粘着試料を、複数の所定の雰囲気温度の各々の環境において互いに異なる4種類の被着体の各々に貼り合わせてそれぞれ貼り合わせ試料とした。
【0076】
ここで、上述の所定の雰囲気温度は、0(℃)、10(℃)及び常温(20(℃))とした。これに伴い、上述した互いに異なる被着体毎に、粘着試料を3つずつ準備した。また、上述の4種類の被着体は、例えば、ステンレス鋼(厚さ360(mm)で研磨済み)からなるシート(以下、ステンレスシートともいう)、ポリカーボネート樹脂からなるシート(以下、PCシートともいう)、アクリル樹脂からなるシート(以下、アクリルシートともいう)及びPETならなるシート(以下、PETシートともいう)をいう。なお、上記各貼り合わせ試料のうち、ステンレスシート、PCシート、アクリルシート及びPETシートをそれぞれ貼り合わせた各試料を、それぞれ、ステンレス試料、PC試料、アクリル試料及びPET試料ともいう。
【0077】
しかして、以上のように準備した貼り合わせ試料毎に、当該貼り合わせ試料を、2(kg)のゴムローラでもって、一往復により、所定の基台上において圧着した。その後、当該各貼り合わせ試料を、引っ張り試験機でもって、引っ張り試験を施して粘着力を測定した。
なお、このような貼り合わせ試料毎の上記ゴムローラによる圧着及び引っ張り試験機による引っ張り試験は、上述した貼り合わせ試料毎の雰囲気温度の環境において、上述のゴムローラによる圧着後、20(分)の経過時及び24(時間)の経過時間の経過時に行うようにした。但し、剥離条件は、剥離角度180°の及び剥離速度300(mm/分)とした。
【0078】
以上の試験によれば、その試験結果は、次の表-1の通りである。
【表-1】
【0079】
この表-1において、試験項目である粘着力は、ステンレス試料、PC試料、アクリル試料及びPET試料の各々の粘着力をいい、当該各粘着力は、ステンレス試料、PC試料、アクリル試料及びPET試料の各々においてステンレスシート、PCシート、アクリルシート及びPETシートの上記所定の基台からの剥離強度に対応する。経過時間は、ステンレスシート、PCシート、アクリルシート或いはPETシートの上記所定の基台に対する貼着時からの経過時間をいう。また、雰囲気温度0(℃)、10(℃)及び20(℃)は、それぞれ、ステンレス試料、PC試料、アクリル試料及びPET試料の作成及び粘着力の測定を行う雰囲気温度をいう。
【0080】
しかして、表-1によれば、ステンレス試料の粘着力は、20(分)の経過時にて、雰囲気温度0(℃)、10(℃)及び20(℃)の各環境のもと、それぞれ、2.2(N/25mm)、4.3(N/25mm)及び15.4(N/25mm)であった。
【0081】
これによれば、当該ステンレス試料の粘着力は、20(分)の経過時には、雰囲気温度0(℃)及び10(℃)にて、2.2(N/25mm)、4.3(N/25mm)と非常に低く、雰囲気温度20(℃)では、15.4と高い値となっている。
【0082】
また、当該ステンレス試料の粘着力は、24(時間)の経過時にて、雰囲気温度0(℃)、10(℃)及び20(℃)の各環境のもと、それぞれ、23.1(N/25mm)、23.2(N/25mm)及び24.2(N/25mm)であった。
【0083】
これによれば、当該ステンレス試料の粘着力は、24(時間)の経過時には、雰囲気温度0(℃)、10(℃)及び20(℃)のいずれにても、相互に殆ど変らないものの、経過時間20(分)の場合に比べ、非常に高い値或いはかなり高い値となっている。
【0084】
また、PC試料の粘着力は、20(分)の経過時にて、雰囲気温度0(℃)、10(℃)及び20(℃)の各環境のもと、それぞれ、2.7(N/25mm)、15.0(N/25mm)及び16.7(N/25mm)であった。
【0085】
これによれば、当該PC試料の粘着力は、20(分)の経過時には、雰囲気温度0(℃)において、ステンレス試料の場合と同様に非常に低く、雰囲気温度10(℃)において、ステンレス試料の場合よりも非常に高く、また、雰囲気温度20(℃)において、ステンレス試料の場合と殆ど変らない。
【0086】
また、当該PC試料の粘着力は、24(時間)の経過時にて、雰囲気温度0(℃)、10(℃)及び20(℃)の各環境のもと、それぞれ、22.3(N/25mm)、22.5(N/25mm)及び23.4(N/25mm)であった。
【0087】
これによれば、当該PC試料の粘着力は、24(時間)の経過時には、雰囲気温度0(℃)、10(℃)及び20(℃)のいずれにても、相互に殆ど変らないものの、ステンレス試料の場合とほぼ同様に高い値となっている。
【0088】
また、アクリル試料の粘着力は、20(分)の経過時にて、雰囲気温度0(℃)、10(℃)及び20(℃)の各環境のもと、それぞれ、2.8(N/25mm)、14.0(N/25mm)及び15.7(N/25mm)であった。
【0089】
これによれば、当該アクリル試料の粘着力は、20(分)の経過時には、雰囲気温度0(℃)において、ステンレス試料及びPC試料の双方の場合と同様に非常に低く、雰囲気温度10(℃)及び20(℃)において、PC試料の場合と殆ど変らないが、10(℃)では、ステンレス試料の場合よりもかなり高くなっている。
【0090】
また、当該アクリル試料の粘着力は、24(時間)の経過時にて、雰囲気温度0(℃)、10(℃)及び20(℃)の各環境のもと、それぞれ、18.9(N/25mm)、19.6(N/25mm)及び19.8(N/25mm)であった。
【0091】
これによれば、当該アクリル試料の粘着力は、24(時間)の経過時には、雰囲気温度0(℃)、10(℃)及び20(℃)のいずれにても、相互に殆ど変らないが、ステンレス試料の場合よりも幾分低いものの、ほぼ同様に高い値となっている。
【0092】
また、PET試料の粘着力は、20(分)の経過時にて、雰囲気温度0(℃)、10(℃)及び20(℃)の各環境のもと、それぞれ、1.8(N/25mm)、5.0(N/25mm)及び14.6(N/25mm)であった。
【0093】
これによれば、当該PET試料の粘着力は、20(分)の経過時には、雰囲気温度0(℃)では、ステンレス試料、PC試料及びアクリル試料の場合と殆ど変らず、非常に低く、雰囲気温度10(℃)では、ステンレス試料の場合と同様に非常に低く、また、雰囲気温度20(℃)では、ステンレス試料、PC試料及びアクリル試料の場合と殆ど変らない。
【0094】
また、当該PET試料の粘着力は、24(時間)の経過時にて、雰囲気温度0(℃)、10(℃)及び20(℃)の各環境のもと、それぞれ、16.2(N/25mm)、16.5(N/25mm)及び16.9(N/25mm)であった。
【0095】
これによれば、当該PET試料の粘着力は、24(時間)の経過時には、雰囲気温度0(℃)、10(℃)及び20(℃)のいずれにても、相互に殆ど変らないが、アクリル試料の場合よりも幾分低いものの、ほぼ同様に高い値となっている。
【0096】
以上によれば、ステンレス試料、PC試料、アクリル試料及びPET試料は、それぞれ、固有の粘着力特性を有することから、各々の粘着力は、時間の経過に伴い高くなる傾向を有するものの、ステンレスシート、PCシート、アクリルシート或いはPETシートの上記所定の基台に対する貼り合わせ直後において高くなることはない。換言すれば、WF-D804型アクリル系粘着剤の粘着力特性は、上記貼り合わせ直後には非常に低く時間の経過に伴い緩やかに高くなる傾向を有する。
【0097】
本第1実施形態においては、ステンレスシート、PCシート、アクリルシート或いはPETシートの上記所定の基台に対する貼着時の直後(後述する所定の短時間以内、例えば、貼着後少なくとも20(分)以内)の粘着力は、雰囲気温度0(℃)、10(℃)及び20(℃)のいずれであっても、ステンレスシート、PCシート、アクリルシート或いはPETシートを上記所定の基台から痕跡を残すことなくきれいにかつ容易に剥がし得る程度に低い粘着力であると認められる。
【0098】
例えば、PCシートでは、上記粘着力は、16.7(N/25mm)程度であれば、上述した基台から痕跡を残すことなくきれいにかつ容易に剥がし得る程度に低い粘着力に相当する。また、上記アクリルシートでは、上記粘着力は、15.7(N/25mm)程度であれば、上述した基台から痕跡を残すことなくきれいにかつ容易に剥がし得る程度に低い粘着力に相当する。
【0099】
また、上記粘着力が、ステンレスシート、PCシート、アクリルシート或いはPETシートを上記所定の基台から痕跡を残すことなくきれいにかつ容易に剥がし得る程度に低い粘着力であれば、上述した貼着後少なくとも20(分)以内に限ることなく、20(分)を、例えば5(分)程度、超えてもよい。なお、20(分)未満であれば、上述した低い粘着力という条件を満たすことは容易に理解できる。
【0100】
また、上述した雰囲気温度の範囲は、0(℃)、10(℃)及び20(℃)に限ることなく、0(℃)~20(℃)の範囲以内であってもよく、また、20(℃)よりも高くても、上記粘着力が、上述した貼着時の直後において、ステンレスシート、PCシート、アクリルシート或いはPETシートを上記所定の基台から痕跡を残すことなくきれいにかつ容易に剥がし得る程度に低く、かつ、上記貼着時の後、例えば、24(時間)経過した時点において、良好な値を確保し得る温度の範囲であればよいことは確認済みである。
【0101】
換言すれば、本第1実施形態における遊技基板10の形成材料は、上述のごとく、PC樹脂であることから、上述のPC試料の粘着力特性と同様の粘着力特性を有する。従って、遊技基板10と化粧シートSとの貼り合わせ直後の粘着力は、化粧シートSを遊技基板10から痕跡を残すことなくきれいにかつ容易に剥がし得る程度に低い粘着力であると認められる。なお、この点については、実際に、化粧シートSを遊技基板10から剥がしてみることで、化粧シートSを遊技基板10から痕跡を残すことなくきれいにかつ容易に剥がし得るは確認済みである。
【0102】
また、遊技機本体Bは、
図1~
図4のいずれかにて示すごとく、ガイドレールR、環状構造体40、液晶パネル用カバー部材50、液晶パネル60、並びに左右両側サイドランプ部材70、スタートチャッカー部材80及びアタッカー部材90等の各種の盤部品を備えている。
【0103】
ガイドレールRは、
図1から分かるように、化粧シートSを介し遊技基板10の外周部に沿い設けられており、当該ガイドレールRの内周側には、遊技基板10に化粧シートSを介し遊技領域が形成されている(
図1参照)。このことは、ガイドレールRが、その内周側にて、遊技盤Pの盤面に遊技領域を形成することを意味する。
【0104】
環状構造体40は、
図1~4及び
図8のいずれかにて示すごとく、環状センターフレーム部材40aを有しており、当該環状センターフレーム部材40aは、遊技基板10の中央開口部11の外周部に装着されている。また、環状構造体40は、長手状の左右両側フレームのための左右両側装飾用シール40bを有しており、当該左右両側装飾用シール40bは、それぞれ、
図8にて示すごとく、センターフレーム部材40aの左右両側下フレーム41に沿い後述のごとく粘着されている。
本第1実施形態では、当該左右両側装飾用シール40bは、後述のごとく、化粧シートSの中央部(遊技基板10の中央開口部11に対応)から切り取った上で形成されているものである。このことは、当該左右両側装飾用シール40bは、それぞれ、化粧シートSの形成材料と同一の材料でもって形成されていることを意味する。
【0105】
なお、上述した化粧シートSの中央部は、後述のごとく、ベースフィルム層20aの中央フィルム部21、オフセット印刷層20bの中央オフセット印刷部Cf、シルク印刷層20c、セパレータSp、粘着層30aの中央粘着部31及び裏面側離形シート20dの積層構造に相当する。
【0106】
本第1実施形態において、左右両側装飾用シール40bは、上述したごとく、化粧シートSの中央部から切り取った上で、次のように形成されている。
【0107】
当該左右両側装飾用シール40bのうち、左側装飾用シール40bは、上述した化粧シートSの中央部においてシルク印刷層20cの左側装飾用シール400bに対する対応シルク印刷部位から、当該対応シルク印刷部位に対するセパレータSpの対応セパレータ部位を、当該対応セパレータ部位に対する粘着層30aの中央粘着部31の対応粘着部位及び当該対応粘着部位に対する裏面側離形シート20dの対応離形シート部位と共に、剥離して形成されている。
一方、右側装飾用シール40bは、上述した化粧シートSの中央部においてシルク印刷層20cの右側装飾用シール40bに対する対応シルク印刷部位から、当該対応シルク印刷部位に対するセパレータSpの対応セパレータ部位を、当該対応セパレータ部位に対する粘着層30aの中央粘着部31の対応粘着部位及び当該対応粘着部位に対する裏面側離形シート20dの対応離形シート部位と共に、剥離して形成されている。
【0108】
従って、左側装飾用シール40bは、ベースフィルム層20aの中央フィルム部22のうちの左側装飾用シール40bに対する対応フィルム部位、当該対応フィルム部位に対するオフセット印刷層20bの中央オフセット印刷部Cfのうちの各対応オフセット印刷部位(左側下フレーム41の表面に対応する表面印刷部位)及び当該オフセット印刷部位に対するシルク印刷層20cの対応シルク印刷部位でもって、形成されている。
【0109】
一方、右側装飾用シール40bは、ベースフィルム層20aの中央フィルム部22のうちの右側装飾用シール40bに対する対応フィルム部位、当該対応フィルム部位に対するオフセット印刷層20bの中央オフセット印刷部Cfのオフセット印刷部位(右側下フレーム41の表面に対応する表面印刷部位)及び当該オフセット印刷部位に対するシルク印刷層20cの対応シルク印刷部位でもって、形成されている。ここで、左側下フレーム41の表面に対応する表面印刷部位は、以下、左側下フレーム表面印刷部位ともいう。一方、右側下フレーム41の表面に対応する表面印刷部位は、以下、右側下フレーム表面印刷部位ともいう。
【0110】
本第1実施形態において、上述した左右両側下フレーム表面印刷部位は、それぞれ、複数の盤部品表面オフセット印刷部の1つとして、上述のオフセット印刷層20bのうちの中央オフセット印刷部Cfに含まれている。左側下フレーム表面印刷部位は、上記中央オフセット印刷パターンのうちの左側装飾用シール40bに対する対応左側下フレームオフセット印刷パターン部でもって、緑色部位A1、桃色部位A2、スカイブルー部位A3及び赤色部位A4からなるように、
図8にて示すごとく配色してオフセット印刷されている。
【0111】
一方、右側下フレーム表面印刷部位は、上記中央オフセット印刷パターンのうちの右側装飾用シール40bに対する対応右側下フレームオフセット印刷パターン部でもって、桃色部位B1、スカイブルー部位B2、緑色部位B3、スカイブルー部位B4及び橙色部位B5からなるように、
図8にて示すごとく配色してオフセット印刷されている。なお、上述の左右両側下フレーム表面印刷部位は、上述の各対応ベースフィルム部位を通して視認可能となっている。
【0112】
上述した液晶パネル用カバー部材50は、
図4及び
図9のいずれかにて示すごとく、液晶パネル用カバー50a、左右両上側に位置する左右両側装飾用シール50b及び左右両横側に位置する左右両側装飾用シール50cを備えている。
【0113】
液晶パネル用カバー50aは、矩形環状板からなるもので、当該液晶パネル用カバー50aは、その矩形状中空部51を遊技基板10の中央開口部11に対応させるように、当該中央開口部11の外周部にその裏面側から装着されている。なお、液晶パネル60は、その表示面にて、液晶パネル用カバー50aの矩形状中空部51に対応するように、当該液晶パネル用カバー50aに取り付けられている。
【0114】
左右両上側に位置する左右両側装飾用シール50bは、
図9にて示す長手形状のもので、当該左右両側装飾用シール50bは、液晶パネル用カバー50aの左右両側上枠52にその表面側から後述のように粘着されている。本第1実施形態では、当該左右両側装飾用シール50bは、後述のごとく、化粧シートSの中央部(遊技基板10の中央開口部11に対応)から切り取った上で形成されているものである。このことは、当該左右両側装飾用シール50bは、それぞれ、化粧シートSの形成材料と同一の材料でもって形成されていることを意味する。
【0115】
本第1実施形態において、当該左右両側装飾用シール50bは、上述したごとく、化粧シートSの中央部から切り取った上で、次のように形成されている。
【0116】
当該左右両側装飾用シール50bは、後述のごとく、それぞれ、上述した化粧シートSの中央部においてシルク印刷層20cの左右両側装飾用シール50bに対する各対応シルク印刷部位から、当該各対応シルク印刷部位に対するセパレータSpの各対応セパレータ部位を、当該各対応セパレータ部位に対する粘着層30aの中央粘着部31の各対応粘着部位及び当該各対応粘着部位に対する裏面側離形シート20dの各対応離形シート部位と共に、剥離して形成されている。
【0117】
従って、左右両側装飾用シール50bは、それぞれ、ベースフィルム層20aの中央フィルム部22のうちの左右両側装飾用シール50bに対する各対応ベースフィルム部位、オフセット印刷層20bの中央オフセット印刷部Cfのうちの左右両側装飾用シール50bに対する各対応オフセット印刷部位(液晶パネル用カバー50aの左右両側上枠52の各表面に対応する各表面印刷部位)及び当該各対応オフセット印刷部位に対するシルク印刷層20cの各対応シルク印刷部位でもって、形成されている。なお、液晶パネル用カバー50aの左右両側上枠52の各表面に対応する各表面印刷部位は、以下、それぞれ、左右両側上枠表面印刷部位ともいう。
【0118】
本第1実施形態において、上述した左右両側上枠表面印刷部位は、それぞれ、複数の盤部品表面オフセット印刷部の他の1つとして、上述のオフセット印刷層20bのうちの中央オフセット印刷部Cfに含まれている。左側上枠表面印刷部位は、上述の中央オフセット印刷パターンのうちの左側装飾用シール50bに対する対応左側上枠オフセット印刷パターン部でもって、青色部位C1及び複数の楔状黄色部位C2からなるように
図9に示すごとく配色して印刷されている。
一方、右側上枠表面印刷部位は、上述の中央オフセット印刷パターンのうちの右側装飾用シール50bに対する対応右側上枠オフセット印刷パターン部でもって、青色部位D1及び白色部位D2からなるように
図9に示すごとく配色して印刷されている。なお、上述の左右両側上枠表面印刷部位は、上述の各対応ベースフィルム部位を通して視認可能となっている。
【0119】
左右両横側に位置する左右両側装飾用シール50cは、
図9にて図示形状を有するもので、当該左右両側装飾用シール50cは、液晶パネル用カバー50aの左右両側横枠53にその表面側から後述のように粘着されている。本第1実施形態では、当該左右両側装飾用シール50cは、後述のごとく、化粧シートSの中央部(遊技基板10の中央開口部11に対応)から切り取った上で形成されているものである。このことは、当該左右両側装飾用シール50cは、それぞれ、化粧シートSの形成材料と同一の材料でもって形成されていることを意味する。
【0120】
本第1実施形態において、当該左右両側装飾用シール50cは、上述したごとく、化粧シートSの中央部から切り取った上で、次のように形成されている。
【0121】
当該左右両側装飾用シール50cは、後述のごとく、それぞれ、上述した化粧シートSの中央部においてシルク印刷層20cの左右両側装飾用シール50cに対する各対応シルク印刷部位から、当該各対応シルク印刷部位に対するセパレータSpの各セパレータ対応部位を、当該各セパレータ対応部位に対する粘着層30aの中央粘着部31の各対応粘着部位及び当該各対応粘着部位に対する裏面側離形シート20dの各対応離形シート部位と共に、剥離して形成されている。
【0122】
従って、左右両側装飾用シール50cは、それぞれ、ベースフィルム層20aの中央フィルム部22のうちの左右両側装飾用シール50cに対する各対応ベースフィルム部位、オフセット印刷層20bの中央オフセット印刷部Cfのうちの左右両側装飾用シール50cに対する各対応オフセット印刷部位(液晶パネル用カバー50aの左右両側横枠53の各表面に対応する各表面印刷部位)及びシルク印刷層20cのうちの左右両側装飾用シール50cに対する各対応シルク印刷部位でもって、形成されている。なお、液晶パネル用カバー50aの左右両側横枠53の各表面に対応する各表面印刷部位は、以下、それぞれ、左右両側横枠表面印刷部位ともいう。
【0123】
本第1実施形態において、上述した左右両側横枠表面印刷部位は、それぞれ、複数の盤部品表面オフセット印刷部のその他の1つとして、上述のオフセット印刷層20bのうちの中央オフセット印刷部Cfに含まれている。
【0124】
左側横枠表面印刷部位は、上記中央オフセット印刷パターンのうちの左側装飾用シール50cに対する対応左横側枠オフセット印刷パターン部でもって、青色部位E1、白色部位E2、茶色部位E3及び黄色部位E4からなるように
図9にて示すごとく配色して印刷されている。
一方、右側横枠表面印刷部位は、上記中央オフセット印刷パターンのうちのうちの右側装飾用シール50bに対する対応右横側枠オフセット印刷パターン部でもって、青色部位F1、橙色部位F2、濃橙色部位F3及び緑色部位F4からなるように
図9にて示すごとく配色して印刷されている。なお、上述の左右両側横枠表面印刷部位は、上述の各対応ベースフィルム部位を通して視認可能となっている。
【0125】
液晶パネル60は、
図4から分かるように、液晶パネル用カバー部材50を介して遊技基板10の中央開口部11にその裏面側から取り付けられており、当該液晶パネル60は、その表示面にて、液晶パネル用カバー部材50の液晶パネル用カバー50aの矩形状中空部51(
図9参照)、遊技基板10の中央開口部11及びセンターフレーム部材40aの中空部42を通して視認されるようになっている。なお、液晶パネル60は、当該遊技機による遊技に伴い、種々の演出表示を行う。
【0126】
左右両側サイドランプ部材70は、
図1にて示すごとく、遊技基板10の表面のうち環状構造体40の逆八の字状左右下フレーム41の直下にて化粧シートSを介し遊技基板10に配設されている。
【0127】
当該左右両側サイドランプ部材70のうち、左側サイドランプ部材70は、左側サイドランプ70aと、当該左側サイドランプ70aの表面に後述のように粘着される左側装飾用シール70bとにより構成されており、一方、右側サイドランプ部材70は、右側サイドランプ70aと、当該右側サイドランプ70aの表面に後述のように粘着される右側装飾用シール70bとにより構成されている(
図10参照)。なお、左右両側サイドランプ70aは、それぞれ、当該遊技機による遊技に伴い演出点灯するようになっている。
【0128】
左右両側サイドランプ部材70において、左右両側サイドランプ70aは、
図10にて示すような互いに対称的な湾曲長手形状に形成されており、当該左右両側サイドランプ70aは、化粧シートSを介し、遊技基板10の左右両側開口部12に嵌着されている。なお、化粧シートSのうち左右両側開口部12に対する対応左右両側部位は、左右両側開口部12と同一の開口形状を有するように切り取られることで、当該左右両側サイドランプ70aの左右両側開口部12への嵌着がなされる。
【0129】
また、左右両側装飾用シール70bは、後述のごとく、化粧シートSの中央部(遊技基板10の中央開口部11に対応)から切り取った上で形成されているものである。このことは、当該左右両側装飾用シール70bは、それぞれ、化粧シートSの形成材料と同一の材料でもって形成されていることを意味する。
【0130】
本第1実施形態において、当該左右両側装飾用シール70bは、上述したごとく、化粧シートSの中央部から切り取った上で、次のように形成されている。
【0131】
当該左右両側装飾用シール70bは、後述のごとく、それぞれ、上述した化粧シートSの中央部においてシルク印刷層20cの左右両側装飾用シール70bに対する各対応シルク印刷部位から、当該対応シルク印刷部位に対するセパレータSpの対応セパレータ部位を、当該対応セパレータ部位に対する粘着層30aの中央粘着部31の対応粘着部位及び当該対応粘着部位に対する裏面側離形シート20dの対応離形シート部位と共に、剥離して形成されている。
【0132】
従って、左右両側装飾用シール70bは、それぞれ、ベースフィルム層20aの中央フィルム部22のうちの左右両側サイドランプ70aに対する各対応ベースフィルム部位、当該対応フィルム部位に対するオフセット印刷層20bの中央オフセット印刷部Cfのうちの各対応オフセット印刷部位(左右両側サイドランプ70aの各表面に対応する各表面印刷部位)及び当該各対応オフセット印刷部位に対するシルク印刷層20cの各対応シルク印刷部位でもって、形成されている。なお、左右両側サイドランプ70aの各表面に対応する各表面印刷部位は、それぞれ、左右両側サイドランプ表面印刷部位ともいう。
【0133】
本第1実施形態において、上述した左右両側サイドランプ表面印刷部位は、それぞれ、複数の盤部品表面オフセット印刷部のその他の1つとして、上述のオフセット印刷層20bのうちの中央オフセット印刷部Cfに含まれている。
【0134】
左側サイドランプ表面印刷部位は、上記中央オフセット印刷パターンのうちの左側装飾用シール70bに対する対応左側装飾用シールオフセット印刷パターン部でもって、緑色部位G1、赤色部位G2及び濃茶色部位G3からなるように
図10にて示すごとく配色して印刷されている。
一方、右側サイドランプ表面印刷部位は、上記中央オフセット印刷パターンのうちの右側装飾用シール70bに対する対応右側装飾用シールオフセット印刷パターン部でもって、緑色部位H1、薄紫色部位H2及び濃紫色部位H3からなるように
図10にて示すごとく配色して印刷されている。なお、上述の左右両側サイドランプ表面印刷部位は、それぞれ、上述の各対応ベースフィルム部位を通して視認可能となっている。
【0135】
スタートチャッカー部材80は、当該遊技機による遊技に伴い遊技盤Pの盤面に沿い下方へ転動する遊技球が入賞するとき大当たり抽選の機会を与える始動入賞口装置である。当該スタートチャッカー部材80は、
図1にて示すごとく、環状構造体40の直下における左右両側サイドランプ部材70の間に位置するように、化粧シートSを介し遊技基板10に取り付けられている。
【0136】
スタートチャッカー部材80は、
図10にて示すごとく、スタートチャッカー80aと、当該スタートチャッカー80aの表面に貼着される装飾用シール80bとにより構成されている。
【0137】
スタートチャッカー80aは、化粧シートSを介し遊技基板10の下側開口部13(
図4参照)に嵌着されている。なお、化粧シートSの下側開口部13に対する対応部位は、下側開口部13と同一の開口形状に切り取られることで、スタートチャッカー80aの下側開口部13への嵌着が可能となっている。
【0138】
スタートチャッカー80aの装飾用シール80bは、化粧シートSの中央部から切り取った上で形成されているものである。このことは、当該装飾用シール80bは、化粧シートSの形成材料と同一の材料でもって形成されていることを意味する。
【0139】
本第1実施形態において、当該装飾用シール80bは、上述したごとく、化粧シートSの中央部から切り取った上で、次のように形成されている。
【0140】
当該装飾用シール80bは、後述のごとく、上述した化粧シートSの中央部においてシルク印刷層20cの装飾用シール80bに対する対応シルク印刷部位から、当該対応シルク印刷部位に対するセパレータSpの対応セパレータ部位を、当該対応セパレータ部位に対する粘着層30aの中央粘着部31の対応粘着部位及び当該対応粘着部位に対する裏面側離形シート20dの対応離形シート部位と共に、剥離して形成されている。
【0141】
従って、当該装飾用シール80bは、ベースフィルム層20aの中央フィルム部22のうちの装飾用シール80bに対する対応ベースフィルム部位、オフセット印刷層20bの中央オフセット印刷部Cfのうちの装飾用シール80bに対する対応オフセット印刷部位(スタートチャッカー80aの表面に対応する表面印刷部位)及び当該対応オフセット印刷部位に対するシルク印刷層20cの対応シルク印刷部位でもって、形成されている。なお、スタートチャッカー80aの表面に対応する表面印刷部位は、以下、スタートチャッカー表面印刷部位ともいう。
【0142】
本第1実施形態において、上述したスタートチャッカー表面印刷部位は、複数の盤部品表面オフセット印刷部のその他の1つとして、上述のオフセット印刷層20bのうちの中央オフセット印刷部Cfに含まれている。
【0143】
当該スタートチャッカー表面印刷部位は、上述の中央オフセット印刷パターンのうちの装飾用シール80bに対する対応スタートチャッカーオフセット印刷パターン部でもって、緑色部位I1及び橙色部位I2からなるように
図10にて示すごとく配色して印刷されている。なお、上述のスタートチャッカー表面印刷部位は、対応のベースフィルム部位を通して視認可能となっている。
【0144】
アタッカー部材90は、上述の大当たり抽選の結果が大当たりになるとき、遊技盤Pの盤面に沿い下方へ転動する遊技球を多数入賞させ得る大入賞口装置であり、当該アタッカー部材90は、
図1にて示すごとく、スタートチャッカー部材80の直下にて化粧シートSを介し遊技基板10に取り付けられている。
【0145】
当該アタッカー部材90は、アタッカー本体(図示しない)と、当該アタッカー本体を開閉する横長状の蓋体90a(
図10参照)と、当該蓋体90aの表面に貼着される装飾用シール90bとより構成されている。当該装飾用シール90bは、化粧シートSの中央部から切り取った上で形成されているものである。このことは、当該装飾用シール90bは、化粧シートSの形成材料と同一の材料でもって形成されていることを意味する。
【0146】
当該アタッカー用装飾用シール90bは、後述のごとく、シルク印刷層20cのうちの装飾用シール90bに対する対応シルク印刷部位から、当該対応シルク印刷部位に対するセパレータSpの対応セパレータ部位を、これに対する粘着層30aの中央粘着部31の対応粘着部位と共に、剥離して形成されている。
【0147】
従って、アタッカー部材90の装飾用シール90bは、ベースフィルム層20aの中央フィルム部22のうちの装飾用シール90bに対する対応ベースフィルム部位、オフセット印刷層20bの中央オフセット印刷部Cfのうちの装飾用シール90bに対する対応オフセット印刷部位(蓋体90aの表面に対応する表面印刷部位)及び当該対応オフセット印刷部位に対するシルク印刷層20cの対応シルク印刷部位でもって、形成されている。なお、蓋体90aの表面に対応する表面印刷部位は、以下、蓋体表面印刷部位ともいう。
【0148】
本第1実施形態において、上述した蓋体表面印刷部位は、複数の盤部品表面オフセット印刷部のその他の1つとして、上述のオフセット印刷層20bのうちの中央オフセット印刷部Cfに含まれている。
【0149】
当該蓋体表面印刷部位は、上述の中央オフセット印刷パターンのうちの装飾用シール90bに対する対応装飾用シールオフセット印刷パターン部位にて、緑色部位J1及び濃緑色部位L2からなるように
図10にて示すごとく配色して印刷されている。。なお、上述の蓋体表面印刷部位は、対応のベースフィルム部位を通して視認可能となっている。
【0150】
前扉Dは、
図1にて示すごとく、環状の前枠Daと、当該前枠Daの開口部に組み付けてなる透明板Dbとにより構成されており、当該前扉Dは、前枠Daにて、遊技機本体Bに開閉可能に支持されている。なお、
図1に符号Hdは、ハンドルを示している。当該ハンドルHdは、球発射装置(図示しない)の一構成部材として、遊技機本体Bの右側下部にその前面側から支持されており、このハンドルHdは、その回動操作のもと、上記球発射装置に供給される遊技球を上記遊技盤の遊技領域内に向け発射するようになっている。
【0151】
次に、以上のように構成した本第1実施形態の遊技機において、その遊技盤Pの製造方法について
図11を参照して説明する。
【0152】
積層フィルムロール体形成工程S1においては、まず、ベースフィルムロール100及び保護フィルムロール110を準備する(
図12参照)。なお、当該積層フィルムロール体形成工程S1から装飾用シール貼着工程S12までの処理は、10(℃)の雰囲気温度の環境にてなされる。
【0153】
ここで、ベースフィルムロール100は、複数のベースフィルム層20aとして切断形成する前のPET製長手状フィルム体をベースフィルム用フィルム体としてロール状に巻いたものである。また、保護フィルムロール110は、後述のごとくベースフィルム層20aを保護する保護フィルム層20d(
図14参照)を複数切断形成する前の他のPET製長手状フィルム体を保護フィルム用フィルム体としてロール状に巻いたものである。
【0154】
なお、ベースフィルムロール100は、上述したベースフィルム層20aと同様の厚さを有する。また、保護フィルムロール110は、20(μm)~50(μm)の範囲以内の厚さを有する。50(μm)の厚さを上限値としたのは、当該50(μm)よりも厚いと、保護フィルムロール110が曲げにくく作業性の悪化を招くためである。一方、20(μm)を下限値としたのは、当該20(μm)よりも薄いと、保護フィルムロール110から後述のように形成される保護フィルムを粘着層から剥がすときに破れ易いためである。なお、保護フィルムロール110の形成材料は、PETに限ることなく、例えば、ポリプロピレン(PP)やポリエチレンであってもよい。
【0155】
しかして、次の積層フィルム層形成工程S2において、上述のように準備した保護フィルムロール110を、
図12にて示すごとく、ベースフィルムロール100上にその長手方向に沿うように貼着により積層して、積層フィルムロール体120(
図13参照)として形成する。なお、保護フィルムロール110は、その裏面にて、ベースフィルムロール100の表面に貼着される。
【0156】
然る後、切断工程S3において、積層フィルムロール体120を、
図13にて破線により示すごとく、順次、所定の切断間隔にて切断して、積層フィルム層120a(
図13及び
図14参照)として形成する。本第1実施形態では、上述の所定の切断間隔は、遊技基板10の高さHに相当する。また、積層フィルム層120aは、保護フィルム層20d及びベースフィルム層20aを貼着により積層した構成となり、保護フィルム層20dは、その裏面にて、ベースフィルム層20aの表面に貼着されている(
図14参照)。
【0157】
このように複数の積層フィルム層120aが切断形成されると、次のオフセット印刷工程S4において、オフセット印刷機(図示しない)でもって、上述のように所定のオフセット印刷パターンをベースフィルム層20aの裏面にオフセット印刷する。これにより、オフセット印刷層20bが形成される。なお、このようにオフセット印刷層20bを形成してなるベースフィルム層20bを複数準備する。
【0158】
ここで、オフセット印刷層20bは、上述したごとく、中央オフセット印刷部Cf及び外周側フィルム印刷部Sfでもって、構成されている。
【0159】
中央オフセット印刷部Cfは、互いに分離してオフセット印刷してなる複数のオフセット印刷部1~6を含む(
図15参照)。ここで、複数のオフセット印刷部1~6のうちの両オフセット印刷部1は、環状構造体40の左右両側下フレーム41の各表面に対応する上記左右両側下フレーム表面印刷部に相当する。両オフセット印刷部2は、液晶パネル用カバー50aの左右両側上枠52の各表面に対応する上記左右両側上枠表面印刷部に相当する。
【0160】
両オフセット印刷部3は、液晶パネル用カバー50aの左右両側横枠53の各表面に対応する上記左右両側横枠表面印刷部に相当する。両オフセット印刷部4は、左右両側サイドランプ70aの各表面に対応する上記左右両側サイドランプ表面印刷部に相当する。オフセット印刷部5は、スタートチャッカー80aの表面に対応する上記スタートチャッカー表面印刷部に相当する。また、オフセット印刷部6は、アタッカー90の蓋体90bの表面に対応する上記蓋体表面印刷部に相当する。
【0161】
また、外周側フィルム部Sfは、
図15にて示すごとく、下から上に向けて薄緑色からスカイブルーに徐々に変化する背景色の中に、太陽、3つの雲、5つの草花を相互に分散させた位置にてオフセット印刷して形成されている。
【0162】
然る後、次のシルク印刷工程S5において、シルク印刷機(図示しない)でもって、シルク印刷層20cが、所定のシルク印刷パターンでもって、ベースフィルム層20aの中央フィルム部21及び複数のオフセット印刷部1~6にその裏側からシルク印刷される。当該シルク印刷は、透明の接着用糊(シルク印刷用糊)でもってなされる。なお、当該シルク印刷用糊は、後述のようにセパレータSpをシルク印刷層20cに接着した状態では柔らかい状態を維持する。従って、当該シルク印刷用糊は、セパレータSpを剥がしても、接着に要する柔らかい状態を維持する。
【0163】
本第1実施形態において、上述した所定のシルク印刷パターンは、複数のオフセット印刷部1~6の各輪郭部に対応する複数の輪郭状シルク印刷パターン部及び円周状シルク印刷パターン部でもって構成されている。
【0164】
ここで、上述した円周状シルク印刷パターン部は、ベースフィルム層20aの中央フィルム部21の半径よりも所定値(例えば、10mm)だけ小さい半径を有するように設定されている。このような設定のもと、円周状シルク印刷パターン部は、その円周に沿う不連続なシルク印刷パターンでもって構成されている。
以下、その根拠について説明する。上述のようにベースフィルム層20aの中央フィルム部21及び複数のオフセット印刷部1~6にシルク印刷した上で後述のようにセパレータSpを中央フィルム部21及び複数のオフセット印刷部1~6にシルク印刷用糊の接着作用のもとに接着すると、セパレータSpの外周部が円周状シルク印刷パターン部でもって中央フィルム部21に複数のオフセット印刷部1~6の外周側にて接着される。
このような接着状態では、セパレータSpの外周部に対する中央フィルム部21の対応円周部とセパレータSpの外周部との間には、非接着領域が、円周状シルク印刷パターン部の不連続部にて、気泡を放出するための放出通路部(以下、外側気泡放出通路部ともいう)として形成される。
ここで、上述のようにセパレータSpの外周部をこれに対する中央フィム部21の対応円周部に接着したとき、セパレータSpと中央フィルム部21とは、複数のオフセット印刷部1~6以外の領域にて空間部(以下、第1空間部ともいう)を形成する。このため、当該第1空間部には気泡が形成され易い。
しかし、このような気泡は、上記外側気泡放出通路部を通してセパレータSpの外周側へ放出可能である。このようにして、気泡を放出することで、中央フィルム部21が気泡の存在によってでこぼこすることを未然に防止し得て、ベースフィルム層20aの中央フィルム部21の見栄えを良好に維持し得る。これが上述の根拠である。
【0165】
また、上述した複数の輪郭状シルク印刷パターン部のうち、例えば、オフセット印刷部1に対応する輪郭状シルク印刷パターン部は、オフセット印刷部1の輪郭に沿い不連続なシルク印刷パターンでもって構成されている。
以下、その根拠について説明する。上述のようにオフセット印刷部1にシルク印刷した上で、後述のようにセパレータSpをそのオフセット印刷部1に対する対応セパレータ部位にてオフセット印刷部1にシルク印刷用糊の接着作用のもとに接着したとき、セパレータSpのオフセット印刷部1の輪郭に対する対応セパレータ部位とオフセット印刷部1の輪郭との間には、非接着領域が、上記シルク印刷パターンの不連続部にて、気泡を放出するための放出通路部(以下、内側気泡放出通路部ともいう)として形成される。
ここで、上述のようにセパレータSpのオフセット印刷部1の輪郭に対する対応セパレータ部位をオフセット印刷部1の輪郭に接着したとき、当該対応セパレータ部位とオフセット印刷部1とは、当該オフセット印刷部1の輪郭の内周側において、相互に非接着の状態にて空間部(以下、第2空間部ともいう)を形成する。このため、当該第2空間部には気泡が形成され易い。
しかし、このような気泡は、上述の内側気泡放出通路部及び外側気泡放出通路部を通して放出可能である。このようにして、当該気泡を放出することで、中央フィルム部21のオフセット印刷部1に対する対応フォルム部位が、オフセット印刷部1とともに、気泡の存在によってでこぼこすることを未然に防止し得て、ベースフィルム層20aの中央フィルム部21の見栄えを良好に維持し得る。これが上述の根拠である。
なお、残りのオフセット印刷部2~6の各々においても、オフセット印刷部1と同様の輪郭に沿う不連続なシルク印刷輪郭パターン部としての構成のもとに、各オフセット印刷部2~6の輪郭の内周側に存在する気泡を放出することで、ベースフィルム層20aの中央フィルム部21の見栄えを良好に維持し得る。
また、本第1実施形態において、上述した外側気泡放出通路部及び内側気泡放出通路部は、それぞれ、気泡を円滑に放出可能な内径を有するとともに、少なくとも、1つずつ存在すればよい。また、外側気泡放出通路部及び内側気泡放出通路部は、共に、中央フィルム部21の同一半径方向に位置すれば、気泡の押し出しがより一層容易なる。さらには、上述した外側気泡放出通路部は、気泡を第1空間部からセパレータSpの外周側へ容易に押し出し可能な通路径を有することが望ましい。また、上述した内側気泡放出通路部は、気泡を第2空間部から第1空間部へ容易の押し出し可能な通路径を有することが望ましい。
【0166】
ついで、セパレータ形成工程S6において、フィルム状セパレータSpが、厚さ75μmのフィルム素材から円板状に切断形成される。
【0167】
ついで、セパレータ貼着工程S7において、フィルム状セパレータSpが、シルク印刷層20cを介しベースフィルム層20aの中央フィルム部21にその裏面側から同心的に粘着される。ここで、セパレータSpの半径は、上述のごとく、ベースフィルム層20aの中央フィルム部21の半径よりも上記所定値だけ小さくなるように設定されている。
【0168】
これにより、セパレータSpがシルク印刷層20cに対し位置ずれしても、当該セパレータSpの半径が、中央フィルム部21の半径よりも上記所定値だけ小さいので、セパレータSpが、その外周部にて、オフセット印刷層20bの外周側フィルム印刷部Sf側へはみ出すことはない。
【0169】
また、セパレータSpのベースフィルム層20aの中央フィルム部21及びシルク印刷層20cに対する貼着の際に、セパレータSpと中央フィルム部21及びシルク印刷層20cとの間に気泡が存在することがあっても、セパレータSpをその中央部から外周部にかけて中央フィルム部21及びシルク印刷層20cに一様に押圧するように貼着することにより、気泡を上述した内側気泡放出通路部及び外側気泡放出通路部を通しセパレータSpの外側へ押し出すことができる。従って、中央フィルム部21は、でこぼこすることなく一様に維持されるので、ベースフィルム層20aの見栄え、ひいては、化粧シートSの見栄えを損なうことなく良好に維持し得る。
【0170】
なお、セパレータSpは、その外周部にて、シルク印刷層20cの円周状シルク印刷パターン部でもって、中央フィルム部21に貼着されているので、当該セパレータSpは、その外周部にて、中央フィルム部21によりしっかりと保持され得る。
【0171】
然る後、次の7層積層体形成工程S8における処理を行う。この処理にあたり、粘着素材ロール130(
図16及び
図17参照)を準備する。この粘着素材ロール130は、
図16或いは
図17にて示すごとく、粘着素材層131、表面側離形層132及び裏面側離形層133を備えている。
【0172】
当該粘着素材ロール130において、粘着素材層131は、上述した日栄化工株式会社製のWF-D804型アクリル系粘着剤でもって、所定の厚さ50(μm)にて、長手状に形成されている。
【0173】
表面側離形層132は、所定の厚さ25(μm)を有するようにPETでもって形成されており、当該表面側離形層132は、その裏面にて、粘着素材層131の表面に沿い貼着されている。裏面側離形層133は、所定の厚さ75(μm)を有するようにPETでもって形成されており、当該裏面側離形層133は、その表面にて、粘着素材層131の裏面に沿い貼着されている。なお、表面側離形層132及び裏面側離形層133は、PETに限ることなく、ポリエステルであればよく、また、ポリプロピレンを含む熱可塑性樹脂であってもよい。
【0174】
しかして、このように準備した粘着素材ロール130を、ラミネータ140により、次のようにして、セパレータSp、シルク印刷層20c及びオフセット印刷層20bを介してベースフィルム層20aに粘着する。ここで、ラミネータ140は、
図16にて示すごとく、基台141、移動プレート142、支持ローラ143、捲き取りローラ144及び押圧ローラ145を備えている。
【0175】
移動プレート142は、基台141の上面上に
図16にて図示左右方向へ移動可能に載置されている。なお、当該移動プレート142は、図示しない駆動機構により、左方向或いは右方向に移動するように駆動される。
【0176】
支持ローラ143は、その軸にて、移動プレート142の直上において、
図16にて紙面に直角な方向に沿うように支持されており、当該支持ローラ143は、
図16にて図示反時計方向に回転する。
【0177】
捲き取りローラ144は、その軸にて、
図16の支持ローラ143の図示右側下方にて、支持ローラ143の軸に平行となるように、移動プレート142の直上にて支持されており、当該捲き取りローラ144は、
図16にて図示反時計方向に回転するように、回転機構(図示しない)により駆動される。また、押圧ローラ145は、その軸にて、支持ローラ143及び捲き取りローラ144の間において、捲き取りローラ144よりも下方に位置するように、移動プレート142の直上に支持されており、当該押圧ローラ145は、
図16にて図示時計方向に回転するようになっている。
【0178】
このような前提のもと、保護フィルム層20d、ベースフィルム層20a、オフセット印刷層20b、シルク印刷層20c及びセパレータSpからなる5層積層体を、
図16にて示すごとく、ラミネータ140の移動プレート152上に載置する。この載置は、上記5層積層体を移動プレート152と押圧ローラ83との間にて移動プレート152の
図16にて図示右側から左側への移動に伴い移動させるように行う。
【0179】
このようなラミネータ140の構成のもと、粘着素材ロール130を
図16にて示すごとく支持ローラ143に同軸的に支持する。そして、当該粘着素材ロール130の表面側離形層132の先端部を粘着素材層131の先端部から分離した後、当該裏面側離形層132をその先端部から捲き取りローラ144に
図16にて反時計方向巻きに捲き付ける。
【0180】
一方、粘着素材ロール130の粘着素材層131及び裏面側離形層133をその各先端部から押圧ローラ145と上記5層積層体との間に押し込む。このとき、裏面側離形層133は、その先端部にて、粘着素材層131の先端部の上側に位置し、粘着素材層131は、その先端部にて、上記5層積層体のセパレータSp及びシルク印刷層20cよりも左方にてオフセット印刷層20b上に位置する。これに伴い、上記5層積層体は、その保護フィルム層20dにて、移動プレート142上に載置されている。
【0181】
しかして、ラミネータ140が作動状態におかれると、移動プレート142が、基台141の上面に沿い
図16にて図示左方へ移動する。また、捲き取りローラ144が
図16にて図示反時計方向に回転すると、上記5層積層体においては、表面側離形層132が、粘着素材層131から順次剥がされつつ捲き取りローラ144により巻き取られるとともに、粘着素材層131が、表面側離形層132から剥がされつつ、裏面側離形層133と共に、移動プレート142の移動に伴い、押圧ローラ145の外表面との摩擦接触のもと当該押圧ローラ145を
図16にて図示時計方向に回転させながら、当該押圧ローラ145と上記5層積層体との間にて押圧されて粘着素材層131及び裏面側離形層133と共に左側へ移動していく。
【0182】
このとき、このような移動過程において、粘着素材層131が、押圧ローラ145により、上記5層積層体のセパレータSp及びオフセット印刷層20bの外周側オフセット印刷部Sfにその上側から押圧されて粘着されていく(
図16参照)。これにより、粘着素材層131が、セパレータSp及びオフセット印刷層20bの外周側オフセット印刷部Sfに押圧により粘着されつつ、セパレータSp及びオフセット印刷層20bの外周側オフセット印刷部Sfと一体となって、移動プレート142の左方への移動に応じて、上記5層積層体のベースフィルム層20a及び保護フィルム層20dと共に移動されていく。
【0183】
このような過程において、粘着素材層131が、そのオフセット印刷層20bの右端部に対する対応部位にて、当該オフセット印刷層20bの右端部に押圧により粘着されると、粘着素材ロール130が、裏面側離形層133及び粘着素材層131のオフセット印刷層20bの右端部(セパレータSp及びシルク印刷層20cの右方に位置する)に対する各対応部位にて、ラミネータ140によりそのカッター(図示しない)でもって切断される。
【0184】
このとき、粘着素材層131が粘着層30aとして切断され、裏面側離形層133が、裏面側離形シート133a(裏面側離形シート30c)として切断される(
図18参照)。しかして、上述のような粘着素材ロール130の切断でもって、裏面側離形シート133a(裏面側離形シート30c)、粘着層30a並びに上記5層積層体のセパレータSp、シルク印刷層20c、オフセット印刷層20b、ベースフィルム層20a及び保護フィルム層20dからなる7層積層体150(
図18参照)が形成される。
【0185】
上述のような切断は、新たな上記5層積層体毎になされて、対応の5層積層体は、対応の裏面側離形シート133a(裏面側離形シート30c)及び粘着層30aと共に、7層積層体150(
図18参照)として形成される。
【0186】
然る後、次の切り込み工程S9の処理がなされる。この処理では、7層積層体150が、次のようにして、トムソン抜き型160でもって、切り込まれる。
【0187】
トムソン抜き型160は、
図19にて示すごとく、板状型本体161、環状切りこみ刃162及び環状切断刃163を備えている。環状切りこみ刃162は、所定の環形状、即ち、遊技基板10の中央開口部11の内周面に沿う環形状でもって、裏面側離形シート133aから保護フィルム層20dにかけて切り込むように、板状型本体161の下面から下方へ突出して形成されている。
【0188】
ここで、当該環状切りこみ刃162の縦断面形状は、
図19にて示すごとく、板状型本体161の下面からくさび状にて鋭く末すぼまり状に立ち下がる形状となっている。なお、当該切りこみ刃162は、その外周面にて板状型本体161の下面から下方へ垂直状に立ち下がっており、当該切り込み刃162の内周面は、板状型本体161の下面から下方へかつ切りこみ刃162の外周面に達するように傾斜状に立ち下がることで、上記末すぼまり状の立ち下がり形状となっている。
【0189】
また、環状切断刃163は、所定の環形状、即ち、化粧シートSの外周面形状に対応する環形状でもって、環状切りこみ刃162の外周側にて、裏面側離形シート133aから保護フィルム層20dにかけて切り込むように、板状型本体161の下面から下方へ突出して形成されている。
【0190】
ここで、当該環状切断刃163の縦断面形状は、
図19にて示すごとく、板状型本体161の下面からくさび状にて鋭く末すぼまり状に立ち下がる形状となっている。ただし、環状切断刃163の板状型本体161の下面からの突出長さは、環状切りこみ刃162の板状型本体161の下面からの突出長さと同様になっている(
図19参照)。
【0191】
なお、当該環状切断刃163は、その内周面にて板状型本体161の下面から下方へ垂直状に立ち下がっており、当該切り込み刃162の外周面は、板状型本体161の下面から下方へかつ環状切断刃163の内周面に達するように傾斜状に立ち下がることで、上記末すぼまり状の立ち下がり形状となっている。
【0192】
しかして、このようなトムソン抜き型160の構成のもと、7層積層体150が、その保護フィルム層20dから、作業台L(
図19参照)の上面上に載置される。ついで、トムソン抜き型160が、その切りこみ刃162の先端部にて、7層積層体150を介し、遊技基板10の中央開口部11に同心的に対応して位置するように、7層積層体150の裏面側離形シート133a上に載置される。
【0193】
然る後、トムソン抜き型160が、その板状型本体161にて、プレス機(図示しない)により、下方(
図19の図示矢印方向)に沿い作業台Lの上面に向けて押圧される。これに伴い、トムソン抜き型160が、その環状切断刃163にて、7層積層体150を、化粧シートSの外周面形状に対応するように裏面側離形シート133aから保護フィルム層20dにかけて切断するとともに、環状切りこみ刃162にて、7層積層体150を、遊技基板10の中央開口部11の内周面形状に対応するように裏面側離形シート133aから保護フィルム層20dにかけて、順次、切り込む。
【0194】
これにより、7層積層体150は、その化粧シートSの外周に対する対応外側環状切り込み位置にて、環状切断刃163により切り込まれるとともに、遊技基板10の中央開口部11の内周に対する環状内側切り込み位置にて、環状切り込み刃162により切り込まれる(
図19参照)。このように切り込まれた7層積層体150(以下、切り込み済み7層積層体150aともいう)は、
図20(a)にて示すごとく、上記環状内側切り込み位置の内周側貼着体部位151及び上記環状内側切り込み位置と上記環状外側切り込み位置との間の貼着体部位152(上記内周側貼着体部位に対する外周側貼着体部位152)の双方に分離形成される。
本実施形態では、切り込み済み7層積層体150aの内周側貼着体部位151及び外周側貼着体部位152が、それぞれ、化粧シートSの中央化粧シート部位及び外周側化粧シート部位に対応する。このとき、切りこみ刃162による切り込み形状は、遊技基板10の中央開口部11の内周面に対応する環状形状となっており、また、環状切断刃163による切断形状は、化粧シートSの外周面形状となっている。
【0195】
然る後、装飾用シール打ち抜き工程S10において、専用の打ち抜き機(図示しない)でもって、上述した両オフセット印刷部1、両オフセット印刷部2、両オフセット印刷部3、両オフセット印刷部4、オフセット印刷部5及びオフセット印刷部6(
図15参照)が、それぞれに対するベースフィルム20aの各対応フィルム部位、シルク印刷層20cの各対応シルク印刷部位、セパレータSpの各対応セパレータ部位及び粘着層30aの各対応粘着部位とともに、切り込み済み7層積層体150aの内周側貼着体部位151(
図20(a)参照)から打ち抜かれる。
【0196】
ここで、両オフセット印刷部1及びこれに対するベースフィルム20aの各対応フィルム部位、シルク印刷層20cの各対応シルク印刷部位、セパレータSpの各対応セパレータ部位及び粘着層30aの各対応粘着部位からなる打ち抜き構成が、左右両側装飾用シール40bに対応し、両オフセット印刷部2及びこれに対するベースフィルム20aの各対応フィルム部位、シルク印刷層20cの各対応シルク印刷部位、セパレータSpの各対応セパレータ部位及び粘着層30aの各対応粘着部位からなる打ち抜き構成が、左右両側装飾用シール50bに対応し、両オフセット印刷部3及びこれに対するベースフィルム20aの各対応フィルム部位、シルク印刷層20cの各対応シルク印刷部位、セパレータSpの各対応セパレータ部位及び粘着層30aの各対応粘着部位からなる打ち抜き構成が、左右両側装飾用シール50cに対応する。
【0197】
また、両オフセット印刷部4及びこれに対するベースフィルム20aの各対応フィルム部位、シルク印刷層20cの各対応シルク印刷部位からなる打ち抜き構成が、セパレータSpの各対応セパレータ部位及び粘着層30aの各対応粘着部位とともに、左右両側ランプ部材の左右両側装飾用シール70bに対応し、オフセット印刷部5及びこれに対するベースフィルム20aの対応フィルム部位、シルク印刷層20cの対応シルク印刷部位、セパレータSpの対応セパレータ部位及び粘着層30aの対応粘着部位からなる打ち抜き構成が、スタートチャッカー部材の装飾用シール80bに対応し、また、オフセット印刷部6及びこれに対するベースフィルム20aの対応フィルム部位、シルク印刷層20cの対応シルク印刷部位、セパレータSpの対応セパレータ部位及び粘着層30aの対応粘着部位からなる打ち抜き構成が、スタートチャッカー部材の装飾用シール90bに対応する。
【0198】
なお、左右両側装飾用シール40bに対応する上記打ち抜き構成を、例として、
図20(b)に示す。当該打ち抜き構成は、オフセット印刷部1(
図15参照)、シルク印刷層20cのうちのオフセット印刷部1に対する対応シルク印刷部位1a、ベースフィルム層20aの中央フィルム部21のオフセット印刷部1に対する対応フィルム部位1b、セパレータSpのうちのオフセット印刷部1に対する対応セパレータ部位1c、当該対応セパレータ部位1cに対する粘着層30aの対応粘着部位1d、当該対応粘着部位1dに対する裏面側離形シート133aの対応離形シート部位1e及び中央フィルム部21の対応フィルム部位1bに対する保護フィルム層20dの対応フィルム部位1fでもって構成されている。残りの打ち抜き構成も、実質的に同様の構成となっている。
【0199】
ついで、遊技基板への粘着工程S11においては、切り込み済み7層積層体150aが、その外周側貼着体部位152にて、次のようにして、例えば、ビックラダー株式会社製専用貼り機170でもって、遊技基板10に貼り合わされる。
【0200】
ここで、専用貼り機170は、
図21にて示すごとく、基台171と、L字板状移動部材172と、ベルト駆動機構173と、押圧ローラ174とを備えている。L字板状移動部材172は、その板状脚部172aにて、基台171にその上面から下方に向け凹状に形成された凹所(図示しない)に沿い、ベルト駆動機構173による駆動に応じて、
図21にて図示左右方向に移動可能に支持されて上方へ延出している。
【0201】
また、L字板状移動部材172の板状腕部172bは、板状脚部172aの延出端部から
図21にて図示左方へL字状に折れ曲がって延出しており、当該板状腕部172bの延出端部には、押圧ローラ174が、その軸にて、
図21にて紙面の手前から奥に向くように支持されている。ここで、当該押圧ローラ174が、その外周面にて、後述のように基台171上に載置される遊技基板10の表面に沿い当接して回転するように、板状腕部172bの基台171の上面からの延出高さが設定されている。
【0202】
このような専用貼り機170の構成のもと、遊技基板10を、
図21にて示すごとく、L字板状移動部材172の左側に位置するように、基台10の上面上に載置する。このとき、遊技基板10が、その
図21にて図示右端部にて、押圧ローラ174の下端部直下近傍に位置するように、載置される。
【0203】
然る後、切り込み済み7層積層体150aが、その外周側貼着体部位152にて、裏面側離形シート133aを、把持して、
図21にて示すごとく、剥がしながら、残りの保護フィルム層20d、ベースフィルム層20a、オフセット印刷層20b、及び粘着層30aを、その各右端部にて、遊技基板10の表面の右端部と押圧ローラ174の下端部との間に押し付ける。
【0204】
ついで、L字板状移動部材172が基台171に沿い左方へ移動するようにベルト駆動機構173でもって駆動される。すると、L字板状移動部材172の左方への移動に伴い、保護フィルム層20d、ベースフィルム層20a、オフセット印刷層20b及び粘着層30aが、共に、遊技基板10の表面に、押圧ローラ174により所定の圧力範囲内の圧力でもって押圧される。
【0205】
本第1実施形態において、上記所定の圧力範囲は、粘着層30aの遊技基板10に対する粘着力を良好に確保し得る範囲以内の圧力であればよく、本第1実施形態では、例えば、3(kg/cm2)~4.7(kg/cm2)をいう。なお、当該圧力の上限は、4.7(kg/cm2)にかぎることなく、高い程好ましいが、粘着層30aの遊技基板10に対する押圧後その開放の際に粘着層30aの外形形状を原形状に復帰させ得る程度に設定するとよい。また、当該圧力の下限は、3(kg/cm2)に限らないが、粘着層30aの遊技基板10に対する粘着力を良好に確保し得るように設定するとよい。
【0206】
これにより、外周側貼着体部位152が、粘着層30aにて、その粘着作用により、遊技基板10の表面に粘着される。このことは、保護フィルム層20d、ベースフィルム層20a及びオフセット印刷層20bが、粘着層30aでもって、遊技基板10の表面に粘着されることを意味する。このとき、外周側貼着体部位152が、その中空部にて、遊技基板10の中央開口部11の中空部に対応する。
【0207】
ついで、装飾用シール貼着工程S12において、左右両側装飾用シール40b、左右両側装飾用シール50b、左右両側装飾用シール50c、左右両側装飾用シール70b、装飾用シール80b及び装飾用シール90bを、
図22~
図26にて示すごとく、貼着する。
【0208】
具体的には、
図20(b)にて示す打ち抜き構成、即ち、オフセット印刷部1(
図15参照)、シルク印刷層20cのうちのオフセット印刷部1に対する対応シルク印刷部位1a、ベースフィルム層20aの中央フィルム部21のオフセット印刷部1に対する対応フィルム部位1b、セパレータSpのうちのオフセット印刷部1に対する対応セパレータ部位1c、当該対応セパレータ部位1cに対する粘着層30aの対応粘着部位1d、当該対応粘着部位1dに対する裏面側離形シート133aの対応離形シート部位1e及び中央フィルム部21の対応フィルム部位1bに対する保護フィルム層20dの対応フィルム部位1fのうち、保護フィルム層20dの対応フィルム部位1fを中央フィルム部21の対応フィルム部位1bから剥がすとともに、セパレータSpの対応セパレータ部位1cを、粘着層30aの対応粘着部位1d及び裏面側離形シート133aの対応離形シート部位1eと共に、シルク印刷層20cの対応シルク印刷部位1aから剥がす。
【0209】
然る後、残りのオフセット印刷部1、シルク印刷層20cの対応シルク印刷部位1a、ベースフィルム層20aの中央フィルム部21の対応フィルム部位1bが、左右両側装飾用シール40bの各々として、シルク印刷層20cの対応シルク印刷部位1aにて、
図22にて示すごとく、センターフレーム部材40aの左右両側下フレームの各々に沿い貼着される。なお、
図22では、左側装飾用シール40bの上記左側下フレームに貼着される例を示す。
【0210】
ここで、上述のようにセパレータSpの対応セパレータ部位1cを、当該対応セパレータ部位1cに対する粘着層30aの対応粘着部位1dと共に、シルク印刷層20cの対応シルク印刷部位1aから剥がす根拠について説明する。
【0211】
仮に、左右両側装飾用シール40bの各々を、ベースフィルム層20aの中央フィルム部21の対応フィルム部位1b、オフセット印刷部1及び粘着層30aの対応粘着部位1dのみにより構成するものとする。この場合、例えば、かかる構成を有する左側装飾用シール40bを、センターフレーム部材40aの左側下フレームに粘着するにあたっては、作業者は、当該左側装飾用シール40bを片手で把持してセンターフレーム部材40aの左側下フレームに粘着することとなる。
【0212】
この場合、作業者が当該左側装飾用シール40bを片手の指で把持する際に、把持した片手の指が粘着層30aの対応粘着部位1dに触れると、当該片手の指が粘着層30aの粘着性のためにべとつき易い。これでは、左側装飾用シール40bをセンターフレーム部材40aの左側下フレームに粘着する作業を行い難く、その結果、当該粘着が良好に行うことができないという不具合を生ずる。
【0213】
そこで、このような不具合を解決するにあたり、本願の発明者は、化粧シートSの構成につき色々検討を加えた結果、本第1実施形態では、オフセット印刷層20bと粘着層30aとの間に、上述のごとく、シルク印刷層20c及びセパレータSpを介装することで、上記不具合を解決し得ることを見出した。
【0214】
具体的には、左右両側装飾用シール40bの各々に対応する打ち抜き構成を、上述のごとく、オフセット印刷部1と粘着層30aの対応粘着部位1dとの間に、シルク印刷層20cの対応シルク印刷部位1a及びセパレータSpの対応セパレータ部位1cを介装させるような構成とする。
そして、このような打ち抜き構成を左右両側装飾用シール40bの各々としてセンターフレーム部材40aの左右両側下フレームの各々に貼着するにあたっては、シルク印刷層20cの対応シルク印刷部位1aからセパレータSpの対応セパレータ部位を粘着層30aの対応粘着部位1dと共に剥がした上で、ベースフィルム層20aの中央フィルム部21の対応フィルム部位1b、オフセット印刷部1及びシルク印刷層20cの対応シルク印刷部位1aを、左右両側装飾用シール40bの各々として、センターフレーム部材40aの左右両側下フレームの各々に沿い貼着することとした。
【0215】
これによれば、このような貼着の際には、上述した粘着層30aの対応粘着部位1dが除去されているので、作業者は、左右両側装飾用シール40bの各々を把持しても、上述した粘着層30aの対応粘着部位1dの粘着によるべとつきを伴うことなく、センターフレーム部材40aの左右両側下フレームの各々に対する貼着を円滑にかつ良好に行うことができる。
【0216】
残りの左右両側装飾用シール50b、左右両側装飾用シール50c、左右両側装飾用シール70b、装飾用シール80b及び装飾用シール90bも、同様にして、以下のように、それぞれ、シルク印刷層20cの各対応シルク印刷部位にて、液晶パネル用カバー50aの上枠の左側部位及び左側枠部の各表面、左右両側サイドランプ70aの各表面、スタートチャッカー80aの表面及びアタッカー90aの表面に貼着される。
【0217】
即ち、左右両側装飾用シール50bが、その各シルク印刷層20cの対応シルク印刷部位にて、
図23にて示すごとく、液晶パネル用カバー50aの上枠の左右両側部位の各表面に貼着されるとともに、左右両側装飾用シール50cが、その各シルク印刷層20cの対応シルク印刷部位にて、
図23にて示すごとく、液晶パネル用カバー50aの左右両側枠部の各表面に貼着される。なお、
図23では、左側装飾用シール50b及び左側装飾用シール50cが、それぞれ、液晶パネル用カバー50aの上枠の左側部位及び左側枠部の各表面に貼着される例を示す。
【0218】
また、左右両側装飾用シール70bは、それぞれ、そのシルク印刷層20cの各対応シルク印刷部位にて、
図24にて例示するごとく、左右両側サイドランプ70aの各表面に貼着される。なお、
図24は、左側装飾用シール70bが、左側サイドランプ70aの表面に貼着される例を示す。
【0219】
装飾用シール80bは、そのシルク印刷層20cの各対応シルク印刷部位にて、
図25にて示すごとく、スタートチャッカー80aの表面に貼着される。また、装飾用シール90bが、そのシルク印刷層20cの各対応シルク印刷部位にて、
図26にて示すごとく、アタッカー90aの表面に貼着される。
【0220】
然る後、化粧シートSが、
図1にて示すごとく遊技基板10に貼着されて、当該遊技基板10と共に、遊技盤Pとして製造される。
【0221】
以上説明したように、本第1実施形態においては、高価な透明のポリカーボネート樹脂製或いは透明のアクリル樹脂製の遊技基板を活用して、オフセット印刷工程S4~装飾用シール貼着工程S12を所定の雰囲気温度の環境内で行って遊技盤を製造するようにした。
【0222】
ここで、装飾用シール貼着工程S12後上記所定の短時間内に化粧シートSの外周側化粧シート部位の異常或いは粘着層30aの外周側粘着部32と遊技基板10の外周側基板部12との間への異物の混入が発見されたときには、化粧シートSの外周側化粧シート部位を遊技基板10から剥がして新たな化粧シートの外周側化粧シート部位を遊技基板10に対しオフセット印刷工程S4~遊技基板への粘着工程S11を経て粘着し直す。
【0223】
上述した装飾用シール貼着工程S12後所定の短時間内であれば,遊技基板に対する化粧シートの粘着力は低い。従って、化粧シートの異常或いは粘着層と遊技基板との間に異物の混入が発見されたとき、化粧シートを遊技基板からきれいに剥がすことができる。これに伴い、高価なポリカーボネート樹脂或いは透明性アクリル樹脂からなる遊技基板の再利用が可能となる。
従って、新たな化粧シートを遊技基板に上述の各工程を経て良好に貼着し直すことが可能となる。このように、高価な遊技基板の再利用でもって無駄を無くすることで、省資源に貢献し得る。
また、各種盤部品のうちの液晶パネル60を除く残りの盤部品のいずれかの盤部品の異常或いは、当該いずれかの盤部品の表面と装飾用シールとの間への異物の混入が発見された場合には、当該装飾用シールを当該いずれかの盤部品から剥がした上で、予備として保有してある当該いずれかの盤部品のための装飾用シールを、装飾用シール貼着工程S12にて上述と同様に貼着し直す。なお、上述の予備用の盤部品のための装飾用シールは、最初の装飾用シール打ち抜き工程S10において予め打ち抜いておく。
【0224】
ここで、装飾用シールとしての盤部品表面オフセット印刷部を含む部位(中央化粧シート部位のうちの中央オフセット印刷部の盤部品表面オフセット印刷部に対する対応化粧シート部位)が、盤部品の表面にそれぞれ対応するベースフィルム層の対応フィルム部位、オフセット印刷層の対応オフセット印刷部位、シルク印刷層の対応シルク印刷部位、セパレータの対応セパレータ部位、粘着層の対応粘着部位でもって構成される。
【0225】
従って、装飾用シールを少なくとも1つの盤部品の表面に貼着するにあたっては、作業者は、当該装飾用シールの対応シルク印刷部から対応セパレータ部位を対応粘着部材部位と共に剥がした上で、当該装飾用シールをそのシルク印刷部位にて少なくとも1つの盤部品の表面に貼着することとなる。
【0226】
このことは、装飾用シールは、盤部品の表面にそれぞれ対応するベースフィルム層のフィルム部位、オフセット印刷層の中央オフセット印刷部位及びシルク印刷層のシルク印刷部位からなる構成にて、少なくとも1つの盤部品に貼着されることを意味する。
【0227】
このため、作業者が当該装飾用シールを少なくとも1つの盤部品の表面に貼着する際には、当該装飾用シールには、粘着部材の粘着層の対応粘着部位が存在しない。従って、作業者は、当該装飾用シールを手により把持して貼着作業を行う際に粘着層の粘着部位に触れて生じがちな手のべとつき等の発生を未然に防止しつつ円滑に貼着作業を終えることができる。
【0228】
また、シルク印刷層20cは、上述のごとく、円周状シルク印刷パターン部及び複数の輪郭状シルク印刷パターン部でもって構成される。
ここで、円周状シルク印刷パターン部は、上述のごとく、不連続なシルク印刷パターンとして構成されることから、セパレータSpの外周部とこれに対する中央フィルム部21の対応円周部位との間には上述した外側気泡放出通路部が形成される。
また、複数の輪郭状シルク印刷パターン部の各々は、上述のごとく、対応オフセット印刷部の輪郭に沿う不連続なシルク印刷パターンとして構成されることから、対応オフセット印刷部とこれに対するセパレータSpの対応セパレータ部位との間には、上述した内側気泡放出通路部が形成される。
従って、上述したごとく、セパレータ貼着工程S7において、気泡を内側連中孔部及び外側気泡放出通路部を通してセパレータの外側へ押し出すようにセパレータを上述のごとく貼着することで、気泡の存在に起因するでこぼこが中央フィルム部21に生ずることなく当該中央フィルム部21を一様な表面形状に維持し得る。従って、ベースフィルム20aの見栄えを良好に維持し得る。
【0229】
また、上述のように装飾用シールを切り取る内周側積層体部位は、化粧シートの中央化粧シート部位であることから、上述のような作用効果を、化粧シートをその中央部(中央化粧シート部位)を廃棄することなく当該中央部も含めて有効に活用し得て、化粧シートの無駄を省き経済的にし得る作用効果と共に達成し得る。
(第2実施形態)
図27は、本発明の第2実施形態の要部を示している。当該第2実施形態においては、上記第1実施形態にて述べたオフセット印刷工程S4が、
図27にて示す工程に変更されている。
【0230】
上記第1実施形態と同様に複数の貼着フィルム層60aが切断工程S3において切断形成されると、次のオフセット印刷工程S4において、貼着フィルム層60aの裏面、即ち、加飾フィルム部材20の裏面に、所定のオフセット印刷パターン(上記第1実施形態にて述べた所定のオフセット印刷パターン)を印刷し、さらにそれに重ねて所定の位置にホログラム箔を転写する。ホログラム箔は、通常、単一の光彩を放つ金属箔の表面に、レーザー光線の光の干渉現象を利用して立体的な輝きを表現する技術を要した特殊箔の一つである。本第2実施形態では、新しい加飾をホログラム箔により行うようになっている。
【0231】
本第2実施形態において、オフセット印刷工程S4は、
図27にて示すごとく、複数の工程S4a~S4cによって構成されている。まず、基本図柄のオフセット印刷工程S4aにおいては、オフセット印刷でもって上記所定のオフセット印刷パターンを印刷する。なお、印刷手法は、オフセット印刷に限らず、シルク印刷であってもよい。さらに、印刷手法ではなく他の手法、例えば、ホットスタンプやフィルム貼り合わせなどを用いてもよい。
【0232】
ついで、ホログラム箔を付ける糊の印刷工程S4bにおいて、シルク印刷にて、ホログラム箔を付着させるインク(糊)を印刷する。このインクとして、本第2実施形態では、透明なUV硬化型インク(樹脂)を用いている。
【0233】
次に、ホログラム箔の転写工程S4cにおいて、ホログラム箔を転写する。ホログラム箔は、ラミネータ(図示しない)により、転写される。
【0234】
以上のように、オフセット印刷工程S4が終了すると、次のシルク印刷工程S5にて、シルク印刷が、上記第1実施形態にて述べたように、ホログラム箔及びオフセット印刷層を介しベースフィルム層20aに対し行われる。
【0235】
然る後、上記第1実施形態にて述べたと同様にセパレータ形成工程S6以降の工程の処理が上記第1実施形態と同様に行われ、ホログラム箔を有する化粧シートが形成される。
これに伴い、当該ホログラム箔を有する化粧シートの外周側化粧シート部位が、上記第1実施形態と実質的に同様に、遊技基板10の外周側基板部12に対し粘着層により粘着される。また、各装飾用シールが、当該ホログラム箔を有する化粧シートの中央化粧シート部位から、上記第1実施形態と実質的に同様に、打ち抜かれた後、シルク印刷層の各装飾用シールに対する対応シルク印刷部位にて、各対応の盤部品の表面に貼着される。このようにして、ホログラム箔を有する遊技盤Pが製造される。
【0236】
以上説明したように、本第2実施形態では、上記第1実施形態にて述べた化粧シートが、上記第1実施形態にて述べた化粧シートSにホログラム箔を付加形成した構成となっていることで、加飾フィルム部材20には、新しい加飾、具体的には、レーザー光線がホログラム箔に照射され、印刷パターンの絵柄がホログラム箔を介して浮き出るといった新しい斬新な加飾による見映えのさらなる向上を図りつつ、上記第1実施形態にて述べたと同様に、化粧シートの無駄を省く作用効果その他の作用効果を達成することができる。
【0237】
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施形態に限ることなく、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)本発明の実施にあたり、上記各実施形態にて述べた製造工程の処理は、常温の10(℃)の環境で行うことに代えて、10(℃)以外の温度、例えば、0(℃)以上20(℃)未満の環境で行なうようにしてもよい。
(2)本発明の実施にあたり、上記第1実施形態にて述べた粘着層30の形成材料は、日栄化工株式会社製のWF-D804型アクリル系粘着剤に限ることなく、当該日栄化工株式会社製のD-8048048型アクリル系粘着剤、或いは上記WF-D804型アクリル系粘着剤と類似する粘着力特性を有する粘着剤であってもよい。
(3)本発明の実施にあたり、上記第1実施形態にて述べたベースフィルム層20aは、PETに限ることなく、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、キャブロイド(登録商標)や塩化ビニル樹脂で形成してもよく、また、上記第2実施形態にて述べた保護フィルムは、PETに限ることなく、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニルでもって形成するようにしてもよい。
(4)また、本発明の実施にあたり、上記各実施形態にて述べたベースフィルムロール100は、PETに限らず、一般的には、ポリエステル系樹脂でもって形成するようにしてもよく、また、上記各実施形態にて述べた保護フィルムロール110は、PETに限らず、一般的にはポリエステル系樹脂でもって形成するようにしてもよい。また、ベースフィルムロール100や保護フィルムロール110は、ポリエステル系樹脂に限ることなく、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、アクリル系樹脂、塩化ビニル樹脂或いはキャブロイド(登録商標)等のセルロース系樹脂その他の熱可塑性樹脂でもって形成するようにしてもよい。
(5)また、本発明の実施にあたり、遊技基板として、上記各実施形態とは異なり、透明性アクリル樹脂製遊技基板を採用してもよい。
(6)本発明の実施にあたり、遊技基板、粘着層及びベースフィルム層の各形成材料は、無色透明に限らず、有色透明であってもよく、要するに透光性を有すればよい。
(7)本発明の実施にあたり、化粧シートは、上記各実施形態とは異なり、遊技基板の裏面に粘着するようにしてもよい。
(8)本発明の実施にあたり、上記第1実施形態にて述べた専用貼り機120は、ビックラダー株式会社製に限ることなく、例えば、クライムプロダクツ株式会社製装飾用シール方式精密枚葉貼り合わせ機であってもよい。
(9)また、本発明の実施にあたり、上記第1実施形態においては、粘着素材層の形成材料として、日栄化工株式会社製のWF-D804型アクリル系粘着剤を採用した例について説明したが、これに限ることなく、粘着素材層の形成材料としては、日栄化工株式会社製のD-8048048型アクリル系粘着剤、或いは上記WF-D804型アクリル系粘着剤と類似する粘着力特性を有する粘着剤を採用してもよく、また、日栄化工株式会社製のWF-D501(25)型アクリル系粘着剤を採用してもよい。
【0238】
また、上述したD-8048048型アクリル系粘着剤に代えて、日栄化工株式会社製のX-20028型アクリル系粘着剤を採用してもよい。当該X-20028型アクリル系粘着剤は、低温の温度環境下における粘着力において、D-8048048型アクリル系粘着剤よりもより一層剥がれにくい粘着力を発揮するという粘着力特性を有する。
【0239】
当該X-20028型アクリル系粘着剤の粘着力特性については、複数の試料を準備して、D-8048048型アクリル系粘着剤との対比において、上記実施形態にて述べた引張り試験機により粘着力を測定することで調べてみた。なお、測定条件は、低温雰囲気内で、例えば、雰囲気温度5(℃)にて、複数の試料の各々を形成した後24(時間)経過した時点における粘着力を測定することとした。
【0240】
ここで、複数の試料としては、ステンレス試料及びPET試料を準備した。ステンレス試料としては、ステンレス試料1、2を準備した。ステンレス試料1は、D-8048048型アクリル系粘着剤(以下、第1接着剤という)からなる粘着層の剥離面を25(μm)の厚さのPETで裏打ちした後25(mm)×150(mm)の大きさに切断して粘着試料1とし、当該粘着試料1をステンレス鋼(厚さ360(mm)で研磨済み)からなるシートに貼り合わせて形成した。
一方、ステンレス試料2は、X-20028型アクリル系粘着剤(以下、第2接着剤という)からなる粘着層の剥離面を25(μm)の厚さのPETで裏打ちした後25(mm)×150(mm)の大きさに切断して粘着試料2とし、当該粘着試料2をステンレス鋼(厚さ360(mm)で研磨済み)からなるシートに貼り合わせて形成した。
【0241】
また、PET試料としては、PET試料11、PET試料12、PET試料21、PET試料22及びPET試料31、PET試料32を準備した。PET試料11は、粘着試料1を無印刷のPETからなるシートに貼り合わせて形成し、一方、PET試料12は、粘着試料2を無印刷のPETからなるシートに貼り合わせて形成した。
【0242】
PET試料21は、粘着試料1を無印刷のPETからなるシートに貼り合わせて形成し、一方、PET試料22は、粘着試料2を無印刷のPETからなるシートに貼り合わせて形成した。
【0243】
PET試料31は、粘着試料1をホロ印刷済みのPETからなるシートに貼り合わせて形成し、一方、PET試料22は、粘着試料2をホロ印刷済みのPETからなるシートに貼り合わせて形成した。
【0244】
しかして、上記第1実施形態と同様の引っ張り試験を行ったところ、ステンレス試料1、2は、その形成後、雰囲気温度5(℃)にて24(時間)の経過時において、共に、27.5(N/25(mm))の粘着力を発揮することが分かった。
【0245】
また、PET試料11、12において、雰囲気温度5(℃)にて24(時間)の経過時において、PET試料11は、14.5(N/25(mm))の粘着力を発揮するものの、PET試料12は、PET試料11よりも強い粘着力である18.6(N/25(mm))粘着力を発揮することが分かった。
【0246】
また、PET試料21、22において、雰囲気温度5(℃)にて24(時間)の経過時において、PET試料21は、21.5(N/25(mm))の粘着力を発揮するものの、PET試料22は、PET試料21よりも強い粘着力である23.5(N/25(mm))の粘着力を発揮することが分かった。
【0247】
また、PET試料31、32において、雰囲気温度5(℃)にて24(時間)の経過時において、PET試料31は、7.0(N/25(mm))の粘着力を発揮するものの、PET試料32は、PET試料31よりも強い粘着力である17.8(N/25(mm))の粘着力を発揮することが分かった。
【0248】
以上のように、5(℃)の雰囲気内における24(時間)経過時において、ステンレス試料2は、ステンレス試料1と同様の粘着力を発揮するにすぎず、従って、第2接着剤は、第1接着剤と同様の粘着力しか発揮しない。
【0249】
しかし、5(℃)の雰囲気内における24(時間)経過時において、各PET試料12、22、32は、それぞれ、各PET試料11、21、31よりも強い粘着力を発揮しており、第2接着剤は、第1接着剤よりも強い粘着力を発揮し得る。
【0250】
よって、5(℃)の雰囲気内における24(時間)経過時においては、第2接着剤であるX-20028型アクリル系粘着剤は、第1接着剤であるD-8048048型アクリル系粘着剤に比べて、より一層強い粘着力を発揮し得る。
【0251】
このようなことは、雰囲気温度を種々変えて粘着力を測定することにより、5(℃)の雰囲気内に限らず、9(℃)以下の低温雰囲気内において、成立することも分かった。
【0252】
その結果、X-20028型アクリル系粘着剤を粘着剤として利用すれば、D-8048048型アクリル系粘着剤を利用する場合に比べて、低温雰囲気内において、化粧シートSの遊技基板10からの剥がれをより一層良好に抑制し得る。なお、常温(例えば、10(℃)以上の雰囲気温度内においては、X-20028型アクリル系粘着剤は、D-8048048型アクリル系粘着剤とほぼ同様の粘着力特性を発揮する。
(10)本発明の実施にあたり、裏面側離形シート143aは、離形フィルムや離形紙等の他側離形シートとして把握してもよい。これにあわせて、表面側離形層142のうち裏面側離形シート143aに対応する部位を、離形フィルムや離形紙等の一側離形シートとして把握してもよい。従って、上記実施形態において、ラミネータ140の作動のもと、粘着素材層141から分離される粘着素材ロール130の表面側離形層143が、一連の一側離形シートの集まりと把握してもよい。
(11)また、本発明の実施にあたり、両オフセット印刷部1、環状構造体40の左右両側センターフレームのための装飾用シール40b(両オフセット印刷部1)、液晶パネル用カバー50の左右両側装飾用シール50b(両オフセット印刷部2)、液晶パネル用カバー50の左右両側装飾用シール50c(両オフセット印刷部3)、左右両側シール70b(両オフセット印刷部4)、装飾用シール80b(オフセット印刷部5)及び装飾用シール90b(オフセット印刷部6)は、それぞれ、予備用のものを含めて、複数(例えば、2つずつ)、中央オフセット印刷部Cfに印刷するようにしてもよい。
(12)また、本発明の実施にあたり、上記第2実施形態におけるオフセット印刷層20bの遊技基板10の中央開口部11に対する対応部位(上記第1実施形態にいう中央オフセット印刷部Cfに対応)において、上記第1実施形態にて述べた左右両側センターフレームのための装飾用シール40b(両オフセット印刷部1)、左右上側カバーのための装飾用シール50b(両オフセット印刷部2)、左右横側カバーのための装飾用シール50c(両オフセット印刷部3)、左右両側サイドランプのための左右両側装飾用シール70b(両オフセット印刷部4)、スタートチャッカーのための装飾用シール80b(オフセット印刷部5)及びアタッカーのための装飾用シール90b(オフセット印刷部6)を、それぞれ、予備用として印刷するようにしてもよく、また、センターフレーム、液晶パネル用カバー、左右両側サイドランプ、スタートチャッカーやアタッカーとは異なる盤部品用の装飾用シールを印刷するようにしてもよい。
(13)また、本発明の実施にあたり、上記第1実施形態とは異なり、装飾用シール貼着工程S12(
図11参照保持)の処理に代えて、左右両側フレームのための左右両側装飾用シール40b、左右上側カバーのための左右両側装飾用シール50b、左右両横側カバーのための左右両側装飾用シール50c、左右両側ランプのための左右両側装飾用シール70b、スタートチャッカーのための装飾用シール80b及びアタッカーのための装飾用シール90bを、センターフレーム部材40aの下フレームの左右両側部位、液晶パネル用カバー50aの上枠の左右両側部位、左右両側枠部、左右両側サイドランプ70a、スタートチャッカー80a及びアタッカー90aに貼着することなく、保持するようにしてもよい。この場合、装飾用シール打ち抜き工程S10の処理は、遊技基板への粘着工程S11の処理後に行い、装飾用シール貼着工程S12は行わなくてよい。
【0253】
以上によれば、需要者が、当該遊技盤を入手した後に、必要に応じて盤部品のための装飾用シールをそのシルク印刷部位にて少なくとも1つの盤部品の表面部に貼着することができるとともに、化粧シートをその中央部を廃棄することなく当該中央部も含めて有効に活用し得て、化粧シートの無駄を省き経済的である。
(14)また、本発明の実施にあたり、上記第1実施形態にて述べたシルク印刷パターンは、上述した円周状シルク印刷パターン部及び複数の輪郭状シルク印刷パターン部に限ることなく、必要に応じて適宜変形してもよい。
【0254】
要するに、シルク印刷パターンは、セパレータSpと中央フィルム部21及び中央オフセット印刷部との間に気泡が存在する場合に、当該気泡をセパレータSpと中央フィルム部21及び中央オフセット印刷部との間から押し出すことができるような各シルク印刷パターンを有すればよい。例えば、各オフセット印刷部の裏面及び中央フィルム部21の裏面に沿い分散配設される複数の小円板状シルク印刷パターン部であってもよい。これによれば、各両隣接小円板状シルク印刷パターン部の間にセパレータの外周側へ気泡を放出するに要する気泡放出通路を形成することか可能である。
(15)また、本発明の実施にあたり、装飾用シール貼着工程S12は、上述した所定の短時間内に行わなくてもよい。
(16)また、本発明の実施にあたり、上記第1実施形態において、装飾用シール打ち抜き工程S10は、遊技基板への粘着工程S11の後に行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0255】
R…ガイドレール、10…遊技基板、11…中央開口部、
20a…ベースフィルム層、20b…ベースフィルム、
20c…シルク印刷層、20d…保護フィルム層、30…粘着部材、
30a…粘着層、30b…表面側離形シート、30c…裏面側離形シート、
40…環状構造体、40b…左右両側フレームのための装飾用シール、
50…液晶パネル用カバー部材、50b…上側カバーのための装飾用シール、
50c…横側カバーのための装飾用シール、60…液晶パネル、
70…サイドランプ部材、80…スタートチャッカー部材、
80a…スタートチャッカー、
80b…スタートチャッカーのための装飾用シール、90…アタッカー部材、
100…ベースフィルムロール、110…保護フィルムロール、
120…積層フィルムロール体、120a…積層フィルム層、
140…粘着素材ロール、141…粘着素材層、142…表面側離形層、
143…裏面側離形層、160…5層貼着体、
100a…切り込み済み5層貼着体、S1…積層フィルムロール体形成工程、
S1…積層フィルムロール体形成工程、S2…積層フィルム層形成工程、
S3…切断工程、S4…オフセット印刷工程、S5…シルク印刷工程、
S7…セパレータ貼着工程、S8…7層積層体形成工程、
S9…切り込み工程、S10…装飾用シール打ち抜き工程、
S11…遊技基板への粘着工程、S12…装飾用シール貼着工程。