(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129851
(43)【公開日】2023-09-20
(54)【発明の名称】水道メーター、給水配管システム及び水道メーターの接続方法
(51)【国際特許分類】
E03B 7/07 20060101AFI20230912BHJP
G01F 1/06 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
E03B7/07 Z
G01F1/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022034146
(22)【出願日】2022-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】000201593
【氏名又は名称】前澤給装工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】田原 圭吾
(72)【発明者】
【氏名】田野井 隆
(72)【発明者】
【氏名】関口 革太郎
【テーマコード(参考)】
2F030
【Fターム(参考)】
2F030CC02
2F030CE13
(57)【要約】
【課題】水道メーターのコストダウンと接合作業の安定性を確保し、かつ、取り外した後の再利用価値を低減させて盗難を防止することができる水道メーターを提供することを課題とする。
【解決手段】水道メーター1は、内部が計量室20となっていて、計量室20に連通する流入口2b及び流出口2cを有する下ケース2と、下ケース2の上面開口部2dを閉塞する上ケース3と、を備えている。下ケース2の流入口2b及び流出口2cには、他の部材5を接続するための円筒形状の接続部2e,2fが形成されている。下ケース2全体または接続部2e,2fが樹脂製である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部が計量室となっていて、前記計量室に連通する流入口及び流出口を有する下ケースと、
前記下ケースの上面開口部を閉塞する上ケースと、
を備えた水道メーターであって、
前記下ケースの前記流入口及び前記流出口には、他の部材を接続するための円筒形状の接続部が形成され、
前記下ケース全体または前記接続部が樹脂製である
水道メーター。
【請求項2】
前記接続部は、前記他の部材に電気融着接合、バット融着接合、あるいは、接着することで接合される
請求項1に記載の水道メーター。
【請求項3】
前記下ケース全体または前記接続部を形成する樹脂材料が、高密度ポリエチレン/PE100である
請求項1または請求項2に記載の水道メーター。
【請求項4】
前記他の部材は、前記水道メーターの接続部に接続される円筒形状の樹脂製の被接続部を有する流入管、流出管、止水栓、逆止弁あるいは継手である
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の水道メーター。
【請求項5】
水道メーターを備えた給水配管システムであって、
前記水道メーターの円筒形状の樹脂製の接続部を電気融着接合、バット融着接合、あるいは、接着して他の部材の被接続部に接続した
給水配管システム。
【請求項6】
水道メーターを他の部材に接続するための水道メーターの接続方法であって、
前記水道メーターの円筒形状の樹脂製の接続部を電気融着接合、バット融着接合、あるいは、接着して前記他の部材の被接続部に接続する
水道メーターの接続方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道メーター、給水配管システム及び水道メーターの接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、水道メーターの下ケースは、青銅等の金属材料によって形成されている。金属製の下ケースと他の部材とを接続する接続部は、雄ねじが形成されて、他の部材に形成された雌ねじと締め付けることで、下ケースと他の部材とを接続している。青銅等の金属材料によって形成された金属製の下ケースは、重量が重く、高価であるという問題点があった。
【0003】
その問題点を解消したものとしては、例えば、特許文献1に記載された水道メーターケースが知られている。特許文献1に記載された水道メーターケースは、下ケースを樹脂製にして軽量化させると共に、下ケースの底壁部にリブを形成して強度アップを図っている。その下ケースの他部材と接続する接続部には、雄ねじが形成されて、他の部材に形成された雌ねじと接続している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に使用されている水道メーターの主要部は、青銅等の金属製であるので、素材価格が高価なため、水道メーターが転売目的で盗難されてしまうおそれがある。
また、特許文献1に記載されている水道メーターケースや、一般に使用されている水道メーターは、接続部がゴム製のパッキンを介在してねじ止めするねじ接合であるので、着脱が容易なため盗難されるおそれがある。
また、水道メーターのねじ部が樹脂製の場合は、作業者による締込量の違い、及び、捻じ込み量が相違する。このため、水道メーターのねじ部は、締め込み過ぎにより、ねじが破損し漏水が発生するおそれがある。
【0006】
本発明はこのような問題点を解決するために創作されたものであって、水道メーターのコストダウンと接合作業の安定性を確保し、かつ、取り外した後の再利用価値を低減させて盗難を防止することができる水道メーター、給水配管システム及び水道メーターの接続方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明は、内部が計量室となっていて、前記計量室に連通する流入口及び流出口を有する下ケースと、前記下ケースの上面開口部を閉塞する上ケースと、を備えた水道メーターであって、前記下ケースの前記流入口及び前記流出口には、他の部材を接続するための円筒形状の接続部が形成され、前記下ケース全体または前記接続部が樹脂製である。
【0008】
また、本発明は、水道メーターを備えた給水配管システムであって、前記水道メーターの円筒形状の樹脂製の接続部を電気融着接合、バット融着接合、あるいは、接着して他の部材の被接続部に接続した。
【0009】
また、本発明は、水道メーターを他の部材に接続するための水道メーターの接続方法であって、前記水道メーターの円筒形状の樹脂製の接続部を電気融着接合、バット融着接合、あるいは、接着して前記他の部材の被接続部に接続する。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、水道メーターのコストダウンと接合作業の安定性を確保し、かつ、取り外した後の再利用価値を低減させて盗難を防止することができる水道メーター、給水配管システム及び水道メーターの接続方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る水道メーター、給水配管システム及び水道メーターの接続方法の一例を示す正面図である。
【
図2】水道メーターの接続部に他の部材を電気融着接合するときの状態を示す正面図である。
【
図3】水道メーターの接続部に他の部材をバット融着接合するときの状態を示す正面図である。
【
図4】水道メーターの接続部に他の部材を接着するときの状態を示す正面図である。
【
図5】水道メーターの接続部に止水栓と逆止弁を接続したときの状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1~
図5を参照して本発明の実施形態に係る水道メーター1、給水配管システム100及び水道メーター1の接続方法を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る水道メーター1、給水配管システム100及び水道メーター1の接続方法の一例を示す正面図である。
なお、方向を説明する際は、
図1に示す流入管51側を左(一次側)、流出管52側を右(二次側)、水道メーター1の蓋体4側を上、水道メーター1の下ケース2側を下として説明する。
【0013】
≪給水配管システム≫
図1に示す給水配管システム100は、給水管(図示省略)から水道メーター1を介在して水道水を住宅に供給するめのシステムである。給水配管システム100は、水道メーター1と、水道メーター1の流入口2b側に設けられた他の部材5(流入管51)と、水道メーター1の流出口2c側に設けられた他の部材5(流出管52)と、を主に備えて成る。
図1~
図5に示すように、給水配管システム100は、水道メーター1の円筒形状の樹脂製の接続部2e,2fを電気融着接合、バット融着接合、あるいは、接着剤で接着して他の部材5の被接続部51a,52aに接続している。このため、給水配管システム100は、水道メーター1を他の部材5から容易に取り外せないように接続されている。
なお、電気融着接合、バット融着接合及び接着については、後で詳しく説明する。
【0014】
≪水道メーター≫
図1に示すように、水道メーター1は、住宅で使用される水道水の供給量を計測するための計器である。水道メーター1は、内部に計量室20を形成した下ケース2と、下ケース2の上面開口部2dの外周縁部に設けられた上ケース3と、上ケース3に取付けられる蓋体4と、を備えている。
【0015】
<下ケース>
下ケース2は、下ケース本体2aと、流入口2bと、流出口2cと、上面開口部2dと、給水側の接続部2eと、吐出側の接続部2fと、を有している。下ケース2全体または接続部2e,2fは、樹脂によって形成されている。水道メーター1は、下ケース2全体または接続部2e,2fを樹脂製にすることで、青銅等の金属部分が少ないため、製品のコストダウンと、金属素材の削減と、融着または接着による他の部材5との一体化と、が可能になっている。これにより、水道メーター1は、盗難し難くすることができるため、盗難を減少させることが見込める。
【0016】
下ケース本体2aは、下ケース2全体を形成している。下ケース本体2aは、羽根車(図示省略)を収容する計量室20を形成している。下ケース本体2aは、例えば、高密度ポリエチレン/PE100の樹脂材料によって形成されている。
【0017】
流入口2bは、水道水が計量室20内に流れ込む供給口を形成している。流入口2b及び流出口2cは、計量室20に連通する円筒形状に形成されている。下ケース2において、少なくとも、流入口2b及び流出口2cは、高密度ポリエチレン/PE100等の樹脂材料によって形成されている。
流出口2cは、水道水が計量室20から流れ出る吐出口である。
上面開口部2dは、計量室20の上部に形成された開口部である。
【0018】
接続部2e,2fは、水道メーター1と他の部材5とを接続する部分である。接続部2e,2fは、円筒形状に形成されている。接続部2e,2fは、電気融着接合、バット融着接合、あるいは、接着して他の部材5の被接続部51a,52aに接続されている。
【0019】
給水側(一次側)の接続部2eは、流入管51側の端部外周部に形成されている。
吐出側(二次側)の接続部2fは、流出管52側の端部外周部に形成されている。
【0020】
<上ケース>
上ケース3は、水道メーター1の上部を形成する部材である。上ケース3は、下ケース2の上面開口部2dの外周部に装着された環状部材から成る。上ケース3は、青銅等の金属、または、高密度ポリエチレン/PE100等の樹脂材料によって形成されている。
【0021】
<蓋体>
蓋体4は、環状の上ケース3に取付けられた部材である。蓋体4は、上ケース3の上部に回動自在に軸支された略円形の厚板材から成る。蓋体4は、青銅等の金属、または、高密度ポリエチレン/PE100等の樹脂材料によって形成されている。
【0022】
≪他の部材≫
図1に示すように、他の部材5は、水道メーター1の接続部2e,2fに接続される水道メーター1以外の接続可能な水道用部材及び水道用部品である。他の部材5は、水道メーター1の接続部2e,2fに接続される円筒形状の樹脂製の被接続部51a,52a,52Aa,52Ba(
図2~
図5参照)を有している。他の部材5は、例えば、流入管51、流出管52,52A,52B、継手53(
図4参照)、止水栓54(
図5参照)あるいは逆止弁55(
図5参照)等である。
【0023】
<流入管及び流出管>
図1に示すように、流入管51は、水道メーター1の流入口2b側の接続部2eに接続される配管である。流出管52は、水道メーター1の流出口2c側の接続部2fに接続される配管である。流入管51及び及び流出管52は、水道メーター1の接続部2e,2fと同じ樹脂製の配管から成る。つまり、流入管51及び及び流出管52は、高密度ポリエチレン/PE100等の樹脂によって形成されている。流入管51及び及び流出管52に使用される管は、ISO 4427 Plastics piping systems for water supply, and for drainage and sewerage under pressure - Polyethylene (PE)の管が使用される。その流入管51及び及び流出管52の材料グレードは、高密度ポリエチレン/PE100でSDRが7.4~41である。そのうち水道用に適している管の仕様は、SDRが11~17であることが望ましい。
【0024】
流入管51及び流出管52は、水道メーター1の接続部2e,2fに電気融着接合、バット融着接合、あるいは、接着剤による接着によって接続可能な樹脂によって形成されている。流入管51及び及び流出管52は、水道メーター1の接続部2e,2fに融着または接着されることで、樹脂製の流入管51及び及び流出管52と、接続部2e,2fとの樹脂同士を接続して一体化されている。このため、水道メーター1の接続部2e,2fに取り付けられた流入管51及び及び流出管52は、ねじ接合よりも分離し難く、水道メーター1を流入管51及び及び流出管52から容易に取り外すことができず、再接続も困難である。その結果、水道メーター1は、容易に盗難されない構造にすることができる。
【0025】
図2は、水道メーター1の接続部2e,2fに他の部材5(流出管52A)を電気融着接合するときの状態を示す正面図である。
水道メーター1の接続部2e,2fに、流入管(図示省略)や流出管52Aを電気融着接合する場合を、
図2に示すように、水道メーター1の接続部2fと、流出管52Aとを融着する場合を例に挙げて説明する。
【0026】
その場合は、接続部2fと、流出管52Aの被接続部52Aaとに電気融着継手6を取り付けて、ターミナル52Abまたは52Adから電気コイル52Acに電気を供給して電気コイル52Acで発熱した熱により、接続部2fと電気融着継手6、流出管52Aの被接続部52Aaと電気融着継手6を融着させて接合させる。このようにして水道メーター1の接続部2fに接続された電気融着継手6と流出管52Aは、接続部2fから簡単には取り外すことができないように融着される。
【0027】
なお、電気コイル52Acは、水道メーター1の上部に配置された不図示の本体計器部から離間した位置に配置されるため、電気コイル52Acの熱が下ケース本体2aや本体計器部(図示省略)に伝わって熱の影響を与えることがない。
【0028】
図3は、水道メーター1の接続部2e,2fに他の部材5(流出管52B)をバット融着接合するときの状態を示す正面図である。
水道メーター1の接続部2e,2fに、流入管(図示省略)や流出管52Bをバット融着接合する場合を、
図3に示すように、水道メーター1の接続部2fと、流出管52Bとを融着する場合を例に挙げて説明する。
【0029】
その場合は、接続部2fと、流出管52Bにヒータ7を使用して、接続部2fと流出管52Bを熱で溶融させてから圧着させることでビード2g,52Baが発生して、接合される。このようにして水道メーター1の接続部2fに接続された流出管52Bは、接続部2fから簡単には取り外すことができないように熱融着される。
【0030】
なお、ヒータ7は、水道メーター1の上部に配置された不図示の本体計器部から離間した位置で使用されるため、ヒータ7の熱が下ケース本体2aや本体計器部(図示省略)に伝わって熱の影響を与えることがない。
【0031】
図4は、水道メーター1の接続部2e,2fに他の部材5(流出管52C)を接着するときの状態を示す正面図である。
【0032】
その場合は、接続部2fの外周面と、流出管52Cの被接続部52Caの外周面とにそれぞれ接着剤(図示省略)を塗布すると共に、継手53の内周面である被接続部53a及び管接続部53bに接着剤(図示省略)を塗布する。そして、接続部2fの外周面に継手53の被接続部53aを嵌めて、接続部2fと継手53とを接着剤(図示省略)で接合すると共に、継手53の管接続部53b内に流出管52の被接続部52Caを嵌めて、継手53と流出管52Cとを接着剤(図示省略)で接合する。このようにして水道メーター1の接続部2fに継手53を介在させて接続された流出管52Cは、接続部2fから簡単には取り外すことができないように接着される。
【0033】
<止水栓>
図5は、水道メーター1の接続部2e,2fに止水栓54と逆止弁55を接続したときの状態を示す正面図である。
図5に示すように、止水栓54は、水を一次側配管側から水道メーター1側に流すために開栓したり、水を止めるために閉栓したりするための栓である。止水栓54は、例えば、ボール止水栓から成る。このため、水道水は、止水栓54を開弁することで、流入口2bから水道メーター1を介在して流出口2c側に流れるようになっている。止水栓54は、止水栓ハウジング54aと、止水栓ハンドル54bと、止水栓ボール弁体54cと、給水側接続部54dと、吐出側接続部54eと、被接続部54fと、接続用樹脂製配管54gと、ストレーナ54hと、を有している。
【0034】
止水栓ハウジング54aは、止水栓54の外ケースを形成する部材である。止水栓ハウジング54aは、青銅鋳物等の金属、または、樹脂材料によって形成されている。
止水栓ハンドル54bは、止水栓54を開栓、閉栓するときに回動操作するための操作部材である。
【0035】
止水栓ボール弁体54cは、止水栓ハンドル54bの軸心部から下方向に延設されたスピンドル(図示省略)に連結された弁体である。止水栓ハンドル54bとスピンドル(図示省略)と止水栓ボール弁体54cとは、連結されて一体に回動する。
ストレーナ54hは、止水栓ボール弁体54cの二次側に配置され、水道メーター1の計測に影響する給水内の異物を除去する。止水栓ボール弁体54cを閉栓し、例えば、ストレーナ54hを上側に取外してストレーナ54h内に蓄積した異物を除去する。なお、ストレーナ54hは、止水栓54と別部材でも良い。
【0036】
給水側接続部54dは、水道水が止水栓54内に流れ込む箇所であり、不図示の配管が接続されている。
吐出側接続部54eは、止水栓54から水道水が流れ出る箇所であり、被接続部54fが取り付けられている。
【0037】
被接続部54fは、水道メーター1の流入側の接続部2eに、止水栓54を接続するための箇所である。被接続部54fは、接続用樹脂製配管54gから成る。接続用樹脂製配管54gの給水側は、吐出側接続部54eにねじ手段等によって接続されている。接続用樹脂製配管54gの吐出側の被接続部54fは、水道メーター1の流入側の接続部2eに、例えば、電気融着継手6によって接続されている。
なお、吐出側接続部54eや被接続部54fは、バット融着や、接着剤による接着で接続してもよく、接続用樹脂製配管54gを一体に形成しても良い。
【0038】
<逆止弁>
図5に示すように、逆止弁55は、通常、水道水が止水栓54から水道メーター1を介して逆止弁55側に流れるが、その逆方向に水が流れるのを自動的に閉弁して規制するバルブである。逆止弁55は、水道メーター1の接続部2fに接続されている。逆止弁55は、逆止弁本体55aと、逆止弁用弁体55bと、給水側接続部55cと、吐出側接続部55dと、被接続部55eと、接続用樹脂製配管55fと、を備えて構成されている。
【0039】
逆止弁本体55aは、逆止弁55の外側ハウジングとしての機能を有する筒状のケース部材である。逆止弁本体55aは、青銅鋳物等の金属、または、樹脂材料によって形成されている。
逆止弁用弁体55bは、逆止弁本体55a内に設けられた不図示の弁座を閉塞、開放可能に配置されている。
【0040】
給水側接続部55cは、水道メーター1から流れ出た水道水が逆止弁55内に流れ込む箇所である。給水側接続部55cは、逆止弁本体55aの給水側にゴム製のパッキン(図示省略)を介在して設けられた袋ナットから成る。
吐出側接続部55dは、逆止弁55から水道水が流れ出る箇所である。吐出側接続部55dは、逆止弁本体55aの吐出側にゴム製のパッキン(図示省略)を介在して設けられた袋ナットから成る。
【0041】
被接続部55eは、水道メーター1の吐出側の接続部2fに、逆止弁55を接続するための箇所である。被接続部55eは、接続用樹脂製配管55fから成る。接続用樹脂製配管55fの給水側の被接続部55eは、水道メーター1の吐出側の接続部2fに、例えば、電気融着継手6によって接続されている。このほか、被接続部55eは、水道メーター1の吐出側の接続部2fに、バット融着や接着で接続してもよい。接続用樹脂製配管55fの吐出側は、給水側接続部55cにねじ手段等によって給水側接続部55c接続されている。このほか、電気融着やバット融着や接着で接続してもよく、接続用樹脂製配管55fを一体に形成しても良い。
【0042】
[作用]
次に、
図1を主に参照して、本発明の実施形態に係る水道メーター1、給水配管システム100及び水道メーター1の接続方法の作用を説明する。
【0043】
まず、
図1に示すように、水道メーター1の給水側の樹脂製の接続部2eに、樹脂製の他の部材5(例えば、流入管51)を電気融着接合、バット融着接合、あるいは、接着することで接合する。
次に、水道メーター1の吐出側の樹脂製の接続部2fに、樹脂製の他の部材5(例えば、流出管52)を、電気融着接合、バット融着接合、あるいは、接着することで接合する。
【0044】
このようにして水道メーター1の接続部2e,2fと、接続部2e,2fに接続された他の部材5(流入管51及び流出管52)は、両者とも樹脂製であるので、青銅等の金属製のものと比較して、コストが低く軽いため、コストダウン及び軽量化を図ることができる。
【0045】
また、水道メーター1の接続部2e,2fに接続された他の部材5(流入管51及び流出管52)は、電気融着接合、バット融着接合、あるいは、接着することで接合されているので、ねじ手段で接合させた場合と比較して、ゴム製のパッキンを使用しないため、管軸方向の位置ズレが発生するのを抑制することができる。その結果、水道メーター1は、ねじ接合による締め込みでないので、作業者による施工品質の違いを解消させて、どの作業者が水道メーター1と取り付けても管軸方向に位置ズレ、ねじの破損が発生することなく取り付けることができるため、接続品質を安定化させることができる。
【0046】
また、他の部材5(流入管51及び流出管52)に接続された水道メーター1は、電気融着接合、バット融着接合、あるいは、接着して他の部材5に接続されているので、ねじ手段で接続した場合と比較して取り外す難い。このため、水道メーター1の盗難を抑制することができる。
【0047】
以上のように、本発明は、
図1に示すように、内部が計量室20となっていて、計量室20に連通する流入口2b及び流出口2cを有する下ケース2と、下ケース2の上面開口部2dを閉塞する上ケース3と、を備えた水道メーター1であって、下ケース2の流入口2b及び流出口2cには、他の部材5を接続するための円筒形状の接続部2e,2fが形成され、下ケース2全体または接続部2e,2fが樹脂製である。
【0048】
かかる構成によれば、水道メーター1は、下ケース2全体または接続部2e,2fが樹脂製であるので、水道メーター1のコストダウンと接合作業の安定性を確保し、かつ、取り外した後の再利用価値を低減させたことで、盗難され難くすることが可能である。水道メーター1の下ケース2全体または他の部材5との接続部2e,2fを樹脂製としたことで、水道メーター1の流入口2b、流出口2cを、他の部材5に電気融着接合、バット融着接合あるいは接着で接続可能とすることができる。このため、水道メーター1は、他の部材5から取り外し難くすることができるので、盗難を防止することができる。
【0049】
また、
図1~
図4に示すように、接続部2e,2fは、他の部材5に電気融着接合、バット融着接合、あるいは、接着することで接合される。
【0050】
かかる構成によれば、水道メーター1の接続部2e,2fは、他の部材5に電気融着接合、バット融着接合、あるいは、接着することで接合されるので、他の部材5から取り外し難くすることができるため、水道メーター1の盗難を防止することができる。
【0051】
また、
図1に示す下ケース2全体または接続部2e,2fを形成する樹脂材料が、高密度ポリエチレン/PE100である。
【0052】
かかる構成によれば、下ケース2全体または接続部2e,2fの樹脂材料が、高密度ポリエチレン/PE100であることで、下ケース2全体の強度または接続部2e,2fの強度を向上させて軽量化を図ることができる。
【0053】
また、
図1~
図5に示すように、他の部材5は、水道メーター1の接続部2e,2fに接続される円筒形状の樹脂製の被接続部51a,52a,52Aa,52Baを有する流入管51、流出管52,52A,52B、止水栓54、逆止弁55あるいは継手53である。
【0054】
かかる構成によれば、他の部材5は、樹脂製の被接続部51a,52a,52Aa,52Baを有する流入管51、流出管52,52A,52B、止水栓54、逆止弁55あるいは継手53である。このため、他の部材5は、少なくとも被接続部51a,52a,52Aa,52Baを樹脂製にしていることで、軽量化及びコストダウンを図ることができる。
【0055】
また、本発明は、
図2~
図4に示すように、水道メーター1を備えた給水配管システム100であって、水道メーター1の円筒形状の樹脂製の接続部2e,2fを電気融着接合、バット融着接合、あるいは、接着して他の部材5の被接続部51a,52a,52Aa,52Baに接続している。
【0056】
かかる構成によれば、本発明の給水配管システム100は、水道メーター1の接続部2e,2fを電気融着接合、バット融着接合、あるいは、接着して他の部材5に接続しているので、他の部材5を外せないようにしっかりと接合させることができる。このため、水道メーター1は、他の部材5から取り外して盗難されるのを防止することができる。
【0057】
また、本発明は、
図2~
図4に示すように、水道メーター1を他の部材5に接続するための水道メーター1の接続方法であって、水道メーター1の円筒形状の樹脂製の接続部2e,2fを電気融着接合、バット融着接合、あるいは、接着して他の部材5の被接続部51a,52a,52Aa,52Baに接続する。
【0058】
かかる構成によれば、本発明の水道メーター1の接続方法は、水道メーター1の円筒形状の樹脂製の接続部2e,2fを電気融着接合、バット融着接合、あるいは、接着して他の部材5に接続するので、他の部材5を外せないようにしっかりと接合させることができる。このため、水道メーター1は、他の部材5から取り外して盗難されるのを防止することができる。
【0059】
[変形例]
以上、本実施形態に係る水道メーター1、給水配管システム100及び水道メーター1の接続方法について、
図1~
図5を参照して詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 水道メーター
2 下ケース
2b 流入口
2c 流出口
2d 上面開口部
2e,2f 接続部
3 上ケース
5 他の部材
20 計量室
51 流入管
51a,52a,52Aa 被接続部
52,52A,52B 流出管
53 継手
54 止水栓
55 逆止弁
100 給水配管システム